JP2007180913A - 通信シミュレーション方法およびそれを用いた通信ネットワーク - Google Patents

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Abstract

【課題】アドホックネットワークを構成するネットワーク装置が計画通りに移動していない場合でも、人手を介することなく再シミュレーションを実行して精度の高い通信状態の変化予測を利用者に通知できる通信ネットワークを提供する。
【解決手段】本通信ネットワークでは、各モバイル無線ルータ5’の移動に伴う通信状態の変化が通信シミュレーション装置2’でシミュレーションされるのに加えて、各ルータ5’が計画の通りに移動しているかの判定を行うチェックポイントが移動ルート上に入力設定され、そのチェックポイントへの到達予測時刻情報がシミュレーション結果情報と伴にルータ5’に送信される。各ルータ5’では、通信シミュレーション装置2’からの情報を基に移動状況が自律的に判定され、移動計画に対する誤差が大きくなった場合に再シミュレーション要求が通信シミュレーション装置2’に送信されて、情報の更新処理が自動的に行われる。
【選択図】図1

Description

本発明は、移動可能なネットワーク装置を用いてアドホックネットワーク(ad hoc network)を構築する際に、ネットワーク装置の移動計画に応じてアドホックネットワークの通信状態の変化をシミュレーションするための方法およびそれを用いた通信ネットワークに関する。
近年、例えば、モバイル無線ルータ等の移動可能なネットワーク装置を使ったアドホックネットワークの実用化の検討が進んでいる。アドホックネットワークとは、一時的に構築されるネットワークのことを指す。このアドホックネットワークの特徴としては、例えば次のような事項が挙げられる。
(1)ネットワーク装置の設定を事前に行う必要がない(他のネットワーク装置の存在を知らなくて良い)
(2)自律的にネットワークを構成する
(3)新たなネットワーク装置の接続/切断などのネットワークトポロジの動的変化がある
上記のような特徴を有するアドホックネットワークは、携帯電話等の移動通信ネットワークやIP(Internet Protocol)ネットワークのインフラ(infrastructure)が整備されていない離島や山岳地帯などの地域、或いは、土木開発事業等の工事や非常災害時などの移動通信ネットワークやIPネットワークに接続できない場所でのネットワークとして期待されている。また、上記のような用途の他にも、イベント会場での一時的なネットワークや、ネットワーク装置を車載することによってネットワーク自体が移動する移動ネットワークなどの幅広い用途でもアドホックネットワークの利用が期待されている。このようなアドホックネットワークに対する期待は、例えば、電子メールや現場の写真をやりとりする他、近年ではVoIP(Voice over IP)を使った音声通信を行うために、通信ネ
ットワークが不可欠なインフラとなってきているからである。
前述したアドホックネットワークの特徴のうちの(3)に示した事項については、アドホックネットワークを構成するネットワーク装置の移動が前提である。ゆえに、広範囲で通信網を構築するためには、多くの設備を点在させる必要がある。そのため、できるだけ最小限の設備で済むように、アドホックネットワークを構築する際、予め設置シミュレーションを行うのが望ましい。
従来、移動するネットワーク装置の通信を管理する方法としては、移動中のモバイル無線ルータから位置や電波状況などの情報を受信し、それを基に適切な基幹IP網のアクセ
スポイント(移動ルータ)を選択するものがある(例えば、特許文献1参照)。
また、新たに設置した基地局のサービスエリア測定、最適化、管理等を効率良く実施することが可能なサービスエリア試験システムも提案されている(例えば、特許文献2参照)。このサービスエリア試験システムは、予め実施したシミュレーション結果からサービスエリアを予測し、予測したサービスエリアにおいてエリア測定装置が移動しながら受信電界強度やビットエラーレート(BER)等を測定し、その測定データをサーバに送り、当該サーバにおいて測定データの解析を行う。そして、その解析結果を上記エリア測定装置に返送し、この返送情報に基づいて移動通信システムを遠隔制御して、新設基地局のパラメータやアンテナチルト等の調整を行う。これにより、新設基地局のサービスエリア測定、最適化、管理等を効率良く行うことが可能になる。
さらに、移動通信網のシミュレーション方法として、システム構成の代替案を地域条件に即して総合的に評価することを目的とした技術も提案されている。(例えば、特許文献3参照)。このシミュレーション方法は、移動通信網について呼損率等のサービス品質を予測し、かつ移動通信網システムを実現するのに必要な網コストを同時に算出することにより、システム構成の代替案を総合的に評価できるようにする。また、無線基地局の位置、建物等の設置状況といった地理的条件および場所によるトラヒック条件をシミュレーションの入力条件として考慮することにより、実際の地域において移動通信網のシステム構成を総合的にかつ正確に評価できるようにする。具体的には、移動通信システムにおいて、オブジェクト指向技術を用い、システムを構成する要素をオブジェクトとして記述し、構成要素の状態変化を計算機上で模擬することにより、無線基地局における呼損率等のサービス品質を予測し、かつ、そのシステム構成を実現するのに必要な網コストを同時に算出して、移動通信システムを総合的に評価することが行われる。
特開2004−120322号公報 特開2004−8498号公報 特開平7−283778号公報
ところで、上述したようなアドホックネットワークが実現すると、自律的に形成される移動ネットワークが何時、何処でどのようなネットワーク構成になるか、即ち、通信状態がどのように変化するかを事前に知りたくなる場合がある。これは、例えば企業(エンタープライズ)が効果的にアドホックネットワークを運用しようとすると、モバイル無線ルータ等のネットワーク装置をいくつ用意すればよいのか、当該ネットワーク装置の移動ルートとしてどのようなルートを採るのが効果的なのか、人件費・設備費などのコストはどの程度必要なのか等を意識するからである。
しかしながら、上述した従来の技術では、ネットワーク装置の移動の始点から終点までの間でいくつかのポイントを設け、そのポイントにおける状況をシミュレーションすることになるが、移動するネットワーク装置は複数あるため、シミュレーションの精度を高めようとするとポイントの数を多くする必要があり、非常に多くの工数を要するという課題がある。また、ネットワークの利用者が不特定多数であった場合、シミュレーション結果(通信接続/切断の時間帯の情報など)を利用者へ周知することが困難であるという欠点もある。
上記のような従来技術の課題を解決するために、本出願人は、ネットワークを構成するネットワーク装置の移動計画が事前に分かっている場合に、その移動計画を通信シミュレーション装置に入力し、当該入力情報を基に時間経過に従って移動するネットワークの通信状態の変化をシミュレーションするとともに、そのシミュレーション結果をモバイル無線ルータ等のネットワーク装置に送信して、該ネットワーク装置に接続している他の通信装置に対してシミュレーション結果に基づいた通信状態の変化予測を通知する技術を提案している(例えば、特願2004−352754号参照)。
しかしながら、上記の先願発明は、あくまでもネットワーク装置が計画通りに移動することを前提としており、シミュレーションを実行した時の移動計画と実際のネットワーク装置の移動とが異なってしまうと、実際の移動に対応した移動計画を再入力してシミュレーションをやり直し、その再シミュレーション結果に基づいた通信状態の変化の予測情報をネットワーク装置に再送信する必要がある。つまり、ネットワーク装置に接続している他の通信装置に対してより精度の高い通信状態の変化予測を通知するためには、シミュレーション管理者等の人手により、ネットワーク装置の移動状況の把握や、移動計画情報の再入力および再シミュレーション実行などの処理を行わなければならないという課題が残されている。
