JP2007212315A - 赤外線ガス分析計 - Google Patents

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Abstract

【課題】螺旋状のフィラメントを持った光源を有する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで光源部の反対側に配され、気体セルを透過した光源部からの赤外線を検出する検出部とを具えた従来の赤外線ガス分析計は、気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する際、フィラメントの振動に伴って測定誤差を生ずる。
【解決手段】本発明による赤外線ガス分析計10は、フィラメント制振部材23を光源22に組み込んでフィラメント21の変位を規制したり、光源部20から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材による反射光の影響を緩和したり、検出部50の構成を改善したりすることによって、従来、フィラメント21の振動に伴って発生していた測定誤差を解消する。
【選択図】図1

Description

本発明は、測定ガス中に含まれる特定成分の割合を検出し得る非分散型赤外線ガス分析計に関する。
非分散型赤外線ガス分析計は、測定ガス中に含まれる各種特定成分の割合、つまり濃度を検出する場合などに利用されている。自動車産業においても、エンジンの開発を行う場合、その排気ガス中に占める一酸化炭素や炭化水素などの割合を検出してエンジンのエミッション特性を把握するために利用している。この場合、非分散型赤外線ガス分析計は、専用の測定車のトランクルームやリヤシートバックの後方のリヤシェルフなどに搭載されて用いられることが多い。
車載型の非分散型赤外線ガス分析計は、車両の排気ガス通路に連通する測定ガスの導入口と排出口とが両端部に形成された細長い気体セルと、この気体セルの一端側に配されて赤外線を含む光を発するフィラメントを持った光源(熱源)と、気体セルを挟んで光源と対向するように気体セルの他端側に配される赤外線検出ユニットとを具えている。赤外線検出ユニットは、検出すべき成分に特有の波長帯域を吸収する波長選択透過性のフィルタを組み込んだ測定用のセンサと、このような波長選択透過性のフィルタを持たない参照用のセンサとを有する。気体セル内に検出すべき成分が介在しない場合、測定用のセンサおよび参照用のセンサによって検出される光量に差が生じない。しかしながら、気体セル内に検出すべき成分が介在する場合、その介在量に応じて測定用のセンサによって検出される光量が低下するため、参照用のセンサによって検出される光量との差に応じて検出すべき成分の濃度を把握することができる。
このような赤外線ガス分析計において、検出光量を増大させるために光源から気体セルと反対側に放射された光を気体セルの一端側へと導く反射鏡を組み込むようにした技術が特許文献1に開示されている。
特開平7−282785号公報 特開2004−20555号公報
従来の赤外線ガス分析計において、特許文献1に開示されたような反射鏡を用いた場合、反射鏡によって集光またはコリメートされた光が赤外線検出ユニットに到達することとなる。このため、反射鏡を持たない場合より赤外線検出ユニットに到達する光量を著しく増大させることが可能となり、高感度の赤外線検出ユニットを使用する必要がなくなる分だけ検出が容易となる利点を生ずる。しかしながら、外乱、例えば振動などによってフィラメントが揺れると、反射光の指向性が変わってしまい、特に反射鏡の回転軸線に沿ったフィラメントの変位は、反射鏡の集光特性を変える結果となり、測定ガス中に含まれる特定成分の濃度に変化がない場合であっても、赤外線検出ユニットに到達する光量がかなり変化してしまう。これは、車両などのように加減速を繰り返すものに搭載された赤外線ガス分析計の場合に顕著であり、車両の加減速によって発生するフィラメントの位置ずれによる測定結果の悪影響、つまり測定誤差の発生を避けることができない。
このような不具合を解消するため、反射鏡によって指向性が付与された光をランダムに拡散する光拡散部材を光源部に組み込むようにした技術が特許文献2で提案されている。しかしながら、この方法では反射鏡で反射せずに赤外線ユニットに直接到達する光も光拡散部材によって拡散されてしまう結果、反射鏡を持たない初期の赤外線ガス分析装置の場合よりも赤外線検出ユニットに到達する光量が少なくなる。このため、極めて高感度の赤外線検出ユニットを組み込むか、気体セルを通過せずに赤外線検出ユニットに外乱として入る赤外線を確実に排除するための何らかの工夫が必要であり、分析計のコンパクト化を阻害する可能性がある。
本発明の目的は、光源部のフィラメントが振動などによって位置が変化しても、これに起因する測定誤差を少なくするか、あるいはなくすことができる赤外線ガス分析計を提供することにある。
