JP2007171067A - 配管熱応力評価装置およびその処理方法、記録媒体並びにプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】計測環境が悪い状況下においても、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に、より短時間に解析することができるようにする。
【解決手段】ステップS201乃至S215において、制御部31は、解析誤差のデータと解析手順データベースに基づいて解析手順を検索する。計算部32は、取得された実機配管データとシミュレーションデータに基づき、解析手順に従い配管内の熱流体について高精度解析処理を行う。表示部22は、取得された解析データに基づいて各物理量の空間分布が分かるように表示する。また、計算部32はサイクルカウント処理を実行し、解析手順データベース72は解析手順データベース更新処理を実行する。計算部32は、サイクルカウント処理のデータに基づいて累積熱疲労値を計算し、表示部22は取得された累積熱疲労値を表示する。本発明は、配管の監視装置に適用することができる。
【選択図】 図19

Description

本発明は配管熱応力評価装置およびその処理方法、記録媒体並びにプログラムに係り、特に、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などの計測環境が悪い状況下においても、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができるようにした配管熱応力評価装置および方法、記録媒体並びにプログラムに関する。
一般に、発電プラントのような高温流体を扱うプラントには、主要配管から分岐する分岐配管が多数設けられている。その分岐配管の中には、例えば、下方に曲がったエルボ状態で設けられた分岐配管がある。このような場合、主要配管から分岐配管に高温流体が流入する(分流する)と、下方に曲がったエルボ状態で設けられた分岐配管の下層部分には、分岐配管に流入する高温流体の温度に比べてより低い温度をもつ低温流体が滞留する恐れがある。そのため、分岐配管の配管内には、異なる温度を有する流体(高温流体と低温流体)が存在することとなる。
ここで、分岐配管内の高温流体と低温流体は、2つの液層(高温流体の液層と低温流体の液層)の界面領域において、熱成層を形成する。この界面領域の位置は、プラント稼働中、頻繁に鉛直上下方向に変動する。その結果、分岐配管内の各部の流体の温度は、2つの液層の界面領域の位置の変動に伴い大きく変化することとなり、特に、分岐配管のエルボ部分に熱応力振動が生じることとなる。
また、分岐配管の中には、例えば、上方に曲がったエルボ状態で設けられた分岐配管もある。このような場合、分岐配管と主要配管に、温度の異なる高温流体と低温流体がそれぞれ流入する(合流する)と、主要配管と分岐配管との合流部では、高温流体と低温流体の2つの液層の界面領域において熱成層を形成する。そのため、上述した主要配管から分岐配管に高温流体が流入する(分流する)場合に比べて、2つの液層の界面領域の位置は合流部に双方から流体が流入するごとにより大きく変動し、その結果、主要配管と分岐配管の合流部にはより大きな熱応力振動が生じる。このような一連の現象を配管内の熱流体の熱疲労現象といい、配管構造物に損傷が生じる原因となっている。
そこで、配管構造物に損傷が生じないようにするために、このような熱疲労現象を抑制することができる配管構造を適用することが提案されている。また、配管に温度変動計測部を設けることより、配管の熱疲労現象に伴う損傷の大きさを検知し、評価する熱疲労現象評価方法が提案されている。
図1は、上述した熱疲労現象評価方法を適用した装置の概略的な構成を表している。
図1に示されるように、実機配管1は直線状の主要配管2と、上方に曲がったエルボ状態で設けられた分岐配管3からT字配管構造に構成されている。T字配管である実機配管1内においては、下向きの矢印aの方向に分岐配管3から高温流体が流入し、左向きの矢印の方向bに主要配管2から低温流体が流入し、合流部4において高温流体と低温流体が合流する。また、実機配管1には、高温流体と低温流体の温度変化と圧力変化を計測するための計測部5と計測部6がそれぞれ設けられている。
計測部5と計測部6における高温流体3と低温流体4の温度変化は、図1に示されるように、グラフ7において左側にそれぞれ実線cと破線dにより表されており、時間変化とともに減少する傾向を示している。一方、高温流体と低温流体の圧力変化は、図1に示されるように、グラフ7において右側にそれぞれ実線eと破線fにより表されており、時間変化とともに増加する傾向を示している。
合流部4では、高温流体3と低温流体4が合流するため、計測部5と計測部6における温度変化に依存することなく、図1に示されるように、顕著な温度変化(グラフ8の曲線g)を生じることとなる。合流部4においては、特に、配管内の熱流体の熱疲労現象が生じることとなり、その結果、配管構造物に損傷が生じやすくなる。しかし、合流部4の温度変化は、合流部4から離れた計測部5と計測部6における温度変化に依存しないため、計測部5と計測部6における温度変化の計測データ(グラフ7の実線cと曲線d)のみでは、合流部4の温度変化を精度良く予測することができず、その結果、配管内の熱流体の熱疲労現象を評価することができなかった。
そこで、実機配管1の健全性、特に、合流部4の健全性を確認するためには、計測部5と計測部6の計測データ(グラフ7の実線cと曲線d)のみならず、合流部4における温度変化を計測した上で、合流部4における温度変化の振幅と頻度を分析する必要がある。特に、配管内の流体の温度変化の振幅と頻度のカウント方法として、例えば、Level-Crossing Counting法、Peak Counting法、Simple Range Counting法、Rainflow Counting法などが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。例えば、図1のグラフ8における温度変化の振幅と頻度についてRainflow Counting法を用いると、図1のグラフ9に示されるような温度変化の頻度分布(曲線h)が得られる。これにより、実機配管1の健全性を確認することができる。
また、その他の方法(熱疲労現象評価方法)として、配管などの外表面上に計測部を設け、その計測部に冷却風を送風することにより配管内の熱流体の熱伝達率を増加させることで、配管内の温度変化等を計測しやすくする方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
さらに、配管の熱疲労しやすい部位の一部に薄肉部を設け、その薄肉部に冷却部材を取り付けることにより薄肉部に熱疲労を集中させることで、配管の熱疲労現象に伴う損傷を検知しやすくする方法が提案されている(例えば、特許文献2)。
また、配管内の熱流体について流体解析を行うことにより配管の健全性を評価する方法が知られており、例えば、熱流体の温度ゆらぎの低周波積分解析工程や擬似的な高周波成分を重ねる工程、さらには厳密な高周波解析工程を設ける方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
さらに、配管内の熱流体の熱疲労現象をリアルタイムで予測する方法であって、例えば、熱成層化現象の応力評価解析を対象として、配管外表面の温度変化計測データから分離した長周期温度変化にも続いて定常性が仮定された有限要素法解析により長周期応力を計算する方法が提案されている(例えば、特許文献4)。
特開2003−149053号公報 特開平11−22893号公報 特開平8−128927号公報 特開2002−32419号公報 "Standard Practices for Cycle Counting in Fatigue Analysis", E1049,ANNUAL BOOK of ASTM STANDARDS 2002.