本発明は、上記の点に着目してなされたもので、アドホックネットワークを構成するネットワーク装置が計画通りに移動していない場合でも、人手を介することなく再シミュレーションを実行して精度の高い通信状態の変化予測を利用者に通知することのできる通信シミュレーション方法およびそれを用いた通信ネットワークを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の通信シミュレーション方法は、複数の移動可能なネットワーク装置で構成される通信ネットワークについて、前記ネットワーク装置の移動に伴う通信環境の変化をシミュレーションする方法であって、まず、前記各ネットワーク装置について、少なくとも、通信可能距離に関する情報、移動ルートを特定する位置情報、前記移動ルート上での移動状態に関する移動計画情報、および、前記各ネットワーク装置が前記移動計画の通りに移動しているか否かの判定を行うチェックポイントの位置情報を入力する。次に、該入力情報に基づいて、前記各ネットワーク装置の移動ルート上での移動に伴う各々のネットワーク装置間の通信状態の変化をシミュレーションしたシミュレーション結果情報を作成すると共に、前記各ネットワーク装置が前記チェックポイントに到達する時刻を予測した到達予測時刻情報を作成し、該作成したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信する。そして、該送信情報を受信した前記各ネットワーク装置において、自装置の現在位置の検出を行い、その現在位置がチェックポイント近傍に到達した時刻と、当該チェックポイントへの到達予測時刻との差分を求め、その差分が予め設定した誤差許容時間以上あるときに、当該チェックポイントの位置情報および実際の到達時刻を含んだ再シミュレーション要求を送信する。次に、該各ネットワーク装置から送信された再シミュレーション要求に応じて、先に作成したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の更新処理を行い、該更新したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信することを特徴とする。
また、本発明の通信ネットワークは、複数の移動可能なネットワーク装置と、該ネットワーク装置の移動に伴う通信環境の変化をシミュレーションする通信シミュレーション装置と、を備えた通信ネットワークであって、前記通信シミュレーション装置は、前記各ネットワーク装置について、少なくとも、通信可能距離に関する情報、移動ルートを特定する位置情報、前記移動ルート上での移動状態に関する移動計画情報、および、前記各ネットワーク装置が前記移動計画の通りに移動しているか否かの判定を行うチェックポイントの位置情報を入力する入力手段と、前記入力手段により入力された情報に基づいて、前記各ネットワーク装置の移動ルート上での移動に伴う各々のネットワーク装置間の通信状態の変化をシミュレーションしたシミュレーション結果情報を作成すると共に、前記各ネットワーク装置が前記チェックポイントに到達する時刻を予測した到達予測時刻情報を作成するシミュレーション管理手段と、前記シミュレーション管理手段で作成されたシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信する送信手段と、前記各ネットワーク装置から送信される再シミュレーション要求に応じて、前記シミュレーション管理手段に対してシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の更新を指示すると共に、前記送信手段に対して更新されたシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の送信を指示する再シミュレーション管理手段と、を備える。また、前記各ネットワーク装置は、それぞれ、前記通信シミュレーション装置から送信されるシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を受信する受信手段と、前記受信手段で受信したシミュレーション結果情報に基づいて、自装置の通信状態の変化予測を自装置に接続する他の通信装置に通知する通知手段と自装置の現在位置を検出する位置検出手段と、前記受信手段の受信情報に基づいて、前記位置検出手段で検出された現在位置がチェックポイント近傍に到達した時刻と、当該チェックポイントへの到達予測時刻との差分を求め、その差分が予め設定した誤差許容時間以上あるときに、当該チェックポイントの位置情報および実際の到達時刻を含んだ再シミュレーション要求を出力する再シミュレーション判定手段と、前記再シミュレーション判定手段から出力された再シミュレーション要求を前記通信シミュレーション装置に送信する送信手段と、を備えて構成される。
上記のような通信シミュレーション方法および通信ネットワークでは、各ネットワーク装置の移動に伴う通信状態の変化のシミュレーションが行われるのに加えて、各ネットワーク装置が計画の通りに移動しているか否かの判定を行うためのチェックポイントが移動ルート上に入力設定され、そのチェックポイントへの到達予測時刻情報が作成される。そして、通信状態のシミュレーション結果情報と伴にチェックポイントへの到達予測時刻情報が各ネットワーク装置に送信される。各ネットワーク装置では、通信シミュレーション装置からの情報に基づいて、自装置が計画通りに移動しているか否かが自律的に判定され、チェックポイントへの到達予測時刻に対する実際の到達時刻の差分が誤差許容時間以上になった場合に、再シミュレーション要求が通信シミュレーション装置に送信される。ネットワーク装置からの再シミュレーション要求を受けた通信シミュレーション装置では、実際の移動状況に応じてシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の更新処理が行われ、更新後の情報が各ネットワーク装置に再送信されるようになる。
以上のように本発明によれば、各ネットワーク装置において各々の移動状況が自律的にチェックされ、移動計画に対する誤差が大きくなると自動的に再シミュレーションが実行されてその結果が各ネットワーク装置に送信されるようになるため、各ネットワーク装置が当初の計画通りに移動していない場合でも人手を介することなく精度の高い通信状態の変化予測をネットワーク利用者に通知することが可能になる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について添付図面を参照しながら説明する。なお、全図を通して同一の符号は同一または相当部分を示すものとする。
最初に、本発明を理解する上で有用であるため、先願の特願2004−352754号に開示した通信シミュレーション方法について概説する。
図24は、先願発明による通信シミュレーションを用いた通信ネットワークの構成を示す機能ブロック図である。
図24に示す通信ネットワークは、通信シミュレーション装置2、複数のモバイル無線ルータ5およびIP装置7を備えて構成される。また、通信シミュレーション装置2は、シミュレーション表示部21、シミュレーション管理部22、ルータ固定情報入力部23、ルータ情報管理部24、ルータ移動計画情報入力部25、シミュレーション結果情報記憶部26、ルータ固定情報記憶部27、ルータ移動計画情報記憶部28、ルータ位置情報記憶部29、シミュレーション情報通信部31、ルータ向けシミュレーション情報記憶部32および通知情報定義情報記憶部33を有する。
ここで、ルータ固定情報入力部23は、アドホックネットワークを構成するネットワーク装置としてのモバイル無線ルータ(以下、単に「ルータ」ともいう)5の登録と、当該モバイル無線ルータ5に関する固定情報とを入力するための機能を有するものである。このルータ固定情報入力部23より入力される固定情報は、例えば、ルータ識別子、電波到達距離(通信可能距離)、その他のルータに関する属性(ルータの名称など)を含んで構成される。
ルータ移動計画情報入力部25は、モバイル無線ルータ5が何処から何処へどのような経路(ルート)を通って移動するかという情報(ルータ移動計画情報)を入力するための機能を有するものである。このルータ移動計画情報入力部25より入力されるルータ移動計画情報は、例えば、ルータ識別子、移動開始時刻、移動速度、移動ルートに関する情報を含んで構成される。また、移動ルートは、ルータ移動計画情報入力部25で入力された位置情報の集合で特定(定義)される。
ルータ情報管理部24は、ルータ固定情報入力部23およびルータ移動計画情報入力部25から受け取った入力情報を基に、例えば、図25に示すようなルータ固定情報および図26に示すようなルータ移動計画情報を作成する機能を有するものである。なお、ルータ固定情報は、ルータ固定情報記憶部27に保存され、ルータ移動計画情報は、ルータ移動計画情報記憶部28に保存される。
シミュレーション表示部21は、シミュレーション管理部22によるシミュレーション結果に基づいて、複数のモバイル無線ルータ5の移動状況、モバイル無線ルータ間の通信状態(通信可否)の変化(つまり、アドホックネットワークの移動に伴う通信環境の変化)を時間の経過に沿って表示(アニメーション表示)する機能を有するものである。また、このシミュレーション表示部21は、シミュレーション管理者1からのシミュレーション実行トリガを受け付ける機能も有している。ここでは、上記シミュレーション表示部21が提示手段として機能する。
シミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24を介して取得したルータ移動計画情報を基に、例えば図27に示すようなルータ位置情報を作成する機能を有するものである。このルータ位置情報は、モバイル無線ルータ5の移動開始時刻から一定時刻ごとの位置情報の集合であり、ルータ位置情報記憶部29に記憶される。また、このシミュレーション管理部22は、ルータ位置情報とルータ情報管理部24を介して取得したルータ固定情報を基に、シミュレーション結果情報を作成する機能も有する。シミュレーション結果情報は、ルータ識別子の数(つまり、登録されたモバイル無線ルータ5の数)だけ存在し、例えば図28に示すように、時刻、位置、通信可能ルータ識別子に関する情報を含んで構成され、シミュレーション結果情報記憶部26に記憶される。
