JP2007215200A - アナログ加入者接続のための高速通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のモデムを含む、既存の方法で可能な速度よりも高速に既存の電話線を通してデータを送信することができる新しい通信システムの提供。
【解決手段】1方の端点はデジタル電話網に直接に接続され、他方の端点は従来の電話接続を使用する。これにより送信問題は単1の電話線インターフェースおよび単1のアナログの加入者線ループに対する補償だけになる。この補償と必要とされるクロックの同期を可能にするための手段により、新しいシステムは64,000bpsまでの速度を達成することができ、広帯域のオーディオ送信、ビデオ送信、ネットワーキング、フアクシミリ送信およびリモート・コンプュータ・アクセスを含むいくつかの活発な領域に広範な用途を持つ。
【選択図】図3

Description

本発明の分野は大まかにはデータ通信装置に関し、より詳しくは電話接続を通してデジタルデータを送信するための装置に関する。
データ通信は、今日の社会の多くの領域で重要な役割を果たしている。銀行取引、ファクシミリ、コンピュータネットワーク、遠隔データベース・アクセス、クレジットカードの確認および多数の他の用途はすべてある場所から別の場所にデジタル情報を素早く送ることができる能力に依存している。この送信の速度はこれらのサービスの品質に直接に影響を与え、多くの場合に、通信を利用するサービスはある臨界の基礎的な能力がなければ実現できない。
最低のレベルでは、このデジタルデータのやりとりの殆どは電話システムを通して行われる。コンピュータ、ファクシミリ機および他の装置は、一般の電話接続を通して、または同じ特性の多くを共有する専用線を通して頻繁に互いに通信する。どちらの場合にも、データはまず元々音声伝送のために設計された電話システムで送信可能な形式に変換されなければならない。受信端では、電話信号がデータ流に戻されなければならない。どちらのタスクもモデムにより行われる。
モデムは上記の要求に対応する2つのタスク、データ流を電話システムで送信可能な可聴信号に変換する変調と、可聴信号を受け取りデータ流を再生する復調を行う。接続の各端に1つの1対のモデムが2点間の双方向通信を可能にする。可聴信号に課された制約は、モデムを使ってデータを送信することができる速度に制限を作り出す。これらの制約には、限られた帯域幅や雑音および漏話によるデータの劣化が含まれる。電話システムは一般的に 300Hzから 3,400Hzの間の周波範囲の信号だけを伝えることができる。この範囲は人間の声のスペクトルの主要部を含むので、電話システムの設計に組み込まれた。しかしながら、通話路の帯域幅は最大実現可能データレート(データ転送速度)を決定する1つの要因である。すべての他の要因が同じであれば、データレートは帯域幅に直接に比例する。
もう1つの要因は、通信の端点が制御することができない可聴信号または他の信号の歪みである。これは、電話システムにより運ばれている他の信号の電気的な取り込み(漏話)、電気ノイズ、および信号の1つの形式から別の形式への変換によって導入されるノイズなどが含まれる。最後のタイプは、後でさらに詳しく説明されるであろう。
汎用性を持たせるために、モデムは殆どの電話接続上で動作するように設計されている。したがって、モデムは、周波数帯域幅の制限および除去することができないかなりのノイズを含む最悪の場合を想定して設計されなければならない。そうでありながらも、過去数年間にモデムの設計にかなりの進歩がなされた。28,800ビット/秒までの速度で動作することができる装置は、いまでは広く使用されている。国際電気通信連合、電気通信標準化セクター(ITU−T),推奨V.34,ジュネーブ、スイス(1991)―参照によりここにも組み込まれている、を見られたい。しかしながら、通話路の帯域幅とノイズレベルに基づく理論的な議論は、最大の可能な速度は殆ど得られており、この与えられた制約の下ではさらに大幅な増加は多分にあり得ないということを示している。このことは、C.E.Shannon,”A Mathematical theory of Communication,” Bell System Technical Journal 27:379−423,623−656(1948)−参照によりここにも組み入れられている、に議論されている。不幸なことに、30,000 ビット/秒(または3,600バイト/秒)に近づきつつある速度は多くのデータ通信アプリケーションを可能にしたが、従来のモデムの送信はすべての用途のためにまで十分に速くない。これらの速度では、テキストの送信は速いし、デジタル化された話のような低品質のオーディオは我慢できる。しかしながら、ファクシミリや静止画像の送信は遅く、高品質のオーディオはまずまずであり、完全な動画はまだまだである。要するに、必要なものはより大きなデータ送信能力である。これが新しいアプリケーションのための前提条件であり、また多数の既存のアプリケーションの性能を最大限に活用するために必要である。
もちろん電話会社、ケーブルテレビ会社、およびその他は、これらの高まりつつあるデータ送信ニーズを無視しているわけではない。ビジネスおよび住居により高速のデータ接続を提供する1つの取組みは、エンド−ツウ−エンドのデジタル接続を提供し、モデムの必要性を無くしてしまうことである。このようなサービスの1つの提供はIntegrated Services Digital Network(ISDN)である。国際電気通信連合、電気通信標準化セクター(ITU−T),”Integrated Services Digit al Networks ISDNs,” 推奨 I.120,ジュネーブ、スイス(1993)、およびJohn Landwehr,”The Golden Splice:Beginning a Global Digital Phone Network,” Northwestern University(1992)、これらの各々は参照によりここに組み込まれている−を参照されたい。ISDNは既存のアナログ加入者線ループを 160,000ビット/秒のデジタル接続で置き換える。長距離およびオフィス間のトラフィックの大部分はすでにデジタルで伝送されているので、このデジタル加入者ループはエンド−ツウ−エンドのデジタルの音声、コンピュータデータ、またはあらゆる他のタイプの情報転送に使用できる。しかしながら、これらのデータ送信速度を加入者線ループ上で実現するためには、線の両端に特別の装置を設置しなければならない。実際に、電話網全体が現在音声伝送網から総合データ伝送サービスへの転換を遂げつつあり、音声はデータの単なる1つの特殊な形式にすぎなくなる。
一度設置されると ISDN のリンクは、64,000ビット/秒の能力がある2つのデータチャンネル、16,000ビット/秒の能力を持つ制御チャンネル、呼接続時間の短縮、およびその他の利益を提供する。これらのレートでは、ファクシミリや静止画像の送信は殆ど一瞬であり、高品質のオーディオも可能であろうし、遠隔コンピュータ接続は5倍の速度の増加から利益を受ける。完全動画に向けてかなりの進歩も達成されるかもしれない。
ISDN の不利な面はその利用価値またはその欠如である。ISDN を使用するには、ユーザの電話局はこのサービスを提供するためにアプグレードされなければならず、ユーザはその宅内装置(電話など)をそれらのデジタル相当製品に交換しなければならず、そして電話局の各加入者線インターフェースはデジタルデータ流を伝えるように変更されなければならない。この最後のステップ、すべての電話機と電話局の間の数百万のアナログ接続のデジタル・リンクへの転換は途方もないことである。この仕事の規模が ISDN の配備を遅くしており、そのためここ当分の間普及率は向上しないであろう。田舎や人口がまばらな地方はこれらのサービスを受けられないかもしれない。
高速データ通信サービスを提供する可能性のあるもう1つの既存のインフラストラクチャは、ケーブル・テレビジョン・システムである。狭帯域の撚り対線でユーザに接続する電話システムと異なり、ケーブル・システムは、多くの住宅街に広帯域の接続を提供している。この配線上の使われていない能力は、数千万いや数億ビット/秒のデータレートを提供することができる。これはフル−モーションのデジタル・ビデオを含む、上で想像した全てのサービスのためにも十分以上であろう。しかしながら、このケーブル・システムには重大な問題−そのネットワークの構成が難点になっている。電話システムは、点対点の接続性を提供する。これは、各ユーザはそのユーザの接続の全能力をフルに使用することができることであり、他のユーザと共用したり、他のユーザの使用により直接に影響を受けない。ケーブル・システムは、それに対して、放送接続を提供する。同じ信号が各ユーザの接続に現れるので、全能力がすべてのユーザによって共用される。そのため、トータルの能力は高いけれども、それはサービスを要求しているユーザの数で分けられる。この構成は、ケーブルの本来の設計目標であるテレビジョンの配布のようにすべてのユーザが同じデータを要求するときはうまく働くが、異なるデータニーズを持つユーザのコミュニティにはうまく働かない。大都市圏では、各ユーザが利用できるデータ能力は、ISDN またはモデム接続によるものに比べてかなり小さい。
多数のユーザに高速の、データ接続を提供するには、ケーブル・システムを変更し、ユーザの人々の異なる階層を分離して、より少ない人数でケーブルの帯域幅を効率的に共用するようにしなければならない。しかしながら、ISDN と同様に、これは遅い、コストのかかる仕事であるため、これから長年の間部分的なサービスを提供するだけであろう。
モデムを設計するために使用される方法は、大部分が、数十年の間変わらなかった電話システムのモデルに基づいている。このため、モデムは、有限の帯域幅(400−3400 Hz)と、信号レベル以下の30dBのオーダーのところにノイズ成分を持つアナログの通話路としてモデル化されている。しかしながら、電話システムの大部分は、現在、電話局間の通信のために、アナログ波形のサンプル表現のデジタル転送を使用している。各電話局で、アナログ信号は64,000ビット/秒のパルス符号変調(PCM)された信号に変換される。受信電話局は、その信号を加入者線に出す前に、アナログ信号に戻す。この過程により導入されるノイズは、ざっとみたところ、アナログ・システムで観測されるものと似ているが、ノイズ源は全く異なる。K.Pahlavan and J.L.Holsinger,”A Model for the Effects o f PCM Companders on the Performance of High Speed Modems,” Globecom ’85, pages 758−0762(1985)−参照によりここに組み込まれている、を参照されたい。デジタル交換機を使用する電話接続上に観測されるノイズの大部分は、アナログ波形をデジタル表現に変換するために必要なアナログ−デジタル変換による量子化に起因する。
上で述べたように、大部分の電話接続は、現在、電話局間では、64,000ビット/秒の速度で、デジタルで行われる。さらに、ISDN サービスは、加入者線ループの上をこれらよりもかなり大きなレートで送信することが可能であることを示している。これらの要因を利用する伝送方式を設計することが可能かもしれないということが提唱された。Kalet 等は、送信端が送信側の電話局内で行われるアナログ−デジタル変換が量子化誤差なしに行われるように正確なアナログレベルとタイミングを選択する、図2に示されるようなシステムを仮定した。I.Kalet, J.E.MazoおよびB.R.Saltzberg,”The Capacity of PCM Voiceband Channels ,”IEEE Internatinal Conference on Communications ’93,pages 507−51 1,ジュネーブ、スイス(1993)、−参照によりここに組み込まれている豊富な従来のテクニック。J.E.Mazoの数学的結果を利用することにより、通信パスの第2の加入者線ループの受信者端で利用できるアナログレベルだけを使って、デジタルサンプルを再生することが理論的に可能なはずであるということが推測された。J.E.Mazo,”Faster−Than−Nyquist Signaling,” Bell System Technical Journal,54:1451−1462(1975)−参照によりここに組み込まれている。その結果得られたシステムは、56,000から64,000ビット/秒のデータレートを達成することができるかもしれない。この方法の欠点は、実現できるかもしれないし、できないかもしれない理論的な可能性以上の何者でもないということである。
Kalet等は”これは難しい実際上の問題であり、我々は程良い答えが可能かどうか推測することしかできない”と述べている。Id.page 510.
