JP2007214039A - マイクロマシンスイッチ及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で可動片の張り付きを防止し、信頼性の高いマイクロマシンスイッチを提供する。
【解決手段】マイクロマシンスイッチ1Aにおいて、基板2と、基板2上に設けられた高周波信号線3と、高周波信号線3上に設けられた絶縁体5と、高周波信号線3の両側にそれぞれ位置付けて基板2上に設けられた第1接地導体4a及び第2接地導体4bと、絶縁体5に対し離間させて設けられ、第1接地導体4a及び第2接地導体4bのどちらか一方に少なくとも一端が接続固定され、高周波信号線3との間への電圧印加により絶縁体5に接触する可動片6Aと、基板2と可動片6Aとの間に設けられ、電圧印加により発生し絶縁体5と可動片6Aとの離間距離に応じて変化する静電引力に可動片6Aの復帰力を増大させて近づける段差部7a、7bとを備える。
【選択図】図1
【解決手段】マイクロマシンスイッチ1Aにおいて、基板2と、基板2上に設けられた高周波信号線3と、高周波信号線3上に設けられた絶縁体5と、高周波信号線3の両側にそれぞれ位置付けて基板2上に設けられた第1接地導体4a及び第2接地導体4bと、絶縁体5に対し離間させて設けられ、第1接地導体4a及び第2接地導体4bのどちらか一方に少なくとも一端が接続固定され、高周波信号線3との間への電圧印加により絶縁体5に接触する可動片6Aと、基板2と可動片6Aとの間に設けられ、電圧印加により発生し絶縁体5と可動片6Aとの離間距離に応じて変化する静電引力に可動片6Aの復帰力を増大させて近づける段差部7a、7bとを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、マイクロマシンスイッチ及び電子機器に関し、特に高周波信号の切り替えに使用されるマイクロマシンスイッチ及びそれを実装した電子機器に関する。
マイクロ波及びミリ波等も含む高周波帯を用いる通信機器等の電子機器は広い分野において用いられている。このため、電子機器を構成する高周波用の電子部品の製造も活発化している。この高周波用の電子部品としては、例えば高周波信号の送受信用として、高周波信号の通過を制御するために高周波スイッチが用いられる。
この高周波スイッチを構成する素子としては、近年、マイクロマシン技術を応用したマイクロマシンスイッチが用いられるようになってきている。マイクロマシンスイッチは、レジスティブスイッチとキャパシティブスイッチとに分類されるが、構造がシンプルなことや製作の容易さ等の面から、一般的に、キャパシティブスイッチ(シャントスイッチ)が用いられている。
このようなマイクロマシンスイッチは、絶縁体基板上に設けられた高周波信号線に対して絶縁体膜を介して接触可能に離間させて設けられ、両端が接地導体に接続固定された可動片を備えている。この可動片と高周波信号線との間に電圧が印加されると、可動片は静電引力により変形して絶縁体膜に接触し、高周波信号線を通過する高周波信号を短絡する。これにより、高周波信号線を通過する所定の周波数帯の高周波信号を阻止することができる。電圧が印加されなくなると、可動片は機械的なバネ復帰力(元の形状に戻る回復力)により、絶縁体膜から離反した元の位置に復帰する。
マイクロマシンスイッチでは、可動片は電圧の印加、すなわちスイッチのオン/オフに応じて繰り返し何度も絶縁体膜に接触する。このため、絶縁体膜に電荷が溜まったり、絶縁体膜が変質したりする。この結果、可動片のバネ復帰力が小さいマイクロマシンスイッチでは、可動片が絶縁体膜に張り付くスティクション(張り付き)という問題が発生してしまう。
これを防止するため、静電引力により可動片を元の位置に復帰させるための復帰電極を可動片の上方に可動片から離間させて設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、可動片と復帰電極との間に復帰電圧が印加され、可動片はバネ復帰力に加え、静電引力により元の位置に復帰する。
特開2001−179699号公報
しかしながら、復帰電極を設ける技術では、可動片の上方に復帰電極を設ける必要があるため、マイクロマシンスイッチの構成が複雑になり、さらに、その製造工程も複雑になる。加えて、復帰電極が高周波数特性に悪影響を与えることがある。また、復帰電極に復帰電圧を供給する必要があるため、電圧印加回路も複雑になってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構成で可動片の張り付きを防止し、信頼性の高いマイクロマシンスイッチ及び電子機器を提供することである。
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、マイクロマシンスイッチにおいて、基板と、基板上に設けられた高周波信号線と、高周波信号線の両側にそれぞれ位置付けて基板上に設けられた第1接地導体及び第2接地導体と、高周波信号線上に設けられた絶縁体と、絶縁体に対し離間させて設けられ、第1接地導体及び第2接地導体のどちらか一方に少なくとも一端が接続固定され、高周波信号線との間への電圧印加により絶縁体に接触する可動片と、基板と可動片との間に設けられ、電圧印加により発生し絶縁体と可動片との離間距離に応じて変化する静電引力に可動片の復帰力を増大させて近づける段差部とを備えることである。
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、電子機器において、実装用基板と、実装用基板上に実装された前述の第1の特徴に係るマイクロマシンスイッチと、マイクロマシンスイッチに接続された増幅器とを備えることである。
本発明によれば、簡単な構成で可動片のバネ復帰力を増大させ、可動片の張り付きを防止し、マイクロマシンスイッチの信頼性を向上させることができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図12を参照して説明する。
本発明の第1の実施の形態について図1ないし図12を参照して説明する。
[マイクロマシンスイッチの構成]
