JP2007151060A - 衛星放送受信用周波数変換器 - Google Patents

衛星放送受信用周波数変換器 Download PDF

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Abstract

【課題】スイッチ回路を介して接続された周波数変換ブロック同士の干渉を防止し、スプリアス特性及び歪特性の改善を図ること。
【解決手段】衛星から受信した放送チャンネル信号を混合器113、133において群変換して第1のスイッチ回路118へ入力し、第1及び第2の出力端子118a、118bから周波数変換ブロック0、周波数変換ブロック1へ入力する。第1及び第2の出力端子118a、118bと周波数変換ブロック0及び周波数変換ブロック1との間に第1及び第2の減衰器11,12を設ける。またIF増幅器127のゲインをアップする一方、IF増幅器127でアップしたゲインを第1〜第4の減衰器11〜14で下げることにより、トータルゲインを維持するものとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、1本の出力ケーブルに複数の信号を載せて出力可能な衛星放送受信用周波数変換器に関する。
従来、1つの衛星放送受信用周波数変換器(LNB:ローノイズブロックコンバータ)に対して4つのBSレシーバ(例えば、2チューナ内蔵BSレシーバを2台)を接続したいといった要望があり、出力端子を4つ備えた4出力LNBが存在した。ところが、4出力LNBはBSレシーバとの間に4本のケーブルが必要となり経済的負担が大きかった。そこで、1本のケーブルに4つの信号を載せて出力するLNBが提案された(例えば、特許文献1参照)。
図7は、1本のケーブルに4つの信号を載せて出力するLNBの構成例を示す図である。衛星から送信された複数の第1の放送信号(例えば水平偏波信号H)及び複数の第2の放送信号(例えば垂直偏波信号V)が受信されてLNBへ入力される。LNBの一方の低雑音増幅器211に水平偏波信号Hが入力され、他方の低雑音増幅器311に垂直偏波信号Vが入力される。一方の低雑音増幅器211から出力される水平偏波信号Hは分配器212でローバンド用及びハイバンド用に分岐され、他方の低雑音増幅器311から出力される垂直偏波信号Vも分配器312でローバンド用及びハイバンド用に分岐される。分岐されたローバンド用の水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vはバンドパスフィルタ213、214でローバンド(例えば、10.7GHz〜11.7GHz)が取り出される。また、分岐されたハイバンド用の水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vはバンドパスフィルタ313、314でハイバンド(例えば、11.7GHz〜12.75GHz)が取り出される。ローバンド側(10.7GHz〜11.7GHz)の水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vは混合器215,216において、例えば0.95GHz〜1.95GHzに周波数変換され、ハイバンド側(11.7GHz〜12.75GHz)の水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vは混合器315,316において、例えば1.10GHz〜2.15GHzに周波数変換される。ローバンド側の混合器215,216に対して発振器217が設けられ、ハイバンド側の混合器315,316に対して発振器317が設けられている。0.95GHz〜1.95GHzの周波数域に周波数変換された水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vは増幅器218,219で増幅された後、分配器221,222で再び分岐される。1.10GHz〜2.15GHzの周波数域に周波数変換された水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vも増幅器318,319で増幅された後、分配器321,322で再び分岐される。そして、2つのスイッチ回路223、323に対して4つの分配器221,222,321,322から出力される4つの信号がそれぞれ入力する。すなわち、各スイッチ回路223、323に水平偏波信号Hのローバンド及びハイバンド信号、垂直偏波信号Vのローバンド及びハイバンド信号が入力される。