しかしながら、上述した方法(非特許文献1と特許文献1乃至4に開示された方法)では、熱流体の計測部を実機配管の合流部近傍に設けることが困難な場合もあり、このような場合、合流部近傍における熱流体の温度変化の空間分布を全体として把握することが困難であるという課題があった。
また、たとえ実機配管において熱流体の計測部を熱流体の合流部近傍に設けることができ、プラント稼動開始(起動)後定常状態において、合流部における熱流体の熱疲労現象を評価することができたとしても、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時のような非定常的状態においては、熱流体の温度変化などが計測できない場合や実際の計測データが合流部の熱流体の熱疲労現象を反映していないような場合があるために、配管内の熱流体の合流部近傍における熱疲労現象を高精度に予測評価することができないという課題があった。
さらに、配管内の熱流体の温度変化の振幅と頻度を分析する場合、上述したいずれの分析方法を用いたとしても、分析するために多大な計算時間がかかってしまう課題があった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされてものであり、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などの計測環境が悪い状況下においても、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に、より短時間に解析することができるようにし、もって配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる配管熱応力評価装置およびその処理方法、記録媒体並びにプログラムを提供することを目的としている。
本発明の配管熱応力評価装置は、上述した課題を解決するために、予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析手段と、解析手段により解析された解析結果に基づいて、配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算手段と、第1の計算手段により計算された累積熱疲労値を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された累積熱疲労値を表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
解析手段により解析された解析結果には、少なくとも、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値である物性値、熱流体の流速、熱流体の単位面積にかかる力である圧力、および熱流体の温度に関するデータが含まれるようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、解析手段により解析された解析結果に含まれる熱流体の温度に関するデータに基づいて、熱流体の温度の変化量と変化量に対応する頻度を所定の時間間隔に区分して計算する第2の計算手段をさらに備え、第1の計算手段は、第2の計算手段により計算された変化量と変化量に対応する頻度に基づいて累積熱疲労値を計算するようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、解析手段により解析された解析結果に含まれる熱流体の圧力に関するデータに基づいて、熱流体に加わる応力の変化量、および変化量に対応する頻度を計算する第2の計算手段をさらに備え、第1の計算手段は、第2の計算手段により計算された変化量と変化量に対応する頻度に基づいて累積熱疲労値を計算するようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、記憶手段により予め記憶されている第1の累積熱疲労値と、第1の計算手段により計算された第2の累積熱疲労値との比である累積熱疲労値比を計算する第2の計算手段とをさらに備え、表示手段は、第2の計算手段により計算された累積熱疲労値比をさらに表示するようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、解析結果に基づいて、配管と熱流体との間の熱移動の大きさを示す熱伝達率を計算する第2の計算手段と、第2の計算手段により計算された熱伝達率、配管の肉厚、および配管を構成する配管構造材熱伝達率に基づいて、配管内の熱流体の伝熱と配管の表面からの熱伝達量の比であるビオ数を計算する第3の計算手段とをさらに備えるようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、解析手段により解析するときに要求される所定の解析誤差のデータを取得する取得手段と、取得手段により取得された解析誤差のデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析手順が登録されている解析手順データベースを検索する検索手段とをさらに備え、解析手段は、検索手段により検索された解析手順に基づいて解析するようにすることができる。
解析手順データベースは、少なくとも、解析誤差と、解析手段により解析するときに要する所定の解析時間、および解析手順が対応付けて登録されているようにすることができる。
この配管熱応力評価装置は、解析手段により解析するときに要する第1の解析時間を計算する第2の計算手段と、第2の計算手段により計算された第1の解析時間と、解析手順データベースに登録されている第2の解析時間のうち、いずれの解析時間が短いか否かを判定する判定手段と、判定手段により第1の解析時間が第2の解析時間よりも短いと判定された場合、解析手順データベースに登録されている第2の解析時間を第1の解析時間に更新する更新手段とをさらに備えるようにすることができる。
解析手順データベースに登録されている解析手順は、少なくとも、第1の解析過程と第2の解析過程とからなり、第1の解析過程において解析手段により解析された解析結果に基づいて、解析手段により解析されるときの基礎のデータとなる初期値が予め登録されている初期値データベースを検索し、初期値を設定するようにすることができる。
解析手段は、第2の解析過程において、第1の解析過程において設定された初期値に基づいて解析するようにすることができる。
初期値データベースは、少なくとも、解析手段により解析するときの単位解析部位である解析メッシュ、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値である物性値、熱流体の流速、熱流体の単位面積にかかる力である圧力、および熱流体の温度が対応付けて登録されているようにすることができる。
解析手順データベースは、少なくとも、熱流体の流速と解析手順が対応付けて登録されており、配管は、主要配管と、主要配管から分岐した分岐配管からなり、初期値データベースに含まれる流速のデータは、主要配管内の熱流体の平均流速で規格化されており、初期値を設定するとき、初期値データベースに登録されている流速のデータに平均流速を乗じて設定するようにすることができる。
解析手順データベースは、少なくとも、熱流体に含まれる高温流体の温度と解析手順が対応付けて登録されており、初期値データベースに含まれる温度のデータは、熱流体に含まれる高温流体の温度で規格化されており、初期値を設定するとき、初期値データベースに登録されている熱流体に含まれる高温流体の温度を乗じて設定するようにすることができる。
本発明の配管熱応力評価方法は、上述した課題を解決するために、予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、第1の計算ステップの処理により計算された累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、記憶ステップの処理により記憶された累積熱疲労値を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
本発明の記録媒体のプログラムは、上述した課題を解決するために、予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、第1の計算ステップの処理により計算された累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、記憶ステップの処理により記憶された累積熱疲労値を表示する表示ステップとを含むことを特徴とする。
本発明のプログラムは、上述した課題を解決するために、予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、第1の計算ステップの処理により計算された累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、記憶手段により記憶された累積熱疲労値を表示する表示ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明の配管熱応力評価装置および方法、記録媒体並びにプログラムにおいては、予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象が解析され、解析された解析結果に基づいて、配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値が計算され、計算された累積熱疲労値が記憶され、記憶された累積熱疲労値が表示される。
以上のように、本発明によれば、予め設定されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象に伴う配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労を計算し、表示することができる。これにより、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などの計測環境が悪い状況下においても、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。また、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する場合、予め登録された解析手順データベースを用いて解析手順を検索することができる。これにより、解析対象である実機配管などの種類や許容される解析誤差などに対して最適化された解析手順を用いて、より高精度に、より短時間に解析することができる。さらに、予め登録された初期値データベースを用いて初期値を設定することができる。これにより、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などのような非定常的状況においても、解析において基礎となる初期値を予測するとともに、正確な初期値を設定し、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に評価し、把握することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図2を参照して、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の原理について説明する。
配管熱応力評価装置11は、本体21と表示部22により構成されている。さらに、本体21は、CPUなどからなる、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値などを計算する制御部(例えば、図3の制御部31など)や、HDD(Hard Disc Drive)などからなる、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータなどを記憶する記憶部(例えば、図3の記憶部33など)などにより構成される。
本体21は、配管内の熱流体の温度変化とその頻度を計算することにより、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算し、計算された配管内の熱流体の温度変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを表示部22に供給する。表示部22は、図2に示されるように、解析対象となる実際の配管である実機配管の解析画像などを表示するとともに、本体21から供給された配管内の熱流体の温度変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを取得し、取得された配管内の熱流体の温度変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを表示する。
図3は、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の詳細な構成を表している。
配管熱応力評価装置11は、本体21、表示部22、および外部記録媒体41により構成されている。また、本体21は、制御部31、計算部32、記憶部33、タイマ34、および入力部35により構成されている。
