JP2007157530A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】氷点下での運転に備えてシステムの運転開始時に燃料電池に残留した水分を除去することのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、燃料電池スタック2の酸化剤極が正となるように電圧を印加するバッテリ24を備え、燃料電池スタック2の燃料極と酸化剤極との間に所定電圧以下となる電位差を与えて酸化剤極に水素ガスを生成し、生成された水素ガスが所定量以上になると、バッテリ24によって燃料電池スタック2に電圧を印加し、この印加電圧を増加させても電流が増加しなくなるまで電圧の増加を続けて水分を除去することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システムに係り、特に氷点下での運転に備えてシステムの運転開始時に燃料電池に残留する水分を除去する燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料が有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、電解質膜を挟んで設けられた一対の電極のうち燃料極に水素を含有する燃料ガスを供給するとともに、他方の酸化剤極に酸素を含有する酸化剤ガスを供給し、これら一対の電極表面で生じる下記の電気化学反応を利用して電極から電気エネルギーを取り出すものである。
燃料極 :H2→2H++2e− ・・・(1)
酸化剤極:2H++2e−+(1/2)O2→H2O・・・(2)
燃料極に供給する燃料ガスの水素は、水素貯蔵装置から直接供給する方法、水素を含有する燃料を改質して得られた水素含有ガスを供給する方法が知られている。水素貯蔵装置としては、高圧ガスタンク、液化水素タンク、水素吸蔵合金タンク等がある。水素を含有する燃料としては、天然ガス、メタノール、ガソリン等が考えられる。一方、酸化剤極に供給する酸化剤ガスとしては、一般的に空気が利用されている。
ところで、例えば燃料電池を自動車の動力源として使用する場合や、寒冷地での定置用として使用する場合には、燃料電池が0℃以下の雰囲気にさらされることがあり、そのような状況下でも燃料電池が起動でき、通常に発電できることが望まれている。
しかしながら、0℃以下の低温状態では燃料電池を構成するセルの中で前回の発電後に残留した水分が凍結し、水素ガスや空気ガスが流通する反応ガス流路の閉塞や、電極近傍に残留している水分が凍結して反応ガスの拡散を阻害することによって発電ができなくなることがあった。
そこで、燃料電池を0℃以下から起動させるためには、予め燃料電池内部から水分を除去しておくことが必要となる。このため、システムの運転停止時に加湿されていない反応ガスを燃料電池内に供給して燃料電池を乾燥させ、燃料電池内が一定の湿度に低下した後に運転を停止するという技術が知られている(特許文献1参照)。
しかし、この技術では、単に加湿しない反応ガスによって燃料電池内を乾燥させるので、氷点下で発電するために十分な乾燥を完了するには多くの時間がかかってしまうという。特に、燃料電池を車両の動力源として使用する場合には、運転者がイグニッションキーをオフにしてからシステムが停止するまでに長い時間がかかってしまうことになり、実用上好ましくない。
そこで、この問題に対処するために、乾燥酸素や乾燥水素を燃料電池に供給した後、さらに高温に加熱した乾燥空気を供給して燃料電池を乾燥させる技術が提案されている(特許文献2参照)。
また、燃料電池の運転停止時に、燃料電池を冷却するための冷却水を加熱し、この加熱した冷却水によって燃料電池を所定温度まで加熱して燃料電池内を乾燥させる技術が提案されている(特許文献3参照)。これらの技術は、いずれも反応ガスの温度や燃料電池内の温度を高くすることによって、燃料電池内部の水分を蒸発させて除去するようにしたものである。
特開2001−332281号公報 特開2002−208421号公報 特開2002−246054号公報
しかしながら、高温に加熱された乾燥空気によって燃料電池内を乾燥させる技術では、乾燥空気ガスの熱容量がマニホールド部材やセパレータ部材の熱容量と比較して非常に小さいため、乾燥空気を高温に加熱して燃料電池に供給したとしても、乾燥させる必要のある流路や電極付近に高温の乾燥空気が到達したときには、乾燥空気の温度はかなり低下してしまい、残留した水分を蒸発させて除去するという効果が著しく低減してしまうことになる。
