JP2007171486A - 光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システム - Google Patents

光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システム Download PDF

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Abstract

【課題】高い反射率により、良好なトラッキング特性を得ることができ、情報記録部分の位置精度を高めることができ、良好な記録情報の再生信号特性を得るようにする。
【解決手段】光情報記録媒体12は、一主面にプリピット78が形成された基板60と、該基板60の一主面上に配され、記録用レーザ光20を反射させる反射層62と、反射層62上に配され、アクセス制御用レーザ光28を透過し、記録用レーザ光20を反射させる選択反射層70と、該選択反射層70上に配され、記録用レーザ光20によって情報の記録が行われる記録層74と、該記録層74上に配された反射防止層66とを有する。反射層62は、粒状の原料を使用して形成され、原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光と記録用の参照光とを有する記録用レーザ光に加えてサーボ制御用レーザ光が入射される光情報記録媒体と、該光情報記録媒体への情報記録方法及び情報記録システムに関し、例えばホログラフィック光記録媒体、光ディスク、光カード等に用いて好適な光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システムに関する。
一般に、ホログラフィを利用して記憶媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、イメージ情報を持った情報光と参照光とを記憶媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞パターンを記憶媒体に書き込むことによって行われる。記憶された情報の再生時には、その記憶媒体に参照光を照射することにより、干渉縞パターンによる回折によりイメージ情報が再生される。
そして、記録媒体に干渉パターンを記録する方式として、照度角度の異なる2つの光路にそれぞれ「情報光」と「参照光」を導いて別々に記録媒体に入射させることにより、記録媒体に干渉パターンを記録するようにした、いわゆる「2光束干渉法」がある(例えば特許文献1参照)。
この2光干渉法は、レーザ光源から出射されたレーザ光を途中で例えばビームスプリッタにて2つのレーザ光(第1レーザ光及び第2レーザ光)に分離し、そのうち、第1レーザ光を空間変調器にてイメージに変調して情報光とし、第2レーザ光を角度調整ミラーにて照射角度を調整して参照光とし、これら情報光と参照光を記録媒体上で交差させるようにしている。
この方法は、レーザ光を2つに分離する光学系、2つのレーザ光を記録媒体に集光させるための光学系、1つのレーザ光の照射角度を調整するための光学系等が必要であり、記録再生装置のサイズが大きくなるという問題がある。しかも、記録媒体として極めて高い平滑性や平行度が求められる等、様々な課題がある。
また、その他の従来例として例えば特許文献2及び3等がある。
さらに、従来においては、情報光と参照光とを同一の光路に導いて記録用レーザ光とし、この記録用レーザ光とサーボ制御用レーザ光を光情報記録媒体に入射させることによって前記光情報記録媒体に情報を記録するようにした記録方式(コリニア方式)が提案されている(例えば特許文献4及び非特許文献1参照)。
この提案例に係る方式においては、上述した2光干渉法に比べて光学系を大幅に簡素化でき、装置自体のサイズの小型化、低コスト化を図ることができる。しかも、CDやDVDで利用されているサーボ技術を使用して、回転する光ディスクの偏心や面振れに追従して任意のアドレスに干渉パターンを形成することが可能である。
提案例に係る方式にて情報を記録した記録媒体に対して、情報を再生する場合、記録用の参照光と同じパターンを有する再生用の参照光を記録媒体に照射する。記録媒体に再生用の参照光が照射されると、該参照光で囲まれた部分は、記録時の情報光によって変質しているため、この変質部分が反射して情報光の再生光として取り出されることになる。この再生光は再生用の参照光の光路と分離されて例えば固体撮像素子にて受光されて電気信号に変換されることになる。
特に、この方式では、再生用の参照光のほか、サーボ制御用のレーザ光も記録媒体に入射される。サーボ制御用のレーザ光は、記録媒体内に形成されたサーボ制御用の情報に到達させる必要があり、しかも、再生用の参照光は前記サーボ制御用の情報に到達させないようにする必要があるため、記録媒体の途中に選択反射層を形成するようにしている。
特開2005−18868号公報 特開2004−177958号公報 特表2005−502918号公報 特開2005−32308号公報 日経エレクトロニクス 2005年1月17日発行 p.105〜p.114
本発明は、上述した提案例に係る方式に適用した場合等において、高い反射率により、良好なトラッキング特性を得ることができ、情報記録部分の位置精度を高めることができ、良好な記録情報の再生信号特性を得ることができる光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システムを提供することを目的とする。
本発明に係る光情報記録媒体は、レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光と記録用の参照光とを有する記録用レーザ光に加えてアクセス制御用レーザ光が入射される光情報記録媒体であって、一主面にアクセス制御用の情報が形成された基板と、前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る情報記録方法は、レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光と記録用の参照光とを同一の光路に導いて記録用レーザ光とし、この記録用レーザ光とアクセス制御用レーザ光を光情報記録媒体に入射させることによって前記光情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、前記光情報記録媒体は、一主面にアクセス制御用の情報が形成された基板と、前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る情報記録システムは、レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光を出力する手段と、記録用の参照光を出力する手段と、前記情報光と前記参照光を同一の光路に導いて記録用レーザ光とする手段と、アクセス制御用レーザ光を出力する手段とを有し、前記記録用レーザ光と前記アクセス制御用レーザ光を光情報記録媒体に入射させることで前記光情報記録媒体に情報を記録する情報記録システムであって、前記光情報記録媒体は、一主面にアクセス制御用の情報が形成された基板と、前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする。
これらの発明においては、高い反射率により、良好なトラッキング特性を得ることができ、情報記録部分の位置精度を高めることができ、良好な記録情報の再生信号特性を得ることができる。
そして、前記反射層の表面の凹凸は、AFM(原子間力顕微鏡)で0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。
また、前記反射層は、金属又はその混合物であって、融点が500℃以上の物質で構成されていることが好ましい。
この場合、前記反射層に含まれる前記金属は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdが好ましく、さらに好ましくは、Ag、Au、Alである。
また、前記反射層に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちの前記金属成分とは別の金属成分であることが好ましい。
あるいは、前記反射層に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうち、いずれか1種類以上とを含むことが好ましい。
また、前記反射層は、AgInCa、AgP、AgPX(Xは、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうちのいずれか)、AgBiNd、AgBiY、AgNdCu、AgBi、AgInSn、AgPdCuのいずれかであること好ましく、その中で最も好ましいのは、AgNdCu、AgPdCu、AgBiNdである。