一方のスイッチ回路223は2つの信号を選択して周波数変換ブロック(以下、「FCB」という)224,225へ並列に出力し、他方のスイッチ回路323も2つの信号を選択してFCB324,325へ並列に出力する。各FCB224,225,324,325は、水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vを0.95GHz〜1.95GHz又は1.10GHz〜2.15GHzの周波数帯域から各々特定の固定周波数(例えば、FCB224が1.4GHz、FCB225が1.516GHz、SCR324が1.632GHz、SCR325が1.748GHz)に周波数変換する。各FCB224,225,324,325で固定周波数に変換された信号は対応するバンドパスフィルタ227,228,327,328で不要周波数成分をカットされた後、混合器229で混合し、増幅器230を経由して出力ポートに接続されたケーブルへ出力される。
しかし、図7に示すLNBは、RF信号から0.95GHz〜1.95GHzと1.10GHz〜2.15GHzの2つのIF信号に変換しているため、分配器212,312からスイッチ回路223,323までの間に2つの発振器217,317、4つの混合器215,216,315,316等が必要となり、その結果、部品点数の増大を招き、コスト的にもスペース的にも不利な状況となっていた。
そこで、RF信号(10.7GHz〜11.7GHzと11.7GHz〜12.75GHz)から直接1つのIF信号(例えば、0.5GHz〜2.55GHz)へ変換することにより、部品点数の削減を図ることが考えられる。
図5はRF信号から1つのIF信号へ直接変換するようにしたLNBの構成例を示す図である。LNBの一方の低雑音増幅器111に水平偏波信号Hが入力され、他方の低雑音増幅器131に垂直偏波信号Vが入力される。一方の低雑音増幅器111から出力される水平偏波信号Hはバンドパスフィルタ112で取り出され、他方の低雑音増幅器131から出力される垂直偏波信号Vはバンドパスフィルタ132で取り出される。一方のバンドパスフィルタ112で取り出されたRF信号(10.7GHz〜12.75GHz)に対して第1の周波数変換ブロックとなる混合器113で周波数変換して第1のチャンネル信号群としてのIF信号(例えば、0.5GHz〜2.55GHz)に変換する。また、他方のバンドパスフィルタ132で取り出されたRF信号(10.7GHz〜12.75GHz)に対して第2の周波数変換ブロックとなる混合器133で周波数変換して同じ中間周波数帯の第2のチャンネル信号群としてのIF信号(0.5GHz〜2.55GHz)に変換する。混合器113,133に対して供給する発振周波数(例えば、10.2GHz)は1つの発振器114によるものである。発振器114から出力された発振信号を双方の混合器113,133に入力している。混合器113,133の出力するIF信号は増幅器116,136を介して分配器117,137へ入力され、そこで分岐されて第1及び第2のスイッチ回路118及び138へ入力される。各スイッチ回路118,138は、水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vの2つのIF信号が入力し、当該2つのIF信号を対応する4つのFCB119,120,139,140へ出力する。以後、4つのFCBの区別を明確にするための、便宜上次のように呼称する。第1のスイッチ回路118の第1の出力端子118aに接続されるFCB119をFCB0、第2の出力端子118bに接続されるFCB120をFCB1と呼ぶものとし、第2のスイッチ回路138の第3の出力端子138aに接続されるFCB139をFCB2、第4の出力端子138bに接続されるFCB140をFCB3と呼ぶものとする。第1のスイッチ回路118は2つの信号を選択してFCB0、FCB1へ並列に出力し、第2のスイッチ回路138も2つの信号を選択してFCB2,FCB3へ並列に出力する。各FCB0〜FCB3は、水平偏波信号H及び垂直偏波信号Vを0.5GHz〜2.55GHzの周波数帯域から各々特定の固定周波数(例えば、FCB0が1.4GHz、FCB1が1.516GHz、FCB2が1.632GHz、FCB3が1.748GHz)に周波数変換する。FCB0〜FCB3で固定周波数に変換された信号は、インピーダンス調整用のバラン121,122,141,142を介してバンドパスフィルタ123,124,143,144でそれぞれの固定周波数に対する不要周波数成分をカットし、2段の混合器125,145及び126で混合する。そして、IF増幅器127で設定されたゲインにて増幅した後、出力ポートからケーブルへ出力される。
