JP2007217813A - 計測着 - Google Patents

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Abstract

【課題】誰でも簡単に素早く被計測者の体型寸法を計測し取得できる画期的で実用性に秀れた計測着を提供する。
【解決手段】被計測者1が着衣する計測用着衣体2に、被計測者1の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者1の体型寸法を取得する目盛り部3を設け、この目盛り部3は、被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2に表示した構成とし、この目盛り3aを読むことで前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4から所定の計測位置までの距離が計測でき前記被計測者1の体型寸法の少なくとも一種類を取得できるように前記目盛り部3の目盛り3aの表示位置を設定した計測着。
【選択図】図5

Description

本発明は、計測用着衣体を被計測者が着衣した状態で、この計測用着衣体に表示された目盛り部の所定の目盛りを読むことで、この被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法の少なくとも一種類を計測できるように構成した計測着に関するものである。
衣類を製作する場合、先ず被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法の取得を行うが、これまでは、例えばメジャーを被計測者の身体に当てがい、この被計測者の身体の所定部位から所定部位までの距離を計測することでこの被計測者の所定の体型寸法の取得を行っている。
即ち、被計測者の体型寸法であるこの被計測者の身体の所定部位から所定部位までの距離を計測すべく、この被計測者の身体の少なくとも二箇所にメジャーを当てがって計測を行って、衣類製作に必要な体型寸法を一つずつ取得するという面倒な作業を行っている。
また、被計測者の身体は夫々異なる凹凸形状を有しているが、従来のように、単にメジャーを被計測者の身体に当てがってこの被計測者の身体の所定部位から所定部位までの距離を計測する場合、取得した体型寸法には、計測時にメジャーと接触した被計測者の身体の一部の凹凸形状だけしか加味されない。従って、この従来法により取得した体型寸法を基に製作した衣類が、実際に着衣した際、被計測者の体型に合わない場合がある(例えば、着丈は通常、被計測者の背面側にメジャーを当てがって、この被計測者の首の後襟ぐり若しくは肩(肩山)から裾までの距離を計測することで取得しているが、この従来法では被計測者の身体の前面側の凹凸形状(例えば胸部や腹部の凹凸)が、取得した着丈に全く加味されておらず、従って、この従来法で取得した着丈を基に制作した衣類を被計測者が実際に着衣した際には寸足らずや裾余りとなってしまう場合がある)など、この点も従来法の問題点と言える。
この問題を解決する方法として、例えば着丈を計測する際に、被計測者の背面側だけでなく前面側にもメジャーを当てがって計測を行い、しかもその際に被計測者の身体の凹凸形状に沿うようにメジャーを被計測者の身体に沿い当てて計測を行うという方法もあるが、しかし、この方法は計測に一層手間がかかり面倒なうえに、計測者が被計測者の身体にメジャーを沿い当てるべくこの被計測者の身体に触れながら計測しなければならず、被計測者が抵抗を感じたり被計測者に不快感を与えたりする懸念があり、決して良好な方法とは言えない。
また、製作する衣類の種類に応じて、必要となる体型寸法は夫々異なり、それ故、被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法を取得するには、衣類の種類に応じてどのような体型寸法が必要で且つその体型寸法を取得するには被計測者の身体のどの部位からどの部位までの距離を計測すればよいのか、という知識が必要で、それだけ熟練を要し、非熟練者の場合は正しい計測手順を一々調べてから計測を行わなければならないなど、この点においても体型寸法の取得は面倒で厄介であった。
ところで、従来から、通常の着物と比べて簡単に着付けが行える、所謂簡着仕立ての着物が提案されている。
これは、着用者の体型に合わせて予めおはしょりが縫い成形されており、着付け時には、単にこの簡着仕立ての着物を纏って腰の位置に設けられている腰紐を結ぶだけで(自分でおはしょりを作る必要なく)簡単に着付けることができるもので、従来の一般的な(簡着仕立てではない)着物のように着付けに大変な手間や熟練を要さず、それだけ気軽に着衣できるものである。
この簡着仕立ての着物は、例えば被計測者(着用者)の所有する一般的な着物に、この被計測者の体型に応じたおはしょりを縫い作ることで製作できるものであるが、このように一般的な着物から簡着仕立ての着物を製作する場合には、先ず被計測者の体型寸法、具体的には、背面側の着丈,前面側の着丈(上前衽丈)及びおはしょり位置(帯を締める位置)の三つの体型寸法が必要となる。
この簡着仕立ての着物の製作に必要な体型寸法の取得は、従来においては、被計測者が長襦祥を着衣し、必要な場合には補正(タオルなどを身体の凹んだ箇所に巻いて身体の凹凸形状を軽減する。)を行ったうえで、簡着仕立てにする着物を実際に被計測者が着付けを行いながら上記の必要な三つの体型寸法を取得していた。
従って、被計測者が着物を纏い、この被計測者の着丈より長い裾の余った部位をこの被計測者の体型に応じて適切な量だけたくし上げ、この被計測者の体型に応じた適切な位置に見栄え良くおはしょりを作るという大変な熟練と面倒な手間を要する着付けの技術を持った計測者で無ければ計測が行えず、誰でも簡単に行うことはできなかった。
本発明は、被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法を簡単に取得できる画期的な計測着であって、被計測者が計測用着衣体を着衣した状態でこの計測用着衣体の所定の位置に表示された目盛り部の目盛りを読むことによって前記体型寸法が取得でき、よって、これまでのように一々被計測者の身体の複数箇所にメジャーを当てがって計測する面倒な手間を不要とし、更に必要な体型寸法を計測するための知識や熟練も不要で、単に被計測者に計測用着衣体を着衣させてこの計測用着衣体に表示された目盛り部の所定の目盛りを読むだけで誰でも簡単に必要な体型寸法を正しく計測でき、更にメジャーを当てがわず計測者が被計測者の身体に触れる必要も殆ど無いのでそれだけ計測時に被計測者に不快感を与える懸念も無く、更に実際に被計測者が計測用着衣体を着衣した状態でこの計測用着衣体に表示された目盛り部の目盛りを読むので、被計測者の身体の凹凸形状に則した良好な体型寸法が得られるなど、誰でも簡単に素早くしかも良好な体型寸法が取得できる画期的な計測着を提供することを課題とする。
