JP2007226179A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】広視野角化を実現でき、しかも製造コストを抑えることができ、モバイル用途に好適な高速応答にも優れた液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】基板1aに共通電極11が形成されており、基板1bに表示電極12が形成されている。基板1a側の共通電極11には、スリット14が形成されている。このスリット14は、そのスリットの中心Bが対向する基板1b上の表示電極の中心Aとずれて形成されている。すなわち、スリット14は、表示電極12に対して、平面視において非対称になっている。
【選択図】図2
【解決手段】基板1aに共通電極11が形成されており、基板1bに表示電極12が形成されている。基板1a側の共通電極11には、スリット14が形成されている。このスリット14は、そのスリットの中心Bが対向する基板1b上の表示電極の中心Aとずれて形成されている。すなわち、スリット14は、表示電極12に対して、平面視において非対称になっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、広視野角化、高速応答性及び明るい表示を可能とする液晶表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータや、カーナビケーション、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話、液晶テレビ、携帯情報端末などの表示部には、液晶表示装置(LCD(Liquid Crystal Display))が広く利用されている。しかしながら、LCDは、従来のCRT(Cathode-Ray Tube)に比べて視野が狭く、視野角特性の改善が求められている。
視野角を広げる方式としては、例えば、TN型液晶表示装置の一対の対向電極間における表示域に開口パターン(スリット)を形成することが開示されている(特許文献1)。このスリットは、長手方向が初期(電圧無印加時)に液晶分子の配向方向と直交する方向になるように形成される。
VA(Vertical Aligned)モードにおいて、対向する一対の電極基板間で、一方の電極(例えば、共通電極)を他方の電極に対して平面視的に広く設けるとともに、表示域内の電極に開口パターン又はスリットを形成して斜め電界を発生させて視野角を拡大する方法(MVA(Multi Domain Vertical Aligned)(特許文献2)も知られている。
特許第3108768号公報
特許第2565639号公報
しかしながら、上記改善されたTNモードでは、視野角特性を若干改善できるものの、まだ十分な視野角を得るには至っていない。また、液晶分子ダイレクタの電場応答において、背面流(back flow)の影響が大きいため、高速応答が不可能であり、また、正面での明るさが犠牲になるという問題もある。
一方、MVAモードでは、基板表面に突起状の構造体を設けるために製造プロセスが複雑になり、コストアップの要因になる。さらに、階調反転をなくすために白表示の透過率を落とす必要があるため、高輝度を実現しようとすると、消費電力が高くなる。また、TN方式と同様に背面流(back flow)の影響が大きいことにより高速応答にやはり限界がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、広視野角化を実現でき、しかも製造コストを抑えることができ、モバイル用途に好適な高速応答にも優れた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、互いに対向して配置され、その対向面にそれぞれ電極が形成された一対の基板と、前記一対の基板間に正の誘電異方性を持つネマティック液晶層とを有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板上の電極にスリットが形成され、前記スリットは、そのスリット中心が対向する基板上の電極の中心とずれて形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、プレティルトによる表示への影響を補償することができ、広視野角化、高速応答性及び明るい表示を実現できる。また、垂直配向方式と異なり、簡単な構成であるので、製造コストを抑えることができる。
