JP2007285465A - 複数段間欠駆動機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達させる。
【解決手段】入力歯車10に噛み合うことで従動して動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって入力歯車と噛み合う複数の歯部21,22および歯欠け部23,24を有し,動力を出力対象に,1回転につき複数回間欠的に伝達する歯欠け歯車20と,歯欠け歯車とともに回転する係合部25,26と,係合部に係脱する作動子30の作動手段31と,歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合って,歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車40の側面と歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架され,歯欠け歯車の歯部が入力歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネ50を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は,歯欠け歯車を用いた間欠駆動機構に関する。特に,歯欠け歯車の1回転につき複数回,動力伝達をON/OFFできるようにした複数段間欠駆動機構に関するものである。
従来の歯欠け歯車を用いた間欠駆動(間欠的動力伝達)機構は,
駆動力を入力する入力歯車と,
この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,前記入力歯車と噛み合う1つの歯部および,前記入力歯車と噛み合わない1つの歯欠け部とを有し,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき1回伝達する歯欠け歯車と,
この歯欠け歯車と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する,1つの係合部と,
この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
この駆動機構のフレームあるいは前記作動子と,前記歯欠け歯車の側面との間に張架され,歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネと,
を備えている(例えば特許文献1〜3)。
また,上記引っ張りバネに代えて,フレームと,歯欠け歯車の側面に設けたカム部との間にネジリバネを設け,ネジリバネの一端をカム部に当接させることで歯欠け歯車を付勢する構成とした間欠駆動機構も知られている(例えば特許文献4)。
このような間欠駆動機構は,上記作動子が係合部から外れると,引っ張りバネあるいはネジリバネの付勢力により歯欠け歯車が,その歯部が入力歯車と噛み合うように回転し,歯欠け歯車の歯部が入力歯車と噛み合って回転することで,入力歯車の動力が,出力対象(例えば前記歯欠け歯車が固定されている軸)に伝達される機構であり,例えば歯欠け歯車が固定されている軸に固定した給紙ローラを,給紙動作時に丁度1回転させるための機構として用いられている。
特開平7−228368号公報 特開平8−226517号公報 特開平11−190410号公報 特開平7−304541号公報
上述した従来の間欠駆動機構は,歯欠け歯車が1回転することで動力を1回伝達する機構であるから,歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達することはできない。
したがって,例えば,画像形成装置における二次転写ローラを中間転写体に対して接離させる機構等には使用し得ない。
歯欠け歯車における歯部および歯欠け部を複数とすれば,歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達させることが可能になるのではあるが,上述した従来技術のうち,フレーム(あるいは作動子)と,歯欠け歯車の側面との間に引っ張りバネを張架した構成(特許文献1〜3)では,歯欠け歯車が1回転することによって,引っ張りバネが原位置に復帰して歯欠け歯車を,入力歯車と噛み合う方向へ付勢し得る状態となる構成であるから,歯欠け歯車を,1回転する過程で一旦停止させた場合には,歯欠け歯車の歯部を再び入力歯車に噛み合わせることができなくなるか,あるいは,再び噛み合わせることができたとしても原位置にある引っ張りバネによる付勢力とは異なる付勢力で歯欠け歯車を付勢することとなるから,適切な噛み合いタイミングあるいは噛み合わせ力が得られなくなるおそれがある。したがって,このような従来技術では,歯欠け歯車における歯部および歯欠け部を複数としたとしても,歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達させるのに適切な機構を実現することはできない(あるいは非常に困難である)。
一方,フレームと,歯欠け歯車の側面に設けたカム部との間にネジリバネを設け,ネジリバネの一端をカム部に当接させることで歯欠け歯車を付勢する構成とした従来技術(特許文献4)の場合,歯欠け歯車における歯部および歯欠け部を複数とし,その形状に適合させたカム形状とすれば,歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達させることが可能になると考えられる。
しかしながら,ネジリバネの一端をカム部に当接させることで歯欠け歯車を付勢する構成の場合,ネジリバネの特性上,歯欠け歯車の回転負荷の変動(したがって入力歯車に対する負荷変動)が増大するので望ましくないという問題がある。また,長期使用により,ネジリバネの一端との当接によるカム部の摩耗で,所望の付勢力が得られにくくなるという問題もある。
本発明の目的は,以上のような問題を解決し,歯欠け歯車が1回転する過程で複数回間欠的に動力を伝達させるのに適切な複数段間欠駆動機構を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の複数段間欠駆動機構は,駆動力を入力する入力歯車と,
