JP2007218313A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構造の簡単で、車両のシャダー現象を抑制すると共にころの接触面圧を低減することにより、低コスト、低振動および長寿命を実現容易にする。
【解決手段】 内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝13およびローラ案内面13aを設けた外側継手部材11と、三本の脚軸12bを有するトリポード部材12と、脚軸12bに回転自在に支持されると共に外側継手部材11のトラック溝13のローラ案内面13aに沿って案内されるローラ15とを備え、脚軸12bの外周面12bおよびローラ15の内周面15bをそれぞれ凸R面とし、脚軸12bの外周面12bとローラ15の内周面15bとの間に、凸R面の曲率半径と同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころ16を円周方向に複数配列し、脚軸12bの凸R面をその曲率中心Oを脚軸中心Oから外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、ローラ15の凸R面を脚軸12bの曲率半径rと同一半径にする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば自動車の駆動系に組み込んで非直線上に存在する回転軸同士の間で等速に回転力を伝達するトリポード型等速自在継手に関する。
等速自在継手は、駆動側と従動側の二軸を連結して二軸間に角度があっても等速で回転力を伝達することのできるユニバーサルジョイントの一種である。等速自在継手には固定式と摺動式があり、摺動式のものは継手のプランジングによって二軸間の相対的軸方向変位を可能にする。この摺動式等速自在継手の一種にトリポード型がある。
トリポード型等速自在継手は、外側継手部材とトリポード部材とからなり、連結すべき二軸の一方の軸が外側継手部材と接続され、他方の軸がトリポード部材と接続される。外側継手部材は一端が開口した有底筒状で、その内周に軸方向に延びる三本のトラック溝を有する。トリポード部材は円筒状のボス部から半径方向外方に突出した三本の脚軸を有し、これら脚軸が外側継手部材のトラック溝に係合してトルク伝達を行う。脚軸にはローラが回転自在に外嵌され、このローラがトラック溝の互いに対向する一対のローラ案内面に沿って転動することで連結二軸間の角度変位と軸方向変位を円滑にする。
ところで、トリポード型等速自在継手が作動角をとった状態で連結二軸が回転すると各ローラが複雑な運動を行う。すなわち、各ローラは、ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に向きを変えながら移動し、しかも、脚軸の軸方向にも変位する。各ローラがこのような複雑な動きをすると、ローラの外周面とローラ案内面との間の相対変位が必ずしも円滑に行なわれなくなり、これら両面間に比較的大きな摩擦が発生する。その結果、連結二軸が一回転する間に三次の軸力が発生する。等速自在継手が自動車に組み込まれて大きなトルクを伝達しつつ大きな作動角をとった場合、前記三次の軸力によってシャダー現象と呼ばれる大きな振動が発生することがある。
このようなシャダー現象を防止するものとして、ローラの内側にニードルころなどの転動体を介して別のローラを入れたダブルローラタイプの等速自在継手がある(特許文献1,2参照)。このダブルローラタイプの等速自在継手は、トラック溝のローラ案内面をゴシックアーチ形状とすることにより外側ローラとの接触をアンギュラコンタクトにする一方、脚軸が内側ローラに対して揺動可能としている。アンギュラコンタクトによりローラの転動方向がトラック溝方向と平行になり、これによりローラの転がり抵抗を低減して回転三次の誘起スラストを低減している。
特表平4−503554号公報 特開平5−215141号公報 特開2000−74086号公報 特開昭58−627号公報
しかし、ダブルローラタイプの等速自在継手は内側ローラが余分に必要となる上、この内側ローラを脚軸の軸方向定位置に保持するための機構も必要になる。このため、組立に時間がかかりコストも嵩む。
