JP2007271341A - 回転検出センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】各種の設置位置に対して取り付けが可能な回転検出装置センサを提供する。
【解決手段】磁性体を備えたロータの回転を検出する磁気素子と、当該磁気素子で生じた信号を外部に出力する出力部とを備えた回転検出センサXにおいて、磁気素子を少なくとも三つ備える磁気素子群10から任意の二つの磁気素子11,12を選択し、これらの磁気素子で生じた信号を二つの出力部Y1,Y2に接続する素子選択手段20を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁性体を備えた回転体の回転を検出する磁気素子と、当該磁気素子で生じた信号を外部に出力する出力部とを回転検出センサに関する。
従来、磁性体を備えた回転体(以下、ロータと称する)の回転を検出する回転検出センサが知られている(例えば特許文献1〜2)。当該ロータは、例えば外周に一定間隔で歯型(凹凸)を設けた磁性体を形成し、回転検出センサには、ロータの外周面に対向するように配置した一対の磁性素子が設けてある。このロータの凹凸が磁性素子に対して近接・離間を繰り返すことで生じる磁束変化を検出することでロータの回転が検出される。
一対の磁性素子の配設方向を、ロータの回転方向に沿う方向とすれば、各磁気素子から得られる信号は経時的に同期しない出力信号となる。このとき検出される差動に基づき、ロータの回転速度および回転方向等を検出できる。
特開平10−318784号公報 特開2004−177336号公報
上述した回転検出センサによれば、一対の磁気素子がロータの回転方向にほぼ沿う方向となるように配設することが重要となる。
例えば車両の特定の位置に回転検出センサを設置する場合、一対の磁気素子の配設方向が適正になるよう、取付時に角度を微調節したり、さらに、取付位置の形状に応じた取付部を有するように回転検出センサを製造する必要がある。
仮に、回転検出センサの取付位置の制約等により、一対の磁気素子の配設方向がロータの回転方向に対して大きく外れる状態になれば、一対の磁気素子を適正な状態に取り付けた場合に比べて、一方の磁気素子およびロータの距離と、他方の磁気素子およびロータの距離と、が大きく異なることとなる。このとき、各磁気素子に基づく信号の差動は正確に検出し難くなる。このように、特定の配設方向性が要求される回転検出センサは、設置状態位置が限定されるという問題点があった。
通常、車両ではエンジン制御やABS制御等に使用する目的で、多くの場所に回転検出センサを取り付ける。このとき、各取付位置の形状に対応可能な複数種類の回転検出センサを製造する必要がある。つまり、同一車両において複数仕様の回転検出センサが存在することとなり、その分、部品管理が煩雑となったり、コストが高くなる、といった問題が生じていた。
従って、本発明の目的は、各種の設置位置に対して取り付けが可能な回転検出装置センサを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る回転検出センサは、磁性体を備えた回転体の回転を検出する磁気素子と、当該磁気素子で生じた信号を外部に出力する出力部とを備えた回転検出センサにおいて、前記磁気素子を少なくとも三つ備える磁気素子群から任意の二つの磁気素子を選択し、これらの磁気素子で生じた信号を二つの出力部に接続する素子選択手段を備えた点にある。
上記第一特徴構成によれば、回転検出センサを設置する特定の設置位置に適した任意の一対の磁気素子を、各設置位置に応じて選択できる。「特定の設置位置に適した任意の一対の磁気素子」とは、例えば、当該設置位置において回転体の回転方向に最も近い配設方向を有する任意の一対の磁気素子が該当する。
このとき選択された一対の磁気素子は、これら磁気素子間において出力信号の差動が大きい組み合わせとなり、回転体の回転を最も的確に検出できる。このように、三つ以上の磁気素子の中から取捨選択して任意の二つの磁気素子を選択して出力部に接続するため、各設置位置に適した状態に磁気素子を配設することができる。
従って、本構成の回転検出センサであれば、各設置位置に対応した複数種類の回転検出センサを製造する必要がなくなり、設置方向の自由度が高いセンサを提供することができる。
本発明の第二特徴構成は、前記磁気素子群が少なくとも三角形状に配置される磁気素子を含む点にある。
