JP2007183790A - Rfid装置、rfidシステム及びアクセス制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】データの読取り・書込みに対してセキュリティ機能を有し、安価で使い勝手の良いRFID装置、システム及びアクセス制御方法を提供すること。
【解決手段】RFID装置100のデータ記憶部210のデータを読取りまたは書込みを実行する場合に、アクセス回数を記録するアクセス回数記憶部211と、記憶部210のデータに対する読取り・書込みをロックする読取り・書込み設定情報記憶部212を備える。さらに、アクセス回数記録機能やロック機能をそれぞれ有効または無効とする機能有効フラグ記憶部213を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、微小な無線タグにより人やモノを識別・管理するRFID装置、RFIDシステム及びRFID装置へのアクセス制御方法に関する。
RFID(Radio Frequency Identification、無線タグとも呼ばれる)は、流通業界でバーコードに代わる商品識別・管理技術として開発が進められてきたが、それに留まらず社会のIT化・自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。それに伴い、RFIDに格納されるID情報について保護し、セキュリティを向上させる必要が生じている。
特許文献1には、無線タグのID自体を秘匿化(暗号化)しておき、代理サーバに転送してこれを復号化することにより、所有者のプライバシを保護することと、無線タグのIDに認証子を付加することにより、IDの偽造/成り済ましを防止する技術が開示されている。
また非特許文献1には、無線タグのEPC(商品識別電子コード)メモリエリアやユーザデータメモリエリアに、書込みをロックする機能を搭載することで、書き換えを防止する技術が開示されている。
特開2004−318645号公報 EPC Radio-Frequency Identity Protocols Class-1 Generation-2 UHF RFID Protocol for Communications at 860 MHz 960 MHz Version 1.0.9、2005年1月31日、〔平成17年12月1日検索〕インターネット<URL : http://www.epcglobalinc.org/standards_technology/EPCglobalClass-1Generation-2UHFRFIDProtocolV109.pdf>
上記特許文献1に記載の技術によれば、タグIDに高度な暗号化技術を使うことによりプライバシの保護やセキュリティを確保できるが、これを復号化する代理サーバと連携したシステムであるため、システムが大掛かりでこれを実現するためのコストが高騰してしまう。無線タグ(RFID装置)は個品に取り付けられる可能性も高く、状況によってはサーバ等と連携できない場合がある。そして、強固なセキュリティを保障するものでなくても、むしろ安価に実現できることが求められる場合がある。
一方非特許文献1に記載の技術によれば、不正なアクセスにより無線タグのメモリエリアに格納されているデータの書き換えを防止することはできるが、格納されているデータが読み出されることに対しては防止できない。
本発明は、データの読取りに対してもセキュリティ機能を有し、安価で使い勝手の良いRFID装置、RFIDシステム及びアクセス制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置であって、該外部通信装置からコマンドデータを受信し、該外部通信装置へ応答データを送信する通信制御部と、データを記憶するデータ記憶部と、上記外部通信装置から受けたアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶部と、上記コマンドデータに対する処理を行い装置全体を制御する処理制御部とを備える。該処理制御部は、上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのためのアクセスを受ける毎に、上記アクセス回数記憶部のアクセス回数を更新する。
また前記処理制御部は、前記アクセス回数記憶部の記憶するアクセス回数が規定回数を超えた場合、前記外部通信装置から受信したコマンドデータに対する処理を中止し、該外部通信装置への応答データとして、アクセス回数が規定回数を超えた旨を送信する。
