JP2007188205A - 画像形成装置及び像記録媒体並びに像記録媒体の製造方法 - Google Patents

画像形成装置及び像記録媒体並びに像記録媒体の製造方法 Download PDF

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康裕 能登原
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Abstract

【課題】ICタグが予め付与された特殊な像記録媒体を用いること無く、RFID(Radio Frequency IDentification)技術により複数の像記録媒体を個々に管理すべく、普通紙など植物由来の材料を含む像記録媒体にICタグを形成可能に構成された画像形成装置、及び像記録媒体並びに像記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】像記録媒体1に画像を形成する画像形成装置6であって、画像が形成された像記録媒体1にICタグを形成するICタグ形成部9を設けた。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録紙などの像記録媒体に画像データに基づく画像を記録すると共に、像記録媒体にRFID(Radio Frequency IDentification)技術を利用するための像記録媒体識別用の情報を書き込むためのICタグ形成部を有する画像形成装置、この画像形成装置によってICタグを付与された像記録媒体、およびこのICタグを付与された像記録媒体の製造方法に関する。
近年、情報セキュリティへの関心の高まりと共に、機密情報の管理が厳しくなってきている。例えば複写機、プリンタ、MFP(Multi Function Printer:複合機)、商用印刷機などの画像形成装置によって作製される印刷物に関しても同様であり、記録紙などの像記録媒体毎に管理用の識別体を付与するなどの取り組みがなされるようになってきている。
例えば(特許文献1)には印刷物に識別体として磁性タグを形成するように構成された画像形成装置が開示されている。(特許文献1)では画像形成装置に磁性タグ形成装置を付与したもので、像記録媒体に対してオンデマンドで磁性タグを形成しようというものである。磁性タグは磁性体を有する熱転写シートを発熱抵抗体により加熱することで像記録媒体に溶融熱転写により形成、或いは、磁性体を含んだ磁性インクや磁性トナーを像記録媒体に吹き付けることで形成される。このようにして形成された、磁性タグを有する像記録媒体に対して、外部から磁界を印加することにより、磁性タグが発生するパルス出力を検出することで像記録媒体に付加された情報を認識するというものである。
しかしながら(特許文献1)に開示された方式では、1個の磁性タグについて一個のパルスが発生するという制約から、像記録媒体に多くの情報を付加しようとした場合は、複数の磁性タグを、磁性タグ間の間隔や磁性タグの長さや配置等を変えて付与する必要があり、取り扱いが煩雑であった。また、磁性タグを有した像記録媒体を重ねた場合、外部から磁界を印加して情報の内容を取り出そうとしても、重ねた像記録媒体が有する磁性タグからの信号が重畳して検出されるので、個々の像記録媒体を分離して認識することは困難であった。これらの理由から、磁性タグを識別体に用いた像記録媒体は、持ち出し禁止の可否の管理など、像記録媒体に付与すべき情報量が少ない場合に用いられるのが主流である。
また(特許文献2)には識別体にICタグを用いる印刷物管理方法が開示されている。(特許文献2)に開示された技術は、ICタグ(RFIDタグ)が予め埋め込まれた、或いは貼り付けられた専用の像記録媒体を用い、画像を形成する際にICタグに印刷者、印刷日時、印刷目的、件名などの印刷物情報を書き込み、ネットワークを通して印刷物を管理しようとするものである。このように磁性タグと異なり、ICタグは多くの情報を個別に書き込むことができるので、多数の印刷物を個別に管理することが容易になる。
特開2004−110689号公報 特開2004−310293号公報
しかしながら(特許文献2)に開示された印刷物管理方法の場合は、画像形成に際してICタグが埋め込まれた、或いは貼り付けられた像記録媒体、即ち予めICタグが付与された像記録媒体を準備しておく必要がある。このため管理を要しない画像を出力する場合はICタグが設けられていない像記録媒体に画像を形成し、管理すべき画像(もちろんテキスト情報なども含まれる)を出力する場合は、ICタグが設けられた像記録媒体を画像形成装置にその都度セットする必要があるなどの煩雑さがあった。このような問題に対しては、画像形成装置にICタグが付与された像記録媒体カセットを個別に設けておくような対応も考えられるが、ICタグが付与された像記録媒体とICタグが付与されない普通紙など一般的な像記録媒体とを管理する必要があり、また像記録媒体の大きさも様々であることから、像記録媒体の種類を管理するだけでも煩雑なものとなっていた。
そこで本発明は、予めICタグが付与された特別な像記録媒体を用いること無く、RFID技術により複数の像記録媒体を個々に管理できる像記録媒体を作成する、ICタグ形成部を有する画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は上記課題に鑑みてなされたもので、像記録媒体に画像を形成する画像情報形成部と、像記録媒体にICタグを形成するICタグ形成部を有する画像形成装置である。
本発明のICタグ形成部を有する画像形成装置によれば、像記録媒体上に直接ICタグを形成するICタグ形成部を設けたので、予めICタグが付与された特別な像記録媒体を用いることなく、普通紙など一般の像記録媒体に画像情報を印刷した後に、ICタグ形成部によりICタグを形成できるので、RFID技術により個々の像記録媒体の認識が可能となり、従って管理すべき画像情報を印刷した印刷物の管理を容易に、しかも確実にできるようになり、情報セキュリティ管理の上で非常に有効である。
本発明の画像形成装置は、像記録媒体に画像を形成する画像情報形成部と、像記録媒体に電気回路を形成する回路形成部を有する画像形成装置である。この回路形成部によって像記録媒体上に電気回路を形成し、この電気回路によって例えばICタグを構成することが可能となる。
また本発明は、回路形成部による電気回路の形成に先立って、像記録媒体の所定の位置にコート部を形成するようにしたものである。例えばパルプなど植物系の材料を用いた像記録媒体は表面に凹凸があるが、この表面にコート部を形成することで電気回路を安定して形成し、製造歩留まりを向上することが可能となる。
また本発明は、像記録媒体に画像を形成する画像情報形成部と、像記録媒体にICタグを形成するICタグ形成部を有する画像形成装置である。これによって予めICタグが付与された特別な像記録媒体を用いることなく、一般の像記録媒体に画像情報を印刷した後に、ICタグ形成部によりICタグを形成できるので、RFID技術により個々の像記録媒体の認識が可能となる。