本発明の液晶表示装置においては、前記スリットは、その長手方向が、電圧無印加時の平均的な液晶分子の配向方向に対して略直交した方向に形成されていることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、前記スリットは、セルギャップをdとすると、約10d当たり少なくとも1個存在することが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、前記ネマティック液晶の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板表面に対して水平配向されていることが好ましい。この場合において、前記水平配向は、前記基板表面に対して前記液晶分子が所定のプレティルト角を持つようにラビング処理されることにより得られることが好ましい。この場合において、前記プレティルト角が約5°未満であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、セルギャップをdとすると、前記プレティルト角が4°未満の場合に、前記スリット中心が前記対向する基板上の電極の中心と約d/4〜2dだけずれることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、前記ラビング処理の方向と略直交する方向に前記液晶分子を配向させる配向膜を有することが好ましい。この場合において、前記配向膜は、主鎖が前記ラビング処理の方向に配向し、側鎖の方向に前記液晶分子を配向させる材料で構成されていることが好ましい。また、これらの場合において、前記基板表面に対する前記液晶分子のプレティルト角が約1°未満であることが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、前記ネマティック液晶は、正の誘電異方性を有することが好ましい。
本発明の液晶表示装置においては、表示画素に能動素子を有することが好ましい。また、本発明の液晶表示装置においては、透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置であることが好ましい。
本発明によれば、互いに対向して配置され、その対向面にそれぞれ電極が形成された一対の基板と、前記一対の基板間に正の誘電異方性を持つネマティック液晶層とを有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板上の電極にスリットが形成され、前記スリットは、そのスリット中心が対向する基板上の電極の中心とずれて形成されているので、広視野角化を実現でき、しかも製造コストを抑えることができ、モバイル用途に好適な高速応答にも優れた液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明は、バックライトなどの照明装置を用いて透過光で表示を行う透過型液晶表示装置又は透過領域及び反射領域を有し、バックライトなどの照明装置を用いて透過光で表示を行うと共に外光の反射光で表示を行う半透過型液晶表示装置に適用することができる。本実施の形態においては、本発明の液晶表示装置が透過型液晶表示装置である場合について説明する。
本発明は、バックライトなどの照明装置を用いて透過光で表示を行う透過型液晶表示装置又は透過領域及び反射領域を有し、バックライトなどの照明装置を用いて透過光で表示を行うと共に外光の反射光で表示を行う半透過型液晶表示装置に適用することができる。本実施の形態においては、本発明の液晶表示装置が透過型液晶表示装置である場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。図1に示す液晶表示装置は、互いに対向する一対の基板1a,1b及び、一対の基板1a,1bに挟持された液晶層2で構成された液晶パネルと、一対の基板1a,1bの外側の表面上にそれぞれ配置された偏光板3a,3bと、液晶パネルの外側(図1においては、偏光板3bの下方)に配置された照明装置であるバックライト4と、から主に構成されている。
基板(透明基板)1aは、一方の主面(液晶層2と対向する主面)上に透明電極(共通電極)が形成されており、この透明電極上に配向膜が形成されている。基板1b(アクティブマトリクス基板)は、一方の主面(液晶層2と対向する主面)上に各表示画素に対応した複数のスイッチング素子(能動素子)及び画素電極が形成されており、このスイッチング素子及び画素電極上に配向膜が形成されている。これらの基板1a,1bは、透明基板1aとアクティブマトリクス基板1bとの間は、スペーサ(図示せず)によって互いの対向間隔(セルギャップ)が保持されると共に、互いの周辺部がシール材(図示せず)によって封止されている。なお、この液晶パネルは、画素単位で赤(R)、緑(G)、青(B)のカラーフィルタ(図示せず)を設けてカラー表示を行うことができる。ここでは、基板1a,1bにはガラス基板が用いられ、画素電極には透明電極(ITO)やAl電極などの金属電極が用いられる。
液晶層2に含まれる液晶材料は、透明基板1a側の配向膜(図示せず)とアクティブマトリックス基板1b側の配向膜(図示せず)との間に封入された正の誘電異方性を有するネマティック液晶である。このネマティック液晶は、これらの配向膜により所定の方向にプレティルトを持ってツイスト角がほぼ0゜となるように水平配向(ホモジニアス配向)する。
