JP2007215200A - アナログ加入者接続のための高速通信システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1方の端点はデジタル電話網に直接に接続され、他方の端点は従来の電話接続を使用する。これにより送信問題は単1の電話線インターフェースおよび単1のアナログの加入者線ループに対する補償だけになる。この補償と必要とされるクロックの同期を可能にするための手段により、新しいシステムは64,000bpsまでの速度を達成することができ、広帯域のオーディオ送信、ビデオ送信、ネットワーキング、フアクシミリ送信およびリモート・コンプュータ・アクセスを含むいくつかの活発な領域に広範な用途を持つ。
【選択図】図3
Description
先の問題を解決するための従来の試みの1つの例は、米国特許No.5,264,125 および5,166,955−参照によりここに組み込まれている−に記載されている、太田による仕事の中に発見された。太田は、通信路を通して送信された、または記録媒体から再生された PCM 信号を再生するための装置を開示している。これらの特許は”歪ませる通話路を通過した多値信号を再生するという一般的な問題を扱うための、いくつかの従来のテクニックを例示している。”また例えばRichard D.Gitlin,Jeremiah F.Hayes and Stephan B.Weinstein,”Data Communications Principles,” Plenum(1992)−参照によりここに組み込まれている−も豊富な従来のテクニックも参照されたい。しかしながら、このような従来の教示は、非線形の量子化装置からの出力を取り扱うための方法の適用を考えていないし、電話の加入者線ループを通されたデジタルデータを復号するという特定の問題も取り扱っていない。さらに PCM データからサンプリングクロックを再生するという問題は、PCM 信号が2以上の値を取るときは、つまらない問題ではなくなる。例えば、太田による特許では、2値入力信号に頼るサンプルクロックの再生方法が用いられている。このタイプのクロックの再生は、電話システム内で使用されている多値符号に対しては使用できない。また、時間および変化する線路の状態により発生するドリフトの補償は PCM の再生の先行技術が含まなかった適応システムの使用を要求する。
本発明の1つのアスペクトは、既存の電話接続を通して、知られているモデムや従来のデータ伝送の方法よりも高速にデータを転送するためのシステムを含む。本発明は2つの重要な観察を利用することにより、従来の方法に比べて著しい改良を達成した。
従来のモデムのデータ接続が図1に示されている。このようなシステムの動作はよく知られており、国際電気通信連合(International Telecommunications Union)のような国際機関によって標準化されている。モデム104とモデム124の種類に依るが、第1のユーザのデータ流100により 28800 ビット/秒までの速度でデータを送り込むことができる。モデム104はデータ流100をアナログ信号に変換し、このアナログ信号は電話交換機に接続されている加入者線ループ106に加えられる。このアナログ信号はそれから網接続112を介して電話網内に入り電話網内を伝えられ、網接続118を介して第2のユーザのために働いている電話交換機120に到達する。この信号はアナログ形式のまま次に加入者線ループ122を通って第2のユーザのモデム124に伝えられ、モデム124はその信号をデータ流126に変換する。データ流126はデータ流100が遅延されたものである。厳密にアナログのやり方で、データ流128はモデム124、ローカル・ループ122、電話交換機120、網接続116、電話網114、網接続110、電話交換機108、加入者線ループ106、およびモデム104を経由して伝わり、遅延された同一の信号であるデータ流102となる。このシステムは、電話システムが、1方のユーザの電話接続に加えられたアナログ信号を、他方のユーザの末端に、電話システムにたいして定められた1組の標準値を越えない歪みと遅延で再生するものと仮定している。これらの値だけに基づいて、ほぼ35000ビット/秒よりも大きな速度でデータを送信できないことを示すことができる。このシステムは、実際には予測できない変化であるよりむしろ信号に対して決定性の変化である歪みの多くの細部を無視している。電話網114がデジタル方式で実現されている場合には、1つのこのような決定性の変化は量子化雑音である。既存のモデムは、歪みの除去においてこの主要な雑音源についての知識を利用することができず、そのためにデータレートが制限されている。これが現在のモデムシステムの主要な短所−低いデータレートと現在の仮定の枠組みの中でいつか可能になるであろう最大限の性能向上にたいする理論的な限界である。
