JP2007214784A - 電力線通信装置とその通信制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電力線通信のアクセス制御装置を不要し、電力線の通信方式の統一化が容易な接続環境を提供する。
【解決手段】電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子11と、第2方式の信号電力線通信の第2方式の信号を入出力する第2電力線端子12と、第1および第2電力線端子11,12間に接続され、第1方式の信号の第2電力線端子12側への入力、および、第2方式の信号の第1電力線端子11への入力を遮断する信号遮断フィルタ13と、信号遮断フィルタ13と並列に接続され、第1方式の信号と第2方式の信号のQoS情報を相互に解釈し、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する変換部とを有する。
【選択図】図2
【解決手段】電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子11と、第2方式の信号電力線通信の第2方式の信号を入出力する第2電力線端子12と、第1および第2電力線端子11,12間に接続され、第1方式の信号の第2電力線端子12側への入力、および、第2方式の信号の第1電力線端子11への入力を遮断する信号遮断フィルタ13と、信号遮断フィルタ13と並列に接続され、第1方式の信号と第2方式の信号のQoS情報を相互に解釈し、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する変換部とを有する。
【選択図】図2
Description
本発明は、電力線通信の通信網(電力線網)と端末機器との間に介在し、プロトコル変換を実行する電力線通信装置と、その通信制御方法とに関する。
対をなす導体からなる電力線を利用して通信を行う電力線通信(PLC: Power-line Communication)は、搬送波の周波数が150[kHz]から450[kHz]を利用するものと、2[MHz]から30[MHz]を利用するものがあり、日本では前者の周波数帯を利用する装置のみ認可されている。
近年、後者の周波数帯を利用する装置が米国において認可され、日本においても現在認可に向けて利用条件の検討が行われている。後者の周波数帯を利用する通信装置は高速伝送が可能であることから、様々な用途が提案されおり、今後普及が進むことが予想される。
近年、後者の周波数帯を利用する装置が米国において認可され、日本においても現在認可に向けて利用条件の検討が行われている。後者の周波数帯を利用する通信装置は高速伝送が可能であることから、様々な用途が提案されおり、今後普及が進むことが予想される。
電力線を利用する通信装置には、様々な方式が存在する。たとえば、変調方式としてはASK(Amplitude Shift Keying)、FSK(Frequency Shift Keying)、PSK(Phase Shift Keying)などがあり、伝送方式としては単一キャリア方式、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式があり、またスペクトラム拡散方式も利用されている。
しかし、これらの方式が異なると互いに通信することができない。たとえば、同じOFDM方式であっても、占有帯域幅、サブキャリア間隔、サブキャリアの変調方式、同期信号、符号方式、アクセス制御方式、データフォーマットなどの仕様のうちどれか1つでも異なると互いに通信することができない。以下、「方式が違う」というとき、このような仕様が違うものも含む。
しかし、これらの方式が異なると互いに通信することができない。たとえば、同じOFDM方式であっても、占有帯域幅、サブキャリア間隔、サブキャリアの変調方式、同期信号、符号方式、アクセス制御方式、データフォーマットなどの仕様のうちどれか1つでも異なると互いに通信することができない。以下、「方式が違う」というとき、このような仕様が違うものも含む。
このように互いに通信することができない、異なる方式の装置が同じ家庭に存在すると、両者の送信信号が衝突を起こし通信不良が発生する。そして、最悪の場合には双方とも全く通信することができなくなる。今後電力線通信装置の普及が進むと、方式が異なる通信装置の干渉を如何にして低減または防止し、その共存を図るかが重要になると予想される。
同様の状況は無線通信でも生じる可能性があり、これを回避するために無線通信ではキャリアセンスを用いる方法がしばしば利用される。この方法は送信前に伝送路を観測して受信電力レベルから他の通信装置が送信中でないことを確認した後に送信するものである。
キャリアセンスを用いる方法で電力線通信を行う場合、以下の困難性がある。
電力線通信装置は家電機器が発生する雑音、アマチュア無線や短波放送の信号を周波数的にあるいは時間的に避けて通信するよう仕組まれ、非常に小さなSN比の環境で通信を行っている。さらに電力線は分岐が多数ある上、インピーダンスの整合がとれない伝送路であり、受信点における周波数特性が複雑である。このため、受信信号レベルを検出する単純なキャリアセンスでは、方式が異なる通信装置の有無の判別は困難である。
一方で無線LAN(IEEE802.11)では、キャリアセンスの精度を向上するために互いのプリアンブルを検出する方法を採用している。しかし、この方法は、方式が異なる装置間では利用できないことから、電力線通信で方式を共存させるための解決策とならない。
電力線通信装置は家電機器が発生する雑音、アマチュア無線や短波放送の信号を周波数的にあるいは時間的に避けて通信するよう仕組まれ、非常に小さなSN比の環境で通信を行っている。さらに電力線は分岐が多数ある上、インピーダンスの整合がとれない伝送路であり、受信点における周波数特性が複雑である。このため、受信信号レベルを検出する単純なキャリアセンスでは、方式が異なる通信装置の有無の判別は困難である。
一方で無線LAN(IEEE802.11)では、キャリアセンスの精度を向上するために互いのプリアンブルを検出する方法を採用している。しかし、この方法は、方式が異なる装置間では利用できないことから、電力線通信で方式を共存させるための解決策とならない。
上述したように、異なる方式の装置が同じ家庭内にある場合、あるいは、隣の家同士で異なる方式の送信信号が電力線に出力されると、これらの信号が衝突を起こす可能性が高くなる。
この送信信号の衝突を回避する方法として、各通信装置が利用する周波数帯を違えることで、異なる通信方式を、互いに干渉せず共存させる方法(周波数分割多重法)が考えられている。
この送信信号の衝突を回避する方法として、各通信装置が利用する周波数帯を違えることで、異なる通信方式を、互いに干渉せず共存させる方法(周波数分割多重法)が考えられている。
図8(A)に、異なる方式の通信装置が宅内電力線(電灯線)を介して相互に接続されている状態を模式的に示す。また、図8(B)に、OFDM方式のサブキャリア等、各方式に割り当てられている搬送波の周波数と信号の電界強度との関係を示す。
図8(A)では、宅内の電灯線79に通信装置72を介して機器71が接続されている。同様に、電灯線79に対し、機器73が通信装置74を介して接続され、機器75が通信装置76を介して接続され、機器77が通信装置78を介して接続されている。通信装置72と74、通信装置76と78は、それぞれ方式2−1、方式2−2といった異なる通信方式を用いる装置である。図8(A)では機器71,73,75,77がパーソナルコンピュータ(PC)となっているが、これらの機器は、テレビジョン受像機、ビデオサーバ、オーディオ機器、録画装置等、任意である。いま、図示のように、通信装置72と74が方式2−1を用いて通信し、通信装置76と78が方式2−2により通信している。
図8(A)では、宅内の電灯線79に通信装置72を介して機器71が接続されている。同様に、電灯線79に対し、機器73が通信装置74を介して接続され、機器75が通信装置76を介して接続され、機器77が通信装置78を介して接続されている。通信装置72と74、通信装置76と78は、それぞれ方式2−1、方式2−2といった異なる通信方式を用いる装置である。図8(A)では機器71,73,75,77がパーソナルコンピュータ(PC)となっているが、これらの機器は、テレビジョン受像機、ビデオサーバ、オーディオ機器、録画装置等、任意である。いま、図示のように、通信装置72と74が方式2−1を用いて通信し、通信装置76と78が方式2−2により通信している。
周波数分割多重では、図8(B)に示すように、機器71(通信装置72),機器73(通信装置74)が利用する周波数と、機器75(通信装置76),機器77(通信装置78)が利用する周波数とが重ならないように、それぞれが利用する周波数帯が規定されている。
