JP2007155334A - グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法 - Google Patents

グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007155334A
JP2007155334A JP2005346447A JP2005346447A JP2007155334A JP 2007155334 A JP2007155334 A JP 2007155334A JP 2005346447 A JP2005346447 A JP 2005346447A JP 2005346447 A JP2005346447 A JP 2005346447A JP 2007155334 A JP2007155334 A JP 2007155334A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
complement
glucan
concentration
value
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005346447A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4666284B2 (ja
Inventor
Yasuyo Suga
泰世 須賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP2005346447A priority Critical patent/JP4666284B2/ja
Publication of JP2007155334A publication Critical patent/JP2007155334A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4666284B2 publication Critical patent/JP4666284B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

【課題】より安価で容易にグルカン感受性を測定する方法の提供。また、本発明は、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法の提供。
【解決手段】個体から採取した血液の血清又は血漿の補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、グルカンに対する感受性を予測する、グルカン感受性予測方法を提供する。また、補体活性化経路を誘導する物質を含むグルカン感受性増強剤を提供する。さらに、補体産生増強物質を含むグルカン感受性増強剤を提供する。さらに、候補物質の投与前後に個体から採取した血液の血清又は血漿について、候補物質の投与前後で補体濃度及び/又は補体価を比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法を提供する。試験管内で候補物質非添加の血清又は血漿の補体濃度及び/又は補体価を比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法に関するものである。
レンチナンといったβ−グルカンなどの免疫賦活多糖は、免疫賦活剤や抗悪性腫瘍剤として効果があることが知られているが、効果の発現には個体差が大きいことも知られている(非特許文献1)。
一方、ヒトやマウスなどの哺乳類の末梢血単核球、例えば、単球、顆粒球やリンパ球の表面に免疫賦活多糖が結合することが知られている(非特許文献2及び3)。そして、末梢血単核球への免疫賦活多糖の結合能には個体差やマウス系統差があることが示されており、免疫賦活多糖の効果発現と結合能は相関する可能性が大きい。
免疫賦活多糖の末梢血単核球への結合能は、抗レンチナン抗体などの免疫賦活多糖の抗体を用いる方法が知られているが、この方法では、抗レンチナン抗体はIgMなので使用しにくく、又抗レンチナン抗体は自家生産であり、力価が一定のものを恒常的に供給するのは困難であるとの問題がある。さらに、血液から白血球画分を分離し、血清存在下で反応にかけるため、操作が煩雑であるとの問題がある。
これに対して、蛍光標識免疫賦活多糖を末梢血単核球(全血)に添加培養し、その蛍光強度を測定することが行われている(非特許文献4及び5)。そして、CD14陽性単球のレンチナン結合率は、レンチナン感受性と相関することが示されている(非特許文献6)。
しかしながら、この方法は高価であり、より安価に、より容易にグルカン感受性を測定する方法が求められている。
Cancer Res. 44: 5132 (1984) 50th Annual Mtg. Proc. Jpn. Cancer Assoc. p259 (1991) Int. J. Immunopharmac. 18: 211 (1996) J. Clin. Invest. Vol. 98, No. 1, July 1996, pp50-61 J. Exp. Med. Vol. 196, No.3, August 5, 2002, pp407-412 Biotherapy19(suppl. I): 65, October. 2005, W-1-5
本発明は、より安価に、より容易にグルカン感受性を測定する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法を提供することを目的とする。
本発明は、個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、グルカンに対する感受性を精度良く予測することができ、これによれば効果的に上記課題を解決できるとの知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、グルカンに対する感受性を予測する、グルカン感受性予測方法を提供する。
また、本発明は、個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、CD14陽性単球のグルカン結合能を予測する、CD14陽性単球のグルカン結合能予測方法を提供する。
