JP2007187095A - 超音波ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】圧電振動子を用い、逆止弁が不要な超音波ポンプを提供する。
【解決手段】容器2と、この容器2内に充填される液体30の流入口4および流出口3と、前記流出口3に対向し前記容器2の一部をなす壁部材2aの内面に取り付けられた超音波放射手段5と、を有する超音波ポンプ1であって、前記超音波放射手段5から超音波が前記流出口3に向けて放射されることによって前記液体30を前記流出口3から流出させるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】容器2と、この容器2内に充填される液体30の流入口4および流出口3と、前記流出口3に対向し前記容器2の一部をなす壁部材2aの内面に取り付けられた超音波放射手段5と、を有する超音波ポンプ1であって、前記超音波放射手段5から超音波が前記流出口3に向けて放射されることによって前記液体30を前記流出口3から流出させるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、超音波振動子により放射される超音波による圧力によって液体を搬送する超音波ポンプに関する。
電磁気や回転機構を用いない液体搬送装置として、板状の圧電振動子を振動させることによりポンプ作用を得る圧電ポンプがある。例えば、特許文献1において、圧電ポンプは圧電振動子によって可変容積室を形成し、この可変容積室に連なる一対の流路に、流れ方向の異なる一対の逆止弁(可変容積室への流体流を許す逆止弁と可変容積室からの流体流を許す逆止弁)が設けられている。圧電振動子を振動させると、可変容積室の容積が変化し、それに伴い一対の逆止弁の一方が閉じ他方が開く動作を繰り返すことから、ポンプ作用が得られる。この圧電ポンプは、薄型にできることから、例えば水冷ノートパソコンの冷却水循環ポンプとして用いられている。
特開2003−28068号公報(図1参照)
このような圧電ポンプは、構造が簡単な圧電振動子を用いることができ、小型化、低消費電力化が可能であると考えられるが、一定方向の流れを作るために、逆止弁を設ける必要がある。このため、構造の簡素化、流れの安定化などに改善の余地があった。
本発明の目的は、圧電振動子を用い、逆止弁が不要な超音波ポンプを提供することにある。
容器と、この容器内に充填される液体の流入口および流出口と、前記流出口に対向し前記容器の一部をなす壁部材の内面に取り付けられた超音波放射手段と、を有する超音波ポンプであって、前記超音波放射手段から超音波が前記流出口に向けて放射されることによって前記液体を前記流出口から流出させるようにした。
本発明により、圧電振動子を用い逆止弁が不要な超音波ポンプを提供することができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。 図1に、本発明の第1の実施の形態に係る超音波ポンプ1aの断面図を示す。この超音波ポンプ1aは、液体30を収容する容器2と容器2に液体30の流出口3と流入口4が設けられている。また、液体30の流出口3に対向する容器2の壁部材2aの内面には超音波放射手段5が設けられている。なお、容器2は、金属、樹脂、ガラス、セラミックスなどの材料を用いて形成され、それらの材料は搬送される液体30の特徴により適宜選択される。容器2が搬送される液体30に種類によって、腐食等を引き起こされることがあるからである。
以下、本発明の実施形態について図を用いて説明する。 図1に、本発明の第1の実施の形態に係る超音波ポンプ1aの断面図を示す。この超音波ポンプ1aは、液体30を収容する容器2と容器2に液体30の流出口3と流入口4が設けられている。また、液体30の流出口3に対向する容器2の壁部材2aの内面には超音波放射手段5が設けられている。なお、容器2は、金属、樹脂、ガラス、セラミックスなどの材料を用いて形成され、それらの材料は搬送される液体30の特徴により適宜選択される。容器2が搬送される液体30に種類によって、腐食等を引き起こされることがあるからである。
