JP2007248158A - 溶液分析方法 - Google Patents

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Hokuto Yokotsuji
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Masashi Fujita
昌司 藤田
Atsuhisa Fukumizu
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Abstract

【課題】公定分析法よりも簡略化(例えば、使用する装置の小型化,低コスト化)された方法であり、高感度および高精度の分析(例えば、微量金属イオンの測定)が短時間で容易にでき、また危険物の取扱や環境汚染等を考慮する必要の無いようにする。
【解決手段】被分析対象1aに配位子(ソロクロームバイオレットRS)を配合し、該被分析対象1a中の測定対象(Al3+等)と配位子との錯化合物を形成する。その後、被分析対象1a中に作用電極2,対電極3,参照電極4を浸し、作用電極2の電位を正電位(前記配位子が酸化する電位)に保持して、該作用電極2に錯化合物を吸着させる。そして、作用電極2の電位を負電位方向に掃引することにより、前記の錯化合物を被分析対象中に溶出すると共に、その作用電極2の電位変化に対する電流変化を検出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、作用電極,対電極,参照電極を構成したボルタンメトリーにより金属イオン等を測定(定性,定量)して分析することが可能な溶液分析方法であって、例えば水道水や環境水等に含まれる錯化性物質を測定して分析することが可能な方法に関するものである。
水道水質や環境水質等に係る問題は従来から提起され、例えば世界保健機構(WHO)による飲料水水質ガイドラインの改訂の検討や、厚生労働省による水道法の改正の検討(平成16年4月1日から改正水道法が施行(水質検査機関の登録制度関係は平成16年3月31日から施行)が行われている。
水道水や環境水等の溶液には意図しない種々の物質が含まれている可能性があり、例えば浄水場の処理工程で凝集剤として使用されているポリ塩化アルミニウムの凝集不良,過剰注入,濾過不良等に起因して、水道水中にアルミニウム(3価のアルミニウムイオン(Al3+))が残存する可能性が指摘されている。また、アルミニウムは人体に無害であると考えられてきたが、近年、アルツハイマー病患者の脳のアルミニウム濃度が高い傾向であるとの報告があり、そのアルミニウムとアルツハイマー病との関係が注目されている。このため、前記の水道法ではAl3+を快適水質項目として位置付け、水道水中におけるAl3+濃度の規定値(目標濃度値として0.2ppm(約7.4μM)以下)が設定されている。
水道水等の溶液(被分析対象)を分析する方法としては、公定分析法である原子吸光分析法,ICP発光分析法,ICP質量分析法等により特定の物質を測定(定性,定量)して分析する方法が知られている。また、吸光光度法では、特定の配位子と反応し得るAl3+等の物質(以下、錯化性物質と称する)が測定対象の場合の具体例としては、被分析対象にオキシン錯塩を配合して錯化合物(アルミニウムオキシン錯体)を形成し、その錯化合物をクロロホルムにより抽出し吸光度(390nm)を検出して測定する分析方法が知られている。
また、Al3+等のように0価まで還元されない物質はアノーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー法で分析することはできないが、該Al3+等の錯化性物質に関しては電気化学的活性を有することから、電気化学的な手法として、水銀電極(水銀滴を用いる電極等)等と配位子とを用いたカソーディック・ストリッピング・ボルタンメトリー法による分析方法(以下、CSV法と称する)も検討されている。例えば、測定対象がAl3+の場合には、そのAl3+と選択的に反応する配位子を被分析対象に配合し、その被分析対象中で形成された錯化合物(Al3+と配位子との錯化合物;以下、Al3+錯化合物と称する)を電極に吸着させて濃縮(電極表面に濃縮)した後、該電極の電位を掃引して前記の吸着物質を溶出し、その溶出した際に流れる電流特性(特有の電位にて生じるピーク電流等)を検出し測定する方法が知られている。
しかし、前記の公定分析法では、使用する装置が大型および高価であり、その装置の操作において技術的な熟練度や手間(長時間を要する等)を必要とするため一般的(容易)に扱えるものではない。特に、吸光光度法によりAl3+等を測定する場合には、毒性の強いクロロホルム等の危険物(例えば、環境汚染等を引き起こす物)を要するため、その取扱方法や環境汚染(例えば、廃棄処分する際の汚染)等の観点において懸念されている。
また、水銀電極を用いたCSV法(非特許文献1)の場合には、前記の公定分析法よりも簡略化(例えば、使用装置の小型化,低コスト化)された方法であり、高感度および高精度の分析(例えば、微量金属イオン濃度の定量)が短時間で容易にでき、電解質を多量に含んだ被分析対象(例えば、海水等)の分析に有利であるものの、水銀電極自体が危険物であり、その取扱方法や環境汚染等の観点において懸念されている。
