JP2007281784A - 自己補対アンテナ - Google Patents

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Akira Saito
昭 斉藤
Kazuhiko Honjo
和彦 本城
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Abstract

【課題】自己補対アンテナを小型化する。
【解決手段】誘電体基板と、前記誘電体基板上に構成された複数のアンテナ導体を備え、前記複数のアンテナ導体の形状は、前記誘電体基板上で面対称及び回転対称かつ自己補対なパターンをなしていることを特徴とする自己補対アンテナにおいて、前記自己補対アンテナの大きさを、これが接続される送受信機の使用周波数帯をBwとしたとき、前記自己補対アンテナのインピーダンスの実部が周波数に略比例して増加し、かつ、インピーダンスの虚部が略ゼロである領域(第2領域)に、前記使用周波数帯Bwが含まれるように設定する。
【選択図】図2

Description

この発明は、高速の伝送を可能にする超広帯域無線方式などに適用可能な自己補対アンテナに関する。
近年無線LAN、ブルートゥース(商標)等の近距離無線インターフェースが広く使用されるようになってきているが、さらに高速の伝送を可能にする超広帯域無線方式(UWB)が次期システムとして注目されている。各国で仕様の検討が進められている最中であるが、その使用周波数として米国では3.1〜10.6GHzの間で比較的大きな出力が認められている。いずれにしてもこのUWBシステムは非常に広帯域の周波数を使用するため100Mbps以上の高速の無線伝送が可能であるが、このような広帯域の信号を伝送するアンテナを実現することは容易ではない。
特開2005−130292号公報「超広帯域アンテナ及び超広帯域高周波回路モジュール」 この発明は、誘電体基板と、前記誘電体基板上の片面に構成され、当該面において擬似自己補対な複数のアンテナ導体と、前記アンテナ導体の対称面に関し対称な複数の給電用導体とを備え、前記複数のアンテナ導体間の回転対称の中心において使用周波数の真空中での波長の1/10以下の間隙が設けられていることを特徴とする。非常に広帯域な範囲で反射損の少ないアンテナを実現する。 A.Saitou, T.Iwaki, K.Honjo, K,Sato, T.Koyama, K.Watanabe, "Practical Realization of Self-complementary Broadband Antenna on Low-Loss Resin Substrate for UWB applications" 2004 IEEE MTT-S Int. Microwave Symp.Dig. 20004
上述のように、UWB無線技術は広い帯域幅を使用する点に特徴がある。例えば、米国のUWBのシステムの規格では比帯域幅が20%以上であることが要求されている。しかし、このような広帯域なアンテナを実現することは非常に難しく、通常のアンテナを位相整合しても容易には実現できない。
特殊な構成のアンテナのひとつとして自己補対構造のアンテナが知られている。
自己補対アンテナとは、無限に広い完全導体板の2分の1で構成された任意形状のアンテナであって、その構造の穴に相当する部分の形状が、板の部分の形状と完全に同形である自己補対構造(自己補対形状)をもつアンテナのことである(詳しくは後述するが、図1、図6乃至図8において、アンテナ導体1(1a,1b),2(2a,2b)は対称軸ASに関して左右で対称となっており、また対称点PSに関して180°回転するとアンテナ導体自身と重なり、90°回転するとパターンのない部分と重なる。これが自己補対構造である)。
自己補対アンテナは、2端子の場合が最も単純な構造となる。自己補対アンテナは、「無限に広い完全導体板」という理想的な条件で、使用周波数およびその形状に無関係に入力インピーダンスが一定という特徴を備える(「自己補対の原理」と呼ばれる)。また、自己補対アンテナの定インピーダンス値は、基準導体板が1枚で2端子の場合には、Z=(電波インピーダンス)/2≒188.4 [Ω]となる。すなわち、自己補対アンテナは、「無限に広い完全導体板」という理想的な条件のもとで、すべての周波数で一定(約60πΩ)の入力インピーダンスとなる。したがって、自己補対アンテナに広帯域の位相整合回路を設けることで、マイクロ波帯で常用される50Ωに整合された広帯域アンテナを作製することができる。
しかし、無限大の大きさの導体板(アンテナ)は製造することができないので、それを有限の大きさとせざるを得ない。この場合、入力インピーダンスが一定になる周波数は、アンテナサイズに依存する。当該周波数以下の周波数では入力インピーダンスが一定にならないため、従来は使用できないとされていた。