そこで、内側ローラを使用することなくシングルローラのままでトラック溝に沿って一直線に転動するように工夫した等速自在継手が提案されている(特許文献3参照)。このシングルローラタイプの等速自在継手は、脚軸周面を球面状にすると共に、この脚軸とローラとの間に複数のニードルころを総ころ状態で配設している。また、トラック溝の互いに対向するローラ案内面を平面で構成し、ローラの外周面を円筒状にしてローラ案内面と線接触させることでローラをトラック溝と平行に転動させ、これにより、誘起スラストを低減している。
しかしながら、この構成では、ローラを揺動させずに脚軸のみを傾動させることができるが、脚軸の球面状外周面がニードルころに対して点接触するため接触面圧が高くなり、寿命低下のおそれがある。
本発明の目的は、構造の簡単なシングルローラタイプで、車両のシャダー現象を抑制すると共にローラと脚軸との間に配設するころの接触面圧を低減することにより、低コスト、低振動および長寿命を実現し得るトリポード型等速自在継手を提供することにある。
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、先端がトラック溝内に挿入された三本の脚軸を有するトリポード部材と、脚軸に回転自在に支持されると共に外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されてローラ案内面に沿って案内されるローラとを備え、脚軸の外周面およびローラの内周面をそれぞれ凸R面とし、脚軸の外周面とローラの内周面との間に、凸R面の曲率半径と同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころを円周方向に複数配列し、脚軸の凸R面をその曲率中心を脚軸中心から外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、ローラの凸R面を脚軸の曲率半径と同一半径にしたことを特徴とする。
本発明では、脚軸の外周面およびローラの内周面をそれぞれ凸R面とし、脚軸の外周面とローラの内周面との間に、凸R面の曲率半径と同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころを円周方向に複数配列したことにより、鼓状ころと脚軸の接触状態、鼓状ころとローラの接触状態が共に線接触となり、低い面圧を確保することができると共に、ローラが外側継手部材のトラック溝に対して平行に転動することから、誘起スラストを低減し、車両のシャダー現象を防止することができる。
ここで、継手が作動角をとった時、鼓状ころと脚軸中心が継手中心側に変位し、ローラの内周面に沿って継手中心側へ移動した鼓状ころのトリポード部材の脚軸側R中心は互いに離間し合う。その結果、その鼓状ころの内接径と脚軸の外周面との間に嵌合すきま(回転方向ガタ)が発生する。
そこで、本発明では、脚軸の凸R面をその曲率中心を脚軸中心から外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、ローラの凸R面を脚軸の曲率半径と同一半径にしたことにより、脚軸およびローラの凸R面が真球面より大きなRとなることから、ローラの内周面に沿って鼓状ころが変位する際の鼓状ころの内接径の増加量を低減することができ、高作動角時の継手における回転方向ガタを低減することができる。
本発明において、鼓状ころの全てをローラの内周面に沿って継手中心側へ変位させることにより、鼓状ころの継手中心側一端部が互いに離間し合うと共に鼓状ころの継手中心と反対側他端部が互いに当接し合う状態で、離間し合う鼓状ころの一端部同士でなす内接径を脚軸の外径より僅かに小さくなるように設定することが望ましい。
ローラ、鼓状ころおよびトリポード部材の脚軸の組み付けは、鼓状ころの全てをローラの内周面に沿って継手中心側へ変位させることにより、鼓状ころの継手中心側一端部が互いに離間し合うと共に鼓状ころの継手中心と反対側他端部が互いに当接し合う状態で行われる。この状態で離間し合う鼓状ころの一端部側から脚軸を挿入することになる。
この時、離間し合う鼓状ころの一端部の内接径を脚軸の外径より僅かに小さくなるように設定しておけば、離間し合う鼓状ころの一端部の内接径に対して脚軸を圧入することになり、鼓状ころが容易に脱落することを防止できる。また、この脚軸の組み付け後は、各部品間にすきまが存在することになり、良好な作動性を確保することができる。