前記の水銀電極以外の電極(グラッシーカーボン電極等の炭素系電極)を用いたCVS法(例えば、非特許文献2)も検討されているが、例えばグラッシーカーボン電極を用いてAl3+等の錯化性物質の測定を試みて分析する場合には、錯化合物よりも配位子のほうが電極に吸着(配位子が錯化性物質等と反応せずに吸着)され易いため、その配位子によって炭素系電極の電極反応(錯化合物の吸着反応や溶出反応)が妨害されてしまう。
このため、該グラッシーカーボン電極を用いて被分析対象中のAl3+等の錯化性物質を測定する場合には、前記の配位子を一定量配合(例えば、想定される錯化性物質濃度よりも十分多く配合)し、該被分析対象中で形成された錯化合物を間接的に測定して分析する方法が採られていた。すなわち、錯化合物の形成に関与していない配位子(すなわち、被分析対象中での未反応配位子)を電極に吸着させて濃縮し、該電極の電位を掃引した際に流れる電流特性(特有の電位にて生じるピーク電流等)から未反応配位子を測定し、前記の配位子配合量と未反応配位子量との差から、錯化合物の形成に関与した配位子の量を算出(想定)している。
このように間接的に測定する分析方法では、測定対象濃度(Al3+等の錯化性物質濃度)が高くなるほど、電流特性(検出信号)の大きさが小さくなる。すなわち、換言すると、測定対象濃度が低くなるに連れて、分析精度が低くなってしまう。
Joseph Wang,Percio A. M. Farias,and Jawad S. Mahmoud,"Stripping voltammetry of aluminum based on absorptive accumulation of its solochrome violet RS complex at the static mercury drop electrode",(オランダ国),Analytica Chimica Acta,Elsevier,1985,Volume 172,P.57−64. Fuping Zhang,Shuping Bi,Jianrong Zhang,Ningsheng Bian,Feng Liu,Yiqing Yang,"Differential pulse Voltammetric indirect determination of aluminum in drinking waters,blood,urine,hair,and medicament samples using L−dopa under alkaline conditions",(英国),The Analyst 2000,The Royal Society of Chemistry,2000,125,P.1299−1302.
以上示したようなことから、前記の公定分析法よりも簡略化(例えば、使用する装置の小型化,低コスト化)された方法であり、高感度および高精度の分析(例えば、微量金属イオンの測定)が短時間で容易にでき、また危険物の取扱や環境汚染等を考慮する必要の無い分析方法の出現が望まれていた。
本発明は、前記課題の解決を図るために、水銀電極以外の電極を作用電極として用いたCSV法であって、被分析対象中の3価の錯化性物質が含まれている場合には、その錯化性物質と配位子の酸化生成物(酸化体)とを反応させて錯化合物を形成し、電極上に吸着濃縮することで微量濃度の錯化合物を直接的に測定し分析できるようにしたものである。
具体的に、請求項1記載の発明は、被分析対象(例えば、水道水,環境水等)にソロクロームバイオレットRSを配合し、該被分析対象中に作用電極,対電極(例えば、白金電極等),参照電極(例えば、後述の実施例ではAg/AgCl参照電極等)を配置して、前記作用電極の参照電極に対する電位を正電位に保持する電位保持工程と、前記の作用電極の電位を負電位方向に掃引(例えば、後述の実施例では微分パルスにて掃引)しながら、該作用電極における電位変化に対する電流変化を検出する電位掃引工程と、を有し、前記作用電極は、炭素系電極(例えば、後述の実施例ではグラッシーカーボン電極等)であり、前記の電位保持工程における作用電極の参照電極に対する電位は、ソロクロームバイオレットRSが酸化される電位(例えば、後述の実施例では0.8V以上)、かつ該ソロクロームバイオレットRSの酸化体(以下、SVRS酸化体と称する)と3価の錯化性物質との錯化合物が吸着する電位であることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記の電位保持工程において、作用電極の参照電極に対する電位を0.8V〜1.2Vの範囲内で保持することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記被分析対象には、pH8〜8.8の緩衝溶液を配合したことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の発明において、前記ソロクロームバイオレットRSは、被分析対象に対し20〜200μMの範囲内で配合したことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4記載の発明において、前記の被分析対象に、還元剤を配合したことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5記載の発明において、前記の3価の錯化性物質はAl3+またはFe3+であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記の還元剤はアスコルビン酸であることを特徴とする。
