以下、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の冷菓製造装置SMの斜視図、図2は冷菓製造装置SMの内部構成を示す斜視図である。本実施例の冷菓製造装置SMは、ソフトクリームを製造して例えばコーン製のカップに抽出し、螺旋状の冷菓の流れを盛り上げて生成し、販売するものである。また、本実施例における冷菓製造装置SMは、矩形状の本体1により構成され、例えばバニラソフトクリームかチョコレートソフトクリームのうちの一種類のソフトクリームを製造する卓上の装置である。
冷菓製造装置SMは、液状のソフトクリームミックスが貯溜されるホッパー2と、この液状のソフトクリームミックスを撹拌しながら冷却して半硬化状態とするビータ4を備えた冷却シリンダ5とが設けられている。尚、図1において3はホッパー2の上面開口を開閉自在に閉塞し、ミックス補給時に取り外されるホッパーカバーであり(図2は取り外した状態であり、この図では省略している)、図2において6は、前記ビータ4を回転駆動するビータモータである。
8は、上記冷却シリンダ5前方に位置して本体1の前面に取り付けられたフリーザードアであり、このフリーザードア8内には、上下に取出通路9が形成されている。そして、この取出通路9内には、プランジャ10が上下移動可能に挿入されており、このプランジャ10は前面の取出レバー11にて上下動される。一方、冷却シリンダ5の前端部下側には図示しない抽出路が形成されており、この抽出路の出口は前記取出通路9の内壁面に形成されている。また、フリーザードア8の取出通路9の下端部には出口部としての取出ノズル12(図4のみ図示する)が下側から取り付けられている。
係る構成により、ホッパー2内にはソフトクリームミックスパウダー(しょ糖40%〜45%、乳固形分約50%)に約2倍量の水を添加した所定量のソフトクリームミックスを収容する。そして、この液状のソフトクリームミックスを冷却シリンダ5に導入し、ビータ4にて撹拌しつつ冷却することにより、半硬化状態のソフトクリームを生成する。
この状態で、取出レバー11を引き下げて、プランジャ10を上方に移動させると、プランジャ10が離間すると共に、抽出路の出口も開放される。そして、プランジャ10の上昇によって、図示しない冷菓抽出スイッチがONとされ、ビータモータ6が駆動し、ビータ4が回転される。
これにより、冷却シリンダ5内の半硬化状態のソフトクリームは前方に押し出され、抽出路から取出通路9内に入り、取出ノズル12に形成される星形の透孔を経て抽出される。
一方、本実施例における冷菓製造装置SMは、前記取出ノズル12にロック部材21を介して冷菓製造装置用添加装置20の添加物収納容器(容器)22が着脱自在に取り付けられる。
以下、図3を参照して、本発明の冷菓製造装置用添加装置20について説明する。図3には図1の冷菓製造装置用添加装置(以下、添加装置と称する)20部分の拡大斜視図が示されている。本実施例における添加装置20は、本体1の前面であって、フリーザードア8の側方に位置して設けられ、内部に押圧装置24を備える添加装置本体23と、添加物収納容器22とから構成される。
まず、図4乃至図10を参照して添加物収納容器22及び当該添加物収納容器22周辺の部材について説明する。添加物収納容器22は、容器本体22Aと、蓋部材40と、ピストン部材41とから構成される。容器本体22Aは、上面に開口すると共に左右に開口する収容室30と、当該収容室30の一端に一体に形成される添加室31とを備え、これら収容室30と添加室31は、図示しない連通孔を形成する区画壁にて区画される。添加室31は、上下に開口して形成されており、当該添加室31の上端は、Oリング65を介して冷菓製造装置SMの本体1側の取出通路9の取出ノズル12内に進入し密着して取り付けられる。これにより、取出通路9の取出ノズル12から抽出される冷菓は、容器本体22Aの添加室31内を通過する構成とされる。
