JP2007285010A - 鉄筋保持具 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業時に導入される過大な軸力に対しても十分な抵抗力を発揮すると共に、型枠に取り付けた後に生じるがたつきを低減する。
【解決手段】ロッド12のフック12aを押え筋4に引掛けると共に下型枠90の貫通孔90aにボルト13を押し込んで該ボルト13の頭部及び止め部材16を下型枠90の外方に突出させ、止め部材16と保持部材14との間に下型枠90を挟み込んだ状態で押え筋4を保持する鉄筋保持具11であって、止め部材16は、ボルト13の頭部側から軸部先端側に向かうにつれて径外方向に拡がる複数のウイング32を備え、複数のウイング32は、貫通孔90aを通過するときに弾性復帰力を蓄えつつ径内方向に引込み可能であって、且つ、押え筋4を保持するときに下型枠90に食い込み可能に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉄筋コンクリート造の構築物を施工するときにコンクリートに埋設される鉄筋を保持する鉄筋保持具に関するものである。
近年、鉄筋コンクリート造の建築物の軽量化や遮音性の改善を目的として、スラブに埋設物を埋め込んで中空化する工法が実用化されている。この様な工法の一つに、ボイドと称される発泡スチロール製の球形埋設物(以下、球ボイドという)を型枠に配筋された上端筋と下端筋の間の小空間に多数配置固定し、この状態でコンクリートを打設する工法が知られている(例えば非特許文献1参照)。
該工法においては、上端筋若しくは押え用の鉄筋(以下、押え筋という)を球ボイドの上方に配備することにより、コンクリート打設時にしばしば生じる球ボイドの浮き上がりを防止している。また、押え筋が球ボイドに押し上げられることを防止するために、該押え筋は止め金具を介して下型枠に支持されている。
従来、該止め金具は、下型枠に開設された貫通孔に雄ねじ部を差し込んで先端を型枠の外方に突出させ、該先端部に雌ねじ部を螺合させる方法が採られており、型枠の内外に人員を要すると共にその作業に多くの時間がかかるという問題があった。
かかる問題を解決する止め金具として、特許文献1には、下枠型に設けられたアンカー部材と、一端に押え筋に引掛かるフックを有すると共に他端に前記アンカー部材の穴に強く押し込むと所定の位置まで挿入され逆に引張しても抜けにくい逆目を有した掛け金物から構成され、掛け金物をアンカー部材に押し込むことで押え筋の下枠型への固定を可能にするワンタッチ金物が開示されている。
該ワンタッチ金物において、アンカー部材は、ストッパ部材を間に挟んでボルトが繋がれており、該ストッパ部材をあらかじめ下型枠の決められた所定の穴に上から押し込み、該ストッパ部材が穴を通過すると開いて下型枠に固定されて抜けなくなる構成とされている。
「球体ボイド」を用いたRC造集合住宅 建築技術2003.3月号228ページから234ページ(2003年3月1日発行) 特願2005−188265号公報
しかしながら、上記ワンタッチ金物のストッパ部材の上端部は、末広がり状に反って形成されているため、先端部と基端部とではボルトの軸方向に作用する軸力に対する作用線がずれることとなり、該軸力に対して十分な抵抗力を備えたものとはなっていない。このため、掛け金物の装着時にストッパ部材に過大な軸力が導入されると、下型枠の下面に接するストッパ部材の上端部は下型枠からの押圧力に屈して径外方向に押し拡げられ、これによってストッパ部材に局部座くつや圧壊が発生する虞があった。また、下型枠とストッパ部材との係合が十分ではなく、これによってストッパ部材にがたつきが生じてしまう問題があった。