先の問題を解決するための従来の試みの1つの例は、米国特許No.5,264,125 および5,166,955−参照によりここに組み込まれている−に記載されている、太田による仕事の中に発見された。太田は、通信路を通して送信された、または記録媒体から再生された PCM 信号を再生するための装置を開示している。これらの特許は”歪ませる通話路を通過した多値信号を再生するという一般的な問題を扱うための、いくつかの従来のテクニックを例示している。”また例えばRichard D.Gitlin,Jeremiah F.Hayes and Stephan B.Weinstein,”Data Communications Principles,” Plenum(1992)−参照によりここに組み込まれている−も豊富な従来のテクニックも参照されたい。しかしながら、このような従来の教示は、非線形の量子化装置からの出力を取り扱うための方法の適用を考えていないし、電話の加入者線ループを通されたデジタルデータを復号するという特定の問題も取り扱っていない。さらに PCM データからサンプリングクロックを再生するという問題は、PCM 信号が2以上の値を取るときは、つまらない問題ではなくなる。例えば、太田による特許では、2値入力信号に頼るサンプルクロックの再生方法が用いられている。このタイプのクロックの再生は、電話システム内で使用されている多値符号に対しては使用できない。また、時間および変化する線路の状態により発生するドリフトの補償は PCM の再生の先行技術が含まなかった適応システムの使用を要求する。
このように、要求されるまたは望まれるデータ通信能力と、利用できるそれとの間には、現在重大なずれがある。既存のモデムは十分な能力を提供せず、また新しいデジタル接続による解決は広く利用できるまでまだ何年もかかる。既存のインフラ設備を ISDN 能力を持たせるように改造することは大かがりな仕事であり、その使用が広がるまでには10年かかるかもしれない。データ送信の新しい方法は、多数の現在のアプリケーションに利益を与えることができ、同時に、インフラ設備が要求に追いつくまで待たなければならないであろういくつかの新しいサービスを作り出す。
したがって、既存の電話線を通して高速にデータを受け取る能力を与える新しいデータ転送システムを提供することに対してニーズがある。 また、デジタル電話システム(例えば ISDN)のために設計されたシステム、装置、およびアプリケーションを、アナログ接続と共に使用することを可能にする改良されたデータ転送システムに対してもニーズがある。
また金のかかるすべての加入者線の交換を必要とせずに、電話システムのデジタル設備を利用することができる改良されたデータ転送システムに対してもニーズがある。
また高品質のデジタルオーディオ、音楽、音声などを消費者に配布するための手段を提供する高速通信システムを作り出すことも望まれている。このような改良されたデータ転送システムは、オンデマンドで、個人に合わせた情報やデータなどを多数の消費者に配布する手段を提供するであろう。
またファクシミリ、POS システム、遠隔在庫管理、クレジットカードの照合、広域コンピュータネットワークなどの商業アプリケーションのためにより大きなスループットを提供するための改良された高速通信システムに対するニーズもある。
発明の要旨
本発明の1つのアスペクトは、既存の電話接続を通して、知られているモデムや従来のデータ伝送の方法よりも高速にデータを転送するためのシステムを含む。本発明は2つの重要な観察を利用することにより、従来の方法に比べて著しい改良を達成した。
1.基礎となる電話システムは PCM 伝送である。
2.高いデータレートは1方向だけであり、その送信側は電話システムに直接のデジタルアクセスを持つ。
本発明のアスペクトは、上記の観察を利用して、従来のシステムにおいてこれまでに達成されたのよりも速いデータ送信速度を可能した。上の2番目の観察は、モデムの最大の使い方−集中化されたサーバにアクセスして情報を引き出すこと−に向けられている。さらに、本発明は、データベースへのアクセスおよびオンデマンドのビデオまたはオーディオなどのより高いデータレートが求められている用途に対してとりわけ有用であることがわかった。このような用途は、本発明により実現可能な高いデータ伝送速度を利用することにより実現できる。本発明の重要なアスペクトは、簡単でかつ非常に強力である。すなわち、データの提供者にデジタル電話網への直接の接続を可能にし、消費者は線に対する変更なしに既存のアナログの接続を使用する。この構成は、消費者のデータ装置がその下で動作しなければならないモデルを大きく変化させる。既存のモデムは帯域幅の制限、および全送信パス上で信号を劣化させる多数の判明しないノイズ源に対処しなければならない。
それに対して、本発明のアスペクトは、電話局から消費者のホームオフィスまでのパスの大部分でデータをデジタルで伝え、そのパスの最後のセグメントに対してだけ信号をアナログ形式に変換する。都合のよいことに、既存のモデムにとっての主要なノイズ源の1つ、アナログ−デジタル変換の間の量子化ノイズは、このような変換がもはや必要でないので、完全に除去される。更に、デジタル−アナログ変換の間の量子化ノイズは決定論的な現象としてモデル化でき、したがって著しく減らすことができる。
本発明の上のアスペクトを使うことにより、デジタル網への直接のアクセス(例えば ISDN による)データ源は、そのデータの消費者にサービスをしている電話局まで、正確なデータを転送することができる。そのときに必要とされる全ては、電話局のデジタル−アナログ変換器で行われる濾波および伝送線路に起因するデータの歪みを補償する、加入者線ループの消費者端のデバイスである。どちらの歪みも、この明細書で説明されるように、既存のデジタル信号処理ハードウェアを使って十分に対処できる。
この方法は消費者からサーバへの戻りデータに対しては使用できないけれども、既存のモデムは使用でき、サーバから消費者へは64,000ビット/秒までの能力を持ち、20,000から 30,000ビット/秒のリターンが可能な非対称な通話路を提供することに注意されたい。
本発明のアスペクトは、どのようなタイプのデジタルデータでも(オーディオ、ビデオ、情報など)を、従来のモデムまたは従来のデータ伝送の方法で達成できたよりも高い速度で、個々のユーザに送ることを可能にする。さらに、ケーブルテレビ配信システムと異なり、この発明は、同時に異なるデータを要求するどのような数のユーザにも、フルデータ・レートで、サービスすることができる。
リモートコンピュータアクセス、高速ファクシミリ送信などのように既存のアプリケーションにより大きな動作速度を与えるだけでなく、本発明のあるアスペクトは、いくつかの新しいアプリケーションを可能にする。これらは、高品質のオーディオまたは音楽の送信、オンデマンドビデオ、静止画像の送信、テレビ電話、電話会議などの、高いデータ伝送速度が最も重要なアプリケーションを含む。
本発明の他のアスペクトは、信号のアナログ表現から、多値の PCM データ信号を再構成することである。これは、新規なクロック同期テクニックを適応等化と組み合わせる新しい方法を使用することにより成し遂げられる。前記に加えて、本発明の他のアスペクトと利点は、(1)電話線の加入者端のアナログ信号だけを使って、電話システムのデジタルのパルス符号変調(PCM)されたデータ流を効率的に再構成できる能力、(2)電話線の加入者端のアナログ信号だけを使って、PCM データのクロック周波数と位相を再構成できる能力、(3)電話局に追加の装置を加えることなく、また電話システムを変更しないで、電話局と加入者端との間の実行データレートを高める能力、(4)前記デジタルデータがアナログ形式への変換、濾波、歪み、またはノイズの付加による劣化などのうちの1つまたは複数のために変形された後でも、そのデジタルデータを再構成する能力などを含む。
これらのおよびその他の本発明の特徴、アスペクトおよび利点は、下記の説明、添付のクレームおよび添付の図面から、より良く理解されるであろう。
従来のモデムのデータ接続
従来のモデムのデータ接続が図1に示されている。このようなシステムの動作はよく知られており、国際電気通信連合(International Telecommunications Union)のような国際機関によって標準化されている。モデム104とモデム124の種類に依るが、第1のユーザのデータ流100により 28800 ビット/秒までの速度でデータを送り込むことができる。モデム104はデータ流100をアナログ信号に変換し、このアナログ信号は電話交換機に接続されている加入者線ループ106に加えられる。このアナログ信号はそれから網接続112を介して電話網内に入り電話網内を伝えられ、網接続118を介して第2のユーザのために働いている電話交換機120に到達する。この信号はアナログ形式のまま次に加入者線ループ122を通って第2のユーザのモデム124に伝えられ、モデム124はその信号をデータ流126に変換する。データ流126はデータ流100が遅延されたものである。厳密にアナログのやり方で、データ流128はモデム124、ローカル・ループ122、電話交換機120、網接続116、電話網114、網接続110、電話交換機108、加入者線ループ106、およびモデム104を経由して伝わり、遅延された同一の信号であるデータ流102となる。このシステムは、電話システムが、1方のユーザの電話接続に加えられたアナログ信号を、他方のユーザの末端に、電話システムにたいして定められた1組の標準値を越えない歪みと遅延で再生するものと仮定している。これらの値だけに基づいて、ほぼ35000ビット/秒よりも大きな速度でデータを送信できないことを示すことができる。このシステムは、実際には予測できない変化であるよりむしろ信号に対して決定性の変化である歪みの多くの細部を無視している。電話網114がデジタル方式で実現されている場合には、1つのこのような決定性の変化は量子化雑音である。既存のモデムは、歪みの除去においてこの主要な雑音源についての知識を利用することができず、そのためにデータレートが制限されている。これが現在のモデムシステムの主要な短所−低いデータレートと現在の仮定の枠組みの中でいつか可能になるであろう最大限の性能向上にたいする理論的な限界である。
図1に示されているような従来の前記の短所と不利な点を改善しようとする試みのなかで、データ転送速度を高めることへの取組みは仮想対称デジタル通信システムとして結実した。このようなシステムが、図2にデジタル電話網と組み合わせで示されている。
先に挙げた参照文献において Kalet 等により説明されているこのシステムは、基礎となる設備がデジタル電話網134であるという新しい仮定を用いる以外は、既存のモデムと同じである。動作は、デジタル電話網134内およびデジタル網接続130,デジタル網接続130,デジタル網接続132,デジタル網接続136およびデジタル網接続138上をデジタル形式で伝送される以外は同じである。各ユーザはまだ、加入者線ループ122および加入者線ループ106を経由してそれぞれ、アナログ形式とデジタル電話網134により使用される標準のデジタル形式の間の変換が行われる電話交換機120および電話交換機108に情報を伝送するためのモデムを必要とする。
従来のモデムと異なり、このようなシステムの速度を、デジタル電話網134の内部で使用されるシステムの速度、代表的には56,000または64000ビット/秒以下に制限するであろうような理論はまだ見出されていない。
従って、このようなシステムは64000ビット/秒までのデータレートを獲得できる可能性がある。しかしながら、このようなシステムはまだ実用されていないし、このようなシステムを実現することが可能であるという証拠もない。このシステムの著者等は”これは困難な実際上の問題であり、うまい解決方法が可能かどうか推測しかできない”と述べている。
問題は、基礎となる網がデジタル方式であり、観測される信号の歪みの大部分が量子化雑音に起因するという知識を利用するためには、送信するモデムは、信号を符号化するために網により選択されるデジタルレベルを、そのアナログ出力だけで制御しなければならないということである。さらに、受信するモデムは、そのアナログ入力だけから、それらのデジタルレベルを正確に推測しなければならい。アナログ/デジタル変換に起因する歪みが送信および受信の両端で発生し、しかも所望の信号に加えられたそれらが組み合わされた歪みだけしか直接に観測できない。さらに、電気ノイズおよび漏話に起因する追加の歪みが、加入者線ループ122や加入者線ループ106で発生する。所望の信号からこれらの歪みの成分を分離すること、およびこれらの歪みの成分を互いに分離することは、困難な、おそらく不可能な仕事である。
本発明の1つの面は、このアプローチの短所を取り除く1つの方法である。この方法は基礎をなすデジタル網の知識を実現可能な方法で利用し、すべての他の既知の解決方法により可能であるよりも高い到達可能なデータレートを提供する。
サンプリングレートの変換
