JP2007282380A - 電力系統負荷の模擬方法 - Google Patents

電力系統負荷の模擬方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007282380A
JP2007282380A JP2006105404A JP2006105404A JP2007282380A JP 2007282380 A JP2007282380 A JP 2007282380A JP 2006105404 A JP2006105404 A JP 2006105404A JP 2006105404 A JP2006105404 A JP 2006105404A JP 2007282380 A JP2007282380 A JP 2007282380A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
load
power
voltage characteristic
voltage
reactance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006105404A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4580362B2 (ja
Inventor
Shintaro Komami
慎太郎 駒見
Yoshio Yamagishi
良雄 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuriku Electric Power Co
Original Assignee
Hokuriku Electric Power Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuriku Electric Power Co filed Critical Hokuriku Electric Power Co
Priority to JP2006105404A priority Critical patent/JP4580362B2/ja
Publication of JP2007282380A publication Critical patent/JP2007282380A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4580362B2 publication Critical patent/JP4580362B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Supply And Distribution Of Alternating Current (AREA)

Abstract

【課題】電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬することなく、精度が高くて計算が容易な電力系統負荷の模擬方法を提供することを目的とする。
【解決手段】定リアクタンスXによる影響を等価的に考慮して送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsを算出し、定リアクタンスXおよびその背後負荷に代えて電圧特性係数αs,βsを持つ負荷P+jQsとして取り扱うことで、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬することなく、リアクタンスの影響を負荷の電圧特性中に反映して取り扱うことにより、負荷モデルの精度を高くすることができるようにした。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電力系統解析一般で用いられる電力系統負荷の模擬方法に関するものである。
従来、電力系統負荷の模擬方法としては、第一に、負荷機器単体の電圧特性ないし各負荷機器の電圧特性の加重平均で代表させる方法がある(例えば、非特許文献1参照)。また、第二に、第一の方法で負荷を模擬した上で、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬する方法がある。
電気学会論文誌B,107巻7号,昭和62年,p341-348「動態安定度に及ぼす負荷特性の影響」
しかしながら、第一の方法は、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンス分の影響を考慮していないため、負荷モデルの精度が悪くなるおそれがある。また、第二の方法は、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬しているため、例えば1機1負荷無限大系統モデルの線形化ブロックの係数の計算が複雑になるという欠点がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬することなく、精度が高くて計算が容易な電力系統負荷の模擬方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る電力系統負荷の模擬方法は、電力系統負荷の模擬方法であって、電力系統の送電端から受電端側の負荷機器に至る直列な定リアクタンスXの背後に負荷P+jQrと調相設備のコンデンサjQcとが存在する系統において、送受電端の電圧変化率の比κ、前記負荷側の有効電力、無効電力および前記調相設備の電圧特性係数α,β、γを用いて前記定リアクタンスXによる影響を等価的に考慮して送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsを算出し、前記定リアクタンスXおよびその背後負荷に代えて前記電圧特性係数αs,βsを持つ負荷P+jQsとして取り扱うようにしたことを特徴とする。
