JP2007205054A - 断熱型枠及びコンクリート構造物の構築方法 - Google Patents

断熱型枠及びコンクリート構造物の構築方法 Download PDF

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貴快 椎名
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Abstract

【課題】容易に形成することができる断熱型枠及び断熱型枠を用いたコンクリート構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】内部にコンクリートが充填される第1の紙製型枠21と、第1の紙製型枠21の外側に所定間隔を空けて設けられた第2の紙製型枠22と、第1の紙製型枠21と第2の紙製型枠22との間に充填された断熱材24とからなる断熱型枠20である。第1の紙製型枠21と第2の紙製型枠22との間に断熱材24を充填することで、構築するコンクリート構造物10の形状に合わせて断熱型枠20を形成し、コンクリート構造物10を断熱養生することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、断熱型枠及びコンクリート構造物の構築方法に関する。
コンクリートの硬化はセメントの水和反応によってもたらされ、セメントの水和反応は養生温度が高いほど早いため、気温が低い場合には保温に注意する必要がある。このような場合にコンクリートを保温しながら養生するために、板状の断熱材を用いた断熱型枠が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、近年、コンクリートの型枠材として、硬質紙製の型枠が用いられている(例えば、特許文献2参照)。紙製型枠は一般的なコンクリート工事で使用される木製合板型枠と比べても同程度の強度を有しながら、軽量であり、丸めたり、折り曲げたりしやすく、切断加工も容易で施工性に優れている。
特開2004−238995号公報 特開2005−248517号公報
従来の断熱型枠では、例えば円筒形状の柱等の鉄筋コンクリート構造物を構築するためには、その都度、断熱材を柱に合わせた曲面形状に成形する必要がある。
本発明の課題は、容易に形成することができる断熱型枠及び断熱型枠を用いたコンクリート構造物の構築方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、断熱型枠であって、内部にコンクリートが充填される第1の紙製型枠と、第1の紙製型枠の外側に所定間隔を空けて設けられた第2の紙製型枠と、第1の紙製型枠と第2の紙製型枠との間に充填された断熱材とからなることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、コンクリート構造物の構築方法であって、内部にコンクリートを充填する第1の紙製型枠を設け、第1の紙製型枠の外側に所定間隔を空けて第2の紙製型枠を設け、第1の紙製型枠と第2の紙製型枠との間に断熱材を充填するとともに、第1の紙製型枠の内部にコンクリートを充填することを特徴とする。
本発明によれば、内部にコンクリートが充填される第1の紙製型枠と、その外側に所定間隔を空けて設けられた第2の紙製型枠との間に断熱材を充填することで、構築するコンクリート構造物の形状に合わせて断熱型枠を形成し、コンクリート構造物を断熱養生することができる。
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の断熱型枠20の内部に鉄筋コンクリートからなるコンクリート柱10を構築した状態を示す鉛直断面図である。コンクリート柱10はスラブコンクリート1の上に設けられており、下端部がスラブコンクリート1に埋設された鉄筋11と、鉄筋11よりも外側に設けられた断熱型枠20内に充填されたコンクリート12とからなる。
この断熱型枠20は、内側型枠21(第1の紙製型枠)と、外側型枠22(第2の紙製型枠)と、スペーサー23と、断熱材24とからなる。
