JP2007205752A - バイオ機能測定装置、培養/成長装置、バイオ機能素子および機能素子 - Google Patents

バイオ機能測定装置、培養/成長装置、バイオ機能素子および機能素子 Download PDF

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Akira Ishibashi
晃 石橋
Hiroshi Tokumoto
洋志 徳本
Masatsugu Shimomura
正嗣 下村
Atsuyoshi Kawaguchi
敦吉 川口
Yoshitaka Yamagata
整功 山形
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Abstract

【課題】細胞や生体組織などのバイオ系物質の本来の機能を正確に測定することができるバイオ機能測定装置を提供する。
【解決手段】バイオ機能測定装置は、金属薄膜11bと誘電体薄膜11aとからなる多層構造体薄片11であって、金属薄膜11bと誘電体薄膜11aとは多層構造体薄片11の一方の主面内の一方向に交互に積層され、この一方の主面において金属薄膜11bが誘電体薄膜11aに対して突出しているものを有する。この多層構造体薄片11の一方の主面上にバイオ系物質12を載せ、この主面に垂直な方向からバイオ系物質12にカーボンナノチューブプローブ14を接触または接近させ、このカーボンナノチューブプローブ14と金属薄膜11bとの間に電圧を印加してバイオ系物質12に電流を流すことで測定を行う。
【選択図】図1

Description

この発明は、バイオ機能測定装置、培養/成長装置、バイオ機能素子および機能素子に関し、例えば、細胞や生体組織などの機能の測定、細胞や生体組織などの培養、あるいは細胞や生体組織などの機能を応用した素子に適用して好適なものである。
従来の機能素子は、半導体集積回路に代表されるように、微細加工に基づくトップダウン系が主流である。特に半導体素子に関しては、バーディーン(Bardeen)らによるトランジスタの発明や、ノイス(Noyce)らによる半導体集積回路の発明を経て現在、このトップダウンのアプローチに基づく巨大な半導体エレクトロニクス産業が興っている。
一方、トップダウンのアプローチは様々な点で限界が見え始めているため、この限界を打破する手法として最近その重要性が認識されてきたもう一つの流れは、ボトムアップ系である。このボトムアップ系としては、例えば半導体量子ドットに代表される無機物系の自己組織化系がある。細胞系も神経系も各場所において自律分散的に時間とともに連続的に拡大・成長することが報告されており(非特許文献1)、これはボトムアップの範疇に属する。
半導体メモリはリソグラフィーの壁にぶつかっている。また、従来型半導体メモリでは達成することのできない大容量メモリの実現が可能な超高密度メモリシステムとして前世紀末に開発された、走査トンネル顕微鏡(Scanning Tunneling Microscope,STM)や原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope, AFM) などのいわゆる走査プローブ顕微鏡(Scanning Probe Microscope, SPM) の流れを汲む技術が提案されている。通常の表面測定では単一のプローブ(探針)を用いるところを、N×N配列(Nは2以上の整数)のマルチプローブを用いてメモリユニット(メモリセル)に記録された情報の読み出しあるいは情報の書き込みを行おうとするものである。上述のメモリユニットのサイズに対するメモリ全体のサイズの比の増大は、マルチプローブの精度に対する要求を厳しいものとしている。特に、熱膨張に伴うプローブとメモリとの位置ずれの問題は重要であり、縮小化される一方のメモリユニットにどうプローブをアクセスさせるかという点で、厳密な温度制御が必要であるなど、系の本来のコンパクトさを損なう要求として大きな問題となっている。
なお、平滑な表面を有する高分子フィルム上では肝細胞は接着伸展しアルブミンの産生や尿素の分解などの肝機能を発現しないのに対し、ハニカム状の規則的な細孔を有する高分子フィルムを基板として培養すると、肝機能の最小単位であるスフェロイドを形成することが報告されている(例えば、非特許文献2、3、4参照。)。また、ハニカム状の規則的な細孔を有する高分子フィルムを基板として神経細胞を培養することができることが報告されている(例えば、非特許文献5参照。)
また、金属薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層して多層構造体薄片を作製する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
R.R.Llinas, The Biology of the Brain, p.94, W.H.Freeman & Company, NY,1989 T.Nishikawa,J.Nishida,R.Ookura,S.Nishimura,S.Wada,T.Karino and M.Shimomura:"Honeycomb-Patterned Thin Films of Amphiphilic Polymers as Cell Culture Substrates,"Mater.Sci.Eng.C,8-9:495-500(1999) T.Nishikawa,J.Nishida,R.Ookura,S.Nishimura,S.Wada,T.Karino and M.Shimomura:"Mesoscopic Patterning of Cell Adhesive Substrates as Novel Biofunctional Interfaces,"Mater.Sci.Eng.C,10:141-146(1999) 田中賢、竹林充史、深山真史、佐藤雄久、長谷部清、大久保尚、蒲池浩文、河合朋昭、松下通明、藤堂省、西川雄大、下村正嗣:「新しいバイオメディカルインターフェイス−高秩序多孔質薄膜の自発的形成−」、化学工業、53(12):901−906(2002) M.Tanaka,M.Takebayashi,K.Sato,M.Shimomura,"Fabrication of Self-organized Porous Films with Highly Uniform Pores for Tiddue Engineering and BiomedicalDevices",Int.J.Artif.Organs,26(7),666(2003) 特開2004−268203号公報 特開2004−322297号公報
ムーアの法則に代表されるロードマップに沿った展開を示すSiベースのLSIは、いわゆるトップダウン型のデバイスおよびシステムの代表格であるが、そのサイズ上、動作パワー上(環境温度上)、ならびに製造設備投資上の限界が指摘されているにもかかわらず、根本的な解決策は見出されておらず、早晩、限界を迎えると危惧されて久しい。
ナノメートルのスケールでは、生物由来の機能と非生物由来の機能とが、同じ相互作用機構(究極的には電磁相互作用)にまで還元できるので、進展の著しいナノテクノロジーの進展は、非生物とバイオとを統合する潜在的重要性を秘めているが、依然として本格的実用化にいたっていない。
