JP2007222233A - 乳房の超音波診断装置とその画像表示方法 - Google Patents

乳房の超音波診断装置とその画像表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乳房のBモード像だけではなく、乳房表面から深さ方向に等距離にある断面像(Cモード像)も含めて、乳房の任意の断面の超音波画像を提供できるデータを取得することができる乳房超音波診断装置および超音波画像表示方法を提供する。
【解決手段】本発明による乳房超音波診断装置は、アーム2を介してリニア電子走査形超音波探触子3を支持し、体位調整により水平に保たれた乳房表面に対して前記探触子3が平行になるように直接接触するかまたは液体の音響媒体を介して設置する。超音波ビームを乳房内部に入射しつつ探触子3を乳頭13を中心に回転する。前記探触子3の傾斜角度θを遂次検出しながら回転して得られる乳房内の全ての超音波反射情報を記憶する。前記記憶データに基づいてデータを再構成することにより乳房の任意の断面の超音波画像を表示可能に構成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は超音波を用いた乳房診断装置とその表示方法に関する。さらに詳しく言えば、超音波探触子を体位調整により水平に保たれた乳房の乳頭を中心軸として回転させることにより乳房全体の超音波反射情報を装置に取り込み任意の乳房断面像を形成し表示することを可能にする乳房診断装置と超音波画像表示方法に関する。
近年、日本における乳癌患者数は著しい増加を示している。欧米では乳癌患者は減少傾向にあるが、日本、アジアは増加傾向が止まらない。欧米では高齢者ほど、乳癌羅患率が高いが、日本においては40歳代の女性の乳癌羅患率が著しく高いのが特徴である。日本女性の癌の羅患率は、他の癌を圧倒して高い。乳癌は、早期に発見することにより簡単な切除手術により完治が可能な癌であるが、発見が遅れると乳房全体に広がり、乳房を切除せざるを得なくなり、さらには全身への転移で命を落とすケースが極めて多い。日本の乳癌患者ならびに乳癌による死亡を減らすには、30歳代からの若年層へ乳癌検診を受診させることが最も効果的である。
乳癌検診の一般的な方法は、視触診、マンモグラフィー、超音波診断である。以前は、医師により乳房への視触診が一般的であったが、ここ数年、乳癌検診としての視触診はほとんど効果(患者数の減少)がないというデータがでてきて、視触診は疑問視されている。これは診断する医師の経験不足と乳房の個人差によるものと言われている。
一方、マンモグラフィーが標準的な乳癌検診方法として推奨されている。しかしながらマンモグラフィーには大きな欠点が指摘されている。それは、X線を用いているために被曝の問題が常に付きまとう。欧米のように高齢者に乳癌が多い場合はこの問題を重視しなくても済むかもしれないが、日本のように40歳代が最も患者が多いとなると30歳から検診を行わなければならず、この年代の女性はまだ出産を控えており、X線被曝の問題は無視できない。更に、マンモグラフィーは乳房を上下または左右で挟んで薄く引き延ばして撮影が行われる。この操作手順による苦痛は受診者にとって精神的、肉体的にかなり負担が大きい。その上、30〜50歳代の日本人の乳房は脂肪層よりも筋肉質が多く、密度の高い乳房(デンスブレスト)が多いために、マンモグラフィーでは白く写り、乳癌の特徴である白い石灰化像との区別がつきにくい。更に、マンモグラフィーではしこりのある癌でも石灰化が起こらないものは検知できない。この割合も比較的高く無視できない。
以前から、乳房の診断には超音波診断が用いられてきた。特に、視触診あるいはマンモグラフィーなどで、乳腺腫瘍が発見された時、良性、悪性の識別並びに手術前の腫瘍の位置決めには必須な診断方法である。最近の進歩した超音波診断装置を用いることにより、直径3mm以上の腫瘍は検出できると言われている。さらに超音波診断の良さは、検査に際して、マンモグラフィーのようにX線の被曝が起こることもないことである。診断方法で数少ない非浸襲性の検査である。この性質を利用して産婦人科領域では胎児の診断に用いられている。更に、超音波検査に際しては、乳房または探触子にゼリーを塗るだけでよく、マンモグラフィーのような被検者への苦痛は極めて小さい。