請求項1記載の発明では、電位保持工程において、被分析対象中のソロクロームバイオレットRSが酸化されてSVRS酸化体となる。また、被分析対象中に3価の錯化性物質(測定対象)が含まれる場合には、その錯化性物質と前記のSVRS酸化体とが反応し、錯化合物が形成される。前記のSVRS酸化体は、ソロクロームバイオレットRS自体と比較して、3価の錯化性物質と反応し易く(錯形成され易く)、その形成された錯化合物は、被分析対象中の未反応配位子よりも、電位保持工程の際に作用電極に吸着され易い。すなわち、作用電極の電極反応(錯化合物の吸着反応や溶出反応)が配位子,界面活性剤,非定量対象等によって妨害されなくなる。さらに、電位保持工程,電位掃引工程等の分析操作を繰り返して得られる各電流変化特性が略同一となる。前記のソロクロームバイオレットRSは、下記の化学式で示される。
Figure 2007248158
請求項2〜4記載の発明では、電位掃引工程において錯化合物に係る電流特性が十分に検出される。
請求項5記載の発明では、被分析対象に含まれる複数の錯化性物質(測定対象)のうち何れかを選択的に、SVRS酸化体との反応を防止できる。
請求項6記載の発明では、被分析対象中にAl3+錯化合物またはFe3+錯化合物が形成され、それら錯化合物が測定される。
請求項7記載の発明では、Fe3+がFe2+に変化するため、Fe3+錯化合物の形成が防止される。
請求項1〜7記載の発明によれば、公定分析法等のように大型および高価で複雑な操作が必要な装置を必要とせず(簡略化)、また危険物の取扱や環境汚染等を考慮する必要の無い方法であり、被分析対象について高感度および高精度の分析(再現性のある分析)を短時間で容易にできる。
また、請求項5〜7記載の発明によれば、被分析対象に含まれる複数の測定対象について選択的に測定する分析が可能となる。
以下、本実施の形態における溶液分析方法を図面等に基づいて説明する。
本実施の形態は、作用電極,対電極,参照電極を構成し、水道水等の被分析対象(例えば、Al3+等の測定対象を含んだ水道水等の溶液)に配位子を加えてから分析するCSV法による分析方法であって、前記の作用電極として炭素系電極を用いると共に、前記の配位子としてソロクロームバイオレットRSを用い、電位保持工程における作用電極の参照電極に対する電位を、ソロクロームバイオレットRSが酸化される電位、かつSVRS酸化体と3価の錯化性物質との錯化合物が吸着する電位に保持することにより、該被分析対象中で形成された錯化合物を直接的に測定して分析できるものである。
図1は、本実施の形態における分析方法に適用される装置の一例を示す概略図である。図1において、符号1は測定容器(セル)を示すものであり、その測定容器1内には被分析対象(例えば、水道水等)1aが入っており、封止部材1bにより封止される。符号2は炭素系電極から成る作用電極(例えば、棒状の電極)、符号3は対電極(例えば、白金やカーボンから成るコイル状の電極)、符号4は参照電極(基準電極;例えば、飽和カロメル電極(Saturated Calomel Electrode)やAg/AgCl電極等)を示すものであり、それら作用電極2,対電極3,参照電極4はそれぞれ一定の距離を隔てて、前記測定容器1内の被分析対象1a中に浸されるように設けられる。
符号5はポテンシオスタットを示すものであり、そのポテンシオスタット5には前記作用電極2,対電極3,参照電極4が例えば配線2a,3a,4a等を介して接続される。また、前記ポテンシオスタット5には、該ポテンシオスタット5等を介して得た測定データに係る演算等が可能なコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ)6の他に、必要に応じてレコーダ,ポテンシャルスイーパ等が接続される。符号7はスターラーを示すものであり、そのスターラー7によって前記測定容器1内の底部に位置する撹拌子7aを動作させて、前記測定容器1内の被分析対象1aを撹拌するものである。
次に、図1に示した装置による分析方法の概略を説明する。まず、被分析対象1aに配位子を所定量配合(想定される測定対象(配位子と反応し得る金属イオン等)の量よりも十分多く配合)し、該被分析対象1a中の測定対象(Al3+等)と配位子との錯化合物(Al3+錯化合物等)を形成する。なお、必要に応じて、前記の被分析対象1a中に窒素等を通気して脱気処理したり、緩衝液の配合によるpH調整等を行う。また、前記の脱気処理では、窒素を通気する替わりに、被分析対象中1a中に亜硫酸ナトリウム等(例えば、ゼロ校正に用いられている物質)を加える方法を適用しても良く、分析に要する時間を短縮(例えば、窒素通気の分を短縮)できる可能性がある。