そこで、本発明の目的は、作業時に導入される過大な軸力に対しても十分な抵抗力を発揮すると共に、型枠に取り付けた後に生じるがたつきを低減することができる鉄筋保持具を提供するようにしたものである。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、型枠に沿って配筋された鉄筋に引掛けるフック12aを備えたロッド12と、前記型枠に形成された貫通孔90aに挿通可能なボルト13と、該ボルト13に外嵌する止め部材16と、ロッド12とボルト13の何れか一方若しくは両方に螺嵌してこれらを互いに相反する方向に保持する保持部材14とを備え、前記フック12aを前記鉄筋に引掛けると共に前記貫通孔90aにボルト13を押し込んで該ボルト13の頭部及び止め部材16を型枠の外方に突出させ、該止め部材16と保持部材14との間に型枠を挟み込んだ状態で前記鉄筋を保持する鉄筋保持具であって、
前記止め部材16は、前記ボルト13の頭部側から軸部先端側に向かうにつれて径外方向に拡がる複数のウイング32を備え、該複数のウイング32は、前記貫通孔90aを通過するときに弾性復帰力を蓄えつつ径内方向に引込み可能であって、且つ、前記鉄筋を保持するときに前記型枠に食い込み可能に形成されていることを特徴としている。
これによれば、ボルト13を貫通孔90aに押し込み、ボルト13及び止め部材16を突出させた後にこれらを型枠に向けて引き込むことにより、止め部材16は、複数のウイング32を型枠に食い込ませた状態で該型枠に係合することとなる。また、さらにボルト13を型枠に向けて引き込むと、止め部材16の各ウイング32の内面が型枠に押圧されることとなって該内面にウイング32を押し拡げようとする外向きの外力が作用する一方、ウイング32の外面も型枠に押圧されることとなって該外面にウイング32を閉じようとする内向きの外力が作用する。これら外向きの外力と内向きの外力とはウイング32を介して対向しているため、各ウイング32は両面から型枠に押圧されて狭持されることとなり、これによって各ウイング32は、前記軸力の導入に伴って型枠に容易に抜け出し不能に食い込み、これによって保持部材14やロッド12のがたつきが低減することとなる。
また、前記複数のウイング32は、前記ボルト13の径外方向に拡がりつつ前記型枠に食い込むことが好ましい。
これによれば、型枠の堅さに応じて複数のウイング32が押し拡げられつつ型枠内に食い込んでいくこととなり、該複数のウイング32を型枠に食い込ませるために過大な軸力を導入する必要はない。
また、該複数のウイング32が食込み前よりも押し拡げられた状態で型枠に食い込むことにより、引き込み時に導入される軸力に対する止め部材16の抵抗力を増大させることができると共に、止め部材16の食い込み性が増すこととなる。
また、前記止め部材16は薄板状の金属片から形成されており、前記複数のウイング32は、前記金属片の外周部を折り込む塑性変形により形成されていることが好ましい。
これによれば、複数のウイング32の基端部は加工硬化によって剛性が増すこととなり、これによってウイング32に先端部を径内方向に引込ませても元の形状に復帰する弾性復帰力が付与されることとなるのである。また、金属片を折り込むことによって止め部材16が形成されるため、該止め部材16を容易に製造することができる。
また、前記ボルト13には、前記保持部材14と止め部材16の間となる位置に、ボルト13を型枠の貫通孔90aに押し込むときに止め部材16と保持部材14とに当接して該保持部材14若しくはロッド12からの押込み力を止め部材16に伝達する押込み部材17が外嵌していることが好ましい。
これによれば、ボルト13の頭部を型枠の貫通孔90aに対向させた状態で保持部材14又はロッド12を型枠に押し付ける作業で該貫通孔90aに止め部材16を挿通させることができ、作業性が向上することとなる。
さらに、前記押込み部材17は、前記型枠の貫通孔90aと略同一若しくは僅かに小さい直径を有する円筒状の胴部35を備えると共に、前記止め部材16と対向する端部に前記胴部35よりも縮径して前記ウイング32の径外方向への引込みを許容する縮径部36を備えていることが好ましい。
