JP2007276781A - 自動車用成形敷設内装材 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両用フロアカーペット、インシュレータダッシュ等の車両用吸音材であって、軽量化を図るとともに吸音性能を向上させることを課題とする。
【解決手段】表皮層20とクッション層30との間にメルトブロー法により製造された超極細合成繊維、及び又は綿や紙、麻等の超極細天然繊維からなる超極細繊維層40を介挿一体化することで、従来の重量の嵩むバッキング層を廃止して軽量化を図るとともに、車外騒音、車内騒音の双方の騒音に対して有効に吸音処理することで吸音特性を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の室内を装飾する内装材に関し、特に自動車の敷設位置に沿う形状に立体的に成形されてなることを特徴とする、自動車用成形敷設内装材に関する。
従来から、自動車の室内には、鋼板パネル上に各種の内装材を敷設し、意匠性、感触を高めるようにしている。
敷設内装材は、上記のように自動車の室内において、鋼板パネルを覆い、意匠性を高めるものであるが、自動車の内装材には、また、自動車の走行にともない生じる各種の騒音(ロードノイズ、エンジンノイズ、風切り音など)を吸収ないし遮断する防音材としての機能も要求されることが多い。特に自動車の床面方向からは、ロードノイズが侵入しやすいため、床面〜立壁上に敷設されるフロア敷設材では、吸音性と遮音性を高める各種の構造が提案されている。
特に内装材としての意匠性を確保しつつ、吸音性、遮音性を高めるために、内装材を複層化し、表面の意匠層の背後に吸・遮音性にすぐれる素材からなる層を積層することで、機能を高める提案が多くある。
典型的な例として特表2000−516175号(特願平10−519853号)には、「車両においてノイズ低減と断熱とをもたらすよう、特に、フロア遮音や端部壁遮音やドアカバーや屋根内側カバーにおいて、吸音性かつ遮音性かつ振動減衰性かつ断熱性のカバーを形成するための多機能キット(51)であって、少なくとも1つの面状車体パーツ(58)と、複数層からなるノイズ低減アセンブリパッケージ(52)と、を具備してなり、前記アセンブリパッケージは、少なくとも1つのポーラスなスプリング層(56)とりわけ開放ポアを有したフォーム層を備え、前記アセンブリパッケージ(52)と前記面状車体パーツ(58)との間には空気層(57)が設けられ、遮音性と吸音性と振動減衰性とを最適に組み合わせるのに好適であるような超軽量キット(51)を形成するために、前記多層アセンブリパッケージ(52)は、重量層を有していないアセンブリパッケージであって、微小ポーラスを有した硬質層(55)、とりわけ開放ポアを有したファイバ層またはファイバ/フォーム複合体層を備え、前記硬質層(55)は、Rt=500Nsm-3〜Rt=2500Nsm-3という空気流に対しての総抵抗を有し、とりわけ、Rt=900Nsm-3〜Rt=2000Nsm-3という空気流に対しての総抵抗を有し、および、mF=0.3kg/m2〜mF=2.0kg/m2という単位面積あたりの重量を有し、とりわけ、mF=0.5kg/m2〜mF=1.6kg/m2という単位面積あたりの重量を有していることを特徴とするキット。」が開示されている。
微小ポーラスを有した硬質層(55)の流れ抵抗値を500〜2500Nsm-3の範囲におくことで、流れ抵抗値(通気度)を制御して吸遮音性能を高めることをねらったものである。
ところで、この種の遮音キットを自動車の内装材として用いる場合、表面に意匠層を付加する必要が生じる場合が多くある。上記の出願でも請求項3に、「前記アセンブリパッケージ(52)には、ポーラスなカバー層(53、54)とりわけソフトな装飾層またはカーペット層が設けられている、あるいは、汚染物に対して耐性のある保護フリースが設けられていることを特徴とする請求項1または2記載のキット。」も開示されているが、この装飾層ないしカーペット層の流れ抵抗値については一切記載がない。
発明者らが、この発明の主旨に沿う形で遮音キットを作成して試験してみたところ、この種の装飾層ないしカーペット層を積層することによって、遮音キットの特性が大きく変化することを確認した。したがって、実際的には装飾層を含めた流れ抵抗値の制御が必要である。