制御部31は、ユーザの操作により図示せぬドライブに挿入された外部記録媒体41(例えば、DVD(Digital Versatile Disc)など)から、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータを取得し、取得されたシミュレーションデータを計算部32と記憶部33に供給する。また、制御部31は、記憶部33に記憶された解析データを記憶部33から読み出し、読み出された解析データを表示部22に供給するとともに、タイマ34から現在の時刻情報を取得し、計算部32に供給する。さらに、制御部31は、ユーザの操作により入力された実際の配管に関するデータである実機配管データ(例えば、配管の大きさ、配管の肉厚(厚さ)、熱流体の種類や物性、実機配管に設けられた計測部(図示せず)で計測された計測値など)を入力部35から取得し、取得された実機配管データを計算部32に供給する。
なお、このシミュレーションデータには、例えば、配管内の熱流体の挙動や乱流などに関するシミュレーションを行うための所定のデータが予め作成され、含まれている。
計算部32は、ユーザの操作により入力部35から制御部31を介して、実際の配管に関するデータである実機配管データを取得するとともに、外部記録媒体41から制御部31を介してシミュレーションデータを取得する。計算部32は、取得された実機配管データとシミュレーションデータに基づいて、解析対象である配管内の熱流体を解析する。また、計算部32は、このように解析された解析結果である解析データを記憶部33に供給する。
記憶部33は、計算部32から供給された解析データを取得し、記憶するとともに、制御部31の指示に基づいて制御部31に記憶された解析データを供給する。
タイマ34は、現在の正確な時刻を計測し、必要に応じて、現在の時刻情報を制御部31に供給する。
入力部35は、実際の配管に関するデータである実機配管データを入力するための種々のキーボード(図示せず)やマウス(図示せず)を有しており、ユーザの操作により入力された実機配管データを制御部31に供給する。
表示部22は、図示せぬLCD(Liquid Crystal Display)や図示せぬCRT(CathodeRay Tube)などが設けられており、制御部31を介して記憶部33から供給された解析データを取得し、必要に応じて、その解析データに基づき、配管内の熱流体に関する物質量(例えば、熱流体物性値、流速、圧力、温度など)の空間分布を表示する。
なお、本発明の第1の実施の形態に示された配管熱応力評価装置11においては、ユーザの操作により挿入された外部記録媒体41からシミュレーションデータを取得しているが、配管熱応力評価装置11内の内部記録媒体(HDD(Hard Disc Drive)など)に予め記録させるようにしてもよい。
また、実機配管データをユーザが入力部35を操作することにより入力し、配管熱応力評価装置11が取得するようにしているが、例えば、シミュレーションデータのように、予め実機配管データが記録された外部記録媒体から取得するようにしてもよい。
次に、図4のフローチャートを参照して、図3の配管熱応力評価装置11における累積熱疲労値計算処理について説明する。なお、この処理は、ユーザが図示せぬドライブに外部記録媒体41を挿入することにより開始される。
ステップS1において、制御部31は、ユーザの操作により図示せぬドライブに挿入された外部記録媒体41から、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータを取得し、取得されたシミュレーションデータを計算部32と記憶部33に供給する。
ステップS2において、ユーザが入力部35の有する種々のキーボード(図示せず)を操作することにより、実際の配管に関するデータである実機配管データ(例えば、配管の大きさ、配管の肉厚(厚さ)、熱流体の種類や物性、実機配管に設けられた計測部(図示せず)で計測された計測値など)を制御部31は入力部35から取得し、取得された実機配管データを計算部32に供給する。
ステップS3において、計算部32は、制御部31を介して入力部35および外部記録媒体41から取得された実機配管データおよびシミュレーションデータに基づいて、配管および配管内の熱流体について過渡解析を行う。具体的には、配管流体部分を解析メッシュごとに細分割し、細分割された解析メッシュごとに運動量保存則、質量保存則、およびエネルギー保存則を満たすように過渡解析をする。ここで、「解析メッシュ」とは、過渡解析を行う際の単位解析部位である。例えば、解析メッシュ数が1万である場合、過渡解析においては、解析対象となる配管を1万の単位解析部位(解析メッシュ)に細分割して解析することを意味している。計算部32は、以上のような過渡解析により解析された解析データを記憶部33に供給する。
ステップS4において、記憶部33は、計算部32から供給された解析データを取得し、取得された解析データを記憶する。ステップS5において、制御部31は、記憶部33に記憶されている解析データを読み出し、読み出された解析データを表示部22に供給する。表示部22は、制御部31を介して記憶部33から解析データを取得し、取得された解析データに基づき、解析メッシュごとの物理量(例えば、熱流体物性値、流速、圧力、温度など)の空間分布が分かるように表示する。
図5は、表示部22に表示された解析メッシュごとの物理量の空間分布画像の表示例を示している。
図5に示されるように、配管についての外観を立体的に表す配管画像45と、配管を解析メッシュごとに細分割した画像46が表示部22に表示される。これにより、配管内の解析メッシュごとの物理量の空間分布を把握することができ、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。なお、配管内の解析メッシュごとの各物理量が表示部22により表示されるようにしてもよい。
ステップS6において、配管熱応力評価装置11は、サイクルカウント処理を実行する。このサイクルカウント処理の詳細は、図6のフローチャートに示されている。
図6のフローチャートを参照して、図3の配管熱応力評価装置11のサイクルカウント処理について説明する。
ここで、配管内の熱流体の温度変化の変化量の大きさを示すΔTを予め所定の温度区分数Nに分割して設定しておく。例えば、温度変化量0℃乃至5000℃の範囲について、1000の温度区分に分割し(この場合、温度区分数Nは1000である)、温度変化量0℃をΔT(1)、温度変化量0℃乃至5℃をΔT(2)、温度変化量5℃乃至10℃をΔT(3)、温度変化量10℃乃至15℃をΔT(4)などのように設定する。
また、図7に示されるように、配管内の熱流体の温度変化は、時間の経過とともに大きく変動する。そこで、例えば、解析開始時刻から解析終了時刻までを所定の時間区分数n(例えば、時間区分数nを100に設定する)に分割して設定し、順次、t1,t2,t3・・・tnのように予め設定しておく。なお、時間区分tnで配管内の熱流体がΔT(N)の大きさで変化した場合、その温度区分をΔTn(N)と表記する。
ステップS31において、制御部31は、予め設定した所定の温度区分数を示す変数Nに、初期値として「1」を設定し、予め設定した所定の時間区分数を示す変数nに、初期値として「1」を設定する。また、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の初期値を「0」に設定する。すなわち、サイクルカウント処理を実行する前においては、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示す全てのJn(N)の値を「0」に設定する。
ステップS32において、制御部31は、温度区分ΔTn(N)に該当する温度変化があるか否かを判定する。すなわち、制御部31は、解析対象である配管内において実際に温度区分ΔTn(N)の変化量で熱流体の温度が変化しているか否かを判定する。
ステップS32において温度区分ΔTn(N)に該当する温度変化があると判定された場合、制御部31はステップS33で、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値をインクリメントするための頻度制御信号を生成し、計算部32に供給する。
ステップS34において、計算部32は、制御部31から供給された頻度制御信号に基づいて、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値を1だけインクリメントする。これにより、解析対象である配管内において実際に温度区分ΔTn(N)の変化量で熱流体の温度が1回変化したことを計算することができる。
一方、ステップS32において温度区分ΔTn(N)に該当する温度変化がないと判定された場合、制御部31は、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値を1だけインクリメントするための頻度制御信号を生成することなく、ステップS34の頻度インクリメント処理をスキップする。
ステップS35において、制御部31は、タイマ34から現在の正確な時刻情報を読み出し、現在の解析時刻tが時間区分tn以上であるか否かを判定する。例えば、現在の解析時刻tが時間区分tnの範囲内であれば、現在の解析時刻tが時間区分tn以上ではないと判定される。
ステップS35において現在の時刻tがtn以上であると判定された場合、制御部31はステップS36において、タイマ34から現在の正確な時刻情報を読み出し、現在の時刻tが予め設定された解析終了時刻以上であるか否かを判定する。
ステップS36において現在の時刻tが予め設定された解析終了時刻以上ではないと判定された場合、制御部31はステップS37において、時間区分数nの値を1だけインクリメントするための時間区分数制御信号を生成し、計算部32に供給する。ステップS38において、計算部32は、制御部31から供給された時間区分数制御信号に基づいて、時間区分数nの値を1だけインクリメントする。
これにより、解析開始時刻から解析終了時刻までの全体を通して、解析対象である配管内において、実際に温度区分ΔTn(N)の変化量で熱流体の温度が何回変化したのかという頻度を計算することができる。
一方、ステップS35において現在の時刻tがtn以上ではないと判定された場合、処理はステップS32に戻り、ステップS32以降の処理が繰り返される。これにより、時間区分tn内において、解析対象である配管内で実際に温度区分ΔTn(N)の変化量で熱流体の温度が何回変化したのかという頻度を計算することができる。
ステップS36において現在の時刻tが予め設定された解析終了時刻以上であると判定された場合、制御部31はステップS39において、これまでの処理により計算されたデータを計算部32から記憶部33に供給するためのデータ供給制御信号を生成し、計算部32に供給する。また、計算部32は、制御部31から供給されたデータ供給制御信号に基づいて、これまでの処理により計算されたデータを記憶部33に供給する。
ステップS40において、記憶部33は、計算部32から供給されたデータを記憶する。例えば、図8に示されるように、温度区分ΔTn(N)と温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示すJn(N)が対応付けられて記憶されている。
図8のデータベース48の第1列目と第2列目には、「ΔTn(N)」、および「Jn(N)」が記述されており、それぞれ、温度区分と、温度区分ΔTn(N)に対応する頻度を示している。なお、図8のデータベース48の例の場合、温度区分数Nを1000に予め設定している。
また、図8のデータベース48では、上から最初の二重線までのデータが1つのまとまりであり、次の二重線までのデータが次のまとまりであり、以降、順次同様のデータのまとまりが記述されている。以下、このようなデータのまとまりを上から第1段落、第2段落などのように呼ぶ。これらのデータのまとまりは、各時間区分で解析を行ったときのデータのまとまりである。例えば、第1段落では、時間区分t1で解析を行ったときのデータのまとまりであることを示している。
図8のデータベース48の第1段落の第1行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT1(1)」であり、温度区分がΔT1(1)であることと、時間区分がt1であることを示している。「Jn(N)」は「J1(1)」であり、温度区分ΔT1(1)に対応する頻度がJ1(1)であることを示している。
図8のデータベース48の第1段落の第2行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT1(2)」であり、温度区分がΔT1(2)であることと、時間区分がt1であることを示している。「Jn(N)」は「J1(2)」であり、温度区分ΔT1(2)に対応する頻度がJ1(2)であることを示している。
図8のデータベース48の第1段落の第1000行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT1(1000)」であり、温度区分がΔT1(1000)であることと、時間区分がt1であることを示している。「Jn(N)」は「J1(1000)」であり、温度区分ΔT1(1000)に対応する頻度がJ1(1000)であることを示している。
