JP2007183168A - エッチング深さ推定方法および元素濃度分布評価方法 - Google Patents

エッチング深さ推定方法および元素濃度分布評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】新規なエッチング深さ推定方法、特に、従来法より精度の高いエッチング深さ推定方法および、このエッチング深さ推定方法を使用した、深さ方向における元素濃度分布評価方法を提供する。
【解決手段】イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、このエッチングレートから任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを決めるエッチング深さ推定方法において、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求める。
【選択図】図5

Description

本発明は、エッチング深さを推定する技術に関する。
イオンビーム照射によるスパッタエッチング(以下、単にスパッタエッチングと言う)を利用した深さ方向分析では、スパッタリング時間または一次イオンのドーズ量からエッチング深さを推定している。
具体的な方法としては、種々(特許文献1,2参照)あるが次の二つの方法が基本的技術として知られている。
(1)実際に使用するのと同一組成の試料を用い、諸条件を実際に使用する場合と同一にして、スパッタエッチングを行い、そのスパッタリング時間または一次イオンのドーズ量と掘られた深さ(すなわちエッチング深さ)の実測値から、(エッチング深さ)/(スパッタリング時間)または(エッチング深さ)/(一次イオンのドーズ量)を決め、この係数を用いて、任意のスパッタリング時間または一次イオンのドーズ量から実際におけるエッチング深さを推定する方法。
(2)たとえば図2に示すように、既知の深さにマーカー元素{たとえばボロン(B)}が入っている以外は実際に使用するのと同一組成の試料(たとえばケイ素)を用い、諸条件を実際に使用する場合と同一にして、スパッタエッチングを行い、マーカー元素の関与する二次イオンの検出強度の変化から既知の深さに達したことを検出し、この深さをエッチング深さとして、(エッチング深さ)/(スパッタリング時間)または(エッチング深さ)/(一次イオンのドーズ量)を決め、この係数を用いて、任意のスパッタリング時間または一次イオンのドーズ量から実際におけるエッチング深さを推定する方法。

特開平2003−194745号公報(特許請求の範囲) 特開平2004−191169号公報(特許請求の範囲)
しかしながら、これらの方法は、たとえば、ある一つのエッチング深さとスパッタリング時間との関係から、(エッチング深さ)/(スパッタリング時間)の係数を求めるもので、詳細に検討すると、エッチング深さが小さい場合には、正しくエッチング深さを推定できない欠点を有するものであることが見出された。
たとえば、上記(2)の方法について、(エッチング深さ)/(スパッタリング時間)の係数を、マーカーとなるボロンの6層目(ボロンの二次イオン強度が強く検出される部分)の30nmをその係数を求めるためのエッチング深さ(D30)として使用し、D30とそれに対応するスパッタリング時間(T30)から、D30/T30と種々のスパッタリング時間との積により、推定エッチング深さを求め、これを横軸にし、縦軸にはボロンの二次イオン強度を目盛ったものが図3である。すなわち、横軸の30nm以外はすべて上記係数を使用して求めた推定エッチング深さである。
この図から、表面に近いボロンの層ほど二次イオン強度が高く出る部分が推定深さと一致していないことがわかる。これは、スパッタリングが定常に達するまでのスパッタリング収率(またはエッチング速度)が定常状態とは著しく異なることが原因である。
図1は、ボロンの二次イオン強度の各ピーク値とマーカーとなるボロンの各層の実際の深さとを使用して求めたエッチング速度(単位時間あたりにスパッタリングされた深さ)と一次イオンのドーズ量との関係を示した図である。この図から、スパッタエッチングのエッチング速度が初期には大きく、やがて定常値に収束することが理解される。この初期値と定常値との比は、照射一次イオンのエネルギーと入射角によっては2倍以上の違いとなる場合がある。
また、この結果から、上記(1)の方法についても、ある一つのエッチング深さとスパッタリング時間との関係から、(エッチング深さ)/(スパッタリング時間)の係数を求めるのでは、初期値が大幅にずれることが予想される。実際にも、表面に近い領域ほど分析精度が低下するという現象が生じていた。
なお、上記ではエッチング深さとスパッタリング時間との関係について説明したが、エッチング深さとドーズ量との関係についても同様な問題が存在する。
近年、各種デバイスの高密度化が進み、極薄層(極浅領域)における高精度な深さ方向元素濃度分布の評価が求められている。特にCMOSトランジスタのp−n接合部では、接合深さが20nmを切り、そのような深さで1nm以下の分解能で不純物濃度分布を把握する必要が生じてきた。
このような場合には、CMOSトランジスタ等の対象物をスパッタエッチングし、露出した表面における元素濃度を測定し、上記の方法で推定したエッチング深さと、スパッタエッチングした表面における元素濃度とから、スパッタエッチング対象物の深さ方向の元素濃度分布を評価するのが一般的であるが、上述のごとく、従来のエッチング深さ推定方法では、こうした高精度な要求に応えられない状況となってきている。特にエッチング深さが30nm程度以下では、従来のエッチング深さ推定方法では全く不適であることが多い。