本発明は、無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置であって、該外部通信装置からコマンドデータを受信し、該外部通信装置へ応答データを送信する通信制御部と、データを記憶するデータ記憶部と、該データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶する読取り・書込み設定情報記憶部と、上記コマンドデータに対する処理を行い装置全体を制御する処理制御部とを備える。該処理制御部は、上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報を参照し、読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込みの処理を中止する。
また前記読取り・書込み設定情報記憶部は、さらに、前記記憶しているロック設定情報を変更することを許可するか否かを示す変更可否情報を記憶し、前記処理制御部は、前記外部通信装置から上記読取り・書込み設定情報記憶部に記憶するロック設定情報を変更するコマンドデータを受けた場合、該読取り・書込み設定情報記憶部の変更可否情報を参照し、変更することが許可されていない場合には、ロック設定情報の変更の処理を中止する。
また、前記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報に基づきデータの読取りまたは書込みの処理を中止するロック機能に関し、該ロック機能を有効にするか否かを示す機能有効フラグを記憶する機能有効フラグ記憶部を備え、前記処理制御部は、該機能有効フラグ記憶部を参照し、記憶する機能有効フラグが無効である場合には、前記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報が読取りまたは書込みを許可しない場合でも、データの読取りまたは書込みの処理を実行する。
本発明は、外部通信装置とRFID装置との間で無線を用いてデータの送受信を行うRFIDシステムであって、該RFID装置は、データを記憶するデータ記憶部と、該データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶する読取り・書込み設定情報記憶部とを備える。そして、上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報を参照し、読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込み処理を中止する。
本発明は、無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置におけるアクセス制御方法であって、当該RFID装置にて記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶し、上記外部通信装置から上記データの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記ロック設定情報を参照し、データの読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込み処理を中止する。
本発明によれば、データの読取りに対してもセキュリティ機能を有し、安価で使い勝手の良いRFID装置、RFIDシステム及びアクセス制御方法を提供できる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は、RFID装置と外部通信装置で構成したRFIDシステムの一実施例を示す図である。RFID装置100は、IDデータ等を格納するRFIDチップ101と通信用のRFIDアンテナ102から構成される。外部通信装置103は、外部通信装置本体104と通信用のアンテナ105から構成され、RFID装置100に対して、無線を用いてデータの送受信を行うとともに、必要な電力を供給する。RFIDチップ101は外部通信装置本体104からアンテナ105,102を介してコマンドデータを受け取ると、格納しているデータへの書込み(書き換え)や読取りを行い、外部通信装置本体104に応答データを返す。
本発明のRFIDシステムでは、RFID装置100は、外部通信装置103からの書込み・読取り等のアクセスに対して必要な制限を加えることにより、格納しているデータを保護する機能を有する。
図2は、RFID装置100の内部構成の一例を示す図である。
アンテナ102は、外部通信装置104との間でコマンドデータの送受信と電力の受信を行う。電力系回路として、アンテナ102から受信した電力供給用電波を整流する整流回路200と、RFIDチップの過電圧保護のためのリミッタ201と、チップのリセット状態を解除するリセット解除部202と、整流して得た電圧値を検出する電圧検出部203とを備える。
