JP2007233987A - コントロールレシピ作成装置、製造マスターバッチレコード作成装置、部品表作成装置、そのプログラムおよびコンピュータ読取り可能な記録媒体、コントロールレシピ作成方法、製造マスターバッチレコード作成方法、ならびに部品表作成方法 - Google Patents

コントロールレシピ作成装置、製造マスターバッチレコード作成装置、部品表作成装置、そのプログラムおよびコンピュータ読取り可能な記録媒体、コントロールレシピ作成方法、製造マスターバッチレコード作成方法、ならびに部品表作成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コントロールレシピ、製造マスターバッチレコード、または部品表の作成を容易に行うことのできるコントロールレシピ作成装置、製造マスターバッチレコード作成装置および部品表作成装置を提供する。
【解決手段】マスターレシピにおける各情報と、コントロールレシピにおける各情報、製造指図書・記録書における各情報、または部品表における各情報とを対応付けた中継データベースをM2C記憶部11、M2R記憶部111、またはM2B記憶部211に記憶させておく。CR作成部26、MBR作成部126、またはBOM作成部226は、該当する中継データベースに基づいてマスターレシピをコントロールレシピ、製造指図書・記録書、または部品表に変換する。
【選択図】図1

Description

本発明は、製造設備のコントロールレシピ(操作手順)を作成するコントロールレシピ作成装置、製造設備の製造マスターバッチレコードを作成する製造マスターバッチレコード作成装置、および製品の部品表を作成する部品表作成装置に関するものである。より詳細には、食品、医農薬品、電子材料、電子工業薬品などを製造するために必要な情報を記したマスターレシピをもとに、製造設備のコントロールレシピ、製造マスターバッチレコード、または部品表を作成するコントロールレシピ作成装置、製造マスターバッチレコード作成装置および部品表作成装置に関するものである。
従来より、食品、医農薬品、電子材料、電子工業薬品などを製造する際、研究開発に用いるレシピを元に、製造設備ごとに記載されたスケール、表現内容を加筆修正したレシピを作成し、それを基に製造設備を制御するプログラムを作成することが行われていた。
また、近年、非特許文献1〜3に記載されているように、ジェネラルレシピ、サイトレシピ、マスターレシピ、コントロールレシピといった概念を用いたレシピ開発に関する考え方が整理されてきた。
ここで、ジェネラルレシピ(general recipe、原処方)とは、製造設備やサイトには無関係な処理要件を示すレシピ(処方)である。つまり、特定のプラントを想定せずに、ある製造物を所定量生産するためにどのような処理を行うべきかを記述したレシピである。
サイトレシピ(site recipe、サイト処方)は、ジェネラルレシピに、サイトに固有の情報(例えば法規制、条例、地域との協定、周辺環境条件など)を反映したレシピである。なお、サイトレシピは、必要に応じて作成されるものであり、省略される場合もある。サイトレシピを省略する場合、上記のサイトに固有の情報を反映したマスターレシピを作成することになる。
マスターレシピ(master recipe、基本処方)とは、機器(ユニット)の能力を考慮した、設備特有の情報を含むレシピである。つまり、特定のプラントで、ある製造物を所定量生産するために、そのプラントにどのような処理を行わせるべきかといった情報を記述したレシピである。
コントロールレシピ(control recipe、実行処方)は、製造設備に対して実際に適用されるレシピであり、その実行によって特定製品の製造を規定するレシピである。コントロールレシピには、例えば、バルブの開閉,ポンプの動作,各種制御システムへの命令などの各設備における具体的な操作が記述される。
また、従来より、ジェネラルレシピからコントロールレシピを作成するまでの工程を簡略化させるための種々の手法が提案されている。
例えば、特許文献1には、特定の加工条件に依存しない標準的な加工手順を記述したグローバルレシピ(ジェネラルレシピに相当)と、加工条件の特徴をデータ化したローカルレシピデータとに基づいて、ローカルレシピデータ(マスターレシピに相当)を作成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、プラント機器を他の設備と搬送量調整手段によって分割される領域ごとにグループ化し、マスターレシピとスケジュール情報とプラント構造情報とからプロセス材の流れ方向の順に上記グループを選定し、搬送量調整手段によってプロセス材の流れの制御手順を規定するコントロールレシピを作成する技術が開示されている。
また、特許文献3には、プラントの設備情報に基づいて基本製造処方データ(ジェネラルレシピに相当)を編集処理し、それに基づいて詳細製造処方データ(マスターレシピに相当)を作成し、詳細製造処方データに基づいてプラント運転処方データ(コントロールレシピに相当)を生成し、このプラント運転処方データに基づいてバッチプラントを運転制御する技術が開示されている。
また、特許文献4には、スケジュール情報とプラント構造データとマスターレシピとを用いてコントロールレシピを作成するコントロールレシピの作成システムにおいて、領域知識またはプラント構造データの情報とリンクされた複数のキーワードを用いてプラントの操作手順を記述する形式言語で作成されたマスターレシピを用いる技術が開示されている。
なお、特許文献5,6には、製造手順の時間的な順序、処理前対象物および処理済対象物の製造設備への入出、互いに対応する製造手順、製造条件、機器条件等の容易に把握できるようにするための表現方法に関する技術が開示されている。
また、従来より、種々のレシピから製造指図書・記録書(製造マスターバッチレコード)を作成するまでの工程を簡略化させるための種々の手法が提案されている。
例えば、特許文献3には、プラントの設備情報に基づいて基本製造処方データ(ジェネラルレシピに相当)を編集処理し、それに基づいて運転手順のマニュアル(製造指図書に相当)をプリント出力する技術も開示されている。
他にも、近年、Enterprise Resource Planning(以下ERPと略す)と呼ばれる、企業全体を経営資源の有効活用の観点から総合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念を導入・利用する企業が増えている。また、製造業では、Bill of MaterialまたはBill of Manufacturing(以下部品表と略す)と呼ばれる、製品を構成する部品、原料等の親子関係を記述した表をレシピなどの情報を基に作成し、この情報に基づいて、部品の在庫確認、部品手配、資材調達等で使用するMaterial Requirements Planning(資材所要量計画およびその計算法のこと)、Manufacturing Resource Planning(製造資源計画およびその計算方法のこと)を実施しており、これらは製造系ERPでは中核システムの1つである。
特開2000−84802号公報(公開日:2000年3月28日) 特開2001−202122号公報(公開日:2001年7月27日) 特開2002−207515号公報(公開日:2002年7月26日) 特開2005−128862号公報(公開日:2005年5月19日) 特開2004−62455号公報(公開日:2004年2月26日) 特開2004−62458号公報(公開日:2004年2月26日) ISA S88.01 Batcb control Part1 IEC 61512−1 Batch control Part1 JIS C 1807,バッチ制御 第1部 モデルおよび用語,日本規格協会,2002
しかしながら、上記特許文献1〜4の技術では、コントロールレシピあるいはマスターレシピ等(マスターレシピまたはサイトレシピ)を作成したり、作成したコントロールレシピをチェックしたりする際に、設備に固有の情報を作成者が熟知している必要があり、高度な知識を有する者にしかこれらのレシピを作成できないという問題があった。また、必要な知識を有している者であっても作成に非常に時間がかかるという問題があった。
つまり、マスターレシピ等を作成したり、それらの内容をチェックしたりするためには、設備に依存しない製造基本手順(ジエネラルレシピ)、プラント設備情報、設備に依存する操作手順(プラント情報)を全て熟知している必要がある。そのため、非常に高度な知識を有する技能者でないと作成やチェックを行うことが困難であった。
また、コントロールレシピは個々の設備に固有の表現で記載されるため、コントロールレシピを作成する際、あるいは作成したコントロールレシピをチェックする際には、マスターレシピ等における表現と、コントロールレシピにおける各設備に固有の表現との対応関係を明確にする必要がある。このため、コントロールレシピの作成やチェックは、両レシピの記載形式に精通した高度な知識を有するものにしかできなかった。あるいは、コントロールレシピのチェックを行うために、作成したコントロールレシピによって実際に設備を稼働させ、1つ1つの動作を検証する必要があった。
なお、上記特許文献4には、マスターレシピを特定の形式言語で表現することで、それぞれの操作を平易な文で記載することが提案されている。しかしながら、形式言語で表現された文は平易な文ではあるものの、直感的に分かりやすいものではない。また、マスターレシピ等は多くの情報(多くの操作手順等)を含むので、形式言語からなる文が大量に羅列されることになる。したがって、それぞれの文自体は平易な文であったとしても、レシピの作成やチェックに非常に時間を要することに変わりはない。
また、上記特許文献2〜4には、マスターレシピ等からコントロールレシピを自動的に作成することが開示されているが、マスターレシピ等における操作手順,操作条件,装置条件等と、コントロールレシピにおいて装置ごとに作成される操作手順,操作条件等との対応関係が具体的に規定されていないので、これらの文献に基づいた技術のみでコントロールレシピを自動作成する装置を実現することは困難である。
さらに、上記特許文献2〜4の技術では、各機器における1つ1つの操作をコンピュータが自動的に選択して順次積み上げることでコントロールレシピを作成しているので、最終的にどのようなコントロールレシピが作成されるのか予見できない。このため、作成されたコントロールレシピをチェックするためには、各機器における全ての操作を1つ1つ検証する必要があり、チェックに非常に時間がかかる。
また、特許文献3には、製造指図書に記載すべき項目についての記述はあるが、レシピデータからどのような手順で製造指図書を作成するか、という内容についての記載はなく、記録すべき項目についての記載もない。さらに、製造指図書・記録書を手作業で作成する従来技術では、製造指図書・記録書を作成したり、作成した製造指図書・記録書をチェックしたりする際に、指示および記録に必要な情報、つまり設備に固有の情報(特に医薬品製造の場合、特有の指示・記録用件)を作成者・チェック者が熟知している必要があり、高度な知識を有する者にしかこれらの製造指図書・記録書を作成できないという問題があった。また、必要な知識を有している者であっても作成に非常に時間がかかるという問題があった。
つまり、マスターレシピ等を作成したり、それらの内容をチェックしたりするためには、設備に依存しない製造基本手順(ジエネラルレシピ)、プラント設備情報、設備に依存する操作手順(プラント情報)を全て熟知している必要がある。そのため、非常に高度な知識を有する技能者でないと作成やチェックを行うことが困難であった。
また、製造指図書・記録書は個々の設備に固有の表現で記載されるため、製造指図書・記録書を作成する際、あるいは作成した製造指図書・記録書をチェックする際には、マスターレシピ等における表現と、製造指図書・記録書における各設備に固有の表現との対応関係を明確にする必要がある。このため、製造指図書・記録書の作成やチェックは、マスターレシピおよび製造指図書・記録書の両方の記載要件に精通した高度な知識を有するものにしかできなかった。また、医薬品製造の場合は、品質保証部門によって、医薬上の要件に関する製造指図書・記録書のチェックを行うために、作成後に手直しをして再チェックする必要があった。
さらに、医薬品、医薬部外品、および医療用具の製造の場合、品質保証部等によってGMP(Good Manufacturing Practice)の規則上必要な条件を満たしているか否かのチェックが行われ、製造指図書・記録書の作成およびチェックは、レシピが変わるごと、すなわち、少なくとも製品が異なる場合ごと、または製造場所が異なる場合ごとに行われるが、GMPの規則上必要とされている要件、例えば指図書で必要とされる条件および条件の範囲設定、記録書に記録すべき項目および記録内容は、オペレーションが同じであれば同様の内容となる。従来では、製造指図書・記録書を製品ごと、レシピごとに作成していたので、上述のように同じオペレーションについての製造指図書・記録書であっても、作成者によって表記方法が異なっている場合や、GMPの規則上必要ではないが記録しておきたい項目が混在する場合には、製造指図書・記録書の内容の標準化およびチェックが困難であった。
また、種々のレシピから部品表を書き起こす作業は、人間が実施しており、新製品を導入したり、製法を改良するごとに、部品表を新たに作成する必要があった。また、一般的に、原料などの購買条件(単位数量、単価、品質)が、会計期間ごとに変化することに加え、設備の稼動状況の変化に伴う固定費負担の変更などについて、条件に変更が発生するごとに、部品表を人間による手作業で更新(修正)する必要があった。
さらに、設備についての情報および生産計画についての情報、具体的には、サイトおよび設備に依存する設備の能力、設備の稼動状況、ユーティリティの費用などが必要であるとともに、設備についての高度な知識、および生産計画について判断する能力を必要とするため、一般的には、各サイトおよび設備の生産計画を決定する部門が上記の部品表作成および修正を実施しており、非常に負荷の高い作業であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コントロールレシピ、製造指図書・記録書(製造マスターバッチレコード)、または部品表の作成をより容易に行うことのできるコントロールレシピ作成装置、製造マスターバッチレコード作成装置、部品表作成装置、そのプログラムおよびコンピュータ読取り可能な記録媒体、コントロールレシピ作成方法、製造マスターバッチレコード作成方法、ならびに部品表作成方法を提供することにある。
本発明のコントロールレシピ作成装置は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに基づいてコントロールレシピデータを作成するコントロールレシピ作成装置において、上記マスターレシピデータに記述される情報と、上記コントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータをコントロールレシピデータに変換するコントロールレシピ作成手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、マスターレシピデータに記述される情報と、コントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを備えており、コントロールレシピ作成手段がこの中継データベースに基づいてマスターレシピデータからコントロールレシピデータを作成する。このため、例えば、種々のプロセス、設備の制約などを個々の設備に依存しない表現方法(例えば、複数のユニットあるいは複数のプラントに共通の標準的,一般的な表現方法)で記載したマスターレシピデータに基づいて、上記コントロールレシピ作成装置に、各ユニットに固有の表現方法で記載されたコントロールレシピデータを作成させることができる。つまり、使用者は、マスターレシピを汎用的な表現方法で作成するとともに、この汎用的な表現方法で作成されたマスターレシピに基づいて各ユニットに固有の表現方法で記載されたコントロールレシピデータを容易に得ることができる。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述されるユニットおよびオペレーションが、上記コントロールレシピデータに記述されるユニットおよびオペレーションにそれぞれ対応付けられていてもよい。ここで、上記オペレーション(operation;単位操作)とは、独立な処理(一例としては、仕込、混合、攪拌、蒸留、乾燥など)を定義する手順要素のことである。また、上記ユニットとは、オペレーションを実行させる設備または2つ以上の設備からなる設備群のことである。
上記の構成によれば、マスターレシピの作成者は、マスターレシピにおける各オペレーションを個々の設備に依存しない表現方法で記述し、そのように記述したマスターレシピに基づいて上記コントロールレシピ作成手段に、コントロールレシピを作成させることができる。これにより、例えば、利用するユニットを変更する場合や新規品目を製造するためのコントロールレシピを作成する場合などに、各ユニットに固有の表現方法を意識しないで汎用的な表現を用いてマスターレシピを作成し、そのように作成したマスターレシピに基づいて上記コントロールレシピ作成手段にコントロールレシピを作成させることができる。それゆえ、コントロールレシピを作成する際の負荷を大きく低減できる。また、コントロールレシピの作成者は、利用するユニットおよび実行するオペレーションを順次指定してマスターレシピを作成するだけで、上記コントロールレシピ作成手段にコントロールレシピを作成させ、そのマスターレシピに対応するコントロールレシピを得ることができる。したがって、マスターレシピをコントロールレシピの記載形式,言語等に変換する作業を行う必要がないので、レシピ作成者の利便性を大幅に向上できる。
また、上記中継データベースに記憶されるコントロールレシピデータに記述される各オペレーションは、実際の実行結果を予めチェック済みであってもよい。
従来のコントロールレシピを自動作成する技術では、各ユニットにおける1つ1つの操作を多数の操作の中からコンピュータが自動的に選択し、順次積み上げてコントロールレシピを作成していた。つまり、従来の技術では、コントロールレシピを自動作成する際、マスターレシピごとに各製造設備における1つ1つの処理が多数の処理の中からコンピュータによって自動的に選択されるので、作成されるコントロールレシピによってどのような操作がどのような操作順序で行われるのかを予見できなかった。このため、従来の技術では、作成されたコントロールレシピを詳細に解析するか、あるいは作成したコントロールレシピに基づいて製造設備を実際に動作させて、1つ1つの動作を確認する必要があった。
これに対して、上記の構成によれば、実際の実行結果を予めチェックしたオペレーションが中継データベースに記憶され、この中継データベースに基づいてコントロールレシピが作成される。したがって、マスターレシピに基づいて自動作成したコントロールレシピにおいてどのオペレーションが選択されても、各オペレーションの動作を予見でき、自動作成したコントロールレシピのチェックを省略あるいは簡略化できる。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述される1つのオペレーションまたは特定の順序で並べられた2つ以上のオペレーションが、上記コントロールレシピデータに記述される1つのオペレーションまたは特定の順序で並べられた2つ以上のオペレーションと対応付けられていてもよい。
上記の構成によれば、マスターレシピデータに記述される1つのオペレーションがコントロールレシピデータに記述される1つのオペレーションに対応している場合に限らず、マスターレシピデータに記述される特定のオペレーションが、コントロールレシピデータに記述される特定の順序で並べられた複数のオペレーションと対応している場合や、それとは逆に、マスターレシピデータに記述される特定の順序で並べられた複数のオペレーションが、コントロールレシピデータに記述される特定のオペレーションと対応している場合であっても、コントロールレシピデータを適切に作成できる。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述される操作条件と、コントロールレシピデータに記述される操作条件とが対応付けられていてもよい。ここで、上記操作条件としては、例えば、各オペレーションにおいて扱われる物質量、物質の移動速度、温度、圧力などの情報等が挙げられる。
上記の構成によれば、マスターレシピデータにおいて個々の設備に依存しない表現方法を用いて操作条件を記述し、その操作条件に応じた個々の設備に固有の表現方法で記述されたコントロールレシピデータを上記コントロールレシピ作成装置に作成させることができる。
また、上記コントロールレシピ作成手段によって作成されたコントロールレシピデータを、当該コントロールレシピデータを適用するユニットの動作を制御するための制御装置において用いられる形式に変換する変換手段を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、コントロールレシピ作成手段によって作成されたコントロールレシピデータを、当該コントロールレシピデータを適用するユニットの動作を制御するための制御装置において用いられる形式(データ形式,ファイル形式等)に変換することができる。したがって、上記のように変換したコントロールレシピデータを制御装置に出力することで、その制御装置を適切に動作させることができる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示するための表示部と、上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、上記表示制御手段は、上記表示部に、上記マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記表示制御手段が、上記表示部に、マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる。これにより、使用者に、各オペレーションを実行するユニットを容易に認識させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部に表示される各オペレーションの連関を確認しながらマスターレシピを作成することができる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示する表示部と、上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、上記表示制御手段は、上記表示部の表示領域を第1乃至第3表示領域に分割するとともに、上記マスターレシピデータに基づいて、上記第1表示領域にオペレーション同士の連関を表示させ、上記第2表示領域に上記オペレーションの条件を表示させ、上記第3領域に上記オペレーションを実行するユニットの条件を表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記表示制御手段が、上記表示部に、上記マスターレシピデータに基づいて、各オペレーション同士の連関と、各オペレーションの条件(例えば温度や圧力など)と、上記オペレーションを実行するユニットの条件(例えばどのようなユニットを使用するか等)とを表示させる。これにより、オペレーションの同士の連関、各オペレーションの条件、上記オペレーションを実行するユニットの条件を、使用者に容易に把握させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部に表示されるこれらの情報を確認しながらマスターレシピを容易に作成することができる。
本発明の製造マスターバッチレコード作成装置は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに記述される情報と、製品の製造時での作業の方法および記録するべき項目について記述が行われているものである製造マスターバッチレコードのデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを製造マスターバッチレコードのデータに変換する製造マスターバッチレコード作成手段とを備えていることを特徴している。
上記の構成によれば、マスターレシピデータに記述される情報と、製造マスターバッチレコードに記述される情報とを対応付けた中継データベースを備えており、製造マスターバッチレコード作成手段がこの中継データベースに基づいてマスターレシピデータから製造マスターバッチレコードを作成する。このため、例えば、種々のプロセス、設備の制約などを個々の設備に依存しない表現方法(例えば、複数のユニットあるいは複数のプラントに共通の標準的,一般的な表現方法)で記載したマスターレシピデータに基づいて、上記製造マスターバッチレコード作成装置に、各ユニットに固有の表現方法で記載された製造マスターバッチレコードを作成させることができる。つまり、使用者は、マスターレシピを汎用的な表現方法で作成するとともに、この汎用的な表現方法で作成されたマスターレシピに基づいて各ユニットに固有の表現方法で記載された製造マスターバッチレコードを容易に得ることができる。
本発明の部品表作成装置は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに記述される情報と、製品ごとの構成部品情報のリストである部品表のデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを部品表のデータに変換する部品表作成手段とを備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、マスターレシピデータに記述される情報と、部品表に記述される情報とを対応付けた中継データベースを備えており、部品表作成手段がこの中継データベースに基づいてマスターレシピデータから部品表を作成する。このため、例えば、種々の構成部品情報などを製品に依存しない表現方法で記載したマスターレシピデータに基づいて、上記部品表作成装置に、各製品に固有の表現方法で記載された部品表を作成させることができる。つまり、使用者は、マスターレシピを汎用的な表現方法で作成するとともに、この汎用的な表現方法で作成されたマスターレシピに基づいて各製品に固有の表現方法で記載された部品表を容易に得ることができる。また、中継データベースでマスターレシピデータに記述される情報と、部品表に記述される情報とが対応付けられているので、マスターレシピデータに記述される情報と部品表に記述される情報とを手作業で対応付ける手間を省くことができる。
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記したいずれかのコントロールレシピ作成装置における上記各手段として機能させるためのものである。コンピュータにこのプログラムを読み取らせることで、本発明のコントロールレシピ作成装置における各手段の処理を、そのコンピュータによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピュータによって、本発明のコントロールレシピ作成装置における各手段の処理を実施できる。
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した製造マスターバッチレコード作成装置における上記手段として機能させるためのものである。コンピュータにこのプログラムを読み取らせることで、本発明の製造マスターバッチレコード作成装置における上記手段の処理を、そのコンピュータによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピュータによって、本発明の製造マスターバッチレコード作成装置における上記手段の処理を実施できる。
本発明のプログラムは、コンピュータを、上記した部品表作成装置における上記手段として機能させるためのものである。コンピュータにこのプログラムを読み取らせることで、本発明の部品表作成装置における上記手段の処理を、そのコンピュータによって実現することが可能となる。
また、これらのプログラムをコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録させておくことで、プログラムの保存・流通を容易に行えるようになる。さらに、この記録媒体を読み込ませることで、コンピュータによって、本発明の部品表作成装置における上記手段の処理を実施できる。
本発明のコントロールレシピ作成方法は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに基づいてコントロールレシピデータを作成するコントロールレシピ作成方法において、マスターレシピデータに記述される情報とコントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータをコントロールレシピデータへ変換させる工程を含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、個々の設備に依存しない表現方法(標準的、あるいは一般的、あるいは汎用的な表現方法)で記述したマスターレシピに基づいて、コンピュータに、各ユニットに固有の表現方法で記述されたコントロールレシピを作成させることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、コントロールレシピの作成を容易に行うことができる。
本発明の製造マスターバッチレコード作成方法は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに記述される情報と製品の製造時での作業の方法および記録するべき項目について記述が行われているものである製造マスターバッチレコードのデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータを製造マスターバッチレコードのデータへ変換させる工程を含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、個々の設備に依存しない表現方法(標準的、あるいは一般的、あるいは汎用的な表現方法)で記述したマスターレシピに基づいて、コンピュータに、各ユニットに固有の表現方法で記述された製造マスターバッチレコードを作成させることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、製造マスターバッチレコードの作成を容易に行うことができる。
本発明の部品表作成方法は、上記の課題を解決するために、マスターレシピデータに記述される情報と製品ごとの構成部品情報のリストである部品表のデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータを部品表のデータへ変換させる工程を含むことを特徴としている。
上記の方法によれば、個々の製品に依存しない表現方法(標準的、あるいは一般的、あるいは汎用的な表現方法)で記述したマスターレシピに基づいて、コンピュータに、各製品に固有の表現方法で記述された部品表を作成させることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、部品表の作成を容易に行うことができる。また、中継データベースでマスターレシピデータに記述される情報と、部品表に記述される情報とが対応付けられているので、マスターレシピデータに記述される情報と部品表に記述される情報とを手作業で対応付ける手間を省くことができる。
以上のように、本発明のコントロールレシピ作成装置およびコントロールレシピ作成方法は、マスターレシピデータに記述される情報と、コントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、マスターレシピデータをコントロールレシピデータに変換する。
それゆえ、個々の設備に依存しない表現方法で記述されたマスターレシピデータに基づいて、各ユニットに固有の表現方法で記述されたコントロールレシピデータを得ることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、コントロールレシピの作成を容易に行うことができる。
また、本発明の製造マスターバッチレコード作成装置および製造マスターバッチレコード作成方法は、マスターレシピデータに記述される情報と、製造マスターバッチレコードに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを製造マスターバッチレコードに変換する。
それゆえ、個々の設備に依存しない表現方法で記述されたマスターレシピデータに基づいて、各ユニットに固有の表現方法にて、記載要件を満たして記述された製造マスターバッチレコードを得ることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、製造マスターバッチレコードの作成を容易に行うことができる。
さらに、本発明の部品表作成装置および部品表作成方法は、マスターレシピデータに記述される情報と、部品表に記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを部品表に変換する。
それゆえ、個々の製品に依存しない表現方法で記述されたマスターレシピデータに基づいて、各製品に固有の表現方法で記述された部品表を得ることができる。したがって、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減でき、部品表の作成を容易に行うことができる。また、マスターレシピデータに記述される情報と部品表に記述される情報とを手作業で対応付ける手間を省くことができる。
〔実施の形態1〕
(1.コントロールレシピ作成装置1の構成)
本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかるCR作成装置(コントロールレシピ作成装置)1の構成を示すブロック図である。
なお、本実施形態において、手順制御(procedural control)とは、プロセスで定められた処理を実行するために、順番に並べられたシーケンスに基づいて設備,装置,機器および計装機器固有の動作を指示する制御のことである。また、手順要素(procedural element)とは、手順要素モデルによって定義される手順制御を構成する基本要素のことである。また、単位手順(unit procedure)とは、装置内で一連の連続したプロセスを実行するための方策であり、一連のオペレーションと各オペレーションの開始、編成および制御に必要なアルゴリズムからなる。また、オペレーション(operation;単位操作)とは、独立な処理を定義する手順要素のことであり、例えば仕込、混合、攪拌、蒸留、乾燥などの手順要素のことである。また、フェーズ(phase)とは、手順制御モデルの中で最下位階層の手順要素である。
CR作成装置1は、マスターレシピ(マスターレシピをデータ化したマスターレシピデータ)に基づいてコントロールレシピ(コントロールレシピをデータ化したコントロールレシピデータ)を作成する装置である。CR作成装置1は、連続プロセス、半回分式プロセス、回分式プロセスなど任意のプロセスのコントロールレシピを作成できるが、本実施形態ではバッチプロセス(回分式プロセス)に従って化学工業製品を製造する製造設備に適用する場合の例について説明する。すなわち、本実施形態では、CR作成装置1の作成したコントロールレシピ(所定の操作手順)に従い、1つまたは複数個の機器を順次動作させて化学工業製品を製造する場合について説明する。
図1に示すように、コントロールレシピ作成装置1は、制御部10、M2C記憶部11、記憶部12、表示部13、入力部14、出力部15を備えている。
M2C記憶部11は、マスターレシピに記述される情報と、コントロールレシピに記述される情報とを対応付けた中継データベース(M2C情報)を記憶(格納)するものである。なお、マスターレシピに記述される情報としては、例えば、各オペレーションを実行するユニット(設備)を特定するための情報(ユニット名等)、各オペレーション名、各オペレーションの操作条件(フォーミュラ)などが挙げられる。また、コントロールレシピに記述される情報としては、各オペレーションを実行するユニットを特定するための情報(ユニット名等)、製造プラントを構成する各機器において行われる各オペレーション、各オペレーションを下位階層の手順要素(フェーズ)に分割した各フェーズとの対応関係、および、各オペレーションあるいは各フェーズとそれを実現するための1つ1つの操作(例えば、バルブの開閉,ポンプの起動停止など)との対応関係が規定されている。中継データベースの詳細については後述する。
記憶部12は、マスターレシピデータ、コントロールレシピデータ等を記憶する。また、記憶部12は、制御部10に備えられる各ブロックを動作させるためのプログラムを記憶する。
表示部13は、マスターレシピ、コントロールレシピ等を表示するものである。
入力部14は、操作者からの入力指示や外部からのデータ(マスターレシピ等)の入力を受け付けるものである。例えば、操作者は、表示部13に表示される内容を参照しながらキーボード,マウスポインタ等からなる入力部14を介してマスターレシピに記述する各項目を入力することで、マスターレシピ(マスターレシピデータ)を作成できる。なお、入力部14は、記録媒体に記録されたデータを読み出して取得するものであってもよく、ネットワーク等を介して送信されたデータを受信して取得するものであってもよい。
出力部15は、CR作成装置1において作成したコントロールレシピ等を外部の機器(例えば製造設備の制御装置など)、あるいは記録媒体等に出力するものである。
制御部10は、主制御部21、記憶制御部22、表示制御部23、入力制御部24、出力制御部25、CR作成部26、CR第1変換部27、CR第2変換部28を備えている。
主制御部21は、制御部10に備えられる各ブロック(各制御部)を統括して制御するものである。
記憶制御部22は、主制御部21の指示に応じて、M2C記憶部11や記憶部12に対するデータの書き込み、M2C記憶部11や記憶部12からのデータの読み出し等を行うものである。
表示制御部23は、主制御部21の指示に応じて、表示部13の表示状態を制御する。
入力制御部24は、入力部14を介して入力される操作指示、データ等を主制御部21に伝達するものである。
出力制御部25は、主制御部21の指示に応じて、出力部15の動作を制御するものである。
CR作成部26は、マスターレシピ(マスターレシピデータ)に基づいてコントロールレシピ(CRa;コントロールレシピデータ)を作成するものである。
CR第1変換部27は、CR作成部26の作成したコントロールレシピを、出力先の制御装置に応じた表現方法に変換した制御装置用コントロールレシピ(CRb;制御装置用コントロールレシピデータ)を作成するものである。なお、CR第1変換部27については、必ずしも備える必要はなく、省略してもよい。つまり、制御装置用コントロールレシピ(CRb)を作成しない構成としてもよい。
CR第2変換部28は、CR作成部26の作成したコントロールレシピ(あるいはCR第1変換部27によって変換された制御装置用コントロールレシピ(CRb))を、出力先の制御装置において用いられるデータ形式およびファイル形式に変換した出力用コントロールレシピ(CRc;出力用コントロールレシピデータ)を作成するものである。
なお、M2C記憶部11、記憶部12、表示部13、入力部14、出力部15は、CR作成装置1に対して有線または無線によって通信可能に接続される外部装置であってもよい。また、この場合、記憶制御部22、表示制御部23、入力制御部24、出力制御部25は、必ずしもCR作成装置1に設けられる必要はなく、上記外部装置側に備えられていてもよい。
また、M2C記憶部11に記憶させておく中継データベースを、入力部14を介して取得したデータに基づいて追加,更新,変更可能な構成としてもよい。例えば、主制御部21が、入力部14を介して入力される操作者からの指示に応じて記憶制御部22を制御し、中継データベースの各項目を変更させてもよく、入力部14を介して外部の装置から取得した中継データベースをM2C記憶部11に記憶されている中継データベースに上書き保存するようにしてもよい。また、この場合、表示部13に中継データベースの内容を表示させ、操作者がこの表示を見ながら中継データベースに登録(記憶)する内容を追加したり変更したりできるようにしてもよい。
(2.中継データベースの一例)
図2は、M2C記憶部11に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。この図に示すように、中継データベースには、マスターレシピに記述される情報と、それに対応するコントロールレシピに記述される情報とが登録されている。
この図に示すように、マスターレシピにおけるユニット名と、コントロールレシピにおけるユニット名とが対応付けられている。なお、この図では、両レシピにおいて同じユニット名(反応設備1)が用いられているが、これに限るものではなく、両者の対応付けさえなされていれば、異なるユニット名が用いられていてもよい。
また、マスターレシピにおけるオペレーション名と、コントロールレシピにおけるオペレーション名とが対応付けられている。例えば、マスターレシピにおけるオペレーション名「溶媒仕込」は、コントロールレシピにおけるオペレーション名「タンクヤード仕込」に対応付けられている。
さらに、コントロールレシピにおける各オペレーションは、各オペレーションを構成するフェーズと対応付けられている。例えば、オペレーション「タンクヤード仕込」に対応するフェーズとして、「使用権取得」、「データ転送」、「終了待ち」などの各フェーズが規定されている。なお、各オペレーションが1つのフェーズからなる構成としてもよく、その場合、中継データベースは、フェーズが登録されていない構成であってもよい。また、この図には記載していないが、中継データベースには、各フェーズと各フェーズを実現するための1つ1つの操作との対応関係も記述されている。
なお、マスターレシピにおけるオペレーションと、コントロールレシピにおけるオペレーションとは必ずしも1対1に対応していなくてもよい。つまり、マスターレシピにおける1つのオペレーションが、コントロールレシピにおける複数のオペレーションの組み合わせ(特定の順序で並べられた複数のオペレーション)と対応付けられていてもよい。例えば、図2の例では、マスターレシピにおけるオペレーション「減圧濃縮」は、コントロールレシピにおけるオペレーション「減圧」、「濃縮」、「復圧」をこの順で並べた処理と対応付けられている。
あるいは、マスターレシピにおける複数のオペレーションの組み合わせ(特定の順序で並べられた複数のオペレーション)が、コントロールレシピにおける1つのオペレーションと対応付けられていてもよい。図2の例では、マスターレシピにおけるオペレーション「保温」、「静置」、「分液」の組み合わせが、コントロールレシピにおけるオペレーション「分液」に対応付けられている。
また、マスターレシピにおける各種操作条件(フォーミュラ)と、コントロールレシピにおける各種操作条件とを対応付けて規定しておいてもよい。なお、上記フォーミュラとしては、例えば各オペレーションあるいは各フェーズにおいて扱われる物質量、物質の移動速度、温度、圧力などの情報(操作条件)が含まれる。なお、各設備における固有の条件(例えばあるフェーズを実行した後、次の特定のフェーズの実行を開始するまでに必要な待ち時間など)はマスターレシピ情報には含まれず、コントロールレシピ情報に含まれる。
例えば、図2の例では、マスターレシピのオペレーション「溶媒仕込」において、各溶媒種(溶媒種1;メタノール、溶媒種2;トルエン、溶媒種3;アセトン)と各溶媒種を貯蔵した設備(使用設備1;TK−101、使用設備2;TK−102、使用設備3;TK−103)とが対応付けられている。また、マスターレシピにおける仕込量、仕込速度、仕込時間、終了時間等の条件と、コントロールレシピにおける各条件とが対応付けられている。
(3.コントロールレシピ作成装置1の処理の具体例)
次に、ジェネラルレシピからマスターレシピを作成し、それに基づいてコントロールレシピを作成する一連の処理について、具体例を参照しながら説明する。図3は、CR作成装置1によって作成したコントロールレシピを用いる製造設備の一例を示す説明図である。ここでは、図3に示した製造設備を用いて、固体原料A,溶媒B,液体原料Cから製品Dを製造する処理を例として説明する。
図3に示すように、上記の製造設備は、反応ユニットA、ろ過・乾燥ユニットB、滴下槽31、廃液タンク38、溶媒タンク39、溶媒ポンプ40を備えている。
反応ユニットAは、ホッパー32を備えた反応機35、反応機35内を加熱する加熱装置33、反応機35内を冷却する冷却装置34、反応機35から排出される液体の分液状態を検知する分液検知設備36を備えている。また、ろ過・乾燥ユニットBは、ろ過・乾燥機37を備えている。
ホッパー32は、反応機35内に滴下させる液体原料Cを貯蔵する貯槽である。溶媒タンク39は、反応機35に供給する溶媒Bを貯蔵する貯槽であり、溶媒ポンプ40は溶媒タンク39から反応機35に溶媒Bを移送するためのものである。廃液タンク38は、反応機35から分液された廃液(分液下層)およびろ過・乾燥機37においてろ過された後の廃液(ろ別液)を受け入れる貯槽である。
ろ過・乾燥機37は、反応機35から供給される液体(分液上層)をろ過して必要な成分を抽出し、それを乾燥して製品Dとして排出するものである。
なお、上記の製造設備に備えられる各機器の動作は、DCS(Distributed Control system;分散型制御システム)などの制御装置2によって制御される。また、この制御装置2は、CR作成装置1によって作成されたコントロールレシピ(CRc)に基づいて各機器の動作を制御するようになっている。
(3.1 ジェネラルレシピ)
図4は、上記製品Dを製造するためのジェネラルレシピを示す説明図である。この図に示すように、固体原料Aの仕込、溶媒Bの仕込、昇温、液体原料Cの仕込、反応、液液分離、冷却、固液分離の各工程を経て製品Dが製造される。なお、ジェネラルレシピの段階では、使用する製造設備については想定されておらず、製品Dを所定量生産するためにどのような処理を行うべきかが記載されている。
(3.2 マスターレシピ)
マスターレシピは、操作者が、製造設備の構成、制御装置の機能などを考慮して、ジェネラルレシピを実現するためのオペレーションを順次当てはめていくことによって作成する。図5は、図4に示したジェネラルレシピに基づいて作成されたマスターレシピを示す説明図である。なお、本実施形態では、操作者が表示部13に表示される内容を見ながら入力部14を介して入力指示を行うことにより図5に示すようなマスターレシピが表示部13上に作成されるようになっている。また、作成されたマスターレシピは、記憶部12に記憶されるようになっている。
ここで、マスターレシピを作成する際の処理について説明する。
まず、操作者が入力部14を介してマスターレシピの作成を開始する旨を入力すると、主制御部21は、表示制御部23を制御し、表示部13にマスターレシピ作成用の画面を表示させる。このマスターレシピ作成用の画面は特に限定されるものではないが、例えば、表の各セルに各種データを埋め込んでいくような態様であってもよい。
この場合、表の最上段の行は見出し欄として、例えば各列に以下のような項目等をあらかじめ記載しておけば入力しやすい。
(1)オペレーション名。
(2)そのオペレーションから、下向きに、どのオペレーションへ縦線を引くか(そのオペレーションの次に実行するオペレーションとしてどのオペレーションを選定するか)。
(3)そのオペレーションで投入される投入物質の名。
(4)上記投入物質の量。
(5)そのオペレーションで排出される排出物質の名。
(6)上記排出物質の量。
(7)上記投入物質が、別のオペレーションにおける排出物質である場合、どのオペレーションの排出物質であるか。
上記項目(2)〜(7)において、該当しないときは、その旨を意味するデータを入力する(空欄にしておくというケースも含む)。該当しないときとは、項目(1)において縦線を引かない場合や、項目(3)〜(6)において物質の投入や排出を行わない場合などである。
表の各行には重複しない番号(行番号)をあらかじめ付けておけば入力しやすい。例えば、1、2、3、…のように1から始まる整数とする。この場合、上記項目(2)において、例えば、「3」と入力すれば、「行番号3のオペレーションへ縦線を引く」という意味の入力が可能になる。またこの場合、縦線を引かないのであれば、その旨を意味するデータとして、例えば「0」を入力すればよい。また、デフォルトとして、何も入力しなければ、すぐ下のオペレーションへ縦線をつなぐという意味に解釈されるようにしてもよい。
なお、上記の例ではレシピを表形式で入力したが、例えばCSV(Comma Separated Value)形式等のテキストファイルで入力するようにしてもよい。また、あらかじめ、対話形式でレシピデータの入力が行えるようなソフトウェアを用意しておき、画面からの問い合わせに応じて操作者が順次処理名や投入物質名などのレシピデータを入力するようにしてもよい。
また、これらのレシピデータは、操作者が手動で入力してもよいし、あるいは、種々の条件値を操作者が任意に入力するとあらかじめ決めておいた制限に基づいて最適なレシピデータを計算するソフトウェアを利用してもよい。この場合、上記のソフトウェアによって計算された最適なレシピデータを操作者が入力部14を介して入力してもよいし、ソフトウェアが計算した最適なレシピデータを上記の表へ自動的に読み込ませるようにしてもよい。また、上記のソフトウェアから得られるレシピデータに、操作者が手動で入力したレシピデータを追加するようにしてもよい。また、これらのデータをデータベースとして格納しておき、そのデータベースを参照してマスターレシピを作成できるようにしてもよい。
以上の入力が完了すると、主制御部21は、表示制御部23を制御し、項目(1)に従ってオペレーション名を記載された順に上から下へ矩形で囲って描き、項目(2)に従って矩形図形を縦線でつないでいく。なお、各オペレーションを上から下へ処理順に並べる構成に限らず、例えば、左から右、右から左、下から上、斜め上から斜め下などに並べてもよい。また、ここでは、オペレーション名を矩形内に表示しているが、各オペレーションの表示方法はこれに限らず、オペレーション名を理解できさえすればよい。例えば、オペレーション名が「仕込」の場合、「仕」の文字がオペレーション名の初めであって「込」の文字がオペレーション名の終わりであることが操作者にわかればよい。このため、矩形以外の図形(円や楕円など)で囲んでもよいし、あるいは、該当文字に下線を引く、該当文字に目立つ色を付けるなどしてもよい。後述する排出物質、投入物質の表示についても同様である。
また、項目(7)の場合、前のオペレーション名を囲む矩形から画面上の右方向へ矢印を引き、その矢印の先に「反応物(反応物名)」を表示し、その「反応物」からさらに右方向に矢印を延長し、その矢印の先端にこの線を特定するための記号(例えば丸で囲った数字「1」)を表示する。そして、後のオペレーションについては、上記と同じ記号(例えば丸で囲った数字「1」)と、その記号から当該オペレーションでの投入物質である「反応物」と、上記の記号から「反応物」へ向かう矢印と、「反応物」から当該オペレーション名を囲む矩形へ向かう矢印とを表示する。ここで、項目(7)に該当するオペレーションが他にもある場合、上記の線を特定するための記号は、項目(7)に該当する各オペレーションを区別できるように主制御部21が自動的に付けていくようにすればよい。例えば、2個あった場合は1つ目を丸付き数字の「1」とし、2つ目を丸付き数字の「2」とすればよい。また、上記の記号は、数字に限らず、文字や図形であってもよい。
なお、項目(7)の場合の表示は、これに限らず、前のオペレーションと後のオペレーションとが異なる機器で行われること、前のオペレーションの排出物質が後のオペレーションでの投入物質になることを容易に理解できる表示方法であればよい。つまり、単一の機器における各オペレーションの連関を表すための表示方法(上記の例では、各矩形図形をつなぐ縦線)とは異なる表示方法で、前のオペレーションでの排出物質が後のオペレーションでの投入物質になることを表現できる表示方法であればよい。
例えば、前のオペレーション名を囲む矩形から画面上の右方向へ矢印を引き、その矢印の先に「反応物(反応物名)」を表示し、そこから右方向に向かった後屈曲して下へ向かい、さらに屈曲してその反応物の排出操作であるオペレーション(前のオペレーション)とその反応物の投入操作であるオペレーション(後のオペレーション)との間を通る水平な直線で左へ移動し、さらに屈曲して下へ向かい、更に屈曲して右向きの水平な直線で後のオペレーション名を囲む矩形図形に向かう矢印を表示するようにしてもよい。
また、どのような表示方法を採用するかは、主制御部21が表示制御部23を制御して表示部13に表示方法を選択するためのメニューを表示し、操作者が入力部14を介して好みのメニューを選択できるようにしてもよい。この場合、主制御部21は、どの表示方法が選択されたかを示す情報を記憶部12に格納し、マスターレシピを描くときにその情報を参照するようにすればよい。また、例えば、主制御部21が、表示するマスターレシピが単一ページ内に納まる場合と、複数ページにわたる場合とで異なる表示方法を自動的に選択するようにしてもよい。
また、上記項目(7)を示す矢印の近傍に、排出する物質の量などを表示してもよい。また、投入物質を該当するオペレーションの右に表示し、排出物質を該当するオペレーションの左に表示し、各矢印を上記した例とは逆向きに付けてもよい。
なお、上記のマスターレシピの表示に加えて、主制御部21が、表示制御部23を制御し、操作条件や機器条件等の処理条件を併せて表示させるようにしてもよい。例えば、上記のように表示される各オペレーション名の側方(例えば右方向)に、各オペレーションに関する操作条件と機器条件とを表示してもよい。より具体的な例としては、例えば、表示画面の表示領域を横3つに区分けし、左から順に、マスターレシピ表示用領域(第1領域)、操作条件表示用領域(第2領域)、機器条件表示用領域(第3領域)とする。そして、操作条件表示用領域および機器条件表示用領域における各オペレーションを表す図形と同じ行あるいはその近傍の位置に、対応する各オペレーションに関する操作条件および機器条件を表示する。
上記の操作条件とは、例えば、その機器で各種パラメータ(温度や圧力など)をどのように設定するかを表すものである。上記の機器条件とは、例えば、どのような機器を使うかを表すものである。
なお、操作条件および機器条件のうち、両方を表示させてもよく、片方だけを表示させてもよく、両方とも表示させないようにすることもできる。また、その選択は操作者が任意に行えるようにしてもよい。また、上記の例では、表示画面の横3つに区分けされた表示領域が、左から順に、マスターレシピ表示用領域、操作条件表示用領域、機器条件表示用領域となっているが、これに限らず、上記各表示領域の配置は、操作者が任意に設定できるようにしてもよい。例えば、左から順に、操作条件表示用領域、マスターレシピ表示用領域、機器条件表示用領域としてもよい。
また、例えば、あるオペレーションを行った後に、そのオペレーションによる生成物の物性や収率などを調べるために、分析処理を適宜設定することができる。これは、他のオペレーションと同様、一つの独立した処理として、分析対象のオペレーションのすぐ下に縦線でつないで表示してもよい。あるいは、分析対象のオペレーションを表す矩形図形の斜め下などに、ここで分析を行う旨を表す記号を描くようにしてもよい。
ここで、上記操作条件の表示を併せて行う場合の手順の一例について説明する。基本的には、前述のマスターレシピを表示させるための処理と同じである。前述のマスターレシピのデータを入力する表において、あらかじめ、次の項目を追加しておく。
(8)操作条件。
(9)機器条件。
そして、各オペレーションを表す各行の上記各項目欄(上記項目(1)〜(7))に、操作条件や機器条件などの該当データを入力していく。なお、この操作条件データは、前述の場合と同じく、操作者が手動で入力してもよく、また、これらの操作条件データを計算するソフトウェアや、これらの操作条件データをデータベースとして格納しているシステムなどを利用して入力してもよい。すなわち、これらの操作条件データは、操作者が手動で入力してもよいし、あるいは、あらかじめ、種々の条件値を操作者が任意に入力すると、そこからあらかじめ決めておいた制限から、最適な操作条件データを計算するソフトウェアがあればそれを利用して、計算された最適な操作条件データを操作者が入力してもよい。あるいは、さらに、そのようなソフトウェアから上記の表へ、そのような計算された最適な操作条件データが自動的に読み込まれるようにしてもよい。
以上の入力が完了すると、主制御部21は、表示制御部23を制御し、表示画面の表示領域を横3つに区分けし、一番左の領域にマスターレシピを描く。そして、真ん中の領域では、項目(8)に従い、操作条件を、対応するオペレーションの真横の位置に表示する。また、一番右の領域では、項目(9)に従い、機器条件を、対応するオペレーションおよび操作条件の真横の位置に表示する。
なお、上記のように、操作者が、操作条件および機器条件のうちどれを表示させるかを選ぶことができるように、主制御部21が表示制御部23を設定(制御)して、表示領域の特定の場所にどれを表示させるかを選ぶメニューを表示させ、選択の指示があればそれに則って表示をオン・オフするようにしてもよい。
また、上記のように、操作者が、主制御部21が表示制御部23を制御し、表示画面の横3つに区分けされた表示領域のどこに上記3種のうちどの情報を配置させるかを選ぶことができるように、表示領域の特定の場所に配置を決めるメニューを表示させ、配置の指示があればそれに則って各情報を表示画面上で配置するようにしてもよい。
このように、本実施形態では、マスターレシピを表示する際、個々のオペレーション同士の時間的な前後関係(連関)を表示する。また、同一の機器で行うオペレーション同士については、オペレーションを表す図形(例えば矩形図形)同士を、実行する時間的な順序に従って所定方向(例えば縦)の線(例えば矢印線)でつないで表示する(第1ルール)。一方、異なる機器で行うオペレーション同士については、オペレーションを表す図形同士を、上記第1ルールで採用する線(例えば縦)で接続しないで表示する(第2ルール)。なお、第1ルールおよび第2ルールは、上記した例に限らず、例えば、ある機器のオペレーションを表す矩形図形は黄色(第1の色)で描き、機器が替わると、オペレーションを表す矩形図形を白(第2の色)で描くなど、色分けするようにしてもよい。あるいは、機器が替わるところで、替わる直前のオペレーションと替わった直後の処理との両矩形図形の間の位置で、ディスプレイ画面の左端から右端に渡る境界線となる直線を引くようにしてもよい。
これにより、操作者に、各オペレーションをどの機器で行うのか、操作手順、機器への物質収支および機器条件といった情報、あるいは機器で行われている現象などを操作者に容易に理解させることができる。また、マスターレシピの各オペレーションのための細かな条件を容易に作成し、作成後には迅速に確認することができる。それゆえ、温度条件、攪拌条件、圧力条件等の個々のオペレーションの条件や、オペレーションを実行する機器の材質、容量、消費電力、形状、大きさ等の機器仕様の詳細を、所定の位置あるいは任意の位置に表示し、操作者に容易に理解させることができる。
また、本実施形態では、前の機器からの排出物質が後の機器に投入される原料となる場合には、両物質が同一であることを、記号などを用いて表示する。あるいは、その排出物を排出するオペレーションから、後側の機器の初めのオペレーションまで、上記縦線(各オペレーションの連関を表す表示)とは異なる線で線を引くようにしてもよい。
また、表示部13の表示画面中に、各オペレーションで使用される機器の名称が表示されるようにしてもよい。このような表示により、各オペレーションが行われる機器を、オペレーション者が容易に把握することができる。
なお、2つの機器を同時に使用するオペレーションがある場合には、両機器についてそれぞれオペレーションを表示するようにしてもよい(第3ルール)。
マスターレシピを本実施形態のように表示することにより、(1)物質の流れが理解しやすくなる、(2)オペレーションの流れそのものを理解しやすくなる、(3)機器ごとに行われるオペレーションを容易に理解できる。
また、上記のマスターレシピ表示用領域、操作条件表示用領域、機器条件表示用領域に表示する情報は、必ずしも全ての情報に対応するものでなくてもよい。例えば、通常は各領域に主要な情報のみを表示させ、入力部14を介して操作者からの指示があったとき(例えば上記いずれかの領域の一部をマウスポインタ等で指定したとき)に、該当する情報の詳細情報を表示するようにしてもよい。これにより、操作者は、上記各領域を表示している画面とは別個に上記の詳細情報を表示させるための指示を入力する必要がない。
(3.3 コントロールレシピ)
次に、マスターレシピに基づいてコントロールレシピを作成する処理について説明する。図6は、コントロールレシピを作成するための処理の流れを示すフロー図である。
まず、主制御部21は、入力部14を介してマスターレシピの選択指示およびコントロールレシピの作成開始指示を受け付けると、記憶制御部22を制御し、記憶部12から指定されたマスターレシピデータを、M2C記憶部11から中継データベースを、それぞれ図示しないRAM等のメモリーに読み込む(S1)。そして、主制御部21は、CR作成部26に、上記のように読み込んだマスターレシピに基づいてコントロールレシピの作成を開始させる。CR作成部26は、上記のメモリーに読み込まれたマスターレシピデータおよび中継データベースを参照しながら、後述するようにコントロールレシピデータをメモリー上で作成していく。
なお、マスターレシピデータを有線または無線によって通信可能に接続される外部機器から取り込むようにしてもよい。あるいは、入力部14を介して操作者が作成するマスターレシピデータに基づいて、コントロールレシピデータを作成するようにしてもよい。また、ここでは、主制御部21がマスターレシピデータおよび中継データベースを上記のメモリーに読み込むものとしたが、これに限らず、以下の処理においてマスターレシピデータまたは中継データベースを参照する機会ごとに、CR作成部26がM2C記憶部11あるいは記憶部12にアクセスして必要なデータを読み出すようにしてもよい。
CR作成部26は、主制御部21からのコントロールレシピの作成開始指示を受けると、マスターレシピデータからユニット名を抽出し(S2)、中継データベースからS2で抽出したユニット名(マスターレシピにおけるユニット名)に該当するコントロールレシピにおけるユニット名を抽出(検索)する(S3)。そして、S3において抽出したユニット名を、コントロールレシピにおけるユニット名として設定する(S4)。なお、S2においてユニット名を抽出する際には、その時点でコントロールレシピにおけるユニット名への変換処理(上記S2〜S4の処理)が行われていないユニットのうち、時系列的に最も早く実行されるべきオペレーションを実行するユニットを選択する。
次に、CR作成部26は、マスターレシピデータからオペレーション名を抽出し(S5)、中継データベースからS5で抽出したオペレーション名(マスターレシピにおけるオペレーション名)に該当するコントロールレシピにおけるオペレーション名を抽出(検索)する(S6)。そして、S6において抽出したオペレーション名を、コントロールレシピにおけるオペレーション名として設定する(S7)。なお、S5においてオペレーション名を抽出する際には、その時点でコントロールレシピにおけるオペレーション名への変換処理(上記S5〜S7の処理)が行われていないオペレーションであって、S2において選択されたユニットにおいて時系列的に最も早く実行されるべきオペレーションを選択する。
次に、CR作成部26は、マスターレシピ情報からS5で選択したオペレーションに対応するフェーズを抽出し(S8)、中継データベースからS8で抽出したフェーズ(マスターレシピにおけるフェーズ)に該当するコントロールレシピにおけるフェーズを抽出(検索)する(S9)。そして、S9において抽出したフェーズを、コントロールレシピにおけるフェーズとして設定する(S10)。
さらに、CR作成部26は、マスターレシピ情報からS5で選択したオペレーションまたはS8で選択したフェーズに対応するフォーミュラを抽出し(S11)、中継データベースからS11で抽出したフォーミュラ(マスターレシピにおけるフォーミュラ)に該当するコントロールレシピにおけるフォーミュラを抽出(検索)する(S12)。そして、S12において抽出したフォーミュラを、コントロールレシピにおけるフォーミュラとして設定する(S13)。
その後、CR作成部26は、次のフォーミュラがあるかどうか、すなわちS5で選択したオペレーションまたはS8で選択したフェーズに対応するフォーミュラを全て変換処理(上記S11〜S13の処理)したかどうかを判断する(S14)。そして、次のフォーミュラがある場合には、そのフォーミュラについてS11以降の処理を行う。
S14において次のフォーミュラがないと判断した場合、CR作成部26は、次のフェーズがあるかどうか、すなわちS5で選択したオペレーションに対応するフェーズを全て変換処理したかどうかを判断する(S15)。そして、次のフェーズがある場合には、そのフェーズについてS8以降の処理を行う。
S15において次のフェーズがないと判断した場合、CR作成部26は、次のオペレーションがあるかどうか、すなわちS2で選択したユニットにおいて行われるオペレーションを全て変換処理したかどうかを判断する(S16)。そして、次のオペレーションがある場合には、そのオペレーションについてS5以降の処理を行う。
S16において次のオペレーションがないと判断した場合、CR作成部26は、次のユニットがあるかどうか、すなわちコントロールレシピへの変換処理を行っていないユニットがあるかどうかを判断する(S17)。そして、次のユニットがある場合には、そのユニットについてS2以降の処理を行う。一方、次のユニットがないと判断した場合、すなわちS17において全てのユニットについてコントロールレシピへの変換処理が完了したと判断した場合、CR作成部26は処理を終了する。この場合、主制御部21は、記憶制御部22を制御し、CR作成部26の作成したコントロールレシピを記憶部12に記憶させる。
図7は、M2C記憶部11に格納されている中継データベースにおけるマスターレシピのオペレーション名とコントロールレシピのオペレーション名との対応関係の一例を示す説明図である。また、図8は、CR作成装置1によって作成されるコントロールレシピ(CRa)を示す説明図である。
これらの図に示すように、図5のマスターレシピにおけるオペレーション「粉体仕込」は、図7に示す中継データベースに基づいて「ホッパー仕込」に変換され、図8に示すようにコントロールレシピではオペレーション「ホッパー仕込」として設定される。他のオペレーションについても同様に変換される。
なお、図5のマスターレシピにおけるオペレーション「分液」は、コントロールレシピにおいてはオペレーション「撹拌停止」,「保温」,「分液」として設定される。このように、マスターレシピにおける1つのオペレーションが、コントロールレシピにおいては複数のオペレーションの組み合わせに変換される場合もある。
なお、本実施形態では、上記のように作成したコントロールレシピ(CRa)を、上記したマスターレシピの表示方法と同様の表示方法で表示部13に表示させるようになっている。これにより、マスターレシピと同様、各オペレーションをどの機器で行うのか、各操作手順、機器への物質収支および機器条件といった情報、あるいは機器で行われる現象などを操作者に容易に理解させることができる。
また、本実施形態では、ユニット、オペレーション、フェーズ、フォーミュラを順次抽出しているが、これに限らず、これらのデータの一部または全体を一度に抽出してもよい。
また、例えば、マスターレシピ情報から読み出したフォーミュラ情報(あるいはフォーミュラ情報に記述された値)が、中継データベースにおいて定義されていないような場合、別途規定したフォーミュラ情報(あるいは値)を与えるなどして、マスターレシピに依存しないルールによって定義してもよい。同様に、マスターレシピ情報に含まれないがコントロールレシピにおいて必要な場合(制御装置の設定値など)、別途規定した情報(あるいは値)を与えるなどして、マスターレシピに依存しないルールによって定義してもよい。
次に、CR第1変換部27の行う処理について説明する。CR第1変換部27は、上記したように、CR作成部26の作成したコントロールレシピ(CRa)を、出力先の制御装置に応じた表現方法に変換した制御装置用コントロールレシピ(CRb)を作成するものである。つまり、上記のコントロールレシピCRaは、表示部13にそれを表示させることによって、操作者がコントロールレシピの内容を容易に理解できるように汎用的な形式(上記したマスターレシピと同様の表示方法に応じた形式)で記述されている。CR第1変換部27は、コントロールレシピCRaを、出力先の制御装置に応じた形式に変換する。
図9は、CR第1変換部27の作成した制御装置用コントロールレシピ(CRb)の一例を示す説明図である。
この図に示すように、CR第1変換部27は、例えば、各ユニット(各機器)のオペレーションを開始するときにまず初期条件処理用のオペレーションを設定する必要がある場合には、各ユニットにおける最初のオペレーションとして「初期化」を設定する。また、各ユニットにおける最後のオペレーションを実行した後に、終了処理用のオペレーションを設定する必要がある場合には、各ユニットにおける最後のオペレーションとして「終了処理」を設定する。このほかにも、コントロールレシピを出力する制御装置に固有の条件がある場合には、CR第1変換部27は、コントロールレシピ(CRa)を、その条件を反映した制御装置用コントロールレシピ(CRb)に変換する。
なお、制御装置用コントロールレシピ(CRb)を作成するために必要となる上記の条件は、例えば記憶部12あるいはM2C記憶部11に予め格納されていてもよく、あるいは入力部14を介して操作者が入力してもよい。また、制御装置からCR作成装置1に出力されるようにしてもよい。
次に、CR第2変換部28の行う処理について説明する。CR第2変換部28は、上記したように、CR第1変換部27によって作成された制御装置用コントロールレシピ(CRb)を、出力先の制御装置において製造設備に備えられる各機器を制御するために用いられるデータ形式およびファイル形式に変換した出力用コントロールレシピ(CRc)を作成するものである。
図10は、出力用コントロールレシピ(CRc)の一例を示す説明図であり、制御装置として横河電気製DCS(CENTUM CS3000 Batch(登録商標))を用いる場合の一例を示している。この図に示すように、CR第2変換部28は、制御装置用コントロールレシピ(CRb)に応じて、ユニットを定義し、初期条件(ヘッダ情報)がある場合にはヘッダ情報を設定し、各オペレーションを制御装置に応じたデータ形式に変換するとともに、連続するオペレーションをつなぐためのデータを作成する。そして、全てのオペレーションの変換を終えたら、変換したデータをテキストファイル形式に変換して出力用コントロールレシピ(CRc)を生成する。
なお、出力用コントロールレシピ(CRc)を作成するために必要となるデータ形式、ファイル形式等の各条件は、例えば記憶部12あるいはM2C記憶部11に予め格納されていてもよく、あるいは入力部14を介して操作者が入力してもよい。また、制御装置からCR作成装置1に出力されるようにしてもよい。
また、図9および図10に示した制御装置用コントロールレシピCRb,出力用コントロールレシピCRcは単なる一例にすぎず、各コントロールレシピの構成はこれに限るものではない。また、CR作成装置1は、必ずしもCR第1変換部27およびCR第2変換部28を備える必要はなく、これらの変換部の一方または両方が制御装置側に備えられていてもよい。また、CR第2変換部28が、CR作成部26の作成したコントロールレシピ(CRa)から出力用コントロールレシピ(CRc)を直接作成するようにしてもよく、この場合にはCR第1変換部27を省略してもよい。また、マスターレシピから制御装置用コントロールレシピ(CRb)を直接作成するようにしてもよく、マスターレシピから出力用コントロールレシピ(CRc)を直接作成するようにしてもよい。
(4.コントロールレシピ作成装置1の作用効果)
このように、CR作成装置1は、マスターレシピにおける各情報(ユニット、オペレーション、フェーズ、フォーミュラ等)と、コントロールレシピにおける各情報(ユニット、オペレーション、フェーズ、フォーミュラ等)とを対応付けた中継データベースを備えている。これにより、マスターレシピを作成する際、種々のプロセス、設備の制約などを統一した表現方法(個々の設備に依存しない表現方法)で記述することができる。そして、このように統一した表現方法で記述されたマスターレシピから、実設備に即した表現方法(個々の設備に固有の表現方法)で記述されたコントロールレシピを容易に作成できる。換言すれば、ユニット名、オペレーション名、フェーズ名、フォーミュラ等を設備に依存しない統一的な表現方法で記述したマスターレシピを用いて、これらの各情報を設備に応じた表現方法で記述したコントロールレシピに容易に変換できる。
例えば、液体を反応設備に仕込む処理としては、貯槽から液体を送液して仕込む「送液」、貯槽から滴下させて仕込む「滴下」など、複数の処理が考えられる。しかしながら、上記のような中継データベースを用いることにより、マスターレシピではユニットを指定し、オペレーションとして「仕込」を指定することで、コントロールレシピにおけるそのユニットに応じた「仕込」(例えば「送液」、「滴下」など)を特定できる。
したがって、マスターレシピにおいて種々のプロセス、設備の制約などを設備や品目に依存しない汎用的な表現方法で記述するとともに、種々のプロセス、設備の制約などを設備依存性の高い表現方法で記述されたコントロールレシピを作成することができるので、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減できる。つまり、各製造設備において実行可能なオペレーションについての情報を記述した中継データベースを事前に登録しておくことで、例えば、製造設備を変更する場合や新規品目を製造するためのコントロールレシピを作成する場合に、設備を意識しない表現方法でマスターレシピを作成でき、マスターレシピを作成する際の負荷を大きく低減できる。
また、中継データベースには、各オペレーションを構成する各フェーズおよびそれを実現するための、例えばバルブの開閉,ポンプの起動停止などの1つ1つの操作(動作)が予め登録されている。
このため、操作者は、マスターレシピにおいて利用する製造設備および実行するオペレーションを順次指定するだけで、それに対応するコントロールレシピを得ることができる。したがって、操作者の利便性を大幅に向上できる。
また、従来のコントロールレシピを自動作成する技術では、1つ1つの操作を順次積み上げてコントロールレシピを作成していた。つまり、従来の技術では、コントロールレシピを自動作成する際、マスターレシピごとに各製造設備における1つ1つの処理が選択されるので、作成されるコントロールレシピによってどのような操作がどのような操作順序で行われるのかを予見できなかった。このため、従来の技術では、作成されたコントロールレシピを詳細に解析するか、あるいは作成したコントロールレシピに基づいて製造設備を実際に動作させて、1つ1つの動作を確認する必要があった。
これに対して、CR作成装置1では、コントロールレシピにおける各オペレーションを中継データベースに事前に規定(登録)しておく。したがって、中継データベースに記憶させておく各オペレーションについて事前に実際の実行結果をチェックしておくことができる。これにより、マスターレシピに基づいて自動作成したコントロールレシピの実行結果のチェックを省略あるいは簡略化できる。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図11〜図18に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前述した実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前述した実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(1.マスターバッチレコード作成装置101の構成)
本発明の他の実施形態について説明する。図11は、本実施形態にかかるMBR(マスターバッチレコード)作成装置101の構成を示すブロック図である。
MBR作成装置101は、マスターレシピ(マスターレシピをデータ化したマスターレシピデータ)に基づいてマスターバッチレコードを作成する装置である。なお、上記製造指図書・記録書(製造マスターバッチレコード)とは、製品のレシピをもとにして、使用する設備ごとに適切な条件で製造を行うことができるように、作業に必要な情報および記録するべき項目についての記述が行われているものである。例えば、例えば、取り扱い物質の量、状態(液体か、気体か、固体か、固体であれば微粉であるかなど)、当該物質の性状(安全性など、物質を取り扱うために必要とされる情報)、作業の方法などや、原料の仕込量、仕込時間、運転温度、分析結果の記録などに加え、法規上の要件(当該物質の取り扱いの資格要否や、取り扱いに関する記録の要否など)、プロセスの危険性に関する情報(適切な製造条件から逸脱した際の処置方法など)について記述されている。
図11に示すように、MBR作成装置101は、制御部110、M2R記憶部111、記憶部112、表示部113、入力部114、出力部115を備えている。
M2R記憶部111は、マスターレシピに記述される情報と、製造指図書・記録書に記述される情報とを対応付けた中継データベース(M2R情報)を記憶(格納)するものである。なお、マスターレシピに記述される情報としては、例えば、各オペレーションを実行するユニット(設備)を特定するための情報(ユニット名等)、各オペレーション名、各オペレーションの操作条件(フォーミュラ)などが挙げられる。また、製造指図書・記録書に記述される情報としては、例えば、標準製造指図書・記録書が挙げられる。ここで、標準製造指図書・記録書(標準製造マスターバッチレコード)とは、例えば、製造を適切に行う条件の範囲設定、記録すべき項目、および記録内容を、ユニットの種類・型式ごと、オペレーションごとに作成した、製品に依存するデータの入っていない製造指図書・記録書の雛形である。また、中継データベースの詳細については後述する。
記憶部112は、マスターレシピデータ(マスターレシピ情報)、製造指図書・記録書のデータ等を記憶する。また、記憶部112は、制御部110に備えられる各ブロックを動作させるためのプログラムを記憶する。
表示部113は、マスターレシピ、製造指図書・記録書等を表示するものである。
入力部114は、操作者からの入力指示や外部からのデータ(マスターレシピ等)の入力を受け付けるものである。例えば、操作者は、表示部113に表示される内容を参照しながらキーボード,マウスポインタ等からなる入力部114を介してマスターレシピに記述する各項目を入力することで、マスターレシピ(マスターレシピデータ)を作成できる。なお、入力部114は、記録媒体に記録されたデータを読み出して取得するものであってもよく、ネットワーク等を介して送信されたデータを受信して取得するものであってもよい。
出力部115は、MBR作成装置101において作成した製造指図書・記録書等のデータを外部の機器(例えばプリンターなど)、あるいは記録媒体等に出力するものである。なお、本実施の形態では、プリンターを外部に備える構成になっているが、必ずしもこれに限らない。例えば、MBR作成装置101の内部にプリンターの機能を有する部材を備え、出力部115から出力される製造指図書・記録書等を上記プリンター機能を有する部材によって印刷する構成であってもよい。
制御部110は、主制御部121、記憶制御部122、表示制御部123、入力制御部124、出力制御部125、およびMBR作成部126を備えている。
主制御部121は、制御部110に備えられる各ブロック(各制御部)を統括して制御するものである。
記憶制御部122は、主制御部121の指示に応じて、M2R記憶部111や記憶部112に対するデータの書き込み、M2R記憶部111や記憶部112からのデータの読み出し等を行うものである。
表示制御部123は、主制御部121の指示に応じて、表示部113の表示状態を制御する。
入力制御部124は、入力部114を介して入力される操作指示、データ等を主制御部121に伝達するものである。
出力制御部125は、主制御部121の指示に応じて、出力部115の動作を制御するものである。
MBR作成部126は、マスターレシピデータに基づいて製造指図書・記録書のデータを作成するものである。
なお、M2R記憶部111、記憶部112、表示部113、入力部114、出力部115は、MBR作成装置101に対して有線または無線によって通信可能に接続される外部装置であってもよい。また、この場合、記憶制御部122、表示制御部123、入力制御部124、および出力制御部125は、必ずしもMBR作成装置101に設けられる必要はなく、上記外部装置側に備えられていてもよい。
また、M2R記憶部111に記憶させておく中継データベースを、入力部114を介して取得したデータに基づいて追加,更新,変更可能な構成としてもよい。例えば、主制御部121が、入力部114を介して入力される操作者からの指示に応じて記憶制御部122を制御し、中継データベースの各項目を変更させてもよく、入力部114を介して外部の装置から取得した中継データベースをM2R記憶部111に記憶されている中継データベースに上書き保存するようにしてもよい。また、この場合、表示部113に中継データベースの内容を表示させ、操作者がこの表示を見ながら中継データベースに登録(記憶)する内容を追加したり変更したりできるようにしてもよい。
(2.中継データベースの一例)
図12は、M2R記憶部111に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。この図に示すように、中継データベースには、マスターレシピに記述される情報と、それに対応する製造指図書・記録書に記述される情報とが登録されている。
また、図12には示していないがマスターレシピにおけるユニット名と、製造指図書・記録書におけるユニット名とが対応付けられている。なお、マスターレシピと製造指図書・記録書との両方において同じユニット名が用いられてもよいし、両者の対応付けさえなされていれば、異なるユニット名が用いられていてもよい。
また、マスターレシピにおけるオペレーション名と、製造指図書・記録書におけるオペレーション名(標準製造指図書・記録書名)とが対応付けられている。例えば、マスターレシピにおけるオペレーション名「粉体仕込」は、製造指図書・記録書における標準製造指図書・記録書名「マンホール仕込」に対応付けられている。
なお、マスターレシピにおけるオペレーションと、製造指図書・記録書におけるオペレーション(標準製造指図書・記録書)とは必ずしも1対1に対応していなくてもよい。つまり、製造指図書・記録書における1つの標準製造指図書・記録書が、マスターレシピにおける複数のオペレーションの組み合わせ(特定の順序で並べられた複数のオペレーション)と対応付けられていてもよい。例えば、図12の例では、製造指図書・記録書における標準製造指図書・記録書「粉体仕込,窒素置換」は、マスターレシピにおけるオペレーション「粉体仕込」「窒素置換」をこの順で並べた処理と対応付けられている。
(3.マスターバッチレコード作成装置101の処理の具体例)
次に、ジェネラルレシピからマスターレシピを作成し、それに基づいてマスターバッチレコード(製造指図書・記録書)を作成する一連の処理について、具体例を参照しながら説明する。図13は、MBR作成装置101によって作成した製造指図書・記録書を用いて製造を行う製造設備の一例を示す説明図である。ここでは、図13に示した製造設備を用いて、固体原料G,溶媒H,液体原料Iから製品Jを製造する処理を例として説明する。
図13に示すように、上記の製造設備は、反応ユニットK、ろ過・乾燥ユニットL、滴下槽131、廃液タンク138、溶媒タンク139、溶媒ポンプ140を備えている。
反応ユニットKは、マンホール141を備えた反応機135、反応機135内を加熱する加熱装置133、反応機135内を冷却する冷却装置134、反応機135から排出される液体の分液状態を検知する分液検知設備136を備えている。また、ろ過・乾燥ユニットLは、ろ過・乾燥機137を備えている。
マンホール141は、反応機135に付属する開口できる部分であって、反応機135内に滴下させる液体原料Iが通るものである。溶媒タンク139は、反応機135に供給する溶媒Hを貯蔵する貯槽であり、溶媒ポンプ140は溶媒タンク139から反応機135に溶媒Hを移送するためのものである。廃液タンク138は、反応機135から分液された廃液(分液下層)およびろ過・乾燥機137においてろ過された後の廃液(ろ別液)を受け入れる貯槽である。
ろ過・乾燥機137は、反応機135から供給される液体(分液上層)をろ過して必要な成分を抽出し、それを乾燥して製品Jとして排出するものである。
なお、上記の製造設備に備えられる各機器の動作は、DCS(Distributed Control system;分散型制御システム)などの制御装置102によって制御される。
(3.1 ジェネラルレシピ)
図14は、上記製品Jを製造するためのジェネラルレシピを示す説明図である。この図に示すように、固体原料Gの仕込、溶媒Hの仕込、昇温、液体原料Iの仕込、反応、液液分離、冷却、固液分離の各工程を経て製品Jが製造される。なお、ジェネラルレシピの段階では、使用する製造設備については想定されておらず、製品Jを所定量生産するためにどのような処理を行うべきかが記載されている。
(3.2 マスターレシピ)
マスターレシピは、操作者が、製造設備の構成、制御装置の機能などを考慮して、ジェネラルレシピを実現するためのオペレーションを順次当てはめていくことによって作成する。図15は、図14に示したジェネラルレシピに基づいて作成されたマスターレシピを示す説明図である。なお、本実施形態では、操作者が表示部113に表示される内容を見ながら入力部114を介して入力指示を行うことにより図15に示すようなマスターレシピが表示部113上に作成されるようになっている。また、作成されたマスターレシピは、記憶部112に記憶されるようになっている。
マスターレシピを作成する際の処理は、前述の実施の形態1で説明した処理と同様にして行う。なお、本実施の形態では、前述の実施の形態1に対して、記憶部112が記憶部12に、表示部113が表示部13に、入力部114が入力部14に、主制御部121が主制御部21に、そして表示制御部123が表示制御部23に対応している。
(3.3 マスターバッチレコード)
次に、マスターレシピに基づいてマスターバッチレコード(製造指図書・記録書)を作成する処理について説明する。図16は、製造指図書・記録書を作成するための処理の流れを示すフロー図である。
まず、主制御部121は、入力部114を介してマスターレシピの選択指示および製造指図書・記録書の作成開始指示を受け付けると、記憶制御部122を制御し、記憶部112から指定されたマスターレシピデータを、M2R記憶部111から中継データベースを、それぞれ図示しないRAM等のメモリーに読み込む(S101)。そして、主制御部121は、MBR作成部126に、上記のように読み込んだマスターレシピデータに基づいて製造指図書・記録書のデータの作成を開始させる。MBR作成部126は、上記のメモリーに読み込まれたマスターレシピデータおよび中継データベースを参照しながら、後述するように製造指図書・記録書のデータをメモリー上で作成していく。
なお、マスターレシピデータを有線または無線によって通信可能に接続される外部機器から取り込むようにしてもよい。あるいは、入力部114を介して操作者が作成するマスターレシピデータに基づいて、製造指図書・記録書のデータを作成するようにしてもよい。また、ここでは、主制御部121がマスターレシピデータおよび中継データベースを上記のメモリーに読み込むものとしたが、これに限らず、以下の処理においてマスターレシピデータまたは中継データベースを参照する機会ごとに、MBR作成部126がM2R記憶部111あるいは記憶部112にアクセスして必要なデータを読み出すようにしてもよい。
MBR作成部126は、主制御部121から製造指図書・記録書のデータの作成開始指示を受けると、マスターレシピデータからユニット名を抽出し(S102)、中継データベースからS102で抽出したユニット名(マスターレシピにおけるユニット名)に該当する製造指図書・記録書におけるユニット名を抽出(検索)する(S103)。そして、ステップS103において抽出したユニット名を、製造指図書・記録書におけるユニット名として設定する(S104)。なお、S102においてユニット名を抽出する際には、その時点で製造指図書・記録書におけるユニット名への変換処理(上記S102〜S104の処理)が行われていないユニットのうち、時系列的に最も早く実行されるべきオペレーションを実行するユニットを選択する。
次に、MBR作成部126は、マスターレシピデータからオペレーション名を抽出し(S105)、中継データベースからS105で抽出したオペレーション名(マスターレシピにおけるオペレーション名)に該当する製造指図書・記録書におけるオペレーション(標準製造指図書・記録書)名を抽出(検索)する(S106)。続いて、S106において抽出したオペレーションの、製品依存データ部分をマスターレシピから抽出する(S107)。そして、S107において抽出した製品依存データとS106において抽出した標準製造指図書・記録書とを組み合わせて当該製品の製造指図書・記録書を設定(作成)する(S108)。なお、S105においてオペレーション名を抽出する際には、その時点で製造指図書・記録書におけるオペレーション名への変換処理(上記S105〜S108の処理)が行われていないオペレーションであって、S102において選択されたユニットにおいて時系列的に最も早く実行されるべきオペレーションを選択する。
その後、MBR作成部126は、次のオペレーションがあるかどうか、すなわちS102で選択したユニットにおいて行われるオペレーションを全て変換処理したかどうかを判断する(S109)。そして、次のオペレーションがある場合(S109でYES)には、そのオペレーションについてS105以降の処理を行う。また、S109において次のオペレーションがないと判断した場合(S109でNO)には、MBR作成部126は、次のユニットがあるかどうか、すなわち製造指図書・記録書のデータへの変換処理を行っていないユニットがあるかどうかを判断する(S110)。そして、次のユニットがある場合(S110でYES)には、そのユニットについてS102以降の処理を行う。一方、次のユニットがないと判断した場合(S110でNO)、すなわちS110において全てのユニットについて製造指図書・記録書のデータへの変換処理が完了したと判断した場合、MBR作成部126は処理を終了する。この場合、主制御部121は、記憶制御部122を制御し、MBR作成部126の作成した製造指図書・記録書のデータを記憶部112に記憶させる。MBR作成部126の作成した製造指図書・記録書のデータをもとに印刷を行う場合には、記憶部112に記憶した該製造指図書・記録書のデータを出力部115からMBR作成装置101の内部または外部のプリンターなどの印刷可能な機器に出力し、製造指図書・記録書を印刷する。また、該製造指図書・記録書のデータは、出力部115から記録媒体等に出力してもよい。
図17は、MBR作成装置101によって作成される製造表示書・記録書のデータを示す説明図である。例えば、図15のマスターレシピにおけるオペレーション「滴下」は、図12に示す中継データベースに基づいて「ポンプ滴下」に変換され、図17に示すように製造指図書・記録書では標準製造指図書・記録書「ポンプ滴下」として設定される。他のオペレーションについても同様に変換される。そして、標準製造指図書・記録書「ポンプ滴下」には、図18に示すような記載項目が予め対応付けられており、製造指図書・記録書を印刷等によって表示した場合に図18に示すような製造指図書・記録書が得られる。図18を例にとって簡潔に説明すると、マスターレシピデータをもとに作成される工程・操作の指示が記載された製造指示書の部分(3段に分かれた記載の1段目)と標準製造指図書・記録書「ポンプ滴下」に対応した工程・操作に関する記録書(3段に分かれた記載の2段目および3段目)の部分とからなっている。
なお、図15のマスターレシピにおけるオペレーション「粉体仕込み」および「窒素置換」は、製造指図書・記録書においては標準製造指図書・記録書「マンホール仕込み,窒素置換」として設定される。このように、マスターレシピにおける複数のオペレーションの組み合わせが、製造指図書・記録書においては1つの標準製造指図書・記録書に変換される場合もある。
また、本実施形態では、ユニット、オペレーションを順次抽出しているが、これに限らず、これらのデータの一部または全体を一度に抽出してもよい。
なお、本実施形態では、マスターレシピデータに基づいて製造指図書・記録書を作成する構成になっているが、必ずしもこれに限らない。例えばコントロールレシピに基づいて製造指図書・記録書を作成する構成であってもよい。しかし、コントロールレシピに基づいて製造指図書・記録書を作成する場合には、コントロールレシピに含まれるデータに基づいて製造指図書・記録書を作成するため、マスターレシピに含まれているがコントロールレシピには含まれていないデータは、製造指図書・記録書に反映することができないことになる。
(4.製造マスターバッチレコード作成装置101の作用効果)
このように、MBR作成装置101は、マスターレシピにおける各情報(ユニット、オペレーション等)と、製造指図書・記録書におけるオペレーション(標準製造指図書・記録書)とを対応付けた中継データベースを備えている。これにより、マスターレシピを作成する際、種々のプロセス、設備の制約などを統一した表現方法(個々の設備に依存しない表現方法)で記述することができる。そして、このように統一した表現方法で記述されたマスターレシピから、実設備に即した表現方法(個々の設備に固有の表現方法)で記述された製造指図書・記録書を容易に作成できる。換言すれば、ユニット名、オペレーション名等を設備に依存しない統一的な表現方法で記述したマスターレシピを用いて、これらの各情報を設備に応じた表現方法で記述した製造指図書・記録書に容易に変換できる。
したがって、マスターレシピにおいて種々のプロセス、設備の制約などを設備や品目に依存しない汎用的な表現方法で記述するとともに、種々のプロセス、設備の制約などを設備依存性の高い表現方法で記述された製造指図書・記録書を作成することができるので、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減できる。
また、マスターレシピごとに作成された製造指図書・記録書では、医薬品、医薬部外品、および医療用具の製造の場合、品質保証部等によってGMP(Good Manufacturing Practice)の規則上必要な条件を満たしているか否かのチェックが行われる。製造指図書・記録書の作成およびチェックは、レシピごとに行われるが、GMPの規則上必要とされている要件、例えば指示書で必要とされる条件および条件の範囲設定、記録書に記録すべき項目および記録内容は、オペレーションが同じであれば同様の内容となる。従来では、製造指図書・記録書を製品ごと、レシピごとに作成していたので、上述のように同じオペレーションについての製造指図書・記録書であっても、作成者によって表記方法が異なっている場合や、GMPの規則上必要ではないが記録しておきたい項目が混在する場合には、製造指図書・記録書の内容の標準化およびチェックが困難であった。
しかし、本発明により、マスターレシピデータと、使用する設備に依存するオペレーションごとに作成された標準製造指図書・記録書とから、自動的に製造指図書・記録書を作成することができることによって、製品ごとに同じオペレーションであれば、同じ製造指図内容および記録内容を持つ製造指図書・記録書を得ることが可能になる。
従って、マスターレシピごとにGMPの規則上の要件チェックが不要になるだけでなく、規制当局または顧客などによる査察の際に、製造指示および記録に関する説明を行うことが極めて容易になる。
さらに、本発明によれば、異なる設備間またはサイト間で作業手順および記録内容を共有する作業も容易にする。これは、製造指示内容および記録内容を標準化できることを意味しており、医薬品製造に限らず、品質保証を行う上で極めて有効である。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述されるユニットおよびオペレーションが、上記製造指図書・記録書に記述される製品に依存するデータの入っていない製造指図書・記録書の雛形である標準製造指図書・記録書にそれぞれ対応付けられていてもよい。ここで、上記オペレーション(operation;単位操作)とは、独立な処理(一例としては、仕込、混合、攪拌、蒸留、乾燥など)を定義する手順要素のことである。また、上記ユニットとは、オペレーションを実行させる設備または2つ以上の設備からなる設備群のことである。
上記の構成によれば、マスターレシピの作成者は、マスターレシピにおける各オペレーションを個々の設備に依存しない表現方法で記述し、そのように記述したマスターレシピに基づいてMBR作成部126に、製造指図書・記録書を作成させることができる。これにより、例えば、利用するユニットを変更する場合や新規品目を製造するための製造指図書・記録書を作成する場合などに、各ユニットに固有の表現方法を意識しないで汎用的な表現を用いてマスターレシピを作成でき、マスターレシピを作成する際の負荷を大きく低減できる。また、マスターレシピの作成者は、利用するユニットおよび実行するオペレーションを順次指定するだけで、それに対応する製造指図書・記録書を得ることができる。したがって、マスターレシピ作成時の利便性を大幅に向上できる。
また、上記中継データベースに登録される製造指図書・記録書に記述される標準製造指図書・記録書は、記載項目を予めチェック済みであってもよい。
上記の構成によれば、実際の記載項目を予めチェックした標準製造指図書・記録書が製造指図書・記録書に記述され、中継データベースに登録される。したがって、マスターレシピに基づいて自動作成した製造指図書・記録書においてどのオペレーション(標準製造指図書・記録書)が選択されても、各オペレーション(標準製造指図書・記録書)の記載項目を予見でき、自動作成した製造指図書・記録書のチェックを省略あるいは簡略化できる。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述される1つのオペレーションまたは特定の順序で並べられた2つ以上のオペレーションが、上記製造指図書・記録書に記述される1つの標準製造指図書・記録書または特定の順序で並べられた2つ以上の標準製造指図書・記録書と対応付けられていてもよい。
上記の構成によれば、マスターレシピデータに記述される1つのオペレーションが製造指図書・記録書に記述される1つの標準製造指図書・記録書に対応している場合に限らず、マスターレシピデータに記述される特定のオペレーションが、製造指図書・記録書に記述される特定の順序で並べられた複数のオペレーションと対応している場合や、それとは逆に、マスターレシピデータに記述される特定の順序で並べられた複数のオペレーションが、製造指図書・記録書に記述される特定の標準製造指図書・記録書と対応している場合であっても、製造指図書・記録書を適切に作成できる。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述される操作条件と、製造指図書・記録書に記述される操作条件とが対応付けられていてもよい。ここで、上記操作条件としては、例えば、各オペレーションにおいて扱われる物質量、速度、温度、圧力などの情報等が挙げられる。
上記の構成によれば、マスターレシピデータにおいて個々の設備に依存しない表現方法を用いて操作条件を記述し、その操作条件に応じた個々の設備に固有の表現方法で記述された製造指図書・記録書をMBR作成装置101に作成させることができる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部114と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示するための表示部113と、表示部113の表示を制御する表示制御部123とを備え、表示制御部123は、表示部113に、上記マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、表示制御部123が、表示部113に、マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる。これにより、使用者に、各オペレーションを実行するユニットを容易に認識させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部に表示される各オペレーションの連関を確認しながらマスターレシピを作成することができる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部114と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示する表示部113と、上記表示部の表示を制御する表示制御部123とを備え、表示制御部123は、表示部113の表示領域を第1乃至第3表示領域に分割するとともに、上記マスターレシピデータに基づいて、上記第1表示領域にオペレーション同士の連関を表示させ、上記第2表示領域に上記オペレーションの条件を表示させ、上記第3領域に上記オペレーションを実行するユニットの条件を表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、表示制御部123が、表示部113に、上記マスターレシピデータに基づいて、各オペレーション同士の連関と、各オペレーションの条件(例えば温度や圧力など)と、上記オペレーションを実行するユニットの条件(例えばどのようなユニットを使用するか等)とを表示させる。これにより、オペレーションの同士の連関、各オペレーションの条件、上記オペレーションを実行するユニットの条件を、使用者に容易に把握させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部113に表示されるこれらの情報を確認しながらマスターレシピを容易に作成することができる。
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について図19〜図26(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
(1.部品表作成装置201の構成)
本発明の他の実施形態について説明する。図19は、本実施形態にかかるBOM作成装置(部品表作成装置)201の構成を示すブロック図である。
BOM作成装置201は、マスターレシピ(マスターレシピをデータ化したマスターレシピデータ)に基づいて部品表を作成する装置である。なお、上記部品表とは、Enterprise Resource Planning(以下ERP)と呼ばれる、企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念における、Bill of Material(以下部品表)と呼ばれるリストである。工場の生産工程では、製造する製品がどのような部品(化学反応を伴うプロセスにおいては、原料、中間体、副生成物、必要なユーティリティなどを意味する)で構成されているのか、生産に必要になる部品総数はいくつなのかなどを正確に把握する必要があるため、部品のリストである上記部品表が必要となる。また、Bill of Manufacturingと呼ばれる、設備、部品の使用順序に関する情報を含んでいる場合でも同様に部品表に含まれる。詳しくは、部品表は、製品ごとの構成部品情報からなり、部品の在庫確認、部品手配、および資材調達などで使用され、Material Requirements Planning(資材所要量計画およびその計算法)、Manufacturing Resource Planning(製造資源計画およびその計算法)および製造系ERPの中核システムの1つである。
なお、際に部品表を作成する場合は、製造設備ごとに作成するか、製品を製造する際に、上記MRPを実施する際の最小単位(例:1日、1週間、1ヶ月など)の期間ごとに使用する設備をユニット単位に区分して、そのユニットごとに作成を行う。
図19に示すように、BOM作成装置201は、制御部210、M2B記憶部211、記憶部212、表示部213、入力部214、出力部215を備えている。
M2B記憶部211は、マスターレシピに記述される情報と、部品表に記述される情報とを対応付けた中継データベース(M2B情報)を記憶(格納)するものである。なお、マスターレシピに記述される情報(マスターレシピ情報)としては、例えば、各ユニットで用いられる物質名(物質の名称)および当該物質の数量の情報である物質収支情報およびユニットごとに設定されているユーティリティの情報であるユニット別ユーティリティ情報が挙げられる。また、部品表に記述される情報としては、例えば各ユニットで用いられる物質についての情報である部品表情報(BOM情報)が挙げられ、部品表情報としては、物質の名称、コード、単位、数量、単価、ユニットの占有時間(使用する時間のこと)、占有順序(使用する順序のこと)などの構成部品情報がある。中継データベースの詳細については後述する。なお、ここで言うところのユーティリティとは、製造に使用する資源のうち、水、蒸気(スチーム)、電力等の製造に共通的に必要な資源のことである。また、ここで言うところのコードとは、取り扱う物質(ERPシステム上では部品と表現される)の区別を行うために用いられるものである。なお、同じ物質であっても、品質、購入先等によってコードを分けて管理してもよい。
記憶部212は、マスターレシピデータ(マスターレシピ情報)、部品表のデータ等を記憶する。また、記憶部212は、制御部210に備えられる各ブロックを動作させるためのプログラムを記憶する。
表示部213は、マスターレシピ、部品表等を表示するものである。
入力部214は、操作者からの入力指示や外部からのデータ(マスターレシピ等)の入力を受け付けるものである。例えば、操作者は、表示部213に表示される内容を参照しながらキーボード,マウスポインタ等からなる入力部214を介してマスターレシピに記述する各項目を入力することで、マスターレシピ(マスターレシピデータ)を作成できる。なお、入力部214は、記録媒体に記録されたデータを読み出して取得するものであってもよく、ネットワーク等を介して送信されたデータを受信して取得するものであってもよい。
出力部215は、BOM作成装置201において作成した部品表等を外部の機器(例えばプリンターなど)、あるいは記録媒体等に出力するものである。
制御部210は、主制御部221、記憶制御部222、表示制御部223、入力制御部224、出力制御部225、およびBOM作成部226を備えている。
主制御部221は、制御部210に備えられる各ブロック(各制御部)を統括して制御するものである。
記憶制御部222は、主制御部221の指示に応じて、M2B記憶部211や記憶部212に対するデータの書き込み、M2B記憶部211や記憶部212からのデータの読み出し等を行うものである。
表示制御部223は、主制御部221の指示に応じて、表示部213の表示状態を制御する。
入力制御部224は、入力部214を介して入力される操作指示、データ等を主制御部221に伝達するものである。
出力制御部225は、主制御部221の指示に応じて、出力部215の動作を制御するものである。
BOM作成部226は、マスターレシピデータに基づいて部品表のデータを作成するものである。
なお、M2B記憶部211、記憶部212、表示部213、入力部214、出力部215は、BOM作成装置201に対して有線または無線によって通信可能に接続される外部装置であってもよい。また、この場合、記憶制御部222、表示制御部223、入力制御部224、出力制御部225は、必ずしもBOM作成装置201に設けられる必要はなく、上記外部装置側に備えられていてもよい。
また、M2B記憶部211に記憶させておく中継データベースを、入力部214を介して取得したデータに基づいて追加,更新,変更可能な構成としてもよい。例えば、主制御部221が、入力部214を介して入力される操作者からの指示に応じて記憶制御部222を制御し、中継データベースの各項目を変更させてもよく、入力部214を介して外部の装置から取得した中継データベースをM2B記憶部211に記憶されている中継データベースに上書き保存するようにしてもよい。また、この場合、表示部113に中継データベースの内容を表示させ、操作者がこの表示を見ながら中継データベースに登録(記憶)する内容を追加したり変更したりできるようにしてもよい。
(2.中継データベースの一例)
図20は、M2B記憶部211に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。この図に示すように、中継データベースには、マスターレシピに記述される情報と、それに対応する部品表に記述される情報とが登録されている。
また、図20には示していないが、マスターレシピにおけるユニット名と、部品表におけるユニット名とが対応付けられている。なお、マスターレシピと部品表との両方において同じユニット名が用いられてもよいし、両者の対応付けさえなされていれば、異なるユニット名が用いられていてもよい。
また、マスターレシピにおける物質収支情報(マスターレシピにおける物質名および当該物質の数量)およびユニット別ユーティリティ情報と、部品表における物質の名称、コード、単位、数量、単価などの構成部品情報とが対応付けられている。例えば、マスターレシピにおける物質収支情報「固体原料M、200kg」は、部品表における構成部品情報「名称 固体原料M、数量 200、単位 kg、コード 000001」に対応付けられおり、マスターレシピにおける反応ユニットQのユニット別ユーティリティ情報「スチーム」は、部品表における構成部品情報「名称 スチーム、数量 1、単位 t、コード 000102」に対応づけられている。なお、ここで言うところの物質収支情報とは、レシピ上のオペレーションごとに物質の出入りを表現した情報であって、マスターレシピにおける物質名および当該物質の数量などからなるものである。
(3.部品表作成装置201の処理の具体例)
次に、ジェネラルレシピからマスターレシピを作成し、それに基づいて部品表を作成する一連の処理について、具体例を参照しながら説明する。図21は、BOM作成装置201によって作成した部品表を用いて製造を行う製造設備の一例を示す説明図である。ここでは、図21に示した製造設備を用いて、固体原料M,溶媒N,液体原料Oから製品Pを製造する処理を例として説明する。
図21に示すように、上記の製造設備は、反応ユニットQ、ろ過・乾燥ユニットR、滴下槽231、廃液タンク238、溶媒タンク239、溶媒ポンプ240を備えている。
反応ユニットQは、ホッパー232を備えた反応機235、反応機235内を加熱する加熱装置233、反応機235内を冷却する冷却装置234、反応機235から排出される液体の分液状態を検知する分液検知設備236を備えている。また、ろ過・乾燥ユニットRは、ろ過・乾燥機237を備えている。
ホッパー232は、反応機235内に滴下させる液体原料Oを貯蔵する貯槽である。溶媒タンク239は、反応機235に供給する溶媒Nを貯蔵する貯槽であり、溶媒ポンプ240は溶媒タンク239から反応機235に溶媒Nを移送するためのものである。廃液タンク238は、反応機235から分液された廃液(分液下層)およびろ過・乾燥機237においてろ過された後の廃液(ろ別液)を受け入れる貯槽である。
ろ過・乾燥機237は、反応機235から供給される液体(分液上層)をろ過して必要な成分を抽出し、それを乾燥して製品Pとして排出するものである。
なお、上記の製造設備に備えられる各機器の動作は、DCS(Distributed Control system;分散型制御システム)などの制御装置202によって制御される。
(3.1 ジェネラルレシピ)
図22は、上記製品Pを製造するためのジェネラルレシピを示す説明図である。この図に示すように、固体原料Mの仕込、溶媒Nの仕込、昇温、液体原料Oの仕込、反応、液液分離、冷却、固液分離の各工程を経て製品Pが製造される。なお、ジェネラルレシピの段階では、使用する製造設備については想定されておらず、製品Pを所定量生産するためにどのような処理を行うべきかが記載されている。
(3.2 マスターレシピ)
マスターレシピは、操作者が、製造設備の構成、制御装置の機能などを考慮して、ジェネラルレシピを実現するためのオペレーションを順次当てはめていくことによって作成する。図23は、図22に示したジェネラルレシピに基づいて作成されたマスターレシピを示す説明図である。なお、本実施形態では、操作者が表示部213に表示される内容を見ながら入力部214を介して入力指示を行うことにより図23に示すようなマスターレシピが表示部213上に作成されるようになっている。また、作成されたマスターレシピは、記憶部212に記憶されるようになっている。
マスターレシピを作成する際の処理は、前述の実施の形態1で説明した処理と同様にして行う。なお、本実施の形態では、前述の実施の形態1に対して、記憶部212が記憶部12に、表示部213が表示部13に、入力部214が入力部14に、主制御部221が主制御部21に、そして表示制御部223が表示制御部23に対応している。
(3.3 部品表)
次に、マスターレシピに基づいて部品表を作成する処理について説明する。図24は、部品表を作成するための処理の流れを示すフロー図である。
まず、主制御部221は、入力部214を介してマスターレシピの選択指示および部品表の作成開始指示を受け付けると、記憶制御部222を制御し、記憶部212から指定されたマスターレシピデータを、M2B記憶部211から中継データベースを、それぞれ図示しないRAM等のメモリーに読み込む(S201)。そして、主制御部221は、BOM作成部226に、上記のように読み込んだマスターレシピデータに基づいて部品表のデータの作成を開始させる。BOM作成部226は、上記のメモリーに読み込まれたマスターレシピデータおよび中継データベースを参照しながら、後述するように部品表のデータをメモリー上で作成していく。
なお、マスターレシピデータを有線または無線によって通信可能に接続される外部機器から取り込むようにしてもよい。あるいは、入力部214を介して操作者が作成するマスターレシピデータに基づいて、部品表のデータを作成するようにしてもよい。また、ここでは、主制御部221がマスターレシピデータおよび中継データベースを上記のメモリーに読み込むものとしたが、これに限らず、以下の処理においてマスターレシピデータまたは中継データベースを参照する機会ごとに、BOM作成部226がM2B記憶部211あるいは記憶部212にアクセスして必要なデータを読み出すようにしてもよい。
BOM作成部226は、主制御部221からの部品表のデータの作成開始指示を受けると、マスターレシピデータからユニット名を抽出し(S202)、中継データベースからS202で抽出したユニット名(マスターレシピにおけるユニット名)に該当する部品表におけるユニット名を抽出(検索)する(S203)。そして、ステップS203において抽出したユニット名を、部品表におけるユニット名として設定する(S204)。なお、S202においてユニット名を抽出する際には、その時点で部品表におけるユニット名への変換処理(上記S202〜S204の処理)が行われていないユニットのうち、時系列的に最も早く実行されるべきオペレーションを実行するユニットを選択する。
次に、BOM作成部226は、マスターレシピデータから物質収支情報(マスターレシピにおける物質名および当該物質の数量)を抽出し(S205)、中継データベースからS205で抽出した物質収支情報に該当する部品表における物質の名称、コード、単位、数量(構成部品情報)を抽出(検索)する(S206)。そして、S206において抽出した名称、コード、単位、数量を、部品表における名称、コード、単位、数量として設定する(S207)。なお、S205において物質収支情報を抽出する際には、その時点で部品表における名称、コード、単位、数量への変換処理(上記S205〜S207の処理)が行われていない物質収支情報であって、S202において選択されたユニットにおいて時系列的に最も早く必要となるべき物質収支情報を選択する。
その後、BOM作成部226は、次の物質収支情報があるかどうか、すなわちS202で選択したユニットに必要となる物質収支情報を全て変換処理したかどうかを判断する(S208)。そして、次の物質収支情報がある場合(S208でYES)には、その物質収支情報についてS205以降の処理を行う。また、S208において次の物質収支情報がないと判断した場合(S208でNO)には、BOM作成部226は、マスターレシピデータからユニットごとに設定されているユーティリティであるユニット別ユーティリティを抽出(検索)し(S209)、中継データベースからS209で抽出したユニット別ユーティリティに該当する部品表における名称、コード、単位、数量を抽出(検索)する(S210)。続いて、S210において抽出した名称、コード、単位、数量を、部品表における名称、コード、単位、数量として設定する(S211)。なお、S209においてユニット別ユーティリティを抽出する際には、その時点で部品表における名称、コード、単位、数量への変換処理(上記S209〜S211の処理)が行われていないユニット別ユーティリティであって、S202において選択されたユニットにおいて時系列的に最も早く必要となるべきユニット別ユーティリティを選択する。
その後、BOM作成部226は、次のユニット別ユーティリティがあるかどうか、すなわちS202で選択したユニットに必要となるユニット別ユーティリティを全て変換処理したかどうかを判断する(S212)。そして、次のユニット別ユーティリティがある場合(S212でYES)には、そのユニット別ユーティリティについてS209以降の処理を行う。また、S212において次のユニット別ユーティリティがないと判断した場合(S212でNO)には、BOM作成部226は、次のユニットがあるかどうか、すなわち部品表のデータへの変換処理を行っていないユニットがあるかどうかを判断する(S213)。そして、次のユニットがある場合(S213でYES)には、そのユニットについてS202以降の処理を行う。一方、次のユニットがないと判断した場合(S213でNO)、すなわちS213において全てのユニットについて部品表への変換処理が完了したと判断した場合、BOM作成部226は処理を終了する。この場合、主制御部221は、記憶制御部222を制御し、BOM作成部226の作成した部品表を記憶部212に記憶させる。BOM作成部226の作成した部品表のデータをもとに印刷を行う場合には、記憶部212に記憶した部品表のデータを出力部215からBOM作成装置201の内部または外部のプリンターなどの印刷可能な機器に出力し、部品表を印刷する。また、部品表のデータは、出力部215から記録媒体等に出力してもよい。
なお、本実施の形態においては、構成部品情報として名称、コード、単位、数量を用いたが、必ずしもこれに限らず、他の組み合わせであってもよい。
図25は、BOM作成装置201によって物質収支情報のみを抜き出して作成された部品表のデータを示す説明図である。例えば、図23のマスターレシピにおける反応ユニットQの固体原料M、溶媒N、液体原料O、分液下層は、図20に示す中継データベースに基づいて「固体原料M 200kg、溶媒N 600kg、液体原料O 10kg、分液下層 −500kg」に変換され、ろ過・乾燥ユニットRについても同様に変換される。
図26(a)は、図25に示した反応ユニットQの部品表のデータにユニット別ユーティリティ情報を追加して作成された部品表のデータを示す説明図である。例えば、図23のマスターレシピにおける反応ユニットQの固体原料M、溶媒N、液体原料O、分液下層、スチーム、窒素は、図20に示す中継データベースに基づいて「名称 固体原料M、数量 200、単位 kg、コード000001」、「名称 溶媒N、数量 600、単位 kg、コード 000002」、「名称 液体原料O、数量 10、単位 kg、コード 000003」、「名称 分液下層、数量 −500、単位 kg、コード 001101」、「名称 スチーム、数量 1、単位 t、コード 000102」「名称 窒素、数量 10、単位 m、コード 000104」といったリストに変換される。
また、図26(b)は、図25に示したろ過・乾燥ユニットRの部品表のデータにユニット別ユーティリティ情報を追加して作成された部品表のデータを示す説明図である。例えば、図23のマスターレシピにおけるろ過・乾燥ユニットRのろ別液層、製品P、スチーム、窒素は、図20に示す中継データベースに基づいて「名称 ろ別液層、数量 −210、単位 kg、コード000001」、「名称 溶媒N、数量 600、単位 kg、コード 001201」、「名称 製品P、数量 −100000、単位 g、コード 001000」、「名称 スチーム、数量 0.2、単位 t、コード 000102」「名称 窒素、数量 20、単位 m、コード 000104」といったリストに変換される。
また、本実施形態では、物質収支情報を順次抽出しているが、これに限らず、これらのデータの一部または全体を一度に抽出してもよい。
なお、本実施形態では、マスターレシピデータに基づいて部品表を作成する構成になっているが、必ずしもこれに限らない。例えば製造指図書・記録書のデータに基づいて部品表を作成する構成であってもよい。しかし、製造指図書・記録書のデータに基づいて部品表を作成する場合には、資料の量が多く、抽出に時間がかかることになる。
(4.部品表作成装置201の作用効果)
このように、BOM作成装置201は、マスターレシピにおける物質収支情報と、部品表における構成部品情報とを対応付けた中継データベースを備えている。これにより、マスターレシピを作成する際、個々の製品に依存しない表現方法で記述することができる。そして、このように統一した表現方法で記述されたマスターレシピから、個々の製品に固有の表現方法で記述された製造指示書・記録書を容易に作成できる。換言すれば、物質収支情報を設備に依存しない統一的な表現方法で記述したマスターレシピを用いて、これらの各情報を製品に応じた表現方法で記述した製造指示書・記録書に容易に変換できる。
したがって、マスターレシピにおいて物質収支情報などを個々の製品に依存しない汎用的な表現方法で記述するとともに、物質収支情報などを個々の製品に依存性の高い表現方法で記述された部品表を作成することができるので、マスターレシピを作成する際の作成者の負担を大幅に低減できる。
また、マスターレシピごとに作成された部品表は、新製品または改良された製法によって得られる製品のレシピについて、既存の各サイトまたは新規サイトにおける既存設備もしくは新規設備を使用する際の経済性を評価し、投資判断を行うためのフュージビリティー・スタディ(経済性評価、以下FS)に用いられる。また、設備についての情報および生産計画についての情報がサイトおよび設備に依存し、具体的には設備の能力、設備の稼動状況、ユーティリティの費用などの情報を必要とし、FSを行うためには、設備についての高度な知識、および生産計画について判断する能力を必要とするため、各サイトおよび設備の生産計画を決定する部門がFSを行っていることが多い。
従来では、設備についての情報および生産計画についての情報同士が関連付けて管理されていないか、管理されていてもレシピ情報とは関連付けされていなかった。従って、FSを行う人物は、設備についての情報、生産計画についての情報、およびレシピ情報などを手作業で関連付けた上でFSを行う必要があった。また、上述の方法で行われたFSの結果に関する情報は、レシピデータと関連付けされた情報としては存在しないので、FSの条件が変更された場合(サイト同士の比較またはレシピが変更された場合など)には、同様の作業を繰り返し行う必要があった。つまり、上述のように考慮すべき点が多いので、投資判断を決定するための非常に短期間での精度の高いFSの結果を出すことが困難であった。
しかし、本発明により、マスターレシピデータから、自動的に部品表を作成することができる。よって、レシピ情報とFSに必要な構成部品情報とが自動的に関連付けされることになる。また、レシピ情報とFSに必要な構成部品情報との関連付けが自動的に行われることによって、FSに必要な作業が大幅に削減され、容易にFSの検討を行うことが可能になる。他にも、これまで各サイトの担当者または担当部門で実施していたFSの結果を取りまとめるまでは行えなかった、一度に全く同一の条件でサイト同士の比較を行うことが可能になる。
さらに、本発明によれば、マスターレシピを作成しさえすれば、サイトに関する詳細な情報を知らない人物であってもFSの検討を行うことができる。これは、種類が同様であって能力が異なる設備を保有する複数のサイトを比較する際に極めて有効である。
また、上記中継データベースにおいて、上記マスターレシピデータに記述されるオペレーションごとの物質の出入りを表す情報である物質収支情報、および製造に共通に必要な資源のユニットごとの情報であるユニット別ユーティリティ情報が、上記部品表に記述される構成部品情報にそれぞれ対応付けられていてもよい。
上記の構成によれば、マスターレシピの作成者は、マスターレシピにおける各物質収支情報およびユニット別ユーティリティ情報を個々の設備に依存しない表現方法で記述し、そのように記述したマスターレシピに基づいて上記部品表作成手段に、部品表を作成させることができる。これにより、例えば、利用するユニットを変更する場合や新規品目を製造するための部品表を作成する場合などに、各ユニットに固有の表現方法を意識しないで汎用的な表現を用いてマスターレシピを作成でき、マスターレシピを作成する際の負荷を大きく低減できる。また、マスターレシピの作成者は、利用するユニットおよび実行するオペレーションを順次指定するだけで、それに対応する部品表を得ることができる。したがって、マスターレシピ作成時の利便性を大幅に向上できる。
また、上記中継データベースに登録される部品表に記述される上記構成部品情報は、実際の実行結果を予めチェック済みであってもよい。
上記の構成によれば、実際の記載項目を予めチェックした構成部品情報が部品表に記述され、中継データベースに登録される。したがって、マスターレシピに基づいて自動作成した部品表においてどの物質収支情報が選択されても、各物質収支情報の記載項目を予見でき、自動作成した部品表のチェックを省略あるいは簡略化できる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示するための表示部と、上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、上記表示制御手段は、上記表示部に、上記マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記表示制御部が、上記表示部に、マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させる。これにより、使用者に、各オペレーションを実行するユニットを容易に認識させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部に表示される各オペレーションの連関を確認しながらマスターレシピを作成することができる。
また、上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、上記マスターレシピデータに応じた情報を表示する表示部と、上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、上記表示制御部は、上記表示部の表示領域を第1乃至第3表示領域に分割するとともに、上記マスターレシピデータに基づいて、上記第1表示領域にオペレーション同士の連関を表示させ、上記第2表示領域に上記オペレーションの条件を表示させ、上記第3領域に上記オペレーションを実行するユニットの条件を表示させる構成としてもよい。
上記の構成によれば、上記表示制御部が、上記表示部に、上記マスターレシピデータに基づいて、各オペレーション同士の連関と、各オペレーションの条件(例えば温度や圧力など)と、上記オペレーションを実行するユニットの条件(例えばどのようなユニットを使用するか等)とを表示させる。これにより、オペレーションの同士の連関、各オペレーションの条件、上記オペレーションを実行するユニットの条件を、使用者に容易に把握させることができる。したがって、マスターレシピの作成者は、表示部に表示されるこれらの情報を確認しながらマスターレシピを容易に作成することができる。
(5.プログラム)
最後に、CR作成装置1における制御部10に含まれる各ブロック、MBR作成装置101における制御部110に含まれる各ブロック、およびBOM作成装置201における制御部210に含まれる各ブロックは、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現されるものであってもよい。
すなわち、CR作成装置1、MBR作成装置101、およびBOM作成装置201は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリー等の記憶装置(記録媒体)などを備えた構成であってもよい。この場合、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるCR作成装置1、MBR作成装置101、またはBOM作成装置201の制御プログラム(画像処理プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記CR作成装置1、MBR作成装置101、またはBOM作成装置201に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリー系などを用いることができる。
また、CR作成装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。なお、通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予めCR作成装置1あるいはコンピュータに格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、医農薬品、電子材料、電子工業薬品、工業化学品、食品等を製造するための生産システムに適用できる。
本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置によって作成したコントロールレシピを用いる製造設備の一例を示す説明図である ジェネラルレシピの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置において、図4に示したジェネラルレシピに基づいて作成されるマスターレシピの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置における、コントロールレシピを作成するための処理の流れを示すフロー図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置において、図5に示したマスターレシピに基づいて作成されるコントロールレシピ(CRa)の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置において、図8に示したコントロールレシピ(CRa)に基づいて作成される制御装置用コントロールレシピ(CRb)の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態にかかるコントロールレシピ作成装置において、図9に示した制御装置用マスターレシピ(CRb)に基づいて作成される出力用コントロールレシピ(CRc)の一例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置の構成を示すブロック図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置によって作成した製造指図書・記録書を用いて製造を行う製造設備の一例を示す説明図である ジェネラルレシピの一例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置において、図14に示したジェネラルレシピに基づいて作成されるマスターレシピの一例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置における、製造指図書・記録書を作成するための処理の流れを示すフロー図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置において、図15に示したマスターレシピに基づいて作成される製造指図書・記録書のデータの一例を示す説明図である。 本発明の他の実施形態にかかる製造マスターバッチレコード作成装置において作成される製造指図書・記録書の一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置の構成を示すブロック図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置に格納される中継データベースの一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置によって作成した部品表を用いて製造を行う製造設備の一例を示す説明図である ジェネラルレシピの一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置において、図22に示したジェネラルレシピに基づいて作成されるマスターレシピの一例を示す説明図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置における、部品表を作成するための処理の流れを示すフロー図である。 本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置において、図23に示したマスターレシピに基づいて物質収支情報のみを抜き出して作成される部品表のデータの一例を示す説明図である。 (a)および(b)は本発明のさらに他の実施形態にかかる部品表作成装置において、図25に示した部品表のデータにユニット別ユーティリティ情報を追加して作成される部品表の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 CR(コントロールレシピ)作成装置
2 制御装置
10 制御部
11 M2C記憶部(データベース記憶部)
12 記憶部
13 表示部
14 入力部
15 出力部
21 主制御部
22 記憶制御部
23 表示制御部(表示制御手段)
24 入力制御部
25 出力制御部
26 CR作成部(コントロールレシピ作成手段)
27 CR第1変換部(コントロールレシピ作成手段)
28 CR第2変換部(変換手段)
101 MBR作成装置(製造マスターバッチレコード作成装置)
102 制御装置
110 制御部
111 M2R記憶部(データベース記憶部)
112 記憶部
113 表示部
114 入力部
115 出力部
121 主制御部
122 記憶制御部
123 表示制御部(表示制御手段)
124 入力制御部
125 出力制御部
126 MBR作成部(製造マスターバッチレコード作成手段)
201 BOM作成装置(部品表作成装置)
202 制御装置
210 制御部
211 M2B記憶部(データベース記憶部)
212 記憶部
213 表示部
214 入力部
215 出力部
221 主制御部
222 記憶制御部
223 表示制御部(表示制御手段)
224 入力制御部
225 出力制御部
226 BOM作成部(部品表作成手段)

Claims (17)

  1. マスターレシピデータに基づいてコントロールレシピデータを作成するコントロールレシピ作成装置において、
    上記マスターレシピデータに記述される情報と、上記コントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、
    上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータをコントロールレシピデータに変換するコントロールレシピ作成手段とを備えていることを特徴とするコントロールレシピ作成装置。
  2. 上記中継データベースにおいて、
    上記マスターレシピデータに記述されるユニットおよびオペレーションが、上記コントロールレシピデータに記述されるユニットおよびオペレーションにそれぞれ対応付けられていることを特徴とする請求項1に記載のコントロールレシピ作成装置。
  3. 上記中継データベースに記憶されるコントロールレシピデータに記述される各オペレーションは、実際の実行結果を予めチェック済みであることを特徴とする請求項2に記載のコントロールレシピ作成装置。
  4. 上記中継データベースにおいて、
    上記マスターレシピデータに記述される1つのオペレーションまたは特定の順序で並べられた2つ以上のオペレーションが、上記コントロールレシピデータに記述される1つのオペレーションまたは特定の順序で並べられた2つ以上のオペレーションと対応付けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のコントロールレシピ作成装置。
  5. 上記中継データベースにおいて、
    上記マスターレシピデータに記述される操作条件と、コントロールレシピデータに記述される操作条件とが対応付けられていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のコントロールレシピ作成装置。
  6. 上記コントロールレシピ作成手段によって作成されたコントロールレシピデータを、
    当該コントロールレシピデータを適用するユニットの動作を制御するための制御装置において用いられる形式に変換する変換手段を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコントロールレシピ作成装置。
  7. 上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、
    上記マスターレシピデータに応じた情報を表示するための表示部と、
    上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、
    上記表示制御手段は、上記表示部に、上記マスターレシピデータに記述された、異なるユニットで行われるオペレーション同士の連関を、同一のユニットで行われるオペレーション同士の連関とは異なる形態で表示させることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のコントロールレシピ作成装置。
  8. 上記マスターレシピデータに記述する情報の入力を受け付ける入力部と、
    上記マスターレシピデータに応じた情報を表示する表示部と、
    上記表示部の表示を制御する表示制御手段とを備え、
    上記表示制御部は、上記表示部の表示領域を第1乃至第3表示領域に分割するとともに、上記マスターレシピデータに基づいて、上記第1表示領域にオペレーション同士の連関を表示させ、上記第2表示領域に上記オペレーションの条件を表示させ、上記第3領域に上記オペレーションを実行するユニットの条件を表示させることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のコントロールレシピ作成装置。
  9. マスターレシピデータに記述される情報と、製品の製造時での作業の方法および記録するべき項目について記述が行われているものである製造マスターバッチレコードのデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、
    上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを製造マスターバッチレコードのデータに変換する製造マスターバッチレコード作成手段とを備えていることを特徴とする製造マスターバッチレコード作成装置。
  10. マスターレシピデータに記述される情報と、製品ごとの構成部品情報のリストである部品表のデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースを記憶するデータベース記憶部と、
    上記中継データベースに基づいて、マスターレシピデータを部品表のデータに変換する部品表作成手段とを備えていることを特徴とする部品表作成装置。
  11. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のコントロールレシピ作成装置の備える上記各手段としてコンピュータを動作させるプログラム。
  12. 請求項9に記載の製造マスターバッチレコード作成装置の備える上記手段としてコンピュータを動作させるプログラム。
  13. 請求項10に記載の部品表作成装置の備える上記手段としてコンピュータを動作させるプログラム。
  14. 請求項11、12または13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  15. マスターレシピデータに基づいてコントロールレシピデータを作成するコントロールレシピ作成方法において、
    マスターレシピデータに記述される情報とコントロールレシピデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータをコントロールレシピデータへ変換させる工程を含むことを特徴とするコントロールレシピ作成方法。
  16. マスターレシピデータに記述される情報と製品の製造時での作業の方法および記録するべき項目について記述が行われているものである製造マスターバッチレコードのデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータを製造マスターバッチレコードのデータへ変換させる工程を含むことを特徴とする製造マスターバッチレコード作成方法。
  17. マスターレシピデータに記述される情報と製品ごとの構成部品情報のリストである部品表のデータに記述される情報とを対応付けた中継データベースに基づいて、コンピュータに、マスターレシピデータを部品表のデータへ変換させる工程を含むことを特徴とする部品表作成方法。
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