また、生体の細胞や組織の機能を上記のSPMで測定することは、細胞内過程を究明する上で、また、その結果に基づきバイオ機能素子へと応用する際に大変重要であるが、単なる表面が平坦な基板上では、細胞の機能発現や組織の成長が順調に進まないことが問題であった(例えば、上記非特許文献1〜5参照。)。例えば、図30に示すように、表面が平坦(平滑)な基板101上にバイオ試料として生きている細胞102を載せ、プローブ103の先端に取り付けられたカーボンナノチューブプローブ104を用いてSTMによりこの細胞102の機能や成長などの観測を行おうとしても、この細胞102は基板101上で接着伸展してしまうため、本来の機能や成長などが阻害される。また、基板101が金属からなる場合、細胞102をこの金属からなる基板101に接触させると、殆どの場合、失活してしまうという問題があった。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、細胞や生体組織などのバイオ系物質の本来の機能を正確に測定することができるバイオ機能測定装置を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、細胞や生体組織などのバイオ系物質またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質の培養または成長を必要に応じてバイオ機能を観測しながら行うことができる培養/成長装置を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、細胞や生体組織などのバイオ系物質の本来の機能を用いて動作が可能なバイオ機能素子を提供することである。
一方、従来のバイオ系を含む電子素子においては、全電極に対してバイアス電圧ゼロの全対称状態から有限のバイアス電圧を印加した低対称性状態へ変化するという自明なものを除いて、動作時に、ポテンシャルの勾配を変化させることこそあれ、ポテンシャルの空間対称性を変化させるものはなかった。
そこで、この発明が解決しようとするさらに他の課題は、バイオ分子などの各種の物質の機能を用いてポテンシャルの空間対称性を変調することが可能な機能素子を提供することである。
上記課題を解決するために、第1の発明は、
金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置である。
ここで、金属薄膜および誘電体薄膜の厚さは必要に応じて選ばれるが、典型的には、金属薄膜の厚さは1nm以上60nm以下、誘電体薄膜の厚さは10nm以上600nm以下である。これらの金属薄膜および誘電体薄膜は、典型的には、ストリップ状またはリボン状であるが、これに限定されるものではない。バイオ系物質には、細胞や生体組織のほかに生体由来物質も含まれる。生体由来物質には各種のものが含まれるが、例えば、膀胱上皮膜、クリーンベンチ内などのクリーン環境下での細胞培養で得られた培養皮膚、DNAメンブレインなどである。このバイオ系物質は金属薄膜のエッジと接触するが、例えばバイオ系物質が細胞である場合、細胞のサイズは〜10μmのオーダーと考えられるので、例えば上記のように金属薄膜の厚さが1nm以上60nm以下である場合、金属薄膜のエッジの幅(金属薄膜の厚さに等しい)は細胞に対して1/170〜1/10000のサイズに過ぎず、失活が抑えられる。細胞や金属薄膜の材質などにより、万が一細胞の失活のおそれがある場合は、誘電体薄膜の厚さを大きくして金属薄膜の間隔を大きくすればよい。典型的には、多層構造体薄片の金属薄膜同士が互いに電気的に接続される。このために、例えば、この多層構造体薄片の他方の主面上に金属配線が形成され、この金属配線と多層構造体薄片の金属薄膜とが接続される。あるいは、この多層構造体薄片の少なくとも一対の金属薄膜間、例えば隣り合う金属薄膜間に電圧を印加することができるように構成される。このために、例えば、この多層構造体薄片の他方の主面上に金属配線が形成され、この金属配線と多層構造体薄片の金属薄膜のうちの選択されたものとが接続される。プローブは、SPMのプローブと同様なものを用いることができ、必要に応じてその材質や先端径などが選ばれるが、具体的には、例えばカーボンナノチューブである。プローブとしては、金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、これらの金属薄膜と誘電体薄膜とがこの多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層されているもの、あるいはさらにこの多層構造体薄片の一方の主面において金属薄膜が誘電体薄膜に対して突出しているものを用いてもよい。この場合、典型的には、バイオ系物質が載せられる多層構造体薄片の金属薄膜および誘電体薄膜と、プローブとして用いられる多層構造体薄片の金属薄膜および誘電体薄膜とが、互いに直交するようにする。このとき、例えば、これらの二枚の多層構造体薄片の金属薄膜同士がエッジ対エッジで対向する交差部に電圧を印加することができる。
第2の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置である。
ここで、バイオ系物質は、基本的には、第1の誘電体薄膜のエッジと接触し、金属薄膜とは接触しないため、例えばバイオ系物質が細胞である場合、その失活が抑えられる。また、この場合、金属薄膜がプローブの対向電極となる。
第3の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置である。
ここで、バイオ系物質は、基本的には、半導体薄膜のエッジと接触し、金属薄膜とは接触しないため、例えばバイオ系物質が細胞である場合、その失活が抑えられる。また、この場合、半導体薄膜をこれと隣り合う金属薄膜にゲート電圧を印加することにより導電性に制御することでプローブの対向電極とすることができる。半導体薄膜には無機半導体および有機半導体が含まれる。
第2および第3の発明においては、その性質に反しない限り、第1の発明に関連して説明したことが成立する。
第4の発明は、
金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置である。
第5の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置である。
第6の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置である。
第4〜第6の発明において、バイオ系物質の制御機能(バイオ系物質を機能的または形態的に制御する機能で成長の誘引、促進などを行う機能)を有する非バイオ系物質には、非バイオ系物質そのものがバイオ系物質の制御機能を有する場合と、非バイオ系物質そのものはバイオ系物質の制御機能を有していないが非バイオ系物質の形状や形態がバイオ系物質の制御機能を有する場合とが含まれる。前者の例としては、サイトカイン(インターロイキン、増血因子、増殖因子など)やこれらを含む物質などが挙げられる。また、後者の例としては、自己組織化によるナノ・マイクロピラー構造などが挙げられる。
第4〜第6の発明においては、その性質に反しない限り、第1〜第3の発明に関連して説明したことが成立する。
第7の発明は、
金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子である。
第8の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子である。
第9の発明は、
第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子である。
第7〜第9の発明においては、その性質に反しない限り、第1〜第3の発明に関連して説明したことが成立する。
第10の発明は、
