JP2007212354A - 時計の針位置検出装置及びこれを備えた時計 - Google Patents

時計の針位置検出装置及びこれを備えた時計 Download PDF

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Abstract

【課題】 時計の薄型化を図ることを可能にする時計の針位置検出装置及びこれを備えた時計を提供すること
【解決手段】 時表示指針A10,A20,A30が所定の回転位置PZ10,PZ20,PZ30にあることを検出する時計1の針位置検出装置では、時表示指針A10,A20,A30又は該時表示指針A10,A20,A30が前記所定の回転位置P10,P20,PZ30に達した際該時表示指針A10,A20,A30が対面する特定位置P10,P20,P30の部分のうちのいずれか一方が、磁性材料からなり、他方が磁気センサS10,S20,S30を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、アナログ表示式の時計に係り、より詳しくは該時計の針位置検出装置に係る。
なお、この明細書において、時計は、時の経過を表示するものであって、現在時刻を表示する通常の時計だけでなく、ストップウオッチ(クロノグラフ)の如く時の経過を示すものも含む。従って、この明細書において、「時表示指針」は、例えば、時針や分針や秒針のような(現在)時刻表示針(典型的には、秒表示針、分表示針、時表示針)ないし(現在)時刻表示指針(典型的には、秒表示指針、分表示指針、時表示指針)だけでなく、クロノグラフ時針やクロノグラフ分針やクロノグラフ秒針の如く時の経過を表す指針等を含む。
アナログ表示のクロノグラフにおいて、時の経過を新たに図る場合、指針を一旦初期位置に戻す。アナログ式電波時計(電波修正時計)においても、該時計の時刻修正等に際して、時表示指針の位置を一旦初期位置に戻し、該初期位置から当該修正時刻に対応する位置に回すタイプのものは周知である。いずれの場合も、時表示指針をハートカム等で機械的に強制的に初期位置に戻す場合を除き、時表示指針が初期位置に達したことを検出することが不可欠である。
時表示指針の回転位置を検出するには、通常は、該時表示指針を回転させる輪列の回転位置を検出する。このためには、針位置検出装置は、実際上全て、ムーブメントが収容された時計ケース内で文字板の背後に配置される。その結果、時計は必然的に厚くなる。
輪列の回転位置の検出には、典型的には、輪列の回転位置を検出する電気機械的なスイッチ機構を用いる(特許文献1)。これらのスイッチ機構は、必然的に、ケース内において、文字板と裏蓋との間に配置されるもので、相当のスペースを占有する。
なお、輪列の回転位置の検出に発光器や受光器を輪列と組合わせて配置することも提案されている(例えば、特許文献2)。これらの発光器や受光器を備えた光学的な検出系は、典型的には、外光を嫌うものであり、ケース内において、文字板と裏蓋との間に配置されることになり、且つ光路を確保する必要があることから、当該領域内に相当のスペースを占有する。
なお、磁場の強さを検出する磁気センサとしてアモルファス軟磁性材料線を用いたMI(磁気インピーダンス)センサは知られている(例えば、特許文献3)。また、これを集積回路に組込み得るようにすることも提案されている(例えば、特許文献4)。また、薄膜型のMIセンサも提案されている(例えば、特許文献5や特許文献6)。
特開平9−197064号公報 特開2004−184405号公報 特開平7−181239号公報 特開2005−227297号公報 特開平8−75835号公報 特開2004−333217号公報
本発明は、前記諸点に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、時計の薄型化を図ることを可能にする時計の針位置検出装置及びこれを備えた時計を提供することにある。
本発明の時計の針位置検出装置は、前記目的を達成すべく、時表示指針が所定の回転位置にあることを検出する時計の針位置検出装置であって、前記時表示指針又は該時表示指針が前記所定の回転位置に達した際該時表示指針が対面する特定位置部分のうちのいずれか一方が、磁性材料からなり、他方が磁気センサを備える。
本発明の針位置検出装置では、「時表示指針又は該時表示指針が所定の回転位置に達した際該時表示指針が対面する特定位置部分のうちのいずれか一方が、磁性材料からなり、他方が磁気センサを備える」ので、該時表示指針が前記特定位置部分に対面する回転位置に達した際、磁気センサが該時表示指針の前記特定位置部分への対面を検出し得る。特に、本発明の針位置検出装置では、時計の回転位置の検出に際して、一方の部材が時表示指針自体からなるので、文字板と時計ガラスとの間の空間を針位置検出に利用し得るから、針位置検出装置に関連する部品による時計の文字板と裏蓋との間の領域の占有が最低限に抑えられ得る。従って、本発明の時計の針位置検出装置では、時計の厚さを最低限に抑え得る。
磁気センサと磁性材料との相対位置に関して、「対面」とは、磁気センサが磁性材料の所定位置への到達ないし近接を選択的に検出し得るような相対位置関係をいい、典型的には、一方を通る磁束の磁路の抵抗が他方の存在により極小になるように両者が位置する相対位置関係を採ることをいう。ここで、磁性材料は、典型的には、永久磁石の形態の硬磁性材料(磁気的に硬い広義の強磁性材料)すなわち永久磁石材料からなり(但し、軟磁性材料に励磁手段が並設される場合又は磁気センサが軟磁性材料の近接を検出し得る場合には、磁性材料は、永久磁石の形態の硬磁性材料の代わりに、軟磁性材料であってもよい)、「対面」状態では、該永久磁石により生成される磁場が極大になるように磁気センサに作用するような相対位置関係とる。