このように、RF信号から1つのIF信号へ直接変換することにより発振器及び混合器の数を削減できる。以下、図5に示すLNBのように広帯域(10.7GHz〜11.7GHz/11.7GHz〜12.75GHz)のテレビジョン信号を狭帯域(0.5GHz〜2.55GHz)の信号に直接変換するLNBを便宜上ワイドバンドLNBと呼ぶものとする。
米国特許出願公開第2003/0141949号明細書
しかしながら、上記ワイドバンドLNBは、第1のスイッチ回路118の第1及び第2の出力端子118a、118bにFCB0、FCB1が接続されており、一方のFCB0の発振周波数と他方のFCB1の入力周波数とが一致してしまうことがあるため、この時にスプリアス信号が発生する問題があった。第2のスイッチ回路138の第1及び第2の出力端子138a,138bに接続されたFCB2,FCB3の間でも同じ理由でスプリアス信号が発生する問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、スイッチ回路を介して接続された周波数変換ブロック同士の干渉を防止でき、スプリアス特性の改善された衛星放送受信用周波数変換器を提供することを目的とする。
本発明の衛星放送受信用周波数変換器は、衛星から受信した第1の放送チャンネル信号を群変換して第1のチャンネル信号群を得る第1の周波数変換ブロックと、衛星から受信した第2の放送チャンネル信号を群変換して第2のチャンネル信号群を得る第2の周波数変換ブロックと、前記第1及び第2のチャンネル信号群から任意のチャンネル信号群を選択し、選択されたチャンネル信号群をそれぞれ出力する第1及び第2の出力端子を有するスイッチ回路と、前記スイッチ回路の第1の出力端子に対応して設けられ、前記第1の出力端子から入力するチャンネル群信号を固定周波数に変換する第3の周波数変換ブロックと、前記スイッチ回路の第2の出力端子に対応して設けられ、前記第2の出力端子から入力するチャンネル群信号を固定周波数に変換する第4の周波数変換ブロックと、前記スイッチ回路の第1の出力端子と前記第3の周波数変換ブロックとの間に設けられた第1の減衰器と、前記スイッチ回路の第2の出力端子と前記第4の周波数変換ブロックとの間に設けられた第2の減衰器と、を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2の減衰器により第3及び第4の周波数変換ブロックに入力するチャンネル信号群とスイッチ回路を介して他方の周波数変換ブロックから入力するリーク信号との入力レベルが大きく開くので、スプリアスの改善が図られる。
また本発明は、上記衛星放送受信用周波数変換器において、前記第1の周波数変換ブロックと前記スイッチ回路との間及び前記第2の周波数変換ブロックと前記スイッチ回路との間に、前記第1及び第2の減衰器による減衰量の全部又は一部を補償する増幅器をそれぞれ設けたことを特徴とする。
この構成により、第1及び第2の減衰器で減衰された分がスイッチ回路の前段で増幅されるので、チャンネル信号群とリーク信号との入力レベルがさらに大きなものとなり、さらなるスプリアスの改善が図られる。
また本発明は、上記衛星放送受信用周波数変換器において、前記第3及び第4の周波数変換ブロックの出力信号を混合する混合器の後段に増幅器を設け、当該増幅器による増幅量の一部に相当する減衰量を、前記第1及び第2の減衰器による減衰量に加えてトータルゲインを維持したことを特徴とする。
この構成により、第3及び第4の周波数変換ブロックの後段で信号増幅することにより、歪特性の改善が可能となる。
また本発明は、上記衛星放送受信用周波数変換器において、前記スイッチ回路と前記第3の周波数変換ブロックとの間において、前記第1の減衰器に対して直列に接続された第1の広帯域増幅器と、前記スイッチ回路と前記第4の周波数変換ブロックとの間において、前記第2の減衰器に対して直列に接続された第2の広帯域増幅器と、を具備したことを特徴とする。
この構成により、第1及び第2の広帯域増幅器により、スイッチ回路から第3の周波数変換ブロックへ入力するチャンネル信号群を増幅できると共に、第3の周波数変換ブロックから第4の周波数変換ブロックへリークするリーク信号は減衰することができ、第3及び第4の周波数変換ブロックの入力段でのチャンネル信号群とリーク信号との入力レベル差を大きくすることができる。