互いに対向する第1の電極および第2の電極を少なくとも有する機能素子において、
上記第1の電極および上記第2の電極に対するバイアス電圧の制御により、上記第1の電極および上記第2の電極からなる系が有するポテンシャルの対称性を変調するようにしたことを特徴とするものである。
第1の電極および第2の電極としては、例えば、第1〜第3の発明における多層構造体薄片を用いることができる。この機能素子は、例えばバイオ機能素子であるが、これに限定されるものではなく、バイオ系物質を用いない電子素子であってもよい。
第10の発明においては、その性質に反しない限り、第1〜第3の発明に関連して説明したことが成立する。
この発明によれば、バイオ系物質が載せられる多層構造体薄片の一方の主面は凹凸状になっており、この凹凸の周期は第1の薄膜および第2の薄膜の厚さの制御により容易にナノメートルオーダーにすることができ、しかも第1の薄膜および第2の薄膜に金属薄膜が含まれていてこの金属薄膜にバイオ系物質が接触する場合でも、その接触面積は極めて小さいため、バイオ系物質が接着伸展したり失活したりするのを防止することができる。そして、バイオ機能測定装置においては、このバイオ系物質にプローブを接触または接近させ、このプローブと多層構造体薄片の金属薄膜との間に電圧を印加してそのときにバイオ系物質に局所的に流れる電流を測定することなどにより、細胞や生体組織などの本来の機能を測定することができる。この場合、多層構造体薄片の金属薄膜のうち選択されたものの間に電圧を印加することにより、バイオ系物質に対して多層構造体薄片の一方の主面に平行な方向に局所的に電圧を印加しながら測定を行うことができるので、極めて空間分解能の高い測定を行うことができる。あるいは、培養/成長装置においては、バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させ、このプローブと多層構造体薄片の金属薄膜との間に電圧を印加してバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質に局所的に電流を流すことなどにより、必要に応じてバイオ機能を観測しながら、バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質の培養または成長を制御することができる。この場合、多層構造体薄片の金属薄膜のうち選択されたものの間に電圧を印加することにより、バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質に対して多層構造体薄片の一方の主面に平行な方向に局所的に電圧を印加しながら培養あるいは細胞の分化などを行うことができる。さらに、バイオ機能素子においては、バイオ系物質にプローブを接触または接近させ、このプローブと多層構造体薄片の金属薄膜との間に電圧を印加してバイオ系物質に局所的に電流を流すことなどにより、バイオ系物質の機能を制御することができる。この場合、多層構造体薄片の金属薄膜のうちの選択されたものの間に電圧を印加することにより、バイオ系物質に対して多層構造体薄片の一方の主面に平行な方向に局所的に電圧を印加しながら機能の制御を行うことができる。
以下、この発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態の全図において、同一または対応する部分には同一の符号を付す。
図1はこの発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置を示す。このバイオ機能測定装置はSTMと同様な構成を有する。
図1に示すように、このバイオ機能測定装置においては、多層構造体薄片11の一方の主面である上面A上に試料としてバイオ系物質12を載せ、この上面Aに垂直な方向からこのバイオ系物質12に、シリコンなどからなるプローブ13の先端に取り付けられたカーボンナノチューブプローブ14を接触または接近させることができるようになっている。プローブ13、したがってカーボンナノチューブプローブ14は、STMのプローブと同様に、図示省略した圧電制御装置により多層構造体薄片11上でx、y、z方向に三次元的に走査することができるようになっている。
図2AおよびBに、多層構造体薄片11の平面図および断面図(図2AのB−B線断面図)を示す。図2AおよびBに示すように、多層構造体薄片11は、ストリップ状またはリボン状の誘電体薄膜11aとこれと同じ幅で同じくストリップ状またはリボン状の金属薄膜11bとがこの多層構造体薄片11の上面A内の一方向に交互に多層積層された構造を有し、全体として矩形の平面形状を有する。誘電体薄膜11aの厚さは例えば2〜100nm、金属薄膜11bの厚さは例えば2〜20nmであるが、これに限定されるものではない。誘電体薄膜11aとしては各種のものを用いることができ、必要に応じて適宜選ばれるが、具体的には、例えば、SiO2 膜、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜などである。金属薄膜11bとしても各種のものを用いることができ、必要に応じて適宜選ばれるが、具体的には、例えば、Cu膜、Au膜、Al膜、Pt膜などである。多層構造体薄片11の試料載置面である上面Aにおいて、金属薄膜11bは、誘電体薄膜11aに対して高さΔだけ突き出ている。Δはバイオ系物質12などに応じて適宜選ばれ、例えば0.1〜2μmであるが、これに限定されるものではない。一方、多層構造体薄片11の他方の主面である裏面Bには、各金属薄膜11bと電気的に接続された形で金属からなる裏面電極15が形成されている。
多層構造体薄片11は例えば次のようにして作製することができる。図3AおよびBに示すように、真空蒸着装置の真空チェンバー21内において、ローラ22に、例えば幅が狭くて薄い平坦なテープ状の樹脂製ベースフィルム23を巻き付けておき、この樹脂製ベースフィルム23の一方の面に、蒸着源24から例えば金属を蒸発させて薄い金属薄膜(図示せず)を形成した後、この金属薄膜付き樹脂製ベースフィルム23を巻き取りローラ25で巻き取っていく。符号26は樹脂製ベースフィルム23を両側から保持する支持板を示す。
上述のようにして金属膜付き樹脂製ベースフィルム23が巻き取りローラ25で巻き取られることにより、樹脂製ベースフィルム23からなる誘電体薄膜11aと金属薄膜11bとが交互に積層された全体として円柱状のスパイラル構造が形成される。次に、この円柱状のスパイラル構造を中心軸に垂直な面に沿って薄く輪切りすることにより、図4Aに示すように、誘電体薄膜11aと金属薄膜11bとが半径方向に交互に積層された円板27を作製する。次に、図4Bに示すように、この円板27の一方の主面を反応性イオンエッチング(RIE)法のようなドライエッチング法によりエッチングする。このとき、一般に、樹脂製ベースフィルム23からなる誘電体薄膜11aのエッチング速度は金属薄膜11bのエッチング速度に比べて十分に大きいため、ある時間エッチングすると、図4Cに示すように、誘電体薄膜11aに対して金属薄膜11bが高さΔだけ突出した状態になる。この時点でエッチングを停止する。次に、図4Cに示すように、この円板27の他方の主面に真空蒸着法やスパッタリング法などにより金属を堆積させることにより裏面電極15を形成する。この後、図5において一点鎖線で示すように、この円板27を矩形の形状に切り出して多層構造体薄片11を作製する。
次に、このバイオ機能測定装置の使用方法について説明する。