前記反射層は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法又は電子ビーム蒸着法にて形成することができる。この中でも、スパッタリング法が最も好ましい。DCマグネトロンでもRFマグネトロンでもいいが、DCマグネトロンスパッタが好ましい。
以上説明したように、本発明に係る光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システムによれば、高い反射率により、良好なトラッキング特性を得ることができ、情報記録部分の位置精度を高めることができ、良好な記録情報の再生信号特性を得ることができる。
以下、本発明に係る光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システムを例えばコリニア方式の光情報記録媒体に適用した実施の形態例を図1〜図5を参照しながら説明する。
まず、本実施の形態に係る情報記録システム10は、図1に示すように、光情報記録媒体12に対して情報の記録再生を光学的に行うピックアップ14と、該ピックアップ14にレーザ光を導く光学系16と、ピックアップ14のトラッキング制御及びフォーカス制御を行う制御系18とを有する。
光学系16は、情報光20a及び参照光20bを生成するためのレーザ光22を出力する第1レーザ光源24と、レーザ光22の光路に設置され、該レーザ光22を空間的に変調して情報光22aと参照光22bのパターンを有する記録用レーザ光20を生成する空間光変調器26と、光情報記録媒体12に形成されたアドレス検出やサーボ制御用の情報(以下、「アクセス制御用の情報」と記す)を検出するためのアクセス制御用レーザ光28を出力する第2レーザ光源30と、アクセス制御用レーザ光28の光路に設置され、戻り光32との分離を行う第1ビームスプリッタ34と、記録用レーザ光20とアクセス制御用レーザ光28とを合波し、且つ、戻り光32との分離を行う第2ビームスプリッタ36と、アクセス制御用レーザ光28を第2ビームスプリッタ36に導く第1ミラー38と、円偏向出射の実現と戻り光ノイズの低減のために設置された1/4波長板40とを有する。
ピックアップ14は、光学系16から供給された合成光42(記録用レーザ光20とアクセス制御用レーザ光28の合成光)を光情報記録媒体12に集光する対物レンズ44と、合成光42を対物レンズ44に導く第2ミラー46等を有する。
制御系18は、光学系16の第1ビームスプリッタ34にて分離されたアクセス制御用レーザ光28の戻り光32を受光して電気信号に変換する受光素子48と、受光素子48からの出力に応じてピックアップ14のトラッキングを制御するトラッキング制御機構50と、受光素子48からの出力に応じてピックアップ14のフォーカシングを制御するフォーカス制御機構52と、第1レーザ光源24、第2レーザ光源30、空間光変調器26等を制御する制御部54とを有する。
そして、本実施の形態に係る光情報記録媒体12は、図2に示すように、基板60と、反射層62と、透明層64と、反射防止層66が積層されて構成されている。
このうち、透明層64は複数の層で構成されている。すなわち、反射層62上に形成された第1ギャップ層68と、該第1ギャップ層68上に形成され、アクセス制御用レーザ光28を透過し、記録用レーザ光20を反射させる選択反射層70と、該選択反射層70上に形成された第2ギャップ層72と、該第2ギャップ層72上に形成され、記録用レーザ光20によって情報の記録が行われる記録層74と、該記録層74上に形成された保護層76とを有する。保護層76上に反射防止層66が形成されている。
ここで、光情報記録媒体12を構成する各層の好ましい材質等について説明する。
まず、基板60は、その一主面に、アクセス制御用の情報、すなわち、プリピット78が形成されている。反射層62は、基板60に形成されたプリピット78の凹凸に沿って形成され、該反射層62の上面にプリピット78の凹凸が反映されるようになっている。
基板60の材料としては、例えばポリカーボネート、ポリメタルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、アモルファスポリオレフィン及びポリエステル等を挙げることができ、所望によりそれらを併用してもよい。上記の材料の中では、生産性、耐湿性、寸法安定性及び価格等の点からポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが好ましい。ガラスは精度の点で好ましい。
基板60の厚みの下限は、0.1mm以上であり、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上である。上限は、2mm以下であり、好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。薄すぎると、光情報記録媒体12自体の反りが大きくなり、厚すぎると、光情報記録媒体12が重くなって光情報記録媒体12を高速回転させるための制御系18に負荷がかかり、回転制御が困難になるからである。
プリピット78の溝深さは、アクセス制御用レーザ光28の波長をλa、反射層62のアクセス制御用レーザ光28の入射側に存する媒質(第1ギャップ層68あるいは基板60)の屈折率をnaとしたとき、λa/(3na)〜λa/(10na)が好ましい。具体的には、アクセス制御用レーザ光28の波長λaが650nmで、反射層62のアクセス制御用レーザ光28の入射側に存する媒質の屈折率naが1.6である場合、プリピット78の溝深さは41〜135nmである。
屈折率naが多少変動したとしても、波長λaが650nmの場合、溝深さの上限は、120nm以下であり、好ましくは110nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。下限は、50nm以上であり、好ましくは60nm以上、さらに好ましくは70nm以上、より好ましくは80nm以上である。
なお、波長λaとして650nm以外の波長を用いる場合は、使用する波長を650nmに対して比例配分した値を上述した650nmの場合の溝深さに掛け合わせた値を用いることが好ましい。例えば波長λaが780nmで、屈折率naが1.6の場合、溝深さは49nm〜163nmであり、波長λaが405nmで、屈折率naが1.6の場合、溝深さは25nm〜84nmである。
プリピット78の溝幅は、CD、DVD等で用いる溝幅よりも広いことが好ましい。
例えばアクセス制御用レーザ光28の波長λaが650nmの場合、溝幅の下限は、0.25μm以上であり、好ましくは0.35μm以上、さらに好ましくは0.45μm以上、より好ましくは0.55μm以上である。溝幅の上限は、1.05μm以下であり、好ましくは0.95μm以下、さらに好ましくは0.85μm以下、より好ましくは0.75μm以下である。
アクセス制御用レーザ光28の波長λaが780nmの場合、溝幅の下限は、0.45μm以上であり、好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1μm以上である。溝幅の上限は、2μm以下であり、好ましくは1.6μm以下、さらに好ましくは1.3μm以下、より好ましくは1.1μm以下である。
アクセス制御用レーザ光28の波長λaが405nmの場合、溝幅の下限は、0.2μm以上であり、好ましくは0.25μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、より好ましくは0.35μm以上である。溝幅の上限は、1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下、さらに好ましくは0.6μm以下、より好ましくは0.5μm以下である。
プリピット78の角度は、下限として25°以上、35°以上、40°以上、45°以上を選ぶことができ、上限として90°(直角を意味する)以下、80°以下、70°以下、60°以下を選ぶことができる。
アクセス制御用レーザ光28の波長λaとして、上述の例では、代表的に405nm、650nm、780nmを提示したが、これに固執することなく、以下に示す範囲の波長を用いることができる。
すなわち、波長λaとして405nmの代わりに、350〜500nmのうちの任意の波長、好ましくは390〜440nmのうちの任意の波長、さらに好ましくは400〜420nmのうちの任意の波長を使用することができる。