その後、作用電極2表面への錯化合物の移動を促進するために、スターラー7,撹拌子7aを介して被分析対象1aを撹拌(乱流)することにより、該被分析対象1a中の物質移動(電気化学的活性物質の物質移動、すなわち後述の吸着物質の吸着(濃縮)効率)を促進させながら、ポテンシオスタット5により作用電極2の電位(参照電極4によって規制された電位)を所望の正電位(自然電極電位よりも高い電位)に設定して所定時間保持し、被分析対象1a中の錯化合物を前記作用電極2表面にて吸着させて濃縮する。その後、前記ポテンシオスタット5により、前記作用電極2の電位を所定の条件(例えば、パルス間隔,パルス高さ,掃引速度の微分パルス)で負電位方向に掃引して、前記の吸着物質(吸着した錯化合物)を還元反応により被分析対象1a中に溶出(カソードストリッピング)する。
前記の吸着物質は、所定の電位でそれぞれ溶出することから、前記作用電極2の電位を掃引(該吸着物質を被分析対象1a中に溶出)する際に、該作用電極2の電位変化に対する電流変化(還元電流の変化;作用電極2と対電極3との間を流れる電流変化)を検出する。そして、その電流変化を積分計算して得られる電気量(クーロン量)もしくはピーク電流値を検量線と比較することにより、錯化合物を測定(定量,定性)し前記被分析対象1aの分析(Al3+濃度等の分析)を行うことができる。
[実施例]
次に、図1の概略説明図(図1と同様のものには同一符号等を用いて詳細な説明を省略)に示すような分析装置を用い、以下に示す実施例1〜10のようにAl3+を含んだ種々の試料S1〜S10,P1〜P6(配位子等を配合した被分析対象1aに相当)の分析を行った。
なお、図1に示す分析装置において、作用電極2,対電極3,参照電極4には、それぞれエー・エル・エス社製(販売;ビー・エー・エス(株))のグラッシーカーボン電極(OD;6mm,ID;3mm),VC−2用Ptカウンター電極(白金電極),RE−1C参照電極(Ag/AgCl電極)を用いた。また、測定容器1にはエー・エル・エス社製(販売;ビー・エー・エス(株))のVC−2ボルタンメトリー用セル、ポテンシオスタット5には(株)ヤナコ社製のポーラログラフィックアナライザーP−1100、レコーダには(株)グラフテック社製のXYレコーダWX2400を用いた。
(実施例1)
本実施例1では、Al3+錯化合物を形成(選択的に溶液中のAl3+との錯化合物を形成)し得る種々の配位子を用い、それぞれの分析結果を検証した。
まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris;(hydroxymethyl)aminomethane),2μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを100μM配合して試料S1を得た。
次に、前記の各試料S1を測定容器1内にて分析する直前に、その試料S1に対して4分間の窒素通気を行って脱気処理し、該試料S1中に作用電極2,対電極3,参照電極4が浸されるように封止部材1bで封止した。その後、スターラー7,撹拌子7aを介して物質移動促進雰囲気下を保ちながら、前記参照電極4に対する作用電極2の電位を+1.2Vに設定することにより、試料S1中のAl3+錯化合物の作用電極2表面に対する吸着を3分間行った(電位保持工程)。
そして、前記スターラー7,撹拌子7aを停止してから、前記参照電極4に対する作用電極2の電位を、微分パルスモード(掃引速度20mV/s,パルス間隔100ms,パルス高さ50mV)にて+1.2Vから負電位方向に掃引することにより、前記作用電極2表面のAl3+錯化合物を試料S1中に溶出(カソードストリッピング)すると共に、その作用電極2の電位変化に対する電流変化を検出(電位掃引工程)し、その検出結果を図2の電位変化に対する電流変化特性図に示した。
また、試料S1と同様の配合であって、配位子としてエリオクロームブラックT(Eriochrome black T),アリザリンレッドS(Alizarine red S),カルセイン(Calcein),クロームアズロールS(Chrome azu rol S),モリン(Morin)の何れかを100μM配合して試料P1〜P5を得、該試料S1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求めた。
配位子としてソロクロームバイオレットRSを用いた試料S1の場合においては、該試料S1のバックグランド試料(Al3+のみが入っていない試料)に対して、Al3+の配合に応じたピーク電流が生じた。すなわち、試料S1中のAl3+の全てがソロクロームバイオレットRSと反応してAl3+錯化合物となり、そのAl3+錯化合物が電位保持工程にて作用電極2に吸着された後、電位掃引工程にて溶出されたことを読み取れる。
一方、ソロクロームバイオレットRS以外の配位子を用いた試料P1〜P5の場合については、各試料P1〜P5のバックグランド試料(Al3+のみが入っていない試料)に対して、Al3+の配合に応じたピーク電流は認められなかった。すなわち、ソロクロームバイオレットRS以外の配位子を用いた場合は、試料P1〜P5中のAl3+の全てが配位子と反応してAl3+錯化合物になったとしても、それぞれの錯化合物が電極上に吸着濃縮されないため、Al3+錯化合物に係るピーク電流が検出されなかったことを読み取れる。