また本発明は、ICタグ形成部を、少なくともIC回路とアンテナ回路を形成する回路形成部と、この回路形成部により形成された少なくともIC回路とアンテナ回路の熱処理を行う熱処理部と、この熱処理部によって熱処理された少なくともIC回路とアンテナ回路上に保護体を形成する保護体形成部で構成したものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体に、ICタグを容易にしかも性能の劣化なく形成することが可能となる。
また本発明は、回路形成部をインクジェットヘッドによって構成したものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体に、ICタグを容易にしかも性能の劣化なく形成することが可能となる。
また本発明は、インクジェットヘッドから吐出されるインクを、半導体特性を示す粒子を分散させたインクとしたものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体に、優れた性能のICタグを形成することが可能となる。
また本発明は、熱処理部をレーザー光源と、このレーザー光源から出射されるレーザー光線を整形する光学系によって構成したものである。これによって回路形成部で形成した電気回路の熱処理を容易に行うことが可能となる。
また本発明は、レーザー光源を半導体レーザーによって構成したものである。これによって熱処理部を小さく構成でき、画像形成装置を小型化することが可能となる。
また本発明は、レーザー光源から出射されるレーザー光線の放出部をインクジェットヘッドの近傍に設けたものである。これによって回路形成部と熱処理部とを共用できるので画像形成装置を小型化することが可能となる。
また本発明は、熱処理部を誘導加熱装置によって構成したものである。これによって回路形成部で形成した電気回路の熱処理を容易に行うことが可能となる。
また本発明は、回路形成部と熱処理部を、像記録媒体を保持固定する保持固定具を有するように構成したものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体上にICタグを安定して形成することが可能となる。
また本発明は、保持固定具を像記録媒体を吸引する吸引装置によって構成したものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体を容易に保持固定具に保持固定することが可能となる。
また本発明は、ICタグに情報を書き込むICタグライタ部を設けたものである。これによってICタグ形成部で形成したICタグへの情報の書き込みを容易に行うことが可能となる。
また本発明は、像記録媒体を裁断するシュレッダ部を設けたものである。これによって管理すべき画像情報を情報の漏洩無く処理することが可能となる。
また本発明は、ICタグの形成に先立って、像記録媒体の所定の位置にコート部を形成するようにしたものである。例えばパルプなど植物系の材料を用いた像記録媒体は表面に凹凸があるが、この表面にコート部を形成することでICタグを安定して形成し、製造歩留まりを向上することが可能となる。
また本発明は、像記録媒体における画像を形成する面と、ICタグを形成する面を異ならせたものである。これによってICタグの形成による画像情報の欠落を防止することが可能となる。
また本発明は、像記録媒体における画像を形成する面と、ICタグを形成する面を同一面とするとともに、ICタグを形成する像記録媒体の部位への画像形成を禁止する像形成制御手段を有するようにしたものである。これによってICタグの形成による画像情報の欠落を防止することが可能となる。
本発明の像記録媒体は、上述した画像形成装置によって形成された電気回路を有するものである。この電気回路によってICタグを構成することで、例えば普通紙などの一般的な像記録媒体であっても、RFID技術により個々の像記録媒体の認識が可能となる。
本発明の像記録媒体は、上述した画像形成装置によって形成されたICタグを有するものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体であっても、RFID技術により個々の像記録媒体の認識が可能となる。
本発明の像記録媒体の製造方法は、植物由来の材料を含む基材上にコート部、電気回路、保護部をこの順序で形成する工程を有するものである。これによって例えば普通紙などの一般的な像記録媒体に、ICタグを容易にしかも性能の劣化なく形成することが可能となる。
以下、本発明の具体的な内容について実施例を用いて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1に係る画像形成装置6(後述する)によって像記録媒体1上に形成されるICタグ2の概略構成を示す構成図である。
以降図1を用いてICタグ2の概略構成を説明する。
図1に示すようにICタグ2は像記録媒体1の上に形成されている。ICタグ2は少なくとも情報の保持と通信の制御を行うIC回路3と、図示しない外部機器との情報の送受を行うアンテナ回路4を含み、更にIC回路3およびアンテナ回路4(以降これらを個別に説明する必要があるときを除き、一括して電気回路31と呼称する。)とを保護するシート状の保護体5とから構成されている。
図2は本発明の実施例1に係る画像形成装置6の概略構成を示す構成図である。
以降図2を用いてICタグ2を形成可能に構成された画像形成装置6について詳細に説明する。
図2に示すように、画像形成装置6は像記録媒体1を画像形成装置6に供給する給紙部7と、画像データに基づいて像記録媒体1上に画像を形成する画像情報形成部8と、画像が形成された後に像記録媒体1上にICタグ2を形成するICタグ形成部9と、像記録媒体1上に形成されたICタグ2に対して、印刷者、印刷日時、印刷目的、件名などの管理を要する付加情報(以降管理情報と呼称する)を書き込むICタグライタ部10と、管理情報を付加したICタグ2が形成された像記録媒体1を画像形成装置6から排出する排紙部11とから構成されている。
以降画像情報形成部8について説明する。
画像情報形成部8はコントローラ13とプリントエンジン14とから構成されており、像記録媒体1に画像情報に基づく画像を形成する。画像情報は画像形成装置6の外部の例えば画像読取り装置(イメージスキャナ)12やコンピュータ16から例えばネットワーク15を介してコントローラ13に伝送される。特に画像読取り装置12からのデータ転送は高速性を要求される場合が多いため、専用のインタフェースを設けるようにしてもよい。コンピュータ16はネットワーク15に接続され、ネットワーク15を経由してコントローラ13に画像情報および印刷枚数、印刷モード(例えばカラー/モノクロの区別、像記録媒体1の種別設定情報、画質設定情報)などのプリントジョブ情報および上述の管理情報などを伝送する。画像読取り装置12の場合も同様にしてコントローラ13に画像情報、プリントジョブ情報、管理情報が伝送される。なおプリントジョブ情報について実施例1に特徴的なものとして、ICタグ2の形成可否、更にICタグ2を形成する場合はICタグ2の形成位置情報(後述するように像記録媒体1の搬送方向における形成位置に限られる)がこのプリントジョブ情報に含まれている。すなわち画像形成装置6のユーザはコンピュータ16や画像読取り装置12でICタグ2の形成可否や形成する位置を指定することが可能となっている。