同様に、波長λaとして650nmの代わりに、620〜700nmのうちの任意の波長、好ましくは640〜690nmのうちの任意の波長、さらに好ましくは650〜680nmのうちの任意の波長を使用することができる。
波長λaとして780nmの代わりに、750〜1000nmのうちの任意の波長、好ましくは770〜900nmのうちの任意の波長、さらに好ましくは780〜830nmのうちの任意の波長を使用することができる。
また、プリピット78のトラックピッチについては以下のように設定することが好ましい。
すなわち、アクセス制御用レーザ光28の波長λaが620〜700nmである場合、トラックピッチの下限は、0.85μm以上であり、好ましくは1.1μm以上、さらに好ましくは1.3μm以上、より好ましくは1.5μm以上である。トラックピッチの上限は、30μm以下であり、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
通常のDVD(レーザ光の波長=650nm近傍)のトラックピッチは0.74μmであるが、本実施の形態のように、記録層74がある場合、途中の光の散乱でトラッキングが不安定になるため、トラックピッチは広いことが好ましい。但し、広すぎると記録密度が低下するため、上述のように設定することが好ましい。
また、アクセス制御用レーザ光28の波長λaが750〜1000nmである場合、トラックピッチの下限は、1.7μm以上であり、好ましくは1.9μm以上、さらに好ましくは2.3μm以上である。トラックピッチの上限は、30μm以下であり、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
通常のCD(レーザ光の波長=780nm近傍)のトラックピッチは1.6μmであるが、本実施の形態のように、記録層74がある場合、途中の光の散乱でトラッキングが不安定になるため、トラックピッチは広いことが好ましい。但し、広すぎると記録密度が低下するため、上述のように設定することが好ましい。
アクセス制御用レーザ光28の波長λaが350〜500nmである場合、トラックピッチの下限は、0.4μm以上であり、好ましくは0.6μm以上、さらに好ましくは0.8μm以上、より好ましくは1μm以上である。トラックピッチの上限は、30μm以下であり、好ましくは20μm以下、さらに好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。
通常のCD(レーザ光の波長=405nm近傍)のトラックピッチは0.32〜0.4μmであるが、本実施の形態のように、記録層74がある場合、途中の光の散乱でトラッキングが不安定になるため、トラッキピッチは広いことが好ましい。但し、広すぎると記録密度が低下するため、上述のように設定することが好ましい。
これらプリピット78の値は、AFM(原子間力顕微鏡)により測定することができる。なお、プリピット78の角度とは、プリピット78の溝深さをDとしたとき、溝形成前の基板60の表面を基準とし、その表面からD/10の深さの傾斜部と、プリピット78の最も深い箇所からD/10の高さの傾斜部とを結ぶ直線と、基板60の一つの面(例えばプリピット78の底面)とのなす角である。
このような溝形状のプリピット78を有する基板60を作製するには、射出形成時に用いるスタンパが、高精度なマスタリングによって形成されていることが必要である。このマスタリングには、DUV(波長330nm以下、深紫外線)レーザや、EB(電子ビーム)によるカッティングを用いることが好ましい。
さらに、本実施の形態では、図3に示すように、基板60の内周側及び/又は外周側にダミーピット80が形成されている。この理由について、図3及び図4を参照しながら説明する。なお、プリピットが形成された領域は、アクセス制御用レーザ光28にてアドレス等をアクセスすることができる有効アクセス領域82である。
まず、比較例としてダミーピット80が形成されていない光情報記録媒体12Aを想定すると、図4に示すように、選択反射層70の成膜状態は、プリピット78が形成された有効アクセス領域82に対応した部分とそれ以外の部分で異なる。具体的には、有効アクセス領域82に対応した部分はプリピット78の影響を受けてその表面(第2ギャップ層72との界面)が粗面84となっているが、それ以外の部分はほぼ平坦86となっている。
一般に、アクセス制御用レーザ光28は波長が短く、記録用レーザ光20は波長が長いため、アクセス制御用レーザ光28を有効アクセス領域82の最外周(又は最内周)のトラックに位置させて、該トラックに情報を記録する場合、アクセス制御用レーザ光28の選択反射層70上でのスポット径S1はほぼ100μmであるが、記録用レーザ光20の選択反射層70上でのスポット径S2はほぼ200μmであり、アクセス制御用レーザ光28のスポットよりも外側にはみ出ることとなる。そのはみ出た部分の一部が有効アクセス領域82に対応した部分以外の部分に位置することになる。つまり、記録用レーザ光20の選択反射層70上でのスポット内に、プリピット78の存在によって粗面84とされた部分と平坦86とされた部分とが混在することとなり、記録層74への情報の記録特性のうち、最外周(又は最内周)及びその近傍のトラックに対する記録特性と、その他のトラックに対する記録特性が異なり、この記録特性の違いが記録エラーとして検出されることとなる。
そこで、本実施の形態では、図3に示すように、有効アクセス領域82の最外周88と光情報記録媒体12の基板60の外周端90との間に、有効アクセス領域82の最外周88に隣接し、且つ、有効アクセス領域82の最外周88のトラックに沿って複数のトラックからなるダミーピット80(プリピット78と同様の形状)を形成し、さらに、有効アクセス領域の最内周92と基板60の内周端94(中心孔96の内壁)との間に、有効アクセス領域82の最内周92に隣接し、且つ、有効アクセス領域82の最内周92のトラックに沿って複数のトラックからなるダミーピット80(プリピット78と同様の形状)を形成するようにしている。
その結果、アクセス制御用レーザ光28を有効アクセス領域82の最外周88(又は最内周92)のトラックに位置させて、該トラックに情報を記録する場合、記録用レーザ光20の選択反射層70上でのスポット内は、プリピット78が形成された部分とダミーピット80が形成された部分とが混在することになるが、いずれもその表面状態はほぼ同様に粗面84となっており、記録層74への情報の記録特性のうち、有効アクセス領域82の最外周88(又は最内周92)及びその近傍のトラックに対する記録特性と、その他のトラックに対する記録特性はほぼ同じになり、記録エラーは大幅に低減されることとなる。
ダミーピット80の形成領域98a及び98bの範囲は、例えば半径方向の長さでみたとき、記録用レーザ光20の選択反射層70の表面(第2ギャップ層72との界面)でのスポット直径S2の半分以上の寸法が好ましい。すなわち、ダミーピット80の形成領域98における半径方向の長さは、下限として、100μm以上、500μm以上、1mm以上、1.5mm以上を選ぶことができ、上限として、20mm以下、10mm以下、5mm以下、3mm以下を選ぶことができる。
また、有効アクセス領域82の最外周88と基板60の外周端90との間に形成されるダミーピット80の形成領域98aの外端100は、基板60の外周端90から1mmの位置あるいはそれよりも内側(基板60の中心に向かう方向)に位置させ、ダミーピット80の形成領域98aの内端(すなわち、有効アクセス領域82の最外周88)は、基板60の外周端90から10mmの位置あるいはそれよりも外側(基板60の外周端90に向かう方向)に位置させることが好ましい。
有効アクセス領域82の最内周92と基板60の内周端94(中心孔96の内壁)との間に形成されるダミーピット80の形成領域98bの内端102は、基板60の内周端94から10mmの位置あるいはそれよりも外側(基板60の外周端90に向かう方向)に位置させ、ダミーピット80の形成領域98bの外端(すなわち、有効アクセス領域82の最内周92)は、基板60の内周端94から18mmの位置あるいはそれよりも内側(基板60の中心に向かう方向)に位置させることが好ましい。
ダミーピット80の形成領域98a及び98bが狭すぎると、記録エラーを抑える効果が薄れる。広すぎると、有効アクセス領域82が狭くなることと、スパッタカッティング時間が長くなり、生産性が悪くなる。
そして、本実施の形態に係る光情報記録媒体12の反射層62は、粒状の原料を使用して形成され、原料の平均粒径は、X線回折法により、0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。反射層62の表面の凹凸は、AFM(原子間力顕微鏡)で0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。粒状が原料は、あまり細かすぎると、密着性が悪くなり、保存性能が低下するからである。