これにより、ボルト13及び止め部材16に安定した姿勢で型枠の貫通孔90aを通過させることができ、ボルト13及び止め部材16の貫通孔90aへの押込みに伴う変形や損傷を防ぐことができる。
本発明の鉄筋保持具によれば、作業時に導入される過大な軸力に対しても十分な抵抗力を発揮すると共に、型枠に取り付けた後に生じるがたつきを低減することができる。
以下、球ボイドVを埋設するコンクリートスラブの施工に本発明に係る鉄筋保持具11を用いた形態につき、図面に沿って具体的に説明していく。
図1に示す如く、コンクリートスラブを形成する上型枠(図示省略)と下型枠90との間には、上端筋91と下端筋92とが縦横に配筋されており、該上端筋91と下端筋92の間に複数の球ボイドVが略等間隔で配備されている。
該球ボイドVは、真球若しくは略真球に形成されると共に、径方向に軸孔hが形成されている。また、球ボイドVは、発泡スチロールや発泡ポリエチレン等のプラスチック発泡体製の中実体によって構成されており、型枠内に打設されるコンクリートよりも比重が軽い。このため、型枠内にコンクリートを打設すると、上端筋91と下端筋92の間に配備された球ボイドVに浮力が生じ、これにより球ボイドVは浮き上がろうとする。
本実施の形態においては、以下の浮上防止手段1によって球ボイドVの浮き上がりを防止している。
該浮上防止手段1は、上下方向を軸方向として下端筋92に等間隔に配設された複数の保持筋2と、該保持筋2に配備された座3と、保持筋2の上方に位置する押え筋4と、該押え筋4を支持する鉄筋保持具11とを備えて構成されている。保持筋2に球ボイドVの軸孔hを挿通した状態で該球ボイドVを座3上に配備し、該球ボイドVの上方に押え筋4を配備し、鉄筋保持具11を介して該押え筋4を下型枠90に支持させることにより、球ボイドVは下端筋92と押え筋4の間に挟まれた状態で型枠内に配備される。
これにより、コンクリート打設時に球ボイドVに浮力が発生する場合にも、球ボイドVの浮き上がりは押え筋4によって押さえ込まれることとなる。また、保持筋2が球ボイドVの軸孔hに挿通されているため、上記浮力の作用による球ボイドVの左右方向への移動も防止されている。
なお、鉄線等を介して座3及び押え筋4に球ボイドVを緊結することも好ましい。
図2に示す如く、鉄筋保持具11は、前記押え筋4を引掛けるフック12aを備えたロッド12と、下型枠90に形成された貫通孔90aに挿通可能なボルト13と、ロッド12とボルト13の両方に螺嵌してこれらを互いに相反する方向に保持する保持部材14とを備えており、該ボルト13には、ワッシャ15と、止め部材16と、押込み部材17とが外嵌している。
ロッド12は、金属製の棒材から構成され、一方の端部にフック12aが屈曲形成されると共に、他方の端部に雄ねじ部12bが螺設されている。
ボルト13は、頭部21と、雄ねじ部22aを螺設した軸部22とから構成されている。該軸部22は、少なくとも下型枠91の厚さよりも大きい軸長を有するものが採用されている。
保持部材14は、軸心上にロッド12及びボルト13の軸部22を挿通可能な挿通孔24を備えた円筒状に形成されている。また、保持部材14の両端部には、前記軸心の径外方向から挿通孔24に向けてナット25を配備可能なポケット26が形成されている。該ポケット26は、ナット25の軸心と保持部材14の軸心とを一致させた状態で該ナット25を収容する。また、ナット25を収容した状態で該ナット25を回転不能とすべく、ポケット26の形状は多角形状のナット25の側面のそれぞれに当接可能な面構成とされている。
また、ボルト13の軸部22が挿通される保持部材14の一方の端部には、ボルト13の頭部21と同一若しくは略同一の外径を有するボス部27が突設されている。
図3及び図4に示す如く、止め部材16は、金属片にプレス加工を施してなる椀状に形成されており、ボルト13の軸部22を挿通可能な孔31aを有する底板31と、該底板31の外周縁に立設された複数枚(本実施の形態においては5枚)のウイング32とを備えている。
