JP2007252026A - 電線等の張力調整装置 - Google Patents

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Takahisa Ono
隆久 小野
Hiroshi Kubokawa
弘 窪川
Shigemi Iwama
成美 岩間
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Abstract

【課題】電線等の伸縮量の変化、又は外気温の変化が大きい場合でも、電線等の弛度を許容値内に収めることができる電線等の張力調整装置の提供を課題とする。
【解決手段】先端に電線61が取り付けられる伸縮自在なピストンロッド11を有する油圧シリンダ12と、この油圧シリンダ12に油圧を供給すると共に、この油圧をガス圧によって調整可能なアキュームレータ13と、油圧シリンダ12におけるピストンロッド11の伸縮量を規制するガイド手段14とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電線等の張力調整装置に係り、更に詳細には、鉄塔などの支持部材と、この支持部材に張設される電線やケーブルカーの牽引ワイヤなどとの間に介装されて、上記電線や牽引ワイヤなどの弛度を調整するのに好適な電線等の張力調整装置に関する。
図21に示すように、鉄塔60に張設される電線61は、電流が流された際に温度が上昇して膨張し、垂れ下がる。このように電線61が垂れ下がると、場合によっては電線61の下側の樹木などに接近するおそれがある。
このため、従来から、電線61の張力を調節することにより、電線61の弛度(支持点62,63を結ぶ直線と電線61の曲線との鉛直距離の最大値)Hを調整する電線等の張力調整装置50が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
従来の電線等の張力調整装置50は、図22に示すように、油圧シリンダ51とアキュムレータ52とを備えている。上記油圧シリンダ51は、作動油が封入されたシリンダチューブ54、このシリンダチューブ54内に伸縮自在に挿入されたピストンロッド55を有している。
上記アキュームレータ52は、作動油が封入された外殻56、この外殻56内に挿入されガスが密封されたブラダ57を有している。そして、外殻56内の作動油が、上記油圧シリンダ51のシリンダチューブ54内に供給され、ピストンロッド55が縮小する側(シリンダチューブ54内に引き込まれる側)に付勢されている。また、ピストンロッド55の先端には、電線61が取り付けられている。
通常は、上記電線等の張力調整装置50におけるピストンロッド55の引っ張り力と、電線61の張力とが均衡されている。
例えば、大電流が流されて電線61が伸びることにより電線61の張力が小さくなると、ピストンロッド55の引っ張り力が電線61の張力より大きくなる。この場合には、ピストンロッド55がシリンダチューブ54に対して縮小する方向Xに移動する。これにより、電線61の端部が鉄塔60側に移動し、電線61の張力が増加して弛度Hが増大するのを抑制できる。
特開2002−199569号公報
しかしながら、従来の電線等の張力調整装置50では、次に説明するように、電線61の伸縮量の変化が大きい場合、又は装置周辺の外気温の変化が大きい場合には、電線61の弛度Hが許容値を外れるおそれがあった。
例えば、電線61に流される電流の変化が大きい場合には、電線61の伸縮量が大きく変化する。この際、電線等の張力調整装置50におけるピストンロッド55の伸縮量が過小である場合には、電線61を必要量だけ引き込み又は引き出すことができず、電線61の弛度Hが許容値から外れてしまうという問題が発生する。
また、電線等の張力調整装置50の周囲における外気温の変化が大きい場合には、アキ
ュームレータ52のガス圧(油圧)の変化が大きくなり、油圧シリンダ51の油圧の変化が大きくなる。この際、アキュームレータ52のガス圧が過小であると、ピストンロッド55の引っ張り力が過小となり、これまた電線61の弛度Hが許容値から外れてしまうという問題が発生する。
このような問題を解決するため、電線61の伸縮量の変化に応じてピストンロッド55の長さを変えることによりその伸縮量を調整したり、電線等の張力調整装置50周囲の外気温の変化に応じて、アキュームレータ53のガス圧を調整することが必要となる。