超音波放射手段5には圧電振動子6が用いられる。駆動信号が圧電振動子6の両面に形成された電極(図示しない。)に印加されることにより圧電振動子6の両面から超音波が放射される。駆動信号は、外部に設けられた駆動信号源10からリード線27を経由して印加される。なお、駆動信号源10の構成を図12に示すように信号発生器17と高周波増幅器16から構成される。信号発生器17は圧電振動子6の共振周波数付近の信号を発生する。高周波増幅器16は信号発生器17の信号を所望の出力になるように増幅する。例えば、1〜20Wの電力を圧電振動子6に加えることにより印加される電力に応じて超音波出力が得られ、後述するように液体30に流出口3のから流出させる圧力が付与される。
ここで、圧電振動子6の製作方法について説明する。ます、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT系)、マグネシウムニオブ酸鉛(PMN系)、ニッケルニオブ酸鉛(PNN系)等を主成分とする圧電セラミックの表面に電極が形成され圧電振動子6が得られる。電極は、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空成膜法により、アルミニウム、パラジウム、ニッケル、金、銅などの金属膜が被着される。その他の方法として、メッキ法などによりニッケルなどの金属膜を形成するか、あるいは、焼成銀などの金属ペーストを塗布した後に所望の温度で焼結するなどの方法で両面に電極を形成してもよい。このように電極が形成された圧電振動子6は、厚み方向の分極処理が行われる。
上記した圧電振動子6の変形例を図13に示す。この圧電振動子6は、自励発振方式の駆動制御回路に用いられる電極として励振電極18とフィードバック電極19を設けられている。駆動信号源10へフィードバックを行うことで、図12に示した信号発生器17を省略することが出来る。自励発振回路としては、様々な方法があり適宜選択すればよい。本実施例では、圧電振動子の片一方の電極の一部に、振動子の中心に向って、例えば、幅1mmの電極を形成し、フィードバック電極19とした。
超音波放射手段5を構成する圧電振動子6の前面には,整合部材7が設けられている。この整合部材7は、圧電振動子6から放射される超音波を媒体に伝搬させる際に伝搬ロスを小さく抑えるために設けられる。圧電振動子6から放射される超音波が媒体である液体30に伝搬される際に圧電振動子6と液体30の固有の音響インピーダンスの値のギャップが大きいほどこの伝搬ロスは大きくなる。このような伝搬ロスを低減させるための整合部材7が設けられる。
ここで整合部材7の最適な設計について説明する。超音波は、固有音響インピーダンスが異なる物質同士が成す境界に入射すると、一部は、透過し一部が反射する。一般に物体の密度と音速の積(物質の密度ρ×音速v)をその物体の「固有音響インピーダンス」と呼ぶ。いま固有音響インピーダンスがそれぞれ、Z1、Z2である二つの物質の境界面に超音波が垂直に入射したとする。このときの振幅反射率REは、式(1)で与えられる。本実施の形態では、媒質Iは圧電振動子6であり、媒質IIは整合部材7である。また媒質IIIは搬送される液体30である。
図15に示すように,媒質Iと媒質IIIの間に,厚さLの中間層IIが挟まれている。媒質Iに強さIiの音波が入射したとき,中間層IIを通りぬけて,媒質IIIに透過する音の強さI t、媒質I, II, IIIの各々の音速,密度をc1,c2,c3,ρ1,ρ2,ρ3とする。平面境界における音波の入射透過と同様の扱いにより次式の結果を得る。
ここで、λ2は、λ2=C2/f2である。
図16に示すように、L=λ2/4、Z2=√Z1Z3の条件が成立する場合には、τI=It/Ii=1が得られ,入射波は無損失で(反射損失がない形で)媒質IIIに透過する。理想的には,L=λ2/4、Z2=√Z1Z3の条件が成立するように中間層である整合部材7を挿入することにより,媒質I、すなわち圧電振動子6から放射された音波のエネルギーをそのまま伝搬ロスを生じさせることなく媒質III、すなわち搬送される液体30に伝えることができる。