尚、後述する添加物が所定の粘度を有する液体状のソースである場合には、当該添加室31内には、中間ノズル32を装填して使用する。当該中間ノズル32は、添加室31内壁に沿って収容可能とする円筒状のノズル部材であり、上下に貫通した星形の穴が形成されている。また、当該中間ノズル32の側壁には、収容室30側に開口した流入口が形成されていると共に、収容室30から流入したソース等の添加物を二方向に分岐して指向する指向壁32Aを備え、これにより、冷菓の両側方からソースを添着する構成とされている。また、当該中間ノズル32は、添加室31下端に取り付けられる下ゲート部材33により保持される。当該下ゲート部材33は、下面に冷菓取出口を形成されており、添加室31内にて添加物が添着された冷菓が排出される。
また、本実施例において容器本体22Aの添加室31外面には、ハンドル取付部70が一体に形成されている。このハンドル取付部70は、添加物収納容器22を回動操作するために設けられるハンドル71を取り付けるための取付部である。当該ハンドル71は、操作性を考慮して添加室31から収容室30方向であって、かつ、当該ハンドル71の端部が添加室31側よりも所定角度だけ手前側に傾斜して設けられる。
一方、添加室31上部の側壁には、外方に向かって突出して形成される二カ所の係合部31A、31Aが相対向して形成されており、当該係合部31Aは、鋼板製の材料にて構成されるロック部材21に係合されることで、確実に取出ノズル12に固定される。
即ち、ロック部材21は、添加室31の上端を挿入可能とする係合穴35Aを形成した係合部35と、当該係合部35の上方に位置して取出ノズル12の外形に沿って前方から取出ノズル12に係合可能とする取付部36とから構成されており、これら係合部35と取付部36は、連結部37によって連結されている。
他方、取出ノズル12は、取出通路9の下端に取り付けられると共に、当該取出ノズル12を取り付けた状態で、当該取出通路9を形成するフリーザードア8の下面との間に少許隙間が形成される構成とされている。
そのため、当該ロック部材21の取付部36を取出ノズル12とフリーザードア8の下面との間に形成された隙間に取り付けることにより、当該ロック部材21が取出ノズル12に固定される。
この場合において、このロック部材21の係合部35に形成される係合穴35Aは、本実施例では図6に示されるように、相対向する2カ所に位置して前記添加室31の係合部31Aを挿入可能とする切欠38が形成されている。そのため、当該切欠38と添加室31の係合部31Aとを重合させた位置のみで添加室31のロック部材21への脱着が可能とされる。
本実施例では、容器本体22Aの他端、即ち、添加物の添加状態において押圧装置24に面する端部が、冷菓製造装置SMの例えば正面よりも更に所定量だけ添加室31側に回動させた際に、ロック部材21に形成される切欠38と、容器本体22Aの添加室31に形成される係合部31Aとが重合し、脱着が可能とされるように、当該切欠38及び係合部31Aが形成されているものとする。当該重合、及び、脱着が可能な位置を容器本体22Aの第1の回動角度位置とする。尚、図7は添加物収納容器22の係合部31Aがロック部材21の切欠38に合致した状態である第1の回動角度位置を示す斜視図である。
そのため、容器本体22Aをロック部材21、即ち、プランジャ10の中心軸、又は、それに平行な軸(即ち、垂直方向の軸)を中心として、冷菓製造装置SM側に回動させ、容器本体22Aの端部が、押圧装置24に面する角度位置を第2の回動角度位置とする(図8の状態)。この第2の回動角度位置では、容器本体22Aの添加室31に形成される係合部31Aがロック部材21の係合部35の上側に位置して、当該係合部35に形成される切欠38と、係合部31Aとが完全に重ならないことから、容器本体22Aは、確実にロック部材21に保持されることとなる。尚、本実施例では、容器本体22Aの他端が冷菓製造装置SMの正面に位置している場合においても、当該容器本体22Aは、ロック部材21に保持された状態とされるものとする。
