JP2007193108A - スペックル低減装置、及びレーザ顕微鏡 - Google Patents

スペックル低減装置、及びレーザ顕微鏡 Download PDF

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聡 河田
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Abstract

【課題】
顕微鏡に対して簡便に配置することができるスペックル低減装置、及びそれを用いてレーザ顕微鏡を提供すること。
【解決手段】
本発明の一態様にかかるスペックル低減装置は筐体10と、筐体10に設けられた入射側ポート11と、筐体に設けられた出射側ポート12と、入射側ポート11から出射側ポート12まで配置された複数の光ファイバ素線14とを備え、筐体10内において、複数の光ファイバ素線14の中に異なる長さの光ファイバ素線14が含まれ、複数の光ファイバ素線14の配置が、入射端面と出射端面とで異なっているスペックル低減装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スペックル低減装置、及びそれを用いたレーザ顕微鏡に関する。
近年では、レーザ顕微鏡が広く用いられるようになっている。レーザ顕微鏡では、レーザ光源を用いて試料を照明して観察している。しかしながら、レーザ光源は、通常、干渉性が高いため、レーザ顕微鏡で観察される像にはスペックルパターンがノイズとして発生する。すなわち、レーザ顕微鏡では、観察像にスペックルノイズが発生してしまう。
このような、スペックルノイズを低減するための方法が開示されている(非特許文献1、非特許文献2)。この方法では、長さが異なる複数の光ファイバにレーザ光を入射させている。これにより、レーザ光の位相をずらすことができ、スペックルパターンの発生を低減することができる。
Dingel,Kawata,et al.,Optik,94(1993)132. Dingel,Kawata,Opt.Commun,,93(1992)27.
しかしながら、上記の方法では、光ファイバの長さの差が小さい場合、スペックルノイズを十分に低減させることが困難になってしまう問題点があった。
本発明は、このような事情を背景としてなされたものであって、本発明の目的は、簡便な構成でスペックルノイズを確実に低減することができ、均一に照明することができるスペックル低減装置及びレーザ顕微鏡を提供することである。
本発明の第1の態様にかかるスペックル低減装置は、筐体と、前記筐体に設けられた第1のポートと、前記筐体に設けられた第2のポートと、前記第1のポートから前記第2のポートまで配置された複数の光ファイバ素線とを備え、前記複数の光ファイバ素線の中に異なる長さの光ファイバ素線が含まれ、前記複数の光ファイバの中の光ファイバ素線の配置が、前記入射端面と前記出射端面とで異なっているものである。これにより、簡便な構成でスペックルノイズを確実に低減することができ、均一に照明することができる。
本発明の第2の態様にかかるスペックル低減装置は、上述のスペックル低減装置であって、前記筐体内において、前記複数の光ファイバ素線が異なるターン数で巻かれているものである。このように、複数の光ファイバ素線を異なるターン数で巻くことにより、簡便に異なる長さとすることができる。
本発明の第3の態様にかかるスペックル低減装置は、上述のスペックル低減装置であって、前記第1のポート及び前記第2のポートの少なくとも一方が、前記筐体にフレキシブルチューブを介して取り付けられているものである。これにより、より利便性を向上することができる。
本発明の第4の態様にかかるスペックル低減装置は、上述のスペックル低減装置であって、前記複数の光ファイバ素線の入射面と出射面との形状が異なるよう、前記複数の光ファイバ素線が配置されているものである。これにより、任意のスポット形状を得ることができるため、利便性を向上することができる。
本発明の第5の態様にかかるスペックル低減装置は、上述のスペックル低減装置であって、前記複数の光ファイバ素線が伸縮可能に設けられた振動子に巻き付けられているものである。これにより、これにより、確実にスペックルノイズを低減することができる。
本発明の第6の態様にかかるレーザ顕微鏡は、上述のスペックル低減装置と、前記スペックル低減装置の第1のポート側に入射されるレーザ光を出射するレーザ光源とを備え、前記スペックル低減装置の複数の光ファイバ素線を通過した光によって試料を照明するものである。これにより、簡便な構成でスペックルノイズを確実に低減することができ、均一に照明することができる。
本発明によれば、簡便な構成でスペックルノイズを確実に低減することができ、均一に照明することができるスペックル低減装置及びレーザ顕微鏡を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
発明の実施の形態1.