この後の説明に理解されるように、歪んだアナログ信号から PCM データを再生するためのシステムは、復号クロックをデジタル流からアナログ値に PCM データを変換するために使用されるクロックと同期させる方法を必要とする。この同期をデジタル方式で実現するには、そのサンプリングレートをアナログ−デジタル変換により使用されるレートから PCM データからの変換において使用されるレートにより近いサンプリングレートに変換しながら、デジタルデータ列が再サンプリングされることを必要とする。これを行うための既知のテクニックは、それらの性能が厳しく制限されているか、または大量の計算を必要とする。例えば、参照によりこの明細書に組み込まれているR.E.Crochiere およびL.R−Rabiner,”Multitrate Digital Signal Processing” ,Prentice −Hall,Englewood Cliffs,NJ,1983を参照されたい。相互の関係が時間の関数として変化してもよい2つの独立なクロックの間のサンプリングレートの変換を行うことは、さらに作業を複雑にする。
本発明の1つの面は、このような変換を最小の計算オーバーヘッドで行うことができる方法である。この方法は、連続的に変化し得る入力/出力サンプリングレート比を受けつけ、高精度で変換を行う。説明されているテクニックは90dB よりも大きいアンチ−エリアシング(対折返し)拒絶を得ることができ、現在のプロセッサによりリアルタイムで実行することができる。
全体システム
図3は提案されるシステムの概観を示す。図3に示されているシステムの使用方法は、現在のデータ通信回路すなわちモデムの使用方法と同じである。データ流100で加えられたデータは、幾らかの時間後にデータ流126に現れる。データ流100は、その機能がデータ流を電話システムに適合した形式に変換することであるエンコーダ(符号器)に加えられる。変換されたデータは、デジタル網接続132を介してデジタル電話網134に加えられる。この変換されたデータは、デジタル電話網を通って、線路インターフェース140が在るクライアント(サービスを受ける者)の電話局に、逐語的に現れる。この点において、そのクライアントもデジタル網接続138からそのクライアントの線路インターフェースへのデジタル接続に対する直接のデジタルアクセスを持っているときは、送信が完了する。しかしながら、大多数のユーザと同じようにそのクライアントが電話網に対して直接のデジタルアクセスを持っていないときは、これは不可能であり、下記の追加の動作が必要である。線路インターフェース140は、デジタル網接続138上のデジタルデータを、デジタル電話方式の標準仕様に適合するアナログ形式に変換する。このアナログ形式の信号は、加入者線ループを通って、ハイブリッド網152がそこで線路を終端しているクライアントの屋内に伝えられ、アナログ信号154を生成する。ハイブリッド網152は、2線−双方向信号を1対の単方向信号に変換する標準の構成要素である。復号器154は、アナログ信号154を用いて、線路インターフェース140によって行われるアナログ形式への変換によって持ち込まれる歪みを推定し補償する。これは、デジタル網接続132に加えられたデジタルデータと同じであると仮定されている、デジタル網接続138におけるデジタルデータの推定になる。次に符号器150によって行われた変換が逆変換され、復号器156がデータ流126を送出する。このデータ流は、遅延された元のデータ流100の推定である。
図3の中では、この後詳細に説明される符号器150と復号器156を除いてすべての構成要素はよく知られており、現在のデジタル電話システムの内部にも在る。また復号器156を初期化しかつ通常の動作中に出会う条件に適合させる方法も、この後に説明される。
符号器の物理的な実現
図4は、図3の符号器150の1つの可能な実現のブロック図を示す。図3からのデータ流100は、AT&TのDSP32Cのようなデジタルシグナルプロセッサ(デジタル信号処理装置)160の直列データ入力に加えられる。このプロセッサは、プロセッサバス162を使って、読出し専用メモリ168、ランダムアクセスメモリ166および Advance Micro Devices のAm79C30A のような ISD N インターフェース回路164と通信する。読出し専用メモリ168は、機能的特性が後述される格納プログラムを含む。ランダムアクセスメモリ166は、プログラムやパラメータの格納のために使用される。ISDN インターフェース回路164はまた Northern Telecom の NTI のような網終端装置172およびそれに続いて図3に示されているデジタル網接続132に接続される ISDN 接続170を持つ。
完全に動作する実施例を作るには、図4に示されている基本的なブロック線図に、復号器、発信器およびグルーロジック(媒介論理回路)のような補助構成要素を付加する必要がある。このような追加要素はよく知られており、この分野に熟練した人々には明らかであろう。符号器150のこの後の説明は、物理的な構成要素ではなく機能に関する。この機能のすべては、例えば、よく知られたデジタル信号処理のテクニックを使ってデジタルシグナルプロセッサ160のプログラムまたはサブルーチンとして実現される。
符号器の動作
図5は、図3の符号器150の機能ブロック線図を示す。サーバからクライアントへのチャンネルは、データ流100として与えられる任意のデジタルデータから始まる。符号器150は、このビット流を好ましくは電話システムのクロックレートである8,000サンプル/秒でサンプリングされた8ビットのワード(語)の列に変換する。これは、データ流100から読んだ各8ビットを1つの組にして、並列の8ビットの値を8ビットの符号の流れ182として出力する直−並列変換器180により行われる。このマッピングは、データ流100から読み込まれた各8ビットの最初のビットが8ビットの符号の流れ182の最下位のビット位置に置かれ、出力するワードが完成するまで後続のビットが順次より上位のビット位置を占めるように行われるのが好ましい。出力するワードが完成した時点で、この工程が繰り返される。DC エリミネータ(直流除去回路)184は、1定の間隔、好ましくは8つのサンプルごとに1度、挿入される値に対応するアナログ値が8ビット符号の流れ182上のすべての先行する値の和の負値になるように、追加の8ビット値を挿入する。電話システムは多くのものが信号の DC バイアスを減衰させるかまたは除去するので、これが必要である。DC エリミネータ184は、受け取ったアナログ信号中の DC 成分を減少させるための回路手段の1例である。
図5の DC エリミネータ184の機能要素の詳細は、図6に示されている。2入力選択器190からの出力される符号の流れ186はμ−law−線形変換器192により線形値194に変換される。μ−law−線形変換器192は、標準のμ−law −線形変換表を用いて、256要素の参照表として実現することができる。線形値194の値は加算器196と単位遅延回路200によって累算されさらに反転されて、DC オフセット198と、対応する単位遅延された値であるその前の DC オフセット202が生成される。DC オフセット198は線形−μ−law変換器204に加えられる。線形−μ−law変換器204は、μ−law−線形変換器192と同じ参照表を使用することができ、逆マッピングを行う。DC オフセット198がテーブル中の最大値より大きいか、または最小値よりも小さいときは、それぞれ最大または最小の項が使用されることに注意されたい。線形−μ−law 変換器204により DC 再生符号206が生成され、2入力選択器190に対して1つの入力として加えられる。2入力選択器190は、8ビットの符号の流れ182から、好ましくは7つの連続した値を読んで、これらの値を符号の流れ186として出力し、次に DC 再生符号206から1つの値を読んで出力する動作をする。2入力選択器190はこの一連の動作を連続して繰り返す。
図5に戻り、符号の流れ186は ISDN 変換器188の入力端子に加えられる。この ISDN 変換器188は、よく知られた ISDN 信号への変換を行う。ISDN 変換器188の機能は、Advanced Micro Devices の Am79C30を含む数個の既存の集積回路で直接に実現できる。
ISDN 変換器188の出力は、図3の符号器150の出力でもあるデジタル網接続132を構成している。
さらによく理解されるように、符号器150により使用される信号のいくつかが図7a〜7cに示されている。図7aは、データの流れ100の1連のサンプル(標本)を示す。直−並列変換器180と DC エリミネータ184による処理の後の符号の流れ186が、図7bに示されている。DC エリミネータ184の内部の、符号の流れ186に対応する線形信号すなわち線形値194が、図7cに示されている。
線路インターフェース
この後の説明において参照するために、図8は、代表的な電話システムにいて見られるような、図3の線路インターフェース140の機能モデルを示す。このようなインターフェースはよく知られており、現在デジタル電話交換機に使用されている。図3のデジタル電話網134は、デジタル網接続138を介して、1サンプル(標本)あたり8ビットのμ−law で符号化されたデジタルデータの流れを、図8に示されているμ−law−線形変換器210に渡す。μ−law−線形変換器210はよく知られたμ−law−線形変換を行い、各サンプルを線形値212に変換する。線形値212は次にアナログ−デジタル変換器214によりアナログ信号216に変換される。このアナログ信号は、電話システムのクロック236を使って、よく知られたやり方でサンプリングされる。見やすくするために図3 には示されていないが、電話システムのクロック236はデジタル電話網134により発生される。アナログ信号216は次に低域フィルタ218により平滑化されて、濾波された信号220になる。低域フィルタ218の主目的は、ほぼ 3 100 Hz の遮断周波数で低域を通過させる機能を提供することである。国際電気通信連合は、国際電気通信連合,電気通信標準化セクター(ITU−T),” Transmission Performance Characteristics of Pulse Code Modulation”,推奨G.712,ジュネーブ,スイス,1992年9月−参照によりこの明細書に組み込まれている−においてデジタル−アナログ変換器214および低域フィルタ218のための規格を標準化した。
濾波された信号220は、4−2線変換器222により加入者線ループ122に対してマルチプレックスされる。加入者線ループは双方向性である。加入者線ループ122上の入信号は4−2線変換器222に加えられ、濾波されていない信号234として出力される。濾波されていない信号234は帯域フィルタ232に加えられる。帯域フィルタ232も、ITU−T により上で言及した文献中に標準化されている。帯域フィルタ232からの出力である濾波された信号230は、アナログ−デジタル変換器228により線形値226に変換される。線形値226は次に、標準の線形−μ−law変換を行う線形−μ−law 変換器224により、デジタル網接続136に変換される。図3に示されているシステムにおいて、デジタル網接続136は使用されず、見やすさのために省略されている。
復号器の実現
図9は、図3の復号器156の1つの可能な実現のブロック線図を示す。図3からのアナログ信号154は、アナログ−デジタル変換器240によりサンプリングされる。アナログ−デジタル変換器240は、Crystal Semiconductorの CS5016のような1つの集積回路として存在している。このアナログ−デジタル変換器240は、発振器242によって発生される、好ましくは16kHz のクロック信号244を使用して、デジタル入力信号246を生成する。デジタル入力信号246は、 AT&TのDSP32Cのようなデジタルシグナルプロセッサ248のバンクに、それらの直列入力端子の1つを通して接続されている。これらのプロセッサは相互に接続されており、またプロセッサ・バス250を介してランダムアクセスメモリ254および読出し専用メモリ252に接続されている。読出し専用メモリ252には、その機能的特性が後の節で説明される格納プログラムが入れられている。デジタルシグナルプロセッサのバンク248は、図3の復号器156の最終出力であるデータの流れ126を生成する。
完全に動作する実施例を作るには、図9に示されている基本的なブロック線図に、復号器、発信器およびグルーロジックのような補助構成要素を付加する必要がある。このような追加要素はよく知られており、この分野に熟練した人々には明らかであろう。
復号器156のこの後の説明は、物理的な構成要素ではなく機能に関する。この機能のすべては、例えば、よく知られたデジタル信号処理のテクニックをデジタルシグナルプロセッサのバンク248のためのプログラムまたはサブルーチンとして実現される。
復号器の動作