反射層62の材質は、金属又はその混合物であって、融点が500℃以上の物質が保存性の面で好ましい。この場合、反射層に含まれる前記金属は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdが好ましく、さらに好ましくは、Ag、Au、Alである。
また、反射層62に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちの前記金属成分とは別の金属成分であることが好ましい。
あるいは、反射層62に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうち、いずれか1種類以上とを含むことが好ましい。
具体的には、反射層62は、AgInCa、AgP、AgPX(Xは、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうちのいずれか)、AgBiNd、AgBiY、AgNdCu、AgBi、AgInSn、AgPdCuのいずれかであること好ましく、その中で最も好ましいのは、AgNdCu、AgPdCu、AgBiNdである。
反射層62は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法又は電子ビーム蒸着法にて形成することができる。この中でも、スパッタリング法が最も好ましい。DCマグネトロンでもRFマグネトロンでもいいが、DCマグネトロンスパッタが好ましい。
この場合の反射層62の好ましいスパッタ成膜条件は、以下の通りである。
すなわち、印加電圧の下限は、200V以上であり、好ましくは400V以上、さらに好ましくは600V以上である。印加電圧の上限は、3000V以下であり、好ましくは2000V以下、さらに好ましくは1500V以下である。
印加出力の下限は、0.5kW以上であり、好ましくは1kW以上、さらに好ましくは2kW以上である。印加出力の上限は、30kW以下であり、好ましくは20kW以下、さらに好ましくは10kW以下である。
ガス圧力の下限は、0.01Pa以上であり、好ましくは0.05Pa以上、さらに好ましくは0.1Pa以上である。ガス圧力の上限は、20Pa以下であり、好ましくは10Pa以下、さらに好ましくは5Pa以下である。
スパッタ時間の下限は、0.1秒以上であり、好ましくは0.5秒以上、さらに好ましくは1秒以上である。スパッタ時間の上限は、500秒以下であり、好ましくは50秒以下、さらに好ましくは10秒以下である。
ガス流量の下限は、0.1SCCM以上であり、好ましくは1SCCM以上、さらに好ましくは5SCCM以上である。ガス流量の上限は、500SCCM以下であり、好ましくは200SCCM以下、さらに好ましくは100SCCM以下である。
ガスの種類は、不活性ガスが好ましい。その中でもアルゴンや窒素が好ましく、さらに好ましくはアルゴンである。
酸素濃度の下限は、0.01ppm以上であり、好ましくは0.1ppm以上である。酸素濃度の上限は、1%以下であり、好ましくは0.1%以下、さらに好ましくは0.01%以下である。
水分量の下限は、0.0001ppm以上であり、好ましくは0.001ppm以上、さらに好ましくは0.01ppm以上である。水分量の上限は、100ppm以下であり、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは1ppm以下である。
次に、第1ギャップ層68は、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
第1ギャップ層68は、前記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して溶液を調製した後、この溶液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート、バーコート、スクリーン印刷等の塗布法により基板の表面に塗布することにより形成することができる。第1ギャップ層68の層厚は、0.5〜300μmの範囲にあり、好ましくは5〜200μmの範囲にあり、さらに好ましくは10μm〜120μmである。また、紫外線硬化や熱硬化する材料も好ましい。特に紫外線硬化型が好ましい。
有機材料で形成されたフィルムを貼ることによって形成してもよい。材質としては、ポリカーボネート、TAC、PMMA等が好ましい。特に好ましくはPMMAである。貼着の方法としては、粘着剤か紫外線硬化接着剤によって行うことができる。
さらに、防湿、固さの向上、光学特性の向上のために、無機材料の真空成膜層を形成してもよい。
次に、選択反射層70は、ダイクロイック・ミラーに使われるものであれば、何でもよいが、本実施の形態では、図1に示す本実施の形態に係る情報記録システム10に対応させて光情報記録媒体12の上面から2種類のレーザ光(アクセス制御用レーザ光28と記録用レーザ光20)が入射するため、アクセス制御用レーザ光28を透過し、記録用レーザ光20を反射するような膜設計になっていることが好ましい。
そして、この選択反射層70は、粒状の原料を使用して形成され、原料の平均粒径は、X線回折法により、0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。選択反射層70の表面の凹凸は、AFM(原子間力顕微鏡)で0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。粒状が原料は、あまり細かすぎると、密着性が悪くなり、保存性能が低下するからである。
また、選択反射層70を構成する原料は、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2等の金属酸化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、In23、TaS4等の硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物、MgF2等のフッ化物、ダイヤモンド状カーボンを含む群から選択された1つの材料、又は前記群から選択された2以上の材料の混合物を有するようにしてもよい。
また、選択反射層70は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法又は電子ビーム蒸着法にて形成することができる。この中でも、スパッタリング法が最も好ましい。DCマグネトロンでもRFマグネトロンでもいいが、DCマグネトロンスパッタが好ましい。
また、選択反射層70は、2層以上、50層以下の積層膜にて構成することが好ましい。すなわち、2層以上積層する。好ましくは3層以上、5層以上積層する。上限は、50層以下、好ましくは30層以下、さらに好ましくは15層以下、より好ましくは10層以下である。
また、選択反射層70は、屈折率の高い層と低い層が交互に積層されて構成されていることが好ましい。この場合、隣接する屈折率の高い層と低い層の屈折率差は、0.1以上、10以下であることが好ましい。すなわち、屈折率差は0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上あることが好ましい。上限は、10以下、好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下である。もちろん、選択反射層を構成する積層膜が例えば3層である場合に、下層の屈折率をn1、中間層の屈折率をn2、上層の屈折率をn3としたとき、n3>n2>n1という関係でもよい。
選択反射層70の厚みは、記録用レーザ光20の波長をλ、該選択反射層70の記録用レーザ光20の入射側に存する媒質の屈折率をnとしたとき、λ/(20n)以上、3λ以下であることが好ましい。すなわち、厚みは、λ/(20n)以上であり、好ましくはλ/(12n)以上、さらに好ましくはλ/(9n)以上、より好ましくはλ/(7n)以上である。上限は、3λ以下、好ましくは2λ以下、さらに好ましくはλ以下、より好ましくは(3/4)λ以下である。
また、選択反射層70は、隣接する層の厚みの差は、記録用レーザ光20の波長をλとしたとき、λ/2であることが好ましい。
次に、第2ギャップ層72は、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカップリング剤等の表面改質剤;を挙げることができる。