また、例えば、前記計測用着衣体に、簡着仕立ての着物の製作に必要な被計測者の背面側の着丈,前面側の着丈(上前衽丈)及びおはしょり位置が取得できる目盛り部を設けた構成とすれば、例えば従来例のように一々簡着仕立てにする着物を被計測者に実際に着付けて計測を行う必要がなく、本発明さえあれば誰でも簡単に、勿論着付けを行う技術がなくとも簡易に素早く上記の簡着仕立ての着物の製作に必要な体型寸法の取得が行えるから、例えば被計測者の所有物や市販品などの着物や、反物などから簡着仕立ての着物を製作する場合に極めて適した画期的で極めて実用性に秀れた計測着を提供することを課題とする。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
被計測者1が着衣する計測用着衣体2に、被計測者1の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者1の体型寸法を取得する目盛り部3を設け、この目盛り部3は、被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2に表示した構成とし、この目盛り3aを読むことで前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4から所定の計測位置までの距離が計測でき前記被計測者1の体型寸法の少なくとも一種類を取得できるように前記目盛り部3の目盛り3aの表示位置を設定したことを特徴とする計測着に係るものである。
また、前記計測用着衣体2は、前記被計測者1の肩に掛かる部位を有する上衣体として構成したことを特徴とする請求項1記載の計測着に係るものである。
また、前記上衣体として構成した前記計測用着衣体2は、前記被計測者1の肩に掛かる部位をこの計測用着衣体2の前記計測基準部4に設定したことを特徴とする請求項2記載の計測着に係るものである。
また、前記計測用着衣体2の目盛り部3は、少なくとも被計測者1の着丈を計測する着丈計測目盛り部5を有する構成とし、この着丈計測目盛り部5は、計測用着衣体2の前記被計測者1の肩に掛かる部位に設定した前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の身頃9の下端部に上下方向に並設表示し、前記被計測者1の肩からの着丈を取得できるように構成したことを特徴とする請求項3記載の計測着に係るものである。
また、前記計測用着衣体2の目盛り部3の着丈計測目盛り部5は、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の後身頃9aの下端部に上下方向に並設表示した背面側着丈計測目盛り部5Aと、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の前身頃9bの下端部に上下方向に並設表示した上前任丈計測目盛り部5Bとから成る構成としたことを特徴とする請求項4記載の計測着に係るものである。
また、前記計測用着衣体2は、前記背面側着丈計測目盛り部5Aの複数の目盛り3aが並設表示された計測用着衣体2の後身頃9aの下端部と、前記上前衽丈計測目盛り部5Bの複数の目盛り3aが並設表示された計測用着衣体2の前身頃9bの下端部とが、互いに離反自在に切離されている構成としたことを特徴とする請求項5記載の計測着に係るものである。
また、前記計測用着衣体2の目盛り部3は、少なくとも被計測者1が着物若しくは浴衣などの帯を締める上衣体を着衣した際の帯を締める位置を計測するおはしょり計測目盛り部6を有する構成とし、このおはしょり計測目盛り部6は、計測用着衣体2の前記被計測者1の肩に掛かる部位に設定した前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の胴周り部位に上下方向に並設表示し、前記被計測者1の肩からこの被計測者1の前記帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の計測着に係るものである。
また、前記おはしょり計測目盛り部6は、前記被計測者1が前記計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の前記おはしょり計測目盛り部6の目盛り3aが表示される胴周り部位に帯若しくは帯板などの指標体8を帯を締める高さ位置に当てがい、この状態で指標体8の位置に対応する前記おはしょり計測目盛り部6の目盛り3aを読むことで、前記被計測者1の肩からこの被計測者1の帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したことを特徴とする請求項7記載の計測着に係るものである。
また、前記被計測者1が着衣する計測用着衣体2に、被計測者1の体型に応じた着物や浴衣などの上衣体を製作するために必要なこの被計測者1の体型寸法を取得する目盛り部3を設け、この目盛り部3は、前記計測用着衣体2の前記被計測者1の肩に掛かる部位に設定した計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の後身頃9aの下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からの着丈を取得できるように構成した背面側着丈計測目盛り部5Aと、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の前身頃9bの下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からの衽丈を取得できるように構成した上前衽丈計測目盛り部5Bと、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の胴周り部位に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からこの被計測者1の帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したおはしょり計測目盛り部6とを有する構成としたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の計測着に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、被計測者が計測用着衣体を着衣した状態で、この計測用着衣体に設けた目盛り部の目盛りを読むことで、この計測用着衣体の計測基準部からの距離を計測できる。