この周波数分割多重法において、各方式が恒久的に同じ周波数帯を利用する場合には、共存のために互いに通信する必要がない。このため、周波数分割多重法は、データ通信に先立って共存制御信号の送受信を行うための機能や他の装置を持つ必要がなく、共存方法としては非常に簡易な方法である。このように異なる周波数帯を割り当てて共存させる方法を、以下、「周波数分割による共存方法」と呼ぶ。
この周波数分割多重法において、各方式が恒久的に同じ周波数帯を利用する場合には、共存のために互いに通信する必要がない。このため、周波数分割多重法は、データ通信に先立って共存制御信号の送受信を行うための機能や他の装置を持つ必要がなく、共存方法としては非常に簡易な方法である。このように異なる周波数帯を割り当てて共存させる方法を、以下、「周波数分割による共存方法」と呼ぶ。
つぎに、周波数分割による共存方法(周波数分割多重法)の課題を、図8および図9を参照して説明する。
この説明では図8(A)において、通信装置74と76が近接して配置されている場合を考える。たとえば、通信装置74と76が同じ部屋の同じコンセント(プラグ)に接続されているとする。また、通信装置74の通信相手である通信装置72が、方式2−1を用いた通信の際に伝送損失が大きな場所に存在する場合を考える。たとえば、通信装置72と74が分電盤を幾つか介して離れた位置に配置され、その間の電灯線に分岐や開放端が幾つも存在し、伝送路のインピーダンス特性が複雑で、このために互いにやり取りする信号の伝送損失が大きいとする。
この説明では図8(A)において、通信装置74と76が近接して配置されている場合を考える。たとえば、通信装置74と76が同じ部屋の同じコンセント(プラグ)に接続されているとする。また、通信装置74の通信相手である通信装置72が、方式2−1を用いた通信の際に伝送損失が大きな場所に存在する場合を考える。たとえば、通信装置72と74が分電盤を幾つか介して離れた位置に配置され、その間の電灯線に分岐や開放端が幾つも存在し、伝送路のインピーダンス特性が複雑で、このために互いにやり取りする信号の伝送損失が大きいとする。
図9に、この場合の通信装置74における受信信号強度を示す。
機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は、異なる周波数帯を利用するように方式が定められている。ところが、通信装置72から通信装置74に送られてきた信号の電界強度(図9の実線)が、通信装置76が受信している信号の電界強度に比べて小さいと、図9の破線により示す通信装置76から通信装置74に届く帯域外漏洩信号の電界強度が、通信装置74における通信装置72からの信号の受信周波数帯域において無視できない。このため、この帯域外漏洩信号は、通信装置74が通信装置72からの信号を受信する妨げになり、通信装置74が通信装置72からの信号を正しく受信することが難しい状況になる。
機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は、異なる周波数帯を利用するように方式が定められている。ところが、通信装置72から通信装置74に送られてきた信号の電界強度(図9の実線)が、通信装置76が受信している信号の電界強度に比べて小さいと、図9の破線により示す通信装置76から通信装置74に届く帯域外漏洩信号の電界強度が、通信装置74における通信装置72からの信号の受信周波数帯域において無視できない。このため、この帯域外漏洩信号は、通信装置74が通信装置72からの信号を受信する妨げになり、通信装置74が通信装置72からの信号を正しく受信することが難しい状況になる。
送信信号の衝突を回避するための別の方法として、各送信装置が送信するタイミングを違える方法(時分割多重法)が考えられる。
図10は、時間軸上で時系列な送信(または受信)信号と、通信装置との対応を示している。この図10も、図8(A)のように機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)が、それぞれ異なる方式2−1、方式2−2により通信することを前提としている。
時分割多重では送信タイミングを制御して、図10に示すように、通信装置72と74が送受信する信号Aと、通信装置76と78が送受信する信号Bとが、時間的に重ならないようにしている。これにより、2つの方式を同一宅内の電灯線79を用いた通信で互いに共存させることができ、この方法を以下、「時分割による共存」と呼ぶ。
図10は、時間軸上で時系列な送信(または受信)信号と、通信装置との対応を示している。この図10も、図8(A)のように機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)が、それぞれ異なる方式2−1、方式2−2により通信することを前提としている。
時分割多重では送信タイミングを制御して、図10に示すように、通信装置72と74が送受信する信号Aと、通信装置76と78が送受信する信号Bとが、時間的に重ならないようにしている。これにより、2つの方式を同一宅内の電灯線79を用いた通信で互いに共存させることができ、この方法を以下、「時分割による共存」と呼ぶ。
図11は、時分割多重による電力線(電灯線)通信のシステム構成図である。
図8(A)の場合と同様、機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)は方式2−1を用い、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は方式2−2を用いて通信する。方式2−1と方式2−2には互換性がなく、通信装置72,74と、通信装置76,78との間では互いに通信することはできない。
時分割多重で2つの方式を共存させるためには、どのタイミングで信号を送信するかの調停を行う必要がある。そして、調停のために、データ通信に先立って予め信号を互いにやり取りする。
図8(A)の場合と同様、機器71(通信装置72)と機器73(通信装置74)は方式2−1を用い、機器75(通信装置76)と機器77(通信装置78)は方式2−2を用いて通信する。方式2−1と方式2−2には互換性がなく、通信装置72,74と、通信装置76,78との間では互いに通信することはできない。
時分割多重で2つの方式を共存させるためには、どのタイミングで信号を送信するかの調停を行う必要がある。そして、調停のために、データ通信に先立って予め信号を互いにやり取りする。
具体的には、図11に示すように、方式2−1と方式2−2の間を調停する役目の装置(図11のアクセス制御装置80)が必要である。アクセス制御装置80は方式2−1、方式2−2のどちらにも対応できる装置であり、電灯線79から電源供給を受けている。
通信装置72と74、または、通信装置76と78の組み合わせで2つの装置が通信を行う際に、通信を開始する装置は、その相手方に通信を呼びかける場合、まずアクセス制御装置80に対して送信要求を送信する。送信要求を受けたアクセス制御装置80は、電灯線79の現在の通信状況を監視しているため、信号の衝突が生じないように送信タイミングを、送信要求を行った装置に対し指示(返答)する。通信を開始する装置は、指示されたタイミングで通信を行えば、信号の衝突を回避できる。アクセス制御装置80は、この送信タイミングの指示を送信要求ごとに行うことによって、異なる通信方式の共存を図る。
このような機能のアクセス制御装置80を、たとえば通信装置72,74,76,78のいずれかに内蔵してもよい。
通信装置72と74、または、通信装置76と78の組み合わせで2つの装置が通信を行う際に、通信を開始する装置は、その相手方に通信を呼びかける場合、まずアクセス制御装置80に対して送信要求を送信する。送信要求を受けたアクセス制御装置80は、電灯線79の現在の通信状況を監視しているため、信号の衝突が生じないように送信タイミングを、送信要求を行った装置に対し指示(返答)する。通信を開始する装置は、指示されたタイミングで通信を行えば、信号の衝突を回避できる。アクセス制御装置80は、この送信タイミングの指示を送信要求ごとに行うことによって、異なる通信方式の共存を図る。
このような機能のアクセス制御装置80を、たとえば通信装置72,74,76,78のいずれかに内蔵してもよい。
図10に示す時分割による共存では互いの信号による干渉はほとんど生じない。各通信装置は自分自身が送信しないときには出力をほぼ完全に停止させることができる。そして、上記調停によって多くの場合、ある方式の装置が通信を停止している間に、他の方式の装置同士が通信することから、方式が異なる信号は干渉しない。また、アクセス制御装置80を有することから、必要な伝送速度に応じて方式間で優先度を付け、かつ当該優先度を変化させることが容易である。
以上より、時分割により共存させる方法は、方式が異なる通信で互いの干渉を回避できる点、伝送速度に応じて占有時間を増減できる点において優れている。
以上より、時分割により共存させる方法は、方式が異なる通信で互いの干渉を回避できる点、伝送速度に応じて占有時間を増減できる点において優れている。
