JP2007196667A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中間転写体を用いたインクジェット記録方式において、高品位な画像を形成可能なインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供すること。
【解決手段】撥インク部30で囲まれた親インク部31に対して、着色インク121および補助液123を付与する(図12(b)、(c))。次いで、付与されたインク121および補助液123により形成されたインクドット125を記録媒体8へ転写する(図12(e))。ここで、親インク部31は、インク121と補助液123を合計で複数滴受容可能な面積を有する。
【選択図】図12

Description

本発明は、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関し、より詳細には、中間転写体を用いて記録媒体にインク画像を形成するインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置に関するものである。
印刷物の階調を再現する方法としては、主に次に挙げる2つの方法がある。
1.面積階調;インクの濃度は同じで、単位面積あたりの着色面積の違いにより擬似的に階調を再現する方法。
2.濃度階調;単位面積あたりの着色面積は同じで、インク濃度の違いにより階調を再現する方法。
面積階調を用いる印刷方式としては、インクジェットプリンタ、電子写真、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などが挙げられる。一方、濃度階調を用いる印刷方式としては、グラビア印刷が挙げられる。
面積階調は解像度に優れるため、文字や細線の再現性に有利である。その反面、低濃度域の着色面積が小さくなるので、画像中の記録媒体表面の露出量が増え(記録媒体との濃度差が大きくなり)、粒状性が目立ってしまう。
よって、このような特性から、特に写真出力などでは、印刷方式として濃度階調を用いた方が、滑らかな階調再現が可能となり、好ましい。そして、写真印刷に限らず、滑らかで高品質な画像出力が求められる場合は、濃度階調にて印刷を行うことが好ましい。
特開2004−42454号公報
このように高品位な写真出力を得るためには濃度階調を行うことが望ましいが、現状のインクジェット記録技術にて、これを実現することは困難である。例え、淡インクを用いたとしても、要求される階調の数だけ濃度の違うインクが必要となるため、現実的ではない。たとえば、CMYK4色で、各色32階調を再現するには、4×31=124種類ものインクが必要となってしまうのである。
ところで、インクジェット記録技術の1つのとして、中間転写体を用いて記録を行うインクジェット記録方法が提案されている。この中間転写方式においては、中間転写体表面に形成されたインク画像が正確に形成され、記録媒体にインク画像が転写されるまで画像の乱れを生ずることなく維持されることが重要である。そこで、特許文献1では、インクの着弾位置の保持を目的として、中間転写体の表面に、インク中の水との接触角が大きい海部(撥水部)、および海部に比べて上記接触角が小さい島部(親水部)を形成している。海部よりも接触角の小さい島部に着弾したインクは、海部へと広がらず、島部に保持される。すなわち、島部の周囲は、島部よりも水との接触角が大きな海部で囲まれているため、インク滴は島部から広がらないのである。よって、中間転写体から記録媒体へとインク画像の転写が行われるまで、画像の乱れを軽減することができ、良好に転写を行うことができる。
しかしながら、このような中間転写体を用いたインクジェット記録方法であっても、上述した階調再現性については、未だ改善しなければならない課題が残されている。すなわち、特許文献1では、中間転写体上にインクが付着しうる部分として“島部”を設けているため、インクドットのサイズは規定される。しかし、階調としては“インクあり/インク無し”の2値でしかなく、上述した濃度階調は実現されていない。
本発明は、このような問題を鑑みてなされたもので、その目的とするところは、中間転写体を用いたインクジェット記録方式において、高品位な画像を形成可能なインクジェット記録方法およびインクジェット記録装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明のインクジェット記録方法は、撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび透明な液体を付与する付与工程と、前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録方法は、撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する工程と、前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、前記中間転写体の親インク領域に対して、透明な液体を付与する液体付与手段と、前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする。
また、本発明のインクジェット記録装置は、撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、前記中間転写体の親インク領域に対して、前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する液体付与手段と、前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする。
本発明によれば、インクおよび液体を合計で複数滴受容可能な親インク領域を有する中間転写体に対してインクおよび液体を付与している。よって、インクジェット記録方式でありながら、濃度階調を実現することが可能となり、高品位な画像が形成可能である。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態では、インクジェット記録方式において、撥インク部および親インク部が形成された表面を有する中間転写体に対して、着色インク以外の液体、例えば透明インク等の補助液をさらに付与して、高品位なインク画像を記録媒体に形成している。
ここで、用いられるインクが水性インクの場合では、撥インク部は撥水部となり、親インク部は親水部となる。一方、用いられるインクが油性インクの場合では、撥インク部は撥油部となり、親インク部は親油部となる。
本明細書において、「撥インク部」とは、「親インク部」に比して、インクとの接触角が大きい領域を指す。「撥インク部」は、上記接触角が60°以上であることが好ましい。
また、本明細書において、「親インク部」とは、「撥インク部」に比して、インクとの接触角が小さい領域を指す。「親インク部」は、上記接触角が60°未満であることが好ましく、より好適には50°以下である。
図1に本発明の一実施形態に係る、中間転写体の表面に形成された、海島構造の撥インク部と複数の親インク部形状パターンの一例を示す。本発明の一実施形態では、図1に示されるように、中間転写体表面に、島構造である、複数の親インク部31と海構造である撥インク部30とが形成されており、それぞれの親インク部31が撥インク部30にて囲まれている。なお、島構造である親インク部31の基本中心点は、記録ヘッドの吐出口の間隔と同じあるいは整数倍が望ましいが、これに限定されるものではない。
このように撥インク部30と親インク部31とを形成することによって、中間転写体表面の親インク部31に、記録ヘッドより吐出されたインクが、インク吐出方向の揺らぎ等で、撥インク部30にオーバーラップするように着弾しても、インク液滴は親インク部31へ移動する。この移動したインク液滴は、親インク部31にて保持でき、正確な位置精度をとることとなる。
さて、本実施形態において特徴的なことは、「単一つの親インク部31が、着色インクと補助液を合計で複数滴受容可能な面積を有している」ということである。なお、画像を形成する1つの親インク部31あたりに付与される着色インク滴は、1つであっても複数であってもよいが、着色インクと補助液(透明インク)の合計はN(Nは2以上の整数)個以上となる。
本実施形態において、補助液は、親インク部に付与されるインクの濃度を調整するための液体である。この濃度調整を実現するために用いられる補助液は、着色インクを親インク部31全域に広げる役割を担う。一つの親インク部は画素となるので、ここに受容出来る着色インク滴の数がそのまま階調数となる。よって、写真のような階調数の多い画像を記録するには、相当量のインク滴を受容出来るサイズの親インク部31が必要となる。このようなサイズの親インク部31は比較的大きいため、付与される着色インクが1滴もしくは2滴というように少ない場合には、親インク部31全域にインクが広がりきらない場合が生じる。そこで、本実施形態では、着色インクに加えて補助液も付与するようにしている。こうすることで、着色インク量を変えずに、親インク部31に付与される液体総量のみを増加させて、親インク部全域に着色インクを広げることが出来る。
