JP2007163136A - 高効率の直接接触型凝縮方法および装置 - Google Patents

高効率の直接接触型凝縮方法および装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、直接接触型蒸気凝縮の効率を改良することである。
【解決手段】下方蒸気流チャンバーおよび上方蒸気流チャンバーを有する直接接触型チャンバーであって、前記蒸気チャンバーの各々が複数の冷却パイプおよび蒸気−液体接触媒体を含み、複数の隣接したシートを備えてもよく、下方に取り付けられた実質的に直進の蒸気経路が形成された直進接触型チャンバー。前記上方流チャンバーは、第2の冷却剤供給バイプおよび圧力制御バルブ手段を含む。凝縮器は、さらに分離された凝縮物を回収する容器を含む。計算モデルは凝縮器の性能を推論するための計算に用いてもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は直接接触型凝縮に関するものであり、具体的には地熱発電所において用いられる改良された直接接触型コンデンサ装置(direct contact condenser apparatus)に関するものであり、さらにはそれを用いて地熱蒸気を凝縮するための方法に関するものである。本発明はまた、改良された直接接触型コンデンサの性能を推論(predicting)するための方法に関するものである。
米国政府は、米国エネルギー省とミッドウェスト研究協会の一部門である国立再生可能エネルギー研究所とのあいだにおいて交わされた契約DE−AC36−83CH10093番に基づいて本発明における権利を有する。
従来の硫化水素燃料源の代替として、近年においては地熱燃料源が著しい注目を集めている。地下地熱供給源から得られる液体を地上の施設において処理し、種々の形態の利用できる燃料を供給することができる。地熱蒸気をスチームタービン/発生器を通過させることによる発電が最も注目されている。
スチームタービンからの低圧の廃棄物(effluent)を直接大気中に排気することができるのであれば、地熱発電所の構造および操作は簡素化され得るものである。しかしながら、地熱液体(geothermal fluid)は一般的にアンモニア、硫化水素およびメタン等の非凝縮性ガスを含む多種多様の潜在的な汚染物を含むものである。これら汚染物質、とくには硫化水素のため、地熱蒸気排気を大気中に排気することは通常環境上の理由のため禁止されている。したがって従来の方法においては、タービンの廃棄物をスチームコンデンサに排気することによってタービンの背圧を低減し、さらなるダウンストリーム処理(downstream treatment)のために非凝縮性ガスを濃縮することが行なわれている。
多くの地熱発電所において直接接触型コンデンサが用いられており、これらにおいては冷却液と蒸気とが凝縮チャンバーにおいて混合し、タービンから排気された蒸気を冷却し、凝縮する。一般的には冷却液が通過する導管の表面によって蒸気と冷却液とが分離される仕組みの表面コンデンサ(surface condenser)よりも直接接触型コンデンサの方がその構造が比較的簡単であり安価であるために好ましく用いられる。しかしながら、直接接触型コンデンサを用いて最適な伝熱効率を実現するためには、冷却液を細かい小滴に拡散、すなわち雨を形成するために液を充分に高い速度において凝縮チャンバーに導入する必要があり、その場合凝縮のための表面積が増加する。残念なことにこのような高速排出は冷却液と蒸気とのあいだの接触時間を短縮し、これにより熱交換効率が低下する。したがって、従来の直接接触型コンデンサにおいてはこの低伝熱効率を補正し、凝縮を達成するために液と蒸気とのあいだの充分な接触を可能とするために比較的大きな凝縮チャンバーが必要となる。
凝縮効率を高め、よって直接接触型コンデンサのサイズを最小限に抑えるために用いられ得る一つの方法としては、冷却液を複数の個別のノズルを通して注入し、冷却液を膜状に分散することである。通常の液体注入に比べて膜は凝縮のための大きな表面積を提供するので、冷却液をより低い率において、すなわち小滴の雨を生成する必要がなくチャンバー内に導入することができる。一般的にこれら噴霧・チャンバー型コンデンサにおける凝縮の効率は改善されており、従来の生成コンデンサよりもコンパクトな設計のものであるが、これらにおいて充分な凝縮を行なうためには相当な量の冷却液が必要とされる。したがって過剰な冷却液を凝縮チャンバーにポンプで送る作業に関して必要とされる追加のエネルギーおよびこれらの損失のため、これらコンデンサの実用的な効率は低いままである。
その後の開発においては、液体注入および/または分散メカニズムを変形することにより蒸気と冷却液とのあいだの接触の効率を改良する点に重点がおかれた。たとえばボウ氏保有の米国特許第3,814,398号明細書においては複数の互いに間隔を置いて配置され、冷却液導入口に対して角度をなす、そらせ板(deflector plate)を有する直接接触型コンデンサが開示されている。これらそらせ板は冷却液を液体フラグメント(liquid fragment)に分割するために設けられているものであり、よって冷却剤の膜を形成している。このコンデンサには複数の噴霧チャンバーが設けられ、各チャンバーにおいてはそらせ板と液体導管とが設けられている。この設計における明確な欠点は、膜を形成するために必要である隔壁、そらせ板および液体導管が多数であるため、その構造が複雑かつ高価であることにある。
噴霧チャンバーに加え、直接接触型コンデンサにおける冷却液と蒸気とのあいだの伝熱はバッフルトレーコラム(baffle tray column)、直交流形トレーコラムおよび導管路接触器などを用いて行なわれてきた(ジェー.アール.フェア、「ケミカル エンジニアリング」(J.R.Fair, Chemical Engineering)2:91−100(1972);ジェー.アール.フェア、「ケム.エング’グ プログ.シンプ.」(J.R. Fair, Chem. Eng'g Prog. Symp.)、68(118):1−11(1972)およびジェー.アール.フェア、「ペトロレウム アンド ケミカル エンジニアリング」(J.R. Fair, Petroleum and Chemical Engineering)、2:203−210(1961)参照)。残念なことにこれらの全ての設計においては逆混合(back-mixing)が生じるため、一般的に低い(60〜70%)凝縮効率がもたらされる。さらに、これらのコンデンサのうち多くにおいては、とくに直交流形トレーコンデンサにおいては、蒸気が蒸気導入口から非凝縮性ガス導出口まで流れる際の通路が長く、曲がりくねったものになる。このような長く曲がりくねった蒸気通路を形成するために、これら装置は大きなハウジングと複雑な内部ネットワークとを必要とする。複雑でありその製造が高価になることに加えて、これら従来の設計においては一般的に曲がりくねった蒸気通路のためコンデンサの背圧が高くなる。さらに、これら従来の設計のうちほとんどは、そのうちバッフル・コラム設計のものについてはとくに、排気される非凝縮性のガス流れにおける非凝縮の蒸気が一般的に高い濃度を示すために多大なガス側圧力損失を被る。こうして凝縮チャンバーから残留する蒸気をポンプで送るために必要となる追加のエネルギー要求によって著しいガス側圧力損失が生じるため、タービンから抽出され得る利用可能な動力を低減させることになる。
蒸気と冷却液とのあいだの接触の効率を向上させる目的で液体・蒸気接触媒体として充填されたコラムを用いて直接接触型コンデンサを設計したものもある。しかしながら、これら充填されたコラムは通常、任意のかたちで配置されているため、蒸気の流れのパターンが複雑なものになる。このような複雑な流れのパターンのために、充填されたコラムを用いたコンデンサは直交流形トレーコンデンサとしてはいくつかの、すなわちコンデンサの高い背圧およびガス側圧力の多大な損失といった欠点を奏する。
地熱蒸気処理に関する別の重要な関心としては前述のようなある種の非凝縮性ガスの存在に関するものがある。汚染された蒸気が凝縮チャンバーにおいて冷却液と混合されると、非凝縮性ガスの一部が液体に溶融する。これら非凝縮性ガスは凝縮物と冷却液との混合物とガス流れとのあいだにおいて拡散しがちである。液体およびガス流れにおける汚染物質の相対的な濃度はコンデンサの構造とコンデンサ内の液体の特性(たとえば温度または圧力)に関する条件によって左右される。実際には、これら汚染物質は一般的にコンデンサにおける液体およびガス廃棄物の両方に腐食性および/または毒性を与えるものである。地熱発電所における汚染緩和のために様々な処理が開発されてきたのにも関わらず、これらの処理のうちほとんどは高価な化学的処理を含み、多くの場合、合理的な費用でもって容認できる範囲の廃棄物の除去を行なうことができない。さらに環境上および経済上の両方の観点から見て、より多く汚染されている凝縮混合物を使用した冷却液から分離することが有利であると考えられる。これら2つの液体を分離することによって汚染された部分を効果的に処理し、汚染が少ない冷却液を冷却塔に戻して安全な形でリサイクルすることができることが好ましい。残念なことに現存する直接接触型コンデンサのうち、効率的にひとつの部分において汚染物質を凝縮させ、この汚染された部分を比較的無害な冷却液流れから分離させる機構を有するものはない。
環境上の問題に加えて、地熱蒸気内に存在する非凝縮性ガスは凝縮チャンバーに溜まり、タービンおよび/またはコンデンサの効率にわるい影響を及ぼし、プラントの性能全体を害することがある。除去されない限りこれらガスはコンデンサ内において溜まり、凝縮表面を妨害して凝縮のための表面積を減少させる。これら溜まった汚染物質は凝縮チャンバー内の圧力をも上昇させ、それによりタービンの背圧にも影響を与える。さらに、硫化水素はすぐに冷却液に溶融し、その後酸化することによっていずれも多くの金属に対して強い腐食性を有する亜硫酸および硫酸を生成する。したがって、コンデンサ内における適正な作業圧力を維持し、設備の腐食および腐敗を最低限にするためには、これらガスを除去するための別途ポンプで送る力または圧縮力を使用する必要がある。
現存するコンデンサにおいて多くの場合生じる別の問題としては、コンデンサのハウジングにわたって冷却液を均一に分配することが困難であるという点がある。最適な効率を得るためには、冷却剤を凝縮チャンバーの全体にわたって均一に分散させて蒸気と混合させ、凝縮のために利用できる面積を最大にすることが重要である。さらに、アップフロー(upflow)段階において冷却剤の注入を行なう装置においては、蒸気が好ましい形で主に底面の付近において凝縮するか、または転倒した場合には主に上部に凝縮することがよく知られている。作業の2つのモード間の切り替えは、一般的にバンバン不安定性(bang-bang instability)と称される。したがって、上向きの流れの段階において、作業上不安定になる期間および/またはアップフロー段階において蒸気の流れが多くなる期間において追加の冷却液が供給されるような自動的かつ間欠的な冷却液排出作業を行うことが好ましい。最後に、地熱発電所において好ましく用いられる直接接触型コンデンサはまた高価でなく、コンパクトであり、その設計が容易でなくてはならない。これら設計を行なうための適切なエンジニアリング上の方法もまた提案されなくてはならない。
よって、地熱発電所において用いられ得る、改良された高効率の直接接触型コンデンサが求められている。このような改良されたコンデンサは、蒸気と冷却液とのあいだの接触を可能にするために蒸気・液体接触媒体と、コンデンサの背圧と蒸気の圧力損失を最低限にするために比較的短い直線状の蒸気流路と、比較的高濃度の非凝縮性ガスを含む廃棄物のための別の湯だまり(hot well)とを有するべきである。このような高効率のコンデンサはさらに冷却液の均一な分配を可能にし、アップフロー段階において自動的かつ間欠的な液体排出システムを備え、高価でなく、コンパクトであり、メンテナンスが容易であり、その設計が容易でなくてはならない。さらに、地熱蒸気の直接接触型凝縮に一般的に関する効率と環境に関する問題を解決または最低限にするための地熱発電所から蒸気を凝縮する方法をも必要とされている。最後に、直接接触型コンデンサの作業を推論するための方法も必要とされている。本発明がなされる以前にはこのような装置または方法は存在しなかった。
よって、本発明の一般的な目的は、直接接触型蒸気凝縮の効率を改良することにある。
本発明のより特殊な目的は、蒸気と冷却液とのあいだの熱交換の効率を向上させることによって直接接触型凝縮のための効率的な方法とそのための装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、熱力学的限界により近い直接接触型凝縮の効率を達成するための方法と装置を提供することにあり、このような効率を最低限の要求される垂直ポンプ高さ(vertical pumping height)でもって達成することにより液体の圧力損失を最低限にすることにある。
本発明のさらに別の目的は、蒸気の流路を簡単な直線状にすることによって最低限の蒸気側の圧力損失でもって作業する直接接触型コンデンサ装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、最低限のタービンに対する背圧でもって作業する直接接触型コンデンサ装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、溶融した非凝縮性ガスを高濃度に含む排気物質のための別の湯だまりを有する直接接触型コンデンサを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、凝縮チャンバーにおいて比較的均一な冷却液の分配を達成するための方法およびその装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、好ましくない逆流作業を防止するために上方の蒸気の流れ段階において自動的にかつ間欠的に冷却液を排出することができる直接接触型コンデンサ装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、凝縮処理において最低限の冷却液容積を必要とし、液体注入の際の圧力損失が小さく、蒸気の回収の際の圧力損失が小さく、高い効率を奏する方法およびその装置を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、高価でなく、コンパクトであり、メンテナンスが容易であり、その設計が容易である、地熱発電所において好ましく用いられる直接接触型コンデンサを提供することにある。
最後に本発明の目的は、直接接触型コンデンサの化学的および物理的性能を推論し、最適化するための方法を提供することにある。
これらまたはその他の目的を達成するため、またここにおいて実施され広く説明される本発明の目的において、本発明における製造品は非凝縮性ガスを含有する蒸気流れを回収するためのチャンバーと、このチャンバー内に冷却液を供給するための導管と、蒸気流れと冷却液とのあいだの接触および直接的な熱交換を可能にするためにチャンバー内に配される接触媒体とを有するものであり得る。この接触媒体は実質的に直線状の蒸気流路を構成し、凝縮の効率と非凝縮性ガスの凝縮物・冷却液混合物への吸収とのいずれにも影響を及ぼすように構成されている。
さらにこれらまたはその他の目的を達成するため、またここにおいて実施され広く説明される本発明の目的に基づいて、本発明による方法においては非凝縮性ガスを含有する蒸気流れを凝縮するステップが行なわれ得る。具体的には、本方法においては蒸気流れを凝縮チャンバーに導入し、蒸気流れを凝縮チャンバー内に配置される接触媒体を通過せしめる。この接触媒体は少なくともその一部が冷却液でコーティングされているため、凝縮物・冷却液の混合物が形成される。この接触媒体は凝縮および非凝縮性ガスの凝縮物・冷却液の混合物への吸収の効率に影響を及ぼすべく構成されている。