コントローラ13はコンピュータ16などから伝送された画像情報、プリントジョブ情報、管理情報などを受信し、画像情報に基づいてプリント可能な2値画像データを展開生成するとともに、プリントジョブ情報、管理情報などはROM(図示せず)に格納されたプログラムに基づき、CPU、RAM(ともに図示せず)などによって構成される制御手段によって解釈される。
コントローラ13には画像処理部(図示せず)が設けられており、画像処理部ではコンピュータ16から伝送された画像情報とプリントジョブ情報に基づき、ページ単位に画像処理(例えばプリンタ言語に基づくイメージ展開処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成など)を実行して印字可能な2値画像データを生成し、これをページ単位にイメージメモリ(図示せず)に格納する。
またコントローラ13は画像形成装置6の構成上、画像情報形成部8に含まれているが、実施例1ではコントローラ13は上述のICタグ形成部9、ICタグライタ部10などの動作も制御している。すなわちコントローラ13は伝送されたプリントジョブ情報に基づいて、ICタグ2の形成可否を判断し、ICタグ2を形成する場合はICタグ形成部9を制御してICタグ2の形成位置を制御し、またユーザの指定に基づく像記録媒体1の材質(例えば普通紙、コート紙、樹脂シートなどの指定)に応じて後述する回路形成部17におけるインクの吐出量を制御する。
画像情報形成部8において40は静電潜像が形成される感光体である。感光体40の周囲にはその回転方向D1に対して、順に感光体40を所定の電位に帯電する帯電器41と、帯電器41によって帯電された感光体40を露光して静電潜像を形成する露光装置42と、静電潜像をトナーによって現像して顕画化する現像器43と、感光体40上に形成されたトナー像を像記録媒体1に転写する転写器44と、転写器44で転写されずに感光体40に残留したトナーを除去するクリーナ45が設けられている。
給紙部7から給紙された像記録媒体1はレジストローラ対50で搬送開始タイミングを調整された後、転写器44の方向へと搬送される。感光体40上に顕画化されたトナー像は転写器44によって像記録媒体1に転写され、その後定着装置51によって熱と圧力によって像記録媒体1上にトナー像が定着される。
ここで上述したプリントジョブ情報にICタグ2を形成する旨の情報が含まれている場合は、コントローラ13によってフラッパ52はP2方向に変位され、像記録媒体1はガイド53方向に搬送される。一方像記録媒体1にICタグ2を形成しない場合、フラッパ52はP1方向に変位され、画像形成が完了した像記録媒体1は第2排紙部55から直ちに排出される。
ガイド53は定着装置51と第2レジストローラ対56の間に設けられており、いわゆるUターンパスを構成している。像記録媒体1はガイド53に沿って搬送され、第2レジストローラ対56にて搬送開始タイミングを調整(コントローラ13によって制御される)された後、保持固定具30に到達した時点では、このUターンパスによって表裏が反転される。このような構成とすることで、像記録媒体1における画像を形成する面と、ICタグ2を形成する面を容易に異ならせることができる。以降像記録媒体1は保持固定具30に沿って方向D2に搬送され、この搬送過程で像記録媒体1にICタグ2が形成される。
図3は本発明の実施例1に係る画像形成装置6の保持固定具30とその周辺の概略構成を示す構成図である。
以降図3を用いて保持固定具30の構成について説明する。
実施例1では、保持固定具30を像記録媒体1を吸引しつつ搬送する吸引装置によって構成している。図3において60は支持ローラであり、61は多数の孔を設けた搬送ベルト(いわゆる穴あきベルト)である。搬送ベルト61と2本の支持ローラ60によって形成された空間にはファン62が設けられており、ファン62を回転させることで像記録媒体1は負圧によって搬送ベルト61に吸着され、更に図示しない駆動源による搬送ベルト61の移動に伴って像記録媒体1は方向D2に搬送される。搬送ベルト61はリブ63によってその変形を規制されており、結果的に像記録媒体1はリブ63によって、ICタグ形成部9との距離が高精度に位置決めされる。
また像記録媒体1が第2レジストローラ対56の位置に到達した時点で、第2レジストローラ対56を停止させておき、所定のタイミングで第2レジストローラ対56の回転を開始することで、方向D2におけるICタグ2の形成位置を高精度に制御することができる。具体的には実施例1では第2レジストローラ対56の近傍でかつ、像記録媒体1の搬送方向に対して上流側に像記録媒体1の端部を検出するセンサ(図示せず)を設けておき、このセンサによる像記録媒体1の検出結果に応じて、第2レジストローラ対56の回転を開始するように制御している。これらの制御は、コントローラ13によって上述のプリントジョブ情報に含まれるICタグ2の形成位置情報に基づいて行われる。
以降図3に図1と図2を併用してICタグ形成部9について説明する。
ICタグ形成部9は、少なくともIC回路3とアンテナ回路4(電気回路31)とを、それぞれの部材に応じたインクで塗布形成する回路形成部17と、塗布形成した電気回路31を熱処理により乾燥固化或いは再結晶化し、電気回路31がそれぞれ所望の電気的特性を発現させる熱処理部18と、形成した電気回路31の耐環境特性確保のための保護体形成部19とから構成され、像記録媒体1にIC回路3とアンテナ回路4(電気回路31)と保護体5とから構成されるICタグ2の形成を行う。すなわち本発明に係る画像形成装置6は、像記録媒体1に画像を形成する画像情報形成部8と、像記録媒体1にICタグ2を形成するICタグ形成部9を有するものである。
また、ICタグライタ部10では、ICタグ形成部9で像記録媒体上1に形成したICタグ2に、像記録媒体1に記録された画像情報に対応した管理情報を記録するためのライタアンテナ20と高周波通信回路21とから構成される。
なお、像記録媒体1は、給紙部7と画像情報形成部8とICタグ形成部9とICタグライタ部10と排紙部11とを図示しない駆動源により順に搬送され、像記録媒体1にIC回路3とアンテナ回路4と保護体5とから構成されるICタグ2が形成される。