この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,前記入力歯車と噛み合う複数の歯部および,この歯部と同数の,前記入力歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達する歯欠け歯車と,
この歯欠け歯車と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する,前記歯欠け部と同数の係合部と,
この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
前記歯欠け歯車の歯部に噛み合って,歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車と,
この付勢用歯車の側面と前記歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架され,歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネと,
を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば,歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う複数の歯部および,この歯部と同数の,前記入力歯車と噛み合わない歯欠け部とを有していて,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達することができ,歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネが,歯欠け歯車の歯部に噛み合って歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車の側面と,前記歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架されているので,引っ張りバネは,歯欠け歯車が1回転する過程で間欠回転した時(すなわち1回転する過程で一旦停止した時)原位置に復帰することとなる。
したがって,歯欠け歯車が1回転する過程で一旦停止しても,引っ張りバネの付勢力で,歯欠け歯車の歯部を入力歯車に再び噛み合わせることができる。
しかも,同一の付勢力で噛み合わせることができるので,適切な噛み合いタイミングおよび噛み合わせ力を得ることができる。
また,歯欠け歯車の側面に設けたカム部にネジリバネを当接させる構成ではなく,上記付勢用歯車の側面と,歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に引っ張りバネを張架した構成であるから,歯欠け歯車の回転負荷の変動(したがって入力歯車に対する負荷変動)を低減させることができるし,長期使用によるカム部の摩耗で所望の付勢力が得られにくくなるということもなくなる。
また,上記目的を達成するために本発明の複数段間欠駆動機構は,駆動力を入力する入力歯車と,
この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,前記入力歯車と噛み合う複数の歯部および,この歯部と同数の,前記入力歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達する第1の歯欠け歯車と,
この第1の歯欠け歯車と同軸上に設けられていてこの第1の歯欠け歯車とともに回転する,第1の歯欠け歯車と異なる位置に歯部および歯欠け部を有する第2の歯欠け歯車と,
前記第1,第2の歯欠け歯車と同軸上に設けられていて第1,第2の歯欠け歯車とともに回転する,前記第1の歯欠け歯車における歯欠け部と同数の係合部と,
この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記第1,第2の歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記第1,第2の歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
前記第2の歯欠け歯車の歯部に噛み合って,第1,第2の歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車と,
この付勢用歯車の側面と前記第1,第2の歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架され,第1の歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき,第1の歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネと,
を備えていることを特徴とする。
このような構成によれば,上述した作用効果に加え,さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち,引っ張りバネを張架する付勢用歯車が,第1の歯欠け歯車にではなく,第1の歯欠け歯車と同軸上に設けられていてこの第1の歯欠け歯車とともに回転する,第1の歯欠け歯車と異なる位置に歯部および歯欠け部を有する第2の歯欠け歯車に噛み合っているので,第1(第2)の歯欠け歯車の一転停止位置の設定の自由度が向上する。
以下,本発明に係る複数段間欠駆動機構の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は,本発明に係る複数段間欠駆動機構の一実施の形態を示す図で,(a)は正面側から見た斜視図,(b)は背面側から見た斜視図,(c)は正面図,(d)は側面図,(e)は背面図である。
図1に示すように,この複数段間欠駆動機構1は,駆動力を入力する入力歯車10と,
この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,入力歯車10と噛み合う複数(この場合2つ)の歯部21,22および,この歯部と同数(この場合2つ)の,入力歯車10と噛み合わない歯欠け部23,24とを有し,入力歯車10からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回(この場合2回)間欠的に伝達する歯欠け歯車20と,