超音波診断がこのような優れた性質を有していながら乳癌検診に一般的に用いられていないのは、超音波診断/検査が検査者の知識、経験、技能に大きく依存するからである。X線診断、CT(X線コンピュータ断層撮影)、MR(核磁気共鳴断層撮影)などは、検査者の能力への依存性が少なく、装置自身が自動的に検査/診断を行うからである。一方、超音波検査/診断においては、探触子を手で持ち、検査部位の体表を視覚的に見ながら走査を行い、さらに得られた診断画像を視覚的に見て、検査者の経験を基に、腫瘍の有無、悪性、良性の鑑別をしなければならない。特に、検査者自身が探触子を乳房全体にくまなく走査しなければならない。万が一腫瘍部分の走査をし損じた場合は見逃しに繋がる。その上、乳房の診断画像は乳腺の発達程度、脂肪層と筋肉質のそれぞれの割合、乳房の大小など被検者の個人差が大きく、これも診断の難しさに大きな影響を与えている。十分な経験、教育を積んだ検査者でなければ、十分な診断ができない。
(第1の課題)これまで行われている乳房検診においては、探触子を直接乳房表面に当てて縦横任意に走査をして画像(Bモード像)を表示し異常の有無を検査していた。このような手動による縦横任意の走査では、腫瘍が発見されても位置の把握が困難であり、腫瘍摘出の外科的な処置に最適な画像とは言えない。そこで、超音波を用いて乳房の診断を行うに際して、検査者の経験、技能に左右されることなく、検査/診断を可能にするために、可能な限り探触子の走査に自動化を取り入れて診断のやり易さを追求する特許出願(特許文献1)がなされている。
特開2003−310614号公報
特許文献1に係る発明は、体位調整により水平に保たれた乳房の乳頭を中心に探触子を回転させて、その回転で得られるBモード像により読影を行うものである。この方法では、探触子の回転角度を検出することによって、得られた画像(Bモード像)が回転方向のどの位置の画像であるかの確認(時計表示で何時の位置の画像であるか)が可能となっている。しかしながら、表示される画像(Bモード像)は依然として(探触子から発射される超音波ビームの走査幅で決まる)狭い視野幅であり、探触子の回転方向における位置表示も、時計マークがBモード像の傍に表示されているに留まっている。乳癌の詳細な診断と外科的処置に当たっては、乳房内の腫瘍の位置が乳房全体を表示した画像上で確定できることが望まれている。
(第2の課題)また、この方法で得られるBモード像をVTRなどに連続記録し、再生して読影をする場合、探触子走査に要する時間と同じ時間が掛かるという問題があり、再生、読影時の時間短縮が課題となっている。
特許文献1記載の発明に係る装置では、6cm前後の視野幅の探触子を用いて乳房に直接接触させ回転走査させている。これは、視野幅の広い(8cm〜10数センチの視野幅の)探触子を乳房表面に直接接触させて一回の回転で全乳房を走査しようとすると、乳房の外側(特に、胸部の脇に近い部分)で体表面から探触子が離れ、画像が表示されなくなるという不具合があるためである。そこで、6cm前後の視野幅の探触子を回転の中心部に近い位置(内側と呼んでいる)に設定し、乳頭中心に1回転させ、次に外側(乳頭から遠い方)へ探触子を移動した後、さらにもう1回転(合計2回転)させて全乳房を走査するようになっている。
前記装置で得られる像では認定できないかあるいは、困難であった認定を容易にする画像を得て、乳房内の腫瘍の位置が乳房全体を表示した画像上で確定できるようにしたいという強い要請がある。
乳頭を通る垂線が中心軸となるような乳房全域のBモード像と、探触子表面(即ち、乳房表面)から深さ方向に等距離にある断面像(Cモード像)が乳房全域にわたって表示できれば、その画像内に存在する腫瘍の位置や大きさの計測が可能になる。