上述のように親インク部31に付与された複数のインク液滴と補助液滴は着弾後混合し、付与量が適量であれば、親インク部内全面に広がる。よって、親インク部31の面積を一定に設定すれば、着弾したインクの広がりを一定の面積にすることができる。従って、各親インク部31に付与する透明インク等の補助液の量と着色インク量とを制御することによって、濃度階調を実現することができる。
また、親インク部(画素)内の複数の位置にインクや補助液を着弾させることも有効である。画素内の異なる位置にインクや補助液を着弾させる構成を採用すれば、より少ない液体付与量で親インク部全面にインクを広げやすくなる。
なお、親インク部の形成間隔(形成密度)は、画像形成条件に応じて適宜設定される。例えば、中間転写体の回転方向における親インク部の間隔は、中間転写体の回転速度と記録ヘッドの吐出周波数によって決定される。また、親インク部31の形成密度は、インク吐出部から吐出されるインク液滴記録密度と同一またはそれ以上の密度であっても良い。インク液滴記録密度が高いほど高速で画像を形成することが可能となる。
撥インク部30と複数の親インク部31の形状・大きさは、上記に限らず、円、楕円、菱形、方形など形成可能である。大きさは、作成される画像の画質によって適宜決定される。中間転写体表面において親インク部が占める割合は、円・楕円を用いた場合は、30〜90%、方形、ひし形の場合は、50%〜90%である。これらより開口率が小さい場合は、画像全域をインクで覆うことができなくなり、最高濃度を出すことができなくなる。また、これらよりも開口率が大きい場合は、隣接する親インク部に付与されたインクが転写時に混合してしまうことがあり、良好な画像を形成することができない場合がある。また、撥インク部のパターンも図1に示すパターンに限定されず、撥インク部が親インク部に囲まれているものであれば、いずれのパターンでも良い。
撥インク部と親インク部との高さは極力段差がないように作製する事が望ましく、理想は同一平面上に撥インク部と親インク部とを形成する事である。インク転移性とクリーニング性との両方を向上させる効果がある。逆に、インク受容量の低下や画像転写時のドットゲイン増大もあるが、後述する反応液やインク像処理部の適用で解決できる。また、中間転写体を複数用いて、たとえば色毎に異なる中間転写体を用いる事なども上記問題に対する好適な対策となる。
本発明の一実施形態に係る中間転写体表面の島部(撥インク部)および海部(親インク部)を形成する手法としては、印刷法、マスキングコート法、プラズマ処理等の表面処理法等が挙げられる。以上例記した形成方法は一例であって、本発明の一実施形態の中間転写体の形成方法を限定するものではない。また、中間転写体上に撥インク部と親インク部とからなる規則性パターンを形成する場合、親インク性基材に撥インク部を形成する方法と、撥インク性基材に親インク部を形成する方法とがあるが、どちらでも良い。
以下では、用いるインクとして水性インクを用いる場合の、撥インク部(撥水部)と親インク部(親水部)とを中間転写体表面に形成する方法を説明する。
具体的には、図2(a)〜(e)に例示するように、親水性基材からなる中間転写体201に撥水性のパターンを作成するには、印刷板201を用いて撥水材料204を、中間転写体201上の親水面上に付与する方法が挙げられる。図2(a)〜(d)は断面図であり、図2(e)は中間転写体の表面を示す上面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体201を用意し(図2(a))、撥水部に対応するパターン状の突起部203を有する印刷板202を用意する(図2(b))。この突起部203の表面には撥水材料204が付与されている。印刷板202を移動して、突起部203に付与された撥水材料204を中間転写体201に当接させると、撥水材料204は突起部203から中間転写体201へと移動する。この中間転写体201上の、撥水材料204が撥水部となり、撥水材料204が存在しない領域は、親水部となる。次いで、印刷板202を中間転写体201から離間させると(図2(d))、中間転写体201上には、親水部205と撥水部206との規則パターンが形成される。
また、上記パターンの作成について、図3(a)〜(d)に示すように、フォトリソグラフィー法によりレジストパターン302を形成し、撥水材料としての撥水性塗膜303を付与した後、レジストパターン302を除去するリフトオフ法が挙げられる。図3(a)〜(d)において、(α)は中間転写体の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体301を用意し(図3(a))、中間転写体301の表面に、フォトリソグラフィー法によりレジストパターン302を形成する(図3(b))。このレジスト部が後に親水部となる。レジストパターン302が形成された中間転写体301に、撥水性塗膜303を形成し(図3(c))、上記レジストパターン302を除去する(図3(d))。このように、レジストパターン302を除去することにより、その除去部分において、親水性の表面を有する中間転写体301が露出し、該露出部分が親水部304となる。また、中間転写体301に残った撥水性塗膜303が撥水部となる。このようにして、上記パターンが作成される。
また、上記パターンの作成について、図4(a)〜(d)に示すような撥水性レジストを用いたパターニング法が挙げられる。図4(a)〜(d)において、(α)は中間転写体の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体401を用意し(図4(a))、中間転写体401上に、撥水性レジスト402を塗布する(図4(b))。この撥水性レジストは、例えば、フッ素元素などの撥水性を示す元素や化合物を混ぜ込んだフォトレジストである。撥水部に対応するパターン404を有するフォトマスク403を用いて露光することにより、フォトマスク403上のパターン404を撥水性レジスト402に転写する(図4(c))。次いで、パターン403が転写された撥水性レジスト402に対して現像を行うことによって、撥水性レジスト402のパターン403以外の部分を除去する(図4(d))。この除去された部分では、親水性である中間転写体401の表面が露出することになり、この露出領域が親水部405となる。また、中間転写体401に残った撥水性レジスト402が撥水部となる。このようにして、上記パターンが作成される。
また、上記パターンの作成について、図5(a)〜(d)に示すようなマスク502を用いたエネルギー照射により部分的に撥水性元素を導入する方法が挙げられる。この場合のエネルギー照射手段としては具体的に、フッ素原子を含むガスを用いたプラズマ照射や蒸着法が挙げられる。図5(a)〜(d)において、(α)は中間転写体の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体501を用意し(図5(a))、所定のパターンを有するマスク502を用いて、中間転写体501にフッ素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図5(b))。このプラズマ照射により、中間転写体501上のマスクされていない領域には、撥水ガスであるフッ素が吸着し、撥水部503となる。次いで、マスク502を90°回転させて、さらにフッ素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図5(c))と、中間転写体501上には、マスクによりフッ素ガスが吸着していない領域と、フッ素ガスが吸着している領域とが形成される(図5(d))。上記フッ素ガスが吸着していない領域は、親水性の領域であるので、親水部504となる。このようにして、上記パターンが作成される。
また、上記パターンの作成について、図6(a)〜(d)に示すような撥水性塗膜602を形成した後に部分的にレーザ加工により親水部604を露出させる方法が挙げられる。撥水部を有機レジストで作成した場合、フッ素原子を含むガスを用いたプラズマ処理で撥水性をより高める事もできる。図6(a)〜(d)において、(α)は中間転写体の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体601を用意し(図6(a))、中間転写体601の表面に撥水性塗膜602を塗布する(図6(b))。次いで、レーザ照射装置603により、撥水性塗膜602にレーザを照射することによって、撥水性塗膜602の、レーザが照射された領域を除去する。これにより、親水性である中間転写体601の表面を露出させる(図6(c))。この露出領域が親水部604となり、中間転写体601の表面に残った撥水性塗膜602が撥水部となる(図6(d))。このようにして、上記パターンが作成される。
上述の図2〜図6に示した作成方法は、親水性の表面を有する中間転写体上に、撥水パターンを形成する方法であるが、以下では、撥水性の基材からなる中間転写体上に、親水パターンを形成する方法の一例を挙げる。撥水性の基材としては、シリコーンゴムやフッ素ゴム、フロロシリコーンゴム等が好適に用いられる。
例えば、図7(a)〜(d)に示すように、撥水性基材からなる中間転写体701に撥水性のパターンを作成するには、マスク702を用いたエネルギー照射により部分的に親水性官能基を導入する方法が挙げられる。この場合のエネルギー照射手段としては具体的に、酸素原子を含むガスを用いたプラズマ照射等が挙げられる。図7(a)〜(d)において、(α)は中間転写体の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