図4は本発明の実施例1に係る画像形成装置6によって形成されるICタグ2におけるIC回路3およびIC回路3の周辺構成を示す構成図である。
以降図4を用いてIC回路3およびアンテナ回路4について詳細に説明する。
図4に示すようにICタグ2に用いられるIC回路3は、入出力される信号のやり取り及び記録などの信号の制御を行う制御領域22、外部からの信号を記録するための情報記録領域23、外部と双方向に通信を行う高周波通信領域24、外部信号からIC回路3の駆動電力を得るための電源用コンデンサ領域25、IC回路3の動作を制御するクロック領域26とから構成される。またアンテナ回路4は通信周波数に応じたアンテナ形状からなる。IC回路3の各々の領域とアンテナ回路4とは、トランジスタ、コンデンサ、コイル、抵抗等の電子部品を最適に配列して形成される。
また、それぞれの電子部品は、それに応じた材料から構成される。例えば、トランジスタは半導体材料、絶縁体材料、導電体材料からなり、コンデンサは誘電体材料、導電体材料からなり、コイルと抵抗は導電体材料からなり、アンテナ回路4は導電体材料から構成されている。ICタグ2のIC回路3とアンテナ回路4とをインク塗布により形成するために、これらの材料を溶媒に分散させてインク溶液として調整されたものを用いる。インク溶液は、それぞれの材料の粒径が10nm程度の微粒子(いわゆるナノ粒子)を溶媒に分散させ、濃度、粘度等とともに調整することで実現される。
なおこれらのインクは大別すると、無機材料からなるインクと有機材料からなるインクとがあるが、ICタグ2の動作周波数と材料が持つ基本特性である半導体材料の移動度の大きさとを考慮して材料系は決めれば良い。例えばICタグ2の動作周波数が数MHz以上であれば、無機系材料を選択すれば良く、数百kHz以下であれば、有機系材料でも無機系の材料でも構わない。
実施例1では半導体材料として無機系材料であるシリコン粒子を用いた。シリコン粒子は例えば単結晶シリコンに所定のドナーあるいはアクセプタを添加し、これを粉砕、分級して得ることができる。また例えば特開平6−219724号公報に示されているSiHx(OR)4-x(ここでxは0、1、2、3のいずれかであり、RはCH3、C25、C37、C49のいずれか)の分子式で表されるアルコキシシランとSiy2y+2(yは1、2または3)の分子式で表されるシランを混合し、更に所定の不純物を混合して加圧して得ることができる。半導体材料としては上述のシリコンの他に例えばIII−V族化合物を用いてもよい。III−V族化合物には例えばGaAs、AlSb、GaP、InPなどが含まれるが、これらは容易に粒子化することができるため、これらの化合物半導体を用いてもよい。
また半導体材料として利用可能な有機系材料としては、ペンタセン、ポリチオフェン、フラーレンなどを用いることができる。
また導電体材料としては、例えば銅、銀などを粒子化したものを用いるとよい。また絶縁体材料や誘電体材料としては、例えば酸化シリコンを粒子化したものを用いるとよい。
図5は本発明の実施例1に係る画像形成装置6の回路形成部17の概略構成を示す構成図である。
以降図5を用いて回路形成部17の構成について説明する。
図5に示すように、実施例1では回路形成部17をインクジェットヘッド27によって構成した。更に回路形成部17は電気回路31を塗布形成するためにインクジェットヘッド27の動作、位置決めを行う機構系28、各種材料のインクを溜めるインクタンク29、インクジェットヘッド27のインク吐出動作、位置決め動作を制御する制御手段(図示せず。図2におけるコントローラ13に含まれている)、像記録媒体1のそりや浮き等の発生を防止する、既に説明した保持固定具30によって構成されている。
インクジェットヘッドから吐出されるインクには、上述した半導体特性を示す粒子を分散させたインク、導電体粒子を分散させたインク、絶縁体粒子を分散させたインク、誘電体粒子を分散させたインクなどが含まれている。なおインクジェットヘッド27は、これらのインク材料毎に吐出孔を有しており、インク材料が混合されることはない。
インクジェットヘッド27はピエゾ素子で駆動する方式や、液の沸騰により駆動する方式等があるが、実施例1では、インクの調整をやり易いピエゾ素子で駆動する方式を採用した。また像記録媒体1の保持固定具30は、静電気による固定方式やエア吸引による固定方式等があるが、実施例1ではインクジェットヘッド27から吐出される液滴の静電気による影響を避けるために、既に説明したようにファンを用いたエア吸引方式を採用している。コントローラ13(図2参照)にはIC回路3及びアンテナ回路4(電気回路31)の形成を行うためのインクジェットヘッド27の動作がプログラムとして組み込まれており、このプログラムに従ってコントローラ13は機構系28によって支持されたインクジェットヘッド27を紙面(図5参照)と垂直方向に駆動する。更にコントローラ13はプリントジョブ情報に含まれるICタグ2の形成位置情報に基づいて、方向D2おいて指定された位置に電気回路31を形成する。これらの位置に応じてコントローラ13はインクジェットヘッド27におけるインクの吐出タイミングを制御し、像記録媒体1の上に電気回路31を形成する。
さて保持固定具30に支持された像記録媒体1はD2方向に搬送される。この搬送の途中で、既に説明したプリントジョブ情報に基づく(ユーザによって指定された)タイミングで回路形成部17を動作させることで、像記録媒体1の搬送方向において任意の位置に電気回路31を形成することができる。
このようにして像記録媒体1上に少なくともIC回路3とアンテナ回路4とを含む電気回路31が形成される。なお、インクの種類によっては、電気回路31の形成の際に、像記録媒体1の温度を調整した方が電気回路31の形成が容易になることがあるが、その際は保持固定具30の表面温度の管理を行えば、像記録媒体1の温度を最適に保持することも容易に行える。
また実施例1の画像形成装置6は、像記録媒体1としていわゆる普通紙の他に、例えば表面を樹脂材料でコートしたコート紙や、基材も含め樹脂で構成されたいわゆる特殊紙に対して画像を形成することも可能である。このように像記録媒体1の種類が異なった場合、上述した電気回路31を形成するインクの材質などは適宜切り替える必要がある。このために実施例1の画像形成装置6ではプリントジョブ情報に「像記録媒体1の種別設定情報」を持たせるようにし、「像記録媒体1の種別設定情報」に基づいて、複数のインクジェットヘッド27とインクタンク29から適切なものを選択するように構成した。すなわち支持棒70には複数の機構系28が搭載されており(図5の紙面に対して垂直な方向に複数のインクジェットヘッド27とインクタンク29が配置されており)、「像記録媒体1の種別設定情報」に基づいて、その中から適切なものを選択するようにしている。
図6は本発明の実施例1に係る画像形成装置6における熱処理部18の概略構成を示す構成図である。
以降図6を用いて熱処理部18の構成について説明する。