本発明の第1の形態は、赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、この気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、前記光源部は、螺旋状のフィラメントを有すると共に前記気体セルの一方の前記仕切り壁側に配される光源と、前記気体セルの長手方向に沿った前記フィラメントの変位を規制するフィラメント制振部材とを具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、測定ガスが気体セルの供給ポートから気体セル内に供給され、排出ポートから気体セル外へと排出される。光源部および検出部は、気体セルの一対の仕切り壁によって気体セル内に導かれる測定ガス対して隔離されている。光源部から発せられた光は、気体セルを透過して検出部に達し、この検出部によって測定ガス中に含まれる特定成分の濃度が検出される。ここで、気体セルの長手方向に沿った何らかの外力がこの赤外線ガス分析計に作用した場合、フィラメント制振部材が気体セルの長手方向に沿った光源のフィラメントの振動を阻止する。この結果、光源部のフィラメントと検出部との位置関係が常に一定状態に保たれる。
本発明の第1の形態による赤外線ガス分析計において、フィラメントが気体セルの長手方向に沿って延在し、フィラメント制振部材がフィラメントにより構成されるコイルの中央部を貫通する棒状の耐熱性絶縁部材と、この耐熱性絶縁部材の外周面から螺旋状に突出してコイルの間に位置する規制部材とを有するものであってよい。あるいは、フィラメントが気体セルの長手方向に対して直交する方向に延在し、フィラメント制振部材がフィラメントにより構成されるコイルの中央部を貫通する棒状の第1耐熱性絶縁部材と、コイルを挟むように第1耐熱性絶縁部材と対向する第2耐熱性絶縁部材とを有するものであってよい。
また、検出部が気体セルの他方の仕切り壁に対向して配される測定用および参照用の赤外線センサを有し、測定用の赤外線センサが気体セル内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出するものであってよい。
本発明の第2の形態は、赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部と、前記気体セルに関して前記光源部の後方に配され、前記光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材とを具え、前記気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、前記バックアップ部材は、気体セル内に導かれた測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線を吸収する赤外線吸収部をその表面に有することを特徴とするものである。
本発明においては、光源部および検出部が気体セルを挟んで気体セル内に導かれる測定ガス対し隔離されている。光源部から発せられた赤外線の一部は、気体セルを透過して検出部に達し、この検出部によって測定ガス中に含まれる特定成分の濃度が検出される。バックアップ部材に到達する光源部から発せられた赤外線の他の一部のうち、測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線は、バックアップ部材の表面の赤外線吸収部によって吸収され、検出部側へは反射しない。従って、振動などの外乱により光源部の位置が変化したとしても、これにより検出部に到達する光量の変化が無視できる程度に小さくなる。
本発明の第2の形態による赤外線ガス分析計において、バックアップ部材は、その赤外線吸収部にて吸収された赤外線による熱を放出するための冷却手段をさらに有するものであってよい。
本発明の第3の形態は、赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部と、前記気体セルに関して前記光源部の後方に配され、前記光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材とを具え、前記気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、前記バックアップ部材は、その表面が光を乱反射する粗面にて形成されていることを特徴とするものである。
本発明においても、光源部および検出部が気体セルを挟んで気体セル内に導かれる測定ガス対し隔離されている。光源部から発せられた赤外線の一部は、気体セルを透過して検出部に達し、この検出部によって測定ガス中に含まれる特定成分の濃度が検出される。バックアップ部材に到達する光源部から発せられた赤外線の他の一部は、バックアップ部材の表面にて乱反射し、検出部側へ到達するのはそのうちのごく一部となる。従って、振動などの外乱により光源部の位置が変化したとしても、これにより検出部に到達する光量の変化が無視できる程度に小さくなる。