一方、加熱した冷却水を燃料電池に送り込んで燃料電池内を加熱する技術では、上記のような不具合は起こらずに残留水分を蒸発させて除去する効果は得られるが、冷却水を加熱するための加熱器が必要になってしまう。したがって、システムが大型化及び複雑化してしまい、さらに冷却水を加熱するための時間と電力が必要となるので、消費電力が増大するだけでなく水分除去処理に多大な時間を要することになる。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池の酸化剤極が正となるように電圧を印加する2次電池と、前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間に所定電圧以下となる電位差を与えて前記酸化剤極に燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスが所定量以上になると、前記2次電池によって前記燃料電池に電圧を印加し、この印加電圧を増加させても電流が増加しなくなるまで電圧の増加を続けて水分を除去する水分除去処理を実施する制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、燃料極と酸化剤極との間に所定電圧以下となる電位差を与えて酸化剤極に燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスが所定量以上になると、2次電池によって燃料電池に電圧を印加し、この印加電圧の増加に対して電流が増加しなくなるまで電圧の印加を続けるので、酸化剤極の触媒層に含まれた水分を燃料極へ移動させて酸化剤極から速やかに水分を取り除くことができ、これによって消費電力の増大やシステムを大型化することなく水分の除去に要する時間を大幅に短縮することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池スタック2と、燃料電池システム1全体を制御するコントローラ(制御手段)3と、水素ガスを貯蔵する水素ボンベ4と、水素ボンベ4から供給される高圧水素を減圧する減圧弁5と、燃料電池スタック2に供給される水素量を調整する流量コントローラ6と、燃料電池スタック2から排出された未反応の水素ガスを燃料電池スタック2の入口側に循環させる水素循環流路7と、水素循環流路7と水素供給流路とを切り替える第1三方弁8と、水素循環流路7と水素排出流路とを切り替える第2三方弁9と、水素循環流路7内の水素ガスを還流させるリサイクルコンプレッサ10と、外気から吸入される空気の異物を取り除くフィルタ11と、フィルタ11を介して吸入した空気を加圧して燃料電池スタック2に供給するコンプレッサ12と、燃料電池スタック2の酸化剤極における水素濃度を検出する水素濃度センサ13と、空気排出流路の流れを遮断するシャットオフ弁14と、燃料電池スタック2から排出された排空気と燃料排ガスとを燃焼処理する燃焼触媒15と、燃料電池スタック2の出力を酸化剤極側から取り出す酸化剤極側電極板21と、燃料電池スタック2の出力を燃料極側から取り出す燃料極側電極板22と、燃料電池スタック2から取り出された電力を消費するモータなどの負荷23と、負荷23で消費されない余剰電力を蓄えるバッテリ(2次電池)24と、負荷23及びバッテリ24に並列に接続された電圧計(交流電圧印加手段)25と、バッテリ24をON/OFF制御するスイッチ26と、負荷23に供給される電力をON/OFF制御するリレー27と、燃料電池スタック2から取り出される電流を検出する電流計28とを備えている。
ここで、上述した燃料電池スタック2を構成する単位セルの構造を図2に基づいて説明する。図2に示すように、燃料電池スタック2を構成する単位セル30は、プロトン伝導性を有する高分子電解質膜31と、高分子電解質膜31の両面に配置された一対の電極である酸化剤極32及び燃料極33と、酸化剤極32の外側に配置された酸化剤ガスセパレータ34と、酸化剤極32と酸化剤ガスセパレータ34との間で酸化剤ガスを流通させる酸化剤ガス流路35と、燃料極33の外側に配置された燃料ガスセパレータ36と、燃料極33と燃料ガスセパレータ36との間で燃料ガスを流通させる燃料ガス流路37とから構成されている。
また、酸化剤極32は、Pt等の触媒を担持したカーボン担体によって形成された触媒層32aと、カーボン繊維等の多孔質体によって形成されたガス拡散層32bとから構成され、同様に燃料極33も触媒層33aとガス拡散層33bとから構成されている。
なお、本実施形態の単位セル30では、酸化剤ガス流路35内を流通する空気の方向と、燃料ガス流路37内を流通する水素ガスの方向とは略同一方向となっている。
上述した単位セル30を複数積層して構成した燃料電池スタック2における反応を説明すると、通常運転時には酸化剤ガスである空気が触媒層32aの触媒に接触し、燃料ガスである水素が触媒層33aの触媒に接触することによって以下に示す反応が生じる。
燃料極側 :H2 → 2H+ + 2e− ・・・(3)
酸化剤極側:2H+ +1/2 O2+ 2e− → H2O ・・・(4)