従って整合部材7は上記したように、固有音響インピーダンスが、式(1)および式(2)を満たす材料および厚みを決定することができる。しかし、固有音響インピーダンスは、物質に固有のものであるので上記の関係式を満足させ、音波の伝搬ロスを極小にすることは容易でない。少なくとも媒質Iである圧電振動子6と搬送される液体のそれぞれの固有音響インピーダンスの値の中間値となるような整合部材の材質と厚みを選択することにより音波の伝搬ロスを低減することができる。そこで、整合層部材7の材料としては、樹脂、ガラス、セラミックスなどが用いられ、圧電振動子6と搬送する液体のそれぞれの音響インピーダンスの中間の値を持つ材料が選定される 。その厚みとしては、λ/4のものが用いられる。
また、所望の固有音響インピーダンスを得るために、図4に示すように、整合部材7を複数の固有音響インピーダンスが異なる整合部材を積層し、超音波の伝搬ロスをより少なくすることができる。具体的な実施例では、アクリル樹脂とシリコーン樹脂を組み合わせることで、図4に示すように整合部材7を例えば、7a、7bと7cの三層にして、それぞれの固有音響インピーダンスをそれぞれZa、Zb、Zcとし、また、圧電振動子6と搬送される液体の固有音響インピーダンスをそれぞれZ1、Z3としたとき、Z1>Za>Zb>Zc>Z3なる関係を満足するように、例えば、アクリル樹脂とシリコーン樹脂を組み合わせることで整合部材の各層を形成することにより超音波の伝播ロスをさらに低減することができる。
また,圧電振動子6の後面には,この圧電振動子6から放射された音波が壁部材2aによって反射されて再び圧電振動子6に戻り、圧電振動子6から前面(流出口3方向)に放射される音波と干渉を起こすことになる。特に、反射波と前面に放射される音波と位相が異なると、音波の振動が不均一になり圧電振動子6から前面方向の音波エネルギーが低下してしまう。特に、壁部材2aが金属のような材料で形成されている場合は、容器の製作は容易ではあるが、壁部材の内部で反射した音波が減衰せずに容器内に放射されるため、位相のずれた音波によるエネルギーの低下があり、好適な材料とは言えない。
圧電振動子6から放射される超音波を用いて本発明のような一方向へ液体30を搬送するような用途の場合は、液体30を搬送する方向と反対の方向に放射される超音波は、上記したような弊害が大きいので可能な限り減衰させる必要がある。そこで図1に示す圧電振動子6が取り付けられている壁部材2は、例えば、数十μmのサイズのW粉末をエポキシ樹脂に分散させて形成されている。樹脂材料中に粒子を分散させると伝搬される超音波の吸収と散乱の両方が起こり超音波の伝搬を効果的に減衰させることができるためである。
なお、上記した壁部材2と同様に容器2の全体に超音波の吸収性を有する材料で形成してもよい。特に容器2の製作が簡単になる場合等に好適である。
また、壁部材2aが容器2と同一材料、例えば金属材料等で形成されている場合は、圧電振動子6から放射される超音波の吸収が十分でなく、むしろ反射し前方に放射される超音波と干渉して、前面方向への放射強度を弱める場合がある。そこで図2に示すように圧電振動子6と壁部材2aの間に超音波吸収部材8を介在させる。超音波吸収部材8として、例えば、上記したのと同様に、材料として数十μmのサイズのW粉末をエポキシ樹脂に分散させたものを用い、2液混合型のエポキシ樹脂(Epotek301)に中心サイズが30μmのW粉末を90wt%配合分散させて、120℃で硬化させたものを用い、この超音波吸収部材8の厚みは、圧電振動子6の約10倍程度のものを用いる。この厚みは、超音波が超音波吸収部材8で十分吸収される程度に適宜実験的に決めることができる。このように少なくとも超音波吸収部材8が容器2の材料より圧電振動子6から放射される超音波の吸収の大きい材料で形成することにより前面方向へ放射される超音波エネルギーを高めることができる。好ましくは、上記したように、この超音波吸収部材8について、超音波を散乱させる金属等の微粉末と超音波を吸収する樹脂材の配合分散比や厚み等を適宜実験的に求めて超音波の前面方向への反射を効果的に低減させることができ、圧電振動子6から放射される超音波の前面方向への音波エネルギーを高めることができる。
