JP2007196667A - インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】撥インク部30で囲まれた親インク部31に対して、着色インク121および補助液123を付与する(図12(b)、(c))。次いで、付与されたインク121および補助液123により形成されたインクドット125を記録媒体8へ転写する(図12(e))。ここで、親インク部31は、インク121と補助液123を合計で複数滴受容可能な面積を有する。
【選択図】図12
Description
1.面積階調;インクの濃度は同じで、単位面積あたりの着色面積の違いにより擬似的に階調を再現する方法。
2.濃度階調;単位面積あたりの着色面積は同じで、インク濃度の違いにより階調を再現する方法。
本発明の一実施形態では、インクジェット記録方式において、撥インク部および親インク部が形成された表面を有する中間転写体に対して、着色インク以外の液体、例えば透明インク等の補助液をさらに付与して、高品位なインク画像を記録媒体に形成している。
ここで、用いられるインクが水性インクの場合では、撥インク部は撥水部となり、親インク部は親水部となる。一方、用いられるインクが油性インクの場合では、撥インク部は撥油部となり、親インク部は親油部となる。
具体的には、図2(a)〜(e)に例示するように、親水性基材からなる中間転写体201に撥水性のパターンを作成するには、印刷板201を用いて撥水材料204を、中間転写体201上の親水面上に付与する方法が挙げられる。図2(a)〜(d)は断面図であり、図2(e)は中間転写体の表面を示す上面図である。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体201を用意し(図2(a))、撥水部に対応するパターン状の突起部203を有する印刷板202を用意する(図2(b))。この突起部203の表面には撥水材料204が付与されている。印刷板202を移動して、突起部203に付与された撥水材料204を中間転写体201に当接させると、撥水材料204は突起部203から中間転写体201へと移動する。この中間転写体201上の、撥水材料204が撥水部となり、撥水材料204が存在しない領域は、親水部となる。次いで、印刷板202を中間転写体201から離間させると(図2(d))、中間転写体201上には、親水部205と撥水部206との規則パターンが形成される。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体401を用意し(図4(a))、中間転写体401上に、撥水性レジスト402を塗布する(図4(b))。この撥水性レジストは、例えば、フッ素元素などの撥水性を示す元素や化合物を混ぜ込んだフォトレジストである。撥水部に対応するパターン404を有するフォトマスク403を用いて露光することにより、フォトマスク403上のパターン404を撥水性レジスト402に転写する(図4(c))。次いで、パターン403が転写された撥水性レジスト402に対して現像を行うことによって、撥水性レジスト402のパターン403以外の部分を除去する(図4(d))。この除去された部分では、親水性である中間転写体401の表面が露出することになり、この露出領域が親水部405となる。また、中間転写体401に残った撥水性レジスト402が撥水部となる。このようにして、上記パターンが作成される。
この方法では、親インク性基材からなる中間転写体501を用意し(図5(a))、所定のパターンを有するマスク502を用いて、中間転写体501にフッ素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図5(b))。このプラズマ照射により、中間転写体501上のマスクされていない領域には、撥水ガスであるフッ素が吸着し、撥水部503となる。次いで、マスク502を90°回転させて、さらにフッ素原子を含むガスを用いたプラズマ照射を行う(図5(c))と、中間転写体501上には、マスクによりフッ素ガスが吸着していない領域と、フッ素ガスが吸着している領域とが形成される(図5(d))。上記フッ素ガスが吸着していない領域は、親水性の領域であるので、親水部504となる。このようにして、上記パターンが作成される。
本実施形態では、一定面積を有する領域(画素)内で、着色インクと、透明インク等の補助液とを混合し、画素内のインク濃度を制御する。この方法により、インクジェット記録方式によって濃度階調を実現することが可能である。