これまで、乳房の超音波画像表示において、(地球の水平を基準とした)水平断面像をCモード像と呼んでいるケースが見かけられるが、あくまでもCモード像は探触子表面から深さ方向に等距離にある断面像である。
本発明の目的は、乳房のBモード像だけではなく、探触子表面(即ち、乳房表面)から深さ方向に等距離にある断面像(Cモード像)も含めて、乳房の任意の断面像に関わる種々のデータを取得することができる乳房超音波診断装置を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、前記乳房超音波診断装置により取得した前記データを利用して施術者(読影者)の瞬時の判断に供することができ、また定量的な判断に適した超音波画像の再生方法を提供することにある。
本発明のさらに詳細な目的は、探触子を自動回転することにより探触子操作の人的な要因を可能な限り除去し、さらに乳房全体像を表示することにより、診断についてもより客観性のあるデータの獲得を可能にする乳房超音波診断装置およびその画像の表示方法を提供することにある。
本発明のさらに詳細な他の目的は、乳房超音波診断装置によるデータの取得と画像表示方法を自動化することにより、超音波検査に習熟していない者でも探触子走査が可能な乳房超音波診断装置およびその画像表示方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明による請求項1記載の乳房超音波診断装置は、
アームを介してリニア電子走査形超音波探触子を支持し、
体位調整により水平に保たれた乳房表面に対して前記探触子が平行になるように直接接触するかまたは液体の音響媒体を介して設置し、超音波ビームを乳房内部に入射しつつ探触子を乳頭中心に回転するシステムにおいて、
前記探触子の傾斜角度を遂次検出しながら回転して得られる乳房内の全ての超音波反射情報を記憶し、
前記記憶に基づいてデータを再構成することにより乳房の任意の断面の超音波画像を表示可能に構成されている。
本発明による請求項2記載の超音波画像表示方法は、請求項1記載の乳房超音波診断装置における超音波画像表示方法において、
前記任意の断面の超音波画像は、探触子からの超音波ビームに直交して、乳頭を中心とした乳房全体の断面像(Cモード像)としたものである。
本発明による請求項3記載の超音波画像表示方法は、請求項1記載の乳房超音波診断装置における超音波画像表示方法において、
前記任意の断面の超音波画像は、探触子からの超音波ビームに平行で、乳頭を中心とする軸の断面画像(Bモード像)としたものである。
本発明による請求項4記載の超音波画像表示方法は、請求項3記載の超音波画像表示方法において、
乳頭を中心軸とした乳房全体のBモード像を探触子の回転に従って連続的に画像表示するように構成してある。
本発明による請求項5記載の超音波画像表示方法は、請求項2記載の超音波画像表示方法において、
前記Cモード像を深さ方向に所定の距離ごとに表示するものである。
本発明による請求項6記載の超音波画像表示方法は、請求項3記載の超音波画像表示方法において、
左右の乳房のBモード像をお互いに乳頭部を外側に、胸部の体表側を内側に配置して左右対称に一つの画面上に画像表示するものである。
本発明による請求項7記載の超音波画像表示方法は、請求項6記載の超音波画像表示方法において、
左右対称に一つの画面上に画像表示した乳房のBモード像を探触子の回転に従って連続的に画像表示するものである。この方法によれば、左右の乳房を同じ回転位置で比較しながら、観察、診断することができる。
本発明による乳房の超音波診断装置とその画像表示方法は、乳腺の解剖学的関係より乳頭を含めた全乳房の断面像を正確に描出し記録できるので、集団検診に適している。集団検診に際しては、多くの被検者の画像を連続記録した後に、その全データを再生し、読影そして診断を短時間で行うことができる。また、乳腺腫瘍の部位を正確に表示可能であるばかりでなく、腫瘍の形、大きさ辺縁への進展、乳管の状況などの観察診断及び外科的処置の向上につながる。
この新装置の導入により、近年著しく増加傾向にある乳癌患者を減らし、更には死亡率の低下に貢献できるものである。