他方、この容器本体22Aを構成する収容室30の上面開口には、上述した如く該容器本体22Aと共に添加物収納容器22を構成する蓋部材40が開閉自在に取り付けられる。そして、この蓋部材40には、収容室30と連通して上方に開口する添加物投入口40Aが形成されている。尚、本実施例では、添加物収納容器22は、容器本体22Aと蓋部材40の二部品により構成されているが、これに限定されるものではなく、容器本体22Aと蓋部材40が一体に構成された一部品により構成したものであっても良いものとする。
ここで、添加物投入口40Aは、所定の大きさに切り刻まれた果肉などの添加物を容易に投入可能とするため、所定の径を有しているものとし、本実施例における添加物投入口40Aの開口縁は、上方に所定の高さにて延出するフランジ40Bが形成されているものとする。
そのため、当該添加物投入口40Aには、図9に示す如く上方に拡開して形成されるホッパー部43を着脱自在に取り付けることが可能となる。この場合において、ホッパー部43の下端をフランジ40Bに当接して上方から嵌め込むことにより、容易に、且つ、確実にホッパー部43を取り付けることが可能となる。
これによって、容器22を冷菓製造装置SMの本体1に取り付けた状態で、添加物投入口40Aに取り付けられるホッパー部43を介して容易に添加物を収容室30内に補充することが可能となる。従って、補充するための添加物が補充時において添加物投入口40A以外のところに落下してしまい、食材として使用できなくなる不都合を抑制することが可能となる。
また、この添加物投入口40Aには、図10に示す如く上下に開口して所定容量を有する筒状の充填部44を着脱自在に取り付けることが可能となる。この場合において、充填部44の下端をフランジ40Bに当接して上方から嵌め込むことにより、容易に、且つ、確実に充填部44を取り付けることが可能となる。
尚、本実施例における充填部44は、複数の冷菓に添加物を添加可能とする量の添加物を充填可能とする。この充填部44に充填される添加物は、流動的なものではなく、所定の粘性を有するものが好ましい。そのため、一回の冷菓の抽出に伴う添加物の押出動作が終了した後、当該充填部44の上端開口から、図示しない押出部材を用いて、内部に充填された添加物を収容室30側に押し出すことにより、同一種類の添加物の添加を伴う冷菓の提供を複数個、連続して行う場合であっても、容易に添加物の補充作業を行うことが可能となり、複数の添加物の添加を伴う冷菓の提供を円滑に行うことが可能となる。
また、本実施例における充填部44は、上端が手前側、即ち、本体1とは反対側に傾倒して設けられる。そのため、当該充填部44への充填作業を容易に行うことが可能となる。
一方、容器22の一端、即ち、添加室31が設けられる側とは反対側の端部は、開口22Bとされており、当該開口22Bを閉塞するように前記ピストン部材41が取り付けられる。このピストン部材41は、収容室30の内壁に沿って摺動自在に当接した状態で内部を移動自在とされる。ピストン部材41の添加物押出動作における移動方向に対する幅寸法は、少なくとも前記添加物投入口40Aよりも大きく形成されているものとする。そして、このピストン部材41の添加室31とは反対側に位置する端部には、押圧装置24の押出部25の先端に形成される被嵌合部19と着脱自在に嵌合可能とする嵌合部42が形成されている。
本実施例における嵌合部42は、容器22が本体1に取り付けられた状態で、即ち、容器22が取出ノズル12に取り付けられ第2の回動角度位置とされた状態で、図11に示すように本体1側に向けて開口して形成されており、添加室31側とは反対側、即ち押出部25側の端面が所定寸法だけ手前側に後退して形成されている。この嵌合部42の上面及び下面には、前記開口の上方に位置して長孔42Aが形成されている。