この歯欠け歯車20と同軸上に設けられていて歯欠け歯車20とともに回転する,歯欠け部と同数の係合部25,26と,
この係合部25,26に係脱し,係合部に係合したとき歯欠け歯車20の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき歯欠け歯車20の回転を許す作動子30と,
この作動子30を前記係合部に係脱させる作動手段31と,
前記歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合って,歯欠け歯車20の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車40と,
この付勢用歯車40の側面と歯欠け歯車20における回転中心との間に張架され,歯欠け歯車20の歯部21,22が入力歯車10と噛み合っていないとき,歯欠け歯車20が入力歯車10と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネ50と,
を備えている。
入力歯車10は,この複数段間欠駆動機構1のフレーム(図示せず。以下同じ)に回転可能に支持されており,駆動源である図示しないモータにより回転駆動される。
歯欠け歯車20は,上記フレームに回転可能に支持された軸60に固定されている。したがって,歯欠け歯車20が回転するとき軸60も回転する。
この軸60はこの機構1の出力対象を構成している。なお,出力対象は,歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合う歯車(図示せず)で構成することも可能である。
歯欠け歯車20は,上記歯部21,22,歯欠け部23,24,およびボス部27が一体成型された歯車であり,ボス部27の周面に前記係合部25,26が一体的に設けられている。
作動子30および作動手段31は,上記フレームに取り付けられたフラッパーソレノイドで構成されている。
作動子30をなすフラッパーの先端は,係合部25または26に係脱するフック状に構成され,後端とソレノイド31との間には,作動子30の先端を係合部25または26との係合方向へ常時付勢しているコイルスプリング32が設けられている。
したがって,ソレノイド31がOFF(通電されない)のとき,作動子30はその先端が歯欠け歯車20のボス部27の周面に当接して係合部25または26と係合し得る状態となり,ソレノイド31がONする(通電される)と,作動子30はソレノイド31に吸引されてその先端が係合部25または26から外れることとなる。
付勢用歯車40は,上記フレームに回転可能に取り付けられている。
付勢用歯車40は,後述するように歯欠け部23,24に対向してフリー状態となり,また歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合うことで,歯欠け歯車20の間欠回転時に整数回回転する歯車である。
この実施の形態の付勢用歯車40にはフランジ41が一体に設けられており,このフランジ41の側面と歯欠け歯車20の回転中心との間に引っ張りバネ(コイルスプリング)50が張架されている。
引っ張りバネ50は,その一端51が,フランジ41の側面に設けられたピン42に掛けられ,他端52が,歯欠け歯車20の回転中心をなす軸60の先端に設けられたピン(軸60の小径部)61に掛けられている。
引っ張りバネ50の一端51は,付勢用歯車40の径が大きければ,フランジ41を設けることなく直接付勢用歯車40の側面(例えば該側面に設けたピン)に掛けることができるし,他端52は,歯欠け歯車20における回転中心の近傍(例えば歯欠け歯車20における回転中心の近傍に設けた図示しないピン)に掛けることもできる。
図2および図3の(1)〜(8)は以上のような複数段間欠駆動機構1の作動を示す図で,(1)〜(8)はそれぞれ上記機構1を正面側(表側)から見た図を右側に,背面側(裏側)から見た図を左側に描いてある。
複数段間欠駆動機構1は次のように作動する。
(1)図2(1)は待機状態(初期状態)を示す図である。なお,図1に示した状態も待機状態を示している。
図1および図2(1)に示すように待機状態にあっては,入力歯車10は歯欠け歯車20の歯欠け部23に対向しており,歯欠け歯車20の歯部21,22のいずれとも噛み合っていない。
付勢用歯車40は,歯欠け歯車20の歯部21と噛み合っており,付勢用歯車40と歯欠け歯車20の回転中心との間に張架された引っ張りバネ50の張力Fにより図2(1)に矢印で示す回転方向に付勢されている(したがって歯欠け歯車20も矢印で示す回転方向に付勢されている)。
しかし,この待機状態にあっては,ソレノイド31がOFF状態であるため,作動子30が歯欠け歯車20の係合部25に係合していて歯欠け歯車20の回転を阻止している。
したがって,入力歯車10が回転しても(あるいは回転していても),その動力は,歯欠け歯車20およびその軸60には伝達されない。
なお,この実施の形態では,入力歯車10は常時矢印方向へ回転している。
(2)図2(2)に示すように,ソレノイド31がONし,作動子30がソレノイド31に吸引されて係合部25に対する係合が解除されると,引っ張りバネ50の張力Fにより付勢用歯車40が矢印方向に回転し,したがって歯欠け歯車20も矢印方向へ回転してその歯部21が入力歯車10に噛み合う。
したがって,入力歯車10の動力が,歯欠け歯車20および軸60に伝達されることとなる。この伝達は間欠的伝達の第1回目の伝達である。
なお,付勢用歯車40は歯部21に噛み合っているので,仮に,引っ張りバネ50による付勢力が失われたとしても矢印方向に回転する。
(3)図2(3)に示すように,歯欠け歯車20の係合部25が作動子30の先端を通過した後,次の係合部26が作動子30の先端に達する前に,ソレノイド31がOFFし,これによって,作動子30の先端がボス部27の周面に当接して次の係合部26と係合し得る状態となる。
また,同図に示すように,歯欠け歯車20が回転する過程で,その歯欠け部24に付勢用歯車40が対向する状態になると,付勢用歯車40は自由に回転し得る状態となる。したがって引っ張りバネ50は,最も縮んだ状態(歯欠け歯車20と付勢用歯車40の回転中心同士を結んだ線上に位置している状態)となる。
