JP2007212633A - 加熱ステージ - Google Patents

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Abstract

【課題】加熱通電時における透過率の低下が抑制され、良好な導電性も維持することができるとともに、透明導電体への加熱通電時に発生する電界を低減させた加熱ステージを提供する。
【解決手段】本発明に係る加熱ステージ1は、ガラス基材2と、該ガラス基材の一方の面に配された透明導電体3を備える加熱ステージにおいて、前記透明導電体は、少なくともITO(スズ添加酸化インジウム)膜によって構成され、かつ、その膜厚が400nm以上1200nm以下であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、顕微鏡にて細胞、組織、細菌、微生物等の生体系試料(以下、「サンプル」と称する。)を培養しながら長時間生存状態のまま観察する際、顕微鏡に取り付けてサンプルの環境温度を所望の温度に保つように加熱するために好適な加熱ステージに関する。
従来、顕微鏡観察の際、サンプルを加熱するのに用いる加熱ステージとしては、たとえば、透明ガラス板に透明導電体を配し、この透明導電膜に通電することによって、透明導電体への通電により生じる透明導電体の発熱を利用して、ガラス基板を加温するように構成したものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
このような透明導電体としては、たとえばITO(スズ添加酸化インジウム)膜が用いられており、たとえば10Ω/□程度のシート抵抗、及び80%程度の光透過率を有するものが好ましい。
しかしながら、透明導電体として上記ITO膜を用いた場合、シート抵抗が高く、加熱通電時に透明ガラス板の両端に負荷する電圧が大きくなって電界が生じる。そのため、電界発生を嫌うサンプルに悪影響を及ぼす可能性があり、サンプルを観察する場合に精密な観察が難しい状態となる虞があった。
この際、良好な導電性が得られない場合や、透過率が低下してしまう場合もあった。
また、上記透明導電体をITO膜とした場合、およそ200℃以上の高温雰囲気中における耐熱性や耐薬品性において耐性に乏しいものであった。
さらに、上記ITO膜が、透明ガラス板の一面をほぼ全域にわたって覆うように配する構成では、その端部付近に比べて中心部付近が高温となる傾向にあるため、膜面内において大きな温度分布が発生してしまう虞があった。
特開2002−250869号公報
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、加熱通電時における透過率の低下が抑制され、良好な導電性も維持することができるとともに、透明導電体への加熱通電時に発生する電界を低減させた加熱ステージを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る加熱ステージは、ガラス基材と、該ガラス基材の一方の面に配された透明導電体を備える加熱ステージにおいて、前記透明導電体は、少なくともITO(スズ添加酸化インジウム)膜によって構成され、かつ、その膜厚が400nm以上1200nm以下であることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る加熱ステージは、請求項1において、前記透明導電体は、前記ITO膜の上面にFTO(フッ素添加酸化スズ)膜を配していることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る加熱ステージは、請求項1又は2において、前記透明導電体は、中央部に未被覆領域をもち、該未被覆領域を囲むようにパターニングされていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る加熱ステージは、請求項3において、前記パターニングが、略同心円状をなすことを特徴とする。
本発明の請求項5に係る加熱ステージは、請求項3において、前記パターニングが、略らせん状をなすことを特徴とする。
本発明の請求項6に係る加熱ステージは、請求項1乃至5の何れか1項において、前記ガラス基材は、他方の面の少なくとも一部に熱伝導性の高い薄体を備えていることを特徴とする。
本発明の加熱ステージは、ガラス基材の一方の面に配された透明導電体が、少なくともITO膜によって構成され、かつ、その膜厚が400nm以上1200nm以下である。ゆえに、透明導電体の膜厚を400nm以上とすることによって良好な導電性が得られ、透明導電体のシート抵抗が低くなって、発生する電界を低減することが可能となり、一方、透明導電体の膜厚を1200nm以下とすることによって透過率の低下を抑制することが可能となる。