本発明によれば、ワイドバンドLNBにおいてスイッチ回路を介して接続された周波数変換ブロック同士の干渉を防止し、スプリアス特性の改善を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るワイドバンドLNBの回路構成図である。なお、図5に示すワイドバンドLNBと同一機能の回路素子については同一符号を付している。本実施の形態のワイドバンドLNBは、第1のスイッチ回路118の第1の出力端子118aとFCB0との間に第1の減衰器11を設け、第2の出力端子118bとFCB1との間に第2の減衰器12を設けている。また、第2のスイッチ回路138の第3の出力端子138aとFCB2との間に第3の減衰器13を設け、第4の出力端子138bとFCB3との間に第4の減衰器14を設けている。
第1の減衰器11は、FCB0が有する発振器が発振動作した際にFCB0から第1のスイッチ回路118側の線路上にリークした局部発振信号を所定の減衰量だけ減衰させる一方、第1のスイッチ回路118の第1の出力端子118aからFCB0に入力するチャンネル信号群を同じ減衰量だけ減衰させる。第2の減衰器12は、第1の減衰器11と同様にFCB1が有する発振器が発振動作した際にFCB1から第1のスイッチ回路118側の線路上にリークした局部発振信号を所定の減衰量だけ減衰させる一方、第1のスイッチ回路118の第2の出力端子118bからFCB1に入力するチャンネル信号群を同じ減衰量だけ減衰させる。
また、第3の減衰器13は、FCB2が有する発振器が発振動作した際にFCB2から第2のスイッチ回路138側の線路上にリークした局部発振信号を所定の減衰量だけ減衰させる一方、第2のスイッチ回路138の第3の出力端子138aからFCB2に入力するチャンネル信号群を同じ減衰量だけ減衰させる。第4の減衰器14は、第3の減衰器13と同様にFCB3が有する発振器が発振動作した際にFCB3から第2のスイッチ回路138側の線路上にリークした局部発振信号を所定の減衰量だけ減衰させる一方、第2のスイッチ回路138の第4の出力端子138bからFCB3に入力するチャンネル信号群を同じ減衰量だけ減衰させる。
本実施の形態は、FCB0から第1のスイッチ回路118側の線路上にリークした局部発振信号の信号レベルを第1及び第2の減衰器11,12で減衰させて、FCB1に入力する放送チャンネル信号の信号レベルに対して、リーク局部発振信号の信号レベルを十分に小さくすることで、FCB1におけるスプリアスの発生を抑制している。逆に、FCB1から第1のスイッチ回路118側の線路上にリークした局部発振信号の信号レベルを第2及び第1の減衰器12,11で減衰させて、FCB0に入力する放送チャンネル信号の信号レベルに対して、リーク局部発振信号の信号レベルを十分に小さくすることで、FCB0におけるスプリアスの発生を抑制している。FCB2,FCB3から第2のスイッチ回路138側の線路上にリークした局部発振信号に関しても第3及び第4の減衰器13,14で減衰させて、放送チャンネル信号に対してリーク局部発振信号の信号レベルを十分に小さくすることで、FCB2,FCB3におけるスプリアスの発生を抑制している。
ここで、第1〜第4の減衰器11〜14は、第1及び第2の混合器113,133から出力された放送チャンネル信号の信号レベルまでも減衰してしまう。本実施の形態では、第1〜第4の減衰器11〜14における放送チャンネル信号の減衰量を補償すべく、第1及び第2のスイッチ回路118,138の前段に設けた第1及び第2の増幅器116,136において減衰分を事前に増幅している。
次に、第1〜第4の減衰器11〜14におけるゲイン(減衰率)と増幅器116及び136におけるゲイン(増幅率)について、第1〜第4の減衰器11〜14を備えた場合(図1)と減衰器が無い場合(図6)とを対比して具体的に説明する。
FCB1に入力する放送チャンネル信号とFCB0からのリーク局部発振信号の信号レベルを検証する。図6において、増幅器116及び136は、入力信号の信号レベルを10dB上げるものを用い、第1のスイッチ回路118は入出力端子間での減衰が最大6dBで、第1及び第2の出力端子118a、118b間の減衰が最大8dBの回路素子を用いているものとする。また、ワイドバンドLNBへ入力した放送チャンネル信号の入力レベルが−90dBmであった場合、第1のスイッチ回路118の入力段では入力レベルが−50dBmになるように上記各増幅器116,136のゲイン(10dB)を含め各回路素子の仕様が定められているものとする。また、FCB0及びFCB1は、第1のスイッチ回路118側の線路へのリークレベルが最大−60dBmの回路素子を用いているとする。