本発明は、さらにコンデンサの作業を推論するための方法をも含んでいる。具体的には、この方法においてはコンデンサに関する一連の入力値を提供し、これら入力値には液体の荷重、蒸気の荷重、およびコンデンサ内の接触媒体の構造的特性などが含まれ、また接触媒体の構造的特性には接触媒体内の管路の寸法および方向などが含まれるものである。またこの方法には一連の入力値を用いてコンデンサの作業のシミュレーションを行なって関連する出力値を決定するステップが含まれ、これら出力値には導出液体温度またはコンデンサからの流量、および導出液体における1つまたはそれ以上の溶融した非凝縮性ガスの種類の濃度などが含まれ得る。最後に、この方法には複数の一連の入力値を用いて上述のステップを実施し、それぞれ得られる出力値がさらなる分析に適しているか否かを決定するステップを含むものである。
本明細書に含まれてその一部をなすものである添付される図面は、本発明の好ましい実施例を例示するものであり、この明細書とともに本発明の原理を説明するために用いられるものである。
図1において示される本発明による直接接触型コンデンサ10は、凝縮されるべき蒸気と冷却液とのあいだの熱交換を改良することによって直接接触型凝縮の効率を高めるものである。このコンデンサ10は、最低限の液体および蒸気の圧力損失でもって可能限り熱力学的限界に近いまでの凝縮の効率を達成するものである。これら結果を得るためにこの直接接触型コンデンサは層をなす波形板の複合物からなる蒸気・液体接触媒体を含むものである。凝縮のための広い表面積を提供するものである波形板は互いに関連して配置され、凝縮チャンバー内において比較的簡単で直線状の蒸気流路を提供するような形に方向付けられており、これによりタービンに対する有害な背圧を最低限に抑えることができる。この接触媒体はまた冷却液の落下率をも妨げるため、凝縮チャンバー内での滞在時間を長くし、よって凝縮効率を向上させることができる。
凝縮の効率を高めることに加え、この接触媒体は非凝縮性ガスの冷却液・凝縮物の混合物への溶解率を含む蒸気と冷却液とのあいだの伝熱および質量輸送力学にも影響を及ぼす。凝縮の効率と液状廃棄物内における溶融ガスの濃度とはいずれもたとえば隣接する波形の隆起部、波形の高さ、波型の角度、板の厚さ、板の傾斜角度、および接触媒体の全体の高さおよび幅に関する寸法などを含む接触媒体の物理的パラメータに基づいて推論および操作され得る。一般的に、接触媒体が大きくその濃度が高いほど、水平に対する波形板の傾斜角度は小さく、凝縮の効率は高く、また液状廃棄物内における溶融ガスの濃度は高くなる傾向にある。しかしながら、これらの条件下においては蒸気側の圧力損失もまた増加する。したがって、接触媒体の寸法と構造を操作することによってコンデンサの物理的かつ化学的性能は効率的に最適化され得る。この直接接触型コンデンサ10は順次凝縮処理を行なえるように複数の凝縮チャンバーもち得る。第1の凝縮チャンバーは冷却液内における非凝縮性ガスの吸収を最低限にするように設けられ、それに続く(単数または複数の)凝縮チャンバーにおいては凝縮を最大化し蒸気流れから残留する蒸気を除去することによって蒸気の持ち越しを最小限に抑える。第1のチャンバーからの汚染の少ない液体は効率的にリサイクルされ得、以後の(単数または複数の)凝縮チャンバーからのより汚染度の高い廃棄物はさらなる処理のために適当なサイトに送られ得る。
典型的な直接接触型コンデンサ装置10においては、図1において第1の凝縮チャンバー18および第2の凝縮チャンバー20として図示されているように、導入流れ11の大半の部分を凝縮するための第1のまたは主たる凝縮チャンバーと、第1の凝縮チャンバー内において凝縮されなかった残留する蒸気を除去するための第2のまたは上方蒸気流れチャンバーとが設けられるハウジング12をもち得る。この直接接触型コンデンサ装置10にはさらに蒸気導入口14、第1の凝縮チャンバー18から最低限の量の溶融した非凝縮性ガスを含む凝縮液31を回収するための第1の容器30、第2の凝縮チャンバー20からたとえば硫化水素のような溶融ガスを高い濃度で含有する凝縮液33を回収するための第2の容器32、および液状凝縮物31および33に溶融していないいかなる非凝縮性ガスを除去するための排気パイプ48とを含み得る。第1の排出路34によって第1の容器30から凝縮物31が除去され、第2の排出路36によって第2の容器32からの凝縮物33が除去される。蒸気11を液状に凝縮する際には、蒸気11を第1の容器18における冷却水13と第2の容器20における冷却水15とによって冷却する。
以下にさらに詳細に説明される本発明の重要な要素としては、蒸気と冷却液とのあいだの直接的な熱交換を可能にするために第1の容器18と第2の容器20とに設けられる2つの蒸気・液体接触媒体28、29の設計および構造がある。これら接触媒体28、29は薄い波形板の層からなり、これらが蒸気と冷却液の流れのための垂直な交互配置された管路または通路を形成し、これにより大きな接触表面と凝縮チャンバー内の全体にわたって冷却液が均一に分離されるようにしながら供給パイプ22、24から容器30、32への冷却液の落下率を妨げるようにすることが好ましい。これら媒体構造によって凝縮チャンバー18、20内における冷却液の滞在時間を増加させ、よって凝縮効率を高めながら同時に蒸気が接触媒体28、29内を比較的直線状に流れるための流路が与えられるため、典型的な発電設備においてはコンデンサ10の上流にある(図示されない)タービンに対する有害な背圧を最小限に抑えることができる。下方の蒸気流れチャンバー18および第2の上方の蒸気流れチャンバー20のいずれもそれぞれ複数の冷却液供給パイプ22、24を有しており、これにより冷却水13、15がそれぞれの蒸気・液体接触媒体28、29に輸送される。上方の蒸気流れチャンバー20はさらに第2の蒸気・液体接触媒体29の下方に配置される一連の冷却液供給パイプ26を有しており、これらは接触媒体29の対向する側におけるガス流れの圧力差に応じて間欠的に作動する。
図1〜9における直接接触型コンデンサ10とこれの様々なチャンバーまたは構成要素の図は原寸大でもなく、またその比率も正しいものではない。したがって、当業者にとって明らかであるようにこれら図面は図示の目的のためにのみ用いられるものである。さらに、限定する目的のものではなく、詳細な説明および可能な実施例を提供するだけの目的のためにのみ、本説明は凝縮処理における蒸気および液状要素としてスチーム(または蒸気)および冷却水(または液体)を用いるものである。同様に、たとえば図1において示されるように、本発明においてはコンデンサ装置10の構成要素の一例としてスチーム導入口14、下方のスチーム流れチャンバー18、および上方のスチーム流れチャンバー20を用いている。しかしながら本発明の装置および方法は、数多くの蒸気および液体の組み合わせとバリエーションとに基づいて実施され得、本発明はここにおいて説明され、図示された特定のスチームおよび冷却水の組成または装置の構造に限定されるものではない。
本発明における接触媒体28、29の設計規準およびそれらの構造について詳細に説明する前に、コンデンサ装置10の全体の機能的および構造的詳細について理解することが役に立つと思われる。直接接触型コンデンサ10は、たとえば(図示されない)スチームタービンからの排気など外部源によるスチーム11を受け、図1において示される好ましい実施例においてはスチームが下方に流れるためチャンバーであるため本文においては下方スチーム流れチャンバーとも称される第1のまたは主たるチャンバー18に向けるためのコンデンサ10の上部に設けられたスチーム導入口14を有する。スチームが第1のまたは主たるチャンバー18を通って流れる際に、第1または主たる蒸気・液体接触媒体の中を通過するが、これらに関する詳細な説明は後述される。第1または主たる冷却液供給パイプ22は第1の蒸気・液体接触媒体28の真上に配置されて、その上には複数の開口部またはノズル23が設けられている。供給パイプ22はたとえば供給タンクまたは冷却塔などの外部の冷却液供給源に連結されているため、冷却水13がノズル23を通って第1または主たる蒸気・液体接触媒体28の上に下方に向かって噴霧される。これらノズル23は、冷却水13が媒体28の上に均一に噴霧されるように第1のまたは主たる媒体28の上で均等な間隔において配置されるのが好ましい(が、必須ではない)。この蒸気・液体接触媒体28は広い表面積を奏するため、以下に詳述されるようにスチームの流路が比較的直線的でありながらもスチームと冷却液とのあいだの接触および直接的な熱交換が可能となる。媒体28におけるスチームから冷却液への伝熱が効果的に行なわれるため、スチームの大半が主たるチャンバー18で凝縮され、こうして得られる冷却液と凝縮物の混合物は下方のスチーム流れチャンバー18におけるハウジング12の底部における容器30内に落下する。
スチーム導入口14の一方におけるハウジング12の上部から下方に向けて垂直に第1の隔壁部材16が延伸して、主たるまたは下方のスチーム流れチャンバー18と第2のまたは上方のスチーム流れチャンバー20とを分離している。この第1の隔壁16はハウジング12の長手方向軸に対して実質的に垂直な方向に向いており、その対向する端部は後者の長手方向における側壁に連結されている。後述されるように、第1の隔壁部材16は第2の隔壁部材42に対してスチーム19が媒体28を通過して主たるチャンバー18から第2のチャンバー20に流れの矢印45によって示されるように流れるようにさせるように空間44によって垂直に間隔をおいて設けられている。
主たるチャンバー18において凝縮されなかったスチーム19は流れ空間44を通過して第2のチャンバー20に流れ、そこにおいて流れの矢印21によって示されるように上方に流れる。第2のチャンバー20を通って上方に流れる際に、スチームは第1の蒸気・液体接触媒体28同様、第2の蒸気・液体接触媒体29を通過する(いずれについても後に詳述される)。第2の供給パイプ24が第2の蒸気・液体接触媒体29の真上に配置されて、その上には複数の開口部またはノズル25が設けられている。供給パイプ24は外部の冷却液供給源に連結されているため、冷却液15がノズル25を通って第2の蒸気・液体接触媒体29の上に下方に向かって噴霧される。これらノズル25は、冷却水15が媒体29の上に均一に噴霧されるように第2の媒体29の上で均等な間隔において配置されるのが好ましい(が、必須ではない)。第1のまたは主たる蒸気・液体接触媒体28と同様、この第2の蒸気・液体接触媒体29は広い表面積を奏するため、以下に詳述されるようにスチームの流路が比較的直線的でありながらもスチームと冷却液とのあいだの接触および直接的な熱交換が可能となる。第2のチャンバー20内のスチームの大半、好ましくは実質的に全てが第2の媒体29内において凝縮され、こうして得られる凝縮物は供給パイプ24からの冷却液および液体に溶融した非凝縮性ガスの大部分が第2のチャンバー20の底部に設けられる容器32内に流れるか落下する。第2の蒸気・液体接触媒体29から外に出る非凝縮性ガスの流れは流れの矢印47によって示されるようにガスチャンバー46に流れ、そこにおいてガス排気パイプ48および(図示されない)真空ポンプまたはそれに類似したものを介して除去される。
第2の隔壁部材42がハウジング12の底部から上方に向かって伸延しており、前述の第1の隔壁部材16に対して実質的に並列することが好ましい。第1の隔壁部材16同様、第2の隔壁部材42はハウジングの長手方向軸に対して垂直な位置に方向付けられており、その対向する端部は後者の長手方向の側壁に対して連結されている。したがって第2の隔壁部材42はそれぞれ下方のスチーム流れチャンバー18と銃砲のスチーム流れチャンバー20の底部に設けられる容器30と32とを分離するものである。容器30および32はそれぞれ第1および第2のチャンバー18、20からの凝縮物と冷却液とを回収するものであり、以下に詳述されるようにそれぞれ個別の凝縮物導出口または排出路34、36と連通してそれぞれの目的地に輸送するようになっている。第2の隔壁部材42には容器30および32間における液体の連通を可能にするためのバルブ43が設けられ得る。たとえば凝縮物31および33における溶融した非凝縮性ガスの濃度がいずれも最低である場合などの特定の条件下において容器30および32間の液体の連通を可能にすることが望ましい。この場合、凝縮物31および33とは混合され得、凝縮物31に関して後に詳述するように、この組み合わされた凝縮物は効率的にリサイクルされ得る。
蒸気・液体接触媒体28、29はパターニングされたまたは組織化された形状を有する(通常組織化された充填物と称される)剛性物質であり、これらにおいて複数の波形の板が積層されて互いに対して組織化された関係において位置されている。そのような構造のため、後に詳述するように、たとえば直交流形トレーまたは充填コラムなどの一般的に曲がりくねったパターンを形成する従来の設計に比べて接触媒体28、29は比較的簡単で直線状のスチームの流路を形成する。これら接触媒体は高価でなく、耐性を有し、頑丈であり、標準的な処理条件下において安定しており、スチームおよび冷却液における不純物または構成要素に対して化学的に融和性を呈し、腐食および腐敗に対して比較的耐性を有するものである限り、いかなる適当な物質からも形成され得る。本発明における接触媒体28、29として適当な物質としてはたとえば多種多様な金属およびプラスティック樹脂が含まれる。好ましい接触媒体28、29は多種多様な商業的に入手可能な、たとえばムンターズ アンド コッホ社製などの金属製またはプラスティック製の固形板および金網板(ワイヤメッシュ)からなり得る。
図2〜6を参照するに、本発明の好ましい実施例における接触媒体28、29は波形板100、110および120からなる積層された複合物からなる。接触媒体28、29における波形板100、110の好ましい方向は図3および4において示されている。板100、110は互い違いな波形角度をなすように配置されるのが好ましい。たとえば板100が水平に対して+θの波形角度をなす場合、隣接する板110は水平に対して−θの波形角度をなすことが好ましいが、別の角度であってもよい。
図4において最もよく見うけられるように、好ましい実施例における接触媒体28、29はそれぞれ複数の互いに対して並列された関係に配置される波形板100、110、120を有し、それぞれ別の板100、120における隆起部102、122および溝部104、124が一つの角度において方向付けられ、それぞれのあいだに挟まれる板110における隆起部112および溝部114が水平に対して他の角度おいて方向付けられる。溝部104、124によって第1の方向142に方向付けられる複数のスチームおよびガス流路を形成する管路140が形成され、溝部114によって第2の方向146に方向付けられる複数のスチームおよびガス流路を形成する管路144が形成される。
図5および図6において管路140内における互い違いの横断面図が示されている。図5においては隣接する波形板100、110間における接触点での横断面図が示されている。図6においては方向矢印142および146に沿って流れる液体が連通し混合する隣接する管路140、144間における交差部での横断面図が示されている。したがって、接触媒体28、29は互い違いおよび交差する管路140、144のパターンを有し、これによりスチームと冷却液との定期的な再分配が可能となる。管路140、144の構造、とくにこれらの横断面の寸法構造(および傾斜角θ)は下記の実施例1において示されるように少なくとも部分的にスチームと冷却液とのあいだの熱および質量輸送を画定するものである。図5〜8において示されており本発明の推論の方法において適応される横断面の寸法は以下のものを含んでいる:
S=板100、110、120の波形の幅(すなわちSとは管路140、144の「側面」である)、
B=板100、110、120における2つの連続する波形の隆起部間の距離(すなわちBとは管路140、144の「底部」である)、および
h=板100、110、120の波形の高さである。
図7および8において前述の板の寸法に加えて本発明における方法において明らかである他のパラメータが示されている。
