JP2007173137A - 真空インタラプタ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベローズの寿命を長くするとともに、小型で安価にし、かつ真空インタラプタもコンパクトにする。
【解決手段】ベローズ6は、内周面側が真空に晒されるとともに、外周面側が絶縁媒体ガスに晒されるように取り付けられ、ベローズ6の材質をインコネル材により形成するとともに、ベローズ6の1山当たりの伸縮量を2mm以上とした。
【選択図】図1
【解決手段】ベローズ6は、内周面側が真空に晒されるとともに、外周面側が絶縁媒体ガスに晒されるように取り付けられ、ベローズ6の材質をインコネル材により形成するとともに、ベローズ6の1山当たりの伸縮量を2mm以上とした。
【選択図】図1
Description
この発明は、真空インタラプタに関し、特にそのベローズの材質、山数等に関するものである。
真空インタラプタは、ガス絶縁開閉装置、キュービクル形ガス絶縁開閉装置、タンク型真空遮断器等に用いられ、絶縁媒体としてガス(SF6、空気、窒素等)が封入された密封容器内に組み込まれる。このため、真空インタラプタにおいて用いられる筒状のベローズは、特許文献1の図5に示されるように、外周側が真空に晒され、内周側が高圧の絶縁媒体ガスに晒され、内外の圧力差による応力が内周面側から外周面側に向かって作用することになり、ベローズの山谷部に変形が生じ、座屈が発生する恐れがあり、ベローズが破壊することもある。そこで、従来では、特許文献1に示すような真空インタラプタが考えられた。
図1は特許文献1に示された従来の真空インタラプタの断面図を示し、1は絶縁筒であり、その一端に固定側端板2が接合されて封止されるとともに、他端に可動側端板3が接合されて封止されている。可動側端板3は軸方向外側に伸びた後に径方向内側に伸び、さらに軸方向外側と内側に2分岐して伸びた後にそれぞれ径方向内側に伸びて形成されている。そして、固定側端板2には固定リード4が気密に貫通し、可動側端板3には可動リード5が遊嵌状態で貫通し、可動側端板3と可動リード5との間に筒状のベローズ6を介在させることにより、絶縁筒1、固定側端板2、可動側端板3及びベローズ6により内部が真空の真空容器7が形成される。ベローズ6の一端は可動側端板3の軸方向内端の内周側先端に気密に取り付けられ、ベローズ6の他端は可動リード5に気密に取り付けられる。
又、固定リード4の内端には固定電極8が取り付けられ、可動リード5の内端には可動電極9が取り付けられる。可動リード5は図示しない外部操作機器によって軸方向に移動されるようになっており、可動リード5の軸方向移動によって固定電極8と可動電極9とが接離して電流の投入、遮断が行われる。又、絶縁筒1の内周面には筒状のアークシールド10が取り付けられ、アークシールド10は電極8,9を取り囲み、溶融金属や金属蒸気が絶縁筒1の内周面に付着するのを防止する。
図1の構成の真空インタラプタは内周側は真空に晒され、外周側は高圧(2気圧以上)の絶縁媒体ガスに晒されるが、ベローズ6は外周面側から内周面側に向かう圧力に対しては大きな抗力を有しており、ベローズ6の山部が内周側に凹むような形状反転は生じ難く、ベローズ6の座屈は生じ難い。
特開2004−259449号公報
上記したように、特許文献1に示された真空インタラプタは、高圧力下でもベローズ6の形態が安定する構造である。しかしながら、ベローズ6の形態が安定する構造ではあるが、ベローズ6の内側と外側の圧力差は大きく、ベローズ6に対して大きな圧力が加わることは避けられない。このような差圧による応力が加わった条件下において、ベローズ6が伸縮動作を繰り返した場合、ベローズ6は金属疲労により機械的強度が低下し、破損する恐れがある。この場合、真空度が維持できなくなり、真空インタラプタとしての性能を失うことになる。
従来、ベローズにはSUS316Lなどのステンレス鋼が広く用いられているが、素材の機械的強度が劣るために、動作可能回数(寿命)に限界があり、真空遮断器の無負荷開閉回数として要求される1万回に到達することが困難となっていた。又、ベローズ6の山数が多ければ多いほど、真空インタラプタの開離距離は一定であるから、ベローズの1山当たりの伸縮量が小さくなるため、ベローズ6の寿命が伸びる。しかしながら、ベローズ6をできるだけ小さく、安価にするためには、できるだけ山数を減らす必要があり、そのためには1山当たりの伸縮量を大きくする必要があり、従来のベローズ6の材質では機械的強度が充分でないために1山当たりの伸縮量を大きくすることができず、山数が多くなってベローズ6の長さを短くすることは困難であった。
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、動作可能回数を(寿命)を延ばすことができるとともに、ベローズの山数を減少させることができ、ベローズを小さく、安価にすることができる真空インタラプタを得ることを目的とする。
この発明の請求項1に係る真空インタラプタは、筒材の一端側が固定側端板により封止されるとともに、筒材の他端側が可動側端板により封止され、固定側端板には固定リードが気密に貫通し、可動側端板には可動リードが遊嵌状態で貫通し、可動側端板と可動リードとの間にベローズを介在させることにより、筒材、固定側端板、可動側端板及びベローズにより内部が真空の真空容器を形成するとともに、絶縁媒体ガス中に配置された真空インタラプタにおいて、ベローズは、内周面側が真空に晒されるとともに、外周面側が絶縁媒体ガスに晒される状態で取り付けられ、かつベローズを機械的強度に優れたインコネル材により形成したものである。