図6に示す減衰器の無いワイドバンドLNBにおいて、放送チャンネル信号は第1のスイッチ回路118で6dB減衰し、第2の出力端子118bからFCB1に入力する際には−56dBmとなっている。一方、FCB0から第1のスイッチ回路118側の線路へのリーク局部発振信号は第1のスイッチ回路118の第1及び第2の出力端子118a,118b間を通過する際に8dB減衰して−68dBmとなる。したがって、FCB1に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号とでは12dBのレベル差が生じている。一般に、FCB1でリーク局部発振信号による障害が生じないためには、最低でも20dBは必要であることが知られている。
一方、本実施の形態に係るワイドバンドLNBでは、第1〜第4の減衰器11〜14を10dBの減衰に設定し、増幅器116及び136は20dBの増幅となるように設定している。すなわち、図6に示す減衰器の無いワイドバンドLNBにおける第1及び第2の増幅器116及び136が10dBの増幅であったのに対して、本実施の形態では第1及び第2の減衰器11,12による減衰分(10dB)だけかさ上げして20dBとしている。
図1に示すように、本実施の形態に係るワイドバンドLNBへ入力した放送チャンネル信号の入力レベルが−90dBmであった場合、放送チャンネル信号は増幅器116又は136で図6に示すケースよりも10dBだけ高い20dBアップするので、第1のスイッチ回路118の入力段では−40dBmとなる。第1のスイッチ回路118で6dB減衰して第2の出力端子118bから出力される段階では−46dBmとなり、さらに第2の減衰器12を通過することで10dB減衰してFCB1の入力段では−56dBmとなる。一方、FCB0から第1のスイッチ回路118側の線路へのリーク局部発振信号は第1の減衰器11で10dB減衰して−70dBmとなり、第1のスイッチ回路118の第1及び第2の出力端子118a,118b間を通過する際に8dB減衰して−78dBmとなる。さらに、第2の減衰器12で10dB減衰するので、−88dBmがリーク局部発振信号としてのFCB1への入力レベルとなる。したがって、FCB1に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号とでは32dBのレベル差が生じている。障害が生じないために望ましいとされる20dB以上のレベル差が確保されていることから、FCB1におけるFCB0からのリーク局部発振信号に起因した障害を防止できる。
また、FCB0、FCB2、FCB3においても上記同様にFCB0、FCB2、FCB3に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号とでは32dBのレベル差が生じ、リーク局部発振信号がFCB1に入力してもスプリアスによる障害は発生しないこととなる。
また、本実施の形態は、第1及び第2のスイッチ回路118及び138の出力端子と各々対応するFCB0〜FCB3の入力段との間に第1〜第4の減衰器11〜14を設けたので、第1〜第4の減衰器11〜14のゲインと、第1及び第2のスイッチ回路118及び138の入力段側に設けた増幅器116、136のゲインと、FCB0〜FCB3の出力段側に設けたIF増幅器127のゲインとを調整することで、さらにスプリアスの改善を図ることができると共に当該ワイドバンドLNBのOIP3(出力側のインターセプトポイント)の改善を図ることができる。
図1に示すワイドバンドLNBでは、混合器126から出力される信号が15dB増幅されるようにIF増幅器127のゲインを定めていた。ワイドバンドLNB全体に対して以上のようなゲイン設定をした場合、当該ワイドバンドLNBのOIP3は6dBmとなる。現在、LNBのOIP3の推奨値は15dBm程度とされているため、本実施の形態に係るワイドバンドLNBのOIP3を改善する必要がある。
本実施の形態では、図2に示すようにIF増幅器127のゲインを15dB(図1)から25dBまでアップする一方、IF増幅器127でアップしたゲインを第1〜第4の減衰器11〜14での減衰量を10dBだけ下げることにより、FCB0〜FCB3の入力段で相殺するようにした。
図2に示すゲイン設定のワイドバンドLNBでは、FCB0から第1のスイッチ回路118側の線路にリークした局部発振信号(−60dBm)は、第1の減衰器11で20dB減衰し、第1のスイッチ回路118の第1の出力端子118a,第2の出力端子118b間を通過して8dB減衰し、第2の減衰器12で20dB減衰するので、FCB1への入力レベルは−108dBmとなる。一方、第1のスイッチ回路118に入力する放送チャンネル信号の入力レベルは−40dBmであり、第1のスイッチ回路118の入出力端子間を通過して6dB減衰し、第2の減衰器12で20dB減衰するので、FCB1への入力レベルは−66dBmとなる。したがって、FCB1へ入力する放送チャンネル信号(−66dBm)とリーク局部発振信号(−108dBm)との入力レベル差は42dBとなり、図1に示すゲイン設定に比べてスプリアス特性が改善される。