他方、嵌合部42と係脱自在に嵌合する被嵌合部19は、詳細は後述する押圧装置24を構成する押出部25の先端に形成されるものである。当該押出部25は、本体1の前面に取り付けられる押圧装置24の側面より、容器22に向かって略水平に進退可能に設けられる。そして、この被嵌合部19は、前方に向けて開口を有する断面略コ字状を呈した柔軟性を有する材料、例えば、軟質合成樹脂製にて構成されており、当該被嵌合部19の嵌合部42側の端面が所定寸法だけ本体1側に後退して形成されていると共に、当該端面の幅寸法は、嵌合部42の開口の幅寸法よりも所定寸法だけ小さく形成されている。そして、この被嵌合部19は、前記嵌合部42の高さ寸法よりも少許小さく形成されていると共に、この上面及び下面には、図12の下方から見た断面図に示されるように、上方又は下方に向けて突出して形成される突部19A、19Aが形成されている。
次に、前記添加装置本体23について図13乃至図15を参照して説明する。図13は、添加装置20の斜視図、図14及び図15は押圧装置24を後方から見た斜視図を示している。尚、図13の添加装置本体23の前面は、取り外ずされた状態を図示する。添加装置本体23は、冷菓製造装置SMの本体1前面に固定部材27により固定される箱体にて構成される装置であり、前面には、液晶画面にて構成されるコントロールパネル45が設けられる。
添加装置本体23内には、前記押圧装置24と、制御装置が内装される図示しない電装箱などが収容される。押圧装置24は、先端に前記被嵌合部19を備えた押出部25と、当該押出部25を前記容器22側に向かって前進させることで、容器22の収容室30内の添加物を添加室31に押し出す方向で進退させる駆動部28とを備える。
駆動部28は、添加装置本体23内に固定されるラックアンドピニオン式の押出ラック26と、当該押出ラック26上をピニオンギア47を介して移動可能とするDCモータ48により構成される。DCモータ48は、矩形状に形成されるモータケース49内に収納され、当該モータケース49内には、図示しない減速機とを備えると共に、当該DCモータ48には、パルスを検出することでDCモータ48を制御するエンコーダ29が設けられる。そして、前記ピニオンギア47は、当該モータケース49の外面に位置して、前記DCモータ48により駆動可能に設けられる。これにより、DCモータ48が駆動されると、ピニオンギア47の正回転又は逆回転することにより、モータケース49に収容されるDCモータ48、エンコーダ29及び減速機がモータケース49ごと押出ラック26に沿って、前進又は後退する。
他方、押出部25は、添加装置本体23内に位置して、容器22の収容室30内の添加物の押出方向に渡って長手に延在して形成される断面略円形の棒状部材であり、容器22側に位置する一端は、添加装置本体23の側面に形成される開口23Aを介して、添加装置本体23の外側に臨んでいる。添加装置本体23の外側に位置する押出部25の先端には、詳細は上述した如き被嵌合部19が取り付けられている。そして、この開口23Aには、柔軟性を有する軟質合成樹脂にて構成される保持部材51を備える取付板52を介して摺動自在に押出部25が支持される。
この押出部25は、添加物の押出方向に位置する前記モータケース49の相対向する面にそれぞれ形成される貫通孔49A、49Aに挿通される。このとき、モータケース49内に位置する押出部25は、弾性部材、本実施例ではバネ部材46にて囲繞され、当該バネ部材46の一端は、ワッシャー50を介してモータケース49の内壁に固定される。尚、本実施例におけるバネ部材46を固定する面は、添加物の押出方向とは反対側に位置するモータケース49の内壁面であるものとする。これにより、モータケース49内に挿通される押出部25は、バネ部材46を介してモータケース49に保持される。これにより、長手に延在する押出部25は、少なくとも上述した如き二点にて摺動自在に保持される。
バネ部材46の他端側に位置する押出部25には、前記添加装置本体23内に位置して検出片54を備えた固定金具53が固定される。これにより、バネ部材46は、押出部25を挿通した状態で固定金具53とモータケース49間に位置することとなる。固定金具53は、外方に、本実施例では、押出ラック26とは反対側に向けて突出して検出片54が形成されている。他方、モータケース49には、光センサ(検出部)55が固定されている。この光センサ55は、検出片54にて遮られた状態でHIGHを出力し、遮られていない状態でLOWを出力するセンサである。尚、図14では、光センサ55は、検出片54にて遮られていない状態であるため、LOWを出力し、図15では、光センサ55は、検出片54にて遮られた状態であるため、HIGHを出力する。