なお、上記の各種記憶部26〜29は、ハードディスクやRAM等の所要の記録媒体により構成することができ、それぞれ個別の記録媒体で構成してもよいし、単一あるいは複数の記録媒体の記憶領域を記憶すべき情報によって分割して使用するようにしてもよい。
シミュレーション情報通信部31は、シミュレーション管理部22を介して取得したシミュレーション結果情報を基に、ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)を作成する機能を有するものである。また、シミュレーション情報通信部31は、作成したルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)から、ルータ識別子毎に対応したルータ向けシミュレーション情報(自ルータ分)を作成し、各ルータ識別子をもつモバイル無線ルータ5にそれぞれ送信する機能も有している。
上記のルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)は、例えば図29に示すように、全ルータのルータ識別子毎に、シミュレーション結果情報に登録されている時刻に、モバイル無線ルータ5がIP装置7に通知する情報(種別Z1、種別Z2、種別Z3等)を記載した情報であり、ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)記憶部32に保存される。また、上記のルータ向けシミュレーション情報(自ルータ分)は、例えば図30に示すように、シミュレーション結果情報に登録されている時刻に、自ルータが、接続しているIP装置7に通知する情報(種別Z1、種別Z2、種別Z3等)を記載した情報であり、モバイル無線ルータ5内の後述するシミュレーション情報記憶部53に保存される。
通知情報定義情報記憶部33は、モバイル無線ルータ5がIP装置7にどういう契機でどのような通知を行なうかを定義した情報(通知情報定義情報)を記憶するものである。
各モバイル無線ルータ5は、例えば、ルータ本体部51、通信可否通知判定部52およびシミュレーション情報記憶部53を備えて構成されている。各々のモバイル無線ルータ5には、PCやPDA等のIP通信が可能な通信装置(IP装置)7が有線あるいは無線により接続される。
ルータ本体部51は、一般的なモバイル無線ルータの本体であり、無線通信機能やWebサーバ等の公知の機能を有し、前記無線通信機能により通信シミュレーション装置2のシミュレーション情報通信部31から送信されるシミュレーション結果情報を受信することができる。また、Webサーバとしての機能により、自ルータに接続しているIP装置7に対して、受信したシミュレーション結果情報に基づく自ルータの通信状態の変化(切断、復旧等)の予測を通知することができるようになっている。つまり、このルータ本体部51は、通信シミュレーション装置2でのシミュレーション結果を受信する受信手段としての機能と、この受信手段で受信したシミュレーション結果に基づいて、自己の通信状態の変化予測を自己に接続している他のIP装置7に通知する通知手段としての機能とを果たすものである。
通信可否通知判定部52は、シミュレーション情報記憶部53に保存されたルータ向けシミュレーション情報(自ルータ分)を定期的に参照し、当該時刻に通知情報が記載されているか否かを判定し、記載されていれば記載内容に沿った通知をルータ本体部51経由で自ルータに接続している全てのIP装置7に通知する機能を有するものである。
次に、上記のような構成を備えた通信シミュレーション装置2、モバイル無線ルータ5およびIP装置7の動作(処理の流れ)について説明する。
まず、シミュレーション管理者1がルータ固定情報入力部23から各モバイル無線ルータ5に関する固定情報を入力すると、入力された当該固定情報を基にルータ情報管理部24がルータ固定情報(図25参照)を作成する。
次に、シミュレーション管理者1がルータ移動計画情報入力部25から各モバイル無線ルータ5の移動計画情報を入力すると、入力された情報を基にルータ情報管理部24がルータ移動計画情報(図26参照)を作成する。
そして、シミュレーション表示部21がシミュレーション管理者1からのシミュレーション実行要求を受け取ると、その旨がシミュレーション管理部22に通知される。シミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24を介してルータ移動計画情報を取得し、当該ルータ移動計画情報を基に、前述したルータ位置情報(図27参照)を作成する。即ち、シミュレーション管理部22は、移動開始時刻から所定時間経過後に各ルータ識別子がどの位置に存在するかを、移動速度に関する情報と位置の集合情報とから算出してルータ位置情報を作成する。
ルータ位置情報の作成が完了すると、シミュレーション管理部22は、次に、シミュレーション結果情報(図28参照)を作成する。具体的に図28の一例では、シミュレーション管理者1から指定されたシミュレーション開始時刻から一定の時刻T1,T2,T3ごとの各ルータ識別子の位置(ルータ識別子1は位置A1,A2,A3、ルータ識別子2は位置B1,B2,B3、…)を算出してシミュレーション結果情報を作成し、これをシミュレーション結果情報記憶部26に保存する。
次に、シミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24を介してルータ固定情報記憶部27からルータ識別子に対応する電波到達距離を取得し、ルータ位置情報記憶部29から各時刻における当該ルータ識別子の電波到達距離範囲に位置する他のルータ(通信可能ルータ)を検出し、その識別子(通信可能ルータ識別子)をシミュレーション結果情報に書き込む(図28中の識別子X1,Y1等参照)。つまり、シミュレーション管理部22は、各入力部23,25により入力された情報(電波到達距離情報および移動ルートを特定する位置情報)に基づいて、移動ルート上でのルータ間の通信可否を判断する機能を有している。
シミュレーション結果情報の作成が完了すると、シミュレーション管理部22は、シミュレーション表示部21にシミュレーション結果情報を渡し、シミュレーション表示部21は、渡された結果をシミュレーション管理者1に表示する。このとき、ルータ情報管理部24を介してルータ固定情報をルータ固定情報記憶部27から取得し、付帯情報として同時に表示することもできる。
次に、シミュレーション管理者1がシミュレーションデータ送信要求を通信シミュレーション装置2のシミュレーション情報通信部31に与えると、シミュレーション情報通信部31は、シミュレーション管理部22を介してシミュレーション結果情報記憶部26からシミュレーション結果情報を取得する。
そして、シミュレーション情報通信部31は、通知情報定義情報記憶部33に記録された通知情報定義情報に基づき、各モバイル無線ルータ5にそれぞれ対応したルータ向けシミュレーション情報(図29参照)を作成し、該作成した情報を各モバイル無線ルータ5に送信する。このとき各々のモバイル無線ルータ5に送信される情報は、ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)のうちの該当するルータ識別子が付与された情報のみである。
各モバイル無線ルータ5は、通信シミュレーション装置2からの情報を受信すると、当該受信情報を、ルータ本体部51を介して通信可否通知判定部52に渡す。通信可否通知判定部52は、渡された情報を自ルータ分のシミュレーション情報(図30参照)としてシミュレーション情報記憶部53に保存する。また、通信可否通知判定部52は、シミュレーション情報記憶部53に保存された自ルータ分のシミュレーション情報を定期的に参照し、参照した時刻の通信種別に記述があれば、その記述に沿った通知(通信の可否に関する情報)をルータ本体部51経由でIP装置7に対して行う。
以上のように、先願発明による通信シミュレーション方法を適用した通信ネットワークによれば、各モバイル無線ルータ5の移動計画(移動ルートや移動開始時刻など)に関する情報(位置情報)と電波到達距離情報とを入力することにより、時間経過に伴い各モバイル無線ルータ5がどのように移動しながらネットワークを形成し、どのような通信状態の変化を辿るか、つまり、各モバイル無線ルータ5の移動に伴うアドホックネットワークの通信環境の変化を予測することができる。したがって、実際に各モバイル無線ルータ5を現地で移動させてアドホックネットワークを構築する前に、通信状態を把握(予測)することができるため、現地で通信可能な地点を調査する必要がなく、また、評価にかかる時間も大幅に短縮することができるため、人件費、設備費を抑えることができる。加えて、予めシミュレーション結果を知らない利用者でも、IP装置7をアドホックネットワーク(モバイル無線ルータ5)に接続することで、移動に伴うアドホックネットワークの通信状態の変化を予測することができるようになるため、アドホックネットワークを使った作業を計画的に行なうことができるようになる。
