JP2007146950A - フロントフォーク - Google Patents

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Abstract

【課題】 フロントフォークにおいて、簡素な構成により、概ね比例特性の伸側減衰力を得るとともに、伸側減衰力を調整可能にすること。
【解決手段】 フロントフォーク10において、シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉するリーフバルブ51をシートパイプ22の内周に沿ってその周方向に延在し、リーフバルブ51はオリフィス34Aを閉じる弾発的復元習性を備えるとともに、作動油室31の油圧により弾性たわみ変形してオリフィス34Aを開き、アウタチューブ11のキャップ21に設けたアジャスト装置52により、リーフバルブ51のたわみ変形の起点を外部から変更可能にするもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は自動二輪車等のフロントフォークに関する。
倒立型のフロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側アウタチューブに車輪側インナチューブを摺動自在に挿入し、アウタチューブのキャップに固定したシートパイプをインナチューブに設けたパイプガイドに摺動自在に挿入し、シートパイプの挿入端に固定した環状ばね受とインナチューブとの間に懸架スプリングを介装したものがある。このフロントフォークでは、インナチューブとシートパイプの間の環状領域であってパイプガイドの車輪側に位置する領域を作動油室とし、インナチューブの内周領域であって上記作動油室を構成しない領域と、シートパイプの内周領域とを一連の油溜室とし、アウタチューブの内周領域と、シートパイプの内周領域とを、油溜室の上部で一連をなす気体室とし、作動油室の油を油溜室に排出するオリフィスを形成して減衰力を発生させる減衰力発生手段を設け、環状ばね受に、油溜室から作動油室への油の流入を許容する逆止弁を設けている。
特開昭59-149885
特許文献1のフロントフォークでは、伸長行程で、作動油室の油をシートパイプに設けてあるオリフィスから油溜室に排出し、オリフィスが油に及ぼす通路抵抗により伸側減衰力を得る。
ところが、特許文献1のフロントフォークにおいて得ることができる伸側減衰力は、シートパイプに設けてあるオリフィス(孔)の通路抵抗に基づくものであって2乗特性の減衰力である。即ち、低速域の減衰力を大きくしようとしてオリフィスの孔径を小さくすると、これに伴なって高速域の減衰力が過大になる。従来技術において、比例特性の減衰力を得るためには、ディスク状減衰バルブを備えたダンパシリンダユニットを組込む必要があり、複雑大重量、コスト高になる。
尚、実開昭64-6445に記載の油圧緩衝器では中空シリンダに設けたポート(オリフィスでない)を開閉するリーフバルブを中空シリンダの内周に沿って配置し、更にリーフバルブの内周にリーフバルブのたわみ規制をするバルブストッパを設けている。リーフバルブは圧力の増加に伴ない、たわみが大きくなり開口面積が増大し、減衰特性が2/3乗特性となるためたわみを規制する部材が必要となる。リーフパルブのたわみ過ぎは流路の開口面積を大きくするだけでなく、破損の原因にもなる。
また、フロントフォークにあっては、伸側減衰力を調整可能にすることも望まれる。
本発明の課題は、フロントフォークにおいて、簡素な構成により、概ね比例特性の伸側減衰力を得るとともに、伸側減衰力を調整可能にすることにある。
請求項1の発明は、車体側アウタチューブに車輪側インナチューブを摺動自在に挿入し、アウタチューブのキャップに固定したシートパイプをインナチューブに設けたパイプガイドに摺動自在に挿入し、シートパイプの挿入端に固定したピストンをインナチューブの内周に摺接し、インナチューブとシートパイプの間の環状領域であってパイプガイドとピストンに挟まれる領域を作動油室とし、インナチューブの内周領域であって上記作動油室を構成しない領域と、シートパイプの内周領域とを一連の油溜室とし、アウタチューブの内周領域と、シートパイプの内周領域とを、油溜室の上部で一連をなす気体室とし、作動油室の油を油溜室に排出するオリフィスをシートパイプに形成して減衰力を発生させる減衰力発生手段を設け、ピストンに、油溜室から作動油室への油の流入を許容する逆止弁を設けてなるフロントフォークにおいて、シートパイプのオリフィスを開閉するリーフバルブをシートパイプの内周に沿ってその周方向に延在し、リーフバルブはオリフィスを閉じる弾発的復元習性を備えるとともに、作動油室の油圧により弾性たわみ変形してオリフィスを開き、アウタチューブのキャップに設けたアジャスト装置により、リーフバルブのたわみ変形の起点を外部から変更可能にするようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記アジャスト装置が、アウタチューブのキャップにアジャストノブを回転自在に設け、アジャストノブに固定したアジャストパイプをシートパイプの内部に延在し、アジャストパイプの先端に設けたリーフ押さえ部をリーフバルブの内面に沿ってその延在方向に摺動可能にするようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において更に、前記アジャストパイプの先端の切欠部をリーフ押さえ部とするようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、前記シートパイプの内周に筒状のバルブボディを嵌着し、バルブボディに入れた切れ目によりリーフバルブを形成するようにしたものである。
(請求項1)