本実施形態では、濃度階調を実現するために、中間転写体に形成される親インク部サイズを画素サイズに設定し、さらにそれら各親インク部サイズを各々一定にしている。また、濃度階調数を多くするために、親インク部内に、複数のインク及び補助液が着弾するように設定されている。なお、本実施形態における親インク部の各々は、インクと補助液を合計で複数滴受容可能な面積を有している。
図9(a)および(b)に示されるように、従来は、記録媒体上の画素に付与する着色インク93によるインクドット94の面積の大きさによって階調を変化させている。例えば、低濃度を実現するためには、図9(a)に示すように、画素内に着色インク93を1滴付与し、インクドット94を1つ形成する。高濃度を実現するためには、図9(b)に示すように、画素内に着色インク93を2滴付与し、インクドット94を2つ形成する。結果、図9(b)のインク着色面積は図9(a)の約2倍となり、濃度も約2倍となる。このようにして、一定面積の画素内のインクドットの面積を制御することによって、階調再現を行う。
図10において、転写ドラム1は、インク離型性の表面層を有する中間転写体である。この転写ドラム1は、不図示の軸に支持されており、不図示のドラム駆動装置によって矢印A方向に回転駆動することができる。転写ドラム1の円周方向には上流側から下流側に向かって順に、インク付与部2、補助液付与部3、インク像処理部4、転写部5、記録媒体分離部6、クリーニング部7が配置されている。また、転写ドラム1と転写ローラ17とのニップ部の上流側には、記録媒体8を不図示の記録媒体格納部(給紙カセット)から、上記ニップ部へ搬送するための給紙搬送部9が配置されている。さらに、上記ニップ部の下流側には、インク像が転写ドラム1から記録媒体8に転写された後に、記録媒体8上のインク像を定着させるための定着機構を有すると同時に、排紙トレイに記録媒体8を排紙する排紙搬送定着部10が配置されている。また、インクジェット記録装置は、不図示の制御部を有している。
図11は、本実施形態に係る制御部の構成を示す概略ブロック図である。図11において、全体を符号100で示すインクジェット記録装置において、CPU101は、本インクジェット記録装置の動作の制御処理やデータ処理等を実行する。メモリ103は、それらの処理手順等のプログラムを格納したROM(不図示)と、それらの処理を実行するためのワークエリア等として用いられるRAM(不図示)とを有する記録部である。I/F105は、インクジェット記録装置と、ホストコンピュータ等の画像データの供給源である画像供給装置110との間でデータやコマンド等の情報を授受するためのインターフェイスである。
本実施形態では、中間転写体は、その表面に撥インク部と親インク部との海島構造を有していれば、ドラム状、ベルト状、ローラ状、その他いかなる形態のものであってもかまわない。海島構造の形成方法としては、例えば、図2〜図8で説明した方法を適用することができる。図10に示されるように、中間転写体である転写ドラム1は、アルミニウム製の支持体11の周囲に、図1に示されるような海島構造を有する表面層12からなる層が積層されている。また例えば、本実施形態の中間転写体がドラム状のものであったときその構成は、アルミ、SUSなどの金属シリンダー上に樹脂、ゴム、無機材料等の塗工、シート状の樹脂またはゴムなどを張り付けて形成する。樹脂材料として、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。またゴム材料としては天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
図10において、インク付与部2では、上述のような表面処理が行われた転写ドラム1上に、制御部より送られてくる画像信号に応じて、記録ヘッド13によりインク滴を付与することによってインク像の形成を行う。
インク付与部2で使用するインクとしては、特に限定されるものではなく、一般的なインクジェット用インクのいずれも使用することができる。特に、顔料インクは、染料インクと比べて、記録媒体に対して滲みにくく、耐水性、耐光性に優れているので、本実施形態において好適に使用できるインクの着色剤として少なくとも顔料を含有する、顔料インクを用いることが好ましい。しかしながら、本実施形態では、着色剤として顔料を用いる顔料インクに限らず、染料インクであっても良い。また、例えば、顔料に染料を混合した混合インクであっても用いることができる。
従来の、濃度階調を実現可能なグラビア印刷において、一般的な高精細印刷を行うための解像度は175線であり、これは約145μm/ピッチである。また、現在のグラビア印刷における最高レベルの解像度は350線であり、約73μm/ピッチである。この領域に、インクジェット記録方式により上記着色インクを付与する際の最大濃度液滴数(一色あたり)は、1200×1200dpi(4.8pl液滴相当の標準の打ち込み方法)の場合、145μm/ピッチ内に46.2発、73μm/ピッチ内に23.1発となる。また、2400×1200dpi(2.8pl液滴相当の標準の打ち込み方法)の場合、145μm/ピッチ内に93.2発、73μm/ピッチ内に46.6発となる。