上記第二特徴構成によれば、磁気素子を選択し得る全てのケースにおいて、選択された一対の磁気素子の配設方向はそれぞれ異なることとなる。このため、ロータの回転方向に最も近い配設方向を有する一対の磁気素子を選択すると、各磁気素子に基づく信号の差動を正確に検出し易くなる。
本発明の第三特徴構成は、前記素子選択手段が、前記磁気素子群の各磁気素子を、前記二つの出力部のうち少なくとも何れか一方に接続した状態に配線してあり、前記磁気素子群のうちの任意の二つの磁気素子を前記二つの出力部に各別に接続するよう、前記配線の夫々に切断部位を設けた点にある。
上記第三特徴構成によれば、基板上の配線の場合は、例えばジャンパ線のカット、或いは、実装されているゼロオーム抵抗を外す等により配線を切断して任意の二つの磁気素子を前記二つの出力部に各別に接続できる。また、集積回路の場合は、アンチヒューズ等の手段を適用することにより配線を切断して任意の二つの磁気素子を前記二つの出力部に各別に接続できる。よって、本構成によれば、簡便な構成で選択手段を構成できるため、回転検出センサの製造が容易となり、低コスト化を図ることができる。
本発明の第四特徴構成は、前記素子選択手段が、前記二つの出力部の夫々に、前記磁気素子群のうち任意の二つの磁気素子に接続可能な切替配線を設けた点にある。
上記第四特徴構成によれば、基板上のトグルスイッチやアナログマルチプレクサ等の切替配線を設けることで配線の切替ができる。よって、本構成によれば、簡便な構成で素子選択手段を構成できるため、回転検出センサの製造が容易となり、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明は、磁性体を備えたロータの回転を検出する回転検出センサである。例えば、車両におけるエンジン制御や車両ブレーキにおけるABS制御に使用される。具体的には、タイヤ(ロータ)の回転を検出するため、回転検出センサを車軸に取り付ける態様などがある。
図1〜2に本発明の回転検出センサXを示す。図2に示した回転検出センサXは本発明の概念図であり、具体的な実施形態は、後述する実施例にて説明する。
回転検出センサXは、ロータRに対向して設けてあり、三つの磁気素子11〜13を有する磁気素子群10を備える。そして、磁気素子群10から任意の二つの磁気素子を選択し、これらの磁気素子で生じた信号を二つの出力端子(出力部)Y1,Y2に接続する素子選択手段20を備える(図2(イ))。
ロータRは磁性体を含むように構成する。本実施形態のロータRは、例えば鉄板等の磁性体から成る円盤状を呈し、回転中心aを基準に回転する。ロータRの外周面bには、周方向において一定間隔で凹凸部cが形成してある。この凹凸部cが磁性素子に対して近接・離間を繰り返すことで生じる磁束変化を検出することでロータRの回転が検出される。
尚、ロータRは、凹凸部cに代えて、円周方向に交互にS極およびN極を有するマグネットを設けたマグネットロータとしてもよい。
磁気素子群10は、ロータRの外周面に対向するように配置した少なくとも三つの磁気素子を有する態様であれば、磁気素子の数が制限されるものではない。
磁気素子は、回転検出センサXを通る磁束密度の大きさを感知するように作動し、当該磁束密度の大きさを表す出力信号を発生する。磁気素子としては、例えばホールICが好適に利用できる。
三つの磁気素子11〜13から二つの磁気素子を選択するのは以下の理由による。回転検出センサXは、検出対象となるロータRに設けてある凹凸部cの形状に応じた磁束の変化を磁性素子が検出し、ロータRの回転を検出する。そのため、仮に、回転検出センサXが単一の磁気素子しか有しない場合であっても、ロータRの回転は検出できる。しかし、この場合、回転検出センサの周辺機器から発生する電磁波などのノイズを磁気素子が検出する虞があり、磁性体であるロータRからの磁束と区別するのが困難である。
一方、回転検出センサXが二つの磁気素子を有すると、上述したノイズを磁気素子が検出したとしても、ノイズは二つの磁気素子の出力信号から同時に検出されるため、ノイズの判別・除去が容易となる。
また、二つの磁気素子を有すると、各磁気素子から得られる信号は経時的に同期しない出力信号となる。このとき検出される差動に基づき、ロータRの回転速度および回転方向等を検出できる。