なお、異なる方式間ではないが低速の通信装置と高速の通信装置を周波数分割で共存させる方法が知られている(特許文献1〜3参照)
また、異なる方式に対応した制御装置が各通信装置の送信タイミングを管理する方法が知られている(特許文献4)。
特開2001−197146号公報
特開2001−268045号公報
特開2002−077099号公報
特開2001−368831号公報
また、異なる方式に対応した制御装置が各通信装置の送信タイミングを管理する方法が知られている(特許文献4)。
周波数分割による共存方法は、方式の異なる通信装置を同一の電灯線で共存させるために制御情報をやり取りする必要がなく、比較的簡単に実現可能である。
ただし、隣接する周波数への妨害を低減させるためにフィルタが必要で、伝送速度に応じた帯域割り当てに対応することは難しい。また、この方法は周波数による方式の棲み分け(共存)が可能であり、仕組みが簡単なことから、電力線通信が普及する比較的早い段階でも導入が容易であると考えられるが、きめ細かな帯域割り当てが難しい。
ただし、隣接する周波数への妨害を低減させるためにフィルタが必要で、伝送速度に応じた帯域割り当てに対応することは難しい。また、この方法は周波数による方式の棲み分け(共存)が可能であり、仕組みが簡単なことから、電力線通信が普及する比較的早い段階でも導入が容易であると考えられるが、きめ細かな帯域割り当てが難しい。
時分割による共存方法は、伝送速度に応じた送信時間割り当てが可能である。また、各通信装置間の干渉も非常に小さく抑えることが容易であり、将来的に有望な方法である。
ただし、時分割で共存させるためには通信装置間を調停する役目の装置(図11のアクセス制御装置80)が必要である。アクセス制御装置80は、複数の通信装置の通信を調停するために、その通信装置の全ての通信方式に対応したものでなければならず、装置構成が複雑で、制御(共存の仕組み)も高度なものが要求される。しがたって、多くの通信装置がこの方式を採用するまでには年月がかかることが予想され、電力線通信装置の市場導入が遅れることが懸念される。
ただし、時分割で共存させるためには通信装置間を調停する役目の装置(図11のアクセス制御装置80)が必要である。アクセス制御装置80は、複数の通信装置の通信を調停するために、その通信装置の全ての通信方式に対応したものでなければならず、装置構成が複雑で、制御(共存の仕組み)も高度なものが要求される。しがたって、多くの通信装置がこの方式を採用するまでには年月がかかることが予想され、電力線通信装置の市場導入が遅れることが懸念される。
その一方で、スペクトル拡散方式や高速伝送用に広帯域に設計された通信装置は、周波数分割による共存方法において必要な帯域幅を狭くする機能を採用することが難しく、これらの通信方式を採用する通信装置を事実上市場から閉め出してしまう問題もある。
今後、標準方式を策定する際に、異なる現行の方式との共存性が課題である。共存性を考慮して方式を策定すると仕様に制約が発生し、将来の画期的な方式の登場を阻害する可能性がある。また、標準方式が策定されたとしても、各現行方式の実用化に向けた努力が無駄となり、そのことが標準方式の普及を遅らせる原因になると考えられる。
以上のことを考慮すると、標準方式と多くの現行方式が共存するようになったときに、高速通信性を阻害することなく徐々に標準方式への統一が進む仕組みが必要である。しかし、そのような将来予想される通信環境に対処可能な通信装置はいまだに提案されていない。
今後、標準方式を策定する際に、異なる現行の方式との共存性が課題である。共存性を考慮して方式を策定すると仕様に制約が発生し、将来の画期的な方式の登場を阻害する可能性がある。また、標準方式が策定されたとしても、各現行方式の実用化に向けた努力が無駄となり、そのことが標準方式の普及を遅らせる原因になると考えられる。
以上のことを考慮すると、標準方式と多くの現行方式が共存するようになったときに、高速通信性を阻害することなく徐々に標準方式への統一が進む仕組みが必要である。しかし、そのような将来予想される通信環境に対処可能な通信装置はいまだに提案されていない。
本発明が解決しようとする課題は、電力線通信のアクセス制御装置を不要とし、電力線の通信方式の統一化が容易な接続環境を提供するための電力線通信装置と、その通信制御方法を新たに提案することである。
本発明に係る電力線通信装置は、電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子と、電力線通信の第2方式の信号を入出力する第2電力線端子と、前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号の前記第2電力線端子側への入力、および、前記第2方式の信号の前記第1電力線端子への入力を遮断する信号遮断フィルタと、前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号と前記第2方式の信号のQoS情報を相互に解釈し、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する変換部とを有する。
本発明では好適に、前記変換部は、前記通信方式のプロトコルを変換するプロトコル変換部と、前記プロトコル変換部と前記第1電力線端子との間に接続され、前記第1方式に基づいて、前記プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記プロトコル変換部に受け渡す第1モデムと、前記プロトコル変換部と前記第2電力線端子との間に接続され、前記第2方式に基づいて、前記プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記プロトコル変換部に受け渡す第2モデムとを含む。
本発明に係る他の電力線通信装置は、ACコードと電力線間に接続される第1装置と、前記ACコードに接続され、かつ、前記第1装置とネットワーク接続ケーブルにより接続される第2装置とを有し、前記第1装置の筐体内に、前記電力線から入出力される第1方式の信号と、前記ACコードから入出力される第2方式の信号とを遮断する信号遮断フィルタと、前記第1方式および第2方式の一方の信号のQoS情報を解釈可能な第1QoSブロックを含み、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する第1プロトコル変換部とを備え、前記第2装置の筐体内に、前記第1方式および第2方式の他方の信号QoS情報を解釈可能な第2QoSブロックを含み、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する第2プロトコル変換部を備える。
本発明では好適に、前記第1装置の筐体内に、前記第1および第2方式の一方の方式に基づいて、前記第1プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第1プロトコル変換部に受け渡す第1モデムを備え、前記第2装置の筐体内に、前記第1および2方式の他方の方式に基づいて、前記第2プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第2プロトコル変換部に受け渡す第2モデムを備える。
本発明では好適に、前記第1装置の筐体内に、前記第1および第2方式の一方の方式に基づいて、前記第1プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第1プロトコル変換部に受け渡す第1モデムを備え、前記第2装置の筐体内に、前記第1および2方式の他方の方式に基づいて、前記第2プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第2プロトコル変換部に受け渡す第2モデムを備える。
本発明に係る他の電力線通信装置は、電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子と、
電力線通信の第2方式の信号が入力可能な第2電力線端子およびネットワーク接続端子と、前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号の前記第2電力線端子側への入力、および、前記第2方式の信号の前記第1電力線端子への入力を遮断する信号遮断フィルタと、前記ネットワーク接続端子からの前記第2方式の信号のQoS情報を解釈するQoSブロックを備え、当該解釈の結果に応じて、前記第2方式の信号のプロトコルを前記第1方式の信号のプロトコルに変換するプロトコル変換部と、前記プロトコル変換部で変換されたプロトコルに基づいて、前記第2方式の信号を前記第1方式の信号に変換して前記第1電力線端子に出力するモデムとを有する。