この式(3)に示すように、燃料極33では燃料ガス中の水素がプロトンと電子に分離され、プロトンは高分子電解質膜31内部を移動して酸化剤極32に到達し、電子は外部回路を流れて出力として取り出される。
一方、酸化剤極32では、高分子電解質膜31内を拡散してきたプロトンと外部回路を介して移動してきた電子と空気中の酸素とによって形成される三相界面上で式(4)に示す反応が生じる。
次に、燃料電池スタック2に燃料ガスである水素を供給する水素供給系について説明する。水素供給系では、水素ボンベ4から取り出された高圧水素を減圧弁5によって減圧し、流量コントローラ6によって燃料電池スタック2に供給される水素量を調整しつつ、燃料電池スタック2内の燃料ガス流路37に水素を供給している。また、燃料電池スタック2の燃料極入口より上流側に第1三方弁8が設置され、下流側には第2三方弁9が設置され、これら第1及び第2三方弁を切り替えることによって水素循環流路7側に流路が切り替えられ、リサイクルコンプレッサ10を駆動することによって、燃料電池スタック2から排出された未反応の水素ガスを燃料電池スタック2の入口側へ還流している。
さらに、燃料電池スタック2の下流には、燃料電池スタック2から排出された排空気と燃料排ガスとを燃焼処理するための燃焼触媒15が設置され、燃料電池スタック2の酸化剤極32側の空気中に含まれる窒素ガスが、高分子電解質膜31を透過して燃料極33側へ移動し、燃料極33内の水素濃度が低くなった場合には第2三方弁9を切り替えて、水素を含む燃料排ガスを燃焼触媒15で燃焼処理した後に外部へ排出している。
一方、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系では、外部からフィルタ11を介してコンプレッサ12によって空気を導入し、導入した空気を空気供給流路に送り込んで燃料電池スタック2の酸化剤極32へ供給している。また、コンプレッサ12と燃料電池スタック2とを繋ぐ配管には水素濃度センサ13が設置されており、酸化剤極32における水素濃度をモニタリングしている。さらに、燃料電池スタック2の下流には、シャットオフ弁14が取り付けられ、システムの停止時にはシャットオフ弁14を閉じて大気からの空気の吸い込みを抑えている。
次に、燃料電池スタック2から取り出された出力を消費する負荷系(電気回路)について説明する。燃料電池スタック2には、出力を取り出すための端子として酸化剤極32側に酸化剤極側電極板21を備え、燃料極33側に燃料極側電極板22を備えている。そして、これら酸化剤極側電極板21と燃料極側電極板22とを通じて燃料電池スタック2で発生した電力を負荷23に供給して消費している。
ここで、負荷23にはバッテリ24と電圧計25がそれぞれ並列に接続され、システム運転時には負荷23で消費されない余剰電力をバッテリ24に蓄電し、スイッチ26をON/OFF制御することによってバッテリ24の蓄電と放電を制御している。また、リレー27がON/OFF制御され、リレー27がONのときには燃料電池スタック2から電力の取り出しが可能な状態となり、OFFのときには燃料電池スタック2から電力の取り出しは行われないようになっている。
また、電圧計25は交流抵抗計としての機能も備えており、以下に示す水分除去処理を実施するときには燃料電池スタック2に微小な交流電圧を印加して交流抵抗を計測している。
コントローラ3は、例えば中央演算ユニット(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、及び入出力インターフェース(I/Oインターフェース)を備えたマイクロコンピュータにより構成されており、電圧計25や電流計28、水素濃度センサ13などの各種センサによる検出値に基づいてコンプレッサ12や流量コントローラ6、スイッチ26、リレー27などを制御している。なお、コントローラ3を複数のマイクロコンピュータによって構成することも可能であり、後述する水分除去処理の制御の他にも複数の制御を実行する装置として構成してもよい。
次に、本実施形態の燃料電池システム1による水分除去処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。ただし、この水分除去処理は燃料電池システム1の起動時に実施される処理であり、特に酸化剤極での水生成を伴わないため0℃以下でシステムを起動する場合にはシステムの起動直前に実施することが好ましい。この理由としては、水分除去処理を実施することによって酸化剤極の水分を燃料極へ移動させることができるが、水分除去処理を実施した後に長時間放置しておくと、燃料極へ移動させた水分が燃料極から拡散して元に戻ってしまうためである。したがって、できる限りシステムを起動する直前に水分除去処理を実施して酸化剤極から移動させた水分が元に戻ってしまう前にシステムを起動させることが効果的である。