図8のデータベース48の第2段落の第1行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT2(1)」であり、温度区分がΔT2(1)であることと、時間区分がt2であることを示している。「Jn(N)」は「J2(1)」であり、温度区分ΔT2(1)に対応する頻度がJ2(1)であることを示している。
図8のデータベース48の第2段落の第2行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT2(2)」であり、温度区分がΔT2(2)であることと、時間区分がt2であることを示している。「Jn(N)」は「J2(2)」であり、温度区分ΔT2(2)に対応する頻度がJ2(2)であることを示している。
図8のデータベース48の第2段落の第1000行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔT2(1000)」であり、温度区分がΔT2(1000)であることと、時間区分がt2であることを示している。「Jn(N)」は「J2(1000)」であり、温度区分ΔT2(1000)に対応する頻度がJ2(1000)であることを示している。
図8のデータベース48の第n段落の第1行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔTn(1)」であり、温度区分がΔTn(1)であることと、時間区分がtnであることを示している。「Jn(N)」は「Jn(1)」であり、温度区分ΔTn(1)に対応する頻度がJn(1)であることを示している。
図8のデータベース48の第n段落の第2行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔTn(2)」であり、温度区分がΔTn(2)であることと、時間区分がtnであることを示している。「Jn(N)」は「Jn(2)」であり、温度区分ΔTn(2)に対応する頻度がJn(2)であることを示している。
図8のデータベース48の第n段落の第1000行目の場合、「ΔTn(N)」は「ΔTn(1000)」であり、温度区分がΔTn(1000)であることと、時間区分がtnであることを示している。「Jn(N)」は「Jn(1000)」であり、温度区分ΔTn(1000)に対応する頻度がJn(1000)であることを示している。
ステップS41において、制御部31は、現在の温度区分数Nが予め設定された所定の値(例えば、1000)よりも小さいか否かを判定する。ステップS41において現在の温度区分数Nが予め設定された所定の値よりも小さいと判定された場合、制御部31はステップS42において、現在の温度区分数Nの値を1だけインクリメントするための温度区分数制御信号を生成し、計算部32に供給する。ステップS43において、計算部32は、制御部31から供給された温度区分数制御信号に基づいて、現在の温度区分数Nの値を1だけインクリメントする。その後、処理はステップS32に戻り、ステップS32以降の処理が繰り返される。これにより、解析するべき現在の温度区分を次の温度区分にすることができる。従って、予め設定した温度区分全体についてサイクルカウント処理を行うことができる。
一方、ステップS41において現在の温度区分数Nが予め設定された所定の値よりも小さくない(すなわち、所定の値である)と判定された場合、制御部31は、現在の温度区分数Nの値を1だけインクリメントするための温度区分数制御信号を生成することなく、処理を図4のステップS7に進める。
以上のように、予め温度区分数と時間区分数を設定し、サイクルカウント処理を行うので、配管内の熱流体の全体についてサイクルカウント処理を行うことができる。
図4のフローチャートに戻って、ステップS7において、制御部31は、記憶部33に記憶されているサイクルカウント処理(図6のステップS31乃至S43の処理)のデータ(例えば、図8のデータベース48に登録されているデータ)を読み出し、読み出されたサイクルカウント処理のデータを計算部32に供給する。計算部32は、制御部31を介して供給されたサイクルカウント処理のデータ(例えば、図8のデータベース48に登録されているデータ)を取得し、取得されたサイクルカウント処理のデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象に伴う配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を、以下の[数1]に従って計算する。また、計算部32は、計算により得られた累積熱疲労値のデータを記憶部33に供給する。
Figure 2007171067
ステップS8において、記憶部33は、計算部32から供給された累積熱疲労値のデータを取得し、取得された累積熱疲労値のデータを記憶する。ステップS9において、制御部31は、記憶部33に記憶された累積熱疲労値のデータを読み出し、読み出された累積熱疲労値のデータを表示部22に供給する。表示部22は、制御部31を介して記憶部33から供給された累積熱疲労値のデータを取得し、取得された累積熱疲労値のデータを表示する。
以上のように、本発明の第1の実施の形態に示された配管熱応力評価装置11では、配管内の熱流体の熱疲労現象に伴う配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労を計算し、表示することができるので、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。
なお、配管内の熱流体の温度変化とその頻度をカウントする方法として、サイクルカウント方法を用いたが、例えば、温度区分ごとにその区分での最大温度と最小温度から順次サイクルカウントするRainflow Counting法を用いてもよい。
次に、図9を参照して、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の他の原理について説明する。
配管熱応力評価装置11は、本体21と表示部22により構成されている。本体21はさらに、CPUなどからなる、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値などを計算する制御部(例えば、図3の制御部31など)や、HDD(Hard Disc Drive)などからなる、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータなどを記憶する記憶部(例えば、図3の記憶部33など)などにより構成される。
本体21は、配管内の熱流体の応力変化とその頻度を計算することにより、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算し、計算された配管内の熱流体の応力変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを表示部22に供給する。表示部22は、図2に示されるように、解析対象となる実際の配管である実機配管の解析画像などを表示するとともに、本体21から供給された配管内の熱流体の応力変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを取得し、取得された配管内の熱流体の応力変化とその頻度と累積熱疲労値のデータなどを表示する。
なお、図2を参照して説明した、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の原理と、図9を参照して以下に説明する、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の他の原理とでは、サイクルカウント処理(例えば、図6のステップS31乃至S43の処理など)においてのみ大きく異なる。すなわち、図6のフローチャートを参照して説明したサイクルカウント処理では、配管内の熱流体の温度変化とその頻度を計算するようにしたが、以下に説明するサイクルカウント処理(図10のフローチャートを参照して後述する)では、配管内の熱流体の応力変化とその頻度を計算するようにした。但し、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の詳細な構成などの説明(例えば、図3と図4を参照して行った説明)については、繰り返しになるので省略する。
ここで、配管内の熱流体の応力変化とその頻度を計算する場合のサイクルカウント処理の詳細は、図10のフローチャートに示されている。
図10のフローチャートを参照して、図3の配管熱応力評価装置11の他のサイクルカウント処理を説明する。なお、図10のステップS101、ステップS105乃至S111、およびステップS113の処理は、図6のステップS31、ステップS35乃至S41、およびステップS43の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS102において、制御部31は、応力区分Δσn(N)に該当する応力変化があるか否かを判定する。すなわち、制御部31は、解析対象である配管内において実際に応力区分Δσn(N)の変化量で熱流体の応力が変化しているのか否かを判定する。ステップS102において応力区分Δσn(N)に該当する温度変化があると判定された場合、制御部31はステップS103で、応力区分Δσn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値をインクリメントするための頻度制御信号を生成し、計算部32に供給する。
ステップS104において、計算部32は、制御部31から供給された頻度制御信号に基づいて、応力区分Δσn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値を1だけインクリメントする。これにより、解析対象である配管内において実際に応力区分Δσn(N)の変化量で熱流体の応力が1回変化したことを計算することができる。
一方、ステップS102において応力区分Δσn(N)に該当する応力変化がないと判定された場合、制御部31は、応力区分Δσn(N)に対応する頻度を示すJn(N)の値を1だけインクリメントするための頻度制御信号を生成することなく、ステップS104の頻度インクリメント処理をスキップする。
ステップS111において現在の温度区分数Nが予め設定された所定の値よりも小さいと判定された場合、制御部31はステップS112において、現在の応力区分数Nの値を1だけインクリメントするための応力区分数制御信号を生成し、計算部32に供給する。
以上のように、配管内の熱流体の応力変化とその頻度を計算するようにしたので、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。
なお、図11は、配管内の熱流体の応力変化とその頻度を計算することによりサイクルカウント処理を行う場合に、記憶部33に記憶されるサイクルカウント処理のデータのデータベース49の例である。
図11に示されるように、応力区分Δσn(N)と応力区分Δσn(N)に対応する頻度を示すJn(N)が対応付けられて記憶されている。なお、図11の第2列目と図8の第2列目は同様であり、また、図11の第1列目と図8の第1列目は、温度区分ΔTn(N)を応力区分Δσn(N)に置き換えたものであるので、その説明は省略する。
次に、図12のフローチャートを参照して、図3の制御部31における他の累積熱疲労値計算処理について説明する。なお、図12のステップS131乃至S138の処理は、図4のステップS1乃至S8の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS139において、制御部31は、予め記憶部33に記憶させている配管についての累積熱疲労値のデータであって、解析対象となる実機配管と比べて配管の径が小さい配管に関する累積熱疲労値のデータと、ステップS131乃至S138の処理により計算された累積熱疲労値のデータを読み出し、計算部32に供給する。
ステップS140において、計算部32は、制御部31を介して記憶部33から供給された所定の累積熱疲労値のデータと、ステップS131乃至S138の処理により計算された累積熱疲労値のデータを取得し、取得された2つの累積熱疲労値のデータに基づいて、[数2]に従って2つの累積熱疲労値の比であるスケール補正値(図13のScale factor)を計算する。計算部32は、計算された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを記憶部33に供給する。
[数2]
スケール補正値=配管の径が小さい配管の累積熱疲労値/実機配管の累積疲労値
ステップS141において、記憶部33は、計算部32から供給された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを取得し、取得された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを記憶する。ステップS142において、制御部31は、記憶部33に記憶されている累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを読み出し、読み出された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを表示部22に供給する。表示部22は、制御部31を介して記憶部33から供給された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを取得し、取得された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを表示する。