また、FCB0〜FCB3で周波数変換され、バラン121,122,141,142及びバンドパスフィルタ123,124,143,144を通過して混合器125,145,126で混合された信号がIF増幅器127で25dB増幅される。このように、IF増幅器127で図1のゲイン設定に比べて10dB(25dB−15dB)ゲインを大きくしたので、OIP3は16dBmとなり推奨値(15dBm)を十分に上回ることができ、OIP3が改善されて良好な歪特性を得ることができる。
このように、FCB0〜FCB3の出力段に設けたIF増幅器127のゲインを上げればOIP3は改善されるが、本実施の形態のように第1〜第4の減衰器11〜14を第1及び第2のスイッチ回路118,138の出力段であってFCB0〜FCB3の入力段よりも前に設置することによりIF増幅器127のゲイン増を減衰器の減衰増で相殺でき、しかもスプリアス特性も改善できる。
なお、上記したゲイン設定値はあくまでも一例であり、スプリアス特性を改善でき、及び又はOIP3を改善し得る範囲で任意の数値に設定可能である。
以上の説明では、FCB0〜FCB3に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号との入力レベル差を確保するために、第1〜第4の減衰器11〜14とIF増幅器116、136、127とを組み合わせていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、第1及び第2のスイッチ回路118,138の出力段とFCB0〜FCB3の入力段とのそれぞれの間に、第1〜第4の減衰器11〜14と広帯域増幅器との直列回路を挿入するように構成しても同様の効果を奏することができる。
図3は、第1及び第2のスイッチ回路118,138の出力段とFCB0〜FCB3の入力段とのそれぞれの間であって、第1〜第4の減衰器11〜14の前段に第1〜第4の広帯域増幅器21〜24を設けた変形例を示している。
図3に示す変形例では、第1〜第4の広帯域増幅器21〜24の入力信号の信号レベルを10dB上げる設定とし、出力端と入力端とのアイソレーションが−20dBであるものとする。すなわち、第1〜第4の広帯域増幅器21〜24の出力端側から入力して入力端側から出力する場合、−20dBの減衰を受けることになる。また、混合器113,133と第1及び第2のスイッチ回路118,138の入力段との間に設けられたIF増幅器116,136の利得は、図6に示す従来例と同じ10dBとする。
以上のような変形例において、放送チャンネル信号の入力レベルが−90dBmであった場合、放送チャンネル信号は増幅器116又は136で図6に示すケースと同様の利得で増幅され、第1のスイッチ回路118の入力段では−50dBmとなる。第1のスイッチ回路118で6dB減衰して第2の出力端子118bから出力される段階では−56dBmとなる。さらに第2の広帯域増幅器22で増幅されて−46dBmとなった後、第2の減衰器12を通過することで10dB減衰してFCB1の入力段では−56dBmとなる。
一方、FCB0から第1のスイッチ回路118側の線路へのリーク局部発振信号は第1の減衰器11で10dB減衰して−70dBmとなり、さらに本変形例で設けた第1の広帯域増幅器21で20dB減衰して−90dBmとなる。その後、第1のスイッチ回路118の第1及び第2の出力端子118a,118b間を通過する際に8dB減衰して−98dBmとなる。このように、本変形例よりも減衰量を2倍も大きく設定した図2に示すケースに比べて、第1のスイッチ回路118の第2の出力端子118bに現れるリーク局部発振信号を小さくすることができている。リーク局部発振信号は第2の広帯域増幅器22で増幅されるが、それでも−88dBmと小さい値を維持できており、さらに第2の減衰器12で10dB減衰するので、リーク局部発振信号は−98dBmとなり極めて小さな信号レベルとなってFCB1へ入力する。
したがって、本変形例では、FCB1に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号とのレベル差として42dBを確保することができている。障害が生じないために望ましいとされる20dB以上のレベル差が確保されていることから、FCB1におけるFCB0からのリーク局部発振信号に起因した障害を防止できる。なお、他のFCB0、FCB2、FCB3に入力する放送チャンネル信号とリーク局部発振信号も上記同様のレベル差が確保されることとなる。