したがって、透明導電体として用いられているITO膜の膜厚構成を変化させることで、加熱通電時における透過率の低下が抑制され、良好な導電性も維持することができるとともに、透明導電体への加熱通電時に発生する電界を低減させた加熱ステージを提供することができる。よって、電界発生を嫌うサンプルの環境温度を所望の温度に保つように加熱する観察が可能となった。
以下、本発明の一実施形態について図面に基づき説明する。
図1は、本発明に係る加熱ステージの第一の実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の加熱ステージ1は、ガラス基材2と、透明導電体3とを備える。
ガラス基材2は、絶縁性と透明性を有するものが望ましい。このガラス基材2は、たとえば略正方形であり、一方の面を全面的に覆うように透明導電体3が配されている。
透明導電体3は、導電性ではあるが、有る程度の抵抗をもって通電により発熱する抵抗体である。この透明導電体3は、具体的には、少なくともITO(スズ添加酸化インジウム)膜によって構成され、かつ、その膜厚が400nm以上1200nm以下である構造をしている。
ITO膜は、その厚さが400nmを下回ると、良好な導電性を示しにくい傾向がある。一方、ITO膜は、その厚さが1200nmを越えると、透過率が低下しやすいとともに、導電性が劣ったものとなってしまう。したがって、ITO膜の膜厚としては、400nm以上1200nm以下の範囲が望ましい。
ITO膜の製造方法としては特に制限はされないが、膜厚を400nm以上1200nm以下とするためには、スプレー熱分解法(SPD)が望ましい。
このスプレー熱分解法は、あらかじめ成膜温度まで加熱されている基材上に、霧化器等の噴霧手段を用いて膜の原料となる溶液を噴霧することにより、基材表面に付着した液滴中の溶媒の蒸発と溶質が反応することによって結晶を形成させて成膜するものである。したがって、新たな液滴中の溶媒の蒸発と溶質及び、下部の結晶間で反応が進行することにより結晶成長が進み、このような一連の反応の繰り返しによって厚膜に成膜することができる手段である。
このスプレー熱分解法では、噴霧に好適な原料溶液として、金属無機塩の水溶液またはアルコール溶液、あるいは有機溶剤中に有機金属化合物や有機酸塩を溶解した有機溶液、あるいはこれらの溶液を混合してなる混合溶液等が用いられる。基材の温度は、出発原料や原料溶液の種類によって異なるが、250〜700℃の温度範囲に設定される。このようなスプレー熱分解法は、成膜装置が簡易で安価なため、透明導電膜を低コストで成膜するのに有効である。
そして、この透明導電体3上には、図示しないが、たとえば帯状で、銅箔によって構成される、一対の電極が設けられている。この電極は間隔をあけて、かつ互いに対向して配置されている。
このような本実施形態によれば、透明導電体として用いられているITO膜の膜厚構成を変化させることによって、良好な導電性が得られ、ITO膜の抵抗値が低くなるため、通電による電界の発生を抑えることができる共に、透過率の低下を抑制することが可能となる。したがって、低電界発生状態での加熱下、電界発生を嫌うサンプルの環境温度を所望の温度に保つようにした精密な観察が可能となった。
また、本発明の加熱ステージは、上述した第一の実施形態の構成に限定されない。以下、本発明の他の実施形態について説明する。なお、後述する実施形態においては、上記第一の実施形態と同様の構成部分については同じ符合を用い、その説明は省略することとし、特に説明しない限り同じであるものとする。
まず、透明導電体は、ITO膜とFTO(フッ素添加スズ)膜とを組み合わせた構成としても良い。図2は、本発明の加熱ステージの第二の実施形態を示す断面図である。
図2に示すように、本発明の第二の実施形態における加熱ステージ11は、ガラス基材2の一方の面を全面的に覆うようにITO膜3を配し、さらにITO膜3の上面を全面的に覆うようにFTO膜4を配した透明導電体13を備える。
FTO膜は、その厚さが30nmを下回ると、酸化を防止しにくい傾向がある。一方、FTO膜は、その厚さが300nmを越えると、結晶粒の粗大化によるヘイズの上昇した、曇りガラス状のものとなってしまう。したがって、FTO膜の膜厚としては、30nm以上300nm以下の範囲が望ましい。
その際、透明導電体13の合計膜厚は、第一の実施形態同様、400nm以上1200nm以下の範囲が好ましい。
なお、ITO膜とFTO膜の製造方法は特に制限はされないが、上記第一の実施形態と同様に、スプレー熱分解法(SPD)を用いると良い。
このような本実施形態によれば、透明導電体をITO膜単独から、ITO膜とFTO膜とを組み合わせた構成に変化させることによって、ITO膜がFTO膜によって覆われるため、FTO膜が保護膜となって、高温加熱においてのITO膜の劣化と、薬品による膜質低下を抑制することができる。したがって、およそ200℃以上の高温雰囲気中における耐熱性や耐薬品性においての耐性が向上し、膜質低下を引き起こす虞のない透明導電体を備える加熱ステージを提供することができる。
また、透明導電体は、パターニングした構成としても良い。
パターニングとしては、たとえば略同心円状をなすように構成したものや、略らせん状をなすように構成したものがある。
図3乃至図5は、透明導電体が略同心円状をなすようにパターニングされた本発明の加熱ステージの第三の実施形態を示す図であり、図6及び図7は、透明導電体が略らせん状をなすようにパターニングされた本発明の加熱ステージの第四の実施形態を示す図である。以下、これらを順に説明する。
図3は、本発明の第三の実施形態を示す加熱ステージの平面図、図4は、図3に示すI−I線に沿う断面図、図5は、図3に示すII−II線に沿う断面図である。
図3乃至図5に示すように、本発明の第三の実施形態における加熱ステージ21は、ガラス基材2の一方の面に透明導電体としてのITO膜23が配されたものであって、該ITO膜23は、中央部に未被覆領域αをもち、該未被覆領域αを囲むように略同心円状にパターニングされている。
図示例の透明導電体23は、未被覆領域αを囲むように、内側から順に被覆幅が大きくなる、異なる略環状をした三つのITO膜23A,23B,23Cを備える。また、内側のITO膜23Aと真ん中のITO膜23Bの間を架橋するように第一の連絡用ITO膜23aが形成されると共に、真ん中のITO膜23Bと外側の23Cの間を架橋するように第二の連絡用ITO膜23bが形成されている。
また、この第一の連絡用ITO膜23aと第二の連絡用ITO膜23bは、対向して配置された図示しない一対の電極の間に略一直線状に並んで配され、第一の連絡用ITO膜23aは対向する2箇所に、第二の連絡用ITO膜23bは1箇所に、それぞれ配されたものとなっている。
透明導電体のパターニングの方法としては、たとえば化学エッチング(湿式)法を挙げることができる。
また、図6は、本発明の第四の実施形態を示す加熱ステージの平面図、図7は、図6に示すIII−III線に沿う断面図である。
図6及び図7に示すように、本発明の第四の実施形態における加熱ステージ31は、ガラス基材2の一方の面に透明導電体としてのITO膜33が配されたものであって、該ITO膜33は、中央部に未被覆領域βをもち、該未被覆領域βを囲むように略らせん状にパターニングされている。
図示例の透明導電体33は、未被覆領域βを囲むように、二つのらせん状のITO膜33A,33Bを備え、両者が未被覆領域β側で連絡するように形成されている。
その際、透明導電体33の合計膜厚は、第一の実施形態同様、400nm以上1200nm以下の範囲が好ましい。
このような本実施形態によれば、透明導電体をパターニングした構成に変化させることによって、中央部のみ温度が上昇するのを防止することができる。したがって、温度ムラ無く、観察に使用されるガラス基板をほぼ均一な温度に加温し、サンプル付近の温度の均一性を図る加熱ステージを提供することができる。
なお、図示例した第三の実施形態及び第四の実施形態における透明導電体は、何れもITO膜だけから構成されたものとなっているが、これに限らず、第二の実施形態同様、ITO膜とFTO膜とを組み合わせた構成としても良い。
また、本発明の加熱ステージは、透明導電体と共に、熱伝導性の高い薄体を備えた構成としても良い。
図8に示すように、本発明の第五の実施形態における加熱ステージ41は、ガラス基材2の一方の面を全面的に覆うようにITO膜3と、ITO膜3の上面を全面的に覆うようにFTO膜4を配した透明導電体13を備え、さらに前記ガラス基材2の他方の面の少なくとも一部に熱伝導性の高い薄体(以下、「良熱導電性薄体」という。)5が配されている。
良熱導電性薄体5としては、たとえば圧延などにより薄肉化された箔体や、各種の成膜法により形成された被膜などが挙げられる。
良熱導電性薄体5を金属とした場合には、その厚さが5nmを下回ると、熱の面方向の広がりが遅くなり、一方、その厚さが30nmを越えると、透過率が低下したものとなってしまう。したがって、金属の場合には、薄体5の厚さは、5nm以上30nm以下の範囲が望ましい。また、良熱導電性薄体5を透明酸化物とした場合には、その好適な厚さは材料により異なる。透明酸化物として、ITOを用いた際には50nm以上500nm以下の範囲が、FTOを用いた際には80nm以上400nm以下の範囲が、ZnOを用いた際には80nm以上400nm以下の範囲が、それぞれ好ましい。
このような本実施形態によれば、透明導電体と共に熱伝導性の高い薄体を供えた構成に変化させることによって、熱伝導性に優れたものなり、面名の温度の均一性の向上を図ることができる。したがって、より一層サンプル付近の温度の均一性が図られた加熱ステージを提供することができる。
なお、図示例した第五の実施形態における加熱ステージは、ITO膜とFTO膜とを組み合わせた構成の透明導電体が配されたものとなっているが、これに限らず、第一の実施形態同様、膜厚が、400nm以上1200nm以下のITO膜だけから構成されたものとしても良い。
(実施例1)
本例では、ガラス基材上に配されるITO膜の膜厚構成を変化させることによって、ITO膜のシート抵抗値が低くなり、通電による電界の発生を抑えることができることを確認するため、ガラス基材の一面に膜厚を変えてITO膜を配し、評価を行なった。この評価としては、100mm×100mm角、厚さ1.1mmのガラス基材の一方の面に、ITO膜をそれぞれ、200、400、800、1200、1600nmの膜厚に配した加熱ステージを作製し、これらに電通したときのシート抵抗、電界強度、及び透過率をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
Figure 2007212633
表1から、以下の点が明らかとなった。
(a1)膜厚が200nmの場合、透過率(86%)、シート抵抗(9.0Ω/□)、および電界強度(900mV)が全て高い数値となる。
(a2)膜厚が1600nmの場合は、透過率が76%となる。
(a3)膜厚が400nm以上の場合は、シート抵抗が3Ω/□以内の低抵抗化が図れ、通電による電界の発生も、膜厚が200nmの場合と比べて1/3以下に抑制できる。
(a4)膜厚が400乃至1200nmの場合は、80%以上の高い透過率が得られる。
したがって、ガラス基材の一面に配されるITO膜の膜厚を、400nm以上1200nm以下の範囲とすることにより、透過率や導電性が良好で、透明導電体への加熱通電時に発生する電界を低減させた、望ましい加熱ステージが得られることが確認された。ゆえに、本発明は、電界発生を嫌うサンプルの環境温度を所望の温度に保つように加熱する観察が可能な加熱ステージをもたらす。
(実施例2)
本例では、透明導電体をITO膜とFTO膜とを組み合わせた構成とすることによって、透明導電体の高温による膜質低下を抑制することができることを確認するため、ガラス基材の一面にITO膜とFTO膜を共に配し、温度を変えて評価を行なった。この評価としては、100mm×100mm角、厚さ1.1mmのガラス基材の一方の面に、厚さが800nmのITO膜と厚さが80nmのFTO膜とを順に配した加熱ステージを作製し、これに電通したときのシート抵抗を測定した。この測定は、透明導電体の温度をそれぞれ、300、350、400、450、500、600℃まで加熱した状態で行った。その結果を表2に示す。
また、比較例1として、FTO膜を設けずに、ITO膜だけを厚さ800nm配した加熱ステージを作製し、同様に、これに電通して透明導電体の温度をそれぞれ、300、350、400、450、500℃まで加熱したときのシート抵抗値をそれぞれ測定した。その結果を表2に併せて示す。
Figure 2007212633
表2から、以下の点が明らかとなった。
(b1)ITO膜だけ配した場合(比較例1)は、300℃以上の加熱によりシート抵抗が2.0Ω/□以上に増加傾向を示す。特に、400℃以上では、初期値(1.5Ω/□)の4倍を越える数値(7.0Ω/□)まで急増してしまう。
(b2)これに対して、ITO膜上にFTO膜を配した場合(実施例2)は、検討した加熱温度の範囲(300〜600℃)内において、シート抵抗の増加は確認されず、初期値(1.5Ω/□)が保持された。
したがって、ガラス基材の一面に配される透明導電体として、ITO膜とFTO膜を順に配した構成を採用することにより、耐熱性も向上し、一層望ましい加熱ステージが得られることが分かった。
(実施例3)
本例では、透明導電体をパターニングした構成とすることによって、透明導電体が全体的にほぼ均一な温度に加温できることを確認するため、ガラス基材の一面にITO膜を配し、さらにITO膜にパターニングを施して評価を行なった。この評価としては、100mm×100mm角、厚さ1.1mmのガラス基材の一方の面に、厚さが800nmのITO膜を配し、図3乃至図5に示すように、さらにこのITO膜を略同心円状をなすようにパターニングして加熱ステージを作製した。そして、このパターニングされたITO膜に電通して、図4に矢印で示すA、B、C、D、Eの各領域における温度をそれぞれ測定した。その結果を表3と図9に示した。
また、比較例2として、透明導電体であるITO膜にパターニングを施さない、図1に示す構成の加熱ステージを作製し、同様に、図1に矢印で示した、A、B、C、D、Eの各領域における温度をそれぞれ測定した。この結果も表3と図9に併せて示す。
Figure 2007212633
表3から、ITO膜にパターニングを施さないと、加熱ステージの中心部である領域Cと、端部である領域A及びEとでは、大きな温度差があるものとなってしまったが、ITO膜にパターニングを施すことにより、加熱ステージの中心部である領域Cと、端部である領域A及びEとの温度差が小さくなり、ほぼ均一な温度に加温されたことが分かる。
したがって、ガラス基材の一面にされるITO膜にパターニングを施すことにより、より望ましい加熱ステージが得られる。
(実施例4)
さらに、ガラス基材上に配される透明導電体と共に、熱伝導性の高い薄体を供えた構成とすることによって、透明導電体が全体的により均一な温度に加温できることを確認するため、ガラス基材の一方の面にITO膜を配し、さらに他方の面に熱伝導性の高い薄体を配して評価を行なった。この評価としては、100mm×100mm角、厚さ1.1mmのガラス基材の一方の面に、厚さが800nmのITO膜と厚さが80nmのFTO膜とを順に配するとともに、さらにガラス基材の他方の面に、熱伝導性の高い薄体として厚さが8nmのAgを配した加熱ステージを作製した。そして、このようにガラス基材を挟むように配置された透明導電体と薄体にそれぞれ電通して、図8に矢印で示すA、B、C、D、Eの各領域における温度をそれぞれ測定した。その結果を表4と図9に示す。
また、比較のために、上述した実施例3の結果も表4と図9に併せて掲載した。
Figure 2007212633
表4から、実施例3に比べて、ガラス基材の他方の面に熱伝導性の高い薄体を配する構成(実施例4)により、加熱ステージはさらに均一な温度に加温できることが明らかとなった。
ゆえに、ガラス基材の一方の面に透明導電体を配すと共に、他方の面に熱伝導性の高い薄体を配する構成は、さらに望ましい加熱ステージが得られる。
本発明は、顕微鏡観察用の加熱ステージとして適用できる。
本発明に係る加熱ステージの第一の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る加熱ステージの第二の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る加熱ステージの第三の実施形態を示す平面図である。 図3に示すI−I線に沿う断面図である。 図3に示すII−II線に沿う断面図である。 本発明に係る加熱ステージの第四の実施形態を示す平面図である。 図6に示すIII−III線に沿う断面図である。 本発明に係る加熱ステージの第五の実施形態を示す平面図である。 本発明に係る加熱ステージにおける各領域と加熱温度との関係を示す図である。
符号の説明
1、11、21、31、41、51 加熱ステージ、2 ガラス基材、3、13、23、33 透明導電体(ITO膜)、4 透明導電体(FTO膜)、5 良熱導電性薄体。

Claims (6)

  1. ガラス基材と、該ガラス基材の一方の面に配された透明導電体を備える加熱ステージにおいて、
    前記透明導電体は、少なくともITO膜によって構成され、かつ、その膜厚が400nm以上1200nm以下であることを特徴とする加熱ステージ。
  2. 前記透明導電体は、前記ITO膜の上面にFTO膜を配していることを特徴とする請求項1に記載の加熱ステージ。
  3. 前記透明導電体は、中央部に未被覆領域をもち、該未被覆領域を囲むようにパターニングされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱ステージ。
  4. 前記パターニングが、略同心円状をなすことを特徴とする請求項3に記載の加熱ステージ。
  5. 前記パターニングが、略らせん状をなすことを特徴とする請求項3に記載の加熱ステージ。
  6. 前記ガラス基材は、他方の面の少なくとも一部に熱伝導性の高い薄体を備えていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の加熱ステージ。
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