また、遮音キットの表面に装飾層を接着するための接着材層を設ける場合は、この接着材層の形態によっても遮音特性が大きく影響され、特に、通気性が少ない接着材層を形成すると遮音キットの性能は、大きく低下してしまう。
この課題を解決する提案としては、特開2002−219989号(特願2001−396240号)では、「表皮材層(63)と、不織布からなる吸音層(62)とが、接着樹脂層を介して接着一体化されてなる車輌用カーペットにおいて、前記接着樹脂層が、熱可塑性樹脂パウダー(P)を加熱溶融することにより形成された通気性樹脂層からなり、かつ前記カーペット全体の厚さ方向の通気度が1〜50(cm3/cm2・秒)の範囲に設定されていることを特徴とする車輌用カーペット。」が開示され、パウダー状の接着材層により、通気度を低下させることなく表皮材層を接着することで、吸遮音性能を高く維持する提案がなされている。
特表2000−516175号(特願平10−519853号) 特開2002−219989号(特願2002−161550号) 特開2003− 55883号(特願2002−161529号)
上記従来技術(特開2002−219989号)には以下の課題がある。
パウダー散布により形成される接着材層は、その散布量を細かく調整することが難しく、接着後の積層体の流れ抵抗値(通気度)にバラツキを生じる場合があること。
製法上、パウダーの造粒工程が別に必要になり、コスト、消費エネルギーの点で有利にならない場合が生じること。
本発明は、上記課題を解決するものである。
課題を解決するための本発明の手段は、自動車の室内に面し、流れ抵抗値が500Nsm-3未満の通気意匠層と、成形された形状を維持可能であり、流れ抵抗値が500Nsm-3未満の保形フェルト層と、通気意匠層と保形フェルト層を接着する働きをし、開孔が形成された開孔接着層とを積層してなり、自動車の、敷設位置の形状に沿う形状に立体的に成形されてなる自動車用成形敷設内装材であって、開孔接着層に積層される通気意匠層ないし保形フェルト層には、開孔接着層の開孔に面する位置に途中厚さまでの開孔が形成されていることを特徴とする、自動車用成形敷設内装材による。
本発明では、通気意匠層と保形フェルト層とを開孔接着層で積層しているため、内装材として必要な意匠性を確保したまま、意匠層と保形フェルト層の両方を吸音材として活用することが可能であり、また、保形フェルト層が、敷設内装材を自動車の敷設位置に沿う立体的な形状に保持する作用をなすものである。
通気意匠層と保形フェルト層をともに、流れ抵抗値500Nsm-3未満にして軽量性、クッション性を有する構成としながら、積層状態での流れ抵抗は500〜4000Nsm-3の範囲に任意に制御することが容易である(請求項)。
開孔接着層の流れ抵抗値は、300〜3500Nsm-3の範囲にあることが適することが実験的に確認され、この通気度の接着層を形成するには、接着層の各開孔径が0.5〜3mm、開孔数が40〜500個/100cm2の範囲にあることが適当であることが実験的に確認された(請求項)。
本願発明は、開孔接着層に積層される通気意匠層ないし保形フェルト層に、開孔接着層の開孔に面する位置に途中厚さまでの開孔が形成されていることによって、開孔接着層の開孔を抜けた音波が、通気意匠層ないし保形フェルト層の内奥に達しやすく、エネルギーを吸収されやすくするものであり、途中厚さまでの開孔の形状は、入口が内奥に対して広く、円錐形になっていると特に音波を取り込みやすく好ましい形状である。(請求項
通気意匠層、ないしは保形フェルト層には、異なる種類の樹脂を同じ口金から押し出して形成される分割繊維を含ませると、組織が細かくなり、繊維が振動しやすく、音エネルギーの吸収性が高められるので好ましい(請求項)。
本発明の成形敷設内装材の好ましい製造方法としては、通気意匠層ないし保形フェルト層の一面に、開孔接着層となる熱可塑性樹脂フィルムを重ねた状態において、外周に多数の熱針を植設した開孔機によって、熱可塑性樹脂フィルム側から通気意匠層に、ないし熱可塑性樹脂フィルム側から保形フェルト層に開孔を形成することが、上記の構成を得るのに合理的な製造方法である(請求項)。