通信制御部204は、データの送受信に関連する受信したコマンドデータの復調を行う復調部205と、送信するデータの変調を行う変調部206を備える。また処理制御部207は、コマンドデータに対する処理を行うコマンドデータ処理部208と各種認証処理を行う認証部209を備え、装置全体を制御する。データ記憶部210はIDデータやユーザデータを記憶する。
さらに本実施例のRFID装置では、外部装置からのアクセス(書込み・読取り)に対して必要な制限を行うために、次の各機能を有する。アクセス回数記憶部211は、外部装置からRFID装置へのアクセス回数のデータを記憶する(アクセス回数記録機能)。また読取り・書込み設定情報記憶部212は、RFID装置へのデータ読取りや書込みのロック設定や、そのロック設定の変更を制限する情報を記憶する(読取りロック機能や書込みロック機能)。また機能有効フラグ記憶部213は、アクセス回数記録機能と読取りロック機能と書込みロック機能を有効にするか無効にするかのフラグを記憶する。
このようなアクセス制限機能は、処理制御部207にて判断し制御する。特に、読取りロック機能や書込みロック機能は、コマンドデータ処理部208にて実行する。
図3は、データ記憶部210の構成例を示す図である。
データ記憶部210は、当該RFID装置を識別するIDデータを記憶するIDデータ記憶部301とユーザデータを記憶するユーザデータ記憶部302から構成されている。もちろんRFID装置によっては、IDデータ記憶部301のみでもよいし、IDデータとユーザデータを区別なく格納しても構わない。
図4は、アクセス回数記憶部211の構成例を示す図である。
前記したデータ記憶部210(401)に格納するIDデータ301とユーザデータ302に対して、アクセスされた回数であるアクセス回数402、最大のアクセス数を規定する最大アクセス数403、読取りが実行された回数である読取り回数404、書込みが実行された回数である書込み回数405を記憶する。図4の例では、例えばIDデータに対して、アクセス回数が今まで102回実行されており、最大アクセス数は1000回に規定されている。そのうち読取り回数が100回で、書込み回数は2回であることを示す。
このように、データ記憶部210のデータを読取り、または書込みを実行する場合に、アクセス回数、読取り回数、書込み回数を記録するアクセス回数記録機能を備えることで、アタック等の想定外のアクセスを検出することが可能になる。
図5は、読取り・書込み設定情報記憶部212の構成例を示す図である。
データ記憶部210(501)に格納するIDデータ301とユーザデータ302に対して、読取りを許可するか否かを示す読取りロック設定情報502と、書込みを許可するか否かを示す書込みロック設定情報504を記憶する。ここで記号「1」は有効(禁止)、「0」は無効(許可)を示す。さらに読取りロック設定情報502の変更の可否を示す読取りロック設定変更可否情報503と、書込みロック設定情報504の変更の可否を示す書込みロック設定変更可否情報505を設けている。ここで記号「1」は変更可、「0」は変更否を示す。図5の例では、IDデータ301に関しては、読取りロックは有効(禁止)でその変更は不可能に、また書込みロック設定は無効(許可)でその変更は可能になっている。
このように、読取りロック設定情報502と書込みロック設定情報504によるロック機能を設けることで、不特定者がRFID装置内のデータを簡単に読取り、また書き換えることを防止することができ、セキュリティ機能が向上する。さらに、これらのロック設定を変更することに対し可否情報を付加したので、二重に安全になる。
図6は、機能有効フラグ記憶部213の構成例を示す図である。
上記した各種機能に対して、アクセス回数記録機能を有効にするか否かを示すアクセス回数記録機能有効フラグ601、書込みロック機能を有効にするか否かを示す書込みロック機能有効フラグ602、読取りロック機能を有効にするか否かを示す読取りロック機能有効フラグ603を記憶する。フラグ記号「1」は有効、「0」は無効を示す。図6の例では、アクセス回数記録機能と読取りロック機能が有効で、書込みロック機能は無効となっている。
このように、各種機能毎にその機能を有効にするか否かを示す機能有効フラグを設けることにより、ユーザは状況に応じて必要な機能だけを選択して有効に設定することができるので、使い勝手が優れる。
図7は、外部通信装置103からRFID装置100に送信されるコマンドデータフォーマットの一例を示す図である。コマンドデータは、コマンド部700とデータ部701から構成されている。コマンド部700にはRFID装置に対する命令(コマンド値)が入り、データ部701にはコマンド毎に必要な値(データ)がセットされる。一方、RFID装置100から外部通信装置103へ応答がある場合も、同様のフォーマットが用いられる。コマンド部700には命令に対応する応答コードが入り、データ部700には必要に応じて応答データが入る。