さらに、本発明は、補体活性化経路を誘導する物質を含むグルカン感受性増強剤及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤を提供する。
さらに、本発明は、補体産生増強物質を含むグルカン感受性増強剤及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤を提供する。
さらに、本発明は、候補物質の投与前後に個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質の投与前後で補体濃度及び/又は補体価を比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質のスクリーニング方法を提供する。
試験管内で血液に候補物質を添加培養後血清又は血漿を分離し少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質非添加の血清又は血漿の補体濃度及び/又は補体価と比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質のスクリーニング方法を提供する。
本発明のグルカン感受性予測方法及びCD14陽性単球のグルカン結合能予測方法は、個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定することを含む。
本発明のグルカンとしては、αグルカンおよびβグルカンのいずれでも良いが、特にβグルカンが好ましく、β-1,3-グルカンがより好ましい。βグルカンとしては、レンチナン、ザイモザン、パヒマラン、シゾフィラン、プスチュラン、スクレログルカン及びリヘナンなどが挙げられる。中でも特にレンチナンに対して効果的である。
濃度を測定する補体としては、C1〜C9の9種類の補体が挙げられ、1種の補体濃度を測定すれば、βグルカン感受性及びCD14陽性単球のβグルカン結合能を予測することが可能であるが、2種以上の補体濃度を測定することによって、その精度を高めることができる。これらの補体のうち、C3及び/又はC4の濃度を測定することが好ましい。
補体濃度は、当業者に公知の任意の方法を用いて測定することができる。例えば、免疫比濁法、一元免疫核酸方(single radial immunodiffusion; SRID)、レーザーネフェロメトリー、ラテックス凝集比濁法などが挙げられる。なお、補体濃度は、上記補体の分解産物を測定することによっても求めることができる。
補体価は、活性化を受けずに残ったC1〜C9の総合的な活性を表す指標であり、当業者に公知の任意の方法を用いて測定することができる。例えば、ヒツジ赤血球に、抗体(溶血素)を反応させた一定量のヒツジ感作赤血球(EA)を血清と反応させると、血清中の補体量に応じて、溶血の程度が変化する。7.5 mlの液中で37℃、60分反応させたとき、5×108個のEAの50%を溶血するのに必要な補体量を1単位(1 CH50)として、補体価が求められる(Mayer MM: Complement and complement fixation. In: Experimental Immunochemistry (ed by Kabat EA, Mayer MM), p133-240, Charles C Thomas Publisher, Springerfield, 1961)。
次に、本発明は、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することを含む。本発明者らの研究によれば、補体濃度及び/又は補体価は、グルカン感受性又はCD14陽性単球のグルカン結合率と良く相関しており、補体濃度及び/又は補体価が高い個体においては、グルカン感受性が強く、又はCD14陽性単球のグルカン結合率が高い。したがって、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することによって、個体のグルカン感受性又はCD14陽性単球のグルカン結合能を予測することができる。
補体濃度及び補体価の基準値は、βグルカン感受性又はCD14陽性単球のグルカン結合率と補体濃度又は補体価との相関から求めることができるが、一般的には、免疫学的検査項目として定められている基準値を用いることができる。例えば、C3については、基準値は50 mg/mlであり、C4については、11 mg/dlである。また、補体価についは、25 CH50/mlである。
測定した補体濃度及び補体価のうち少なくとも1つが、その基準値以上である場合には、グルカンに対する感受性又はCD14陽性単球のグルカン結合能があると予測できる。また、測定した補体濃度及び補体価のうち少なくとも1つが、その基準値未満である場合には、グルカンに対する感受性又はCD14陽性単球のグルカン結合能が弱いと予測できる。
また、補体濃度及び/又は補体価を高めることによって、グルカン感受性が強くなり、又はCD14陽性単球のグルカン結合率が高くなることから、補体活性化経路を誘導する物質及び補体産生増強物質は、グルカン感受性及びCD14陽性単球のグルカン結合能を増強する。
補体活性化経路を誘導する物質としては、例えばIgA、IgD、IgE、IgM、IgG1、IgG2、IgG3などの免疫グロブリン、C多糖体-CRP結合物、ポリマーDNA、細菌リポ多糖体、デキストラン、デキストラン硫酸、polyanion-polycation結合物、ザイモザン(酵母・グラム陰性菌の菌膜)、マンナン、細菌壁ペプチドグリカン、イヌリンなどのポリマー性物質、トリプシン、プラスミンなどの蛋白分解酵素、トリパノソーマ、赤痢アメーバ、シストソミューラなどの微生物、ウイルス感染細胞、腫瘍細胞などの細胞、尿酸結晶、心筋ミトコンドリア、レトロウイルス、コブラ毒、透析膜、C3 nephritic factor(抗C3b・Bb自己抗体)などが挙げられる。
補体産生増強物質としては、例えばLPS、ビタミンA、C、D、E、IFN-γ、免疫複合体などが挙げられる。
前記補体活性化経路を誘導する物質又は補体産生増強物質は、補体活性化経路を誘導するのに効果的な量又は補体を増強するのに有効な量にて投与される。1日当たりの補体活性化経路を誘導するのに効果的な量は、物質ごとに異なっており、当業者において適宜選択される。