電力線通信の第2方式の信号が入力可能な第2電力線端子およびネットワーク接続端子と、前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号の前記第2電力線端子側への入力、および、前記第2方式の信号の前記第1電力線端子への入力を遮断する信号遮断フィルタと、前記ネットワーク接続端子からの前記第2方式の信号のQoS情報を解釈するQoSブロックを備え、当該解釈の結果に応じて、前記第2方式の信号のプロトコルを前記第1方式の信号のプロトコルに変換するプロトコル変換部と、前記プロトコル変換部で変換されたプロトコルに基づいて、前記第2方式の信号を前記第1方式の信号に変換して前記第1電力線端子に出力するモデムとを有する。
本発明に係る電力線通信装置の通信制御方法は、電力線通信の第1方式に準拠した電力線網と、前記第1方式とは異なる第2方式の端末機器との間に介在する電力線通信装置の通信制御方法であって、前記電力線網または前記端末機器の側から入力されるQoS情報を解釈するステップと、当該解釈により得られた信号出力側の方式に基づいて、入力信号のプロトコルを変換するステップと、変換後のプロトコルに基づいて信号変換を行い、前記電力線網または前記端末機器の接続線に出力するステップとを含む。
本発明によれば、電力線通信のアクセス制御装置を不要とし、電力線の通信方式の統一化が容易な接続環境を提供できる。
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ここでは宅内電力線を例として説明するが、電力線は宅内に限らず、集合住宅やビル、さらには隣家同士の電気配線を経由して相互接続されているものであってもよい。
家庭内の電力線は一般的に電灯線と呼ばれている。電灯線は、通常複数の部屋の屋内配線として敷設され、各部屋の壁等にコンセント(プラグ)として、電機機器のACコードの差込口を有している。
ここで電力線通信の方式は、今後標準化される方式あるいは現在最も主流である第1方式(以下、方式1と称する)に統一し、すでに製造販売されているその他の機器(端末機器)が第2方式(以下、方式2−x(x=1,2,…))の装置であると仮定する。
本実施形態では、このような通信環境下で、方式2−xを端末機器とコンセント間の通信にのみ用い、コンセントには方式1と方式2−xのプロトコル変換機能を有するモデム装置を設置することにより、各方式の信号を干渉しないように分離することで互いの共存を実現する。なお、方式1および方式2−xは、スペクトラム拡散方式、OFDM方式、または、他の通信方式であってもよい。方式1と方式2−x、方式2−x内の各方式(たとえば方式2−1と方式2−2等)は、互いに互換性、共存性がないとする。
上記プロトコル変換機能を有するモデム装置が本発明の「電力線通信装置」の一実施態様に該当する。以下、このモデム装置を単に通信装置と称して、その詳細を説明する。
ここで電力線通信の方式は、今後標準化される方式あるいは現在最も主流である第1方式(以下、方式1と称する)に統一し、すでに製造販売されているその他の機器(端末機器)が第2方式(以下、方式2−x(x=1,2,…))の装置であると仮定する。
本実施形態では、このような通信環境下で、方式2−xを端末機器とコンセント間の通信にのみ用い、コンセントには方式1と方式2−xのプロトコル変換機能を有するモデム装置を設置することにより、各方式の信号を干渉しないように分離することで互いの共存を実現する。なお、方式1および方式2−xは、スペクトラム拡散方式、OFDM方式、または、他の通信方式であってもよい。方式1と方式2−x、方式2−x内の各方式(たとえば方式2−1と方式2−2等)は、互いに互換性、共存性がないとする。
上記プロトコル変換機能を有するモデム装置が本発明の「電力線通信装置」の一実施態様に該当する。以下、このモデム装置を単に通信装置と称して、その詳細を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本実施形態の通信装置を用いた電力線通信システムの構成図である。
宅内の電灯線79にACコード71Aと通信装置1を介して機器71が接続されている。同様に、電灯線79に対し、機器73がACコード73Aと通信装置3を介して接続され、機器75がACコード75Aと通信装置5を介して接続され、機器77がACコード77Aと通信装置7を介して接続されている。
図1は、本実施形態の通信装置を用いた電力線通信システムの構成図である。
宅内の電灯線79にACコード71Aと通信装置1を介して機器71が接続されている。同様に、電灯線79に対し、機器73がACコード73Aと通信装置3を介して接続され、機器75がACコード75Aと通信装置5を介して接続され、機器77がACコード77Aと通信装置7を介して接続されている。
機器71,73,75,77は、本発明の「端末機器」に該当し、機器75と77は、それぞれ方式2−1、方式2−2といった異なる通信方式を用いる機器である。たとえば、方式2−1は動画像伝送を目的に設計された通信方式であり、方式2−2はオーディオ伝送を目的に設計された方式である。
なお、図1では機器71と73と、機器75と77は伝送速度、遅延時間等の要求条件が異なり、それらに適した仕様となっているため、異なる方式に準拠して構成(ハードウエアまたは内蔵ソフトウエア)を備える。このため方式間に互換性がなく、一般的に共存性もない。
なお、図1では機器71と73と、機器75と77は伝送速度、遅延時間等の要求条件が異なり、それらに適した仕様となっているため、異なる方式に準拠して構成(ハードウエアまたは内蔵ソフトウエア)を備える。このため方式間に互換性がなく、一般的に共存性もない。
図1では、通信装置1と3が方式2−1を用いて通信し、通信装置5と7が方式2−2により通信している。本例では、通信装置1,3,5,7が、方式2−1と方式2−2とのプロトコル変換機能と、変換後のプロトコルに従って、入力信号を送出側の方式に準拠した信号に構築しなおすモデム機能とを備える。ここで用いる「プロトコル」の用語は、信号変換の手順、すなわちデータをどのような単位に分割し、どのタイミングで、どのような制御情報を付加して送り出すか等のデータを運ぶ手順をいう。
機器71が送信するデータ信号(第2方式の信号)は通信装置1で電力線通信用の信号(第1方式の信号)に変換されて電灯線79に送出される。この信号を通信装置3が受信し、上記とは逆に、第1方式の信号を第2方式の信号に変換して機器73に出力する。機器73がデータ信号を送信する場合は、上記と逆の手順で変換が行われて通信が行われる。
同様に、機器75が送信するデータ信号(第2方式の信号)は通信装置5で電力線通信用の第1方式の信号に変換されて電灯線79に送出される。この信号を通信装置7が受信し、上記とは逆に、第1方式の信号を第2方式の信号に変換して機器77に出力する。機器77がデータ信号を送信する場合は、上記と逆の手順で変換が行われて通信が行われる。
この通信では電灯線79上には異なる方式を物理的分離する手段がないが、通信装置1,3,5,7は、各々方式2−1と方式2−2を変換する機能を有する。このため、方式1の信号がACコード71A,73A,75A,77Aに漏洩することがなく、逆に、方式2−1または方式2−2の信号が電灯線79に漏洩することもない。したがって、電灯線79上で異なる方式の共存性を問題とする必要もないことから、信号間干渉による伝送速度の低下、信号品質の低下がない。
同様に、機器75が送信するデータ信号(第2方式の信号)は通信装置5で電力線通信用の第1方式の信号に変換されて電灯線79に送出される。この信号を通信装置7が受信し、上記とは逆に、第1方式の信号を第2方式の信号に変換して機器77に出力する。機器77がデータ信号を送信する場合は、上記と逆の手順で変換が行われて通信が行われる。
この通信では電灯線79上には異なる方式を物理的分離する手段がないが、通信装置1,3,5,7は、各々方式2−1と方式2−2を変換する機能を有する。このため、方式1の信号がACコード71A,73A,75A,77Aに漏洩することがなく、逆に、方式2−1または方式2−2の信号が電灯線79に漏洩することもない。したがって、電灯線79上で異なる方式の共存性を問題とする必要もないことから、信号間干渉による伝送速度の低下、信号品質の低下がない。
図2に、通信装置の構成例を示す。この図では通信装置1を代表させて示すが、他の通信装置3,5,7も同様に構成されている。
通信装置1は、内蔵ソフトウエアのリンク層でデータ形式を変換するブリッジタイプと、リンク層よりも上の層でデータ形式を変換するタイプに分けられる。図2はブリッジタイプの構成例である。
通信装置1は、内蔵ソフトウエアのリンク層でデータ形式を変換するブリッジタイプと、リンク層よりも上の層でデータ形式を変換するタイプに分けられる。図2はブリッジタイプの構成例である。
通信装置1は、電灯線79と接続するためのACプラグ11(第1電力線端子)と、方式2−x(以下、x=1,2)の装置を接続するためのACソケット12(第2電力線端子)と、ACプラグ11とACソケット12の間に接続され、信号を遮断するための信号遮断フィルタ13とを内蔵する。また、通信装置1は、方式1モデム(以下、第1モデムという)15と、方式2−xモデム(以下、第2モデムという)16と、その2つのモデム間に接続されているプロトコル変換部14とを内蔵する「変換部」を備える。