上記したような圧電振動子6の後方に放射される超音波の前面への反射を低減する他の実施例を図3に示す。壁部材2aの圧電振動子6が取り付けられている部位が一部開放されている。具体的な例として、図3に示すように圧電振動子6の周縁以外の内部に対向する壁部材2aに孔部11が形成されている。この場合、壁部材2aには、孔部11が形成されているが容器2は、圧電振動子6の周縁部により孔部11が封止されているので液体30が外部へ流出することはない。この孔部11により圧電振動子6の後部が開放されているので、この圧電振動子6により後部に放射される超音波は、空気層に放射されるため圧電振動子6の前面へ反射されることはないので、圧電振動子6による前面への超音波の伝搬によって影響を及ぼすことはない。
[第2の実施の形態]
次に本発明の第2の実施の形態について図を用いて説明する。図5に超音波放射手段5を構成する圧電振動子6と整合部材7の積層体5aから放射される超音波が流出口3に集束するように放射面が凹面状に加工されている。このような形状の積層体5aは、超音波を集束させることができる、いわゆる“音響レンズ”をなす。音響レンズをなす積層体5aから放射される超音波は流出口3付近に集束されるので液体30の搬送効率を飛躍的に高めることができる。なお、圧電振動子6の放射面は研磨加工等により凹面状に加工される。整合部材7は、選定される材料、例えば、アクリル樹脂を成形により圧電振動子6との接合面が一致するように凹面状に加工され、圧電振動子6に接着等により積層される。また、圧電振動子6と整合部材7の積層体5aは、底部に超音波吸収材8が充填されたに円筒状のケースに収納され、超音波放射手段5が形成され壁部材2aに取り付けられる。なお、壁部材2aの超音波照射手段5の取付け面を凹面状に加工して上記凹面状の積層体を取り付けてもよい。
次に本発明の第2の実施の形態について図を用いて説明する。図5に超音波放射手段5を構成する圧電振動子6と整合部材7の積層体5aから放射される超音波が流出口3に集束するように放射面が凹面状に加工されている。このような形状の積層体5aは、超音波を集束させることができる、いわゆる“音響レンズ”をなす。音響レンズをなす積層体5aから放射される超音波は流出口3付近に集束されるので液体30の搬送効率を飛躍的に高めることができる。なお、圧電振動子6の放射面は研磨加工等により凹面状に加工される。整合部材7は、選定される材料、例えば、アクリル樹脂を成形により圧電振動子6との接合面が一致するように凹面状に加工され、圧電振動子6に接着等により積層される。また、圧電振動子6と整合部材7の積層体5aは、底部に超音波吸収材8が充填されたに円筒状のケースに収納され、超音波放射手段5が形成され壁部材2aに取り付けられる。なお、壁部材2aの超音波照射手段5の取付け面を凹面状に加工して上記凹面状の積層体を取り付けてもよい。
上記第2の実施の形態における他の例として超音波ポンプ1gを図7に示す。容器2の壁部材2aの流出口3に対向する位置に圧電振動子6と整合部材7の積層体5aからなる超音波放射手段5が取り付けられている。整合部材7は、その超音波の放射面が流出口3付近に超音波が集束されるように凹面状に形成され、音響レンズをなしている。この整合部材7は、例えばアクリル樹脂で形成されている場合は成型により形成され、圧電振動子6の超音波の放射面に接着材等により接着されている。このような音響レンズをなす構造により放射される超音波の出力を流出口3付近に集束することができるので液体30の搬送効率を飛躍的に高めることができる。