本発明の、補体活性化経路を誘導する物質を含むグルカン感受性及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤には、上記の補体活性化経路を誘導する物質以外に、これらの物質の活性に影響を及ぼさない範囲で、賦形剤などの添加剤を加えてもよい。
本発明のグルカン感受性及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤は、適宜の剤形でよく、例えば散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、液剤等に調製される。
散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤等に加える添加剤としては、賦形剤(例えば、乳糖、ブドウ糖、D−マンニトール、澱粉、結晶セルロース、炭酸カルシウム、カオリン、軽質無水ケイ酸、トレハロースなど)、結合剤(例えば、デンプン糊液、ゼラチン溶液、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、エタノールなど)、崩壊剤(例えば、デンプン、ゼラチン末、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム塩など)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)、コーティング剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アセチルセルロース、白糖、酸化チタンなど)等があり、その他必要に応じて着色剤、矯味・矯臭剤等が加えられる。また、内用液剤に加えられる添加剤としては、保存剤(例えば、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル、デヒドロ酢酸ナトリウムなど)、懸濁化剤または乳化剤(例えば、アラビアゴム、トラガント、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩、メチルセルロース、卵黄、界面活性剤など)、甘味・酸味剤(例えば、トレハロース、クエン酸など)等があり、その他必要に応じて着色剤、安定剤等が加えられ、これらに使用される溶剤は、主として精製水であるが、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール等も使用することができる。
本発明のグルカン感受性及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤は、補体活性化経路を誘導する物質をそのままか、または各剤形に応じた薬学的、製剤学的に許容される添加剤と混合・造粒し、もしくは適当な溶剤中に溶解して乳化または懸濁し、さらには適当な基剤と混合する等して、常法により調製することができる。
本発明のグルカン感受性及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤は、経口又は非経口的に投与することができる。なお、上記の補体活性化経路を誘導する物質の含有量は、1日1回又は数回の服用によって、上述の1日当たりの投与量が達成できるように調整される。好ましい投与方法としては、経口、経腸(チューブを使用するなどした経胃、経十二指腸、胃ろう(PEG)、浣腸が好ましい)、静脈内投与が挙げられる。
また、上記以外のグルカン感受性増強物質及びCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質(すなわち、補体活性化経路を誘導する物質又は補体産生増強物質)は、候補物質の投与前後に個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質の投与前後で補体濃度及び/又は補体価を比較することによってスクリーニングすることができる。あるいは、候補物質を血液に添加し試験管内で培養後分離した血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質非添加の血清または血漿の補体濃度及び/又は補体価と比較することによってスクリーニングすることができる。候補物質の投与前(非添加)に比べて、候補物質の投与後(添加)の補体濃度及び/又は補体価が高くなっていれば、候補物質は、グルカン感受性増強物質又はCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質として機能するものである。
候補物質を添加した血液の試験管内での培養においては、培地としてDMEMやRPMI1640などの一般的に使用されているものであればいずれも使用できる。また、培地を使用せず、全血で培養を行っても良い。培養は、上記培地で血液を0〜100倍に薄めて行う。培養条件は、4〜37℃で15分間〜24時間行う。
(CD14陽性単球のレンチナン結合能測定法)
健康人5名から採取した血液に抗凝固剤としてヘパリンを添加した。血液100μlをポリスチレンチューブに分注し、Fluorescein標識レンチナンを100μg/mlになるように添加した。37℃で45分反応させた後、PE標識抗CD14抗体を添加し、さらに30分間反応させた。溶血剤(0.826%塩化アンモニウム+0.1%炭酸水素カリウム+0.0037%EDTA・4Na/蒸留水 pH=7.0)4mlを加え室温で溶血し、洗浄用緩衝液(0.1%BSA+0.1%アジ化ナトリウム/PBS(-))1mlで1回洗浄し、洗浄用緩衝液に懸濁しメッシュを通した後、FACS Caliburによる2カラー(Fluorescein/PE)解析を行った。
データ解析は、SSC/FL2(PE)でCD14陽性単球を分画し、CD14陽性単球のFL1(FITC)ヒストグラムを作成、チャネル2763以上に存在する細胞の割合について行った。
(補体受容体に対する抗体のレンチナン結合能阻害率)