この方法では、撥インク性基材からなる中間転写体701を用意し(図7(a))、所定のパターンを有するマスク702を用いて、中間転写体701に酸素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図7(b))。このプラズマ照射により、中間転写体701上のマスクされていない領域は、表面が処理されて親水部703となる。次いで、マスク702を90°回転させて、さらに酸素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図7(c))。すると、中間転写体701上には、マスクにより表面が処理されていない領域と、表面が処理されている領域(親水部703)とが形成される(図7(d))。上記表面が処理されていない領域は、撥水性の領域であるので、撥水部704となる。このようにして、上記パターンが作成される。
また、上記パターンの作成について、図8(a)〜(d)に示すように、プラズマ照射後に界面活性剤をパターン付与し、時間経過させることで界面活性剤付与部805以外の親水性を消失させる方法が挙げられる。
この方法では、撥インク性基材からなる中間転写体801を用意し(図8(a))、中間転写体801表面にプラズマ処理を行い、上記表面に表面処理部802を形成する(図8(b))。次いで、界面活性剤付与装置803により、表面処理部802上に界面活性剤804をパターン付与することにより、表面処理部802上に界面活性剤付与部805を形成する。このまま時間を経過することにより、表面処理部802において界面活性剤付与部805以外では親水性が消失し、撥水部806が形成される。一方、界面活性剤付与部805では親水性が保持されるので、界面活性剤付与部805は親水部となる。このようにして、上記パターンが作成される。
さらに、これらを組み合わせて、親水部、撥水部ともに付与する方法も可能である。他にも、酸化チタン等の光親水性材料を中間転写体に混入もしくは表面に膜化させて光照射により部分親水化することもできる。
(第1の実施形態)
本実施形態では、一定面積を有する領域(画素)内で、着色インクと、透明インク等の補助液とを混合し、画素内のインク濃度を制御する。この方法により、インクジェット記録方式によって濃度階調を実現することが可能である。
本実施形態では、濃度階調を実現するために、中間転写体に形成される親インク部サイズを画素サイズに設定し、さらにそれら各親インク部サイズを各々一定にしている。また、濃度階調数を多くするために、親インク部内に、複数のインク及び補助液が着弾するように設定されている。なお、本実施形態における親インク部の各々は、インクと補助液を合計で複数滴受容可能な面積を有している。
図9は、従来の階調再現と本発明の階調再現との差異について示した図である。図9(a)および(b)は、従来のインクジェット記録方式による階調再現(面積階調)について説明する図である。また、図9(c)および(d)は、本実施形態に係る、補助液を用いたインクジェット記録方式による階調再現(濃度階調)について説明する図である。更に、図9(e)および(f)は、本発明で適用可能な撥インク部と親インク部を有する中間転写体に対し、補助液を用いずに記録を行う場合について説明する図である。なお、図9(a)〜(f)において、(a)(c)(e)は低濃度の場合を示しており、(b)(d)(f)は高濃度の場合を示している。さらに、図9(a)〜(f)において、(α)は親インク部(画素)の上面図であり、(β)は(α)のA−B線断面図である。
図9(a)および(b)に示されるように、従来は、記録媒体上の画素に付与する着色インク93によるインクドット94の面積の大きさによって階調を変化させている。例えば、低濃度を実現するためには、図9(a)に示すように、画素内に着色インク93を1滴付与し、インクドット94を1つ形成する。高濃度を実現するためには、図9(b)に示すように、画素内に着色インク93を2滴付与し、インクドット94を2つ形成する。結果、図9(b)のインク着色面積は図9(a)の約2倍となり、濃度も約2倍となる。このようにして、一定面積の画素内のインクドットの面積を制御することによって、階調再現を行う。
これに対し、本実施形態では、図9(c)および(d)に示すように、親インク部91に対して、着色インク93および透明インク等の補助液95を付与することによって、着色面積を同じにして着色濃度を変化させている。例えば、低濃度を実現するためには、図9(c)に示すように、画素内に着色インク93を1滴付与し、補助液95を8滴付与して、混合液96を形成する。一方、高濃度を実現するためには、図9(d)に示すように、画素内に着色インク93を2滴付与し、補助液95を7滴付与して混合液97を形成する。
画素である親インク部91に付与される、着色インク93および補助液95の合計量を適量にすれば、着弾した着色インクと補助液との混合液は、親インク部91の全面に広がることになる。このように、親インク部91に形成される混合液の面積を、それぞれの親インク部91毎に同一にすることができるので、着色インク93の付与量を増減することによって、混合液の濃度を変化させることができ、濃度階調を実現することができる。すなわち、面積一定の画素において、混合液96には1滴分の着色インクが含まれており、混合液97には2滴分の着色インクが含まれることになるので、混合液96よりも混合液97の方が高濃度になるのである。
ところで、図9(e)および(f)に示されるように、本発明で適用可能な撥インク部と親インク部を有する中間転写体を用いたとしても、補助液を用いなければ濃度階調は実現されない。図9(e)および(f)の様に、親インク部91に着弾した着色インクは、液滴体積が小さいため、親インク部全面に広がることが出来ず、結果、従来と同じ面積階調にしかならない。
なお、親インク部91に形成される液体は、必ずしも着色インク93と補助液95との混合液である必要は無い。最高濃度の階調を実現したい場合は、補助液95を付与せずに、着色インク93のみを付与するようにしても良い。このときは、上記混合液は、着色インク液滴のみとなる。また、ある画素になにも着色インクを形成しない場合は、補助液95のみを付与するようにしても良い。なお、この場合、着色インクが付与されない画素には補助液を付与しないような補助液付与信号(補助液付与データ)を作成することにより、着色インクが付与されない場合は、補助液を付与しないようにしても良い。
本実施形態では、画素に形成される液滴(着色インクのみ、補助液のみ、2色以上の着色インク、2種類以上の補助液、および着色インクと補助液との混合液を含む)を、画素内全体に広げることが重要であり、そのために、画素内に付与する液体を、適切な発数範囲内で付与するのである。
このように、本実施形態によれば、撥インク部により親インク部を囲むことにより、画素内の着色インクおよび補助液の広がりを画素毎に同一にすることができる。このとき、各画素あたりの、着色インクおよび補助液の吐出発数を制御することによって、インクジェット記録方式において、濃度階調を実現することが可能となる。
本実施形態では、補助液は、着色インクを画素内全体に広げる役割(結果、着色インク濃度を薄める役割と同じ)を有している。よって、着色インクが少量の場合でも、画素毎の着色面積を同一にできるので、インクの転写状態を一様にすることができる。よって、転写時に生じるインクと中間転写体との剥離力が一様になるため、転写率を向上することができる。すなわち、補助液を加えることによって、転写率を向上することもできる。
さらに従来は、中間転写体上にインク像を形成した後に乾燥工程を経て記録媒体に転写する場合、着色インクの付与量が多い部分に乾燥条件をあわせてしまうと、着色インクの付与量が少ない部分は水分量が少なく、乾きすぎて転写が不安定になることがあった。この問題に対しても、本実施形態では、着色インクの付与量が少ない部分にはより多くの補助液が付与されるため、着色インクの付与量が多い部分と少ない部分とで乾燥状態の差異は殆どなく、その結果、転写安定性も向上する。なお、転写安定性向上の観点からすれば、各画素に付与される液体総量(着色インク+補助液)を一定とし、画素の乾燥状態を均一にすることがより好ましい。
上述のように、濃度階調を実現するためには、単位面積あたりの着色インク濃度を制御することが必要であるが、そのためには、それぞれの画素において着色インクの面積を一定にしなければならない。これは従来のインクジェット記録方式では非常に困難であり、事実上実現不可能であった。なぜなら、着色面積の大きさ=インクドットの広がりであり、同一のインクを使用する以上、インクドットの広がりは液滴サイズでしか制御出来ないからである。すなわち、低濃度部分は着色インクを少量しか付与出来ないため、着色面積は当然小さくなり、面積階調特有の粒状性が残る。
これに対し、本実施形態によれば、低濃度(着色インク付与量が少ない)部分でも、補助液の付与により着色面積を広げることが可能となる。ただし、補助液を使用するだけでは上記混合液の広がりを正確かつ安定的に画素サイズに規制することは難しい。そこで、本実施形態では、親インク部を画素に設定し、該親インク部を撥インク部にて囲んでいるのである。このように親インク部を撥インク部にて囲むことによって、インクと補助液の混合液は画素サイズ以上に広がることは無い。本実施形態では、親インク部と撥インク部との海島構造は、濃度階調を実現するために、着色インク、補助液、およびその混合液の広がりを画素サイズに規制する機能を有する。