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Aは、基板2と、この基板2の上面(図1中)の中央部分を横切る領域(図2参照)に設けられた高周波信号線3と、基板2上の高周波信号線3が設けられた上面に高周波信号線3に接触させず高周波信号線3の両側にそれぞれ位置付けて設けられた第1接地導体4a及び第2接地導体4bと、高周波信号線3上に設けられた絶縁体5と、この絶縁体5に対し離間させて設けられ高周波信号線3との間への電圧印加により絶縁体5に接触し、高周波信号線3を通過する高周波信号を短絡する可動片6Aと、基板2と可動片6Aとの間にそれぞれ設けられ電圧印加により発生する静電引力に可動片6Aの復帰力を増大させて近づける第1段差部7a及び第2段差部7bとを備えている。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Aは、基板2と、この基板2の上面(図1中)の中央部分を横切る領域(図2参照)に設けられた高周波信号線3と、基板2上の高周波信号線3が設けられた上面に高周波信号線3に接触させず高周波信号線3の両側にそれぞれ位置付けて設けられた第1接地導体4a及び第2接地導体4bと、高周波信号線3上に設けられた絶縁体5と、この絶縁体5に対し離間させて設けられ高周波信号線3との間への電圧印加により絶縁体5に接触し、高周波信号線3を通過する高周波信号を短絡する可動片6Aと、基板2と可動片6Aとの間にそれぞれ設けられ電圧印加により発生する静電引力に可動片6Aの復帰力を増大させて近づける第1段差部7a及び第2段差部7bとを備えている。
基板2は、絶縁性を有する基板、例えば高抵抗を有するシリコン基板や半絶縁性GaAs基板等により形成されている。なお、シリコン基板の表面には、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜(図示せず)が設けられる。
高周波信号線3は、高周波信号の伝送路であり、基板2の一辺(図2中の上辺)から対向する他の一辺(図2中の下辺)に渡って配設されている。なお、高周波信号線3は例えばTi/Au膜等により形成されている。
第1接地導体4a及び第2接地導体4bは、高周波信号線3から所定の距離だけ離反させて高周波信号線3を挟むように高周波信号線3の両側にそれぞれ設けられている。これらの第1接地導体4a及び第2接地導体4bは、高周波信号線3と共にコプレナ線路を構成している。ここで、第1接地導体4a及び第2接地導体4bと高周波信号線3との間の各離反距離を変化させることにより、コプレーナ線路としてのインピーダンスを調整することができる。なお、第1接地導体4a及び第2接地導体4bは例えばTi/Au膜等により形成されている。
絶縁体5は、可動片6Aに対向させて高周波信号線3上の中央部分に薄膜状に設けられている。この絶縁体5は、例えば、シリコン酸化(SiO2)膜又はシリコン窒化(Si3N4)膜の単層膜、もしくはそれらを積層した複合膜等により形成されている。なお、第1の実施の形態においては、誘電率が高く、製造上安定して絶縁体5を形成することができるシリコン窒化膜を用いる。
可動片6Aは、可撓性を有する板状に形成されており、絶縁体5の表面から数μmの間隔(ギャップ)を設けて配設されている。可動片6Aの両端部分は、メアンダ状、すなわちジグザグ状に曲がりくねった形状に形成されている。これにより、可動片6Aの両端部分がメアンダ状に形成されていない場合に比べ、インダクタンスを増加させることができる。
可動片6Aは、両持梁構造により第1接地導体4a及び第2接地導体4bに固定されている。詳しくは、可動片6Aの一端が第1接地導体4aに固定され、可動片6Aの他端が第2接地導体4bに固定されている。したがって、可動片6Aは、第1接地導体4a及び第2接地導体4bに電気的に接続されている。
この可動片6Aは、高周波信号線3との間に電圧が印加された場合、高周波信号線3側に撓んで変形し、高周波信号線3上の絶縁体5に密着する板状のスイッチである。なお、可動片6Aは、可塑性を有し電気伝導性に優れた金属、例えばTi/Au膜やTi/Au/Ti膜等により形成されている。
第1段差部7a及び第2段差部7bは、可動片6Aに一体的にそれぞれ形成されて設けられている。第1段差部7aは、基板2上の高周波信号線3と第1接地導体4aとの間の第1領域2aに対向するように設けられている。また、第2段差部7bは、基板2上の高周波信号線3と第2接地導体4bとの間の第2領域2bに対向するように設けられている。
詳しくは、第1段差部7aは第1領域2aの略中央部分に対向するように設けられている。同様に、第2段差部7bは第2領域2bの略中央部分に対向するように設けられている。なお、第1領域2a及び第2領域2bは、基板2の表面上の高周波信号線3、第1接地導体4a及び第2接地導体4bが設けられていない領域、すなわち基板2の表面が露出している領域であり、基板2の一辺(図2中の上辺)から対向する他の一辺(図2中の下辺)まで伸びている領域である。
第1段差部7a及び第2段差部7bは、その高さが高周波信号線3の厚さと絶縁体5の厚さとの合計よりも大きくなるように形成されている。すなわち、第1段差部7a及び第2段差部7bの高さは、可動片6Aが静電引力P1により高周波信号線3上の絶縁体5に接触する前に、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に接触するように設定されている。
ここで、可動片6Aが高周波信号線3上の絶縁体5に密着する密着力は、可動片6Aと高周波信号線3との間に電圧を印加した場合に発生する静電引力P1である。また、可動片6Aが元の位置に戻る復帰力は、可動片6Aのバネ復帰力P2である。なお、可動片6Aが絶縁体5に密着する必要があるため、静電引力P1は可動片6Aのバネ復帰力P2より大きくなるように(P1>P2)設定されている。
静電引力P1は、P1=ε0SV2/2(g−x)2(非線形)であり、バネ復帰力P2は、P2=Kx(線形)である。なお、ε0:真空の誘電率、S:可動片6Aと高周波信号線3の対向面積、g:ギャップ、x:ギャップの変位量、K:バネ定数である。この静電引力P1は、絶縁体5と可動片6Aとの離間距離であるギャップの変位量xに応じて変化する。
バネ定数Kは、K[N/m]=32Et3w/L3+8σ(1−ν)tw/Lである。このバネ定数Kは、可動片6Aの長さLが小さくなる程大きくなる。なお、E:可動片6Aのヤング率、t:可動片6Aの厚さ、σ:可動片6Aの残留応力、ν:可動片6Aのポアソン比、L:可動片6Aの長さ、w:可動片6Aの幅である。