さらに、探触子を自動回転することにより探触子操作の人的要因を可能な限り除去し、さらに乳房全体像を表示することにより、診断についてもより客観性のある診断を可能とするものである。
この自動化装置は超音波検査に習熟していない者でも探触子走査が可能になり、乳癌集団検診用装置としての使用に最適な装置である。この新装置の導入により、近年著しく増加傾向にある乳癌患者を減らし、更には死亡率の低下に貢献できるものである。
以下図面等を参照して本発明による装置と方法の実施の形態を説明する。
図1は全システムの構成を示すブロック図である。本発明による装置は、後述する探触子(図2,4,6〜10,12,13参照。各図において探触子3)を代表する探触子(S)(回転機構を含む)を備えている。
探触子(S)は、検出時の時刻と、探触子Sの角度に関連するθと取得データρを出力する。表示手段Dは前記探触子Sの出力をリアルタイムで画像化したもの、または後述する再生画像構成手段RCにより、表示モード等にしたがって画像化された像(Bモード像およびCモード像)を表示する。前記探触子Sのデータは外部メモリMに格納されるとともに走査中の映像として表示手段Dに表示することもできる。
制御手段CPUは、入力手段Iから入力された命令等に従って、各部の起動および自動動作を実行させる。
入力手段Iは専用または通常のキーボード等の入力手段であって、データ取得のための動作の開始または終了の指示、再生時の再生画像のモードの指定を入力する手段である。
再生画像構成手段RCは、画像変換のプログラムにしたがって、取得した画像をまたは取得後に大容量メモリに蓄積されているデータを再生モードに変換する手段である。
本発明による超音波を用いた乳房診断装置では、広視野の画像(Bモード像およびCモード像)を得るためには、探触子S(後述する探触子3)の回転走査時における回転位置と傾斜角を遂次検出し、その回転位置情報及び傾斜角度情報(θ)を画像情報(ρ)とともに関連付けてメモリ(ハードディスクなどの外部メモリ)Mに記憶させる。
乳房の内側から外側へと回転走査が終了すると、回転の角度情報(時計方向の表示で示される)と探触子Sの傾斜角情報及び、深さ方向の距離情報Dと電子走査による走査幅情報及びエコー情報から作られる画像情報により再生画像構成手段RCで画像合成をし、図2に示すような、乳頭を中心軸とした合成されたBモード像及び、図3に示すような、乳頭を中心とした合成されたCモード像が作成される。
なお、図2において、27は境界ラインであって、隣接する各探触子3の画像データの接合線を示す。また、乳頭13を通る境界ラインは水平に保たれた乳房に対して垂直ラインとなる。
図3は、探触子の傾斜角情報が含まれていない画像で、腫瘍などの存在及び位置確認に用いられる。また、腫瘍の大きさなどの計測をCモード像上で行う場合には、図1の再生画像構成手段RCの中に含まれる(探触子の傾斜角情報を含めた)計算ソフトにより計測が行われる。
なお、図において、円周上の数値(12,3,6・・)は、時計表示による方位を示す。
Bモード像をVTRなど外部メモリMに連続記録し、再生して読影をする場合、本発明では、前述のように、探触子回転走査時における傾斜角を遂次検出し、その角度情報を画像情報とともに関連付けてメモリ(ハードディスクなど)に記憶させ、合成像として広視野のBモード像およびCモード像を作成できる。
したがって、再生時には、それらの合成像を再生すると記録時(すなわち、走査時)の1/4の時間で再生することができ、読影の時間を大幅に節約することができる。すなわち、記録時に30秒で1回転したとすると、乳房の内側と外側の回転で1分かかることになる。再生時には、図2に示すように、合成したBモード像を連続再生させると、360°回転再生の必要はなく、180°回転再生ですむので、従来の1/4の時間ですむことになる。
図4は、本発明装置における探触子傾斜角センサの配置例を示す斜視図である。