健康人5名から採取した血液に抗凝固剤としてヘパリンを添加した。血液200μlをポリスチレンチューブに分注し、抗CD11b抗体、抗CD35抗体、あるいはコントロール抗体を添加した。37℃で30分間反応後、Fluorescein標識レンチナンを100μg/mlになるように添加した。37℃で45分間反応させた後、PE標識抗CD14抗体を添加し、さらに30分間反応させた。溶血剤(0.826%塩化アンモニウム+0.1%炭酸水素カリウム+0.0037%EDTA・4Na/蒸留水 pH=7.0)4mlを加え室温で溶血し、洗浄用緩衝液(0.1%BSA+0.1%アジ化ナトリウム/PBS(-))1mlで1回洗浄し、洗浄用緩衝液に懸濁しメッシュを通した後、FACS Caliburによる2カラー(Fluorescein/PE)解析を行った。
データ解析は、SSC/FL2(PE)でCD14陽性単球を分画し、CD14陽性単球のFL1(FITC)ヒストグラムを作成、チャネル2763以上に存在する細胞の割合について行った。コントロール抗体添加時の細胞の割合と補体受容体に対する抗体添加時の細胞の割合を比較し、阻害率を算出した。
阻害率(%)=(1−補体受容体に対する抗体添加時の細胞の割合/コントロール抗体添加時の細胞の割合)×100
(CD14陽性単球の補体受容体発現率)
健康人3名から採取した血液に抗凝固剤としてヘパリンを添加した。血液200μlをポリスチレンチューブに分注し、FITC標識抗CD14抗体とPE標識抗CD11抗体あるいはPE標識抗CD35抗体を添加、37℃で30分間反応させた。その後、溶血剤10mlを加え室温で溶血し、洗浄用緩衝液3mlで1回洗浄し、洗浄用緩衝液に懸濁しメッシュを通した後、FACS Caliburによる2カラー(Fluorescein/PE)解析を行った。
データ解析は、SSC/FSCで単球を分画し、FL1/FL2に展開、FL1陽性細胞におけるFL2陽性細胞の割合について行った。
(CD14陽性単球のレンチナン結合能に与える血漿成分の影響)
健康人5名から採取した血液に抗凝固剤としてヘパリンを添加した。血液2mlを3000rpm、10分間遠心分離し、血漿を1ml採取した。血球に1mlの溶血剤(0.826%塩化アンモニウム+0.1%炭酸水素カリウム+0.0037%EDTA・4Na/蒸留水 pH=7.0)を加え、ポリスチレンチューブ2本に200μl/tubeで分注した。さらに溶血剤10mlを加え室温で溶血し、洗浄用緩衝液で1回洗浄し、容量を100μlにあわせた。採取した血漿は0.5mlずつに分け、一方を56℃で30分間の加熱により非働化した。一方のチューブには血漿を、もう一方のチューブには非働化した血漿を、100μl添加した。別のポリスチレンチューブには血液を200μl /tubeで分注した。これら3本のチューブに、Fluorescein標識レンチナンを100μg/mlになるように添加した。37℃で45分間反応させた後、PE標識抗CD14抗体を添加し、さらに30分間反応させた。血液を入れたチューブは、溶血剤4mlを加え室温で溶血した。全てのサンプルは、洗浄用緩衝液(0.1%BSA+0.1%アジ化ナトリウム/PBS(-))1mlで1回洗浄し、洗浄用緩衝液に懸濁しメッシュを通した後、FACS Caliburによる2カラー(Fluorescein/PE)解析を行った。
データ解析は、SSC/FL2(PE)でCD14陽性単球を分画し、CD14陽性単球のFL1(FITC)ヒストグラムを作成、チャネル2763以上に存在する細胞の割合について行った。
(血清および血漿の補体価、補体濃度測定)
健康人3名から採取した血液を2本のチューブに半量ずつ分注し、一方に抗凝固剤としてヘパリンを添加した。3000rpm、10分間遠心分離し、血清あるいは血漿を採取した。採取した血清および血漿は-80℃に保管し、(株)エスアールエルに、補体価、補体濃度(C3、C4)の測定を依頼した。
(実験結果)
(健康人5名のCD14陽性単球のレンチナン結合能)
CD14陽性単球におけるレンチナン結合細胞の割合を図1に示す。5名のレンチナン結合能には個人差があり、A、Dは結合能が高く、B、Cは結合能が低かった。
(補体受容体に対する抗体のレンチナン結合能阻害率)
補体受容体に対する抗体のレンチナン結合能阻害率を図2に示す。レンチナン結合能の個人差に関わらず、CD11b、CD35の抗体添加により単球へのレンチナン結合が阻害されたことから、単球の補体受容体を介してレンチナンが結合することが分かった。
(CD14陽性単球の補体受容体発現率)
図3に健康人3名のCD14陽性単球における補体受容体発現率を示す。レンチナン結合能の個人差に関わらず、CD11b、CD35とも、CD14陽性単球のほとんどの単球に発現が認められた。
(CD14陽性単球のレンチナン結合能に与える血漿成分の影響)
レンチナン結合能の個人差の原因が単球側ではなかったため、血漿成分に注目し、非働化血漿を用いた場合にレンチナン結合が低下するか否か検討した。レンチナン結合能の個人差に関わらず、血漿の非働化により単球へのレンチナン結合は著しく低下した(図4)。また、図5に、全血で測定した結合能と白血球+非働化血漿で測定した結合能との差を縦軸に、全血で測定した結合能を横軸にして5例の結果をプロットした結果を示す。これらの値には有意な相関が認められ、結合能の個人差は血漿成分に規程されているものと考えられる。
(血清および血漿の補体価、補体濃度測定)
図6〜8に血清および血漿の補体価(図8)、補体濃度(C3(図6)、C4(図7))を示す。血清と血漿に違いは認められなかった。また、いずれの項目に関しても個人差がみられたが、補体価とC3濃度はA>C≧B、C4はA>B>Cと、Aが高値であった。単球のレンチナン結合能もAが最も強く、補体価および補体濃度とレンチナン結合能が相関する可能性が示唆された。
CD14陽性単球のレンチナン結合能を示すグラフである。 補体受容体に対する抗体のレンチナン結合能阻害率を示すグラフである。 CD14陽性単球の補体受容体発現率を示すグラフである。 CD14陽性単球のレンチナン結合能に与える血漿成分の影響を示すグラフである。 全血で測定した結合能と白血球+非働化血漿で測定した結合能との相関を示すグラフである。 血清及び血漿のC3濃度を示すグラフである。 血清及び血漿のC4濃度を示すグラフである。 血清及び血漿の補体価を示すグラフである。