そこで、燃料電池システム1の停止状態において、コントローラ3は、システムの起動を指示する信号が入力されると、図3に示すようにまず燃料ガスである水素の供給を開始する(S101)。このとき、燃料電池システム1の停止状態では、コンプレッサ12を停止し、シャットオフ弁14をオフ、第2三方弁9を水素循環流路7側へ切り替えた状態となっている。
そして、リレー27をオンにして燃料電池スタック2で発電した電力を負荷23に供給し、燃料極と酸化剤極との間の電圧を0.1Vに保つ(S102)。
ここで、ステップS102において実施される処理を図4に基づいて説明する。図4は、燃料極に水素を供給し、酸化剤極に窒素を供給した場合における酸化剤極と燃料極との間の電位差と電流密度との関係を示す図である。図4に示すように、高分子電解質膜の材料や温度条件によって変化はするものの、一般に電位差が約0.2Vのときに電流密度が0A/cm2となる。そして、電位差が0.2Vよりも低くなると、
2H++2e−→H2・・・(5)
の反応が酸化剤極で起こり、酸化剤極側に水素が生成される。
このような反応は外部から電圧をかける必要はなく、単に短絡させるだけで酸化剤極に水素を生成させることができる。したがって、電位差を0.2V以下にすれば、式(5)の反応によって水素を生成することは可能であるが、本実施形態では電位差を0.1Vにすることによって、より確実に水素が生成されるようにしている。
このように、酸化剤極に直接水素を供給するための追加的な手段を設置することなく、高分子電解質膜中のプロトンを移動させて酸化剤極に水素を供給することができる。
こうして酸化剤極における水素の生成が開始されたら、次に水素濃度センサ13によって酸化剤極における水素濃度を検出し、検出された水素濃度が所定値以上になったか否かを監視する(S103)。ただし、水素濃度センサ13の検出値の代わりに、電流計28によって検出された電流値に基づいて水素量を求めるようにしてもよい。
そして、検出された水素濃度が所定値、例えば20%を超えたら、次にリレー27をオフにし、スイッチ26をオンにしてバッテリ24による燃料電池スタック2への電圧印加を開始し、印加電圧を増加させる(S104)。これにより、酸化剤極に水素ガスが存在する状態で酸化剤極を正として電圧を印加して電流を取り出すことになり、これによって酸化剤極側で水素が酸化されてプロトンと同じ方向に水分が移動し、酸化剤極を乾燥させることができる。
この後、バッテリ24による印加電圧を継続的に増加させていき、電流計28と電圧計25によって燃料電池スタック2に流れる電流と印加される電圧とを読み取る。そして、バッテリ24の印加電圧を増加させても電流が増加しなくなって減少に転じたか否かを監視する(S105)。このとき、燃料極へは水素の供給が行なわれており、これによって酸化剤極から燃料極へ移動した水分をより多く、より速やかにシステム外へ排出することができる。
また、電圧計25はこのとき燃料電池スタック2に交流電圧を印加して燃料電池スタック2の交流抵抗の測定も行なっている。
ここで、酸化剤極に水素が存在しているときに酸化剤極を正として電圧を印加した場合の電流−電圧特性を図5に基づいて説明する。ただし、図5では酸化剤極を正として電圧を記述しており、電流電圧特性を分かりやすくするためにY軸を反転させて(上がマイナス、下がプラスとして)記述している。図5に示すように、酸化剤極の電圧を増加させていくと、約0.4V付近に電圧を上昇させても電流が増加しなくなる点が存在していることが分かる。
また、電圧計25によって燃料電池スタック2に交流電圧を印加して交流抵抗を測定すると、電流と交流抵抗との関係は図5の点線となる。そして、図5の電流−電圧特性を測定しているときにおける酸化剤ガスの出口露点の時間変化と交流抵抗の時間変化とをまとめたグラフが図6となる。
図6では、0secが図5の電流−電圧特性の測定開始時点となっており、図6の0secにおける電流は図5を参照すると0A/cm2で、電圧は約−0.2Vとなる。同様に0secにおける図5の交流抵抗は200mOhm・cm2となっている。
ここから測定を開始して約0.4V/secで電圧を上昇させていくので、1000秒後に図5では電圧が0.2Vとなり、1500秒後に電圧が0.4Vとなって電圧を上昇させても電流が増加しなくなっている。
このとき酸化剤ガスの露点は、図6に示すように測定を開始して500秒を経過してから2000秒後にかけて急激に低下している。これは、酸化剤極の水分が燃料極側に移動して酸化剤極の水分が失われていることを示しており、電圧を増加させていくことによって酸化剤ガスの露点が下がり、高分子電解質膜が乾燥状態になることを示している。
このように、バッテリ24による電圧を増加させても電流が増加しなくなる点まで電圧を上昇させていくことによって、酸化剤極の触媒層を乾燥状態にすることができる。特に、この水分除去処理を実施した後に長時間放置しておくと、燃料極へ移動させた水分が燃料極から拡散して元に戻ってしまうので、燃料電池システム1を氷点下から起動する直前に上述した処理を実施することによって、水の生成を伴う酸化剤極を十分に乾燥させることができる。