即ち、例えば被計測者が計測用着衣体を着衣した際にこの被計測者の肩に掛かる部位や、腰に掛かる部位をこの計測用着衣体の計測基準部として設定し、この計測基準部からの距離を計測し得る目盛り部の目盛りを計測用着衣体の所定の計測位置として例えば裾(下端部)に表示した構成とすれば、この計測用着衣体を被計測者に着衣させて前記目盛り部の目盛りを読むことで、例えばこの被計測者の着丈(肩から裾までの距離)や、例えばこの被計測者のズボン丈(腰から裾までの距離)など、この被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法が取得できる。
しかも、本発明は、実際に被計測者が計測用着衣体を着衣した状態で、即ち、被計測者の身体に計測用着衣体が密着した状態で計測を行うので、被計測者の身体の凹凸(例えば胸部や腹部の凹凸)に応じて、この被計測者の身体の凹凸形状に則した一層良好な体型寸法が取得できる。
従って、本発明は、これまでのように、被計測者の体型に応じた衣類を製作するためにどのような体型寸法が必要で、その体型寸法は被計測者の身体のどの部位からどの部位までの距離を計測すれば取得できるのかといった知識や熟練が不要で、誰でも簡単に必要な体型寸法を取得でき、しかも、被計測者の身体の凹凸形状も加味されて被計測者の体型に一層良く合った衣類が製作可能な一層良好な体型寸法が取得でき、更に、これまでのようにメジャーを当てがって計測する必要が無いので、それだけ計測者が被計測者の身体に触れる必要がないので被計測者に不快感を与えることなく良好に体型寸法を行えるうえに、例えば異なる種類の体型寸法を取得できる異なる種類の目盛り部を計測用着衣体に設けれは、単に被計測者に計測用着衣体を着衣させて各目盛り部の目盛りを読むだけの簡易な作業で、必要な複数の体型寸法をも簡単にして素早く効率的に取得できる極めて簡単に素早く計測できるなど、極めて実用性に秀れた画期的で商品価値の高い計測着となる。
また、請求項2,3記載の発明においては、被計測者の肩に掛かる部位を有する例えばジャケットや着物などの上衣体を製作するために必要な被計測者の体型寸法を簡単にして素早く効率的に取得できることは勿論、上衣体が被覆する被計測者の上半身は、胸部や腹部の凹凸など、特に凹凸形状を多く有している為、この身体の凹凸形状も加味した良好な体型寸法を取得できる本発明の秀れた機能が一層顕著に発揮でき、一層実用性に秀れる。
また、請求項4〜6記載の発明においては、本発明の計測用着衣体を被計測者に着衣させ、この計測用着衣体の身頃の下端側に表示された着丈計測目盛り部の所定の目盛りを読むことで、この被計測者の肩から裾までの距離、即ちこの被計測者の肩からの着丈を簡単且つ良好に計測し取得できる実用性に秀れた計測着となる。特にこの着丈計測目盛り部が、前記計測用着衣体の後身頃に設ける背面側着丈計測目盛り部と、前身頃に設ける上前衽丈計測目盛り部とから成る構成とした場合には、例えば単に被計測者の背面側の着丈だけを計測するのではなく、本発明によれば被計測者の背面側の着丈と、被計測者の前面測の着丈、即ち上前衽丈との双方を夫々別々に計測でき、よって、一層被計測者の着丈に一層応じた(一層良く合った)衣類が製作できる一層良好な着丈が計測できる秀れた計測着となる。
また、請求項7,8記載の発明においては、本発明の計測用着衣体を被計測者に着衣させ、この計測用着衣体の胴回りに表示されたおはしょり計測目盛り部の所定の目盛りを読むことで、この被計測者の肩からこの被計測者の帯を締める位置までの距離を計測でき、この被計測者の体型に応じたおはしょり位置を簡単且つ良好に取得できる実用性に秀れた計測着となる。特に、被計測者が計測用着衣体を着衣した状態で、帯や帯板などの指標体をこの被計測者の体型に応じたこの被計測者が実際に帯を締める位置に当てがって、この指標体を当てがった位置に対応するおはしょり計測目盛り部の目盛りを読むことで、この被計測者の体型に合った適切なおはしょり位置を簡単にして確実に計測でき、例えば着物や浴衣など、帯を締めて着衣する衣類の製作に適した実用性に秀れた計測着となる。
また、請求項9記載の発明においては、従来からある簡着仕立ての着物を製作する場合に必要となる被計測者の体型寸法、即ち、背面側の着丈,上前衽丈及びおはしょり位置を誰でも簡単に取得できる計測着となる。
従って、本発明さえあれば、簡着仕立ての着物の製作に必要な体型寸法を取得する際に、これまでのように例えば簡着仕立てにする着物を実際に被計測者が一々着付けて計測を行う必要がなく、単に本発明の計測用着衣体を被計測者に着衣させて所定の目盛りを読むだけの極めて簡単な計測作業で、誰でも簡単に素早く簡着仕立ての着物の製作に必要な体型寸法を取得できる。つまり、本発明は、簡着仕立てにしたい着物を着付ける必要なないので着付けの技術が要らないことは勿論、例えば、本発明さえ呉服店に置いておけば、気軽に店に立ち寄った時(時間があった時)に計測だけ済ませておき、後から実際に仕立てる着物を持って着てもらうといったこと可能で、簡着仕立ての着物の製作に極めて適したこれまでに無い画期的で実用性に秀れた計測着となる。
特に、近年、体型の大型化などにより、かなり体型の太めの人もおり、最良な体型寸法の取得はこれまでのメジャー方式では益々困難となってきているが、この点、本発明によれば、単に被計測者の肩の線を合わせて計測着を着衣して計測を行うだけで、被計測者の体型に応じた最良な体型寸法を誰でも極めて簡単に効率良く取得できるなど、この点においても極めて実用性に秀れた画期的で商品価値の高いものである。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態で、この計測用着衣体2に表示された目盛り部3の目盛り3aを読む。
この目盛り部3の目盛り3aは、被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の計測基準部4からの距離を計測し得るようにこの計測用着衣体2に表示している。具体的には、この目盛り3aを読むことで前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4から所定の計測位置までの距離が計測でき前記被計測者1の体型寸法の少なくとも一種類を取得できるようにこの目盛り部3の目盛り3aの表示位置を設定している。