本発明の実施の形態1にかかるスペックル低減装置について図1を用いて説明する。図1(a)は、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の内部構成を示す側面図である。図1(b)は、本実施の形態にかかるスペックル低減装置の構成を示す正面図である。図1(c)は、スペックル低減装置に用いられる各光ファイバ素線の例を模式的に示す図である。スペックル低減装置は、筐体10、入射側ポート11、出射側ポート12、光ファイバ群13とを備えている。
スペックル低減装置100の筐体10には、入射側ポート11及び出射側ポート12が設けられている。筐体10は、略直方体であり、その一面が取外し可能に設けられている。筐体10は、例えば、ステンレスなど金属材料により形成されている。なお、筐体10の表面を黒色とすることが好ましい。筐体10は、その内部に光ファイバ群13を収納するため中空となっている。
筐体10の側面には、入射側ポート11及び出射側ポート12とが設けられている。筐体10の一側面からは入射側ポート11が突出して設けられている。入射側ポート11及び出射側ポート12は、例えば、ステンレスなどの金属材料によって形成することができる。筐体10の入射側ポート11が設けられている面と反対側の側面からは出射側ポート12が突出して設けられている。すなわち、筐体10の対向する面に出射側ポート12及び入射側ポート11が取り付けられている。入射側ポート11と出射側ポート12とは、円筒状に設けられ、筐体10の側面から突出している。なお、入射側ポート11と出射側ポート12とは、同一軸上に設けることが好ましい。すなわち、入射側ポート11に入射する入射光がと、出射側ポート12から出射する出射光とを同じ光軸にすることが好ましい。これにより、アライメントを簡便に行なうことができ、顕微鏡中に簡単に配置することができる。
入射側ポート11から出射側ポート12までには、光ファイバ群13が設けられている。光ファイバ群13は、複数の光ファイバ素線14から構成される。すなわち、複数の光ファイバ素線14を束ねることによって、光ファイバ群13を形成することができる。光ファイバ素線14には、例えば、線径が約50μmの他成分ガラスファイバや石英ガラスファイバを用いることができる。光ファイバ群13を構成する光ファイバ素線14の数は、例えば、数百本とすることができる。
光ファイバ群13の一端は、入射側ポート11の内部に挿入され、他端は、出射側ポート12の内部に挿入される。すなわち、光ファイバ群13の入射端面13aは、入射側ポート11に配置され、光ファイバ群13の出射端面13bは、出射側ポート12に配置される。入射側ポート11、及び入射側ポート11内において、複数の光ファイバ素線14が敷詰められている。すなわち、光ファイバ群13に含まれる複数の光ファイバ素線14は、略隙間なく設けられている。複数の光ファイバ素線14の端面は入射側ポート11又は出射側ポートにおいて揃えられている。すなわち、複数の光ファイバ素線14の一方の端面は、入射側ポート11において、揃えられており、他方の端面は、出射側ポート12において、揃えられている。従って、光ファイバ素線14の入射側の端面は略同じ平面上に配置される。また、複数の光ファイバ素線14の出射側の端面も略同じ平面上に配置される。すなわち、光ファイバ群13の入射端面13a及び出射端面13bは平面となる。
さらに、光ファイバ群13の入射端面13aを入射側ポート11の外側端部と一致させることが好ましい。さらに、光ファイバ群13の出射端面13bを出射側ポート12の外側端部と一致させることが好ましい。このように、複数の光ファイバ素線14を有する光ファイバ群13が筐体10の外側まで延設される。従って、入射側ポート11に入射した光は、光ファイバ群13に入射する。そして、光ファイバ群13の光ファイバ素線14の中を伝播していく。光ファイバ素線14の中を伝播した光は、筐体10内を通過して、出射側ポート12から出射される。
複数の光ファイバ素線14は、入射端面13a及び出射端面13bにおいてその断面が円形状になるように束ねられている。また、入射側ポート11、及び出射側ポート12において、光ファイバ素線14は、所定の方向に沿って配置される。光ファイバ素線14から出射する光は各光ファイバ素線14のNA(開口数)で決定される出射角以下で出射される。よって、光ファイバ群13の出射端面13bから出射する光の角度が一定角度以下となり、照明に好適なものとなる。