(4)図2(4)に示すように,歯部21が入力歯車10に噛み合っていて歯欠け歯車20が回転し続けることで,付勢用歯車40が歯部22と噛み合って矢印方向に回転する。
これによって,引っ張りバネ50が伸び始める。
(5)図3(5)に示すように,歯欠け歯車20の歯欠け部24が入力歯車10に対向する状態になる(歯部21が入力歯車10に噛み合わなくなる)と,入力歯車10から歯欠け歯車20への動力は断たれる(すなわち第1回目の動力伝達が終了する)が,このとき引っ張りバネ50は付勢用歯車40の回転中心43を越えていて付勢用歯車40を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,付勢用歯車40および歯欠け歯車20が矢印方向に回転し,歯欠け歯車20の係合部26が作動子30に係合することにより付勢用歯車40および歯欠け歯車20の回転が停止する。
この状態における,引っ張りバネ50の状態(付勢用歯車40におけるピン42の,歯欠け歯車20の回転中心61に対する位置)は,図2(1)に示した初期状態と同じ状態であり,付勢用歯車40は初期状態から1回転した状態となる。
すなわち,この機構1は,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯欠け部24と対向して停止した状態(図2(3)参照)から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部22と噛み合って歯欠け歯車20の係合部26が作動子30に係合するまで回転したとき,引っ張りバネ50が付勢用歯車40の回転中心43を越えた状態(付勢用歯車40におけるピン42が,歯欠け歯車20と付勢用歯車40との回転中心同士を結んだ線上よりも回転方向側に位置する状態)となるように構成されている。
上記のような状態は,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部24と対向して停止した状態(図2(3)参照)から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部22と噛み合って歯欠け歯車20の係合部26が作動子30に係合するまでに半回転以上し,かつ引っ張りバネ50による上記の回転付勢力が得られる位置で停止することで得られる。
また,上記のような状態は,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部24と対向して停止した状態(図2(3)参照)から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部22と噛み合って歯欠け歯車20の係合部26が作動子30に係合するまでに,歯欠け歯車20の歯と噛み合うその歯数を付勢用歯車40の歯数の1/2を超える歯数とすることで得ることができる。
この実施の形態では,付勢用歯車40の歯数は14であり,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部24と対向して停止した状態(図2(3)参照)から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部22と噛み合って歯欠け歯車20の係合部26が作動子30に係合するまでに,歯欠け歯車20の歯と噛み合うその歯数を8としてある(図2(3)〜図3(5)参照)。
なお,この実施の形態では,歯欠け歯車20の歯部21の歯数を14,歯欠け歯車20の歯部22の歯数を28としてある。歯欠け部23,24はそれぞれ4歯分の歯欠けである。
(6)図3(6)に示すように,ソレノイド31が再びONし,作動子30がソレノイド31に吸引されて係合部26に対する係合が解除されると,引っ張りバネ50の張力Fにより付勢用歯車40が矢印方向に回転し,歯欠け歯車20も矢印方向へ回転してその歯部22が入力歯車10に噛み合う。
したがって,入力歯車10の動力が,歯欠け歯車20および軸60に再び伝達されることとなる。この伝達は間欠的伝達の第2回目の伝達である。
付勢用歯車40は歯部22に噛み合っているので,仮に引っ張りバネ50による付勢力が失われたとしても矢印方向に回転する。
(7)図3(7)に示すように,歯欠け歯車20の係合部26が作動子30の先端を通過した後,次の係合部25が作動子30の先端に達する前に,ソレノイド31がOFFし,これによって,作動子30の先端がボス部27の周面に当接して次の係合部25と係合し得る状態となる。
同図に示すように,歯欠け歯車20が回転する過程で,付勢用歯車40も回転する。
同図は,付勢用歯車40が回転する過程で,引っ張りバネ50が,歯欠け歯車20と付勢用歯車40の回転中心同士を結んだ線上に略位置している状態を示しているが,歯欠け歯車20がさらに回転してその歯欠け部23が付勢用歯車40に対向するまでに付勢用歯車40は同図に示す状態から略1回転し,歯欠け部23に付勢用歯車40が対向する状態になると,付勢用歯車40は自由に回転し得る状態となる。したがって引っ張りバネ50は,最も縮んだ状態となる(この状態は図示していないが,図2(3)における歯欠け部24が歯欠け部23に代わっただけの状態である)。
その後も歯部22が入力歯車10に噛み合っていて歯欠け歯車20が回転し続けることで,付勢用歯車40が歯部21と噛み合って回転し,引っ張りバネ50が伸び始める(この状態も図示していないが,図2(4)における歯欠け部24が歯欠け部23に(したがって歯部22が歯部21に)代わっただけの状態である)。
(8)図3(8)に示すように,歯欠け歯車20の歯欠け部23が入力歯車10に対向する状態になる(歯部22が入力歯車10に噛み合わなくなる)と,入力歯車10から歯欠け歯車20への動力は断たれる(すなわち第2回目の動力伝達が終了する)が,このとき,前述したと同様,引っ張りバネ50は付勢用歯車40の回転中心43を越えていて付勢用歯車40を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,付勢用歯車40および歯欠け歯車20が矢印方向に回転し,歯欠け歯車20の係合部25が作動子30に係合することにより付勢用歯車40および歯欠け歯車20の回転が停止し,図2(1)に示した初期状態に戻ったこととなる(図3(8)に示す状態と図2(1)に示した初期状態とは同一状態である)。