図10は図3の復号器156の機能構成を示す。図3からのアナログ信号154は復号器156に入力データを与える。アナログ信号154はアナログ−デジタル変換器240に入力され、好ましくは1サンプルにつき16ビットの精度で、毎秒あたり 16000サンプルでサンプリングされたデジタル入力信号246に変換される。アナログ−デジタル変換器240は、Crystal Semiconductorの CS5016のような1つの集積回路として存在している。デジタル入力信号246は、次に、周期推定値262だけ離れた時間間隔でデジタル入力信号246を補間し再サンプリングを行って、同期させられた信号266を生成するクロック同期器260により処理される。クロック同期器260の動作は後の節で説明される。同期させられた信号266は、後述される逆フィルタ268により濾波され、補償済された信号274が再構成される。逆フィルタ268の目的は、主要構成要素が図8の低域フィルタ218である図3のインターフェース140によって行われた変換を逆変換することである。図10に戻って、逆フィルタ268はまた、同期させられた信号266に内在するタイミングのずれを与える遅延誤差推定270を出力する。この信号は、クロック同期器260により使用される周期推定値262を計算するために、後述されるクロック推定器264により使用される。次に決定手段を用いて、補償済された信号274が、不連続な集合から取り出された1連の値に変換される。例えば、補償済された信号274が線形−μ−law 変換器276を使って最近の相当する8ビットμ−law ワードに変換され、推定された符号の流れ280が生成される。先述したように、線形−μ−law 変換器276は、簡単な参照表として実現できる。
通常の動作中、スイッチ292は、推定された符号の流れ280を所望の出力信号286として通過させる。この出力信号286は、μ−law−線形変換器278により変換されて線形信号に戻され、線形値284が生成される。μ−law−線形変換器278は、先述したように簡単な参照表として実現できる。初期化中は、スイッチ292は、予め決められたトレーニングパターン288(図3には示されていない)が所望の出力信号286としてμ−law−線形変換器278に入力されるようにセットされる。この使い方はこの後に説明される。
線形値284は、補償済された信号274の所望の値の推定値を与える。そして補償済された信号274が線形値にできるだけ近くなるように逆フィルタ268を適応的に更新するために使用される。この適応は、復号器156のパラメータを調整するためのトレーニング手段の1例であり、この後の逆フィルタ268の説明においてさらに詳しく説明される。減算器282は、補償済された信号274と線形値284を使って、誤差信号272を計算する。誤差信号272は、フィードバックループで逆フィルタ268の入力端子に加えられる。推定された符号の流れ280は、図3の符号器150によって行われた変換の逆の変換を行うデータ抽出器290を通され、復号器の最終出力であるデータの流れ126が生成される。
理解を助けることだけを目的として、図10中の信号のいくつかの例が図11aから11eに描かれている。図11aは、復号器156への代表的な入力アナログ信号154を示す。この信号の処理中に、復号器156は、図11bに示されている補償された信号274を生成する。この信号はさらに処理されて、図11cに示されている推定された符号の流れ280が生成される。最後に、図10のデータ抽出器290が、図11dに示されているデータの流れ126を出力する。復号器156の内部で使用するために生成される誤差信号272が、図11eに示されている。
上記したように、アナログ−デジタル変換器240,減算器282,線形−μ−l aw 変換器276,スイッチ292およびμ−law−線形変換器278、すなわち 図10のすべてがよく知られており、この分野に熟練した者により容易に実現され得る。この後の説明は、残りのブロック:逆フィルタ268,クロック推定器264,クロック同期器260,およびデータ抽出器290について詳しく説明している。
逆フィルタ
図12は、図10の逆フィルタ268の内部の詳細な構成を示している。逆フィルタ268は等化手段の1例であり、入力信号(同期させられた信号266)に対して線形濾波操作を行い、出力信号(補償された信号274)を生成する動作をする。逆フィルタ268はまた、補償された信号274と所望の値の間の不一致を示す誤差信号272を受け取る。そして誤差信号272を使って、誤差信号272が最小になるように、濾波機能を更新する。このような適応フィルタの構成はよく知られている。例えば、Richard D.Gitlin,Jeremiah F.Hayesおよび Stephen B.Weinstein,”Data Communications Principles”,Plenun(1992)−参照によりこの明細書に取り込まれている−を参照されたい。しかしながら説明を明瞭にするために、この明細書では逆フィルタ268の好ましい実施例について説明する。さらに、逆フィルタ268は、図10のクロック推定器264により使用される遅延された誤差推定値270を生成する。
同期させられた信号266はフィードフォワード等化器300に供給される。フィードフォワード等化器300は、補正信号324を使って適応更新を行いながら、部分的に補償された信号302を生成する。フィードフォワード等化器300の動作は後述される。フィードフォワード等化器300は、また、図10のクロック推定器264により使われる遅延された誤差推定値270を出力する。部分的に補償された信号302は次にダウンサンプリング回路304により低減率2でダウンサンプリングされる。ダウンサンプリング回路304は、その入力端子から2つの連続した値を読み、これらのうちの最初の値をその出力端子に出し、2番目の値を棄てる動作をする。ダウンサンプリングされた信号306は次に減算器308に加えられ、補償された信号274が生成される。補償された信号274は、図10における後続の段により使用される。また単位遅延回路310にも加えられて遅延された信号312が生成される。遅延された信号312は次にフィードバック等化器314の入力端子に加えられ、歪み推定値316が生成される。フィードバック等化器314は、フィードフォワード等化器300と同じであり、後でさらに詳しく説明される。歪み推定値326は、減算器308に対する第2の入力を供給する。図10の誤差信号272は、図12の増幅要素318で1定の倍率で増幅され、補正信号320が生成される。補正信号320はフィードバック等化器314に対して第2の入力として加えられる。フィードバック等化器314は、補正信号320を使って適応更新を行なう。
誤差信号272は、また、アプサンプリング回路326により、倍率2でアプサンプリングされる。アプサンプリング回路326は、誤差信号272の各サンプルの間に零を挿入する。アプサンプリング回路326はアプサンプリングされた誤差信号を生成し、この信号は次に増幅要素322により増幅される。フィードバック等化器314およびフィードフォワード等化器300による補正信号320および補正信号324の利用方法は後述する。増幅要素322および318のパラメータ kf および kb の値はそれぞれ 10−2 から 10−15 の範囲が好ましい。最適な値は、この分野に熟練した人々により過重な実験なしに容易に求められる。
フィードフォワードおよびフィードバック等化器
図13は図12のフィードフォワード等化器300の内部構成を示す。フィードフォワード等化器300は、連鎖状に接続された好ましくは8〜128個のフィルタTAP330と同一の回路から構成されている。第1のフィルタ TAP330は図12の同期させられた信号266を受け入れ、最後のフィルタ TAP330は図12で使用される部分的に補償された信号302を出力する。中間の各 TAP は2つの入力信号−主入力332とターゲット入力336−を受け取り、2つの出力信号−主出力334とターゲット出力338−を生成する。各フィルタ TAP330はまた出力信号として TAP 重みを提供する。この TAP 重みは、推定器342によって遅延誤差推定値270を計算するために使用される。動作中、各フィルタ TAP330は、補正信号324を入力として使って適応更新を行う。
図14は図13の各フィルタ TAP330 の機能の詳細構成を示す。各 TAP は、 図14に示されている標準の信号処理ブロックを使って構成されており、2つの入力、主入力332とターゲット入力336を持ち、2つの出力、主出力334とターゲット出力338を供給する。主入力332は単位遅延回路350により1サンプル分遅延させられて、主出力334が作られる。その間に、主入力332はまた乗算器352を使って TAP 重みが掛けられ、重みづけされた入力354が作られる。重みづけされた入力354は、加算器356によりターゲット入力336に加えられ、ターゲット出力338が生成される。
TAP 重みの適応更新は、乗算器366を使って、補正信号324に主入力332を掛けることにより行われる。乗算器の出力値364は TAP 誤差推定値を与え、TAP 重みを生成するために減算器362を使ってその前の値から引き算される。前の値360は、入力として TAP 重み340を使い、単位遅延回路358により生成される。各フィルタ TAP330はまた TAP 重み340を出力する。
図13に戻り、各フィルタ TAP330は遅延推定器342に入力される。遅延推定器342は、次の式を使ってフィルタ全体の遅延誤差の推定値を計算する。
Figure 2007215200
ここでwI はi番目の TAP 重み340を表す記号である。このようにして、遅延推定器342は、図10の周期の推定値のなかの誤差の程度を決定するための推定手段を与える。
図10のフィードフォワード等化器300についての上記の説明は、フィードバック等化器314にも当てはまる。フィードバック等化器314の構成と動作は、遅延誤差推定値270出力に相当する信号がないので遅延推定器342が必要でないことを除いて、フィードフォワード等化器300の構成と動作と同じである。またフィードバック等化器314は、フィードフォワード等化器300と異なる数、好ましくは4分の1から2分の1の TAP を使用してもよい。フィードフォワード等化器300およびフィードバック等化器314のために使用する T AP の最適な個数は、この分野に熟練した人々により過重な実験なしに容易に求められる。
クロック推定器
図15は図10のクロック推定器264の機能構成要素を示す。クロック推定器264は、遅延誤差推定値270を使って周期の推定値262を更新する回路手段の1例である。クロック推定器264に対する信号入力である遅延誤差推定値270は、ループ利得370により、アナログ−デジタル変換器240のために使用されるクロックの精度に依り異なるが好ましくは 10−1から 10−8の範囲の倍率k1だけスケール変換され、位相誤差374が生成される。位相誤差374は次にループフィルタ376で濾波され、周期オフセット378が生成される。ループフィルタ376は、その設計が位相ロックループの設計に熟練した人々には明白な低域フィルタである。周期オフセット37は、加算器372により、公称周期380に加算される。公称周期380は、図8の電話システムクロック236に周波数に対する図10のアナログ−デジタル変換器240のサンプリングレートの2分の1の比である。電話システムクロック236とアナログ−デジタル変換器240は共通の源から導き出されていないので、正確な比は、パラメータの好ましい選択にたいして、1.0からごく僅かに異なる。動作中、周期推定は、図10の逆フィルタ268により与えられる現在の誤差の推定値を使って、この比を修正し追従する。
クロック同期回路
図10のクロック同期回路260の機能ブロック線図が図16に示されている。クロック同期回路260の機能は、周期推定262だけ離間した時間間隔でその入力信号(デジタル入力信号246)を補間し再サンプリングすることである。例えば、周期推定262が2.0の値を持つときは、デジタル入力信号246から読まれたすべての2番目のサンプルは、同期している信号266として出力される。周期推定262が整数でないときは、クロック同期回路260は、入力されたサンプルの間を適当に補間して、出力するサンプルを生成することを要求される。
クロック同期回路260は、必要とされる各出力サンプルに対して1サイクルの動作を行う。各サイクルは、アキュムレータ424が図10の周期推定262の値を読むことから始まる。アキュムレータ424は、読まれたすべての入力値のランニング和を計算し、この和を実数値のサンプルインデックス426として出力する。この信号は、増幅要素428を用いて、好ましくは 10〜400 の範囲の倍率Nμ で増幅され、アプサンプリングされたサンプルのインデックス430が生成される。Nμ の最適な値は、この分野に熟練した人々により過重な実験なしに容易に求められる。整数/小数分離器432は、アプサンプリングされたサンプルインデックス430をサンプルインデックス422と小数値414に分解する。例えば、アプサンプリングされたサンプルインデックス430が値 10.7 を持つとき、整数/小数分離器432はサンプルインデックス422を 10.0 に、そして小数値414を 0.7にする。