本発明の第4の形態は、赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、この気体セル内に導かれた測定ガス中の特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、前記検出部は、前記気体セルの前記仕切り壁に対向して交互に配される複数の測定用および参照用の赤外線センサを有し、前記測定用の赤外線センサが前記気体セル内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出することを特徴とする特徴とするものである。
本発明においては、測定ガスが気体セルの供給ポートから気体セル内に供給され、排出ポートから気体セル外へと排出される。光源部および検出部は、気体セルの一対の仕切り壁によって気体セル内に導かれる測定ガス対して隔離されている。光源部から発せられた光は、気体セルを透過して検出部に達し、この検出部を構成する複数の測定用および参照用の赤外線センサによって測定ガス中に含まれる特定成分の濃度が検出される。ここで、振動などの外乱により光源部の位置が微妙に変化し、個々の測定用および参照用の赤外線センサに到達する光量が変化したとしても、これら複数の赤外線センサによって検出される全体的な光量は変化せず、光源部の位置の変化による測定結果の変化は生じない。
本発明の第5の形態は、赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、前記気体セル内に導かれた測定ガス中の特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、前記検出部は、光源部からの光量をそれぞれ検出する測定用および参照用の赤外線センサを有し、前記測定用の赤外線センサが前記気体セル内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出し、前記気体セルは、その他端側に位置する他方の前記仕切り壁に形成されて光透過性の透明な窓と、この窓に配されてここを通過する光を前記測定用および参照用赤外線センサに導く光制御手段とをさらに有することを特徴とするものである。
本発明においても、測定ガスが気体セルの供給ポートから気体セル内に供給され、排出ポートから気体セル外へと排出される。光源部および検出部は、気体セルの一対の仕切り壁によって気体セル内に導かれる測定ガス対して隔離されている。光源部から発せられた光は、気体セルから光透過性の窓に配された光制御手段を通過して検出部に達し、この検出部を構成する測定用および参照用の赤外線センサによって測定ガス中に含まれる特定成分の濃度が検出される。振動などの外乱により光源部の位置が微妙に変化し、気体セルの窓を通過する光量が変化したとしても、測定用および参照用の赤外線センサには、光制御手段を介して気体セルの窓を通過した同じ領域の光が到達することとなる。
本発明の第5の形態による赤外線分析計において、光制御手段が光をランダムに散乱させる光拡散板や、光を分光させる分光光学系を含むものであってよい。あるいは、光を2方向に分けるビームスプリッタであってよい。
本発明の第1の形態の赤外線ガス分析計によると、光源部が螺旋状のフィラメントを有すると共に気体セルの一方の仕切り壁側に配される光源と、気体セルの長手方向に沿ったフィラメントの変位を規制するフィラメント制振部材とを具えているので、気体セルの長手方向に沿った何らかの外力がこの赤外線ガス分析計に作用しても、フィラメント制振部材が気体セルの長手方向に沿った光源のフィラメントの振動を阻止することができる。この結果、気体セルの長手方向に沿った外力が赤外線ガス分析計に作用しても、光源部のフィラメントと検出部との位置関係を常に一定状態に保つことが可能となり、安定した測定を行うことができる。
本発明の第2の形態の赤外線ガス分析計によると、光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材が気体セル内に導かれた測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線を吸収する赤外線吸収部をその表面に有するので、バックアップ部材に到達する光源部から発せられた赤外線の他の一部のうち、測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線をバックアップ部材の表面の赤外線吸収部によって吸収させることができる。このため、バックアップ部材による光の反射による影響を受けにくくすることができ、振動などの外乱により光源部の位置が変化したとしても、検出部に到達する光量の変化が無視できる程度に小さくなり、安定した測定を行うことができる。
また、バックアップ部材がその赤外線吸収部にて吸収された赤外線による熱を放出するための冷却手段をさらに有する場合、吸熱に伴うバックアップ部材の昇温による悪影響を未然に防止することができる。