しかし、電線61の伸縮量の変化に応じて、ピストンロッド55の長さを変える場合には、ピストンロッド55の長さの異なる油圧シリンダ51を有する電線等の張力調整装置50を製作する必要がある。
更に、従来の電線等の張力調整装置50は、ピストンロッド55の伸長動作時と縮小動作時で、ピストンロッド55の引っ張り力と伸縮量との特性にヒステリシス現象が生じ、場合によっては、電線61の弛度Hが許容値から外れてしまうおそれがあった。
このような問題は、電線61に限らず、ケーブルカーの牽引ワイヤーなど空中に設置される長尺な線状部材に同様に発生する。
本発明は、このような問題に鑑みなされたもので、電線等の伸縮量の変化、又は外気温の変化が大きい場合でも、電線等の弛度を許容値内に納めることができ、更にピストンロッドの伸縮時に発生する装置張力のヒステリシス現象の影響を考慮した電線等の張力調整装置の提供を課題とする。
本発明は、前記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
(1)本発明は、
鉄塔などの支持部材に張設された電線等の張力を調整することにより、前記電線等の弛度を調整するべく、前記支持部材と前記電線等との間に設けられる電線等の張力調整装置において、
先端に前記電線等が取り付けられる且つ伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに油圧を供給すると共に、前記油圧をガス圧によって調整可能なアキュームレータと、
前記油圧シリンダにおける前記ピストンロッドの伸長量を規制するガイド手段と、
を備えたことを特徴とする。
本発明では、ピストンロッドの長さをある程度長くしておき、ガイド手段によってピストンロッドの伸長量を調節することができる。
これにより、電線の長さが異なり、電線の伸縮量が異なる場合でも、ガイド手段の全長を適宜設定することにより、ピストンロッドの伸縮量を電線の伸縮量に対応させることができる。従って、電線の長さが異なる場合でも、ガイド手段だけ変えて同一の油圧シリンダを使用できる。
また、ガイド手段によってピストンロッドの伸縮量を制限することにより、電線を引き上げ過ぎて上下相の電線が接近し短絡するような事態を回避できる。
(2)また、本発明は、
鉄塔などの支持部材に張設された電線等の張力を調整することにより、前記電線等の弛度を調整するべく、前記支持部材と前記電線等との間に設けられる電線等の張力調整装置において、
先端に前記電線等が取り付けられ且つ伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダと、
前記油圧シリンダに油圧を供給すると共に、前記油圧をガス圧によって調整可能なアキュームレータとを備え、
前記アキュームレータのガス圧が、前記アキュームレータの周囲の外気温に基づいて設定されていることを特徴とする。
本発明では、アキュームレータのガス圧がアキュームレータ周囲の外気温に基づいて設定されているので、外気温の変化が大きい場合でも、アキュームレータのガス圧すなわち油圧シリンダの油圧を適切に保持できる。これにより、装置周囲の外気温の変化が大きい場合でも、電線等の弛度を許容値内に収めることができる。
例えば、装置周囲の外気温が低くなる場合には、アキュームレータのガス圧を予め高目に設定しておく。これによって、装置周囲の外気温が所定値より低くなったときに、アキュームレータのガス圧すなわち油圧シリンダの油圧が下がり過ぎるのを防止できるので、ピストンロッドの引っ張り力が電線の張力より弱くなり、電線の弛度が許容値から外れるのを防止できる。従って、電線が下側の樹木などに接近するのを防止できる。
(3)前記ガイド手段は、伸縮自在に構成できる。このような構成としてはリンク機構を例示できる。
(4)前記ガイド手段は、伸縮動作をロックするロック手段を有するのが好ましい。この場合は、電線等を鉄塔などに敷設する際に、ロック手段をロックしてピストンロッドの伸縮動作をロックすることによって、適切な電線等の切断位置の決定作業が容易になる。
(5)前記アキュームレータの前記ガス圧は、前記ピストンロッドの伸縮時におけるピストンロッドの引っ張り力と伸縮量との関係におけるヒステリシス現象に基づいて設定されているのが好ましい。