このように、表面に上記海島構造を有する中間転写体と、補助液を用いることによって、高品位な画像を形成できる。本実施形態によれば、インクジェット記録方式によって濃度階調を実現することが可能となる。また、従来のように、高価なグラビア印刷板を用いなくても濃度階調を実現できるので、コストダウンにも繋がる。
図10は、本実施形態に係るインクジェット記録装置の画像形成部の構成を示す概略断面図である。
図10において、転写ドラム1は、インク離型性の表面層を有する中間転写体である。この転写ドラム1は、不図示の軸に支持されており、不図示のドラム駆動装置によって矢印A方向に回転駆動することができる。転写ドラム1の円周方向には上流側から下流側に向かって順に、インク付与部2、補助液付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7が配置されている。また、転写ドラム1と転写ローラ17とのニップ部の上流側には、記録媒体8を不図示の記録媒体格納部(給紙カセット)から、上記ニップ部へ搬送するための給紙搬送部9が配置されている。さらに、上記ニップ部の下流側には、インク像が転写ドラム1から記録媒体8に転写された後に、記録媒体8上のインク像を定着させるための定着機構を有すると同時に、排紙トレイに記録媒体8を排紙する排紙搬送定着部10が配置されている。また、インクジェット記録装置は、不図示の制御部を有している。
以下で、上述したそれぞれの部材の構成についてさらに詳細に説明する。
図11は、本実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図11において、全体を符号100で示すインクジェット記録装置において、CPU101は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ103は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する記録部である。I/F105は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
以上の各部のほか、転写ドラム1、インク付与部2、補助液付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7、給紙搬送部9、排紙搬送定着部10は、バスライン120に接続されている。従って、CPU101は、バスライン120を介して各部と信号のやり取りを行うことができる。また、制御対象である各部には、状態検出用センサが配設され、その検出信号はバスライン120を介してCPU101に伝達することができる。
(中間転写体)
本実施形態では、中間転写体は、その表面に撥インク部と親インク部との海島構造を有していれば、ドラム状、ベルト状、ローラ状、その他いかなる形態のものであってもかまわない。海島構造の形成方法としては、例えば、図2〜図8で説明した方法を適用することができる。図10に示されるように、中間転写体である転写ドラム1は、アルミニウム製の支持体11の周囲に、図1に示されるような海島構造を有する表面層12からなる層が積層されている。また例えば、本実施形態の中間転写体がドラム状のものであったときその構成は、アルミ、SUSなどの金属シリンダー上に樹脂、ゴム、無機材料等の塗工、シート状の樹脂またはゴムなどを張り付けて形成する。樹脂材料として、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。またゴム材料としては天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
また本実施形態に係る中間転写体表面の表面状態が得られていれば、適宜、添加剤等を混合してもかまわない。以上例記した材料は一例であって、本実施形態の中間転写体の構成材料を限定するものではない。
(インク付与部)
図10において、インク付与部2では、上述のような表面処理が行われた転写ドラム1上に、制御部より送られてくる画像信号に応じて、記録ヘッド13によりインク滴を付与することによってインク像の形成を行う。
図10において、インク付与部2は、記録ヘッド13a(イエロー)、13b(マゼンタ)、13c(シアン)および13d(ブラック)を有している。本実施形態において、記録ヘッド13a、13b、13cおよび13dを総じて記録ヘッド13と呼ぶこともできる。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、これら記録ヘッド13は、不図示のインクタンクから、それぞれの色のインクの供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、制御部より受け取った各色に対応した外部画像信号に応じて発熱して、各インクタンクから供給されたインクの温度を上昇させバブルを発生させる。発生したバブルが膨張することによって、各記録ヘッド13の複数吐出部からインク滴が吐出する。なお、本実施形態におけるインク付与部2を構成するインクジェット記録ヘッドの数、転写ドラム1に吐出されるインクの色順序、および使用されるインクの色相は、上述に限定されるものではない。また、中間転写体の移動速度を遅くしたり、中間転写体上の同一画素に対してインクジェットヘッドを複数回相対移動させることにより、中間転写体の同じアドレスに同じインクジェットヘッドを用いて複数回インク滴を付与する事も可能である。
記録ヘッド13a、13b,13cおよび13dは、転写ドラム1の円周方向に一定間隔を置いて配置されている。図10の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、これに限定されない。例えば、インク色別の複数の吐出部列を転写ドラム1の円周方向または軸方向(図10において、紙面垂直方向)の所定範囲に配列された記録ヘッド(以下、本明細書では「従来のシリアル型の記録ヘッド」とも呼ぶ)を用いても良い。さらに、インクジェット記録ヘッドは、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクを記録ヘッドの吐出部から吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
なお、本実施形態では、複数色の着色インクを一つの中間転写体に付与し、一つの中間転写体に付与された複数色の着色インクを記録媒体に転写する形態を採用しているが、本発明はこの形態に限られるものではない。例えば、複数色の着色インク夫々に対応した中間転写体を用い、これら中間転写体夫々に付与される単一の着色インクを別個に記録媒体に転写し、記録媒体上で複数色の着色インクを重ね合わせる形態を採用することもできる。
なお、転写ドラム1上に形成されるインク像は、転写の際に反転することを考慮し、記録媒体8に最終的に形成すべき画像の鏡面画像としなければならない。当然、記録ヘッド13に供給される画像信号は鏡面画像に対応した画像信号でなければならない。そこで、制御部にて、画像供給装置110から送られてくる画像信号に対しミラー反転処理(反転データを得る処理)を施して鏡面画像に対応した画像信号を取得し、これを記録ヘッドへ供給するようにしている。
(インク)
インク付与部2で使用するインクとしては、特に限定されるものではなく、一般的なインクジェット用インクのいずれも使用することができる。特に、顔料インクは、染料インクと比べて、記録媒体に対して滲みにくく、耐水性、耐光性に優れているので、本実施形態において好適に使用できるインクの着色剤として少なくとも顔料を含有する、顔料インクを用いることが好ましい。しかしながら、本実施形態では、着色剤として顔料を用いる顔料インクに限らず、染料インクであっても良い。また、例えば、顔料に染料を混合した混合インクであっても用いることができる。
本実施形態で用いられるインクの一例として以下のものを挙げることができる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色インク、Y,M,CおよびKを得ることができる。
本実施形態で適用可能な染料の例としては、C.Iダイレクトブルー6,8,22,34,70,71,76,78,86,142,199、C.Iアシッドブルー9,22,40,59,93,102,104,117,120,167,229、C.Iダイレクトレッド1,4,17,28,83,227、C.Iアシッドレッド1,4,8,13,14,15,18,21,26,35,37,249,257,289、C.Iダイレクトイエロー12,24,26,86,98,132,142、C.Iアシッドイエロー1,3,4,7,11,12,13,14,19,23,25,34,44,71、C.Iフードブラック1,2、C.Iアシッドブラック2,7,24,26,31,52,112,118等が挙げられる。
本実施形態で適用可能な顔料の例としては、C.Iピグメントブルー1,2,3,15:3,16,22、C.Iピグメントレッド5,7,12,48(Ca),48(Mn)57(Ca),112,122、C.Iピグメントイエロー1,2,3,13,16,83、カーボンブラックNo2300,900,33,40,52、MA7,8,MCF88(三菱化成製)、RAVEN1255(コロンビア製)、REGAL330R、660R、MOGUL(キャボット)、Color Black FW1,FW18,S170,S150,Printex35(デグッサ)等が挙げられる。