この後の説明に理解されるように、歪んだアナログ信号から PCM データを再生するためのシステムは、復号クロックをデジタル流からアナログ値に PCM データを変換するために使用されるクロックと同期させる方法を必要とする。この同期をデジタル方式で実現するには、そのサンプリングレートをアナログ−デジタル変換により使用されるレートから PCM データからの変換において使用されるレートにより近いサンプリングレートに変換しながら、デジタルデータ列が再サンプリングされることを必要とする。これを行うための既知のテクニックは、それらの性能が厳しく制限されているか、または大量の計算を必要とする。例えば、参照によりこの明細書に組み込まれているR.E.Crochiere およびL.R−Rabiner,”Multitrate Digital Signal Processing” ,Prentice −Hall,Englewood Cliffs,NJ,1983を参照されたい。相互の関係が時間の関数として変化してもよい2つの独立なクロックの間のサンプリングレートの変換を行うことは、さらに作業を複雑にする。
図3は提案されるシステムの概観を示す。図3に示されているシステムの使用方法は、現在のデータ通信回路すなわちモデムの使用方法と同じである。データ流100で加えられたデータは、幾らかの時間後にデータ流126に現れる。データ流100は、その機能がデータ流を電話システムに適合した形式に変換することであるエンコーダ(符号器)に加えられる。変換されたデータは、デジタル網接続132を介してデジタル電話網134に加えられる。この変換されたデータは、デジタル電話網を通って、線路インターフェース140が在るクライアント(サービスを受ける者)の電話局に、逐語的に現れる。この点において、そのクライアントもデジタル網接続138からそのクライアントの線路インターフェースへのデジタル接続に対する直接のデジタルアクセスを持っているときは、送信が完了する。しかしながら、大多数のユーザと同じようにそのクライアントが電話網に対して直接のデジタルアクセスを持っていないときは、これは不可能であり、下記の追加の動作が必要である。線路インターフェース140は、デジタル網接続138上のデジタルデータを、デジタル電話方式の標準仕様に適合するアナログ形式に変換する。このアナログ形式の信号は、加入者線ループを通って、ハイブリッド網152がそこで線路を終端しているクライアントの屋内に伝えられ、アナログ信号154を生成する。ハイブリッド網152は、2線−双方向信号を1対の単方向信号に変換する標準の構成要素である。復号器154は、アナログ信号154を用いて、線路インターフェース140によって行われるアナログ形式への変換によって持ち込まれる歪みを推定し補償する。これは、デジタル網接続132に加えられたデジタルデータと同じであると仮定されている、デジタル網接続138におけるデジタルデータの推定になる。次に符号器150によって行われた変換が逆変換され、復号器156がデータ流126を送出する。このデータ流は、遅延された元のデータ流100の推定である。
図4は、図3の符号器150の1つの可能な実現のブロック図を示す。図3からのデータ流100は、AT&TのDSP32Cのようなデジタルシグナルプロセッサ(デジタル信号処理装置)160の直列データ入力に加えられる。このプロセッサは、プロセッサバス162を使って、読出し専用メモリ168、ランダムアクセスメモリ166および Advance Micro Devices のAm79C30A のような ISD N インターフェース回路164と通信する。読出し専用メモリ168は、機能的特性が後述される格納プログラムを含む。ランダムアクセスメモリ166は、プログラムやパラメータの格納のために使用される。ISDN インターフェース回路164はまた Northern Telecom の NTI のような網終端装置172およびそれに続いて図3に示されているデジタル網接続132に接続される ISDN 接続170を持つ。