そのため、光センサ55は、図15に示される如く押出部25の移動が停止され、モータケース49のみが進出し、固体金具53とバネ部材46が固定されるモータケース49の内壁との距離が縮まり、当該バネ部材46が縮退した状態、即ち、モータケース49に対する押出部25の所定の位置変化を、検出片54が光センサ55内に進入することで検出することが可能となる。
尚、図中における56は、モータケース49と容器22側に位置する添加装置本体23の内壁との間に位置するワッシャーである。
次に、図16の電気ブロック図を参照して添加装置20の制御装置Cについて説明する。この制御装置C、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、入力側には、前記コントロールパネル45の液晶に表示される添加物抽出スイッチ58と、前進スイッチ59と、後退スイッチ60と、非常停止スイッチ61が接続されると共に、前記光センサ55と、DCモータ48のエンコーダ29が接続されている。添加物抽出スイッチ58は、当該スイッチの入力によって、押圧装置24を作動させ、添加物を抽出指示するものであり、前進スイッチ59及び後退スイッチ60は、任意に押出部25を前進、後退操作するものである。また、非常停止スイッチ61は、押出部25の作動中に、任意に押出部25の動作を停止させるものである。他方、制御装置Cの出力側には、DCモータ48と、抽出動作の指示を行うためのブザー62等の報知装置が接続されている。
以上の構成により、本実施例における添加装置20の動作を説明する。まずはじめに、冷菓に添加する添加物を決定し、収容室30にピストン部材41を装填した状態で、当該添加物を添加物収納容器22の収容室30内に収容する。尚、添加物の収容は、蓋部材40を取り外した状態で行ってもよく、蓋部材40を取り付けた状態で、添加物投入口40Aを介して行っても良いものとする。また、ピストン部材41の装填は、添加物の収容前であっても、後であってもよい。
添加物としては、例えば果物などを所定の大きさに切り刻んだ果肉や、粒状のチョコレート、所定寸法以下に砕かれたナッツなどの固形物、又は、ジャムソースやチョコレートソースなどのように所定の粘度を有する液体状の添加物などが挙げられる。また、当該添加物は、一種類に限らず、複数種類を混合することにより、構成したものであってもよい。本実施例において、添加物は切り刻んだ果物の果肉であるものとする。
そして、この状態に準備された容器22を、添加室31の上端を冷菓製造装置SMの取出ノズル12に取り付ける。まずはじめに、ロック部材21を取出ノズル12に装着する。その後、添加室31の上部側面に形成された係合部31A、31Aをロック部材21の係合部35の係合穴35Aに挿入し、嵌合させる。尚、当該脱着可能な位置は、前記第1の回動角度位置である。当該作業は、衛生面から容器22のハンドル71を把持して行う。
嵌合させた状態を維持して、容器22を手前側から本体1前面側にプランジャ10の中心軸、又は、それに平行な軸を回動中心として後方に回動させ、収容室30をフリーザードア8と略平行とし、容器本体22Aの収容室30他側が押圧装置24に面した状態とする。即ち、上述した如き第2の回動角度位置とする。係る回動動作によって、係合部31A、31Aが、確実にロック部材21の係合部36に保持される。
このとき、押出部25は、所定の初期位置とされており、上述した如き容器22の添加室31側面に形成された係合部31Aをロック部材21に取り付けるための回動操作を行うことで、ピストン部材41に形成される嵌合部42は、押出部25の先端に設けられる被嵌合部19と嵌合される。尚、通常、押出部25は、容器22内の添加物の押出動作が終了した時点で、詳細は後述する如く当該初期位置に戻るものとする。