また、インクの形態としての限定を受けず,自己分散タイプ、樹脂分散タイプ、マイクロカプセルタイプ等の使用が可能である。
分散樹脂としては、水溶性で重量平均分子量が1000から15000程度のものが好適に使用される。例としては、スチレン及びその誘導体、ビニルナフタレン及びその誘導体、α,β-エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸及びその誘導体、マレイン酸及びその誘導体、イタコン酸及びその誘導体、フマール酸及びその誘導体からなるブロック共重合体あるいはランダム共重合体、またこれらの塩等が挙げられる。
また、最終的に形成された画像の堅牢性を向上させるために、水溶性樹脂や水溶性架橋剤を添加することも出来る。用いられる材料としてはインク成分と共存できるものであれば制限は無い。水溶性樹脂としては上記した分散樹脂等を更に添加することが好適に用いられる。水溶性架橋剤としては、反応性の遅いオキザゾリンやカルボジイミドがインク安定性の面で好適に用いられる。ブロック共重合体あるいはランダム共重合体、またこれらの塩等が挙げられる。
インク中の有機溶剤量はインク吐出性や乾燥性を決めるファクターとなる。記録媒体に転写するときのインクは、ほぼ色材と高沸点有機溶剤だけとなるのでその最適値に設計する。使用する有機溶剤は高沸点で蒸気圧の低い水溶性の材料が好ましく、例としては ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、グリセリン等である。また、粘度、表面張力等を調整する成分としてエチルアルコールやイソプロピルアルコール等のアルコール類を添加する事も出来る。
配合比についても限定を受けることなく、選択したインクジェット記録方式やヘッドの吐出力、ノズル径などから吐出可能な範囲で調整可能である。一般的には染料0.1〜10%、溶剤5〜40%、であり、残りは純水である。
(着色インクの付与量)
従来の、濃度階調を実現可能なグラビア印刷において、一般的な高精細印刷を行うための解像度は175線であり、これは約145μm/ピッチである。また、現在のグラビア印刷における最高レベルの解像度は350線であり、約73μm/ピッチである。この領域に、インクジェット記録方式により上記着色インクを付与する際の最大濃度液滴数(一色あたり)は、1200×1200dpi(4.8pl液滴相当の標準の打ち込み方法)の場合、145μm/ピッチ内に46.2発、73μm/ピッチ内に23.1発となる。また、2400×1200dpi(2.8pl液滴相当の標準の打ち込み方法)の場合、145μm/ピッチ内に93.2発、73μm/ピッチ内に46.6発となる。
ところで、1200×1200dpiで145μm/ピッチの場合、親インク部に46発打ち込むと濃度が飽和するので、0〜46発の間でインク打ち込み数を調整して階調表現を行うのである。このとき、46発の約半数に相当する23発くらいまでの打ち込み数であれば親インク部にインク全域が広がりきらず、打ち込み数が24発以上になると親インク部全域にインクが広がりきる。そこで、後述する通り、インク打ち込み数が0〜23発の画素には補助液を加えるようにし、インク打ち込み数が24発以上となる画素には補助液を加えないようするにする。
同様に、1200×1200dpiで73μm/ピッチでの場合、親インク部に23発打ち込むと濃度が飽和するので、0〜23発の間で打ち込み数を調整して階調表現を行う。この場合も、23発の約半数に相当する12発くらいまでの打ち込み数であれば親インク部全域にインクが広がりきらないことがある。そこで、インク打ち込み数が0〜11発の画素には補助液を加えるようにし、インク打ち込み数が12発以上となる画素には補助液を加えないようするにする。
また、これより多くの階調が必要な場合は、たとえば上記着色インクの色材濃度を半分とし、インクジェットの吐出周波数を倍に設定するか、中間転写体の送り速度を半分にするか、中間転写体を2回転させた後に記録媒体に接触させるなどの方法で一画素あたりの着色インク付与量を倍増すれば実現することが出来る。もちろん、これらを組み合わせても構わない。
(補助液付与部)
図10において、補助液付与部3は、制御部より送られてくる画像信号に応じて作成された補助液付与信号に基づいて補助液滴の吐出を制御できる複数の吐出部を有する記録ヘッド14を用いることによって中間転写体に補助液の付与を行う。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、補助液付与用記録ヘッド14に、電気熱変換素子である発熱素子(ヒータ)を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。図10の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、従来のシリアル型の記録ヘッドを用いても良い。さらに、インクジェット記録ヘッド手段は、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクを記録ヘッドの吐出部から吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
補助液付与用記録ヘッド14は、不図示の補助液タンクから、補助液の供給を受ける。各記録ヘッドの発熱素子は、制御部より受け取った補助液を付与像に対応した補助液付与信号に応じて発熱して、補助液タンクから供給された補助液の温度を上昇させバブルを発生させる。発生したバブルが膨張することによって、記録ヘッド14の複数吐出部から補助液滴が吐出する。
(補助液)
本明細書において、補助液とは、親インク部に付与されるインクの濃度を調整するための液体であり、好ましくは、透明な液体である。ただし、補助液とインクとを混合した際に、着色インクの色が変わらない程度であれば、着色されていても良い。
具体的に本実施形態に係る補助液は、着色インクの濃度を薄め、着色インクと混合することにより、該混合液を親インク部(画素)全面に広げるための液体である。本実施形態において、補助液は、使用される着色インクから、着色剤である顔料や染料を除いた成分からなる透明インクが好ましく用いられる。補助液は着色インクと良く混ざることが必要とされるため、その成分も着色インクと類似することが望ましい。よって、一般的に用いられる補助液の材料としては、着色インクに用いられる樹脂、溶剤、界面活性剤、添加剤に準じ、水と混合して補助液となる。さらに、これら成分に無色の微粒子を混合しても良い。また、これに限らず、転写補助液、耐擦性付与液、光沢向上液、光沢低下液等が含まれていても良い。
(補助液付与量)
インクの組成や、中間転写体上の親インク部のインク広がり性により最適化する必要がある。例えば、上記した着色インク量の付与範囲のうち、最大付与量の半分以下の範囲で補助液が用いられる。例えば、上述した通り、1200×1200dpiで145μm/ピッチの場合、親インク部に46発打ち込むと濃度が飽和するので、0〜46発の間でインク打ち込み数を調整して階調表現を行うことになる。このとき、最大インク打ち込み数(46発)の半分以下の範囲に相当する1〜23発のインクが打ち込まれる親インク部に対し、補助液を付与することが好適である。例えば、インクがN(1<N≦23)発打ち込まれる画素に対して、補助液が23−N発打ち込ように設定される。
本実施形態で濃度階調を実現するためには、上述のように、画素(親インク部)内に付与できる液体(インク、補助液、およびその混合液)の量(発数)には適正な量(発数)がある。画素に付与する液体の量が不足する場合は、上記液体が親インク部全面に広がらない(覆わない)。また画素に付与する液体の量が過剰な場合は、上記液体が撥インク部を越えて隣接画素に溢れてしまう。従って、画素に付与する液体の適正な量は、親インク部に着弾した液体が、着弾した親インク部を埋め尽くし、かつ該親インク部を囲む撥インク部を越えないような所定の範囲の量である。
本実施形態では、親インク部に対する液体の適正量の範囲内であれば、付与される液体(インクおよび補助液の少なくとも一方)の量は、画素毎に一定でなくても良く、記録媒体毎にも一定でなくても良い。本実施形態では、あくまでも画素に広がる液体(インク、補助液、またはその混合液)の面積を、それぞれの画素で同一にすることが重要である。
また、本実施形態において、液体の適正量は、親インク部の濡れ性、撥インク部の弾き性、使用するインクの表面張力、使用環境等によって左右されるが、画素への付与量として適正な量を実現可能な量に設定すれば良い。また、上記液体の適正量は、着色インクや補助液の液滴ボリューム、付与間隔(時間的要素)等によって、増減することもできる。
以下で、補助液付与信号の作成方法について説明する。
例えば、画素への液体の付与量として適正な量(発数)が6〜10発であり、10階調を実現したい場合は、インクの発数と補助液の発数とをその合計が6発〜10発内に収まるようにして、各階調レベル毎に発数(付与量)を設定する。例えば、階調レベル1の場合は、インクを1発、補助液を5発打ち込み、階調レベル2の場合は、インクを2発、補助液を4発打ち込み、階調レベル3の場合は、インクを3発、補助液を3発打ち込む、といったように、各階調レベル毎に設定する。このような、各階調レベルに対する、インク付与量と補助液付与量との組み合わせに関する情報に関するテーブルを作成し、該テーブルを予めメモリ103に格納しておく。