本発明は、この問題を解決する新規なエッチング深さ推定方法および、そのエッチング深さ推定方法を使用する、新規な、深さ方向における元素濃度分布評価方法を提供することを目的としている。本発明のさらに他の目的および利点は、以下の説明から明らかになるであろう。
本発明の一態様によれば、イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、このエッチングレートから任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを決めるエッチング深さ推定方法において、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求めることを含む、エッチング深さ推定方法が提供される。
本発明態様により、新規なエッチング深さ推定方法、特に、従来法より精度の高いエッチング深さ推定方法が得られる。本発明は、浅いエッチング深さを推定するのに特に適している。
イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量をX軸上の値とし、対応するエッチング深さをY軸上の値としてグラフにプロットした場合に、前記エッチングレートおよび前記定数を、それぞれ、YとXとの関係を表す下記一次式(1)におけるAおよびBとして定め、予め求めたこの一次式(1)から、任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを推定するエッチング深さ推定方法であって、実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つ以上の組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つ以上の組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含むこと、
Y=AX+B・・・・・(1)
実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つの組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つの組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含むこと、2箇所以上の所定の深さにマーカー元素が入っている試料を使用し、二次イオンの検出強度のピーク値の得られた時に前記対応するエッチング深さに到達したと判断することを含むこと、または、掘られた跡(クレーター)の深さを実測することによって前記対応するエッチング深さを求めること、30nm以下のエッチング深さについて適用すること、および、3.5nm以上のエッチング深さについて適用すること、が好ましい。
本発明の他の一態様によれば、上記のエッチング深さ推定方法により推定したエッチング深さと、スパッタエッチングした表面における元素濃度とから、スパッタエッチング対象物の深さ方向の元素濃度分布を評価する元素濃度分布評価方法が提供される。前記エッチング対象物がCMOSトランジスタであることが好ましい。本発明態様により、深さ方向における元素濃度分布の新規な評価方法が得られる。この評価方法は、浅い深さにおける元素濃度分布の評価に適している。
なお、エッチング深さの推定に関しては、所望のスパッタリング時間またはドーズ量から対応するエッチング深さを求める場合の他に、所望のエッチング深さに対応するスパッタリング時間またはドーズ量を求めることを通じて、所望のエッチング深さになったことを推定する場合もあり得る。このような場合も本発明に係るエッチング深さ推定方法の範疇に含まれる。
本発明により、新規なエッチング深さ推定方法、特に、従来法より精度の高いエッチング深さ推定方法が得られる。本発明は、浅いエッチング深さを推定するのに特に適している。このエッチング深さ推定方法を使用した、深さ方向における元素濃度分布評価方法も提供される。
以下に、本発明の実施の形態を図、式、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、式、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
本発明に係るエッチング深さ推定方法では、イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、このエッチングレートから任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを決めるエッチング深さ推定方法において、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求める。
イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの一組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求めれば、従来通り、エッチング初期(エッチング深さが小さいとき)の大きなエッチング速度の影響(以下初期の影響と略記する)を排除できなくなる。
また、スパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組を使用しても、初期の影響について何らかの考慮をしない限り、正確な推定方法とはならない可能性が大きい。