図10において、補助液付与部3は、制御部より送られてくる画像信号に応じて作成された補助液付与信号に基づいて補助液滴の吐出を制御できる複数の吐出部を有する記録ヘッド14を用いることによって中間転写体に補助液の付与を行う。本実施形態に係るインクジェット記録装置では、補助液付与用記録ヘッド14に、電気熱変換素子である発熱素子(ヒータ)を用いる形式のライン型インクジェット記録ヘッドを用いている。図10の構成においては、ライン型のインクジェット記録ヘッドが用いられているが、勿論、従来のシリアル型の記録ヘッドを用いても良い。さらに、インクジェット記録ヘッド手段は、上記発熱素子を用いる形態に限らず、圧電素子駆動型等、インクを記録ヘッドの吐出部から吐出可能な手段であれば、いずれの方式のものも使用できる。
本明細書において、補助液とは、親インク部に付与されるインクの濃度を調整するための液体であり、好ましくは、透明な液体である。ただし、補助液とインクとを混合した際に、着色インクの色が変わらない程度であれば、着色されていても良い。
インクの組成や、中間転写体上の親インク部のインク広がり性により最適化する必要がある。例えば、上記した着色インク量の付与範囲のうち、最大付与量の半分以下の範囲で補助液が用いられる。例えば、上述した通り、1200×1200dpiで145μm/ピッチの場合、親インク部に46発打ち込むと濃度が飽和するので、0〜46発の間でインク打ち込み数を調整して階調表現を行うことになる。このとき、最大インク打ち込み数(46発)の半分以下の範囲に相当する1〜23発のインクが打ち込まれる親インク部に対し、補助液を付与することが好適である。例えば、インクがN(1<N≦23)発打ち込まれる画素に対して、補助液が23−N発打ち込ように設定される。
例えば、画素への液体の付与量として適正な量(発数)が6〜10発であり、10階調を実現したい場合は、インクの発数と補助液の発数とをその合計が6発〜10発内に収まるようにして、各階調レベル毎に発数(付与量)を設定する。例えば、階調レベル1の場合は、インクを1発、補助液を5発打ち込み、階調レベル2の場合は、インクを2発、補助液を4発打ち込み、階調レベル3の場合は、インクを3発、補助液を3発打ち込む、といったように、各階調レベル毎に設定する。このような、各階調レベルに対する、インク付与量と補助液付与量との組み合わせに関する情報に関するテーブルを作成し、該テーブルを予めメモリ103に格納しておく。
付与方法に関しても、インク付与と同様に、紙もしくはヘッドの移動により、中間転写体の同じアドレスに同じインクジェットヘッドを用いて複数回補助液を付与する事も可能である。
図10において、インク像処理部4には、インク中の溶剤、主にインク中の水分を蒸発または分離して除去するために、不図示のヒータにより加熱された温風を送るエアーナイフ15と、溶剤受け皿16とが設けられている。即ち、インク像処理部4は、記録媒体8へのインク凝集像であるインク像の浸透性の相違を勘案し、エアーナイフ15から送風されるエアーの量、またはそのエアーの温度に関する熱量によって、インク像の記録媒体8への転写特性を制御する目的で設けられている。
図10において、転写部5は、転写ローラ17を有し、また、給紙搬送部9は搬送ローラ18aおよび18b、搬送ガイド19aおよび19bを有している。転写部5では、給紙搬送部9の搬送ローラ18aおよび18bと、搬送ガイド19aおよび19bとによって搬送された記録媒体8に、転写ローラ17によって転写ドラム1上のインク像を圧力転写する。
図10において、排紙搬送定着部10は、搬送ガイド21aおよび21b、搬送定着ローラ22aおよび22bを有している。排紙搬送定着部10では、搬送ガイド21aおよび21bに導かれたインク像が転写された記録媒体8を、赤外線ヒータを有する搬送定着ローラ22a及び22bにて熱定着し、かつそれらローラの回転と共に不図示の排紙トレイに送り、記録を終了する。搬送定着ローラ22aおよび22bには、従来既知の定着ローラを使用することができ、温度は、30〜200℃程度とすることが好ましい。また、ローラ材質は、金属ローラ、シリコーンゴム等で形成されている。剥離性を向上させるために、ローラ表面にシリコーンオイル等を塗布してもかまわない。
図10において、クリーニング部7は、クリーニング液23と、クリーニング液23を保持するクリーニング液保持部材24とを有している。さらに、クリーニング部7は、クリーニング液23を塗布して、転写ドラム1上のごみ等を取り除くための、クリーニング液供給ローラ25a、およびクリーニングローラ25bを有している。
以下で、上述したような構成である本実施形態のインクジェット記録装置の、一連の動作について、図10および図12を参照しながら詳細に説明する。
第1の実施形態において、中間転写体上に着色インクおよび補助液を加え、反応液を付与する工程を行うことも有効である。この反応液を付与することで、インク画像の乱れをより軽減することができる。
反応液は、画像形成に使用するインクの種類によって適宜に選択する必要がある。例えば、染料インクに対しては、高分子凝集剤を用いることが有効であり、顔料(微粒子が分散されてなる)インクに対しては、金属イオンを使用することが有効である。更に、染料インクに対して、反応液として金属イオンを組み合わせて用いる場合には、インク中に、染料と同等色の顔料を混合させるか、色目に影響の少ない、白色若しくは透明色の微粒子を混合させるとよい。
上述の実施形態では、中間転写体に対して、インクを付与してから補助液を付与する、または補助液を付与してからインクを付与している。すなわち、インク付与および補助液付与を順番に行っているが、これに限らず、インク付与および補助液付与を同時に行っても良い。
(a)中間転写体の作成
厚さ0.5mmのアルミニウム板上に親水性ウレタン樹脂を0.5mmの厚さでコーティングした基材表面に、ピッチ145μm、開口線幅20μmのマスクを用い、フッ素ガスを用いたプラズマ処理方法により、幅20μmの撥インク部に四方を囲まれた一辺125μmの正方形の親インク部を一様に形成した(図5に例示したパターニング方法)。
〔プラズマ処理条件〕
使用ガス:CF4
ガス流量:80sccm
圧力:8Pa
RFパワー:150w
こうして得られた撥インク部と親インク部を有する中間転写体を中間転写ロールに巻きつけてインクジェット記録装置に装着した。ここでは実験の簡便性から転写体を間接転写ロールに巻きつけて使用する方法を提示したが、間接転写ロール表面に直接ゴムをコーティングするか、ゴムロールを用いて直接転写体を撥インクパターニングすることも可能である。
(b)画像形成
インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数5kHz)から下記着色インクおよび補助液を吐出して、ミラー反転させたモノクロ写真画像を形成した。ここで、モノクロ写真画像は、淡色から濃色に至る多階調画像とした。なお、各画素へのインク付与量は階調(濃度)によって異ならせたが、各画素に付与する液体総量はインクと補助液で合計45滴になるように補助液の付与数を調整した。このようにしてインクおよび補助液が付与された親インク部には、着色インクと補助液の混合液体が画素全域に広がり、着色インク付与量の多少に関わらず同じ面積となった。
〔着色インク組成〕
着色インクの組成は次の通りである。
・CI.フードブラック2(染料):3部
・ジエチレングリコール(溶剤):10部
・イオン交換水:86.5部
・アセチレノールEH(界面活性剤):0.5部
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・ジエチレングリコール(溶剤):10部
・イオン交換水:86.5部
・アセチレノールEH(界面活性剤):0.5部
〔接触角〕
中間転写体表面の撥インク部および親インク部に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:86.6°
親インク部:40.3°また、中間転写体表面の撥インク部および親インク部に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:92.5°
親インク部:38.7°
(c)転写
画像形成された中間転写体を記録媒体(ニューNPi上質:連量90 日本製紙)に接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
補助液を用いないようにしたこと以外は、実施例1と同じように画像形成を行った。つまり、補助液を用いずにインクだけを用いて画像形成を行った。着色インクの付与量が少ない場合、親インク部にはインクが広がりきらなかった。このため、記録媒体に転写して得られた画像は、実施例1に比べて淡色部の粒状性が目立った。
(a)中間転写体の作成