図1に示すように、多層構造体薄片11の上面Aに、例えば、バイオ系物質12として、機能を調べたい細胞を載せる。このとき、多層構造体薄片11の上面Aは平坦ではなく、金属薄膜11bが誘電体薄膜11aに対して高さΔだけ突き出ていてナノメートルオーダーの間隔の凹凸を有する面となっており、しかも細胞が金属薄膜11bに接触する面積は極めて小さいため、この細胞は接着伸展したり失活したりすることがなく、細胞本来の機能を維持することができる。そして、カーボンナノチューブプローブ14と多層構造体薄片11の裏面Bに形成された裏面電極15、したがって金属薄膜11bとの間に電源16により電圧Vを印加しながらカーボンナノチューブプローブ14の先端をバイオ系物質12に接触あるいは接近させ、そのときにバイオ系物質12に局所的に流れる電流Iを電流計17により測定する。この場合、I−V特性やdI/dV特性などの各種の特性を測定することができる。
以上のように、この第1の実施形態によれば、試料であるバイオ系物質12が載せられる多層構造体薄片11の上面Aはナノメートルオーダーの間隔の凹凸を有し、しかも金属薄膜11bがバイオ系物質12と接触する面積は極めて小さいため、バイオ系物質12の本来の機能を維持することができる。そして、この状態でバイオ系物質12に対してカーボンナノチューブプローブ14を接触または接近させてこのカーボンナノチューブプローブ14と多層構造体薄片11の金属薄膜11aとの間に流れる電流を測定することにより、バイオ系物質12のバイオ機能を正確に測定することができる。
次に、この発明の第2の実施形態によるバイオ機能測定装置について説明する。
図6に示すように、このバイオ機能測定装置においては、多層構造体薄片11の構造が第1の実施形態と異なる。図7A、B、CおよびDに、この多層構造体薄片11の上面図、裏面図、図7AのC−C線断面図および図7AのD−D線断面図を示す。図7A、B、CおよびDに示すように、この多層構造体薄片11は、ストリップ状またはリボン状の誘電体薄膜11aと同じくストリップ状またはリボン状の金属薄膜11bとがこの多層構造体薄片11の上面A内の一方向に交互に多層積層された構造を有し、全体として矩形の平面形状を有することは第1の実施形態と同様であるが、この場合、図7Aの左から数えて偶数番目の金属薄膜11bは多層構造体薄片11の裏面Bの一方の片側半分に形成された裏面電極15aと電気的に接続され、奇数番目の金属薄膜11bは多層構造体薄片11の裏面Bの他方の片側半分に形成された裏面電極15bと電気的に接続されている。これらの裏面電極15aおよび裏面電極15bは多層構造体薄片11の裏面B上に絶縁体薄膜18を介して形成されている。そして、裏面電極15aはこの絶縁体薄膜18に形成されたコンタクトホール18aを通じて偶数番目の金属薄膜11bと電気的に接続され、裏面電極15bはこの絶縁体薄膜18に形成されたコンタクトホール18bを通じて奇数番目の金属薄膜11bと電気的に接続されている。図6においては、これらの裏面電極15aおよび裏面電極15bは模式的に示されており、絶縁体薄膜18の図示も省略されている。
この第2の実施形態においては、上記以外の構成は第1の実施形態と同様である。
また、多層構造体薄片11の作製方法も、多層構造体薄片11の裏面Bに絶縁体薄膜18およびコンタクトホール18a、18aを形成し、裏面電極15aおよび裏面電極15bを形成すること以外は、第1の実施形態と同様である。
次に、このバイオ機能測定装置の使用方法について説明する。
図6に示すように、多層構造体薄片11の上面Aに、バイオ系物質12として、機能を調べたい細胞を載せる。そして、裏面電極15aと裏面電極15bとの間、したがって互いに隣り合う金属薄膜11b間に電源19によりバイアス電圧VG を印加することでバイオ系物質12に上面Aに平行な方向の局所的な電圧を印加し、かつカーボンナノチューブプローブ14と多層構造体薄片11の裏面Bに形成された裏面電極15b、したがって奇数番目の金属薄膜11bとの間に電源16により電圧Vを印加しながらカーボンナノチューブプローブ14の先端をバイオ系物質12に接触あるいは接近させ、そのときに流れる電流Iを電流計17により測定する。この場合、I−V特性、dI/dV特性などの各種の特性を測定することができる。上記のように、互いに隣り合う金属薄膜11b間にバイアス電圧VG を印加することでバイオ系物質12に上面Aに平行な方向の局所的な電圧を印加することにより、例えば、バイオ系物質12が生きた細胞である場合、この細胞内の原形質流動などに変調を加えることができる。
この第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、細胞内の原形質流動などに変調を加えながらバイオ系物質12の測定を行うことができるという利点を得ることができる。さらに、互いに隣り合う金属薄膜11b間にバイアス電圧VG を印加することができるので、バイオ系物質12を一種の3端子動作させながら測定を行うことができる。
次に、この発明の第3の実施形態によるバイオ機能測定装置について説明する。
図8に示すように、このバイオ機能測定装置においては、多層構造体薄片11の構造が第1の実施形態と異なる。図9AおよびBに、この多層構造体薄片11の上面図および図9AのB−B線断面図を示す。図9AおよびBに示すように、この多層構造体薄片11は、ストリップ状またはリボン状の樹脂薄膜11cと同じくストリップ状またはリボン状の絶縁体薄膜11dとがこの多層構造体薄片11の上面A内の一方向に交互に多層積層された構造を有し、全体として矩形の平面形状を有する。ただし、一箇所だけ、絶縁体薄膜11dの代わりに金属薄膜11bが積層されている。絶縁体薄膜11dとしては各種のものを用いることができ、必要に応じて適宜選ばれるが、具体的には、例えば、Al2 3 膜、SiO2 膜、共有結合有機薄膜などである。多層構造体薄片11の上面Aにおいて、金属薄膜11bおよび絶縁体薄膜11dは、樹脂薄膜11cに対して高さΔだけ突き出ている。一方、多層構造体薄片11の裏面Bには絶縁体薄膜18が形成されている。さらに、絶縁体薄膜18上には裏面電極15が形成されている。金属薄膜11bは、多層構造体薄片11の裏面Bにおいて、絶縁体薄膜18に形成されたコンタクトホール18cを通じて金属薄膜11bと電気的に接続されている。図8においては、この裏面電極15は模式的に示されている。
この第3の実施形態においては、上記以外の構成は第1の実施形態と同様である。
また、多層構造体薄片11の作製方法も、樹脂製ベースフィルム23の一方の面に、蒸着源24とは別に設けられた他の蒸着源から絶縁体を蒸発させて薄い絶縁体薄膜(図示せず)を形成する工程の途中で絶縁体の代わりに蒸着源24から金属を蒸発させて薄い金属薄膜(図示せず)を形成し、円板27を形成した後に裏面に絶縁体薄膜18、コンタクトホール18cおよび裏面電極15を形成すること以外は第1の実施形態と同様である。
次に、このバイオ機能測定装置の使用方法について説明する。
図8に示すように、多層構造体薄片11の上面Aの金属薄膜11bを含む領域に、バイオ系物質12として、機能を調べたい細胞を載せる。このとき、多層構造体薄片11の上面Aは平坦ではなく、絶縁体薄膜11dおよび金属薄膜11bが樹脂薄膜11cに対して高さΔだけ突き出ていてナノメートルオーダーの間隔の凹凸を有する面となっており、しかも細胞は絶縁体薄膜11dのエッジと接触し、一箇所だけで金属薄膜11bと接触するため、この細胞は接着伸展したり失活したりすることがなく、細胞本来の機能を維持することができる。そして、カーボンナノチューブプローブ14と多層構造体薄片11の裏面Bに形成された裏面電極15、したがって金属薄膜11bとの間に電源16により電圧Vを印加しながらカーボンナノチューブプローブ14の先端をバイオ系物質12に接触あるいは接近させ、そのときに流れる電流Iを電流計17により測定する。この場合、I−V特性を測定してもよいし、dI/dV特性を測定してもよい。