この構成により、ピストンロッドの引っ張り力と伸縮量との関係にヒステリシス現象が発生しても、電線等の弛度を許容値内に収めることができる。
以上説明したように、本発明によれば、電線等の伸縮量の変化が大きい場合、または装置周囲の外気温の変化が大きい場合でも、油圧シリンダやアキュームレータを変えることなく、適切なガイド手段への交換と、適切なガス圧への調整により電線の弛度を許容値内に収めることができるので、コストダウンを図ることができる。
以下、本発明に係る電線等の張力調整装置の実施の形態を添付した図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における電線等の張力調整装置1を示す。この電線等の張力調整装置1は、鉄塔(支持部材)60に張設された電線61の張力を調整することにより、電線61の弛度Hを調整するべく、鉄塔60と電線61との間に設けられる。この電線等の張力調整装置1は、先端にがいし装置(図示せず)を介して電線61が取り付けられるピストンロッド11を有する油圧シリンダ12と、この油圧シリンダ12の油圧の変
動を吸収するアキュームレータ13と、上記ピストンロッド11の伸長量を規制するガイド手段14とを備えている。
上記油圧シリンダ12は、上記ピストンロッド11が伸縮自在に挿入されたシリンダチューブ15と、この電線等の張力調整装置1を鉄塔60側に取り付ける取付部16とを有している。
上記アキュームレータ13は、作動油17が封入された外殻18と、作動油17内に挿入されたブラダ19とを有している。ブラダ19内にはガスが封入されている。このブラダ19内のガス圧を調整することにより、作動油17の油圧を調整できる。
このアキュームレータ13の外殻18内の作動油17は、パイプ20を介して油圧シリンダ12のシリンダチューブ15内に供給されている。これにより、ピストンロッド11が、縮小方向(シリンダチューブ15内に引き込まれる方向)X1に付勢されている。なお、図1中の符号X2は、ピストンロッド11の伸長方向である。
上記ガイド手段14は、図2に示すように、リンク機構によって構成されている。すなわち、このガイド手段14は、細長い板状の第1レバー21及び第2レバー22と、第1レバー21及び第2レバー22の端部同士を回転自在に連結するピン23とを有している。なお、第2レバー22は、第1レバー21の両側に配置された二枚の板部材22a、22bを有している(図5参照)。
上記第1レバー21の先端部は、油圧シリンダ12のシリンダチューブ15にピン24を介して回転自在に連結されている。また、上記第2レバー22の先端部は、上記ピストンロッド11の先端にピン25で回転自在に連結されている。
このガイド手段14は、図3に示すように、ピストンロッド11の伸縮に伴って、第1レバー21及び第2レバー22がピン23を中心として開閉(屈伸)する。
また、ガイド手段14の第1及び第2レバー21,22が一直線に伸びたところで(図2参照)、ピストンロッド11の伸長動作が停止する。
従って、ピストンロッド11の最大可能伸長量Bmaxをある程度大きくしておき、ガイド手段14の全長Bを変えることにより、ピストンロッド11の伸長量B1を任意に変えることができる。
上記ガイド手段14の全長Bを設定する場合は、まず、電線弛度抑制量の目標値(設計値)を設定する。本実施形態では、例えば電線温度150℃のときの電線弛度Hを、電線温度100℃に相当する電線弛度Hまで抑制するものと設定する。
次に、図4に示すように、装置周囲の外気温が、例えば40℃の場合における電線温度t1(100℃),t2(150℃)、無張力電線長L1,L2、電線張力T1,T2の関係を求める。
上記の関係から、電線温度t2(150℃)のときの電線弛度Hを、電線温度100℃のときの電線弛度Hまで抑制する場合、ピストンロッド11の伸長量B1はB1=L2−L1となる。このピストンロッド11の伸長量B1に対応させてガイド手段14の全長Bが設定される。なお、図4の電線張力T1のときに、ピストンロッド11の縮小動作が終了する。
また、このガイド手段14は、図5に示すように、その開閉(屈伸)動作をロックするロック手段25が設けられている。このロック手段25は、第1レバー21に設けられた孔26と、第2レバー22設けられた孔27と、これらの孔26,27に着脱自在なピン28とを有している。
上記孔26,27は、第1レバー21及び第2レバー22が一直線状に伸びた状態で、整合配置される。
上記ガイド手段14のロックは、図6に示すように、第1レバー21及び第2レバー22が一直線上に伸ばされた状態で、整合配置された孔26、27に上記ピン28が挿入される。
これにより、第1レバー21及び第2レバー22のピン23を中心とした回転が不可能となり、ガイド手段14がロックされる。
例えば電線61が鉄塔60,60間に敷設される際には、ガイド手段14がロック手段25によってロックされる。これにより、電線61の敷設作業中に、電線等の張力調整装置1のピストンロッド11がロックされるため、適切な電線61の切断位置の決定作業が容易になる。
次に、この電線等の張力調整装置1におけるアキュームレータ13のガス圧の設定方法について説明する。上記アキュームレータ13のガス圧は、上記のように装置周囲の外気温gに基づいて設定されている。
図7は、この電線等の張力調整装置1を用いた場合の外気温gとピストンロッド11の引っ張り力(以下、装置張力という)STとの関係を示す。図7から分かるように、外気温gが高くなるのに伴って装置張力STが増加している。
これは、外気温gが上昇するのに伴って、アキュームレータ13のガスの温度が上昇し、ガス圧が増加(油圧シリンダ12の油圧が増加)して、ピストンロッド11が縮小方向X1(図1参照)に移動し、電線61に作用するピストンロッド11の引っ張り力(装置張力)STが増大するからである。
これとは、反対に外気温gが低くなった際に、ガス圧が低下し電線61の電線弛度Hが大きくなり過ぎると、電線61がその下側の樹木などに接近するおそれがある。
そこで、本実施形態では外気温gの変化が大きい場合、外気温gが10℃〜40℃の範囲で変化する場合でも、電線61の電線弛度Hが許容値内に収まるように、アキュームレータ13のガス圧が設定されている。
図8は、この電線等の張力調整装置1を用いた場合の電線温度tと電線弛度Hの関係を示す。図8の横軸は電線温度t、縦軸は電線弛度Hを示す。また、図8中の符号C,D,Eは、それぞれ外気温gが10℃で、ピストンロッド11が伸長方向X2に移動する場合の特性、設計値、ピストンロッド11が縮小方向X1に移動する場合の特性である。
また、図8中の符号F,G,Jは、それぞれ外気温gが40℃で、ピストンロッド11が伸長方向X2に移動する場合の特性、設計値、ピストンロッド11が縮小方向X1に移動する場合の特性である。なお、図8中の符号K線は、電線等の張力調整装置1が無い場合の特性を示す。
外気温gが低く例えば10℃の場合には、アキュームレータ13のガス圧が低くなるので、油圧シリンダ12の油圧が低くなる。
従って、この場合には電線弛度Hが増大する傾向にあるが、ガス圧を高く設定することによって、最大電線弛度Hを10.68m程度に収めることができた。これにより、電線61がその下側の樹木などに接近するのを防止できる。
また、外気温gが高く例えば40°の場合には、アキュームレータ13のガス圧が高くなるので、油圧シリンダ12の油圧が高くなる。
従って、この場合には、ピストンロッド11の引っ張り力が大きくなり、電線弛度Hが減少する傾向にある。このため、本発明の電線等の張力調整装置1に設けられたガイド手段14により、ピストンロッド11の伸縮量を制限することにより、上記短絡を防止することができた。これにより、電線61が上下二相に敷設され、下相の電線61にこの電線等の張力調整装置1を取り付けている場合、下相の電線61が上相の電線61に接近し短絡するのを防止できる。
なお、上記の実施の形態では、外気温gが10℃〜40℃の範囲で変化する場合に基づいてアキュームレータ13のガス圧が設定されているが、このガス圧は、外気温gの変化状況に基づいて適宜設定できる。
要するに、外気温gが最小値になったときの最大電線弛度Hとが、許容値内にはいるように、アキュームレータ13のガス圧を設定すればよい。
更に、本実施形態では、次に説明するように、上記アキュームレータ13のガス圧が、ピストンロッド11の伸縮時におけるピストンロッド11の引っ張り力に発生するヒステリシス現象に基づいて設定されている。