図8は、外部通信装置103からRFID装置100に送信されるコマンドデータの一例を示す図である。コマンドデータは表形式でコマンドデータ処理部208に格納されている。コマンドデータ表800は、コマンド値801、コマンドの意味802、データ値803、データ値の意味804から構成される。以下、各コマンドについて説明する。
コマンド値「10」は、ID読取りを意味する。RFID装置100はこれを受信すると、データ記憶部210から当該装置のIDデータ301を読取り、外部通信装置103へ応答する。
コマンド値「11」は、ユーザデータの読取りを意味する。RFID装置100はデータ記憶部210からユーザデータ302を読取り、応答する。
コマンド値「12」は、ID書込みを意味する。RFID装置100は添付されたデータ値「AAAA・・・」にて、データ記憶部210のIDデータ301を書き換える。
コマンド値「13」は、ユーザデータ書込みを意味する。RFID装置100は添付されたデータ値「BBBB・・・」にて、データ記憶部210のユーザデータ302を書き換える。
コマンド値「14」は、アクセス回数の読取りを意味する。これに対しては、アクセス回数記憶部211からアクセス回数を読取り、応答する。
コマンド値「15」は、読取・書込み設定変更を意味する。そして、添付されたデータ値「CCCC・・・」にて、読取り・書込み設定情報記憶部212の情報を書き換える。
コマンド値「16」は、認証を意味する。添付されたデータ値「DDDD・・・」(例えばパスワードデータ)を照合して、認証処理を実行する。
コマンド値「17」は、機能有効設定を意味する。添付されたデータ値「EEEE・・・」にて、機能有効フラグ記憶部213のフラグを書き換える。
コマンド値「18」は、データ暗号化読取りを意味する。データ記憶部210のIDデータやユーザデータを暗号化して読取る。読取りロック設定がなされていても、この暗号化コマンドを用いれば読取りが実行可能である。
コマンド値「19」は、データ暗号化書込みを意味する。データ記憶部210にはIDデータやユーザデータを暗号化して書き込む。書込みロック設定がなされていても、この暗号化コマンドを用いれば書込みが実行可能である。
上記したコマンド値とその意味は一例であり、それぞれのRFIDシステムにおいて、適宜定義して用いることができる。
図9は、外部通信装置103とRFID装置100間で送受信されるコマンドシーケンスの例を示す図である。ここでは、外部通信装置103が、読取りロックのかかったRFID装置100から、IDデータとアクセス回数データを読取る場合を示す。外部通信装置103とRFID装置100とのコマンドデータの送受信は、外部通信装置103からコマンドを電波に乗せて送信し、それを受けたRFID装置100は応答データを反射波に乗せて応答することで行われる。以下、送受信されるコマンドを順に説明する。
外部通信装置103は、RFID装置100を動作させるためにキャリアOnを実行すると(C900)、電波が放射され、RFID装置100は起動・初期化処理を実行する。
外部通信装置103は、RFIDタグとの認証を実行するための認証コマンド「16(図8のコマンド値)」を送信する(C901)。RFID装置100はこれを受信し、認証部209にて認証を行い、その結果(ここでは認証成功)を応答する(C902)。
外部通信装置103は、読取り・書込み設定コマンド「15」(ここでは読取りロックの解除)を送信すると(C903)、RFID装置100は、読取りロック設定502を無効の「0」にセットし、結果を応答する(C904)。
外部通信装置103は、ID読取りコマンド「10」を送信すると(C905)、RFID装置100は、データ記憶部210からIDデータを読取り、そのデータを応答する(C906)。
外部通信装置103は、アクセス回数読取りコマンド「14」を送信すると(C907)、RFID装置100は、アクセス回数記憶部211からアクセス回数を読取り、そのデータを応答する(C908)。
外部通信装置103は、RFID装置100の動作を終了させるため、キャリアOffを実行し(C909)、処理を終了する。
なお、図示していないが、RFID装置100からデータを読取った後、外部通信装置103は、読取り・書込み設定コマンド「15」を送信し、再びデータ読取りができないように、読取りロック設定502を有効「1」にセットしておく。これにより、認証を成功できない不特定者からIDデータ等を簡単に読取られるのを防止することができ、セキュリティ機能が向上する。
もし、読取りロック設定502が無効「0」の場合には、認証コマンドの送信(C901)や読取り・書込み設定コマンド(C903)の送信は必要がなく、ID読取りコマンドの送信(C905)から実行すればよい。また、読取りロック設定502が有効「1」の場合でも、データ暗号化読取りコマンド「18」によれば読取りを実行することも可能である。