本発明において、ローラの内周面の少なくとも継手中心側縁部に、その凸R面よりも食み出した突部を設けることが望ましい。
このようにすれば、前述したようにローラ、鼓状ころおよびトリポード部材の脚軸の組み付け時、鼓状ころの全てをローラの内周面に沿って継手中心側へ変位させるに際して、ローラの内周面の突部がストッパとなる。このストッパにより鼓状ころの継手中心側への変位が規制される。
その結果、鼓状ころの継手中心側一端部が互いに離間し合うと共に鼓状ころの継手中心と反対側他端部が互いに当接し合う状態で、離間し合う鼓状ころの一端部の内接径が大きくなることはないので、脚軸のローラへの組み付けが容易となる。
本発明において、脚軸の継手軸線方向の外径をC、継手円周方向の外径をDとしたとき、C<Dの関係を満足するように脚軸の横断面形状を非真円形にすると共に、鼓状ころの一端部の内接径を、脚軸の外径Cより大きく、かつ、脚軸の外径Dより小さい範囲に設定することが望ましい。
このようにすれば、鼓状ころの全てをローラの内周面に沿って継手中心側へ変位させてトリポード部材の脚軸を組み付けるに際して、ローラを脚軸の継手軸線方向で弾性的に縮径させると共に脚軸の継手円周方向で弾性的に拡径させることができるため、脚軸の圧入時の締め代が大きくても組み付けが容易となる。
また、脚軸の継手円周方向の外径Dにおける脚軸の周方向での所定角度範囲を真円形とし、その所定角度範囲を超えた領域で外径Dを漸減させて脚軸の継手軸線方向の外径Cに繋げるようにすることが望ましい。
このように脚軸の継手円周方向の外径Dにおける脚軸の周方向での所定角度範囲内を真円形としたことにより、鼓状ころとの間の面圧を均等分散させて低面圧とし継手寿命を増大させることができる。
なお、脚軸をその周方向で真円形とする所定角度範囲は、90°以上とすることが望ましい。この角度範囲が90°より小さいと、鼓状ころとの間の面圧を均等分散させて低面圧とし継手寿命を増大させることが困難となる。
本発明によれば、脚軸の外周面およびローラの内周面をそれぞれ凸R面とし、脚軸の外周面とローラの内周面との間に、凸R面の曲率半径と同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころを円周方向に複数配列したことにより、鼓状ころと脚軸の接触状態、鼓状ころとローラの接触状態が共に線接触となり、低い面圧を確保することができると共に、ローラが外側継手部材のトラック溝に対して平行に転動することから、誘起スラストを低減し、車両のシャダー現象を防止することができる。
また、脚軸の凸R面をその曲率中心を脚軸中心から外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、ローラの凸R面を脚軸の曲率半径と同一半径にしたことにより、脚軸およびローラの凸R面が真球面より大きなRとなることから、ローラの内周面に沿って鼓状ころが変位する際の鼓状ころの内接径の増加量を低減することができ、高作動角時の継手における回転方向ガタを低減することができる。
以上のことから、ローラと脚軸との間に配設された鼓状ころの接触面圧を低減することにより長寿命化が図れ、ローラが外側継手部材のトラック溝に対して平行に転動する低誘起スラスト性能(車両のシャダー現象の抑制)と回転方向ガタの低減とを両立させた低振動で、シンプルな構造で低コストのトリポード型等速自在継手を提供することができる。
図1および図2は本発明に係るトリポード型等速自在継手の実施形態を示す。なお、図1は継手の軸線に対する横断面を示し、図2は継手の軸線に対する縦断面で、トリポード部材が外側継手部材に対して作動角をとった状態を示す。この実施形態のトリポード型等速自在継手10は、外側継手部材11と、内側継手部材としてのトリポード部材12を有する。
外側継手部材11は、一端が開口した有底筒状でその底部中央に図示しない回転軸(例えば駆動軸)の一端が連結される。外側継手部材11の内周面には、円周方向等間隔に三本のトラック溝13が形成される。各トラック溝13は、互いに対向する一対のローラ案内面13aと、これら一対のローラ案内面13a間を繋ぐ底面13bとで形成される。ローラ案内面13aは円弧状断面を有し、外側継手部材11の軸線方向に直線状に延びる。トラック溝13の底面13bとローラ案内面13aとの間に、後述のローラ15の傾斜防止を確実にするための鍔面13cが形成されている。なお、外側継手部材11の外周面は、軽量化のため、トラック溝13間と対応する部位が減肉されて凹所14が軸方向に形成されている。