内側型枠21は、構築するコンクリート柱10の形状に合わせた形状となっている。外側型枠22は、内側型枠21の外側面から均等な間隔を空けて配置されている。内側型枠21及び外側型枠22には硬質紙製の型枠を用いることができる。紙製型枠は軽量であり、丸めたり、折り曲げたりしやすいので、構築するコンクリート柱10の形状に合わせて容易に加工することができる。
スペーサー23は内側型枠21と外側型枠22との間に設けられ、内側型枠21と外側型枠22との間隔を均一に保つ働きをする。スペーサー23としては、紙製型枠と同じ硬質紙や、合板等の木材、その他の任意の材料を用いることができる。
断熱材24は内側型枠21と外側型枠22との間に充填されている。断熱材24としては、例えば発泡ポリウレタン等の発泡系の断熱材24料を用いることができる。なお、内側型枠21と外側型枠22との間隔がスペーサー23により均一に保たれているので、断熱材24は均一な厚さに形成される。
次に、断熱型枠20を使用したコンクリート柱10の構築方法について説明する。
まず、スラブコンクリート1の上部に、下端部がスラブコンクリート1に埋設された鉄筋11を囲むように内側型枠21、外側型枠22を配置する。そして、スペーサー23により、内側型枠21と外側型枠22との間隔を均一に保つ。
次に、内側型枠21と外側型枠22との間に断熱材24となる発泡ポリウレタン等の発泡系の断熱材料を充填する。断熱材料の固化により、断熱型枠20が完成する。
その後、内側型枠21の内側にコンクリート12を充填し、断熱養生する。
コンクリート12が固化したら、断熱型枠20を切断し、撤去する。以上により、コンクリート柱10が完成する。
このように、本実施の形態によれば、内側型枠21と外側型枠22との間に断熱材料を充填することで、断熱材24を構築するコンクリート柱10に合った形状に形成することができ、形成した断熱型枠20を用いてコンクリート柱10を断熱養生することができる。
以上の実施形態においては、内側型枠21と外側型枠22との間に断熱材料を充填してから内側型枠21の内側にコンクリート12を充填したが、内側型枠21の内側にコンクリート12を充填してから内側型枠21と外側型枠22との間に断熱材料を充填してもよい。
なお、紙製型枠は水や火気に弱いため、湿潤養生や給熱養生には不向きである。しかし、断熱養生では、コンクリートの水和熱を利用することにより、加熱をせずに初期強度発現の増進を図ることができ、乾燥収縮ひび割れの防止効果が期待できる。このため、水や火気を使用し紙製型枠へ負荷をかける湿潤養生や給熱養生を行わずにすむ。
直径1m、高さ1mの円筒形の紙製型枠の外周に10cmのスペーサーを介して直径1.2m、高さ1mの円筒形の紙製型枠を配置した。そして、2つの円筒形の紙製型枠の隙間に二液混合型の発泡ポリウレタンを充填し、厚さ10cmの断熱層を形成した。その後、内側の紙製型枠の内部にコンクリートを打設し、コンクリートの中心部と外周部の温度測定を行った。平均気温は12℃であった。
<結果>
断熱材は硬化時に発熱を伴うが、薄肉状に形成するため、紙製型枠への影響はなかった。また、断熱材の膨張圧による紙製型枠の変形もなかった。
中心部と外周部との温度差は最大で4℃以内に収まった。このように、断熱養生の難しい紙製型枠を用いた場合でも、コンクリート側面の断熱養生効果が得られた。さらに断熱材を厚く巻くことで、より高い断熱養生効果が得られると考えられる。
本発明の断熱型枠20の内部にコンクリート柱10を構築した状態を示す鉛直断面図である。
符号の説明
10 コンクリート柱(コンクリート構造物)
21 内側型枠(第1の紙製型枠)
22 外側型枠(第2の紙製型枠)
24 断熱材

Claims (2)

  1. 内部にコンクリートが充填される第1の紙製型枠と、
    第1の紙製型枠の外側に所定間隔を空けて設けられた第2の紙製型枠と、
    第1の紙製型枠と第2の紙製型枠との間に充填された断熱材とからなることを特徴とする断熱型枠。
  2. 内部にコンクリートを充填する第1の紙製型枠を設け、
    第1の紙製型枠の外側に所定間隔を空けて第2の紙製型枠を設け、
    第1の紙製型枠と第2の紙製型枠との間に断熱材を充填するとともに、第1の紙製型枠の内部にコンクリートを充填することを特徴とするコンクリート構造物の構築方法。
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