本発明の乳房の超音波診断装置は、図に示すように、乳頭真上に回転中心がある回転軸1に取り付けられた探触子ブロック保持部21に設けられた所定の長さの探触子支持アーム2を介して探触子3を支持している。
探触子3の下面には、音響カプラー22が設けられている。探触子ホルダ4に設けられた、探触子3の傾斜を検出するための角度センサ5に連動させながら、回転軸1の回転により探触子3を、乳頭を含む乳房皮膚面に沿って回転させ、探触子の傾斜角度θを表示しながら超音波ビームを走査して得られる乳房内部からの全エコー情報をメモリに記憶させる。
図5は、本発明方法における、乳房を上から見た場合の表示例を示す図である。仮に、乳房を上から見て10時と4時を結んだ線上の下に腫瘍が存在したとすると、図6に示すように、この腫瘍の存在するラインにおけるBモード像が合成して作り出される。
すなわち、図2のような、乳頭を中心軸として合成されたBモード像を表示することができる。
なお、図5の腫瘍の存在するライン上の点B,A,O(中心),C,Dを、図6の点B,A,O,C,Dと対応させてある。
図6に示す合成の方法は、従来と同様の技術で可能である。すなわち、探触子の傾斜により画像の重なりが生じるが、重なった部分を処理(平均をとったり、片方を削除したり)することで合成された画像(図2参照)を作ることができる。ここでは、図6に示すように、探触子が(乳房の)内側の(回転)位置にあるときは、乳頭(O)を通る垂線(境界ライン27)を境としてはみ出した部分(オーバーラップ部29,29)の画像を画像処理により削除する。また、探触子が(乳房の)外側の(回転)位置にあるときは、内側の(回転)位置にあるときの画像と外側の(回転)位置にあるときの画像とが重なる部分の中心を通る境界線(図6のAまたはCを通る中心線27,27)を境としてはみ出した部分(29,29)の画像を削除することによって図2のような合成されたBモード像を得ることができる。
図6は、本発明方法において、探触子が2つの位置で回転する場合、合成されたBモード像の角度等の設定を説明する図である。図6に示すような合成されたBモード像上で腫瘍17を発見した場合、腫瘍の存在する深さ(Dcm)のライン(Cモード深さ設定ライン30)を設定し、前述のメモリに記憶された各種情報(深さ方向の距離、探触子回転角及び傾斜角など)を基にして、その深さ(Dcm)における、図3に示すような乳頭を中心とした合成されたCモード像を作成することができる。
図3の画像は、あくまでも腫瘍の存在と位置の確認のための画像、すなわち観察用の画像である。前述のように、実際に腫瘍の大きさなどをCモード像上で計測する場合、図1の再生画像構成手段RCの中に含まれる(探触子の傾斜角情報を含めた)計算ソフトにより計測が行われる。
図7は、本発明装置における探触子傾斜角センサの配置の他の例を示す斜視図である。図4で説明した要素については、共通の数字を付して説明を省略する。
探触子支持アーム2の傾斜角θ1 を検出するための角度センサ7が回転軸1と探触子支持アーム2の交叉する接合部に設けられ、探触子支持アーム2に対する探触子ホルダ4(すなわち、探触子3)の傾斜角θ2 を検出するための角度センサ8が探触子支持アーム2と探触子ホルダ4の交叉する接合部に設けられている。従って、探触子の傾斜角θは、θ=θ1 +θ2 で求められる。この検出法は、図4で示した(角度センサ1個を用いる)方法に比べ、角度検出精度において優れている。
本発明による装置と方法は水槽内での探触子回転による被検者の測定にも適用できる。水槽を利用するとその中に広い視野幅(超音波の走査幅が10cm前後)の探触子を乳房表面に平行になるように配置させて乳頭を中心軸として回転させることができる。
図8は、本発明装置を水槽内での探触子回転により被検者が仰臥位での測定を実現した実施例を示す図である。図8の例は、被検者が仰臥位の状態で乳房の上に超音波伝達液体である脱気水11を満たした大形水袋(または水槽10)を設置する。水槽の中に広い視野幅(超音波の走査幅が10cm前後)の探触子3を支持する探触子ホルダ4を乳房表面に平行になるように配置して乳頭を中心軸として回転させるものである。角度センサ9(1例として回転式ポテンショメータ)を用いて、探触子ホルダ4の角度θのデータを取り込む。