トリポード部材12は、円筒状をなすボス部12aの外周面に三本の脚軸12bが円周方向等間隔(120°間隔)で放射状に一体形成されたものである。ボス12aの軸孔12cに図示しない回転軸(例えば従動軸)の軸端がスプライン嵌合により連結される。各脚軸12bの先端は、トラック溝13の底面13b付近まで半径方向に延在する。脚軸12bの外周面12bは、球面とされ、その曲率中心Oを脚軸中心Oから外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状の凸R面としている。なお、脚軸12bの先端面12bは、緩い凸R面とされてトラック溝13の底面13bと対向する。脚軸12bの基部は、縊れ部12dを介してボス部12aに連結されている。
外側継手部材11のトラック溝13のローラ案内面13aと脚軸12bの外周面12bとの間にローラ15が配設される。ローラ15の外周面15aは縦断面円弧状とされ、ローラ案内面13aと線接触するように構成される。ローラ15が外側継手部材11のトラック溝13に対して平行に転動することから、誘起スラストを低減し、車両のシャダー現象を防止することができる。一方、ローラ15の内周面15bは、脚軸12bの曲率半径rと同一半径を有する凸R面としている。
ローラ15の内周面15bと脚軸12bの外周面12bとの間に、複数の鼓状ころ16が単列総ころ状態で配設される(図3参照)。各鼓状ころ16の外周面は、脚軸12bの外周面12bおよびローラ15の内周面15bである凸R面の曲率半径rと同一半径を有する凹R面としている。
これにより、鼓状ころ16の外周面は、脚軸12bの外周面12bとローラ15の内周面15bの双方に隙間なく転接する。すなわち、鼓状ころ16は、脚軸12bの外周面12bおよびローラ15の内周面15bに対してそれぞれ線接触することから、低い面圧を確保することができる。
ここで、図2に示すように継手が作動角をとった時、鼓状ころ16がローラ15の内周面15bに沿って継手中心O側に変位する。図3は、作動角時における鼓状ころ16の配列状態をローラ15の継手中心O側から見た図である。
このように継手が作動角をとった状態では、ローラ15の内周面15bに沿って継手中心O側へ移動した鼓状ころ16の脚軸12bの外周面12bと対向する側のR中心は互いに離間し合う。その結果、離間し合う鼓状ころ16の内接径φEが拡大することから、その鼓状ころ16の内接径φEと脚軸12bの外周面12bとの間に嵌合すきま(回転方向ガタ)が発生することになる。
そこで、前述したように脚軸12bの外周面12bをその曲率中心Oを脚軸中心Oから外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状を有する凸R面とし、ローラ15の内周面15bを脚軸12bの曲率半径rと同一半径を有する凸R面にしたことにより、脚軸12bおよびローラ15の凸R面が真球面より大きなRとなることから、ローラ15の内周面15bに沿って鼓状ころ16が変位する際の鼓状ころ16の内接径φEの増加量を低減することができ、高作動角時の継手における回転方向ガタを低減することができる。
通常、例えば図1に示す状態において、鼓状ころ16の相互間には若干のすきまを設けている。このように鼓状ころ16の相互間にすきまを設けることにより、良好な作動性を確保するようにしている。
一方、トリポード部材12へのローラ15の組み付けに際しては、図4に示すように鼓状ころ16の全てをローラ15の内周面15bに沿って継手中心O側へ変位させることにより、鼓状ころ16の継手中心側一端部16aが互いに離間し合うと共に鼓状ころ16の継手中心Oと反対側他端部16bが互いに当接し合う状態とする。この時、ローラ15および鼓状ころ16は、図示しない治具によりその姿勢が保持されて位置決めされた状態となっている。
なお、図4(a)は同図(b)のローラ15および鼓状ころ16を上から見た図であり、図4(c)はそのローラ15および鼓状ころ16を下から見た図である。また、図5はトリポード部材12の脚軸12bをその軸方向上側から見た図である。