また、本発明に係る電力系統負荷の模擬方法は、上記発明において、送電端の電圧をVs、受電端の電圧をVr、前記電圧特性係数α,β,γをα=(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)、β=(ΔQr/Qr)/(ΔVr/Vr)、γ=(ΔQc/Qc)/(ΔVr/Vr)としたとき、前記電圧変化率の比κは、
κ=(ΔVs/Vs)/(ΔVr/Vr)
={(Vr 2+XQrβ−XQcγ)/Vs 2
+(X2/Vs 2r 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
+Qc 2(γ−1)}
により算出し、前記電圧特性係数αs,βsは、
αs=(ΔP/P)/(ΔVs/Vs)
={(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)}{(ΔVr/Vr)/(ΔVs/Vs)}
=α/κ
βs=(ΔQs/Qs)/(ΔVs/Vs)
={(Qrβ−Qcγ)/κQs
+(2X/κQsr 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
+Qc 2(γ−1)}
により算出することを特徴とする。
本発明に係る電力系統負荷の模擬方法によれば、定リアクタンスXによる影響を等価的に考慮して送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsを算出し、定リアクタンスXおよびその背後負荷に代えて電圧特性係数αs,βsを持つ負荷P+jQsとして取り扱うようにしたので、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスを直接模擬することなく、リアクタンスの影響を負荷の電圧特性中に反映して取り扱うことにより、負荷モデルの精度を高くすることができ、かつ、リアクタンスを直接模擬せずにリアクタンス分を省略しているので例えば線形化ブロックの係数の計算を容易化することができるという効果を奏する。
以下、本発明を実施するための最良の形態である電力系統負荷の模擬方法について図面を参照して説明する。
本実施の形態は、動的負荷および分散型電源を考慮した場合の電力系統の動態安定度を考察するための電力系統負荷の模擬方法への適用例を示す。図1は、1機1負荷無限大母線系統モデルを示す模式図である。1機1負荷無限大母線系統は、図1に示すように、1機無限大母線系統の途中に負荷が接続されたモデルとして表される。図1中、Vs,Vb,Vtは、無限大母線、系統母線、発電機母線それぞれの母線電圧であり、δb,δtは、無限大母線電圧Vsを基準とした各母線電圧Vb,Vtの位相であり、Xs,Xtは、各送電線のリアクタンスであり、Pg,Qgは発電機から系統母線に流れ込む有効電力および無効電力であり、Ps,Qsは、系統母線から無限大母線に流れ出す有効電力および無効電力であり、Pb,Qbは負荷の消費する有効電力および無効電力であり、Qcは調相設備が発生する無効電力である。負荷を有する部分系統の動態安定度を扱うには、図1に示すようなモデルが最も簡潔な記述となる。
ここで、発電機内部は界磁巻線までを考慮し、直軸磁束をΨfd、界磁電圧をEfd、直軸リアクタンスをXd、横軸リアクタンスXq、直軸過渡リアクタンスをXd´、直軸開路過渡時定数をTdo´、単位慣性定数をMとし、制動巻線の効果は一括して係数Dで表現するものとする。負荷は、一旦、(1)〜(3)式で示すように、有効電力、無効電力および調相設備の電圧特性係数がαb,βb,γbという静的模擬を行う。ここで、添え字bは、系統母線での値であることを示す。
ΔPb=αbb(ΔVb/Vb) ……………………………………(1)
ΔQb=βbb(ΔVb/Vb) ……………………………………(2)
ΔQc=γbc(ΔVb/Vb) ……………………………………(3)
以上から、動作点の周りの微小変化分についての関係が得られ、図2に示すように一つの1機1負荷無限大系統モデルの線形化ブロックにまとめることができる(非特許文献1参照)。
ここで、図2中、ω0は発電機定格角周波数、ΔPmは発電機への機械的入力の微小変化分、ΔPgは発電機電気的出力の微小変化分、Δωは発電機角周波数の微小変化分、Δδは発電機位相角の微小変化分、ΔVtは発電機端子電圧の微小変化分、ΔEfdは発電機界磁電圧の微小変化分、ΔΨfdは発電機直軸磁束の微小変化分、GAVRは自動電圧調整装置(AVR)の伝達関数ブロック、GPSSは系統安定化装置(PSS)の伝達関数ブロックである。