ここで、光ファイバ群13を構成する複数の光ファイバ素線14は、筐体10の内部において、異なるターン数で巻かれている。すなわち、光ファイバ素線14が異なるターン数で巻かれて、束ねられている。これにより、複数の光ファイバ素線14の長さをばらつかせることができる。すなわち、複数の光ファイバ素線14の長さがレーザ光のコヒーレント長よりもばらつく。これにより、干渉性(コヒーレンス)を低くすることができ、スペックルノイズの発生を低減することができる。このように、光ファイバ素線14のターン数を変えて、複数の光ファイバ素線14のうち、一部の光ファイバ素線14の長さをコヒーレント長よりも長くする。これにより、光ファイバ群13を構成する複数の光ファイバ素線14の中に、コヒーレント長以上に長さの異なる光ファイバ素線14が含まれる。
ここで、複数の光ファイバ素線14については、全てを異なるターン数とする必要はなく、一部の光ファイバ素線14が同じターン数であってもよい。すなわち、複数の光ファイバ素線14の全てを異なる長さとしなくてもよい。従って、複数の光ファイバ素線14の一部は同じ長さであってもよい。例えば、図1(c)に示すように、1ターンの光ファイバ素線14、2ターンの光ファイバ素線14、及び3ターンの光ファイバ素線14をそれぞれ複数用意する。そして、用意した複数の光ファイバ素線14を束ねて、光ファイバ群13を構成する。これにより、光ファイバ群13を構成する光ファイバ素線14が異なるターン数となる。すなわち、複数の光ファイバ素線14のうち一部の光ファイバ素線14は1ターンで巻かれ、他の一部の複数の光ファイバ素線14は2ターンで巻かれる。さらに、1ターン及び2ターン以外の光ファイバ素線14を3ターンとする。これにより、複数の光ファイバ素線14の中に、異なる長さのものが含まれる。もちろん、ターン数は1以上であればよく、さらには、一部の光ファイバ素線14のターン数を0としてもよい。このように、複数の光ファイバ素線14のターン数を変えることによって、光ファイバ素線14の長さを変化させることができる。これにより、照明光の光路長をばらつかせることができ、時間的な干渉性を低下させることができる。よって、スペックルパターンを低減することができ、均一な照明が可能となる。
さらに、入射端面13aにおける光ファイバ素線14の配置と、出射端面13bにおける光ファイバ素線14の配置とを異なる配置とする。すなわち、出射端面13bにおける光ファイバ素線14を入射端面13aにおける光ファイバ素線14の配置から異なるように配置する。換言すると、入射側ポート11から出射側ポート12まで延びた光ファイバ素線14は入射端面と出射端面とで位置に相関がなくなるようランダムに配置されている。これにより、各光ファイバ素線14がランダムに配置され、入射端面で隣接する光ファイバが出射端面で離れた位置に配置される。すなわち、入射端面13aにおいて隣接する光ファイバ素線14に入射した光が離れた位置となって出射端面13bから出射される。
例えば、出射端面13bでばらばらになるよう光ファイバ素線14を混ぜ合わせて配置する。これにより、各光ファイバ素線14が入射端面13aと出射端面13bとで位置に相関が無くなり、出射端面から出射され試料に照射される照明光を空間的に均一にすることができる。具体的には、図2(a)に示すようなガウシアンのプロファイルを持つレーザ光が入射した場合であっても、図2(b)に示すような均一なプロファイルとなって出射される。これにより、空間的な干渉性を低減することができる。さらに、照明光の空間分布を均一にすることができる。
上記の構成のスペックル低減装置100を用いることによって、時間的及び空間的な干渉性が低減される。従って、スペックルノイズを確実に低減することができ、均一に照明することができる。さらに、簡便に光路中に配置することができるため、光学系の調整が容易になる。従って、既存の顕微鏡への取付を短時間で行なうことができる。すなわち、レーザ光の光軸と一致するように、スペックル低減装置100を光路中に配置するだけで、スペックルノイズを低減することができる。従って、複雑なアライメント等が不要となり、光学系の調整を簡便にすることができる。また、入射側ポートにおける入射端面13aと出射側ポート12における出射端面13bとの形状をほぼ同じにすることによって、レーザ光のスポットを略同じにすることができる。従って、より利便性を向上することができる。また、入射側ポート11と出射側ポート12とは、構成上の差異が無いため、反対に用いることができる。換言すると、レーザ光源からレーザ光が入射する側が入射側ポートとなり、光が出射する側が出射側ポート12となる。すなわち、顕微鏡の光学系における配置によって、2つのポートの一方が入射側ポート11となり、他方が出射側ポート12となる。また、入射側ポート11や出射側ポート12は、筐体10と一体的に形成してもよい。