また、図13に示されるように、取得された累積熱疲労値のデータとスケール補正値のデータを表示するとともに、解析対象となる実機配管と比べて配管の径が小さい配管についての外観を立体的に表す配管画像51と、配管を解析メッシュごとに細分割した画像52を表示し、また、実機配管についての外観を立体的に表す配管画像53と、配管を解析メッシュごとに細分割した画像54を表示するようにしてもよい。
これにより、配管の径がより小さい配管に関する累積熱疲労値と比較でき、離散的な計測点からなる実機配管データを補完することができる。従って、実機配管に設けられた計測部(図示せず)の設置場所が良くない計測環境下において、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に把握することができる。
次に、図14を参照して、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第1の実施形態の他の原理について説明する。
配管熱応力評価装置11は、本体21と表示部22により構成されている。本体21はさらに、CPUなどからなる、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値などを計算する制御部(例えば、図3の制御部31など)や、HDD(Hard Disc Drive)などからなる、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータなどを記憶する記憶部(例えば、図3の記憶部33など)などにより構成される。
本体21は、配管とそれに接する熱流体との間の熱移動の大きさを示す熱伝達率αと、配管内の熱流体の伝熱と配管表面からの熱伝達量の比であるビオ数Biを計算し、計算された熱伝達率αとビオ数Biのデータを表示部22に供給する。表示部22は、図14に示されるように、解析対象となる実際の配管である実機配管の解析画像などを表示するとともに、本体21から供給された熱伝達率αとビオ数Biのデータなどを取得し、取得された熱伝達率αとビオ数Biのデータなどを表示する。
なお、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の詳細な構成などの説明(例えば、図3を参照して行った説明)については、繰り返しになるので省略する。
さらに、図15のフローチャートを参照して、図3の配管熱応力評価装置11の他の累積熱疲労計算処理について説明する。なお、図15のステップS181乃至S185の処理は、図4のステップS1乃至S5の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS186において、制御部31は、記憶部33に記憶されている解析データを読み出し、読み出された解析データを計算部32に供給する。計算部32は、制御部31を介して記憶部33から供給された解析データに基づいて、以下の[数3]に従って、配管とそれに接する熱流体との間の熱移動の大きさを示す熱伝達率α(例えば、第1解析メッシュの熱伝達率α1など)を解析メッシュごとに計算する。
[数3]
(λ/d1)×(T0−Ts)=α1×(Tf−T0)
ここで、記号α1、Tf、T0、Ts、d1、λは、それぞれ、第1解析メッシュの熱伝達率、配管内の熱流体から第1解析メッシュの温度、配管内面温度、配管構造物から第1解析メッシュの温度、第1解析メッシュの幅、および配管構造物の構造材熱伝達率を示している。以下同様に、解析メッシュごとの熱伝達率αを求めることができる。
ステップS187において、計算部32は、ステップS186の処理において計算された熱伝達率αと解析データに基づいて、配管内の熱流体の伝熱と配管表面からの熱伝達量の比であるビオ数Biを計算し、計算された熱伝達率とビオ数のデータを記憶部33に供給する。ここで、計算されたビオ数Biが1を超えるということは、配管内の熱流体の熱伝達が遅いことを示しており、配管内の熱流体の温度勾配が無視できないことを示している。
ステップS188において、記憶部33は、計算部32から供給された熱伝達率とビオ数のデータを取得し、取得された熱伝達率とビオ数のデータを記憶する。ステップS189において、制御部31は、記憶部33に記憶された熱伝達率とビオ数のデータを読み出し、読み出された熱伝達率とビオ数のデータを表示する。
以上のように、本発明の実施の形態に示された配管熱応力評価装置では、配管とそれに接する熱流体との間の熱移動の大きさを見積もるための指数である熱伝達率αと、配管内の熱流体の伝熱と配管表面からの熱伝達量の比率であるビオ数Bi(例えば、第1解析メッシュのビオ数Bi1など)を[数4]に従って計算し、そのデータを表示することができる。
[数4]
Bi1=α1×d/λ
ここで、記号α1、d、およびλはそれぞれ、第1解析メッシュの熱伝達率、配管の厚さ、および配管構造材の配管構造材熱伝達率を示している。以下同様に、[数4]に従って、各解析メッシュのビオ数Biを求めることができる。
これにより、空間的に離散した計測点からなる実機配管データに対して、連続的な空間分布を把握した上で配管内の熱疲労現象を評価するができ、配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。
なお、本発明を適用した第1の実施形態に示された配管熱応力評価装置11においては、配管とそれに接する熱流体との間の熱移動の大きさを見積もるための指数である熱伝達率αのデータと、配管内の熱流体の伝熱と配管表面からの熱伝達量の比率であるビオ数Biのデータを表示するようにしているが、累積熱疲労値も計算し、計算された累積熱疲労値のデータを同時に表示するようにしてもよい。
次に、図16を参照して、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第2の実施形態の原理について説明する。
配管熱応力評価装置11は、本体21、表示部22、およびサブ本体61により構成されている。本体21はさらに、CPUなどからなる、配管内の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値などを計算する制御部(例えば、図3の制御部31など)や、HDD(Hard Disc Drive)などからなる、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するためのシミュレータデータなどを記憶する記憶部(例えば、図3の記憶部33など)などにより構成される。また、サブ本体61はさらに、CPUなどからなる、解析手順を検索する制御部(例えば、図18の制御部31など)や、HDD(Hard Disc Drive)などからなる、実機配管データを解析するための解析手順が登録されている解析手順データベース(例えば、図18の解析手順データベース72)や解析処理をするときの初期値が登録されている初期値データベース(例えば、図18の初期値データベース71)などを記憶する記憶部(例えば、図18の記憶部33など)などにより構成される。
サブ本体61は、図17に示されるように、解析誤差、解析時間、および解析手順が対応付けられて登録されている解析手順データベースを検索し、検索された解析手順を本体21に供給する。本体21は、サブ本体61から供給された解析手順に基づいて実機配管データについて高度解析処理を行う。解析手順は、少なくとも2つ以上の解析過程(例えば、解析過程1と解析過程2)からなり、解析過程1では、安定な時間離散化手法などにより粗く解析され、その解析結果はサブ本体61に供給される。サブ本体61は、本体21から供給された解析過程1での解析結果と初期値データベースに基づいて解析処理に用いられる初期値を設定し、設定された初期値を本体21に供給する。本体21は、サブ本体61から供給された初期値に基づいてさらに高度解析処理を行うとともに、高度解析処理に要した解析時間を解析誤差と対応付けて、すでに解析手順データベースに登録されている解析誤差と解析時間を更新する。表示部22は、図16に示されるように、解析対象となる実際の配管である実機配管の解析画像などを表示する。 なお、以上においては、本体21とサブ本体61の2つを設けたが、勿論、本体21とサブ本体61を1つの本体にしてもよい。以下に説明する本発明を適用した配管熱応力評価装置の第2の実施形態においては、本体21のみを設けている。
図18は、本発明を適用した配管熱応力評価装置11の第2の実施形態の構成を表している。なお、図3の配管熱応力評価装置11の構成と対応するものについては、同一の符号を付してあり、その説明は繰り返しになるので省略する。
記憶部33は、初期値データベース71、解析手順データベース72、およびデータ記憶部73を有している。初期値データベース71には、すでに解析された配管についての初期値のデータが対応付けて登録されており、制御部31の指示に基づいて、登録されているデータベースを制御部31に供給する。解析手順データベース72には、予め、解析対象となる実機配管や熱流体などのデータが詳細にタイプ分けされ、これまでの解析誤差と解析時間と解析手順などに対応付けて登録されている。
また、解析手順データベース72は、制御部31の指示に基づいて、登録されているデータベースを制御部31に供給するとともに、計算部32から供給された新たな解析誤差と解析時間を取得し、取得された新たな解析誤差と解析時間をデータベースに登録する。
データ記憶部73は、計算部32から供給された解析データを取得し、取得された解析データを記憶するとともに、制御部31の指示に基づいて制御部31に記憶された解析データを供給する。
図19のフローチャートを参照して、図18の配管熱応力評価装置11の累積熱疲労計算処理について説明する。なお、図19のステップS201、ステップS202、ステップS206乃至S210、およびステップS215の処理は、図4のステップS1、ステップS2、およびステップS4乃至ステップS9の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS203において、制御部31は、ユーザが入力部35の有する種々のキーボード(図示せず)を操作することにより、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するときの、ユーザが許容できる解析誤差(例えば、4%乃至6%などの誤差を示す数値)のデータを取得し、取得された解析誤差のデータを計算部32に供給する。
ステップS204において、制御部31は、解析手順データベース72を読み出し、入力部35から制御部31を介して供給された解析誤差のデータと、読み出された解析手順データベースに基づいて、解析手順を検索する。
図20は、解析手順データベース72で管理されているデータベースの例を表している。
図20の解析手順データベース72の第1列目乃至第3列目には、「解析誤差」、「解析時間」、および「解析手順」が記述されており、それぞれ、後述する高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)での解析手順に従った解析時において、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間、および高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順を示している。
ここで、解析手順とは、例えば、解析するときの過程を所定の数(例えば、3つ)に分け、解析過程1、解析過程2などとし、解析過程1で解析メッシュ数が比較的少ないものを用いて解析した後、その他の解析過程において解析メッシュ数を増加させたものを用いて解析する手順などがある。もちろん、解析過程をより多く設けることも可能である。また、解析手順データベース72で管理されているデータベース(例えば、図20の解析データベース72)の解析手順を適宜新たに登録したり、変更したりすることもできる。
解析手順データベース72の第1行目の場合、「解析誤差」は「−8%乃至−10%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「−8%乃至−10%」であることを示している。「解析時間」は「a1」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a1」であることを示している。「解析手順」は「手順1」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順1」であることを示している。