サンプル選択回路398に加えられる入力信号の1つは、デジタル入力信号246から始まる1連の動作により生成される。アプサンプリング回路390はデジタル入力信号246から1つの値を読み、そのデジタル入力信号から読んだ値とそれに続く Nμ−1 個の零値から成る Nμ 個のサンプルを出力する。アプサンプリング回路390からの出力の流れ、すなわちアプサンプリングされた入力信号392は、4kHzに相当する通過帯域遮断周波数を持つ低域フィルタ394に加えられる。アプサンプリング回路390および低域フィルタ394の設計はよく知られている。例えば、参照によりこの明細書に組み込まれている R.E.Crochiere および L.R,Rabiner,”Multitrate Digital Signal Processing”,Prentice−Hall, Englewood Cliffs,NJ,1983を参照されたい。低域フィルタ394は濾波されたアプサンプリングされた信号を作る。この信号はサンプル選択回路398の1つの入力として使用される。
サンプル選択回路398は選択手段の1例であり、サンプルインデックス422から1つの値を読みこれをサンプル番号 Sn と解釈する。サンプル選択回路398はまた、濾波されたアプサンプリングされた信号396に接続された入力端子から、システムが初期化されてから何個のサンプルを読んだかを示す内部カウントを保持する。サンプル選択回路398は濾波されたアプサンプリングされた信号396からさらに数サンプル読み、サンプル400が濾波されたアプサンプリングされた信号396から読まれたサンプル Sn のコピーであり、サンプル402がサンプル S n+1 のコピーであるように出力サンプルを作る。サンプル400は、次に、乗算器404を使って小数値414倍され、サンプルの成分408が生成される。同様に、サンプル402は次に、乗算器406を使って小数値416倍され、サンプルの成分410が生成される。小数値416の大きさは1から小数値414の大きさを引いたものであり、減算器420と単位定数418を使って計算される。サンプル成分408とサンプル成分410は次に加算器412によって加え合わされ、同期させられた信号266が生成される。この信号は図10のクロック同期回路260の出力である。乗算器404,乗算器406および加算器412のこの組合せは、サンプル選択回路398により選択されるサンプルを組み合わせるための補間手段の1例である。クロック同期回路260は、他の用途にも使用できるし、また単体のサンプリングレート変換器としても使用できる。2つのレートの比は、時間の関数として変化してもよい周期推定値262により指定される。
線形補間は所望の結果に対しては粗い近似であるように見えるかもしれないが、実際には非常に精度が高いことにも注意されたい。アプサンプリング回路390によるオーバーサンプリングのおかげで、濾波されたアプサンプリングされた信号396は、直流付近の狭い帯域を除くすべての周波数で、零に近い周波数スペクトルを持つ。
この補間操作は、周波数領域に、このように狭い通過帯域のイメージを効果的に作る。線形補間の働きは次にこれらのイメージを濾波して除去することである。従来の実現は、これを達成するために、シャープな、計算に費用がかかる低域フィルタを使用していた。線形補間は非常に低性能の低域フィルタであるが、丁度望ましくないイメージが現れるであろう周波数に非常に深いノッチを持つ。この方法を従来のテクニックで必要な計算の大部分が不要でありながら非常に高精度にするのは、これらのノッチの配置と狭い折返しイメージの組み合わせである。
データ抽出器
図3の復号器156の最終段は、図10のデータ抽出器290である。抽出器290の機能は、図3の符号器150によって行われた変換を元に戻すことである。これらの変換は、図5に示されている直−並列変換器180と DC エリミネータ184から成る。
これらの変換を元に戻すために、データ抽出器290はまず DC エリミネータ184によりデータの流れの中に挿入された値を取り除く。これは、単に入力から読んだすべての8番目のサンプルを棄てることにより行われる(直流の除去が、 DC エリミネータ184により8サンプルにつき1回の好ましい挿入率を使って行われたと仮定している)。これが行われたら、残りの8ビット値の流れは、各ワードのビットを、最下位のビットから先に、1度に1ビットずつ出力することにより、直列のデータの流れに変換できる。このようなテクニックは、この分野に熟練している人々にはよく知られている。
システムの初期化
サーバとクライアントとの間に接続が最初に確立されたとき、図3の符号器150と復号器156の両方とも、互いに知られている状態から開始しなければならない。符号器150の内部では、次の初期化が行われる:
1. 図5の DC エリミネータ184が初期化される。それにより、図6の2入力選択回路190がそれの次の出力が DC 再生符号206のコピーであるようにセットされる。
2. 図6の単位遅延200の出力である前 DC オフセット202が0.0に初期化される。
3. 図5の符号の流れ186は DC エリミネータ184から1時的に切り離される。Nc、好ましくは16−128、の既知の列の代わりに、値がNt、好ましくは 100−5,000 回繰り返される。Nc およびNt に対して使用するのに最適な値は、過重な実験なしで、この分野の熟練者により容易に求められる。
上記のNc の選択は、復号器156の設計と結びついている。Nc は好ましくは図12のフィードフォワード等化器300内の TAP の数の2分の1である。一般性を失うことなく、符号器150により繰り返し送信される、符号値のシーケンスの1つの可能な選択が、表1に示されている。同じシーケンスが符号器150によっても使用され、図10におけるトレーニングパターン288として加えられる。
表1:代表的なトレーニングパターン
Figure 2007215200
Nt すなわちシーケンスの繰返し回数が出力されると、符号の流れ186が DC エリミネータ184に再接続される。また復号器156からのその後の出力が D C エリミネータ184に再接続され、復号器156からのその後の出力は図3のデータの流れ100として加えられる入力に対応する。
図3の復号器156の内部では、第1番目のサンプルがアナログ信号154から読み込まれる前に、次の初期化が行われる。
1. 図10のスイッチ292が、所望の出力信号286に対してトレーニングパターン288を選択するようにセットされる。
2. 図10のデータ抽出器290が、次の入力値である推定された符号の流れ280を DC 等化値であると見なして棄てるようにセットされる。
3. 図12の単位遅延310が、遅延された信号312として零を出力するように初期化される。
4. 図12のアプサンプリング回路326が、次に出力するアプサンプリングされた誤差信号328が誤差信号272のコピーであるようにセットされる。
5. 図12のダウンサンプリング回路304が、次に入力される部分的に補償された信号302をダウンサンプリングされた信号306と見なして、そのコピーを出力するようにセットされる。
6. 図12のフィードバック等化器314とフィードフォワード等化器300の内部でそれぞれ、図14の単位遅延350が零出力を持つように初期化される。
7. 図12のフィードバック等化器314の内部で、図14の単位遅延358が零に初期化される。
8. 図14のフィードフォワード等化器300の内部で、図14の単位遅延358が零に初期化される。
9. 図16のアキュムレータ424が、実数値のサンプルインデックスの値を出力するように初期化される。
10.低域フィルタ394がオールゼロの内部状態を持つように初期化される。
11. アプサンプリング回路390が、次に出力するアプサンプリングされた入力信号392がデジタル入力信号246の値であるように初期化される。
復号器156は、次に、Nc−Nt 個の値が図10の推定された符号の流れ280に生成されるまで、先述したように動作する。この時点で、スイッチ292が、所望の出力信号286に対して推定された符号の流れ280を選択するように動かされる。この時点から後は、データの流れ126は図3に示されているデータの流れ128から読まれたデータに対応する。
符号器150および復号器156が初期化モードに入りそして抜け出して、図3 のデータの流れ100およびデータの流れ126上の値が正確に対応することが確認されなければならない。この同期を成し遂げるための方法の1例は、DC エリミネータ184により行われる DC の再生を妨害することである。トレーニングの開始を知らせるために、符号の流れ186が、通常の DC 再生周期よりも長い間、例えば16サンプルの間、最大の有効な符号値にセットされる。この後に、符号の流れ186は、同数のサンプルの間最小の有効な符号値にセットされる。トレーニングパターンがこの同期パターンに続く。同様にトレーニングの終了は、上記の同期パターンの順番を逆にする−最小値を繰り返し、次に最大値を繰り返す−ことにより知らせることができる。これらの同期パターンは復号器156により検出でき、スイッチ292を制御するために使用できる。
このような同期のための他のテクニックはよく知られており、現在のモデムに使用されている。例えば、先に言及した ITU−T,V.34 を見られたい。
他の遅延推定器
先の説明では、遅延推定器342は、フィードフォワード等化器300の内部のフィルタ TAP の重みを調べることにより構成された。他の遅延推定手段も可能である。例えば、図10の誤差信号272および補償された信号274を使って、次のようにして遅延誤差推定値270を生成することができる:
Figure 2007215200
ここでΔは遅延誤差推定値270、υは補正された信号274、eは誤差信号272、およびkはこの分野の熟練者が過重な実験なしに容易に求めることができるパラメータである。kの値は、観測される信号のノイズとクロックのジッタの相対的な寄与に依存する。遅延誤差推定値270を生成するための遅延推定手段を実現するさらに他の方法も、本発明に使用できる。
他の復号器初期化方法
上記のように、復号器156のパラメータは、決められた初期化値と、その後の既知のデータシーケンスが送信されるトレーニング期間を使って設定される。先に説明した方法は、トレーニングシーケンスを使って、サンプル毎に逆フィルタ268およびクロック推定器264のパラメータの値の連続的な更新を行う。
また全てのパラメータの単一ブロック更新を行うこともできる。トレーニングシーケンスの送信の間は、復号器156は、デジタル入力信号246として現れる値をただ記憶するだけである。トレーニングシーケンス全体が送信されると、復号器156は取り込んだ値の分析を行い、内部パラメータの値を計算することができる。パラメータの推定を行うのに必要な計算は次のとおりである:
1. レート推定手段を使って、取り込まれた信号の基本的なデジタル周期Tμ を計算する。これは、色々なよく知られた信号処理テクニックのうちの任意のもの、例えば自己相関分析を使って行うことができる。アナログ−デジタル変換器240のために好ましいサンプリングレートの使用を仮定すると、Tμはトレーニングシーケンスの長さNc の約2倍であることが予めわかっている。差のただ1つの原因は、電話システムのクロック236のサンプリングレートとアナログ−デジタル変換器240のサンプリングレートの2分の1の間の差に起因する。図15の公称周期380を
Figure 2007215200
に初期化する。
3. 遅延誤差推定値270を零にセットして、デジタル入力信号246をクロック同期回路260に通すことにより、デジタル入力信号246を再サンプリングし、同期した信号266を生成する。
4. 2−Nc 列およびNt 行の行列Yを作る。Yの要素は、上記のようにして計算された同期した信号266の値である。これらの要素は、同期した信号266の連続したサンプルをまず第1行に入れ、次に第2行、そして順次その下に入れて行くことにより、行列中に格納される。
5. 各列の平均値Uを計算し、rすなわち2・Nc 個の要素を持つベクトルを作る。
6. 次式を使って、入力信号のノイズ成分のエネルギーσ2 の推定値を計算する。
Figure 2007215200
ここでYijはYのi列、j行の要素である。
7. 表1に示されているようなトレーニングシーケンスの値を、μ−law−線形変換器278のような変換器に通して、Nc 個の要素を持つベクトルcを作る。
8. 次のようなN+N列およびN 行の行列Aを作る。
Figure 2007215200
ここでN は図12のフィードフォワード等化器300内のフィルタ TAP の数であり、N はフィードバック等化器314のフィルタ TAP の数である。例えばN=3、N=4およびN=2のときは次のようになる。
Figure 2007215200
9. 次式の中のe2 を最小にする N+N 個の要素のベクトルxの値を求める。
Figure 2007215200
これは、この分野に熟練した人々には明らかな、線形代数、微積分および反復法からのよく知られたテクニックを使って解くことができる。
10. フィードフォワード等化器300の各 TAP の図14の先行値360をそれぞれ x1,...,xNf で初期化する。
11. フィードバック等化器314の各 TAP の先行値360をそれぞれ xNf+1 ,...,xNf+b で初期化する。
12.これらのパラメータが計算されたら、通常の動作を開始することできる。パラメータは、前述したように、この後、誤差信号272に基づいた適応更新のために変化するであろうことに注意されたい。