従って、被計測者1が着衣した前記計測用着衣体2に表示された目盛り3aを読むことでこの被計測者1の体型寸法を取得できる。
即ち、例えば、計測用着衣体2をジャケットや着物などの上衣体とし、この計測用着衣体2の被計測者1の肩に掛かる部位をこの計測用着衣体2の前記計測基準部4として設定した場合、この計測用着衣体2の計測位置としてこの計測用着衣体2の裾(下端部)に上下方向に前記目盛り部3の目盛り3aを並設表示した構成とすれば、この計測用着衣体2を着衣した被計測者1の着丈(肩から裾までの距離)を前記目盛り3aを読むだけで計測でき、また、例えば、計測用着衣体2をズボンやスカートなどの下衣体とし、この計測用着衣体2の被計測者1の腰に掛かる部位をこの計測用着衣体2の前記計測基準部4として設定した場合、この計測用着衣体2の計測位置としてこの計測用着衣体2の裾(下端部)に上下方向に前記目盛り部3の目盛り3aを並設表示した構成とすれば、この計測用着衣体2を着衣した被計測者1のズボン丈やスカート丈(腰から裾までの距離)を前記目盛り3aを読むだけで計測できる。
つまり、これまでのように被計測者1の身体の所定箇所にメジャーを正確に当てがって体型寸法の取得を行うのではなく、本発明は、単に被計測者1に計測用着衣体2を着衣させ、この計測用着衣体2に表示された目盛り部3の所定の目盛り3aを読むだけの極めて簡単な作業で、衣類を製作するために必要な体型寸法の取得が行える。
よって、本発明は、例えば被計測者1の体型に応じた衣類を製作するために必要な体型寸法を取得するための計測者の熟練や知識が一切不要で、誰でも簡単に必要な体型寸法を取得でき、しかもこれまでのようにメジャーを当てがう必要が無く単に被計測者1に着衣させた計測用着衣体2に表示された所定の目盛り3aを読むだけで計測を行うので、計測者が被計測者1の身体に触れる必要もほとんど無く、計測時に被計測者1に不快感を与えることなく良好に体型寸法を取得できることとなる。
しかも、本発明は、実際に被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2に表示された目盛り3aを読んで体型寸法を取得する、即ち、被計測者1の身体に計測用着衣体2が密着した状態で計測を行うので、被計測者1の例えば身長や肢体の長さだけでなく、被計測者1の身体の凹凸形状(例えば胸部や腹部の凹凸など)も加味された体型寸法が取得できる。即ち、同じ身長の被計測者1の着丈を取得する場合でも、本発明によれば、例えば腹部の出っ張った被計測者1の着丈と腹部の平坦な被計測者1の着丈とでは、腹部の出っ張った被計測者1のほうが長い着丈計測値が取得され、このように被計測者1の身体の凹凸形状に則した一層良好な体型寸法が取得でき、一層被計測者1の体型に応じた(体型に合った)衣類が製作可能な良好な体型寸法が取得できることとなる。
また、例えば、衣類を製作するために必要な体型寸法を取得できる複数種類の目盛り部3を前記計測用着衣体2に設けた構成とすれば、これまでのように一々必要な体型寸法をメジャーを当てがって一つずつ取得する面倒な手間も要らず、単に複数種類の目盛り部3が設けられたこの計測用着衣体2を被計測者1に着衣させて、後は複数種類の目盛り部3の所定の目盛り3aを読んでいくだけで必要となる体型寸法を誰でも簡単に素早く取得できるなど、計測にかかる手間や時間を減らすことも可能となる。
よって、本発明は、これまでのように面倒な手間や計測者の熟練は不要で、誰でも素早く簡単に必要な体型寸法を取得でき、しかも被計測者1の身体の凹凸形状も十分に加味された良好な体型寸法が取得でき、更に計測時に被計測者1に不快感を与えることもないなど、極めて良好に被計測者1の体型寸法を取得できる秀れた計測着となる。
また、本発明によれば、例えば、従来から提案される簡着仕立ての着物の製作に必要となる体型寸法を取得できる構成とすることも簡易に設計実現可能である。
即ち、例えば、計測用着衣体2に設ける目盛り部3を、前記計測用着衣体2の前記被計測者1の肩に掛かる部位に設定した計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の後身頃9aの下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からの着丈を取得できるように構成した背面側着丈計測目盛り部5Aと、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の前身頃9bの下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からの衽丈を取得できるように構成した上前衽丈計測目盛り部5Bと、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の胴周り部位に上下方向に並設表示して前記被計測者1の肩からこの被計測者1の帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したおはしょり計測目盛り部6とを有する構成とすれば、簡着仕立ての着物の製作に必要な背面側着丈,上前衽丈及びおはしょり位置を本発明で誰でも簡単に計測し、取得できることとなる。
つまり本発明は、これまでのように簡着仕立てにする着物を実際に被計測者に着付ける面倒で熟練を要する厄介な作業は不要で、単に被計測者1に着衣させた計測用着衣体2の目盛り部3(背面側着丈計測目盛り部5A,上前衽丈計測目盛り部5B及びおはしょり計測目盛り部6)の目盛り3aを読むだけの極めて簡易な計測作業で、必要な体型寸法が誰にでも簡単に素早く取得できる。
尚、上述のように簡着仕立ての着物の製作に必要な体型寸法を取得できるように構成した場合には、本発明の計測用着衣体2を被計測者1が着衣する際に例えば着物の着付けと同様、タオルなどを被計測者1の補正(凹んだ部位に巻いて身体の凹凸形状を軽減)を行ったうえで計測用着衣体2を着衣して計測を行う場合がある。ただし、この場合においても被計測者1の身体には凹凸形状が残るが、この点、本発明は例えばメジャーを当てがって体型寸法を取得するのではなく、計測用着衣体2を被計測者1に着衣させ、この被計測者1の身体に計測用着衣体2が密着した状態で計測を行うので、被計測者1の身体の凹凸形状に則した良好な体型寸法が取得可能である。