図8は接触媒体28、29における管路140の一部の図であり、その中における冷却液の流れを示すものである。具体的には、冷却液は重力によって膜として管路140の傾斜表面上、すなわち図7における表面150上を流れる。本発明における方法は、よって以下の別のパラメータが図7および8において示されている:
S’=液体更新長さ152、
δ=液体膜厚、および
α=水平線156に対する表面150の変形された傾斜
概要すると、接触媒体28、29は蒸気の比較的直線状の流路を形成しながら液体流れの継続的な再分配を可能にし、よって蒸気の圧力損失を最低限にする。これらの要素によってまた、単位容積あたりの伝熱または質量輸送効率に対する圧力低下の率を比較的低くすることが達成され得る。さらに、波形板100、110、120の対向する側において蒸気と液体とのあいだの接触が生じるため、凝縮のための有効な表面積が増加する。またこれら物質によって、液体荷重が低い場合であっても層による毛管活動によって実質的に均一な液体の分布が得られる。最後に、接触媒体28、29によって蒸気の流路が比較的直線状になっているにもかかわらず、これにより液体の滞在時間が増加し、よって凝縮の効率が大幅に向上される。
当業者にとって明らかであるように、上方のスチーム流れチャンバー20に入るスチームの量は下方のスチーム流れチャンバー18における凝縮効率と、導入口ガス流れ11における非凝縮性ガスの濃度と、導入口スチーム流れにおける変化とによって左右される。同様に、接触媒体29の上方におけるガスチャンバー6に入る凝縮されていないスチームの量も上方のスチーム流れチャンバー20における凝縮効率とチャンバー20に入るガス流れの流量および組成における変化とによって左右される。通常上方のスチーム流れチャンバー20における圧力損失が大きい期間においては蒸気流れとの熱交換によって比較してより多くの冷却液が暖められるにつれて凝縮の効率が減少するべきである。したがって、蒸気の圧力損失が大きい期間においては比較してより多くのスチームが凝縮することなく接触媒体29を通過することになり、結局ガスチャンバー46において溜まる。したがって大きなガス側の圧力損失は、この残留するスチームを凝縮チャンバーからポンプするために必要となる別の動力によって生じることがある。このような蒸気圧力における変動を調節し、接触媒体29を通過するスチーム流れを安定させるために、本発明においては上方のスチーム流れチャンバー20における下方の領域において自動的かつ間欠的な冷却液排出作業が行なわれる。このような自動的な冷却液排出は図1において示される圧力センサ50および52によって接触媒体29の対向する側面におけるガス流れの圧力差に応じて作用する。したがって、圧力センサ50は上方のスチーム流れチャンバー20における接触媒体29の下方に物理的に位置され、圧力センサ52はガスチャンバー46における接触媒体29の上方に物理的に位置される。
圧力センサ50および52によって得られた圧力示度は従来の比較器(明確さのために図示せず)によって比較され、その差を冷却液供給パイプ26上の制御バルブ54に用いることによって、必要に応じて上方の流れチャンバー20に追加の冷却液を供給することができる。この応用例において各種既製のセンサまたはプログラム可能なコントローラを用いることができる。センサ50および52からのデータによって過剰な圧力差が示される場合、コントローラによって制御バルブ54を開き、接触媒体29の下における上方の流れチャンバー20に追加の冷却液を供給することができる。このような自動的かつ間欠的な冷却液排出作業によって本発明における直接接触型コンデンサが効率的で圧力損失の少ないモードにおいて確実に作動することができる。より具体的には、このような自動的な排出システムにおいてはガスチャンバー46における蒸気を除去するために必要な圧縮力を減少させることによって蒸気側の有害な損失が最低限に抑えることができるため、また間欠的に行なわれることによってポンプ動力に対する要求を最低限にすることによって液体側の有害な損失をも最小にすることができる。
本発明における凝縮処理において直接接触型コンデンサ10を用いる際には、導入口14を介してハウジング12内に入るスチーム11の一部は接触媒体28内における冷却液13との熱交換の結果として凝縮される。こうして得られる凝縮物・冷却液の混合物31は伴出される空気と溶融した不純物を含み、容器30内に落下して結果として凝縮物導出口34を介してハウジング12から除去される。通常、凝縮物・冷却液の混合物内に硫化水素が存在するとすれば、冷却液が冷却塔内における大気中に晒されるときに環境に放出される。しかしながら、大気中に放出される硫化水素の量は現在のところグロスMWh(gross MWh)あたり200グラムと定義されている、厳しく規制されている限度内になくてはならない。
本発明による方法および装置に関連する重要な利点として、湯だまり30における凝縮物・冷却液の混合物31に存在する非凝縮性ガス、とくには硫化水素の量が最小限であるということが挙げられる。具体的には、湯だまり30における凝縮物・冷却液の混合物31に存在するある特定の非凝縮性ガス、たとえば硫化水素の濃度は下方のスチーム流れチャンバー18内のガスの部分的圧力を制御すること、すなわちスチームの部分圧力を充分高く保持することによってガスが液相になる傾向を最低限に抑えることによって、効果的に最小限に抑えることができる。本発明において、また実施例1および2において詳細に説明されているように、チャンバー18における非凝縮性ガスの分圧が、少なくとも部分的に、蒸気・液体接触媒体28の構造によって影響を受けている。同様に、上方のスチーム流れチャンバー20における非凝縮性ガスの分圧が、少なくとも部分的に、蒸気・液体接触媒体29の構造によって影響を受けている。その程度はより少ないものであるが、凝縮物・液体の混合物31、33における溶融されたガスの濃度もまた、以下に詳述されるように、冷却液13、15のpHによって影響を受ける。
本発明の1つの態様において、直接接触型コンデンサの動作を接触媒体28、29の特的の構造的特性に部分的に基づいて推論し最適化することができる。これら構造的特性には接触媒体の外的寸法(たとえば高さおよび底辺)と、接触媒体内における管路140、144の寸法と、管路の傾斜角度とが含まれる。コンデンサの作業に影響を及ぼす他の要素は凝縮サイト(すなわちスチーム導入温度、冷却液導入温度、および導入スチーム圧力)およびコンデンサの操作条件(たとえば、一般的にはそれぞれ「スチーム荷重」および「液体荷重」と称されるコンデンサのスチーム質量流量および冷却液質量流量)に関するものである。実施例1および2において説明されるように、これらの要素を組み合わせてコンデンサの作業が演算される。とくに、接触媒体28、29の高さに沿って各種サイトにおいて積分ステップが実行され、これらの積分のうちそれぞれがガス・液体相互作用の基本的な物理的特性をガスおよび液体荷重と接触媒体28、29の構造とに関連して適応して気相および液相間の熱および質量輸送に関するデータを生成する。積分ステップからの伝熱および質量輸送データはつぎにコンデンサの廃棄物質31、33の化学的プロフィールを含むコンデンサ動作を推論するために結び付けられる。この方法はこうして凝縮処理の包括的な熱力学的分析および定量分析を提供するものである。
本発明における別の態様において、前記の方法は地熱のスチームの直接接触凝縮を最適化するために適応される。とくに、各種コンデンサ構造におけるそれぞれの一連のデータは前記に定義された凝縮サイトおよび条件に関するパラメータを含むものである複数の一連のデータに適応して、特定の接触媒体28、29の動作を推論する。したがって、本発明における推論のための方法は繰り返し行なわれて入力値の様々な構成に適応され、さらに検討されるべき候補となるコンデンサの設計を見出すものとなる。
前述のように、液状の廃棄物31、33内における硫化水素の濃度は、部分的に冷却液のpHにも左右される。冷却液のpHを上昇させるために苛性ソーダまたは同価物を加えると硫化水素の可溶性を増加させ、吸収処理を向上させるものであるのに対して硫酸などの強酸の存在下においては吸収率が減少する。
硫化水素の放出に対する別の保護手段として、冷却液供給源に各種反応物を加えて冷却塔における大気中に硫化水素が放出されるのを防止することができる。たとえば通常鉄を冷却液に供給して凝縮物・冷却液の混合物における硫化水素組成物の少なくとも一部を酸化させる。この例示された例において、鉄は通常溶液においてキレート剤であるヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEEDTA)によって安定させられる。こうして得られる鉄(III)(HEEDTA)複合物は、鉄(II)(HEEDTA)に還元されることによって硫化水素の酸化の元素硫黄への触媒作用を及ぼす。鉄(III)キレート混合物の触媒作用は溶融した分子酸素によって再生され、冷却塔への輸送において空気を注入することによってまた冷却塔における通常の空気接触によって冷却液に導入される。こうして得られた硫黄は溶液内の亜硫酸塩と反応し、可溶性を有するチオ硫酸塩を生成する。冷却塔におけるオーバーフローまたはこれら可溶性を有するチオ硫酸塩を含有するブローダウンおよびいくらかの鉄キレートが地面に再注入される。塔のブローダウンによる損失があるため、鉄複合物および苛性ソーダの濃度は継続的に監視され調整される必要がある。当業者にとって明らかであるように、鉄以外の別の種類の反応物を同様の機能を達成するために用いてもよい。
消費された冷却液混合物における溶融した非凝縮性ガスの濃度を最小限に抑えることに加え、本発明にかかわる凝縮に関する方法および装置に関連する利点は、容器30における凝縮物・冷却液の混合物31を容器32におけるより汚染度の高い凝縮物・冷却液の混合物33から物理的に分離した点にある。前述のように容器30からの汚染度の低い冷却液31を効率的にリサイクルできるため、この利点はとくに重要である。容器32からの汚染度の高い冷却液33は容器30における冷却液混合物31と混合することなく、凝縮物導出口36を介して排出され得る。凝縮物導出口36はさらなる処理のための適当なサイトに向けられ得る。
前記の論述から理解され得るように、本発明による方法および装置は従来の直接接触型凝縮処理に比べて、とくに効率および環境面を鑑みた場合に重要な利点を奏するものである。接触媒体28、29を用いるとともに自動的かつ間欠的な冷却液排出処理を行うことによって、本発明における凝縮効率が熱力学上の法則における限界内における最大限可能である効率に極めて近づくことが可能となる。これら効率が最低限の液体側における圧力損失でもって達成されることはさらに重要なことである。このような効率は、たとえば地熱の領域の質が限界にある場合、またはこれらが水の少ない地域に位置されるなど、ある種の応用例において重大となり得る。凝縮効率における小さな増加であっても必要とされる冷却液およびポンプで送る力の量を有意義に低減することができ、このようなシステムにおける発電の効率および経済に対して劇的な影響を及ぼし得る。接触媒体28、29を使用することによってまた、凝縮チャンバーにおける非凝縮性ガス、とくに硫化水素の部分的圧力を操作するための手段を提供することができ、よって冷却液の廃棄物質の一部における汚染物質の濃度を最低限に抑えることができる。最後に、本発明による装置は比較的高価でなく、コンパクトであり、メンテナンスが容易であり、現存するコンデンサの設計に比べてその設計が簡単である。
図9を参照するに、本発明にかかわる直接接触型コンデンサ10が典型的なハウジング12において4分の1の断面にて示されている。このハウジング12には下方のスチーム流れチャンバー18と上方のスチーム流れチャンバー20とが含まれている。下方のスチーム流れチャンバー18には複数の冷却液供給パイプ22、蒸気・液体接触媒体28および容器30が設けられている。上方のスチーム流れチャンバー20には複数の冷却液供給パイプ24および(図示されない)26、蒸気・液体接触媒体29および容器32が設けられている。ハウジング12にはさらにハウジングを頑丈に補強するための補強梁56と冷却液を垂直導管60を介して冷却液供給パイプ22、24、26に供給するための選択的な導管58とが含まれている。
図9において冷却液供給パイプ22、24がハウジング12の長手方向軸に対して実質的に垂直に位置されているが、パイプ22、24によって冷却液が実質的に均一な形で接触媒体28、29の上に分配され得るのであればこれらパイプ22、24をハウジング12に対して任意の方向に向けて配置され得ることは理解され得る。さらに当業者にとって明らかであるように、上方のスチーム流れチャンバー20においてパイプ24およびノズル25に代えて別の種類の冷却剤注入機構を用いて同様の機能を得ることが可能である。これら別の種類の注入機構においてはたとえば立上り管(riser)が設けられた穿孔板などが用いられる。
図9において図示される実施例においては、ハウジング12内に1つの下方のスチーム流れチャンバー18と1つの上方のスチーム流れチャンバー20とが含まれているものであるが、上方のスチーム流れチャンバー20をハウジング12の外側に配置したり、コンデンサ10に複数の上方のスチーム流れチャンバー20をハウジング12内外において設け得ることが理解される。さらに、本発明における直接接触型コンデンサ10は(図示されない)直交流形流れチャンバーをもち得、そこではスチーム導入口14が実質的に上方のスチーム流れチャンバー20に隣接するように位置されて導入されたスチーム11が水平な流路を通ってハウジング12内に入るようになる。この実施例においては、上方のスチーム流れチャンバー20内に入る前に蒸気は(好ましくは下方のスチーム流れチャンバー18と同様に複数の冷却液供給パイプと、蒸気・液体接触媒体と別個の容器とを備える)直交流形流れチャンバーを横切ることになる。最後に、適宜複数の直接接触型コンデンサを設けて連続して処理を行なうことによってさらに非凝縮性ガス・スチームの混合物を凝縮または冷却することも可能である。これら追加のコンデンサにおいては両方の流れチャンバー18および20、下方のまたは直交流形のスチーム流れチャンバーおよび上方のスチーム流れチャンバー20、または上方のスチーム流れチャンバー20のみが設けられ得る。このような後者の実施例においては、非凝縮性ガス・スチームの混合物11を最初に直交流形流れチャンバーまたは下方のスチーム流れチャンバーを通過することなく、直接的にチャンバー20に導入することができるようにスチーム導入口14を上方のスチーム流れチャンバー20の真下に位置させることができる。なお、前述のいずれの実施例においても上方のスチーム流れチャンバー20が必ず存在することに注目されたい。
本発明にかかわる直接接触型コンデンサ10は、たとえば化石燃料によって駆動される発電施設において発生する排気蒸気を凝縮し、または蒸気圧縮型空調システムなどの蒸気を液体に凝縮する必要があるシステムなど別の従来からの使用において用いられることも可能である。
本発明はさらにコンデンサ10の化学的、物理的および熱力学的動作を推論するために用いられる計算モデルによって説明され得る。この計算モデルによってコンデンサ全体における様々なパラメータの安定状態におけるプロフィールを決定するために熱量、運動量、質量輸送に関する物理的および工学的基本式および均衡熱力学的基本式に基づいた演算を実行する。これらパラメータのプロフィールを用いて計算モデルはさらにコンデンサ全体の熱量、運動量、質量および化学的組成物のバランスなどを演算する。したがって、本発明はまたその出力としてコンデンサが安定状態において作動していると仮定したコンデンサ10の全体的な動作に関連する、(これだけに限定されるものではないものの)たとえば導出流れ、温度、圧力、非凝縮性ガスの化学的組成、両方の凝縮チャンバー18、20からの凝縮物・冷却水の混合物などの様々なパラメータをももたらす。