以下、図面をもとに本発明の好適の実施形態を説明する。
図3(a)は、本発明の成形敷設材の断面図(平面成形部)を示し、図3(b)は、(a)の開孔部詳細を示す。
本発明の成形敷設内装材(10)は、自動車の室内に面する側から敷設位置のパネルに向かって、少なくとも、流れ抵抗値が500Nsm-3未満(ISO 9053 Acoustics−Materials for acoustical applications−Determination of airflow resistance)の通気意匠層(11)/開孔接着層(12)/流れ抵抗値が500Nsm-3未満(ISO 9053)の保形フェルト層(13)をこの順に積層してなるものである。
前記通気意匠層(11)/開口接着層(12)/保形フェルト層(13)の積層の流れ抵抗値は、500〜4000Nsm-3の範囲にあり、通気意匠層(11)と保形フェルト層(13)の流れ抵抗値が低いことにより、自動車の走行にともない生じた室内騒音を、敷設材(10)の内部に取り込みやすく、音波のエネルギーを減衰させる効果が高いものである。その他に成形敷設内装材に付加されるものとしては、保形フェルト層とパネルの間に部分的に嵩上材やクッション材が配設されることがある。
本発明の構成要素のうち通気意匠層(11)は、敷設内装材(10)の自動車室内側に面して、敷設内装材(10)の意匠性、触感、耐摩耗等の特性を確保する層である。通気意匠層(11)として適するのは、不織ウェブをニードリング加工して表面に毛羽を形成したニードルパンチ不織布からなるものであり、流れ抵抗値を500Nsm-3未満にするためには、不織ウェブを構成する繊維長、繊維径、あるいはニードリングの度合いを調整するなどの方法がある。
ニードルパンチ不織布のほかに通気意匠層(11)としては、タフトカーペットなど通気性の繊維シートや、多孔質シートを用いることができる。
開孔接着層(12)は、通気意匠層(11)と保形フェルト層(13)を高通気状態に接着する層である。開孔接着層として適するのは、多数の微小開孔を形成した低融点(100〜300℃)の熱可塑性樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、変成ポリエステル樹脂など)のフィルムがある。この場合、開孔の径、単位面積あたり開孔数などで流れ抵抗値を容易に調整することが可能であり、特には300〜3500Nsm-3(ISO 9053)の範囲にあることが好ましいことが実験的に確認された。開孔接着層の通気度が小さくなりすぎると敷設内装材の積層の流れ抵抗値が所要の範囲に制御困難に大きくなり好ましくなく、開孔接着層の通気度が大きくなりすぎると、敷設内装材の積層の流れ抵抗値が所要の範囲に制御困難に小さくなり、また接着強度が低下して好ましくない。開孔接着層の通気度を300〜3500Nsm-3(ISO 9053)の範囲におくためには、各開孔径が0.5〜3.0mmの範囲にあり、開孔数が40〜500個/100cm2の範囲にあると該当させやすく適する。敷設内装材(10)の流れ抵抗値を、平面成形部と立壁成形部などの部分ごとに異ならせる必要がある場合は、開孔接着層(12)に開孔を形成する際に、開孔径や開孔数を部分的に異ならせることで実施できる。
保形フェルト層(13)は、敷設内装材(10)の形状を保形する層であり、通気意匠層(11)より剛性のある層であり、敷設内装材(10)は、本質的に保形フェルト層(13)を付形することによって成形形状を得る。
保形フェルト層(13)は、所定の成形性と成形後の形状保持性を有する必要があり、好ましい素材としては、低融点(100〜200℃)の熱可塑性樹脂繊維を所定の割合(5〜30wt%)で含んだ合繊フェルトが適しており、加熱により低融点熱可塑性樹脂繊維を軟化状態においた上で、所要の成形形状を有するプレス成形型で成形し、冷却して成形形状を固定することができる。
保形フェルト層(13)の好ましい物性としては、厚さが2〜5mm、密度が50〜300kg/m3であり、特に立壁成形部の形状が自立するだけの形状保持性が必要で、形状保持性が不足すると、立壁成形部の形状がだれるので、敷設位置のパネルにぴったり沿う形状を保形することができない。