第2の実施の形態の他の変形例としての超音波ポンプ1fを図6に示す。上記した図7に示した超音波ポンプ1gと主要部は同様であるが、この超音波ポンプ1fは、壁部材2aの超音波放射手段5の裏面に対向する部位に孔部11が設けられている。圧電振動子6から裏面方向に放射される超音波は、空気層に伝搬し流出口3方向への反射は起こらない。このような構成にすることにより超音波放射手段5から放射される超音波は流出口3付近に集束され、流体30の流出口3方向への搬送の効率を高めることができる。また、裏面方向に放射される超音波が流出口3方向に反射されることもないので、流出口3方向に放射される超音波に干渉することない。
次に、第2の実施の形態における他の超音波ポンプを図8に示す。図8に示す超音波ポンプ1iは、上記した超音波1gと主要部は同様であるが、超音波を液体の流出口3付近に集束させる音響レンズが異なる。超音波放射手段5を構成する圧電振動子5の上面に積層される音響レンズとしてフレネルレンズ13が設けられている。このフレネルレンズ13の詳細な構造を図10−Aに示し、そのA−A断面を図10−Bに示す。フレネルレンズ13は、圧電振動子5により放射される超音波を液体30の流出口3付近に集束させるように輪帯と呼ばれるリング状の溝15が所定の間隔で形成されている。また、このフレネルレンズ13の材料は、例えばアクリルが好適な材料の一つとして用いられる。圧電振動子6の組成の主成分がチタン酸ジルコン酸鉛で充填される液体30が水の場合は、これらの固有音響インピーダンスの中間の値を有するからである。
フレネルレンズ13は、アクリル樹脂を機械加工して作成した。焦点距離F=4mm、超音波の波長λ=1.12mmとし、直径が20mmの円盤状のアクリル樹脂に、表に示された輪帯の数値にしたがって溝15を形成した。溝15の深さは0.84mm、レンズ全体の厚みは、1.12mmとした。このように加工したフレネルレンズは、溝15の深さと、全体の厚みを適当に合わせることと音響レンズを構成する材料の固有音響インピーダンスを適当に合わせることで、整合部材の機能を備えることができる。すなわち、音響レンズ全体の厚みから溝15の深さを差し引いた加工残りの厚みをλ/4とすることで、整合層としての機能を発揮することができる。このように加工したフレネルレンズを圧電振動子6に接着剤で接着し、超音波発生手段5とした。上記したように超音波をフレネルレンズ13で流出口3付近に集束させることにより流体の搬送効率を高めることができる。
図9に超音波ポンプ1jを示す。上記した超音波ポンプ1iと主要部が同様な構造である。相違するところは壁部材2aの超音波放射手段5と対向する部位に孔11が形成されている。図に示すように超音波放射手段5を構成する圧電振動子6の裏面が開放されることにより放射される超音波が空気層を伝搬するため前方方向、すなわち流体30の流出口3方向への反射は起こらないので圧電振動子6から裏面方向に放射された超音波は、空気層に伝搬し、流出口3方向への反射は起こらない。このような構成にすることにより超音波放射手段5から放射される超音波は流出口3付近に集束され、流体の流出口3方向への搬送の効率を高めることができる。また、裏面方向に放射される超音波が流出口3方向に反射されることもないので、流出口3方向に放射される超音波に干渉することない。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態を図11を用いて説明する。超音波ポンプ1hは、壁部材2aの液体30の流出口3に対向する部位の外面に圧電振動子6が取付けられている。また、壁部材2aの圧電振動子6が取り付けられている部位の内面には凹面部12が形成されている。この凹面部12の形状は、圧電振動子6から放射される超音波が液体の流出口3の集束するように加工され、いわゆる“音響レンズ”をなしている。また、凹面部12が形成されている材質は、圧電振動子6から放射される超音波が容器2に充填される液体に効率よく伝搬されるように固有音響インピーダンスが圧電振動子6のそれより小さく、充填される液体30より大きい材料が選定される。例えば、圧電振動子6の材料が主成分としてジルコン酸鉛で、充填される液体が水が用いられる場合は、アクリル樹脂が好適である。