上の手順は、トレーニングシーケンスを使って復号器156の初期化を行うもう1つの方法の1例と見なされるべきである。他の方法および多数の変形も可能である。例えば、通常モードとトレーニングモードの間の切り替えにおける過渡現象の影響を除去するために、各端で、受信したトレーニングシーケンスの末尾を捨ててもよい。線形−μ−law 変換器276およびμ−law−線形変換器278における正確な遷移レベルは、トレーニング情報を使って調整できる。各先行値360に対する修正された式を使用してもよい。
好ましい他のトレーニング手順
下記は、図3に示されている符号器150と復号器156をトレーニングする好ましいステップの説明である。
1. 符号器150はデジタル電話網に繰返しパターンを送る。このパターンは、N個の PCM 符号語のシーケンスのM回の繰返しから成り、全部でM×N個の符号語を与える。ここで使用している”PCM 符号語”という語は、デジタル電話網で134により使用されている1組の符号語のことを言う。N個の PCM 符号語は、それぞれ、互いに相手の反数(ネガティブ)である2つの値からランダムに選択される。例えば、PCM 符号語 0x14 と 0x94 は、電話網の μ−law 圧伸ルールの下で互いの反数に当たる。このランダム選択は、2つの PCM 符号語のそれぞれが正確に N/2 回使用されるように制約される。このことは、トレーニングシーケンスが DC 成分を持たないことを保証する。
2. 復号器156は、PCM 符号語のパターンに対応するアナログ値であるアナログ信号154を受け取り、MおよびNについて前もって分かっている知識を使ってそれを記憶する。アナログ信号154は、16,000サンプル/秒の公称レートでサンプリングされ、記憶される。
3. 記憶されたシーケンスは、標準の信号処理テクニックを使って分析され、その繰返しレートが見つけ出される。繰返しレートに関連した周期は N/8,000 秒であるはずであるが、復号器のクロックと電話網134により使用されるクロックの正確な値の差に起因する僅かなずれがあるかもしれない。この繰返しレートのずれは、復号器のクロックを補正し、補正されたクロックを使って記憶されている信号を再サンプリングするために使用される。このプロセスは、測定された周期が期待される周期と正確に一致するまで、複数回繰り返すことができる。
4. ノイズ・レベルは、好ましくは、テスト・パターンのM回の繰返しの間の分散を見ることにより測定される。各繰返しは同じであり、これらの変動を引き起こすのはノイズだけである。最初の繰返しまたは最後の繰返しを含む繰返しのうちのいくつかを、もしそれらが平均から著しく異なるときは、無視してもよい。これにより、端効果および間歇的なノイズ・バーストまたは漏話を除去または減少させることができる。
5. 次に注目している繰返しの平均信号レベルが決定され、長さ 2N の平均的な受信シーケンスの信号レベルを与える。長さ 2N は入アナログ信号を 16,000 サンプル/秒でサンプリングすることから来る。
6. 既知の送信シーケンス、平均受信信号レベルおよびノイズの推定値を使って、最適な等化器が設計される。よく知られている方法を使って1組の線形方程式を解くことにより、最小平均二乗誤差を持つ等化器が見つけ出される。特に、 16,000 サンプル/秒で動作する,90個の TAP を持つフラクショナリースペースド等化器と、それに続く 8,000 サンプル/秒で動作する20個の TAP を持つデシジョンフィードバック等化器の組合せが使用できる。
7. 後述するように、逆方向通信路が使用できるときは、平均二乗誤差の推定値と等化器の設定を符号器150に送り返してもよい。符号器150はこれらの値を使って、通信リンクの処理量を最大にする符号語のセットと符号化方法を選択する。
トレーニングが終了した後、符号器150はリンクを通してデータの送信を開始する。復号器156はこの計算されたクロック調整と等化器の設定を使って受信信号を補償し、符号器150によりどの PCM 符号語が送られたかについて決定する。この選択はさらに処理され、 PCM 符号語がデータシーケンスに変換される。さらに、補償された信号とそれに最も近い実際の PCM 符号語の間の測定された偏差は、連続的な誤差の大きさとして使用される。この誤差の大きは、連続的な更新を可能にし、かつドリフトを防止するために、復号器156内の等化器およびクロック調整回路にフィードバックすることができる。この誤差の大きさはまた、符号器150に再トレーニングが必要であることを通知するほど線路の品質が著しく変わったかどうかを決定するために使用できる。
逆方向通信路の説明の追加
図17は前述した通信システムを逆方向通信路と組み合わせる本発明の1面を示す。データの流れ100は、図3を参照して説明されたように、符号器150に加えられる。符号器150はデジタル網接続132を介してデジタル電話網134に接続する。データは、網からデジタル網接続138を介してクライアントのオフィスに逐語的に現れる。デジタル情報は線路インターフェース140によりアナログ形式に変換され、アナログ形式で加入者線ループ122に置かれる。クライアントの屋内では、ハイブリッド網152が入アナログ信号448を生成し、また反響消去回路442が出アナログ信号444からの入アナログ信号448への寄与を除去してアナログ信号154を生成する。アナログ信号154は次に復号器156に加えられ、復号器156はデータの流れ126を出力する。クライアントからのデータの流れ128は、変調器446により、現在のモデムに使われているよく知られたテクニックに従って、出アナログ信号444に変換され、それからハイブリッド網152を介して加入者線ループ122に送り込まれる同時に、反響消去回路442に加えられる。電話局で、この信号は、線インターフェース140によりデジタル網接続136に変換器される。デジタル電話網134は、デジタル網接続136上のデータをデジタル網接続130に伝達する。復調器440はこれをサーバのためのデータの流れ102に変換する。
図17に示されているような逆方向通信路を使うシステムにたいしては、双方向の通信を提供するために、V.34変調器のような従来の変調器446に復号器156を結合してもよい。この場合には、反響消去回路442を、変調器446の出力が復号器156への入力として現れるのを防ぐために使用することが好ましい。
従来の反響消去回路を使用することができるけれども、ここに説明されているシステム中の信号は、好都合に利用できる特別の性質を持つ。具体的には、入アナログ信号154は、直流付近から4 kHz までの周波数成分を持ってもよいが、変調器446からの出信号は 400 Hz から 3400 Hz の範囲により厳しく帯域幅制限されている。この入通信路と出通信路の間の帯域幅の非対称は、非対称の反響消去回路を使用することにより利用してもよい。さらに、出通信路の帯域幅がさらに減らされたときは、この非対称がいっそう大きくなり、非対称の反響消去回路の利点が増すであろう。
接続の符号器150側端では、図17に示されている符号器150と復調器440の間に、デジタル反響消去回路を使用することが好ましい。ここで再び、非対称な形式の接続を、非対称の反響消去回路を使って利用することができる。
動作
図17に示されているシステムは、1方はデジタル接続が可能であり、他方はアナログ接続しかできない2人の電話加入者の間に、全2重通信を提供する。出通信路の動作は、図3を参照して上で説明されたとおりであるが、1つ追加されることがある。それは、逆方向通信路の影響を低減させるために、ハイブリッド網152と復号器156の間に、反響消去回路442が挿入されていることである。反響消去回路442は、出アナログ信号444の大きさを変更し、それを入アナログ信号448から引き算してアナログ信号154を生成する。反響消去回路のテクニックと実現は、よく知られている。逆方向通信路は、従来のモデム技術の1変形を使って実現できる。例えば、国際電気通信連合、電気通信標準化セクター (ITU−T),“A Duplex Modem Operating at Signaling Rates of up to 14,400 b its/s for Use on the General Switched Telephone Network and on Leased Point to Point 2−wire Telephone−Type Circuits”,推奨V.32bis,ジュネーブ、スイス(1991)−参照によりここに組み込まれている−を参照されたい。データは変調器446により変調され、電話システムにより伝えられることができる出アナログ信号444が生成される。採用できる変調テクニックは、よく知られている。例えば、14,400 ビット/秒までのレートで転送可能な方法は上述した。
同様に、28,800 ビット/秒までの転送レートが可能な方法は、国際電気通信連合,電気通信標準化セクター(ITU−T),推奨V.34,ジュネーブ,スイス(1994) −参照によりこの明細書に組み込まれている−に記載されている。
出アナログ信号444は、殆どすべての電話機に採用されているハイブリッド網152を使って、加入者線ループ122に送り込まれる。ハイブリッド網152は、1方の側の4線インターフェース(2つの独立な単方向信号)と他側の2線インターフェース(1つの双方向信号)の間の変換を行う。2線信号は、単に4線側の2つの信号の和である。クライアントの電話局では、電話会社の装置が、電話システムのクロック236を使い8,000 サンプル/秒でサンプリングして、加入者線ループ122上のアナログ信号をデジタル網接続136に変換する。北米では、この変換は、代表的な可聴信号の信号対雑音比を改善するために、μ−law として知られている非線形のマッピングを使い、1サンプルにつき8ビットで行われる。μ−law に変換されると、クライアントの信号はデジタル電話網134によって伝えられ、サーバの屋内に到達する。サーバは電話システムに対するデジタル接続を持っているので、この信号はサーバの電話局でアナログ形式に変換されないことに注意されたい。ただし、サーバとデジタル網接続136の間に介在するいくつかのインターフェースの層(例えば ISDN ’U’または’S’など)がある。しかしながら、デジタル網接続136で送入されたのと同じデータが後でデジタル網接続130に現れるので、これらの介在するハードウェアは無視できる。復調器440は、1つの小さい点を除いて、既存のモデムにより行われるように、変調器446の逆の機能を行う。この復調器の入力と出力は両方ともデジタルなので、従来のモデムがアナログ入力を扱わなければならないのにたいして、完全にデジタルハードウェアで実現できる。変調器446と同じように、復調器440の実現もよく知られており、国際電気通信連合、電気通信標準化セクター(ITU−T),”A Duplex ModemOperating at Signaling Rates of up to 14,400 bits/s for Use on the General Switched Telephone Network and on Leased Point to Point 2−wire Telephone−Type Circuits”,推奨V.32b,ジュネーブ、スイス(1991)などの文献に記載されている。信号の劣化が消費者の加入者線ループだけでしか起こらないので、逆方向通信路さえも従来のモデムよりも優れた性能を示すことに注意されたい。既存のモデムは、通信経路の両端の加入者線ループ上で発生する歪みに対処しなければならない。この発明の他の実現は、逆方向通信路を提供するために他のよく知られている方法またはテクニックを使ってもよいし、またはそれを完全に取り除いてもよい。例えば、1つの可能な逆方向通信路の実現の説明はただ説明のためだけに提示されているもので、本発明のこの面の範囲を制限するものと解されるべきではない。逆方向通信路の提供はまた復号器156および符号器150の同期を簡単にし、さらにシステムが必要に応じて再初期化されることを可能にしたことに注意されたい。システムの動作は、図10の誤差信号272を調べることにより監視できる。誤差信号272が予め決められたレベル、好ましくは μ−law 値と線形値の間の平均的な差の3分の1を越えたときは、復号器156は、逆方向通信路を通して、符号器150にシステムの再初期化が必要であることを知らせることができる。
ソースコーダとの組合せ
図3に示されている符号器150および復号器156の機能を、データの流れ100が符号器150に加えられる前にデータの流れ100に対していくつかの逆変換可能な変換を行うように拡張することもできる。これらの変換の効果は、データの流れ126が生成される前に復号器156の出力に対して逆変換を加えることにより、取り除くことができる。この変換は、何か元に戻すことが可能な機能を、好都合に提供できるであろう。
誤りの訂正
誤り訂正や誤り検出のためによく知られている方法のどれかを使って誤り訂正および/または誤り検出を可能にするために、データの流れに数ビット付加することもできる。これらは、例えば、文献によく記載されているたたみ込み符号、ブロック符号、または他の誤り訂正または検出方式を含む。データの流れ126に加えられるのと同じ誤り処理が、図10の線形− μ−law 変換器276から μ− law−線形変換器278までの信号経路に挿入されると、所望の出力信号286,線形値284,および誤差信号272の品質が改善され、復号器156の性能向上に効果があることに注意されたい。
ソースアルファベットのサブセット
データ伝送のために使用できる256個の可能なμ−law符号語があるけれども、 μ−law マッピングを行うと、これらの語が線形ドメインにおいて等距離に離れない。したがって、ある符号語の対が、線路のノイズまたは他の劣化のために、復号器156によってより容易に混同される。ソースコーダは、全体のデータレートの低下という犠牲を払って復号器156の精度を向上させるために、その出力をこれらの符号語のサブセットに制限する。これは、復号器156が与えられた誤り基準内で符号語を分離できないことを検出したとき、符号語アルファベットを縮少することにより、復号器156を悪い線路状態に適応させるためにも使用できる。符号語のセットを縮少することにより、データレートの低下というコストで誤り余裕が改善される。したがって、システムは、データレートを引き下げることにより品質が低下した接続に対処することができる。
図3、17および18に示されるシステムでは、データはデジタル電話網134により使用される8ビットの PCM 符号語のシーケンスとして送信される。最も簡単な実現では、すべての256個の可能な PCM 符号語が使用でき、データは単に1度に8ビットと受け取り、 PCM 語として正確に言葉どおりに使用される。しかしながらこの方式には、起こり得る問題がある。第1には、標準の μ−law による PCM 値の解釈においては、256 個のセットの中に同じアナログ値にマップされるの2つの符号語がある。したがって、アナログ信号154のような、結果として得られるアナログ信号だけからは、これらの符号語を判別することができない。第2には、μ−law による PCM 符号語の解釈は、不均等に離れたアナログレベルに対応する。接近している圧伸ルールからのレベルは混同されやすく、避けるべきである。第3には、デジタル電話網134は PCM 符号語の最下位のビットを内部の信号のために使用することがあり、これらのビットを信頼できなくする、第4に、PCM 符号語がそれらの相当するアナログ電圧レベルに変換されるとき、CODEC の平滑化フィルタのような色々なフィルタや加入者ループを通される。この結果、かなりの周波数成分、とりわけ DC と高い周波数が減衰させられる。復号器156がこれらの周波数成分を等しくしようとすると、ノイズレベルが必然的に増大し、レベル間の混同がより大きくなる。第5に、μ−law および A−LAW の両方の符号化を使う国際電話においてそうであるように、デジタル電話網134が符号語を同じセットからの新しい値に再マッピングするかもしれない、あるいは網が再マッピングにより信号のレベルを変更しようとするかもしれない。
ここに示されているシステムは、これらの問題に2つの方法で対処することができる。第1は、符号器150は256個の PCM 符号語のうちのサブセットだけを使用することである。さらに、符号器150は、結果として得られるアナログ信号154中のある周波数成分を低減させるために、先に送信した符号語を参照して PCM 符号語を選択してもよい。
この方法の第1のステップは、伝送路の周波数およびノイズ特性を知ることである。符号器150は、ランダムに選択された独立な PCM 符号語から成る既知のトレーニングパターンを送る。アナログ信号154のようなアナログ信号に変換されたとき、これはほぼ平坦な周波数スペクトルを持つアナログ信号になる。復号器156はアナログ信号154の歪んだバージョンを受け取り、この歪みを低減する同期回路および等化器を構成する。その過程において、復号器156はノイズレベルの測定値と線路の濾波特性を得る。これらの測定値は、符号器150に送り返される。これらのステップは”好ましい他のトレーニング手順”とい見出しの下に上に説明されている。
ノイズレベルがわかると、符号器150は、次に、どの符号語もノイズのために別の符号語と間違われる確率が何か予め設定された閾確率より小さいように P CM 符号語のサブセットを選択する。このサブセットは、まずノイズの統計を使って符号語の間に必要とされる最小の間隔を計算することにより選択される。次にその中のどの2つの符号語をとってもそれらの間隔が最小の予め決められた閾値以下でないような最大の可能なセットを選択することにより符号語のセットが選択される。この符号語のセットの選択は、この後にさらに説明されるように、ビットスチール(ビット横取り)により損なわれるかもしれないどの符号語も使わないように制約されるかもしれない。
PCM 符号語から再構成されるアナログ信号からある周波数を除去するには、1つのテクニックは、1定の間隔でデータを含まない追加の符号語を挿入することである。これらの挿入語は、出力スペクトルを整える使用される。例えば、DC を除去したいときは、各N個のデータを担っている符号語に対して1回、DC エリミネータ184を参照して上で説明したように、すべての先行する符号語の値の和に負号を付けた数にできるだけ近いアナログ値を持つ符号語を挿入する。
一般的には、挿入される符号語は、スペクトルを必要に応じて整えるために選択される。例えば、フィルタの出力エネルギーを最小にするように選択された符号語が挿入された符号語が、符号器150でデジタルフィルタを通されるかもしれない。もしデジタルフィルタが除去することが望ましい成分、例えば低い周波数または4kHzに近い周波を通過させるように選択されていたら、この方法はこれらの成分を最小にする。
データを担っている符号語は256個の可能な符号語のうちのサブセットから選ばれるので、データはいつでも簡単に1度に符号語の8ビットに置かれるとは限らない。その代わり、データからのビットのグループが符号語のシーケンスを選ぶために使用される。例えば、サブセットがたった3個の符号語から成るときは、6個の入力ビットのグループf(2 すなわち64の可能性がある)を使って、4個の符号語のグループ(3 =81の可能性がある)の値を選択することができる。この場合には、可能な情報内容のいくらかの浪費があるが、これはグループの長さが増すにつれて減少する。
56,000 ビット/秒の電話システムでの使用
電話システムにより使われているいくつかの PCM 伝送方式では、個々の8ビットの符号語の最下位のビットが内部の同期のために使用される。これは、図5を参照して説明した符号化処理でデジタル網接続132に加えられる符号化された値の各個の最下位のビット位置に挿入ビットを置くようにして8ビットにつき1回零のビットを挿入してデータの流れ100を変換することにより対処できる。このようにすることで電話システムによる下位ビットの使用は送信されるデータを損なわないが、最高データレートが56,000ビット/秒に低下する。
デジタル電話網134による伝送も含めて長距離電話伝送では、トラフィックのあるものは帯域内周波信号方式(インバンドシグナリング)を使用する線路上を運ばれる。これらの場合には、デジタル電話網134は、呼出し表示および他の通知のために、すべての6番目の PCM 符号語の最下位ビット(”LSB”)を使用する。このテクニックは”ビットスチールによる通知”または単に”ビットスチール”としてよく知られている。電話接続がデータを送信するために使用されるときは、このことは、ビットがスチールされるフレームでは7ビットだけしか使えないことを意味する。送り手側はこのビットのスチールを制御することができないので、この問題に対処するための1つの取組みは、絶対に LSB を使用しないこと、そのために最高データレートを 56,000 kbs(7ビト/符号語×8,000 符号語/秒)に下げることである。
図3に示されているシステムは、復号器156にビットがスチールされたフレームを検出させ、そして符号器150にビットのスチールが行われたフレーム内だけは LSB を避けるように指示させることにより、より良いものにになるかもしれない。例えば、ビットのスチールを利用する単1ホップは、ビットレートの低下のさせ方が少ない、すなわち 56 kbps の代わりに 62.7 kbps になる。同期されていないリンク上での複数ホップの場合には、ビットのスチールは異なる位相で起こり、ビットレートをさらにいっそう低下させる。
ビットがスチールされたフレームの検出は、システムの最初のトレーニングの間に行うことができる。符号器150は通信路を通して8ビットの PCM 符号語の既知のパターンを送り、復号器156はそれが受け取るアナログ波形からのサンプルを記憶する。復号器156は次に、ビットのスチールがなかったという仮定のもとで、その出力と既知のパターンの間の差を最小にするようにこの信号を再同期させかつ等化することを試みる。復号器156はさらに、6つのフェーズのそれぞれにおける平均等化値を測定する。すなわち、1番目、7番目、13番目、19番目、その他のサンプルにおける誤差は、2番目、8番目、14番目、その他のサンプルにおける誤差が平均であるのと同様に平均であり、6つの平均誤差の測定値を与える。復号器156は次に各フェーズに対して、それが1)ビットをスチールされていない、2)ビットをスチールされ、 LSB が0で置き換えられている、3)ビットをスチールされ、LSB が1で置き換えられている、4)ビットをスチールされ、LSB が 1/2 で置き換えられている、かどうかについて決定を行う。この選択は、どのビットのスチールの仕方(1,2,3または4)が等化された信号とそのビットのスチールを受けた後の既知のパターンの間の差を最小にするかを決定することによりなされる。
各フレームで起きたビットのスチールが決定されると、等化処理が再実行される。最初の等化はビットのスチールについての知識なしに行われたからである。この2回目の通過は、より良い等化された信号を生成するであろう。ビットのスチールの決定は、さらに上と同様にして生成された2番目の等化された信号を使って検証される。
6つのフェーズのそれぞれに対するビットのスチールが分かったら、復号器156はこの情報を符号器150に送信することが好ましい。この後のデータの送信では、復号器156および符号器150は、ビットのスチールにより損なわれる可能性のあるビットの使用を避けることができる。
別のアプローチでは、符号器150は、上記したクロックの同期と等化のステップが完了した後、既知のパターンで符号語を送る。復号器156は、6つのフェーズのそれぞれに対して、送信されてきた256個の PCM 符号語のそれぞれについて、図10に示されている補償された信号274により表されるレベルのような、受信した信号のレベルに関する統計値を計算する。計算された統計値−平均信号レベルや分散を含む−は、予め決められた誤り確率を与える符号語のサブセットを選択するために使われる。選択されたサブセットは符号器150に転送され、その後の送信で使用される。さらに、μ−law−線形変換器および線形−μ−law 変換器192,276および278が、これらの変換器192,276および278の予め決められたレベルの代わりに、上で計算された平均レベルを使用してもよい。この方法は、したがって、暗黙に、および前以っての知識または明示的な分析なしに、デジタル電話網134内で起こるビットのスチールあるいは他の再マッピングに対処する適応変換器を提供する。
データの圧縮
ソースコーダは、この分野に熟練した人々によく知られている色々な既知のテクニックのうちのどれかを使って、データの流れ100の損失のない(または損失の多い)圧縮を行うことができる。これらの圧縮は、Lempel−Ziv 圧縮、ランレングス符号化、および Huffman 符号化などを含む。ただしこれらに限定されない。選択された圧縮変換の逆変換、それもよく知られている、をデータの流れ126に適用することもできる。
他の電話システムとの使用
上記の方法は、可聴信号を伝えるためにμ−law 以外の非線形な圧伸動作を使う電話システムに対しても使用できる。例えば、世界の多くの地域では、A−law として知られている、1つの同じ符号化を使っている。本発明の特徴は、すべてのμ−law−線形および線形−μ−law 変換器をそれらのA−law 相当変換器で置き換えることにより、このようなシステムにも適用できる。これらの相当変換器も、256要素の参照表を使って実現できる。この場合に、表はよく知られたA−l aw マッピングが掲載される。これらの変更は、この分野に熟練した人々には明らかであろう。
既存のモデムとの組合せ