この状態で、離間し合う鼓状ころ16の一端部16a側から脚軸12bを挿入することになる。ここで、離間し合う鼓状ころ16の一端部16aの内接径φBを脚軸12bの外径φAより僅かに小さくなるように設定する(B<A)。この設定は、鼓状ころ16の一端部16aの内接径φBを調整することにより実現できる。この内接径φBの調整は、治具(図示せず)により位置決めされた鼓状ころ16の継手中心O側への変位量を調整することで可能となる。
このように設定すれば、脚軸12bの挿入時、離間し合う鼓状ころ16の一端部16aの内接径φBに対して脚軸12bを圧入することになり、鼓状ころ16が容易に脱落することを防止できる。また、この脚軸16の組み付け後は、前述したように鼓状ころ16の相互間にすきまが存在することになり、良好な作動性を確保することができる。
他の実施形態として、図6に示すようにローラ15の内周面15bの継手中心側縁部に、その凸R面よりも食み出した突部15cを設けるようにしてもよい。
このようにすれば、前述したようにローラ15、鼓状ころ16およびトリポード部材12の脚軸12bの組み付け時、鼓状ころ16の全てをローラ15の内周面15bに沿って継手中心O側へ変位させるに際して、ローラ15の内周面15bの突部15cがストッパとして機能する。このストッパにより鼓状ころ16の継手中心O側への変位が位置規制される。
その結果、鼓状ころ16の継手中心側一端部16aが互いに離間し合うと共に鼓状ころ16の継手中心Oと反対側他端部16bが互いに当接し合う状態で、離間し合う鼓状ころ16の一端部16aの内接径φBが大きくなることはないので、鼓状ころ16を位置決めするための治具が不要となる。
前述したように脚軸12bの横断面形状は真円とするほか、図7に示すように脚軸12bの継手軸線方向の外径をφC、継手円周方向の外径をφDとしたとき、C<Dの関係を満足するように脚軸12bの横断面形状を非真円形とすることも可能である。この場合、鼓状ころ16の一端部16aの内接径φBを、脚軸12bの外径φCより大きく、かつ、脚軸16bの外径φDより小さい範囲(C<B<D)に設定すればよい。
このようにすれば、鼓状ころ16の全てをローラ15の内周面15bに沿って継手中心O側へ変位させてトリポード部材12の脚軸12bを組み付けるに際して、ローラ15を脚軸12bの継手軸線方向で弾性的に縮径させると共に脚軸12bの継手円周方向で弾性的に拡径させることができるため、脚軸12bの圧入時の締め代が大きくても組み付けが容易となる。
さらに、トルク伝達時に脚軸12bの外周面12bに作用する圧力が継手円周方向に偏在することに着目すると、脚軸12bの継手円周方向の外径φDにおける脚軸12bの周方向所定角度θの範囲内を真円形とし、その所定角度θの範囲を超えた領域で外径φDを漸減させて脚軸12bの継手軸線方向の外径φCに繋げるようにしてもよい。この所定角度θは、脚軸12bの継手円周方向の中心線Mを基準にその両側に等しく分配された範囲を意味する。
このように脚軸12bの継手円周方向の外径φDにおける脚軸12bの周方向所定角度θの範囲内を真円形としたことにより、鼓状ころ16との間の面圧を均等分散させて低面圧とし継手寿命を増大させることができる。
なお、脚軸12bをその周方向で真円形とする所定角度θの範囲は、90°以上が好ましい。この角度範囲が90°より小さいと、鼓状ころ16との間の面圧を均等分散させて低面圧とし継手寿命を増大させることが困難となる。
以上で説明した実施形態のトリポード型等速自在継手10では、脚軸12bの外周面12bおよびローラ15の内周面15bをそれぞれ凸R面とし、脚軸12bの外周面12bとローラ15の内周面15bとの間に、凸R面の曲率半径rと同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころ16を円周方向に複数配列したことにより、鼓状ころ16と脚軸12bの接触状態、鼓状ころ16とローラ15の接触状態が共に線接触となり、低い面圧を確保することができると共に、ローラ15が外側継手部材11のトラック溝13に対して平行に転動することから、誘起スラストを低減し、車両のシャダー現象を防止することができる。