図5は、図3の符号器150の機能ブロック線図を示す。サーバからクライアントへのチャンネルは、データ流100として与えられる任意のデジタルデータから始まる。符号器150は、このビット流を好ましくは電話システムのクロックレートである8,000サンプル/秒でサンプリングされた8ビットのワード(語)の列に変換する。これは、データ流100から読んだ各8ビットを1つの組にして、並列の8ビットの値を8ビットの符号の流れ182として出力する直−並列変換器180により行われる。このマッピングは、データ流100から読み込まれた各8ビットの最初のビットが8ビットの符号の流れ182の最下位のビット位置に置かれ、出力するワードが完成するまで後続のビットが順次より上位のビット位置を占めるように行われるのが好ましい。出力するワードが完成した時点で、この工程が繰り返される。DC エリミネータ(直流除去回路)184は、1定の間隔、好ましくは8つのサンプルごとに1度、挿入される値に対応するアナログ値が8ビット符号の流れ182上のすべての先行する値の和の負値になるように、追加の8ビット値を挿入する。電話システムは多くのものが信号の DC バイアスを減衰させるかまたは除去するので、これが必要である。DC エリミネータ184は、受け取ったアナログ信号中の DC 成分を減少させるための回路手段の1例である。
この後の説明において参照するために、図8は、代表的な電話システムにいて見られるような、図3の線路インターフェース140の機能モデルを示す。このようなインターフェースはよく知られており、現在デジタル電話交換機に使用されている。図3のデジタル電話網134は、デジタル網接続138を介して、1サンプル(標本)あたり8ビットのμ−law で符号化されたデジタルデータの流れを、図8に示されているμ−law−線形変換器210に渡す。μ−law−線形変換器210はよく知られたμ−law−線形変換を行い、各サンプルを線形値212に変換する。線形値212は次にアナログ−デジタル変換器214によりアナログ信号216に変換される。このアナログ信号は、電話システムのクロック236を使って、よく知られたやり方でサンプリングされる。見やすくするために図3 には示されていないが、電話システムのクロック236はデジタル電話網134により発生される。アナログ信号216は次に低域フィルタ218により平滑化されて、濾波された信号220になる。低域フィルタ218の主目的は、ほぼ 3 100 Hz の遮断周波数で低域を通過させる機能を提供することである。国際電気通信連合は、国際電気通信連合,電気通信標準化セクター(ITU−T),” Transmission Performance Characteristics of Pulse Code Modulation”,推奨G.712,ジュネーブ,スイス,1992年9月−参照によりこの明細書に組み込まれている−においてデジタル−アナログ変換器214および低域フィルタ218のための規格を標準化した。
図9は、図3の復号器156の1つの可能な実現のブロック線図を示す。図3からのアナログ信号154は、アナログ−デジタル変換器240によりサンプリングされる。アナログ−デジタル変換器240は、Crystal Semiconductorの CS5016のような1つの集積回路として存在している。このアナログ−デジタル変換器240は、発振器242によって発生される、好ましくは16kHz のクロック信号244を使用して、デジタル入力信号246を生成する。デジタル入力信号246は、 AT&TのDSP32Cのようなデジタルシグナルプロセッサ248のバンクに、それらの直列入力端子の1つを通して接続されている。これらのプロセッサは相互に接続されており、またプロセッサ・バス250を介してランダムアクセスメモリ254および読出し専用メモリ252に接続されている。読出し専用メモリ252には、その機能的特性が後の節で説明される格納プログラムが入れられている。デジタルシグナルプロセッサのバンク248は、図3の復号器156の最終出力であるデータの流れ126を生成する。
図10は図3の復号器156の機能構成を示す。図3からのアナログ信号154は復号器156に入力データを与える。アナログ信号154はアナログ−デジタル変換器240に入力され、好ましくは1サンプルにつき16ビットの精度で、毎秒あたり 16000サンプルでサンプリングされたデジタル入力信号246に変換される。アナログ−デジタル変換器240は、Crystal Semiconductorの CS5016のような1つの集積回路として存在している。デジタル入力信号246は、次に、周期推定値262だけ離れた時間間隔でデジタル入力信号246を補間し再サンプリングを行って、同期させられた信号266を生成するクロック同期器260により処理される。クロック同期器260の動作は後の節で説明される。同期させられた信号266は、後述される逆フィルタ268により濾波され、補償済された信号274が再構成される。逆フィルタ268の目的は、主要構成要素が図8の低域フィルタ218である図3のインターフェース140によって行われた変換を逆変換することである。図10に戻って、逆フィルタ268はまた、同期させられた信号266に内在するタイミングのずれを与える遅延誤差推定270を出力する。この信号は、クロック同期器260により使用される周期推定値262を計算するために、後述されるクロック推定器264により使用される。次に決定手段を用いて、補償済された信号274が、不連続な集合から取り出された1連の値に変換される。例えば、補償済された信号274が線形−μ−law 変換器276を使って最近の相当する8ビットμ−law ワードに変換され、推定された符号の流れ280が生成される。先述したように、線形−μ−law 変換器276は、簡単な参照表として実現できる。