図10は、RFID装置100においてID読取り又はID書込み処理を行うフローチャートの一例を示す図である。ここでは、外部通信装置103から送信されたID読取りコマンドと書込みコマンド及びデータ暗号化読取りコマンドとデータ暗号化書込みコマンドが、コマンドデータ処理部208でどのように処理されるかを示す。
ステップS1000では、コマンドデータ処理部208は、ID読取りコマンド、ID書込みコマンド、データ暗号化読取りコマンド、またはデータ暗号化書込みコマンドを受け取ると、処理がスタートする。
ステップS1001では、機能有効フラグ記憶部213のアクセス回数記録機能有効フラグ601の値を参照する。機能が有効であれば、ステップS1002にて、アクセス回数記憶部211のIDデータのアクセス回数402をカウントアップする。機能が無効であれば、ステップS1003に進む。
ステップS1003では、受け取ったコマンドの種類をコマンドデータ表800を参照して判断する。ID読取りコマンドまたはデータ暗号化読取りコマンドであればステップS1004に進み、ID書込みコマンドまたはデータ暗号化書込みコマンドであればステップS1011に進む。
読取りコマンドの場合、ステップS1004では、機能有効フラグ記憶部213から読取りロック機能有効フラグ603の値を参照する。機能が有効「1」であればステップS1005に進み、機能が無効「0」であればステップS1008に進む。
ステップS1005では、読取り・書込み設定情報記憶部212から読取りロック設定502の値を参照する。IDデータの読取りロック設定が有効「1」(読取り禁止)にセットされていればステップS1006に進み、無効「0」(読取り許可)にセットされていればステップS1008に進む。但しコマンドが、データ暗号化読取りコマンドの場合は、読取りロック設定502が有効「1」の場合でも、ステップS1008に進む。
ステップS1006では、読取りが禁止されていることを示すエラーを送信し、ステップS1007に進み、処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1008では、アクセス回数記憶部211のIDデータに対する読取り回数404をカウントアップする。
ステップS1009では、データ記憶部210のIDデータ301を読取る。
ステップS1010では、読取ったIDデータを送信してステップS1007に進む。データ暗号化読取りコマンドの場合は、読取ったIDデータを暗号化して送信する。
一方書込みコマンドの場合、ステップS1011では、機能有効フラグ記憶部213から書込みロック機能有効フラグ602の値を参照する。機能が有効「1」であればステップS1012に進み、機能が無効「0」であればステップS1013に進む。
ステップS1012では、読取り・書込み設定情報記憶部212から書込みロック設定504の値を参照する。IDデータの書込みロック設定が有効「1」(書込み禁止)にセットされていればステップS1006に進み、無効「0」(書込み許可)にセットされていればステップS1013に進む。但しコマンドが、データ暗号化読取りコマンドの場合は、書込みロック設定504が有効「1」の場合でも、ステップS1013に進む。
ステップS1006では、書込みが禁止されていることを示すエラーを送信し、ステップS1007に進み、処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1013では、アクセス回数記憶部211のIDデータに対する書込み回数405をカウントアップする。
ステップS1014では、データ記憶部210のIDデータ301を更新(書込み)する。データ暗号化書込みコマンドの場合は、書込みデータを復号化してIDデータ301を更新する。
ステップS1015では、IDデータ書込み成功の応答を送信してステップS1007に進む。
上記のように、機能有効フラグ記憶部213を参照して、アクセス回数記録機能、読取りロック機能、書込みロック機能が有効か無効かを判断し処理を実行していく。読取りロック機能および書込みロック機能が有効の場合は、さらに読取り・書込み設定情報記憶部212を参照して、読取りおよび書込みが許可されているか禁止されているかを判断しながら処理を実行していく。このように、判断工程を二重に設けることにより、セキュリティ機能をより向上させることができる。また、機能有効フラグを設けることで、各セキュリティ機能の有効/無効を設定できるので、使い勝手が優れる。
図11は、RFID装置100において読取り・書込み設定情報の変更処理を行うフローチャートの一例を示す図である。ここでは、外部通信装置103から送信された読取り・書込み設定コマンドが、コマンドデータ処理部208でどのように処理されるかを示す。