また、本発明の時計の針位置検出装置において、「時表示指針」や「特定部分」が「磁性材料からなる」とは、典型的には、「その全体が磁性材料でできている」ことをいうけれども、その代わりに、「その一部が当該磁性材料でできていて他の部分は異なる材料でできていてもよい」。
本発明の時計の針位置検出装置において、磁気センサは、典型的には、MI(磁気インピーダンス)センサ、MR(磁気抵抗効果)センサ又はGMR(巨大磁気抵抗効果)素子からなる。MIセンサは、典型的には、薄膜状であるけれども、代わりに、細線状でもよい。磁気抵抗を利用するセンサは、通常のMRセンサでも、GMRセンサでもよく、TMRセンサ等でもよい。サイズが小さく高感度で且つ指向性が高く、更に、好ましくは電力消費が少ないものであれば他の種類の磁気センサでもよい。
本発明の時計の針位置検出装置において、時表示指針が磁気センサを備え、該時表示指針が所定の回転位置に達した際該時表示指針が対面する特定位置部分が硬磁性材料からなっていてもよいけれども、典型的には、時表示指針が硬磁性材料からなり、前記特定位置部分が磁気センサを備える。
本発明の時計の針位置検出装置において、硬磁性材料からなる時表示指針は、分針や時針であってもよい(三針のアナログ時計の場合)けれども、典型的には、秒針である。勿論、秒針に加えて、分針及び時針のうちの一方又は両方が硬磁性材料であってもよい。その場合、典型的には、典型的には、分針及び時針のうちの一方又は両方が夫々の所定位置に達したことを検出するための磁気センサが夫々の特定部分に設けられる。すなわち、本発明の時計の針位置検出装置において、硬磁性材料からなる時表示指針が、複数あり、磁性材料製の各時表示指針の回転位置を検出する磁気センサを別々に備えていてもよい。なお、同心状に配置された複数の時表示指針が硬磁性材料からなる場合であっても、磁気センサが一つだけであってもよい。その場合、例えば、複数の時表示指針が所定位置において実際上重なった際に限り、磁気センサによりその状態が検出されるようにしてもよい。
なお、時計がクロノグラフ(専用時計)である場合、本発明の時計の針位置検出装置において、硬磁性材料からなる時表示指針は、「クロノグラフ秒針」や「クロノグラフ分針」や「クロノグラフ時針」からなる。
本発明の時計の針位置検出装置において、少なくとも一つの時表示指針の複数種類の回転位置を検出すべく夫々の回転位置に対応する磁気センサが配置されていてもよい。その場合、当該時表示指針の回転状態を逐次又は所望のタイミングで検出し得、所望ならば、強制的な時刻修正や時差修正を直接的に行い得る。
本発明の時計の針位置検出装置において、典型的には、磁気センサが、文字板に又は該文字板の背後において該文字板に対面する位置に設けられる。
磁気センサが、文字板の背後において該文字板に対面する位置に設けられる場合、典型的には、文字板が非磁性材料からなり、磁気センサが該文字板の背後において該文字板に対面する位置に設けられる。
この場合、磁気センサと時表示指針との距離は多少大きくなるけれども、文字板を最大限装飾可能であるから、高級感や美観を最大限に高めることが可能になる。文字板の背後に配設される磁気センサは、文字板の背面自体が該センサの基板になるような状態で該センサ基板に実装されてもよいけれども、典型的には、文字板の背後において該文字板に近接したところに配設されたセンサ基板に実装される。センサ基板は、主基板の一部であってもよいけれども、典型的には、センサの実装された基板の更に背後にコネクタゴムの如きコネクタを兼ねたスペーサを介して主基板が配置される。
一方、文字板に磁気センサが設けられる場合、時表示指針に近接した状態で且つ実際上余分のスペースを占有させることなく、時表示指針及び文字板を利用して、針位置検出装置を形成し得る。
本発明の時計の針位置検出装置において、文字板が該文字板の延在方向に相互に間隔をおいて配置された複数の太陽電池(パネル)を含み、該太陽電池(パネル)間の隙間に又は該隙間に対面する位置に磁気センサが配置されもよい。
この場合、典型的には、磁気センサは、典型的には太陽電池間の隙間において文字板に設けられるけれども、所望ならば、該太陽電池間の隙間に対面する位置において文字板の背後に磁気センサが設けられてもよい。
本発明の時計の針位置検出装置において、複数の磁気センサが一列に配置されていても、複数の磁気センサが相互に直交する二方向に沿って配置されていてもよい。
本発明において、以上のような針位置検出装置を備える時計は、典型的には、三針式のアナログ時計からなるけれども、所望ならば、クロノグラフ時計等他のものでもよく、また、典型的には、長波の形態の標準電波の時刻情報に応じて時刻修正され得る電波時計(電波修正時計)からなるけれども、他の種類の時計であってもよい。
本発明の好ましい実施の形態のいくつかを添付図面に示した好ましい実施例に基づいて説明する。
図1及び図2に示したように、時計1は、文字板10と、時表示指針としての秒指針A10、分指針A20及び時指針A30を備え、文字板10には、磁気センサS10,S20,S30が取付けられている。ここで、針位置検出装置5は、指針A10,A20,A30と該指針A10,A20,A30が正12時の位置にあることを検出する磁気センサS10,S20,S30とからなる。