筐体10の長さは、例えば、約140mmとすることができる。すなわち、筐体10の入射側ポート11が設けられている面から、出射側ポート12が設けられている面までの距離が約140mmである。また、筐体10は、例えば、高さ110mm、幅、50mm程度とすることができる。もちろん、筐体10の大きさは、上記の値に限定されるものでない。また、入射側ポート11、及び出射側ポート12の長さは、例えば、15mm程度とすることができる。すなわち、入射側ポート11、及び出射側ポート12は、筐体10から約15mm突出して設けられている。入射側ポート11、及び出射側ポート12の内径は、例えば、約8mmとすることができる。この場合、入射瞳径、及び出射瞳径が約7mmとなる。もちろん、光ファイバ素線14の数を増減させることによって、入射側ポート11、及び出射側ポート12の内径を小さく、又は大きくすることも可能である。例えば、入射瞳径、及び出射瞳径を約1mmまで小さくすることが可能である。なお、入射側ポート11及び出射側ポートの外側側面や、筐体10に、取付用の部材を設けてもよい。これにより、顕微鏡に対して簡便に取り付けることができる。
発明の実施の形態2.
本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の構成を示す側面図である。本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の基本的構成は、実施の形態1で示した構成と同様である。すなわち、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100には、実施の形態1と同様に、長さの異なる複数の光ファイバ素線を有する光ファイバ群が設けられている。この光ファイバ群の配置、及び長さについては、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態1と異なり、入射側ポート11がフレキシブルチューブ15を介して、筐体10に取り付けられている。さらに、出射側ポート12がフレキシブルチューブ16を介して、筐体10に取り付けられている。フレキシブルチューブ15、16には、例えば、ステンレス製のものを用いることができる。フレキシブルチューブ15、16は、例えば、1000mm程度の長さとすることができる。もちろん、フレキシブルチューブ15とフレキシブルチューブ16とで長さを変えてもよい。フレキシブル15、16の内径は、入射側ポート11、及び出射側ポート12と同程度とすることができる。
筐体10内に設けられている光ファイバ群は、フレキシブルチューブ15を通って、入射側ポート11まで延設されている。同様に、筐体10内に設けられている光ファイバ群は、フレキシブルチューブ16を通って、出射側ポート12まで延設されている。従って、入射側ポート11から光ファイバ素線14に入射した光は、フレキシブルチューブ15、筐体10、及びフレキシブルチューブ16の中を通過して、出射側ポート12から出射される。なお、光ファイバ素線14には、可撓性の高いフレキシブルファイバを用いる。
このように、筐体10と入射側ポート11とをフレキシブルチューブ15で接続することによって、スペックル低減装置100に対して光を簡便に入射させることができる。これにより、筐体10を配置するためのスペースが狭い光学系であっても、スペックル低減装置100にレーザ光を入射させることができる。同様に、筐体10と出射側ポート12とをフレキシブルチューブ16で接続することによって、スペックル低減装置100からの出射光を簡便に利用することができる。すなわち、筐体10を配置するためのスペースが狭い光学系であっても、スペックル低減装置100からの出射光を簡便に顕微鏡の光学系に入射させることができる。従って、より利便性を向上することができ、様々な顕微鏡に対して利用することが可能となる。
なお、入射側ポート11、及び出射側ポート12のいずれか一方をフレキシブルチューブで接続する構成としてもよい。この場合でも利便性を向上することができる。すなわち、入射側ポート11と筐体10とをフレキシブルチューブ15で接続することによって、スペックル低減装置100に対して光を簡便に入射させることができる。よって、利便性を向上することができる。また、出射側ポート12と筐体10とをフレキシブルチューブ16で接続することによって、スペックル低減装置からの出射光を簡便に利用することができる。よって、利便性を向上することができる。
発明の実施の形態3.