また、例えば、前記背面側着丈計測目盛り部5Aの複数の目盛り3aが並設表示された前記計測用着衣体2の後身頃9aの下端部と、前記上前衽丈計測目盛り部5Bの複数の目盛り3aが並設表示された前記計測用着衣体2の前身頃9bの下端部とが、互いに離反自在に切離されている構成とすれば、例えば被計測者1が前記計測用着衣体2を着衣して床にまっすぐ立ち、この計測用着衣体2に設けた背面側着丈計測目盛り部5A及び上前衽付計測目盛り部5B夫々の前記床に着いた位置の目盛り3aを読む作業が非常に行い易くなる。即ち、被計測者1が前記計測用着衣体2を着衣して床にまっすぐ立った際、この計測用着衣体2の後身頃9aの下端部と前身頃9bの下端部とを互いに離反させて夫々を床に沿い伏せることができるから、この後身頃9aに設けた背面側着丈計測目盛り部5Aと、この前身頃9bに設けた上前衽付計測目盛り部5B夫々の前記床に着いた位置の目盛りが簡単且つ正確に目視できることとなる。
また、例えば、前記おはしょり計測目盛り部6は、前記被計測者1が前記計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の前記おはしょり計測目盛り部6の目盛り3aが表示される胴周り部位に帯若しくは帯板などの指標体8を帯を締める高さ位置に当てがい、この状態で指標体8の位置に対応する前記おはしょり計測目盛り部6の所定の目盛り3aを読むことで、前記被計測者1の肩からこの被計測者1の前記帯を締める位置までの距離を計測できるように構成すれば、実際に被計測者1が自分の体型に合った好みの位置に当てがった指標体8によりおはしょり位置を計測するので、前記被計測者1の体型と好みに合った最適なおはしょり位置を簡単且つ確実に取得できることとなる。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、被計測者1が着衣する計測用着衣体2に、被計測者1の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者1の体型寸法を取得する目盛り部3を設け、この目盛り部3は、被計測者1が計測用着衣体2を着衣した状態でこの計測用着衣体2の計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2に表示した構成とし、この目盛り3aを読むことで前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4から所定の計測位置までの距離が計測でき前記被計測者1の体型寸法の少なくとも一種類を取得できるように前記目盛り部3の目盛り3aの表示位置を設定したものである。
計測用着衣体2は、例えばジャケットや着物などの上衣体や、ズボンやスカートなどの下衣体など、製作する衣類の種類に応じて、この製作する衣類の形態を模した形状に構成するもので、本実施例では、被計測者1がこの計測用着衣体2を着衣した際にこの被計測者1の肩に掛かる部位を有する上衣体としてこの計測用着衣体2を構成している。
尚、本実施例では、図1〜図4に図示したように、簡着仕立ての着物を製作するために必要な被計測者1の体型寸法を取得すべく、前記計測用着衣体2を着物の形態を模した形状に構成した簡着仕立ての着物の製作用の計測着を例にして説明する。
尚、簡着仕立ての着物については従来例でも説明しているが、再度説明すると、簡着仕立ての着物とは、着用者の体型に合わせておはしょりが予め縫い形成された着物であって、着用者は長襦袢を着衣した上からこの簡着仕立ての着物を羽織り、衿中心を合わせ、左右に付いている紐(腰紐)を結ぶだけで簡単に着付けることができるものである。
着物の形態を模した本実施例の計測用着衣体2は、図1,図2及び図5に図示したように、被計測者1がこの計測用着衣体2を着衣した際にこの被計測者1の肩に掛かる部位をこの計測用着衣体2の前記計測基準部4として設定している。
また、この計測用着衣体2の計測基準部4からの距離を計測し得る目盛り3aを複数有する前記目盛り部3は、具体的には、被計測者1の着丈を計測する着丈計測目盛り部5と、この被計測者1が着物を着衣する際に帯を締める位置を計測するおはしょり計測目盛り部6とを有する構成である。
この目盛り部3の着丈計測目盛り部5は、図1に図示したように、計測用着衣体2の身頃9の下端側に上下方向に複数の目盛り3aを並設表示した構成である。
また、具体的には、この着丈計測目盛り部5は、図1(a)に図示したように、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の前身頃9b(上前身頃)の下端部に上下方向に並設表示した上前衽丈計測目盛り部5Bと、図1(b)に図示したように、前記計測基準部4からの距離を計測し得る複数の目盛り3aを前記計測用着衣体2の後身頃9aの下端部に上下方向に並設表示した背面側着丈計測目盛り部5Aとから成る構成としている。
この背面側着丈計測目盛り部5A及び上前衽丈計測目盛り部5Bは、図6及び図7に図示したように、前記計測基準部4からの距離が120cmの位置から159cmの位置に至るまで1cm刻みで下端(前記計測基準部4からの距離が160cmの位置)から上方に向けて複数の目盛り3aを並設表示している。更に、各目盛り3aは、横線と前記計測基準部4からの距離に応じた数値(下二桁、即ち120cmの位置には20,150cmの位置には50)とを有するもので、また、隣合う目盛り3a同志は、横線に対して互いに左右反対側に夫々の数値を記して数値を読み易くしている。
尚、計測用着衣体2の前身頃9b(上前身頃)に設けた上前衽丈計測目盛り部5Bの目盛り3aを読んで計測する際に邪魔とならないよう、図3及び図4に図示したように、この計測用着衣体2の下前身頃の下端側を省いて、前記上前衽丈計測目盛り部5Bを設けた上前身頃9bに比して短い丈に設定している。
また、この計測用着衣体2は、前記背面側着丈計測目盛り部5Aの複数の目盛り3aが並設表示された計測用着衣体2の後身頃9aの下端部と、前記上前衽丈計測目盛り部5Bの複数の目盛り3aが並設表示された計測用着衣体2の前身頃9bの下端部とが、互いに離反自在に切離されている。具体的には、図3及び図4に図示したように、計測用着衣体2の後身頃9aと前身頃9b(上前の前身頃)との連設箇所にスリット10を形成して双方の下端側を切離した構成としている。