より詳しくは、図1に示したように、文字板10の12時の方向において、秒指針A10が00秒の位置(所定の初期位置ないし帰零位置)PZ10に達した際に該秒指針A10が対面する特定位置P10に磁気センサS10が取付けられ、分指針A20が00分の位置(所定の初期位置ないし帰零位置)PZ20に達した際に該分指針A20に対面すると特定位置P20に磁気センサS20が取付けられ、時指針A30が12時(0時)の位置(所定の初期位置ないし帰零位置)PZ30に達した際に該時指針A30に対面する特定位置P30に磁気センサS30が取付けられている。
図1及び図2では、説明の簡明化を考慮して、文字板10の表面11側に露出するように、磁気センサS10,S20,S30(相互に区別しないとき又は総称するときは符号Sで表す)が取付けられている例について説明するけれども、アナログ式時計1の高級感を維持するためには、図3の一部拡大断面図で示したように、磁気センサSは、文字板10の背面12側に配置される。文字板10は、非磁性材料からなり、典型的には、その全て又は主たる部分が非磁性金属からなる。
より詳しくは、図3からわかるように、磁気センサSは、文字板10の背面12側において、該背面12に近接して配置されたセンサ基板K10に実装されている。センサ基板K10は、弾性支持用スペーサとしても働く導電性ゴム製のコネクタ21,21を介して主基板K20に結合されている。センサ基板K10は、例えば、文字板10側の表面K11と主基板K20側の表面(背面)K12との間を貫通し導電処理されたスルーホールK13,K14や各スルーホールK13,K14につながった導電性パターンK15,K16を含む配線パターンK17を備える。
センサ基板K10の表面K11側には、磁気センサSが、その端子部ST,STにおいてスルーホールK13,K14の導電部につながるように、実装されている。磁気センサSの端子部ST,STにつながったセンサ基板K10の導電性パターンK15,K16は、導電性ゴム製のコネクタ21,21を介して主基板K20の表面K21側にある配線パターン(図示せず)の所望の部分につながっている。
以上において、図3は、特に厚さ方向に大きく拡大して示したもので、センサ基板K10や主基板K20は、典型的には、フレキシブル基板又はそれと同程度の厚さのもので、典型的には、0.1mm又はそれ以下の程度で、文字板10も1mm程度又はそれよりも十分に薄い程度である。従って、文字板10の表面11から磁気センサSまでの厚さ方向Zの距離は、高々1mm程度である。但し、時表示指針A10,A20,A30(相互に区別しないとき又は総称するときは符号Aで表す)が該センサSに対面する所定回転位置にあることを正確に検出・特定し得る限り、場合によっては、この距離が、より大きくてもよい。
磁気センサSは、典型的には、薄膜型のMIセンサからなる。但し、電力消費が最低限に抑えられ且つ時表示指針Aが所定回転位置にあることを高感度に検出し得る限り、所望ならば、磁気センサSは、線状のMIセンサであっても、広義のMRセンサ(狭義のMRセンサ又はGMRセンサ)であってもよく、場合によっては、他の種類の磁気センサであってもよい。
この場合、時表示指針Aの少なくとも一部は、硬磁性材料製の永久磁石AMからなる。但し、磁気センサS10,S20,S30が、該センサS10,S20,S30の長手方向にバイアス磁場をかける永久磁石層又は電流付与層の如きバイアス磁場生成手段を含む場合、該バイアス磁場によって対面位置に達した指針A10,A20,A30が磁化されるならば、該指針A10,A20,A30は永久磁石の形態の硬磁性材料の代わりに軟磁性材料でできていてもよい。
時表示指針Aが永久磁石AMからなる場合、該永久磁石AMが所定回転位置Pである12時の位置(分指針A20の場合には00分の位置、秒指針A10の場合には00秒の位置)に達すると、12時の方向と平行な向きの最大の磁場を対応する磁気センサSのところに生成し、該時表示指針Aの所定回転位置Pへの到達が磁気センサAにより検出される。
より詳しくは、永久磁石AM10からなる秒指針A10が00秒(正0秒)の位置に達すると、該秒指針A10の永久磁石AM10が、秒指針用磁気センサS10のところに、12時の方向と平行な向きに細長い該センサS10の最大感度方向に最大の磁場を生成する。このとき、該秒指針A10の永久磁石AM10は、00秒の回転位置で且つ秒指針A10の先端部A11とほぼ重なる半径方向位置にある。永久磁石AM10と秒指針用磁気センサS10との厚さ方向Zの距離は、典型的には、2〜3mm程度又はそれ以下である。該距離を考慮して、永久磁石AM10の端部の位置を規定する秒指針A10の先端部A11の位置は、図1及び図2において、実線で示したように、対応するセンサS10の半径方向外側端部の位置よりも半径方向内側でも、想像線で示したように、対応するセンサS10の半径方向外側端部の位置よりも半径方向外側でも、その中間すなわち半径方向にみて丁度同じ位置であってもよい。なお、秒指針A10の全体が永久磁石を含む磁性材料からなる代わりに、その一部のみが永久磁石を含む磁性材料からなり他の部分が非磁性材料からなる場合、以上の説明は、当該磁性材料部分について該当する。