図9は、本発明装置で被検者の腹臥位での測定を実現した実施例を示す。探触子ホルダ4に支持された探触子3は、水槽の下に配置された回転駆動装置12により回転させられ、探触子3の傾きθのデータは図8の実施例と同様に角度センサ9により取り込まれる。
以上説明した2例とも水槽内での回転機構なので、広い視野幅の探触子を一回転することで全乳房のエコー情報が得られる。探触子の傾斜角θは回転軸1と探触子ホルダ4の交叉する接合部に設けられている角度センサ9(1例として回転式ポテンショメータ)によって検出される。1探触子1回転による、乳頭を中心軸として合成されたBモード像(図10)と乳頭を中心として合成されたCモード像(図示せず)が得られる。
さらに他の表示の態様を説明する。図11は本発明による方法で、左右の乳房のBモード像の同一画面表示を説明するための図である。同図(a)は、右の乳房のBモード像を、同図(b)は、左の乳房のBモード像を示している。
図1の入力手段Iによりこの表示の選択をすると、蓄積されたデータを再構成して、図示のように表示される。
この方法によれば、左右の乳房を同じ回転位置で比較しながら観察、診断することができる。この左右の乳房のBモード像を同時に時計表示の9時の位置から3時の位置まで(180°)連続回転(再生)させれば、検査(記録)時の1/8の時間で再生、読影することができることになり、大幅な時間短縮ができる。
図12は、本発明方法における、乳房全体のBモード像を連続表示したときの表示画像例を説明するための図である。通常、探触子の回転は図12の(a)に示すように、時計表示の9時の位置からスタートする。前述したように、本システムでは探触子回転時に遂次エコー情報が記憶され、終了後には記憶された全エコー情報により図2に示すような乳房全体のBモード像が回転の全周にわたって得られる。
これらの全Bモード像を再生して医師が読影する際、検査(記録)時と同様に時計表示の9時の位置からスタートする。図12の例では、再生(読影)をスタートしてから10時の位置(即ち、画像合成により4時の位置と同じ)にさしかかったとき、図12の(a)にあるように腫瘍17がBモード像上に現れる(図12の(b))。更に、(再生時の)回転を進めると11時(5時)の位置にのう胞18がBモード像上に現れる(図12の(c))。画像の再生は3時即ち9時の位置で終了し、検査時に対して1/4の時間で乳房全体のBモード像を再生し読影することができることになる。乳房全体を観察しながら読影を行うことができるので、異常部位の発見が容易となり(検出率の向上につながり)、トータルとして検査時間の短縮が可能となる。
図13は、本発明方法における、Cモード像を深さ方向に所定の距離ごとに表示した例を説明するための図である。同図の(a)に示すように、探触子の回転位置が10時と4時の線を結んだ位置におけるBモード像上で、腫瘍17の存在する(探触子表面からの距離)d1 の深さにおけるCモード像は図13の(b)のように表示される。また、d1 の深さよりも少し遠いd2 の深さのCモード像は図13の(c)のように表示される。
図13の(c)では、腫瘍17の一部が表示されていると同時に、のう胞18も同一Cモード像上に表示される。このように、探触子表面(即ち、乳房表面)からの深さを連続的に(あるいは細かく)変えてCモード像を観察していくと腫瘍やのう胞などの立体(三次元)的な形の把握が容易となる。すなわち三次元表示も容易となる。このことは、腫瘍等の病変の正確な位置や大きさなどがわかり外科的処置を行うのに有効となる。
前述したように、これまで行われている三次元表示において、(地球の水平を基準とした)水平断面像をCモード像と呼んでいるケースが見かけられるが、あくまでもCモード像は探触子表面から深さ方向に等距離にある断面像である。
本発明による乳房の超音波診断装置とその画像表示方法は、乳腺の解剖学的関係より乳頭を含めた乳房全体の画像表示が可能となり、乳腺腫瘍の部位を正確に表示可能にする。