図9は、装置張力STとピストンロッド11のストローク長(伸長量B1)との関係を示す。図9の横軸は装置張力ST、縦軸はストローク長B1を示す。また、図9中の符号Mは、ピストンロッド11が伸長方向X2に移動する場合の実測値、Nはピストンロッド11が縮小方向X1に移動する場合の実測値を示す。
図9から分かるように、ピストンロッド11が伸長方向X2に移動する場合の装置張力STと、縮小方向X1に移動する場合の装置張力STとを比較すると、伸長方向X2に移動する場合の装置張力STの方が大きい。
このようなヒステリシス現象が生じるのは、ピストンロッド11とシリンダチューブ15間の隙間において油圧を封止するため、シリンダチューブ15にパッキン(図示せず)が設けられ、このパッキンとピストンロッド11間に摩擦が発生するからである。
このように、ピストンロッド11の伸縮時に装置張力STにヒステリシス現象が生じると、場合によっては、電線弛度Hが許容値から外れてしまうおそれがある。
そこで、本発明では、ピストンロッド11の伸縮時に発生する装置張力STのヒステリシス現象に基づいてアキュームレータ13のガス圧が設定されている。
本実施形態では、まず、図9に示すように、実験によりピストンロッド11の伸縮時における装置張力のヒステリシス値M,Nが求められる。次に、実験で求められたヒステリシス値M,Nを含むように、想定ヒステリシス値O,Pが設定される。そして、上記想定
ヒステリシス値O,Pを満足するように、アキュームレータ13のガス圧が設定される。
図10は、上記アキュームレータ13のガス圧が、上記想定ヒステリシス値O,Pに基づいて設定されている場合の電線温度tと電池弛度Hとの関係を示す。外気温g=30℃である。
図10中の符号Qはピストンロッド11が伸長方向X2に移動する場合の特性、Rは縮小方向X1に移動する場合の特性、Sは設計値(中央値)、Uは電線等の張力調整装置1が無い場合の特性を示す。また、符号Vはピストンロッド11の縮小方向X1への移動終了点(動作終了点)である。
本実施形態では、ピストンロッド11の縮小方向X1への動作終了点Vにおける電線温度tが、目標とする最大電線弛度H(H=10.68m)に相当する電線温度tより低くなるように、アキュームレータ13のガス圧が設定されている。これにより、ピストンロッド11の伸縮時における装置張力STのヒステリシス現象によって、電線弛度Hが許容値から外れるのを防止できる。
次に、上記のガス圧設定方法に基づいて、アキュームレータ13のガス圧を設定する手順の一例を説明する。ここでは、まず、図11に示すように、電線張力Tとピストンロッド11のストローク長B1の関係を求める。この図9から、ピストンロッド11の縮小方向X1への移動終了点(動作終了点)Vが求められる。
次に、図11の関係から図12に示すように、電線温度tと電線弛度Hの関係が求められる。本実施形態では、電線温度t=100℃でピストンロッド11の縮小動作が終了し、そのときの電線弛度Hが許容値内に入っていることが分かる。
上記図11及び図12は、外気温gが高い場合(例えばg=40℃)であるが、外気温gが低い場合(例えばg=−10℃)には、図13に示すように、アキュームレータ13のガス圧が低下するため、電線弛度Hが増加する傾向にある。図13では、外気温gが−10℃のときに、電線弛度Hが許容値を外れるおそれがある。
上記図12に示した外気温が高い場合の電線温度tと電線弛度Hの関係、及び図13に示した外気温gと電線弛度Hとの関係から、図14に示すように、外気温gを考慮した電線温度tと電線弛度Hの関係を求める。
次に、図15に示すように、実験で求めたピストンロッド11の伸縮時における装置張力STのヒステリシス現象を考慮して、想定ヒステリシス値O,Pが求められる。
次に、図14の外気温gを考慮した電線温度tと電線弛度Hとの関係、及び図15の想定ヒステリシス値O,Pから図16が求まる。
図16から分かるように、外気温gが低い場合(g=−15℃)における電線取り込み始め(ピストンロッド11が縮小方向X1に移動するとき)の電線弛度Hが、最も大きくなる。
そこで、図17に示すように、電線弛度Hが許容値内に収まるように、アキュームレータ13のガス圧を高く設定される。図17は、横軸が電線温度t、縦軸が電線弛度Hである。
図17から分かるように、外気温gが低い場合で電線取り込み時(ピストンロッド11