分指針A20についても基本的には秒指針A10と同様である。すなわち、永久磁石AM20からなる分指針A20が00分(正0分)の位置に達すると、該分指針A20の永久磁石AM20が、分指針用磁気センサS20のところに、12時の方向と平行な向きに細長い分指針用磁気センサS20のの最大感度方向に最大の磁場を生成する。このとき、該分指針A20の永久磁石AM20は、00分の回転位置で且つ分指針A20の先端部A21とほぼ重なる半径方向位置にある。永久磁石AM20と分指針用磁気センサS20との厚さ方向Zの距離は、永久磁石AM10と秒指針用磁気センサS10との厚さ方向Zの距離よりも小さい。分指針A20の永久磁石AM20の場合も、永久磁石AM20の端部の位置を規定する分指針A20の先端部A21の位置は、図1及び図2において、実線で示したように、対応するセンサS20の半径方向外側端部の位置よりも半径方向内側でも、想像線で示したように、対応するセンサS20の半径方向外側端部の位置よりも半径方向外側でも、その中間すなわち半径方向にみて丁度同じ位置であってもよい。なお、分指針A20の全体が永久磁石を含む磁性材料からなる代わりに、その一部のみが永久磁石を含む磁性材料からなり他の部分が非磁性材料からなる場合、以上の説明は、当該磁性材料部分について該当する。分指針A20が秒指針A10と同様に半径方向外向き又は半径方向内向きに磁化しているとすると分指針A20の先端A21が秒指針用磁気センサS10のところに逆向きの磁場を生成するので、該磁場が過度に大きくなるのを避けるべく、分指針A20の先端A21が秒指針用磁気センサS10の半径方向内側端部S12から十分に離れて位置するように、秒指針用磁気センサS10は、過度に長くならないように形成される。なお、所望ならば、分指針A20の永久磁石AM20が秒指針用磁気センサS10のところに生成する磁場の向きと秒指針A10の永久磁石AM10が秒指針用磁気センサS10のところに生成する磁場の向きとが同じ向きになるように、分指針A20が秒指針A10とは逆向きに磁化した永久磁石からなっていてもよい。ここで、秒指針用永久磁石AM10が分指針用磁気センサS20のところに生成する磁場は比較的小さいので、その影響は無視し得ると想定している。
時指針A30については分指針A20について説明したことがそのまま当てはまる。すなわち、永久磁石AM30からなる時指針A30が12時(正12時)の位置に達すると、該時指針A30の永久磁石AM30が、時指針用磁気センサS30のところに、12時の方向と平行な向きに細長い時指針用磁気センサS30の最大感度方向に最大の磁場を生成する。このとき、該時指針A30の永久磁石AM30は、12時の回転位置で且つ時指針A30の先端部A31とほぼ重なる半径方向位置をとる。永久磁石AM30と時指針用磁気センサS30との厚さ方向Zの距離は、永久磁石AM20と分指針用磁気センサS20との厚さ方向Zの距離よりも更に小さい。時指針A30の永久磁石AM30の場合も、永久磁石AM30の端部の位置を規定する時指針A30の先端部31の位置は、図1及び図2において、実線で示したように、対応するセンサS30の半径方向外側端部の位置よりも半径方向内側でも、想像線で示したように、対応するセンサS30の半径方向外側端部の位置よりも半径方向外側でも、その中間すなわち半径方向にみて丁度同じ位置であってもよい。なお、時指針A30の全体が永久磁石を含む磁性材料からなる代わりに、その一部のみが永久磁石を含む磁性材料からなり他の部分が非磁性材料からなる場合、以上の説明は、当該磁性材料部分について該当する。時指針A30が分指針A20と同様に半径方向外向き又は半径方向内向きに磁化しているとすると時指針A30の先端A31が分指針用磁気センサS20のところに逆向きの磁場を生成するので、該磁場が過度に大きくなるのを避けるべく、時指針A30の先端A31が分指針用磁気センサS20の半径方向内側端部S22から十分に離れて位置するように、分指針用磁気センサS20は、過度に長くならないように形成される。なお、所望ならば、時指針A30の永久磁石AM30が分指針用磁気センサS20のところに生成する磁場の向きと分指針A20の永久磁石AM20が分指針用磁気センサS20のところに生成する磁場の向きとが同じ向きになるように、時指針A30が分指針A20とは逆向きに磁化した永久磁石からなっていてもよい。ここで、分指針用永久磁石AM20が時指針用磁気センサS30のところに生成する磁場は、比較的小さいので、その影響は無視し得ると想定している。
この時計1の針位置検出装置5では、時表示指針A10,A20,A30が永久磁石の形態の磁性材料AM10,AM20,AM30からなり、該時表示指針A10,A20,A30が所定の回転位置PZ10,PZ20,PZ30に達した際該時表示指針A10,A20,A30が対面する特定位置P10,P20,P30の部分が磁気センサS10,S20,S30を備えるので、該時表示指針A10,A20,A30が前記特定位置P10,P20,P30の部分に対面する回転位置PZ10,PZ20,PZ30に達した際、磁気センサS10,S20,S30が該時表示指針A10,A20,A30の特定位置P10,P20,P30部分への対面を検出し得る。特に、この時計1の本発明の針位置検出装置5では、時計1の回転位置の検出に際して、時表示指針A10,A20,A30自体が永久磁石の形態の磁性材料AM10,AM20,AM30からなるので、文字板10と文字板10の前面側に位置する時計ガラス(図示せず)との間の空間を針位置検出に利用し得るから、針位置検出装置5に関連する部品による時計1の文字板10と裏蓋(図示せず)との間の領域の占有が最低限に抑えられ得る。従って、この時計1の針位置検出装置5では、時計1の厚さを最低限に抑え得る。
なお、以上のような秒指針A10や分指針A20や時指針A30の重なり合いがある場合と該重なり合いがない場合とで対応する磁気センサS10やS20のところに生成される磁場の大きさに差異があることを利用して、00秒が00分00秒であるか否かを秒指針用磁気センサS10で検出したり、00分が12時(0時)00分であるか否かを分指針用磁気センサS20で検出するようにしてもよい。