しかしながら、先に説明したように先願発明による通信シミュレーション技術は、各モバイル無線ルータ5が移動計画通りに移動することを前提としている。このため、シミュレーションを実行した時の移動計画と実際のモバイル無線ルータ5の移動とが異なってしまうと、シミュレーション管理者1がルータ移動計画情報入力部25より実際の移動に対応した移動計画を再入力してシミュレーションをやり直し、その再シミュレーション結果に基づいた通信状態の変化の予測情報を各モバイル無線ルータ5に再送信する必要がある。つまり、各モバイル無線ルータ5に接続しているIP装置7に対してより精度の高い通信状態の変化予測を通知するためには、シミュレーション管理者1により、各モバイル無線ルータ5の移動状況の把握や、移動計画情報の再入力および再シミュレーション実行などの処理を行わなければならないという課題がある。
そこで、本発明は、上述した先願発明の通信ネットワークについて、各モバイル無線ルータが移動計画に従ってシミュレーション通りに移動しているか否かを各々のモバイル無線ルータが自律的に判定するために必要な情報を通信シミュレーション装置が作成、送信し、かつ、各モバイル無線ルータからの再シミュレーション要求を受け取り、移動計画を補正して再シミュレーションを行う機能を付加することにより、上記課題の解消を図る。
以下、本発明による通信シミュレーション方法を適用した通信ネットワークについて詳しく説明する。
図1は、本発明による通信ネットワークの一実施形態の構成を示す機能ブロック図である。
図1において、本実施形態の通信ネットワークを構成する通信シミュレーション装置2’は、上述の図24に示した通信シミュレーション装置2の構成について、チェックポイント到達時刻管理部22A、チェックポイント情報管理部24A、ルータ情報更新部24B、チェックポイント情報入力部25A、チェックポイント到達時刻情報送信部31A、チェックポイント情報記憶部34、チェックポイント到達時刻情報記憶部35、および、再シミュレーション管理部36の各機能ブロックが追加されている。なお、通信シミュレーション装置2’の上記以外の他の機能ブロックは、上述した通信シミュレーション装置2と同様である。
まず、チェックポイント情報入力部25Aは、ルータ移動計画入力部25の追加機能であり、ルータ移動計画入力部25より入力された移動ルート上の任意地点をチェックポイントとしてシミュレーション管理者1に定義できるようにする機能を有している。
チェックポイント情報管理部24Aは、ルータ情報管理部24の追加機能であり、上記のチェックポイント情報入力部25Aで入力されたチェックポイントを基に、例えば図2に示すようなチェックポイント情報を作成する機能を有するものである。チェックポイント情報は、アドホックネットワークを構成する各モバイル無線ルータ5’の識別子にそれぞれ対応した、チェックポイントとなる位置情報を含んで構成され、チェックポイント情報記憶部34に保存される。具体的に図2の一例では、ルータ識別子1について位置o1,o2,…,ol、ルータ識別子2について位置p1,p2,…,pl、ルータ識別子3について位置q1,q2,…,ql、がそれぞれチェックポイント情報として設定されている。
ルータ情報更新部24Bは、ルータ情報管理部24の追加機能であり、再シミュレーション管理部36からの指示を受けて、ルータ移動計画情報およびチェックポイント情報を更新する機能を有するものである。
チェックポイント到達時刻管理部22Aは、シミュレーション管理部22の追加機能であり、ルータ情報管理部24を介して取得したルータ移動計画情報およびチェックポイント情報を基に、例えば図3で示すようなチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)を作成する機能を有するものである。チェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)は、各モバイル無線ルータ5’の識別子にそれぞれ対応した、チェックポイントの位置、到達予測時刻、誤差許容時間および誤差許容範囲を含んで構成され、チェックポイント到達時刻記憶部35に保存される。上記の誤差許容時間および誤差許容範囲は、通信シミュレーション装置内に定義されているシステム固有値であって、誤差許容時間とは、シミュレーションによって算出されたチェックポイントへの到達時刻と、モバイル無線ルータ5’が実際にチェックポイントに到達した時刻の誤差として許容する時間のことである。また、誤差許容範囲とは、シミュレーションによって算出されたチェックポイントの位置(緯度および経度)と、モバイル無線ルータ5’が実際に到達した位置(緯度および経度)の誤差として許容する範囲(何時何分何秒)のことである。具体的に図2に示したチェックポイント到達時刻情報の一例では、ルータ識別子1について、位置o1,o2,…,olの各チェックポイントへの到達予測時刻がa1,a2,…,al、誤差許容時間がa,誤差許容範囲が緯度x、経度yに設定され、また、ルータ識別子2について、位置p1,p2,…,plの各チェックポイントへの到達予測時刻がb1,b2,…,bl、誤差許容時間がa,誤差許容範囲が緯度x、経度yに設定されている。
チェックポイント情報送信部31Aは、シミュレーション情報通信部31の追加機能であり、チェックポイント到達時刻管理部22Aを介して取得したチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)をルータ識別子毎に分割し、対応するモバイル無線ルータ5’に送信する機能を有するものである。
再シミュレーション管理部36は、各モバイル無線ルータ5’からの後述する再シミュレーション要求を受信し、ルータ情報更新部24Bに対してルータ移動計画情報およびチェックポイント情報の更新を依頼すると共に、シミュレーション管理部22に対して再シミュレーションの実行およびチェックポイント到達時刻情報の更新の指示を送信する機能と、更新されたシミュレーション情報および到達予測時刻情報の送信をシミュレーション情報通信部31およびチェックポイント情報送信部31Aに指示する機能を有するものである。
なお、上記のチェックポイント情報記憶部34およびチェックポイント到達時刻情報記憶部35は、ハードディスクやRAM等の所要の記憶媒体により構成することができ、それぞれ個別の記憶媒体で構成してもよいし、単一あるいは複数の記憶媒体の記憶領域を記憶すべき情報によって分割して他の記憶部と共用するようにしてもよい。
各モバイル無線ルータ5’に関しては、例えば図4に示すように、上述の図24に示した先願発明の構成について、再シミュレーション判定部54、チェックポイント到達時刻情報記憶部55および現在位置検出部56の各機能ブロックが追加されている。なお、各モバイル無線ルータ5’の上記以外の他の機能ブロックは、上述した先願発明の場合と同様であるため、ここでの説明を省略する。
再シミュレーション判定部54は、通信シミュレーション装置2’のチェックポイント到達時刻情報送信部31Aから送信される自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報を、ルータ本体部51を介して受信する機能を有する。自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報は、例えば図5に示すように、ルータ識別子、位置情報、到達予測時刻、誤差許容時間および誤差許容範囲を含んで構成され、チェックポイント到達時刻情報記憶部55に保存される。
また、再シミュレーション判定部54は、モバイル無線ルータ5’に具備された衛星利用測位システム(Global Positioning System:GPS)等を用いた位置検出部56より自己の位置情報を定期的に取得し、自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報に記述されているチェックポイントの誤差許容範囲内に到達したか否かを判定する機能を有する。さらに、再シミュレーション判定部54は、チェックポイントの誤差許容範囲内に到達した場合に、チェックポイント到達時刻情報に記述されている到達予測時刻と、実際の到達時刻とを比較し、その差がチェックポイント到達時刻情報に記述されている誤差許容時間以上あるときには、ルータ本体部51を介して、通信シミュレーション装置2’の再シミュレーション管理部36に対して再シミュレーション要求を送信する機能を有する。再シミュレーション管理部36に送信される再シミュレーション要求に付与される情報には、例えば図6に示すように、ルータ識別子、チェックポイントの位置情報、到達時刻が含まれる。
なお、各モバイル無線ルータ5’に設けられるシミュレーション情報記憶部53およびチェックポイント到達時刻情報記憶部55は、ハードディスクやRAM等の所要の記憶媒体により構成することができ、それぞれ個別の記憶媒体で構成してもよいし、単一あるいは複数の記憶媒体の記憶領域を記憶すべき情報によって分割して使用するようにしてもよい。
次に、上記のような構成を備えた通信シミュレーション装置2’,モバイル無線ルータ5’およびIP装置7の動作(処理の流れ)について説明する。
