JP2007235365A - 撮像装置、画像処理方法及び画像処理プログラム - Google Patents

撮像装置、画像処理方法及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】撮影者の好みに合致した画像を提供する。
【解決手段】撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得し(ステップS5)、第2の画像に基づいて撮影シーンを判別する(ステップS6)。撮影シーンの判別結果に基づいて、第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する(ステップS7)。複数の階調処理条件には、基準階調処理条件と、基準階調処理条件を変更することにより設定されたその他の階調処理条件とが含まれる。基準階調処理条件、その他の階調処理条件に基づいて、第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行い(ステップS9、ステップS13)、階調変換処理が行われた複数の画像を記録する(ステップS12、ステップS16)。
【選択図】図13

Description

本発明は、カラー画像を取得する撮像装置、画像処理方法及び画像処理プログラムに関する。
近年、デジタルスチルカメラ(携帯電話機やラップトップパソコン等の機器に組み込まれたものを含む。以下、DSCと略称する。)が広く普及し、従来のカラー写真フィルムのシステムと同様に、ハードコピー画像として出力したり、CRT等の媒体に表示したり、CD−R(CD−Recordable)等の記録媒体に記録したりするシステムが広く利用されている。
DSC等で撮影された画像を、種々の媒体を通じて画像として鑑賞する際には、撮影時の露出調整の不備等により、逆光で撮影された人物の顔が暗くなる等、そのままでは鑑賞用画像として適切でない場合が多い。
そのため、撮影者の好みに合った露出画像を選択できるように、一度の撮影で露出を段階的に変更した撮影を連続的に行うオートブラケット機能を搭載したDSCが普及している。しかし、オートブラケット撮影は数回の撮影を行うため、撮影のタイムラグが生じ、例えば、被写体の動きが速いシーンを撮影する場合には同じシーンを撮影することができない。また、逆光下でフラッシュ撮影を行う場合には、元々の露出設定の不備等で、露出を何段階かに振ったにもかかわらず、好みの露出を得られない場合がある。
また、画像データの輝度ヒストグラムを解析することにより、画像のシーンを判別し、画像シーンに応じて画像処理を自動的に施す方法が提案されている(特許文献1参照)。
特開2000−134467号公報
しかしながら、撮影者の趣向は多様であり、自動的に処理された画像が必ずしも撮影者の好みに合致するとは限らなかった。
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、撮影者の好みに合致した画像を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得手段と、前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理手段と、前記シーン判別処理手段により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定手段と、前記階調処理条件設定手段により設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理手段と、前記階調変換処理手段により階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記階調処理条件設定手段は、前記シーン判別処理手段により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定し、前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定することを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、前記シーン判別処理手段は、前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得手段と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出手段と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出手段と、前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出手段と、前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出手段と、前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出手段と、少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出手段と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出手段と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出手段と、前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得工程と、前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理工程と、前記シーン判別処理工程において判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定工程と、前記階調処理条件設定工程において設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理工程と、前記階調変換処理工程において階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録工程と、を含むことを特徴とする画像処理方法である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の画像処理方法において、前記階調処理条件設定工程では、前記シーン判別処理工程において判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定し、前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の画像処理方法において、前記シーン判別処理工程は、前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得工程と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出工程と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出工程と、前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出工程と、前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出工程と、前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出工程と、少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出工程と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出工程と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出工程と、前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別工程と、を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、コンピュータに、撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得機能と、前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理機能と、前記シーン判別処理機能により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定機能と、前記階調処理条件設定機能により設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理機能と、前記階調変換処理機能により階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録機能と、を実現させるための画像処理プログラムである。