また、図2中、係数K1〜K6は、それぞれ以下の通りである。係数K1は、界磁磁束一定の状態における回転子の位相角変化に対する電気的出力の変化の割合である。係数K2は、回転子の位相角が一定の状態における界磁磁束変化に対する電気的出力の変化の割合である。係数K3は、界磁回路の閉路時定数に関わるファクタである。係数K4は、回転子の位相角変化に伴う減磁効果を示す係数である。係数K5は、界磁磁束一定の状態における回転子の位相角変化に対する端子電圧の変化の割合である。係数K6は、回転子の位相角が一定の状態における界磁磁束変化に対する端子電圧の変化の割合である。
ここで、図2に示す線形化ブロック構造は、1機無限大母線系統モデルの場合の線形化ブロックと全く同じであるが、係数K1〜K6を求める際に負荷の電圧特性を考慮する点で異なる。係数K1〜K6は、負荷の電圧特性係数によって変化する。
そこで、本実施の形態の特徴である電力系統負荷の模擬方法によって負荷特性について考察する。例えば図3に示すように、電力系統の送電端から受電端側の負荷機器に至る直列な定リアクタンスXの背後に負荷P+jQrと調相設備のコンデンサjQcとが存在する系統を考える。このような電力系統において、本実施の形態では、送受電端の電圧変化率の比κ、受電端となる負荷側の有効電力、無効電力および調相設備の電圧特性係数α,β、γを用いて定リアクタンスXによる影響を等価的に考慮することにより送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsを算出し、定リアクタンスXおよびその背後負荷に代えて算出された電圧特性係数αs,βsを持つ負荷P+jQsとして取り扱うことで電力系統負荷を模擬するようにしたものである。これにより、図1中では、系統から負荷機器までのインピーダンスは省略してあるが、このインピーダンスは、系統母線から負荷を見た電圧特性の中に含めて扱うことができる。
ここで、送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsの具体的な算出方法について説明する。まず、送電端の電圧をVs、受電端の電圧をVrとすると、各電圧特性係数α、β、γ、αs、βsは、それぞれ(4)式で定義される。
α=(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)
β=(ΔQr/Qr)/(ΔVr/Vr)
γ=(ΔQc/Qc)/(ΔVr/Vr)
αs=(ΔP/P)/(ΔVs/Vs)
βs=(ΔQs/Qs)/(ΔVs/Vs)
…………………………………………………………………………(4)
また、有効電力P、受電端の無効電力の合成値Qr−Qc、受電端の電圧Vr等は、
P=Vsrsinδ/X
r−Qc=(Vsrcosδ−Vr 2)/X
(XP)2+(XQr−XQc+Vr 2)2=Vs 2r 2
r 4−{Vs 2−2X(Qr−Qc)}Vr 2+X2{P2+(Qr−Qc)2}=0
r 2=(Vs 2/2)−X(Qr−Qc)
+√{(Vs 2/2)−X(Qr−Qc)}2−X2{P2+(Qr−Qc)2
…………………………………………………………………………(5)
で表される。
(5)式の微小変化分をとると、
s 2(ΔVs/Vs)
=Vr 2(ΔVr/Vr)+XQr(ΔQr/Qr)−XQc(ΔQc/Qc)
+(X22/Vr 2){(ΔP/P)−(ΔVr/Vr)}
+(X2/Vr 2)[(Qr 2(ΔQr/Qr)−Qrc{(ΔQr/Qr)+(ΔQc/Qc)}
+Qc 2(ΔQc/Qc)−(Qr−Qc)2(ΔVr/Vr)] ……………………(6)
となる。
ここで、送受電端の電圧変化率の比κは、(4)(6)式から、
κ=(ΔVs/Vs)/(ΔVr/Vr)
={(Vr 2+XQrβ−XQcγ)/Vs 2
+(X2/Vs 2r 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
+Qc 2(γ−1)} ……………………………………………………(7)
として求められる。
これにより、電圧特性係数αsは、(4)(7)式から、
αs=(ΔP/P)/(ΔVs/Vs)
={(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)}{(ΔVr/Vr)/(ΔVs/Vs)}
=α/κ ………………………………………………………(8)
として求められる。
一方、送電端の無効電力Qsは、
s=Qr−Qc+(X/Vr 2){P2+(Qr−Qc)2} …………………………(9)
として求められ、(9)式の微小変化分をとると、
s(ΔQs/Qs)
=Qr(ΔQr/Qr)−γQc(ΔVr/Vr)+(2X/Vr 2)[P2(ΔP/P)
+Qr 2(ΔQr/Qr)−Qrc{(ΔQr/Qr)+(ΔQc/Qc)}
+Qc 2(ΔQc/Qc)−P2(ΔVr/Vr)−(Qr−Qc)2(ΔVr/Vr)]
………………………………………………………………………(10)
となる。
(4)(7)(10)式から、
κQsβs=Qrβ−Qcγ
+(2X/Vr 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
+Qc 2(γ−1)}
………………………………………………………………………(11)
なる関係が得られ、電圧特性係数βsは、
βs=(ΔQs/Qs)/(ΔVs/Vs)
={(Qrβ−Qcγ)/κQs