が縮小方向X1に移動するとき)に、電線弛度Hが最も大きくなる。本実施形態では、外気温g=−15℃の場合で電線取り込み時に、電線弛度H=5.8mと最も大きくなる。
そこで、本実施形態では、外気温g=−15℃で電線取り込み時に、電線弛度Hが許容値内に入るように、ガス圧Pが設定される。本実施形態では、例えば、外気温g=15℃のときに装置に封入するガス圧Pを設定する場合は、外気温gの低下30℃(15℃−(−15℃))によるガス圧Pの低下を考量して、ガス圧Pを所定値だけ高めに設定する。
なお、この場合には、外気温gが高い場合と低い場合とで、同じ程度の電線弛度Hとなるように、ガス圧が設定される。これにより、外気温gが高い場合でも、ガス圧が必要以上に高くなるのを避けて、装置の安全性をより高める。
本発明の電線等の張力調整装置1を用いて、電線61に通電した際の弛度抑制効果を検証した。
図18(a)は検証設備30の上面図、図18(b)は検証設備30の正面図を示す。また、図19(a)は検証設備の設備仕様、図19(b)は検証結果を示す。更に、図20は検証試験時における電線温度tと電線弛度Hとの関係を示す。
図18(a),(b)に示すように、この検証設備30は、鉄塔60a,60b間に二本の電線61a,61bが敷設され、片方の電線61aにのみ電線等の張力調整装置1が設けられている。電線61a,61bには、発電機31によって電流が供給される。
また、図19(a)に示すように、鉄塔60a,60bの径間長は318m、電線61a,61bの支持点32a,32b間の高低差は0.5m、電線温度tは外気温〜150℃である。
電線61a,61bに電流を供給して電線弛度Hを測定した結果、図19(b)に示すように、電線温度t=150℃のときに、電線等の張力調整装置1が無い方の電線61bの電線弛度Hが12.09mであり、電線等の張力調整装置1が設けられた方の電線61aの電線弛度Hが10.68mであった。この電線弛度H=10.68mは、電線等の張力調整装置1が無い場合における電線温度100℃のときの電線弛度Hに相当する。
この検証試験の結果、本発明の電線等の張力調整装置1によって1.41m(12.09m−10.68m)の弛度抑制効果が認められた。
また、図20に示すように、電線等の張力調整装置1は所定の動作特性を示し、目的の弛度抑制効果が得られることを確認した。なお、図20中の戻り時とはピストンロッド11が伸長方向X2に移動するとき、取り込み時とはピストンロッド11が縮小方向X1に移動する時である。また、図20は、外気温g=23℃の場合の動作特性を示すが、その他の外気温gでも目的の弛度抑制効果が得られた。
このように、本発明の電線等の張力調整装置1は、油圧シリンダ12にピストンロッド11の伸長量B1を規制するガイド手段14が設けられているので、例えば、鉄塔60,60間の径間長が異なる場合や、電線61に流される電流が異なる場合など、電線61の伸縮量が異なる場合でも、ガイド手段14の全長Bを変えるだけで対応できる。
従って、電線61の伸縮量が異なる場合でも、同一の油圧シリンダ12を使用して、ガイド手段14を変えるだけで対応できるので、コストダウンが可能になる。
また、ガイド手段14には、ガイド手段14の動作をロックするロック手段25が設けられている。そして、電線61を鉄塔60,60間に敷設する際に、ロック手段25によってガイド手段14をロックすることにより、電線61に電線等の張力調整装置1における動作の影響が及ぶのを防止できるので、電線敷設作業が容易になる。
また、アキュームレータ13のガス圧が、外気温gに基づいて設定されているので、外気温gの変化が大きい場合でも、電線弛度Hが許容値から外れるのを防止できる。
更に、アキュームレータ13のガス圧が、ピストンロッド11の伸縮時における装置張力STのヒステリシス現象に基づいて設定されているので、ピストンロッド11の伸縮時における装置張力STのヒステリシス現象によって、電線弛度Hが許容値から外れるのを防止できる。