図6において18は、塗布形成されたIC回路3及びアンテナ回路4(電気回路31)を熱処理により乾燥固化或いは再結晶化させ、電気回路31がそれぞれ所望の電気的特性を発現させる熱処理部であり、半導体レーザーから構成されるレーザー光源32と、レーザー光源32から出射されたレーザー光を整形するためにレンズ等から構成される光学系33と、レーザー光源32及び光学系33の動作位置決めを行う機構系28と、像記録媒体1のそりや浮き等の発生を防止する像記録媒体1の保持固定具30から構成されている。
レーザー光源32から発射されたレーザー光線は光学系33により、電気回路31の線幅に応じて適切な大きさに絞られて電気回路31に照射される。レーザー光源32の出力と照射時間は、電気回路31の線幅や既に説明したインクの種類に応じて決められる。電気回路31にレーザー光34が照射されると、レーザー光34の照射領域では電気回路31の温度が上昇することになり、電気回路31の温度の上昇に伴い、電気回路31を構成するインク媒体の蒸発、インク微粒子材料の結合による結晶粒の成長が発生することになる。
レーザー光34による熱処理によって電気回路31の電気的特性の最適化、例えば半導体素子では電子移動度の高速化や、配線素子では、低電気抵抗化などの電気的特性が最適となるようなレーザー光34の照射条件を予め決めておき、この条件に従ってレーザー光34による電気回路31の熱処理を行うことになる。このようにして塗布形成された電気回路31は、熱処理部18で熱処理を受け、電気回路31は乾燥固化、更にはインクを形成する微粒子の結合と成長による再結晶化が進行し、塗布形成されたIC回路3及びアンテナ回路4は、それぞれの素子としての電気的特性を発現するようになる。
なお図5を用いて説明した回路形成部17の場合と同様に、像記録媒体1の保持固定具30はエア吸引方式を用いている(説明を簡単にするために図5及び図6の記載では保持固定具30を個別独立して示しているが、実施例1では図3に示すように保持固定具30は回路形成部17と熱処理部18とで共通化されている)。像記録媒体1をエア吸引方式により保持固定具30に密着させることで、レーザー光34を電気回路31へ均一に照射できると共に、像記録媒体1の温度の上昇を抑制できるので、電気回路31の熱処理温度の設定が容易になる。
また熱処理部18における機構系28は、回路形成部17と同様に支持棒70によって、図面の法線方向に所定の範囲で移動可能に支持されている。保持固定具30に支持された像記録媒体1はD2方向に搬送される。この搬送の途中で、既に説明したプリントジョブ情報に基づく(ユーザによって指定された)タイミングに基づいてレーザー光34を照射することで、既に像記録媒体1に形成された電気回路31の位置に正確にレーザー光34を照射することができる。なおレーザー光34の照射(走査)は機構系28による走査は必須のものではなく、例えばガルバノミラーを用いた光学系としてもよい。このようなレーザー走査手段を持たせることで、機構系28を簡素化することが可能である。
また実施例1では、熱処理部18を回路形成部17(図2参照)とは別に設けたが、レーザー光源から出射されるレーザー光線の放出部をインクジェットヘッド27の近傍に設けるように構成してもよい。すなわち回路形成部17のインクジェットヘッド27にレーザー光源及び光学系を設け、レーザー光34を電気回路31に導き照射すれば、熱処理部18と回路形成部17を一体に構成することができる。このような構成とすることで、独立した熱処理部18が不要となり画像形成装置1の小型化と製造コストの低減に有利になる。
また実施例1では熱処理部18にレーザー光源32を用いたが、熱処理部18は、誘導加熱手段を用いて熱処理を行うように構成しても構わない。誘導加熱手段を用いた場合は、レーザー光34を用いた場合の局所加熱ではなく比較的広い範囲にわたって加熱できるので熱処理の時間の短縮が可能となる。しかしながらレーザー光34の照射による熱処理では、発熱が電気回路31のレーザー光34照射部近傍に留まり、像記録媒体1への影響が殆ど無いのに対して、誘導加熱手段を用いた場合は熱処理の影響が像記録媒体1にも及び易い(既に形成された画像に対してホットオフセットなどが発生しやすい)点に留意すべきであり、例えば誘導加熱手段を必要に応じて離接する機構を設けるなどの対応が必要となる。
さて熱処理部18で熱処理を終えてICタグ2のIC回路3とアンテナ回路4(電気回路31)が形成された像記録媒体1は、搬送ベルト61の駆動に伴って保護体形成部19へ搬送される。
IC回路3とアンテナ回路4の表面に、外力或いは温度や湿度の環境変化等に対する回路の保護のための保護体5を貼り付けて、ICタグ2の保護を行う。このようにして、像記録媒体1にIC回路3とアンテナ回路4と保護体5とから構成されるICタグ2を形成する。なお実施例1では保護体5を機械的に貼り付けるようにしたが、これを例えばインクジェットヘッドを用いて所定の樹脂を吹き付けるように構成してもよい。
図7は本発明の実施例1に係る画像形成装置6のICタグライタ部10の概略構成を示す構成図である。
以降図7を用いてICタグライタ部10の構成を説明する。
実施例1に係る画像形成装置6にはICタグ2に情報を書き込むICタグライタ部10が設けられている。図7に示すように、ICタグライタ部10は外部との情報の通信を行うライタアンテナ20と、通信信号を制御処理する高周波通信回路21とからなる。ICタグ形成部9(図2参照)で像記録媒体1上に形成された電気回路31を保護体5で覆うことで完成したICタグ2に、像記録媒体1上に記録された画像に関する管理情報が、ライタアンテナ20とICタグ2との通信によりICタグ2に書き込まれることになる。
像記録媒体1に画像が形成され、更に像記録媒体1に形成されたICタグ2に画像情報の管理情報が書き込まれた像記録媒体1は、排紙部11(図2参照)を通って画像形成装置1から排出される。
次に画像形成装置6の全体の動作について図2を用いて説明を行う。
画像形成装置6とネットワーク15で接続されているコンピュータ16などから、画像形成後の管理が必要な画像情報が画像形成装置6に送信されると、普通紙などの一般的な像記録媒体1が、給紙部7から画像情報形成部8のプリントエンジン14に取り込まれ、像記録媒体1の所定の面に画像が形成される。既に説明したプリントジョブ情報に基づき、この画像形成に係る画像に対して管理が必要であると判断された場合は、画像が形成された像記録媒体1はガイド53を経由してICタグ形成部9へ搬送され、像記録媒体1の画像が形成された面とは逆の面にICタグ2が形成される。これによって像記録媒体1の画像の領域を制限することなく、像記録媒体1にICタグ2を形成することができる。なお像形成後の管理を必要としない画像を形成した場合は、画像が形成された像記録媒体1はICタグ2を形成することなく、第2排紙部55から排出される。