+(2X/κQsr 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
+Qc 2(γ−1)} ………………………………………………(12)
として求められる。
ここで、電圧特性係数αs,βsを算出するための計算プログラムは、あらかじめパソコン等のコンピュータに組み込まれており、例えばエクセルを利用して必要な数値を入力することで自動的に算出されるように構成されている。本計算プログラムを実行すると、まず入出力表示手段が機能して、入出力欄表示ステップが実行される。入出力欄表示ステップでは、記憶装置に保存されている入出力フォームを読み込んでパソコンのCRT、LCD等の出力装置に表示する。図4−1は、入出力欄表示ステップにより表示される入出力フォームの一例を示す説明図である。入出力フォームのうち、後述のデータ入力欄に加えられた変更は、入力完了通知を受けると、随時、各入力データが記憶装置に保存されるとともに、入出力フォームにそのまま入力データが表示され、続いて以下に述べる潮流算出ステップ、電圧特性計算ステップのいずれか一方またはその両方が、新たな入力値を基に再計算される。
ここで、入出力フォームの上段には、電力系統定数に関する項目とそのデータ入力欄が関連付けて設けてあり、図4−1に示すように、送電端の電圧Vs、送電端から受電端へ向けて送電されている有効電力P、送電線のリアクタンスX、受電端の電圧Vr、負荷が消費する無効電力Qrの値をそれぞれ入力すると、送電端と受電端との電圧位相差δ、送電端の無効電力Qs、受電端側の無効電力の合成値Qrall、調相設備の無効電力Qcが算出されるようになっている。これを潮流算出ステップと呼ぶ。
この潮流算出ステップは、入出力フォームの上段に入力された値を読み込んで、以下に列挙するような算出処理を行う。
δ:(5)式の1行目の関係より、送電端と受電端の電圧位相差δを算出する。
s:Qs=(Vs 2−Vsrcosδ)/Xの関係より送電端の無効電力Qsを算出する。
rall:Qrall=Qr−Qc=(Vsrcosδ−Vr 2)/X((5)式の2行目)の関係より受電端の無効電力の合成値Qrallを算出する。
c:Qc=Qr−Qrall、つまり合成Qと負荷Qの差が調相設備によるQとしてQcを算出する。
算出結果は、記憶装置に保存されるとともに、入出力フォームの該当位置に出力される(図4−2参照)。潮流算出ステップが実行された場合は、算出された結果を用いて以下に述べる電圧特性計算ステップが引き続き実行される。
入出力フォームの下段右側には、受電端における有効電力および無効電力の電圧特性係数α,βおよび受電端に設置されている調相設備(力率改善コンデンサ)の電圧特性係数γ(通常は,2)を入力することが可能となっており、これらの値を入力することにより、送電端における有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsの値が電圧特性計算ステップにより自動的に計算される。これを電圧特性計算ステップと呼ぶ。
電圧特性計算ステップは、受電端における有効電力および無効電力の電圧特性係数α,βおよび受電端に設置されている調相設備(力率改善コンデンサ)の電圧特性係数γに入力された値および潮流計算ステップで入力ないし算出された値を読み込んで、以下に列挙する算出を行う。
βrall:負荷Qの電圧特性係数βと調相設備Qの電圧特性係数γのQによる重みづけ平均をとる。
κ:(7)式を用いて送受電端の電圧変化率の比κを算出する。
αs:(8)式を用いて送電端における有効電力の電圧特性係数αsを算出する。
βs:(12)式を用いて送電端における無効電力の電圧特性係数βsを算出する。
算出結果は、記憶装置に保存されるとともに、入出力フォームの該当位置に出力される。図4−2は、送電端から見た電圧特性係数αs,βsの値の算出結果例の入出力フォームの一例を示す説明図である。必要に応じて結果保存手段を動作させることにより、任意の入力および算出結果をそのままハードディスク等の記録媒体に保存することが可能である。
なお、本例においては、受電端における有効電力および無効電力の電圧特性係数α,β,γの入力欄は、1組のみで(1行のみで)説明したが、これを複数行に拡張することは容易であり、さらにこの結果を別途用意したグラフ出力フォームにより、例えば後述の図6のような形式で表示することも可能である。
ここで、実際的な構成例として、系統母線から負荷内部までの構造に図5に示すような負荷モデルを想定し、上述の電圧特性係数αs、βs等の関係式を適用する。図5は、図1に示したような系統母線に対して負荷として繋がる中間母線、負荷母線を含む負荷モデルを示しており、中間母線は連系用変電所の二次母線に相当し、大量のコンデンサが配置されているものである。また、中間母線から負荷端子までの間に分布する並列リアクタンスは、並列コンデンサによって補償されているものとする。
図5中、Vb,Vm,Vrは、系統母線、中間母線、負荷母線それぞれの母線電圧であり、Xm,Xrは、各送電線および変圧器相当分のリアクタンスであり、Xim,Rimは、動的負荷のインピーダンスであり、Xiz,Rizは、定インピーダンス負荷のインピーダンスであり、Pb,Qbは、系統母線から中間母線に流れ出す有効電力および無効電力であり、Qmは、中間母線から負荷端子に流れ出す無効電力であり、Qmcは、中間母線の調相設備が発生する無効電力である。