この第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、細胞内の原形質流動などの測定を行うことができるという利点を得ることができる。
次に、この発明の第4の実施形態によるバイオ機能測定装置について説明する。
図10に示すように、このバイオ機能測定装置においては、多層構造体薄片11の構造が第1の実施形態と異なる。図11A、B、CおよびDに、この多層構造体薄片11の上面図、裏面図、図11AのC−C線断面図および図11AのD−D線断面図を示す。図11A、B、CおよびDに示すように、この多層構造体薄片11は、ストリップ状またはリボン状の誘電体薄膜11aと、一つおきに同じくストリップ状またはリボン状の金属薄膜11bまたは不純物が高濃度にドープされた半導体薄膜11eとがこの多層構造体薄片11の上面A内の一方向に交互に多層積層された構造を有し、全体として矩形の平面形状を有する。半導体薄膜11eとしては各種のものを用いることができ、必要に応じて適宜選ばれるが、具体的には、例えば、単結晶Si膜、多結晶Si膜、アモルファスSi膜、C60誘導体などの有機半導体膜などである。多層構造体薄片11の上面Aにおいて、半導体薄膜11eは、誘電体薄膜11aおよび金属薄膜11bに対して高さΔだけ突き出ている。金属薄膜11bは裏面電極15aと電気的に接続されており、これらの金属薄膜11bおよび裏面電極15aの全体がゲート電極となる。半導体薄膜11eは多層構造体薄片11の裏面Bの他方の片側半分に形成された裏面電極15bと電気的に接続されている。これらの裏面電極15aおよび裏面電極15bは多層構造体薄片11の裏面B上に絶縁体薄膜18を介して形成されている。そして、裏面電極15aはこの絶縁体薄膜18に形成されたコンタクトホール18aを通じて金属薄膜11bと電気的に接続され、裏面電極15bはこの絶縁体薄膜18に形成されたコンタクトホール18bを通じて半導体薄膜11eと電気的に接続されている。図10においては、これらの裏面電極15aおよび裏面電極15bは模式的に示されており、絶縁体薄膜18の図示も省略されている。
この第4の実施形態においては、上記以外の構成は第1の実施形態と同様である。
また、多層構造体薄片11の作製方法も、樹脂製ベースフィルム23の一方の面に、蒸着源24から金属を蒸発させて薄い金属薄膜(図示せず)を形成する工程と蒸着源24とは別に設けられた他の蒸着源から不純物が高濃度にドープされた半導体薄膜(図示せず)を形成する工程とを交互に実行し、円板27を形成した後に裏面に絶縁体薄膜18、コンタクトホール18c、裏面電極15aおよび裏面電極15bを形成すること以外は、第1の実施形態と同様である。
次に、このバイオ機能測定装置の使用方法について説明する。
図10に示すように、多層構造体薄片11の上面Aに、バイオ系物質12として、機能を調べたい細胞を載せる。このとき、多層構造体薄片11の上面Aは平坦ではなく、半導体薄膜11eが金属薄膜11bおよび誘電体薄膜11aに対して高さΔだけ突き出ていてナノメートルオーダーの間隔の凹凸を有する面となっており、しかも細胞は半導体薄膜11eのエッジと接触し、金属薄膜11bとは接触しないため、この細胞は接着伸展したり失活したりすることがなく、細胞本来の機能を維持することができる。そして、裏面電極15aと裏面電極15bとの間、したがって金属薄膜11bと半導体薄膜11eとの間に電源19によりゲート電圧VG を印加することで不純物が高濃度にドープされた半導体薄膜11eの空乏化を制御し、それによって導電性/絶縁性を制御する。したがって、この半導体薄膜11eを導電性に制御することでバイオ系物質12に局所的な電圧を印加することができる。そして、この状態でカーボンナノチューブプローブ14と多層構造体薄片11の裏面Bに形成された裏面電極15b、したがって奇数番目の金属薄膜11bとの間に電源16により電圧Vを印加しながらカーボンナノチューブプローブ14の先端をバイオ系物質12に接触あるいは接近させ、そのときに流れる電流Iを電流計17により測定する。この場合、I−V特性を測定してもよいし、dI/dV特性を測定してもよい。
この第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、細胞内の原形質流動などの測定を行うことができるという利点を得ることができる。
ところで、上記の多層構造体薄片を二枚張り合わせることにより、以下に説明するように様々な応用が考えられる。
図12Aに示すように、まず、第1の実施形態と同様な方法により誘電体薄膜11aと金属薄膜11bとが交互に積層されたスパイラル構造の円板27を製造した後、この円板27から二枚の矩形の多層構造体薄片31、32を切り出す。これらの多層構造体薄片31、32のサイズは必要に応じて選ばれるが、例えば1cm×1cm程度である。
次に、図12Bに示すように、こうして得られた多層構造体薄片31、32を高度清浄度環境下で互いに90度方位をずらして張り合わせ、多層構造体薄片張り合わせ構造33を作製する。この多層構造体薄片張り合わせ構造33においては、多層構造体薄片31の金属薄膜11bと多層構造体薄片32の金属薄膜11bとの各交差部においてこれらの上下の二つの金属薄膜11b同士がエッジ対エッジで対向した構造を有する。この構造を量子十字構造と呼ぶことにする。この量子十字構造は擬一次元系である。上下の二つの金属薄膜11bの間に電圧を印加すると、この量子十字部分にギャップがあればトンネル電流が流れ、導体があれば電流が流れる。また、量子十字構造に固体電解質を挟むことで、表面の微細加工やナノスケールの描画が可能である。
図13Aにこの多層構造体薄片張り合わせ構造33の斜視図を示す。また、図13Bに一つの量子十字構造を示す。この多層構造体薄片張り合わせ構造33においては、この量子十字構造が二次元アレイで多重に配列している。この量子十字構造においては、上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間に所定の物質34が挟まれる。この物質34は必要に応じて選ばれ、例えば分子、細胞、DNAなどであるが、これに限定されるものではない。
量子十字構造は、上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間に挟む物質34の挟み方によって三つの形を取る。図14AおよびBは上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間にギャップを介さずに物質34を挟む場合、図15AおよびBは上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間に一つのギャップ35を介して物質34を挟む場合、図16AおよびBは上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間に二つのギャップ35を介して物質34を挟む場合である。量子十字構造は、これらの物質34の挟み方によって、物質34の表面状態や内部状態の観察や操作、あるいはナノスケールでの表面の加工や描画が可能になる。