第2ギャップ層72は、前記材料を適当な溶剤に溶解又は分散して溶液を調製した後、この溶液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョンコート、バーコート、スクリーン印刷等の塗布法により基板の表面に塗布することにより形成することができる。第2ギャップ層72の層厚は、0.5〜300μmの範囲にあり、好ましくは5〜200μmの範囲にあり、さらに好ましくは10μm〜120μmである。また、紫外線硬化や熱硬化する材料も好ましい。特に紫外線硬化型が好ましい。
有機材料で形成されたフィルムを貼る事によって形成してもよい。材質としては、ポリカーボネート、TAC、PMMA等が好ましい。特に好ましくはPMMAである。貼着の方法としては、粘着剤か紫外線硬化接着剤によって行うことができる。
さらに、防湿、固さの向上、光学特性の向上のために、無機材料の真空成膜層を形成してもよい。
次に、記録層74の材料は、光熱変換材料、感光性樹脂、バインダ及び必要に応じて適宜選択したその他の成分が含まれる。
前記感光性樹脂としては、ホログラフィに用いられるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばフォトポリマが好ましい。
前記フォトポリマとしては、光照射で重合反応が起こり、高分子化するものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばモノマ及び光開始剤を含有してなり、さらに必要に応じて増感剤、オリゴマ等のその他の成分を含有してなる。
前記フォトポリマとしては、例えば「フォトポリマーハンドブック」(工業調査会、1989年)、「フォトポリマ−テクノロジー」(日刊工業新聞社、1989年)、SPIE予稿集 Vol.3010 p.354−372(1997)及びSPIE予稿集 Vol.3291 p.89−103(1998)に記載されているものを用いることができる。また、米国特許第5,759,721号明細書、同第4,942,112号明細書、同第4,959,284号明細書、同第6,221,536号明細書、同第6,743,552号明細書、国際公開第97/44717号パンフレット、同第97/13183号パンフレット、同第99/26112号パンフレット、特許第2880342号公報、同第2873126号公報、同第2849021号公報、同第3057082号公報、同第3161230号公報、特開2001−316416号公報、特開2000−275859号公報等に記載されているフォトポリマを用いることができる。
前記フォトポリマに記録光を照射して光学特性を変化させる方法としては、低分子成分の拡散を利用した方法等が挙げられる。また、重合時の体積変化を緩和するため,重合成分とは逆方向へ拡散する成分を添加してもよく、あるいは、酸開裂構造を有する化合物を重合体のほかに別途添加してもよい。なお、前記低分子成分を含むフォトポリマを用いて記録層を形成する場合には、記録層中に液体を保持可能な構造を必要とすることがある。また、酸開裂構造を有する化合物を添加する場合には、その開裂によって生じる膨張と、モノマの重合によって生じる収縮とを補償させることにより、体積変化を抑制するようにしてもよい。
前記モノマとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアクリル基やメタクリル基のような不飽和結合を有するラジカル重合型のモノマ、エポキシ環やオキセタン環のようなエーテル構造を有するカチオン重合型系モノマ等が挙げられる。これらのモノマは、単官能であっても多官能であってもよい。また、光架橋反応を利用したものであってもよい。
前記ラジカル重合型のモノマとしては、例えばアクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールPO変性ジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパンアクリレート、2−ナフト−1−オキシエチルアクリレート、2−カルバゾイル−9−イルエチルアクリレート、(トリメチルシリルオキシ)ジメチルシリルプロピルアクリレート、ビニル−1−ナフトエート、N−ビニルカルバゾール、2,4,6−トリブロムフェニルアクリレート、ペンタブロムアクリレート、フェニルチオエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。
前記カチオン重合型系モノマとしては、例えばビスフェノールAエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、グリセロールトリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサングリシジルエーテル、ビニルトリメトキシシラン、4−ビニルフェニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、下記構造式(M1)〜(M6)で表される化合物、等が挙げられる。
これらモノマは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
Figure 2007171486
前記光開始剤としては、記録光に感度を有するものであれば特に制限はなく、光照射によりラジカル重合、カチオン重合、架橋反応等を引き起こす材料等が挙げられる。
前記光開始剤としては、例えば2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシフェニルビニル)−1,3,5−トリアジン、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ジ−t−ブチルジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−ジエチルアミノフェニルベンゼンジアゾニウムヘキサフルオロホスフェート、ベンゾイン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン、ベンゾフェノン、チオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルアシルホスフィンオキシド、トリフェニルブチルボレートテトラエチルアンモニウム、ビス(η−5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)、ビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニルチタニウム〕、ジフェニル−4−フェニルチオフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、照射する光の波長に合わせて増感色素を併用してもよい。
前記記録層の貯蔵安定性を改良する目的でフォトポリマの重合禁止剤や酸化防止剤を加えてもよい。重合禁止剤、酸化防止剤としては、例えばハイドロキノン、p−ベンゾキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,6−ジターシャリ−ブチル−p−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリ−ブチルフェノール)、トリフェルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、フェノチアジン、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられる。使用量としては、組成物に使用するモノマの全量に対して3重量%以内であり、3重量%を越えると重合が遅くなるか、著しい場合は重合しなくなる。
前記フォトポリマは、前記モノマ、前記光開始剤、さらに必要に応じてその他の成分を攪拌混合し、反応させることによって得られる。得られたフォトポリマが十分に低い粘度ならばキャスティングすることによって記録層を形成することができる。一方、キャスティングすることができない高粘度フォトポリマである場合には、ディスペンサを用いて第2の基板にフォトポリマを盛り付け、このフォトポリマ上に第1の基板で蓋をするように押し付けて、全面に広げて記録層を形成することができる。
前記フォトポリマ以外の有用な感光性樹脂としては、(1)フォトリフラクティブ効果(光照射で空間電荷分布が生じて屈折率が変調する)を示すフォトリフラクティブ材料、(2)光照射で分子の異性化が起こり、屈折率が変調するフォトクロミック材料、(3)カルコゲン材料、等が挙げられる。