まず、系統状態の変化があってから充分時間が経過した定常状態を考える。負荷は、動的負荷が定電力特性(αim=0)を、静的負荷が定インピーダンス負荷(αiz=2)を有するものとし、これらの混合比t(0≦t≦1)を変えることで、負荷端子における有効電力の電圧特性係数αiを、(13)式
αi=(1−t)αim+tαiz ………………………………………………(13)
に従い、2から0まで変化させ、そのときの中間母線、系統母線における自端コンデンサを除く有効電力および無効電力の電圧特性係数αb,αm,βb,βmを計算した。なお、使用した定数は、Vb=1.0,Vm=0.970,Vr=0.941,Xm=0.20,Xr=0.15,Pb=1.0,Qb=0.254,Qm=0.271,Qr=0.1,Qmc=0.230とした。
図6に、系統母線および中間母線から見た負荷の電圧特性係数の計算結果例を示す。まず、中間母線における電圧特性係数αm,βmに関し、αmは2から0まで、βmは2から−2.317まで変化している。そして、負荷端子における有効電力の電圧特性係数αiが1のときは、αmが1.064、βmが−0.0215となっている。有効電力が負荷端子において定電流特性であっても、中間母線における電圧変動率は負荷端子における電圧変動率よりも小さいので、中間母線では定電流よりやや定インピーダンス特性に近づく。
一方、系統母線では、中間母線のコンデンサが大きく影響し、系統母線における電圧特性係数αb,βbに関して、αbは2から0まで、βbは2から−8.88まで変化している。そして、負荷端子における有効電力の電圧特性係数αiが1のときは、αbが1.252、βbが−2.071となっている。このように、電圧特性係数αiが1のときに系統母線での有効電力の電圧特性係数αbが1.252となることから、従来の第一の方法のように、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンスX分の影響を考慮せずに、αb=1と仮定すると、誤差を生じてしまうことが判る。
また、図1に示したような1機1負荷無限大母線系統モデルを図2に示すように線形化ブロック化して係数K1〜K6を算出する場合、従来の第二の方法によると、例えば系統母線には図5に示したような負荷モデルが繋がっていることを想定して、系統母線〜中間母線間のリアクタンスXmと、中間母線〜負荷母線間のリアクタンスXrを考慮しなくてはならない。この結果、係数Ki(i=1〜6)は、Ki=f(Xt,Xr,Xm,Xr)なる4個の変数による関数として求めることになり、係数Kiを解析的に求めるのが非常に困難となってしまう。これに対して、本実施の形態では、図3で説明したように、電力系統から負荷機器に至る直列のリアクタンス分による影響を(7)(8)(12)式によって等価的に考慮することで、直列のリアクタンス分を省略して、αs,βsなる有効電力および無効電力の電圧特性係数を持つ負荷P+jQsとして取り扱うようにしているので、系統母線に図4に示したような負荷モデルが繋がる場合であっても、Ki=f(Xt,Xr)なる2個の変数による関数として求めることが可能となり、係数K1〜K6を簡単に算出することができる。
1機1負荷無限大母線系統モデルを示す模式図である。 1機1負荷無限大系統モデルの線形化ブロックを示すブロック図である。 定リアクタンス背後の負荷とコンデンサを示す模式図である。 入出力欄表示ステップにより表示される入出力フォームの一例を示す説明図である。 送電端から見た電圧特性係数αs,βsの値の算出結果例の入出力フォームの一例を示す説明図である。 系統母線から負荷内部までの負荷モデルを示す模式図である。 系統母線および中間母線から見た負荷の電圧特性係数の計算結果例を示す特性図である。

Claims (2)

  1. 電力系統負荷の模擬方法であって、
    電力系統の送電端から受電端側の負荷機器に至る直列な定リアクタンスXの背後に負荷P+jQrと調相設備のコンデンサjQcとが存在する系統において、送受電端の電圧変化率の比κ、前記負荷側の有効電力、無効電力および前記調相設備の電圧特性係数α,β、γを用いて前記定リアクタンスXによる影響を等価的に考慮して送電端から見た負荷P+jQsの有効電力および無効電力の電圧特性係数αs,βsを算出し、前記定リアクタンスXおよびその背後負荷に代えて前記電圧特性係数αs,βsを持つ負荷P+jQsとして取り扱うようにしたことを特徴とする電力系統負荷の模擬方法。
  2. 送電端の電圧をVs、受電端の電圧をVr、前記電圧特性係数α,β,γをα=(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)、β=(ΔQr/Qr)/(ΔVr/Vr)、γ=(ΔQc/Qc)/(ΔVr/Vr)としたとき、前記電圧変化率の比κは、
    κ=(ΔVs/Vs)/(ΔVr/Vr)
    ={(Vr 2+XQrβ−XQcγ)/Vs 2
    +(X2/Vs 2r 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
    +Qc 2(γ−1)}
    により算出し、前記電圧特性係数αs,βsは、