これに対し、本発明に係るエッチング深さ推定方法では、スパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組を使用して、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、かつ、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求めることにより、初期の影響を排したエッチング深さ推定を可能とする。
本発明態様における「エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレート」とは、エッチングレートが単にエッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比として表されることを意味するものではなく、本発明を構成する各種の要素により修正を受けた後のエッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比として表されることを意味する。すなわち、「あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求める」のである。具体的には、この「あるスパッタリング時間」を差し引いたスパッタリング時間または、この「あるドーズ量」を差し引いたドーズ量とエッチング深さとの比をエッチングレートとすると言う意味である。
エッチング深さと「あるスパッタリング時間」を差し引いたスパッタリング時間または「あるドーズ量」を差し引いたドーズ量との比からのエッチングレートを求めるには、スパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組を使って統計的に相関式として求めても、グラフの上で目視により定めてもよく、その他の任意の方法を採用してもよい。
上記の「あるスパッタリング時間またはドーズ量」は、スパッタエッチングの初期の影響がなくなる時点以後であれば、実情に応じて任意に定めることができる。従って初期の影響を正確に決める必要はなく、モデル実験等で図1のごとき関係を求め、これを基に決めることができる。
なお、このエッチングレートと定数とを用いてエッチング深さを推定する場合には、スパッタエッチングの条件とスパッタエッチングを受ける対象物(スパッタエッチング対象物)とが、このエッチングレートと定数とを求めた場合におけるスパッタエッチングの条件とスパッタエッチング対象物と全く同一であることが好ましいが、幾分相違していてもよい場合も多く、また何らかの補正係数を追加することにより、修正可能な場合もあり得る。本発明態様はこのような場合もその範疇に含むものである。
上記エッチングレートおよび定数は、イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量をX軸上の値とし、対応するエッチング深さをY軸上の値としてグラフにプロットした場合に、それぞれ、YとXとの関係を表す下記一次式(1)におけるAおよびBとして定めることが好ましい。
このようにして求めたA,Bを用い、予め求めたこの一次式(1)から、任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを求めれば、容易にエッチング深さを推定することができる。
Y=AX+B・・・・・(1)
上記Aは、実測した二つ以上のスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの組からXとYとの直線関係を求め、その勾配として決めることができる。XとYとの直線関係は、上述のごとく、統計的に相関式として求めても、グラフの上で目視により定めてもよく、その他の任意の方法を採用してもよい。実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの組が二つの場合であっても、それらがいずれも、上記初期の影響を受けない範囲のものであれば、XとYとの直線関係として、これらを単につなぐ直線を採用することもでき、検討の結果十分な精度が得られることが判明した。Bはこのようにして求めた直線のY切片として求められる。
上記におけるエッチング深さを決める方法には特に制限はなく、どのような方法を採用してもよいが、マーカー元素が入っている試料を使用する方法とエッチング深さを実測する方法とは簡便で好ましい場合が多い。
前者は、2箇所以上の所定の深さにマーカー元素が入っている試料を使用し、二次イオンの検出強度のピーク値の得られた時に対応するエッチング深さに到達したと判断するものである。また、後者は、掘られた跡(クレーター)の深さをたとえば触針式表面粗さ計で測定することによって対応するエッチング深さを求める方法である。
以下に、具体例を用いて本発明を説明する。図4は、図1のように、深さ方向に5nm毎にボロンをドープした試料(シリコンウエハ)について、横軸をスパッタリング時間、縦軸を二次イオンの検出強度としてプロットしたグラフである。この図は加速エネルギーが200eVの条件で行ったO のスパッタエッチングにおける結果である。
このような関係を250,300,400eVの加速エネルギーについても求め、O のドーズ量とエッチング深さとの関係を求めた結果が図5である。なお、図5〜8は、シリコンウエハ試料が表面に酸化ケイ素膜を持つ場合についての結果である。本発明のスパッタエッチング対象物は、このように深さ方向に均一組成でない部分があっても適用可能であり得る。
図5は、上述の一次式
Y=AX+B・・・・・(1)
を表すものと見ることができる。図5の横軸をX軸、縦軸をY軸としてみれば、