解析手順データベース72の第2行目の場合、「解析誤差」は「−6%乃至−8%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「−6%乃至−8%」であることを示している。「解析時間」は「a2」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a2」であることを示している。「解析手順」は「手順2」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順2」であることを示している。
解析手順データベース172の第3行目の場合、「解析誤差」は「−4%乃至−6%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「−4%乃至−6%」であることを示している。「解析時間」は「a3」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a3」であることを示している。「解析手順」は「手順3」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順3」であることを示している。
解析手順データベース72の第4行目の場合、「解析誤差」は「−2%乃至−4%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「−2%乃至−4%」であることを示している。「解析時間」は「a4」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a4」であることを示している。「解析手順」は「手順4」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順4」であることを示している。
解析手順データベース72の第5行目の場合、「解析誤差」は「−2%乃至0%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「−2%乃至0%」であることを示している。「解析時間」は「a5」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a5」であることを示している。「解析手順」は「手順5」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順5」であることを示している。
解析手順データベース72の第6行目の場合、「解析誤差」は「0%乃至2%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「0%乃至2%」であることを示している。「解析時間」は「a6」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a6」であることを示している。「解析手順」は「手順6」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順6」であることを示している。
解析手順データベース72の第7行目の場合、「解析誤差」は「2%乃至4%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「2%乃至4%」であることを示している。「解析時間」は「a7」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a7」であることを示している。「解析手順」は「手順7」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順7」であることを示している。
解析手順データベース72の第8行目の場合、「解析誤差」は「4%乃至6%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「4%乃至6%」であることを示している。「解析時間」は「a8」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a8」であることを示している。「解析手順」は「手順8」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順8」であることを示している。
解析手順データベース72の第9行目の場合、「解析誤差」は「6%乃至8%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「6%乃至8%」であることを示している。「解析時間」は「a9」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a9」であることを示している。「解析手順」は「手順9」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順9」であることを示している。
解析手順データベース72の第10行目の場合、「解析誤差」は「8%乃至10%」であり、解析メッシュ数が比較的少ない場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値と、解析メッシュ数を増加させた場合の解析データを用いて計算した時の累積熱疲労値の誤差が「8%乃至10%」であることを示している。「解析時間」は「a10」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を実際に行った場合における解析時間が「a10」であることを示している。「解析手順」は「手順10」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順10」であることを示している。
例えば、ユーザにより許容される解析誤差として「−4%乃至−6%」が入力部35を用いて入力されると、解析手順として「手順3」が検索される。これにより、ユーザにより入力された解析誤差の範囲内での解析において、これまで解析されたデータの中で最短の解析時間の解析手順を選択し、検索することができる。従って、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析するための時間を短縮することができ、解析する対象の実機配管に最適な解析手順を検索することができる。
制御部31は、検索した検索結果(例えば、「手順1」など)のデータを計算部32に供給する。
ステップS205において、配管熱応力評価装置11は、高精度解析処理を実行する。この高精度解析処理の詳細は、図21のフローチャートに示されている。
図21のフローチャートを参照して、図18の配管熱応力評価装置11の高精度解析処理について説明する。なお、以下で説明される高精度解析処理では、解析過程1乃至3を有する解析手順を用いるものとする。
ステップS241において、計算部32は、解析手順データベース72から制御部31を介して供給された解析手順のデータ(例えば、「手順1」など)に基づき、解析過程1で10万の粗い解析メッシュにより安定な時間離散化手法あるいは安定な空間離散化手法を用いて解析する。計算部32は、解析過程1での解析された解析データを制御部31に供給する。また、制御部31は、高精度解析処理開始時の正確な時刻情報をタイマ34から読み出し、読み出された高精度解析開始時の時刻情報を計算部32に供給する。
ステップS242において、制御部31は、初期値データベース71で管理されているデータベースを初期値データベース71から読み出し、読み出されたデータベースと、計算部32から供給された解析過程1の解析データに基づいて、初期値を設定する。
図22は、初期値データベース71で管理されているデータベースの例を表している。
図22の初期値データベース71の第1列目乃至第5列目には、「解析メッシュ」、「熱流体物性値」、「流速」、「圧力」、および「温度」が記述されており、それぞれ、過渡解析を行う際の単位解析部位、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値、配管内の熱流体の移動速度、熱流体の単位面積にかかる力、および配管内の熱流体の温度を示している。
また、図22の初期値データベース71では、上から最初の二重線までデータが1つのまとまりであり、次の二重線までのデータが次のまとまりであり、以降、順次同様なデータのまとまりが記述されている。これらのデータのまとまりは、すでに解析を行った解析データのまとまりである。以下、このようなデータのまとまりを上から第1段落、第2段落などのように呼ぶ。
図22の初期値データベース71の第1段落の第1行目の場合、「解析メッシュ」は「メッシュ1」であり、過渡解析を行う際の単位解析部位が所定の部位数(例えば、10万など)のうちの1番目の部位であることを示している。「熱流体物性値」は「P11」であり、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値が「P11」であることを示している。「流速」は「Q11」であり、配管内の熱流体の移動速度が「Q11」であることを示している。「圧力」は「R11」であり、解析対象である「メッシュ1」における熱流体の単位面積にかかる力が「R11」であることを示している。「温度」は「S11」であり、解析対象である「メッシュ1」における配管内の熱流体の温度が「S11」であることを示している。
図22の初期値データベース71の第1段落の第2行目の場合、「解析メッシュ」は「メッシュ2」であり、過渡解析を行う際の単位解析部位が所定の部位数(例えば、10万など)のうちの2番目の部位であることを示している。「熱流体物性値」は「P12」であり、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値が「P12」であることを示している。「流速」は「Q12」であり、配管内の熱流体の移動速度が「Q12」であることを示している。「圧力」は「R12」であり、解析対象である「メッシュ2」における熱流体の単位面積にかかる力が「R12」であることを示している。「温度」は「S12」であり、解析対象である「メッシュ2」における配管内の熱流体の温度が「S12」であることを示している。
図22の初期値データベース71の第2段落の第1行目の場合、「解析メッシュ」は「メッシュ1」であり、過渡解析を行う際の単位解析部位が所定の部位数(例えば、10万など)のうちの1番目の部位であることを示している。「熱流体物性値」は「P21」であり、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値が「P21」であることを示している。「流速」は「Q21」であり、配管内の熱流体の移動速度が「Q21」であることを示している。「圧力」は「R21」であり、解析対象である「メッシュ1」における熱流体の単位面積にかかる力が「R21」であることを示している。「温度」は「S21」であり、解析対象である「メッシュ1」における配管内の熱流体の温度が「S21」であることを示している。
図22の初期値データベース71の第2段落の第2行目の場合、「解析メッシュ」は「メッシュ2」であり、過渡解析を行う際の単位解析部位が所定の部位数(例えば、10万など)のうちの2番目の部位であることを示している。「熱流体物性値」は「P22」であり、配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値が「P22」であることを示している。「流速」は「Q22」であり、配管内の熱流体の移動速度が「Q22」であることを示している。「圧力」は「R22」であり、解析対象である「メッシュ2」における熱流体の単位面積にかかる力が「R22」であることを示している。「温度」は「S22」であり、解析対象である「メッシュ2」における配管内の熱流体の温度が「S22」であることを示している。
例えば、制御部31は、図21のステップS241の処理で得られた解析データにおいて、実機配管の計測部(図示せず)で十分に計測することができなかったことにより、一部の解析データが得られなかった場合、残りの解析データから初期値データベース71のデータ(例えば、図19のデータベース71)に基づいて予測し、初期値を設定する。
これにより、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などのような非定常的状況においても、解析において基礎となる初期値を予測するとともに、正確な初期値を設定し、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に評価し、把握することができる。
制御部31は、設定された初期値のデータを計算部32に供給する。
ステップS243において、計算部32は、制御部31から供給された初期値のデータに基づいて、解析手順に従い、解析過程2で、例えば、解析メッシュを10万メッシュから40万メッシュに増加した上でマッピングして計算する。
ステップS244において、計算部32は、解析過程2により計算された解析データに基づいて、高精度な時間離散化手法あるいは高精度な空間離散化手法を用いて解析する。計算部32は、解析された解析データを記憶部33に供給する。また、制御部31は、高精度解析処理終了時の正確な時刻情報をタイマ34から読み出し、読み出された高精度解析処理終了時の時刻情報を計算部32に供給する
以上のように、複数の異なる解析過程を有する解析手順により順次解析し、安定した初期値に基づき高精度な解析を行うので、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に把握することができる。