本発明の第3の実施の形態を図11を用いて説明する。超音波ポンプ1hは、壁部材2aの液体30の流出口3に対向する部位の外面に圧電振動子6が取付けられている。また、壁部材2aの圧電振動子6が取り付けられている部位の内面には凹面部12が形成されている。この凹面部12の形状は、圧電振動子6から放射される超音波が液体の流出口3の集束するように加工され、いわゆる“音響レンズ”をなしている。また、凹面部12が形成されている材質は、圧電振動子6から放射される超音波が容器2に充填される液体に効率よく伝搬されるように固有音響インピーダンスが圧電振動子6のそれより小さく、充填される液体30より大きい材料が選定される。例えば、圧電振動子6の材料が主成分としてジルコン酸鉛で、充填される液体が水が用いられる場合は、アクリル樹脂が好適である。
このように超音波放射手段5の構成のうち、圧電振動子6が容器2の外面に取付られているので搬送される液体30から隔離されるので浸食されることもない。また、圧電振動子6の電極やリード配線等も液体と触れることもないので防水等の対策を施す必要もなく、装置の設計の自由度が大きい等の利点を有する。
以上に説明した本発明の実施の形態においては、超音波放射手段として圧電振動子を用いた構成を例示した。圧電振動子に代えて、電歪素子、磁歪素子等を用いることも可能である。
次に、本発明の超音波ポンプを用いたCPUの冷却システムについて図を用いて説明する。図14は、コンピュータに搭載されたCPU21を冷却するシステムで上記した本発明の超音波ポンプ1を適用した例である。本システムは、コンピュータ等に搭載されたCPU21と熱的に結合された放熱板20、熱交換器24および超音波ポンプ22が送液パイプ26で互いに連結され、超音波ポンプ22が駆動制御回路23により駆動されることにより冷却液が循環されるようなっている。また、CPU21の発熱が放熱板20に伝熱され、放熱板20により温度上昇した冷却液が送風機25により熱交換器24中で冷却されるようになっている。このようなシステムは、例えば、パソコンのような小型化が要請されるような機器には、本発明の超音波ポンプ1を用いることにより小型化が可能でしかも送液経路中に設けることが可能であるために特に好適なポンプである。
1 超音波ポンプ
2 容器
2a 壁部材
3 流出口
4 流入口
5 超音波放射手段
5a 積層体
6 圧電振動子
7 整合部材
8 超音波吸収部材
9 ケース
10 駆動信号源
11 開放孔
12 内壁凹部
13 フレネルレンズ
14 輪帯
15 溝
16 高周波増幅器
17 駆動信号発生器
18 励振電極
19 フィードバック電極
20 放熱板
21 CPU
22 超音波ポンプ
23 駆動制御回路
24 熱交換器
25 送風機
26 送液パイプ
30 液体
2 容器
2a 壁部材
3 流出口
4 流入口
5 超音波放射手段
5a 積層体
6 圧電振動子
7 整合部材
8 超音波吸収部材
9 ケース
10 駆動信号源
11 開放孔
12 内壁凹部
13 フレネルレンズ
14 輪帯
15 溝
16 高周波増幅器
17 駆動信号発生器
18 励振電極
19 フィードバック電極
20 放熱板
21 CPU
22 超音波ポンプ
23 駆動制御回路
24 熱交換器
25 送風機
26 送液パイプ
30 液体
Claims (13)
- 容器と、この容器内に充填される液体の流入口および流出口と、前記流出口に対向し前記容器の一部をなす壁部材の内面に取り付けられた超音波放射手段と、を有する超音波ポンプであって、前記超音波放射手段から超音波が前記流出口に向けて放射されることによって前記液体を前記流出口から流出させることを特徴とする超音波ポンプ。
- 前記超音波放射手段は、超音波を放射する圧電部振動子と前記超音波を放射する方向に整合部材が積層された積層体であって、前記整合部材の固有音響ピーダンスが前記圧電振動子の固有音響ピーダンスより小さく、かつ前記液体の固有音響ピーダンスより大きいことを特徴とする請求項1記載の超音波ポンプ。