本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の構成について図4を用いて説明する。本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の基本的構成は実施の形態2で示した構成と同様である。すなわち、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100には、実施の形態1と同様に、長さの異なる複数の光ファイバ素線を有する光ファイバ群が設けられている。この光ファイバ群の配置、及び長さについては、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する。
本実施の形態にかかるスペックル低減装置100では、出射側ポート12の形状が異なっている。すなわち、出射側ポート12が図4に示すように細長い直方体となっている。この細長い直方体の出射側ポート12の中には、上述のように複数の光ファイバ素線14が敷き詰められている。従って、光ファイバ群の出射端面13bが細長い矩形状となっている。これにより、レーザ光をライン状の照明光に変換することができる。すなわち、レーザ光のスポット形状が直線状となる。このように、出射側ポート12を入射側ポート11と異なる形状とする。これにより、光ファイバ群の入射端面13aと出射端面13bとが異なる形状となる。よって、照明光を任意のスポット形状に変換することができる。もちろん、出射端面13aはライン状に限らず、用途に応じて様々な形状とすることができる。すなわち、出射端面13bを照明する領域に応じた形状にすることができる。なお、出射端面13bと入射端面13aとは略同じ面積となる。また、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100に、フレキシブルチューブ15、又はフレキシブルチューブ16を設けなくてもよい。
発明の実施の形態4.
本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の構成について図5を用いて説明する。図5は、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の内部構成を示す側面図である。本実施の形態にかかるスペックル低減装置100の基本的構成は実施の形態1で示した構成と同様である。すなわち、本実施の形態にかかるスペックル低減装置100には、実施の形態1と同様に、長さの異なる複数の光ファイバ素線を有する光ファイバ群が設けられている。この光ファイバ群の配置、及び長さについては、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。また、実施の形態1と同様の構成については、説明を省略する。
本実施の形態では、筐体10の内部に振動子18が設けられている。振動子18は例えば、円柱状とすることができる。振動子18は、光ファイバ群13の中に配置されている。すなわち、光ファイバ群13は、振動子18に巻き付けられている。換言すると、光ファイバ素線を振動子18の周りに巻き付けることによって、光ファイバ群13が構成される。また、筐体10の一部には、振動子18に電圧を供給するためのフィードスルーが設けられている。
振動子18は、半径方向に伸縮可能に設けられたピエゾアクチュエータである。振動子18には、PZTなどからなる圧電素子を用いることができる。振動子18として、例えば、魚探用振動子と同様のものを用いることができる。圧電素子である振動子18は所定の電圧が印加されると図5の矢印の方向に伸長する。すなわち、振動子18は、入力される電圧の周波数の応じた周波数で振動する。これにより、振動子18は所定の周期で伸縮する。従って、振動子18に巻き付けられている光ファイバ群13に振動が伝わる。この振動によってスペックルパターンが変化する。すなわち、観察像において、異なるスペックルパターンが現れる。この振動子18を駆動して、顕微鏡に設けられたCCD等の光検出器の露光時間に比べて十分早く振動させる。これにより、スペックルパターンによる検出光量の変化が、低減される。よって、均一に照明することができる。従って、例えば、実施の形態1の構成で、スペックルパターンを十分低減できない場合であっても、振動子18を振動させることによって、均一に照明を行うことができる。
なお、実施の形態1〜4のスペックル低減装置100を組み合わせて使用してもよい。例えば、振動子18を有するスペックル低減装置100にフレキシブルチューブ15、16を設けてもよい。あるいは、振動子18を有するスペックル低減装置100の出射側ポート12の形状を変化させてもよい。
発明の実施の形態5.