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の画像処理プログラムにおいて、前記階調処理条件設定機能を実現させる際に、前記シーン判別処理機能により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定させ、前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定させることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は8に記載の画像処理プログラムにおいて、前記シーン判別処理機能は、前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得機能と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出機能と、前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出機能と、前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出機能と、前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出機能と、前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出機能と、少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出機能と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出機能と、前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出機能と、前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別機能と、を含むことを特徴とする。
請求項1、4、7に記載の発明によれば、1回の撮影で階調処理条件が異なる複数の画像を生成することができるため、撮影者の好みに合致した画像を提供することができる。
請求項2、5、8に記載の発明によれば、基準階調処理条件に基づいて複数の階調処理条件を設定することができる。
請求項3、6、9に記載の発明によれば、撮影シーンを正確に特定することができる。
(撮像装置100の構成)
以下、本発明の実施形態における撮像装置100の構成について説明する。
図1(a)は、撮像装置100の前面図であり、図1(b)は、撮像装置100の背面図である。撮像装置100は、例えば、デジタルカメラであり、金属又は合成樹脂等の材料で構成された筐体1の内部又は表面に、十字キー2、撮影光学系3、フラッシュ4、ファインダ5、電源スイッチ6、表示部7、レリーズボタン8が設けられている。
図2に、撮像装置100の内部構成を示す。撮像装置100は、図2に示すように、プロセッサ31、メモリ32、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子33、撮影光学系3、画像データ出力部34、操作部35、タイミングジェネレータ36、シャッタユニット37、絞りユニット38、フォーカスユニット39、表示部7により構成される。プロセッサ31は、画像処理を行う画像処理部10と、撮影制御や撮影画像の処理を行う撮影処理部20とを含む。
十字キー2は、上下左右の4方向のボタンからなり、ユーザが種々のモードを選択又は設定するためのものである。
撮影光学系3は、複数のレンズ、鏡胴等によって構成され、ズーム機能を有している。撮影光学系3は、レンズが受光した光を撮像素子33に結像させる。フラッシュ4は、被写体輝度が低い時に、プロセッサ31からの制御信号により補助光を照射する。
ファインダ5は、ユーザが接眼して撮影対象及び撮影領域を確認するためのものである。電源スイッチ6は、撮像装置100における動作のON/OFFを操作するためのスイッチである。
表示部7は、液晶パネルにより構成され、プロセッサ31から入力される表示制御信号に従って、撮像素子33に現在写っている画像、過去に撮影した画像、メニュー画面、設定画面等を表示する。
レリーズボタン8は、筐体1の上面に設けられており、ユーザによる半押し状態(予備撮影)と全押し状態(本撮影)とを区別して検出可能な2段階押し込みスイッチである。
メモリ32は、撮影によって得られた画像データを記憶(保存)する。また、メモリ32は、撮像装置100において実行される各種処理プログラム及び当該処理プログラムで利用されるデータ等を記憶する。
画像データ出力部34は、保存用の記録媒体(SDメモリカード又はマルチメディアカード(MMC)等)にメモリ32内の画像データを転送し、記録する。あるいは外部装置へ転送する。画像データ出力部34はプロセッサ31により制御される。
撮像素子33は、結像された光を電荷に変換する。これにより、例えば、図12(a)に示すような画像データが得られる。この画像には、撮像範囲(撮影範囲)にある物、すなわち、撮影対象物(撮影の目標物)とそれ以外の物(背景)とが含まれている。この全体画像の各画素のRGB値は、例えば、256階調で表される。
シャッタユニット37は、レリーズボタン8によって検出された状態(半押し状態又は全押し状態)に基づいて撮像素子33をリセットするタイミング及び電荷変換を行うタイミング等を制御する。タイミングの制御はタイミングジェネレータ36により行われる。
撮像素子33が受光する光量の調節は、絞りユニット38及び/又はシャッタユニット37によって行われる。フォーカスユニット39は、撮影光学系3を駆動させ撮影被写体に対して焦点を合わせる制御動作を実行する。
(撮影処理部20の内部構成)
図3に、撮影処理部20の内部構成を示す。撮影処理部20は、撮影時に撮影条件に関わる制御や、撮影された画像の処理を行う。
図3に示すように、撮影処理部20は、撮影条件に関わるAE制御部21、AF制御部22、画素補間部23、AWB制御部24、ガンマ補正部25等により構成される。
AE制御部21は、画像撮影時にその露光量の自動制御を行う。通常、撮影待機時の露光量制御は、絞り開放でシャッタ速度を制御することによって行われ、撮影時の露光量は絞りとシャッタ速度とで制御される。
図4(a)のフローチャートを参照して、AE制御部21における撮影待機時の露光量制御例を説明する。
まず、絞りユニット38により、絞りが開放固定絞りに設定される(ステップS111)。AE制御部21により、撮像素子33によって得られた画像データから所定の測光エリアのデータが読み出され(ステップS112)、輝度値に相当する情報が取得される(ステップS113)。この輝度値に相当する情報は、AE制御のための情報として用いられ、簡易的にRGB3色成分のうちのG値が用いられることが多い(以下、これを輝度情報Gと呼ぶ)。この輝度情報Gに応じて撮像素子33の次のフレームにおける電荷蓄積時間が設定され(ステップS114)、タイミングジェネレータ36により、所定の輝度レベルとなるように、次のフレームにおける電荷蓄積時間が制御される(ステップS117)。これがシャッタ速度の制御であり、電荷が蓄積される様子を図5に示す。すなわち、取得した輝度レベルが大きい(明るい)ときは電荷蓄積時間が短くなり、輝度レベルが小さい(暗い)ときは電荷蓄積時間が長くなることで、露光量を安定させる。
このように撮影待機時の露光量制御が行われることにより、撮影者は液晶等の表示部7で露光量制御されたライブビュー画像を見ることができる。
実際の撮影時には、上記のシャッタ速度制御に加えて、絞りの制御も行われる。図4(b)は、AE制御部21における実際の撮影時の露光量制御例を示すフローチャートである。上記同様(ステップS112、S113)に得られた測光エリアの輝度情報Gに応じて、絞りユニット38が制御され、絞り値が設定される(ステップS116)。すなわち、取得した輝度レベルが大きい(明るい)ときは絞り値を小さくし、輝度レベルが小さい(暗い)ときは絞り値を大きくすることで、露光量を安定させる。シャッタ速度と組み合わせての調節レベルは、予め定められたプログラム線図のデータに基づき、例えば、撮像素子33の電荷蓄積時間が絞り値に応じて調整される等の制御が行われる(ステップS115、S117)。
このように撮影時に露光量制御が行われることで、撮影者は任意の、あるいは既定の、絞り値とシャッタ速度の組み合わせで、撮影画像に対する露光量設定を自動的に行うことができる。
AF制御部22は、画像撮影時に画像の焦点を合わせる自動制御を行う。この合焦点制御は、例えば、図6のフローチャートに示すように、撮影光学系3を駆動することで合焦点位置を検知し、その位置に合わせて停止させることで行われる。