そのため、使用周波数が決まるとアンテナサイズの下限が自動的に定まる。自己補対アンテナにはインピーダンス一定という利点があるものの、その小型化には限界があった。
本発明は、使用周波数一定の条件の下でインピーダンス整合された、理想的な条件を満足しない自己補対アンテナを抜本的に小型化することのできるアンテナの構造を提供するものである。
誘電体基板と、前記誘電体基板上に形成された複数のアンテナ導体を備え、前記複数のアンテナ導体は、前記誘電体基板上で面対称及び回転対称な自己補対構造をなしていることを特徴とする自己補対アンテナにおいて、
前記複数のアンテナ導体の大きさは、前記自己補対アンテナのインピーダンスの実部が周波数に略比例して増加し、かつ、前記インピーダンスの虚部が略ゼロである領域(第2領域)に、前記自己補対アンテナが接続される送信機又は受信機の使用周波数帯が含まれるように設定されていることを特徴とするものである。
具体的には、前記複数のアンテナ導体の大きさを、使用周波数帯の上限周波数の波長の2分の1以下とすることにより、前記第2領域に、前記自己補対アンテナが接続される送信機又は受信機の使用周波数帯が含まれるように設定することができる。
前記複数のアンテナ導体の大きさは、前記複数のアンテナ導体の回転対称の中心を通る直線上において、前記使用周波数帯に含まれる周波数(好ましくは、使用周波数帯の上限周波数)の波長の2分の1以下とするとよい。
さらに、前記複数のアンテナ導体それぞれに接続される複数の給電用導体を備え、
前記複数の給電用導体は、前記複数のアンテナ導体の対称面に関し対称に配置されており、かつ、前記複数の給電用導体の長さは、それぞれ前記使用周波数帯に含まれる周波数の波長の4分の1であるようにしてもよい。
前記複数の給電用導体にそれぞれ設けられた複数のシャント容量を備えるようにしてもよい。
前記複数のアンテナ導体の一方及び前記複数の給電用導体の一方は、前記誘電体基板の一方の面に設けられ、前記複数のアンテナ導体の他方及び前記複数の給電用導体の他方は、前記誘電体基板の他方の面に設けられているようにしてもよい。
上述のように、自己補対アンテナは、「無限に広い完全導体板」という理想的な条件で、使用周波数およびその形状に無関係に入力インピーダンスが一定になることが知られている。しかし、無限大の大きさのアンテナは製造することができないので有限の大きさとせざるをえない。有限な大きさの自己補対アンテナは、その構造寸法によって規定される低域限界周波数以上において入力インピーダンスが一定になることが知られている(下記の第3領域)。
有限の大きさの自己補対アンテナは、いわば現実の自己補対アンテナである。本件発明者らは、現実の自己補対アンテナの入力インピーダンスは低域限界周波数付近では緩やかに増加しながら一定値に達すること、および低域限界周波数以下の更に低い周波数に至るまで入力インピーダンスが純抵抗(虚数部0)となる周波数領域(第2領域:図2の周波数がfa乃至fbの領域)が存在することを発見し、これが現実の自己補対アンテナ特有の性質であることを明らかにした。
現実の自己補対アンテナの特性は、下記の第1領域乃至第3領域に分けることができる(図2参照)。
(1)インピーダンスの実部(抵抗分)が周波数に比例して増加し、かつ、インピーダンスの虚部(容量分)がゼロではない第1領域(図2の周波数が0乃至faの領域)
(2)インピーダンスの実部(抵抗分)が周波数に比例して増加し、かつ、インピーダンスの虚部(容量分)がゼロである第2領域(図2の周波数がfa乃至fbの領域)
(3)インピーダンスの実部(抵抗分)が周波数に関係なく一定で、かつ、インピーダンスの虚部(容量分)がゼロである第3領域(図2の周波数がfbより大きい領域)
従来の自己補対アンテナは、前記第3領域で動作するように設計されていた。
自己補対アンテナの前記第3領域における定インピーダンス理論値は188(60Pi)ohmである。誘電体基板上に構成した有限の大きさの平面扇形自己補対アンテナ(図1参照)の入力インピーダンスは、低域限界周波数(図3の6GHz)よりはるかに低い周波数(同3GHz)に至るまで純抵抗(虚数部0)のままで減少している。発明者らはそのことに注目し、加えて、4分の1波長線路のインピーダンス変換作用を巧み利用することにより、広帯域にわたって50ohmに整合する実用的な小型アンテナ構造を提供する。
例えば、使用周波数帯を3GHz−6GHzとすると、従来の自己補対アンテナの大きさはその下限の周波数(3GHz)から決まり、その波長は10cmであるからアンテナのサイズは5cmとなる。これに対し、本発明に係る自己補対アンテナの大きさは、同じ使用周波数帯として、その大きさはその上限の周波数(6GHz)から決まり、従来の半分の2.5cmとすることができる。アンテナのサイズを小さくすることは装置の小型化に貢献するばかりでなく、良好な放射パターンを得るためにも好ましい。
この発明によれば、従来よりも小型で、広帯域にわたって使用可能なアンテナ構造を提供することができる。
発明の実施の形態1.