上記止め部材16の製造方法は、先ず、ばね鋼鋼材、ばね用冷間圧延鋼帯、ばね用ベリリウム銅等の板ばね材からなる金属板を円形に切り出して金属片を形成する。そして、該金属片の複数箇所(本実施の形態においては5箇所)に径方向の切欠き33及び中心部に孔31aを穿設した後、プレス加工を施す。これにより、金属片の外周部が立ち上がることとなり、該外周部がウイング32を形成することとなる。該製造方法によれば、ウイング32は金属片の外周部を折り込む塑性変形により形成されるため、ウイング32の基端部は加工硬化により剛性を増すこととなり、これにより、ウイング32は先端部を径方向に押し込んでも元の形状に復帰する弾性復帰力を備えることとなる。
また、図4に示す如く、底板31の直径がボルト13の頭部21の幅と略同一の大きさに形成されている。
図2及び図6に示す如く、押込み部材17は、ボルト13の頭部21と略同一若しくは僅かに小さい直径を有する円筒状の胴部35を備えると共に、該胴部35の一方の端部に胴部35よりも縮径された縮径部36を備えている。また、押込み部材17の軸方向の長さは、前記下型枠90の厚さと略同一若しくは僅かに小さい大きさに形成されていることが好ましい。
本実施の形態の鉄筋保持具11は以上の構成からなるものであって、図2に示す如く、ボルト13の軸部22にワッシャ15、止め部材16及び押込み部材17を挿通し、該ボルト13の軸部22を保持部材14の挿通孔24の一方の端部に挿通して該軸部22の雄ねじ部22aをナット25に螺合させると共に、挿通孔24の他方の端部にロッド12の他方の端部を挿通して該他方の端部の雄ねじ部12bをナット25に螺合させて形成されている。
これにより、保持部材14は、これらボルト13とロッド12を出退自在に保持する。
また、止め部材16は、ウイング32の先端をボルト13の頭部21とは反対側となる方向に向けた状態で該ボルト13の軸部22に挿通されている。また、止め部材16の底板31の直径がボルト13の頭部21の直径と略同一の大きさであるため、止め部材16の複数のウイング32の先端部はボルト13の頭部21よりも径外方向に突出することとなる。
また、押込み部材17は、縮径部36を止め部材16に対向させた状態でボルト13の軸部22に挿通されている。
本実施の形態の鉄筋保持具11を配備するには、先ず、下型枠90の所定位置に型枠内外を連通する貫通孔90aを挿通する。該貫通孔90aは、ボルト13の頭部21の直径と同一若しくは僅かに大きい直径を有していることが好ましい。
そして、図2の如くロッド12のフック12aに押え筋4を引っ掛けた後、図5の(a)に矢示して示す如く、該下型枠90の貫通孔90aに向けて鉄筋保持具11のボルト13を押し込んでいく。ボルト13の頭部21が該貫通孔90aに入り込むと、(b)に示す如く、止め部材16の複数のウイング32が貫通孔90aの開口縁に当接することとなる。この状態からさらに押し込み力を付与すると、止め部材16の複数のウイング32は、貫通孔90aの壁面に押し込まれることとなる。
ここで、押込み部材17の一方の端部が保持部材14に当接していると共に他方の端部が止め部材16に当接しているため、ロッド12若しくは保持部材14を下型枠90に向けて押し込むことにより、押し込み力は押込み部材17を介して止め部材16に伝達される。これにより、ボルト13の頭部21及び止め部材16は安定した姿勢で下型枠90の貫通孔90aに入り込んでいく。
また、各ウイング32の基端部は、上述の如き塑性変形による加工硬化により十分な弾性復帰力を備えているので、各ウイング32は弾性復帰力を蓄えつつボルト13の軸部22の径内方向に向けて押し込まれる。また、押込み部材17は、縮径部36を止め部材16と対向させた状態でボルト13の軸部22に挿通しているため、(c)に示す如く、ボルト13の頭部21と押込み部材17の胴部35との間に空隙Sが形成されることとなり、該空隙Sにより止め部材16の各ウイング32がボルト13の軸部22の径内方向に向けて逃げる空間が確保されているのである。
そして、(c)に示す如く、止め部材16の複数のウイング32を下型枠90の貫通孔90aの壁面と押込み部材17の縮径部36の間に収容した状態で、ボルト13を下型枠90の外方に向けて押し込んでいく。そして、ボルト13の頭部21を下型枠90の外方に突出させると、(d)に示す如く、止め部材16の複数のウイング32が弾性復帰力により元の形状に復帰する。即ち、止め部材16の複数のウイング32の先端部が貫通孔90aの開口縁よりもボルト13の軸部22の径外方向に位置することとなるのである。
次に、ロッド12若しくは保持部材14を引き上げ、ボルト13の頭部21を下型枠90の内側に向けて引き込む。これにより、止め部材16の複数のウイング32の先端部は下型枠90の貫通孔90aの開口縁周囲に当接する。この状態からさらにボルト13に引込み力を付与すると、(e)に示す如く、止め部材16の複数のウイング32の先端部は塑性変形を伴って拡開しつつ下型枠90に向けて食い込んでいくこととなる。
このとき、図6に示す如く、下型枠90に食い込んでいる止め部材16の各ウイング32の内面には、ボルト13を引き込むことによる軸部22への軸力の導入に伴って下型枠90からウイング32を拡開する方向に向けて押圧力が作用することとなるが、これと同時に、各ウイング32の外面にはウイング32をボルト13の軸部22の径内方向に向けて押し込む押圧力が作用することとなる。これら反対方向に向けて作用する押圧力が各ウイング32の両面にそれぞれ作用することとなるため、止め部材16のウイング32は軸力の導入に伴って下型枠90に対し十分に食い込むばかりでなく、かかる軸力の導入によっても容易に局部座くつや圧壊等を伴って破壊する虞はないのである。
また、止め部材16のウイング32は、拡開した状態で下型枠90に食い込むことにより、該軸力に対して十分な抵抗力を発揮することとなり、また、食い込み性が向上することとなり、これによって、鉄筋保持具11は下型枠90から自立して立ち上がり、また、ロッド12や保持部材14のがたつきが低減することとなるのである。
そして、止め部材16の複数のウイング32の先端部を下型枠90に十分に食い込ませた後、保持部材14を回転させる。これにより、フック12aの押え筋2への引掛り具合が調整され、押え筋2はロッド12のフック12aよってやや下方に押し付けられた状態で該フック12aに係合する。
その後、この状態で型枠内にコンクリートを打設することにより、前記球ボイドVは、鉄筋保持具11に保持された押え筋4によって浮き上がりを防止された状態でコンクリート内に埋設されることとなり、施工性の高いコンクリートスラブが形成されることとなるのである。
また、脱型時には、ボルト13を回転させることにより該ボルト13は保持部材14から取り外され、止め部材16は鉄筋結束器やペンチ等の工具を用いることにより容易に下型枠90から引き剥がされる。これにより、止め部材16と保持部材14による下型枠90の狭持状態は解消され、該下型枠90は容易に取り外されることとなる。
本実施の形態の鉄筋保持具11によれば、一人の作業者によって容易に下型枠90上に配備することができることはもちろん、作業時に過大な軸力が導入される場合にも該軸力に対して十分な抵抗力を発揮し、上述の如き球ボイドVを配備する工法においても優れた施工速度や施工性が発揮されることとなるのである。しかも、複数のウイング32が下型枠90に食い込むことによって該下型枠90に止め部材16が係合することとなるため、下型枠90に対する鉄筋保持具11全体のがたつきは僅かなものとなり、これによっても施工性が向上することとなるのである。
以上、本発明の実施の形態を詳述したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、止め部材16をボルト13の頭部21に固着した構成であっても本実施の形態と同様の効果を発揮する。かかる鉄筋保持具11は、下型枠90を捨て型枠とする場合等に用いることが好ましい。