前記(1)のフォトリフラクティブ材料としては、フォトリフラクティブ効果を示すものであるならば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば電荷発生材及び電荷輸送材を含有してなり、さらに必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記電荷発生材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン、又はそれらの誘導体等のフタロシアニン色素/顔料;ナフタロシアニン色素/顔料;モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ等のアゾ系色素/顔料;ペリレン系染料/顔料;インジゴ系染料/顔料;キナクリドン系染料/顔料;アントラキノン、アントアントロン等の多環キノン系染料/顔料;シアニン系染料/顔料;TTF−TCNQで代表されるような電子受容性物質と電子供与性物質とからなる電荷移動錯体;アズレニウム塩;C60及びC70で代表されるフラーレン並びにその誘導体であるメタノフラーレン、等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送材は、ホール又はエレクトロンを輸送する材料であり、低分子化合物であってもよく、又は高分子化合物であってもよい。
前記電荷輸送材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばインドール、カルバゾール、オキサゾール、インオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサアジアゾール、ピラゾリン、チアチアゾール、トリアゾール等の含窒素環式化合物、又はその誘導体;ヒドラゾン化合物;トリフェニルアミン類;トリフェニルメタン類;ブタジエン類;スチルベン類;アントラキノンジフェノキノン等のキノン化合物、又はその誘導体;C60及びC70等のフラーレン並びにその誘導体;ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等のπ共役系高分子又はオリゴマ;ポリシラン、ポリゲルマン等のσ共役系高分子又はオリゴマ;アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネン等の多環芳香族化合物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フォトリフラクティブ材料を用いて記録層を形成する方法としては、例えば前記フォトリフラクティブ材料を溶媒中に溶解乃至は分散させてなる塗布液を用いて塗膜を形成し、この塗膜から溶媒を除去することにより記録層を形成することができる。また、加熱して流動化させた前記フォトリフラクティブ材料を用いて塗膜を形成し、この塗膜を急冷することにより記録層を形成することもできる。
前記(2)のフォトクロミック材料は、フォトクロミック反応を起こす材料であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばアゾベンゼン化合物、スチルベン化合物、インジゴ化合物、チオインジゴ化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、フルキド化合物、アントラセン化合物、ヒドラゾン化合物、桂皮酸化合物、ジアニールエテン化合物等が挙げられる。これらの中でも、光照射によりシス−トランス異性化により構造変化を起こすアゾベンゼン誘導体、スチルベン誘導体、光照射により開環−閉環の構造変化を起こすスピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体が特に好ましい。
前記(3)のカルコゲン材料としては、例えばカルコゲン元素を含むカルコゲナイドガラスと、このカルコゲナイドガラス中に分散されており、光の照射により、カルコゲナイドガラス中に拡散可能な金属からなる金属粒子とを含む材料、等が挙げられる。
前記カルコゲナイドガラスは、S、Te又はSeのカルコゲン元素を含む非酸化物系の非晶質材料から構成されるものであり、金属粒子の光ドープが可能なものであれば、特に限定されない。
前記カルコゲン元素を含む非晶質材料としては、例えばGe−S系ガラス、As−S系ガラス、As−Se系ガラス、As−Se−Ce系ガラス等が挙げられ、これらの中ではGe−S系ガラスが好ましい。前記カルコゲナイドガラスとしてGe−S系ガラスを用いる場合には、ガラスを構成するGe及びSの組成比は、照射する光の波長に応じて任意に変化させることができるが、主としてGeS2で表される化学組成を有するカルコゲナイドガラスが好ましい。
前記金属粒子は、光の照射によりカルコゲナイドガラス中に光ドープされる特性を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばAl、Au、Cu、Cr、Ni、Pt、Sn、In、Pd、Ti、Fe、Ta、W、Zn、Ag等が挙げられる。これらの中では、Ag、Au又はCuが光ドープをより生じやすい特性を有しており、Agは光ドープを顕著に生じるため特に好ましい。
前記カルコゲナイドガラスに分散されている金属粒子の含有量としては、前記記録層の全体積基準で0.1〜2体積%が好ましく、0.1〜1.0体積%がより好ましい。前記金属粒子の含有量が、0.1体積%未満であると、光ドープによる透過率変化が不十分となって記録の精度が低下することがあり、2体積%を超えると、記録材料の光透過率が低下して光ドープを十分に生じさせることが困難となることがある。
前記バインダは、塗膜性、膜強度、及びホログラム記録特性向上の効果を高める目的で使用されるものであり、ホログラム材料及び光熱変換物質との相溶性を考慮して適宜選択される。
前記バインダとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば(メタ)アクリル酸やイタコン酸等の不飽和酸と、(メタ)アクリル酸アルキル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、スチレン、α−メチルスチレン等との共重合体;ポリメチルアクリレートに代表されるメタクリル酸アルキルやアクリル酸アルキルの重合体;(メタ)アクリル酸アルキルとアクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン等との共重合体;アクリロニトリルと塩化ビニルや塩化ビニリデンとの共重合体;側鎖にカルボキシル基を有するセルロース変性物;ポリエチレンオキシド;ポリビニルピロリドン;フェノール、o−、m−、p−クレゾール、及び/又はキシレノールとアルデヒド、アセトン等との縮合反応で得られるノボラック樹脂;エピクロロヒドリンとビスフェノールAとのポリエーテル;可溶性ナイロン;ポリ塩化ビニリデン;塩素化ポリオレフィン;塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体;酢酸ビニルの重合体;アクリロニトリルとスチレンとの共重合体;アクリロニトリルとブタジエン及びスチレンとの共重合体;ポリビニルアルキルエーテル;ポリビニルアルキルケトン;ポリスチレン;ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレートイソフタレート;アセチルセルロース;アセチルプロピオキシセルロース;アセチルブトキシセルロース;ニトリセルロース;セルロイド;ポリビニルブチラール;エポキシ樹脂;メラミン樹脂;フォルマリン樹脂等が挙げられる。なお、本明細書では、「アクリル、メタクリル」の双方あるいはいずれかを指す場合、「(メタ)アクリル」と表記することがある。
前記記録層の固形分中のバインダの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10〜95質量%であることが好ましく、35〜90質量%であることがより好ましい。前記含有量が、10質量%未満であると、安定な干渉像が得られないことがあり、95質量%を超えると、回折効率の点で望ましい性能が得られないことがある。
前記バインダの感光層中における含有量は、全感光層固形分中、10〜95質量%が好ましく、35〜90質量%がより好ましい。
また、本実施の形態においては、光熱変換効果を向上させる目的で、ニトロセルロースを記録層中にさらに含有させることが好ましい。ニトロセルロースは、近赤外レーザ光を光吸収剤が吸収し発生した熱により分解し、効率よくフォトポリマの重合反応を促進させることができる。