撮影光学系3の駆動が開始されると(ステップS121)、その駆動に伴い逐次、AF制御部22により、撮像素子33によって得られた画像データから所定の測距エリアのデータが読み出され(ステップS122)、このデータに応じてコントラスト情報が取得される(ステップS123)。これは、合焦点位置に達したかどうかを検知するためであり、次のように判定される。すなわち、コントラスト情報は、測距エリアのデータの各隣接画素間の差を取ることにより、エッジ部のシャープさに依存するように設定、算出されるものであり、測距エリア全体での総和が最大に達した状態が合焦点と判断される(ステップS124、S125)。合焦点位置でないと判断された場合は(ステップS125;No)、撮影光学系3の駆動が継続される(ステップS126)。
撮影光学系3の移動に伴うコントラスト情報の変化と合焦点位置検出の様子を図7に示す。上記動作は、光学系を駆動しながら逐次コントラスト情報を取得して、合焦点位置を求めるという測距演算が行われたものであり、その焦点距離に合わせて撮影光学系3は停止される(ステップS127)。
このようなAF制御により、撮影時に常に自動的にピントの合った撮影画像を得ることができる。
画素補間部23は、撮像素子33におけるRGB各色成分を分散配置したCCD配列に対して、各色成分毎に画素間の補間を行い、同一画素位置で各色成分値が得られるように画像データを処理する。
図8のフローチャートに示すように、画素補間部23は、撮像素子33によって得られたRGB画像データ(ステップS131)をRGBの各画素フィルタパターンでマスキングし(ステップS132、S134、S136)、その後で平均補間(画素補間ともいう)を行う(ステップS133、S135、S137)。このうち、高帯域にまで画素を有するGの画素フィルタパターンは、周辺4画素の中間2値の平均値に置換して平均補間を行うメディアン(中間値)フィルタであり、RとBの画素フィルタパターンは、周辺9画素から同色に対して平均補間を行うものである。
AWB制御部24は、撮影画像におけるホワイトバランスを自動的に調整する。撮影された画像は、その中にRGBのカラーバランスがとれている(総和すればホワイト)被写体領域があるものという想定で、その領域のホワイトバランスを達成するように、画像のRGBの各成分値に対するレベル調整を行う。このホワイトバランス処理は、例えば以下のように行われる。
図9のフローチャートに示すように、AWB制御部24は、撮像素子33によって得られた画像データの輝度や彩度のデータから(ステップS141)、本来ホワイトであると思われる領域を推測する(ステップS142)。その領域について、RGB各成分値の平均強度、及びG/R比、G/B比を求め、G値に対するR値、B値の補正ゲインを算出する(ステップS143、S144)。これに基づき、画像全体における各色成分に対するゲインの補正を行う(ステップS145)。
このようなAWB制御により、撮影時に生ずる画面全体のカラーバランスの崩れを自動的に補正することができ、実際の被写体の照明状態に拘わらず、安定した色調の画像を得ることができる。
ガンマ補正部25は、撮影画像の階調性を出力機器のガンマ特性に適するように変換する処理を行う。
ガンマ特性とは階調特性のことであり、入力階調に対してどのように出力階調を設定するかを補正値あるいは補正曲線等で示すものである。図10に、入力値に対して、補正した出力値を示す補正曲線の例を示す。ガンマ補正は、この補正値あるいは補正曲線等に従い、入力値に対する出力値への変換を行う変換処理である。出力機器によってこの階調特性は異なるため、その出力機器に適した階調とするために、このガンマ特性の補正を行う必要がある。これにより撮影されたリニア画像はノンリニア画像に変換されることになる。
出力機器としては一般的にはモニタが設定され、一般的なモニタのガンマ特性に合うように撮影画像のガンマ補正が行われる。
(画像処理部10の内部構成)
図11に、画像処理部10の内部構成を示す。画像処理部10は、撮像装置100における撮影画像に対して、シーン判別に基づく階調の補正動作を制御するものであり、撮影処理部20での処理後に、あるいはその処理とは独立して、画像取得、シーン判別、階調処理条件設定等の一連の処理を実行する。
図11に示すように、画像処理部10は、第1画像取得部11、第2画像取得部12、占有率算出部13、指標算出部14、シーン判別部15、階調処理条件設定部16、階調変換処理部17により構成される。
第1画像取得部11は、レリーズボタン8が全押しされたタイミングで、撮像素子33に写った最新の画像の画像データを第1の画像として取得する。また、撮影時における撮影条件も合わせて取得する。取得した第1の画像の画像データ及び撮影条件はメモリ32に保持される。
第2画像取得部12は、取得した第1の画像を、N×M個の矩形の領域(垂直方向にM個及び水平方向にN個に分割された領域)に分割する。図12(a)に、第1の画像の一例を示し、図12(b)に、当該第1の画像が22×14個の領域に分割された例を示す。なお、分割領域の数は特に限定されない。分割された各領域が第2の画像の画像データの1画素に相当する。すなわち、第2の画像は、実質的にサイズが縮小された画像となる。この縮小された画像が第2の画像であり、上記操作により第2の画像を取得することになる。
占有率算出部13は、第2の画像の画像データ、すなわち画像を構成する各画素から色情報を取得する。取得された色情報に基づいて、画像の各画素を、明度と色相の組み合わせからなる所定の階級に分類し(図16参照)、分類された階級毎に、当該階級に属する画素が画像全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する。
また、占有率算出部13は、各画素を、第2の画像の画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の階級に分類し(図17参照)、分類された階級毎に、当該階級に属する画素が画像全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する。
占有率算出部13において実行される占有率算出処理については、後に図15を参照して詳細に説明する。
指標算出部14は、占有率算出部13で算出された第1の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影シーンを特定するための指標1及び指標2を算出する。すなわち、指標算出部14は、第1の指標算出手段及び第2の指標算出手段として機能する。
また、指標算出部14は、占有率算出部13で算出された第2の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影シーンを特定するための指標3を算出する。すなわち、指標算出部14は、第3の指標算出手段として機能する。
さらに、指標算出部14は、第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値(指標7とする)、最大輝度値と平均輝度値との差分値等に、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算することにより、撮影シーンを特定するための指標4を算出する。すなわち、指標算出部14は、第4の指標算出手段として機能する。
また、指標算出部14は、第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値と、指標1及び指標3に、それぞれ、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算して和をとることにより、新たな指標5を算出する。すなわち、指標算出部14は、第5の指標算出手段として機能する。
また、指標算出部14は、第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値と、指標2及び指標3に、それぞれ、撮影条件に応じて予め設定された係数を乗算して和をとることにより、新たな指標6を算出する。すなわち、指標算出部14は、第6の指標算出手段として機能する。
指標算出部14において実行される指標算出処理については、後に図18を参照して詳細に説明する。
シーン判別部15は、指標算出部14で算出された各指標に基づいて、第1の画像の撮影シーンを特定する。ここで、撮影シーンとは、順光、逆光、近接フラッシュ等の被写体を撮影する時の光源条件を示しており、主要被写体(主に人物のことを指すが、これに限るものではない)のオーバー度、アンダー度等もこれに含まれる。撮影シーンの判別方法については、後に詳細に説明する。
以上のように、占有率算出部13、指標算出部14、そしてシーン判別部15がシーン判別処理手段として機能する。