ステップS1100では、コマンドデータ処理部208は、読取り・書込み設定コマンドを受け取り、処理がスタートする。
ステップS1101では、認証コマンドを受け、認証部209を参照し、認証が成功しているかを確認する。認証方式は、安価なRFID装置を実現するために、セキュリティはあまり高くないが、パスワードを使った認証方式が好ましい。もちろん、暗号や乱数を使った片側認証処理や、相互認証処理、署名データによる認証処理など、他の方式を用いることもできる。
認証に成功すればステップS1102に進む。認証に失敗すればステップS1103に進み、認証エラー応答を送信して、ステップS1104に進み、処理を終了してコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1102では、読取り・書込み設定情報記憶部212から、読取りロック設定変更可否情報503と書込みロック設定変更可否情報505を参照し、読取りロック設定情報502または書込みロック設定情報504が変更(書き換え)可能かどうかを判断する。
変更可能な場合はステップS1105に進む。変更不可能の場合は、ステップS1106に進み、変更エラー応答を送信して、ステップS1104に進み処理を終了してコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1105では、読取り・書込み設定コマンドで指定された読取りロック設定情報502または書込みロック設定情報504の変更(書き換え)を実行する。
ステップS1107では、設定変更が成功したことを示す応答を送信して、ステップS1104に進み処理を終了してコマンド待ち状態に戻る。
このように、読取り・書込み設定情報の変更を実行する場合は、認証処理が成功しているかの判断と、読取り・書込み設定情報記憶部212の読取りロック設定変更可否情報503及び書込みロック設定変更可否情報504が変更可能な状態にセットされているかを判断して、変更(書き換え)処理を実施する。よって、読取りロック設定情報や書込みロック設定情報が、不特定者により不法に変更(書き換え)されることがなく、安全である。
図12は、RFID装置100においてIDアクセス回数読取り処理を行うフローチャートの一例を示す図である。ここでは、外部通信装置103から送信されたIDアクセス回数読取りコマンドが、コマンドデータ処理部208でどのように処理されるかを示す。
ステップS1200では、コマンドデータ処理部208は、IDアクセス回数読取りコマンドを受け取り、処理がスタートする。
ステップS1201では、機能有効フラグ記憶部213のアクセス回数記録機能有効フラグ601の値を参照する。機能が有効であればステップS1204に進む。機能が無効であれば、ステップS1202に進む。
ステップS1202では、IDアクセス回数記録機能が無効であることを示すエラーを応答し、ステップS1203に進み、処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1204では、アクセス回数記憶部211から指定されたエリアのアクセス回数を読取る。
ステップS1205では、読取ったアクセス回数データを送信し、ステップS1204に進み処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
以上の処理によれば、アクセス回数データを受信した外部通信装置103の管理者は、当該RFID装置100へのアクセス状況を把握し、異常と判断した場合には当該RFID装置100へのアクセスを禁止させるなど必要な措置を施すことができる。
図13は、RFID装置100においてアクセス回数が規定回数を超過した場合にアクセスを拒否する処理のフローチャートの一例を示す図である。ここでは、外部通信装置103から送信されたID読取りコマンドに対し、コマンドデータ処理部208で、アクセス回数が最大アクセス数を超過していた場合にどのように処理するかを示す。
ステップS1300では、コマンドデータ処理部208は、ID読取りコマンドを受け取り、処理がスタートする。
ステップS1301では、アクセス回数記憶部211のIDデータに対するアクセス回数402の値を参照する。アクセス回数が最大アクセス数403を超過していれば、ステップS1302に進む。アクセス回数が最大アクセス数以下であれば、ステップS1304に進む。
ステップS1302では、その後のID読取り等の処理を中止して、最大アクセス数を超過したことを示すエラーを応答し、ステップS1303に進み、処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