保形フェルト層(13)の流れ抵抗値は、500Nsm-3未満(ISO 9053)であることが適し、特に自動車のパネル方向(車外方向)からの音波を敷設内装材(10)の内部に取り込みやすくなる。
嵩上げ材やクッション材が、車両の設計上の必要によって部分的に設けられ、敷設内装材と(フロア)パネル間の隙間を充填される。これらは、保形フェルト層の通気性を阻害しないように、わずかの低融点熱可塑性樹脂パウダーや低融点熱可塑性樹脂繊維を接着剤として、積層されることが適する。また、保形性を特に高める必要がある部位では、保形フェルト層の裏面に付加的な第2の保形層を設けることがある。
図1、図2は、本発明の適用される自動車用成形敷設内装材としてのフロアカーペット(10)を模式断面図に示すものである(図1は車両の左右方向断面、図2は前後方向の断面を示す)。
フロアカーペット(10)が敷設される自動車のフロアパネル(不図示)は、ほぼ平面の部分(10a)と立体に成形された部分(10b)が並列する構成が一般的にある。
乗用自動車の場合、図1に示す左右方向の断面で見ると、左右のドア壁に沿う立壁成形部(10b)と、左右乗員の足下にあたる平面成形部(10a)と、中央に立壁成形部(10b)をもって盛り上がるトンネル部(16)(プロペラシャフトを通す部位)がある構造である。また、図2に示す前後方向で見ると、前方はエンジンルームとの隔壁に沿う車両前方立壁成形部(10d)があり、前席乗員の足下にあたる平面成形部(10a)と、後席乗員の足下にあたる平面成形部(10a)の間に、クロスメンバ部(17)と呼ばれる車体補強用の立体的な成形部が位置する。
また自動車の後方には荷室(N)があり、荷室(N)の敷設内装材(10')が敷設されており、荷物を載置する荷室平面成形部(10f)と荷室立壁成形部(10e)がある構造であり、フロアカーペット等の敷設内装材(10')は、このようなフロアの形状に沿うようにあらかじめ成形により付形された後、敷設されるものであり、所定の成形性と形状保持性が要求されるものである。
検討の結果、自動車の(フロア)パネルの部位ごとに、音響特性が異なり、それぞれ適した敷設材を敷設する必要があることがわかった。これは、自動車の走行状態シュミレーションによりパネル部位ごとの自動車室内への寄与度解析をおこなって確認されるものであり、車両のパネル形状によって それぞれ差があるが、一般的に多くの自動車で、敷設内装材(10)の流れ抵抗値は、立壁成形部(10b)において平面成形部(10a)より相対的に小さいことが好ましい場合が多く、特には車両前方立壁成形部(10d)において、平面成形部(10a)より相対的に小さいことが好ましい。
また、敷設内装材(10、10')の荷室立壁成形部(10e)において、乗員室平面成形部(10a)より相対的に小さいことが好ましい場合が多いことがシミュレーションと実験により確認された。
図4(a)、(b)によって、本発明の敷設内装材(10)を形成するための、各層の積層方法を2種示す。
図4(a)の製造方法:
あらかじめ、開孔接着層(12)となる熱可塑性樹脂フィルム(12a)に対して、外
周に多数の熱針(21a)を植設した開孔機によって、所要の開孔径、開孔数で開孔を形
成する。
開孔機の構造としては、回転する長尺ドラム(21)の外周に所要の密度で熱針(21a)(好ましい径2.0〜3.0mm、長さ4.0〜6.0mm、温度90〜250℃)を分布させてなるものである。植設される熱針の径と分布密度によって熱可塑性樹脂フィルム(12a)に対して形成される開孔径と開孔数を制御できる。それぞれ適した複数のドラムを準備して交換するか、熱針が進退出自在なドラムにする。
ドラム(21)の回転数と熱可塑性樹脂フィルム(12a)の送り速度の調整によって、開孔密度を制御することも可能であり、また、ドラム(21)の幅方向で熱針(21a)の植設密度や熱針(21a)の径を変えて、熱可塑性樹脂フィルム(12a)の幅方向で、開孔密度を変えることも可能であり、自動車内装材として成形敷設された際に、部位ごとに適する開孔率となるように、設計することができる。より進んだ例では、熱針を植設したドラムを複数備えた装置とする。この場合、所要の開孔度に応じて必要な数のドラムを利用することで車種ごとに目的に応じた開孔率に開孔することが容易になる。