(エッチング深さ)/(O ドーズ量)が、上述の(エッチング深さ)/(一次イオンのドーズ量)に相当し、各加速エネルギーについての(エッチング深さ)/(O ドーズ量)の勾配がAに、図5のY切片がBに相当することになる。
本例では、図5から、XとYとが良好な直線関係を示し、統計的手法によらなくても目視によりこれらの直線を決めることが容易であることや、図5のように多くの点を求めず、各加速エネルギーについて2点求めれば十分であることも理解されよう。このようにして求めたB値と各加速エネルギーとの関係を図6に示す。
上記結果を用いた任意のドーズ量におけるエッチング深さの推定は、次のように行うことができる。
(a)まず、使用する加速エネルギーに対応する勾配Aを図5から決め、B値を図6から決める。
(b)ついで、上記A,Bおよび所望のY値(エッチング深さ)を一次式(1)に代入すれば、必要なO ドーズ量が得られ、上記A,Bおよび所望のX値(O ドーズ量)を一次式(1)に代入すれば、その条件で得られるエッチング深さの推定値が求められる。
なお、上記は、エッチング深さとO ドーズ量との関係からの推定について説明したが、エッチング深さとスパッタリング時間との関係からも同様の推定が可能であることは、当業者であれば明白であろう。
本発明は、図5から理解されるように、エッチング深さが小さい場合に特に有用である。ただし、本発明は、上記のように初期の影響を受ける領域には適用すべきでない。すなわち、B値以上のエッチング深さについて適用すべきである。図5からは、30nm以下でも良好な直線関係が得られることから、本発明に係るエッチング深さの推定方法は、従来法では適用が困難であった30nm以下のエッチング深さに適用することが好ましいといえよう。また、図6から、3.5nm以上であれば確実にB値より大きく、この条件も好ましいと言えよう。なお、図6から理解されるように、表面から3.5nm以下の深さプロファイルであっても、定数Bが小さい条件を選べば良好な深さ補正が可能であることは言うまでもない。
上記のエッチング深さ推定方法により推定したエッチング深さは、そのようにして得られたエッチング対象物の表面における元素濃度と結びつけることにより、スパッタエッチング対象物の深さ方向における元素濃度分布を評価する方法として役立てることができる。この元素濃度分布評価方法では、ごく浅い深さにおける元素濃度分布を従来法より、より正確に評価できるので、CMOSトランジスタ等の深さ方向における元素濃度分布の評価に適している。本法は、CMOSトランジスーの極浅接合の評価を対象として考えると65nmノードはもちろん、45nmノードにも十分対応できる技術である。
次に本発明の実施例を詳述する。
[実施例1]
図7は、200eVの条件で行ったO のスパッタエッチングにおいて得られた、二次イオンの検出強度と(O ドーズ量)から推定されるエッチング深さとの関係を示している。エッチング対象物として図2に示す構造のシリコンウエハを用い、スパッタエッチングには、一次イオン(O )の加速エネルギー:200eV、一次イオンの入射角度:0度(垂直入射)の条件を採用し、二次イオンとしてBを検出した。
図7中の中実の丸印(●)は、Y=AXとして求めたエッチング深さを横軸に使用したものであり、中空の丸印(○)は、Y=AX+Bとして求めたエッチング深さを横軸に使用したものである。推定方法が正しければ、5,10,15・・・25,30nmの位置に二次イオンの検出強度のピークが現れる筈である。このことを踏まえて図7を見ると、Y=AXとして求めたエッチング深さを横軸に使用しただけでは十分ではなく、Y=AX+Bとして求めたエッチング深さを横軸に使用した場合に初めて良好な結果が得られたことが理解される。
[実施例2]
図8は、600eVの条件で行ったO のスパッタエッチングにおいての同様な検討の結果を示すグラフである。図8中の中実の丸印(●)は、Y=AXとして求めたエッチング深さを横軸に使用したものであり、中空の丸印(○)は、Y=AX+Bとして求めたエッチング深さを横軸に使用したものである。この図では、図3の場合と同様にして求めた従来法によるデータ(実線のみで表してある)も示してある。これらの結果からも、Y=AX+Bとして求めたエッチング深さを横軸に使用した場合に初めて良好な結果が得られることが理解される。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、このエッチングレートから任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを決めるエッチング深さ推定方法において、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求めることを含む、エッチング深さ推定方法。
(付記2)
イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量をX軸上の値とし、対応するエッチング深さをY軸上の値としてグラフにプロットした場合に、前記エッチングレートおよび前記定数を、それぞれ、YとXとの関係を表す下記一次式(1)におけるAおよびBとして定め、予め求めたこの一次式(1)から、任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを推定するエッチング深さ推定方法であって、実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つ以上の組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つ以上の組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含む、付記1に記載のエッチング深さ推定方法。