なお実施例1では既に説明したように画像情報形成部8のプリントエンジン14は電子写真方式に基づくものである。電子写真方式による画像形成は、いわゆる普通紙などの像記録媒体1に印刷しても高品質の印刷画像が得られるため、本発明に係る画像形成装置6に好適である。
さてICタグ形成部9へ搬送された像記録媒体1には、回路形成部17で像記録媒体1の指定位置に、前述したような動作でIC回路3及びアンテナ回路4(電気回路31、ともに図1参照)が形成される。これらの電気回路31の形成は、コントローラ13に格納されたプログラムに基づいて行われる。ここで形成された電気回路31は、次に熱処理部18へ搬送され、熱処理を受けることになる。この熱処理により電気回路31は乾燥固化或いは再結晶化され、電気回路31がそれぞれ所望の電気的特性を発現するようになる。この熱処理後にIC回路3とアンテナ回路4とからなる電気回路31の表面に保護体5として樹脂シートを貼り付けて、画像が形成された像記録媒体1へのICタグ2の形成が完了する。
画像が形成され、更にICタグ2が形成された像記録媒体1は、ICタグライタ部10へ搬送され、IC回路3内の情報記録領域23(図4参照)に画像情報に関連する情報や、画像情報整理番号等の情報が記録される。これらの画像情報に関連する情報や、画像情報整理番号等の情報は、画像形成動作を指示したコンピュータ16から転送され画像形成装置6内のコントローラ13から出力されるものであるが、個々の像記録媒体1を特定できるような固有の情報、すなわち管理情報としての例えば画像形成に係る印刷者、印刷日時、印刷目的、件名などの管理を要する付加情報である。
このようにして、像記録媒体1に画像が形成されると共に、像記録媒体1にICタグ2を形成し、ICタグ2には画像情報管理用の個別の情報が記録されることになる。
画像情報の保管管理業務の一例として、画像形成装置1から画像情報を出力する際に、ネットワーク15を通して接続されているコンピュータ16に、形成された画像情報とICタグ2に記録した管理情報を登録し、例えば出力した像記録媒体1をICタグライタが設置された文書保管庫に保管しておけば、後日に文書検索を行うなどの際に、管理情報の検索を行うことで、検索対象の像記録媒体1を容易に検索或いは像記録媒体1の存在の確認を容易にすることができるようになる。このように、画像を形成した像記録媒体1の保管管理業務が極めて容易となる。
(実施例2)
図8は本発明の実施例2に係る画像形成装置6の概略構成を示す構成図である。
以降図8を用いて画像およびICタグ2(図1参照)を形成可能に構成された画像形成装置6について詳細に説明する。
実施例2の説明において、実施例1と共通する構成要素については同一の符号を付するとともに、既に説明した部分については説明を省略する。
実施例2に係る画像形成装置6は実施例1で説明したものに対して、第2露光装置76と第2現像器77を有する点と、画像情報形成部8で画像を形成した後に像記録媒体1は必ず第2排紙部55に一旦搬送され、ICタグ2を像記録媒体1に形成する場合は、フラッパ52をP4方向に変位させ、かつ搬送ローラ75をそれまでとは逆方向に回転させ、いわゆるスイッチバック機構によって、像記録媒体1をガイド53に搬送するように構成した点が異なっている。
このような構成を採用した場合は実施例1と異なり、像記録媒体1において画像が形成される面と、像記録媒体1においてICタグ2が形成される面は同一面となる。実施例2では像記録媒体1において画像を形成する面と、ICタグ2を形成する面を同一面とするとともに、ICタグ2を形成する像記録媒体1の部位への画像形成を禁止する像形成制御手段を有している。実施例2では、この像形成制御手段はコントローラ13が対応しており、例えばユーザが指定したICタグ2の配置位置に対する画像データの展開を禁止する、あるいは一旦画像データとして展開した後に、図示しないイメージメモリ上で該当する領域の画像データを0(ヌルデータ)に置き換える、すなわち画像データを削除すればよい。このようにすることで、画像が形成された領域にICタグ2が配置されることがなくなり、ICタグ2の形成に際して安定性、信頼性が向上する。
次に上述した第2露光装置76と第2現像器77について説明する。
第2露光装置76は感光体40の所定位置(後にICタグ2を形成する位置。実施例1で説明したのと同様に、この位置はユーザが指定することができる)を露光して感光体40上に静電潜像を形成する。第2現像器77には例えばPET等を材料とするいわゆる透明トナーが充填されており、第2現像器77は第2露光装置76が形成した静電潜像部分に透明トナーを現像する。この透明トナーを現像する時点では、露光装置42によって形成された静電潜像に基づく画像が現像器43によって顕画化されているが、上述したように後にICタグ2を形成する部分には画像が形成されないように制御されているから、これら二つのトナー像が混合することはない。トナーの混合をより積極的に防ぐためには、例えば現像器43と第2露光装置76の間にスコロトロンなどの非接触の帯電器を設けてもよい。また仮に混合が発生したとしても、第2現像器77に充填されたトナーは透明トナーであるため、トナー同士の混合が画質に影響を与えることはほとんどない。
このように第2現像器77によって感光体40上に形成された透明トナー像は、通常の画像形成に係るトナー像とともに転写器44によって像記録媒体1に転写される。そして実施例1で説明したのと同様に定着装置51によって像記録媒体1に定着される。定着された透明トナーによって像記録媒体1の後にICタグ2が形成される部分には平滑な層が形成される。このようにして像記録媒体1のICタグ2が形成される位置に選択的にプレコートを行うことが可能となる。
実施例2ではこのようにICタグの形成に先立って、像記録媒体1の所定の位置にコート部を形成する。すなわち回路形成部17による電気回路31(図1参照)の形成に先立って、像記録媒体1の所定の位置にコート部を形成するのである。そしてこのようにして形成されたコート部の上にICタグ2が形成される。もちろん保護体5(図1参照)は、形成条件を厳しく管理する必要はないから、このコート部分の内側に形成してもよいし、コート部分からはみ出すように形成してもよい。
像記録媒体1の所定位置にICタグ2の形成位置を設定する過程、像記録媒体1に電気回路31(図1参照)を形成する工程、電気回路31の上に保護部5を形成してICタグ2を製造する工程については実施例1で説明したのでここでの説明は省略するが、このプレコートによって像記録媒体1にICタグ2を極めて安定して形成することが可能となる。一般的に像記録媒体1の質によっては、電気回路31を形成する際に、回路構成が乱れてしまうことがある。インクの粘度を最適に調整したとしても、像記録媒体1自身に起因する回路形成の影響を無くしてしまうことは実質的に困難である。画像形成装置6がハンドリングする像記録媒体1には様々なものがあり、一般的には例えばパルプなどの植物由来の材料から構成される、いわゆる普通紙(プレーンペーパー)が多用されている。このような植物由来の材料から構成される像記録媒体1の表面には繊維の凹凸が存在し、このような像記録媒体1の表面の状態によってはICタグ2の形成に支障をきたす場合がある。これは特に像記録媒体1の繊維が比較的短い再生紙で問題となる。