Claims (19)

  1. 個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、グルカンに対する感受性を予測する、グルカン感受性予測方法。
  2. 測定した補体濃度及び補体価のうち少なくとも1つが、その基準値以上であることにより、グルカンに対する感受性があると予測する、請求項1記載のグルカン感受性予測方法。
  3. 測定した補体濃度及び補体価のうち少なくとも1つが、その基準値未満であることにより、グルカンに対する感受性が弱いと予測する、請求項1記載のグルカン感受性予測方法。
  4. 測定される補体がC3及び/又はC4であり、基準値が、C3について50 mg/mlであり、C4について11 mg/dlである、請求項1〜3のいずれか1項記載のグルカン感受性予測方法。
  5. 測定される補体価についての基準値が25 CH50/mlである、請求項1〜4のいずれか1項記載のグルカン感受性予測方法。
  6. グルカンがβグルカンである、請求項1〜5のいずれか1項記載のグルカン感受性予測方法。
  7. 個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、測定した補体濃度及び補体価とその基準値とを比較することにより、CD14陽性単球のグルカン結合能を予測する、CD14陽性単球のグルカン結合能予測方法。
  8. 測定した補体濃度及び補体価のうち少なくとも1つが、その基準値未満であることにより、CD14陽性単球のグルカン結合能が低いと予測する、請求項7記載のCD14陽性単球のグルカン結合能予測方法。
  9. 測定される補体がC3及び/又はC4であり、基準値が、C3について50 mg/mlであり、C4について11 mg/dlである、請求項7又は8記載のCD14陽性単球のグルカン結合能予測方法。
  10. 測定される補体価についての基準値が25 CH50/mlである、請求項7〜9のいずれか1項記載のCD14陽性単球のグルカン結合能予測方法。
  11. グルカンがβグルカンである、請求項7〜10のいずれか1項記載のCD14陽性単球のグルカン結合能予測方法。
  12. 補体活性化経路を誘導する物質を含むグルカン感受性増強剤。
  13. 補体活性化経路を誘導する物質を含むCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤。
  14. 補体産生増強物質を含むグルカン感受性増強剤。
  15. 補体産生増強物質を含むCD14陽性単球のグルカン結合能増強剤。
  16. 候補物質の投与前後に個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質の投与前後で補体濃度及び/又は補体価を比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法。
  17. 候補物質の投与前後に個体から採取した血液の血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質の投与前後で補体濃度及び/又は補体価を比較することを含むCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質のスクリーニング方法。
  18. 候補物質を血液に添加し試験管内で培養後分離した血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質非添加の血清または血漿の補体濃度及び/又は補体価と比較することを含むグルカン感受性増強物質のスクリーニング方法。
  19. 候補物質を血液に添加し試験管内で培養後分離した血清又は血漿の少なくとも1つの補体濃度及び/又は補体価を測定し、候補物質非添加の血清または血漿の補体濃度及び/又は補体価と比較することを含むCD14陽性単球のグルカン結合能増強物質のスクリーニング方法。
JP2005346447A 2005-11-30 2005-11-30 グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法 Expired - Fee Related JP4666284B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005346447A JP4666284B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005346447A JP4666284B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007155334A true JP2007155334A (ja) 2007-06-21
JP4666284B2 JP4666284B2 (ja) 2011-04-06