図19に戻り、ステップS211において、初期値データベース71は、計算部32から供給された初期値データを新たに登録する。すなわち、図22の初期値データベース71に、さらに1つの初期値のデータの段落が登録される。
ステップS212において、計算部32は、ステップS208とステップS209の処理において、図21のステップS242の処理で設定された初期値を用いた累積熱疲労値も計算した上で、初期値を用いて計算された累積熱疲労値と、解析手順により得られた解析データを用いて計算された累積熱疲労値に基づいて、2つの累積熱疲労値の解析誤差を計算し、計算された解析誤差をデータ記憶部73に供給する。データ記憶部73は、計算部32から供給された解析誤差を記憶する。
ステップS213において、計算部32は、タイマ34から制御部31を介して供給された高精度解析処理開始時の時刻情報と、高精度解析処理終了時の時刻情報に基づいて、高精度解析処理(図21のステップS241乃至S244の処理)に要した解析時間を計算し、計算された解析時間をデータ記憶部73に供給する。データ記憶部73は、計算部32から供給された解析時間を記憶する。
ステップS214において、配管熱応力評価装置11は、解析手順データベース更新処理を実行する。この解析手順データベース更新処理の詳細は、図23のフローチャートに示されている。
図23のフローチャートを参照して、図18の配管熱応力評価装置11の解析手順データベース更新処理について説明する。
ステップS251において、制御部31は、データ記憶部73に記憶された解析誤差をデータ記憶部73から読み出すとともに、解析手順データベース72で管理されているデータベースを解析手順データベース72から読み出し、読み出された解析誤差とデータベースに基づいて、この解析誤差がすでにデータベースに存在するか否かを判定する。
ステップS251においてこの解析誤差がすでにデータベースに存在すると判定された場合、制御部31はステップS252において、データ記憶部73に記憶された解析時間を読み出し、読み出された解析時間と、ステップS251において読み出された解析手順データベース72から読み出されたデータベースに基づいて、読み出された解析時間がすでに登録されている解析時間より短いか否かを判定する。
ステップS252において読み出された解析時間がすでに登録されている解析時間より短いと判定された場合、制御部31はステップS253において、解析時間データ供給制御信号を生成し、データ記憶部73に供給するとともに、データベース更新制御信号を生成し、解析手順データベース72に供給する。
ステップS254において、データ記憶部73は、制御部31から供給された計算時データ供給制御信号に基づいて、データ記憶部73に記憶されている解析時間のデータを解析手順データベース72に供給する。また、解析手順データベース72は、データ記憶部73から供給された解析時間のデータを取得し、制御部31から供給されたデータベース更新制御信号に基づいて、取得された解析時間のデータにより解析手順データベース72で管理されているデータベース(例えば、図20の解析手順データベース72)を更新する。すなわち、図20の解析誤差に対応する解析時間をより短縮して更新することができる。
これにより、配管内の熱流体の熱疲労現象の解析に要する計算時間(解析時間)をより短縮し、次回の解析において、より最適な解析手順を用いて解析することができる。従って、配管内の熱流体の熱疲労現象をより短時間に解析することができる。
ステップS252において読み出された解析時間がすでに登録されている解析時間より短くないと判定された場合、制御部31は、解析時間データ供給制御信号とデータベース更新制御信号を生成することなく、ステップS253とステップS254の処理をスキップする。
一方、ステップS251においてこの解析誤差がデータベースに存在しないと判定された場合、制御部31はステップS255において、解析時間データ供給制御信号を生成し、データ記憶部73に供給するとともに、データベース登録制御信号を生成し、解析手順データベース72に供給する。
ステップS256において、データ記憶部73は、制御部31から供給された計算時データ供給制御信号に基づいて、データ記憶部73に記憶されている解析時間のデータを解析手順データベース72に供給する。また、解析手順データベース72は、データ記憶部73から供給された解析時間のデータを取得し、制御部31から供給されたデータベース登録制御信号に基づいて、取得された解析時間のデータにより解析手順データベース72で管理されているデータベース(例えば、図20の解析手順データベース72)に新たに登録する。
これにより、解析手順データベース72に登録されていない解析誤差が計算された場合、その解析誤差に対応する解析時間を対応付けて新たに登録することができる。
以上のように、本発明の第2の実施形態に示された配管熱応力評価装置11においては、予め所定の解析誤差と対応付けられて登録されている解析手順を用いて高精度解析処理を行い、その上で、サイクルカウント処理を行い、その後、配管内の熱流体の熱疲労現象に伴う配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算するので、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に、より短時間に解析することができ、さらに配管内の熱流体の熱疲労現象を容易に把握することができる。
ここで、図20の解析手順データベース72では、「解析誤差」、「解析時間」、および「解析手順」を対応付けて登録したが、例えば、図24に示されるように、「流速」と「解析手順」を対応付けて登録してもよい。
図24は、解析手順データベース72の他の例を表している。
図24の解析手順データベース72の第1列目乃至第2列目には、「流速」と「解析手順」が記述されている。なお、図24の解析手順データベース72の第2列目の「解析手順」は、図20の解析手順データベース72の第4列目の「解析手順」と同様であり、また、図24の解析手順データベース72の第1列目の「流速」と図22の初期値データベース71の第3列目の「流速」と同様であるので、その説明は省略する。
図24の解析手順データベース72の第1行目の場合、「流速」は「c1」であり、配管内の熱流体の移動速度が「c1」であることを示している。「解析手順」は「手順1」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順1」であることを示している。
図24の解析手順データベース72の第2行目の場合、「流速」は「c2」であり、配管内の熱流体の移動速度が「c2」であることを示している。「解析手順」は「手順2」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順2」であることを示している。
この図24の解析手順データベース72を用いる場合、図25に示されるような高精度解析処理が実行される。なお、図25のステップS281、ステップS83およびステップS284の処理は、図21のステップS241、ステップS243、およびステップS244の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS282において、制御部31は、初期値データベース71で管理されているデータベースを初期値データベース71から読み出し、読み出されたデータベースと計算部32から供給された解析過程1の解析データに基づいて、初期値を設定する。
ここで、図24の解析手順データベース72を用いる場合、図22の初期値データベース71に登録されている「流速」のデータを主要配管の平均流速で割った値が、初期値データベース71に登録されている。従って、「流速」のデータにより初期値の設定を行う場合、初期値データベース71から読み出された「流速」のデータに主要配管の平均流速を乗じて初期値とする。
これにより、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などのような非定常的状況においても、配管内の熱流体の流速を解析することにより、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に把握することができる。
制御部31は、設定された初期値のデータを計算部32に供給する。
また、例えば、図26に示されるように、「高温流体の温度」および「解析手順」を対応付けて登録してもよい。
図26は、解析手順データベース72の他の例を表している。
図26の解析手順データベース72の第1列目と第2列目には、「高温流体の温度」、および「解析手順」が記述されている。「高温流体の温度」は、配管内の熱流体のうちの高温の流体の温度を示している。なお、図26の解析手順データベース72の第2列目の「解析手順」は、図20の解析手順データベース72の第4列目の「解析手順」と同様であるので、その説明は省略する。
図26の解析手順データベース72の第1行目の場合、「高温流体の温度」は「d1」であり、配管内の熱流体の移動速度が「d1」であることを示している。「解析手順」は「手順2」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順2」であることを示している。
図26の解析手順データベース72の第2行目の場合、「高温流体の温度」は「d2」であり、配管内の熱流体の移動速度が「d2」であることを示している。「解析手順」は「手順2」であり、高精度解析処理(図21のフローチャートのステップS241乃至S244の処理)を行う場合の解析手順が「手順2」であることを示している。
この図26の解析手順データベース72を用いる場合、図27に示されるような高精度解析処理が実行される。なお、図27のステップS321、ステップS323およびステップS324の処理は、図21のステップS241、ステップS243、およびステップS244の処理と同様であるので、その説明は省略する。
ステップS322において、制御部31は、初期値データベース71で管理されているデータベースを初期値データベース71から読み出し、読み出されたデータベースと計算部32から供給された解析過程1の解析データに基づいて、初期値を設定する。
ここで、図26の解析手順データベース72を用いる場合、図22の初期値データベース71に登録されている「温度」のデータを高温流体と低温流体の温度差で割った値が、初期値データベース71に登録されている。従って、「温度」のデータにより初期値の設定を行う場合、初期値データベース71から読み出された「温度」のデータに高温流体と低温流体の温度差を乗じて初期値とする。
これにより、プラント稼動開始(起動)時や稼動停止時などのような非定常的状況においても、配管内の熱流体の温度を解析することにより、配管内の熱流体の熱疲労現象をより高精度に把握することができる。
制御部31は、設定された初期値のデータを計算部32に供給する。
なお、以上においては、図24と図26においてそれぞれ「流速」と「高温流体の温度」を「解析手順」と対応付けて登録するようにしたが、他の物理量と対応付けて登録するようにしてもよい。
本発明に適用される配管熱応力評価装置11は、例えば、監視装置、分析装置、または検査装置などに適用することができる。
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。この場合、例えば、配管熱応力評価装置11は、図28に示されるようなパーソナルコンピュータにより構成される。
図28において、CPU81は、ROM82に記憶されているプログラム、または記憶部88からRAM83にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM83にはまた、CPU81が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU81、ROM82、およびRAM83には、バス84を介して相互に接続されている。このバス84にはまた、入出力インタフェース85が接続されている。
入出力インタフェース85には、キーボード、マウスなどによりなる入力部86、CRT(CathodeRay Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などよりなるディスプレイ、並びにスピーカなどよりなる表示部87、ハードディスクなどより構成される記憶部88、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部89が接続されている。通信部89は、インターネット(図示せず)を含むネットワークを介しての通信処理を行う。
入出力インタフェース85にはまた、必要に応じてドライブ90が接続され、磁気ディスク91、光ディスク92、光磁気ディスク93、あるいは半導体メモリ94などが適宜装着され、それから読み出しコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部88にインストールされる。