まず、通信シミュレーション装置2’は、上述した通信シミュレーション装置2における処理と同様にして、シミュレーション管理者1からの入力情報に基づいてルータ固定情報(図25参照)およびルータ移動計画情報(図26参照)を作成する。そして、ルータ移動計画情報の作成が完了すると、シミュレーション管理者1はチェックポイント情報入力部25Aから各モバイル無線ルータ5’のチェックポイント情報を入力する。通信シミュレーション装置2’は、入力された情報を基にチェックポイント情報管理部24Aがチェックポイント情報(図2参照)を作成する。
次に、通信シミュレーション装置2’は、上述した通信シミュレーション装置2における処理と同様にして、シミュレーション管理部22がルータ情報管理部24を介して取得したルータ移動計画情報を基にルータ位置情報(図27参照)を作成する。ルータ位置情報の作成が完了すると、チェックポイント到達時刻管理部22Aは、ルータ情報管理部24を介してチェックポイント情報を取得し、当該チェックポイント情報を基に、全ルータ分のチェックポイント到達時刻情報(図3参照)を作成する。
次に、通信シミュレーション装置2’は、上述した通信シミュレーション装置2における処理と同様にして、シミュレーション管理部22がルータ位置情報とルータ情報管理部24を介して取得したルータ固定情報を基にシミュレーション結果情報(図28参照)を作成し、シミュレーション表示部21がシミュレーション結果の表示を行う。そして、シミュレーション管理者1がシミュレーションデータ送信要求を通信シミュレーション装置2’に対して与えると、シミュレーション情報通信部31が全ルータ分のルータ向けシミュレーション情報(図29参照)を作成し、各モバイル無線ルータ5’に対して該当するシミュレーション情報をそれぞれ送信する。
各モバイル無線ルータ5’に対するシミュレーション情報の送信が完了すると、チェックポイント到達時刻情報送信部31Aは、シミュレーション管理部22を介してチェックポイント到達時刻情報記憶部35に保存されたチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)を取得する。そして、チェックポイント到達時刻情報送信部31Aは、各モバイル無線ルータ5’に対して該当するチェックポイント到達時刻情報に送信する。なお、このときチェックポイント到達時刻情報送信部31Aから各モバイル無線ルータ5’にそれぞれ送信される情報は、チェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)のうちで送信先となるモバイル無線ルータ5’のルータ識別子が付与された情報のみである。
各モバイル無線ルータ5’は、上述した先願発明での各モバイル無線ルータ5における処理と同様にして、通信シミュレーション装置2’から送信された自ルータ分のシミュレーション情報(図30参照)を受信し、それをシミュレーション情報記憶部53に保存する。自ルータ分のシミュレーション情報の保存が完了すると、各モバイル無線ルータ5’は、通信シミュレーション装置2’からのチェックポイント到達時刻情報を受信し、当該受信情報をルータ本体部51を介して再シミュレーション判定部54に渡す。再シミュレーション判定部54は、ルータ本体部51を介して渡された情報を自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報(図5参照)としてチェックポイント到達時刻情報記憶部55に保存する。そして、再シミュレーション判定部54は、例えば図7のフローチャートに示す手順に従って、再シミュレーションの要否を判定する。
まず、ステップ1(図中S1で示し、以下同様とする)において、再シミュレーション判定部54は、位置検出部56により自己の現在位置を取得する。そして、ステップ2では、チェックポイント到達時刻情報記憶部55の保存情報を参照して、自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報に記述されているチェックポイントの位置情報および誤差許容範囲を取得する。
次に、ステップ3では、ステップ1で取得した自己の現在位置が、ステップ2で取得したチェックポイントの位置情報について誤差許容範囲内に到達したか否かを判定する。現在位置がチェックポイントの誤差許容範囲内に到達した場合にはステップ4に進み、到達していない場合には再シミュレーションの判定処理を終了する。
ステップ4では、再シミュレーション判定部54が、現在時刻を取得する。そして、ステップ5では、チェックポイント到達時刻情報記憶部55の保存情報を参照して、自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報に記述されている到達予測時刻および誤差許容時間を取得する。
ステップ6では、ステップ4で取得した現在時刻と、ステップ5で取得した到達予測時刻とを比較し、その差分が誤差許容時間以上であるか否かを判定する。差分が誤差許容時間以上である場合にはステップ7に進み、差分が誤差許容時間未満である場合には再シミュレーションの判定処理を終了する。
ステップ7では、再シミュレーション判定部54が、ルータ識別子、差分が誤差許容時間以上となったチェックポイントの位置情報、および、実際の到達時刻を示す再シミュレーション要求(図6参照)を、ルータ本体部51を介して通信シミュレーション装置2’の再シミュレーション管理部36に送信して、再シミュレーションの判定処理を終了する。
なお、上記のステップ1〜ステップ7の一連の処理による再シミュレーションの判定を行うタイミングについては任意に設定することが可能であり、例えば、一定時間ごと若しくは一定距離ごとなどとするのがよい。
上記のようにしてモバイル無線ルータ5’からの再シミュレーション要求が再シミュレーション管理部36で受信されると、再シミュレーション管理部36は、ルータ情報管理部24のルータ情報更新部24Bに対してルータ移動計画情報およびチェックポイント情報の更新を要求する。ルータ情報更新部24Bは、再シミュレーション管理部36から渡される再シミュレーション要求に示されたルータ識別子およびチェックポイントの位置情報を基に、ルータ移動計画情報記憶部28に保存されているルータ移動計画情報(図26参照)について、当該ルータ識別子が付与されている移動ルートの先頭の位置情報から当該チェックポイントの位置情報と同じ位置情報までを削除する。この結果、移動ルートの先頭位置は、誤差許容時間以上の差分が生じたチェックポイントとなる。
次に、ルータ情報更新部24Bは、再シミュレーション管理部36から渡される再シミュレーション要求に示されたルータ識別子および実際のチェックポイント到達時刻を基に、ルータ移動計画情報記憶部28に保存されているルータ移動計画情報(図26参照について、当該ルータ識別子が付与されている移動開始時刻を、当該チェックポイント到達時刻で上書きする。
さらに、ルータ情報更新部24Bは、再シミュレーション管理部36からのルータ識別子およびチェックポイントの位置情報を基に、チェックポイント情報記憶部34に保存されているチェックポイント情報(図2参照)について、の当該ルータ識別子が付与されているチェックポイントの先頭の位置情報から当該チェックポイントの位置情報までを削除する。
次に、ルータ情報更新部24Bによるルータ移動計画情報およびチェックポイント情報の更新が完了すると、再シミュレーション管理部36は、シミュレーション管理部22に対してシミュレーション実行要求を送信する。シミュレーション実行要求を受信したシミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24を介して与えられる更新済のルータ移動計画情報およびチェックポイント情報を基に、新しいシミュレーション結果情報を作成するとともに、チェックポイント到達時刻管理部22Aで新しいチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)を作成する。
シミュレーション管理部1−2によるシミュレーション結果情報およびチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)の再作成が完了すると、再シミュレーション管理部36は、シミュレーション情報通信部31およびチェックポイント到達情報送信部31Aに対して、各モバイル無線ルータ5’への情報送信を要求し、前述した場合と同様にして、再作成されたシミュレーション情報およびチェックポイント到達時刻情報が各モバイル無線ルータ5’にそれぞれ送信される。これにより、各モバイル無線ルータ5’は、当初の移動計画とは異なる状況になった場合でも、各々に接続しているIP装置7に対して精度の高い通信状態の変化予測を通知することができる。
ここで、上記一連の処理について具体例を挙げて詳細に説明する。
例えば、図8に示すようにモバイル無線ルータ5’を搭載した車両が2台(以降、ルータX、ルータYと呼ぶ)存在し、A地点からB地点にルータXとルータYとの間でIP通信を行ないながら別々のルートR1,R2で移動する計画があったと仮定する。以下では、その際のシミュレーションを具体的な数値例を挙げて説明する。