制御部は、画像供給装置から外部画像信号が送られてくると、該信号に対しミラー反転処理を施し、鏡面画像に対応した反転画像信号を取得する。次いで、制御部は、反転画像信号に基づいて、画素毎に必要な階調を抽出し、メモリ103に格納されたテーブルを参照して、抽出された階調に対応するインクの付与量および補助液の付与量を決定する。次いで、制御部は、画素毎に、決定された付与量でインクおよび補助液を付与するような信号(データ)、すなわち補助液付与信号(補助液付与データ)を作成する。
本実施形態では、同一画素内に付与する着色インクは複数色であっても良い。また、画素内の着弾位置に、複数の液体を着弾するようにしても良い。
付与方法に関しても、インク付与と同様に、紙もしくはヘッドの移動により、中間転写体の同じアドレスに同じインクジェットヘッドを用いて複数回補助液を付与する事も可能である。
(インク像処理部)
図10において、インク像処理部4には、インク中の溶剤、主にインク中の水分を蒸発または分離して除去するために、不図示のヒータにより加熱された温風を送るエアーナイフ15と、溶剤受け皿16とが設けられている。即ち、インク像処理部4は、記録媒体8へのインク凝集像であるインク像の浸透性の相違を勘案し、エアーナイフ15から送風されるエアーの量、またはそのエアーの温度に関する熱量によって、インク像の記録媒体8への転写特性を制御する目的で設けられている。
なお、本実施形態では、インク像の乾燥手段として、エアーナイフ15を用いているが、赤外線ヒータ等、温度がコントロール可能で、インク像の特性をコントロール可能であるものならば使用することができる。また、インク中の水を含む溶剤が除去制御可能であれば、従来手段である水を含む溶剤吸収手段やスキージブレード・ローラをもちいた水を含む溶剤を絞りとる方法を用いてもよい。
(転写部)
図10において、転写部5は、転写ローラ17を有し、また、給紙搬送部9は搬送ローラ18aおよび18b、搬送ガイド19aおよび19bを有している。転写部5では、給紙搬送部9の搬送ローラ18aおよび18bと、搬送ガイド19aおよび19bとによって搬送された記録媒体8に、転写ローラ17によって転写ドラム1上のインク像を圧力転写する。
転写ローラ17は、転写ドラム1とのニップ部に記録媒体8を通過するように配置されており、ゴムローラや金属ローラ等で形成することができる。この転写部5では、不図示の押圧制御装置によって、転写ドラム1に押圧解除の制御が可能である。同図において、搬送ローラ18aおよび18bは矢印B方向に、転写ローラ17は矢印C方向に回転する。転写ローラ17は、押圧状態では、記録媒体8を介して転写ドラム1に従動して回転する(従動回転)か、独立の転写ローラ駆動手段(不図示)によって回転制御可能となっている。図10においては、転写ローラ17の回転を従動回転となっている。
一方、図10において、記録媒体分離部6は、分離爪20を有している。記録媒体分離部6では、記録媒体8の搬送タイミングに応じて分離爪20が稼動する。分離爪20は、上述の転写が終了すると、不図示の駆動装置によって駆動し、記録媒体8を転写ドラム1から分離させ、搬送ガイド21aおよび21bで、記録媒体8を排紙搬送定着部10へと導く。
(排紙搬送定着部)
図10において、排紙搬送定着部10は、搬送ガイド21aおよび21b、搬送定着ローラ22aおよび22bを有している。排紙搬送定着部10では、搬送ガイド21aおよび21bに導かれたインク像が転写された記録媒体8を、赤外線ヒータを有する搬送定着ローラ22a及び22bにて熱定着し、かつそれらローラの回転と共に不図示の排紙トレイに送り、記録を終了する。搬送定着ローラ22aおよび22bには、従来既知の定着ローラを使用することができ、温度は、30〜200℃程度とすることが好ましい。また、ローラ材質は、金属ローラ、シリコーンゴム等で形成されている。剥離性を向上させるために、ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布してもかまわない。
(クリーニング部)
図10において、クリーニング部7は、クリーニング液23と、クリーニング液23を保持するクリーニング液保持部材24とを有している。さらに、クリーニング部7は、クリーニング液23を塗布して、転写ドラム1上のごみ等を取り除くための、クリーニング液供給ローラ25a、およびクリーニングローラ25bを有している。
同図において、クリーニングローラ25bは、転写ドラム1に従動(従動回転)するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。また、クリーニング液供給ローラ25aは、クリーニングローラ25bに従動するか、不図示の駆動手段によって駆動制御可能である。以上のように、クリーニング液供給ローラ25aおよびクリーニングローラ25bが回転することによって、クリーニング液23は、転写ドラムに塗布される。以上のようにして、クリーニング部7は、転写ドラム1のクリーニングを行う。クリーニング部7は、特に転写ドラム1表面をクリーニング可能であれば、装置の構成や、クリーニング液23を限定するものではないが、例えば、上記補助液で使用した界面活性剤、水溶性有機溶剤等を含む水溶液を、クリーニング液23とすることが好ましい。
(一連動作)
以下で、上述したような構成である本実施形態のインクジェット記録装置の、一連の動作について、図10および図12を参照しながら詳細に説明する。
インクジェット記録装置の電源を投入すると、転写ドラム1が駆動回転をはじめ、転写ドラム1の内部、エアーナイフ15、搬送定着ローラ22aおよび22bに対する、それぞれのヒータがONになり、各部における設定温度にそれぞれ昇温する。転写ドラム1の表面層12には、撥インク部30および親インク部31が形成されている(図12(a))。
ここで、画像供給装置110からは、本実施形態で使用する各インク色(KCMY)に対応した多値の画像信号(以下、本明細書では、「外部画像信号」とも呼ぶ)が送られてくる。この多値の外部画像信号が、本実施形態に係る色相であるKCMYに対応した4種の2値画像信号であれば、そのまま記録ヘッド13へ送られる。そうでなければ、制御部にて、CPU101が、メモリ103に格納されたプログラムを実行することによって、外部画像信号を、YMCKに対応した4種の2値の画像信号に変換する。その後、この各色に対応した2値画像信号に対しミラー反転処理を施し、各色に対応した2値の反転画像信号を取得する。次いで、制御部は、取得された反転画像信号に基づき、メモリ103に格納されたテーブルを参照して、補助液付与信号を取得する。
次に、各色に対応する2値の反転画像信号が各記録ヘッド13に送られ、転写ドラム1の回転と共に、それらの画像信号に応じて、順次記録ヘッド13a、13b、13c、および13dから各色の着色インク121が吐出し転写ドラム1に付与される。すなわち、各色の着色インク121が、転写ドラム1上の親インク部(画素)31に付与されて、インクドット122を形成する(図12(b))。勿論、このインク像は、記録媒体8に最終的に形成される画像の鏡面画像となっている。この段階では、画素内全面にインクは広がっていない場合もある。
次に、補助液付与信号が補助液付与部3に送られ、転写ドラム1の回転と共に、補助液付与信号に応じて、補助液付与用記録ヘッド14から補助液123が吐出し転写ドラム1に付与される。すなわち、補助液123が転写ドラム1の親インク部31に付与され、先に着弾した着色インク(インクドット122)と混合し、該混合液124が親インク部31全面に広がる(図12(c))。なお、補助液123は、画素に記録すべき濃度(階調)に応じた数だけ付与される。
続いて、転写ドラム1上に形成されたインク画像は、インク処理部4で水分を含む溶剤を蒸発乾燥され、その後に行われる転写に対してより最適な条件となったインク125となる(図12(d))。なお、この乾燥(水分除去)工程は、行わなくても良い。
一方、転写部5に対しては、上述のようにして転写ドラム1上に形成されたインク画像の先端位置と、被転写媒体である記録媒体8とが転写位置であるニップ部で重なるように、搬送ローラ18aおよび18bによって記録媒体8が搬送される。転写部5では、記録媒体8の先端が転写ドラム1と転写ローラ17とのニップ部に到達したと不図示のセンサにより探知されると、転写ローラ18が駆動し、記録媒体8を介して転写ドラム1に押し当てられる。ここで、押圧制御装置によって所定の転写圧が生じ、転写ドラム1上のインク画像を記録媒体8に転写する(図12(e))。
次いで、記録媒体8の先端が転写部5から排出されたことを不図示のセンサによって検知すると同時に、分離爪20が駆動し、転写ドラム1と記録媒体8との間に挿入され、記録媒体8を、転写ドラム1から分離する。そして、転写ドラム1から分離した記録媒体8は、搬送ガイド21aおよび21b、ならびに搬送定着ローラ22aおよび22bによって、記録媒体8上に熱圧が加えられて定着処理が行われた後、排紙トレイに排紙される。転写ドラム1上のインクが記録媒体8にすべて転写した後、転写ローラ17および分離爪20それぞれを離接する。