本発明の1つの特徴は、既存のモデムと組合せて使用することもできることである。図1に示されるような伝統的なシステムでは、モデム104は上述した符号器150の機能も織り込むように変更されてもよい。さらにモデム124は復号器156の機能も含むように変更されてもよい。変更されたモデム104と変更されたモデム124の間に呼が接続されたとき、双方は変更されないモデムの間の通常の接続に対するのと同じように動作する。それらがそれらの初期化を完了した後、モデム104は、国際電気通信連合により標準化されている折衝プロトコルのようなよく知られている折衝プロトコルを使って、モデム124に対して折衝要求を送ることができる。モデム124が復号器156の実現を含むときは、その要求に肯定的に返答することができる。そうでないときは、その要求は拒否され、通常のモデムの通信が用いられる。肯定的な返答が受信されると、モデム124とモデム104は、図17に示されるような動作に切り替わることができ、初期化シーケンスを開始する。このように、組み合わされたモデム/復号器は既存のモデムと相互に動作することができ、そして可能なときは、本発明の特徴を使って、高められた性能を提供する。
データベースサーバとの組合せ
本発明の1つの特徴は、図18に示されているように、中央サイトと多数のユーザの間のあらゆるタイプのデータ通信(情報、音声、映像、その他)を提供するために、中央のサーバと組み合わせて使用できる。サーバ450は、ここに説明されている符号器150のような符号器の配列と、できるかぎり、復調器440のような復調器の配列から成るサーバインターフェース454にサーバデータ452を与える。サーバインターフェース454は、ISDN PRI インターフェースのようなサーバ接続456を介して、デジタル電話網134に接続している。このサービスに対する各契約者は、復号器156と、任意であるが、図17に示されているものと同じ反響消去回路442および変調器446から成るクライアントインターフェース460を持つ。クライアントインターフェース460はクライアント接続458上で動作し、クライアントデータ流462を与える。全体的に見れば、この構成は、多数のユーザが独立に中央のサーバ(1つまたは複数)と通信することを可能にする。この構成は、オーディオまたは音楽の配布、オンラインサービス、ネットワークサービスへのアクセス、ビデオやテレビの配布、音声、情報の配信、クレジットカードの確認、銀行業務、対話型コンピュータアクセス、遠隔在庫管理、POS 端末、マルチメディアなどを含む、ただしこれらに限定されない、どのようなタイプのデータサービスに対しても使用できる。この発明の他の実現または構成も、これらのおよびその他の用途に使用できる。
高速ファクシミリ送信
本発明の1つの特徴は、図19に示されているように、ファクシミリの高速送信に使用できる。送信 FAX470はイメージを走査し、そのイメージをよく知られている方法で、送信データストリーム472に変える。送信データストリーム472は、例えば図17に示されているような配達システム474を通して送信されて、受信データストリーム476になる。受信 FAX478はそのデータストリームをイメージに変換し、そのイメージを印刷するかまたは表示する。配達システム474は、図17に示されるように実現できる。ただしデータストリーム100は送信データストリーム472で置き換えられ、データストリーム126は受信データストリーム476で置き換えられる。さらに、データストリーム128とデータストリーム126は、参照によりここに組み込まれている国際電気通信連合、電気通信標準化セクター(ITU−T) ,推奨 V.17,”A 2−Wire Modem for Facsimile Applications with Rates up to 14,400b/s,”ジュネーブ、スイス(1991) に記載されているように、受信 FAX 478と送信 FAX470の間のプロトコル折衝のために使用できる。このようにして、送信 FAX470からのファクシミリは、受信 FAX478に、従来の送信方式で可能であるよりも高速に、有利に送信できる。
ISDN/デジタル電話の中継
本発明の特徴は、ISDN またはデジタル電話を利用することができるどんなアプリケーションとも組み合わせて使用できる。これは、デジタルで接続されている側から電話網に対してアナログの接続しかできない側への送信のために、ISDN に相当する機能を提供することができる。これは、図17に示されるようなシステムを使って直接になされか、または図20に示されるような取次ぎ中継の使用によりなされる。デジタル加入者480は、デジタル電話網への直接のデジタルアクセスを持たず、その代わりにアナログ加入者接続488を持つアナログ加入者に対して、デジタルの呼出しを行うことができる。デジタル加入者480と中継サーバ484の間には、ISDN、Switched−56,T1などのデジタル接続を使って、完全なデジタル接続が開かれている。中継サーバ484は次に中継接続486に沿って、従来のモデムのような利用できる何らかの手段、または 図17に示されているようなシステムを使って、アナログ加入者490と通信する。この分野に熟練している人々によく知られている適当なフロー制御方法により、デジタル加入者には、デジタル接続がアナログだけの加入者のところまで開通したよう見えるであろう。このような接続は、音声、データ、デジタル FAX、ビデオ、オーディオなどのあらゆるデジタル通信に使用できる。中継サーバ484を実際のデジタル電話網134に組み込み、アナログ加入者にトランスパレントに見かけのデジタル接続を提供することができることに注意されたい。
範囲
本発明は、最も実際的かつ好ましい実施例であると現在考えられているものに関して説明されているが、本発明は開示されている実施例に限定されないこと、逆に、添付のクレームの精神と範囲の中に色々な変形および同等な構成などを含めることを意図していることを理解されたい。例えば、図17の逆方向通信路を使うことにより、同等の訓練要求が達成できる。図17の逆方向通信路はまた復号器156から符号器150への情報の流れの制御のための他の同等の構成を提供することができる。しかしながら、このような構成おいて、本発明はなおデータの提供者と消費者の間のデータの転送を提供する。さらに、本発明の範囲から逸脱することなく、電話線の補償はこの分野に熟練した人々によく知られている他の同等の構成により行ってもよい;同等のトレーニング手順が使用できる;異なる等化方法が利用できる、および本システムは他の中央オフィスの装置に対して適応させられてもよい。したがって、この分野の通常のスキルの人々は、すべてのこのような同等な構成および変更は、この後のクレームの範囲内に含まれることを理解するであろう。
付録−疑似コードによる実現例
次の疑似コードのセグメントは、本発明の色々な部分を理解するのを助けるために提示されている。これらは、完全なまたは最適な実現(プログラム)として作られていない。これらのコードは、論じられている付加的な拡張のない、上述した基本システムの動作を説明する。ソフトウェアコードとして与えられているけれども、実際の実現は、プロセッサにより使用される格納されたプログラムでも、専用のハードウェアでも、またはこれらの2つの組合せでもよい。
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図1は代表的なモデム・データ接続を示すブロック線図である。 図2は仮想の対称なデジタル・システムの1例を示すブロック線図である。 図3は本発明のアスペクトに従う高速伝送システムを示すブロック線図である。 図4は本発明のアスペクトに従う、図3の符号器150のハードウェアの実現のブロック線図である。 図5は本発明のアスペクトに従う、図3の符号器150の機能を示すブロック線図である。 図6は本発明のアスペクトに従う、図5の DC エリミネータ184の機能を示すブロック線図である。 図7aは本発明のアスペクトに従う、符号器150に加えられるであろうデータの流れ100を時間の関数として示すグラフで、図7bは本発明のアスペクトに従う、図3のデジタル網接続132に加えられるであろう符号器150からの代表的な出力を時間の関数として示すグラフで、図7cは図6の線形値194を時間の関数として示すグラフである。この信号は、線形形式に変換された後の符号器150からの出力信号であり、本発明のアスペクトに従う。 図8は本発明の1アスペクトの理解のための、既存のデジタル線インターフェースの機能を示すブロック線図である。 図9は本発明のアスペクトに従う、図3に示されている復号器156のハードウェアによる実現のブロック線図である。 図10は本発明のアスペクトに従う、図3に示されている復号器156の機能を示すブロック線図である。 図11aは本発明のアスペクトに従う、図10のアナログ信号を時間の関数として示すグラフで、図11bは本発明のアスペクトに従い復号器156の内部で生成された、図10 の補償された信号274を時間の関数として示すグラフで、図11cは本発明のアスペクトに従い復号器156の内部で生成された、図10 の推定された符号の流れ280を274を時間の関数として示すグラフで、図11dは本発明のアスペクトに従い復号器156の内部で生成された、図3のデータの流れ126を時間の関数として示すグラフで、図11eは本発明のアスペクトに従い復号器156の内部で生成された、図10 の誤差信号272を時間の関数として示すグラフである。 図12は本発明のアスペクトに従う、図10の逆フィルタ268を示すブロック線図である。 図13は本発明のアスペクトに従う、図12のフィードフォワード等化器300を示すブロック線図である。 図14は本発明のアスペクトに従う、図13のフィルタ TAP を示すブロック線図である。 図15は本発明のアスペクトに従う、図10のクロック推定値264を示すブロック線図である。 図16は本発明のアスペクトに従う、図10のクロック同期回路260を示すブロック線図である。 図17は本発明のアスペクトに従う、逆方向通話路を持つ端対端の非対称のシステムを示すブロック線図である。 図18は本発明の1アスペクトのデータ・サーバへの適用を示すブロック線図である。 図19は本発明の1アスペクトの高速ファクシミリ・システムへの適用を示すブロック線図である。 図20は本発明の1アスペクトに従うデジタル電話中継装置を示すブロック線図である。

Claims (7)

  1. 符号器と復号器を含み、前記符号器が電話網のデジタル部に対するデジタル接続を持ち、前記電話網のデジタル部がアナログループにより前記復号器に接続されている通信システムにおいて、
    前記符号器からPCM符号語のシーケンスを送信するステップと、
    前記シーケンスをアナログ電圧のシーケンスとして前記復号器で受信するステップと、
    受信された前記アナログ電圧のシーケンスに応じて、受信された前記アナログ電圧のシーケンスの分散を測定し、前記復号器におけるノイズレベルを決定するステップと、
    決定された前記ノイズレベルに応じて、複数の前記符号語を分離できる最小の距離である最小の分離値を選択するステップと、
    どの二つの前記PCM符号語の距離も、前記選択された前記最小の分離値よりも小さくない様に、前記PCM符号語のセットを選択するステップと
    を備えることを特徴とするPCM符号語のセットを選択する方法。
  2. 前記PCM符号語のセットを選択するステップにおいて、更に前記PCM符号語の第2のセットを選択し、
    ビットスチールが存在するタイムスロットの場合、前記第2のセットの前記PCM符号語を使用する
    ことを特徴とする請求項1に記載のPCM符号語のセットを選択する方法。
  3. 符号器と復号器を含み、前記符号器が電話網のデジタル部に対するデジタル接続を持ち、前記電話網のデジタル部がアナログループにより前記復号器に接続されている通信システムにおいて、
    前記符号器からPCM符号語のシーケンスを送信するステップと、
    前記シーケンスをアナログ電圧のシーケンスとして前記復号器で受信するステップと、
    受信された前記アナログ電圧のシーケンスに応じて、受信された前記アナログ電圧のシーケンスの分散を測定し、前記復号器におけるノイズレベルを決定するステップと、
    決定された前記ノイズレベルに応じて、複数の前記符号語を分離できる最小の距離である最小の分離値を選択するステップと、
    どの二つの前記PCM符号語の距離も、前記選択された前記最小の分離値よりも小さくない様に、前記PCM符号語のセットを選択するステップと、
    前記符号器から前記復号器に情報を送るために、情報ビットのシーケンスを選択された前記PCM符号語のセットからのPCM符号語のシーケンスに符号化するステップ
    を備えることを特徴とする情報を送るための方法。
  4. 前記PCM符号語のセットを選択するステップにおいて、更に前記PCM符号語の第2のセットを選択し、
    ビットスチールが存在するタイムスロットの場合、前記第2のセットの前記PCM符号語を使用する
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
  5. 前記符号化するステップが、たたみ込み符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
  6. 前記符号化するステップが、ブロック符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
  7. 前記符号化するステップが、トレリス符号器によって行われることを特徴とする請求項3に記載の情報を送るための方法。
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