したがって、医療電子工学の製造分野に有用である。
本発明による超音波診断装置とその画像表示方法は、取り扱いが簡単であるから集団検診などの分野の生産性と確実性を一層向上させることができる。
本発明による装置のシステムのブロック図である。 乳頭を中心軸とした合成されたBモード像を説明するための図である。 乳頭を中心とした合成されたCモード像を説明するための図である。 本発明装置における探触子傾斜角センサの配置例を示す斜視図である。 本発明方法における、乳房を上から見た場合の図である。 本発明方法における、探触子が2つの位置で回転する場合の合成されたBモード像の角度等の設定を説明するための図である。 本発明装置における探触子傾斜角センサの配置の他の例を示す斜視図である。 本発明装置を水槽内での探触子回転により被検者が仰臥位での測定を実現することができる実施例を示す図である。 本発明装置を水槽内での探触子回転により被検者が腹臥位での測定を実現することができる実施例を示す図である。 本発明方法における、探触子が1つの位置で回転する場合の乳頭を中心軸とした合成されたBモード像の表示例を示す図である。 本発明方法における、左右乳房のBモード像の同一画面上への表示例を説明するための図である。 本発明方法における、乳房全体のBモード像を連続表示したときの表示画像例を説明するための図である。 本発明方法における、Cモード像を深さ方向に所定の距離ごとに表示した例を説明するための図である。
符号の説明
S 探触子
B バスライン
D 表示手段
I 入力手段
M 外部メモリ
RC 再生画像構成手段
CPU 制御手段
1 回転軸
2 探触子支持アーム
3 探触子
4 探触子ホルダ
5,7,8,9 角度センサ
10 水槽(または大形水袋)
11 液体(脱気水)
13 乳頭
15 乳房
17 腫瘍
18 のう胞
19 乳腺
21 探触子ブロック保持部
22 音響カプラー
27 境界ライン
29 オーバーラップ部

Claims (7)

  1. アームを介してリニア電子走査形超音波探触子を支持し、
    体位調整により水平に保たれた乳房表面に対して前記探触子が平行になるように直接接触するかまたは液体の音響媒体を介して設置し、超音波ビームを乳房内部に入射しつつ探触子を乳頭中心に回転するシステムにおいて、
    前記探触子の傾斜角度を遂次検出しながら回転して得られる乳房内の全ての超音波反射情報を記憶し、
    前記記憶に基づいてデータを再構成することにより乳房の任意の断面の超音波画像を表示可能に構成した乳房超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の乳房超音波診断装置における超音波画像表示方法において、
    前記任意の断面の超音波画像は、探触子からの超音波ビームに直交して、乳頭を中心とした乳房全体の断面像(Cモード像)である超音波画像表示方法。
  3. 請求項1記載の乳房超音波診断装置における超音波画像表示方法において、
    前記任意の断面の超音波画像は、探触子からの超音波ビームに平行で、乳頭を中心とする軸のBモード像である超音波画像表示方法。
  4. 請求項3記載の超音波画像表示方法において、
    乳頭を中心軸とした乳房全体のBモード像を探触子の回転に従って連続的に画像表示する超音波画像表示方法。
  5. 請求項2記載の超音波画像表示方法において、
    Cモード像を深さ方向に所定の距離ごとに表示する超音波画像表示方法。
  6. 請求項3記載の超音波画像表示方法において、
    左右の乳房のBモード像をお互いに乳頭部を外側に、胸部の体表側を内側に配置して左右対称に一つの画面上に画像表示する超音波画像表示方法。
  7. 請求項6記載の超音波画像表示方法において、
    左右対称に一つの画面上に画像表示した乳房のBモード像を探触子の回転に従って連続的に画像表示する超音波画像表示方法。
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