以上により,歯欠け歯車20の1回転につき2回の間欠的な動力伝達がなされたこととなる。
なお,付勢用歯車40は図3(5)に示した状態から2回転したこととなる。
図3(8)から明らかなように,また前述したと同様,この機構1は,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯欠け部23と対向して停止した状態から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部21と噛み合って歯欠け歯車20の係合部25が作動子30に係合するまで回転したとき,引っ張りバネ50が付勢用歯車40の回転中心43を越えた状態(付勢用歯車40におけるピン42が,歯欠け歯車20と付勢用歯車40との回転中心同士を結んだ線上よりも回転方向側に位置する状態)となるように構成されている。
前述したと同様,上記のような状態は,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部23と対向して停止した状態から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部21と噛み合って歯欠け歯車20の係合部25が作動子30に係合するまでに半回転以上し,かつ引っ張りバネ50による上記の回転付勢力が得られる位置で停止することで得られる。
また,上記のような状態は,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部23と対向して停止した状態から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部21と噛み合って歯欠け歯車20の係合部25が作動子30に係合するまでに,歯欠け歯車20の歯と噛み合うその歯数を付勢用歯車40の歯数の1/2を超える歯数とすることで得ることができる。
前述したと同様,この実施の形態では,付勢用歯車40の歯数は14であり,付勢用歯車40が,歯欠け歯車20の歯欠け部23と対向して停止した状態から,付勢用歯車40が歯欠け歯車20の歯部21と噛み合って歯欠け歯車20の係合部25が作動子30に係合するまでに,歯欠け歯車20の歯と噛み合うその歯数を8としてある。
以上のような複数段間欠駆動機構1は,駆動力を入力する入力歯車10と,この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,入力歯車10と噛み合う複数(この場合2つ)の歯部21,22および,この歯部と同数(この場合2つ)の,入力歯車10と噛み合わない歯欠け部23,24とを有し,入力歯車10からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達する歯欠け歯車20と, この歯欠け歯車20と同軸上に設けられていて歯欠け歯車20とともに回転する,歯欠け部と同数の係合部25,26と, この係合部25,26に係脱し,係合部に係合したとき歯欠け歯車20の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき歯欠け歯車20の回転を許す作動子30と, この作動子30を前記係合部に係脱させる作動手段31と, 前記歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合って,歯欠け歯車20の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車40と, この付勢用歯車40の側面と歯欠け歯車20における回転中心との間に張架され,歯欠け歯車20の歯部21,22が入力歯車10と噛み合っていないとき,歯欠け歯車20が入力歯車10と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネ50とを備えているので,この複数段間欠駆動機構1によれば次のような作用効果が得られる
すなわち,歯欠け歯車20が入力歯車10と噛み合う複数の歯部21,22および,この歯部と同数の,前記入力歯車10と噛み合わない歯欠け部23,24とを有していて,入力歯車10からの動力を出力対象60に,当該歯欠け歯車20の1回転につき2回間欠的に伝達することができ,歯欠け歯車20の歯部21,22が入力歯車10と噛み合っていないとき歯欠け歯車20が入力歯車10と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネ50が,歯欠け歯車20の歯部21,22に噛み合って歯欠け歯車20の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車40の側面と,歯欠け歯車20における回転中心61またはその近傍との間に張架されているので,引っ張りバネ50は,歯欠け歯車20が1回転する過程で間欠回転した時(すなわち1回転する過程で一旦停止した時)原位置に復帰することとなる(図3(5)参照)。
したがって,歯欠け歯車20が1回転する過程で一旦停止しても,引っ張りバネ50の付勢力Fで,歯欠け歯車20の歯部を入力歯車10に再び噛み合わせることができる。
しかも,同一の付勢力Fで噛み合わせることができるので,適切な噛み合いタイミングおよび噛み合わせ力を得ることができる。
また,従来技術のような歯欠け歯車の側面に設けたカム部にネジリバネを当接させる構成ではなく,上記付勢用歯車40の側面と,歯欠け歯車20における回転中心またはその近傍との間に引っ張りバネを張架した構成であるから,歯欠け歯車20の回転負荷の変動(したがって入力歯車10に対する負荷変動)を低減させることができるし,長期使用によるカム部の摩耗で所望の付勢力が得られにくくなるということもなくなる。
図4は,本発明に係る複数段間欠駆動機構の他の実施の形態を示す図で,(a)は正面側から見た斜視図,(b)は背面側から見た斜視図,(c)は正面図,(d)は側面図,(e)は背面図である。同図において,上述した実施の形態と同一部分ないし相当する部分には同一の符号を付してある。
この実施の形態が上述した実施の形態と異なる点は,付勢用歯車40と噛み合う専用の切り欠き歯車70を設けた点にあり,その他の点に基本的な変わりはない。