このようにICタグ2の形成時に像記録媒体1の表面状態の影響が大きい場合は、像記録媒体1のICタグ2形成部分にプレコートを行い、この上にICタグを形成すれば像記録媒体1の表面の状態に影響を受けることなく電気回路31を形成できる。すなわち実施例2では植物由来の材料を含む基材上にその表面状態を改善(平滑化)する目的でコート部を設けた後に、既に実施例1で説明したようにIC回路3とアンテナ回路4(電気回路31)、保護部5をこの順序で形成するようにして、ICタグ2を有する像記録媒体1が製造される。
このように実施例2では像記録媒体1に予めコート部を設けることで、像記録媒体1の上に形成される電気回路31を安定して形成するようにしたが、例えばブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの現像色に対応したカラープリンタなどの場合は、このコート部としてブラック以外(例えばイエロー単色)のトナーを用いることができる。この場合には、ICタグ2を形成する位置に対して、コート部として使用する以外の色の画像データを0(ヌルデータ:印字しない状態)としておき、コート部として使用する色の画像データを1(フルデータ:印字する状態。上記ヌルデータもフルデータも2値を想定)にすれば、別途透明トナーを用いることなくコート部を形成することができる。ここでブラックトナーによってコート部を形成しない理由は、ブラックトナーはカーボンを含有しており、その上に形成される電気回路31に対して電気的な影響が懸念されるためである。
またこの例ではコート部としてブラック以外の単色トナーを用いたが、コート部によって像記録媒体1の表面状態を改善するという効果を増強するには、2色分のトナー(例えばシアンとイエロー)を重畳するようにしてもよい。ただし一般的に電子写真方式における転写能力の制約から、この重畳は最大でも3色分(すなわちイエロー、マゼンタ、シアン)までとするべきである。3色分を越えてトナーを重畳させた場合は、転写ムラなどの影響で逆にコート部の表面性が損なわれる場合があるからである。
以上、説明したように、本発明に係る画像形成装置6は像記録媒体1に画像を形成するとともにICタグ2を連続して形成できるように構成したので、あらかじめICタグ2が付与されている特殊な像記録媒体を用いることなく通常一般の普通紙などの像記録媒体1を使用しても、管理情報に基づく文書管理をRFIDの技術を利用して容易に行うことができるようになる。
なお上述してきたように、ICタグ2の電気回路31の形成はインクジェットヘッド27を用いて行ったが、電気回路31の形成はインクジェットヘッド27を用いる以外にも版型を用いたスタンプによる方式を用いてもなんら問題なく行うことができる。特にICタグ2の回路構成は色々と回路構成が変わるものではなく、ひとつの回路構成に決めてしまったとしても、管理情報はICタグ2の形成後に書き込むので、ICタグ2の使用に関する問題はない。回路構成が決まったスタンプを用いて電気回路31を形成するように構成した方が、インクジェットヘッド27を用いて電気回路31を形成するよりもICタグ2の形成時間の短縮を図ることが可能となる。
しかしながらスタンプによる方式で電気回路31を形成する場合は、ICタグ2の形成数が増大した際にはスタンプの劣化は避けられないため、ICタグ2の形成数に応じたスタンプの交換を行うなどのメンテナンスが必要となってくる。一方インクジェットヘッド27(図5参照)を利用する方式では、非接触でICタグ2を構成する電気回路31を形成できるので、スタンプ方式と比較するとメンテナンスの頻度を大幅に少なくできるなどの利点がある。
また画像形成装置6では管理が必要な画像情報の画像を形成した後に、像記録媒体1にICタグ2の形成とICタグ2への管理情報の書き込みを行うが、例えば外部から入手した画像情報印刷物や、他の画像形成装置で形成した画像情報印刷物に関しても、それが管理を要する画像情報であった場合は、実施例1、実施例2で説明した画像形成装置6に管理を要する画像情報印刷物をセットし、画像情報形成部8によって画像を形成することなく搬送させ、ICタグ形成部9とICタグライタ部10へと搬送するようなモードを設けることで、なんらの問題なく画像情報印刷物にICタグ2を形成し、ICタグ2に管理情報を記録することが可能となる。
また保管管理を要する画像情報が印刷された像記録媒体1は、その廃棄に当たっても情報漏洩が発生しないように処理する必要があるが、この目的のために実施例1または実施例2で説明した画像形成装置6に、像記録媒体1を裁断するシュレッダを付加してもよい。このシュレッダは像記録媒体1に形成されたICタグ2を打ち抜くことなどにより、像記録媒体1からICタグ2を分離するICタグ分離部と裁断部とから構成される(ともに図示せず)。ここで単に裁断部のみならずICタグ分離部を設けたのは、半導体や金属等を含むICタグ2を分別して回収するのを容易にするためである。
既に画像が形成された廃棄目的の像記録媒体1を画像形成装置6にセットすると、像記録媒体1は図示しない駆動源によって画像情報形成部8とICタグ形成部9内を搬送され、ICタグライタ部10に到達する。裁断されるべき像記録媒体1はこのICタグライタ部10でICタグ2に記録されている管理情報を強制的に消去した後に裁断部へ搬送される。裁断部に搬送された像記録媒体1は、裁断部で直ちに裁断される。こうして保管管理を要していた像記録媒体1を、情報漏洩が発生すること無く廃棄できる。
なお以上の構成に加えて画像形成装置6に更にICタグリーダ(図示せず)を設けるようにしてもよい。この場合はICタグライタ部10でICタグ2の内容を強制的に消去する時点で、ICタグリーダ(図示せず)で読取った管理情報をネットワーク15に接続されているコンピュータ16に対して廃棄済みの旨の処理信号を送信することで、文書の管理業務は更に容易になる。
また実施例1または実施例2では、プリントエンジン14として電子写真方式のものを用いて説明したが、プリントエンジン14は電子写真方式に限るものではなく、インクジェットプリンタ、熱溶融型プリンタ、熱昇華型プリンタ、感熱式プリンタ、ドットプリンタでも構わない。また像記録媒体1には、それぞれの画像形成の方式において最適な像記録媒体を選択すればよい。