可動片6Aの長さLは、可動片6Aの長尺方向の長さであり、可動片6Aを基板2上に設けた場合、高周波信号線3と直交する方向の長さである。また、可動片6Aの幅Wは、可動片6Aの短尺方向の長さであり、可動片6Aを基板2上に設けた場合、高周波信号線3と平行な方向の長さである。
可動片6Aは、高周波信号線3との間に電圧が印加されると、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接するまで、長さLがL1である可動片として動作し(図1及び図2参照)、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接した後、長さLが第1段差部7aから第2段差部7bまでの間の長さL2(L2<L1)である可動片として動作する。
また、可動片6Aは、高周波信号線3との間の電圧印加が断たれると、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面から離反するまで、長さLがL2である可動片として動作し、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2から離反した後、長さLがL1である可動片として動作する。
すなわち、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接していない状態では、可動片6Aの長さLはL1であり、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接している状態では、可動片6Aの長さLはL2として扱われる。
このように可動片6Aは、その長さLがL1からL2に、逆にL2からL1に移行するように動作する。これに応じて、可動片6Aのバネ定数Kが変化する。したがって、バネ定数Kは、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接する前後で変化するので、可動片6Aは、第1段差部7a及び第2段差部7bにより2段階のバネ定数Kを有することになる。
例えば、図3に示すように、静電引力P1(P1=ε0SV2/2(g−x)2)は、非線形の波形S1のように変化する。また、バネ復帰力P2(P2=Kx)は、異なる傾きを有する2つの線形の波形から構成された波形F1のように変化する。なお、第1段差部7a及び第2段差部7bが設けられていない場合のバネ復帰力P2は、バネ定数Kが一定であるため、1つの傾きを有する線形の波形F2のように変化する(比較例1)。
第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Aでは、可動片6Aが2段階のバネ定数K(2つのバネ定数K)に基づいて動作するため、図3に示すように、バネ復帰力P2の波形F1は、傾きが異なる2つの線形の波形により構成されている。このバネ復帰力P2の波形F1は、バネ定数Kが一定である波形F2に比べ、静電引力P1の波形S1に近づいていることがわかる。このように、第1段差部7a及び第2段差部7bは、ギャップの変位量xに応じて変化する静電引力P1に可動片6Aのバネ復帰力P2を近づけるように(静電引力P1の波形S1にバネ復帰力P2の波形F1を近づけるように)、すなわち可動片6Aが2段階のバネ定数Kを有するように設けられている。
[マイクロマシンスイッチの動作]
このような構成のマイクロマシンスイッチ1Aの動作について説明する。マイクロマシンスイッチ1Aは、可動片6Aの形状変化により、オフ状態及びオン状態のいずれかに切り替わり、高周波信号線3を通過する高周波信号を制御する。
このような構成のマイクロマシンスイッチ1Aの動作について説明する。マイクロマシンスイッチ1Aは、可動片6Aの形状変化により、オフ状態及びオン状態のいずれかに切り替わり、高周波信号線3を通過する高周波信号を制御する。
マイクロマシンスイッチ1Aのオフ状態(ノーマル状態)は、高周波信号線3と可動片6Aとの間に電圧が印加されておらず、図1に示すように、可動片6Aが形状変化せずに高周波信号線3上の絶縁体5に対して所定の間隔を維持して接触していない状態である。ここで、その状態における可動変6Aの位置が可動片6Aのノーマル位置である。このオフ状態において、マイクロマシンスイッチ1Aは、高周波信号線3を通過する高周波信号に対して良好な通過特性を有する。
マイクロマシンスイッチ1Aのオン状態は、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接し、可動片6Aが高周波信号線3上の絶縁体5に密着した状態である。すなわち、可動片6Aと高周波信号線3との間に電圧が印加されると、それらの間に静電引力P1が発生する。その静電引力P1により可動片6Aが高周波信号線3側に引き寄せられ、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接し、その後、可動片6Aが高周波信号線3上の絶縁体5に密着する。これにより、所望のキャパシタンスが育成され、高周波信号線3を通過する所定の周波数帯の高周波信号が阻止される。
その後、電圧の印加が断たれると、可動片6Aはオフ状態のノーマル位置に復帰する。このとき、可動片6Aは、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接している状態から、長さLがL2である場合のバネ定数Kに基づくバネ復帰力P2により、ノーマル位置に移動し始める。その移動途中に、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面から離反すると、可動片6Aは、長さLが長さL1である場合のバネ定数Kに基づくバネ復帰力P2により、ノーマル位置まで移動する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Aによれば、第1段差部7a及び第2段差部7bを設けることによって、可動片6Aのバネ定数Kが2段階に変化するので、可動片6Aのバネ復帰力P2が、ギャップの変位量xに応じて変化する静電引力P1に近づくように大きくなる。これにより、第1段差部7a及び第2段差部7bを設けるという簡単な構成で、絶縁体5に対する可動片6Aの張り付きを防止した信頼性の高いマイクロマシンスイッチ1Aを構築することができる。
さらに、第1段差部7a及び第2段差部7bは高周波信号線3の両側にそれぞれ設けられていることから、どちらか一方だけを設けた場合に比べ、可動片6Aの長さLが短く変化するので、可動片6Aのバネ定数Kを大きくすることができる。
また、第1段差部7a及び第2段差部7bは可動片6Aに設けられていることから、可動片6Aを形成する際に可動片6Aと一体に第1段差部7a及び第2段差部7bを形成することが可能になるので、製造工程数の増加を抑えることができる。
[マイクロマシンスイッチの製造方法]
次に、マイクロマシンスイッチ1Aの製造方法について説明する。
次に、マイクロマシンスイッチ1Aの製造方法について説明する。
まず、基板2を準備する。基板2は、絶縁性基板又は半導体基板により形成されている。この基板2としては、例えば、ガラス基板、サファイア基板、シリコン酸化膜を有するシリコン基板等を用いる。
図4に示すように、基板2上の全面に導電層11を形成する。ここでは、導電層11は例えばTi/Au膜により形成される。続いて、導電層11上にパターニング用のフォトレジスト膜12を形成する。このフォトレジスト膜12は、高周波信号線3、第1接地導体4a及び第2接地導体4bの形状をパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜12を使用して導電層11にエッチングを行い、図5に示すように、導電層11から高周波信号線3、第1接地導体4a及び第2接地導体4bを形成する。その後、フォトレジスト膜12を除去する。
図6に示すように、基板2上の全面に、高周波信号線3、第1接地導体4a及び第2接地導体4bを覆う絶縁層13を形成する。絶縁層13としては、例えばシリコン窒化膜(Si3N4)を用いる。続いて、絶縁層13上にパターンニング用のフォトレジスト膜14を形成する。このフォトレジスト膜14は、高周波信号線3上に絶縁層13を残存させるため、高周波信号線3上に設けられる。
次いで、フォトレジスト膜14を使用して絶縁層13をエッチングし、図7に示すように、絶縁層13から高周波信号線3上に絶縁体5を形成する。その後、フォトレジスト膜14を除去する。
図8に示すように、基板2上の全面に、可動片6A、第1段差部7a及び第2段差部7b形成用の犠牲層15を形成する。犠牲層15としては、例えばフォトレジスト膜を用いる。この犠牲層15には、可動片6Aと第1接地導体4a及び第2接地導体4bとの接続部分を形成するための開口部が設けられている。
図9に示すように、犠牲層15上に金属層16を形成し、図10に示すように、その金属層16上にパターンニング用のフォトレジスト膜17を形成する。このフォトレジスト膜17は可動片6Aをパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜17を使用して金属層16をエッチングし、図11に示すように、金属層16から可動片6Aを形成し、フォトレジスト膜17を除去する。その後、図12に示すように、犠牲層15を除去し、図1及び図2に示すようなマイクロマシンスイッチ1Aが完成する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る製造方法によれば、特別な製造方法を使用することなく、既存の半導体製造プロセスを使用して簡易にマイクロマシンスイッチ1Aを製造することができる。さらに、高周波信号線3を形成する工程と同一工程において第1接地導体4a及び第2接地導体4bを形成し、かつ、可動片6Aを形成する工程において第1段差部7a及び第2段差部7bを形成することにより、マイクロマシンスイッチ1Aを製造することが可能であるので、製造工程数を削減することができる。その結果として、マイクロマシンスイッチ1Aの製造上の歩留まりを向上させることができる。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態について図13ないし図20を参照して説明する。
本発明の第2の実施の形態について図13ないし図20を参照して説明する。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態と異なる部分について説明する。なお、第1の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
図13及び図14に示すように、第2の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Bでは、第1段差部7a及び第2段差部7bに加え、第3段差部7c及び第4段差部7dが可動片6Bに一体的にそれぞれ形成されて設けられている。
第3段差部7cは、第1段差部7aより第1接地導体4a側に位置付けられ、基板2上の高周波信号線3と第1接地導体4aとの間の第1領域2aに対向するように設けられている。また、第4段差部7dは、第2段差部7bより第2接地導体4b側に位置付けられ、基板2上の高周波信号線3と第2接地導体4bとの間の第2領域2bに対向するように設けられている。
詳しくは、第1段差部7aが高周波信号線3側に位置付けられ、第3段差部7cが第1接地導体4a側に位置付けられてそれぞれ設けられている。同様に、第2段差部7bが高周波信号線3側に位置付けられ、第4段差部7dが第2接地導体4b側に位置付けられてそれぞれ設けられている。
第3段差部7c及び第4段差部7dは、その高さが第1段差部7a及び第2段差部7bの高さよりも高くなるように形成されている。すなわち、第3段差部7c及び第4段差部7dの高さは、第1段差部7a及び第2段差部7bが静電引力P1により基板2の表面に接触する前に、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面に接触するように設定されている。
可動片6Bは、高周波信号線3との間に電圧が印加されると、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2に当接するまで、長さLがL3である可動片として動作し(図13及び図14参照)、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2に当接した後、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接するまで、長さLが第3段差部7cから第4段差部7dまでの間の長さL4(L4<L3)である可動片として動作する。さらに、可動片6Bは、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接した後、長さLが第1段差部7aから第2段差部7bまでの間の長さL5(L5<L4)である可動片として動作する。
また、可動片6Bは、高周波信号線3との間の電圧印加が断たれると、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2から離反するまで、長さLがL5である可動片として動作し、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面から離反するまで、長さLがL4である可動片として動作し、さらに、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2から離反した後、長さLがL3である可動片として動作する。
すなわち、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2に当接していない状態では、可動片6Bの長さLはL3である。また、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接しておらず、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2に当接した状態では、可動片6Bの長さLはL4として扱われる。さらに、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2に当接している状態では、可動片6Bの長さLはL5として扱われる。
このように可動片6Bは、その長さLがL3からL4、L5に、逆にL5からL4、L3に順次移行するように動作する。これに応じて、可動片6Bのバネ定数Kも変化し、可動片6Bのバネ復帰力P2も変化する。したがって、バネ定数Kは、第1段差部7a及び第2段差部7bと、第3段差部7c及び第4段差部7dとが基板2に当接する前後で変化するので、可動片6Bは、第1段差部7a及び第2段差部7bと、第3段差部7c及び第4段差部7dとにより3段階のバネ定数Kを有することになる。
例えば、図15に示すように、静電引力P1(P1=ε0SV2/(g−x)2)は、非線形の波形S2のように変化する。また、バネ復帰力P2(P2=Kx)は、異なる傾きを有する3の線形の波形により構成された波形F3のように変化する。なお、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが設けられていない場合のバネ復帰力P2は、1つの傾きを有する線形の波形F4のように変化する(比較例2)。
第2の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Bでは、可動片6Bが3段階のバネ定数K(3つのバネ定数K)に基づいて動作するため、図15に示すように、バネ復帰力P2の波形F3は、傾きが異なる3つの線形の波形により構成されている。このバネ復帰力P2の波形F3は、バネ定数Kが一定である波形F4に比べ、静電引力P1の波形S2に近づいていることがわかる。このように、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dは、ギャップの変位量xに応じて変化する静電引力P1に可動片6Bのバネ復帰力P2を近づけるように(静電引力P1の波形S2にバネ復帰力P2の波形F3を近づけるように)、すなわち可動片6Bが3段階のバネ定数Kを有するように設けられている。
[マイクロマシンスイッチの動作]
このような構成のマイクロマシンスイッチ1Bの動作について説明する。マイクロマシンスイッチ1Bは、可動片6Bの形状変化により、オフ状態及びオン状態のいずれかに切り替わり、高周波信号線3を通過する高周波信号を制御する。
このような構成のマイクロマシンスイッチ1Bの動作について説明する。マイクロマシンスイッチ1Bは、可動片6Bの形状変化により、オフ状態及びオン状態のいずれかに切り替わり、高周波信号線3を通過する高周波信号を制御する。
マイクロマシンスイッチ1Bのオフ状態(ノーマル状態)は、第1の実施の形態と同様に、高周波信号線3と可動片6Bとの間に電圧が印加されておらず、図13に示すように、可動片6Bが形状変化せずに高周波信号線3上の絶縁体5に対して所定の間隔を維持して接触していない状態である。ここで、その状態における可動変6Bの位置が可動片6Bのノーマル位置である。このオフ状態において、マイクロマシンスイッチ1Bは、高周波信号線3を通過する高周波信号に対して良好な通過特性を有する。
マイクロマシンスイッチ1Bのオン状態は、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面に当接し、可動片6Bが高周波信号線3上の絶縁体5に密着した状態である。すなわち、可動片6Bと高周波信号線3との間に電圧が印加されると、それらの間に静電引力P1が発生する。その静電引力P1により可動片6Bが高周波信号線3側に引き寄せられ、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面に当接し、次いで、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面に当接し、その後、可動片6Bが高周波信号線3上の絶縁体5に密着する。これにより、所望のキャパシタンスが育成され、高周波信号線3を通過する所定の周波数帯の高周波信号が阻止される。
その後、電圧の印加が断たれると、可動片6Bはオフ状態のノーマル位置に復帰する。このとき、可動片6Bは、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面に当接している状態から、長さLがL5である場合のバネ定数Kに基づくバネ復帰力P2により、ノーマル位置に移動し始める。その移動途中に、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2の表面から離反すると、可動片6Bは、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面に当接している状態であり、長さLが長さL4である場合のバネ定数Kに基づくバネ復帰力P2により、ノーマル位置に移動する。さらに、その移動途中に、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2の表面から離反すると、可動片6Bは、長さLが長さL3である場合のバネ定数Kに基づくバネ復帰力P2により、ノーマル位置まで移動する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Bによれば、第1段差部7a及び第2段差部7bに加え、第3段差部7c及び第4段差部7dを設けることによって、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Bにおいては、第1の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Aに比べ、段差部7a、7b、7c、7dの数が増えており、ギャップの変位量xに応じて変化する静電引力P1に可動片6Bのバネ復帰力P2をより確実に近づけて大きくすることができる。この結果、絶縁体5に対する可動片6Bの張り付きをより防止した信頼性の高いマイクロマシンスイッチ1Bを構築することができる。
[マイクロマシンスイッチの製造方法]
次に、マイクロマシンスイッチ1Bの製造方法について説明する。基板2の準備から図7に示す絶縁体5の形成までの工程は、第1の実施の形態と同様である(図4ないし図7参照)。
次に、マイクロマシンスイッチ1Bの製造方法について説明する。基板2の準備から図7に示す絶縁体5の形成までの工程は、第1の実施の形態と同様である(図4ないし図7参照)。
図16に示すように、基板2上の全面に、可動片6B、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7d形成用の犠牲層15を形成する。犠牲層15としては、例えばフォトレジスト膜を用いる。この犠牲層15には、可動片6Bと第1接地導体4a及び第2接地導体4bとの接続部分を形成するための開口部が設けられている。
図17に示すように、犠牲層15上に金属層16を形成し、図18に示すように、その金属層16上にパターンニング用のフォトレジスト膜17を形成する。このフォトレジスト膜17は可動片6Bをパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜17を使用して金属層16をエッチングし、図19に示すように、金属層16から可動片6Bを形成し、フォトレジスト膜17を除去する。その後、図20に示すように、犠牲層15を除去し、図13及び図14に示すようなマイクロマシンスイッチ1Bが完成する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る製造方法によれば、特別な製造方法を使用することなく、既存の半導体製造プロセスを使用して簡易にマイクロマシンスイッチ1Bを製造することができる。さらに、高周波信号線3を形成する工程と同一工程において第1接地導体4a及び第2接地導体4bを形成し、かつ、可動片6Bを形成する工程において第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを形成することにより、マイクロマシンスイッチ1Bを製造することができるので、製造工程数を削減することができる。その結果として、マイクロマシンスイッチ1Bの製造上の歩留まりを向上させることができる。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態について図22ないし図33を参照して説明する。
本発明の第3の実施の形態について図22ないし図33を参照して説明する。
第3の実施の形態では、第2の実施の形態と異なる部分について説明する。なお、第2の実施の形態で説明した部分と同一部分は同一符号で示し、その説明は省略する。
図21及び図22に示すように、第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Cでは、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが基板2上に設けられている。
第1段差部7a及び第2段差部7bは、その高さが高周波信号線3の厚さと絶縁体5の厚さとの合計よりも大きくなるように形成されている。第3段差部7c及び第4段差部7dは、その高さが第1段差部7a及び第2段差部7bの高さよりも高くなるように形成されている。
すなわち、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dの各高さは、可動片6Cが静電引力P1により高周波信号線3上の絶縁体5に接触する前に、まず、第3段差部7c及び第4段差部7dに接触し、その後、第1段差部7a及び第2段差部7bに接触するように設定されている。
可動片6Cは、高周波信号線3との間に電圧が印加されると、第3段差部7c及び第4段差部7dに当接するまで、長さLがL3である可動片として動作し(図21及び図22参照)、第3段差部7c及び第4段差部7dに当接した後、第1段差部7a及び第2段差部7bが基板2に当接するまで、長さLがL4(L4<L3)である可動片として動作する。さらに、可動片6Cは、第1段差部7a及び第2段差部7bに当接した後、長さLがL5(L5<L4)である可動片として動作する。
また、可動片6Cは、高周波信号線3との間の電圧印加が断たれると、第1段差部7a及び第2段差部7bから離反するまで、長さLがL5である可動片として動作し、第3段差部7c及び第4段差部7dから離反するまで、長さLがL4である可動片として動作し、さらに、第3段差部7c及び第4段差部7dから離反した後、長さLがL3である可動片として動作する。
すなわち、可動片6Cが第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dに当接していない状態では、可動片6Cの長さLはL3である。また、可動片6Cが第1段差部7a及び第2段差部7bに当接しておらず、第3段差部7c及び第4段差部7dに当接した状態では、可動片6Cの長さLはL4として扱われる。さらに、可動片6Cが第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dに当接している状態では、可動片6Cの長さLはL5として扱われる。
このように可動片6Cは、その長さLがL3からL4、L5に、逆にL5からL4、L3に順次移行するように動作する。これに応じて、可動片6Cのバネ定数Kも変化し、可動片6Cのバネ復帰力P2も変化する。したがって、バネ定数Kは、可動片6Cが第1段差部7a及び第2段差部7bと、第3段差部7c及び第4段差部7dとに当接する前後で変化するので、可動片6Cは、第1段差部7a及び第2段差部7bと、第3段差部7c及び第4段差部7dとにより3段階のバネ定数Kを有することになる。
例えば、図15に示すように、静電引力P1(P1=ε0SV2/(g−x)2)は、非線形の波形S2のように変化する。また、バネ復帰力P2(P2=Kx)は、異なる傾きを有する3の線形の波形により構成された波形F3のように変化する。なお、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dが設けられていない場合のバネ復帰力P2は、1つの傾きを有する線形の波形F4のように変化する(比較例2)。
第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Cでは、可動片6Cが3段階のバネ定数K(3つのバネ定数K)に基づいて動作するため、図15に示すように、バネ復帰力P2の波形F3は、傾きが異なる3つの線形の波形により構成されている。このバネ復帰力P2の波形F3は、バネ定数Kが一定である波形F4に比べ、静電引力P1の波形S2に近づいていることがわかる。このように、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dは、ギャップの変位量xに応じて変化する静電引力P1に可動片6Cのバネ復帰力P2を近づけるように(静電引力P1の波形S2にバネ復帰力P2の波形F3を近づけるように)、すなわち可動片6Cが3段階のバネ定数Kを有するように設けられている。
以上説明したように、第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1Cによれば、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを設けることによって、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dは基板2上に設けられていることから、基板2上に第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを形成するという簡単な構成で、絶縁体5に対する可動片6Cの張り付きを防止することができる。
[マイクロマシンスイッチの製造方法]
次に、マイクロマシンスイッチ1Cの製造方法について説明する。
次に、マイクロマシンスイッチ1Cの製造方法について説明する。
まず、基板2を準備する。基板2は、絶縁性基板又は半導体基板により形成されている。この基板2としては、例えば、ガラス基板、サファイア基板、シリコン酸化膜を有するシリコン基板等を用いる。
図23に示すように、基板2上の全面に導電層11を形成する。ここでは、導電層11は例えばTi/Au膜により形成される。続いて、導電層11上にパターニング用のフォトレジスト膜12を形成する。このフォトレジスト膜12は、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dの形状をパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜12を使用して導電層11にエッチングを行い、図24に示すように、導電層11から第1段差部7aの一部、第2段差部7bの一部、第3段差部7cの一部及び第4段差部7dの一部を形成する。その後、第1段差部7a及び第2段差部7bに対応するフォトレジスト膜12を除去する。
続いて、フォトレジスト膜12を使用して導電層11にエッチングを行い、図25に示すように、第3段差部7cの一部及び第4段差部7dの一部の高さを高くする。その後、図26に示すように、導電層11上にパターニング用のフォトレジスト膜12aを形成する。このフォトレジスト膜12aは、高周波信号線3、第1接地導体4a、第2接地導体4b、第1段差部7a及び第2段差部7bの形状をパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜12及びフォトレジスト膜12aを使用して導電層11にエッチングを行い、図27に示すように、導電層11から高周波信号線3、第1接地導体4a、第2接地導体4b、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを形成する。その後、フォトレジスト膜12及びフォトレジスト膜12aを除去する。
図28に示すように、基板2上の全面に、高周波信号線3、第1接地導体4a、第2接地導体4b、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを覆う絶縁層13を形成する。絶縁層13としては、例えばシリコン窒化膜(Si3N4)を用いる。続いて、絶縁層13上にパターンニング用のフォトレジスト膜14を形成する。このフォトレジスト膜14は、高周波信号線3上に絶縁層13を残存させるため、高周波信号線3上に設けられている。
次いで、フォトレジスト膜14を使用して絶縁層13をエッチングし、図29に示すように、絶縁層13から高周波信号線3上に絶縁体5を形成する。その後、フォトレジスト膜14を除去する。
図30に示すように、基板2上の全面に、可動片6C形成用の犠牲層15を形成する。犠牲層15としては、例えばフォトレジスト膜を用いる。この犠牲層15には、可動片6Cと第1接地導体4a及び第2接地導体4bとの接続部分を形成するための開口部が設けられている。
図31に示すように、犠牲層15上に金属層16を形成し、その金属層16上にパターンニング用のフォトレジスト膜17を形成する。このフォトレジスト膜17は可動片6Cをパターンニングするマスクとして使用される。
次いで、フォトレジスト膜17を使用して金属層16をエッチングし、図32に示すように、金属層16から可動片6Cを形成し、フォトレジスト膜17を除去する。その後、図33に示すように、犠牲層15を除去し、図21及び図22に示すようなマイクロマシンスイッチ1Cが完成する。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る製造方法によれば、特別な製造方法を使用することなく、既存の半導体製造プロセスを使用して簡易にマイクロマシンスイッチ1Cを製造することができる。さらに、第1段差部7a、第2段差部7b、第3段差部7c及び第4段差部7dを形成する工程と同一工程において高周波信号線3、第1接地導体4a及び第2接地導体4bを形成することにより、マイクロマシンスイッチ1Cを製造することが可能であるので、製造工程数を削減することができる。その結果として、マイクロマシンスイッチ1Cの製造上の歩留まりを向上させることができる。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態について図34を参照して説明する。第4の実施の形態は、前述の第1、第2又は第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cを備える無線通信機や携帯電話機等の電子機器の一例である。
本発明の第4の実施の形態について図34を参照して説明する。第4の実施の形態は、前述の第1、第2又は第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cを備える無線通信機や携帯電話機等の電子機器の一例である。
図34に示すように、第4の実施の形態に係る電子機器51は、実装用基板52と、実装用基板52上に実装された第1、第2又は第3の実施の形態に係るマイクロマシンスイッチ(SW)1A、1B、1Cと、そのマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cに接続された増幅器(AMP)53とを備えている。
なお、図34中では、上側のマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cは信号入力経路に配設され、下側のマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cは信号出力経路に配設されている。上側のマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cには、内部回路の入力段の増幅器53が接続されており、下側のマイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cには、内部回路の出力段の増幅器53が接続されている。また、各マイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cには、アンテナ54がそれぞれ接続されている。
以上説明したように、第4の実施の形態に係る電子機器51によれば、マイクロマシンスイッチ1A、1B、1Cは、簡単な構成で可動片6A、6B、6Cのバネ復帰力を増大させ、絶縁体5に対する可動片6A、6B、6Cの張り付きを防止することが可能になるので、電子機器51の動作信頼性を向上させることができる。
(他の実施の形態)
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
例えば、前述の実施の形態においては、第1段差部7a及び第2段差部7bを設けたり、第1段差部7a及び第2段差部7bに加え、第3段差部7c及び第4段差部7dを設けたりしているが、これに限るものではなく、例えば第1段差部7aを1つだけ設けるようにしてもよく、また、その数を増やすようにしてもよい。
また、前述の実施の形態においては、可動片6A、6B、6Cの両端を基板2上に固定し、可動片6A、6B、6Cを両持梁構造により基板2上に設けているが、これに限るものではなく、例えば、可動片6A、6B、6Cの一端だけを基板2上に設け、可動片6A、6B、6Cを片持梁構造により基板2上に設けるようにしてもよい。
また、前述の実施の形態においては、基板2上に1本の高周波信号線3を設けているが、これに限るものではなく、例えば、基板2上に2本以上の高周波信号線3を設けるようにしてもよい。
1A,1B,1C…マイクロマシンスイッチ、2…基板、3…高周波信号線、4a…第1接地導体、4b…第2接地導体、5…絶縁体、6A,6B,6C…可動片、7a…第1段差部、7b…第2段差部、7c…第3段差部、7d…第4段差部、51…電子機器、52…実装用基板、53…増幅器
Claims (5)
- 基板と、
前記基板上に設けられた高周波信号線と、
前記高周波信号線の両側にそれぞれ位置付けて前記基板上に設けられた第1接地導体及び第2接地導体と、
前記高周波信号線上に設けられた絶縁体と、
前記絶縁体に対し離間させて設けられ、前記第1接地導体及び前記第2接地導体のどちらか一方に少なくとも一端が接続固定され、前記高周波信号線との間への電圧印加により前記絶縁体に接触する可動片と、
前記基板と前記可動片との間に設けられ、前記電圧印加により発生し前記絶縁体と前記可動片との離間距離に応じて変化する静電引力に前記可動片の復帰力を増大させて近づける段差部と、
を備えることを特徴とするマイクロマシンスイッチ。 - 前記段差部は前記高周波信号線の両側に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロマシンスイッチ。
- 前記段差部は前記可動片に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロマシンスイッチ。
- 前記段差部は前記基板上に設けられていることを特徴とする請求項1記載のマイクロマシンスイッチ。
- 実装用基板と、
前記実装用基板上に実装された請求項1ないし4のいずれか一に記載のマイクロマシンスイッチと、
前記マイクロマシンスイッチに接続された増幅器と、
を備えることを特徴とする電子機器。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014184536A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-10-02 | Toshiba Corp | 電気部品およびその製造方法 |
-
2006
- 2006-02-10 JP JP2006034110A patent/JP2007214039A/ja active Pending
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