計算モデルは、コンデンサ内の接触媒体(通常「充填物」と称される)の詳細な構造を表す様々なパラメータを入力として用いる。計算モデルは接触媒体の詳細な構造を用いて前述のような物理的、工学的および均衡熱力学的基本式に境界条件を設定し、またコンデンサ内における液体、蒸気および気相間の構造的界面を決める。正確な構造的界面はコンデンサにおける熱量、運動量または様々な相(液体および気体)間の質量輸送を定量化し演算するために必要であり、よってコンデンサ中における温度、圧力または組成濃度などのパラメータの安定状態におけるプロフィールを決定するために必要である。
さらに、計算モデルは入力としてコンデンサ10に対するスチーム11および冷却水導入流れ13、15の流れ、温度、圧力および化学的組成を用いる。コンデンサに導入される流れの特性をとらえることによって前述のような基本式のための初期値が得られる。入力された導入流れの温度、圧力、化学的組成、さらには計算モデルによって演算された導出流れの温度、圧力、および化学的組成を用いてコンデンサ中の全体の質量、熱および組成物質のバランスが演算される。これら全体の物質のバランスに基づいてより一般的な作業のための、たとえば全体の熱効率、動力消費量、水消費量、および非凝縮性ガスの廃棄物などのパラメータが演算され得る。
様々な接触媒体28、29の構造および導入条件を想定してコンデンサの作業を演算するためにこの計算モデルを有意義に用いることができる。したがって、この計算モデルを繰り返し様々な仮説上の接触媒体の構造と導入条件について用いることによって最適な動作を可能にする最終的なコンデンサの設計に到達することができる。
図10において、冷却液、ガス流れおよびガス・液体界面における温度分布と凝縮時における蒸気および非凝縮性ガスの質量流速とが示されている。質量および熱量流速は、本文における実施例1において説明されているようにたとえば停滞膜理論とコルバーン・ハウゲン式を用いて演算される。図11においては本発明の計算モデルを用いて行なった酸化・シミュレーションテストによって得られた硫黄化合物および元素硫黄の実際の濃度および推論される濃度が示されている。
図12において計算モデルを実施する際の流れの最も一般的な項を説明するためのマスターフローチャートである。図13〜15において示されているこれに続くフローチャートは、マスターフローチャートにおいて行なわれる特定の処理において実行されるステップの高レベルな説明のために用いられる。さらにこれに続く図16〜17において示されているフローチャートは、マスターフローチャートにおける進展処理232において実行されるステップの高レベルな説明のために用いられる。
図12を参照するに、シミュレータによって実行される特定のステップは以下のとおりである。プログラムの実行は、計算モデルに対してユーザインターフェースを与えるためにディスプレイウィンドウが開かれる表示処理(show procedure)210から始まる。表示処理210のあいだ、液体・ガス界面における温度、溶液のpH、コンデンサ内の特定の場所における種の濃度などを含む様々な物理的パラメータが表示される。表示処理210のあいだにおいてはまた計算モデルの実行自体に関連する、たとえば反復の数および収束変数の数などのその他のパラメータも表示される。モデル内において採用される数多くの式を解答する際に数学的収束をするために繰り返しのアプローチと必要のある計算モデルの実行に関連するパラメータは、計算モデルに関係する当業者にとって公知である。
表示処理210が終了したのち、インプットファイルセットアップ処理212とアウトプットファイルセットアップ処理214の実行が継続される。インプットファイルセットアップ処理212のあいだ、計算モデルにて必要とされる各種入力データを含む様々な入力ファイルおよび入力ファイルディレクトリの位置と名称とが特定される。アウトプットファイルセットアップ処理214のあいだ、計算され演算された出力が含まれる各種出力ファイルと出力ファイルディレクトリにタイトルおよびヘッダーが付与される。計算モデルによって必要とされる入力データのうち、たとえば接触媒体の高さ、幅、奥行き、コンデンサの全面積、パワーレベル、凝縮に利用不可能な接触面積の面積、特定の後続するモデル計算を定義する連続番号、およびコンデンサが上方のスチーム流れモードまたは下方のスチーム流れモードのうち(以下の説明および添付される図面においては「正流」「逆流」と称される)どちらのモードにおいて操作されているかなど、その一部を読み出してアウトプットファイルセットアップ処理214は完了する。コンピュータ科学における知識を有する当業者にとってこのようなセットアップおよびファイルマネジメント処理は公知であり、いずれにしても使用される特定のハードウェアの構造に左右されるため、これらセットアップおよびファイルマネジメント処理212、214についてはここにおいて詳細な説明を省略する。
続いて図12にて示されるように計算モデルの実行における次のステップは、接触媒体28、29の詳細な構造を表す各種パラメータを入力することである。この充填特性処理216は、傾斜角度θを割り当てることから始まり、つぎに各種充填特性が計算される。これらパラメータには側面寸法(たとえば図5における側面Sおよび式1〜24における溝の側面寸法S’など)、液体更新長さ、式1〜25におけるsin(α)、変形された傾斜角度の正弦、流体直径、蒸気流れ(式1〜20におけるdeq)、無効なフラグメント、および接触媒体における単位容積当たり利用可能な構造的表面積(式1〜21におけるap)などが含まれる。
計算モデルの実行は、ユーザにステップ217において溶解化学および液相および気相における可溶性を有する要素の濃度を考慮すべきか否かを問うことで続行される。YESであるならば計算モデル内において追跡、考慮されるべき書く化学種に関するイオンチャージを特定するために初期チャージ処理218が行なわれる。処理218において、各化学物質には1から25までの認証番号が割り当てられてこれらの種に関連するイオンチャージがその対応する配列チャージ_Zの要素において保存される。各化学物質のイオンチャージは工学および物理に関する書物、たとえば「ハンドブック オブ ケミストリー アンド フィジックス」(ロバート シー.ウィースト イー.,ザ ケミカル ラバー コーポレーション、クリーブランド、オハイオ州)("Handbook of Chemistry and Physics"(Robert C. Weast e., The Chemical Rubber Co.、Cleveland, Ohio))などから得ることができる。溶解化学および液相および気相における可溶性を有する要素の濃度を考慮する必要がない場合には、配列チャージ_Zはそのままデフォルト値であるゼロのままにされる。ステップ219において、ユーザはコンデンサが正流、逆流のいずれのモードにおいて操作されるべきかを示すフラグを立てる。
計算モデルは、データの入力と計算モデルのために必要とされる特定の初期条件の処理を完了するために必要ないくつかの処理(実行220、データ入力222、配列を読む224、変換226)を続行する。実行処理220においては、導入されるスチームと冷却液との熱力学的特性および導入されるスチームと冷却液とのそれぞれにおける非凝縮性ガスの濃度が特定される。さらに、コンデンサにおけるポジションに対する全ての蒸気流速、液体流速、溶液流速および本質的な変数およびそれぞれの導関数とがゼロに設定される。全ての化学種の化学量的および分子的濃度もまたゼロに設定される。配列を読む処理224において特定されるべき特性および濃度としてはガスおよび液体荷重、過熱量、コンデンサの圧力、スチームの品質、スチーム(i=2、Nの場合mVppm[i])および液体(i=2、Nの場合mLppm[i])における非凝縮性ガスの濃度、液体導入温度、および液体における苛性濃度(i=1、Mの場合mSppm[i])などppmで表されるものが含まれる。計算モデルの分野における当業者にとって公知であるように、計算が始まる以前にこれら変数(mV,mS,mL,int)に初期値を割り当てる必要がある。最後に、変換処理226において通常用いられる、たとえば1/100万分部およびg/リットルという工学的単位を、たとえば質量およびモルフラグメント(たとえば全体の質量流速:Vmass、Lmass、Smass;モル流速:V[i]、L[i]、S[i];重量モル濃度:Sc[i];全体のモル流速:Vmoles、Lmoles、Smoles;気相の混合物のモル重量:MixMwt;モルフラグメント:Xx[i]、Yy[i]、Zz[i];および質量フラグメント:x[i]、y[i]、z[i])などの、より基本的で無次元的単位に変換する。
計算モデルはつぎに2つの処理、すなわちモデルが後に必要とする計算(図13におけるステップ282、284、286)を可能にする一連のミキサー処理227と認証処理229とを実行する。まず、導入されるスチームが水を含んでおり(entrained)、正流において操作する(スチームがコンデンサの上部から導入される)場合にはミキサー処理227を用いる。この持ちこされた水は初期接触において導入される冷却水と物理的に混合しその一部となるため、また熱量、運動量および質量輸送の基本式は純相(具体的にはコンデンサにおけるスチーム/気相が液体を含まないこと)であることを前提としているため、導入される冷却水の流れおよび組成は、この混合がコンデンサの外部で行なわれたかのようにこの蒸気によって導入される、持ちこされた液体の初期混合分を代償するべく調整される。このミキサー処理227においてはこうして計算モードに対して導入される蒸気/気体の混合物が完全に乾燥していると仮定させ、導入される蒸気/気体の混合物に含まれる少量の液体を含むように導入される冷却水の流れと組成とを調製する。
逆流操作の場合、図13に示されるようにユーザによって特定されるスチームおよび冷却水の導入条件(ステップ290〜304)に基づいてコンデンサが物理的に操作できることを確認するために認証処理229が用いられる。簡単に述べると、全ての蒸気を凝縮するだけに充分な導入冷却水がユーザによって特定されたことを計算モデルが確認するのである。ユーザによって充分なだけの導入冷却水が供給されなかった場合、コンデンサは物理的に操作不可能であり、計算モデルによって数学的には正しいが実際的には不可能である結果が算出される。このマスターフローシートの部分(図12参照)の実行は、正流操作においては接触媒体の上部に、また逆流操作においては接触媒体の底部にスチームの公知である導入条件が割り当てられることによって完了する。冷却水の公知である導入条件は常に接触媒体の上部に割り当てられる。
前記に簡単に述べてさらに図13において詳細に示されているように、計算モードの実行はステップ225においてコンデンサが正流、逆流のいずれの操作にあるかどうかによって分岐する。コンデンサが正流操作にあり、スチーム性質が1より小さい場合、プログラムはミキサー処理227に進む。さもなければスチーム/ガス混合物の温度は処理282において計算される。計算モデルの実行は、ステップ284および286における一連の機能を与える計算に続く。ステップ284において、スチーム/ガス混合物と搬送特性が計算される(たとえば拡散係数、熱容量、濃度、粘度、熱伝導率、プラントル数およびシュミット数)。ステップ286において、スチームおよび水の温度に関する入力値と接触媒体の上部におけるコンデンサの圧力とが、正流操作であるという前提において割り当てられる。
図13(b)において示されるように、計算モデルはステップ288においてコンデンサが正流、逆流のいずれの操作にあるかどうかによって分岐する。コンデンサが正流操作である場合、接触媒体の上部におけるその他のスチーム/ガス混合物の特性がステップ300において割り当てられる。コンデンサが逆流操作にある場合、コンデンサを操作するために必要な最低限の冷却水流速量がステップ290において演算され、この演算はスチームおよび水の導入温度と逆流のコンデンサにおいて凝縮され得るスチームの最大量とに基づくものである。プログラムは再びステップ292においてユーザによって定義された水の流速がステップ290において演算された最低限の水流速よりも大きいか否かによって分岐する。ユーザによって定義された水の流速が演算された最低限の水流速よりも大きくない場合、プログラムはステップ294に進み、そこにおいてユーザによって定義された水の流速がステップ290において演算された量の110%から130%になるように改められる。ユーザによって定義された水の流速が演算された最低限の水流速よりも大である場合、ステップ298において底部の水における予想される非凝縮性ガスの濃度の潜在的な範囲が推測される。積分は接触媒体の底部から行なわれるため、スチームの条件は既知であり、水の条件に関する推測が必要となる。したがって、最小限の非凝縮性ガスの濃度は底部における均衡条件に基づいて決定され、最大限の非凝縮性ガスの濃度は上部における均衡条件に基づいて決定される。充填物の底部に関するすべてのスチーム/ガス混合物の特性値は次のステップ302において割り当てられる。この認証ステップ229は、その他の液状混合物の特性をステップ304において接触媒体の上部に割り当てることによって完了する。
再度図12を参照するに、計算モデルの実行はステップ231においてコンデンサが正流、逆流のいずれの操作にあるかどうかによって分岐する。コンデンサが正流において操作される場合、進展処理232を用いて接触媒体の水平状の薄いスライス毎に、まずコンデンサの上部の一番上のスライスから段階的に熱量、運動量および質量輸送に関する物理的かつ工学的な基本式と均衡熱力学に関する基本式とを解いていく。進展処理232における各繰り返しのステップにおいて、現在のスライスの底部(または上部)における2つの相を表す完全な一連のパラメータが基本式と既知であるかまた以前に演算されたスライス(前回のスライスの底部(または上部))の底部(または上部)における2つの相を表す一連のパラメータに基づいて演算される。基本式のうちいくつかが導関数の形で表されており、たとえば4次元ルンゲ・クッタ積分ルーチンなどの離散積分アルゴリズムを用いて数値的に積分が行なわれるため、これら演算は薄いスライスについてのみ行なわれる。 計算力学(computational mechanics)に従事する当業者によって公知であるように、スライスの厚みが増加するにつれて演算におけるエラーが大きくなるからである。
基本式のうちいくつかが導関数の形で表されているため、進展処理232における各繰り返しステップにおいて特定の導関数を演算するための別の導関数処理238(図16)が必要となる。この導関数処理238はまた、データのたとえば1/100万分部およびg/リットルという通常用いられる工学的単位を、たとえば質量およびモルフラグメントのようなより基本的で無次元的な単位に変換するための変換処理239を必要としている。つぎに、凝縮が完全であるならばステップ241においてフラグが立てられる。この導関数処理238においては現在の接触媒体のスライスに関して有効である熱容量、濃度、粘度、熱伝導率、水膜厚、液体側およびガス側質量輸送および伝熱効率および摩擦係数などの物理的特性データを供給するための係数変換処理240が用いられる。つぎに計算モデルの処理は、露点の評価を行なうステップ243に続き、ステップ245においてユーザに凝縮が完了か否かを尋ねる。完了であるならば、スチーム流速はステップ247においてゼロに設定される。完了でなければ接触媒体の現在のスライスにおけるガス・液体界面温度と液相のpHとを演算すべくゼロイン処理242が行なわれる。このようなガス・液体界面温度と液相のpHとの演算は、図17において示される個別のゼロイン処理242において最もよく実行され得るように繰り返しのアプローチを必要とする。pHを繰り返し演算する処理において、ゼロイン処理242においてはまた均衡の法則を満たすような現在のスライス内における液相のイオン組成と現在のスライスにおける組成の質量バランス式をも演算する。