発明の実施の形態1に係るアンテナについて図面を参照して説明する。
図1(a)は、発明の実施の形態1に係る自己補対アンテナの平面図である。1a、1b、2a,2bはアンテナを構成するアンテナ導体、3,4はそれぞれの一方の端がアンテナ導体1,2に接続された給電用導体である。5,6は給電用導体3,4のアンテナ導体1,2と反対側の端である。これらの部分5,6から位相が互いに180度ずれた信号が給電される。アンテナ導体1,2及び給電用導体3,4は、対称軸ASに関して線対称である。図1の形態は、アンテナ導体は、直角二等辺三角形部分1a、2aとこれに外接する半円状の部分1b、2bとから構成される。
アンテナ導体1と2の間には対称点PSが存在し、この対称点PSに関してアンテナ導体1と2は回転対称であるとともに、対称点PSを中心にアンテナ導体1,2を90度右あるいは左に回転したとき、アンテナ導体1,2はこれらが設けられていない部分とぴったり重なるようになっている。アンテナ導体1と2の間隔はLである。間隔Lは、使用周波数帯の上限の周波数の真空中での波長の1/2以下である。間隔Lはいわばアンテナのサイズ(導体板の大きさ)であり、これは、例えば対称点PSを通る直線上で測った導体板の外形長、典型的にはその最大長で定義される。
図1(b)は、図1(a)のA−A矢視断面図である。11は誘電体基板である。アンテナ導体1a,1b,2a,2b及び給電用導体3,4は、誘電体基板11の同じ面上に形成される。
なお、図1(c)に示すように、アンテナ導体1a,1b及び給電用導体3を誘電体基板11の一方に設け、アンテナ導体2a,2b及び給電用導体4を誘電体基板11の他方に設けるようにしてもよい。
アンテナ導体1と給電用導体4、アンテナ導体2と給電用導体3はそれぞれ電気的に接続されている。アンテナ導体1、2に対して給電用導体3,4の他端5,6から給電されるが、これらの位相は逆位相である。給電用導体3,4も対称面ASに関し対称となっている。
図2は、自己補対アンテナの入力インピーダンスの説明図(模式図)で、概ね次の3つの領域に分けることができる。
(1)インピーダンスの実部Re(Zin)(抵抗分)が周波数に比例して増加し、かつ、インピーダンスの虚部Im(Zin)(容量分)がゼロではない第1領域(図2の周波数が0乃至faの領域)
(2)インピーダンスの実部(抵抗分)が周波数に比例して増加し、かつ、インピーダンスの虚部(容量分)がゼロである第2領域(図2の周波数がfa乃至fbの領域)
(3)インピーダンスの実部(抵抗分)が周波数に関係なく一定で、かつ、インピーダンスの虚部(容量分)がゼロである第3領域(図2の周波数がfbより大きい領域)
発明の実施の形態1に係るアンテナは、例えば図2(a)又は図2(b)に示すように、その使用周波数帯域Bwが第2領域に含まれることを特徴とする(図2(b)については発明の実施の形態1の説明の最後でさらに説明を加える)。典型的には、図2(a)に示すように、使用周波数帯域Bwの下限周波数をfL、上限周波数をfHとしたとき、fa≦fL<fH≦fbである。このとき、図2(a)の特性のアンテナの大きさLは、第2領域と第3領域の境界である周波数fbの1/2である(なお、図2(b)のアンテナの大きさも同じ)。したがって、図2(a)の例では、(アンテナの大きさL)=(周波数fbの波長の1/2)≦(周波数fHの波長の1/2)≦(使用周波数帯域Bwに含まれる任意の周波数の波長の1/2)という関係が成立する。
別の言い方をすれば、発明の実施の形態1に係るアンテナは、その大きさが使用周波数帯Bwに含まれる周波数の波長の2分の1以下であることを特徴とする。
なお、従来は、使用周波数帯域を第3領域に設定していた(図2(a)の点線)。
図3乃至図5を参照して、上記特徴について詳細な説明を加える。
図3は、自己補対アンテナの入力インピーダンスの実部及び虚部の実測値を示す。
図4は、アンテナ単体(図1の給電用導体3,4を除いたもの)を差動で50Ω負荷した状態の構成(図4(a))と、そのときの反射損失(図4(b))と、その特性(図4(c):スミスチャート上に描かれている)を示す。