偏光板3a,3bは、駆動電圧がオフ状態となるときに黒レベルを与えるように互いの偏光方向が設定されている。図1においては、光学素子として偏光板のみを記載しているが、光学素子として、必要に応じて、1/4波長板などの光学補償板が配置される。
バックライト4は、平板状の透明なアクリル樹脂などで構成された導光板と、陰極管(Cathode Fluorescent Tube)やLED(Light Emitting Diode)などの光源とから構成され、この光源が発する光を導光板で面発光させて液晶パネルに照射する。
図2(a),(b)は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の原理を説明するための図である。図2(a)は電圧無印加状態を示す図であり、図2(b)電圧印加状態を示す図である。図2に示す液晶表示装置においては、基板1aに共通電極11が形成されており、基板1bに表示電極12が形成されている。それぞれの基板1a,1bには、電極を被覆するように配向膜が形成されているが、図示していない。基板1a,1b間には、液晶層が挟持されており、液晶層内には、液晶分子13が含まれている。図2(a)においては、基板1aの配向膜に対して紙面向って左方向にラビング処理され、基板1bの配向膜に対して紙面向って右方向にラビング処理されているので、液晶分子13は、紙面向って右側が立ち上がってプレティルトを有するように配向している。すなわち、液晶分子13は、電圧無印加時に基板1a,1bの表面に対して水平配向されている。なお、プレティルト角θは、水平配向性を考慮すると、約5°未満、好ましくは約1°〜約4°であることが好ましい。
基板1a側の共通電極11には、スリット14が形成されている。このスリット14は、そのスリットの中心Bが対向する基板1b上の表示電極の中心Aとずれて形成されている。すなわち、スリット14は、表示電極12に対して、平面視において非対称になっている。スリット14は、その長手方向が、電圧無印加時(図2(a))の平均的な液晶分子13の配向方向(紙面内における横方向)に対して略直交した方向(紙面に対して法線方向)に延在するように形成されている。スリット14の幅としては、視野角特性を改善し得る斜め成分を持つフリンジ電界を発生できること、スリット中央部の電界不感応液晶分子による影響を小さくすること、あるいは顕著な開口率の低下を起こさないこと、などを考慮すると、例えば、セルギャップ4μmに設定した場合、約4μm〜約10μmであることが好ましい。また、スリット14の中心Bと表示電極12の中心Aとの間のずれ幅については後述する。
共通電極11及び表示電極12に電圧を印加すると、図2(b)に示すように、基板1a,1b間の液晶分子13がフリンジ電界15に沿って立ち上がる。このとき、図示した2つのドメイン領域16において、液晶分子13の立ち上がり状態がほぼ対称的な状態となる。このため、観察者が観察方向を変えても同じように表示を視認することができる。したがって、本実施の形態に係る液晶表示装置は、広い視野角を有することになる。
水平配向の場合においては、垂直配向の場合と異なり、液晶分子13の立ち上がりを安定させるためにプレティルトを付ける。このプレティルトがあるために、単にスリットを設けるだけでは、図2(b)に示す2つのドメイン領域16における液晶分子13の立ち上がり状態がほぼ対称的にならない。そこで、本発明のように、スリット14の中心Bが表示電極の中心Aとずらすことにより、プレティルトによる液晶分子13の立ち上がりの偏りを補償することができる。これにより、液晶分子13の立ち上がり状態を2つのドメイン領域16でほぼ対称的な状態にすることができる。なお、スリット14の中心Bを表示電極の中心Aに対してずらす方向は、液晶分子13の立ち上がり方向とすることが望ましい。例えば、図2(a)に示す液晶表示装置においては、図示するようなラビング方向でラビング処理を施しているので、表示電極12を有する基板1bにおいて、液晶分子13が紙面向って右側に向って立ち上がるようなプレティルトを有する。この場合において、スリット14は、表示電極12の中心Aに対して右側にずらして形成する。
図3(a)〜(c)は、本実施の形態に係る液晶表示装置における一対の基板上の電極に設けるスリットパターンの態様を示す図である。通常、基板1bについては、図3(a)〜(c)に示すように、画素毎にスイッチング素子として能動素子が設けられているので、これらの非表示領域などを考慮してスリットパターンが形成される。図3(a)〜(c)に示す構造においては、基板1b上には、ゲート21が形成され、ゲート21を覆うようにして絶縁層22が形成されている。絶縁層22上には、半導体層23、ソース24及びドレイン25が形成されており、TFTが構成されている。さらにTFTを覆うように絶縁層26が形成されている。なお、基板1a,1bの液晶層2側には、配向膜(図示せず)が形成されており、図示された方向にラビング処理が施されている。
図3(a)に示す態様においては、複数画素について、1画素当たり1個のスリットを共通電極11に設ける。この場合においては、図2で説明したように、スリット14の中心Bが基板1b上の表示電極12の中心Aに対して右側にずらして形成されている。