つぎに図16(a)および(b)を参照するに、導関数処理238における次のステップはステップ249においてスチーム/ガス混合物、水および搬送特性(すなわち拡散係数、熱容量、濃度、粘度、熱伝導率、およびプランドルおよびシュミット数)を計算することにある。ステップ251において変数mv[1]の第1の導関数、スチームおよび/または非凝縮性ガス状要素の流れが演算される(式1−1、1−6および1−15を参照のこと)。つぎに導関数処理238の実行において、ユーザにコンデンサが逆流、正流のうちいずれのモードで操作されているかをステップ253において尋ねる。コンデンサが正流モードで操作されている場合、冷却液および/または冷却液における非凝縮性ガスとの質量バランスがステップ255において式1−7に沿って演算される(実施例1.Aを参照のこと)。コンデンサが逆流モードで操作されている場合、冷却液および/または冷却液における非凝縮性ガスとの質量バランスがステップ257において式1−16に沿って演算される(実施例1.Bを参照のこと)。分子状の非凝縮性種族の可溶性がつぎに界面温度においてヘンリーの係数を用いてステップ259において評価される(式2−0.2を参照のこと)。つぎに導関数処理238の実行において、ユーザに化学的演算が必要か否かをステップ261において尋ねる。必要であれば、分離均衡定数が式2−0.1に沿って温度の関数として表され(ステップ263)、水状化学均衡を演算するためにゼロイン処理242が行なわれる。液体における非凝縮性ガスの均等モルフラグメントがつぎにステップ265において演算される。つぎに導関数処理238の実行において、ユーザに化学的演算を使用するか否かをステップ267において尋ねる。使用するならば、分離を鑑みて変数mV[j](j=2、N)の導関数はステップ269において評価される(式1−4、1−6および1−15を参照)。使用しないのであれば、分離を鑑みない変数mV[j](j=2、N)の導関数はステップ271において評価される(式1−4、1−6および1−15を参照のこと)。つぎに導関数処理238の実行において、ユーザにコンデンサが逆流モードで操作されているかをステップ273において尋ねる。そうであればステップ275においてi=2、Nのための導関数のための適切な記号と値とが割り当てられ(式1−16を参照のこと)、液体温度Intprime[1]の導関数が演算される(式1−19を参照のこと)。そうでなければ、ステップ277においてi=2、Nのための導関数のための適切な記号と値とが割り当てられ(式1−7を参照のこと)、液体温度Intprime[1]の導関数が演算される(式1−10を参照のこと)。ステップ279において、スチーム温度Intprime[2]とシステム圧力Intprime[3]とが評価される(式1−11、1−12、1−13および1−14を参照のこと)。ステップ281において、計算上のエラーを防止するために可溶物の内容のmSprime[i]の導関数がわずかなゼロではない値に設定される。
図17を参照するに、ゼロイン処理242はカッコ内の推測値を与えられてf(x)=0が満たされるようにxを求める(ジー.イー.フォルシーゼ他、「コンピュータ メソッド フォー マシマティカル コンピュテーションズ」、プレンティス−ホール、イングルウッド クリフス、エヌジェー(G.E. Forsythe et al.、Computer Methods for Mathematical Computations, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, NJ)(1977)を参照)ステップ283から始まる。ゼロイン処理242はコルバーン・ハウゲン式を用いるか否かによってステップ285において分岐する。用いる場合には、ステップ287において界面温度を求めるためにコルバーン・ハウゲン式が用いられる(式1−2を参照)。界面温度(Tint)が与えられると、それぞれ式1−1、1−3および1−2を用いてステップ289、291および293においてスチーム流速(w1)、アッカーマン補正ファクター(Ackh)および熱流速バランスとが演算される。コルバーン・ハウゲン式を用いない場合、ステップ295において溶液pHを得るための電気的中性式が求められる(式2−25参照)。pHの推定される値と以前の液体活性係数の値(γ)とが与えられると、ステップ297においてH+イオン濃度、m1およびH+活性とが演算される。ステップ299において質量バランス(式2−1〜2−10)および均衡関係(式2−11〜2−24)とが満たされ、重量モル濃度(mj)および活性(aj)の値が得られる。ステップ301において、イオン活性係数(γj)が再演算される(式2−26〜2−50参照)。全ての活性係数が収束するまで繰り返し(ステップ305を繰り返す)が行なわれる(ステップ303)。こうして得られる溶液のイオンチャージはステップ305において演算される(式2−25参照)。ゼロイン処理242はそれぞれ電気的中性式またはコルバーン・ハウゲン式に基づいて演算されたpH値および界面温度を与えるステップ307において終了する。
現在の接触媒体のスライスがコンデンサ内において画定できる接触媒体の最終のスライスになるまでこの進展(マーチ)処理(March procedure)232はこのように段階的に繰り返される方法で継続される。この時点において演算は完了し、計算モデルによってコンデンサ中における様々なパラメータの完全な安定状態におけるプロフィールが提供されることになる。これらのパラメータのプロフィールを用いてさらに計算モデルまたはユーザがコンデンサ全体における全体の熱量、運動量、質量および化学的組成物質バランス、究極的には熱力学的効率または全廃棄物排出などに関するコンデンサの動作のグローバルな測定などを演算することができる。
図15において、進展処理232はコンデンサの底部における液相および気相を表すパラメータが設定され、コンデンサの長さが特定され、コンデンサの長さを所望される数の積分ステップで割ることによって積分ステップのサイズが決定され、制御フラグがそれぞれのデフォルト値にリセットされる初期化ステップから開始する。進展処理232はつぎに現在のステップが最終ステップであり、丸めの誤差を考慮するために、また全ての積分ステップの合計が特定されたコンデンサの長さにぴったり一致することを確実にするために、この最後のステップをわずかに短くまたは長くする必要があるような特殊なケースにおいては積分ステップのサイズが調整されるステップ311に進む。進展処理232はつぎに導関数処理238によって必要とされる初期値が設定されるステップ313に進む。さらに進展処理232は以前に説明した導関数処理238を実施する。導関数処理238は、ステップ317において選択されたパラメータと有効な配列との更新されたデータを進展処理232に戻す。標準的なルンゲ・クッタ積分ルーチンにおけるパラメータの種類と有効な配列とに関する詳細な説明についてはたとえば前出のフォルシーゼ他(Forsythe et. al.)、(1977)を参照されたい。更新されたパラメータはつぎにステップ319における合理性テストによって物理的に実現不可能な値が発見され、進展処理232において不適切な終結を防止するために実現可能な値に置換えられる。この3段階シークエンス(238、317および319)は、4次元ルンゲ・クッタ積分ルーチンによって要求されるように4回繰り返される。進展処理232はステップ321において4次元ルンゲ・クッタルーチンが現在の積分ステップに収束したことを確認することによって続行し、その結果はステップ323においてプリントされる。進展処理は続いてステップ325において今完了した積分ステップが最終積分ステップであるか否かをチェックする。そうでなければ進展処理はステップ311に戻る。そうであれば、ステップ327において進展処理232はコンデンサの操作が正流であるか否かを検討する。そうであれば、コンデンサの端部における化学的および物理的パラメータは最終の4次元ルンゲ・クッタ積分ステップにおいて計算されたものに代えて全体の物質的バランスを鑑みて演算されたものにリセットされる。
コンデンサが逆流状態において操作されている場合にのみ繰り返し処理234(図12)が行なわれる。進展処理232のステップ309によって要求されるようにコンデンサの底部における下方に移動する相を特徴づけるパラメータの最もよい推論値がこの繰り返し処理234によって与えられる。この繰り返し処理234においては必ず以前に推論されたパラメータと進展処理232の結果とを用いて標準的な補間法によってよりよい推論を得るようにしている。この繰り返し処理234においては前出のフォルシーゼ他(Forsythe et al.)(1977)から得られた方法が用いられている。
終了処理236において全てのファイルが閉じられ、進展処理232の最終実行に続く全ての表示機能を完了される。
図14(a)および(b)において、処理230は逆流の演算においてのみ用いられる。充填物を通る積分は底部から開始され、その場合の蒸気の状態は既知であるが液体の特性は未知であり、積分が継続されるためには一連の液体の特性を推論する必要がある。積分処理の終わりにおいては、充填の上部における液体のための入力値を特定の液体の導入特性にマッチするように計算する必要がある。まず処理230においては進展処理232がコンデンサの明細を数学的にブラケットするための流出する液体の特性に関する2組の推論値に基づいて2度行なわれる(進展Maxステップ232(a)および進展Minステップ232(b))。進展処理232が2度行なわれたのち、ステップ329(図14(b))においてコンデンサの明細が実際にカッコでくくられたか否かがチェックされる。そうでなければプログラムの実行は中止される。そうであれば、処理230は続いて繰り返し処理234を行ない、コンデンサの底部における下方へ移動する相を特徴付けるパラメータの最もよい推論値を得る。処理230はさらに前述の進展処理232を行なうことによって続行する。進展処理232にしたがい、特定される液体の流入する特性と進展処理232において演算された特性とがステップ331において比較される。この比較はステップ333および335にプリントされる。処理230は続いてステップ337において特定された特性と演算された特性とが充分に近いか否かを検討する。そうであれば、ステップ339において全て収束のフラグが真となり、最終回の進展処理232が行なわれる。ステップ337において特定された特性と演算された特性とが充分に近くない場合、処理は繰り返し処理234に戻り、前述のようによりよい推論値を得るようにする。進展処理232の結果がステップ337における最近の推論の特定の精度内において一致するまで、繰り返し234および進展232の処理が連続的に行なわれる。
再度図12を参照するに、接触媒体が逆流的に操作される場合には、計算モデルの実行は別の経路をたどる。逆流の操作の場合、接触媒体の底部におけるスチーム導入パラメータは数学的に既知であり、接触媒体の上部における冷却水パラメータも数学的に既知である。しかしながら、進展処理232は接触媒体の底部において開始され、一方向においてスライス毎に上に移動していくため、計算モデルは計算が始まるところでコンデンサの底部に存在する冷却水流れを表すための一連の推定された導出パラメータを必要とする(推論ステップ233)。一連の推定されるパラメータがなければ進展処理232において熱量、運動量、および接触媒体の第1の最も底部に近いスライスにおける2つの相間を移動する質量を計算するための規準がなく、よって熱量、運動量、および連続する相のあいだを移動する質量を計算するための規準がないことになる。
したがって再度図12を参照するに、逆流の操作の場合、計算モデルにおいてはまず導出される冷却水の最大限(進展Maxステップ232a)と最小限(進展Maxステップ232b)の条件を表す2組のデータ(それぞれの組が液体流速、溶解物収束および液体温度を含む)を生成し、これを用いて進展処理232において接触媒体の上部において演算された導入冷却水のパラメータと仮説されたものとを生成することができる。2組の仮説されたおよび演算された結果がユーザによって特定された値をひとまとめに扱う(bracket)するものではない場合、計算モデルは中止される。しかしながら2組の仮説されたおよび演算された結果がユーザによって特定された値をひとまとめに扱うものであるならば、繰り返し処理234を用いて導出冷却水パラメータの最もよい推論値を得る。繰り返し処理232によって採用された場合、この最もよい推論値は接触媒体の上部における演算された導入冷却水パラメータおよび仮説されたものがユーザによって特定されたものに正にマッチするものとなることが理想的である。実際には、1回目に完全なマッチングが行なわれることはなく、繰り返し処理234はさらに洗練された、進展処理232において採用された場合にユーザによって特定された値により近い演算された導入冷却水パラメータと仮説されたものとをもたらすような導出冷却水パラメータを生成するために繰り返し用いられる。演算された導入冷却水パラメータと仮設されたものとがユーザによって特定されたものに充分に近くなった場合(全て収束ステップ237)、導出冷却水パラメータの推論値は最適なものと考えられ、コンデンサ中における様々なパラメータの最終的な安定状態におけるプロフィールを得るべく、進展処理232の最終の実行が用いられる。これらのパラメータのプロフィールを用いてさらに計算モデルまたはユーザがコンデンサ全体における全体の熱量、運動量、質量および化学的組成物質バランス、究極的には熱力学的効率または全廃棄物排出などに関するコンデンサの動作のグローバルな測定などを演算することができる。
本発明は、以下の例によってさらに詳細に説明されるものであるが、これらの例は本発明を実施するための特定のモードを例示するためだけのものであって、請求の範囲により画定される本発明の範囲を限定するものではない。たとえば、これらの例において本発明の方法は特定の汚染除去システムについて例示するものであるが、当業者にとってこれら方法が多種多様な除去処理に適合すべく容易に変形され得ることは理解される。同様に、本発明の方法は蒸気および液体組成としてはスチームと冷却水について例示するものであるが、これら方法は数多くの蒸気および液体の組み合わせに適応されるものである。本発明は、よって特定の蒸気および液体組成に関係なく、直接接触型凝縮の物理的および化学的側面を分析するための方法の技術を提供するものである。
例示される地熱発電システムにおいて、mVjは気相における要素の質量流量(kg/s)を表すものであり、j=1はスチームであり、j=1..9は非凝縮性ガスであり、j>9は溶融したイオン種(ionic species)である。さらに、例示されるシステムにおいてmLjは液体混合物における要素の質量流量(kg/s)を表すものであり、j=1は冷却剤(水)であり、j>1は溶融した非凝縮性ガスである;mSkは液体流れにおける溶解物(蒸気圧力ではない)の質量流量(kg/s)を表すものであり、kはその要素を表すものであり、Vj、LjおよびSjはそれぞれのモル流量をグラムモル/秒にて表すものである。最後に、例示される実施例においてk=1であり、kは苛性ソーダを示す。
実施例
実施例1:直接接触型コンデンサの動作を推測するための方法
本発明による改良された直接接触型コンデンサ装置の動作は、蒸気・液体接触媒体28、29の構造的特性を含む様々な設備およびプロセスに関するパラメータに基づいて推測され最適化され得る。この分析にはいずれもが参照文献として本文において取り入れられているデー.バターワース アンド ジー.エフ.ヘビット「ツー−フェーズ フロー アンド ヒート トランスファー」、オックスフォード ユニバーシティ プレス、ハーベル サービシズ、オックスフォード(D.Butterworth and G.F.Hewitt Two-Phase Flow and Heat Transfer, Oxford University Press, Harwell Services, Oxford)(1989)およびデー.ブハラザン他、「ダイレクト−コンタクト コンデンサーズ フォー オープン−サイクル オーティーイーシー アプリケーションズ−モデル バリデーション ウィズ フレッシュ ウォーター エクスペリメンツ フォー ストラクチャード パッキングズ」、ソーラー エナジー リサーチ インスティチュート(D. Bharathan, et. al., Direct-Contact Condensers for Open-Cycle OTEC Applications−Model Validation with Fresh Water Experiments for Structured Packings, Solar Energy Research Institute)、SERI/TP−252−3108(1988)において開示されている方法の変形例を含むものである。本件の分析においては以下のことを仮定している:
1)接触媒体28、29内における二相性の流れは別々の流れの状況に留まり、ガスと液体とは明確に定義された連続的な界面によって分離されている。
2)冷却剤と凝縮物とはよく混合されるため、膜内において同一の温度と溶融した非凝縮性ガス濃度とを有するものである。
3)エー.ピー.コルバーン アンド オー.エー.ホウゲン、「デザイン オブ クーラー コンデンサーズ フォー ミクスチャーズ オブ ベイパーズ ウィズ ノンコンデンシング ガシズ」、インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー(A.P. Colburn and O.A.Hougen,“Design of Cooler Condersers for Mixtures of Vapors with Noncondensing Gases,”Industrial and Engineering Chemistry)、26:1178−1182(1934)において開示されているように、界面におけるスチームの流速は組み合わされた伝熱および質量輸送プロセスによって支配されている。
4)ジー.アッカーマン「フォースチュンシェフト」、ナンバー382、ベルリン、ブイディーアイ−バーラッグ(G. Ackermann, Forschungsheft, No. 382, Berlin, VDI-Verlag)(1937)によって提供されている補正ファクターは界面における高い収束を反映するために蒸気側の輸送率と摩擦ファクターを調整するために用いられる。液体側の輸送率に関する同様の補正は不要である。
5)ティー.ケー.シェフィールド他、「マス トランファー」、マグローヒル、ニューヨーク(T.K.Sherwood, et.al., Mass Transfer, McGraw-Hill, New York)(1975)において開示されているように、非凝縮性ガスと蒸気との混合物による蒸気の分散は停滞膜理論を用いることによって演算される。
6)スチームと非凝縮性ガスとはよく混合されるため、名目上はTGとして称される同一のバルク温度の示度を有する。
7)コンデンサ中における凝縮スチーム流速に比べて冷却水流れから脱着されおよび/またはそれに吸収される非凝縮性ガスの流速は小さい、すなわちwj(j>1)<<wj(j=1)
8)冷却剤からの/冷却剤への非凝縮性ガスの脱着および吸収は分散の結果生じる。したがって、これらのプロセスのうちいずれもスチームと冷却剤とのあいだにおける自由な界面構造に影響を及ぼすものではない。
9)熱と質量との有効な輸送領域はafpで表され、ここにおいて
f=有効な領域摩擦、0<af<1であり、および
p=接触媒体28、29のための単位容積当たりの利用できる総表面積である。
A.下方のスチーム流れチャンバー18
界面温度
図10において、凝縮スチーム流速wj(j=1)は停滞膜理論を用いて以下のように演算される:
j(j=1)=kGln[(1−ys,int)/(1−ys)] (1−1)
なお、
G=蒸気/ガス混合物の質量輸送係数(kg/m2s)、
s=バルク混合物における蒸気のモルフラグメント、および
s,int=界面における蒸気のモルフラグメント
である。
冷却剤への熱流速には、ガス混合物からの知覚できる熱と凝縮からの潜熱とが含まれる。界面におけるスチーム流速と全体の熱流速とはコルバーン・ハウゲン式を用いて演算される:
L(Tint−TL)=hG(Ackh)(TG−Tint)+hfg1 (1−2)
なお、
L=液体側の伝熱係数(kW/m2K)、
G=蒸気/ガス混合物の伝熱係数(kW/m2K)、
fg=界面温度から演算された凝縮の潜熱(kJ/kg)、
L=液体の温度、
int=界面温度、および
G=蒸気/ガス混合物の温度
である。
Ackhとは、界面における高い流速を補正するために用いられる伝熱におけるアッカーマンの補正ファクターを示す(ジー.アッカーマン「フォースチュンシェフト」、ナンバー382、ベルリン、ブイディーアイ−バーラッグ(G. Ackermann, Forschungsheft, No. 382, Berlin, VDI-Verlag)(1937))。Ackhは以下のように演算される:
Ackh=Co/[1−exp(−Co)] (1−3)
なお、
o=w1ps/hG、および
ps=スチームの比熱(kJ/kgK)
である。
界面温度Tintは輸送係数hL、hG、kGを前記式1−1〜1−3に当てはめることよよって得られる。
輸送流速
冷却剤への、またはそれからの非凝縮性ガスの吸収および脱着は主に液体膜における分散抵抗によって制御されていると考えられている。冷却剤からの非凝縮性ガスwj(j>1)は以下の式によって演算される:
j(j>1)=kLj(Xj *−Xj) (1−4)
なお、
Lj=j番目の要素の液体側質量輸送係数(kg/m2s)、
j=バルク冷却剤における元素の状態における非凝縮性ガスの質量フラグメント、および
j *=蒸気/ガス混合物における液体膜に隣接する非凝縮性ガスのj番目の要素の部分圧の均衡値
である。
冷却剤における非凝縮性ガスの溶融したj番目の要素の均衡値はヘンリーの法則に支配されており、以下の
j *=ppj/Hej (1−5)
が満たされる。
なお、
j *=均衡状態における非凝縮性ガスのモルフラグメント、
ppj=膜に隣接した非凝縮性ガスの均衡部分圧、および
Hej=通常冷却剤の温度の関数であるヘンリーの法則の定数
である。
プロセス式
プロセス式は、質量、運動量および下方の流れチャンバー18の横断面にわたるエネルギーバランスから微分によって導かれている。これらバランスはブハラザン他(Bharathan, et.al.)(1988)において開示されているように演算される。以下の式においてn=9である。
a.質量バランス
スチームおよび/または非凝縮性気体要素流れ:
d(mVj)/dz=−wjfpA, (j=1..n) (1−6)
冷却剤における冷却剤の流れおよび/または非凝縮性ガス:
d(mLj)/dz=−d(mVj)/dz, (j=1..n) (1−7)
冷却剤における溶解物の残留物、すなわち
d(mSk)/dz=0 (k=1) (1−8)
b.運動量およびエネルギーバランス
コンデンサの熱負荷:
dQ/dz=hL(Tint−TL)afpA (1−9)
水の温度:
d(TL)/dz=(1/ΣmLjpj)dQ/dz (1−10)
スチームと非凝縮性ガス混合物の温度および圧力:
Figure 2007163136
なお、
ρは蒸気/ガス混合物の濃度、
uは蒸気/ガス混合物の表面速度、
Rはユニバーサルガス係数、および
pGは蒸気/ガス混合物の比熱
であり、
1=[−hGAckh(TG−Tint)afpexp(−Co)+ubulkτintp
−(ρG−ρref)gu−(ΣmVj)'u]/(ΣmVjpj) (1−13)
2=−τintp−(ρG−ρref)g−ρGuu' (1−14)
(式1−14)であって
(ΣmVj)'=ガス荷重の変化率 dG/dz(kg/m3s)、
τintp=以下のように表される摩擦項:
1/2ρG(UG,eff±UL,eff2f{(Ackf)afp+(1−af)ap}(N/m3
なお、
G,eff=充填物を通過する有効な蒸気/ガス混合物の速度(m/s)、
G,eff±UL,eff=相対的なガス速度(m/s)、
f=摩擦ファクター、
Ackf=以下のように表される質量の高い流速のためのアッカーマン摩擦補正ファクター:
(2w1/Gf)/[1−exp(−2w1/Gf)]
なお
G=表面における蒸気/ガス混合物の荷重(kg/m2s)
である。
なお、摩擦項については、利用可能な表面積の無効なフラグメントもまた圧力損失につながるものである。アッカーマン補正は質量の輸送が行なわれる場合にのみ適用される、すなわち全ての圧力損失は界面せん断変形によってもたらされることと仮定した場合、摩擦面積afpにおいて行なわれる。これら前記の式は抗力の結果としてわずかに摩擦が起こることと仮定している。式1−11および1−12はスチームおよび非凝縮性ガス混合物における温度と圧力の関係を反映したものである。
式1−6〜1−12はコンデンサの垂直軸に沿って積分され、スチーム、非凝縮物、冷却剤の流量および安定した状態における温度と圧力とにおける変化を演算するために用いられる。これらの式によってスチームおよび非凝縮性ガス混合物における部分圧および温度を個別に評価することができる。各ステップの終わりにおいて、化学的種の分布、mLj(j=10..25)が実施例2において説明される過程を用いて演算される。
B.上方のスチーム流れチャンバー20
上方のスチーム流れチャンバーにおける初期状態では、一般的に液体の流れはコンデンサの上部にあり、ガス流れがその底部にある。しかしながらチャンバー20の作業を評価するために積分は底部から開始され、その場合冷却剤の温度、流量、および溶融した非凝縮性ガス含有量に関する推定値を必要とする。これら推定値は特定の値とコンデンサの上部における演算された冷却剤の導入条件に(容認できる誤差の範囲内において)合うように繰り返し更新される。この例において示される応用例においては、約17回繰り返すと冷却剤導入口における全ての変数を合わせることができる。
プロセス式
上方のスチーム流れの分析は下方の流れのものと、液体がマイナスの「z」方向に流れるという点を除いては同様である。前述のように、積分はコンデンサの底部から開始される。質量、運動量、およびエネルギーバランスは式1−15〜1−19に基づいて演算される。
質量バランス
スチームおよび/または非凝縮性気体要素流れ:
d(mVj)/dz=−wjfpA, (j=1..n) (1−15)
冷却剤における冷却剤の流れおよび/または非凝縮性ガス:
d(mLj)/dz=d(mVj)/dz, (j=1..n) (1−16)
冷却剤における溶解物の残留物、すなわち
d(mSk)/dz=0 (k=1) (1−17)
運動量およびエネルギーバランス
コンデンサの熱負荷:
dQ/dz=hL(Tint−TL)afpA (1−18)
水の温度:
d(TL)/dz=(1/ΣmLjpi)dQ/dz (1−19)
これらの式によって冷却水の導出口における水の温度、流量および溶融した非凝縮性ガス含有量を推測することによってコンデンサの高さに沿って積分を行なうことが可能となる。各ステップの終わりにおいて、化学的種の分布、mLj(j=10..25)が実施例2において説明される過程を用いて演算される。コンデンサの上部において正確な水の流れ条件を合わせるために繰り返しが必要となる。
C.接触媒体
蒸気流れdeqの流体直径は単位ペリメータ当たりの流れ面積の4倍である。蒸気の流れdeqは以下のようにブラボ他(Bravo et al.)(1985)に基づいて演算される:
eq=Bh/[1/(B+2S)+1/2S] (1−20)
蒸気の流れdeqはしたがって図4および5において示されている三角形およびひし形形状を呈する通路の流体直径の相加平均である。ブラボ他(Bravo et al.)(1985)の推測に基づくと、接触媒体の単位容積当たりの利用できる表面積は約4/deq(l/m)である。
固体の板から形成される接触媒体において、隣接する板とのあいだの接触面積(すなわち接着されたまたは溶接された面積)は利用できる面積の損失を表す。板の厚みによって利用できる容積と無効なフラグメントとにおける小さいながらも完全な減少を意味する。この無効なフラグメントは以下の式によって推測される:
ε=1−4t/deq (1−20.1)
なお、tは板の厚みを表す(m)。
接触損失が利用できる総面積のパーセントとしてCLossと表される場合、単位容積当たりの利用できる表面積は以下のように演算される:
p=(1−CLoss/100)4ε/deq(1/m) (1−21)
輸送の相互関係
輸送の相互関係は、ブラボ他(Bravo et al.)、(1985)のものが液体の高い荷重(L)に対応するように変形されて適応されている。本発明の実施例において、Lは約30kg/m2sであり、これに対してブラボ他(Bravo et al.)、(1985)におけるLは約2.8kg/m2sである。
a.液体側の相互関係
(1)質量輸送
図7および8において、冷却液は重力によって流れ表面150に沿って膜として流れている。固体の板から形成される接触媒体においては、輸送プロセスに関連するのは利用できる表面積のうちのフラグメントaf(0<af<1)のみである。傾斜している表面上の液体流れは「開放管路」の流れと同等であるため、有効な液体・膜厚と水の流れの速度を推定するためにマニングの公式が用いられる(ジェー.イー.エー.ジョーン アンド ダブリュー.エル.ハーバーマン、「イントロダクション ツー フルード メカニックス」、プレンティス−ホール、イングルウッド クリフズ、エヌジェー(J.E.A. John and W.L. Haberman, Introduction to Fluid Mechanics, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, NJ)(1980))。傾斜した滑らかな表面において、水の速度は以下の式によって演算される(SI単位において表されている):
L,eff=0.820δ2/3(sinα)1/2/n (m/s), (1−22)
なお、
α=図6において示されるように水平に対する表面の変形された傾斜、
n=マニングの荒さ係数(=滑らかな表面においては0.010)、
δ=膜厚(m)
である。
nが0.010(滑らかな表面)である場合、以下の式が適応される:
δ=[Γ/(82ρL(sinα)1/2)]3/5 (1−23)
なお、
Γ=単位充填物の長さにおける単位表面積当たりの水の流れであり、
ρLL,effδ=L/afp(kg/m s)と等しく、
ここにおいてLは表面上の液体荷重(kg/m2s)である。なお、式1−22および1−23(メータ単位)は乱流である水の流れの場合に適応される。
液体の更新が行なわれる典型的な距離は傾斜側面Sにおいてであり、これは波形(S')の斜面θによって変形されており、ここにおいて
S'=[(B/2cosθ)2+h21/2、および (1−24)
sinα=B/(2S'cosθ). (1−25)
である。
局地的な液体側の質量輸送係数は以下のように演算される:
Lj=2ρL(DLjL,eff/πS')1/2 (1−26)
なお、
Lj=水に対するj番目の非凝縮性ガスの分散性(m2/s)、
L,eff=有効な液体膜速度(m/s)、
S'=液体の更新が行なわれる距離(m)、および
Lj=j番目の要素の液体側質量輸送係数(kg/m2s)
である。
式1−26はジェー.エル.ブラボ他、「ハイドロカーボン プロセッシング」(J.L. Bravo, et. al, Hydrocarbon Processing)、pp.45−59(1985)によって応用されたアール.ヒグビー、「アルケ トランス.」(R. Higbie, AlChE Trans.)(1935)の浸透性の理論に基づいているが、式1−26におけるUL,effがブラボ他(Bravo, et. al.)における垂直表面における層流ではなく、傾斜面における乱流の水の流れを反映している点において異なっている。また、式1−26における更新距離S'は、ブラボ(Bravo)においてはθに左右されない短い距離Sであるに対してθによって左右される。
(2)伝熱
液体側の伝熱係数は以下のように定義されるチルトン・コルバーンの相似関係を用いて評価される(チルトン、ティー.エッチ.アンド エー.ピー.コルバーン、「インダストリアル アンド エンジニアリング ケミストリー」(Chilton, T.H. and A.P. Colburn, Industrial and Engineering Chemistry)、26:1183−1187(1934)):