具体的には、図7に示されるように、第1の回動角度位置から第2の回動角度位置にまで回動されることにより、収容室30の端部に取り付けられるピストン部材41の嵌合部42と、本体1の前面に位置する被嵌合部19は、被嵌合部19の容器22側に位置する端面が嵌合部42の開口内に進入すると共に、嵌合部42の収容室30とは反対側の端面が被嵌合部19の開口内に進入し、図11に示す如く互いの開口に入り込んだかたちとなり、嵌合される。
このとき、被嵌合部19の上面及び下面に形成される突起19Aは、回動操作により嵌合部42内に押し込まれる力によって少許変形した後、嵌合部42の上面及び下面に形成される長孔42A内に進入し、これによって、被嵌合部19の添加物の押出動作における進退方向に対する動きが規制され、嵌合部42と被嵌合部19との嵌合が容易には脱離しない構成となり、確実な嵌合が実現される。
このように、容器22の添加室31を取出通路の出口部に相当する取出ノズル12に取り付ける方向への回動操作によって、容器22内に収容されるピストン部材41の嵌合部42と、押圧装置24先端に構成された被嵌合部19とを嵌合することが可能となるため、添加室31を取出ノズル12に取り付けるための一つの回動操作によって、同時に収納室30内に収納されるピストン部材41と、押圧装置24との嵌合動作を実行することが可能となり、取付作業性の向上を図ることが可能となる。
他方、容器22の収容室30に取り付けられるピストン部材41と押出部25とを係合を解除させるためには、容器22の添加室31側面に形成された係合部31Aをロック部材21から取り外すための回動操作を行うことで、ピストン部材41に形成される嵌合部42と押出部25の先端に設けられる被嵌合部19との嵌合が解除される。
具体的には、図8に示されるように、第2の回動角度位置とされる容器22の収容室30側を本体1方向とは反対の方向に向けて、本実施例では、前方に向けて添加室31を中心として第1の回動角度位置にまで回動させる。
これにより、被嵌合部19の上面及び下面に形成される突起19Aは、回動操作により嵌合部42内から押し出される力によって少許変形することで、嵌合部42の上面及び下面に形成される長孔42Aとの係合が解消される。これと共に、収容室30の端部に取り付けられるピストン部材41の嵌合部42と、本体1の前面に位置する被嵌合部19との嵌合は、解消される。
このように、容器22の添加室31を取出通路の出口部に相当する取出ノズル12から取り外す方向への回動操作によって、これらピストン部材41の嵌合部42と、押圧装置24先端に構成された被嵌合部19との嵌合を解除することが可能とされることから、取り外し作業の向上を図ることが可能となる。
これにより、煩雑な容器22の着脱作業及び当該容器22内に収容されるピストン部材41と押圧装置24との嵌合作業を簡素化することが可能となり、容易に添加物を収容する容器22の交換作業を行うことが可能となる。尚、図17は後述する予圧運転を行う前の状態の押圧装置24と容器22との関係を示している。
次に、添加物の抽出動作について説明する。制御装置Cは、コントロールパネル45の抽出スイッチ58の出力に基づき、エンコーダ29によって、モータ28を所定の予圧時間だけ、正回転させ、予圧運転を行う。
これにより、押圧装置24の押出部25は、DCモータ48が収容されるモータケース49ごと、ピニオンギア47の回転に従って、押出ラック26上を容器22側に移動する。このとき、当該押出部25の先端に設けられた被嵌合部19は、上述した如く容器22を取出ノズル12に取り付けるための回動操作によって、容器22のピストン部材41に形成される嵌合部42と嵌合されるため、DCモータ48の駆動力により、押出部25が容器22側に前進する押出動作により、押出部25に係合されるピストン部材41が収容室22内方に所定量だけ押し込まれ、DCモータ48が停止する。