また、止め部材16の複数のウイング32を3枚、4枚若しくは6枚以上とする構成も採用することができる。また、止め部材16の下型枠90への食い込み性能を向上させる目的でウイング32を先端部に向けて先細り形状とする構成、該先端部を凸円弧状若しくは凹円弧状とする構成、さらには該先端部を薄刃状等とする場合にも、本実施の形態と同様の効果を奏する。
また、図7に示す如く、保持部材14の挿通孔24に雌ねじ部14bを螺設する構成も採用可能である。また、保持部材14は、ボルト13とロッド12の何れか一方にのみ螺嵌した構成とすることも可能である。
本実施の形態の鉄筋保持具を型枠内に配備した状態を示す断面図である。 鉄筋保持具の断面図である。 止め部材を下方からみた平面図である。 止め部材の側面図である。 鉄筋保持具により下型枠を狭持する過程を示す断面図である。 ボルト下部及び止め部材を示す断面図である。 他の鉄筋保持具の断面図である。
符号の説明
1 浮上防止手段
2 保持筋
4 押え筋
11 鉄筋保持具
12 ロッド
12a フック
13 ボルト
16 止め部材
17 押込み部材
32 ウイング
90 下型枠
90a 貫通孔
V 球ボイド

Claims (5)

  1. 型枠に沿って配筋された鉄筋に引掛けるフック(12a)を備えたロッド(12)と、前記型枠に形成された貫通孔(90a)に挿通可能なボルト(13)と、該ボルト(13)に外嵌する止め部材(16)と、ロッド(12)とボルト(13)の何れか一方若しくは両方に螺嵌してこれらを互いに相反する方向に保持する保持部材(14)とを備え、前記フック(12a)を前記鉄筋に引掛けると共に前記貫通孔(90a)にボルト(13)を押し込んで該ボルト(13)の頭部及び止め部材(16)を型枠の外方に突出させ、該止め部材(16)と保持部材(14)との間に型枠を挟み込んだ状態で前記鉄筋を保持する鉄筋保持具であって、
    前記止め部材(16)は、前記ボルト(13)の頭部側から軸部先端側に向かうにつれて該頭部の外縁よりも径外方向に拡がる複数のウイング(32)を備え、該複数のウイング(32)は、前記貫通孔(90a)を通過するときに弾性復帰力を蓄えつつ径内方向に引込み可能であって、且つ、前記鉄筋を保持するときに前記型枠に食い込み可能に形成されていることを特徴とする鉄筋保持具。
  2. 前記複数のウイング(32)は、前記ボルト(13)の径外方向に拡がりつつ前記型枠に食い込むことを特徴とする請求項1に記載の鉄筋保持具。
  3. 前記止め部材(16)は薄板状の金属片から形成されており、前記複数のウイング(32)は、前記金属片の外周部を折り込む塑性変形により形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の鉄筋保持具。
  4. 前記ボルト(13)には、前記保持部材(14)と止め部材(16)の間となる位置に、ボルト(13)を前記型枠の貫通孔(90a)に押し込むときに止め部材(16)と保持部材(14)とに当接して該保持部材(14)若しくはロッド(12)からの押込み力を止め部材(16)に伝達する押込み部材(17)が外嵌していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の鉄筋保持具。
  5. 前記押込み部材(17)は、前記型枠の貫通孔(90a)と略同一若しくは僅かに小さい直径を有する円筒状の胴部(35)を備えると共に、前記止め部材(16)と対向する端部に前記胴部(35)よりも縮径して前記ウイング(32)の径外方向への引込みを許容する縮径部(36)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の鉄筋保持具。
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