まず、シミュレーション管理者1より、ルータ登録要求を受け取ると、ルータ固定情報入力部23は、ルータ固定情報入力画面を表示する。本例では、ルータ識別子としてIPアドレス、電波到達距離の他に、属性として名称(ルータX、ルータY等)を入力項目とする。入力された情報は、ルータ情報管理部24に入力され、当該ルータ情報管理部24によりルータ固定情報が作成されルータ固定情報記憶部27に登録される。その登録例を図9に示す。図9では、IPアドレス“10.43.206.190”のルータXの電波到達距離が半径18.0[km]、IPアドレス“10.43.206.189”のルータYの電波到達距離が半径20.0[km]であるとしてそれぞれ登録されている。
次に、シミュレーション管理者1より、ルータ移動計画情報入力要求を受け取ると、ルータ移動計画情報入力部25は、登録されているルータを表示し、ルータ毎に移動計画の入力を促す。例えば、ルータXについてルータ移動計画情報を入力する場合、ルータ移動計画情報入力部25は、地図を表示し、当該地図上でルータXの移動ルートをマウスによるドラッグ操作等でなぞらせることで移動ルートを記録するとともに、移動開始時刻と移動速度の入力画面を別途表示する。
これにより作成されるルータ移動計画情報の例を図10に示す。図10では、ルータX(IPアドレス=10.43.206.190)が、時速60.0[km]で“2004/12/1 13:00”(年/月/日/時刻)に移動を開始し、位置(42.59.15,141.21.25)、位置(42.59.17,141.21.16)、…、位置(43.49.15,144.6.39)というルートR1(緯度,経度)を辿って移動することを表している。また、ルータY(IPアドレス=10.43.206.189)は、時速65.0[km]で“2005/12/1 13:10”(年/月/日/時刻)に移動を開始し、位置(42.61.17,141.20.16)、位置(42.61.20,141.20.06)、…、位置(43.49.15,144.6.39)という別のルートR2(緯度,経度)を辿って移動することを表している。
続いて、シミュレーション管理者1よりチェックポイント情報入力要求を受け取ると、チェックポイント情報入力部25Aは、先に入力した各ルータX,Yの移動ルート情報を表示し、ルータ毎にチェックポイント情報の入力を促す。例えば、ルータXについてチェックポイント情報を入力する場合、チェックポイント情報入力部25Aは、図11に示すように、先に入力した移動ルート上の任意地点をマウスでクリックさせることでチェックポイント情報を記録する。これにより作成されるチェックポイント情報の例を図12に示す。図12では、ルータX(IPアドレス=10.43.206.190)のチェックポイントが、位置(42.52.43,142.26.22)、位置(43.15.43,143.35.05)の2箇所であることを表している。また、ルータY(IPアドレス=10.43.206.189)のチェックポイントが、位置(43.45.57,142.21.59)、位置(44.01.24,143.30.47)の2箇所であることを表している。
次に、シミュレーション表示部21がシミュレーション管理者1からシミュレーション実行要求を受け取ると、シミュレーション表示部21は、シミュレーション管理部22にその旨を通知する。シミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24にルータ移動計画情報要求を通知し、ルータ情報管理部24からルータ移動計画情報を取得する。
シミュレーション管理部22は、取得したルータ移動計画情報からルータ位置情報を作成する。本例では、シミュレーション開始時刻とシミュレーションの時刻の刻みは、シミュレーション管理者1からシミュレーション実行要求時に通知することができる。ルータ位置情報の例を図13に示す。この図13に示す例は、シミュレーション開始時刻が“2005/12/1 13:00”、シミュレーションの時刻の刻みが10分として通知されたときの例である。
ルータ位置情報の作成が完了すると、次にシミュレーション管理部22は、ルータ情報管理部24にルータ固定情報要求を通知し、ルータ情報管理部24からルータ固定情報を取得する。シミュレーション管理部22は、ルータ固定情報の電波到達距離と、ルータ位置情報とからシミュレーション結果情報を作成する。このとき作成されるシミュレーション結果情報の例を図14に示す。この図14では、ルータ識別子“10.43.206.190”は時刻13:00と時刻13:20の時点では通信可能な他ルータは存在せず、時刻13:10にはルータ識別子“l0.43.206.190”のルータXがルータ識別子“10.43.206.189”のルータYと通信可能であることを示している。位置はそれぞれのルータの緯度、経度で表されている。
シミュレーション結果情報の作成が完了すると、次にチェックポイント到達時刻管理部22Aは、ルータ情報管理部24にチェックポイント情報要求を通知し、ルータ情報管理部24を介してチェックポイント情報を取得する。さらに、チェックポイント到達時刻管理部22Aは、ルータ情報管理部24にルータ移動計画情報要求を通知し、ルータ情報管理部24からルータ移動計画情報を取得する。そして、チェックポイント到達時刻管理部22Aは取得したチェックポイント情報およびルータ移動計画情報を基に、全ルータ分のチェックポイント到達時刻情報を作成する。このとき作成されるチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)の一例を図15に示す。この図15では、ルータ識別子“10.43.206.190”はチェックポイント“42.52.43,142.26.22”に、“2005/12/1 16:00”に到着し、次のチェックポイント“43.15.43,143.35.05”に“2005/12/1 19:30”に到着する予定であることを表している。また、ルータ識別子“10.43.206.189”はチェックポイント“43.45.57,142.21.59”に、“2005/12/1 15:40”に到着し、次のチェックポイント“44.01.24,143.30.47”に“2005/12/1 18:50”に到着する予定であることを表している。
チェックポイント到達時刻管理部22Aは、チェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)の作成が完了すると、シミュレーション管理部22を介して、その旨をシミュレーション表示部21に通知する。シミュレーション表示部21はシミュレーション結果情報をアニメーションのように表示する。シミュレーション結果の表示例を図16〜図18に示す。ここでは、通信可能な状態にあるルータ同士は接続線が引かれるように表示する。なお、これらの図16〜図18において、符号AXはルータXの電波到達距離(通信可能エリア)、符号AYはルータYの電波到達距離(通信可能エリア)をそれぞれ示している。つまり、シミュレーション管理部22は、電波到達距離情報に応じた電波到達距離も併せてシミュレーション表示部21に表示させることができる。
例えば、図16に示すように、時刻13:00にはルータXとルータYとは通信可能距離にはいない(互いの通信可能エリアAX,AYに入っていない)ので、ルータXとルータYとの間に接続線は引かれない。このとき、ルータXとルータYとの間の通信は不能であることをその日時とともに表示することができる(図16の右下参照)。しかし、図17に示すように、その後の時刻13:10にはルータXとルータYとが接近し通信可能距離にいるため、ルータXとルータYとの間に通信可能な状態であることを表す接続線Cが引かれる(表示される)。このとき、併せて、ルータXとルータYとの間の通信が可能である旨をその日時とともに表示することができる(図17の右下参照)。さらに、その後、図18に示すように、時刻13:20には、再び、ルータXとルータYとは通信可能距離を超えてしまうので、ルータXとルータYとの間に接続線は引かれない。この場合も、ルータXとルータYとの間の通信は不能であることをその日時とともに表示することができる(図18の右下参照)。
このように、シミュレーション結果情報を時間経過とともにアニメーションのように連続で表示する。即ち、ルータX,Yの移動とともに、ルータX,Y間で接続線Cが現れたり消えたりするように表示することで、何時頃、どの場所で通信ができなくなるか確認(予測)することができる。ただし、通信可能状態の表示はかかる接続線表示に限定されず、他の表示方法を用いることもできる。なお、シミュレーション結果情報は、シミュレーション結果情報記憶部26に保存されているので、何度でも再生可能であり、一次停止なども可能となる。
シミュレーション結果情報の表示が完了すると、次にルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)の作成および送信が行われる。具体的には、シミュレーション管理者1からモバイル無線ルータ5’へのシミュレーション情報転送要求をシミュレーション情報通信部31が受け取ると、シミュレーション情報通信部31は、シミュレーション管理部22を介してシミュレーション結果情報を取得する。そして、シミュレーション情報通信部31は、通知情報定義情報記憶部33に記憶された例えば図19に示すような通知情報定義情報に記載されているルールに従い、ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)を作成する。