本発明の第3の形態の赤外線分析計によると、光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材の表面が光を乱反射する粗面にて形成されているので、バックアップ部材による光の反射による影響をほとんどなくすことができ、振動などの外乱により光源部の位置が変化したとしても、検出部に到達する光量の変化が無視できる程度に小さくなり、安定した測定を行うことができる。
本発明の第4の形態の赤外線分析計によると、検出部が、気体セルの仕切り壁に対向して交互に配される複数の測定用および参照用の赤外線センサを有するので、気体セルの長手方向に沿った何らかの外力がこの赤外線ガス分析計に作用し、個々の赤外線センサに入射する光量が変化しても、すべての赤外線センサに入射する総光量に変化はほとんど生じない。この結果、光源部の位置が変化してもこれが測定結果に誤差として現れず、安定した測定を行うことができる。
本発明の第5の形態の赤外線ガス分析計によると、気体セルが、その他端側に位置する他方の仕切り壁に形成されて光透過性の透明な窓と、この窓に配されてここを通過する光を測定用および参照用赤外線センサに導く光制御手段とを有するので、振動などの外乱により光源部の位置が変化して窓を通過する光量が変化したとしても、検出部を構成する測定用および参照用の赤外線センサには光制御手段によって同条件の光が入射することとなる。このため、光源部の位置が変化してもこれが測定誤差として現れず、安定した測定を行うことが可能となる。
本発明による赤外線ガス分析計の実施形態について、図1〜図9を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、これらをさらに組み合わせたり、特許請求の範囲に記載された本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が可能であり、従って本発明の精神に帰属する他の任意の技術にも当然応用することができる。
本実施形態による非分散型赤外線ガス分析計の主要部の概略構造を図1に示し、その光源部における光源の外観を図2に拡大して示す。この赤外線ガス分析計10は、赤外線を含む光を発する光源部20と、この光源部20に隣接して配される気体セル30と、気体セル30に関して光源部20の後方に配され、光源部20から後方に発せられた光を受ける本発明のバックアップ部材としての全反射鏡41と、気体セル30を間に挟んで光源部20の反対側に配され、気体セル30を透過した光源部20からの光を検出する検出部50と、検出部50によって検出された信号を処理して気体セル30内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を算出する図示しない制御部とを具えている。
光源部20は、気体セル30の長手方向に沿って延在する螺旋状のフィラメント21を有すると共に気体セル30の一方の仕切り壁31側に配される光源22と、気体セル30の長手方向に沿ったフィラメント21の変位を規制するフィラメント制振部材23とを有する。本実施形態におけるフィラメント制振部材23は、フィラメント21により構成されるコイル21aの中央部を貫通する棒状の耐熱性絶縁部材24と、この耐熱性絶縁部材24の外周面から突出し、螺旋状に配列してそれぞれコイル21aの間に位置する規制部材25とを有する。耐熱性絶縁部材24の中央部には、フィラメント21に接続するディメット線26が貫通している。規制部材25は、気体セル30の長手方向に沿ったコイル21aの変位を阻止する機能を持つ。
気体セル30は、相互に対向する一対の仕切り壁31,32と、測定ガスの供給ポート33と排出ポート34とを両端部に有する。走行中の車両の排気ガス中に含まれる炭化水素や一酸化炭素などの特定成分を分析する車載型の赤外線ガス分析計10にあっては、排気管の上流側に供給ポート33を接続すると共にこの接続部分よりも下流側の排気管に排出ポート34を連通させることが一般的である。これにより、排気管内を流れる排気ガスが供給ポート33から気体セル30内を通り、排出ポート34から排気管に排出されるような排気ガスの自然な流れが形成される。
全反射鏡41は、その表面が鏡面化され、全反射鏡41によって反射した光がほぼコリメートするように、表面の輪郭形状ならびにフィラメント21に対する相対位置が設定されている。本実施形態における全反射鏡41の表面の輪郭形状は回転球面体であるが、回転放物面や回転双曲面あるいは回転楕円面や他の回転非球面にすることも可能である。基本的には、気体セル30の他端側の仕切り壁32に到達する光の分布がほぼ均一となるように、フィラメント21の寸法形状と併せて設定することが有効である。
検出部50は、気体セル30の他端側の仕切り壁32と対向する一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を有する。測定用の赤外線センサ51は気体セル30内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長を吸収する、特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出する波長選択性のフィルタ53が組み込まれている。また、参照用の赤外線センサ52にはこのような波長選択性のフィルタ53が組み込まれておらず、すべての光を検出するようになっている。つまり、測定用の赤外線センサ51は、測定ガス中に含まれる特定成分に対応したものであり、特定成分毎に対応した測定用の赤外線センサを組み込む必要がある。