以上においては、秒指針A10,分指針A20及び時指針A30の全体を同時に12時の位置に帰零させることを想定しているけれども、時表示指針A10,A20,A30を別々に回転させて順々に帰零させ得るような場合には、夫々の磁気センサS10,S20,S30による時表示指針A10,A20,A30の検出を順々に行い得るので、磁場の相互干渉は無視され得る。
なお、時表示指針A10,A20,A30は、半径方向に細長いので、磁気的に長手方向に形状異方性(形状依存の磁化容易軸)を有することになるから、少なくとも一部が指針A10,A20,A30の延在方向に細長い永久磁石からなり隣接部分が指針A10,A20,A30の延在方向に細長い軟磁性材料からなる場合でも、該軟磁性材料部分の磁化が効率的に行われ得、時表示指針A10,A20,A30の形状がそのまま磁化に効果的に利用され得る。
また、各時表示指針A10,A20,A30が対応する磁気センサS10,S20,S30に対して丁度重なり合うような半径方向位置関係にする代わりに、各時表示指針A10,A20,A30の先端A11,A21,A31が、対応する磁気センサS10,S20,S30の半径方向内側端部にS12,S22,S32に対してほぼ向き合うような半径方向位置関係に、各時表示指針A10,A20,A30及び対応する磁気センサS10,S20,S30を配置してもよい。
なお、時表示指針A10,A20,A30が永久磁石部分AM10,AM20,AM30を含む場合、永久磁石は典型的には、時表示指針A10,A20,A30の長手方向に磁化されるけれども、前述のような他のセンサとの干渉を最低限に抑えるべく、厚さ方向に対して斜め方向に磁化させておいてもよい。特に、磁気センサが厚さ方向Z向きの磁場を検出するように構成ないし形成される場合には、時表示指針A10,A20,A30の先端A11,A21,A31が対応する磁気センサS10,S20,S30の中間部に位置するように先端部A11,A21,A31を対応する磁気センサS10,S20,S30の表面に直接的に又は図3に示したように非磁性文字板10を介して対面する位置に配置してもよい。
時計1は、駆動モータMと、指針回路CAと、センサ回路CSとを備える。
駆動モータMは、秒指針駆動モータM10と、分指針駆動モータM20と、時指針駆動モータM30とからなる。秒指針駆動モータM10のロータ軸(出力軸)は秒指針用輪列の如き秒指針回転伝達機構(図示せず)を介して秒指針A10の回転軸A15(図2)に結合され、分指針駆動モータM20のロータ軸は分指針用輪列の如き分指針回転伝達機構(図示せず)を介して分指針A20の回転軸A25(図2)に結合され、時指針駆動モータM30のロータ軸は時指針用輪列の如き時指針回転伝達機構(図示せず)を介して時指針A30の回転軸A35(図2)に結合されている。
時間計測の際には、秒指針駆動モータM10,分指針駆動モータM20及び時指針駆動モータM30の夫々に、駆動信号が与えられて、秒指針A10,分指針A20及び時指針A30を回転させる。なお、各駆動モータM10,M20,M30への駆動信号の送信のタイミングは、例えば、指針回路CAによって制御される。
指針回路CAは、例えば、秒指針用指針回路CA10と、分指針用指針回路CA20と、時指針用指針回路CA30とを有する。秒指針用指針回路CAはクロックパルス発生器Qからの秒パルスQP10の数をカウントする秒カウンタCA11を備える。秒カウンタCA11は、リセットパルスRPで零にリセット可能であり、且つ60カウント毎に分パルスQP20を出力すると共に零にリセットされる。分指針用指針回路CA20は、分パルスQP20の数をカウントする分カウンタCA21を備える。分カウンタCA21は、リセットパルスRPで零にリセット可能であり、且つ60カウント毎に時パルスQP30を出力すると共に零にリセットされる。時指針用指針回路CA30は、時パルスQP30の数をカウントする分カウンタCA31を備える。時カウンタCA31は、リセットパルスRPで零にリセット可能であり、且つ12カウント毎に零にリセットされる。従って、秒指針駆動モータM10,分指針駆動モータM20及び時指針駆動モータM30は、夫々、秒パルスQP10,分パルスQP20及び時パルスQP30に従って回転駆動される。なお、時指針A30の回転をよりなめらかに行わせるために所望の手段を設けておいてもよい。例えば、時カウンタCA31と分カウンタCA21との間に、分パルスQP20を12個カウントする毎にパルス信号を出力すると共に零にリセットされる中間カウンタを設け、該中間カウンタからのパルス信号に応じて時指針駆動モータM30の回転駆動を制御し、時指針の回転を制御するようにしておいてもよい。
リセット動作の際には、リセットボタンRBの押圧に伴う帰零指示信号RDに応じて、クロックパルス発生器Qは、パルス間隔の短い高速パルスをリセットモードないし帰零モード用の擬似クロックパルスQH10として発生する。この擬似クロックパルスQH10は、水晶発振器の如き発振器からのパルス信号が分周回路の一部又は全部を迂回して与えられても、専用の別の分周回路で分周されて与えられてもよい。擬似クロックパルスQH10がクロックパルスQP10の代わりに高速で与えられることに応じて、例えば、擬似分パルスQH20や擬似時間パルスQH30もそれに応じた高速で生成される。
リセット動作の際には、各指針A10,A20,A30が対応する磁気センサS10,S20,S30に対面する所定位置すなわち零位置に戻ったことが夫々の磁気センサS10,S20,S30によって検出されると、対応するモータM10,M20,M30への夫々の駆動信号の供給が停止されて夫々のモータM10,M20,M30が停止される。
センサ回路CSは、秒指針用センサ回路CS10と、分指針用センサ回路CS20と、時指針用センサCS30とを有する。リセット処理の際には、センサ回路CS10,CS20,CS30は、例えば、帰零指示信号RDの発生により規定されるリセット動作の開始と同時に磁気センサS10,S20,S30への高周波電流の供給を開始し、指針A10,A20,A30が磁気センサS10,S20,S30に対面する零位置に達することに応じた磁気センサS10,S20,S30のインピーダンス変化がセンサ回路CS10,CS20,CS30によって検出されると、モータM10,M20,M30の回転駆動を停止させると共に当該磁気センサS10,S20,S30への高周波電流の供給を停止する。
なお、磁気センサ10,S20,S30への高周波電流の供給をリセット動作の開始と同時に開始する代わりに、例えば、指針A10,A20,A30が初期位置(零位置)PZ10、PZ20,PZ30に近付いた際に、初めて、磁気センサ10,S20,S30への高周波電流の供給を開始するようにしてもよい。そのためには、例えば、秒カウンタCA11,分カウンタCA21及び時カウンタCA31の夫々の内容N10,N20,N30がリセットされるべき値60,60,12に近付いた際に磁気センサ10,S20,S30への高周波電流の供給を開始するようにしてもよい。
なお、分カウンタCS21や時カウンタCS31の内容を擬似分パルスQH20や擬似時パルスQH30によって制御する代わりに、リセットモードでは、制御部が、擬似秒パルスQH10を分カウンタCS21や時カウンタCS31に擬似分パルスや擬似時パルスとして直接与えて、分指針A20や時指針A30の回転を直接且つ高速で制御するようにしておいてもよい。
また、以上においては、秒指針A10、分指針A20及び時指針A30の夫々を独立に夫々のモータM10,M20及びM30で回転させる例について説明したけれども、秒指針A10、分指針A20及び時指針A30の全体を一つのモータMで回転させるようにしてもよい。
その場合、磁気センサS10,S20及びS30の全てによって、対応する指針A10,A20及びA30の帰零が検出されたことが、指針回路CSすなわちCS10,CS20,CS30によって判定された際に、リセット動作を停止させればよい。
なお、秒指針A10、分指針A20及び時指針A30の全体を一つのモータMで回転させるようにし、指示に応じて帰零させることは、クロノグラフだけでなく、電波時計(電波修正時計)においても、採用され得る構成であり、この帰零動作を行う時計1は、電波時計であってもよい。
また、以上においては、時指針A30、分指針A20及び秒指針A10の全ての帰零を磁気センサS30,S20,S10で検出するようにしたけれども、その代わりに、例えば、一つの針例えば秒指針A10の帰零のみを磁気センサで検出し、他の帰零は、別の手段で制御するようにしてもよい。一つの針は、秒指針A10の代わりに他の針でもよい。また、秒指針A10及び時指針A30の帰零を該当する磁気センサS10及びS30で検出・制御するようにして、磁場の相互干渉を最低限に抑えるようにしてもよい。
なお、所望ならば、図1において示した磁気センサS10,S20,S30の全てを一つにつないだ長さの一つの長い磁気センサを設けておくと共に、秒指針A10のうち分指針A20よりも半径方向外側に突出する部分だけを磁性材料で形成し、分指針A20のうち時指針A30よりも半径方向外側に突出する部分だけを磁性材料で形成し、例えば時指針A30の全体(又は図1の時指針磁気センサS30に対面する半径方向長さ部分)を磁性材料で形成しておいて、三つの指針A10,A20,A30が重なる(即ち正12時)のみ磁気センサによりその存在が検出され得るようにしてもよい。この場合、いずれかの磁性材料は、典型的には、永久磁石の形態の硬磁性材料からなる。
図1では、時表示指針Aを12時の位置に帰零させる際に夫々の時表示指針A10,A20,A30が所定位置に達したか否かを検出するために磁気センサS10,S20,S30を12時の位置に配置した例について説明したけれども、例えば、図5に示したように、磁気センサSが時表示指針A10,A20,A30の回転方向に多数設けられていてもよい。
図5の時計1Aの針位置検出装置5Aでは、秒指針用センサS10が60セグメントを形成するように6度間隔すなわち1秒間隔で周方向に配置され、分指針用センサS20が60セグメントを形成するように6度間隔すなわち1分間隔で周方向に配置され、時指針用センサS30が12セグメントを形成するように30度間隔すなわち1時間間隔で周方向に配置されている点を除いて、図1〜図3に示した時計1の針位置検出装置5と同様に構成されている。すなわち、各センサSは、文字板10に直接取付けられていても、図3に示したように、文字板10の背後においてセンサ基板K10に実装されていてもよい。
この時計1Aでは、時表示指針A10,A20,A30の位置を磁気センサSで直接検出し得る。この時計1Aでは、例えば、秒パルスQP10、分パルスQP20及び時パルスQP30を出すカウンタCA11,CA21及びCA31を設けておき、該パルスQP10,QP20,Q30に応じて、秒指針駆動モータM10、分指針駆動モータM20及び時指針駆動モータM30を駆動させ、順次次の磁気センサS10,S20及びS30により指針A10,A20及びA30の近接を検出する毎に、指針A10,A20及びA30の回転を停止させることにより、指針A10,A20及びA30の回転位置を制御するようにしてもよい。その場合、輪列による回転量の制御は不要である。勿論、指針回路CAのカウンタCA11,CA21,CA31の内容N10,N20,N30を参照して、次の指針位置に指針が確かに達したことを磁気センサS10,S20,S30で直接確認することにより、指針位置をカウンタ値N10,N20,N30に確実に合わせ得るようにしてもよい。
なお、この時計1Aでは、指定時刻に直接針合せし得るので、例えば、この時計が電波時計(電波修正時計)である場合、時差のある地域間を移動した際に(例えばニューヨーク→東京又はその逆)、当該地域の標準電波に含まれる時刻情報を検出して、該時刻情報に従って、時計の指針をその時刻表示位置に直接的に移動させることが可能であるから、時差を考慮した複雑な制御を要しない。
更に、例えば、磁気センサSは、図6に示したような多窓式の時計すなわち小指針を備えた時計1Bにおいて、各指針の位置P10,P20,P30,P40,P50,P60に対面する初期位置PZ10,PZ20,PZ30,PZ40,PZ50,PZ60を規定するために用いられ得る。
時計1Bの針位置検出装置5Bでは、時表示指針A10,A20,A30の位置P10,P20,P30に対面する初期位置PZ10,PZ20,PZ30への帰零を検出するための対応する磁気センサS10,S20,S30に加えて、磁性材料を少なくとも一部に含む24時間針A40の位置P40に対面する初期位置PZ40への帰零を検出する24時間用磁気センサS40と、磁性材料を少なくとも一部に含む曜針A50の位置P50に対面する初期位置PZ50への帰零を検出する曜日用磁気センサS50と、磁性材料を少なくとも一部に含む日付用指針A60の位置P60に対面する初期位置PZ60への帰零を検出する日付用磁気センサS60とを備える。
この時計1Bでは、24時間針A40による24時間表示や曜針A50による曜日表示や日付針A60による日付表示も、必要に応じて、容易且つ確実に、所望ならば独立に、初期状態に戻し得る。
なお、この種の多窓式時計1Bは、例えば、通常の時刻表示のための時針、分針及び秒針に加えてクロノグラフ時針、クロノグラフ分針及びクロノグラフ秒針を備えたクロノグラフ時計であってもよい。時計1Bがクロノグラフ時計である場合、例えば、磁気センサS60,S20及びS30が夫々秒針、分針及び時針のセンサで、磁気センサS10,S40,S50がクロノグラフ秒針、クロノグラフ分針及びクロノグラフ時針のセンサである。勿論、各指針の役割は異なっていてもよい。
更に、磁気センサSは、図7に示したように、太陽電池Gを電源とする時計1Dに組込まれてもよい。この例では、時計1Dは、太陽電池G1,G2,G3,G4(総称するとき又は相互に区別しないときには符号Gで表す)を文字板側に備える。各太陽電池G1,G2,G3,G4は、夫々、約90度の角度範囲にわたって拡がる。より詳しくは、太陽電池G1,G2,G3,G4は、夫々、12時〜3時の範囲、3時〜6時の範囲、6時〜9時の範囲、及び9時〜12時の範囲を占める。太陽電池G4,G1の間には12時の方向に向かって延びる間隙J1があり、太陽電池G1,G2の間には3時の方向に向かって延びる間隙J2があり、太陽電池G2,G3の間には6時の方向に向かって延びる間隙J3があり、太陽電池G3,G4の間には9時の方向に向かって延びる間隙J4がある。より詳しくは、太陽電池G1,G2,G3,G4は、電池基板KGを共有し、四個の太陽電池G1,G2,G3,G4は、所望に応じて、直列又は並列に接続されている。電池基板KGのうち間隙J1の部分には、磁気センサS10,S20,S30が12時の方向に一列に並んだ状態で実装されている。
この時計1Dの針位置検出装置5Dでは、文字板としても働く電池基板KGのうち太陽電池G4、G1の間の部分J1がそのまま磁気センサSの実装用センサ基板K10として活用され得る。複数の太陽電池Gの間の間隙部分に磁気センサSが配置され、好ましくは、複数の太陽電池Gの共通基板KGが磁気センサSのセンサ基板K10として用いられ得る限り、複数の電池Gの相対配置や形状は異なっていてもよい。なお、太陽電池パネルGの場合、電源電圧を上げるためにパネル部分を直列接続することは多用され、そのためには間隙が実際上不可欠である。この時計1Dでは、その間隙がそのままセンサ基板K10として用いられ得る。
図8には、二群の磁気センサS−1,S−2を備え且つ太陽電池Gを有するタイプの時計1Eが示されている。ここで、センサ群S−2を除く部分は、図7の時計1Dと同様に構成されている。
即ち、時計1Eの針位置検出装置5Eでは、図8に示したように、電池基板KGのうち間隙J1の部分に、磁気センサS10−1,S20−1,S30−1(総称するとき又は相互に区別しないときは符号S−1で表す、これは図7の時計1Dにおける磁気センサS10,S20,S30からなるセンサ群Sと同一)を12時の方向に一列に並んだ状態で備えると共に、電池基板KGのうち間隙J4の部分に、磁気センサS10−2,S20−2,S30−2(総称するとき又は相互に区別しないときは符号S−2で表す)を12時の方向に一列に並んだ状態で備える。磁気センサS10−1,S10−2はいずれも磁気センサS10と同様な秒針用磁気センサであって実装位置及び向きが相互に異なる。磁気センサS20−1,S20−2はいずれも磁気センサS20と同様な分針用磁気センサであって実装位置及び向きが相互に異なる。磁気センサS30−1,S30−2はいずれも磁気センサS30と同様な時針用磁気センサであって実装位置及び向きが相互に異なる。
この時計1Eでは、例えば、時表示指針A10,A20,A30を時計回りに高速回転させて帰零させるとすると、時表示指針A10,A20,A30の通過が磁気センサS10−2,S20−2,S30−2によって検出された時点で、時表示指針A10,A20,A30の回転速度を落として、帰零させることにより、より正確に針位置を合わせることが可能になる。
時計1Eの磁気センサS−1,S−2は、例えば、地磁気のセンサとして用いられ得る。磁気センサS−1,S−2は相互に直角に配置されているので、両センサS−1,S−2の出力を解析する制御・演算部分を備えることにより、方位計として働き得る。なお、方位計の詳細は周知であるのでその説明は省略する。
なお、相互に交差する向きに延びた磁気センサ、特にMIセンサのように指向性ないし感度の異方性の高い磁気センサを太陽電池パネルの間隙に並べてなるものを方位計として用いる場合であって針位置検出装置としては用いない場合には、秒針A10や分針A20や時針A30は磁性材料でなくてもよい。
また、所望ならば、時計1Eの磁気センサS−1,S−2は、例えば、時刻情報を含む長波の形態の標準電波(の磁場成分)の検出にも利用され得る(時計1Dの磁気センサSの場合も同様である)。時計1Eが電波時計(電波修正時計)である場合、磁気センサ群S−1と磁気センサ群S−2とが相互に90度の向きに配設されているので、磁気センサ群S−1及びS−2の夫々を標準電波の検出用に用い得る。その場合、二群の磁気センサS−1,S−2が90度の相対角度で配置されているので、両者がダイバーシティアンテナとして働き得る。ここで、標準電波の検出のためにセンサS10−1,S20−1,S30−1のうちの一つ又は複数のセンサを利用するようにしても、センサS10−2,S20−2,S30−2のうちの一つ又は複数のセンサを利用するようにしてもよい。
本発明による好ましい一実施例の時計(クロノグラフ)の平面説明図。 図1の時計の文字板より針側の部分の断面説明図。 図1の時計における磁気センサの好ましい一配置を示した部分的な断面説明図。 図1の時計の大まかなブロック回路図。 本発明による別の好ましい一実施例の時計についての図1と同様な平面説明図(但し、文字板の範囲内の部分のみを示したもの)。 本発明による更に別の好ましい一実施例の時計についての図5と同様な平面説明図。 本発明による更に別の好ましい一実施例の時計についての図5と同様な平面説明図。 本発明による更に別の好ましい一実施例の時計についての図5と同様な平面説明図。
符号の説明
1,1A,1B,1D,1E 時計
5,5A,5B,5D,5E 針位置検出装置
10 文字板
11 文字板の表面
12 文字板の背面
21 スペーサを兼ねたコネクタ
A10 秒指針
A11,A21,A31 先端部
A15,A25,A35 回転軸
A20 分指針
A30 時指針
A40,A50,A60 小指針
AM10,AM20,AM30 永久磁石からなる指針
CA,CA10,CA20,CA30 指針回路
CS,CS10,CS20,CS30 センサ回路
CS11,CS21,CS31 カウンタ
G,G1,G2,G3,G4 太陽電池
J1,J2,J3,J4 間隙
K10 センサ基板
K11 表面
K12 背面
K13,K14 スルーホール
K15,K16,K17 配線パターン
K20 主基板
K21 表面
KG 太陽電池基板
M,M10,M20,M30 駆動モータ
P10,P20,P30,P40,P50,P60 特定位置(センサ位置)
PZ10,PZ20,PZ30,PZ40,PZ50,PZ60 初期位置(帰零位置)
S,S−1,S−2 磁気センサ
S10 秒指針用磁気センサ
S12,S22 磁気センサの端部
S20 分指針用磁気センサ
S30 時指針用磁気センサ
S40,S50,S60 小指針用磁気センサ

Claims (12)

  1. 時表示指針が所定の回転位置にあることを検出する時計の針位置検出装置であって、
    前記時表示指針又は該時表示指針が前記所定の回転位置に達した際該時表示指針が対面する特定位置部分のうちのいずれか一方が、磁性材料からなり、他方が磁気センサを備える時計の針位置検出装置。
  2. 磁気センサが、MI(磁気インピーダンス)センサ、MR(磁気抵抗効果)センサ又はGMR(巨大磁気抵抗効果)素子からなる請求項1に記載の針位置検出装置。
  3. 時表示指針が硬磁性材料からなる請求項1又は2に記載の時計の針位置検出装置。
  4. 硬磁性材料からなる時表示指針が、秒針である請求項3に記載の針位置検出装置。
  5. 硬磁性材料からなる時表示指針が、複数あり、硬磁性材料製の各時表示指針の回転位置を検出する磁気センサを別々に備える請求項3又は4に記載の針位置検出装置。
  6. 少なくとも一つの時表示指針の複数種類の回転位置を検出すべく夫々の回転位置に対応する磁気センサが配置されている請求項3から5までのいずれか一つの項に記載の針位置検出装置。
  7. 磁気センサが、文字板に又は該文字板の背後において該文字板に対面する位置に設けられている請求項3から6までのいずれか一つの項に記載の針位置検出装置。
  8. 文字板が非磁性材料からなり、磁気センサが該文字板の背後において該文字板に対面する位置に設けられている請求項7に記載の針位置検出装置。
  9. 文字板が該文字板の延在方向に相互に間隔をおいて配置された複数の太陽電池を含み、該太陽電池間の隙間に又は該隙間に対面する位置に磁気センサが配置されている請求項3から6までのいずれか一つの項に記載の針位置検出装置。
  10. 複数の磁気センサが一列に配置されている請求項9に記載の針位置検出装置。
  11. 複数の磁気センサが相互に直交する二方向に沿って配置されている請求項9に記載の針位置検出装置。
  12. 請求項1から11までのいずれか一つの項に記載の針位置検出装置を備えた時計。
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