階調処理条件設定部16は、シーン判別部15で判別された撮影シーンに基づいて、第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する。階調処理条件の設定については、後に図24を参照して詳細に説明する。
階調変換処理部17は、階調処理条件設定部16において設定された複数の階調処理条件に基づいて、第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う。
プロセッサ31は、画像処理部10で行われる処理以外に、公知技術に基づいて、自動ホワイトバランス処理、ガンマ変換処理等の撮影処理部20での処理や、その他の画像処理、画像フォーマット変換、画像データの記録等の処理動作を制御する機能を有する。
またプロセッサ31における各部の処理は、基本的にハードウェア処理によって行われるが、一部についてはメモリ32に記憶(保存)されているプログラムを実行する等してソフトウェア処理によって行われる。
(撮像装置100の動作)
次に、本実施形態における撮像装置100の動作について説明する。以下では、撮影対象物を「主要被写体」と呼ぶことにする。
まず、図13のフローチャートを参照して、撮像装置100で実行される処理の全体の流れを説明する。
まず、電源スイッチ6がONに操作されると(電源が投入されると)、メモリ32のリセット等の前処理が行われる。ユーザは、主要被写体が撮像装置100の被写界に入るように撮像装置100をその主要被写体の方に向け、撮影のための操作を関始する。レリーズボタン8が押されて撮影が行われると(ステップS1)、撮像素子33に結像した画像は電気信号として取り込まれ、CCD配列に基づく補間処理が行われる(ステップS2)。そして、第1画像取得部11により、撮影画像として第1の画像が取得され、メモリ32に保持される(ステップS3)。第1の画像はリニア画像(RAW画像)である。
一方、撮影とともに撮影条件の取り込みが行われる。撮影条件は、撮影画像がExif形式(Exchangeable Image File Format)で記録される際に、合わせて記録されるものである。取得した撮影条件はメモリ32に保持される。
撮影により取得された第1の画像には、AWB(自動ホワイトバランス)処理が施される(ステップS4)。これは以下に述べる第2の画像の取得が行われてから、第1の画像と第2の画像とに対して別々に処理されてもよい。
AWB処理の後、第2画像取得部12により、第1の画像の画像データの画像サイズが縮小され、第2の画像として取得される(ステップS5)。実際の画像データのサイズ縮小方法は、単純平均やバイリニア法やバイキュービック法等の公知の技術を用いることができる。
次いで、取得された第2の画像の画像データに基づいて、撮影シーンを判別するシーン判別処理が行われる(ステップS6)。シーン判別処理については、後に図14を参照して説明する。
次いで、シーン判別処理で得られた各指標及び撮影シーンの判別結果に基づいて、第1の画像に対する複数の階調処理条件が設定される(ステップS7)。複数の階調処理条件には、基準階調処理条件及びその他の階調処理条件が含まれる。階調処理条件設定については、後に図24を参照して説明する。
一方、AWB処理後の第1の画像については、ガンマ変換処理が行われ、ノンリニア画像に変換される(ステップS8)。ただし、ガンマ変換処理は階調の変換処理であり、次に述べるステップS9又はステップS13の階調変換処理と合わせて行ってもよい。ガンマ変換は視覚に合わせてノンリニアの階調に変換するものであるが、ステップS9又はステップS13の階調変換処理は撮影シーンの光源条件等による階調への影響を補正するものである。
次いで、ステップS7において設定された基準階調処理条件に基づいて、撮影画像である第1の画像の画像データに対する階調変換処理が行われる(ステップS9)。そして、階調変換処理後の画像データに対して、その他の画像処理(ノイズ処理やシャープネス処理等)が行われる(ステップS10)。
次いで、画像記録のため、JPEG形式、TIFF形式、BMP形式等の画像へと画像フォーマットの変換が行われ(ステップS11)、画像フォーマット変換後の画像データが、保存用の記録媒体(SDメモリカード又はマルチメディアカード(MMC)等)に記録される(ステップS12)。
また、ガンマ変換処理後の第1の画像の画像データに対して、ステップS7において設定されたその他の階調処理条件に基づいて、階調変換処理が行われる(ステップS13)。そして、階調変換処理後の画像データに対して、その他の画像処理(ノイズ処理やシャープネス処理等)が行われる(ステップS14)。
次いで、画像記録のため、JPEG形式、TIFF形式、BMP形式等の画像へと画像フォーマットの変換が行われ(ステップS15)、画像フォーマット変換後の画像データが、保存用の記録媒体に記録される(ステップS16)。
次の撮影に移るか、あるいは電源スイッチ6がOFFに操作されると、撮像装置100における動作は終了する。
(シーン判別処理)
次に、図14〜図23を参照して、撮像装置100でのシーン判別処理(図13のステップS6)について説明する。
シーン判別処理は、図14に示すように、色空間変換処理(ステップS20)、占有率算出処理(ステップS21)、指標算出処理(ステップS22)、シーン判別(ステップS23)の各処理により構成される。以下、図14に示す各処理について詳細に説明する。
<色空間変換処理>
図14のステップS20の色空間変換処理では、まず、撮影された第1の画像から得られた第2の画像の各画素のRGB値、輝度値及びホワイトバランスを示す情報が取得される。なお、輝度値としては、RGB値を公知の変換式に代入して算出した値を用いてもよい。次いで、取得されたRGB値がHSV表色系に変換され、画像の色情報が取得される。HSV表色系とは、画像データを色相(Hue)、彩度(Saturation)、明度(Value又はBrightness)の3つの要素で表すものであり、マンセルにより提案された表色体系を元にして考案されたものである。HSV表色系への変換は、HSV変換プログラム等を用いて行われ、通常、入力であるR、G、Bに対して、算出された色相値Hは、スケールを0〜360と定義し、彩度値S、明度値Vは、単位を0〜255と定義している。
なお、本実施形態において、「明度」は特に注釈を設けない限り一般に用いられる「明るさ」の意昧である。以下の記載において、HSV表色系のV(0〜255)を「明度」として用いるが、他の如何なる表色系の明るさを表す単位系を用いてもよい。その際、本実施形態で記載する各種係数等の数値を、改めて算出し直すことは言うまでもない。
また、本実施形態において、「色相」は特に注釈を設けない限り一般に用いられる「色」の意味である。以下の記載において、HSV表色系のH(0〜360)を「色相」として用いるが、例えば赤色差値(Cr)や青色差値(Cb)によって表現される色を用いてもよい。その際、本実施形態で記載する各種係数等の数値を、改めて算出し直すことは言うまでもない。ステップS20では、上記のようにして求められたH、S、Vの値が色情報として取得される。
<占有率算出処理>
次に、図15のフローチャートを参照して、占有率算出処理(図14のステップS21)について説明する。
まず、色空間変換処理で算出されたHSV値に基づいて、第2の画像の各画素が、色相と明度の組み合わせからなる所定の階級に分類され、分類された階級毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムが作成される(ステップS30)。
図16に、明度と色相の組み合わせからなる階級を示す。ステップS30では、明度(V)は、明度値が0〜5(v1)、6〜12(v2)、13〜24(v3)、25〜76(v4)、77〜109(v5)、110〜149(v6)、150〜255(v7)の7つの階級に分割される。図16に示すように、最も低明度の階級における明度の範囲よりも、最も高明度の階級における明度の範囲の方が広い。
色相(H)は、色相値が0〜39、330〜359の肌色色相領域(H1及びH2)、色相値が40〜160の緑色色相領域(H3)、色相値が161〜250の青色色相領域(H4)、赤色色相領域(H5)の4つの領域に分割される。なお、赤色色相領域(H5)は、撮影シーンの判別への寄与が少ないとの知見から、以下の計算では用いていない。肌色色相領域は、さらに、肌色領域(H1)と、それ以外の領域(H2)に分割される。以下、肌色色相領域(H=0〜39、330〜359)のうち、下記の式(1)を満たす色相’(H)を肌色領域(H1)とし、式(1)を満たさない領域を(H2)とする。
10<彩度(S)<175;
色相’(H)=色相(H)+60 (0≦色相(H)<300のとき);
色相’(H)=色相(H)−300 (300≦色相(H)<360のとき).
輝度(Y)=R×0.30+G×0.59+B×0.11 (A)
として、
色相’(H)/輝度(Y)<3.0×(彩度(S)/255)+0.7 (1)
従って、第2の画像における階級の数は4×7=28個となる。また、最大の明度値(255)の1割の値以内に、少なくとも3つの階級(v1、v2、v3)を有する。なお、式(A)及び式(1)において明度(V)を用いることも可能である。
ステップS30の後、第2の画像の各画素が、画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の階級に分類され、分類された階級毎に累積画素数を算出することによって2次元ヒストグラムが作成される(ステップS31)。
図17(a)に、ステップS31において、第2の画像の画面の外縁からの距離に応じて分割された3つの領域n1〜n3を示す。領域n1が外枠であり、領域n2が外枠の内側の領域であり.領域n3が第2の画像の中央部の領域である。ここで、n1〜n3は略同等の画素数となるように分割することが好ましい。また本実施形態においては3つの分割としたがこれに限定されるものではない。また、ステップS31において、明度は、上述のようにv1〜v7の7つの領域に分割するものとする。図17(b)に、3つの領域n1〜n3と明度の組み合わせからなる階級を示す。図17(b)に示すように、第2の画像を画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類した場合の階級の数は3×7=21個となる。
ステップS30において2次元ヒストグラムが作成されると、色相と明度の組み合わせからなる所定の階級毎に算出された累積画素数の全画素数(N×M個)に占める割合を示す第1の占有率が算出される(ステップS32)。すなわち、ステップS30及びステップS32は第1の占有率算出工程に相当する。
明度領域vi、色相領域Hjの組み合わせからなる階級において算出された第1の占有率をRijとすると、各階級における第1の占有率は表1のように表される。
Figure 2007235365
ステップS31において2次元ヒストグラムが作成されると、画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる所定の階級毎に算出された累積画素数の全画素数に占める割合を示す第2の占有率が算出され(ステップS33)、占有率算出処理が終了する。すなわち、ステップS31及びステップS33は第2の占有率算出工程に相当する。
明度領域vi、画面領域njの組み合わせからなる各階級において算出された第2の占有率をQijとすると、各階級における第2の占有率は表2のように表される。
Figure 2007235365
なお、各画素を画面の外縁からの距離、明度及び色相からなる階級に分類し、分類された階級毎に累積画素数を算出することによって3次元ヒストグラムを作成してもよい。以下では、2次元ヒストグラムを用いる方式を採用するものとする。
<指標算出処理>
次に、図18のフローチャートを参照して、指標算出処理(図14のステップS22)について説明する。
まず、占有率算出処理において階級毎に算出された第1の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された係数(第1の係数)を乗算して和をとることにより、撮影シーンを特定するための指標1が算出される(ステップS40)。指標1は、主要被写体のオーバー度を表す指標であり、「主要被写体がオーバー」と判別されるべき画像のみを他の撮影シーンから分離するためのものである。
次いで、同じく階級毎に算出された第1の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された第1の係数とは異なる係数(第2の係数)を乗算して和をとることにより、撮影シーンを特定するための指標2が算出される(ステップS41)。指標2は、空色高明度、顔色低明度等の逆光撮影時の特徴を複合的に表す指標であり、「逆光」、「主要被写体がアンダー」と判別されるべき画像のみを他の撮影シーンから分離するためのものである。
以下、指標1及び指標2の算出方法について詳細に説明する。
表3に、指標1を算出するために必要な第1の係数を階級別に示す。表3に示された各階級の係数は、表1に示した各階級の第1の占有率Rijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
Figure 2007235365
表3によると、高明度(v6)の肌色色相領域(H1)に分布する領域から算出される第1の占有率には、正(+)の係数が用いられ、それ以外の色相である青色色相領域から算出される第1の占有率には、負(−)の係数が用いられる。図19は、肌色領域(H1)における第1の係数と、その他の領域(緑色色相領域(H3))における第1の係数を、明度全体に渡って連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。表3及び図19によると、高明度(V=77〜150)の領域では、肌色領域(H1)における第1の係数の符号は正(+)であり、その他の領域(例えば、緑色色相領域(H3))における第1の係数の符号は負(−)であり、両者の符号が異なっていることがわかる。
明度領域vi、色相領域Hjにおける第1の係数をCijとすると、指標1を算出するためのHk領域の和は、式(2)のように定義される。
Figure 2007235365
従って、H1〜H4領域の和は、下記の式(2−1)〜(2−4)のように表される。
H1領域の和=R11×0+R21×0+(中略)…+R71×(-8) (2−1)
H2領域の和=R12×(-2)+R22×(-1)+(中略)…+R72×(-10) (2−2)
H3領域の和=R13×5+R23×(-2)+(中略)…+R73×(-12) (2−3)
H4領域の和=R14×0+R24×(-1)+(中略)…+R74×(-12) (2−4)
指標1は、式(2−1)〜(2−4)で示されたH1〜H4領域の和を用いて、式(3)のように定義される。
指標1=H1領域の和+H2領域の和+H3領域の和+H4領域の和+1.5
(3)
表4に、指標2を算出するために必要な第2の係数を階級別に示す。表4に示された各階級の係数は、表1に示した各階級の第1の占有率Rijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
Figure 2007235365
表4によると、肌色色相領域(H1)の中間明度に分布する領域(v4、v5)から算出される占有率には負(−)の係数が用いられ、肌色色相嶺域(H1)の低明度(シャドー)領域(v2、v3)から算出される占有率には係数0が用いられる。図20は、肌色領域(H1)における第2の係数を、明度全体にわたって連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。表4及び図20によると、肌色色相領域の、明度値が25〜150の中間明度領域の第2の係数の符号は負(−)であり、明度値6〜24の低明度(シャドー)領域の第2の係数は0であり、両領域での係数に大きな違いがあることがわかる。
明度領域vi、色相領域Hjにおける第2の係数をDijとすると、指標2を算出するためのHk領域の和は、式(4)のように定義される。
Figure 2007235365
従って、H1〜H4領域の和は、下記の式(4−1)〜(4−4)のように表される。
H1領域の和=R11×0+R21×0+(中略)…+R71×2 (4−1)
H2領域の和=R12×(-2)+R22×(-1)+(中略)…+R72×2 (4−2)
H3領域の和=R13×2+R23×1+(中略)…+R73×3 (4−3)
H4領域の和=R14×0+R24×(-1)+(中略)…+R74×3 (4−4)
指標2は、式(4−1)〜(4−4)で示されたH1〜H4領域の和を用いて、式(5)のように定義される。
指標2=H1領域の和+H2領域の和+H3領域の和+H4領域の和+1.7
(5)
指標1及び指標2は、第2の画像の明度と色相の分布量に基づいて算出されるため、画像がカラー画像である場合の撮影シーンの判別に有効である。
指標1及び指標2が算出されると、占有率算出処理において階級毎に算出された第2の占有率に、撮影条件に応じて予め設定された第3の係数(第1の係数、第2の係数とは異なる係数)を乗算して和をとることにより、撮影シーンを特定するための指標3が算出される(ステップS42)。指標3は、主要被写体がアンダーな逆光と主要被写体がオーバーな画像間における、画像データの画面の中心と外側の明暗関係の差異を示すものである。
以下、指標3の算出方法について説明する。
表5に、指標3を算出するために必要な第3の係数を階級別に示す。表5に示された各階級の係数は、表2に示した各階級の第2の占有率Qijに乗算する重み係数であり、撮影条件に応じて予め設定されている。
Figure 2007235365
図21は、画面領域n1〜n3における第3の係数を、明度全体に渡って連続的に変化する曲線(係数曲線)として示したものである。
明度領域vi、画面領域njにおける第3の係数をEijとすると、指標3を算出するためのnk領域(画面領域nk)の和は、式(6)のように定義される。
Figure 2007235365
従って、n1〜n3領域の和は、下記の式(6−1)〜(6−3)のように表される。
n1領域の和=Q11×12+Q21×10+(中略)…+Q71×0 (6−1)
n2領域の和=Q12×5+Q22×3+(中略)…+Q72×0 (6−2)
n3領域の和=Q13×(-1)+Q23×(-4)+(中略)…+Q73×(-8) (6−3)
指標3は、式(6−1)〜(6−3)で示されたn1〜n3領域の和を用いて、式(7)のように定義される。
指標3=n1領域の和+n2領域の和+n3領域の和+0.7 (7)
指標3は、第2の画像の明度の分布位置による構図的な特徴(全体画像の画面の外縁からの距離)に基づいて算出されるため、カラー画像だけでなくモノクロ画像の撮影シーンを判別するのにも有効である。
また、例えば公知の方法によって検出された焦点検出領域に応じて、画面の外縁からの距離と明度の所定の階級から算出される第2占有率に対して乗算される第3の係数の重みを変えることで、より高精度にシーンを判別する指標を算出することが可能である。
指標1〜3が算出されると、第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値、第2の画像の最大輝度植と平均輝度値との差分値等に、撮影条件に応じて予め設定された係数(第4の係数)を乗算することにより、撮影シーンを特定するための指標4が算出される(ステップS43)。
以下、図22のフローチャートを参照して、指標4算出処理について詳細に説明する。
まず、第2の画像のRGB(Red、Green、Blue)値から、式(A)を用いて輝度Yが算出される。次いで、第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値x1が算出される(ステップS50)。ここで、画面中央部とは、例えば図17(a)に示した領域n3により構成される領域である。次いで、第2の画像の最大輝度値と平均輝度値との差分値x2=最大輝度値−平均輝度値が算出される(ステップS51)。
次いで、第2の画像の輝度の標準偏差x3が算出され(ステップS52)、画面中央部における平均輝度値x4が算出される(ステップS53)。次いで、第2の画像における肌色領域の最大輝度値Yskin_maxと最小輝度値Yskin_minの差分値と、肌色領域の平均輝度値Yskin_aveとの比較値x5が算出される(ステップS54)。この比較値x5は、下記の式(8−1)のように表される。
x5=(Yskin_max−Yskin_min)/2−Yskin_ave (8−1)
次いで、ステップS50〜S54で算出された値x1〜x5の値の各々に、撮影条件に応じて予め設定された第4の係数を乗算して和をとることにより、指標4が算出され(ステップS55)、指標4算出処理が終了する。指標4は、下記の式(8−2)のように定義される。
指標4=0.05×x1+1.41×x2+(-0.01)×x3
+(-0.01)×x4+0.01×x5−5.34 (8−2)
この指標4は、第2の画像の画面の構図的な特徴だけでなく、輝度ヒストグラム分布情報を持ち合わせており、特に、主要被写体がオーバーである撮影シーンとアンダー撮影シーンの判別に有効である。
図18に戻り、指標4が算出されると、指標1、指標3及び第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値に、撮影条件に応じて予め設定された重み係数(第5の係数)を乗算することにより、指標5が算出される(ステップS44)。
さらに、指標2、指標3及び第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値に、撮影条件に応じて予め設定された重み係数(第6の係数)を乗算することにより、指標6が算出され(ステップS45)、本指標算出処理が終了する。
以下、指標5及び指標6の算出方法について詳細に説明する。
第2の画像の画面中央部における肌色領域の平均輝度値を指標7とする。ここでの画面中央部とは、例えば、図17(a)の領域n2及び領域n3から構成される領域である。このとき、指標5は、指標1、指標3、指標7を用いて式(9)のように定義され、指標6は、指標2、指標3、指標7を用いて式(10)のように定義される。
指標5=0.54×指標1+0.50×指標3+0.01×指標7−0.65 (9)
指標6=0.83×指標2+0.23×指標3+0.01×指標7−1.17 (10)
なお、図22における平均輝度値(例えば、全体平均輝度値)の算出方法としては、撮像装置100の各受光部から得られた個別輝度データの単純な加算平均値を求めてもよいし、撮像装置100の測光方式としてよく用いられる中央重点平均測光に類似した、画面中心付近の受光部より得られた輝度データに重み付けを高く、画面の周辺付近の受光部より得られた輝度データに重み付けを低くして加算平均値を求める手法を用いてもよい。また、焦点検出領域に対応した受光部付近より得られた輝度データに重み付けを高くし、焦点検出位置から離れた受光部より得られた輝度データに重み付けを低くして加算平均値を求める手法等を用いてもよい。
<シーン判別>
図14に戻って、シーン判別(ステップS23)を説明する。
指標4〜6が算出されると、これらの指標の値に基づいて撮影シーンが判別される。表6に、指標4、指標5及び指標6の値による撮影シーンの判別内容を示す。
Figure 2007235365
図23は、表6に示した判別内容を、指標4〜6の座標系を用いて表した判別マップである。
(階調処理条件設定)
次に、図24のフローチャートを参照して、ガンマ変換処理後の第1の画像に対する階調処理条件設定(図13のステップS7)について説明する。
まず、判別された撮影シーンに応じて、第1の画像の画像データに対する階調調整方法が決定され(ステップS60)、階調調整パラメータが算出される(ステップS61)。そして、階調調整パラメータに基づいて、基準階調処理条件(階調変換曲線)が設定され(ステップS62)、基準階調処理条件に基づいて、その他の複数の階調処理条件が設定される(ステップS63)。
<階調調整方法決定>
ステップS60で階調調整方法を決定する場合、図25に示すように、撮影シーンが順光である場合は階調調整方法A(図25(a))が選択され、逆光である場合は階調調整方法B(図25(b))が選択され、主要被写体がオーバーである場合は階調調整方法C(図25(c))が選択され、アンダーである場合は、階調調整方法B(図25(b))が選択される。
なお、本実施形態においては、第1の画像のガンマ変換後の画像へ適用する階調変換曲線を決定する方法を示したが、階調変換処理をガンマ変換の前に実施する場合には、図25の階調変換曲線に対して、ガンマ変換の逆変換を施した曲線で階調変換が行われる。
<階調調整パラメータ算出>
階調調整方法が決定されると、ステップS61では、指標算出処理で算出された各指標に基づいて、階調調整に必要なパラメータが算出される。以下、階調調整パラメータの算出方法について説明する。なお、以下では、8bitの撮影画像データは16bitへと事前に変換されているものとし、撮影画像データの値の単位は16bitであるものとする。
階調調整に必要なパラメータ(階調調整パラメータ)として、下記のP1〜P9のパラメータが算出される。
P1:撮影画面全体の平均輝度
P2:ブロック分割平均輝度
P3:肌色領域(H1)の平均輝度
P4:輝度補正値1=P1−P2
P5:再現目標修正値=輝度再現目標値(30360)−P4
P6:オフセット値1=P5−P1
P7:キー補正値
P7’:キー補正値2
P8:輝度補正値2
P9:オフセット値2=P5−P8−P1
ここで、図26及び図27を参照して、パラメータP2(ブロック分割平均輝度)の算出方法について説明する。
まず、画像データを正規化するために、CDF(累積密度関数)を作成する。次いで、得られたCDFから最大値と最小値を決定する。この最大値と最小値は、RGB毎に求める。ここで、求められたRGB毎の最大値と最小値を、それぞれ、Rmax、Rmin、Gmax、Gmin、Bmax、Bminとする。
次いで、画像データの任意の画素(Rx、Gx、Bx)に対する正規化画像データを算出する。RプレーンにおけるRxの正規化データをRpoint、GプレーンにおけるGxの正規化データをGpoint、BプレーンにおけるBxの正規化データをBpointとすると、正規化データRpoint、Gpoint、Bpointは、それぞれ、式(11)〜式(13)のように表される。
Rpoint={(Rx−Rmin)/(Rmax−Rmin)}×65535 (11);
Gpoint={(Gx−Gmin)/(Gmax−Gmin)}×65535 (12);
Bpoint={(Bx−Bmin)/(Bmax−Bmin)}×65535 (13).
次いで、式(14)により画素(Rx、Gx、Bx)の輝度Npointを算出する。
Npoint=(Bpoint+Gpoint+Rpoint)/3 (14)
図26(a)は、正規化する前のRGB画素の輝度の度数分布(ヒストグラム)である。図26(a)において、横軸は輝度、縦軸は画素の頻度である。このヒストグラムは、RGB毎に作成する。輝度のヒストグラムが作成されると、式(11)〜式(13)により、画像データに対し、プレーン毎に正規化を行う。図26(b)は、式(14)により算出された輝度のヒストグラムを示す。撮影画像データが65535で正規化されているため、各画素は、最大値が65535で最小値が0の間で任意の値をとる。
図26(b)に示す輝度ヒストグラムを所定の範囲で区切ってブロックに分割すると、図26(c)に示すような度数分布が得られる。図26(c)において、横軸はブロック番号(輝度)、縦軸は頻度である。
次いで、図26(c)に示された輝度ヒストグラムから、ハイライト、シャドー領域を削除する処理を行う。これは、白壁や雪上シーンでは、平均輝度が非常に高くなり、暗闇のシーンでは平均輝度は非常に低くなっているため、ハイライト、シャドー領域は、平均輝度制御に悪影響を与えてしまうことによる。そこで、図26(c)に示した輝度ヒストグラムのハイライト領域、シャドー領域を制限することによって、両領域の影響を減少させる。図27(a)(又は図26(c))に示す輝度ヒストグラムにおいて、高輝度領域(ハイライト領域)及び低輝度領域(シャドー領域)を削除すると、図27(b)のようになる。
次いで、図27(c)に示すように、輝度ヒストグラムにおいて、頻度が所定の閾値より大きい領域を削除する。これは、頻度が極端に多い部分が存在すると、この部分のデータが、撮影画像全体の平均輝度に強く影響を与えてしまうため、誤補正が生じやすいことによる。そこで、図27(c)に示すように、輝度ヒストグラムにおいて、閾値以上の画素数を制限する。図27(d)は、画素数の制限処理を行った後の輝度ヒストグラムである。
正規化された輝度ヒストグラムから、高輝度領域及び低輝度領域を削除し、さらに、累積画素数を制限することによって得られた輝度ヒストグラム(図27(d))の各ブロック番号と、それぞれの頻度に基づいて、輝度の平均値を算出したものがパラメータP2である。
パラメータP1は、画像データ全体の輝度の平均値であり、パラメータP3は、画像データのうち肌色領域(H1)の輝度の平均値である。パラメータP7のキー補正値、パラメータP7’のキー補正値2、パラメータP8の輝度補正値2は、それぞれ、式(15)、式(16)、式(17)のように定義される。
P7(キー捕正値)={P3−((指標6/6)×18000+22000)}/24.78 (15)
P7’(キー補正値2)={P3−((指標4/6)×10000+30000)}/24.78
(16)
P8(輝度補正値2)=(指標5/6)×17500 (17)
<基準階調処理条件設定>
図24に戻り、階調調整パラメータが算出されると、ステップS62では、その算出された階調調整パラメータに基づいて、撮影画像データに対する基準階調処理条件が設定される。具体的には、既に決定された階調調整方法に対応して予め設定された複数の階調変換曲線の中から、撮影シーンに応じて選択されたパラメータの値に対応する階調変換曲線が選択(決定)される。あるいは、パラメータの値に基づいて、階調変換曲線を算出するようにしてもよい。
以下、各撮影シーン(光源条件及び露出条件)毎に、階調変換曲線の決定方法(ステップS62での基準階調処理条件の決定)について説明する。
<<順光の場合>>
撮影シーンが順光である場合、パラメータP6を用いて、P1をP5と一致させるオフセット補正(8bit値の平行シフト)を下記の式(18)により行う。
出力画像のRGB値=入力画像のRGB値+P6 (18)
従って、撮影シーンが順光の場合、図25(a)に示す複数の階調変換曲線の中から、式(18)に対応する階調変換曲線が選択される。または、式(18)に基づいて階調変換曲線を算出(決定)してもよい。
<<逆光の場合>>
撮影シーンが逆光である場合、図25(b)に示す複数の階調変換曲線の中から、パラメータP7(キー補正値)に対応する階調変換曲線が選択される。図25(b)の階調変換曲線の具体例を図28に示す。パラメータP7の値と、選択される階調変換曲線の対応関係を以下に示す。
−50<P7<+50 の場合→L3
+50≦P7<+150 の場合→L4
+150≦P7<+250 の場合→L5
−150<P7≦−50 の場合→L2
−250<P7≦−150 の場合→L1
なお、撮影シーンが逆光の場合、この階調変換処理とともに、覆い焼き処理を併せて行うことが好ましい。この場合、逆光度を示す指標6に応じて覆い焼き処理の程度も調整されることが望ましい。
<<アンダーの場合>>
撮影シーンがアンダーである場合、図25(b)に示す複数の階調変換曲線の中から、パラメータP7’(キー補正値2)に対応する階調変換曲線が選択される。具体的には、撮影シーンが逆光の場合の階調変換曲線の選択方法と同様に、図28に示す階調変換曲線の中から、パラメータP7’の値に対応した階調変換曲線が選択される。なお、撮影シーンがアンダーである場合は、逆光の場合に示したような覆い焼き処理は行わない。
<<主要被写体がオーバーの場合>>
主要被写体がオーバーである場合、パラメータP9を用いてオフセット補正(8bit値の平行シフト)を式(19)により行う。
出力画像のRGB値=入力画像のRGB値十P9 (19)
従って、主要被写体がオーバーの場合、図25(c)に示す複数の階調変換曲線の中から、パラメータP9に対応する階調変換曲線が選択される。または、式(19)に基づいて階調変換曲線を算出(決定)してもよい。なお、式(19)のパラメータP9の値が、予め設定された所定値αを上回った場合、図28に示す曲線L1〜L5の中から、キー補正値がP9−αに対応する曲線が選択される。
なお、本実施形熊では、実際に撮影画像データに対して階調変換処理を施す場合、上述の階調変換処理条件を16bitから8bitへ変更するものとする。
<その他の階調処理条件設定>
ステップS63では、基準階調処理条件に基づいて、その他の複数の階調処理条件が設定される。例えば、基準階調処理条件を設定する際の階調調整パラメータの値を上下に振って階調処理条件を変更したり、基準階調処理条件として決定された階調変換曲線をシフト又は変形させたりして、その他の複数の階調処理条件を設定する。基準階調処理条件を変更し、少なくとも、より明るく補正する階調処理条件と、より暗く補正する階調処理条件とを設定することが望ましい。
以上説明したように、撮像装置100によれば、1回の撮影で階調処理条件が異なる複数の画像を生成することができるため、例えば、被写体の動きが速いシーンであっても、撮影者の好みに合致した画像を提供することができる。
また、1回の撮影で取得した画像に対してシーン判別を行い、ほぼ最適な明るさとなるような基準階調処理条件を算出し、さらに基準階調処理条件を変更することにより、明るさを微調整した画像を複数生成することができる。したがって、撮影者の好みの明るさを選択できるような擬似的なオートブラケット機能を提供することができる。
なお、上記実施形態における記述は、本発明に係る撮像装置の例であり、これに限定されるものではない。撮像装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
本発明の実施形態における撮像装置100の外観構成図である。 撮像装置100の内部構成を示すブロック図である。 撮影処理部20の内部構成を示すブロック図である。 AE制御部21での露光量制御を示すフローチャートである。 シャッタ速度の制御において撮像素子に電荷が蓄積される様子を示す図である。 AF制御部22での画像の焦点を合わせる制御を示すフローチャートである。 撮影光学系3の移動に伴うコントラスト情報の変化と合焦点位置検出の様子を示す図である。 画素補間部23での、RGB各色成分毎に画素間の補間を行う画像データの処理を示すフローチャートである。 AWB制御部24での、撮影画像におけるホワイトバランスを自動的に調整する処理を示すフローチャートである。 ガンマ補正曲線の例を示す図である。 画像処理部10の内部構成を示すブロック図である。 (a)は、撮影された第1の画像の一例を示す図であり、(b)は、第1の画像を分割し、N×M画素の縮小画像とした第2の画像の一例を示す図である。 撮像装置100において実行される処理の全体の流れを示すフローチャートである。 シーン判別処理を示すフローチャートである。 占有率算出処理を示すフローチャートである。 明度と色相からなる階級を示す図である。 (a)は、画面の外縁からの距離に応じて決定される領域n1〜n3を示す図であり、(b)は、領域n1〜n3と明度からなる階級を示す図である。 指標算出処理を示すフローチャートである。 指標1を算出するための、第1の占有率に乗算する第1の係数を表す曲線を示す図である。 指標2を算出するための、第1の占有率に乗算する第2の係数を表す曲線を示す図である。 指標3を算出するための、第2の占有率に乗算する第3の係数を表す曲線を領域別(n1〜n3)に示す図である。 指標4算出処理を示すフローチャートである。 撮影シーン(順光、ストロボ、逆光、アンダー)と指標4〜6の関係を示すプロット図である。 階調処理条件設定を示すフローチャートである。 各階調調整方法に対応する階調変換曲線を示す図である。 (a)は、輝度の度数分布(ヒストグラム)であり、(b)は、正規化されたヒストグラムであり、(c)は、ブロック分割されたヒストグラムである。 (a)及び(b)は、輝度のヒストグラムからの低輝度領域及び高輝度領域の削除を説明する図であり、(c)及び(d)は、輝度の頻度の制限を説明する図である。 撮影シーンが逆光又はアンダーである場合の階調処理条件を表す階調変換曲線を示す図である。
符号の説明
100 撮像装置
1 筐体
2 十字キー
3 撮影光学系
4 フラッシュ
5 ファインダ
6 電源スイッチ
7 表示部
8 レリーズボタン
10 画像処理部
11 第1画像取得部
12 第2画像取得部
13 占有率算出部
14 指標算出部
15 シーン判別部
16 階調処理条件設定部
17 階調変換処理部
20 撮影処理部
21 AE制御部
22 AF制御部
23 画素補間部
24 AWB制御部
25 ガンマ補正部
31 プロセッサ
32 メモリ
33 撮像素子
34 画像データ出力部
35 操作部
36 タイミングジェネレータ
37 シャッタユニット
38 絞りユニット
39 フォーカスユニット

Claims (9)

  1. 撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得手段と、
    前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理手段と、
    前記シーン判別処理手段により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定手段と、
    前記階調処理条件設定手段により設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理手段と、
    前記階調変換処理手段により階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録手段と、
    を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 前記階調処理条件設定手段は、
    前記シーン判別処理手段により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定し、
    前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記シーン判別処理手段は、
    前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得手段と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出手段と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出手段と、
    前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出手段と、
    前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出手段と、
    前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出手段と、
    少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出手段と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出手段と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出手段と、
    前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得工程と、
    前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理工程と、
    前記シーン判別処理工程において判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定工程と、
    前記階調処理条件設定工程において設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理工程と、
    前記階調変換処理工程において階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録工程と、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
  5. 前記階調処理条件設定工程では、
    前記シーン判別処理工程において判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定し、
    前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理方法。
  6. 前記シーン判別処理工程は、
    前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得工程と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出工程と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出工程と、
    前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出工程と、
    前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出工程と、
    前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出工程と、
    少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出工程と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出工程と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出工程と、
    前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の画像処理方法。
  7. コンピュータに、
    撮影により取得された第1の画像から画像サイズを縮小した第2の画像を取得する第2の画像取得機能と、
    前記第2の画像に基づいて撮影シーンを判別するシーン判別処理機能と、
    前記シーン判別処理機能により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する複数の階調処理条件を設定する階調処理条件設定機能と、
    前記階調処理条件設定機能により設定された複数の階調処理条件に基づいて、前記第1の画像に対しそれぞれ階調変換処理を行う階調変換処理機能と、
    前記階調変換処理機能により階調変換処理が行われた複数の画像を記録する記録機能と、
    を実現させるための画像処理プログラム。
  8. 前記階調処理条件設定機能を実現させる際に、
    前記シーン判別処理機能により判別された撮影シーンの判別結果に基づいて、前記第1の画像に対する基準階調処理条件を設定させ、
    前記基準階調処理条件を変更することにより、その他の複数の階調処理条件を設定させることを特徴とする請求項7に記載の画像処理プログラム。
  9. 前記シーン判別処理機能は、
    前記第2の画像の画像データから色情報を取得する色情報取得機能と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを所定の明度と色相の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第1の占有率を算出する第1の占有率算出機能と、
    前記取得された色情報に基づいて、前記画像データを画面の外縁からの距離と明度の組み合わせからなる階級に分類し、当該分類された階級毎に、前記画像データ全体に占める割合を示す第2の占有率を算出する第2の占有率算出機能と、
    前記第1の占有率に予め設定された第1の係数を乗算することにより、第1の指標を算出する第1の指標算出機能と、
    前記第1の占有率に予め設定された第2の係数を乗算することにより、第2の指標を算出する第2の指標算出機能と、
    前記第2の占有率に予め設定された第3の係数を乗算することにより、第3の指標を算出する第3の指標算出機能と、
    少なくとも前記画像データの画面中央部における肌色の平均輝度に、予め設定された第4の係数を乗算することにより、第4の指標を算出する第4の指標算出機能と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第5の係数を乗算することにより、第5の指標を算出する第5の指標算出機能と、
    前記第1の指標、前記第2の指標及び前記第3の指標のうち少なくとも一つ以上の指標に予め設定された第6の係数を乗算することにより、第6の指標を算出する第6の指標算出機能と、
    前記第4の指標、前記第5の指標及び前記第6の指標に基づいて、前記画像データの撮影シーンを特定するシーン判別機能と、
    を含むことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理プログラム。
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