従って、気体セル30内に検出すべき成分が介在しない場合、測定用の赤外線センサ51および参照用の赤外線センサ52によって検出される光量に差が生じない。しかしながら、気体セル30内に検出すべき成分が介在する場合、その介在量に応じて測定用の赤外線センサ51によって検出される光量が低下する。制御部はこのような原理に基づいて参照用の赤外線センサ52によって検出される光量との差に応じた検出すべき成分の濃度を算出する。
フィラメント21が車両の振動や加減速によって、特に全反射鏡41の光軸、つまり気体セル30の長手方向に沿って変位した場合、気体セル30の他端側の仕切り壁32に到達する光の分布に無視できないむらが発生する。この結果、従来のものでは測定用および参照用の赤外線センサ51,52に入射する光量が不均一となり、これが測定誤差となって現れていた。しかしながら、本実施形態では耐熱性絶縁部材24と規制部材25とが光源22に組み込まれているため、車両の振動や加減速によるフィラメント21の変位が規制される結果、測定用および参照用の赤外線センサ51,52に入射する光量を初期設定状態のままに維持することができ、測定誤差の発生を防止することができる。
上述した実施形態では、螺旋状のフィラメント21を気体セル30の長手方向に沿って延在するように光源22を配置したが、気体セル30の長手方向に対して直交するように光源22の螺旋状をなすフィラメント21を配置することも可能である。
このような本発明による光源部20の他の実施形態の概略構造を図3に示し、その光源22の外観を拡大して図4に示すが、先の実施形態と同一機能の要素にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明は省略するものとする。すなわち、光源22の螺旋状をなすフィラメント21の延在方向は、気体セル30の長手方向に対して直交するように、全反射鏡41の光軸上に配されている。本実施形態におけるフィラメント制振部材23は、フィラメント21により構成されるコイル21aの中央部を貫通する棒状の第1耐熱性絶縁部材27と、コイル21aを挟むように第1耐熱性絶縁部材27と対向する第2耐熱性絶縁部材28とを有する。従って、車両の振動や加減速に伴い、フィラメント21が特に気体セル30の長手方向に沿って傾くような外力が作用した場合であっても、本実施形態では第1および第2耐熱性絶縁部材27,28がコイル21aの傾きを阻止するように配されているため、車両の振動や加減速によるフィラメント21の変位を規制することができる。この結果、測定用および参照用の赤外線センサ51,52に入射する光量を初期設定状態のままに維持することができ、測定誤差の発生を未然に防止することが可能である。
光源部20の他の実施形態の概略構造図5に示す。これは、従来と同じ光源を使用したものであるが、先の実施形態における全反射鏡41に代えてバックアップ部材40を組み込んだものである。本実施形態におけるバックアップ部材40は、気体セル30の長手方向に対して垂直な平板状をなしているが、先の実施形態のような回転球面状などの表面形状にすることも可能である。このバックアップ部材40の表面には、気体セル30内に導かれた測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線を吸収する赤外線吸収層42が形成されており、測定用の赤外線センサ51による測定に影響のない光のみ、バックアップ部材40が反射することとなる。このため、特定成分が存在する場合に測定用の赤外線センサ51によって検出される光量低下は先の実施形態よりも少なくなるものの、全体的な光量は特許文献2のものよりも増大させることが可能である。同様な趣旨から、バックアップ部材40全体を黒体にて形成したりしてもよい。
本実施形態の場合、バックアップ部材40は赤外線吸収層42による吸熱作用により、次第に温度が上昇するため、放熱用のフィンをバックアップ部材40に取り付けたり、あるいは他の冷却手段をバックアップ部材40に組み付けたりすることも有効である。なお、先の実施形態における全反射鏡41の表面を鏡面ではなく、光を乱反射させる粗面にて形成することによっても、同様な効果を得ることができる。