この実施の形態の複数段間欠駆動機構1’は,駆動力を入力する入力歯車10と, この入力歯車10に噛み合うことで従動し入力歯車10からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,入力歯車10と噛み合う複数(この場合2つ)の歯部21,22および,この歯部と同数(この場合2つ)の,入力歯車10と噛み合わない歯欠け部23,24とを有し,入力歯車10からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回(この場合2回)間欠的に伝達する第1の歯欠け歯車20と,
この第1の歯欠け歯車20と同軸上に設けられていてこの第1の歯欠け歯車20とともに回転する,第1の歯欠け歯車20と異なる位置に歯部71,72および歯欠け部73,74を有する第2の歯欠け歯車70と,
歯欠け歯車20,70と同軸上に設けられていて歯欠け歯車20,70とともに回転する,歯欠け歯車20の歯欠け部と同数の係合部25,26と,
この係合部25,26に係脱し,係合部に係合したとき歯欠け歯車20,70の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき歯欠け歯車20,70の回転を許す作動子30と,
この作動子30を前記係合部に係脱させる作動手段31と,
第2の歯欠け歯車70の歯部71,72に噛み合って,歯欠け歯車20,70の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車40と,
この付勢用歯車40の側面と歯欠け歯車20,70における回転中心との間に張架され,第1の歯欠け歯車20の歯部21,22が入力歯車10と噛み合っていないとき,第1の歯欠け歯車20が入力歯車10と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネ50とを備えている。
第2の歯欠け歯車70は,第1の歯欠け歯車20と一体に構成されている。
歯部71は,第1の歯欠け歯車20における歯部21と歯形が同一で同一ピッチで形成されているが,その周方向長さは第1の歯欠け歯車20における歯部21よりも短く構成されており,歯数は13である。歯部72は第1の歯欠け歯車20における歯部22と歯形が同一で同一ピッチ,同一周長で形成されており,歯数は13である。
第1の歯欠け歯車20における歯部21の歯数は30である。
歯欠け部73は,第1の歯欠け歯車20における歯欠け部23と同様に形成されているが,歯欠け部74は,周方向に関し,歯部71の後端から歯欠け歯車20における歯欠け部24に亘って形成されている。
図5および図6の(1)〜(6)は以上のような複数段間欠駆動機構1’の作動を示す図で,(1)〜(6)はそれぞれ上記機構1’を正面側(表側)から見た図を左側に,背面側(裏側)から見た図を右側に描いてある。
複数段間欠駆動機構1’は次のように作動する。
(1)図5(1)は待機状態(初期状態)を示す図である。なお,図4に示した状態も待機状態を示している。
図4および図5(1)に示すように待機状態にあっては,入力歯車10は歯欠け歯車20,70の歯欠け部23,73に対向しており,歯欠け歯車20,70の歯部のいずれとも噛み合っていない。
付勢用歯車40は,第2の歯欠け歯車70の歯部71と噛み合っており,付勢用歯車40と歯欠け歯車20の回転中心との間に張架された引っ張りバネ50の張力Fにより図5(1)に矢印で示す回転方向に付勢されている(したがって歯欠け歯車20,70も矢印で示す回転方向に付勢されている)。
しかし,この待機状態にあっては,ソレノイド31がOFF状態であるため,作動子30が係合部25に係合していて歯欠け歯車20,70の回転を阻止している。
したがって,入力歯車10が回転しても(あるいは回転していても),その動力は,歯欠け歯車20,70およびその軸60には伝達されない。
(2)図5(2)に示すように,ソレノイド31がONし,作動子30がソレノイド31に吸引されて係合部25に対する係合が解除されると,引っ張りバネ50の張力Fにより付勢用歯車40が矢印方向に回転し,したがって歯欠け歯車20,70も矢印方向へ回転して第1の歯欠け歯車20の歯部21が入力歯車10に噛み合う。
したがって,入力歯車10の動力が,歯欠け歯車20,70および軸60に伝達されることとなる。この伝達は間欠的伝達の第1回目の伝達である。
なお,付勢用歯車40は第2の歯欠け歯車70の歯部71に噛み合っているので,仮に,引っ張りバネ50による付勢力が失われたとしても矢印方向に回転する。
(3)図5(3)に示すように,歯欠け歯車20の係合部25が作動子30の先端を通過した後,次の係合部26が作動子30の先端に達する前に,ソレノイド31がOFFし,これによって,作動子30の先端がボス部27の周面に当接して次の係合部26と係合し得る状態となる。
また,同図に示すように,歯欠け歯車20が回転する過程で,第2の歯欠け歯車70の歯欠け部74に付勢用歯車40が対向する状態になると,付勢用歯車40は自由に回転し得る状態となる。したがって引っ張りバネ50は,最も縮んだ状態(歯欠け歯車20と付勢用歯車40の回転中心同士を結んだ線上に位置している状態)となる。
(4)図6(4)に示すように,第1の歯欠け歯車20の歯部21が入力歯車10に噛み合っていて歯欠け歯車20,70が回転し続け,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部72と噛み合い始めると,付勢用歯車40が図6(5)に示すように矢印方向に回転し始める。
これによって,図6(5)に示すように,引っ張りバネ50は伸び始める。
(5)図6(6)に示すように,第1の歯欠け歯車20の歯欠け部24が入力歯車10に対向する状態になる(歯部21が入力歯車10に噛み合わなくなる)と,入力歯車10から歯欠け歯車20,70への動力は断たれる(すなわち第1回目の動力伝達が終了する)が,このとき引っ張りバネ50は付勢用歯車40の回転中心43を越えていて付勢用歯車40を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,付勢用歯車40および歯欠け歯車20,70が矢印方向に回転し,係合部26が作動子30に係合することにより付勢用歯車40および歯欠け歯車20,70の回転が停止する。