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム格納記録媒体は、図28に示されるように、磁気ディスク91(フロッピディスクを含む)、光ディスク92(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク93(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリ94などよりなるパッケージメディア、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM82や、記憶部88を構成するハードディスクなどより構成される。プログラム格納媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースを介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、ディジタル衛星放送といった、有線または無線の通信記録媒体を利用して行われる。
なお、本明細書において、プログラム格納記録媒体に格納されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
熱疲労現象評価方法を適用した装置の構成を示す概略図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第1の実施形態の原理を説明するための図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第1の実施形態の内部の詳細な構成を示すブロック図。 図3の配管熱応力評価装置での累積熱疲労値計算処理を説明するフローチャート。 図3の表示部に表示される画面の表示例を示す図。 図4のステップS6のサイクルカウント処理を説明するフローチャート。 実機配管内の熱流体の温度変化の例を示す図。 図3の記憶部に記憶されているデータベースの例を示す図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第1の実施形態の他の原理を説明するための図。 図4のステップS6の他のサイクルカウント処理を説明するフローチャート。 図3の記憶部に記憶されている他のデータベースの例を示す図。 図3の配管熱応力評価装置での他の累積熱疲労値計算処理を説明するフローチャート。 図3の表示部に表示される画面の他の表示例を示す図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第1の実施形態の他の原理を説明するための図。 図3の配管熱応力評価装置での他の累積熱疲労値計算処理を説明するフローチャート。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第2の実施形態の原理を説明するための図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第2の実施形態における解析手順データベースの検索を説明するための図。 本発明を適用した配管熱応力評価装置の第2の実施形態の内部の詳細な構成を示すブロック図。 図18の配管熱応力評価装置での累積熱疲労値計算処理を説明するフローチャート。 図18の解析手順データベースで管理されているデータベースの例を示す図。 図19のステップS205の高精度解析処理を説明するフローチャート。 図18の初期値データベースで管理されているデータベースの例を示す図。 図19のステップS214の解析手順データベース更新処理を説明するフローチャート。 図18の解析手順データベースで管理されている他のデータベースの例を示す図。 図19のステップS205の他の高精度解析処理を説明するフローチャート。 図18の解析手順データベースで管理されている他のデータベースの例を示す図。 図19のステップS205の他の高精度解析処理を説明するフローチャート。 本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図。
符号の説明
1 実機配管
2 主要配管
3 分岐配管
4 合流部
5 計測部
6 計測部
21 本体
22 表示部
31 制御部
32 計算部
33 記憶部
34 タイマ
35 入力部
41 外部記録媒体
48 データベース
49 データベース
61 サブ本体
71 初期値データベース
72 解析手順データベース
73 データ記憶部

Claims (17)

  1. 予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析手段と、
    前記解析手段により解析された解析結果に基づいて、前記配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算手段と、
    前記第1の計算手段により計算された前記累積熱疲労値を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段により記憶された前記累積熱疲労値を表示する表示手段と
    を備えることを特徴とする配管熱応力評価装置。
  2. 前記解析手段により解析された解析結果には、少なくとも、前記配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値である物性値、前記熱流体の流速、前記熱流体の単位面積にかかる力である圧力、および前記熱流体の温度に関するデータが含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の配管熱応力評価装置。
  3. 前記解析手段により解析された解析結果に含まれる前記熱流体の温度に関するデータに基づいて、前記熱流体の温度の変化量と前記変化量に対応する頻度を所定の時間間隔に区分して計算する第2の計算手段をさらに備え、
    前記第1の計算手段は、前記第2の計算手段により計算された前記変化量と前記変化量に対応する頻度に基づいて前記累積熱疲労値を計算する
    ことを特徴とする請求項2に記載の配管熱応力評価装置。
  4. 前記解析手段により解析された解析結果に含まれる前記熱流体の圧力に関するデータに基づいて、前記熱流体に加わる応力の変化量、および前記変化量に対応する頻度を計算する第2の計算手段をさらに備え、
    前記第1の計算手段は、前記第2の計算手段により計算された前記変化量と前記変化量に対応する頻度に基づいて前記累積熱疲労値を計算する
    ことを特徴とする請求項2に記載の配管熱応力評価装置。
  5. 前記記憶手段により予め記憶されている第1の累積熱疲労値と前記第1の計算手段により計算された第2の累積熱疲労値との比である累積熱疲労値比を計算する第2の計算手段をさらに備え、
    前記表示手段は、前記第2の計算手段により計算された前記累積熱疲労値比をさらに表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配管熱応力評価装置。
  6. 前記解析結果に基づいて、前記配管と前記熱流体との間の熱移動の大きさを示す熱伝達率を計算する第2の計算手段と、
    前記第2の計算手段により計算された前記熱伝達率、前記配管の肉厚、および前記配管を構成する配管構造材熱伝達率に基づいて、前記配管内の熱流体の伝熱と前記配管の表面からの熱伝達量の比であるビオ数を計算する第3の計算手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配管熱応力評価装置。
  7. 前記解析手段により解析するときに要求される所定の解析誤差のデータを取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得された前記解析誤差のデータに基づいて、前記配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析手順が登録されている解析手順データベースを検索する検索手段とをさらに備え、
    前記解析手段は、前記検索手段により検索された前記解析手順に基づいて解析する
    ことを特徴とする請求項1に記載の配管熱応力評価装置。
  8. 前記解析手順データベースは、少なくとも、前記解析誤差と、前記解析手段により解析するときに要する所定の解析時間、および前記解析手順が対応付けて登録されている
    ことを特徴とする請求項7に記載の配管熱応力評価装置。
  9. 前記解析手段により解析するときに要する第1の解析時間を計算する第2の計算手段と、
    前記第2の計算手段により計算された前記第1の解析時間と、前記解析手順データベースに登録されている第2の解析時間のうち、いずれの解析時間が短いか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記第1の解析時間が前記第2の解析時間よりも短いと判定された場合、前記解析手順データベースに登録されている前記第2の解析時間を前記第1の解析時間に更新する更新手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の配管熱応力評価装置。
  10. 前記解析手順データベースに登録されている前記解析手順は、少なくとも、第1の解析過程と第2の解析過程とからなり、
    前記第1の解析過程において前記解析手段により解析された解析結果に基づいて、前記解析手段により解析されるときの基礎のデータとなる初期値が予め登録されている初期値データベースを検索し、前記初期値を設定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の配管熱応力評価装置。
  11. 前記解析手段は、前記第2の解析過程において、第1の解析過程において設定された前記初期値に基づいて解析する
    ことを特徴とする請求項10に記載の配管熱応力評価装置。
  12. 前記初期値データベースは、少なくとも、前記解析手段により解析するときの単位解析部位である解析メッシュ、前記配管内の熱流体の物質自体が有する性質を表す数値である物性値、前記熱流体の流速、前記熱流体の単位面積にかかる力である圧力、および前記熱流体の温度が対応付けて登録されている
    ことを特徴とする請求項10に記載の配管熱応力評価装置。
  13. 前記解析手順データベースは、少なくとも、前記熱流体の流速と前記解析手順が対応付けて登録されており、
    前記配管は、主要配管と、前記主要配管から分岐した分岐配管とからなり、
    前記初期値データベースに含まれる前記流速のデータは、前記主要配管内の熱流体の平均流速で規格化されており、
    前記初期値を設定するとき、前記初期値データベースに登録されている前記流速のデータに前記平均流速を乗じて設定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の配管熱応力評価装置。
  14. 前記解析手順データベースは、少なくとも、前記熱流体に含まれる高温流体の温度と前記解析手順が対応付けて登録されており、
    前記初期値データベースに含まれる前記温度のデータは、前記熱流体に含まれる高温流体の温度で規格化されており、
    前記初期値を設定するとき、前記初期値データベースに登録されている前記熱流体に含まれる高温流体の温度を乗じて設定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の配管熱応力評価装置。
  15. 予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、前記配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、
    前記第1の計算ステップの処理により計算された前記累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップの処理により記憶された前記累積熱疲労値を表示する表示ステップと
    を含むことを特徴とする配管熱応力評価方法。
  16. 予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、前記配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、
    前記第1の計算ステップの処理により計算された前記累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップの処理により記憶された前記累積熱疲労値を表示する表示ステップと
    を含むことを特徴とするコンピュータに読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
  17. 予め作成されたシミュレーションデータに基づいて、配管内の熱流体の熱疲労現象を解析する解析ステップと、
    前記解析ステップの処理により解析された解析結果に基づいて、前記配管の熱疲労の度合いを示す累積熱疲労値を計算する第1の計算ステップと、
    前記第1の計算ステップの処理により計算された前記累積熱疲労値を記憶する記憶ステップと、
    前記記憶ステップの処理により記憶された前記累積熱疲労値を表示する表示ステップと
    をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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