L/kLjpL=(ScLj/PrL1/2 (1−27)
なお、
L=液体側伝熱係数(kW/m2K)、
Lj=j番目の非凝縮性要素の液体側質量輸送係数(kg/m2s)、
pL=液体の比熱(kJ/kgK)、
ScLj=液体のj番目の非凝縮性要素のシュミット数、および
PrL=液体のプラントル数
である。
b.ガス側の相互関係
(1)質量輸送
局地的な蒸気/ガス混合物の質量輸送係数はウェットウォールコラム構造に基づいている。ブラボ他(Bravo, et. al.)(1,985)によると、蒸気/ガス混合物のシャーウッド数は以下のように表される:
ShG=0.0338(ReG4/5(ScG1/3 (1−28)
なお、
ShG=kGeq/ρGG
ReG=deqρG(UG,eff±UL,eff)/μG(相対的な速度に基づいている)、
ScG=μG/ρGG
G=蒸気/ガス混合物の質量輸送係数(kg/m2s)、
G=混合物における蒸気の分散性(m2s)、および
μG=蒸気/ガス混合物の力学的粘度(kg/m s)
である。
有効なガスの速度UG,effは表面の蒸気/ガス混合物荷重G(kg/m2s)と、充填物の無効フラグメントε、および流れ通路の傾斜θの関数であり、以下のようになる:
G,eff=G/ρGεsinθ (1−29)
(2)伝熱
局地的な蒸気/ガス混合物の伝熱係数はチルトン・コルバーン(1934)の相似関係を用いて評価される:
G/kGpG=(ScG/PrG2/3 (1−30)
なお、
G=蒸気/ガス混合物の伝熱係数(kW/m2K)、
pG=蒸気/ガス混合物の比熱(kJ/kgK)、
ScG=混合物における蒸気のシュミット数、および
PrG=蒸気/ガス混合物のプランドル数
である。
(3)ガス摩擦
局地的なガス摩擦は前出のブラボ他(Bravo et al.)(1986)によって演算され、この場合構造上の充填物は6から10の重ね合わせた板からなり、それぞれが水平に対して90°回転されていた。乾いた状態におけるこのような重ね合わせにおける圧力損失はブラボ他(Bravo et al.)によって以下のように表されている:
f=(0.171+92.7/Res) (1−31)
なお、
Res=長さSに基づく蒸気/ガス混合物のレイノルズ数
である。
モデル上の推論の際、「局地的な摩擦」の係数は以下のように表される:
f=0.171+(92.7/ReG) (1−32)
また、ダーシー・バイスバッハの式においては
ΔP=fLq/deq (1−33)
となり、この場合
q=蒸気/ガス混合物の力学的圧力
である。
D.積分スキーム
前記において説明されたプロセスの各式は4次元ルンゲ・クッタ積分スキームを用いて積分される。下方のスチーム流れの場合、スチームと水の流れの表面上の方向に沿って積分が行なわれる。積分ステップは以下のように概要される:
1.スチーム・非凝縮性ガス混合物と液体・非凝縮物質の溶融物との基本的な特性(混合物の濃度、粘度、相互分散性および熱伝導性)を評価する。
2.初期の局地的な流量に基づいて有効な液体・ガス混合物の速度を評価する。
3.局地的な液体・ガス混合物のレイノルズ値、プランドル値およびシュミット値とを用いて選択的な相互関係に基づいて局地的なナッセルト値およびシャーウッド値を推論する。
4.コルバーン・ハウゲン式を用いて局地的な伝熱係数と質量輸送係数とに基づいて界面温度を演算せよ。このステップはジー.イー.フォルシーゼ他、「コンピュータ メソッド フォー マシマティカル コンピュテーションズ」、プレンティス−ホール、イングルウッド クリフス、エヌジェー(G.E. Forsythe, et.al., Computer Methods for Mathematical Computations, Prentice-Hall, Englewood Cliffs, NJ)(1977)において開示されるゼロインサブルーチンを応用している。
5.界面温度を用いて局地的な状態の変数の一連の導関数を演算する。
6.局地的な導関数を用いてステップの終わりにおいて状態の条件を演算せよ。下方のスチーム流れの場合、特定のコンデンサの高さか局地的な上記の飽和温度が水の温度よりも0.02℃高くなる高さに積分する。
上方のスチーム流れの場合、水とスチームとの導入条件はそれぞれコンデンサの上部と底部に対応する。コンデンサの対向する端部における条件をマッチさせるためにプロセスを繰り返す。プロセスの各式は、水の一連の状態値を推定することによってコンデンサの底部から積分される。下方のスチーム流れの場合と同様、積分は底部から上部にかけて行なわれる。演算された上部における水の条件は特定の水の導入条件(温度、流量、および溶融した非凝縮性ガスの濃度)と比較される。必要であれば、そのほかの底部における一連の水の条件の推定を行ない、積分ステップが繰り返される。この処理は前出のフォルシーゼ他(Forsythe et al.)(1977)に開示されるようなゼロインサブルーチンを変形したものを用いて繰り返される。演算された水の温度と特定されたものとがコンデンサの上部において±0.01℃の差になるまで繰り返しが行なわれる。本例において示されているアプリケーションにおいて、上方のスチーム流れにおけるコンデンサの操作条件としては、収束までには通常17回の繰り返しが必要となる。積分ステップのサイズは通常2.5cmで充分である。
実施例2:地熱スチーム凝縮の化学的アスペクト
地熱水源スチームは通常様々な非凝縮性ガスを含有している。表1において「モノグラフ オン ザ ゲイサーズ ジオサーマル フィールド」、シー.ストーン(イーディー.)、ジオサーマル リゾーシズ カウンシル、デイビス、カリフォルニア州)(Monograph on the Geysers Geothermal Field, C. Stone (Ed.), Geothermal Resources Council, Davis, CA)(1992)から凝縮されたザ ゲイサーズ(The Geysers)からのスチームにおける非凝縮性ガスの濃度の幅(ppm質量)が示されている。
Figure 2007163136
これらのガスのうち、硫化水素(H2S)がこれらに関する規制が発電所からの廃棄物を支配しているためとくに重要である。現在の規制によると、地熱スチームによる発電によるH2Sの廃棄量はグロスMWhあたり200グラムとなっている。
これらガスに加えて、コンデンサにおいて生じるその他の非凝縮性ガスとしては、通常発電所における低圧セクションから漏れ出すことによって生じる酸素または窒素がある。直接接触型コンデンサにおける冷却水はこれら非凝縮性ガスに晒され、水に吸収される可能性があるため、これらのガスもまた湿式冷却塔から大気中に放出される可能性がある。したがって、コンデンサの設計においてガスの吸収および脱着の動力学についてとくに注意を払う必要がある。
本例においてこれらガスおよび冷却液におけるその他の、たとえば苛性ソーダ(NaOH)または硫酸など、発電所からH2Sを廃棄する際に緩和する目的で通常含まれる化学物質をコンデンサ中に亘って追跡するための方法が提案されている。
表2において地熱スチーム中に通常存在する8つの非凝縮性ガスが本方法において使用されるそれぞれの符号とともに示されている。
Figure 2007163136
前記非凝縮性ガスに加え、冷却水中にはNaHOが存在するものと推定される。さらに本例においては、固形硫黄(S°)の凝結と、可溶性を有するチオ硫酸塩(S23 -)への変換とを促進するために鉄キレート(FeHEEDTA)が水蒸気に加えられている。チオ硫酸塩は触媒として作用するため、その作用は以下の化学分析の詳細において直接的には考慮されていない。
非凝縮性ガスのうち3つ(CH4、H2およびN2)は、水性溶液において不活性であると考えられている。その他のガスは溶液に入りこみその他の溶融物または反応物を形成すべく反応する。基本的な反応は以下のとおりである:
R−1. NH3+H2O=NH4 ++OH-
R−2. NH3+HCO3 -=NH2COO-+H2
R−3. H2S=H++HS-
R−4. HS-=H++S-
R−5. SO2+H2O=H++HSO3 -
R−6. HSO3 -=H+SO3 -
R−7. S-+2H++0.5O2=S+H2
R−8. S+SO3 -=S23 -
R−9. HSO3 -+0.5O2=HSO4 -
R−10. SO3 -+0.5O2=SO4 -
R−11. CO2+H2O=H++HCO3 -
R−12. HCO3 -=H++CO3 -
R−13. NaOH=Na++OH-
R−14. H2O=H++OH-
前記の反応において導入されるH2Sは、ブローダウンおよび再注入される流れにおいては拒否される可溶性を有するS23 -に変換する。NaOHは水流れに加えられて後部コンデンサに入り、バーナーにおいてSO2に変換された発散されたH2Sの量を制御する。このような制御は、S23 -を拒否する場合にSO2のH2Sに対する適切な量を得るために必要となり得る。
1.ガス・液体の均衡
ガス・液体の均衡の演算は、その全文が参考文献として本文において取り入れられているケー.カワズイシ アンド ジェー.エム.プラウスニッツ、「インド.エング.ケム.レス.」(K. Kawazuishi and J.M. Prausnitz, Ind. Eng. Chem. Res.)、26(7):1482−1485(1987)から得ている。ここにおいて説明される方法は以下のことを前提としている:
1.コンデンサにおける操作圧力は充分に低いため、気相における元素の相互作用は無視することができる。気相間における相互作用による導関数を表す全ての気相種の揮発性係数は全ての種に対して相互作用を伴わず、一律であるように設定される(アール.ナカムラ他、「インド.エング.ケム.プロセシズ デス.デブ.」(R. Nakamura, et. al., Ind. Eng. Chem. Processes Des. Dev.)、15(4):557−564(1976))。
2.ガス・液体混合物における溶融物は均衡状態にある、すなわちこれらの要素が化学的均衡状態に達する率は非凝縮性ガスにおけるガスと液体とのあいだの質量輸送率よりも明らかに早いものである。長期的な作用については、各反応R−1〜R−14のそれぞれが均衡レベルに達し、短期的な作用についてはR−7およびR−8に関しては抑制されている。
弱い電解液におけるガス・液体均衡に関する従来のレポートにはたとえばティー.ジェー.エドワーズ他、「アルケ ジャーナル」(T.J. Edwards, et al., AlChE Journal)、21(2):248−259(1975)、ティー.ジェー.エドワーズ他、「アルケ ジャーナル」(T.J. Edwards, et al., AlChE Journal)、24(6):966−976(1978)、ディー.ベウトラー アンド エッチ.レノン、「インド.エング.ケム.プロセシズ デス.デブ.」(D.Beutler and H. Renon, Ind. Eng. Chem. Processes Des. Dev.)17(3):220−230(1978)、およびイー.エム.ポウリコウスキ他、「インド.エング.ケム.プロセシズ デス.デブ.(E.M. Pawlikowski, et al., Ind. Eng. Chem. Processes Des. Dev.)、21(4):764−770(1982)などがあり、いずれもの全文が参考文献として本文において取り入れられている。
これら参考文献に基づいて、様々な反応における分離均衡係数は温度の関数として表される:
lnK=A1/T+A2lnT+A3T+A4 (2−0.1)
ここにおいてAは、前出のケー.カワズイシ アンド ジェー.エム.プラウスニッツ(K. Kawazuishi and J.M. Prausnitz)(1987)において報告されているように特定の種の均衡定数である。(水を除く)全ての種の活性は重量モル濃度(水に対するmoles/kg)として表され、水の活性はモル比で表される。
反応R−2およびR−8における均衡定数はkg/moleの単位において表されており、R−9およびR−10の単位はkg0.5/mole0.5であり、R−7の単位はkg2.5/mole2.5であり、R−14の単位はmole2/kg2である。その他の全ての反応において、均衡定数の単位はmole/kgである。全ての均衡定数は温度が0℃から少なくとも100℃までの範囲にあるものに適応する。
元素の非凝縮性種の可溶性はヘンリーの定数を用いて表され、温度の影響を含むものとする:
lnH=B1/T+B2lnT+B3T+B4 (2−0.2)
なお、Bは様々な非凝縮性種のヘンリーの定数であり(バール mole/kg)、Tはケルビン度数における温度である。
直接接触型コンデンサの化学的動作を推論する場合、mVjは蒸気流れにおける非凝縮性ガスの総量を表し、jの2から9は(表2を参照するに)単位コンデンサ平面積毎の質量流れの単位におけるものであり(kg/m2s)、j=1はスチームを表す。
同様に、mLjは液体流れにおける溶融した非凝縮性ガスの総量を表し、jの2から9は(表2を参照するに)単位コンデンサ平面積毎の質量流れの単位におけるもの(kg/m2s)であり、符号j=1は冷却水プラス凝縮物である。なお、非凝縮性ガスは表2において符号にて示される。
水性溶融物において溶解している種(たとえばNaOH)は溶解物として分類され、mSkと称されて単位コンデンサ平面積毎の質量流れの単位(kg/m2s)で表される。本例において、1つの溶解種のみが存在していると仮定されている。
液体におけるその他のイオン系および元素種はmLjと称され、jは10から25である。これら元素およびイオン系種の符号は以下の表3において示されている:
Figure 2007163136
2.質量バランス式
イオン系種、添加された化学物質および凝結物の質量バランス式は以下のとおりである:
Total mCO2=mCO2+mHCO3-+mCO3--+mNH2COO- (2−1)
Total mH2S=mH2S+mHS-+mS--+mS+mS203-- (2−2)
Total mNH3=mNH3+mNH4++mNH2COO- (2−3)
Total mCH4=mCH4 (2−4)
Total mH2=mH2 (2−5)
Total mN2=mN2 (2−6)
Total mO2=mO2+0.5mS+0.5mHSO4-+0.5mSO4--+0.5mS2O3-- (2−7)
Total mSO2=mSO2+mHSO3-+mSO3-+mHSO4-+mSO4--+mS2O3-- (2−8)
式2−1〜2−8において、液体における不活性ガスの元素濃度は、液体界面に隣接するその部分圧に以下のように関連するものである:
iγii=yiψi
なお、γおよびψはそれぞれ液体活性係数およびガス揮発性係数である。前述のように、本文の分析においては気相の揮発性係数は全て一律に設定されている。
NaOHの質量バランス式は以下の通りである:
Total mNaOH=mNaOH+mNa+ (2−9)
水の質量バランス式は以下のとおりである:
Total mH2O=mH2O−{mOH-−mNa+
−{mCO3--+mHCO3-+mSO3-+mHSO3-
+mSO4--+mHSO4-+mS2O3--+mNH4+−mNH2COO-} (2−10)
以下の式が様々な均衡反応定数を表すものである:
lnK1=ln(aNH4+)+ln(aOH-)−ln(aNH3) (2−11)
lnK2=ln(aNH2COO-)−ln(aHCO3-)−ln(aNH3) (2−12)
lnK3=ln(aH+)+ln(aHS-)−ln(aH2S) (2−13)
lnK4=ln(aH+)+ln(aS--)−ln(aHS-) (2−14)
lnK5=ln(aH+)+ln(aHSO3-)−ln(aSO2) (2−15)
lnK6=ln(aH+)+ln(aSO3--)−ln(aHSO3-) (2−16)
lnK7=ln(aS)−ln(aS-)−2ln(aH+)−0.5ln(aO2) (2−17)
lnK8=ln(aS2O3--)−ln(aSO3--)−ln(aS) (2−18)
lnK9=ln(aHSO4--)−ln(aHSO3-)−0.5ln(aO2) (2−19)