この状態における,引っ張りバネ50の状態(付勢用歯車40におけるピン42の,歯欠け歯車20の回転中心61に対する位置)は,図5(1)に示した初期状態と同じ状態であり,付勢用歯車40は初期状態から1回転した状態となる。
すなわち,この機構1’は,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯欠け部74と対向して停止した状態(図5(3)参照)から,付勢用歯車40が70の歯部72と噛み合って(図6(4))係合部26が作動子30に係合するまで回転したとき,引っ張りバネ50が付勢用歯車40の回転中心43を越えた状態(付勢用歯車40におけるピン42が,歯欠け歯車20と付勢用歯車40との回転中心同士を結んだ線上よりも回転方向側に位置する状態)となるように構成されている。
上記のような状態は,付勢用歯車40が,第2の歯欠け歯車70の歯欠け部74と対向して停止した状態(図5(3)参照)から,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部72と噛み合って係合部26が作動子30に係合するまでに半回転以上し,かつ引っ張りバネ50による上記の回転付勢力が得られる位置で停止することで得られる。
また,上記のような状態は,付勢用歯車40が,第2の歯欠け歯車70の歯欠け部74と対向して停止した状態(図5(3)参照)から,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部72と噛み合って係合部26が作動子30に係合するまでに,第2の歯欠け歯車70の歯と噛み合うその歯数を付勢用歯車40の歯数の1/2を超える歯数とすることで得ることができる。
この実施の形態では,付勢用歯車40の歯数は14であり,付勢用歯車40が,第2の歯欠け歯車70の歯欠け部74と対向して停止した状態(図5(3)参照)から,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部72と噛み合って係合部26が作動子30に係合するまでに,第2の歯欠け歯車70の歯と噛み合うその歯数を8としてある(図5(3)〜図6(6)参照)。
(6)図6(6)に示した状態からソレノイド31が再びONし,作動子30がソレノイド31に吸引されて係合部26に対する係合が解除されると,引っ張りバネ50の張力Fにより付勢用歯車40が回転し,歯欠け歯車20,70も回転してその歯部22,72が入力歯車10に噛み合う。
したがって,入力歯車10の動力が,歯欠け歯車20,70および軸60に再び伝達されることとなる。この伝達は間欠的伝達の第2回目の伝達である。
付勢用歯車40は第2の歯欠け歯車70の歯部72に噛み合っているので,仮に引っ張りバネ50による付勢力が失われたとしても矢印方向に回転する。
(7)係合部26が作動子30の先端を通過した後,次の係合部25が作動子30の先端に達する前に,ソレノイド31がOFFし,これによって,作動子30の先端がボス部27の周面に当接して次の係合部25と係合し得る状態となる。
歯欠け歯車20,70が回転する過程で,歯欠け部23,73に付勢用歯車40が対向する状態になると,付勢用歯車40は自由に回転し得る状態となる。したがって引っ張りバネ50は,最も縮んだ状態となる(この状態は図示していないが,図5(3)における歯欠け部74が歯欠け部73に代わっただけの状態である)。
その後も歯部22が入力歯車10に噛み合っていて歯欠け歯車20,70が回転し続けることで,付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部71と噛み合って回転し,引っ張りバネ50が伸び始め,図5(1)に示したように,歯欠け歯車20,70の歯欠け部23,73が入力歯車10に対向する状態になる(歯部22,72が入力歯車10に噛み合わなくなる)と,入力歯車10から歯欠け歯車20,70への動力が断たれる(すなわち第2回目の動力伝達が終了する)が,このとき,前述したと同様,引っ張りバネ50は付勢用歯車40の回転中心43を越えていて付勢用歯車40を矢印方向へ付勢する状態となっているので,その付勢力で,付勢用歯車40および歯欠け歯車20,70が矢印方向に回転し,歯欠け歯車20,70の係合部25が作動子30に係合することにより付勢用歯車40および歯欠け歯車20,70の回転が停止し,図5(1)に示した初期状態に戻ることとなる。
以上により,歯欠け歯車20の1回転につき2回の間欠的な動力伝達がなされたこととなる。
なお,付勢用歯車40は図6(6)に示した状態から1回転したこととなる。
また,この機構1’における,付勢用歯車40が歯欠け歯車20,70の歯欠け部23,73と対向して停止した状態から付勢用歯車40が第2の歯欠け歯車70の歯部71と噛み合って係合部25が作動子30に係合するまで回転したときに引っ張りバネ50が付勢用歯車40の回転中心43を越えた状態(付勢用歯車40におけるピン42が,歯欠け歯車20と付勢用歯車40との回転中心同士を結んだ線上よりも回転方向側に位置する状態)となる構成については,前述したと同様である。
以上のような複数段間欠駆動機構1’によれば,上述した機構1による作用効果に加え,さらに次のような作用効果が得られる。
すなわち,引っ張りバネ50を張架する付勢用歯車40が,第1の歯欠け歯車20にではなく,第1の歯欠け歯車20と同軸上に設けられていてこの第1の歯欠け歯車20とともに回転する,第1の歯欠け歯車と異なる位置に歯部および歯欠け部を有する第2の歯欠け歯車70に噛み合っているので,第1(第2)の歯欠け歯車20の一転停止位置の設定の自由度が向上する。
この機構1’では,係合部25に対する作動子30による係合が解除されてから係合部26に作動子30が係合するまでの歯欠け歯車20(70)の回転角度を120度に,係合部26に対する作動子30による係合が解除されてから係合部25に作動子30が係合するまでの歯欠け歯車20(70)の回転角度を240度に設定してある。
図7は複数段間欠駆動機構1または1’の使用例を示す図で,(a)は斜視図,(b)は正面図である。図8(a)(b)はその作動説明図である。
以上のような複数段間欠駆動機構1または1’は,図7および図8に示すように,例えば,画像形成装置における中間転写体(図示のものは中間転写ベルト)80に対して二次転写ローラ81を接離させる機構の駆動機構として使用することができる。