本発明の実施の形態に係る電線等の張力調整装置を示す図である。 本発明の実施の形態に係るガイド手段を示す図であり、図1のA矢視図である。 本発明の実施の形態に係るガイド手段の縮小した状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度、無張力電線長、電線張力の関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係るガイド手段のロック手段におけるロック解除状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係るガイド手段のロック手段におけるロック状態を示す図である。 本発明の実施の形態に係る外気温と装置張力との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る装置張力とストローク長との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る装置張力とストローク長との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る外気温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る装置張力とストローク長との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 本発明に係るガス圧設定後を示す図である。 図18(a)は本発明の実施の形態に係る検証試験設備を示す上面図、図18(b)は正面図である。 図19(a)は本発明の実施の形態に係る検証設備の仕様を示す図、図19(b)は検証結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る検証試験における電線温度と電線弛度との関係を示す図である。 従来例に係る張力調整装置の装着状態を示す図である。 従来例に係る張力調整装置を示す図である。
符号の説明
1 電線等の張力調整装置
11 ピストンロッド
12 油圧シリンダ
13 アキュームレータ
14 ガイド手段
15 シリンダチューブ
16 取付部
17 作動油
18 外殻
19 ブラダ
20 パイプ
21 第1レバー
22 第2レバー
22a 板部材
23,24,25 ピン
25 ロック手段
26、27 孔
28 ピン
30 検証設備
31 発電機
32a,32b 支持点
50 張力調整装置
51 油圧シリンダ
52 アキュムレータ
54 シリンダチューブ
55 ピストンロッド
56 外殻
57 ブラダ
60,60a,60b 鉄塔
61 電線
62,63 支点

Claims (5)

  1. 鉄塔などの支持部材に張設された電線等の張力を調整することにより、前記電線等の弛度を調整するべく、前記支持部材と前記電線等との間に設けられる電線等の張力調整装置において、
    先端に前記電線等が取り付けられ且つ伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダに油圧を供給すると共に、前記油圧をガス圧によって調整可能なアキュームレータと、
    前記油圧シリンダにおける前記ピストンロッドの伸長量を規制するガイド手段と、
    を備えたことを特徴とする電線等の張力調整装置。
  2. 鉄塔などの支持部材に張設された電線等の張力を調整することにより、前記電線等の弛度を調整するべく、前記支持部材と前記電線等との間に設けられる電線等の張力調整装置において、
    先端に前記電線等が取り付けられ且つ伸縮自在なピストンロッドを有する油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダに油圧を供給すると共に、前記油圧をガス圧によって調整可能なアキュームレータとを備え、
    前記アキュームレータのガス圧が、前記アキュームレータ周囲の外気温に基づいて設定されていることを特徴とする電線等の張力調整装置。
  3. 前記ガイド手段は、伸縮自在であることを特徴とする請求項1に記載の電線等の張力調整装置。
  4. 前記ガイド手段の伸縮動作をロックするロック手段を有することを特徴とする請求項1または3に記載の電線等の張力調整装置。
  5. 前記アキュームレータの前記ガス圧は、前記ピストンロッドの伸縮時における引張力のヒステリシス現象に基づいて設定されていることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電線等の張力調整装置。
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