以上説明したように、ICタグ形成部を有する画像形成装置を用いて印刷した像記録媒体にはICタグが形成され、ICタグには画像情報管理用の管理情報を記録することができるので、画像形成装置とネットワークを通して接続されているコンピュータに、記録した画像情報と画像情報管理用の情報を登録しておけば、後日に文書検索を行うなどの際に、RFIDの技術を利用することにより、目的とする文書を容易に検索、或いは文書の存在確認などの文書保管管理業務が極めて容易に行えるようになる。このような態様で利用される機器としては、例えば複写機、プリンタ、MFPなどの複合機、オンデマンドプリンタを含む商用印刷機などが該当し、本発明はこれらに容易に適用することが可能である。
本発明の実施例1に係る画像形成装置によって像記録媒体上に形成されるICタグの概略構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置の保持固定具とその周辺の概略構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置によって形成されるICタグにおけるIC回路およびIC回路の周辺構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置の回路形成部の概略構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置における熱処理部の概略構成を示す構成図 本発明の実施例1に係る画像形成装置のICタグライタ部の概略構成を示す構成図 本発明の実施例2に係る画像形成装置の概略構成を示す構成図
符号の説明
1 像記録媒体
2 ICタグ
3 IC回路
4 アンテナ回路
5 保護体
6 画像形成装置
7 給紙部
8 画像情報形成部
9 ICタグ形成部
10 ICタグライタ部
11 排紙部
13 コントローラ
14 プリントエンジン
15 ネットワーク
16 コンピュータ
17 回路形成部
18 熱処理部
19 保護体形成部
20 ライタアンテナ
21 高周波通信回路
22 制御領域
23 情報記録領域
24 高周波通信領域
25 電源用コンデンサ領域
26 クロック領域
27 インクジェットヘッド
28 機構系
29 インクタンク
30 保持固定具
31 電気回路
32 レーザー光源
33 光学系
34 レーザー光
40 感光体
41 帯電器
42 露光装置
43 現像器
44 転写器
45 クリーナ
52 フラッパ
53 ガイド
55 第2排紙部
60 支持ローラ
61 搬送ベルト
62 ファン
63 リブ
70 支持棒
76 第2露光装置
77 第2現像器

Claims (20)

  1. 像記録媒体に画像を形成する画像情報形成部と、前記像記録媒体に電気回路を形成する回路形成部を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記回路形成部による前記電気回路の形成に先立って、前記像記録媒体の所定の位置にコート部を形成することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 像記録媒体に画像を形成する画像情報形成部と、前記像記録媒体にICタグを形成するICタグ形成部を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記ICタグ形成部を、少なくともIC回路とアンテナ回路を形成する回路形成部と、この回路形成部により形成された少なくとも前記IC回路とアンテナ回路の熱処理を行う熱処理部と、この熱処理部によって熱処理された少なくとも前記IC回路とアンテナ回路上に保護体を形成する保護体形成部で構成したことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  5. 前記回路形成部をインクジェットヘッドによって構成したことを特徴とする請求項1、請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記インクジェットヘッドから吐出されるインクを、半導体特性を示す粒子を分散させたインクとしたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記熱処理部をレーザー光源と、このレーザー光源から出射されるレーザー光線を整形する光学系によって構成したことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  8. 前記レーザー光源を半導体レーザーによって構成したことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 前記レーザー光源から出射されるレーザー光線の放出部を前記インクジェットヘッドの近傍に設けたことを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  10. 前記熱処理部を誘導加熱装置によって構成したことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  11. 前記回路形成部と前記熱処理部を、前記像記録媒体を保持固定する保持固定具を有するように構成したことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  12. 前記保持固定具を前記像記録媒体を吸引する吸引装置によって構成したことを特徴とする請求項11記載の画像形成装置。
  13. 前記ICタグに情報を書き込むICタグライタ部を設けたことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  14. 前記像記録媒体を裁断するシュレッダー部を設けたことを特徴とする請求項3または請求項13記載の画像形成装置。
  15. 前記ICタグの形成に先立って、前記像記録媒体の所定の位置にコート部を形成することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  16. 前記像記録媒体における前記画像を形成する面と、前記ICタグを形成する面を異ならせたことを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  17. 前記像記録媒体における前記画像を形成する面と、前記ICタグを形成する面を同一面とするとともに、前記ICタグを形成する前記像記録媒体の部位への画像形成を禁止する像形成制御手段を有することを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
  18. 請求項1または請求項2に記載の画像形成装置によって形成された電気回路を有することを特徴とする像記録媒体。
  19. 請求項3から請求項17いずれか1項記載の画像形成装置によって形成されたICタグを有することを特徴とする像記録媒体。
  20. 植物由来の材料を含む基材上にコート部、電気回路、保護部をこの順序で形成する工程を有することを特徴とする像記録媒体の製造方法。
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