- 前記壁部材は、前記積層体が取付けられている領域の一部が開放されていることを特徴とする請求項2記載の超音波ポンプ。
- 前記壁部材の前記超音波の吸収係数は、前記容器を構成する前記壁部材以外の超音波の吸収係数より大きいことを特徴とする請求項2記載の超音波ポンプ。
- 超音波吸収部材が前記内壁部材と前記積層体との間に設けられ、前記超音波吸収部材の前記超音波の吸収係数が前記内壁部材の吸収係数より大きいことを特徴とする請求項2記載の超音波ポンプ。
- 前記整合部材は、固有音響インピーダンスが前記圧電振動子の固有音響インピーダンスより小さく、かつ充填される液体の固有音響インピーダンスより大きい材料からなる複数の整合部材が積層されたものであって、これらの複数の整合部材は、超音波の放射方向に向けて順次固有音響インピーダンスが小さくなるように積層されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれかに記載の超音波ポンプ。
- 前記超音波放射手段がこの超音波放射手段から放射される超音波が前記流出口の方向に集束するように構成された音響レンズを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の超音波ポンプ。
- 前記積層体が前記圧電振動子から放射される超音波が前記流出口の方向に集束するように凹面状に形成されていることを特徴とする請求項7記載の超音波ポンプ。
- 前記積層体の整合部材が前記圧電振動子から放射される超音波が前記流出口の方向に集束するように凹面状に形成されていることを特徴とする請求項7記載の超音波ポンプ。
- 前記積層体の整合部材が前記圧電振動子から放射される超音波が前記流出口の方向に集束するようにフレネルレンズからなることを特徴とする請求項7記載の超音波ポンプ。
- 容器と、この容器内に充填される液体の流入口および流出口と、前記流出口に対向し前記容器の一部をなす壁部材の外面に取り付けられた超音波放射手段と、を有する超音波ポンプであって、前記超音波放射手段から超音波が前記流出口に向けて放射されることによって前記液体を前記流出口から流出させることを特徴とする超音波ポンプ。
- 前記超音波放射手段は圧電振動子であって、前記壁部材の前記圧電部材の取り付けられた前記容器の内面が前記超音波を前記流出口の方向に集束させるように凹面状に形成されていることを特徴とする請求項11記載の超音波ポンプ。
- 前記壁部材の固有音響インピーダンスが前記圧電振動子の固有音響インピーダンスより小さく、かつ前記液体固有音響インピーダンスのより大きいことを特徴とする請求項11記載の超音波ポンプ。
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JP2006006121A JP2007187095A (ja) | 2006-01-13 | 2006-01-13 | 超音波ポンプ |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013528901A (ja) * | 2010-04-23 | 2013-07-11 | ウェイヴィーン・インコーポレイテッド | 液冷led照明装置 |
JP2014181609A (ja) * | 2013-03-19 | 2014-09-29 | Toshiba Corp | 流体ポンプ |
KR101497418B1 (ko) * | 2012-06-29 | 2015-03-02 | 삼성중공업 주식회사 | 머드 응고 방지장치 |
JP2015088875A (ja) * | 2013-10-30 | 2015-05-07 | 理想科学工業株式会社 | 超音波放射素子 |
-
2006
- 2006-01-13 JP JP2006006121A patent/JP2007187095A/ja not_active Abandoned
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