図5は、線路長が4GHzで波長の1/4になる結合線路給電線3,4を用いて位相整合した状態の構成(図5(a))と、そのときの反射損失(図5(b))と、その特性(図5(c):スミスチャート上に描かれている)を示す。給電線3,4は、自己補対アンテナの入力インピーダンスを50Ωに整合する機能と、アンテナ導体1,2に差動信号を給電する機能を兼ねている。
図3は、誘電率4.2、厚さ1mmの基板上に構成した横幅25mmの自己補対アンテナ単体の入力インピーダンスの周波数依存性を示す。実測値では6GHz近傍で入力インピーダンスが一定値に達しており6GHzの波長が50mmであることから概ね波長の1/2のサイズ(25mm)で定インピーダンス値に達していることがわかる。逆にいうとアンテナのサイズを決定すると一定のインピーダンスに達する周波数が決まりその周波数以上では一定のインピーダンスとなっているので、例えばチェビシェフインピーダンス変換等の方法を用いれば広帯域なインピーダンス変換が可能となる。従って、従来は使用周波数が決まるとアンテナサイズの下限が決まりこのことで小型化の限界が規定されていた(非特許文献1)。
しかし、図3の実測値を良く見ると、入力インピーダンスの実部は6GHzまでは定インピーダンスには達しないが緩やかに増大しており、一方虚部は3GHzとかなり低い周波数から定インピーダンスの0に収束していることがわかる。この現象はアンテナとしてよく使用されるダイポールアンテナ等が実数部も虚数部も急峻に変化するのと比べると著しい差であり自己補対アンテナの特長と考えられる。ダイポールアンテナにおいては主に虚数部が急激に変化するため帯域が制限されている。これに対し、自己補対アンテナでもさらに低い周波数では虚数部も急激に変化するが、ある周波数範囲では実数部は緩やかに変化するものの、虚数部はほぼ0となっている領域(第2領域)が存在することを見出したことで、この領域を用いた小型かつ広帯域のアンテナを実現することができるようになった。
以下、実際に実現手段を示しこれが可能なことを説明する。
上記の実測値から、定インピーダンスに達する周波数(図2のfb、図3の6GHz)以下の周波数で虚数部が概ね0の領域が存在することがわかった。ここで、その周波数領域(第2領域)における入力インピーダンスの値を以下のように近似する。
Zin=Z0+a(f−f0)
ここで、fは周波数、f0は周波数帯域(第2領域又は使用周波数帯域Bw)の中心周波数、Z0は当該帯域中心の実数の入力インピーダンス、aは実数で周波数あたりのインピーダンスの増加量を示す。図3の実測値では、3GHzで入力インピーダンス30Ω、6GHzでは入力インピーダンスは188Ωであり、その間ではほぼ線形にインピーダンスが上昇している。この場合、上記式のパラメタはZ0=82.7Ω、a=53.7Ω/GHz,f0=4GHzに相当する。この条件のもと3〜5GHz(比帯域幅50%)の広い帯域で50Ωに整合することを考える。
まず、アンテナを直接50Ωのインピーダンスに直結した時の特性を図4に示す(端子5,6に50Ωインピーダンスが接続される)。この状態でも、反射損失−10dB以下の範囲は2.9GHzから4.3GHzと比較的広帯域な特性が得られている。この比帯域は39%である。このことから、自己補対アンテナの入力インピーダンスの虚部が0の領域を用いれば広帯域な特性が容易に得られることがわかる。図4(c)のスミスチャートでこれを見ると、入力インピーダンスは実数であるため実軸上にローカスは位置している。但し、給電線がないと実用上不便なので、インピーダンス変換を兼ねた給電線を設けることを次に考える。
奇モード特性インピーダンス30.5Ω、4GHzでの1/4波長の結合線路3,4でインピーダンス変換を行う(図5(a))。この場合、図5(b)に示すように、反射損失−10dB以下の範囲は3.2GHzから5GHzに広がる。その比帯域幅は44%に上昇する。4GHzで波長/4の長さの線路をつないでいるため、図5(c)のスミスチャートで見ると、4GHz以下の周波数では位相回転は180度に達しないため、ローカスは左半面から移動してスミスチャートの上半面に存在する。一方、4GHzより高周波側では位相回転は180度を超えるため、ローカスは右半面から回転してやはり上半面に存在する。負のサセプタンスを加えることでさらに反射損失の改善が見込まれる(発明の実施の形態2参照)。
比帯域幅50%程度の広帯域アンテナは、通常のアンテナを位相整合しても容易には得られない。一方、従来の自己補対アンテナでは広帯域特性は得られるが、そのサイズが最低使用周波数での波長の1/2の大きさ以上必要であった。これに対し、本発明の実施の形態1によれば、上に示したように広帯域な特性をアンテナサイズが使用最低周波数での波長の1/4で実現できており、従来の波長の1/2以上と比べ大幅な小型化が可能である。
図6及び図7は発明の実施の形態1に係る自己補対アンテナの別の形態の平面図である。
図6の形態は、図1の半円形の導体部分1b及び2bを取り除いたものである。
図7の形態は、アンテナ導体は、2つの直角二等辺三角形部分1a及び1b(図1(a)と同様のもの)、2つの直角二等辺三角形部分2a及び2b(1a及び1bと同様のものであるが向きが反対)とから構成される。図7のアンテナ導体1aと1b,2aと2bは略正方形を形成する。
本発明の実施の形態1に係るアンテナは、図1、図6又は図7のいずれかの形態を取り得る。
発明の実施の形態2.
図8は、発明の実施の形態2に係るアンテナの平面図を示す。図中の7、8は、インピーダンス結合線路で構成された差動用シャントキャパシタを示す。図8において、図1の要素と同一又は相当部分は同一符号を付している。
発明の実施の形態2では、発明の実施の形態1に低インピーダンスの短い結合線路7,8を設けたものである。この結合線路7,8は差動信号に対するシャント容量を構成し、給電線3,4とともに、アンテナ導体1,2で定まる入力インピーダンスを50Ωに整合する機能とアンテナ導体1,2に差動信号を給電する機能を兼ねている。
図9を参照して発明の実施の形態2に係るアンテナの動作を説明する。
図9(a)は、線路長が4GHzで波長の1/4になる結合線路給電線3,4ならびに短い結合線路7,8で実現される差動用シャントキャパシタを備えるアンテナを示す。図9(b)は、差動用シャントキャパシタを用いて位相整合したアンテナの反射損失を示す。図9(c)は、スミスチャート上のローカスを示す。
図5に示すように、上記奇モード特性インピーダンスを27.5Ωとし、さらに1対の差動シャント容量0.69pFを負荷すると、3〜5.9GHz(比帯域幅60%)と50%を超える帯域幅が得られる。このことから、自己補対アンテナの入力インピーダンスが定インピーダンスに達しない領域(第2領域)でも広帯域な特性を得ることができることが示された。このアンテナサイズは、使用最低周波数の3GHzでは1/4波長の大きさ程度であるが、比帯域幅50%以上の広帯域な特性を得ることができ、小型で50Ω整合された広帯域自己補対アンテナが実現できることが示された。
図2(b)について簡単に説明を加える。容易にわかるように、同じサイズのアンテナで図2(a)に示したfbの周波数をまたぐような周波数帯で使用することもできる。例えば、Bwで示された範囲のインピーダンスの範囲(図2(a)の斜線部分に対応するインピーダンスの範囲(縦軸の幅))と等しい幅でアンテナの定インピーダンス値を含むインピーダンスであれば同じように整合がとれるため、図2(b)に示すように、図2(a)の場合より高いインピーダンスを中心とし(図2(a)(b)の「インピーダンスの中心」を参照)、定インピーダンス値を含む周波数範囲で整合をとればfb以上の周波数に対しても整合を取ることができ、さらに広帯域のインピーダンス整合アンテナが実現できる。ただし、より高インピーダンス側で整合をとるため最低周波数は図のfLよりも高くなることになる。
図2(b)に示す周波数−インピーダンス特性と使用周波数帯の関係は、前記第2領域に送受信機の使用周波数帯が含まれるようにアンテナの大きさが設定されている、と言うことができる。図2(b)のように使用することも、本発明に含まれる。
発明の実施の形態3.
図1(c)に示すように、アンテナ導体は薄い誘電体の両側に分けて配置されていてもよい。誘電体基板11を給電線3,4で挟むことになるので、誘電率が増加し(空気の誘電率よりも誘電体基板11の誘電率の方が高い)、小型化することができる。誘電体基板11は薄いため、図1(c)のようにアンテナ導体1と2を別の面に設けても、特段問題は生じない。
なお、給電線3,4は帯域中心周波数の波長の1/4の長さとすることもできるし、アンテナの入力インピーダンスのわずかな虚数部を補正するために長さを変えてもよい。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
図1(a)は発明の実施の形態1に係るアンテナモジュールの平面図、図1(b)はA−A矢視断面図、図1(c)は他のA−A矢視断面図である。 図2(a)は、発明の実施の形態に係る自己補対アンテナの入力インピーダンスの説明図、同図(b)は発明の実施の形態に係る自己補対アンテナの入力インピーダンスの他の説明図である。 発明の実施の形態に係る自己補対アンテナの入力インピーダンスの実測値を示す図である。 図4(a)はアンテナ単体の測定ブロック図、図4(b)はそのときの反射損失を示す図、図4(c)はそのときのスミスチャート上のローカスを示す図である。 図5(a)は1/4波長の結合線路で整合したアンテナの測定ブロック図、図5(b)はそのときの反射損失を示す図、図5(c)はそのときのスミスチャート上のローカスを示す図である。 発明の実施の形態1に係る他のアンテナモジュールの平面図である。 発明の実施の形態1に係る他のアンテナモジュールの平面図である。 発明の実施の形態2に係るアンテナモジュールの平面図である。 図9(a)は1/4波長の結合線路ならびにシャント容量で整合したアンテナの測定ブロック図、図9(b)はそのときの反射損失を示す図、図9(c)はそのときのスミスチャート上のローカスを示す図である。
符号の説明
1、1a,1b アンテナ導体
2、2a,2b アンテナ導体
3,4 インピーダンス変換器(給電線)
5,6 給電端
7,8 シャントキャパシタ(給電線)
11 誘電体基板
AS 対称線
PS 対称点

Claims (5)

  1. 誘電体基板と、前記誘電体基板上に形成された複数のアンテナ導体を備え、前記複数のアンテナ導体は、前記誘電体基板上で面対称及び回転対称な自己補対構造をなしていることを特徴とする自己補対アンテナにおいて、
    前記複数のアンテナ導体の大きさは、前記自己補対アンテナのインピーダンスの実部が周波数に略比例して増加し、かつ、前記インピーダンスの虚部が略ゼロである領域に、前記自己補対アンテナが接続される送信機又は受信機の使用周波数帯が含まれるように設定されていることを特徴とする自己補対アンテナ。
  2. 前記複数のアンテナ導体の大きさは、前記複数のアンテナ導体の回転対称の中心を通る直線上において、前記使用周波数帯に含まれる周波数の波長の2分の1以下であることを特徴とする請求項1記載の自己補対アンテナ。
  3. 前記複数のアンテナ導体それぞれに接続される複数の給電用導体を備え、
    前記複数の給電用導体は、前記複数のアンテナ導体の対称面に関し対称に配置されており、かつ、前記複数の給電用導体の長さは、それぞれ前記使用周波数帯に含まれる周波数の波長の4分の1であることを特徴とする請求項1記載の自己補対アンテナ。
  4. 前記複数の給電用導体にそれぞれ設けられた複数のシャント容量を備えることを特徴とする請求項3記載の自己補対アンテナ。
  5. 前記複数のアンテナ導体の一方及び前記複数の給電用導体の一方は、前記誘電体基板の一方の面に設けられ、前記複数のアンテナ導体の他方及び前記複数の給電用導体の他方は、前記誘電体基板の他方の面に設けられていることを特徴とする請求項3記載の自己補対アンテナ。
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