次に、クリーニングローラ25bが転写体ドラム1に当接し、クリーニング液23を塗布することにより転写ドラム1表面をクリーニングする。転写ドラムが1回転すると、クリーニングローラ25bは、転写ドラム1から離接する。記録が続けられる場合、外部画像信号に応じて上述した動作が繰り返される。記録動作を終了し電源を切る場合、各ヒータをOFFにし転写ドラム1の回転を止めた後、インクジェット記録装置の電源をOFFにし、装置動作を終了する。
なお、本実施形態では、補助液付与部3の上流側にインク付与部2を設け、インクを付与した後に補助液を付与しているが、これに限定されず、インク付与部2の上流側に補助液付与部3を設け、補助液を付与した後にインクを付与するようにしても良い。
(第2の実施形態)
第1の実施形態において、中間転写体上に着色インクおよび補助液を加え、反応液を付与する工程を行うことも有効である。この反応液を付与することで、インク画像の乱れをより軽減することができる。
本発明の一実施形態に係る反応液とは、インクの流動性を低下させるための、すなわちインクに含まれる着色剤を凝集させるための材料である。詳しくは、インクとの接触によって該インクの流動性を低下させ、中間転写体上に着弾したインクが不要に動かないようにする役割を担う液体である。ここで、画像固定とは、インクを構成している組成物の一部である着色剤や樹脂等が、化学的に反応、または物理的に吸着し、インク全体の流動性の低下が認められる場合を含む。また、画像固定には、インクを構成する組成物の固形分の凝集により局所的に流動性の低下を生じる場合を含む意である。
このように、反応液とインクとを接触させると、インクの流動性は低下するので、着弾したインクは着弾位置に保持されることになり、画像の乱れをより軽減することができるのである。また、凝集することでインクの内部凝集力も高まるため、記録媒体への転写率をさらに向上することが可能である。さらに、凝集反応によりインクおよび反応液中の固形分が水分と分離されやすくなるので、上記水分の乾燥を容易に行うことができる。よって、転写率および乾燥性をも向上することが可能である。
ところで、第1の実施形態で説明した通り、濃度階調を実現するには、画素である親インク部全面にインクと補助液の混合液を広げる必要がある。しかし、インクや補助液に先立って反応液を親インク部に付与してしまうと、インクおよび補助液が広がりきる前に、速やかに凝集してしまい、親インク部全面にインクおよび補助液が広がりきらないことがある。
そこで、この第2の実施形態では、上記反応液を、インクおよび補助液を中間転写体に付与した後に中間転写体に付与するのである。すなわち、反応液付与部をインク付与部2および補助液付与部3の下流側に設ければ良い。このようにすることで、インク、補助液、またはそれらの混合液を親インク部全面に広げることができ、かつその広げた状態でインクの流動性を低下させることができる。
なお、この第2の実施形態において、親インク領域のサイズは、インク、補助液および反応液を合計で複数滴受容できるサイズが必要であることは勿論のことである。
反応液付与部は、インク付与部2および補助液付与部3と同様に記録ヘッドを用いれば良い。なお、反応液付与部として記録ヘッドを用いる場合は、反応液を付与するための反応液付与信号は、反転画像信号と補助液付与信号とを論理和することによって作成すれば良い。
反応液は、画像形成に使用するインクの種類によって適宜に選択する必要がある。例えば、染料インクに対しては、高分子凝集剤を用いることが有効であり、顔料(微粒子が分散されてなる)インクに対しては、金属イオンを使用することが有効である。更に、染料インクに対して、反応液として金属イオンを組み合わせて用いる場合には、インク中に、染料と同等色の顔料を混合させるか、色目に影響の少ない、白色若しくは透明色の微粒子を混合させるとよい。
本実施形態において、反応液として使用する高分子凝集剤としては、例えば、陽イオン性高分子凝集剤、陰イオン性高分子凝集剤、非イオン性高分子凝集剤、両性高分子凝集剤等が挙げられる。又、金属イオンとしては、例えば、Ca2+、Cu2+、Ni2+、Mg2+及びZn2+等の二価の金属イオンや、Fe3+及びAl3+等の三価の金属イオンが挙げられる。そして、これらのイオンを付与する場合には、金属塩水溶液として付与することが望ましい。金属塩の陰イオンとしては、Cl-、NO3-、SO4-、I-、Br-、ClO3-、RCOO(Rは、アルキル基)等が挙げられる。また、使用するインクと逆性を持つ材料は反応液として用いることができる。たとえばインクがアニオン性もしくはアルカリ性であれば、その逆性であるカチオン性もしくは酸性材料が反応液になりうる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、中間転写体に対して、インクを付与してから補助液を付与する、または補助液を付与してからインクを付与している。すなわち、インク付与および補助液付与を順番に行っているが、これに限らず、インク付与および補助液付与を同時に行っても良い。
この場合は、例えば、インク付与用の記録ヘッドおよび補助液付与用の記録ヘッドをそれぞれ、中間転写体表面に対して斜めにインクおよび補助液を付与するように配置すれば良い。このとき、このように配置することによって、一回の吐出動作において、親インク領域に対して、インクおよび補助液を同時に付与することができる。
また、インクおよび補助液を同時に付与可能な記録ヘッドを用いるようにしても良い。この場合は、画像データおよび補助液付与データに応じて、各吐出動作の際に、インクおよび補助液の付与量を制御して、インクおよび補助液を付与すれば良い。
(実施例1)
(a)中間転写体の作成
厚さ0.5mmのアルミニウム板上に親水性ウレタン樹脂を0.5mmの厚さでコーティングした基材表面に、ピッチ145μm、開口線幅20μmのマスクを用い、フッ素ガスを用いたプラズマ処理方法により、幅20μmの撥インク部に四方を囲まれた一辺125μmの正方形の親インク部を一様に形成した(図5に例示したパターニング方法)。
〔プラズマ処理条件〕
使用ガス:CF4
ガス流量:80sccm
圧力:8Pa
RFパワー:150w
こうして得られた撥インク部と親インク部を有する中間転写体を中間転写ロールに巻きつけてインクジェット記録装置に装着した。ここでは実験の簡便性から転写体を間接転写ロールに巻きつけて使用する方法を提示したが、間接転写ロール表面に直接ゴムをコーティングするか、ゴムロールを用いて直接転写体を撥インクパターニングすることも可能である。
(b)画像形成
インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数5kHz)から下記着色インクおよび補助液を吐出して、ミラー反転させたモノクロ写真画像を形成した。ここで、モノクロ写真画像は、淡色から濃色に至る多階調画像とした。なお、各画素へのインク付与量は階調(濃度)によって異ならせたが、各画素に付与する液体総量はインクと補助液で合計45滴になるように補助液の付与数を調整した。このようにしてインクおよび補助液が付与された親インク部には、着色インクと補助液の混合液体が画素全域に広がり、着色インク付与量の多少に関わらず同じ面積となった。
〔着色インク組成〕
着色インクの組成は次の通りである。
・CI.フードブラック2(染料):3部
・ジエチレングリコール(溶剤):10部
・イオン交換水:86.5部
・アセチレノールEH(界面活性剤):0.5部
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・ジエチレングリコール(溶剤):10部
・イオン交換水:86.5部
・アセチレノールEH(界面活性剤):0.5部
〔接触角〕
中間転写体表面の撥インク部および親インク部に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:86.6°
親インク部:40.3°また、中間転写体表面の撥インク部および親インク部に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:92.5°
親インク部:38.7°
(c)転写
画像形成された中間転写体を記録媒体(ニューNPi上質:連量90 日本製紙)に接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
(比較例1)
補助液を用いないようにしたこと以外は、実施例1と同じように画像形成を行った。つまり、補助液を用いずにインクだけを用いて画像形成を行った。着色インクの付与量が少ない場合、親インク部にはインクが広がりきらなかった。このため、記録媒体に転写して得られた画像は、実施例1に比べて淡色部の粒状性が目立った。
(実施例2)
(a)中間転写体の作成
厚さ0.2mmのPETフィルム上にゴム硬度60°のシリコーンゴム(信越化学製 KE30)を0.2mmの厚さでコーティングした基材を、ピッチ145μm、開口幅120μmのマスクを用い、大気圧プラズマ処理装置(積水化学社製 AP-T02)にて、幅25μmの撥インク部に四方を囲まれた一辺120μmの正方形の親インク部を一様に形成した(図7に例示したパターニング方法)。
〔プラズマ処理条件〕
照射距離:2mm
入力電圧:240V
周波数:10kHz
導入ガス:02/N2 (3:97)
処理時間 :30sec
こうして得られた中間転写体を4枚作成し、各色インクジェットヘッドに対応するように中間転写ロールに巻きつけてインクジェット記録装置に装着した。