図3(b)に示す態様においては、複数画素について、1画素当たり1個のスリットを表示電極12に設ける。この場合においては、スリット17の中心Bが基板1a上の共通電極11(この場合、表示領域の1画素分の領域)の中心Cに対して右側にずらして形成されている。図3(b)においては、共通電極11を有する基板1aから見ると、液晶分子13が右側(紙面向って左側)に向って立ち上がるようなプレティルトを有する。したがって、図3(b)においては、スリット17の中心Bが基板1a上の共通電極11の中心Cに対して右側(紙面向って左側)にずらして形成される。すなわち、スリット17をずらす方向が液晶分子13の立ち上がり方向となっている。
図3(c)に示す態様においては、複数画素について、1画素当たり2個のスリットを交互に設ける。すなわち、1画素当たり、共通電極11に対してスリット14を形成し、表示電極12にスリット17を形成する。この場合においては、スリット14の中心B1が基板1b上の表示電極12の中心Aに対して右側にずらして形成されていると共に、スリット17の中心B2が基板1a上の共通電極11(この場合、表示領域の1画素分の領域)の中心C(この場合、1単位画素領域の中心)に対して右側にずらして形成されている。図3(c)においても、共通電極11を有する基板1aから見ると、液晶分子13が右側(紙面向って左側)に向って立ち上がるようなプレティルトを有する。したがって、図3(c)においても、スリット17の中心B2が基板1a上の共通電極11の中心Cに対して右側(紙面向って左側)にずらして形成される。すなわち、スリット17をずらす方向が液晶分子13の立ち上がり方向となっている。
本実施の形態に係る液晶表示装置において、スリット14及び/又はスリット17は、セルギャップをdとすると、視野角の改善に寄与し得ることなどを考慮して、約10d当たり少なくとも1個存在することが好ましい。また、スリット14,17の幅Dは、セルギャップをdとすると、視野角特性を改善し得る斜め成分を持つフリンジ電界を発生できること、スリット中央部の電界不感応液晶分子による影響を小さくすること、あるいは顕著な開口率の低下を起こさないこと、などを考慮して、d≦D≦2.5dであることが好ましい。
また、電極の中心A,Cからスリットの中心B,B1,B2までのずれ量は、プレティルト角に関して正逆両方向の、(フリンジ電界効果も含め)液晶分子の電場配向による基板表面からの立ち上がり分布によって決まる光透過率分布が、電極表示面に関してできる限り対称になることなどを考慮すると、1μm〜15μm、好ましくは2μm〜10μmであることが好ましい。また、セルギャップをdとすると、プレティルト角が4°未満の場合には、約d/4〜2dであることが好ましい。なお、プレティルト角が4°を超える場合には、ずれ量が大きな値になる傾向があり、最適化を図る必要がある。
なお、以上の説明においては、配向処理法としてラビング処理を用いた例を述べたが、本発明では、これに限ることなく、他の方法が採用されても良い。例えば、偏光状態又は非偏光状態の光(一般に紫外線など、光エネルギーが可視光よりも強い光線)の照射により偏光方向或いは偏光方向と直交する方向に液晶分子が配向するタイプの配向膜材料を用いて、光配向処理を行う方法、あるいは、ラビング処理と光照射法とを併用する方法なども適宜利用可能である。このような例としては、あるラビング強度で通常のラビング処理した後、プレティルト角を小さくなるよう光照射するなどの方法が採用可能である。このような方法は、ラビング方位に液晶分子を配列させた後に、光の波長・照射量を制御することでプレティルト角を制御し得るので、好ましい例である。
次に、本発明の効果を明確にするために行った実施例について説明する。
一方の基板上にスリット14を有する共通電極11を形成し、その上に配向膜を形成し、この配向膜に対して紙面向って右方向にラビング処理を施した。他方の基板の全面に表示電極12を形成し、その上に配向膜を形成し、この配向膜に対して紙面向って左方向にラビング処理を施した。そして、このようにして得られた一対の基板を配向膜同士が対面するようにして所定の間隔をおいて配置し、一対の基板間に正の誘電異方性を有するネマティック液晶を注入して封止した。このようにしてスリット14の位置を変えた5つの液晶表示パネルを作製した。これらの液晶表示パネルには、カラー表示ができるようにカラーフィルタを設けた。このとき、スリット幅は5μmとし、セルギャップは4.2μmとし、プレティルト角は1°とした。また、図示していないが、液晶分子は、紙面右側に向って立ち上がるように配向している。