請求項2に係る真空インタラプタは、前記インコネル材を、インコネル625(ニッケル61重量%、クロム20〜23重量%、モリブデン9重量%、鉄2.5重量%)としたものである。
請求項3に係る真空インアラプタは、前記ベローズを、ベローズの1山当たりの伸縮量を2mm以上としたものである。
以上のようにこの発明の請求項1によれば、ベローズを機械的強度に優れたインコネル材により形成したので、従来のステンレス鋼に比べて機械的強度に優れたベローズとなり、動作可能回数(寿命)を延ばすことができ、動作可能回数を真空遮断器の無負荷開閉回数として要求される1万回に到達させることができる。
又、請求項2によれば、インコネル材を張力に優れたインコネル625としたので、ベローズの内側と外側の圧力差による応力に強くなり、より一層ベローズの機械的強度を増すことができる。
又、請求項3によれば、ベローズの機械的強度が増加したので、同じ寿命に対する1山当たりの伸縮量を増加することができ、山数を減少させ、ベローズの長さを短くすることができ、真空インタラプタをコンパクトにすることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面とともに説明する。図1はこの発明の実施最良形態による真空インタラプタの断面図を示し、構成は従来と同様であるが、ベローズ6の材質とベローズ6の山数が異なる。即ち、ベローズ6を機械的強度が優れたインコネル材により形成し、特に高張力のインコネル625により形成し、またベローズ61山当たりの伸縮量を2mm以上に設定した。
上記した実施最良形態においては、ベローズ6を従来のSUS316Lなどのステンレス鋼と比較して、機械的強度に優れたインコネル材により形成したので、ベローズ6は機械的強度に優れたものとなり、動作可能回数(寿命)を延ばすことさでき、真空遮断器の無負荷開閉回数として要求される1万回に到達することができる。特に、張力に優れたインコネル625をベローズ6に適用することにより、ベローズ6の内側と外側の圧力差による応力に耐え得ることができるので、より一層動作可能回数を増やすことができる。又、ベローズ6の機械的強度が増加したので、ベローズ6の1山当たりの伸縮量を2mm以上とすることができ、同じ寿命に対する1山当たりの伸縮量が増加するため、ベローズ6の長さを短くすることができ、ベローズ6を小さく、安価にすることができ、真空インタラプタをコンパクトにすることができる。
なお、上記した実施最良形態においては、筒材として絶縁筒1を用いたが、中央部の金属筒の両端に絶縁筒を接合した筒材を用いた真空インタラプタにも、本発明を適用することができる。
1…絶縁筒
2…固定側端板
3…稼動側端板
4…固定リード
5…稼動側リード
6…ベローズ
7…真空容器
8,9…電極
2…固定側端板
3…稼動側端板
4…固定リード
5…稼動側リード
6…ベローズ
7…真空容器
8,9…電極
Claims (3)
- 筒材の一端側が固定側端板により封止されるとともに、筒材の他端側が可動側端板により封止され、固定側端板には固定リードが気密に貫通し、可動側端板には可動リードが遊嵌状態で貫通し、可動側端板と可動リードとの間にベローズを介在させることにより、筒材、固定側端板、可動側端板及びベローズにより内部が真空の真空容器を形成するとともに、絶縁媒体ガス中に配置された真空インタラプタにおいて、ベローズは、内周面側が真空に晒されるとともに、外周面側が絶縁媒体ガスに晒される状態で取り付けられ、かつベローズを機械的強度に優れたインコネル材により形成したことを特徴とする真空インタラプタ。
- 前記インコネル材は、インコネル625(ニッケル61重量%、クロム20〜23重量%、モリブデン9重量%、鉄2.5重量%)としたことを特徴とする請求項1記載の真空インタラプタ。
- 前記ベローズは、ベローズの1山当たりの伸縮量を2mm以上としたことを特徴とする請求項1または2記載の真空インタラプタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005371466A JP2007173137A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 真空インタラプタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005371466A JP2007173137A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 真空インタラプタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007173137A true JP2007173137A (ja) | 2007-07-05 |
Family
ID=38299398
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005371466A Pending JP2007173137A (ja) | 2005-12-26 | 2005-12-26 | 真空インタラプタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007173137A (ja) |
-
2005
- 2005-12-26 JP JP2005371466A patent/JP2007173137A/ja active Pending
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