図1に示した実施形態では、一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を検出部50に採用したが、図6に示すように複数対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を用いることも有効である。このように、気体セル30の他端側の仕切り壁32と対向する複数対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を組み込むことにより、気体セル30の他端側の仕切り壁32に到達する光の分布にむらなどが生じた場合であっても、複数対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52によって検出される光量が平均化されることとなる。この結果、車両の振動や加減速に伴ってフィラメント21が特に気体セル30の長手方向に沿って変位した場合であっても、複数対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52に入射する総光量をほぼ初期設定状態のままに維持することができ、測定誤差をより少なくすることが可能である。
図7〜図9に本発明による検出部50の他の実施形態の概略をそれぞれ示す。これらの実施形態においては、気体セル30の他端側の仕切り壁32にマスキング54を施し、この仕切り壁32の中央部のみ光が通過する窓55を形成している。
図7の実施形態では、窓55に光拡散板56を配し、この光拡散板56に近接して一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を配している。この場合、図示しない反射鏡41の光軸、つまり気体セル30の中心軸線を基準として、一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52を対称に配置することが好ましい。本実施形態では、窓55を通過する光を光拡散板56によってランダムに拡散させているため、一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52には常にほぼ同じ光量の光が入射することとなる。つまり、車両の振動や加減速に伴ってフィラメント21が特に気体セル30の長手方向に沿って変位し、窓55を通過する光の光量分布が変化したとしても、これに起因する測定誤差を解消することができる。
図8の実施形態では、窓55に分光プリズム57を配置し、特定成分に対応した特有な波長の赤外線領域が測定用の赤外線センサ51に入射する一方、この領域を含まない所定波長領域の光が参照用の赤外線センサ52に入射するように、分光プリズム57に対する一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52の相対位置が規定されている。本実施形態においても、車両の振動や加減速に伴ってフィラメント21が特に気体セル30の長手方向に沿って変位し、窓55に到達する光の光量分布が変化したとしても、分光プリズム57によって分光された光が一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52に導かれるため、フィラメント21の変位に起因する測定誤差を従来のものよりも少なくすることができる。なお、この測定誤差をさらに少なくするため、窓55と分光プリズム57との間にコリメータを配置することも有効である。
図9の実施形態では、窓55を通過した光を2分割するビームスプリッタ58を配置し、このビームスプリッタ58を通過した光を一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52に導くようにしている。このため、車両の振動や加減速に伴ってフィラメント21が特に気体セル30の長手方向に沿って変位し、窓55に到達する光の光量分布が変化したとしても、ビームスプリッタ58を通過した光が一対の測定用および参照用の赤外線センサ51,52に導かれることとなり、フィラメント21の変位に起因する測定誤差を解消することができる。なお、ビームスプリッタ58に代えて光通過用のピンホールが形成された反射鏡を用い、この反射鏡によって反射した光を測定用の赤外線センサ51に導くと共に反射鏡のピンホールを通過した光を参照用の赤外線センサ52に導くようにしてもよい。この場合、測定用および参照用の赤外線センサ51,52を逆に配置することも当然可能である。
また、上述した各実施形態では、単一の気体セル30を用いたが、予め参照用のガスを封入した参照用の気体セルと、測定ガスが導入される測定用の気体セルとを用いた赤外線ガス分析計に利用することも当然可能である。この場合、測定用の気体セルを通過した光を測定用の赤外線センサ51によって検出する一方、参照用の気体セルを通過した光を参照用の赤外線センサ52によって検出することとなる。
本発明による赤外線ガス分析計の一実施形態における主要部の内部構造を表す断面図である。 図1に示した実施形態における光源の部分を拡大して表す立体投影図である。 本発明おける光源部の他の実施形態を表す断面図である。 図3に示した実施形態における光源の部分を拡大して表す立体投影図である。 本発明における光源部の別な実施形態を表す断面図である。 本発明における検出部の他の実施形態を表す断面図である。 本発明における検出部の別な実施形態を表す断面図である。 本発明における検出部のさらに他の実施形態を表す断面図である。 本発明における検出部のさらに別な実施形態を表す断面図である。
符号の説明
10 赤外線ガス分析計
20 光源部