前記のように試料S1の場合においてピーク電流が生じた理由としては、まず電位保持工程の際に、ソロクロームバイオレットRSが酸化されてSVRS酸化体となり、そのSVRS酸化体とAl3+とが反応して錯化合物が形成されたことが考えられる。SVRS酸化体は、ソロクロームバイオレットRS自体と比較して、3価の錯化性物質と反応し易く(錯形成され易く)、その形成された錯化合物は、被分析対象中の未反応配位子よりも、電位保持工程の際に作用電極に吸着され易いことが考えられる。
したがって、図1に示すような分析においては、配位子としてソロクロームバイオレットRSを用い、電位保持工程における作用電極の参照電極に対する電位を所定電位(ソロクロームバイオレットRSが酸化される電位、かつSVRS酸化体と3価の錯化性物質との錯化合物が吸着する電位)に保持することにより、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物が未反応配位子よりも作用電極2に吸着され易くなり、該Al3+錯化合物を測定(定性,定量)でき、高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例2)
本実施例2は、緩衝溶液として種々のpHのものを用い、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris,2μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを100μM配合して試料S2を得た。前記の緩衝溶液Trisにおいては、HClによりpH8〜8.8の範囲内に調整したものを用いた。
そして、試料S2について、使用した緩衝溶液のpH(異なるpH)毎に、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、それら各電流特性のピーク電流値を緩衝溶液のpHに対する特性として図3に示した。
図3の特性曲線に示すように、緩衝溶液のpHが8〜8.8の範囲内にてピーク電流が検出され、特にpH8.2程度の場合に比較的大きいピーク電流が検出された。
したがって、図1に示すような分析においては、緩衝溶液としてpHが8〜8.8のものを用いることにより、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物を直接的に測定でき、特にpH8.2程度の場合には、より高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例3)
本実施例3では、ソロクロームバイオレットRSを種々の濃度に設定して配合し、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを20〜200μMの範囲内で配合して試料S3を得た。
そして、試料S3について、使用したソロクロームバイオレットRSの濃度(異なる濃度)毎に、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、各電流特性のピーク電流値をソロクロームバイオレットRS濃度に対する特性として図4に示した。
図4の特性曲線に示すように、配合したソロクロームバイオレットRS濃度が20〜200μMの範囲内にてピーク電流が検出され、特にソロクロームバイオレットRS濃度が50μM程度の場合に比較的大きいピーク電流が検出された。
したがって、図1に示すような分析においては、配合するソロクロームバイオレットRS濃度が20〜200μMの範囲内であれば、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物を直接的に測定でき、特にソロクロームバイオレットRS濃度が50μM程度の場合には、より高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例4)
本実施例4では、電位保持工程での作用電極2の電位を種々の値に設定し、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S4を得た。
その後、試料S4について、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求めた。本実施例4の電位保持工程では、作用電極2の電位を+0.8V〜+1.2Vの範囲内に設定して行った。そして、作用電極2の設定電位(異なる作用電極2の電位)毎に電流特性のピーク電流値を求め、それら各ピーク電流値を作用電極2の電位に対する特性として図5に示した。
図5の特性曲線に示すように、電位保持工程での作用電極2の電位が+0.8V〜+1.2Vの範囲内にてピーク電流が検出され、特に+1V程度の場合に比較的大きいピーク電流が検出された。この図5によれば、電位保持工程での作用電極2の電位が+0.8V以上であれば、ソロクロームバイオレットRSが酸化されてSVRS酸化体となり、そのSVRS酸化体とAl3+とのAl3+錯化合物が形成され易くなることが読み取れる。
したがって、図1に示すような分析においては、電位保持工程での作用電極2の電位が+0.8V〜+1.2Vの範囲内であれば、Al3+錯化合物が電極に吸着され易くなるため、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物を直接的に測定でき、特に+1V程度の場合には、より高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例5)