一方の基板上にスリット14を有する共通電極11を形成し、その上に配向膜を形成し、この配向膜に対して紙面向って右方向にラビング処理を施した。他方の基板の全面に表示電極12を形成し、その上に配向膜を形成し、この配向膜に対して紙面向って左方向にラビング処理を施した。そして、このようにして得られた一対の基板を配向膜同士が対面するようにして所定の間隔をおいて配置し、一対の基板間に正の誘電異方性を有するネマティック液晶を注入して封止した。このようにしてスリット14の位置を変えた5つの液晶表示パネルを作製した。これらの液晶表示パネルには、カラー表示ができるようにカラーフィルタを設けた。このとき、スリット幅は5μmとし、セルギャップは4.2μmとし、プレティルト角は1°とした。また、図示していないが、液晶分子は、紙面右側に向って立ち上がるように配向している。
これらの液晶表示パネルについてLCDシミュレータ(シンテック社製)を用いて観察角度と透過率との関係を調べた。それらの結果を図4(a)〜(c)及び図5(a),(b)に示す。また、参考のために、共通電極にスリットを設けていない液晶表示パネルを作製して、この液晶表示パネルについても同様に観察角度と透過率との関係を調べた。その結果を図6に示す。なお、図4(a)に示す液晶表示パネルは、液晶分子の立ち上がり方向と反対の方向にずれ量2.5μmであり、図4(b)に示す液晶表示パネルは、ずれ量0であり、図4(c)に示す液晶表示パネルは、液晶分子の立ち上がり方向にずれ量2.5μmであり、図5(a)に示す液晶表示パネルは、液晶分子の立ち上がり方向にずれ量5μmであり、図5(b)に示す液晶表示パネルは、液晶分子の立ち上がり方向にずれ量7.5μmである。また、図面中の数値は単位μmである。これらの数値は一例であり、これに限定されることはない。
図6から分かるように、スリットを設けない液晶表示パネルについては、観察角度−80°〜−40°にかけて階調反転(白表示(V=4.00)よりもグレー表示(V=2.41,2.00,1.72)の方が明るくなる現象)の領域X2が現れた。これに対して、図4(a)〜(c)及び図5(a),(b)に示す液晶表示パネルは、階調反転領域X1がスリットなしの構成に比べていずれも小さく、広い視野角にわたって良好な表示が得られていた。また、図4(a),(c)及び図5(a),(b)に示すような本発明に係る構成、すなわちスリットの中心が対向する電極の中心からずれている構成を有する液晶表示パネルは、透過率が相対的に高く、明るい表示がなされることが分かる。また、図4(c)及び図5(a),(b)に示すような構成、すなわちスリット14の中心を対向する電極の中心に対してずらす方向が液晶分子の立ち上がり方向とする構成を有する液晶表示パネルは、階調反転現象がより小さくなっており、広い視野角にわたって良好な表示がなされることが分かる。さらに、図4(c)及び図5(a)に示すような構成、すなわちスリット14の中心を対向する電極の中心に対してずれ量が5μm〜10μmである構成を有する液晶表示パネルは、各色における観察角度の対称性が良好であり、同じ観察角度であれば、いずれの方向から見ても明るさがほぼ等しいことが分かる。
また、図4(c)に示す構成を有する液晶表示パネルと、垂直配向させた液晶層を有する液晶表示パネルについて、NTSC比60%を用い透過開口率を50%と仮定したときの透過率を比較したところ、図4(c)に示す構成を有する液晶表示パネルにおいては、表示面積比率が86%であり、透過率が4.5であったのに対して、垂直配向させた液晶層を有する液晶表示パネルにおいては、表示面積比率が62%であり、透過率が3.6であった。このように本発明に係る液晶表示装置は、垂直配向させた液晶層を有する液晶表示装置よりも明るい表示が得られることが分った。
本実施の形態に係る液晶表示装置によれば、少なくとも一方の基板上の電極にスリットが形成され、スリットは、そのスリット中心が対向する基板上の電極の中心とずれて形成されているので、プレティルトによる表示への影響を補償することができ、広視野角化、高速応答性及び明るい表示を実現できる。また、垂直配向方式と異なり、簡単な構成であるので、製造コストを抑えることができる。
本発明においては、図7(a),(b)に示すように、配向膜の材料及びラビング方向を適切に設定することにより、プレティルト角θをほぼ0にすることが可能である。図7(a),(b)は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の原理を説明するための図である。図7(a)は電圧無印加状態を示す図であり、図7(b)電圧印加状態を示す図である。また、図8は、本発明の実施の形態に係る液晶表示装置の1画素における拡大図である。図7に示す液晶表示装置においては、基板1aに共通電極11が形成されており、基板1bに表示電極12が形成されている。それぞれの基板1a,1bには、電極を被覆するように配向膜が形成されているが、図示していない。基板1a,1b間には、液晶層が挟持されており、液晶層内には、液晶分子13が含まれている。図7(a)においては、基板1aの配向膜に対して紙面手前から奥に向ってラビング処理され、基板1bの配向膜に対して紙面奥から手前に向ってラビング処理されている。これにより、液晶分子13の長手方向が基板1a,1bの紙面左右方向に沿って配向する。すなわち、液晶分子13は、電圧無印加時に基板1a,1bの表面に対して水平配向されている。なお、この場合、基板表面に対する液晶分子13のプレティルト角θは、約1°未満、好ましくは約0.5°以下であることが好ましい。