厚さ0.2mmのPETフィルム上にゴム硬度60°のシリコーンゴム(信越化学製 KE30)を0.2mmの厚さでコーティングした基材を、ピッチ145μm、開口幅120μmのマスクを用い、大気圧プラズマ処理装置(積水化学社製 AP-T02)にて、幅25μmの撥インク部に四方を囲まれた一辺120μmの正方形の親インク部を一様に形成した(図7に例示したパターニング方法)。
〔プラズマ処理条件〕
照射距離:2mm
入力電圧:240V
周波数:10kHz
導入ガス:02/N2 (3:97)
処理時間 :30sec
こうして得られた中間転写体を4枚作成し、各色インクジェットヘッドに対応するように中間転写ロールに巻きつけてインクジェット記録装置に装着した。
(b)画像形成
インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数10kHz)から着色インクおよび補助液を吐出して、ミラー反転させたカラー写真画像を形成した。なお、実施例1と同様、各画素への液体付与総量が、各色45滴になるように、補助液で調整した。このようにしてインクおよび補助液が付与された各色の親インク部には、着色インクと補助液の混合液体が画素全域に広がり、各色共、着色インク付与量の多少に関わらず同じ面積となった。
〔着色インク組成〕
着色インクの組成は次の通りである。
・下記の各顔料: 3部
ブラック:カーボンブラック(三菱化学製 MCF88)
シアン :ピグメントブルー15
マゼンタ:ピグメントレッド7
イエロー:ピグメントイエロー74
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:80部
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:83部
〔接触角〕
中間転写体表面に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:73.6°〜84.4°
親インク部: 15°以下
また、中間転写体表面に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:87.2°
親インク部:15°以下
(c)転写
まず、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 NPiコート A判 連量40.5kg)とを順次加圧ローラにて接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
親インク部と撥インクを有する中間転写体を用いないようにしたこと以外は、実施例2と同様に画像形成を行った。つまり、中間転写体に親インク部と撥インク部からなるパターンを形成せずに(全面撥インク部のまま)、画像形成を行った。中間転写体上の隣接部に付与されたインク滴同士が引き合ってインク着弾位置がズレてしまい、高品位な画像を形成出来なかった。
実施例2の中間転写体作成において、中間転写体全面にプラズマ照射した(全面親インクにして)したことを除けば、実施例2と同じように画像形成を行った。つまり、プラズマ照射が全面に施された中間転写体を用いて画像形成を行った。中間転写体上のインクは、全面にわたり広がり、混ざり、画像を形成出来なかった。
(a)中間転写体の作成
実施例2と同様にして中間転写体を作成した。本例では、中間転写体一枚で4色の着色インクと、補助液を全て受ける構成とした。
(b)画像形成
一枚の中間転写体上に対し、インクジェット記録部(ノズル密度1200dpi、吐出量4.8pl、駆動周波数5kHz)から実施例2で用いた着色インクおよび下記補助液を吐出し、その後、反応液を吐出することで、ミラー反転させたカラー写真画像を1枚の中間転写体上に形成した。このようにしてインク、補助液および反応液が付与された各色の親インク部には、着色インク、補助液、反応液の混合液体が画素全域に広がった。なお、各画素へのインクおよび補助液の付与量は、最小50滴、最大100滴になるように、補助液で調整した。さらに、各画素に下記反応液を7滴ずつ付与した。
〔補助液組成〕
補助液の組成は次の通りである。
・微粒子シリカ(平均粒径90nm):3部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:80部
〔反応液組成〕
反応の組成は次の通りである。
・塩化カルシウム・2水和物:10部
・スチレン−アクリル酸−アクリル酸エチル共重合体
(酸価240、重量平均分子量5000): 1部
・グリセリン:10部
・エチレングリコール: 5部
・界面活性剤(川研ファインケミカル製
アセチレノールEH): 1部
・イオン交換水:73部
〔接触角〕
中間転写体表面に対する着色インクの接触角は次の通りである。
撥インク部:73.6°〜84.4°
親インク部: 15°以下