Y=AX+B・・・・・(1)
(付記3)
実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つの組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つの組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含む、付記2に記載のエッチング深さ推定方法。
(付記4)
2箇所以上の所定の深さにマーカー元素が入っている試料を使用し、二次イオンの検出強度のピーク値の得られた時に前記対応するエッチング深さに到達したと判断することを含む、付記1〜3のいずれかに記載のエッチング深さ推定方法。
(付記5)
掘られた跡(クレーター)の深さを実測することによって前記対応するエッチング深さを求める、付記1〜4のいずれかに記載のエッチング深さ推定方法。
(付記6)
30nm以下のエッチング深さについて適用する、付記1〜5のいずれかに記載のエッチング深さ推定方法。
(付記7)
3.5nm以上のエッチング深さについて適用する、付記6に記載のエッチング深さ推定方法。
(付記8)
付記1〜7のいずれかに記載のエッチング深さ推定方法により推定したエッチング深さと、スパッタエッチングした表面における元素濃度とから、スパッタエッチング対象物の深さ方向の元素濃度分布を評価する元素濃度分布評価方法。
(付記9)
前記エッチング対象物がCMOSトランジスタである、付記8に記載の元素濃度分布評価方法。
ボロンの二次イオン強度の各ピーク値とマーカーとなるボロンの各層の実際の深さとを使用して求めたエッチング速度(単位時間あたりにスパッタリングされた深さ)と一次イオンのドーズ量との関係を示した図である。 既知の深さにマーカー元素{ボロン(B)}が入っているボロンドープ層を示す断面図である。図中ボロンの層は分かりやすくするため、厚く描かれている。 (エッチング深さ)/(スパッタリング時間)の係数を、マーカーとなるボロンの6層目(ボロンの二次イオン強度が強く検出される部分)の30nmをその係数を求めるためのエッチング深さ(D30)として使用し、D30とそれに対応するスパッタリング時間(T30)から、D30/T30と種々のスパッタリング時間との積により、推定エッチング深さを求め、これを横軸にし、縦軸にはボロンの二次イオン強度を目盛ったグラフである。 図1のように、深さ方向に5nm毎にボロンをドープした試料(シリコンウエハ)について、横軸をスパッタリング時間、縦軸を二次イオンの検出強度としてプロットしたグラフである。 のドーズ量とエッチング深さとの関係を求めた結果を示すグラフである。 B値と各加速エネルギーとの関係を示す図である。 二次イオンの検出強度と(O ドーズ量)から推定されるエッチング深さとの関係を示すグラフである。 二次イオンの検出強度と(O ドーズ量)から推定されるエッチング深さとの関係を示す他のグラフである。

Claims (5)

  1. イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量とそのときのエッチング深さとの二以上の組から、エッチング深さとスパッタリング時間またはドーズ量との比としてのエッチングレートを求め、このエッチングレートから任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを決めるエッチング深さ推定方法において、あるスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを定数として扱い、その後のスパッタリング時間またはドーズ量について、前記エッチングレートを求めることを含む、エッチング深さ推定方法。
  2. イオンビーム照射によるスパッタエッチングのスパッタリング時間またはドーズ量をX軸上の値とし、対応するエッチング深さをY軸上の値としてグラフにプロットした場合に、前記エッチングレートおよび前記定数を、それぞれ、YとXとの関係を表す下記一次式(1)におけるAおよびBとして定め、予め求めたこの一次式(1)から、任意のスパッタリング時間またはドーズ量におけるエッチング深さを推定するエッチング深さ推定方法であって、実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つ以上の組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つ以上の組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含む、請求項1に記載のエッチング深さ推定方法。
    Y=AX+B・・・・・(1)
  3. 実測したスパッタリング時間またはドーズ量と対応するエッチング深さとの二つの組から前記Aを決め、前記グラフ上で当該二つの組から得られる直線のY切片をBとして求めることを含む、請求項2に記載のエッチング深さ推定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のエッチング深さ推定方法により推定したエッチング深さと、スパッタエッチングした表面における元素濃度とから、スパッタエッチング対象物の深さ方向の元素濃度分布を評価する元素濃度分布評価方法。
  5. 前記エッチング対象物がCMOSトランジスタである、請求項4に記載の元素濃度分布評価方法。
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