前記ニトロセルロースは、常法により精製した天然のセルロースを混酸で硝酸エステル化し、セルロースの構成単位であるグルコピラノース環に存在する3個の水酸基の部分にニトロ基を一部又は全部導入することによって得ることができる。前記ニトロセルロースの硝化度としては、2〜13が好ましく、10〜12.5がより好ましく、11〜12.5がさらに好ましい。ここで、硝化度とは、ニトロセルロース中の窒素原子の重量%を表す。硝化度が著しく高いと、フォトポリマの重合反応の促進効果は高められるが、室温安定性が低下する傾向にある。また、ニトリセルロースが爆発性となり危険が伴う。硝化度が低いと、フォトポリマの重合反応の促進効果が十分得られない。
また、ニトロセルロースの重合度は20〜200が好ましく、25〜150がより好ましい。重合度が著しく高いと、記録層の除去が不完全となる傾向にある。重合度が著しく低いと、記録層の塗膜性が不良になる傾向にある。ニトロセルロースの記録層中における含有率は、記録層全固形成分に対して0〜80重量%が好ましく、0.5〜50重量%がより好ましく、1〜25重量%がさらに好ましい。
前記記録層は、材料に応じて公知の方法に従って形成することができ、例えば、蒸着法、湿式成膜法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、分子積層法、LB法、印刷法、転写法、等により好適に形成することができる。また、米国特許第6,743,552号明細書に記載されている2成分ウレタンマトリックス形成方法でもよい。
前記湿式成膜法による前記記録層の形成は、例えば前記記録層の材料を溶剤に溶解乃至分散させた溶液(塗布液)を用いる(塗布し乾燥する)ことにより、好適に行うことができる。該湿式成膜法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、インクジェット法、スピンコート法、ニーダーコート法、バーコード法、ブレードコート法、キャスト法、ディップ法、カーテンコート法等が挙げられる。
前記記録層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1〜1000μmが好ましく、100〜700μmがより好ましい。
前記記録層の厚みが、前記好ましい数値範囲であると、10〜300多重のシフト多重記録を行っても十分なS/N比を得ることができ、前記より好ましい数値範囲であるとそれが顕著である点で有利である。
次に、保護層76は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電磁波硬化性樹脂、ガラス等が用いられる。熱可塑性樹脂としては、ポリカーボネート、アモルファスポリオレフィンが生産性の点で好ましい。ガラスは精度の点で好ましい。
保護層76の厚みの下限は、0.1mm以上であり、好ましくは0.3mm以上、さらに好ましくは0.5mm以上である。上限は、2mm以下であり、好ましくは1.5mm以下、さらに好ましくは1mm以下である。薄すぎると、光情報記録媒体12自体の反りが大きくなり、厚すぎると、光情報記録媒体12が重くなって光情報記録媒体12を高速回転させるための制御系18に負荷がかかり、回転制御が困難になるからである。
保護層76の光透過率の下限は、70%以上、好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上であり、上限は、99.9%以下、好ましくは99%以下、さらに好ましくは98%以下である。光透過率が低すぎると、信号の読取り精度が低くなり、反対に高すぎると生産性が悪くなるからである。
次に、反射防止層66は、粒状の原料を使用して形成され、原料の平均粒径は、X線回折法により、0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。反射防止層66の表面の凹凸は、AFM(原子間力顕微鏡)で0.001μm以上、10μm以下であることが好ましい。粒状が原料は、あまり細かすぎると、密着性が悪くなり、保存性能が低下するからである。
また、反射防止層66を構成する原料は、SiO、SiO2、ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、MgO、ZrO2等の金属酸化物、Si34、AlN、TiN、BN、ZrN等の窒化物、ZnS、In23、TaS4等の硫化物、SiC、TaC、B4C、WC、TiC、ZrC等の炭化物、MgF2等のフッ化物、ダイヤモンド状カーボンを含む群から選択された1つの材料、又は前記群から選択された2以上の材料の混合物を有するようにしてもよい。
また、反射防止層66は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法又は電子ビーム蒸着法にて形成することができる。この中でも、スパッタリング法が最も好ましい。DCマグネトロンでもRFマグネトロンでもいいが、DCマグネトロンスパッタが好ましい。
また、反射防止層66は、1層の単層膜、あるいは2層以上、12層以下の積層膜にて構成することが好ましい。すなわち、1層以上積層する。好ましくは2層以上、3層以上積層する。上限は、12層以下、8層以下、6層以下、5層以下を選択することができる。
また、反射防止層66は、屈折率の高い層と低い層が交互に積層されて構成されていることが好ましい。この場合、隣接する屈折率の高い層と低い層の屈折率差は、0.1以上、10以下であることが好ましい。すなわち、屈折率差は0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上あることが好ましい。上限は、10以下、好ましくは7以下、さらに好ましくは5以下である。もちろん、反射防止層66を構成する積層膜が例えば3層である場合に、下層の屈折率をn11、中間層の屈折率をn12、上層の屈折率をn13としたとき、n13>n12>n11という関係でもよい。
反射防止層66の厚みは、記録用レーザ光20の波長をλ、該反射防止層66の記録用レーザ光20の入射側に存する媒質の屈折率をnとしたとき、λ/(20n)以上、3λ以下であることが好ましい。すなわち、厚みは、λ/(20n)以上であり、好ましくはλ/(12n)以上、さらに好ましくはλ/(9n)以上、より好ましくはλ/(7n)以上である。上限は、3λ以下、好ましくは2λ以下、さらに好ましくはλ以下、より好ましくは(3/4)λ以下である。
また、反射防止層66は、隣接する層の厚みの差は、記録用レーザ光20の波長をλとしたとき、λ/2であることが好ましい。
そして、上述のように構成された光情報記録媒体12に対して情報を記録する場合は、図1に示すように、第2レーザ光源30からアクセス制御用レーザ光28が出力される。このアクセス制御用レーザ光28は、第1ビームスプリッタ34、第1ミラー38、第2ビームスプリッタ36、1/4波長板40、ピックアップ14内の第2ミラー46を介してピックアップ14内の対物レンズ44に導かれ、該対物レンズ44にて光情報記録媒体12に集光される。光情報記録媒体12に集光されたアクセス制御用レーザ光28は、選択反射層70を透過し、反射層62上のプリピット(基板60に形成されたプリピット78の形状が反映されている)にて反射され、戻り光32として対物レンズ44、第2ミラー46、1/4波長板40、第2ビームスプリッタ36、第1ミラー38及び第1ビームスプリッタ34を経て受光素子48に入射される。受光素子48に入射した戻り光32は、該受光素子48において電気信号に変換されて、制御部54に供給される。
制御部54は、供給された電気信号に基づいてトラッキング制御機構50及びフォーカス制御機構52を制御し、これにより、ピックアップ14のトラッキング制御及びフォーカス制御が行われる。
制御部54において、情報を記録すべきアドレスが検出された時点で、第1レーザ光源24からのレーザ光22が空間光変調器26にて空間的に変調され、記録すべき情報が担持された情報光20aと記録用の参照光20bのパターンを有する記録用レーザ光20が生成される。この記録用レーザ光20は、第2ビームスプリッタ36、1/4波長板40及びピックアップ14内の第2ミラー46を介してピックアップ14内の対物レンズ44に導かれ、該対物レンズ44にて光情報記録媒体12に集光される。この光情報記録媒体12に集光された記録用レーザ光20によって、記録層74に対して、記録すべき情報に応じたパターンが記録される。
記録用レーザ光20は、選択反射層70によって反射し、プリピット78への入射が抑えられるため、記録用レーザ光20がプリピット78にて散乱するということがない。
記録層74に記録された情報を再生する場合は、ここでは図示しないが、記録用の参照光20bと同じパターンを有する再生用の参照光を光情報記録媒体12に入射することによって行われる。すなわち、光情報記録媒体12に再生用の参照光が照射されると、該参照光で囲まれた部分は、記録時の情報光によって変質しているため、この変質部分が反射して情報光の再生光として取り出されることになる。この再生光は再生用の参照光の光路と分離されて例えば固体撮像素子にて受光されて電気信号に変換されることになる。