上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間にギャップを介さずに物質34を挟む場合、二種類の機能素子の実現が可能である。一つは図14AおよびBに示すような構造を有するものでポテンシャル対称性変調素子である。もう一つは、図17に示すように、物質34として固体電解質36を用い、この固体電解質36における金属架橋の生成消滅を電圧で制御することで二つの安定状態を取るスイッチング素子である。この場合、例えば、多層構造体薄片31の金属薄膜11bはCu膜またはAg膜、多層構造体薄片32の金属薄膜11bはPt膜、固体電解質36はCu2 S膜またはAg2 S膜である。これらの素子では、上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間に挟む物質34として、例えば、表面をナノオーダーでフラット化したものを用いるのが望ましい。そして、多層構造体薄片31の金属薄膜11bと多層構造体薄片32の金属薄膜11bとの間に順番に電圧を印加することで、各量子十字構造における上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間の物質34に電圧を印加し、このときに上下の二つの金属薄膜11b間に流れる電流をモニターすることで物質34の表面の状態や内部状態を観察することができる。
量子十字構造では、上下の二つの金属薄膜11bに与える電荷の符号や大きさを変えることによりポテンシャルの形や大きさを制御することができる。このため、図14AおよびBに示すポテンシャル対称性変調素子では、上下の二つの金属薄膜11bに与えるバイアス電圧、したがってこの系のポテンシャルを変えることで、図18Aに示す鞍点型のポテンシャルから、図19Aに示す下に凸のポテンシャルに変化させることができる。このポテンシャル変化により、例えば、物質34が分子である場合、この分子の配向(双極子モーメントの向き)(交差部の矢印で示す)を、図18Bに示す状態から図19Bに示す状態に制御することができる。
より詳細には、図18Aおよび図19Aから分かるように、上下の二つの金属薄膜11bに印加するバイアス電圧によって、シェーンフリースの記号でC4v(図19A)の対称性とD2d(図18A)の対称性との間を移り変わることができる。また、上下の二つの金属薄膜11bのなす角度を90度からずらすことで、C2vの対称性とD2 の対称性との間を移り変わることも可能である。例えば、量子十字部に挟むバイオ分子に双極子モーメントを有するものを採用することなどを通じ、バイアス電圧の制御によりポテンシャルの空間対称性を変調することができるという全く新しい制御パラメータ空間を伴った新規な機能素子を実現することができる。
図17に示すスイッチング素子では、次のようにしてスイッチングを行う。例えば、多層構造体薄片31の金属薄膜11bとしてCu膜、多層構造体薄片32の金属薄膜11bとしてPt膜、固体電解質36としてCu2 S膜を用いる。そして、図20Aに示すように、多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が正に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が負になるように電圧を印加すると、Cu+ +e- →Cuの反応が起き、これらの上下の二つの金属薄膜11bの交差部のエッジ間にCu析出部37が形成され、これらの金属薄膜11b同士がこのCu析出部37で架橋される。図20Bに示すように、電圧の極性を逆にすると、すなわち多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が負に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が正になるように電圧を印加すると、Cu→Cu+ +e- の反応が起き、CuがイオンとなってCu2 S膜に溶け出すことにより、Cu析出部37の先端が多層構造体薄片31の金属薄膜11bから離れ、このCu析出部37による架橋がなくなる。このようにCu析出部37による架橋が生成したり消滅したりすることで上下の二つの金属薄膜11bの交差部の抵抗の大きさが大きく変わるため、二つの安定状態を取ることができる。例えば、図20Aに示すようにCu析出部37による架橋が生成された状態をオン状態、図20Bに示すようにCu析出部37による架橋が消滅した状態をオフ状態とすることができる。これらの二つの安定状態を用いることで、超高密度メモリを実現することが可能である。なお、例えば、多層構造体薄片31の金属薄膜11bとしてAg膜、物質34としてAg2 S膜を用いる場合でも同様である。
図15AおよびBに示すように量子十字構造が一つのギャップ35を持っているとき、この量子十字構造はSPMと同じ働きをすることができる。例えば、物質34の表面を観察したり、表面の加工や描画が可能である。具体例を図21に示す。
図21に示すように、量子十字構造が一つの例えばナノメートルオーダーのギャップ35を持っている場合に、例えば、多層構造体薄片31の金属薄膜11bとしてPt膜、多層構造体薄片32の金属薄膜11bとしてCu膜を用い、このCu膜の下部にCu2 S膜38を一体に形成する。そして、図22Aに示すように、多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が負に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が正になるように電圧を印加すると、Cu+ +e- →Cuの反応が起き、これらの上下の二つの金属薄膜11bの交差部のCu2 S膜38中にCu析出部37が針状に伸びていき、このCu2 S膜38の下面に到達する。この状態はSPMでプローブが物質34に接近した状態に対応する。図22Bに示すように、電圧の極性を逆にすると、すなわち多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が正に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が負になるように電圧を印加すると、Cu→Cu+ +e- の反応が起き、CuがイオンとなってCu2 S膜38に溶け出すことにより、Cu析出部37の先端が物質34から遠ざかる。この状態はSPMでプローブが物質34から離れた状態に対応する。以上のように、図21に示す構造はSPMと同じ働きをすることが分かる。この場合、量子十字構造は二次元アレイで多重に配列しているため、マルチプローブのSPMと同じ働きをする。なお、例えば、多層構造体薄片31の金属薄膜11bとしてPt膜、多層構造体薄片32の金属薄膜11bとしてAg膜を用い、このAg膜の下部にAg2 S膜を一体に形成する場合も同様である。
次に、図23に示すように、多層構造体薄片31の金属薄膜11bとしてPt膜、多層構造体薄片32の金属薄膜11bとしてCu膜を用い、このCu膜の下部にCu2 S膜38を一体に形成した場合を考える。この場合、物質34は形成されておらず、多層構造体薄片31の金属薄膜11bはCu2 S膜38に対して電子のトンネリングが生じる程度に接近している。図24AおよびBに示すように、多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が正に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が負になるように電圧を印加すると、Cu+ +e- →Cuの反応が起き、Cu2 S膜38中をCu析出部37が針状に伸びていき、遂にはその先端がCu2 S膜38の下面に到達する。ここで、図24Cに示すように、電圧の極性を逆にすると、すなわち多層構造体薄片31の金属薄膜11b側が負に、多層構造体薄片32の金属薄膜11b側が正になるように電圧を印加すると、Cu→Cu+ +e- の反応が起き、CuがイオンとなってCu2 S膜38に溶け出すことにより、Cu析出部37の先端が多層構造体薄片31の金属薄膜11bから遠ざかる。以上のように、必要な部位の量子十字構造にドット状のCu析出部37を形成することができる。