    αs=(ΔP/P)/(ΔVs/Vs)
    ={(ΔP/P)/(ΔVr/Vr)}{(ΔVr/Vr)/(ΔVs/Vs)}
    =α/κ
    βs=(ΔQs/Qs)/(ΔVs/Vs)
    ={(Qrβ−Qcγ)/κQs
    +(2X/κQsr 2){P2(α−1)+Qr 2(β−1)−Qrc(β+γ−2)
    +Qc 2(γ−1)}
    により算出することを特徴とする請求項1に記載の電力系統負荷の模擬方法。
JP2006105404A 2006-04-06 2006-04-06 電力系統負荷の模擬方法 Expired - Fee Related JP4580362B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006105404A JP4580362B2 (ja) 2006-04-06 2006-04-06 電力系統負荷の模擬方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006105404A JP4580362B2 (ja) 2006-04-06 2006-04-06 電力系統負荷の模擬方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007282380A true JP2007282380A (ja) 2007-10-25
JP4580362B2 JP4580362B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=38683249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006105404A Expired - Fee Related JP4580362B2 (ja) 2006-04-06 2006-04-06 電力系統負荷の模擬方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4580362B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057684A1 (ja) 2007-10-30 2009-05-07 Ntt Docomo, Inc. 移動通信方法及び無線基地局
CN102682101A (zh) * 2012-04-28 2012-09-19 浙江大学 一种psasp至pss/e的交流电力系统潮流输入数据的转换方法
CN102890206A (zh) * 2012-03-23 2013-01-23 上海市电力公司 基于潮流法的线损信息检测方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61191235A (ja) * 1985-02-18 1986-08-25 株式会社東芝 負荷特性検出装置
JP2002034154A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Tokyo Electric Power Co Inc:The 負荷静特性パラメータ補正方法
JP2003047152A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 電力系統における負荷特性の導出方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61191235A (ja) * 1985-02-18 1986-08-25 株式会社東芝 負荷特性検出装置
JP2002034154A (ja) * 2000-07-14 2002-01-31 Tokyo Electric Power Co Inc:The 負荷静特性パラメータ補正方法
JP2003047152A (ja) * 2001-07-31 2003-02-14 Hokuriku Electric Power Co Inc:The 電力系統における負荷特性の導出方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009057684A1 (ja) 2007-10-30 2009-05-07 Ntt Docomo, Inc. 移動通信方法及び無線基地局
CN102890206A (zh) * 2012-03-23 2013-01-23 上海市电力公司 基于潮流法的线损信息检测方法
CN102682101A (zh) * 2012-04-28 2012-09-19 浙江大学 一种psasp至pss/e的交流电力系统潮流输入数据的转换方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4580362B2 (ja) 2010-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Kopse et al. Applying a wide-area measurement system to validate the dynamic model of a part of European power system
CN103809010B (zh) 用于确定中压网络的每相的电压和功率的装置及方法