このように、本実施の形態に係る光情報記録媒体12並びに本実施の形態に係る情報記録方法及び情報記録システム10で使用される光情報記録媒体12は、反射層を、粒状の原料を使用して形成し、原料の平均粒径を、0.001μm以上、10μm以下としたので、高い反射率により、良好なトラッキング特性を得ることができ、情報記録部分の位置精度を高めることができ、良好な記録情報の再生信号特性を得ることができる。
また、保護層76上に反射防止層66を形成し、しかも、反射防止層66を、粒状の原料を使用して形成し、原料の平均粒径を、0.001μm以上、10μm以下としたので、アクセス制御用レーザ光28や記録用レーザ光20が、光情報記録媒体12と空気との界面(すなわち、光情報記録媒体12の表面)にて乱反射することがほとんどなくなり、再生光にノイズが重畳することが抑圧され、再生信号の信号強度の低下を抑えることができる。また、記録用レーザ光20や再生用レーザ光と波長の異なるアクセス制御用レーザ光28の戻り光32においても、光情報記録媒体12の表面での乱反射が反射防止層66によって抑えられるため、精度の高いフォーカス特性やトラッキング特性を維持させることができる。
ここで、1つの実験例を説明する。この実験例は、実施例1〜3と比較例について、記録エラーのエラーレートを測定するというものである。
実施例1は、図2に示す本実施の形態に係る光情報記録媒体12において、反射層62の構成粒子の平均粒径が0.05μmの光情報記録媒体であり、実施例2は、同じく反射層62の構成粒子の平均粒径が0.5μmの光情報記録媒体であり、実施例3は、同じく反射層62の構成粒子の平均粒径が5μmの光情報記録媒体である。一方、比較例は、本実施の形態に係る光情報記録媒体12において、反射層62の構成粒子の平均粒径を20μmとしたものである。
実験結果を図5に示す。この図5から実施例1のエラーレートは0、実施例1のエラーレートは2、実施例3のエラーレートは5であり、比較例のエラーレートは20であった。なお、エラーレートは12.8kbit中のエラービットの数である。
このことから、反射層の構成粒子の平均粒径を0.001μm以上、10μm以下とすることにより、エラーレートが大幅に低減されていることがわかる。
なお、本発明に係る光情報記録媒体、情報記録方法及び情報記録システムは、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
本実施の形態に係る情報記録システムを示す構成図である。 本実施の形態に係る光情報記録媒体を一部省略して示す断面図である。 本実施の形態に係る光情報記録媒体のうち、ダミーピットの形成領域を説明するための図である。 比較例に係る光情報記録媒体を示す説明図である。 実施例1〜3と比較例におけるエラーレートの測定結果を示す表図である。
符号の説明
10…情報記録システム 12…光情報記録媒体
14…ピックアップ 16…光学系
18…制御系 20…記録用レーザ光
28…アクセス制御用レーザ光 60…基板
62…反射層 66…反射防止層
70…選択反射層 74…記録層
78…プリピット 80…ダミーピット

Claims (10)

  1. レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光と記録用の参照光とを有する記録用レーザ光に加えてアクセス制御用レーザ光が入射される光情報記録媒体であって、
    一主面に少なくともサーボ制御用の情報が形成された基板と、
    前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、
    前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、
    前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、
    前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  2. 請求項1記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層の表面の凹凸は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする光情報記録媒体。
  3. 請求項1又は2記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層は、金属又はその混合物であって、融点が500℃以上の物質で構成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層に含まれる前記金属は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdであることを特徴とする光情報記録媒体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちの前記金属成分とは別の金属成分であることを特徴とする光情報記録媒体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層に含まれる前記混合物は、Ag、Au、Al、Cu、Ti又はPdのうちのいずれか1つの金属成分50wt%以上と、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうち、いずれか1種類以上とを含むことを特徴とする光情報記録媒体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層は、AgInCa、AgP、AgPX(Xは、In、Ca、P、Sn、Zn、Bi、Nd、Y、Cuの元素のうちのいずれか)、AgBiNd、AgBiY、AgNdCu、AgBi、AgInSn、AgPdCuのいずれかであることを特徴とする光情報記録媒体。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光情報記録媒体において、
    前記反射層は、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法又は電子ビーム蒸着法にて形成されていることを特徴とする光情報記録媒体。
  9. レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光と記録用の参照光とを同一の光路に導いて記録用レーザ光とし、この記録用レーザ光とアクセス制御用レーザ光を光情報記録媒体に入射させることによって前記光情報記録媒体に情報を記録する情報記録方法であって、
    前記光情報記録媒体は、一主面にサーボ制御用の情報が形成された基板と、
    前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、
    前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、
    前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、
    前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする情報記録方法。
  10. レーザ光を空間的に変調することで情報を担持した情報光を出力する手段と、
    記録用の参照光を出力する手段と、
    前記情報光と前記参照光を同一の光路に導いて記録用レーザ光とする手段と、
    アクセス制御用レーザ光を出力する手段とを有し、
    前記記録用レーザ光と前記アクセス制御用レーザ光を光情報記録媒体に入射させることで前記光情報記録媒体に情報を記録する情報記録システムであって、
    前記光情報記録媒体は、一主面にサーボ制御用の情報が形成された基板と、
    前記基板の前記一主面上に配され、前記記録用レーザ光を反射させる反射層と、
    前記反射層上に配され、前記アクセス制御用レーザ光を透過し、前記記録用レーザ光を反射させる選択反射層と、
    前記選択反射層上に配され、前記記録用レーザ光によって情報の記録が行われる記録層とを有し、
    前記反射層は、粒状の原料を使用して形成され、前記原料の平均粒径は、0.001μm以上、10μm以下であることを特徴とする情報記録システム。
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