(b)画像形成
インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数10kHz)から着色インクおよび補助液を吐出して、ミラー反転させたカラー写真画像を形成した。なお、実施例1と同様、各画素への液体付与総量が、各色45滴になるように、補助液で調整した。このようにしてインクおよび補助液が付与された各色の親インク部には、着色インクと補助液の混合液体が画素全域に広がり、各色共、着色インク付与量の多少に関わらず同じ面積となった。
〔着色インク組成〕
着色インクの組成は次の通りである。
・下記の各顔料: 3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88)
シアン :ピグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:80部
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:83部
〔接触角〕
中間転写体表面に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:73.6°〜84.4°
親インク部: 15°以下
また、中間転写体表面に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:87.2°
親インク部:15°以下
(c)転写
まず、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 NPiコート A判 連量40.5kg)とを順次加圧ローラにて接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
(比較例2)
親インク部と撥インクを有する中間転写体を用いないようにしたこと以外は、実施例2と同様に画像形成を行った。つまり、中間転写体に親インク部と撥インク部からなるパターンを形成せずに(全面撥インク部のまま)、画像形成を行った。中間転写体上の隣接部に付与されたインク滴同士が引き合ってインク着弾位置がズレてしまい、高品位な画像を形成出来なかった。
(比較例3)
実施例2の中間転写体作成において、中間転写体全面にプラズマ照射した(全面親インクにして)したことを除けば、実施例2と同じように画像形成を行った。つまり、プラズマ照射が全面に施された中間転写体を用いて画像形成を行った。中間転写体上のインクは、全面にわたり広がり、混ざり、画像を形成出来なかった。
(実施例3)
(a)中間転写体の作成
実施例2と同様にして中間転写体を作成した。本例では、中間転写体一枚で4色の着色インクと、補助液を全て受ける構成とした。
(b)画像形成
一枚の中間転写体上に対し、インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数5kHz)から実施例2で用いた着色インクおよび下記補助液を吐出し、その後、反応液を吐出することで、ミラー反転させたカラー写真画像を1枚の中間転写体上に形成した。このようにしてインク、補助液および反応液が付与された各色の親インク部には、着色インク、補助液、反応液の混合液体が画素全域に広がった。なお、各画素へのインクおよび補助液の付与量は、最小50滴、最大100滴になるように、補助液で調整した。さらに、各画素に下記反応液を7滴ずつ付与した。
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・微粒子シリカ(平均粒径90nm):3部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:80部
〔反応液組成〕
反応の組成は次の通りである。
・塩化カルシウム・2水和物:10部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:73部
〔接触角〕
中間転写体表面に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:73.6°〜84.4°
親インク部: 15°以下
また、中間転写体表面に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:84.0°
親インク部:15°以下
また、中間転写体表面に対する反応液の接触角は次の通りである。
撥インク部:85.5°
親インク部:15°以下
(c)転写
まず、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 NPiコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
本発明の一実施形態に係る、中間転写体の表面に形成された、撥インク部と親インク部とのパターンを示す図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、中間転写体表面に、撥インク部と親インク部とを形成する方法を説明する図である。 (a)〜(d)は、本発明の一実施形態に係る、濃度変調を説明するための図である。 本発明の一実施形態に係る、インクジェット記録装置を示す模式的側面図である。 本発明の一実施形態に係る、制御部の構成を示す概略ブロック図である。 (a)〜(e)は、本発明の一実施形態に係る、画像形成プロセスを説明するための図である。
符号の説明
1 転写ドラム
8 記録媒体
12 表面層
30 撥インク部
31 親インク部
121 着色インク
122、125 インクドット
123 補助液
124 混合液

Claims (9)

  1. 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび透明な液体を付与する付与工程と、
    前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  2. 単一の前記親インク領域において、前記インクおよび前記液体の少なくとも一方が着弾する位置が複数あることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
  3. 前記親インク領域に付与されるインク量に基づいて、前記親インク領域に付与する液体の量を決定する工程を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
  4. 前記親インク領域は画素に対応しており、
    前記画素の階調レベルに基づいて、付与される前記液体の量およびインクの量を決定する工程を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
  5. 前記付与工程と前記転写工程との間で、前記親インク領域に付与されたインクを凝集させる材料を前記インクおよび液体が付与された親インク領域に対して付与する工程をさらに有し、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インク、前記液体および前記材料を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  6. 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する工程と、
    前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 前記付与工程と前記転写工程との間で、前記親インク領域に付与されたインクを凝集させる材料を前記インクおよび液体が付与された親インク領域に対して付与する工程をさらに有し、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インク、前記液体および前記材料を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録方法。
  8. 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、
    前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、
    前記中間転写体の親インク領域に対して、透明な液体を付与する液体付与手段と、
    前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  9. 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、
    前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、
    前記中間転写体の親インク領域に対して、前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する液体付与手段と、
    前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、
    前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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