Family

ID=38239926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005346447A Expired - Fee Related JP4666284B2 (ja) 2005-11-30 2005-11-30 グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4666284B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015515983A (ja) * 2012-04-30 2015-06-04 バイオセラ インコーポレイテッド β−グルカン免疫療法のための組成物及び方法
JP2017501399A (ja) * 2013-12-05 2017-01-12 バイオセラ インコーポレイテッド β−グルカンアッセイ方法
US11815435B2 (en) 2017-02-24 2023-11-14 Hibercell, Inc. Beta glucan immunopharmacodynamics

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01155271A (ja) * 1987-12-11 1989-06-19 Ishizu Seiyaku Kk 補体活性測定用試薬
JPH03249561A (ja) * 1990-02-28 1991-11-07 Toshiba Corp 免疫分析試薬
JPH05302919A (ja) * 1991-10-31 1993-11-16 Ajinomoto Co Inc 宿主介在性制癌剤の抗腫瘍効果検査薬
JPH09271394A (ja) * 1996-04-01 1997-10-21 S R L:Kk 補体不活性化方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01155271A (ja) * 1987-12-11 1989-06-19 Ishizu Seiyaku Kk 補体活性測定用試薬
JPH03249561A (ja) * 1990-02-28 1991-11-07 Toshiba Corp 免疫分析試薬
JPH05302919A (ja) * 1991-10-31 1993-11-16 Ajinomoto Co Inc 宿主介在性制癌剤の抗腫瘍効果検査薬
JPH09271394A (ja) * 1996-04-01 1997-10-21 S R L:Kk 補体不活性化方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015515983A (ja) * 2012-04-30 2015-06-04 バイオセラ インコーポレイテッド β−グルカン免疫療法のための組成物及び方法
JP2018150304A (ja) * 2012-04-30 2018-09-27 バイオセラ インコーポレイテッド β−グルカン免疫治療方法
US10092646B2 (en) 2012-04-30 2018-10-09 Biothera, Inc. Compositions and methods for beta-glucan immunotherapy
JP2017501399A (ja) * 2013-12-05 2017-01-12 バイオセラ インコーポレイテッド β−グルカンアッセイ方法
US11815435B2 (en) 2017-02-24 2023-11-14 Hibercell, Inc. Beta glucan immunopharmacodynamics