また、脚軸12bの外周面12bをその曲率中心Oを脚軸中心Oから外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、ローラ15の内周面15bを脚軸12の曲率半径rと同一半径にしたことにより、脚軸12bおよびローラ15の凸R面が真球面より大きなRとなることから、ローラ15の内周面15bに沿って鼓状ころ16が変位する際の鼓状ころ16の内接径φEの増加量を低減することができ、高作動角時の継手における回転方向ガタを低減することができる。
以上のことから、ローラ15と脚軸12bとの間に配設された鼓状ころ16の接触面圧を低減することにより長寿命化が図れ、ローラ15が外側継手部材11のトラック溝13に対して平行に転動する低誘起スラスト性能(車両のシャダー現象の抑制)と回転方向ガタの低減とを両立させた低振動で、シンプルな構造で低コストのトリポード型等速自在継手10を提供できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、特許請求の範囲の技術的思想に基づき種々の変形が可能である。
本発明の実施形態におけるトリポード型等速自在継手の軸線に対する横断面である。 本発明の実施形態におけるトリポード型等速自在継手の軸線に対する縦断面図で、トリポード部材が外側継手部材に対して作動角をとった状態を示す。 図2のローラおよび鼓状ころを継手中心側から見た図である。 ローラおよび鼓状ころと脚軸との組み付けを説明するためのもので、(a)は(b)のローラおよび鼓状ころを上から見た図、(b)はローラおよび鼓状ころを示す断面図、(c)は(b)のローラおよび鼓状ころを下から見た図である。 トリポード部材の一つの脚軸を上から見た図である。 本発明の他の実施形態で、脚軸とローラおよび鼓状ころを示す図である。 本発明の他の実施形態で、トリポード部材の一つの脚軸を上から見た図である。
符号の説明
11 外側継手部材
12 トリポード部材
12b 脚軸
12b 脚軸の外周面
13 トラック溝
13a ローラ案内面
15 ローラ
15b ローラの内周面
15c 突部
16 鼓状ころ
r 脚軸の曲率半径
O 継手中心
脚軸の外周面の曲率中心
脚軸中心

Claims (6)

  1. 内周に軸線方向に延びる三本のトラック溝を設けると共に各トラック溝の内側壁に互いに対向するローラ案内面を設けた外側継手部材と、先端が前記トラック溝内に挿入された三本の脚軸を有するトリポード部材と、前記脚軸に回転自在に支持されると共に前記外側継手部材のトラック溝に転動自在に挿入されて前記ローラ案内面に沿って案内されるローラとを備え、
    前記脚軸の外周面および前記ローラの内周面をそれぞれ凸R面とし、前記脚軸の外周面とローラの内周面との間に、前記凸R面の曲率半径と同一半径を有する凹R面を有する鼓状ころを円周方向に複数配列し、
    前記脚軸の凸R面をその曲率中心を脚軸中心から外周面側と反対側にオフセットさせた軸方向縦断面形状とし、前記ローラの凸R面を前記脚軸の曲率半径と同一半径にしたことを特徴とするトリポード型等速自在継手。
  2. 前記鼓状ころの全てをローラの内周面に沿って継手中心側へ変位させることにより、前記鼓状ころの継手中心側一端部が互いに離間し合うと共に前記鼓状ころの継手中心と反対側他端部が互いに当接し合う状態で、前記離間し合う鼓状ころの一端部同士でなす内接径を前記脚軸の外径より僅かに小さくなるように設定した請求項1に記載のトリポード型等速自在継手。
  3. 前記ローラの内周面の少なくとも継手中心側縁部に、その凸R面よりも食み出した突部を設けた請求項2に記載のトリポード型等速自在継手。
  4. 前記脚軸の継手軸線方向の外径をC、継手円周方向の外径をDとしたとき、C<Dの関係を満足するように前記脚軸の横断面形状を非真円形にすると共に、前記鼓状ころの一端部の前記内接径を、前記脚軸の外径Cより大きく、かつ、脚軸の外径Dより小さい範囲に設定したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のトリポード型等速自在継手。
  5. 前記脚軸の継手円周方向の外径Dにおける脚軸の周方向所定角度範囲を真円形とし、前記所定角度範囲を超えた領域で前記外径Dを漸減させて前記脚軸の継手軸線方向の外径Cに繋げた請求項4に記載のトリポード型等速自在継手。
  6. 前記所定角度範囲を90°以上とした請求項5に記載のトリポード型等速自在継手。
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