図3に示す変形例では第1〜第4の減衰器11〜14の前段に第1〜第4の広帯域増幅器21〜24を設けたが、図4に示すように第1〜第4の減衰器11〜14の後段に第1〜第4の広帯域増幅器21〜24を設けても、上記同様にFCB0〜FCB3の入力段では放送チャンネル信号とリーク局部発振信号とをレベル差として42dBを確保することができる。
以上の説明では、4つのFCB0〜FCB3を備えたワイドバンドLNBを例にしたがって、例えばFCB0及びFCB1の2つのFCBを備える構成(第1のスイッチ回路118側の系統だけを備える)のLNBにも同様に適用できる。又は、4つのFCB0〜FCB3を備えたワイドバンドLNBを備えるが、第1のスイッチ回路118側又は第2のスイッチ回路138側だけに減衰器を備える構成としても良い。
本発明は、水平偏波信号及び垂直偏波信号を受信して周波数変換し、1本の出力ケーブルに複数の信号を載せて出力可能な衛星放送受信用周波数変換器に適用可能である。
本発明の一実施の形態に係るワイドバンドLNBの回路構成図 上記一実施の形態においてゲイン設定を一部変更したワイドバンドLNBの回路構成図 上記一実施の形態のワイドバンドLNBの一部を変形した変形例の回路構成図 上記一実施の形態のワイドバンドLNBの一部を変形した他の変形例の回路構成図 ワイドバンドLNBの回路構成図 図5に示すワイドバンドLNBのゲイン設定状態を併記した回路構成図 従来の1ケーブルLNBの回路構成図
符号の説明
11〜14 第1〜第4の減衰器
21〜24 第1〜第4の広帯域増幅器
111、131 低雑音増幅器
112、132 バンドパスフィルタ
113、133 混合器
114 発振器
116、136 IF増幅器
118 第1のスイッチ回路
119 周波数変換ブロック(FCB)0
120 周波数変換ブロック(FCB)1
121,122,141、142 バラン
123,124,143,144 バンドパスフィルタ
125,126,145 混合器
127 IF増幅器

Claims (4)

  1. 衛星から受信した第1の放送チャンネル信号を群変換して第1のチャンネル信号群を得る第1の周波数変換ブロックと、
    衛星から受信した第2の放送チャンネル信号を群変換して第2のチャンネル信号群を得る第2の周波数変換ブロックと、
    前記第1及び第2のチャンネル信号群から任意のチャンネル信号群を選択し、選択されたチャンネル信号群をそれぞれ出力する第1及び第2の出力端子を有するスイッチ回路と、
    前記スイッチ回路の第1の出力端子に対応して設けられ、前記第1の出力端子から入力するチャンネル群信号を固定周波数に変換する第3の周波数変換ブロックと、
    前記スイッチ回路の第2の出力端子に対応して設けられ、前記第2の出力端子から入力するチャンネル群信号を固定周波数に変換する第4の周波数変換ブロックと、
    前記スイッチ回路の第1の出力端子と前記第3の周波数変換ブロックとの間に設けられた第1の減衰器と、
    前記スイッチ回路の第2の出力端子と前記第4の周波数変換ブロックとの間に設けられた第2の減衰器と、
    を備えたことを特徴とする衛星放送受信用周波数変換器。
  2. 前記第1の周波数変換ブロックと前記スイッチ回路との間及び前記第2の周波数変換ブロックと前記スイッチ回路との間に、前記第1及び第2の減衰器による減衰量の全部又は一部を補償する増幅器をそれぞれ設けたことを特徴とする請求項1記載の衛星放送受信用周波数変換器。
  3. 前記第3及び第4の周波数変換ブロックの出力信号を混合する混合器の後段に増幅器を設け、当該増幅器による増幅量の一部に相当する減衰量を、前記第1及び第2の減衰器による減衰量に加えてトータルゲインを維持したことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の衛星放送受信用周波数変換器。
  4. 前記スイッチ回路と前記第3の周波数変換ブロックとの間において、前記第1の減衰器に対して直列に接続された第1の広帯域増幅器と、
    前記スイッチ回路と前記第4の周波数変換ブロックとの間において、前記第2の減衰器に対して直列に接続された第2の広帯域増幅器と、
    を具備したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の衛星放送受信用周波数変換器。


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