本実施例5では、被分析対象1a中のAl3+濃度を種々の値に設定し、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),0〜10μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S5を得た。
そして、試料S5について、使用したAl3+の濃度(異なる濃度)毎に、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程(作用電極2の電位を+1Vに設定した電位保持工程;後述の実施例6〜10も同様),電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、各電流特性のピーク電流値をAl3+濃度に対する特性として図6に示した。
図6の特性曲線に示すように、Al3+濃度が0〜10μMの範囲内にてピーク電流が検出され、特に0〜6μM程度の範囲内にて良好な直線性を有することが読み取れる。
したがって、図1に示したような分析においては、Al3+濃度が0〜10μMの範囲内であれば、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物を直接的に測定でき、特にAl3+濃度が0〜6μMの範囲内のピーク電流値特性線を検量線として十分適用できることを判明した。
(実施例6)
本実施例6では、前記の電位保持工程,電位掃引工程を含む分析操作を繰り返し行い、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),1μMのAl3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S6を得た。
そして、試料S6について、実施例1と同様の分析操作による電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求めた。なお、本実施例では、前記の分析操作を合計4回繰り返して電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、得られた各電流特性のピーク電流値を分析操作毎に図7に示した。
図7に示す各ピーク電流値を比較すると、それぞれ略同一であることが読み取れる。また、各ピーク電流値の平均値と標準偏差とを求めたところ、その検出下限値が0.16μMであることを確認できた。ここで、水道法におけるAl3+の規定値(目標濃度値)は約7.4μM以下であることから、図1に示すような分析においては再現性を有することが確認できた。
(実施例7)
前記のソロクロームバイオレットRSは、Al3+と反応してAl3+錯化合物を形成する他に、鉄イオン(3価の鉄イオン(Fe3+))等との錯化合物(以下、Fe3+錯化合物と称する)を形成することが知られている。ここで、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+,2μMのFe3+を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料P6を得て、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求め、その結果を図8の電位変化に対する電流変化特性図(曲線A)に示した。
図8の特性曲線Aにおいては、電位−0.3V付近でのピーク電流の他に、−0.5V付近でのピーク電流が検出されていることを読み取れる。このように2つのピーク電流が検出された理由として、SVRS酸化体が試料P6中のAl3+だけでなくFe3+とも反応し、該試料P6中にてAl3+錯化合物およびFe3+錯化合物が形成され、それら各錯化合物が電極に吸着した後、各電位(Al3+錯化合物は電位−0.3V付近、Fe3+錯化合物は−0.5V付近)で溶出したことが考えられる。
そこで、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+,2μMのFe3+を配合し、さらに還元剤であるアスコルビン酸を20μM,ソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S7を得、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求め、その結果を図8の電位変化に対する電流変化特性図(曲線B)に示した。
図8の特性曲線Bにおいては、電位が−0.3V付近でのピーク電流のみが検出されていることが読み取れる。このように1つのピーク電流が検出された理由として、還元剤であるアスコルビン酸が、試料S7中のFe3+を還元(Fe2+に還元)したため、該試料S7中にてAl3+錯化合物のみが形成されたことが考えられる。
また、特性曲線Bのピーク電流の大きさは、特性曲線Aに示したものよりも若干大きいことが読み取れる。この理由として、特性曲線Aの場合、作用電極2のAl3+錯化合物に係る電極反応(Al3+錯化合物の吸着反応や溶出反応)がFe3+錯化合物の影響を少なからず受けていることが考えられる。