図12は、図10の逆フィルタ268の内部の詳細な構成を示している。逆フィルタ268は等化手段の1例であり、入力信号(同期させられた信号266)に対して線形濾波操作を行い、出力信号(補償された信号274)を生成する動作をする。逆フィルタ268はまた、補償された信号274と所望の値の間の不一致を示す誤差信号272を受け取る。そして誤差信号272を使って、誤差信号272が最小になるように、濾波機能を更新する。このような適応フィルタの構成はよく知られている。例えば、Richard D.Gitlin,Jeremiah F.Hayesおよび Stephen B.Weinstein,”Data Communications Principles”,Plenun(1992)−参照によりこの明細書に取り込まれている−を参照されたい。しかしながら説明を明瞭にするために、この明細書では逆フィルタ268の好ましい実施例について説明する。さらに、逆フィルタ268は、図10のクロック推定器264により使用される遅延された誤差推定値270を生成する。
図13は図12のフィードフォワード等化器300の内部構成を示す。フィードフォワード等化器300は、連鎖状に接続された好ましくは8〜128個のフィルタTAP330と同一の回路から構成されている。第1のフィルタ TAP330は図12の同期させられた信号266を受け入れ、最後のフィルタ TAP330は図12で使用される部分的に補償された信号302を出力する。中間の各 TAP は2つの入力信号−主入力332とターゲット入力336−を受け取り、2つの出力信号−主出力334とターゲット出力338−を生成する。各フィルタ TAP330はまた出力信号として TAP 重みを提供する。この TAP 重みは、推定器342によって遅延誤差推定値270を計算するために使用される。動作中、各フィルタ TAP330は、補正信号324を入力として使って適応更新を行う。
図15は図10のクロック推定器264の機能構成要素を示す。クロック推定器264は、遅延誤差推定値270を使って周期の推定値262を更新する回路手段の1例である。クロック推定器264に対する信号入力である遅延誤差推定値270は、ループ利得370により、アナログ−デジタル変換器240のために使用されるクロックの精度に依り異なるが好ましくは 10−1から 10−8の範囲の倍率k1だけスケール変換され、位相誤差374が生成される。位相誤差374は次にループフィルタ376で濾波され、周期オフセット378が生成される。ループフィルタ376は、その設計が位相ロックループの設計に熟練した人々には明白な低域フィルタである。周期オフセット37は、加算器372により、公称周期380に加算される。公称周期380は、図8の電話システムクロック236に周波数に対する図10のアナログ−デジタル変換器240のサンプリングレートの2分の1の比である。電話システムクロック236とアナログ−デジタル変換器240は共通の源から導き出されていないので、正確な比は、パラメータの好ましい選択にたいして、1.0からごく僅かに異なる。動作中、周期推定は、図10の逆フィルタ268により与えられる現在の誤差の推定値を使って、この比を修正し追従する。
図10のクロック同期回路260の機能ブロック線図が図16に示されている。クロック同期回路260の機能は、周期推定262だけ離間した時間間隔でその入力信号(デジタル入力信号246)を補間し再サンプリングすることである。例えば、周期推定262が2.0の値を持つときは、デジタル入力信号246から読まれたすべての2番目のサンプルは、同期している信号266として出力される。周期推定262が整数でないときは、クロック同期回路260は、入力されたサンプルの間を適当に補間して、出力するサンプルを生成することを要求される。
図3の復号器156の最終段は、図10のデータ抽出器290である。抽出器290の機能は、図3の符号器150によって行われた変換を元に戻すことである。これらの変換は、図5に示されている直−並列変換器180と DC エリミネータ184から成る。
サーバとクライアントとの間に接続が最初に確立されたとき、図3の符号器150と復号器156の両方とも、互いに知られている状態から開始しなければならない。符号器150の内部では、次の初期化が行われる:
1. 図5の DC エリミネータ184が初期化される。それにより、図6の2入力選択回路190がそれの次の出力が DC 再生符号206のコピーであるようにセットされる。
7. 図12のフィードバック等化器314の内部で、図14の単位遅延358が零に初期化される。
11. アプサンプリング回路390が、次に出力するアプサンプリングされた入力信号392がデジタル入力信号246の値であるように初期化される。
先の説明では、遅延推定器342は、フィードフォワード等化器300の内部のフィルタ TAP の重みを調べることにより構成された。他の遅延推定手段も可能である。例えば、図10の誤差信号272および補償された信号274を使って、次のようにして遅延誤差推定値270を生成することができる:
上記のように、復号器156のパラメータは、決められた初期化値と、その後の既知のデータシーケンスが送信されるトレーニング期間を使って設定される。先に説明した方法は、トレーニングシーケンスを使って、サンプル毎に逆フィルタ268およびクロック推定器264のパラメータの値の連続的な更新を行う。
1. レート推定手段を使って、取り込まれた信号の基本的なデジタル周期Tμ を計算する。これは、色々なよく知られた信号処理テクニックのうちの任意のもの、例えば自己相関分析を使って行うことができる。アナログ−デジタル変換器240のために好ましいサンプリングレートの使用を仮定すると、Tμはトレーニングシーケンスの長さNc の約2倍であることが予めわかっている。差のただ1つの原因は、電話システムのクロック236のサンプリングレートとアナログ−デジタル変換器240のサンプリングレートの2分の1の間の差に起因する。図15の公称周期380を
下記は、図3に示されている符号器150と復号器156をトレーニングする好ましいステップの説明である。
図17は前述した通信システムを逆方向通信路と組み合わせる本発明の1面を示す。データの流れ100は、図3を参照して説明されたように、符号器150に加えられる。符号器150はデジタル網接続132を介してデジタル電話網134に接続する。データは、網からデジタル網接続138を介してクライアントのオフィスに逐語的に現れる。デジタル情報は線路インターフェース140によりアナログ形式に変換され、アナログ形式で加入者線ループ122に置かれる。クライアントの屋内では、ハイブリッド網152が入アナログ信号448を生成し、また反響消去回路442が出アナログ信号444からの入アナログ信号448への寄与を除去してアナログ信号154を生成する。アナログ信号154は次に復号器156に加えられ、復号器156はデータの流れ126を出力する。クライアントからのデータの流れ128は、変調器446により、現在のモデムに使われているよく知られたテクニックに従って、出アナログ信号444に変換され、それからハイブリッド網152を介して加入者線ループ122に送り込まれる同時に、反響消去回路442に加えられる。電話局で、この信号は、線インターフェース140によりデジタル網接続136に変換器される。デジタル電話網134は、デジタル網接続136上のデータをデジタル網接続130に伝達する。復調器440はこれをサーバのためのデータの流れ102に変換する。
図17に示されているシステムは、1方はデジタル接続が可能であり、他方はアナログ接続しかできない2人の電話加入者の間に、全2重通信を提供する。出通信路の動作は、図3を参照して上で説明されたとおりであるが、1つ追加されることがある。それは、逆方向通信路の影響を低減させるために、ハイブリッド網152と復号器156の間に、反響消去回路442が挿入されていることである。反響消去回路442は、出アナログ信号444の大きさを変更し、それを入アナログ信号448から引き算してアナログ信号154を生成する。反響消去回路のテクニックと実現は、よく知られている。逆方向通信路は、従来のモデム技術の1変形を使って実現できる。例えば、国際電気通信連合、電気通信標準化セクター (ITU−T),“A Duplex Modem Operating at Signaling Rates of up to 14,400 b its/s for Use on the General Switched Telephone Network and on Leased Point to Point 2−wire Telephone−Type Circuits”,推奨V.32bis,ジュネーブ、スイス(1991)−参照によりここに組み込まれている−を参照されたい。データは変調器446により変調され、電話システムにより伝えられることができる出アナログ信号444が生成される。採用できる変調テクニックは、よく知られている。例えば、14,400 ビット/秒までのレートで転送可能な方法は上述した。