図示のものは,出力対象である軸60にカム82を固定し,このカム82を間欠的に回転させることで,二次転写ローラ81を中間転写体80に接離させる。
二次転写ローラ81は揺動体83に回転可能に支持されている。揺動体83は画像形成装置のフレーム(図示せず)に軸84で揺動可能に支持されており,図示しない付勢手段により時計方向(二次転写ローラ81を中間転写体80に当接させる方向)に付勢されている。
したがって,複数段間欠駆動機構1または1’を用い,図8(a)に示すようにカム82を揺動体83に当接させないことにより二次転写ローラ81を中間転写体80に当接させ,図8(a)に示す状態から図8(b)に示すようにカム82を例えば反時計方向へ240度回転させて揺動体83を反時計方向へ揺動させて二次転写ローラ81を中間転写体80から離間させ,その後,カム82を例えば反時計方向へ120度回転させて揺動体83を時計方向へ揺動させて図8(a)に示す状態に戻すことができる。
また,図示はしないが,複数段間欠駆動機構1または1’の付勢用歯車40に,例えば上記中間転写体80と二次転写ローラ81とで形成される二次転写部に所定のタイミングで用紙を供給するゲートローラ対を連動させることで,ゲートローラのクラッチを不要とすることが可能となる。
図9はさらに他の実施の形態を示す図である。
この実施の形態の複数段間欠駆動機構1’’が,図1に示した複数段間欠駆動機構1と異なる点は,歯欠け歯車20の歯部,歯欠け部,および係合部をそれぞれ3箇所とした点にあり,その他の点に変わりはない。
このように構成すれば,歯欠け歯車20の一回転において,3回の間欠的動力伝達が可能となる。
以上,本発明の実施の形態について説明したが,本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく,本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
本発明に係る複数段間欠駆動機構の一実施の形態を示す図で,(a)は正面側から見た斜視図,(b)は背面側から見た斜視図,(c)は正面図,(d)は側面図,(e)は背面図。 (1)〜(4)は作動説明図。 (5)〜(8)は作動説明図。 他の実施の形態を示す図で,(a)は正面側から見た斜視図,(b)は背面側から見た斜視図,(c)は正面図,(d)は側面図,(e)は背面図。 (1)〜(3)は作動説明図。 (4)〜(6)は作動説明図。 使用例を示す図で,(a)は斜視図,(b)は正面図。 (a)(b)は作動説明図。 他の実施の形態を示す図で,(a)は正面側から見た斜視図,(b)は背面側から見た斜視図,(c)は正面図,(d)は側面図,(e)は背面図。
符号の説明
1:複数段間欠駆動機構,10:入力歯車,20:歯欠け歯車(第1の歯欠け歯車),21,22:歯部,23,24:歯欠け部,25,26:係合部,30:作動子,31:ソレノイド31(作動手段),40:付勢用歯車,50:引っ張りバネ,60:軸(出力対象),第2の歯欠け歯車,71,72:歯部,73,74:歯欠け部。

Claims (2)

  1. 駆動力を入力する入力歯車と,
    この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,前記入力歯車と噛み合う複数の歯部および,この歯部と同数の,前記入力歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達する歯欠け歯車と,
    この歯欠け歯車と同軸上に設けられていて歯欠け歯車とともに回転する,前記歯欠け部と同数の係合部と,
    この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
    この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
    前記歯欠け歯車の歯部に噛み合って,歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車と,
    この付勢用歯車の側面と前記歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架され,歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき,歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネと,
    を備えていることを特徴とする複数段間欠駆動機構。
  2. 駆動力を入力する入力歯車と,
    この入力歯車に噛み合うことで従動し入力歯車からの動力を出力対象に伝達する歯欠け歯車であって,前記入力歯車と噛み合う複数の歯部および,この歯部と同数の,前記入力歯車と噛み合わない歯欠け部とを有し,前記入力歯車からの動力を出力対象に,当該歯欠け歯車1回転につき前記歯部の数と同数回間欠的に伝達する第1の歯欠け歯車と,
    この第1の歯欠け歯車と同軸上に設けられていてこの第1の歯欠け歯車とともに回転する,第1の歯欠け歯車と異なる位置に歯部および歯欠け部を有する第2の歯欠け歯車と,
    前記第1,第2の歯欠け歯車と同軸上に設けられていて第1,第2の歯欠け歯車とともに回転する,前記第1の歯欠け歯車における歯欠け部と同数の係合部と,
    この係合部に係脱し,係合部に係合したとき前記第1,第2の歯欠け歯車の回転を阻止し,係合部に対する係合を解除したとき前記第1,第2の歯欠け歯車の回転を許す作動子と,
    この作動子を前記係合部に係脱させる作動手段と,
    前記第2の歯欠け歯車の歯部に噛み合って,第1,第2の歯欠け歯車の間欠回転時に整数回回転する付勢用歯車と,
    この付勢用歯車の側面と前記第1,第2の歯欠け歯車における回転中心またはその近傍との間に張架され,第1の歯欠け歯車の歯部が前記入力歯車と噛み合っていないとき,第1の歯欠け歯車が入力歯車と噛み合う方向へ付勢する引っ張りバネと,
    を備えていることを特徴とする複数段間欠駆動機構。
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