ステップS1304では、ID読取りのための処理(例えば図10に示す処理)を継続し、処理終了後ステップS1303に進み、処理を終了しコマンド待ち状態に戻る。
この処理によれば、アクセス回数が規定の最大アクセス数を超過した場合、IDデータの応答を拒否するので、不法なアクセスが集中したような場合に自動的にこれを防御することができる。ここではID読取りの場合を示したが、その他のコマンドに対してもアクセスを拒否できることは言うまでもない。
以上説明したように、上記各実施例によるRFID装置及びRFIDシステムは、データの読取り及び書込みに対してセキュリティ機能を有し、高度な暗号技術を用いることなく、また他のサーバと連携する必要がないので、安価で使い勝手に優れるものである。
本発明は上記各実施例に限定せず、RFID装置の他にRFIDモジュールにも適用可能である。またRFIDチップ単体、RFIDインレット、RFIDタグや、非接触ICカード、ICカードモジュールにも適用可能である。
RFID装置と外部通信装置で構成したRFIDシステムの一実施例を示す図。 RFID装置100の内部構成の一例を示す図。 データ記憶部210の構成例を示す図。 アクセス回数記憶部211の構成例を示す図。 読取り・書込み設定情報記憶部212の構成例を示す図。 機能有効フラグ記憶部213の構成例を示す図。 コマンドデータフォーマットの一例を示す図。 コマンドデータの一例を示す図。 コマンドシーケンスの例を示す図。 ID読取り又はID書込み処理を行うフローチャートの一例を示す図。 読取り・書込み設定情報の変更処理を行うフローチャートの一例を示す図。 IDアクセス回数読取り処理を行うフローチャートの一例を示す図。 アクセス回数が規定回数を超過した場合にアクセスを拒否する処理のフローチャートの一例を示す図。
符号の説明
100…RFID装置、
101…RFIDチップ、
102…RFIDアンテナ、
103…外部通信装置、
104…外部通信装置本体、
105…外部通信装置アンテナ、
204…通信制御部、
207…処理制御部、
208…コマンドデータ処理部、
209…認証部、
210,401,501…データ記憶部、
211…アクセス回数記憶部、
212…読取り・書込み設定情報記憶部、
213…機能有効フラグ記憶部、
301…IDデータ記憶部、
302…ユーザデータ記憶部、
402…アクセス回数、
403…最大アクセス数、
404…読取り回数、
405…書込み回数、
502…読取りロック設定情報、
503…読取りロック設定変更可否情報、
504…書込みロック設定情報、
505…書込みロック設定変更可否情報、
601…アクセス回数記録機能有効フラグ、
602…書込みロック機能有効フラグ、
603…読取りロック機能有効フラグ、
700…コマンド部、
701…データ部、
800…コマンドデータ表。

Claims (10)

  1. 無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置であって、
    該外部通信装置からコマンドデータを受信し、該外部通信装置へ応答データを送信する通信制御部と、
    データを記憶するデータ記憶部と、
    上記外部通信装置から受けたアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶部と、
    上記コマンドデータに対する処理を行い装置全体を制御する処理制御部とを備え、
    該処理制御部は、上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのためのアクセスを受ける毎に、上記アクセス回数記憶部のアクセス回数を更新することを特徴とするRFID装置。
  2. 請求項1記載のRFID装置において、
    前記処理制御部は、前記アクセス回数記憶部の記憶するアクセス回数が規定回数を超えた場合、前記外部通信装置から受信したコマンドデータに対する処理を中止し、該外部通信装置への応答データとして、アクセス回数が規定回数を超えた旨を送信することを特徴とするRFID装置。
  3. 無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置であって、
    該外部通信装置からコマンドデータを受信し、該外部通信装置へ応答データを送信する通信制御部と、
    データを記憶するデータ記憶部と、
    該データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶する読取り・書込み設定情報記憶部と、
    上記コマンドデータに対する処理を行い装置全体を制御する処理制御部とを備え、