また、図6に示すように、露点の減少と交流抵抗との増加は同時に起こっているので、酸化剤極の乾燥状態は交流抵抗値によって代表させることができる。つまり、交流抵抗値をモニタリングして所定値以上になったらバッテリ24による電圧の印加を終了するようにすれば、電流−電圧特性を測定しなくても高分子電解質膜の乾燥状態を測定することができ、高分子電解質膜が過度な乾燥状態になってしまうことを防ぐことができる。
次に、酸化剤極に水素が存在しているときに電圧計25によって印加される交流電圧の周波数と、高分子電解質膜−触媒層間におけるキャパシタンスとの関係を図7に基づいて説明する。図7に示すように交流電圧の周波数が0.1〜1Hzまでの間ではキャパシタンスに大きな変化はなく、1Hzを超えたところからキャパシタンスが急激に減少していることが分かる。一般にキャパシタンスに蓄電されるまでの間には水移動は少なく、キャパシタンスを十分に満たした後に水移動が起こるので、1Hzよりも高い周波数では水が完全に触媒層へと抜けきっていない可能性がある。そこで、電圧計25によって交流電圧を印加する時間は1Hzよりも低い値、つまり時間としては1秒以上にすることによってキャパシタンスを十分に満たして水分を完全に除去することが可能となる。
このようにしてステップS105において、バッテリ24による印加電圧の増加に対して電流値が増加しなくなって減少し始めたら、次にスイッチ26をオフにして(S106)、シャットオフ弁14を開く(S107)。
そして、酸化剤極への酸素供給を開始して(S108)燃料電池スタック2の発電が開始されたら、本実施形態の燃料電池システム1による水分除去処理を終了する。
尚、上述したステップS105において、本実施形態ではバッテリ24による印加電圧を増加させたときの電流値の変化によって水分除去が完了したか否かを判断したが、この方法に限定されるわけではなく、例えば燃料電池スタック2の電圧−電流特性が経時的に大きく変化しないことを利用して、予め電圧−電流特性を測定しておき、電圧を増加させても電流が増加しなくなる電圧値を予め設定しておくようにすることもできる。また、この他にも予め燃料電池スタック2を流れる電流と交流抵抗との関係を求めておき、交流抵抗の値によって水分除去の有無を判断するようにしても良い。とくに、交流抵抗は高分子電解質膜の乾燥状態を表す指標でもあるので、過度な乾燥状態にしないためにも好ましい方法と言える。さらに、バッテリ24による電圧を一定速度で走査し、所定時間が経過したら水分除去が完了したと判断する方法も簡便な手法として考えられる。
次に、本実施形態の燃料電池システム1によるシステム停止処理を図8のフローチャートに基づいて説明する。このシステム停止処理を実施することによって、燃料電池システム1を次回起動するときの水分除去処理による効果を高めることができる。
通常、システム運転時には水素ガスと酸化剤ガスとが供給されているので、この状態においてシステム停止の指令が入力されると、コントローラ3は、図8に示すように、まず酸化剤極への酸化剤ガスの供給を停止して(S201)、シャットオフ弁14を閉じる(S202)。
さらに、リレー27をオンにして(S203)、負荷23によって燃料極と酸化剤極との電位差が0.1V以下になったか否かを判断し(S204)、燃料極と酸化剤極との電位差が0.1V以下になったらリレー27をオフにするとともに(S205)、燃料極への水素ガスの供給を停止して本実施形態の燃料電池システム1によるシステム停止処理を終了する。
このシステム停止処理によって、酸化剤極の酸素を取り除くことができるので、次回燃料電池システム1を起動するときに、酸化剤極に水素を生成させたとしても水を生成することがなくなり、氷点下において凍結することを防止して速やかにシステムを起動することができる。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料極と酸化剤極との間に所定電圧以下となる電位差を与えて酸化剤極に水素ガスを生成し、生成された水素ガスが所定量以上になると、バッテリ24によって燃料電池スタック2に電圧を印加し、この印加電圧の増加に対して電流が増加しなくなるまで電圧の印加を続けるので、酸化剤極の触媒層に含まれた水分を燃料極へ移動させて酸化剤極から速やかに水分を取り除くことができ、これによって消費電力の増大やシステムの大型化を防止して水分の除去に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池スタック2の交流抵抗値が所定値以上になると、バッテリ24による電圧の印加を終了するので、高分子電解質膜の乾燥状態を表す交流抵抗値によって電圧印加の終了タイミングを判断