図25は、選択された部位の量子十字構造にドット状のCu析出部37を形成し、幅広のパターン40を描画する場合を示す。図25に示すように、格子点近似ながら、量子十字構造を形成する上下の多層構造体薄片31、32の相対位置を変えることなく、幅広のパターン40を描画することができる。
図26は、選択された部位の量子十字構造にドット状のCu析出部37を形成し、細いパターンを形成する場合の描画の軌跡41を示す。比較のために、従来のSPMで描画を行う場合の描画の軌跡42を併せて示す。図26に示すように、従来のSPMでは、自由に任意の軌跡42を描くことができるが、一般にはプローブが一本ないし数本しかないため、図26に示すような軌跡42を描く時には、ステージをパターンと同スケールの極めて広い範囲にわたって動かす必要があり、かつまた描画パターンの長さに比例する極めて長い時間を費やしてしまう。これに対し、二枚の多層構造体薄片31、32を重ねてできる複数の量子十字構造部にCu析出部37を形成する場合は、図26に示すように二枚の多層構造体薄片31、32の相対位置をx方向に、量子十字構造の周期に相当する単位ベクトルe1 分だけ移動しつつ描画を行い、次いで一旦原点に戻した後、今度はy方向に、量子十字構造の周期に相当する単位ベクトルe2 分だけ移動することにより、描画の多重並列処理を行うことができるため、極めて短時間に図27に示すような細いパターン40を近似性よく形成することができる。
さらに、図28に示すように、二枚の多層構造体薄片31、32の相対位置をx方向に、量子十字構造の周期に相当する単位ベクトルe1 分だけ移動しつつ描画を行い、次いで一旦原点に戻した後、今度はy方向に、量子十字構造の周期に相当する単位ベクトルe2 分だけ移動しつつ描画を行い、次いで一旦原点に戻した後、今度はベクトルe1 とベクトルe2 との合成ベクトルの方向に移動しつつ描画を行い、次いで一旦原点に戻した後、今度はベクトル−e1 とベクトルe2 との合成ベクトルの方向に移動しつつ描画を行うことにより、図28に示すように軌跡41をさらに近似性よく形成することができる。図29に最終的に形成されるパターン40を示す。このように、描画の多重並列処理を行うことができるため、従来のSPMに比べて極めて短時間にて、ほぼ同精度の高精細描画パターンを形成することができる。
以上のように、多層構造体薄片を二枚張り合わせた構造により、量子十字構造が多重配列化されたシステムを得ることができ、このシステムを用いて例えばマルチプローブ顕微鏡、マルチポイント顕微鏡、ナノスケール描画装置、超高密度メモリなどの各種のシステムあるいは素子を得ることができる。
次に、この発明の第5の実施形態によるバイオ機能測定装置について説明する。
この第5の実施形態においては、第1の実施形態におけるプローブ13およびカーボンナノチューブプローブ14の代わりに上記の多層構造体薄片32を用いる。すなわち、多層構造体薄片11の上面A上に試料としてバイオ系物質12を載せ、その上に多層構造体薄片32を接触あるいは接近させる。この場合、多層構造体薄片11の金属薄膜11bおよび誘電体薄膜11aと多層構造体薄片32の金属薄膜11bおよび誘電体薄膜11aとが互いに直交するようにする。
このバイオ機能測定装置においては、多層構造体薄片11の金属薄膜11bと多層構造体薄片32の金属薄膜11bとの間に電圧を印加することによりこれらの交差部のバイオ系物質12に電圧を印加することができ、このときに上下の二つの金属薄膜11b間に流れる電流をモニターすることでバイオ系物質12の表面の状態や内部状態を観察することができる。
この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な利点に加えて、従来のSTMのようにプローブを走査することなく、バイオ系物質12の機能を詳細に測定することができるという利点を得ることができる。
以上、この発明の実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
例えば、上述の実施形態において挙げた数値、材料、形状、配置などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、形状、配置などを用いてもよい。
また、上述の第1〜第5の実施形態によるバイオ機能測定装置と同様な構成により培養/成長装置あるいはバイオ機能素子を構成することができる。例えば、第5の実施形態によるバイオ機能測定装置と同様な構成の培養/成長装置では、多層構造体薄片11と多層構造体薄片32との間にバイオ系物質12および/またはこのバイオ系物質12の制御機能を有する非バイオ系物質を挟み、バイオ系物質12および/またはこのバイオ系物質12の制御機能を有する非バイオ系物質の培養、成長、付着(deposition)、描画などを二次元面内で任意の形状で行うことが可能である。
また、対称性変調素子の十字部に挟まれるバイオ分子は、双極子モーメントなどの空間に対して非等方的な特性を付与する性質を持つ分子・分子団であってもよい。
また、例えば、上述の第5の実施形態によるバイオ機能測定装置は、必要に応じて、バイオ系物質だけでなく、一般の無機薄膜や有機薄膜などの各種のものの機能の測定に用いることも可能であり、これにより例えば多点同時測定を行うことが可能である。
この発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置を示す略線図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片を示す平面図および断面図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片の作製に用いられる真空蒸着装置を示す正面図および側面図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片の作製方法を説明するための断面図である。 この発明の第1の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片の作製方法を説明するための平面図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ機能測定装置を示す略線図である。 この発明の第2の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片を示す平面図、裏面図および断面図である。 この発明の第3の実施形態によるバイオ機能測定装置を示す略線図である。 この発明の第3の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片を示す平面図および断面図である。 この発明の第4の実施形態によるバイオ機能測定装置を示す略線図である。 