    該処理制御部は、上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報を参照し、読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込みの処理を中止することを特徴とするRFID装置。
  4. 請求項3記載のRFID装置において、
    前記読取り・書込み設定情報記憶部は、さらに、前記記憶しているロック設定情報を変更することを許可するか否かを示す変更可否情報を記憶し、
    前記処理制御部は、前記外部通信装置から上記読取り・書込み設定情報記憶部に記憶するロック設定情報を変更するコマンドデータを受けた場合、該読取り・書込み設定情報記憶部の変更可否情報を参照し、変更することが許可されていない場合には、ロック設定情報の変更の処理を中止することを特徴とするRFID装置。
  5. 請求項3記載のRFID装置において、
    前記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報に基づきデータの読取りまたは書込みの処理を中止するロック機能に関し、該ロック機能を有効にするか否かを示す機能有効フラグを記憶する機能有効フラグ記憶部を備え、
    前記処理制御部は、該機能有効フラグ記憶部を参照し、記憶する機能有効フラグが無効である場合には、前記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報が読取りまたは書込みを許可しない場合でも、データの読取りまたは書込みの処理を実行することを特徴とするRFID装置。
  6. 外部通信装置とRFID装置との間で無線を用いてデータの送受信を行うRFIDシステムであって、
    該RFID装置は、
    データを記憶するデータ記憶部と、
    上記外部通信装置から受信した、該データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込み処理のためのアクセス回数を記憶するアクセス回数記憶部と、を備え、
    該アクセス回数記憶部に記憶するアクセス回数が規定回数を超えた場合、データの読取りまたは書込み処理を中止し、上記外部通信装置へ、アクセス回数が規定回数を超えた旨の応答を送信することを特徴とするRFIDシステム。
  7. 外部通信装置とRFID装置との間で無線を用いてデータの送受信を行うRFIDシステムであって、
    該RFID装置は、
    データを記憶するデータ記憶部と、
    該データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶する読取り・書込み設定情報記憶部と、を備え、
    上記外部通信装置から上記データ記憶部に記憶するデータの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記読取り・書込み設定情報記憶部のロック設定情報を参照し、読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込み処理を中止することを特徴とするRFIDシステム。
  8. 無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置におけるアクセス制御方法であって、
    上記外部通信装置から当該RFID装置にて記憶するデータの読取りまたは書込みのためのアクセスを受ける毎に、アクセス回数を更新して記憶し、
    該記憶するアクセス回数が規定回数を超えた場合、データの読取りまたは書込み処理を中止し、
    上記外部通信装置へ、アクセス回数が規定回数を超えた旨の応答を送信する、
    ことを特徴とするアクセス制御方法。
  9. 無線を用いて、外部通信装置とデータの送受信を行うRFID装置におけるアクセス制御方法であって、
    当該RFID装置にて記憶するデータの読取りまたは書込みを許可するか否かを示すロック設定情報を記憶し、
    上記外部通信装置から上記データの読取りまたは書込みのコマンドデータを受けた場合、上記ロック設定情報を参照し、
    データの読取りまたは書込みが許可されていない場合には、データの読取りまたは書込み処理を中止する、
    ことを特徴とするアクセス制御方法。
  10. 請求項9記載のアクセス制御方法において、
    さらに、前記記憶しているロック設定情報を変更することを許可するか否かを示す変更可否情報を記憶し、
    前記外部通信装置から上記ロック設定情報を変更するコマンドデータを受けた場合、該変更可否情報を参照し、
    変更することが許可されていない場合には、ロック設定情報の変更の処理を中止することを特徴とするアクセス制御方法。

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