従って、被計測者1がこの計測用着衣体2を着衣した状態で床にまっすぐ立つと、この被計測者1の着丈より長い計測用着衣体2の後身頃9aと前身頃9bの余った部分が前記スリット10を介して互いに離反して床に着くので、この後身頃9aの床に着いた位置に表示された前記背面側着丈計測目盛り部5Aの目盛り3aと、この前身頃9bの床に着いた位置に表示された前記上前衽丈計測目盛り部5Bの目盛り3aと読むことで、前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4(被計測者1の肩に掛かる部位)から足下(床)までの距離を計測でき、この被計測者1の着丈(背面側の着丈と、上前衽丈)が取得できる。
また、この目盛り部3のおはしょり計測目盛り部6は、図1及び図2に図示したように、計測用着衣体2の胴周り部位(上前の胴周り部位)に上下方向に複数の目盛り3aを並設表示した構成である。また、このおはしょり計測目盛り部6の複数の目盛り3aは、図8に図示したように、前記計測基準部4からの距離が57cmの位置を基準の目盛り3aとし、この基準目盛り3aから1cm刻みで複数の目盛り3aを並設表示したものである。各目盛り3aは、同じく計測用着衣体2の前身頃9bに表示されている前記上前衽丈計測目盛り部5Bの目盛り3aと混同しないように、横線と数値ではなく、横線とアルファベットを有する構成としている。更に、計測基準部4からの距離が57cmの位置に表示した基準の目盛り3aは、アルファベットのMを表示すると共に他の目盛り3aと異なる色の横線を表示した構成とし、他の目盛り3aはアルファベットの順番に準して所定のアルファベットと横線とを表示する構成とし、例えばアルファベットのPなら、基準のアルファベットMから3つ下の位置の目盛りなので、計測基準部4からの距離は57cm+3cmで60cmである。尚、この基準の目盛り3aを計測基準部4からの距離が57cmとしたのは、日本人の女性の平均的な体型を基にして決定したもので、他の位置を基準の目盛り3aとしても良いし、単に計測基準部4からの距離をそのまま数値によって表する構成としても良い。
従って、前記被計測者1が前記計測用着衣体2を着衣して立った状態で、図5に図示したように、この計測用着衣体2の胴周り部位に帯若しくは帯板などの指標体8を実際に帯を締める際と同じ高さ位置に当てがい、この状態で指標体8の下縁の位置に表示されている前記おはしょり計測目盛り部6の目盛り3aを読むことで、前記被計測者1の体型によって夫々異なる前記計測基準部4(被計測者1の肩の位置)からこの被計測者1の帯を締める位置までの距離を計測でき、この被計測者1のおはしょり位置を取得できる。
尚、このおはしょり計測目盛り部6の目盛り3aの横線は、図8に図示したように、右上がりに構成している。特に、基準の目盛り3a(Mと表示する目盛り3a)は、前記計測基準部4から57cmの位置と、前記計測基準部4から53cm下がった脇の位置とを結ぶ傾斜状の横線としており、この横線に平行となるように各目盛り3aを右上がりの傾斜状態に構成し、被計測者1がこの計測用着衣体2を着衣した際にこの右上がりの横線が丁度略水平となるように構成している。
また、本実施例においては、図4及び図5に図示したように、被計測者1が計測用着衣体2を着衣する際に衣紋を抜き易いように、この計測用着衣体2に衣紋抜き11を設けている。これは、図5に図示したように、腰紐をこの衣紋抜き11の糸と押し部11aに通して腰の位置に結ぶことで、形崩れしにくくきれいに着付ることができる。また、更にこの計測用着衣体2には衿芯を設け、より衣紋を抜き易く構成している。
従って、被計測者1は前記計測用着衣体2をただ着衣するのではなく、この計測用着衣体2を着物の着付けのように衣紋を抜いてきれいに着衣し、そのうえで体型寸法の計測を行えるので、このようにして取得した体型寸法を基にして製作した簡着仕立ての着物は、前記被計測者1が衣紋を抜いてきれいに着付けた際に丁度この被計測者1の体型に良く合うサイズとなる。
次に、本実施例に係る計測着を用いた計測手順の一例を以下に説明する。
被計測者1、即ち着用者の体型に応じた簡着仕立ての着物を仕立てる場合、この被計測者1に本実施例に係る計測着を着衣してもらう。
そして(1)背面側の着丈
(2)前面側の着丈(上前衽丈(肩から衽付の裾までの位置))
(3)おはしょり位置
の少なくとも三種類の体型寸法を取得して、この取得された体型寸法を基に簡着仕立ての着物にする。
具体的には、先ず、図5に図示したように、被計測者1が計測用着衣体2を着衣する。
ここで、仮に着物を着付ける際にこの被計測者1が補正(例えば、身体の凹んだ部位にタオルを巻くなどして身体の凹凸を軽減する。)を行うのであれば、この計測用着衣体2を着衣する際にも同様の補正を行って、着物を着付ける時と同様の体型に被計測者1の体型を補正したうえで前記計測用着衣体2を着衣する。
次いで、被計測者1がまっすぐ立った状態で、この計測用着衣体2に設けた目盛り部3の目盛り3aを読むことで所定の体型寸法を取得する。
具体的には、計測用着衣体2の後身頃9aに表示された背面側着丈計測目盛り部5Aの複数の目盛り3aのうち、床に着いた位置に表示されていた目盛り3a(本実施例では、図6中,(1)の目盛り3a)を読むことで被計測者1の背面側着丈を取得する(本実施例では140cm)。
更に、計測用着衣体2の前身頃9bに表示された上前衽丈計測目盛り部5Bの複数の目盛り3aのうち、床に着いた位置に表示されていた目盛り3a(本実施例では、図7中(2)の目盛り3a)を読むことで被計測者1の上前衽丈を取得する(本実施例では144cm)。
更に、計測用着衣体2の胴周り部位(上前の胴周り部位)であって前記被計測者1が着物を着付ける際に帯を締める位置に指標体8(帯板)を当てがい、この使用体8(帯板)の下縁と対応する位置に表示されたいたおはしょり計測目盛り部6の所定の目盛り3a(本実施例では、図8中(3)の目盛り3a)を読むことで被計測者1のおはしょり位置を取得する(本実施例ではGと表示された目盛り3aを読んだので、Mと表示された基準の目盛り3aから6つ上の位置、即ちおはしょりの位置は計測基準部4から51cmとなる。)。
本実施例は、上述のように、被計測者1に計測用着衣体2を着衣させて目盛り部3の所定の目盛り3aを読むだけの簡易な計測作業で、簡着仕立ての着物の製作に必要な背面側着丈,上前衽丈及びおはしょり位置の三つの体型寸法を誰でも簡単に素早く取得できる。
次に、本実施例によって取得した上記三つの体型寸法を基に簡着仕立ての着物を製作する手順を図9〜図15に基づいて以下に説明する。
尚、本実施例では、一般的な(簡着仕立てではない)着物を、簡着仕立ての着物に仕立て直す手順を例に説明する。