上記のように、ラビング処理の方向を紙面手前から奥に向う方向及び紙面奥から手前に向う方向にすることにより、ラビング処理の方向と略直交する方向に液晶分子13が配向し、そのプレティルト角がほぼ0、約1°未満になる。このように、プレティルト角がほぼ0になることにより、図7(b)及び図8に示すように、電圧印加状態において、フリンジ電界15による液晶分子13の電場配向が、液晶分子の長軸の両末端でほぼ同じに起こる。そのため、2つのドメイン領域16のそれぞれの面積がほぼ同じとなる。
配向膜の材料としては、図9に示すように、水平配向において、主鎖31がラビング処理の方向にほぼ配向し、側鎖32の方向に液晶分子13を配向させる材料、すなわち、ラビング方向に対して略直交する方向に液晶分子を配向させる材料であることが好ましい。このような材料としては、ポリイミド、ポリアミドであって、主鎖と略直交する方向に液晶分子13と相互作用し易い官能基を有する材料を挙げることができる。このような官能基としては、メチルアクリレートやエチルアクリレートの一部、芳香環(フェニル基、ベンジル基、ビフェニル基など)、−O−CO−CH3基、−O−CO−C2H5基などが挙げられる。このような材料で構成された配向膜においては、ラビング強度により液晶分子13のプレティルト角が大きく変化せずに、相対的に低いプレティルト角を実現することができる。
また、水平配向において、IPS(In Plane Switching)方式で使用される配向膜に対して比較的強いラビング処理を施すことにより、プレティルト角を約1°未満にすることも可能である。このような配向膜の材料としては、ラビング方向に沿って主鎖が延伸配向し、液晶分子13のプレティルト角が大きくなる要素のない材料が好ましい。例えば、このような材料としては、分子側鎖が炭素数7以下のアルキル基、アルコキシ基などである材料が挙げられる。また、このような配向膜としては、特開2005−49835号公報に記載された配向膜などを用いることができる。
プレティルト角をほぼ0にする態様については、図10(a)に示す態様や図10(b)に示す態様にも適用することができる。図10(a)に示す態様においては、複数画素について、1画素当たり1個のスリットを共通電極11に設ける。この場合においては、スリット14の中心Bが基板1b上の表示電極12の中心Aに対して右側にずらして形成されている。また、図10(b)に示す態様においては、複数画素について、1画素当たり2個のスリットを交互に設ける。すなわち、1画素当たり、共通電極11に対してスリット14を形成し、表示電極12にスリット17を形成する。この場合においては、スリット14の中心B1が基板1b上の表示電極12の中心Aに対して右側にずらして形成されていると共に、スリット17の中心B2が基板1a上の共通電極11(この場合、表示領域の1画素分の領域)の中心C(この場合、1単位画素領域の中心)に対して右側にずらして形成されている。
プレティルト角がほぼ0である液晶表示パネルについてLCDシミュレータ(シンテック社製)を用いて観察角度と透過率との関係を調べた。それらの結果を図11(b),(c)に示す。なお、液晶表示パネルは、図11(a)に示す構造(スリット幅5μm)のものを用いた。また、図面中の数値は単位μmである。これらの数値は一例であり、これに限定されることはない。
図11(b),(c)において、特性曲線Iは白色を示し、特性曲線IIは75%灰色を示し、特性曲線IIIは50%灰色を示し、特性曲線IVは25%灰色を示し、特性曲線Vは黒色を示す。また、図11(b),(c)において、上側の特性図はラビング方向に直交する方向(横方向:「−」が9時方向で「+」が3時方向)であり、上側の特性図はラビング方向に平行な方向(縦方向:「−」が6時方向で「+」が12時方向)である。
図11(b),(c)から分かるように、プレティルト角1°未満である液晶表示パネルにおいては、階調反転領域がなく、広い視野角にわたって良好な表示が得られていた。また、この液晶表示パネルにおいては、各色における観察角度の対称性が良好であり、同じ観察角度であれば、いずれの方向から見ても明るさがほぼ等しいことが分かる。本発明においては、透過率等の視野角依存性を良くするという観点からは、液晶分子のプレティルト角が小さいほど良い結果が得られる。しかしながら、実際のパネルにおいては、プレティルト角が0度に近づくと、画素電極、電極配線、あるいは構成膜などの段差により、プレティルト角の部分的な変動が生ずることもある。また、プレティルト角を小さくするために過度にラビング強度(例えば、ラビングロール回転数を大幅に上げること、ロール押し込み量を過剰に大きくするなど)を大きくすることにより、配向膜面が損傷を受け、パネル外観上好ましくないラビング傷などが発生することがある。したがって、現実的なプレティルト角は、0.1°〜0.8°に設定されることが好ましく、特に好ましくは0.3°度以上0.5°程度である。
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態においては、液晶表示装置がアクティブマトリクス型液晶表示装置について説明しているが、本発明はパッシブマトリクス型液晶表示装置に適用することもできる。上記実施の形態で説明した数値や材質、液晶表示装置の構成などについては特に制限はない。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。本発明では、配向処理法として、ラビング法のみならず、その他の方法、例えば光処理法でも良い。またラビング法と光処理法とを併用する方法であっても良い。
1a,1b 基板
2 液晶層
3a,3b 偏光板
4 バックライト
11 共通電極
12 表示電極
13 液晶分子
14,17 スリット
15 フリンジ電界
16 ドメイン領域
21 ゲート
22,26 絶縁層
23 半導体層
24 ソース
25 ドレイン
31 主鎖
32 側鎖
2 液晶層
3a,3b 偏光板
4 バックライト
11 共通電極
12 表示電極
13 液晶分子
14,17 スリット
15 フリンジ電界
16 ドメイン領域
21 ゲート
22,26 絶縁層
23 半導体層
24 ソース
25 ドレイン
31 主鎖
32 側鎖
Claims (12)
- 互いに対向して配置され、その対向面にそれぞれ電極が形成された一対の基板と、前記一対の基板間に正の誘電異方性を持つネマティック液晶層とを有する液晶表示装置であって、少なくとも一方の基板上の電極にスリットが形成され、前記スリットは、そのスリット中心が対向する基板上の電極の中心とずれて形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
- 前記スリットは、その長手方向が、電圧無印加時の平均的な液晶分子の配向方向に対して略直交した方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載の液晶表示装置。
- 前記スリットは、セルギャップをdとすると、約10d当たり少なくとも1個存在することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液晶表示装置。
- 前記ネマティック液晶の液晶分子は、電圧無印加時に前記基板表面に対して水平配向されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記水平配向は、前記基板表面に対して前記液晶分子が所定のプレティルト角を持つようにラビング処理されることにより得られることを特徴とする請求項4記載の液晶表示装置。
- 前記プレティルト角が約5°未満であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
- セルギャップをdとすると、前記プレティルト角が4°未満の場合に、前記スリット中心が前記対向する基板上の電極の中心と約d/4〜2dだけずれることを特徴とする請求項5又は請求項6記載の液晶表示装置。
- 前記ラビング処理の方向と略直交する方向に前記液晶分子を配向させる配向膜を有することを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記配向膜は、主鎖が前記ラビング処理の方向に配向し、側鎖の方向に前記液晶分子を配向させる材料で構成されていることを特徴とする請求項8記載の液晶表示装置。
- 前記基板表面に対する前記液晶分子のプレティルト角が約1°未満であることを特徴とする請求項8又は請求項9記載の液晶表示装置。
- 前記液晶表示装置は、表示画素に能動素子を有することを特徴とする請求項1から請求項10に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶表示装置は、透過型液晶表示装置又は半透過型液晶表示装置であることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれかに記載の液晶表示装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011107487A (ja) * | 2009-11-19 | 2011-06-02 | Panasonic Liquid Crystal Display Co Ltd | 液晶表示装置の製造方法 |
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-
2006
- 2006-08-23 JP JP2006226606A patent/JP2007226179A/ja not_active Withdrawn
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