この発明の第4の実施形態によるバイオ機能測定装置において用いられる多層構造体薄片を示す平面図、裏面図および断面図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造を作製する方法を説明するための平面図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造および量子十字構造を示す斜視図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第1の例および量子十字構造を示す斜視図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第2の例および量子十字構造を示す斜視図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第3の例および量子十字構造を示す斜視図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第4の例および量子十字構造を示す斜視図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第1の例をポテンシャル対称性変調素子に用いる場合を説明するための略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第1の例をポテンシャル対称性変調素子に用いる場合を説明するための略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第4の例をスイッチング素子に用いる場合を説明するための略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第2の例をSPMと同じように用いる場合の量子十字構造を示す略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造の第2の例をSPMと同じように用いる場合を説明するための略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造を描画に用いる場合の量子十字構造を示す略線図である。 多層構造体薄片張り合わせ構造を描画、成長または培養に用いる場合を説明するための略線図である。 図24に示す方法による描画、成長または培養の様子を説明するための略線図である。 図24に示す方法による描画、成長または培養の様子を説明するための略線図である。 図24に示す方法による描画、成長または培養の様子を説明するための略線図である。 図24に示す方法による描画、成長または培養の様子を説明するための略線図である。 図24に示す方法による描画、成長または培養の様子を説明するための略線図である。 従来のSTMによるバイオ機能測定装置を示す略線図である。
符号の説明
11、31、32…多層構造体薄片、11a…誘電体薄膜、11b…金属薄膜、11c…樹脂薄膜、11d…絶縁体薄膜、11e…半導体薄膜、12…バイオ系物質、13…プローブ、14…カーボンナノチューブプローブ、15、15a、15b…裏面電極、27…円板、33…多層構造体薄片張り合わせ構造、34…物質、35…ギャップ、36…固体電解質、37…Cu析出部、38…Cu2 S膜

Claims (16)

  1. 金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置。
  2. 上記金属薄膜の厚さは1nm以上60nm以下、上記誘電体薄膜の厚さは10nm以上600nm以下であることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  3. 上記バイオ系物質は細胞、生体組織または生体由来物質であることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  4. 上記多層構造体薄片の他方の主面において上記金属薄膜間が互いに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  5. 上記多層構造体薄片の上記一方の主面において少なくとも一対の上記金属薄膜間に電圧を印加することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  6. 上記多層構造体薄片の上記一方の主面において互いに隣り合う上記金属薄膜間に電圧を印加することができるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  7. 金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層されているものを上記プローブとして用いることを特徴とする請求項1記載のバイオ機能測定装置。
  8. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置。
  9. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能測定装置。
  10. 金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置。
  11. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置。
  12. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質および/またはバイオ系物質の制御機能を有する非バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とする培養/成長装置。
  13. 金属薄膜と誘電体薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記金属薄膜と上記誘電体薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記一方の主面において上記金属薄膜が上記誘電体薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子。
  14. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は第1の誘電体薄膜および少なくとも一つの金属薄膜からなり、上記第2の薄膜は第2の誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記第1の薄膜が上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子。
  15. 第1の薄膜と第2の薄膜とからなる多層構造体薄片であって、上記第1の薄膜と上記第2の薄膜とは上記多層構造体薄片の一方の主面内の一方向に交互に積層され、上記第1の薄膜は一つおきに金属薄膜および不純物がドープされた半導体薄膜からなり、上記第2の薄膜は誘電体薄膜からなり、上記一方の主面において上記半導体薄膜が上記金属薄膜および上記第2の薄膜に対して突出しているものを有し、
    上記多層構造体薄片の上記一方の主面上にバイオ系物質を載せ、上記多層構造体薄片の上記一方の主面に垂直な方向から上記バイオ系物質にプローブを接触または接近させるようにしたことを特徴とするバイオ機能素子。
  16. 互いに対向する第1の電極および第2の電極を少なくとも有する機能素子において、
    上記第1の電極および上記第2の電極に対するバイアス電圧の制御により、上記第1の電極および上記第2の電極からなる系が有するポテンシャルの対称性を変調するようにしたことを特徴とする機能素子。
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