本構成のように、三つの磁気素子11〜13から二つの磁気素子を選択可能に構成すると、回転検出センサXを設置する特定の設置位置に適した任意の一対の磁気素子を、各設置位置に応じて選択できる(図2(ロ))。
選択した任意の二つの磁気素子は二つの出力部Y1,Y2に接続する。この一対の磁気素子は、これら磁気素子間において出力信号の差動が大きい組み合わせのものを選択するから、ロータRの回転を最も的確に検出できるセンサが得られる。
磁気素子群10は少なくとも三角形状に配置される磁気素子を含むように構成する。本構成は、三つの磁気素子の並びを直線状とせず、多角形状とすることを特定している。本実施形態では、磁気素子11〜13を正三角形状としている。このとき、磁気素子の設置スペースが最も小さくなるため、回転検出センサXのサイズを最も小さくすることができる。
回転検出センサXでは、一対の磁気素子がロータRの回転方向にほぼ沿う方向となるように配設することが重要となる。仮に磁気素子11〜13を直線状に配置した場合、これら三つの磁気素子のうち二つの磁気素子を選択し得る3通りの何れのケースにおいても、各磁気素子の並び方向は同じ方向となる。この場合、回転検出センサXの設置方向について、選択された一対の磁気素子の配設方向と、ロータRの回転方向とが大きく異なる状態になると、磁気素子を選択し得る3通りの何れのケースにおいても、各磁気素子に基づく信号の差動を正確に検出し難くなる。
しかし、本構成のように、磁気素子11〜13が少なくとも三角形状を呈するように配置すると、磁気素子を選択し得る全てのケースにおいて、選択された一対の磁気素子の配設方向はそれぞれ異なることとなる。このため、ロータRの回転方向に最も近い配設方向を有する一対の磁気素子を選択すると、各磁気素子に基づく信号の差動を正確に検出し易くなる。
仮に一対の磁気素子11,12の配設方向とロータRの回転方向とが取り得る角度、および、一対の磁気素子11,13の配設方向とロータRの回転方向とが取り得る角度がそれぞれ同じ場合は、何れの磁気素子のペアを選択してもよい。
また、磁気素子群10が四つ以上の磁気素子を有する場合においても同様に多角形状を取り得る配置とする。
このように、磁気素子の配置が多角形を取り得る配置とすれば、磁気素子を選択し得る全てのケースにおいて、選択された一対の磁気素子の配設方向がそれぞれ異なるように構成できる。特に、磁気素子の数が増えるほど、任意に選択した一対の磁気素子は多くの配設方向を設定できる。そのため、ロータRの回転方向に最も近い配設方向を有する一対の磁気素子を的確に選択して、各磁気素子に基づく信号の差動をできるだけ正確に検出し易くなる。
素子選択手段20は、例えば図2に示すように、切断部位を設けた配線によって構成できる。
図2では、各磁気素子11〜13が端子M1〜M3を介して出力端子Y1,Y2と接続する。このとき、端子M1および出力端子Y1は配線21によって接続している。以下、同様に、端子M2および出力端子Y1は配線22によって接続し、端子M2および出力端子Y2は配線23によって接続し、端子M3および出力端子Y2は配線24によって接続している。そのため、任意の二つの磁気素子を選択可能となっている。
このように、各磁気素子11〜13を二つの出力端子Y1,Y2の少なくとも何れかに接続するように配線してあり、磁気素子群10のうちの任意の二つの磁気素子を出力端子Y1およびY2に各別に接続するよう、4つの配線21〜24のうち例えば配線22および24を切断する。
尚、「切断可能な配線」とは、電気的に切断可能、或いは、物理的に切断可能な構成を備えるものであれば、何れの配線であってもよい。
以下に、図3に基づき、本発明の詳細な実施形態について説明する。
磁気素子11の出力は、モニタ端子M1、アナログスイッチ(以下適宜スイッチ)SW11を介して出力端子Y1に接続されている。
磁気素子12の出力は、モニタ端子M2を介して分岐し、一方は、スイッチSW12を介して出力端子Y1に接続され、他方は、スイッチSW21を介して出力端子Y2に接続されている。
磁気素子13の出力は、モニタ端子M3、SW22を介して出力端子Y2に接続されている。
ここで、本実施例のアナログスイッチは、スイッチ信号が電源レベルの場合にオンし、グラウンドレベルの場合にオフするものである。初期状態において、それぞれのアナログスイッチの制御端子には、電源−グラウンド間に接続された抵抗器のグラウンド側が接続されて、全てオフ状態となっている。
従って、出力端子Y1,Y2には信号が伝達されず、オープン状態となるので、プルアップ抵抗が接続され、電気的な状態を確定させている。
また、アナログスイッチが全てオフ状態であるので、出力端子Y1,Y2を介して磁気素子11〜13の異なる素子の出力が短絡することもない。
この状態において、モニタ端子M1〜M3を介して、磁気素子11〜13のそれぞれの出力を確認し、差動磁束の大きい二つの素子を決定する。
ここで、例えば、磁気素子11と磁気素子13とが選択されると、磁気素子11の出力がスイッチSW11を介して出力端子Y1に接続され、磁気素子13の出力がスイッチSW22を介して出力端子Y2に接続されるようにアナログスイッチの制御端子を切り替える。
具体的には、スイッチSW11及びSW22の制御端子に接続される抵抗器とグラウンドとの間の配線を切断する。スイッチSW11は、制御端子が電源にプルアップされるので、オン状態となり、磁気素子11の出力を出力端子Y1に接続する。また、スイッチSW22は、制御端子が電源にプルアップされるのでオン状態となり、磁気素子13の出力を出力端子Y2に接続する。
尚、本発明を集積回路などにおいて実施する場合には、アンチヒューズ方式などを用いて配線を切断すればよい。プリント基板に各部品を実装して実施する場合には、基板上の配線を切断してもよいし、予め実装しておいたジャンパ線を切断してもよい。
また、出力端子Y1及びY2は、例えば、アンプなどに接続されて、差動増幅を行った後に一つの信号として、出力されるものであってもよい。
本実施例では、アナログスイッチを用いる例を示したが、勿論、アナログマルチプレクサや、トランスファーゲートなど、他の選択手段を用いてもよい。
〔別実施の形態〕
上述した実施形態では、選択手段20を切断可能な配線によって構成する例について説明した。しかし、これに限られるものではなく、素子選択手段20を、二つの出力部Y1,Y2の夫々に、磁気素子群10のうち任意の二つの磁気素子に接続可能な切替配線を設けて構成することが可能である(図4参照)。
即ち、図1における配線21〜24に替えてトグルスイッチやアナログマルチプレクサ等の切替配線25,26を端子M1〜M3および出力端子Y1,Y2の間に設ける。そして、切替配線25,26をそれぞれ別個に操作することにより、出力端子Y1およびY2が必ず1つの磁気素子と接続する状態を維持するように切替える。このとき、切替配線25,26が同時に端子M2と接続するような不都合が生じることを防止できるように、切替配線25,26を連動するように構成すると好ましい。
本構成によると、簡便な構成で選択手段を構成できるため、回転検出センサXの製造が容易となり、低コスト化を図ることができる。
本発明は、例えば車両におけるエンジン制御や車両ブレーキにおけるABS制御に使用する回転検出センサに適用できる。
本発明の回転検出センサをロータに対向して取り付けた図 本発明の回転検出センサの概念を示した図(イ)三つの磁気素子を備えた回転検出センサの図(ロ)二つの磁気素子を選択した図 本発明の回転検出センサの実施形態を示した図 本発明の回転検出センサの別実施形態を示した図
符号の説明
X 回転検出センサ
Y1,Y2 出力部
10 磁気素子群
11,12 磁気素子
20 素子選択手段

Claims (4)

  1. 磁性体を備えた回転体の回転を検出する磁気素子と、当該磁気素子で生じた信号を外部に出力する出力部とを備えた回転検出センサにおいて、
    前記磁気素子を少なくとも三つ備える磁気素子群から任意の二つの磁気素子を選択し、これらの磁気素子で生じた信号を二つの出力部に接続する素子選択手段を備えた回転検出センサ。
  2. 前記磁気素子群は少なくとも三角形状に配置される磁気素子を含む請求項1に記載の回転検出センサ。
  3. 前記素子選択手段が、前記磁気素子群の各磁気素子を、前記二つの出力部のうち少なくとも何れか一方に接続した状態に配線してあり、
    前記磁気素子群のうちの任意の二つの磁気素子を前記二つの出力部に各別に接続するよう、前記配線の夫々に切断部位を設けてある請求項1又は2に記載の回転検出センサ。
  4. 前記素子選択手段が、前記二つの出力部の夫々に、前記磁気素子群のうち任意の二つの磁気素子に接続可能な切替配線を設けた請求項1又は2に記載の回転検出センサ。
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