することができ、これによって高分子電解質膜が過剰に乾燥することを防ぎ、再起動の際に性能を著しく低下させてしまうことを防止することが可能となる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、バッテリ24によって電圧を印加するときに燃料電池スタック2の燃料極へ水素ガスを供給するので、燃料極へ移動した水分をシステム外へ速やかに移動させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、酸化剤極に燃料ガスを生成するための所定電圧を0.2V以下としたので、追加した新たな手段を設置することなく、簡便に酸化剤極に水素を生成することができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池システム1が0℃以下で起動する直前に水分除去処理を実施するので、酸化剤極から燃料極へ移動させた水分が元に戻ってしまうことを防ぎ、酸化剤極を十分に乾燥させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、水分除去処理を実施するときに交流電圧を燃料電池スタック2に1秒以上印加するので、より効果的に水分を除去することができる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 燃料電池スタックを構成する単位セルの構造を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムによる水分除去処理を示すフローチャートである。 燃料極に水素を供給し、酸化剤極に窒素を供給した場合における酸化剤極と燃料極との間の電位差と電流密度との関係を示す図である。 酸化剤極に水素が存在しているときに酸化剤極を正として電圧を印加した場合の電流−電圧特性及び電流−交流抵抗特性を示す図である。 バッテリによる印加電圧を増加させた場合の酸化剤ガスの出口露点の時間変化と交流抵抗の時間変化とを説明するための図である。 燃料電池スタックに印加される交流電圧の周波数と燃料電池スタックのキャパシタンスとの関係を説明するための図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムによるシステム停止処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池スタック
3 コントローラ(制御手段)
4 水素ボンベ
5 減圧弁
6 流量コントローラ
7 水素循環流路
8 第1三方弁
9 第2三方弁
10 リサイクルコンプレッサ
11 フィルタ
12 コンプレッサ
13 水素濃度センサ
14 シャットオフ弁
15 燃焼触媒
21 酸化剤極側電極板
22 燃料極側電極板
23 負荷
24 バッテリ(2次電池)
25 電圧計(交流電圧印加手段)
26 スイッチ
27 リレー
28 電流計

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の酸化剤極が正となるように電圧を印加する2次電池と、
    前記燃料電池の燃料極と酸化剤極との間に所定電圧以下となる電位差を与えて前記酸化剤極に燃料ガスを生成し、生成された燃料ガスが所定量以上になると、前記2次電池によって前記燃料電池に電圧を印加し、この印加電圧を増加させても電流が増加しなくなるまで電圧の増加を続けて水分を除去する水分除去処理を実施する制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池の交流抵抗値が所定値以上になると、前記2次電池による電圧の印加を終了することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記2次電池によって電圧を印加するときに前記燃料電池の燃料極へ燃料ガスを供給することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
  4. 前記酸化剤極に燃料ガスを生成するための所定電圧は0.2V以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、当該燃料電池システムが0℃以下で起動する直前に前記水分除去処理を実施することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料電池に交流電圧を印加する交流電圧印加手段を備え、
    前記制御手段は、前記水分除去処理を実施するときに前記交流電圧を前記燃料電池に1秒以上印加することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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