これにより、収容室22内に収容された果肉等の添加物は、添加室31の方向に押し集められる。尚、当該予圧運転によりDCモータ48を駆動させる際には、制御装置Cは、報知手段としての前記ブザー62を作動させ、使用者に、予圧運転を実行しており、次いで添加物の抽出運転が開始されることを報知する。以上で、予圧運転を終了する。
次に、制御装置Cは、予圧運転終了と共に、抽出運転を実行する。本実施例において、当該抽出運転では、まず、ブザー62を3回、鳴動させる。当該3回目のブザー鳴動と共に、再びエンコーダ29によってDCモータ48を所定の抽出時間だけ正回転させる。使用者は、この3回目のブザー鳴動にあわせて、冷菓の取出レバー11を押し下げ、冷菓の抽出を実行する。尚、当該抽出時間は、冷菓1個分を抽出するのに要する時間であるものとする。
これにより、容器22の添加室31内には上方から冷菓が抽出されると共に、側方の収容室30からは、添加物としての果肉が抽出される。添加室31内において、冷菓に果肉が添着され、下ゲート部材33からは、果肉が均一に添着された冷菓が抽出される。そのため、使用者は、コーン製のカップなどに当該添加物が添着された冷菓を螺旋状に受けることで、見た目にも食欲を促進させる冷菓を提供することができる。
また、制御装置Cは、抽出運転による押出動作が進行し、容器22の収容室30内の添加物がすべて添加室31側に押し出されると、ピストン部材41の先端は、収容室30と添加室31とを区画する区画壁に当接し、それ以上の進出が阻害される。そのため、ピストン部材41に連結される押出部25の移動が阻止される。尚、本実施例では、押出部25の移動を阻止するものとして、収容室30と添加室31とを区画する区画壁を上げているが、これに限定されるものではなく、取出ノズル12に固定される容器22自体の他の押出部25の移動を阻止するものや、容器22内に固着してしまった添加物であっても良いものとする。また、図18は押出部25の移動が阻止された直後の押圧装置24と容器22との関係を示している。
ここで、押出部25は、添加装置本体23の開口23Aに位置する保持部材51により添加装置本体23に摺動可能に保持されると共に、バネ部材46を介してモータケース49に摺動自在に保持されている。そのため、押出部25の移動が阻止されても、モータケース49は、引き続きDCモータ48の駆動により添加物を押し出す方向に進出する。これにより、押出部25に固定される固定金具53と、モータケース49の容器22とは反対側の内壁との間隔は狭まり、これら固定金具53と内壁との間に設けられるバネ部材46は、モータケース49に対する押出部25の位置変化分だけバネ部材46が縮退する。
押出部25の移動が阻止された後、モータケース49の添加物を押し出す方向への進出が所定量だけ行われることで、モータケース49に固定される光センサ55(本実施例では当該光センサ55は、モータケース49の添加物を押し出す方向とは反対側に位置する側壁に固定される)が押出部25に固定される固定金具53の検出片54に近接して行き、当該検出片54が光センサ55を遮ることになり、光センサ55の出力がHIGHとなる。尚、図19は、光センサ55が検出片54に遮られた状態の押圧装置24と容器22との関係を示している。
当該光センサ50の出力に基づいて、制御装置Cは、エンコーダ29によってDCモータ48を停止し、添加物の抽出を終了する。使用者は、当該DCモータ48の停止に応じて、冷菓の取出レバー11を押し上げ、冷菓の抽出を終了する。尚、本実施例において、収容室31内には、冷菓1個分に相当する添加物が収容されており、所定時間抽出運転が実行されることで、収容室31内の添加物がすべて排出されることとなる。
これにより、押圧装置24は、押出部25の添加物を押し出す押出動作が収容室30内の添加物がなくなったことにより、容器22に固定されるもの、本実施例では、収容室30と添加室31とを区画する区画壁に当接することで、阻止された場合に、当該押出部25と、駆動部28を構成するモータケース49との位置変化を、モータケース49に固定される光センサ55と、押出部25に固定される固定金具53の検出片54によって検出し、これに基づいて、DCモータ48を停止し、押出動作を停止する。
そのため、押圧装置24のモータケース49が押出部25の先端の進出が阻止されているにもかかわらず、押出動作が継続されることを回避することが可能となる。これにより、押圧装置24と、容器22との取付位置に限定されることなく、適切に添加物の押出動作を停止することが可能となる。
従って、容器22とは別体に設けられる押圧装置24と容器22との取付状態の位置関係に不良が発生した場合、即ち、取付位置が精密に調整されていない場合であっても、添加物を押し出す押出動作が押出部25の移動が阻止されたことで、押圧装置24のDCモータ48による容器22内の添加物の押出動作を停止することが可能となるため、必要以上にモータ48に負荷が加わることによって、モータ48自体の寿命が短くなる不都合や、焼き付け等が発生する不都合を回避することが可能となる。また、必要以上に容器22側に力が加えられることで、当該容器22や押圧装置24自体が損傷等する不都合を回避することが可能となる。
このように、容器22と押圧装置24との取付関係に多少のズレが生じた場合であっても、適切に押圧装置24を動作させることが可能となることから、精密な位置関係の調整を行う必要がなくなり、組立作業の簡素化を図ることが可能となる。
尚、本実施例では、押圧装置24のDCモータ48が収容されるモータケース49側に光センサ55(検出部)を設け、押出部25に検出片54を備えた固定金具53を固定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、検出片54をモータケース49側に固定し、光センサ55を押出部25に固定したものであっても良いものとする。
そして、上述した如き抽出動作を終了した後、制御装置Cは、所定時間、例えば、DCモータ48が停止してから2秒後に、ブザー62を鳴動させた後、エンコーダ29によってDCモータ48を逆回転させる。これにより、モータケース49は、添加装置本体23の容器22側から、反対側の内壁側に後退し、これに伴って、押出部25は、添加装置本体23側に後退する。
このとき、押出部25は、移動が阻止された状態が解除されることにより、モータケース49との間に設けられるバネ部材46は、元の状態にまで伸張し、モータケース49に対する押出部25の位置が初期の状態に戻る。これによって、固定金具53の検出片54は、光センサ55とから離間することとなり、光センサ55は、LOWを出力することとなる。そして、この状態で次回の添加物抽出に備える。
このように本発明の添加装置20によって、抽出される冷菓に添加物を抽出する構成とされているため、容器22に所望の添加物を収容することで、添加室31内を通過する冷菓に円滑に添加物を添加することができるようになる。そのため、トッピングソース等のように予め添加物用に作成されたソース以外にも、新鮮な果物等の食材を冷菓を提供するその場において、切り刻み、容器22の収容室30に収容することで、新鮮な食材をも冷菓の添加物として用いることが可能となる。これにより、他種類の冷菓を提供することができ、販売のバリエーションの拡大が図られる。
更に、添加物を添加室31に押し出すピストン部材41は、押圧装置24とは、別体にて構成されていることから、添加物が直接押圧装置24に触れてしまう不都合を回避することができる。そのため、添加装置本体23から取り外し可能な部材のみ、即ち、容器22及びピストン部材41を洗浄するのみで、添加物が接触する部材を洗浄することが可能となる。これにより、衛生維持を容易に実行することが可能となる。また、添加物を所望に応じて変更した場合であっても、前回の添加物が混入する不都合を回避することができ、適切に所望の添加物を添加した冷菓を提供することができるようになる。更には、当該添加物収納容器22を複数使用し、これらを交換することによっても、容易に、他の種類の添加物を冷菓に添加して冷菓の提供を行うこともできる。