JP2007281670A - 圧電薄膜共振器及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工数を削減できる圧電薄膜共振器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】基板2上に凹部2b、2cを形成する凹部形成工程と、凹部2b、2cの側壁2d、2eに第1電極3、13を成膜する第1電極成膜工程と、第1電極3、13上に圧電薄膜4、14を積層する圧電薄膜成膜工程と、圧電薄膜4、15上に第2電極5、15を積層する第2電極成膜工程と、第1電極3、13、第2電極5、15及び圧電薄膜4、14の下方の基板2と第1電極3、13に隣接した側方の基板2とを除去する除去工程とを備え、基板2の開口部2a内に配される振動部6、16を形成した。
【選択図】図13
【解決手段】基板2上に凹部2b、2cを形成する凹部形成工程と、凹部2b、2cの側壁2d、2eに第1電極3、13を成膜する第1電極成膜工程と、第1電極3、13上に圧電薄膜4、14を積層する圧電薄膜成膜工程と、圧電薄膜4、15上に第2電極5、15を積層する第2電極成膜工程と、第1電極3、13、第2電極5、15及び圧電薄膜4、14の下方の基板2と第1電極3、13に隣接した側方の基板2とを除去する除去工程とを備え、基板2の開口部2a内に配される振動部6、16を形成した。
【選択図】図13
Description
本発明は、対向する電極間に圧電薄膜を有する圧電薄膜共振器及びその製造方法に関する。
携帯電話や無線LAN等の高周波を扱う通信機器は小型化、高性能化及び低コスト化が求められている。また、これらの通信機器では使用する周波数帯域が決められており、余分な周波数を遮断する必要がある。このため、より小型で低コストのフィルタの開発が必要になっている。
近年、マイクロマシニング技術を用いた高周波デバイスとして、RF−MEMS(Radio Frequency Micro-Electro-Mechanical-Systems)デバイスが注目されている。このRF−MEMSを使ったフィルタの一種が圧電薄膜共振器である。従来の圧電薄膜共振器は特許文献1、2に開示される。
これらの圧電薄膜共振器は2つの電極間に圧電薄膜を配した振動部が基板上に積層して形成される。電極間に電圧を印加すると圧電薄膜中にバルク縦音波が伝わって振動部が振動する。これにより、圧電薄膜の共振周波数を境に高周波側または低周波側の信号を遮断するバンドパスフィルタが構成される。
基板には振動部が振動できるように振動部の背面側に空洞が設けられる。特許文献1の圧電薄膜共振器は基板の裏面からエッチングを行って空洞が形成される。特許文献2の圧電薄膜共振器は基板上に開口部を形成し、開口部にガラスが充填される。振動部は開口部の周縁の対向する2箇所に橋架するようにガラス上に形成される。そして、ガラスをエッチングにより除去して開口部により空洞が形成される。
特開2002−359539号公報(第3頁−第4頁、第1図)
特開2002−374145号公報(第4頁−第5頁、第2図)
しかしながら、上記特許文献1の圧電薄膜共振器によると、空洞を形成するために基板の厚み分だけエッチングを行うためエッチング時間がかかる。このため、圧電薄膜共振器の製造工数が大きくなる問題があった。また、上記特許文献2の圧電薄膜共振器によると、空洞を形成するために開口部にガラスを充填する必要があり、製造工程が複雑で製造工数が大きくなる問題があった。
また、従来の圧電膜共振器は基板に垂直な方向に電極、圧電膜及び電極が積層され、チップサイズが約1mm×1mmと大きくなるため小型化が求められる。
本発明は、製造工数を削減し、小型化を図ることのできる圧電薄膜共振器及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の圧電薄膜共振器は、対向する第1、第2電極間に圧電薄膜を配した振動部を備え、第1、第2電極間に電圧を印加して前記圧電薄膜を振動させる圧電薄膜共振器において、基板に形成した開口部内に第1、第2電極及び前記圧電薄膜を前記基板の表面に平行な方向に積層したことを特徴としている。
この構成によると、基板の表面に平行な方向に第1電極、圧電薄膜、第2電極を積層した振動部が開口部に橋架される。第1、第2電極間に電圧を印加すると振動部が基板の表面に平行な方向に振動する。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器において、前記圧電薄膜の厚みが異なる複数の前記振動部を設けたことを特徴としている。この構成によると、一の振動部と他の振動部とが異なる共振周波数を有する。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器において、第1、第2電極に接続される高周波回路を前記基板上に設けたことを特徴としている。この構成によると、高周波回路により第1、第2電極間に電圧を印加して振動部が振動する。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法は、基板上に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部の側壁に第1電極を成膜する第1電極成膜工程と、第1電極上に圧電薄膜を積層する圧電薄膜成膜工程と、前記圧電薄膜上に第2電極を積層する第2電極成膜工程と、第1、第2電極及び前記圧電薄膜の下方の前記基板と第1電極に隣接した側方の前記基板とを除去する除去工程とを備えたことを特徴としている。
この構成によると、凹部形成工程でエッチング等により基板上に凹部が形成される。第1電極成膜工程では斜めスパッタ等により凹部の側壁に第1電極が成膜される。圧電薄膜成膜工程では斜めスパッタ等により第1電極上に圧電薄膜が積層される。第2電極成膜工程では斜めスパッタ等により圧電薄膜上に第2電極が積層される。これにより、第1、第2電極間に圧電薄膜が配された積層膜が形成される。除去工程では積層膜に接する下方と側方の基板がエッチング等により除去される。これにより、凹部を含む開口部が基板に形成され、開口部内に積層膜から成る振動部が橋架される。各成膜工程で基板表面や凹部の底面等に付着した薄膜を除去するエッチング工程を設けてもよい。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法において、第1、第2電極成膜工程及び前記圧電薄膜成膜工程は斜めスパッタにより成膜を行うとともに、前記凹部形成工程及び前記除去工程は前記基板をエッチングすることを特徴としている。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法において、前記凹部の対向する側壁にそれぞれ第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴としている。この構成によると、斜めスパッタ等により凹部の一の側壁に第1の振動部が形成される。基板の向きを基板の垂線を軸に180゜回転して斜めスパッタ等により該側壁に対向した側壁に第2の振動部が形成される。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法において、前記凹部を複数設け、各前記凹部の側壁にそれぞれ第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴としている。この構成によると、複数の凹部の側壁に振動部が形成される。振動部は凹部の同じ側の側壁に形成してもよく、異なる側の側壁に形成してもよい。
また本発明は、上記構成の圧電薄膜共振器の製造方法において、隣接する前記凹部の互いに近い側の側壁に第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴としている。
本発明の圧電薄膜共振器によると、第1、第2電極及び圧電薄膜を基板の表面に平行な方向に積層した振動部を基板の開口部内に備えるので、振動部の振動方向に空洞を簡単に形成することができる。従って、圧電薄膜共振器の製造工数を削減することができる。また、第1、第2電極及び圧電薄膜は数μmオーダーで形成されるため、圧電薄膜の厚み方向の圧電薄膜共振器の幅が狭くなる。これにより、従来よりも圧電薄膜共振器の平面方向の小型化を図ることができる。
また本発明の圧電薄膜共振器によると、圧電薄膜の厚みが異なる複数の振動部を設けたので、複数の周波数帯を遮断できる圧電薄膜共振器を簡単に形成することができる。
また本発明の圧電薄膜共振器によると、高周波回路を基板上に設けたので圧電薄膜共振器を搭載する装置の小型化を図ることができる。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法によると、基板に設けた凹部の側壁に成膜される第1電極上に圧電薄膜及び第2電極を積層し、除去工程で第1、第2電極及び圧電薄膜の下方の基板と第1電極に隣接した側方の基板とを除去するので、第1、第2電極間に圧電薄膜を配した振動部の振動方向に空洞を簡単に短時間で形成することができる。従って、圧電薄膜共振器の製造工数を削減することができる。
また、振動部を構成する積層膜の成膜前に凹部を形成するため、積層膜の浸食防止を考慮することなく基板の加工速度の早い条件で凹部を形成することができる。これにより、凹部を短時間で形成して空洞を形成する時間を更に短縮することができ、圧電薄膜共振器の製造工数をより削減することができる。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法によると、第1、第2電極成膜工程及び圧電薄膜成膜工程は斜めスパッタにより成膜を行うので、凹部の側壁に簡単に成膜することができる。また、凹部形成工程及び除去工程は基板をエッチングするので、簡単に開口部を形成することができる。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法によると、凹部の対向する側壁にそれぞれ第1、第2電極及び圧電薄膜を積層したので、複数の振動部を簡単に形成することができる。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法によると、凹部を複数設け、各凹部の側壁にそれぞれ第1、第2電極及び圧電薄膜を積層したので、複数の振動部を簡単に形成することができる。
また本発明の圧電薄膜共振器の製造方法によると、隣接する凹部の互いに近い側の側壁に第1、第2電極及び圧電薄膜を積層したので、複数の振動部間の距離を近くすることができる。従って、複数の振動部を備えた圧電薄膜共振器を更に小型化することができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は第1実施形態の圧電薄膜共振器を示す斜視図である。圧電薄膜共振器1はシリコンから成る基板2の表面に有底の開口部2aが形成されている。開口部2a内には開口部2aの内周面に橋架される振動部6が設けられる。
振動部6は第1電極3、圧電薄膜4、第2電極5が基板2の表面に平行な方向に積層されている。第1、第2電極3、5はモリブデン等の金属から成り、圧電薄膜4は窒化アルミニウム等の圧電材料から成っている。第1電極3の両端の基板2表面には第1電極3に導通する端子3a、3bが設けられる。第2電極5の両端の基板2表面には第2電極5に導通する端子5a、5bが設けられる。
上記構成の圧電薄膜共振器1において、端子3a、3b、5a、5bに接続される高周波IC回路(不図示)により高周波電圧が第1、第2電極3、5に印加される。これにより、圧電薄膜4中にバルク縦音波が伝わって振動部6が振動する。その結果、圧電薄膜4の共振周波数を境に高周波側または低周波側の信号を遮断するバンドパスフィルタが構成される。
図2〜図12は圧電薄膜共振器1の製造工程を示している。図2、図3は凹部形成工程を示す平面図及び側面断面図である。凹部形成工程はシリコンから成る基板2上にレジストをパターニングし、エッチングによって凹部2b、2cを隣接して形成する。レジストは凹部2b、2c形成後に除去される。エッチング液として水酸化カリウムの水溶液等が使用される。エッチングにより凹部2b、2cには基板2の表面に対して垂直な側壁が形成される。
イオンミリング等によるドライエッチングにより凹部2b、2cを形成してもよい。また、エッチングによる凹部2b、2cの深さDは、後述する斜めスパッタによって電極材料や圧電材料が凹部2b、2cの底面に付着しないような最適な値が選択される。
図4、図5は第1電極形成工程を示す平面図及び側面断面図である。第1電極形成工程はモリブデン等の電極材料のターゲットに対向する位置に対して傾斜角αだけ基板2を傾斜して配置し、矢印Aの方向から電極材料を斜めスパッタする。これにより、凹部2bの側壁2dに第1電極3が形成される。
この時、矢印Aの方向から電極材料が飛来するため側壁2dに対向する側壁2gには電極材料が付着しない。また、凹部2b、2cの深さDを適切に選択することにより、斜めスパッタをしても側壁2gが陰となって凹部2b、2cの底面に電極材料が付着しないようになっている。凹部2cをマスク(不図示)で覆って凹部2c内に電極材料が形成されないようにしてもよい。後述する圧電薄膜4や第2電極5の成膜時においても同様である。尚、本実施形態では凹部2c内に使用可能な振動部を形成しないため、凹部2c内に電極材料や圧電材料が付着したままでもよい。
図6は第1電極端子形成工程を示す平面図である。第1電極端子形成工程は基板2の表面をパターニングし、エッチングにより第1電極3の端子3a、3bを形成する。エッチング液として硝酸と硫酸とを混合した水溶液等が用いられる。イオンミリングによるドライエッチングを行ってもよい。
凹部2bの幅Wが狭く、前述の図4、図5に示す第1電極形成工程で傾斜角αが小さい場合は、基板2の表面に付着する電極材料の膜厚が大きくなる。この時、基板2表面の電極材料のエッチングと同時に第1電極3がエッチングされないように凹部2b内にはレジストが充填される。これによって凹部2b内はエッチングされないため、凹部2bの底面2fに電極材料が付着しないように傾斜角α、深さDが選択されている。
第1電極形成工程で基板2の傾斜角αが大きい場合は、基板2の表面に付着する電極材料の膜厚が小さい。これにより、凹部2b内にレジストを充填しなくても端子3a、3bを形成する際に第1電極3のエッチング量が少ないため所定の膜厚を保持することができる。例えば、傾斜角αを75゜以上にすると、基板2の表面の膜厚が側壁2dの膜厚の約1/4以下に形成される。これにより、第1電極端子形成工程で凹部2b内にレジストを充填しなくてもよい。また、凹部2b内にレジストを充填しないので、凹部2bの底面に電極材料が付着しても、第1電極形成工程で凹部2bの底面の電極材料を除去することができる。
図7、図8は圧電薄膜形成工程を示す平面図及び側面断面図である。圧電薄膜形成工程は第1電極形成工程と同様に、窒化アルミニウム等の圧電材料のターゲットに対向する位
置に対して基板2を傾斜して配置し、圧電材料を斜めスパッタする。これにより、第1電極3上に圧電薄膜4が積層される。基板2の表面に付着した圧電材料は第1電極端子形成工程と同様にエッチングにより除去される。エッチング液としてフッ化水素の水溶液等が用いられる。
置に対して基板2を傾斜して配置し、圧電材料を斜めスパッタする。これにより、第1電極3上に圧電薄膜4が積層される。基板2の表面に付着した圧電材料は第1電極端子形成工程と同様にエッチングにより除去される。エッチング液としてフッ化水素の水溶液等が用いられる。
図9は第2電極形成工程を示す側面断面図である。第2電極形成工程は第1電極形成工程と同様に、モリブデン等の電極材料のターゲットに対向する位置に対して基板2を傾斜して配置し、電極材料を斜めスパッタする。これにより、圧電薄膜4上に第2電極5が積層される。
図10は第2電極端子形成工程を示す平面図である。第2電極端子形成工程は第1電極端子形成工程と同様に基板2の表面をパターニングし、エッチングにより第2電極5の端子5a、5bを形成する。エッチング液として硝酸と硫酸を混合した水溶液等が用いられる。イオンミリングによるドライエッチングを行ってもよい。
図11、図12は除去工程を示す平面図及び側面断面図である。除去工程は凹部2b、2c間を露出して凹部2b、2cの周囲をレジスト7で覆い、基板2をエッチングする。これにより、第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4に接した下方の基板2と、第1電極3に隣接した側方の基板2とが除去される。その結果、第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4の積層膜から成る振動部6の周囲に振動部6が振動可能な開口部2aが形成される。そして、レジスト7を除去して前述の図1に示す圧電薄膜共振器1が得られる。
本実施形態によると、第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4を基板2の表面に平行な方向に積層した振動部6を基板2の開口部2a内に備えるので、振動部6の振動方向に空洞を簡単に形成することができる。従って、圧電薄膜共振器1の製造工数を削減することができる。また、第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4は数μmオーダーで形成されるため、圧電薄膜4の厚み方向の圧電薄膜共振器1の幅が狭くなる。これにより、従来よりも圧電薄膜共振器1の平面方向の小型化を図ることができる。
また、基板2に設けた凹部2bの側壁2dに成膜される第1電極3上に圧電薄膜4及び第2電極5を積層し、除去工程で第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4の下方の基板2と第1電極3に隣接した側方の基板2とを除去するので、第1、第2電極3、5間に圧電薄膜4を配した振動部6の振動方向に空洞を簡単に短時間で形成することができる。従って、圧電薄膜共振器1の製造工数を削減することができる。
また、振動部6を構成する積層膜(3、4、5)の成膜前に凹部2bを形成するため、積層膜の浸食防止を考慮することなく基板2の加工速度の早い条件のエッチング液や温度を使用して凹部2bを形成することができる。これにより、凹部2bを短時間で形成して空洞を形成する時間を更に短縮することができ、圧電薄膜共振器1の製造工数をより削減することができる。
尚、本実施形態において、凹部2cを設けなくてもよい。この時、除去工程で凹部2bの側壁2dから所定距離離れた部分を露出してパターニングし、エッチングにより基板2が除去される。
次に、図13は第2実施形態の圧電薄膜共振器を示す斜視図である。説明の便宜上、前述の図1〜図12に示す第1実施形態と同様の部分は同一の符号を付している。本実施形態の圧電薄膜共振器10は基板2に設けた有底の開口部2aの内周面に橋架される複数の振動部6、16が並設されている。その他の部分は第1実施形態と同様である。
振動部6は第1実施形態と同様であり、第1電極3、圧電薄膜4、第2電極5が基板2の表面に平行な方向に積層されている。第1電極3の両端の基板2表面には第1電極3に導通する端子3a、3bが設けられる。第2電極5の両端の基板2表面には第2電極5に導通する端子5a、5bが設けられる。
振動部16は第1電極13、圧電薄膜14、第2電極15が基板2の表面に平行な方向に積層されている。第1電極13の両端の基板2表面には第1電極13に導通する端子13a、13bが設けられる。第2電極15の両端の基板2表面には第2電極15に導通する端子15a、15bが設けられる。圧電薄膜14は圧電薄膜4よりも膜厚が厚くなっている。振動部16の各薄膜の材質は振動部6と同一である。
上記構成の圧電薄膜共振器10において、端子3a、3b、5a、5bに接続される高周波IC回路(不図示)により高周波電圧が振動部6の第1、第2電極3、5に印加される。また、高周波IC回路(不図示)により端子13a、13b、15a、15bを介して高周波電圧が振動部16の第1、第2電極13、15に印加される。
これにより、圧電薄膜4、14中にバルク縦音波が伝わって振動部6、16が振動する。その結果、振動部6は圧電薄膜4の共振周波数を境に高周波側または低周波側の信号を遮断するバンドパスフィルタを構成する。振動部16は圧電薄膜14の共振周波数を境に高周波側または低周波側の信号を遮断するバンドパスフィルタを構成する。圧電薄膜4、14は膜厚が異なるため共振周波数が異なる。従って、圧電薄膜共振器10は複数の周波数帯を遮断できる。
図14〜図24は圧電薄膜共振器10の製造工程を示している。基板2には前述の図2、図3に示す凹部形成工程により凹部2b、2cが形成される。図14、図15は第1電極形成工程を示す平面図及び側面断面図である。第1電極形成工程はターゲットに対向する位置に対して傾斜角αだけ基板2を傾斜して配置し、矢印Aの方向からモリブデン等の電極材料を斜めスパッタする。これにより、凹部2bの側壁2dに第1電極3が形成される。
次に、基板2の垂線を軸に180゜基板2を回転し、矢印Bの方向から電極材料を斜めスパッタする。これにより、凹部2cの側壁2eに第1電極13が形成される。尚、第1電極3の成膜時には凹部2cをマスク(不図示)で覆い、第1電極13の成膜時には凹部2bがマスク(不図示)で覆われる。後述する圧電薄膜4、14、第2電極5、15の成膜時においても同様である。これにより、凹部2b、2cの側壁2g、2hへの電極材料や圧電材料の付着が防止される。
尚、凹部2b、2cの側壁2g、2hに形成される電極材料や圧電材料によって使用可能な振動部を形成しない。このため、側壁2g、2hに電極材料や圧電材料が付着したままでもよい。
図16は第1電極端子形成工程を示す平面図である。第1電極端子形成工程は基板2の表面をパターニングし、エッチングにより第1電極3の端子3a、3b及び第1電極13の端子13a、13bを形成する。また、凹部2c、2cの底面に電極材料が付着している場合は、基板2の表面と同時にエッチングして除去される。
図17〜図20は圧電薄膜形成工程を示す平面図及び側面断面図である。圧電薄膜形成工程は第1電極形成工程と同様に、ターゲットに対向する位置に対して基板2を傾斜して配置し、窒化アルミニウム等の圧電材料を斜めスパッタする。これにより、図17、図18に示すように第1電極13上に圧電薄膜14が積層される。
また、基板2の垂線を軸ぶ基板2を180゜回転して圧電材料を斜めスパッタし、第1電極3上に圧電薄膜4が積層される。圧電薄膜4と圧電薄膜14とはスパッタ時間を可変することにより簡単に大きな厚み差を設け、共振周波数の差を大きくすることができる。従って、振動部6、16(図13参照)により数GHz異なる周波数帯を遮断することができる。基板2の表面に付着した圧電材料は第1電極端子形成工程と同様にエッチングにより除去される。
図21は第2電極形成工程を示す側面断面図である。第2電極形成工程は第1電極形成工程と同様に、ターゲットに対向する位置に対して基板2を傾斜して配置し、モリブデン等の電極材料を斜めスパッタする。これにより、圧電薄膜4上に第2電極5が積層される。また、基板2の垂線を軸に基板2を180゜回転して電極材料を斜めスパッタし、圧電薄膜14上に第2電極15が積層される。
図22は第2電極端子形成工程を示す平面図である。第2電極端子形成工程は基板2の表面をパターニングし、エッチングにより第2電極5、15の端子5a、5b、15a、15bを形成する。
図23、図24は除去工程を示す平面図及び側面断面図である。除去工程は凹部2b、2c間を露出して凹部2b、2cの周囲をレジスト7で覆い、基板2をエッチングする。これにより、第1、第2電極3、5及び圧電薄膜4の下方の基板2と、第1、第2電極13、15及び圧電薄膜14の下方の基板2と、第1電極3、13に隣接した側方の基板2とが除去される。その結果、凹部2b、2c内にそれぞれ形成された積層膜の周囲に開口部2aが形成される。そして、レジスト7を除去して前述の図13に示す圧電薄膜共振器10が得られる。
尚、第1電極3、13に隣接する所定幅の基板2を除去し、空隙を介して第1電極3、13に隣接する基板2を凹部2b、2c間に残してもよい。これにより、基板2には複数の開口部が形成される。
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、複数の凹部2b、2cを設け、各凹部2b、2cの側壁2d、2eにそれぞれ第1電極3、13、圧電薄膜4、14及び第2電極5、15を積層したので、複数の振動部6、16を簡単に形成することができる。
尚、本実施形態と同様の製造方法によって1つの凹部2bの対向する側壁2d、2g(図21参照)に振動部6、16を形成してもよい。また、振動部6、16を隣接する凹部2b、2cの互いに近い側の側壁2d、2eに形成しているが、互いに離れた側2g、2h(図21参照)に形成してもよく、同じ側の側壁2d、2hに形成してもよい。
本実施形態のように隣接する凹部2b、2cの互いに近い側の側壁2d、2eに第1、電極3、13、圧電薄膜4、14及び第2電極5、15を積層すると、複数の振動部6、16間の距離を近くすることができる。従って、複数の振動部6、16を備えた圧電薄膜共振器10を更に小型化することができる。
次に、図25は第3実施形態の圧電薄膜共振器10を示す平面図である。説明の便宜上、前述の図13〜図24に示す第2実施形態と同様の部分には同一の符号を付している。本実施形態の圧電薄膜共振器20は基板2に設けた開口部2aに第2実施形態と同様の振動部6、16を備えている。開口部2aの側方には高周波IC回路8が基板2上に形成されている。振動部6の端子3a、3b、5a、5b及び振動部16の端子13a、13b、15a、15bはそれぞれ配線9により高周波IC回路8に接続される。
高周波IC回路8により端子3a、3b、5a、5bを介して高周波電圧が振動部6の第1、第2電極3、5に印加される。また、高周波IC回路8により端子13a、13b、15a、15bを介して高周波電圧が振動部16の第1、第2電極13、15に印加される。これにより、圧電薄膜共振器20は複数の周波数帯を遮断できる。
本実施形態によると、第1、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。加えて、高周波IC回路8を基板2上に設けたので圧電薄膜共振器20を搭載する装置の小型化を図ることができる。
本発明によると、対向する電極間に圧電薄膜を有する圧電薄膜共振器及びその製造方法に利用することができる。
1、10、20 圧電薄膜共振器
2 基板
2a 開口部
2b、2c 凹部
2d、2e、2g、2h 側壁
3、13 第1電極
3a、3b、5a、5b、13a、13b、15a、15b 端子
4 圧電薄膜
5、15 第2電極
8 高周波IC回路
2 基板
2a 開口部
2b、2c 凹部
2d、2e、2g、2h 側壁
3、13 第1電極
3a、3b、5a、5b、13a、13b、15a、15b 端子
4 圧電薄膜
5、15 第2電極
8 高周波IC回路
Claims (8)
- 対向する第1、第2電極間に圧電薄膜を配した振動部を備え、第1、第2電極間に電圧を印加して前記圧電薄膜を振動させる圧電薄膜共振器において、基板に形成した開口部内に第1、第2電極及び前記圧電薄膜を前記基板の表面に平行な方向に積層したことを特徴とする圧電薄膜共振器。
- 前記圧電薄膜の厚みが異なる複数の前記振動部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の圧電薄膜共振器。
- 第1、第2電極に接続される高周波回路を前記基板上に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電薄膜共振器。
- 基板上に凹部を形成する凹部形成工程と、前記凹部の側壁に第1電極を成膜する第1電極成膜工程と、第1電極上に圧電薄膜を積層する圧電薄膜成膜工程と、前記圧電薄膜上に第2電極を積層する第2電極成膜工程と、第1、第2電極及び前記圧電薄膜の下方の前記基板と第1電極に隣接した側方の前記基板とを除去する除去工程とを備えたことを特徴とする圧電薄膜共振器の製造方法。
- 第1、第2電極成膜工程及び前記圧電薄膜成膜工程は斜めスパッタにより成膜を行うとともに、前記凹部形成工程及び前記除去工程は前記基板をエッチングすることを特徴とする請求項4に記載の圧電薄膜共振器の製造方法。
- 前記凹部の対向する側壁にそれぞれ第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の圧電薄膜共振器の製造方法。
- 前記凹部を複数設け、各前記凹部の側壁にそれぞれ第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の圧電薄膜共振器の製造方法。
- 隣接する前記凹部の互いに近い側の側壁に第1、第2電極及び前記圧電薄膜を積層したことを特徴とする請求項6に記載の圧電薄膜共振器の製造方法。
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JP2006102999A JP2007281670A (ja) | 2006-04-04 | 2006-04-04 | 圧電薄膜共振器及びその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111010100A (zh) * | 2019-03-02 | 2020-04-14 | 天津大学 | 压电层带凹陷结构的体声波谐振器、滤波器及电子设备 |
-
2006
- 2006-04-04 JP JP2006102999A patent/JP2007281670A/ja active Pending
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