図3に示されている符号器150および復号器156の機能を、データの流れ100が符号器150に加えられる前にデータの流れ100に対していくつかの逆変換可能な変換を行うように拡張することもできる。これらの変換の効果は、データの流れ126が生成される前に復号器156の出力に対して逆変換を加えることにより、取り除くことができる。この変換は、何か元に戻すことが可能な機能を、好都合に提供できるであろう。
誤り訂正や誤り検出のためによく知られている方法のどれかを使って誤り訂正および/または誤り検出を可能にするために、データの流れに数ビット付加することもできる。これらは、例えば、文献によく記載されているたたみ込み符号、ブロック符号、または他の誤り訂正または検出方式を含む。データの流れ126に加えられるのと同じ誤り処理が、図10の線形− μ−law 変換器276から μ− law−線形変換器278までの信号経路に挿入されると、所望の出力信号286,線形値284,および誤差信号272の品質が改善され、復号器156の性能向上に効果があることに注意されたい。
データ伝送のために使用できる256個の可能なμ−law符号語があるけれども、 μ−law マッピングを行うと、これらの語が線形ドメインにおいて等距離に離れない。したがって、ある符号語の対が、線路のノイズまたは他の劣化のために、復号器156によってより容易に混同される。ソースコーダは、全体のデータレートの低下という犠牲を払って復号器156の精度を向上させるために、その出力をこれらの符号語のサブセットに制限する。これは、復号器156が与えられた誤り基準内で符号語を分離できないことを検出したとき、符号語アルファベットを縮少することにより、復号器156を悪い線路状態に適応させるためにも使用できる。符号語のセットを縮少することにより、データレートの低下というコストで誤り余裕が改善される。したがって、システムは、データレートを引き下げることにより品質が低下した接続に対処することができる。
56,000 ビット/秒の電話システムでの使用
電話システムにより使われているいくつかの PCM 伝送方式では、個々の8ビットの符号語の最下位のビットが内部の同期のために使用される。これは、図5を参照して説明した符号化処理でデジタル網接続132に加えられる符号化された値の各個の最下位のビット位置に挿入ビットを置くようにして8ビットにつき1回零のビットを挿入してデータの流れ100を変換することにより対処できる。このようにすることで電話システムによる下位ビットの使用は送信されるデータを損なわないが、最高データレートが56,000ビット/秒に低下する。
ソースコーダは、この分野に熟練した人々によく知られている色々な既知のテクニックのうちのどれかを使って、データの流れ100の損失のない(または損失の多い)圧縮を行うことができる。これらの圧縮は、Lempel−Ziv 圧縮、ランレングス符号化、および Huffman 符号化などを含む。ただしこれらに限定されない。選択された圧縮変換の逆変換、それもよく知られている、をデータの流れ126に適用することもできる。
上記の方法は、可聴信号を伝えるためにμ−law 以外の非線形な圧伸動作を使う電話システムに対しても使用できる。例えば、世界の多くの地域では、A−law として知られている、1つの同じ符号化を使っている。本発明の特徴は、すべてのμ−law−線形および線形−μ−law 変換器をそれらのA−law 相当変換器で置き換えることにより、このようなシステムにも適用できる。これらの相当変換器も、256要素の参照表を使って実現できる。この場合に、表はよく知られたA−l aw マッピングが掲載される。これらの変更は、この分野に熟練した人々には明らかであろう。
本発明の1つの特徴は、既存のモデムと組合せて使用することもできることである。図1に示されるような伝統的なシステムでは、モデム104は上述した符号器150の機能も織り込むように変更されてもよい。さらにモデム124は復号器156の機能も含むように変更されてもよい。変更されたモデム104と変更されたモデム124の間に呼が接続されたとき、双方は変更されないモデムの間の通常の接続に対するのと同じように動作する。それらがそれらの初期化を完了した後、モデム104は、国際電気通信連合により標準化されている折衝プロトコルのようなよく知られている折衝プロトコルを使って、モデム124に対して折衝要求を送ることができる。モデム124が復号器156の実現を含むときは、その要求に肯定的に返答することができる。そうでないときは、その要求は拒否され、通常のモデムの通信が用いられる。肯定的な返答が受信されると、モデム124とモデム104は、図17に示されるような動作に切り替わることができ、初期化シーケンスを開始する。このように、組み合わされたモデム/復号器は既存のモデムと相互に動作することができ、そして可能なときは、本発明の特徴を使って、高められた性能を提供する。