第1モデム15は、ACプラグ11と信号遮断フィルタ13とを接続する内部配線に電気的に接続され、第2モデム16は、ACソケット12と信号遮断フィルタ13とを接続する内部配線に電気的に接続されている。
第1モデム15は、ACプラグ11と信号遮断フィルタ13とを接続する内部配線に電気的に接続され、第2モデム16は、ACソケット12と信号遮断フィルタ13とを接続する内部配線に電気的に接続されている。
信号遮断フィルタ13は、AC電源を通過させるが、方式1と方式2−xの通信信号を遮断し、交流電源を通過させる機能を有する。より詳細に信号遮断フィルタ13は、電灯線79からACプラグ11を経由して入力される第1方式の信号を遮断して、ACコード側に出力させない。また、逆にACコード71AからACソケット12を経由して入力される第2方式の信号を電灯線側に出力させない。一方、より低周波の交流電源は信号遮断フィルタ13を通過可能である。このような信号伝送路の信号のみ遮断するフィルタは、たとえばローパスフィルタで構成できる。
このように、通信装置1は電灯線79(家屋内配線)とACコード71Aとの間で信号の分離を行わなければならない。方式1は電灯線79を利用し、方式2−xはACコードを利用するが、電灯線79をそのままACコードに接続すると、電灯線79とACコードの信号が互いに伝わって干渉が発生し、通信品質を損なう可能性があることから、これを防止するためである。通信装置1は、この干渉を防止するために電力線通信モデムの通信信号を遮断するフィルタ(ブロッキング・フィルタ)を内蔵し、方式1の信号(第1方式の信号)がACコードに、方式2−xの信号(第2方式の信号)が電灯線79に伝わらないようにしている。
第1モデム15は、第1方式に基づいて、プロトコル変換部14で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータをプロトコル変換部14に受け渡す装置である。
同様に、第2モデム16は、第2方式に基づいて、プロトコル変換部14で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータをプロトコル変換部14に受け渡す装置である。
この第1モデム15が変復調処理を行う第1方式の信号と、第2モデム16が変復調処理する第2方式の信号は、相互に変換されるが、この変換の手順は、プロトコル変換部14で解釈(変換)され、第1モデム15または第2モデム16に伝えられる。第1モデム15および第2モデム16は、変換後のプロトコルに基づいて前述した信号の相互変換を実行する。
本実施形態では、このプロトコルにQoS(Quality of Service)情報が含まれ、これによって通信品質が確保される。
同様に、第2モデム16は、第2方式に基づいて、プロトコル変換部14で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータをプロトコル変換部14に受け渡す装置である。
この第1モデム15が変復調処理を行う第1方式の信号と、第2モデム16が変復調処理する第2方式の信号は、相互に変換されるが、この変換の手順は、プロトコル変換部14で解釈(変換)され、第1モデム15または第2モデム16に伝えられる。第1モデム15および第2モデム16は、変換後のプロトコルに基づいて前述した信号の相互変換を実行する。
本実施形態では、このプロトコルにQoS(Quality of Service)情報が含まれ、これによって通信品質が確保される。
ここで通信品質について説明する。
方式2−xには保証すべき通信品質がある。現在の電力線通信装置は特定の用途に特化して設計されているものは少ないが、低速だが小規模でコストを低減した装置、動画像を伝送するために高度な方式を採用し高速伝送を実現する装置、動画伝送用ほど高速ではないが回路規模を抑えた装置などが存在する。これらの装置は将来的には更に発展し、他の用途も生まれると考えられる。たとえば、ホームコントロール(セキュリティ)用途、動画像伝送用途、オーディオ伝送用途、インターネットアクセス用途、コンピュータ間のデータ転送用途等に通信方式が使い分けされていくと考えられる。これらの用途によって保証すべき通信品質は異なり、ホームコントロール(セキュリティ)やコンピュータ間のデータ伝送では低誤り率が、動画伝送では高速伝送が、オーディオ伝送では小さな時間遅延、ジッタが要求される。方式1は、通信装置1を介して中継する対象である方式2−1、方式2−2が保証しようとする通信品質を落とさないようにしなければならない。
方式2−xには保証すべき通信品質がある。現在の電力線通信装置は特定の用途に特化して設計されているものは少ないが、低速だが小規模でコストを低減した装置、動画像を伝送するために高度な方式を採用し高速伝送を実現する装置、動画伝送用ほど高速ではないが回路規模を抑えた装置などが存在する。これらの装置は将来的には更に発展し、他の用途も生まれると考えられる。たとえば、ホームコントロール(セキュリティ)用途、動画像伝送用途、オーディオ伝送用途、インターネットアクセス用途、コンピュータ間のデータ転送用途等に通信方式が使い分けされていくと考えられる。これらの用途によって保証すべき通信品質は異なり、ホームコントロール(セキュリティ)やコンピュータ間のデータ伝送では低誤り率が、動画伝送では高速伝送が、オーディオ伝送では小さな時間遅延、ジッタが要求される。方式1は、通信装置1を介して中継する対象である方式2−1、方式2−2が保証しようとする通信品質を落とさないようにしなければならない。
図2に示すように、プロトコル変換部14には、このQoS情報を解釈し変換するブロック、すなわちQoSブロック141を備える。QoS情報は、伝送速度、誤り率、時間遅延、ジッタあるいは帯域予約等に関する、確保すべき通信品質確保情報である。
あるいは図3に示すように、第1モデム15内に、第1方式の信号のQoS情報を解釈する第1QoSブロック150を含み、第2モデム16内に、第2方式の信号のQoS情報を解釈する第2QoSブロック160を含む。この図3の場合、プロトコル変換部14によって、解釈されたQoS情報の変換が行われる。
以下、図2の場合を例として、QoSブロックの具体的な動作を、モデム構成とともに説明する。
あるいは図3に示すように、第1モデム15内に、第1方式の信号のQoS情報を解釈する第1QoSブロック150を含み、第2モデム16内に、第2方式の信号のQoS情報を解釈する第2QoSブロック160を含む。この図3の場合、プロトコル変換部14によって、解釈されたQoS情報の変換が行われる。
以下、図2の場合を例として、QoSブロックの具体的な動作を、モデム構成とともに説明する。
図4は、図2に示す構成における第1モデム15の具体的な構成例を示すブロック図である。ここでは、QoS情報によって帯域予約を行うことを前提とした構成と動作を説明する。帯域予約とは、QoSとして許可されているもので、動画伝送など高速性を要求される通信方式でキャリア周波数をより高いレベルで確保するか、あるいは、伝送時間を予め確保することをいう。
図4に例示する第1モデム15は、入力部151と、3つのバッファ(BUF)152,153,154と、モデム処理部155とを有する。これらの各部はプロトコル変換部14内のQoSブロック141からのQoS制御信号14Aにより制御される。
図4に例示する第1モデム15は、入力部151と、3つのバッファ(BUF)152,153,154と、モデム処理部155とを有する。これらの各部はプロトコル変換部14内のQoSブロック141からのQoS制御信号14Aにより制御される。
図4のQoSブロック141は、入力した第2方式の信号がQoS情報を示すものであるかを監視している。QoS情報と判断すると、そのQoS情報を解釈し、QoS制御信号S14Aに変換して第1モデム15内の各部(入力部151、バッファ152,153,154およびモデム処理部155)に送る。入力部151は、以後プロトコル変換部14から受け付ける第2方式の信号のデータを、帯域予約のためのバッファ、たとえばバッファ152と153に蓄える。帯域予約のためのバッファ数とその容量は、予約帯域に応じて制御される。ここでは合計3つのバッファを示し、バッファ152を第1の予約帯域用、バッファ153を第2の予約帯域用とし、バッファ154を非予約用に制御されている場合を示す。このバッファの数と予約のための組み合わせは任意であり、QoS制御信号14Aの内容に応じて適宜変更される。
モデム処理部155は、通常は誤り訂正や時分割(変調)処理を行い、第2方式の信号を第1方式の信号に変換する部分である。また、モデム処理部155にもQoS制御信号14Aが入力されており、その指示に応じてバッファ152,153,154からデータを読み出し、パケット等に再構築して、予め決められたタイミングで図1の電灯線79に送出する制御を行う。これによって信号からの干渉がない未使用の予約帯域を用いて、データを予定した高い伝送速度で通信可能となる。帯域予約対象のデータと混在して送られてくる非予約のデータは、バッファ154に一旦蓄積された後、モデム処理部155の制御によって、予約帯域の残りの帯域(周波数、時間)で適宜、電灯線79に送り出される。
QoSの指定のないデータは非予約データと同様、バッファ154に一旦蓄積された後、モデム処理部155の制御によって、予約帯域の残りの帯域(周波数、時間)で適宜、電灯線79に送り出される。
このような第1モデム15の動作は、プロトコル変換部14が、第2方式の信号のプロトコルを第1方式に適合したプロトコルに変換し、これを第1モデム15が解釈して実行した結果である。このため変換後のプロトコルを示す信号S14Bが第1モデム15に入力されている。
モデム処理部155は、通常は誤り訂正や時分割(変調)処理を行い、第2方式の信号を第1方式の信号に変換する部分である。また、モデム処理部155にもQoS制御信号14Aが入力されており、その指示に応じてバッファ152,153,154からデータを読み出し、パケット等に再構築して、予め決められたタイミングで図1の電灯線79に送出する制御を行う。これによって信号からの干渉がない未使用の予約帯域を用いて、データを予定した高い伝送速度で通信可能となる。帯域予約対象のデータと混在して送られてくる非予約のデータは、バッファ154に一旦蓄積された後、モデム処理部155の制御によって、予約帯域の残りの帯域(周波数、時間)で適宜、電灯線79に送り出される。
QoSの指定のないデータは非予約データと同様、バッファ154に一旦蓄積された後、モデム処理部155の制御によって、予約帯域の残りの帯域(周波数、時間)で適宜、電灯線79に送り出される。
このような第1モデム15の動作は、プロトコル変換部14が、第2方式の信号のプロトコルを第1方式に適合したプロトコルに変換し、これを第1モデム15が解釈して実行した結果である。このため変換後のプロトコルを示す信号S14Bが第1モデム15に入力されている。
なお、図4の構成は、図2のプロトコル変換部14と第2モデム16の関係にも適用できる。この場合、ACコード側と電灯線側が、図4とは逆になる。処理制御の上記説明も、第1方式の信号と第2方式の信号を入れ替えることでほぼ同様に適用できる。
つまり、図4が第2モデム16に適用された場合、電灯線側から信号がプロトコル変換部14に入力され、そこでQoS情報が解釈、変換され、その結果に応じて入力部151、バッファ152,153,154およびモデム処理部155が制御され、モデム処理部155で第1方式の信号が第2方式の信号に変換されて、ACコード側に出力される。
つまり、図4が第2モデム16に適用された場合、電灯線側から信号がプロトコル変換部14に入力され、そこでQoS情報が解釈、変換され、その結果に応じて入力部151、バッファ152,153,154およびモデム処理部155が制御され、モデム処理部155で第1方式の信号が第2方式の信号に変換されて、ACコード側に出力される。
上記では帯域予約で説明したが、QoS情報が伝送速度、誤り率、時間遅延、ジッタ等の情報である場合、そのQoS情報に応じた処理が第1モデム15や第2モデム16で実行される。
[第2実施形態]
図5は、本実施形態の通信装置を用いた電力線通信システムの構成図である。
この図5のシステムが図1のシステムと異なる点の一つは、図1の通信装置1に対応する通信装置1Aが、第1装置101と、第2装置102と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル103により構成されていることである。同様に、図1の通信装置3に対応する通信装置3Aが、第1装置31と、第2装置32と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル33により構成され、図1の通信装置5に対応する通信装置5Aが、第1装置51と、第2装置52と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル53により構成され、図1の通信装置7に対応する通信装置7Aが、第1装置701と、第2装置702と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル703により構成されている。他の構成は、図1と図5で共通する。
図5は、本実施形態の通信装置を用いた電力線通信システムの構成図である。
この図5のシステムが図1のシステムと異なる点の一つは、図1の通信装置1に対応する通信装置1Aが、第1装置101と、第2装置102と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル103により構成されていることである。同様に、図1の通信装置3に対応する通信装置3Aが、第1装置31と、第2装置32と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル33により構成され、図1の通信装置5に対応する通信装置5Aが、第1装置51と、第2装置52と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル53により構成され、図1の通信装置7に対応する通信装置7Aが、第1装置701と、第2装置702と、その間をつなぐ(ローカル)ネットワークケーブル703により構成されている。他の構成は、図1と図5で共通する。
このように1つの通信装置を、第1装置と第2装置に分ける構成は、図2との対応で言うと、プロトコル変換部14を方式1と方式2−xとで2つに分けて2つの筐体内に配置し、その一方の筐体内(第1装置内)に第1モデム15を配置し、他方の筐体内(第2装置内)に第2モデム16を配置して、その装置間をネットワークケーブルでつないだものである。また、たとえば第1装置に信号遮断フィルタ13が配置される。
具体的に本実施形態では、図5の第1装置31,51,101,701を、第2方式の信号から第1方式の信号に、そのプロトコルを含め変換する装置とし、第2装置32,52,102,702を、第1方式の信号から第2方式の信号に、そのプロトコルを含め変換する装置としている。なお、逆に、第1装置を第1方式の信号から第2方式の信号に変換する装置、第2装置を第2方式から第1装置に変換する装置とすることも可能である。
具体的に本実施形態では、図5の第1装置31,51,101,701を、第2方式の信号から第1方式の信号に、そのプロトコルを含め変換する装置とし、第2装置32,52,102,702を、第1方式の信号から第2方式の信号に、そのプロトコルを含め変換する装置としている。なお、逆に、第1装置を第1方式の信号から第2方式の信号に変換する装置、第2装置を第2方式から第1装置に変換する装置とすることも可能である。
図5のシステムでデータを送信する場合の信号の流れは、図1を用いて説明したものと基本的に同じであるため、ここでは重複説明しない。ただし詳細は後述するが、通信装置1A,3A,5A,7Aにおいて、第1装置と第2装置とが、たとえばイーサネット(商標名)等のネットワークケーブルを介して接続され、第1方式の信号と第2方式の信号が、このネットワークケーブルを介してやり取りされる。また、AC電力は不図示の別系統で第1装置と第2装置間で送られる。
図6は、装置間の接続例を示すブロック図、図7は、その詳細なブロック図である。これらの図では通信装置1Aと機器71との接続を例示するが、他の通信装置も同様な接続となっている。また、図7では、図2と機能が共通な構成は同一符号を付して、以下の説明を簡略化する。
図6に示す通信装置1Aは、電灯線79に接続されるACプラグ11(第1電力線端子、図2参照)を備える第1装置101と、ACコード側のACソケット12(第2電力線端子)と、ACプラグ11とACソケット12との間に第1装置101とともに接続されている第2装置102と、第1装置101のACソケットとACソケット12とをつなぐACコード12Aと、第1装置101と第2装置102をつなぐネットワークケーブル103とを備える。
図6に示す通信装置1Aは、電灯線79に接続されるACプラグ11(第1電力線端子、図2参照)を備える第1装置101と、ACコード側のACソケット12(第2電力線端子)と、ACプラグ11とACソケット12との間に第1装置101とともに接続されている第2装置102と、第1装置101のACソケットとACソケット12とをつなぐACコード12Aと、第1装置101と第2装置102をつなぐネットワークケーブル103とを備える。
また、図6に示すように、ACソケット12には、ACコード71B、ACコード71Aおよび装置104を介して機器71が接続されている。
ここで装置104は、方式2−xの通常のモデム装置であり、このモデム装置を有するユーザが、本発明が適用されている通信装置1Aを追加購入し、図6のように接続することによって、他の方式1と方式2−xとの変換が可能になる。
ここで装置104は、方式2−xの通常のモデム装置であり、このモデム装置を有するユーザが、本発明が適用されている通信装置1Aを追加購入し、図6のように接続することによって、他の方式1と方式2−xとの変換が可能になる。
図6において、機器71から見ると、ACコード71Aおよび装置104、ACコード71B、ACソケット12、ACコード12A、第1装置101、ACプラグ11を介し、電灯線79にいたる電源供給路が形成されている。また、電力線通信路はACソケット12までは電源供給路と共通するが、ACソケット12で分岐して第2装置102、ネットワークケーブル103、第1装置101を通って、ACプラグ11から電灯線79につながるようになっている。
この接続関係から明らかなように、ACコード12Aを介した信号の回り込みがあり、それによる第1方式の信号と第2方式の信号の相互干渉が生じる可能性がある。
そのため、図7に示すように、電力線通信信号を遮断し、交流電源を通す信号遮断フィルタ13が第1装置101内に設けられている。
第1装置101は、ACプラグ11と、ACコード12Aが接続されるソケット18−1、ネットワークケーブル103が接続されるネットワーク接続端子19−1を備える。
信号遮断フィルタ13は、ACプラグ11とソケット18−1との間に接続されている。この信号遮断フィルタ13とACプラグ11との接続線と、ネットワーク接続端子19−1との間に、ACプラグ11側から順に第1モデム15、プロトコル変換部14−1、ネットワーク送受信部17−1が接続されている。プロトコル変換部14−1は、図2のプロトコル変換部14から一部の機能、すなわち第2方式の信号から第1方式の信号へのプロトコル変換機能を分離したものである。
そのため、図7に示すように、電力線通信信号を遮断し、交流電源を通す信号遮断フィルタ13が第1装置101内に設けられている。
第1装置101は、ACプラグ11と、ACコード12Aが接続されるソケット18−1、ネットワークケーブル103が接続されるネットワーク接続端子19−1を備える。
信号遮断フィルタ13は、ACプラグ11とソケット18−1との間に接続されている。この信号遮断フィルタ13とACプラグ11との接続線と、ネットワーク接続端子19−1との間に、ACプラグ11側から順に第1モデム15、プロトコル変換部14−1、ネットワーク送受信部17−1が接続されている。プロトコル変換部14−1は、図2のプロトコル変換部14から一部の機能、すなわち第2方式の信号から第1方式の信号へのプロトコル変換機能を分離したものである。
一方、第2装置102には、ネットワークケーブル103に接続されているネットワーク接続端子19−2と、ACコード12Aに接続されているソケット18−2とを備え、その間に、ネットワークケーブル103側から順に、ネットワーク送受信部17−2、プロトコル変換部14−2、第2モデム16が接続されている。プロトコル変換部14−2は、図2のプロトコル変換部14から一部の機能、すなわち第1方式の信号から第2方式の信号へのプロトコル変換機能を分離したものである。
このような構成では、プロトコル変換をリンク層より上の層で行うことができる。
図6の機器71が出力する信号はイーサネット等のネットワークケーブル(無線でも可)を介して、方式2−1あるいは方式2−2を用いる装置104に出力される。
この装置104は既存のモデム装置であり、図7に示すように、図6の機器71のACコード71Aが接続されるソケット18−3、ACコード71Bに接続されるACプラグ18−4を備える。ソケット18−3とACプラグ18−4は、交流電源を通す内部配線で接続されている。また、装置104は、図6の機器71からのネットワークケーブル71Cが接続されるネットワーク接続端子19−3を備える。装置104内に、ネットワーク接続端子19−3とACプラグ18−4との間に、ネットワーク送受信部17−3と第2モデム20とが接続されている。
図6の機器71が出力する信号はイーサネット等のネットワークケーブル(無線でも可)を介して、方式2−1あるいは方式2−2を用いる装置104に出力される。
この装置104は既存のモデム装置であり、図7に示すように、図6の機器71のACコード71Aが接続されるソケット18−3、ACコード71Bに接続されるACプラグ18−4を備える。ソケット18−3とACプラグ18−4は、交流電源を通す内部配線で接続されている。また、装置104は、図6の機器71からのネットワークケーブル71Cが接続されるネットワーク接続端子19−3を備える。装置104内に、ネットワーク接続端子19−3とACプラグ18−4との間に、ネットワーク送受信部17−3と第2モデム20とが接続されている。
方式2−x(x=1,2)を用いる装置104は、その何れかの方式を用いて、第2装置102に信号を送信する。第2装置102は、ネットワークケーブル103経由で方式1の第1装置101に信号を送信し、これを受信した方式1の第1装置101はACプラグ11を介して電灯線79に信号を送出する。
一方、電灯線79から信号を受信した方式1の第1装置101はネットワークケーブル103経由で方式2−xの第2装置102に信号を送出する。これを受け取った第2装置102は、方式2−xの装置104に信号を送信する。そして、装置104が、この信号をネットワークケーブル71C経由で機器71に送信する。
このように、方式1と方式2−xの変換に用いるQoS情報は、方式1の第1装置101、方式2−xを用いる第2装置102,104ならびに機器71間で、イーサネット等を介してやりとりされる。
一方、電灯線79から信号を受信した方式1の第1装置101はネットワークケーブル103経由で方式2−xの第2装置102に信号を送出する。これを受け取った第2装置102は、方式2−xの装置104に信号を送信する。そして、装置104が、この信号をネットワークケーブル71C経由で機器71に送信する。
このように、方式1と方式2−xの変換に用いるQoS情報は、方式1の第1装置101、方式2−xを用いる第2装置102,104ならびに機器71間で、イーサネット等を介してやりとりされる。
つぎに、本発明の実施形態の効果(利点)について述べる。
上記第1および第2の実施形態では、ブリッジ等のプロトコル変換を、メインの第1方式の通信専用とした電灯線79の末端または途中に接続される装置との接続部分で実行し、通信方式の共存問題を回避する。
そのため複数の方式の電力線通信装置を同一宅内等で用いる際に、互いに干渉することで発生する動作不良を回避することができる。
上記第1および第2の実施形態では、ブリッジ等のプロトコル変換を、メインの第1方式の通信専用とした電灯線79の末端または途中に接続される装置との接続部分で実行し、通信方式の共存問題を回避する。
そのため複数の方式の電力線通信装置を同一宅内等で用いる際に、互いに干渉することで発生する動作不良を回避することができる。
また、電灯線79を利用する方式(コンセント間の通信に利用する方式)は方式1で統一できる。方式2−xは端末装置(図2の機器71,73,75,77)とコンセント間の通信にのみ用いる。
なお、方式1が存在しない場合には方式2−xを用いて電灯線79(コンセント間)の通信を行うことは可能である。ただし、図2のように統一規格またはメインの規格である方式1を電灯線通信の専用方式にする場合に、本実施形態のように方式を自動で認識し変換する機能を有する通信装置を用いると方式1の制約条件を緩和できる。また、今後新たに供給される端末装置は方式1に準拠したものが増えることから、通信方式が徐々に方式1に一本化されやすい状況が生まれる。方式1のモデムやプロトコル変換機能を備える端末装置(映像機器等)の場合、直接コンセントにACプラグを差し込むことで方式共存の問題を他に与えることなく電力線通信ができるようになる。
つまり、今後標準化される方式が現在製造販売されている装置と共存をはかるために、現在製造販売されている装置の仕様から制約を受けることもなく方式を策定することが可能で、高性能な装置の実現が容易である。
以上から、全ての機器の方式が統一された理想状況が生まれることを助長する意味で、本実施形態の通信装置(電力線通信装置)の役割は大きい。
なお、方式1が存在しない場合には方式2−xを用いて電灯線79(コンセント間)の通信を行うことは可能である。ただし、図2のように統一規格またはメインの規格である方式1を電灯線通信の専用方式にする場合に、本実施形態のように方式を自動で認識し変換する機能を有する通信装置を用いると方式1の制約条件を緩和できる。また、今後新たに供給される端末装置は方式1に準拠したものが増えることから、通信方式が徐々に方式1に一本化されやすい状況が生まれる。方式1のモデムやプロトコル変換機能を備える端末装置(映像機器等)の場合、直接コンセントにACプラグを差し込むことで方式共存の問題を他に与えることなく電力線通信ができるようになる。
つまり、今後標準化される方式が現在製造販売されている装置と共存をはかるために、現在製造販売されている装置の仕様から制約を受けることもなく方式を策定することが可能で、高性能な装置の実現が容易である。
以上から、全ての機器の方式が統一された理想状況が生まれることを助長する意味で、本実施形態の通信装置(電力線通信装置)の役割は大きい。
また、第2実施形態のように、通信装置1A,3A,5A,7Aの各々を、方式1に準拠した第1装置31,51,101または701と、方式2−xに準拠した第2装置32,52,102または702と、その間を接続するネットワークケーブル33,53,103または703とからなる構成の採用が可能である。この構成は、以下の利点がある。
図7の例で、第2装置102は、既存の装置104に対し、プロトコル変換、QoS情報の解釈および変換の機能が追加されているが、それれは、既存の装置104に、ファームウェアの変更で追加が可能である。また、第1装置101は、方式1の通常のモデムに、プロトコル変換、QoS情報の解釈および変換の機能の追加をファームウェアの変更で追加するとともに、信号遮断フィルタ13を追加するだけでよい。したがって、第1装置101および第2装置102は開発が容易であり、開発コストを低く抑えることができる。
一方、図2および図3の構成は、新規に電力線通信を行う際に導入する場合に適し、構造がシンプルで、配線の煩雑さがない点で優れている。
なお図7の構成においても、図3のように、第1モデム15内に、第1方式の信号のQoS情報を解釈する第1QoSブロック150を含み、第2モデム16内に、第2方式の信号のQoS情報を解釈する第2QoSブロック160を含む構成をとることもできる。
図7の例で、第2装置102は、既存の装置104に対し、プロトコル変換、QoS情報の解釈および変換の機能が追加されているが、それれは、既存の装置104に、ファームウェアの変更で追加が可能である。また、第1装置101は、方式1の通常のモデムに、プロトコル変換、QoS情報の解釈および変換の機能の追加をファームウェアの変更で追加するとともに、信号遮断フィルタ13を追加するだけでよい。したがって、第1装置101および第2装置102は開発が容易であり、開発コストを低く抑えることができる。
一方、図2および図3の構成は、新規に電力線通信を行う際に導入する場合に適し、構造がシンプルで、配線の煩雑さがない点で優れている。
なお図7の構成においても、図3のように、第1モデム15内に、第1方式の信号のQoS情報を解釈する第1QoSブロック150を含み、第2モデム16内に、第2方式の信号のQoS情報を解釈する第2QoSブロック160を含む構成をとることもできる。
1,1A,3,3A,5,5A,7,7A…通信装置、11…ACプラグ、12…ACソケット、13…信号遮断フィルタ、14…プロトコル変換部、141…QoSブロック、15…第1モデム、150…第1QoSブロック、16…第2モデム、160…第2QoSブロック
Claims (8)
- 電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子と、
電力線通信の第2方式の信号を入出力する第2電力線端子と、
前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号の前記第2電力線端子側への入力、および、前記第2方式の信号の前記第1電力線端子への入力を遮断する信号遮断フィルタと、
前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号と前記第2方式の信号のQoS情報を相互に解釈し、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する変換部と、
を有する電力線通信装置。 - 前記変換部は、
前記通信方式のプロトコルを変換するプロトコル変換部と、
前記プロトコル変換部と前記第1電力線端子との間に接続され、前記第1方式に基づいて、前記プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記プロトコル変換部に受け渡す第1モデムと、
前記プロトコル変換部と前記第2電力線端子との間に接続され、前記第2方式に基づいて、前記プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記プロトコル変換部に受け渡す第2モデムと、
を含む請求項1に記載の電力線通信装置。 - 前記プロトコル変換部内に、前記第1方式の信号と前記第2方式の信号のQoS情報を相互に解釈するQoSブロックを含む
請求項2に記載の電力線通信装置。 - 前記第1モデム内に、前記第1方式の信号のQoS情報を解釈する第1QoSブロックを含み、
前記第2モデム内に、前記第2方式の信号のQoS情報を解釈する第2QoSブロックを含み、
前記プロトコル変換部によって、前記解釈されたQoS情報の変換を行う
請求項2に記載の電力線通信装置。 - ACコードと電力線間に接続される第1装置と、
前記ACコードに接続され、かつ、前記第1装置とネットワーク接続ケーブルにより接続される第2装置と、を有し、
前記第1装置の筐体内に、
前記電力線から入出力される第1方式の信号と、前記ACコードから入出力される第2方式の信号とを遮断する信号遮断フィルタと、
前記第1方式および第2方式の一方の信号のQoS情報を解釈可能な第1QoSブロックを含み、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する第1プロトコル変換部と、を備え、
前記第2装置の筐体内に、前記第1方式および第2方式の他方の信号QoS情報を解釈可能な第2QoSブロックを含み、当該解釈の結果に応じて、信号入力側の通信方式のプロトコルを信号出力側の通信方式のプロトコルに変換する第2プロトコル変換部を備える
電力線通信装置。 - 前記第1装置の筐体内に、前記第1および第2方式の一方の方式に基づいて、前記第1プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第1プロトコル変換部に受け渡す第1モデムを備え、
前記第2装置の筐体内に、前記第1および2方式の他方の方式に基づいて、前記第2プロトコル変換部で構成されたデータを変調して所望のタイミングで送出し、または、受信信号を復調し取り出されたデータを前記第2プロトコル変換部に受け渡す第2モデムを備える
請求項5に記載の電力線通信装置。 - 電力線通信の第1方式の信号を入出力する第1電力線端子と、
電力線通信の第2方式の信号が入力可能な第2電力線端子およびネットワーク接続端子と、
前記第1および第2電力線端子間に接続され、前記第1方式の信号の前記第2電力線端子側への入力、および、前記第2方式の信号の前記第1電力線端子への入力を遮断する信号遮断フィルタと、
前記ネットワーク接続端子からの前記第2方式の信号のQoS情報を解釈するQoSブロックを備え、当該解釈の結果に応じて、前記第2方式の信号のプロトコルを前記第1方式の信号のプロトコルに変換するプロトコル変換部と、
前記プロトコル変換部で変換されたプロトコルに基づいて、前記第2方式の信号を前記第1方式の信号に変換して前記第1電力線端子に出力するモデムと、
を有する電力線通信装置。 - 電力線通信の第1方式に準拠した電力線網と、前記第1方式とは異なる第2方式の端末機器との間に介在する電力線通信装置の通信制御方法であって、
前記電力線網または前記端末機器の側から入力されるQoS情報を解釈するステップと、
当該解釈により得られた信号出力側の方式に基づいて、入力信号のプロトコルを変換するステップと、
変換後のプロトコルに基づいて信号変換を行い、前記電力線網または前記端末機器の接続線に出力するステップと、
を含む電力線通信装置の通信制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006031219A JP2007214784A (ja) | 2006-02-08 | 2006-02-08 | 電力線通信装置とその通信制御方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2014072734A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Panasonic Corp | 電力線搬送通信モジュール |
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US10060957B2 (en) | 2010-07-29 | 2018-08-28 | Power Monitors, Inc. | Method and apparatus for a cloud-based power quality monitor |
-
2006
- 2006-02-08 JP JP2006031219A patent/JP2007214784A/ja active Pending
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