Also Published As

Publication number Publication date
JP4666284B2 (ja) 2011-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Yago et al. Selectins and chemokines use shared and distinct signals to activate β2 integrins in neutrophils
Ansar et al. C-reactive protein and the biology of disease
Schwartz et al. Natural IgM mediates complement-dependent uptake of Francisella tularensis by human neutrophils via complement receptors 1 and 3 in nonimmune serum
Yeh et al. P-selectin–dependent platelet aggregation and apoptosis may explain the decrease in platelet count during Helicobacter pylori infection
Hiki et al. Endotoxin binding and elimination by monocytes: secretion of soluble CD14 represents an inducible mechanism counteracting reduced expression of membrane CD14 in patients with sepsis and in a patient with paroxysmal nocturnal hemoglobinuria
Svensson et al. Forssman expression on human erythrocytes: biochemical and genetic evidence of a new histo-blood group system
Koutsounas et al. Markers of bacterial translocation in end-stage liver disease
CA2928822C (en) Method of detecting platelet activating antibodies that cause heparin-induced thrombocytopenia/thrombosis
Ellerbroek et al. O-acetylation of cryptococcal capsular glucuronoxylomannan is essential for interference with neutrophil migration
Mazzucato et al. Characterization of the initial α-thrombin interaction with glycoprotein Ibα in relation to platelet activation
Kanevets et al. A role of IgM antibodies in monosodium urate crystal formation and associated adjuvanticity
Wouters et al. Evaluation of classical complement pathway activation in rheumatoid arthritis: measurement of C1q–C4 complexes as novel activation products
Wallquist et al. Associations of fibroblast growth factor 23 with markers of inflammation and leukocyte transmigration in chronic kidney disease
Strobel et al. Anticoagulants impact on innate immune responses and bacterial survival in whole blood models of Neisseria meningitidis infection
Celińska-Löwenhoff et al. Altered fibrin clot structure/function in patients with antiphospholipid syndrome: association with thrombotic manifestation
Schultz et al. A novel role for the bactericidal/permeability increasing protein in interactions of gram-negative bacterial outer membrane blebs with dendritic cells
Arntz et al. Rheumatoid arthritis patients with circulating extracellular vesicles positive for IgM rheumatoid factor have higher disease activity
EP1539995B1 (en) Lectin pathway deficiency assay
Ando et al. Plasma leukocyte cell‐derived chemotaxin 2 is associated with the severity of systemic inflammation in patients with sepsis
Krauel et al. Fibronectin modulates formation of PF4/heparin complexes and is a potential factor for reducing risk of developing HIT
Ho et al. lgtC expression modulates resistance to C4b deposition on an invasive nontypeable Haemophilus influenzae
Kwon et al. Disparities in TLR5 expression and responsiveness to flagellin in equine neutrophils and mononuclear phagocytes
Mahroum et al. The mosaic of autoimmunity–Finally discussing in person. The 13th international congress on autoimmunity 2022 (AUTO13) Athens
JP4666284B2 (ja) グルカン感受性予測方法、グルカン感受性増強剤及びそのスクリーニング方法
Cordero et al. Anti-CD26 autoantibodies are involved in rheumatoid arthritis and show potential clinical interest

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100913

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101112

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101220

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110102

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140121

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees