JP2007262057A - ラパマイシンアルキルエーテル類似体の異性体および42−エピマー、同物質の製造法および使用法 - Google Patents

ラパマイシンアルキルエーテル類似体の異性体および42−エピマー、同物質の製造法および使用法 Download PDF

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Abstract

【課題】調合物中で異なる安定性および溶解性特性を発揮できる化合物全体の異なる極性を保有するラパマイシン類似体の新規異性体および42-エピマーが依然として求められている。
【解決手段】ラパマイシンアルキルエーテル類似体の異性体および42-エピマーおよびその薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグは、免疫調節剤であり、再狭窄、ならびに免疫疾患および自己免疫疾患の治療に有用である。また、哺乳動物類における、癌、真菌増殖、再狭窄、移植後の組織の拒絶反応、および、免疫疾患および自己免疫疾患をそれぞれ抑制する組成物と、それらの抑制法も開示されている。ラパマイシンアルキルエーテル類似体の異性体および42-エピマーの特に好ましい適用は、医療装置および局所血管送達であり、安定性および脂質溶解性、および、その後の組織および細胞膜を通過する拡散が、ラパマイシンを含有する配合装置の成功に不可欠である。
【選択図】図2

Description

開示の内容
〔発明の背景〕
〔技術分野〕
本発明は、ラパマイシンエステル類似体の新規の異性体および42-エピマー、および、それらの調製のための合成法に関する。さらに詳細には、本発明は、ラパマイシンエステル類似体の半合成異性体および42-エピマー、それらの調製手段、当該化合物を含有する医薬組成物、および、同化合物を用いた治療法に関する。
〔関連技術〕
化合物サイクロスポリン(サイクロスポリンA)は、臓器移植および免疫調節の分野に導入されて以来、汎用されており、移植処置に大幅な成功率の増加をもたらした。最近、強力な免疫調節活性を有する、数種類の大環状化合物が発見されている。オクハラ他(Okuhara et al.)は、1986年6月11に公開された欧州特許出願第184,162号で、ストレプトミセス・ツクバエンシス(S.tsukubaensis)株から単離された23員大環状ラクトンである免疫抑制剤FK-506を含めた、ストレプトミセス属(genus Streptomyces)から単離された多数の大環状化合物を開示している。
ストレプトミセス・ハイグロスコピカス・ヤクシムナエンシス(S.hygroscopicus yakushimnaensis)からは、C-21のアルキル置換基がFK-506と異なる、FR-900520およびFR-900523などの他の関連天然物が単離されている。ストレプトミセス・ツクバエンシスによって産生される別の類似体FR-900525は、ピペコリン酸部分がプロリン基で置換されている点でFK-506と異なる。腎毒性など、サイクロスポリンおよびFK-506に伴う好ましくない副作用によって、局所的には有効であるが、全身的には無効な免疫抑制剤を含めて、効果および安全性が改善された免疫抑制化合物が探索され続けるに到った(米国特許第5,457,111号)。
図1に示されるように、ラパマイシンは、ストレプトミセス・ハイグロスコピカス(Streptomyces hygroscopicus)によって産生される大環状トリエン抗生物質であり、生体外、生体内の両方で、特にカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対する抗真菌活性を有することが判明している(C.ヴェジナ他(C. Vezina et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J. Antibiot.)」1975年、28巻、p.721;S.N.セーガル他(S. N. Sehgal et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J. Antibiot.)」1975年、28巻、p.727;H.A.ベーカー他(H. A. Baker et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(J. Antibiot.)」1978年、31巻、p.539; 米国特許第3,929,992号; および米国特許第3,993,749号)。
図1は、発酵プロセスから産生された場合のラパマイシン構造を示す。
ラパマイシン単独(米国特許第4,885,171号)またはピシバニル(米国特許第4,401,653号)と組み合わせたラパマイシンは、抗腫瘍活性を有することが立証されている。1977年、ラパマイシンは、実験的アレルギー性脳脊髄炎モデル、多発性硬化症モデル、アジュバント関節炎モデル、慢性関節リウマチモデルにおいて免疫抑制剤として有効であることも立証され、IgE-様抗体形成を有効に抑制することが立証された(R.マーテル他(R. Martel et al.)「カナディアン・ジャーナル・オブ・フィジオロジカル・ファーマコロジー(Can. J. Physiol. Pharmacol.)」、1977年、55巻、p.48)。
ラパマイシンの免疫抑制作用は、組織不適合ゲッ歯類(histoincompatible rodents)における臓器移植片の生存時間延長能を有するとして、「FASEBジャーナル(FASEB)」、1989年、3巻、p.3411にも開示されている(R.モリス(R. Morris)、「メディカル・サイエンス・リサーチ(Med. Sci. Res.)」、1989年、17巻、p.877)。ラパマイシンのT-細胞活性化抑制能は、M.ストラウチ(M. Strauch) (「FASEBジャーナル(FASEB)」、1989年、3巻、p.3411)によって開示された。ラパマイシンのこれらおよび他の生体作用は、「トランスプランテーション・レビューズ(Transplantation Reviews)」、1992年、6巻、p.39〜87で概説されている。
ラパマイシンのモノエステルおよびジエステル誘導体(31位と42位のエステル化)は、抗真菌剤として(米国特許第4,316,885号)、および、ラパマイシンの水溶性プロドラッグとして(米国特許第4,650,803号)有用であることが認められている。
ラパマイシンと30-デメトキシラパマイシンの発酵および精製は、文献に記述されている(C.ヴェジナ他(C. Vezina et al.)「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(東京)(J. Antibiot. (Tokyo))」、1975年、28(10)巻、p.721;S.N.セーガル他(S. N. Sehgal et al.)、「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティクス(東京)(J. Antibiot. (Tokyo))」、1975年、28(10)巻、p.727; 1983年、36(4)巻、p.351;N.L.パヴィア他(N. L. Pavia et al.)、「ジャーナル・オブ・ナチュラル・プロダクツ(J. Natural Products)」、1991年、54(1)巻、p.167〜177)。
ラパマイシンの多数の化学修飾が試みられている。これらは、ラパマイシンのモノエステル誘導体およびジエステル誘導体(PCT国際公開第WO 92/05179号), ラパマイシンの27-オキシム(欧州特許第0 467606号)、ラパマイシンの42-オキソ類似体(米国特許第5,023,262号)、二環式ラパマイシン(米国特許第5,120,725号)、ラパマイシン二量体(米国特許第5,120,727号)、ラパマイシンのシリルエーテル(米国特許第5,120,842号)、および、アリールスルホン酸塩(arylsulfonates)およびスルファミン酸塩(米国特許第5,177,203号)の各調製を含む。ラパマイシンは、最近、自然発生の鏡像異性型(enantiomeric form)として合成された(K.C.ニコラウ他(K. C. Nicolaou et al.)、「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)」、1993年、115巻、p.4419〜4420;S.L.シュライバー(S. L. Schreiber)、「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)」、1993年、115巻、p.7906〜7907;S.J.ダニシェフスキー(S. J. Danishefsky)、「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)」、1993年、115巻、p.9345〜9346)。
ラパマイシンは、FK-506のように、FKBP-12に結合することが知られている(J.J.シーキールカ(Siekierka, J. J.);S.H.Y.ハン(Hung, S. H. Y.);M.ポー(Poe, M.);C.S.リン(Lin, C. S.);N.H.シーガル(Sigal, N. H.)「ネイチャー(Nature)」、1989年、341巻、p.755〜757;M.W.ハーディング(Harding, M. W.);A.ギャラット(Galat, A.);D.E.ユーリン(Uehling, D. E.);S.L.シュライバー(Schreiber, S. L.)「ネイチャー(Nature)」、1989年、341巻、p.758〜760;F.J.デュモン(Dumont, F. J.);M.R.メリノ(Melino, M. R.);M.J.ストラウチ(Staruch, M. J.);S.L.コプラック(Koprak, S. L.);P.A.フィッシャー(Fischer, P. A.);N.H.シーガル(Sigal, N. H.)「ジャーナル・オブ・イミュノロジー(J. Immunol.)」1990年、144巻、p.1418〜1424;B.E.ビーラー(Bierer, B. E.);S.L.シュライバー(Schreiber, S. L.);S.J.ブラコフ(Burakoff, S. J.)「ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・イミュノロジー(Eur. J. Immunol.)」1991年、21巻、p.439〜445;H.フレッツ(Fretz, H.);M.W.アルバース(Albers, M. W.);A.ギャラット(Galat, A.);R.F.スタンダート(Standaert, R. F.);W.S.レーン(Lane, W. S.);S.J.ブラコフ(Burakoff, S. J.);B.E.ビーラー(Bierer, B. E.);S.L.シュライバー(Schreiber, S. L.)「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc.)」1991年、113巻、p.1409〜1411)。最近、ラパマイシン/FKBP-12複合体が、FK-506/FKBP-12複合体が抑制するタンパクであるカルシニューリンと異なる、なおも別のタンパクに結合することが発見されている(E.J.ブラウン(Brown, E. J.);M.W.アルバース(Albers, M. W.);T.B.シン(Shin, T. B.);K.イチカワ(Ichikawa, K.);C.T.キース(Keith, C. T.);W.S.レーン(Lane, W. S.);S.L.シュライバー(Schreiber, S. L.)「ネイチャー(Nature)」1994年、369巻、p.756〜758;D.M.サバティーニ(Sabatini, D. M.);H.アージュメント‐ブロマージュ(Erdjument-Bromage, H.);M.ルイ(Lui, M.);P.テンペスト(Tempest, P.);S.H.スナイダー(Snyder, S. H.)「セル(Cell)」、1994年、78巻、p.35〜43)。
ラパマイシン類似体のある最近の例は、テトラゾール含有ラパマイシン類似体である(米国特許第6,015,815号、米国特許第6,015,815号および米国特許第6,329,386号)。テトラゾール複素環が使用され、ヒドロキシル基が置換され、当該類似体を生じる。
これらの既知のラパマイシン類似体の一部は、血管平滑筋の移動および増殖の抑制において、免疫抑制活性、抗再狭窄活性を発揮し、特にステントコーティングに使用されるが、化合物全体の異なる極性を保有し、その後、調合物中で異なる安定性および溶解性特性を発揮できるラパマイシン類似体の新規の異性体および42-エピマーが依然として求められている。これらの光学異性体およびエピマーは、先行技術に記述されるものとは異なる独特な化合物である。それらは、調製するのに追加の発酵もしくは合成法も必要とする。それらの独自の極性および光学特性は、生体外および生体内双方で当該化合物に別々に作用させることができ、特に局所送達、または薬物装置の組合せで使用される調合物の異なる代謝速度および総合効果を生じることができる。ラパマイシンアルキルエーテル類似体のこれらの新規の異性体および42-エピマーは、42-位の各種アルキルエーテル部分を介して、調合物中で潜在的によりよい安定性を保有することもできると思われる。
〔発明の概要〕
従って、本発明の目的は、ラパマイシンアルキルエーテル類似体の異性体および42-エピマーを生成するために新規の半合成配列(semisynthetic sequences)を提供することである。出発材料は、発酵法または合成法によって調製されることができる。
ある態様に従って、本発明は、図2に示される構造式に代表される化合物に向けられたものである。
図2は、ラパマイシンアルキルエーテル類似体の15-異性体の一般構造を示す。Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル(hydoxyarylalkyl)、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル(dihydroxyalkyl)、ヒドロキシアルコキシアルキル(hydroxyalkoxyalkyl)、ヒドロキシアルキルアリールアルキル(hydroxyalkylarylalkyl)、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル(dihydroxyalkylarylalkyl)、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル(alkylcarbonyloxyalkyl)、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル(alkylaminoalkyl)、アルコキシカルボニルアミノアルキル(alkoxycarbonylaminoalkyl)、アルキルカルボニルアミノアルキル(alkylcarbonylaminoalkyl)、アリールスルホンアミドアルキル(arylsufonamidoalkyl)、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル(dihydroxyalkylallyl)、ジオキソラニルアリル(dioxolanylallyl)、カルボアルコキシアルキル(carbalkoxyalkyl)、または、アルキルシリルである。
別の態様に従って、本発明の化合物は、図3に示されるようなラパマイシンアルキルエーテルの42-エピマー、または、その薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグであることができる。
図3は、42-エピラパマイシンアルキルエーテル類似体(42-Epi rapamycin alkyl ether analog)を示す。Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリルである。
なおも別の態様に従って、本発明の化合物は、図4に示されるような42-エピラパマイシンアルキルエーテルの15異性体であることができる。
図4は、42-エピラパマイシンアルキルエーテルの15異性体を示す。Rは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリルである。
本発明の別の目的は、発酵によって得られた出発材料からの前記化合物の調製のための合成プロセス、ならびに、当該合成プロセスにおいて有用な化学中間体を提供することである。
本発明のさらなる目的は、活性成分として上記化合物の少なくとも1種類を含有する医薬組成物を提供することである。本発明に開示されている化合物は、経口液体、経口懸濁液、静脈内注射、局所血管内注射、カテーテルによる外膜注射、拡散バルーンカテーテル、血管周囲ラップ装置、または任意の他の適切な装置などの各種医薬調合物において使用されることができる。
本発明のなおも別の目的は、再狭窄、移植後の組織拒絶反応、免疫機能障害および自己免疫機能不全、真菌増殖、および癌を含めた様々な病状の治療法を提供することである。
さらに、本発明の化合物は、真菌感染部分に投与することができる0.1〜5%、好ましくは2%の活性化合物を含有する、薬学的に受容可能なビヒクルとの調合によって、溶液、クリームまたはローションとして用いられることができる。
本発明の前記および他の特徴および長所は、添付図面に示されるように、以下の、本発明の好ましい実施態様のさらに詳細な説明から明らかになる。
〔好ましい実施態様の詳細な説明〕
用語の定義
用語「プロドラッグ」とは、本明細書で使用される場合、生体内で、例えば、血中での加水分解によって下記の式の親化合物に急速に変換される化合物を指す。詳細な考察が、T.ヒグチおよびV.ステラ(T. Higuchi and V. Stella)による「プロドラッグス・アズ・ノベル・デリバリー・システムズ(Pro-drugs as Novel Delivery Systems)」(A.C.S.シンポジウムシリーズ(the A.C.S. Symposium Series)第14巻)、および、エドワード・B.ロッシュ(Edward B. Roche)編集の「バイオリバーシブル・キャリアズ・イン・ドラッグ・デザイン(Bioreversible Carriers in Drug Design)」(アメリカン・ファーマシューティカル・アソシエーション・アンド・ペルガモン・プレス(American Pharmaceutical Association and Pergamon Press)1987年)に提供されており、その両方が、参照することによって本明細書に組み入れられている。
用語「薬学的に受容可能なプロドラッグ(pharmaceutically acceptable prodrugs)」とは、本明細書で使用される場合、確実な医学的判定の範囲内で、過度の毒性、刺激およびアレルギー反応を伴うことなく、ヒトおよび下等哺乳動物の組織に接触する使用に適し、合理的な利益/リスク比に見合った、使用目的上有効な本発明の化合物のプロドラッグ、ならびに、可能であれば、本発明の化合物の両性イオン型(zwitterionic forms)を指す。特に好ましい、本発明の薬学的に受容可能なプロドラッグは、本発明の化合物のC-31ヒドロキシル基のプロドラッグエステルである。
用語「プロドラッグエステル」とは、本明細書で使用される場合、生理的条件下で加水分解される数種のエステル形成基のいずれかを指す。プロドラッグエステル基の例は、アセチル、エタノイル、ピバロイル、ピバロイルオキシメチル(pivaloyloxymethyl)、アセトキシメチル、フタリジル、メトキシメチル、インダニルなど、ならびに、本発明の化合物のC-31ヒドロキシル基への天然または非天然アミノ酸のカップリングから誘導されるエステル基を含む。
用語「異性体(isomer)」とは、本明細書で使用される場合、同一の化学式を有するが、異なる構造または光学的配置(optical configurations)を有する化合物を指す。
用語「エピマー(epimer)」とは、本明細書で使用される場合、同一の化学式を有するが、特定の位置で異なる光学的配置を有する化合物を指す。ラパマイシンの場合、42-エピラパマイシンは、発酵プロセスにより得られるラパマイシンに比較して、反対の旋光性を有する化合物を指す。
用語「15-異性体(15-isomer)」とは、本明細書で使用される場合、発酵プロセスから得られる、6員環含有の、通常のラパマイシンとは反対に、15位に7員環を含有するラパマイシンの類似体を指す。この種の変換は、「互変異性化(tautomerization)」とも呼ばれる。「15-異性体」は、本明細書で使用される場合、ラパマイシンの15互変異性体とも呼ぶことができる。
化合物の調製
本発明の化合物およびプロセスは、本発明の化合物を調製することができる方法を示す下記の合成スキームと関連付けることによってさらに良く理解される。
本発明の化合物は、様々な合成経路によって調製されることができる。
図5に示されるように、発酵プロセスからのラパマイシンは、その42-エピラパマイシン型に変換されることができる。文献(米国特許第5,525,610号など)で報告されている他の変換法を使用して、変換を行うことができる。42-ケト(42-keto)などの一部の中間体は、ラパマイシンから調製され、米国特許第5,525,610号に開示されている方法などによって42-エピラパマイシンにさらに変換されることができる。
図5は、ラパマイシンをその42-エピ-ラパマイシン型(42-Epi-rapamycin form)に変換するための典型的反応スキームを示す。
いったん42-エピラパマイシンが得られると、当該42-エピラパマイシンは、米国特許第6,277,983 B1号、および、米国特許公報第2005/0131008 A1号および米国特許公報第2005/0038505 A1号に開示されている方法などの報告されている方法を使って、さらに、ラパマイシンエーテル類似体に変換されることができる。
図6は、42-エピラパマイシンをそのアルキルエーテル類似体に変換するための典型的反応スキームを示す。
図6のR基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリルなどの任意の有機部分であることができる。
この特定の方法は、好ましいエピ42-O-(2-ヒドロキシ)エチルラパマイシン(エピエベロリムス)(Epi 42-O-(2-hydroxy) ethyl rapamycin (Epi Everolimus))、およびエピ42-O-(2-エトキシ)エチルラパマイシン(エピ‐バイオリムス)(Epi 42-O-(2-ethoxy)ethyl rapamycin (Epi-Biolimus))を含めて、選択的42-置換エピラパマイシンアルキルエーテル誘導体(selective 42-substituted Epi rapamycin alkyl ether derivatives)を生じることができる。
42-エピラパマイシンエステルを、15-位でその異性体(または互変異性体)に変換する例が、図7に示されている。当該変換は、米国特許公報2005/0014777 A1に開示されている方法を使って達成されることができる。反応条件は、15-異性体変換の収率を高めるために変えられることができる。
図7は、42-エピラパマイシンアルキルエーテルをその15異性体に変換するための典型的反応スキームを示す。図7のR基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリルなどの任意の有機部分であることができる。
治療法
本発明の化合物は、実施例で明記される化合物を含めて、哺乳動物(特にヒト)において免疫調節活性を保有する。本発明の化合物は、免疫抑制剤として、臓器または組織(心臓、腎臓、肝臓、骨髄、皮膚、角膜、肺、膵臓、小腸(intestinum tenue)、四肢、筋肉、神経、十二指腸、小腸(small bowel)、膵島細胞など)の移植による抵抗性などの免疫介在疾患、骨髄移植によって引き起こされる移植片対宿主疾患、自己免疫疾患(慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(紅斑性狼瘡)、橋本甲状腺炎、多発性硬化症、重症筋無力症、I型糖尿病、ブドウ膜炎、アレルギー性脳脊髄炎、糸球体腎炎など)の治療および防止に有用である。さらなる使用は、炎症性および過剰増殖性皮膚疾患および免疫介在疾患の皮膚発現(乾癬、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、さらに、湿疹性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、扁平苔癬、天疱瘡、水疱性類天疱瘡、表皮水疱症、蕁麻疹、血管浮腫、血管炎、紅斑、皮膚好酸球増多症(cutaneous eosinophilia)、エリテマトーデス、にきび、および円形脱毛症など)、各種眼疾患(自己免疫性他)(角結膜炎、春季結膜炎、ベーチェット病に伴うブドウ膜炎、角膜炎、単純ヘルペス性角膜炎(herpetic keratitis)、円錐角膜、角膜上皮ジストロフィー、角膜白斑および眼性天疱瘡など)の治療および予防を含む。さらに、喘息(例えば、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、および塵埃喘息)、特に慢性または難治性喘息(例えば、遅発型喘息および気道過敏症(airway hyper-responsiveness))、気管支炎、アレルギー性鼻炎などの病態を含む可逆性閉鎖性気道疾患は、本発明の化合物の対象とされる。胃潰瘍などの粘膜および血管の炎症、虚血性疾患および血栓症によって引き起こされる血管損傷。さらに、内膜平滑筋細胞過形成などの過剰増殖性血管疾患、特に生物または機械介在血管負傷(biologically- or mechanically-mediated vascular injury)後の再狭窄および血管閉塞は、本発明の化合物によって治療または防止されることができる。他の治療可能な病態は、虚血性腸疾患、炎症性腸疾患、壊死性腸炎、腸炎症/アレルギー(小児脂肪便症、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞過剰増殖、クローン病、および潰瘍性大腸炎など)、神経疾患(多発性筋炎、ギラン-バレー症候群、メニエール病、多発性神経炎(polyneuritis)、多発性神経炎(multiple neuritis)、単神経炎および神経根障害など)、内分泌疾患(甲状腺機能亢進症およびバセドー氏病など)、血液疾患(赤芽球癆、無形成貧血(aplastic anemia)、再生不良性貧血(hypoplastic anemia)、突発性血小板減少性紫斑病、自己免疫溶血性貧血、無顆粒球症、悪性貧血、巨大赤芽球性貧血、および赤血球形成不全など)、骨疾患(骨粗鬆症など)、呼吸器疾患(サルコイドーシス、肺線維症、および突発性間質性肺炎など)、皮膚疾患(皮膚筋炎、尋常性白斑(leukoderma vulgaris)、尋常性魚鱗癬、光アレルギー性過敏症、および皮膚T細胞リンパ腫など)、循環器疾患(動脈硬化症、アテローム性動脈硬化症、大動脈炎症候群、結節性多発動脈炎、および心筋症など)、膠原病(強皮症、ウェゲナー肉芽腫、およびシェーグレン症候群など)、脂肪症、好酸球性筋膜炎、歯周病(歯肉、歯根膜組織、歯槽骨およびセメント質などの病変など)、ネフローゼ症候群(糸球体腎炎など)、脱毛の防止または毛芽(hair germination)提供ならびに/または発毛および育毛促進による男性型脱毛症または老人性脱毛症、筋ジストロフィー、膿皮症およびセザリー症候群、アジソン病、臓器保存(preservation)、移植または虚血性疾患(例えば、血栓症および心筋梗塞)の際に起こる臓器(心臓、肝臓、腎臓、および消化管など)の虚血-再還流損傷などの例えば臓器損傷としての活性酸素介在疾患、腸疾患(内毒素ショック、薬物または放射線によって引き起こされる偽膜性結腸炎および結腸炎)、腎臓疾患(虚血性急性腎不全および慢性腎不全など)、肺疾患(肺-酸素または薬物(例えばパラコート、およびブレオマイシン)によって引き起こされる中毒症など)、肺癌および肺気腫、眼疾患(白内障、鉄沈着症、網膜炎、色素変性症(pigmentosa)、老人性黄斑変性症、硝子体瘢痕および角膜アルカリ火傷(corneal alkali burn)など)、皮膚炎(多形滲出性紅斑、線状IgA水疱性皮膚炎、およびセメント皮膚炎など)、および、その他(歯肉炎、歯周炎、敗血症、膵炎、環境汚染(例えば、大気汚染)によって引き起こされる疾患)、加齢、発癌現象、癌転移および高山病、ヒスタミンまたはロイコトリエン-C.sub.4(leukotriene-C.sub.4)放出によって引き起こされる疾患、ベーチェット病(腸ベーチェット病、血管ベーチェット病、または神経ベーチェット病など、および、口腔、皮膚、眼球、外陰、関節、副睾丸、肺、腎臓などに作用するベーチェット病)を含む。さらに、本発明の化合物は、免疫原性疾患などの肝臓疾患(例えば、慢性自己免疫肝臓疾患(自己免疫肝炎、原発性胆汁肝硬変および硬化性胆管炎)、肝臓の部分的切除、急性肝臓壊死(例、毒素、ウイルス性肝炎、ショックまたは無酸素症を原因とする壊死)、B型ウイルス性肝炎、非A/非B肝炎、肝硬変(アルコール性肝硬変など)、および肝不全(劇症肝不全、遅発性肝不全および「アキュート・オン・クロニック(acute-on-chronic)」肝不全(慢性肝臓疾患への急性肝不全の併発))の治療および防止に有用であり、さらに、化学療法効果の増強などの有用な活性により各種疾患、サイトメガロウイルス感染症、特にHCMV感染症、抗炎症活性、硬化性疾患および線維症(ネフローゼ、強皮症、肺線維症、動脈硬化症、うっ血性心不全、心室肥大、術後癒着および瘢痕形成)、卒中、心筋梗塞、虚血および再還流に伴う損傷などに有用である。
さらに、本発明の化合物は、FK-506拮抗作用を保有する。よって、本発明の化合物は、免疫抑制または免疫抑制が関与する疾病の治療に使用されることができる。免疫抑制が関与する疾病の例は、エイズ、癌、真菌感染症、老人性痴呆、外傷(創傷治癒、手術およびショックを含む)、慢性細菌感染症および特定の中枢神経系障害を含む。治療対象の免疫抑制は、免疫抑制大環状化合物、例えば、FK506やラパマイシンなどの12-(2-シクロへキシル-1-メチルビニル)-13,19,21,27-テトラメチル-11,28-ジオキサ-4-アザトリシクロ[22.3.1.0.sup.4.9]オクタコス-18-エン誘導体、の過剰投与によって引き起こされる場合がある。患者による当該薬物の過剰投与は、患者が所定時間に服用を忘れてしまったことを気付いた時にかなり頻発し、重篤な副作用を招く可能性がある。
本発明の化合物の増殖性疾患を治療する能力は、バンチマンE TおよびC Aブルックシャー(Bunchman E T and C A Brookshire)の「トランスプランテーション・プロシーディングス(Transplantation Proceed.)」23巻、p.967〜968 (1991年); ヤマギシ他(Yamagishi, et al)の「バイオケミカル・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーション(Biochem. Biophys. Res. Comm.)」191巻、p.840〜846 (1993年); and シチリ他(Shichiri, et al.)、「ジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション)J. Clin. Invest.)」87巻、p.1867〜1871 (1991年)に記述されている方法に従って実証されることができる。増殖性疾患は、平滑筋増殖、全身性硬化症、肝硬変、成人呼吸窮迫症候群、突発性心筋症、エリテマトーデス、糖尿病性網膜症または他の網膜症、乾癬、強皮症、前立腺肥大、心臓肥大、動脈損傷または他の病的血管狭窄後の再狭窄を含む。さらに、これらの化合物は、数種の増殖因子への細胞応答に拮抗し、そのため、血管形成阻害特性を保有し、それによりそれら化合物を、特定の腫瘍の増殖、ならびに、肺、肝臓および腎臓の線維症を制御または逆転させるための有用な物質にする。
本発明の化合物および天然ラパマイシン(native rapamycin)は、バルーン血管形成術またはステント配置の後の再狭窄の治療に使用される場合、ラパマイシンの哺乳類標的すなわちmTORの抑制を介して、その治療機能を発揮すると考えられる。本化合物は、FKBPレセプターにも結合できる。
本発明の水性液体化合物は、自己免疫疾患 (例えば円錐角膜、角膜炎、角膜上皮ジストロフィー、白斑、ムーレン潰瘍、強膜炎、グレーブス眼症を含む)、および角膜移植の拒絶反応などの各種眼疾患の治療と防止に特に有用である。これらの液体調合物は、再狭窄病巣または不安定プラークを治療するために、外膜経路または血管周囲経路によって入れられることもできる。
上記または他の治療に使用される場合、本発明の化合物の1種類の治療に有効な量は、純型(pure form)、あるいは、もし存在する場合には、薬学的に受容可能な塩、エステルまたはプロドラック型で用いられることができる。あるいは、本化合物は、1種類以上の薬学的に受容可能な賦形剤と組み合わせて当該化合物を含有する医薬組成物として投与されることができる。本発明の化合物の「治療に有効な量(therapeutically effective amount)」という語句は、任意の内科的治療に適用できる合理的な利益/リスク比で、疾病を治療するのに十分な化合物の量を意味する。しかし、当然、本発明の化合物および組成物の1日の総使用量は、確実な医学的判定の範囲内で担当医によって決定される。任意の特定の患者に対する具体的な、治療に有効な投与量レベルは、治療される疾病、および当該疾病の重症度、用いられる特定の化合物の活性、用いられる特定の組成物、対象患者の年令、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与時間、投与経路、用いられる特定の化合物の排泄率、治療期間、用いられる特定の化合物と配合もしくは併用される薬物、医学的に周知の要因などを含む様々な要因によって異なる。例えば、所望の治療効果の達成に必要な用量よりも低いレベルで本化合物の投与を開始し、所望の効果が達成されるまで、徐々に投与量を増量することは、十分に当該分野の技術の範囲内である。
ヒトまたはヒト以外の哺乳動物に投与される本発明の化合物の1日の総投与量は、約0.01〜約10 mg/kg/日の範囲であってよい。経口投与のためには、さらに好ましい投与量は、約0.001〜約3 mg/kg/日の範囲とすることができる。必要ならば、有効な1日の投与量は、投与の目的上、複数回に分割されることができ、その結果、1回に投与する組成物は、1日の投与量を構成するために前述の量またはその約数を含有することができる。局所投与は、適用部位に応じて、0.001〜3%mg/kg/日の範囲の投与量を含むことができる。再狭窄および不安定プラークの治療のために局所投与される場合、投与量は、約1マイクログラム/mmステント長〜約100マイクログラム/mmステント長の範囲とすることができる。
医薬組成物
本発明の医薬組成物は、本発明の化合物、および薬学的に受容可能なキャリアまたは賦形剤を含み、これは、経口投与、直腸内投与、非経口投与、槽内投与、膣内投与、腹腔内投与、局所投与(粉末、軟膏、点眼薬、経皮パッチとして)、口腔内投与、あるいは、経口または鼻内スプレーとして投与されることができる。語句「薬学的に受容可能なキャリア」とは、無毒の固体、半固体または液体フィラー、希釈剤、カプセル封入材料または任意のタイプの調合補助剤を意味する。用語「非経口(parenteral)」は、本明細書で使用される場合、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下、関節内の注射および注入を含む投与形態を指す。
本発明の非経口注射用医薬組成物は、薬学的に受容可能な滅菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液またはエマルジョン、ならびに、使用直前に滅菌注射液または分散液に戻す滅菌粉末を含む。適切な水性および非水性キャリア、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例は、水、エタノール、ポリオール(グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの適切な混合物、植物油(オリーブ油など)、オレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルを含む。適正な流動性は、例えばレシチンなどのコーティング剤の使用、分散液の場合の必要な粒度の維持、および界面活性剤の使用によって維持されることができる。
これらの組成物は、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などのアジュバントも含有できる。微生物の作用の防止は、各種の抗細菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノール(phenol sorbic acid)などを加えることによって確保されることができる。糖、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含むことも望ましい場合がある。注射可能な薬剤の長時間吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延させる物質を加えることによって達成されることができる。
ある場合、前記薬物の効果を延長するためには、皮下または筋肉内注射からの当該薬物の吸収を鈍化させるのが望ましい。これは、水への溶解度が低い結晶または無晶質材料の液体懸濁液の使用によって達成されることができる。その後の当該薬物の吸収速度は、その溶解速度によって異なり、この溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形によって異なっていてよい。あるいは、非経口投与された剤型(drug form)の遅延吸収は、当該薬物を油性ビヒクルに溶解または懸濁することによって達成される。
注射可能なデポー剤は、ポリラクチド-ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー中に前記薬物のマイクロカプセルマトリックス(microencapsule matrices)を形成することによって生成される。ポリマーに対する薬物の比率、および用いられる特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルソエステル)およびポリ(無水物)を含む。注射可能なデポー調合薬は、生体組織に適合するリポソームまたはマイクロエマルジョン中に前記薬物を捕捉することによっても調製される。
前記注射可能な調合薬は、例えば、細菌保持フィルターでの濾過によって、あるいは、使用直前に滅菌水または他の注射可能な滅菌媒質に溶解または分散されることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を混入させることによって滅菌されることができる。
経口投与用の固体剤形(solid dosage forms)は、カプセル、錠剤、ピル、粉末および顆粒を含む。当該固体剤形では、前記活性化合物は、少なくとも1種類の不活性な、薬学的に受容可能な賦形剤またはキャリア、例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム、および/または、a)フィラーまたは増量剤(デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよびケイ酸など)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアラビアゴム(acacia)など)、c)湿潤剤(humectants)(グリセロールなど)、d)崩壊剤(寒天、炭酸カルシウム、ポテトもしくはタピオカのデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウムなど)、e)溶解遅延剤(パラフィンなど)、f)吸収促進剤(四級アンモニウム化合物など)、g)湿潤剤(wetting agents)(例えば、セチルアルコール、モノステアリン酸グリセロールなど)、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、および、i)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、および、それらの混合物などの潤滑剤と混合される。カプセル、錠剤およびピルの場合、当該剤形は、緩衝剤も含むことができる。
軟質、半固体および硬質ゼラチンカプセルまたは液体充填カプセル中のフィラーとして、ラクトースまたは乳糖、ならびに、高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を使って、同様のタイプの固体組成物も用いられることができる。
腸溶性コーティング剤および製薬調合技術上周知の他のコーティング剤などのコーティング剤および外皮(shell)で、錠剤、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒の固体剤形が調製されることができる。当該固形剤形は、任意に乳白剤を含有でき、それらが活性成分のみを、あるいは、優先的に腸管のある部分において、随意に遅延させた方法で放出する組成物であることもできる。使用されることができる包埋組成物(embedding compositions)の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。
前記活性化合物は、適宜、上記の賦形剤の1種類以上とマイクロカプセル型にすることもできる。
経口投与用の液体剤形は、薬学的に受容可能なエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ、およびエリキシルを含む。前記活性化合物に加えて、当該液体剤形は、技術上一般に使用されている不活性希釈剤(例えば水、または他の溶媒など)、可溶化剤および乳化剤(エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油など)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステルなど)、および、それらの混合物を含有することができる。
経口組成物は、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味料、香料および芳香剤などのアジュバントも含むこともできる。
懸濁液は、前記活性化合物に加えて、懸濁剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタハイドロキサイド(aluminum metahydroxide)、ベントナイト、寒天およびトラガカント、および、それらの混合物、を含有できる。
局所投与は、皮膚または粘膜(肺および眼球の表面を含む)への投与を含む。局所投与用組成物は、吸入用組成物を含めて、加圧可能、あるいは、加圧不可能な乾燥粉末として調製されることができる。非加圧粉末組成物では、微粉砕形態の活性成分が、例えば直径100マイクロメートルまでのサイズを有する粒子を含む、大きめの薬学的に受容可能な不活性キャリアとの混合物として使用されることができる。適切な不活性キャリアは、ラクトースなどの糖を含む。望ましくは、前記活性成分粒子の少なくとも95重量%は、0.01〜10マイクロメートルの範囲の有効粒度を有する。皮膚への局所使用のための組成物は、軟膏、クリーム、ローション、およびゲルも含む。
あるいは、前記組成物は、加圧され、窒素または液化ガス推進剤(liquified gas propellant)などの圧縮ガスを含有することができる。当該液化推進媒質および、事実上の総組成物は、好ましくは、前記活性成分が当該液化推進剤媒質および総組成物に任意の実質的範囲まで溶解しないようなものである。当該加圧組成物は、界面活性剤も含有できる。当該界面活性剤は、液体または固体の非イオン型界面活性剤であることができ、あるいは、固体の陰イオン型界面活性剤であることができる。ナトリウム塩の形状で、当該固体の陰イオン型界面活性剤を使用するのが好ましい。
さらなる局所投与形態は、自己免疫疾患、アレルギーまたは炎症病態などの眼球の免疫介在病態および角膜移植の治療用のように、眼球への投与である。本発明の化合物は、薬学的に受容可能な眼科用ビヒクル中で送達されることができ、よって、当該化合物を眼球の角膜および内部領域(例えば、前眼房、後眼房、硝子体、房水、硝子体液、角膜、虹彩/毛様体、水晶体、脈絡膜/網膜および強膜)に浸透させるのに十分な時間にわたり、当該化合物が眼球表面との接触を維持される。当該薬学的に受容可能な眼科用ビヒクルは、例えば、軟膏、植物油またはカプセル封入材であることができる。
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは、坐薬、保留浣腸であり、当該組成物は、本発明の化合物を適切な非刺激性賦形剤またはキャリア、例えばカカオバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬用ワックスなど、と混合することによって調製されることができ、当該非刺激性賦形剤またはキャリアは、室温では固体だが、体温で液体となり、そのため、直腸腔または膣腔で融解し、前記活性化合物を放出する。
本発明の化合物は、リポソームの形態でも投与されることができる。技術上周知のように、リポソームは、一般に、リン脂質または他の脂質物質由来である。リポソームは、水性媒質中に分散された単膜または多重膜水和液晶によって形成される。リポソームを形成できるどの無毒の生理的に受容可能で代謝性の脂質も使用されることができる。リポソーム形態中の、本発明の組成物は、本発明の化合物の他に、安定化剤、防腐剤、賦形剤などを含有することができる。好ましい脂質は、天然および合成のリン脂質およびフォスファチジルコリン(レシチン) (phosphatidyl cholines (lecithins))である。リポソームを形成する方法は、技術上周知である。例えば、プレスコット(Prescott)編集の「メソッズ・イン・セル・バイオロジー(Methods in Cell Biology)」14巻(ニューヨーク州ニューヨーク、アカデミックプレス社(Academic Press, New York, N.Y.))(1976年)、p. 33以下を参照されたい。
本発明の化合物は、1種類以上の免疫抑制剤と同時投与されることができる。本発明の範囲内の免疫抑制剤は、イムラン.RTM.(IMURAN.RTM.)、アザチオプリンナトリウム(azathioprine sodium)、ブレキナールナトリウム(brequinar sodium)、スパニジン.RTM.(SPANIDIN.RTM.)、グスペリムス三塩酸塩(gusperimus trihydrochloride )(デオキシスペルグアリン(deoxyspergualin)としても知られている)、ミゾリビン(ブレジニンとしても知られている)、セルセプト.RTM.(CELLCEPT.RTM.)、ミコフェノール酸モフェチル、ネオラル.RTM.(NEORAL.RTM.)、サイクロスポリンA(サンディミュン.RTM.(SANDIMMUNE.RTM.)の商品名で、サイクロスポリンAの別の調合物としても市販されている)、プログラフ.RTM.(PROGRAF.RTM.)、タクロリムス(FK-506としても知られている)、シロリムス、およびラパミューン.RTM.(RAPAMUNE.RTM.)、レフルノミド(HWA-486としても知られている)、プレドニゾロンおよびその誘導体などのグルココルチコイド、オルソクローン(OKT3)およびゼナパックス.RTM.(Zenapax.RTM.)などの抗体療法剤、および、チモグロブリン(thymoglobulins)などの抗胸腺細胞グロブリンを含む。
ステントまたは他の植え込み可能な装置からの薬物/薬物配合物の局所送達は、次の長所を有する。即ち、当該ステントの足場作用(scaffolding action)による血管の反跳および再形成の防止、および新生内膜過形成または再狭窄の複合的成分(multiple components)の防止、ならびに、炎症および血栓症の軽減である。薬物、作用物質および化合物のステント配置冠動脈への局所投与も追加的な治療効果を有する。例えば、薬物、作用物質および化合物の、より高い組織濃度は、全身投与よりもむしろ、局所送達を利用して達成されることができる。さらに全身性毒性の軽減は、全身投与よりもむしろ局所送達を使って達成されることができ、それと同時に、より高い組織濃度を維持する。また、全身投与ではなくむしろステントからの局所送達を用いると、単回処置が、より良い患者のコンプライアンスを得るのに十分である。配合薬物、作用物質および/または化合物療法のさらなる利益は、治療の薬物、作用物質または化合物のそれぞれの投与量を減少させ、それによって、再狭窄、炎症および血栓症の軽減を依然として達成しながら、それぞれの毒性を制限することであると思われる。そのため、局所的なステント主体の療法は、抗再狭窄、抗炎症、抗血栓症の薬物、作用物質、または化合物の治療比(therapeutic ratio )(効果/毒性)を改善する手段である。
当然ながら、前記の詳細な説明およびそれに伴う実施例は、単に説明に役立つものであって、本発明の範囲を制約するものとして理解されるべきものではなく、本発明の範囲は、添付された特許請求の範囲およびその等価物によってのみ規定される。開示された実施態様への各種変更および修正は、当業者に明らかであろう。当該変更および修正は、制約するものでないが本発明の化学構造、置換基、誘導体、中間体、合成、調合および/または使用方法に関するものを含めて、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、行うことができる。
〔実施の態様〕
(1) 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
Figure 2007262057
式中、Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
(2) 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
Figure 2007262057
式中、Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
(3) 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
Figure 2007262057
式中、Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
(4) 哺乳動物におけるカテーテルおよびバルーン介入後の血管系の新生内膜増殖を抑制する方法において、
有効量の実施態様1〜3のいずれかに記載の化合物のいずれかを前記哺乳動物に投与する段階、
を含む、方法。
(5) 方法において、
植え込み可能な医療装置と組み合わせて、実施態様1〜3のいずれかに記載の化合物のいずれかを使用する、
方法。
(6) 方法において、
天然ラパマイシン分子と、実施態様1〜3のいずれかに記載の化合物とを組み合わせて、治療効果を達成する、
方法。
図1は、本発明に従ったラパマイシン構造を示す。 図2は、本発明に従ったラパマイシンアルキルエーテル類似体の15-異性体を示す。 図3は、本発明に従ったラパマイシンアルキルエーテル類似体の42-エピマーを示す。 図4は、本発明に従った42-エピ-ラパマイシンアルキルエーテル類似体の15-異性体を示す。 図5は、本発明に従ってラパマイシンをその42-エピ-ラパマイシン型に変換するための典型的反応スキームを示す。 図6は、本発明に従って42-エピ-ラパマイシンをそのアルキルエーテル類似体に変換するための典型的反応スキームを示す。 図7は、本発明に従って42-エピ-ラパマイシンアルキルエーテルをその15-異性体に変換するための典型的反応スキームを示す。

Claims (6)

  1. 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
    Figure 2007262057
    式中、Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
    化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
  2. 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
    Figure 2007262057
    式中、Rが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
    化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
  3. 以下の構造を有する化合物、または、前記化合物の薬学的に受容可能な塩もしくはプロドラッグにおいて、
    Figure 2007262057
    式中、Rが、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヒドロキシアリールアルキル、ヒドロキシアルキル、ジヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルコキシアルキル、ヒドロキシアルキルアリールアルキル、ジヒドロキシアルキルアリールアルキル、アルコキシアルキル、アルキルカルボニルオキシアルキル、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、アルコキシカルボニルアミノアルキル、アルキルカルボニルアミノアルキル、アリールスルホンアミドアルキル、アリル、ジヒドロキシアルキルアリル、ジオキソラニルアリル、カルボアルコキシアルキル、または、アルキルシリル、である、
    化合物、または、前記化合物の塩もしくはプロドラッグ。
  4. 哺乳動物におけるカテーテルおよびバルーン介入後の血管系の新生内膜増殖を抑制する方法において、
    有効量の請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物のいずれかを前記哺乳動物に投与する段階、
    を含む、方法。
  5. 方法において、
    植え込み可能な医療装置と組み合わせて、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物のいずれかを使用する、
    方法。
  6. 方法において、
    天然ラパマイシン分子と、請求項1〜3のいずれか1項に記載の化合物とを組み合わせて、治療効果を達成する、
    方法。
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