また、中間転写体表面に対する補助液の接触角は次の通りである。
撥インク部:84.0°
親インク部:15°以下
また、中間転写体表面に対する反応液の接触角は次の通りである。
撥インク部:85.5°
親インク部:15°以下
(c)転写
まず、インクジェット記録部と加圧ローラとの間に設置した送風装置によって、中間転写体上の記録画像表面に送風した。その後に、この中間転写体と、表面コートされたインク吸収性の少ない印刷用紙(日本製紙製 NPiコート A判 連量40.5kg)とを加圧ローラにて接触させ、中間転写体上の画像を記録媒体に転写させた。これにより、記録媒体上には淡色から濃色まで滑らかな階調性を持った写真画像が得られた。
8 記録媒体
12 表面層
30 撥インク部
31 親インク部
121 着色インク
122、125 インクドット
123 補助液
124 混合液
Claims (9)
- 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび透明な液体を付与する付与工程と、
前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 単一の前記親インク領域において、前記インクおよび前記液体の少なくとも一方が着弾する位置が複数あることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録方法。
- 前記親インク領域に付与されるインク量に基づいて、前記親インク領域に付与する液体の量を決定する工程を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。
- 前記親インク領域は画素に対応しており、
前記画素の階調レベルに基づいて、付与される前記液体の量およびインクの量を決定する工程を更に有することを特徴とする請求項1または2記載のインクジェット記録方法。 - 前記付与工程と前記転写工程との間で、前記親インク領域に付与されたインクを凝集させる材料を前記インクおよび液体が付与された親インク領域に対して付与する工程をさらに有し、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インク、前記液体および前記材料を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録方法。 - 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体の親インク領域に対して、インクおよび前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する工程と、
前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写工程とを有し、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録方法。 - 前記付与工程と前記転写工程との間で、前記親インク領域に付与されたインクを凝集させる材料を前記インクおよび液体が付与された親インク領域に対して付与する工程をさらに有し、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インク、前記液体および前記材料を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録方法。 - 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、
前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、
前記中間転写体の親インク領域に対して、透明な液体を付与する液体付与手段と、
前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 撥インク領域で囲まれた親インク領域を複数有する中間転写体と、
前記中間転写体の親インク領域に対して、インクを付与するインク付与手段と、
前記中間転写体の親インク領域に対して、前記親インク領域に付与されるインクを前記親インク領域の全域に広げるための液体を付与する液体付与手段と、
前記付与されたインクおよび液体により形成されたインク像を記録媒体へ転写する転写部とを備え、
前記複数の親インク領域の各々は、前記インクおよび前記液体を、合計で複数滴受容可能な面積を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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