本発明の1つの特徴は、図18に示されているように、中央サイトと多数のユーザの間のあらゆるタイプのデータ通信(情報、音声、映像、その他)を提供するために、中央のサーバと組み合わせて使用できる。サーバ450は、ここに説明されている符号器150のような符号器の配列と、できるかぎり、復調器440のような復調器の配列から成るサーバインターフェース454にサーバデータ452を与える。サーバインターフェース454は、ISDN PRI インターフェースのようなサーバ接続456を介して、デジタル電話網134に接続している。このサービスに対する各契約者は、復号器156と、任意であるが、図17に示されているものと同じ反響消去回路442および変調器446から成るクライアントインターフェース460を持つ。クライアントインターフェース460はクライアント接続458上で動作し、クライアントデータ流462を与える。全体的に見れば、この構成は、多数のユーザが独立に中央のサーバ(1つまたは複数)と通信することを可能にする。この構成は、オーディオまたは音楽の配布、オンラインサービス、ネットワークサービスへのアクセス、ビデオやテレビの配布、音声、情報の配信、クレジットカードの確認、銀行業務、対話型コンピュータアクセス、遠隔在庫管理、POS 端末、マルチメディアなどを含む、ただしこれらに限定されない、どのようなタイプのデータサービスに対しても使用できる。この発明の他の実現または構成も、これらのおよびその他の用途に使用できる。
本発明の1つの特徴は、図19に示されているように、ファクシミリの高速送信に使用できる。送信 FAX470はイメージを走査し、そのイメージをよく知られている方法で、送信データストリーム472に変える。送信データストリーム472は、例えば図17に示されているような配達システム474を通して送信されて、受信データストリーム476になる。受信 FAX478はそのデータストリームをイメージに変換し、そのイメージを印刷するかまたは表示する。配達システム474は、図17に示されるように実現できる。ただしデータストリーム100は送信データストリーム472で置き換えられ、データストリーム126は受信データストリーム476で置き換えられる。さらに、データストリーム128とデータストリーム126は、参照によりここに組み込まれている国際電気通信連合、電気通信標準化セクター(ITU−T) ,推奨 V.17,”A 2−Wire Modem for Facsimile Applications with Rates up to 14,400b/s,”ジュネーブ、スイス(1991) に記載されているように、受信 FAX 478と送信 FAX470の間のプロトコル折衝のために使用できる。このようにして、送信 FAX470からのファクシミリは、受信 FAX478に、従来の送信方式で可能であるよりも高速に、有利に送信できる。
本発明の特徴は、ISDN またはデジタル電話を利用することができるどんなアプリケーションとも組み合わせて使用できる。これは、デジタルで接続されている側から電話網に対してアナログの接続しかできない側への送信のために、ISDN に相当する機能を提供することができる。これは、図17に示されるようなシステムを使って直接になされか、または図20に示されるような取次ぎ中継の使用によりなされる。デジタル加入者480は、デジタル電話網への直接のデジタルアクセスを持たず、その代わりにアナログ加入者接続488を持つアナログ加入者に対して、デジタルの呼出しを行うことができる。デジタル加入者480と中継サーバ484の間には、ISDN、Switched−56,T1などのデジタル接続を使って、完全なデジタル接続が開かれている。中継サーバ484は次に中継接続486に沿って、従来のモデムのような利用できる何らかの手段、または 図17に示されているようなシステムを使って、アナログ加入者490と通信する。この分野に熟練している人々によく知られている適当なフロー制御方法により、デジタル加入者には、デジタル接続がアナログだけの加入者のところまで開通したよう見えるであろう。このような接続は、音声、データ、デジタル FAX、ビデオ、オーディオなどのあらゆるデジタル通信に使用できる。中継サーバ484を実際のデジタル電話網134に組み込み、アナログ加入者にトランスパレントに見かけのデジタル接続を提供することができることに注意されたい。