21 フィラメント
21a コイル
22 光源
23 フィラメント制振部材
24 耐熱性絶縁部材
25 規制部材
26 ディメット線
27 第1耐熱性絶縁部材
28 第2耐熱性絶縁部材
30 気体セル
31 仕切り壁
32 仕切り壁
33 供給ポート
34 排出ポート
40 バックアップ部材
41 全反射鏡
42 赤外線吸収層
50 検出部
51 測定用の赤外線センサ
52 参照用の赤外線センサ
53 波長選択性のフィルタ
54 マスキング
55 窓
56 光拡散板
57 分光プリズム
58 ビームスプリッタ

Claims (6)

  1. 赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、この気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、
    前記光源部は、螺旋状のフィラメントを有すると共に前記気体セルの一方の前記仕切り壁側に配される光源と、前記気体セルの長手方向に沿った前記フィラメントの変位を規制するフィラメント制振部材と
    を具えたことを特徴とする赤外線ガス分析計。
  2. 赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部と、前記気体セルに関して前記光源部の後方に配され、前記光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材とを具え、前記気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、
    前記バックアップ部材は、気体セル内に導かれた測定ガス中の少なくとも特定成分に対応した特有な波長の赤外線を吸収する赤外線吸収部をその表面に有することを特徴とする赤外線ガス分析計。
  3. 前記バックアップ部材は、その赤外線吸収部にて吸収された赤外線による熱を放出するための冷却手段をさらに有することを特徴とする請求項2に記載の赤外線ガス分析計。
  4. 赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部と、前記気体セルに関して前記光源部の後方に配され、前記光源部から後方に発せられた光を受けるバックアップ部材とを具え、前記気体セル内に導かれた測定ガス中に含まれる特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、
    前記バックアップ部材は、その表面が光を乱反射する粗面にて形成されていることを特徴とする赤外線ガス分析計。
  5. 赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、この気体セル内に導かれた測定ガス中の特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、
    前記検出部は、前記気体セルの前記仕切り壁に対向して交互に配される複数の測定用および参照用の赤外線センサを有し、前記測定用の赤外線センサが前記気体セル内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出することを特徴とする赤外線ガス分析計。
  6. 赤外線を含む光を発する光源部と、この光源部に隣接して配される気体セルと、この気体セルを間に挟んで前記光源部の反対側に配され、当該気体セルを透過した前記光源部からの光を検出する検出部とを具え、前記気体セルが相互に対向する一対の仕切り壁と、測定ガスの供給ポートと排出ポートとを両端部に有し、前記気体セル内に導かれた測定ガス中の特定成分の濃度を検出する赤外線ガス分析計であって、
    前記検出部は、光源部からの光量をそれぞれ検出する測定用および参照用の赤外線センサを有し、前記測定用の赤外線センサが前記気体セル内に介在する測定ガス中に含まれる特定成分に対応した特有な波長以外の光を検出し、
    前記気体セルは、その他端側に位置する他方の前記仕切り壁に形成されて光透過性の透明な窓と、この窓に配されてここを通過する光を前記測定用および参照用赤外線センサに導く光制御手段とをさらに有することを特徴とする赤外線ガス分析計。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010048644A (ja) * 2008-08-21 2010-03-04 Yazaki Corp 気体サンプル室、及び、この気体サンプル室を備える濃度測定装置
JP2014132234A (ja) * 2013-01-07 2014-07-17 Riken Keiki Co Ltd 赤外線式ガス検知器
US9239291B2 (en) 2011-10-24 2016-01-19 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Detector

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