この際、常温の針よりも熱針が好ましい理由は、常温の針で開孔すると開孔の周縁にバリを生じ、接着時に開孔が閉じたり、狭まったりして好ましくないからである。
次に、保形フェルト層(13)をローラー(26)で送りながら、保形フェルト層(13)の上面に開孔加工した熱可塑性樹脂フィルム(12a)(接着層原料)を重ね置いてゆき、ヒーター(20)で加熱して、熱可塑性樹脂フィルム(12a)が微弱に軟化した状態でさらに上面に通気意匠層(11)を重ね、ローラー(27)で各層を挟んで軽く押圧して積層体を製造する方法である。
図4(b)の製造方法:
保形フェルト層(13)をローラー(28)で送りながら、上面にTダイ(19)から接着層の原料となる低融点熱可塑性樹脂をフィルム状に押し出し重ねた後、ローラー(28)で押圧して2層を積層する。次に長尺ドラム(21)の外周に多数の熱針(21a)を植設した開孔機によって、所要の開孔径、開孔数で開孔を形成する。この際、熱可塑性樹脂フィルム(12a)側から保形フェルト層(13)に、熱可塑性樹脂フィルム(12a)を貫通して保形フェルト層(13)の途中厚さまでの開孔を形成することができる。
ドラム(21)の回転数と熱可塑性樹脂フィルム(12a)の送り速度の調整によって、開孔密度を制御することも可能であり、また、ドラム(21)の幅方向で熱針(21a)の植設密度や熱針の径を変えて、熱可塑性樹脂フィルム(12a)の幅方向で、開孔密度を変えることも可能であり、自動車内装材として成形敷設された際に、部位ごに適する開孔率となるように、設計することができる。
次に熱可塑性樹脂フィルム(12a)をヒーター(20)で再加熱して微弱溶融状態において、上方から通気意匠層を重ね、ローラー(29)で押圧積層して3層の積層体を得る製造方法である。
上記の図4(b)製造方法の利点として、熱可塑性樹脂フィルム(12a)(開孔接着層12)に開孔(15)が形成されるのと同時に、保形フェルト層(13)にも途中厚さまでの開孔を形成することができる(または、通気意匠層(11)を熱可塑性樹脂フィルム(12a)の受けにして熱可塑性樹脂フィルム(12a)(接着層)に開孔(15)が形成されるのと同時に、通気意匠層(11)に途中厚さまでの開孔を形成することができる)点にある。
詳細を図3(b)に示して説明すると、熱可塑性樹脂フィルム(12a)(開孔接着層(12))に開孔(15)が形成される際に熱針の突き出し長さを長めに設定しておくと、熱針の先端が熱可塑性樹脂フィルム(12a)を抜けて保形フェルト層(13)の途中厚さの開孔(15)が形成され、開孔接着層(12)の開孔(15)にちょうど面する位置の保形フェルト層(13)に開孔(15)が形成される結果、開孔接着層(12)の開孔(15)を抜けた音波が保形フェルト層(13)の内奥(15b)に浸透しやすく、吸音性能が高められることがわかる。特には図のように、開孔(15)の入口(15a)が広く、内奥(15b)が狭い円錐形の開孔(15)は、吸音性を高めつつ、保形フェルト層(13)の保形性の低下を最低限に抑えることができるので好ましい。このような形状の開孔(15)を形成するためには、熱針(21a)先端の形状を少し鈍角にすることで可能である。なお、保形フェルト層(13)に途中厚さまでの開孔(15)があくと、成形時に保形フェルト層(13)が伸びやすく、皺なく成形しやすくなる。
図4(a)、(b)の製造方法において、熱可塑性樹脂シート(12a)をフィルム状(シート状)に押し出し形成するかわりに、ウェブシート状に加工してもよい。
本発明の成形敷設内装材の通気意匠層ないし保形フェルト層に10〜50wt%の比率で分割繊維を混合することで、1k〜5kHz域での垂直入射吸音率が平均で5〜15%向上することが確認された。分割繊維は、異なる種類の樹脂を同じ口金から押し出して形成される繊維で、異なる樹脂の配置によって、芯鞘型やサイドバイサイド型、多分割型等のものがあり、カーディング、ニードリングといった繊維の加工工程において、異なる樹脂間の弱い接合が剥がれて、先端がより細く割れた繊維になっているため、吸音性能にすぐれるものである。
製造方法としては、たとえば保形フェルト層の主材料繊維に対して、分割繊維をあらかじめ混合しておき、混合した材料をカーディングしてウェブに形成した後、ニードルパンチによりウェブの厚み、繊維の絡み合いの状態を調整し、プレスロールなどにより所定の厚さにする。