lnK10=ln(aSO4--)−ln(aSO3--)−0.5ln(aO2) (2−20)
lnK11=ln(aH+)+ln(aHCO3-)−ln(aCO2) (2−21)
lnK12=ln(aH+)+ln(aCO3--)−ln(aHCO3-) (2−22)
lnK13=ln(aNa+)+ln(aOH)−ln(aNaOH) (2−23)
lnK14=ln(aH+)+ln(aOH-)−ln(aH2O) (2−24)
溶解物の電気的中性率以下のとおりである:
NH4+mH++mNa+=mOH-+mNH2COO-+mHS-+mHCO3-+mHSO3-+mHSO4-
+2mCO3--+2mSO3--+2mSO4--+2mS2O3-- (2−25)
全ての種jのための活性は
j=γjj
で表され、25種のうちそれぞれの活性係数γは以下のように与えられる:
Figure 2007163136
なお、
j=種のためのチャージ数、
I=溶解物のイオン強度=Σmjj 2/2、
βjk=4つの種を除いてすべての種についてゼロに設定される種jとkとのあいだの二元的相互作用パラメータ(カワズイシ アンド プラウスニッツ(Kawazuishi and Prausnitz)、1987)
チャージのない種の活性係数は一律である。
蒸気・液体界面における均衡濃度を演算するために、25種についてのmjとγjとがこの一連の50の非線形式を繰り返すことによって決定される。
3.溶融した種の濃度
溶融した種の濃度を決定する方法は、本文において参考文献として取り入れられている前出のブエトラー アンド レノン(Buetler and Renon)(1978)、とくにこれらの付録AおよびBから得ている。
実施例1において説明されている輸送式の積分のいずれの段階において、水性溶解物における非凝縮性ガスの総量を推定する。種の分布は繰り返し以下のように決定される:全てのγjを一律に設定し、溶解物のmH+または同等のpH値を推定し、化学的均衡定数の定義と対応する質量バランスとを用いて、式2−1〜2−24に基づいて残り24全ての要素の重量モル濃度を差し引く。各種の活性係数γjを演算し、式2−25により電気的中立性を評価する。中立性のための適当なpHを決定する。
前記の処理において溶解物における元素およびイオン系種の分布が決定される。元素量を用いてその要素の均衡部分圧が演算され、またこれを用いてその要素の質量輸送における溶解物に向かう、または溶解物から出る駆動力を推定する。これら値を用いて、実施例1において説明したようにコンデンサの化学的動作を推論することができる。
実施例3:長期的均衡演算
ザ ゲイサーズ(ソノマ アンド レイク カウンティー、カリフォルニア州)(The Geysers(Sonoma and Lake County, California))において作動している地熱発電所において酸化シミュレーションテストが行なわれた。10日間にわたるテスト期間において、既知である量のH2SおよびSO2が直接接触型コンデンサにおける冷却水流れに注入され、冷却塔におけるブローダウンがチオ硫酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩および硫黄の含有量について分析がなされた。注入される反応性ガスについての既知の量に基づき、また全ての種が均衡状態にあると仮定して、本発明による方法に沿って演算が行なわれ、ブローダウン廃棄物の濃度と化学的プロフィールとが推論された。この分析は冷却水の大きな在庫への混合に関連する大きな時間定数を反映するものである。
図11において酸化実験において生成された実際の化学的データと推論された科学的プロフィールとの比較結果が示されている。図11において最もよく見受けられるように、本発明による方法は直接接触型コンデンサの化学的動作の正確な評価を提供するものである。この方法を用いると今や当業者はコンデンサの廃棄物における化学的種の分布および濃度を簡便にかつ正確に推論することができる。
実施例4:短期的均衡演算
長期的な均衡演算によってシステム全体の動作の正確な評価が提供されるものであるが(実施例3参照)、より高圧な後部コンデンサシミュレーションにおいては発電所において観察された苛性系添加物の量が変化した場合のH2S吸収の感度が反映されていなかった。このような相違はコンデンサ内における推論された反応R−7およびR−8に関する均衡状態に対する発電所における冷却水戻しパイプにおける硫黄およびチオ硫酸塩の遅延された生成の結果として生じる。この遅延を反映するために、コンデンサ内の硫黄およびチオ硫酸塩の生成を中止させるように演算が調整される。溶解物が接触媒体に存在する短い時間(約1秒)にこの短期的分析が水溶性溶解物の動作を把握する。この時間において、H2Sは消費されずに溶解物内に残り、1つのフラグメントが元素として残る。溶解物のpHを増加させるために苛性ソーダを添加すると、H2Sが溶解物に吸収される。この短期的分析を本発明の方法に取り入れて溶解物の特定の化学反応および組成に関する短期的動作を反映させることができる。
以上に述べた説明は本発明の基本原理のみを例示するものと考えられる。さらに、当業者にとって数多くの変形と変更とが容易であるために、本発明を前述の正確な構造とプロセスに限定することは本意ではない。したがって、請求の範囲によって画定される発明の範囲内にある全ての変形または同等のものが用いられ得る。
本発明による直接接触型コンデンサの横断面図(実際の寸法および比率は異なる)である。 本発明の好ましい実施例における蒸気・液体接触媒体の透視図である。 波状板の2つの隣接した層の方向を示す、図2に示される蒸気・液体接触媒体の側面図である。 図2に示される蒸気・液体接触媒体の3つの隣接する板の一部透視図である。 図2に示される蒸気・液体接触媒体内の管路の第1の横断面図であって、隣接する板の接触点における交差部を示す図である。 図2に示される蒸気・液体接触媒体内の管路の第2の横断面図であって、隣接する管路を流れる液体が連通し混合する隣接する板の接触点における交差部を示す図である。 管路内における伝熱および質量輸送を支配する様々な構造上のパラメータを示す図である。 図7における三角形158の別の図であって、冷却液が表面150を流れ落ちる際の冷却液膜厚154を示す図である。 本発明の好ましい実施例における直接接触型コンデンサ装置の一部透視図である。 冷却剤、ガス流れおよびガス・液体界面における温度分布および凝縮時における蒸気および非凝縮性ガス質量流速を示す図である。 コンデンサの回流水内におけるチオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩および硫黄の実際の濃度と推論される濃度との比較を示す図である。 コンデンサの回流水内におけるチオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩および硫黄の実際の濃度と推論される濃度との比較を示す図である。 コンデンサの回流水内におけるチオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩および硫黄の実際の濃度と推論される濃度との比較を示す図である。 コンデンサの回流水内におけるチオ硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸塩および硫黄の実際の濃度と推論される濃度との比較を示す図である。 本発明におけるシミュレータのメインプログラムによって実行されるステップを示すフローチャートである。 図12において示されるミキサーおよび認証処理の詳細なステップを示すフローチャートである。 図13(a)の続きのフローチャートである。 図12において示される推測および進展処理の詳細なステップを示すフローチャートである。 図14(a)の続きのフローチャートである。 図12において示される進展処理の詳細なステップを示すフローチャートである。 図15において示される導関数処理の詳細なステップを示すフローチャートである。 図16(a)の続きのフローチャートである。 図16(b)の続きのフローチャートである。 図16(b)において示されるゼロイン処理の詳細なステップを示すフローチャートである。

Claims (22)

  1. コンデンサの動作を決定するための方法であって、
    一連の入力値を与えるステップであって、前記一連の入力値にはコンデンサと凝縮物とに関係する複数のパラメータのそれぞれに対する入力値があり、前記パラメータには前記コンデンサの液体荷重、前記コンデンサの蒸気荷重、前記コンデンサに対する導入液体における非凝縮性ガスの濃度、前記コンデンサに対する導入蒸気における非凝縮性ガスの濃度および前記コンデンサにおける接触媒体の構造上の特性が含まれ、前記構造上の特性には前記接触媒体における通路の寸法と前記接触媒体における水平に対する通路の方向が含まれてなるステップと、
    前記一連の入力値を用いて関連する出力値を決定してコンデンサの動作をシミュレートするステップであって、前記出力値には前記コンデンサからの導出液体温度、前記コンデンサからの導出液体流量および前記コンデンサからの導出液体におけるガスの濃度とが含まれてなるステップと、
    複数の一連の入力値から一連の入力値のそれぞれを得てシミュレートするステップを繰り返し行なうステップであって、一連の入力値のそれぞれを得てシミュレートするために行なう前記ステップの各繰り返しの動作によって前記複数のコンデンサのパラメータにそれぞれ異なった一連の出力値を与えるステップと、
    各一連の出力値が、さらなる分析のための所定の出力値の規準に適合するか否かを決定するステップ
    とを有するコンデンサの動作を決定するための方法。
  2. 前記複数のコンデンサのパラメータには、さらに導入蒸気温度、導入冷却液温度および導入蒸気圧力が含まれる請求項1記載の方法。
  3. 前記シミュレートするステップには、前記接触媒体の高さに沿って積分を行なって前記液体と前記蒸気からなる混合物の少なくとも1つの特性を決定するステップが含まれ、前記特性は濃度、粘度、分散性および熱伝導率を含む特性のグループから選択される請求項1記載の方法。
  4. コンピュータプロセッサを用いて直接接触型コンデンサからの液体廃棄物の化学的組成を分析するための方法であって、
    コンデンサと前記コンデンサへの導入液体流れとを表す一連の入力値を与えるステップであって、前記入力値には前記コンデンサへの導入冷却液の化学的特性、前記コンデンサへの導入蒸気流れの化学的特性および前記コンデンサにおける接触媒体の物理的特性が含まれてなるステップと、
    コンデンサからの液体廃棄物の化学的要素の濃度を決定するための演算を行なうステップと、
    コンピュータプロセッサを用いてこの濃度を所定の濃度と比較するステップ
    とを有する方法。
  5. 前記コンデンサへの導入冷却液の化学的特性が、冷却液における可溶性を有する化学的種の濃度、前記化学的種の関連するイオンチャージおよび導入冷却液のpHとからなる群から選択される請求項4記載の方法。
  6. 前記導入蒸気流れの化学的特性が、蒸気流れにおける化学的種の濃度または前記科学的種に関連するイオンチャージである請求項4記載の方法。
  7. 接触媒体の前記物理的特性には、前記接触媒体における通路の寸法と前記接触媒体の通路の方向とが含まれる請求項4記載の方法。
  8. 前記入力値には、さらに導入蒸気温度、導入冷却液温度および導入蒸気圧力とが含まれる請求項4記載の方法。
  9. 蒸気を導入するための蒸気導入口、冷却液をコンデンサ内に供給するための冷却液導入口、導入された蒸気スチームと冷却液とのあいだの接触および直接的熱交換を促進させるための複数のシートからなる接触媒体、凝縮液および凝縮液に溶解した汚染物質を回収および除去するための液体導出口を有する凝縮容器、非凝縮性ガスを除去するための非凝縮性ガス導出口を有する直接接触型コンデンサの化学的および力学的性能を促進させ、かつ予測するための方法であって、
    前記方法がメモリを有するコンピュータ上で実行され、かつ
    当該方法が、
    前記接触媒体を通る蒸気スチームの流れの方向、コンデンサのパワーレベル、垂直軸に沿って測定された接触媒体の高さ、垂直軸に垂直な平面内の接触媒体の断面積、コンデンサの全面積および利用されない接触媒体の面積の百分率を含むコンデンサデータを入力し、
    前記シートの表面と水平軸とのあいだで測定された接触媒体のための傾斜角を入力し、
    前記コンデンサのデータおよび傾斜高さに基づいた接触媒体の幾何学的パラメータを決定し、
    蒸気スチームおよび冷却液の熱力学的特性、ならびに蒸気スチーム内の複数の非凝縮性ガスの各濃度を入力し、
    コンデンサの一端で始め、冷却液、蒸気スチーム、凝縮液および接触媒体のための物理的特性データを含む、選択可能な厚さを有する接触媒体の断面の容量のための、安定状態のパラメータのプロフィールを計算し、
    スライスの合体した厚さが接触媒体のほぼ高さになるまで、コンデンサの垂直軸に沿って前記一端から延びる接触媒体の各スライスのための計算ステップを繰り返す
    ステップからなる方法。
  10. 安定状態のパラメータのプロフィールを用いて、熱力学的効率、凝縮容器の液体導出口からの全廃水除去量、蒸気スチームと冷却液とのあいだの伝熱量、運動量およびエネルギーバランス、質量輸送バランス、化学成分材料バランス、ならびに非凝縮性ガス導出口を通る流量を含むコンデンサの性能値を決定するステップをさらに含む請求項9記載の方法。
  11. 安定状態のパラメータのプロフィールの各々の前記物理特性データが、熱容量、密度、粘性、熱伝導率、水膜の厚さ、液体側およびガス側の質量および熱伝導係数、摩擦係数、拡散係数、液層のpH、気−液境界温度、液相のイオン構成、プランドル数およびシュミット数からなる群より選ばれる請求項9記載の方法。
  12. 前記始まりの一端が、接触媒体を通る下向き流れ方向を向くコンデンサの上端であり、接触媒体を通る上向き流れ方向を向くコンデンサの下端である請求項9記載の方法。
  13. 前記幾何学的パラメータが、側面の寸法、液体の再生長さ、修正された傾斜角の余弦、シートで形成された水路の水力直径、気泡割合、接触媒体の単位容量あたりの利用可能な幾何学的表面積を含む請求項9記載の方法。
  14. イオンの電荷を追跡される化学的標本に与えるステップさらに含む請求項9記載の方法。
  15. 化学的標本の数が1〜25である請求項14記載の方法。
  16. 凝縮液に溶解された化学的標本の各々の濃度を決定するステップをさらに含み、該濃度決定ステップが、前記接触媒体の各スライスのために、濃縮液の化学標本のうち分子標本およびイオン標本の分布を識別するために行なわれる請求項15記載の方法。
  17. 前記化学標本の各々の識別された分子分布を用いて、平衡分圧を計算し、該計算された平衡分圧を用いて、コンデンサの化学的特性を予測するために用いられる化学的標本の各々の質量輸送のために、駆動力を評価するステップを含む請求項16記載の方法。
  18. 計算ステップを少なくともほぼ17回繰り返す請求項9記載の方法。
  19. 各スライスの厚さが約2.5cm未満である請求項9記載の方法。
  20. コンデンサのデータの入力、傾斜角の入力、幾何学的パラメータの決定、熱力学特性の入力、計算、ついでステップを繰り返すことにより、ユーザが異なる数値を入力して予測される蒸気スチームおよび冷却液のために促進された接触媒体の配置を選択するステップをさらに含む請求項9記載の方法。
  21. 前記コンデンサが蒸気スチームを向ける第1および第2チャンバーを含み、各チャンバーは冷却液導入口から冷却液が導入された接触媒体の一部を収容し、蒸気スチームの流れの方向が各チャンバーで異なる請求項9記載の方法。
  22. 熱力学的特性が、ガス負荷、過熱量、コンデンサの圧力、スチームの質、非凝縮性ガスの濃度、蒸気、冷却液ならびに凝縮液の質量流速、液体負荷、液体導入口温度および苛性濃度を含む請求項9記載の方法。
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