このとき作成されるルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)の例を図20に示す。この図20では、シミュレーション結果情報のルータ識別子(IPアドレス)“10.43.206.190”の日時“2005/12/1 13:00”の通信可能ルータ識別子を参照すると、通信可能ルータ識別子が存在しないことが分かる。つまり切断中である。通知情報定義情報を参照すると、「現在切断中で10分後に通信可能ルータがある場合は復旧を通知」と記載されているので、日時“2005/12/1 13:10”の通信可能ルータ識別子を参照すると、IPアドレスが記載されているので、通知情報としては「13:10に復旧」となる。よって、ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)のルータ識別子“10.43.206.190”の日時“2005/12/1 13:00”の通知情報は「復旧、13:10」となる。上記のような処理を全時刻分および全ルータ識別子分について行う。
ルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)の作成が完了すると、シミュレーション情報通信部31は、例えば、IPアドレス“10.43.206.190”のルータX分のシミュレーション情報のみをルータXに送信する。ルータXは、シミュレーション情報通信部31からのシミュレーション情報を受信すると、ルータ本体部51を介して通信可否通知判定部52に情報を渡し、通信可否通知判定部52は、その情報をルータ向けシミュレーション情報(自ルータ分)としてシミュレーション情報記憶部53に保存する。
シミュレーション情報通信部31からルータX,Yへのシミュレーション情報の送信が完了すると、チェックポイント到達時刻情報送信部31Aは、シミュレーション管理部22を介してチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)を取得する。チェックポイント到達時刻情報送信部31Aは、取得したチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)をルータ毎に分割し、送信する。
チェックポイント到達時刻情報送信部31Aからの送信情報を受信したルータXは、ルータ本体部51を介して再シミュレーション判定部54に情報を渡し、再シミュレーション判定部54は、当該情報を自ルータ分のルータ向けチェックポイント到達時刻情報としてチェックポイント到達時刻情報記憶部55に保存する。なおルータYについても同様である。
次に、各ルータX,Yは、自ルータ分のルータ向けシミュレーション情報を基に、各々
に接続しているIP装置7に情報通知を行う。具体的に、ルータXは、自ルータ分のシミュレーション情報の時刻間隔を当該情報受信時に記録し、その時刻間隔で当該情報を参照する。例えば、現在時刻が“2005/12/1 13:10”だったとすると、通信可否通知判定部52は、通知情報1に「切断、13:20」と記載されているので、例えば「13:20頃に他ルータとの通信が切断されます。」というHTML(Hyper Text Markup Language)ファイルを作成し、これをウェブ(Web)サーバにより公開する。近年のほとんどのルータはメンテナンス用にWebサーバを搭載しているため、その機能を利用することができる。
IP装置7では、Webブラウザを常に起動しておき、上記のHTMLファイルのURLのページを開いておく。HTMLファイルに自ページを定期的に更新するスクリプトを組み込んでおくことで、IP装置7のWebブラウザでは当該URLが定期的に更新されるため、IP装置7の利用者はメッセージが変わっても、その旨を自らWebブラウザを操作しなくても知ることができる。なお、上記のようにWebサーバおよびWebブラウザを利用しなくても公知の通信機能を用いて通信状態の変化予測をIP装置7へ通知することは可能である。
次に、各ルータX,Yの再シミュレーション判定部54は、位置検出部56から自己の位置情報を定期的に取得し、自ルータ分のチェックポイント到達時刻情報に記述されているチェックポイントの位置から許容誤差範囲内の地点に到達したかを判定する。例えば、ルータXの再シミュレーション判定部54は、取得した現在位置が、チェックポイント“42.52.43,142.26.22”から許容誤差範囲“0.1.0”内の地点に到達したかを判定する。チェックポイント“42.52.43,142.26.22”の許容誤差範囲内に到達した場合は、チェックポイント到達時刻情報に記述されている到達時刻“2005/12/1 16:00”と現在時刻“2005/12/1 17:00”を比較し、誤差許容時間である5分以上の差異があるので、ルータ本体部51を介して通信シミュレーション装置2’の再シミュレーション管理部36に対して再シミュレーション要求を送信する。
このとき送信される再シミュレーション要求には、例えば図21のようにルータXの識別子“10.43.206.190”、差異の生じたチェックポイントの位置“42.52.43,142.26.22”、および、実際の到達時刻“2005/12/1 17:00”が付与される。
再シミュレーション管理部36は、ルータXからの再シミュレーション要求を受信すると、ルータ情報管理部24を介してルータ情報更新部24Bに対し、ルータ移動計画情報およびチェックポイント情報の更新を要求する。具体的に、ルータ情報更新部24Bは、再シミュレーション管理部36から渡されたルータ識別子“10.43.206.190”、チェックポイントの位置”42.52.43,142.26.22”、および、到達時刻”2005/12/1 17:00”を基に、ルータ移動計画情報を更新する。このとき更新されたルータ移動計画情報を図22に示す。この図22の一例では、ルータ情報更新部24Bは、ルータ識別子“10.43.206.190”が付与されている移動ルートの先頭から、チェックポイント”42.52.43,142.26.22”に到達するまでの位置情報を削除し、移動開始時刻を、チェックポイント到達時刻“2005/12/1 17:00”で上書きしている。
さらに、ルータ情報更新部24Bは、再シミュレーション管理部36か渡されたルータ識別子“10.43.206.190”およびチェックポイントの位置“42.52.43,142.26.22”を基に、チェックポイント情報のルータ識別子“10.43.206.190”が付与されているチェックポイント情報の先頭から、チェックポイント情報“42.52.43,142.26.22”を削除する。このとき更新されたチェックポイント情報を図23示す。
上記のようにしてルータ情報更新部24Bによるルータ移動計画情報およびチェックポイント情報の更新が完了すると、次に再シミュレーション管理部36は、シミュレーション管理部22に再シミュレーションの実行要求を送信する。この再シミュレーションの処理は、前述した当初のシミュレーションの処理と同様であり、ルータXがチェックポイント“42.52.43,142.26.22”の地点から“2005/12/1 17:00”に移動を開始した場合を想定した再シミュレーションが実行され、新たなルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)およびチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)が作成され、各ルータX,Yに送信されることになる。
以上のように、本実施形態によれば、各モバイル無線ルータ5’(ルータX,Y)の移動状況を自律的に検出し、移動計画情報の更新および再シミュレーションの実行、そして、再シミュレーション結果の送信までを自動的に行うことが可能となる。これにより、各モバイル無線ルータ5’に接続されるIP装置7への情報通知も自動的に更新され、より精度の高い通信状態変化の通知を行うことが可能となる。