したがって、図1に示したような分析においては、たとえ被分析対象中に測定対象が複数(Al3+,Fe3+等の錯化性物質が複数)存在していても、還元剤を適宜用いることにより、該測定対象のうち少なくとも何れかを選択的に測定して分析できることを判明した。また、還元剤によって測定対象を限定、例えば非測定対象を還元剤で還元しSVRS酸化体との反応を防止することにより、その他の測定対象におけるピーク電流の検出感度がより高くなることから、より高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例8)
本実施例8では、種々の界面活性剤を配合した被分析対象を用い、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+,0〜5ppmの界面活性剤を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S8を得た。前記の界面活性剤には、陽イオン性であるDTAC(ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド),陰イオン性であるSDS(ラウリル硫酸ナトリウム),非イオン性であるTritonX(トリトンX)の何れかを用いた。
そして、試料S8について、使用した各界面活性剤の濃度(異なる濃度)毎に、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,出に掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、各電流特性のピーク電流値を界面活性剤濃度に対する特性として図9に示した。なお、図9の縦軸は、界面活性剤濃度が0ppmの場合のピーク電流値を100%に換算した変化率とする。
図9の特性曲線に示すように、界面活性剤が配合されていてもピーク電流が検出されていることを読み取れる。また、界面活性剤が配合された場合のピーク電流は、界面活性剤が配合されていない場合のピーク電流と比較して、該界面活性剤濃度の上昇に連れて変化していることが読み取れる。例えば、界面活性剤としてDTACを0〜5ppm配合した場合はピーク電流の変化率が約10%以下であるものの、界面活性剤としてSDSまたはTritonXを1ppm以上配合した場合はピーク電流の変化率が約10%を超えている。
前記のような現象が生じた理由として、電位保持工程の際にAl3+錯化合物と共に界面活性剤が電極に吸着され、その界面活性剤が作用電極2の電極反応(Al3+錯化合物の吸着反応や溶出反応)に影響を及ぼしたものと考えられる。すなわち、被分析対象1a中の界面活性剤濃度が1ppm以上の場合には、Al3+錯化合物に係る電流特性(ピーク電流)が変化(分析精度および分析感度が低下)することを読み取れる。
一方、配合された界面活性剤がSDSまたはTritonX等であっても、その界面活性剤濃度が1ppm未満(例えば、界面活性剤における環境基準値は0.2ppm以下)であれば、ピーク電流の変化率は約10%未満に抑えられることを読み取れる。例えば、陰イオン性の界面活性剤の水質基準は0.2ppmであり、非イオン性の界面活性剤の水質基準は0.02ppm以下であるため、例えば河川水等の環境水のような被分析対象であればピーク電流の変化率は極めて僅かであり、作用電極2の電極反応(Al3+錯化合物の吸着反応や溶出反応)に対する影響は殆どないものと見なせる。
したがって、図1に示すような分析においては、たとえ被分析対象1a中に界面活性剤が配合されていても、被分析対象1a中で形成されたAl3+錯化合物を直接的に測定でき、その界面活性剤濃度が河川水等の環境水のように低ければ、ピーク電流の検出感度がより高くなることから、より高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
(実施例9)
本実施例9では、Al3+の他に種々の金属イオン(以下、分析対象外物質と称する)を配合した被分析対象を用い、それぞれの分析結果を検証した。まず、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris),2μMのAl3+、および分析対象外物質としてMn2+,Ti4+,Zn2+,Ni2+,Co2+をのうち何れかを2μM配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S9を得た。
そして、試料S9について、配合した各分析対象外物質毎に、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求めた。
前記の分析対象外物質の何れかが配合された場合の各電流変化特性のピーク電流値において、試料S9のバックグランド試料(分析対象外物質のみが入っていない試料)のピーク電流値を100として比較したところ、Mn2+の場合は−8.5%,Ti4+の場合は+10.4%,Zn2+の場合は−11.7%,Ni2+の場合は−1.7%,Co2+の場合は−12.5%の差があった。これらの格差は、大凡±10%程度の誤差範囲であることが読み取れる。
したがって、図1に示したような分析においては、たとえAl3+の他に分析対象外物質(例えば、Al3+以外の種々の金属イオン等)が被分析対象1a中に含まれていても、分析の精度および感度の誤差は微小であり、この程度の誤差であれば、例えば標準添加法等を適宜適用することにより十分な感度および精度が得られることを判明した。
(実施例10)
本実施例では、Al3+を含んだ河川水を想定して河川水標準試料(Al3+濃度60±2ppb)を用い、その分析結果を検証した。まず、前記の河川水標準試料に対し、50mMの塩化ナトリウム電解質,20mMの緩衝溶液Tris(HClでpH8.2に調整されたTris)を配合し、さらにソロクロームバイオレットRSを50μM配合して試料S10を得た。
次に、試料S10について、実施例1と同様の分析操作により電位保持工程,電位掃引工程を行って電位変化に対する電流変化特性を求めた。なお、本実施例では、前記の分析操作を合計3回繰り返して電位変化に対する電流変化特性をそれぞれ求め、得られた各電流特性から試料S10のAl3+濃度を算出すると共に、それら算出値の平均値を求めた。
Figure 2007248158
前記の表1に示す結果においては、各分析操作によって算出されたAl3+濃度がそれぞれ異なるが、その相対標準偏差は57.9±3.1ppbであり、河川水標準試料のAl3+濃度と略同一であることが読み取れる。
したがって、図1に示したような分析においては、たとえAl3+を含んだ河川水であっても、ソロクロームバイオレットRSをAl3+とのみ反応させてAl3+錯化合物を形成し、そのAl3+錯化合物を直接的に定量でき、高感度および高精度での分析が可能であることを判明した。
以上、本発明において、記載された具体例に対してのみ詳細に説明したが、本発明の技術思想の範囲で多彩な変形および修正が可能であることは、当業者にとって明白なことであり、このような変形および修正が特許請求の範囲に属することは当然のことである。
例えば、少なくとも作用電極(炭素系電極から成る作用電極),対電極,参照電極から構成され、被分析対象(ソロクロームバイオレットRSが配合された被分析対象)中に前記の各電極を配置し、電位保持工程によって前記作用電極の電位を正電位に保持し、電位掃引工程にて前記の作用電極の電位を負電位方向に掃引しながら該作用電極における電位変化に対する電流変化を検出することが可能なものであれば、たとえ技術常識の範囲内で適宜設計変更(例えば、各電極の形態や、分析条件(パルス間隔,パルス高さ,掃引速度)等の変更)等を行ったとしても、本実施例等と同様の作用効果が得られることは明らかである。
本実施の形態における溶液分析方法に適用可能な装置の概略説明図 実施例1の電位変化に対する電流変化特性図(ソロクロームバイオレットRSを用いた場合)。 実施例2の緩衝溶液のpHに対するピーク電流値特性図。 実施例3のソロクロームバイオレットRS濃度に対するピーク電流値特性図。 実施例4の電位変化に対するピーク電流値特性図。 実施例5のAl3+濃度に対するピーク電流値特性図。 実施例6の分析操作毎のピーク電流値特性図。 実施例7の電位変化に対する電流変化特性図(特性曲線A,B)。 実施例8の界面活性剤濃度に対するピーク電流値変化率特性図。
符号の説明
1…容器
1a…被分析対象
2…作用電極
3…対電極
4…参照電極
5…ポテンシオスタット
6…コンピュータ
7…スターラー

Claims (7)

  1. 被分析対象にソロクロームバイオレットRSを配合し、該被分析対象中に作用電極,対電極,参照電極を配置して、前記作用電極の参照電極に対する電位を正電位に保持する電位保持工程と、
    前記の作用電極の電位を負電位方向に掃引しながら、該作用電極における電位変化に対する電流変化を検出する電位掃引工程と、を有し、
    前記作用電極は、炭素系電極であり、
    前記の電位保持工程における作用電極の参照電極に対する電位は、ソロクロームバイオレットRSが酸化される電位、かつ該ソロクロームバイオレットRSの酸化体と3価の錯化性物質との錯化合物が吸着する電位であることを特徴とする溶液分析方法。
  2. 前記の電位保持工程において、作用電極の参照電極に対する電位を0.8V〜1.2Vの範囲内で保持することを特徴とする請求項1記載の溶液分析方法。
  3. 前記被分析対象には、pH8〜8.8の緩衝溶液を配合したことを特徴とする請求項1または2記載の溶液分析方法。
  4. 前記ソロクロームバイオレットRSは、被分析対象に対し20〜200μMの範囲内で配合したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の溶液分析方法。
  5. 前記の被分析対象に、還元剤を配合したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の溶液分析方法。
  6. 前記の3価の錯化性物質はAl3+またはFe3+であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の溶液分析方法。
  7. 前記の還元剤はアスコルビン酸であることを特徴とする請求項6記載の溶液分析方法。
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