本発明は、最も実際的かつ好ましい実施例であると現在考えられているものに関して説明されているが、本発明は開示されている実施例に限定されないこと、逆に、添付のクレームの精神と範囲の中に色々な変形および同等な構成などを含めることを意図していることを理解されたい。例えば、図17の逆方向通信路を使うことにより、同等の訓練要求が達成できる。図17の逆方向通信路はまた復号器156から符号器150への情報の流れの制御のための他の同等の構成を提供することができる。しかしながら、このような構成おいて、本発明はなおデータの提供者と消費者の間のデータの転送を提供する。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、電話線の補償はこの分野に熟練した人々によく知られている他の同等の構成により行ってもよい;同等のトレーニング手順が使用できる;異なる等化方法が利用できる、および本システムは他の中央オフィスの装置に対して適応させられてもよい。したがって、この分野の通常のスキルの人々は、すべてのこのような同等な構成および変更は、この後のクレームの範囲内に含まれることを理解するであろう。
次の疑似コードのセグメントは、本発明の色々な部分を理解するのを助けるために提示されている。これらは、完全なまたは最適な実現(プログラム)として作られていない。これらのコードは、論じられている付加的な拡張のない、上述した基本システムの動作を説明する。ソフトウェアコードとして与えられているけれども、実際の実現は、プロセッサにより使用される格納されたプログラムでも、専用のハードウェアでも、またはこれらの2つの組合せでもよい。
Claims (7)
- 符号器と復号器を含み、前記符号器が電話網のデジタル部に対するデジタル接続を持ち、前記電話網のデジタル部がアナログループにより前記復号器に接続されている通信システムにおいて、
前記符号器からPCM符号語のシーケンスを送信するステップと、
前記シーケンスをアナログ電圧のシーケンスとして前記復号器で受信するステップと、
受信された前記アナログ電圧のシーケンスに応じて、受信された前記アナログ電圧のシーケンスの分散を測定し、前記復号器におけるノイズレベルを決定するステップと、
決定された前記ノイズレベルに応じて、複数の前記符号語を分離できる最小の距離である最小の分離値を選択するステップと、
どの二つの前記PCM符号語の距離も、前記選択された前記最小の分離値よりも小さくない様に、前記PCM符号語のセットを選択するステップと
を備えることを特徴とするPCM符号語のセットを選択する方法。 - 前記PCM符号語のセットを選択するステップにおいて、更に前記PCM符号語の第2のセットを選択し、
ビットスチールが存在するタイムスロットの場合、前記第2のセットの前記PCM符号語を使用する
ことを特徴とする請求項1に記載のPCM符号語のセットを選択する方法。 - 符号器と復号器を含み、前記符号器が電話網のデジタル部に対するデジタル接続を持ち、前記電話網のデジタル部がアナログループにより前記復号器に接続されている通信システムにおいて、
前記符号器からPCM符号語のシーケンスを送信するステップと、
前記シーケンスをアナログ電圧のシーケンスとして前記復号器で受信するステップと、
受信された前記アナログ電圧のシーケンスに応じて、受信された前記アナログ電圧のシーケンスの分散を測定し、前記復号器におけるノイズレベルを決定するステップと、
決定された前記ノイズレベルに応じて、複数の前記符号語を分離できる最小の距離である最小の分離値を選択するステップと、
どの二つの前記PCM符号語の距離も、前記選択された前記最小の分離値よりも小さくない様に、前記PCM符号語のセットを選択するステップと、
前記符号器から前記復号器に情報を送るために、情報ビットのシーケンスを選択された前記PCM符号語のセットからのPCM符号語のシーケンスに符号化するステップ
を備えることを特徴とする情報を送るための方法。 - 前記PCM符号語のセットを選択するステップにおいて、更に前記PCM符号語の第2のセットを選択し、
ビットスチールが存在するタイムスロットの場合、前記第2のセットの前記PCM符号語を使用する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。 - 前記符号化するステップが、たたみ込み符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
- 前記符号化するステップが、ブロック符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
- 前記符号化するステップが、トレリス符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
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