先ず、図9に図示したように、簡着仕立てに仕立て直したい着物Aを用意し、本実施例により取得した背面側着丈(140cm)の通り前記着物Aの後身頃の肩の位置から下方140cmの位置に糸などで目印を付けて、この背面側着丈より長い余った部分の丈の長さaを計測する。
また、図10に図示したように、本実施例により取得した上前衽丈(144cm)の通り前記着物Aの前身頃(上前身頃)の肩の位置から下方144cmの位置に糸などで目印を付けて、この上前衽丈より長い余った部分の丈の長さbを計測する。
また、図10に図示したように、本実施例により取得したおはしょり位置の寸法(51cm)の通り前記着物Aの肩の位置から下方51cmの位置に糸などで目印を付け、このおはしょり位置から、おはしょり山の位置cを決定する。尚、おはしょり山の位置cとは、図16に図示したように、身頃を身丈を折り返した際に外側に露出する折り返し下縁のことである。
このおはしょり山の位置cは、具体的には図13に図示したように、着物Aの肩の位置からの距離が一定(肩の線に対して平行)では無い。本実施例により取得したおはしょり位置(肩の位置から下方51cmの位置)を基準とし、図13に図示したように、この着物Aの上前のおはしょり山の位置c1を前記おはしょり位置+6cm(肩の位置から下方57cmの位置),この着物Aの上脇のおはしょり山の位置c2を前記おはしょり位置+3cm(肩の位置から下方54cm),この着物Aの背のおはしょり山の位置c3を前記おはしょり位置と同じ肩の位置から下方51cm,この着物Aの下脇のおはしょり山の位置c4を前記おはしょり位置+4cm(肩の位置から下方55cm),この着物Aの下衽付のおはしょり山の位置c5を前記おはしょり位置+6cm(着物Aの前記背面側着丈よりも長い余った部分の丈の長さaが多かった場若は前記おはしょり位置+7〜8)とし、これら着物Aの各部位のおはしょり山の位置c1〜c5を結線することによって想定される折線を、この着物Aのおはしょり山の位置cとする。
このように本実施例により取得したおはしょり位置からこの着物Aのおはしょり山の位置cが決定したら、図11〜図13に図示した通りにこの着物Aの後身頃の背面側着丈より長い余りの部分の丈の長さa及び前身頃の上前衽丈より長い余りの部分の丈の長さbによりこの着物Aのおはしょりの内あげ量を決定し、実際におはしょりを作り糸で縫い止める。
以上のように、本実施例に係る計測着で取得した被計測者1の背面側着丈と上前衽丈によって、着物Aの後身頃の余る部分の丈長さa及び前身頃の余る部分の丈長さbを決定し、本実施例に係る計測着で取得した被計測者1のおはしょり位置によって、この着物Aのおはしょり山の位置cを決定し、これらから図11〜図13に図示した通りにこの着物Aのおはしょりの内あげ量を決定し、実際に図16に図示したようにおはしょり山の位置cを基準に内あげて、内側に折り返した生地の折り返し上縁と、外方の生地とを糸で縫いとめることで、図14及び図15に図示したように、簡着仕立ての着物に仕上がる。尚、本実施例では、上前の衿を、おはしょりと一緒に折り込むのではなく、おはしょりの位置に合った長さの上前衿に付け直して仕上げている(図14参照)。
このように、本実施例では、被計測者1、即ち着用者に計測用着衣体2を実際に着衣してもらって、この被計測者1の体型に合わせて各体型寸法を決める(計測している)ので、被計測者1の体型に非常に合った簡着仕立ての着物となり、それだけ一層簡単にきれいに着付けることができるものとなる。
尚、おはしょりの内あげ量を決定する際、単純に前記着物Aの前記背面側着丈よりも長い余った部分の丈の長さaや、上前衽丈よりも長い余った部分の丈の長さbをそのまま使用して決めるのでは無く、おはしょりの内あげ量を適宜+−補正しても良い。即ち、例えば、着付けた時に一層見栄えが良くなるような補正を行ったり、また例えば仲居などが仕事用として着る簡着仕立ての着物の場合には、動き易いように内あげ量を+補正するなど、使用条件や使用用途に応じて適宜補正すれば良い。この際、予め補正された数値が取得できるように、例えば本実施例に係る計測着の目盛り部3の目盛り3aの数値自体を予め補正された数値とした構成としても良い。
また、例えば、本実施例に係る計測着によって取得した体型寸法(背面側着丈,上前衽丈及びおはしょり位置)を基に、上記手順と略同様の手順によって、例えばプレタ着物(通常の着物と異なり着用者の体型に応じて着丈が内あげによって調整された着物で、着付け時には自分でおはしょりを作る必要がある。)を簡着仕立ての着物に仕立て直すことが可能である。また、本実施例に係る計測着によって取得した体型寸法を基に反物から簡着仕立ての着物を製作しても良い。
また、例えば、着物の上から着衣するコートの製作に必要な体型寸法を取得する場合に本実施例品を採用しても良い。このように着物の上から着衣するコートのコート丈の計測を行う場合、7分丈,8分丈などのように身長に対してどの程度のコート丈に調整するかが被計測者(着用者)の好みよって異なるのでそれだけ計測が厄介であるが、この点、本実施例においては、被計測者が計測着を実際に着衣した状態で、好みの丈の長さ位置を計測者が指示することで所望者の好み通りのコート丈を簡単に計測できる。
また、例えば、男性用の着物の製作に必要な体型寸法を取得する場合に本実施例品を採用しても良い。
このように、本実施例は一般的な仕立ての着物から簡着仕立ての着物を製作するだけでなく、この種の着物や着物用のコートの製作など種々の用途に適宜採用できる。
特に、近年、体型の大型化などにより、かなり体型の太めの人もおり、最良な体型寸法の取得はこれまでのメジャー方式では益々困難となってきているが、この点、本実施例によれば、単に被計測者1の肩の線を合わせて計測用着衣体2を着衣して計測を行うだけで、被計測者1の体型に応じた最良な体型寸法(例えば上記の着丈,上前衽丈,おはしょり位置や、内あげの位置,衿下の位置などの種々の体型寸法)を誰でも極めて簡単に効率良く取得でき、今後益々実用性の高まる極めて画期的で商品価値の高いものとなる。
また、本実施例は簡着仕立ての着物の製作のための体型寸法を取得する計測着を例に説明したが、これに限らず、例えば、計測用着衣体2をズボンの形態に形成し、この計測用着衣体2を被計測者1が着衣した際にこの被計測者1の腰に掛かる部位をこの計測用着衣体2の計測基準部4とし、この計測用着衣体2の裾の位置を前記目盛り部3の目盛り3aを表示する計測位置として目盛り3aを並設表示し、被計測者1がこの計測用着衣体2を着衣した状態でこの被計測者1の腰の位置から足下(床)までの位置(着丈)を計測し取得できる構成としても良く、またその他にも、例えば計測用着衣体2をYシャツの形態に形成し、被計測者1の裾丈や袖丈などの種々の体型寸法が取得できるように構成するなど、製作したい衣類の種類に応じて適宜構成すれば良い。