本実施の形態にかかるレーザ顕微鏡について図6を用いて説明する。21はレーザ光源、22は対物レンズ、23はステージ、24は試料、25は結像レンズ、26は検出器である。本実施の形態では、実施の形態1〜4のいずれかに記載のスペックル低減装置100、あるいは、それらの一部を組み合わせたスペックル低減装置を用いている。
レーザ光源21は、照明光となるレーザ光を出射する。レーザ光源21から出射されたレーザ光は、スペックル低減装置100に入射する。スペックル低減装置100は、上述の通り、干渉性を低下させて出射する。すなわち、スペックル低減装置100の通過したレーザ光は、干渉性が低下している。干渉性が低下した光は対物レンズ22に入射する。対物レンズ22で屈折された照明光は、ステージ23に入射する。透明なステージ23上には試料24が載置されている。従って、対物レンズ22で屈折された照明光は、ステージ23を通過して、試料24に入射する。これにより、所定の領域が照明される。
試料24を透過した光は、結像レンズ25に入射する。結像レンズ25は、試料24を透過した光を検出器26の受光面に結像する。検出器26は、例えば、CCDカメラなどであり、試料24を撮像する。検出器26で撮像された試料24の像をモニタ上に表示させることで、試料24を拡大観察することができる。このように、スペックル低減装置100をレーザ光源21から試料24までの光路中に配置することで、スペックルパターンを低減することができる。よって、均一に照明することができる。また、走査光学系を使用していないので、時間分解能の低減を防ぐことができる。なお、スペックル低減装置100を用いる顕微鏡は、図6に示した顕微鏡の構成に限られるものではない。例えば、落射照明を行うレーザ顕微鏡であってもよい。
観察例
本発明の実施の形態にかかるスペックル低減装置を用いて観察された像を図7に示す。また、比較のため、スペックル低減装置を用いないで観察された像を図8に示す。図7は及び図8は、TFT液晶をレーザ照明したときの顕微鏡像である。スペックル低減装置を用いない場合、図8に示すように、スペックルパターンが現れる。しかしながら、スペックル低減装置を用いることによって、スペックルノイズを除去することができる。
本発明の実施の形態1にかかるスペックル低減装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1にかかるスペックル低減装置から出射される光のプロファイルを示す図である。 本発明の実施の形態2にかかるスペックル低減装置の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3にかかるスペックル低減装置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態4にかかるスペックル低減装置の内部構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態にかかるスペックル低減装置を用いたレーザ顕微鏡の一例の構成を示す図である。 本発明にかかるスペックル低減装置を用いてスペックルを低減した拡大像である。 本発明の実施の形態にかかるスペックル低減装置を用いないで撮像した拡大像である。
符号の説明
10 筐体、11 入射側ポート、12 出射側ポート、13 光ファイバ群、
14 光ファイバ素線、15 フレキシブルチューブ、16 フレキシブルチューブ、
18 振動子、21 レーザ光源、22 対物レンズ、23 ステージ、24 試料、
25 結像レンズ、26 検出器、100 スペックル低減装置

Claims (6)

  1. 筐体と、
    前記筐体に設けられた第1のポートと、
    前記筐体に設けられた第2のポートと、
    前記第1のポートから前記第2のポートまで配置された複数の光ファイバ素線とを備え、
    前記複数の光ファイバ素線の中に異なる長さの光ファイバ素線が含まれ、
    前記複数の光ファイバの中の光ファイバ素線の配置が、入射端面と出射端面とで異なっているスペックル低減装置。
  2. 前記筐体内において、前記複数の光ファイバ素線が異なるターン数で巻かれている請求項1に記載のスペックル低減装置。
  3. 前記第1のポート及び前記第2のポートの少なくとも一方が、前記筐体にフレキシブルチューブを介して取り付けられている請求項1又は2に記載のスペックル低減装置。
  4. 前記複数の光ファイバ素線の入射面と出射面との形状が異なるよう、前記複数の光ファイバ素線が配置されている請求項1、2又は3に記載のスペックル低減装置。
  5. 前記複数の光ファイバ素線が伸縮可能に設けられた振動子に巻き付けられている請求項1、2、3又は4に記載のスペックル低減装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のスペックル低減装置と、
    前記スペックル低減装置の第1のポート側に入射されるレーザ光を出射するレーザ光源とを備え、
    前記スペックル低減装置の複数の光ファイバ素線を通過した光によって試料を照明するレーザ顕微鏡。
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