Jensen Harmonic background amplification in long asymmetrical high voltage cable systems
CN111141995A (zh) 一种基于比幅原理的线路双端稳态量测距方法和系统
Geth et al. Current-voltage formulation of the unbalanced optimal power flow problem
Preece Improving the stability of meshed power networks: a probabilistic approach using embedded HVDC lines
JP4580362B2 (ja) 電力系統負荷の模擬方法
Sadeghi et al. A general index for voltage stability assessment of power system
EP2378296B1 (en) Method and arrangement for determining impedance values
US8838402B2 (en) Method and arrangement for voltage measurement
CN102004191A (zh) 消弧线圈并列运行系统中计算线路电容的方法
CN112186767A (zh) 含高比例可再生能源的海岛微电网频率稳定的优化控制方法
Glavic et al. Investigating state reconstruction from scarce synchronized phasor measurements
CN110196392B (zh) 无需转子定位的同步电机d、q轴参数的静止测试方法
Abdelaziz et al. Assessment of droop-controlled islanded microgrid maximum loadability
JP7437581B2 (ja) 結合負荷の制御されたスイッチングのための方法および装置
Melit et al. Modeling of the transmission of power line communication signal through the power electric transformer
Li Effect of rotor speed change on electromagnetic transient and angular swing of synchronous generators
Pacheco-Cherrez et al. A Fully Informative Phasor Measurement Unit for Distribution Networks With Harmonic Distortion
Majumder et al. Load frequency control for rural distributed generation
Hart Characterising the power system at a load busbar by measurement
Gu et al. Influence of rotor excitation source model in electromagnetic field–circuit coupling analysis model of tubular hydro‐generator on no‐load voltage waveform and damper winding loss calculation results
Chakrabortty Estimation, analysis and control methods for large-scale electric power systems using synchronized phasor measurements
Lo et al. Load modelling for Volt-VAR optimization control in limited network visibility-a case study in Malaysia
Abdulahovic et al. Simulation accuracy of the built‐in PSCAD and an owner‐defined synchronous machine model

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100531

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100608

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100806

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100827

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4580362

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees