JP2007226482A - ネットワーク情報を備えた地図情報システム - Google Patents

Abstract

【課題】地図情報システムにおいて、ネットワークについてのデータ更新と、更新されたデータを用いての解析とを同時に運用できるようにして、利用者にとってのデータの一元性を確保する。
【解決手段】ネットワークについての設備更新データベース１１と公開用データベース１２とを具備する。設備更新データベース１１は、更新利用者による随時の閲覧および更新が可能である。公開用データベース１２は、設備更新データベース１１から時間をおいて更新済みデータが供給される設備運用データベース１３と、設備更新データベース１１から設備運用データベース１３ほどの時間をおかずに更新用データが供給される予告データベース１４とを具備する。設備運用データベース１３と予告データベース１４とは、運用利用者による、閲覧と、これら設備運用データベース１３と予告データベース１４とのデータを用いた処理とが可能である。
【選択図】図１

Description

本発明は、管路網情報などのネットワーク情報を備えた地図情報システムに関する。

上水道管路、下水道管路、ガス管路などは、一定地域において管路網を形成している。電力供給システムにおいては、同様に一定地域において配線網を形成している。たとえば上水道の管路網を管理する場合には、その管路網についての管路の敷設状況などを地図情報とともに管理するための管理用データと、その管路網の水理解析などのネットワーク解析を行うための解析用データとを含んだネットワーク情報を備えた地図情報システムが用いられる（特許文献１、２）。この場合において、解析用データは、解析の対象となる管路網についての管理用データを用いて解析を行うことによって、作成される。

図２は、上水道に適用される従来のこの種の地図情報システムの一例を示す。すなわち、図２に示す地図情報システムは、管理用データベース１と、解析用データベース２とを有し、これらのデータベース１、２には、複数の利用者に対応した複数の端末コンピュータ３が接続されている。

管理用データベース１は、管路の敷設状況や管路の更新状況などのデータであって、たとえば図面によって表わされたものを、地図情報とともに含むものである。このデータは、端末コンピュータ３を用いて閲覧可能であるとともに、たとえば配管工事を行った場合などにおいては、それにもとづく管路の更新情報や新たな管路の敷設状態に関する情報などを、端末コンピュータ３を用いて入力可能である。このような管理用データベース１におけるデータの更新は、たとえば配管工事が完了した時点ごとなどにおいて、頻繁に行われるのが普通である。

解析用データベース２は、管理用データベース１と同じデータを格納するとともに、利用者がその格納データを用いて端末コンピュータ３にて行った水理解析の結果を格納したものである。利用者は、そのほかに、端末コンピュータ３を用いて、解析用データベース２のデータを必要に応じて更新可能であるとともに、解析用データベース２のデータを閲覧することが可能である。

上記のように管理用データベース１におけるデータの更新は頻繁に行われるのが普通であるが、この更新結果をただちに解析用データベース２に反映させると、解析用データベース２の内容が頻繁に変更されることになる。しかし、水理解析は手間を要する作業であるので、解析用データベース２の内容の頻繁な変更にその都度対応して水理解析をやり直すことは事実上不可能である。また水理解析は一般に対象となる管路網をマクロ的にとらえて行われるものであるため、管理用データベース１におけるデータの更新が元のデータに対してわずかな変更しか行われていない場合には、解析結果に及ぼす影響があまり大きくないこともある。そこで通常は、ある程度の時間をおいたうえで、たとえば１年に１回程度の頻度で定期的に、管理用データベース１の内容を用いて解析用データベース２の内容を更新することが行われている。

しかし、そのようにすると、解析用データベース２の更新直後を除く普段の状態においては、管理用データベース１の更新内容を解析用データベース２にリアルタイムに反映させることができない。また、内容の異なる２つのデータベースが存在することになり、両者を個別に二元管理しなければならない。

図３は、上水道に適用される従来の地図情報システムの他の例を示す。ここでは、図２に示すシステムのように解析用データベース２の内容を定期的に更新するのではなく、利用者が端末コンピュータ３を用いて水理解析を実行するときに、その前準備として管理用データベース１のデータを解析用データベース２にコピーすることで、解析用データをその都度作成したうえで利用する。

この場合は、データを一元管理することができるメリットがある。しかし、水理解析の実行時には、毎回、水理解析用のデータを作成することが必要であり、水理解析するまでに手間すなわち時間がかかってしまう。
特開２００１−３２５３１２号公報 特開２００２−７８７４号公報

そこで本発明は、地図情報システムにおいて、ネットワークについてのデータ更新と、更新されたデータを用いての解析とを同時に運用できるようにして、利用者にとってのデータの一元性を確保できるようにすることを課題とする。

上記課題を解決するために本発明のネットワーク情報を備えた地図情報システムは、ネットワークについての設備更新データベースと公開用データベースとを具備し、前記設備更新データベースは更新利用者による随時の閲覧および更新が可能とされ、前記公開用データベースは、前記設備更新データベースから時間をおいて更新済みデータが供給される設備運用データベースと、前記設備更新データベースから前記設備運用データベースほどの時間をおかずに更新用データが供給される予告データベースとを具備し、前記設備運用データベースと予告データベースとは、運用利用者による閲覧と、前記運用利用者による、これら設備運用データベースと予告データベースとのデータを用いた処理とが可能とされているようにしたものである。

また本発明のネットワーク情報を備えた地図情報システムは、上記において、単数または複数の更新利用者と、単数または複数の運用利用者との両者によって、特定のデータを閲覧および更新可能な、情報交換用データベースを具備するものである。

本発明によると、ネットワークについての設備更新データベースと公開用データベースとを個別に具備し、公開用データベースは、設備更新データベースから時間をおいて更新済みデータが供給される設備運用データベースのほかに、設備更新データベースから設備運用データベースほどの時間をおかずに更新用データが供給される予告データベースとを具備し、運用利用者は、設備運用データベースと予告データベースとのデータを用いた処理が可能であるため、ネットワーク情報を備えた地図情報システムにおいて処理の対象となるデータとして、ネットワークの設備の更新状況と整合のとれたデータを用いることができ、これによってネットワークについてのデータ更新と、更新されたデータを用いての解析とを同時に運用することができることになって、利用者にとってのデータの一元性を確保することができる。

また本発明によると、単数または複数の更新利用者と、単数または複数の運用利用者との両者によって、特定のデータを閲覧および更新可能な、情報交換用データベースを具備するため、運用利用者間でリアルタイムに情報の交換を行うことができる。

図１は、本発明におけるネットワーク情報を備えた地図情報システムの具体例としての、上水道のための管路網情報を備えた地図情報システムを示す。ここで、１１は設備更新データベース、１２は運用に供する公開用データベースであり、両者は分離して設けられている。公開用データベース１２は、設備運用データベース１３と、予告データベース１４と、情報交換用データベース１５とを備える。１６は更新利用者のための端末コンピュータで、任意の数が設けられており、設備更新データベース１１と、公開用データベース１２における情報交換用データベース１５とにアクセス可能である。１７は運用利用者のための端末コンピュータで、同様に任意の数が設けられており、情報交換用データベース１５を含む公開用データベース１２にアクセス可能である。

設備更新データベース１１は、図２および図３に示した管理用データベース１と同様のもので、対象となる管路網における管路の敷設状況や管路の更新状況などのデータを地図情報とともに含んでいる。この設備更新データベース１１は、更新利用者のための端末コンピュータ１６を用いて閲覧可能であるとともに、端末コンピュータ１６を用いて、管路網の更新情報や新たな管路の敷設状態に関する情報などが頻繁に入力される。

運用に供する公開用データベース１２の設備運用データベース１３は、図２および図３に示した解析用データベース２と同様に、設備更新データベース１１に格納されたデータを用いて、時間をおいてたとえば定期的な更新が行われる。

設備更新データベース１１は、更新利用者のための端末コンピュータ１６を用いて更新データが入力されることで、その内容が変更されるが、予告データベース１４には、このようにして設備更新データベース１１に入力された更新データが、予告データとして登録される。その登録は、たとえば設備更新データベース１１の更新の都度、あるいは設備更新データベース１１に格納されたデータによる設備運用データベース１３の更新よりも頻繁に、行われる。すなわち、設備更新データベース１１に格納されたデータを用いた設備運用データベース１３の更新はある程度の期間をおいた後になされるが、その間の設備更新データベース１１における更新データを、予告データベース１４に別途格納しておくものである。

情報交換用データベース１５は、水理解析に関係の無いデータを格納するものである。ここには、管路網についての、たとえば事故情報や、点検情報や、工事予定情報などが、随時に更新入力される。

このような構成において、更新利用者は、端末コンピュータ１６を用いて、設備更新データベース１１を随時閲覧することができるとともに、管路網についての更新情報や新たな管路の敷設状態についての情報などを設備更新データベース１１に随時入力することができる。これによって、設備更新データベース１１は、頻繁にアップデートされることになる。アップデートされた情報は、予告データとして、予告データベース１４に登録される。また更新利用者は、端末コンピュータ１６を用いて、情報交換用データベース１５を閲覧可能であるとともに更新可能である。

運用利用者とは、主に管路網の水理解析を行う者を指すが、端末コンピュータ１７を用いて、公開用データベース１２の設備運用データベース１３を閲覧してデータを入手したうえで、所定の水理解析処理を担当する。その際に運用利用者は、公開用データベース１２の予告データベース１４を閲覧することで、更新データの有無を確認できるとともに、更新データがある場合はそのデータを入手することができ、その入手データを水理解析に反映させることができる。

これによって、水理解析を実行可能な地図情報システムとして整合性のとれたデータを運用することが可能となる。すなわち、水理解析とデータ更新とを同時に運用することができ、運用利用者にとってはデータの一元性がある。また、運用利用者が水理解析を行っている間に、更新利用者が設備更新データベースのデータ、すなわち図面などによって表わされた設備のデータを更新することができる。

さらに運用利用者は、端末コンピュータ１７を用いて、更新利用者と同様に、情報交換用データベース１５を閲覧可能であるとともに更新可能である。そして、複数の運用利用者すなわち複数の端末１７どうしの間で、リアルタイムに情報の交換を行うことができる。

上記においては、本発明にもとづくネットワーク情報を備えた地図情報システムの実施の態様として、上水道のためのネットワーク情報すなわち管路網情報を備えた地図情報システムについて説明したが、下水道やガス配管路などの他の管路網情報を備えた地図情報システムについても同様に適用することができる。また、一定地域において配線網を形成する電力供給システムなどに関する地図情報システムについても同様に適用することができる。

本発明にもとづくネットワーク情報を備えた地図情報システムの概略構成を示す図である。 従来のネットワーク情報を備えた地図情報システムの概略構成を示す図である。 従来のネットワーク情報を備えた他の地図情報システムの概略構成を示す図である。

符号の説明

１１ 設備更新データベース
１２ 公開用データベース
１３ 設備運用データベース
１４ 予告データベース
１５ 情報交換用データベース
１６ 更新利用者のための端末コンピュータ
１７ 運用利用者のための端末コンピュータ

Claims (2)

1. ネットワーク情報を備えた地図情報システムであって、
   ネットワークについての設備更新データベースと公開用データベースとを具備し、
   前記設備更新データベースは更新利用者による随時の閲覧および更新が可能とされ、
   前記公開用データベースは、前記設備更新データベースから時間をおいて更新済みデータが供給される設備運用データベースと、前記設備更新データベースから前記設備運用データベースほどの時間をおかずに更新用データが供給される予告データベースとを具備し、
   前記設備運用データベースと予告データベースとは、運用利用者による閲覧と、前記運用利用者による、これら設備運用データベースと予告データベースとのデータを用いた処理とが可能とされていることを特徴とするネットワーク情報を備えた地図情報システム。
2. 単数または複数の更新利用者と、単数または複数の運用利用者との両者によって、特定のデータを閲覧および更新可能な、情報交換用データベースを具備することを特徴とする請求項１記載のネットワーク情報を備えた地図情報システム。

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