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例に係る計測着の説明正面図及び説明背面図である。 本実施例に係る計測着の説明上面図である。 本実施例に係る計測着の説明正面図である。 本実施例に係る計測着の説明背面図である。 本実施例に係る計測着の使用状態図である。 本実施例に係る計測着の計測用着衣体2に表示した背面側着丈計測目盛り部5Aの目盛り3aを示す説明図である。 本実施例に係る計測着の計測用着衣体2に表示した上前衽丈計測目盛り部5Aの目盛り3aを示す説明図である。 本実施例に係る計測着の計測用着衣体2に表示したおはしょり計測目盛り部6の目盛り3aを示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。 本実施例に係る計測着により取得した体型寸法を基にした簡着仕立ての着物の製作手順を示す説明図である。
符号の説明
1 被計測者
2 計測用着衣体
3 目盛り部
3a 目盛り
4 計測基準部
5 着丈計測目盛り部
5A 背面側着丈計測目盛り部
5B 上前衽丈計測目盛部
6 おはしょり計測目盛り部
8 指標体
9 身頃
9a 後身頃
9b 前身頃

Claims (9)

  1. 被計測者が着衣する計測用着衣体に、被計測者の体型に応じた衣類を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法を取得する目盛り部を設け、この目盛り部は、被計測者が計測用着衣体を着衣した状態でこの計測用着衣体の計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体に表示した構成とし、この目盛りを読むことで前記被計測者の体型によって夫々異なる前記計測基準部から所定の計測位置までの距離が計測でき前記被計測者の体型寸法の少なくとも一種類を取得できるように前記目盛り部の目盛りの表示位置を設定したことを特徴とする計測着。
  2. 前記計測用着衣体は、前記被計測者の肩に掛かる部位を有する上衣体として構成したことを特徴とする請求項1記載の計測着。
  3. 前記上衣体として構成した前記計測用着衣体は、前記被計測者の肩に掛かる部位をこの計測用着衣体の前記計測基準部に設定したことを特徴とする請求項2記載の計測着。
  4. 前記計測用着衣体の目盛り部は、少なくとも被計測者の着丈を計測する着丈計測目盛り部を有する構成とし、この着丈計測目盛り部は、計測用着衣体の前記被計測者の肩に掛かる部位に設定した前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の身頃の下端部に上下方向に並設表示し、前記被計測者の肩からの着丈を取得できるように構成したことを特徴とする請求項3記載の計測着。
  5. 前記計測用着衣体の目盛り部の着丈計測目盛り部は、前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の後身頃の下端部に上下方向に並設表示した背面側着丈計測目盛り部と、前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の前身頃の下端部に上下方向に並設表示した上前任丈計測目盛り部とから成る構成としたことを特徴とする請求項4記載の計測着。
  6. 前記計測用着衣体は、前記背面側着丈計測目盛り部の複数の目盛りが並設表示された計測用着衣体の後身頃の下端部と、前記上前衽丈計測目盛り部の複数の目盛りが並設表示された計測用着衣体の前身頃の下端部とが、互いに離反自在に切離されている構成としたことを特徴とする請求項5記載の計測着。
  7. 前記計測用着衣体の目盛り部は、少なくとも被計測者が着物若しくは浴衣などの帯を締める上衣体を着衣した際の帯を締める位置を計測するおはしょり計測目盛り部を有する構成とし、このおはしょり計測目盛り部は、計測用着衣体の前記被計測者の肩に掛かる部位に設定した前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の胴周り部位に上下方向に並設表示し、前記被計測者の肩からこの被計測者の前記帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したことを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項に記載の計測着。
  8. 前記おはしょり計測目盛り部は、前記被計測者が前記計測用着衣体を着衣した状態でこの計測用着衣体の前記おはしょり計測目盛り部の目盛りが表示される胴周り部位に帯若しくは帯板などの指標体を帯を締める高さ位置に当てがい、この状態で指標体の位置に対応する前記おはしょり計測目盛り部の目盛りを読むことで、前記被計測者の肩からこの被計測者の帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したことを特徴とする請求項7記載の計測着。
  9. 前記被計測者が着衣する計測用着衣体に、被計測者の体型に応じた着物や浴衣などの上衣体を製作するために必要なこの被計測者の体型寸法を取得する目盛り部を設け、この目盛り部は、前記計測用着衣体の前記被計測者の肩に掛かる部位に設定した計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の後身頃の下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者の肩からの着丈を取得できるように構成した背面側着丈計測目盛り部と、前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の前身頃の下端部に上下方向に並設表示して前記被計測者の肩からの衽丈を取得できるように構成した上前衽丈計測目盛り部と、前記計測基準部からの距離を計測し得る複数の目盛りを前記計測用着衣体の胴周り部位に上下方向に並設表示して前記被計測者の肩からこの被計測者の帯を締める位置までの距離を計測できるように構成したおはしょり計測目盛り部とを有する構成としたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の計測着。
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