本発明による通信ネットワークの一実施形態の構成を示す機能ブロック図である。 図1の通信ネットワークにおけるチェックポイント情報の一例を示す図である。 図1の通信ネットワークにおけるチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)の一例を示す図である。 図1の通信ネットワークに用いられるモバイル無線ルータの構成例を示す機能ブロック図である。 図1の通信ネットワークにおけるチェックポイント到達時刻情報(自ルータ分)の一例を示す図である。 図1の通信ネットワークにおける再シミュレーション要求の一例を示す図である。 図1の通信ネットワークにおける各モバイル無線ルータで実行される再シミュレーション判定の手順を示すフローチャートである。 図1の通信ネットワークの具体例として仮定した各ルータの移動ルートの一例を示す図である。 図8の具体例におけるルータ固定情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるルータ移動計画情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるチェックポイント情報の入力操作を説明するための図である。 図8の具体例におけるチェックポイント情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるルータ位置情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるシミュレーション結果情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるチェックポイント到達時刻情報(全ルータ分)の一例を示す図である。 図8の具体例におけるシミュレーション結果情報の表示例を示す図である。 図8の具体例におけるシミュレーション結果情報の他の表示例を示す図である。 図8の具体例におけるシミュレーション結果情報の別の表示例を示す図である。 図8の具体例における通知情報定義情報の一例を示す図である。 図8の具体例におけるルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)の一例を示す図である。 図8の具体例における再シミュレーション要求の一例を示す図である。 図8の具体例における更新されたルータ移動計画情報の一例を示す図である。 図8の具体例における更新されたチェックポイント情報の一例を示す図である。 先願発明による通信シミュレーションを用いた通信ネットワークの構成を示す機能ブロック図である。 図24の通信ネットワークにおけるルータ固定情報の一例を示す図である。 図24の通信ネットワークにおけるルータ移動計画情報の一例を示す図である。 図24の通信ネットワークにおけるルータ位置情報の一例を示す図である。 図24の通信ネットワークにおけるシミュレーション結果情報の一例を示す図である。 図24の通信ネットワークにおけるルータ向けシミュレーション情報(全ルータ分)の一例を示す図である。 図24の通信ネットワークにおけるルータ向けシミュレーション情報(自ルータ分)の一例を示す図である。
符号の説明
1…シミュレーション管理者
2,2’…通信シミュレーション装置
5,5’…モバイル無線ルータ
7…IP装置
21…シミュレーション表示部
22…シミュレーション管理部
22A…チェックポイント到達時刻管理部
23…ルータ固定情報入力部
24…ルータ情報管理部
24A…チェックポイント情報管理部
24B…ルータ情報更新部
25…ルータ移動計画情報入力部
25A…チェックポイント情報入力部
26…シミュレーション結果情報記憶部
27…ルータ固定情報記憶部
28…ルータ移動計画情報記憶部
29…ルータ位置情報記憶部
31…シミュレーション情報通信部
31A…チェックポイント到達時刻情報送信部
32…ルータ向けシミュレーション情報記憶部
33…通知情報定義情報記憶部
34…チェックポイント情報記憶部
35…チェックポイント到達時刻情報記憶部
36…再シミュレーション管理部
51…ルータ本体部
52…通信可否通知判定部
53…シミュレーション情報記憶部
54…再シミュレーション判定部
55…チェックポイント到達時刻情報記憶部
56…位置検出部

Claims (5)

  1. 複数の移動可能なネットワーク装置で構成される通信ネットワークについて、前記ネットワーク装置の移動に伴う通信環境の変化をシミュレーションする通信シミュレーション方法であって、
    前記各ネットワーク装置について、少なくとも、通信可能距離に関する情報、移動ルートを特定する位置情報、前記移動ルート上での移動状態に関する移動計画情報、および、前記各ネットワーク装置が前記移動計画の通りに移動しているか否かの判定を行うチェックポイントの位置情報を入力し、
    該入力情報に基づいて、前記各ネットワーク装置の移動ルート上での移動に伴う各々のネットワーク装置間の通信状態の変化をシミュレーションしたシミュレーション結果情報を作成すると共に、前記各ネットワーク装置が前記チェックポイントに到達する時刻を予測した到達予測時刻情報を作成し、
    該作成したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信し、
    該送信情報を受信した前記各ネットワーク装置において、自装置の現在位置の検出を行い、その現在位置がチェックポイント近傍に到達した時刻と、当該チェックポイントへの到達予測時刻との差分を求め、その差分が予め設定した誤差許容時間以上あるときに、当該チェックポイントの位置情報および実際の到達時刻を含んだ再シミュレーション要求を送信し、
    該各ネットワーク装置から送信された再シミュレーション要求に応じて、先に作成したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の更新処理を行い、
    該更新したシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信することを特徴とする通信シミュレーション方法。
  2. 複数の移動可能なネットワーク装置と、該ネットワーク装置の移動に伴う通信環境の変化をシミュレーションする通信シミュレーション装置と、を備えた通信ネットワークであって、
    前記通信シミュレーション装置は、
    前記各ネットワーク装置について、少なくとも、通信可能距離に関する情報、移動ルートを特定する位置情報、前記移動ルート上での移動状態に関する移動計画情報、および、前記各ネットワーク装置が前記移動計画の通りに移動しているか否かの判定を行うチェックポイントの位置情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段により入力された情報に基づいて、前記各ネットワーク装置の移動ルート上での移動に伴う各々のネットワーク装置間の通信状態の変化をシミュレーションしたシミュレーション結果情報を作成すると共に、前記各ネットワーク装置が前記チェックポイントに到達する時刻を予測した到達予測時刻情報を作成するシミュレーション管理手段と、
    前記シミュレーション管理手段で作成されたシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を対応する前記ネットワーク装置にそれぞれ送信する送信手段と、
    前記各ネットワーク装置から送信される再シミュレーション要求に応じて、前記シミュレーション管理手段に対してシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の更新を指示すると共に、前記送信手段に対して更新されたシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報の送信を指示する再シミュレーション管理手段と、を備え、
    前記各ネットワーク装置は、それぞれ、
    前記通信シミュレーション装置から送信されるシミュレーション結果情報および到達予測時刻情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信したシミュレーション結果情報に基づいて、自装置の通信状態の変化予測を自装置に接続する他の通信装置に通知する通知手段と
    自装置の現在位置を検出する位置検出手段と、
    前記受信手段の受信情報に基づいて、前記位置検出手段で検出された現在位置がチェックポイント近傍に到達した時刻と、当該チェックポイントへの到達予測時刻との差分を求め、その差分が予め設定した誤差許容時間以上あるときに、当該チェックポイントの位置情報および実際の到達時刻を含んだ再シミュレーション要求を出力する再シミュレーション判定手段と、
    前記再シミュレーション判定手段から出力された再シミュレーション要求を前記通信シミュレーション装置に送信する送信手段と、を備えて構成されたことを特徴とする通信ネットワーク。
  3. 前記通信シミュレーション装置は、前記シミュレーション管理手段で作成されたシミュレーション結果情報をシミュレーション管理者に提示する提示手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の通信ネットワーク。
  4. 前記入力手段は、前記各ネットワーク装置の登録および固定情報を入力する固定情報入力部と、該固定情報入力部で登録された各ネットワーク装置の移動計画情報を入力する移動計画情報入力部と、該移動計画情報入力部で入力された各ネットワーク装置の移動計画情報に示された移動ルート上に前記チェックポイントを設定するチェックポイント情報入力部と、を有することを特徴とする請求項2または3に記載の通信ネットワーク。
  5. 前記各ネットワーク装置は、車両に搭載された無線式のルータであり、
    前記位置検出手段は、前記ルータに具備された衛星利用測位システムを用いて位置情報を定期的に取得することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の通信ネットワーク。
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