積層体を敷設位置に沿う形状に成形する際に、立壁成形部のほうが、平面成形部より絞りが大きい場合は、開孔接着層の開孔度を一定に加工した積層体であっても、成形時に開孔接着層の開孔部が延伸されて、ちょうど立壁部で流れ抵抗値を少なくすることができる場合がある。
本発明の自動車用成形敷設内装材の左右方向の断面図。 本発明の自動車用成形敷設内装材の前後方向の断面図。 図1乃至図2における平面成形部の断面図(a)および開孔部詳細図(b)。 本発明の自動車用成形敷設内装材を形成するための、2種類(a、b)の積層方法を示した図。 従来の自動車用成形敷設内装材を示した断面図。 従来の自動車用成形敷設内装材の製造方法を示した断面図。
符号の説明
10 自動車用成形敷設内装材(フロアカーペット)
10a 平面成形部
10b 立壁成形部
10d 車両前方立壁成形部
10e 荷室立壁成形部
10f 荷室平面成形部
11 通気意匠層
12 開孔接着層
12a 熱可塑性樹脂フィルム
13 保形フェルト層
14 嵩上げ材
14a 付加的な保形層
15 開孔
15a 入口
15b 内奥
16 トンネル部
17 クロスメンバ部
18 嵩上げ材接着用ホットメルト
19 Tダイ
20 ヒーター
21 ドラム
21a 熱針
M 乗員室
N 荷室
P パウダー

Claims (7)

  1. 自動車の室内に面し、流れ抵抗値が500Nsm-3未満の通気意匠層と、成形された形状を維持可能であり、流れ抵抗値が500Nsm-3未満の保形フェルト層と、前記通気意匠層と前記保形フェルト層を接着する働きをし、開孔が形成された開孔接着層とを積層してなり、自動車の、敷設位置の形状に沿う形状に立体的に成形されており、
    前記開孔接着層に積層される前記通気意匠層ないし前記保形フェルト層には、前記開孔接着層の前記開孔に面する位置に途中厚さまでの開孔が形成されていることを特徴とする、自動車用成形敷設内装材。
  2. 前記通気意匠層ないし前記保形フェルト層に形成された前記途中厚さまでの開孔は、入口が広く、内奥が狭い円錐形になっていることを特徴とする、請求項に記載の自動車用成形敷設内装材。
  3. 前記通気意匠層、ないし前記保形フェルト層には、異なる種類の樹脂を同じ口金から押し出して形成される分割繊維が含まれていることを特徴とする、請求項1または2に記載の自動車用成形敷設内装材。
  4. 前記通気意匠層/前記開孔接着層/前記保形フェルト層の積層体の流れ抵抗値が、500〜4000Nsm-3の範囲にあることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の自動車用成形敷設内装材。
  5. 前記開孔接着層の流れ抵抗値が300〜3500Nsm-3の範囲にあることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の自動車用成形敷設内装材。
  6. 前記開孔接着層の前記各開孔の径が0.5〜3.0mm、前記開孔の数が40〜500個/100cm2の範囲にあることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の自動車用成形敷設内装材。
  7. 請求項1〜に記載の自動車用成形敷設内装材の製造方法であって、
    前記通気意匠層ないし前記保形フェルト層の一面に、前記開孔接着層となる熱可塑性樹脂フィルムを重ねた状態で、外周に多数の熱針を植設した開孔機によって、前記熱可塑性樹脂フィルム側から前記通気意匠層に、ないしは前記熱可塑性樹脂フィルム側から前記保形フェルト層に、前記熱可塑性樹脂フィルムを貫通して前記通気意匠層ないし前記保形フェルト層の途中厚さまでの開孔を形成する工程と、
    加熱、溶融状態にある、前記開孔を形成した前記熱可塑性樹脂フィルムを介して前記通気意匠層と前記保形フェルト層とを積層する工程と、
    前記通気意匠層と前記保形フェルト層の積層体を熱成形して自動車の、敷設位置の形状に沿う立体形状を付与する工程とを有することを特徴とする、自動車用成形敷設内装材の製造方法。
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