(a)シートパイプのオリフィスを開閉するリーフバルブをシートパイプの内周に沿って設けることにより、作動油室から油溜室に排出する油にオリフィスが及ぼす通路抵抗だけでは不足する伸側減衰力を、リースバルブのたわみ反力に起因する減衰力で補う。高速域では、リーフバルブだけでは不足する伸側減衰力をオリフィスの存在によって補う。オリフィスの径、個数、リーフバルブの板厚形状、個数等の組合せにより、所望の減衰特性を得ることができる。
(b)作動油室から油溜室に排出する油の流路がオリフィスにより絞られるから、リーフバルブのたわみ過ぎがなくなり、リーフバルブのたわみ規制部材が不要になる。
(c)アジャスト装置により、リーフバルブのたわみ変形の起点を外部から変更することができ、結果としてリーフバルブのたわみ特性を変更し、ひいてはリーフバルブのたわみ反力に起因する減衰力を調整できる。
(請求項2)
(d)アジャスト装置が、アジャストノブの回転操作により、アジャストノブに固定してあるアジャストパイプの先端のリーフ押さえ部を、リーフバルブの内面に沿ってその延在方向に摺動でき、ひいてはリーフ押さえ部が定めるリーフバルブのたわみ変形の起点を外部から簡易に変更できる。
(請求項3)
(e)アジャストパイプの先端を切欠くことにより、上述(d)のリーフ押さえ部を簡易に形成できる。
(請求項4)
(f)シートパイプの内周に筒状のバルブボディを嵌着し、バルブボディに入れた切れ目によりリーフバルブを形成する。これにより、リーフバルブの構成、シートパイプへの取付け等が簡易になる。
図1はフロントフォークを示す断面図、図2は図1の要部拡大断面図、図3はシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図、図4(A)、(B)は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3のV−V線に沿う矢視図、図6(A)はシートパイプを示す断面図、(B)はアジャストパイプを示す断面図、図7(A)〜(D)はリーフバルブを示す斜視図、図8はピストンを示し、(A)は(B)のA−A線に沿う断面図、(B)は平面図、図9は逆止弁を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図、図10は変形例1のシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図、図11は変形例2のシートパイプに設けたシートパイプと逆止弁を示す断面図、図12は変形例3のシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図である。
自動二輪車等の倒立型フロントフォーク10は、図1、図2に示す如く、車体側アウタチューブ11に、車輪側インナチューブ12を摺動自在に挿入して倒立にし、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装している。
アウタチューブ11の下端(車輪側をいう)内周と、インナチューブ12の上端(車体側をいう)外周の2位置には、アウタチューブ11とインナチューブ12の摺動をガイドするブッシュ14、15が嵌着されている。アウタチューブ11の下端内周部には、オイルシール16、ダストシール17が嵌着されている。
アウタチューブ11は不図示のアッパ又はロアのブラケットを介して車体側に支持され、インナチューブ12は該インナチューブ12の下端外周に螺着されて固定される車軸ブラケット18を介して車軸に結合される。
アウタチューブ11の上端部にはキャップ21が螺着され、キャップ21に螺着して固定したシートパイプ22をインナチューブ12に設けたパイプガイド23のガイドリング24に摺動自在に液密に挿入する。このとき、インナチューブ12は上端側から一定長さ範囲に渡るカラー19を螺着されて挿着され、カラー19の下端内周にパイプガイド23を螺着される。
インナチューブ12に設けたパイプガイド23に挿入されたシートパイプ22の挿入端にはピストン25が固定され、ピストン25のピストンリング26をインナチューブ12の内周に摺接する。これにより、シートパイプ22はインナチューブ12に対しセンタリングされる。ピストン25は、図8に示す如くに構成され、上小径部をシートパイプ22の内周に後述するバルブボディ50を介して嵌着されるとともに、シートパイプ22の周方向の単一又は複数位置で、それらの半径方向に挿着されるピン27によりその嵌着状態を固定化される。25Aはピン27のために上小径部に設けたピン孔、25Bはピストンリング26のために大径部に設けた環状溝である。
アウタチューブ11のキャップ21に固定したシートパイプ22に上述の如くに設けたピストン25の大径部下面と、インナチューブ12に固定した車軸ブラケット18の底面に設けたスプリングシート28との間に、前述の懸架スプリング13を介装する。ピストン25はピストンリング26が設けられる大径部から下方に延びる下小径部を備え、この下小径部まわりの大径部下面に懸架スプリング13を着座させる。
フロントフォーク10は、アウタチューブ11とインナチューブ12の内部に作動油を装填する。インナチューブ12とシートパイプ22の間の環状領域であって、パイプガイド23とピストン25に挟まれる領域を作動油室31とする。インナチューブ12の少なくとも下端側の内周領域であって上記作動油室31を構成しない領域と、シートパイプ22の下端側の内周領域とを一連の油溜室32とする。アウタチューブ11の上端側の内周領域と、シートパイプ22の上端側の内周領域を、油溜室32の上部で、シートパイプ22に設けた通孔22Aを介して一連をなす気体室33とする。
尚、アウタチューブ11とインナチューブ12の間の環状隙間であって、上下のブッシュ14、15に挟まれる領域は、インナチューブ12(カラー19)に設けた通孔12Aを介して、油溜室32、気体室33に連通され、体積補償される。
フロントフォーク10は、作動油室31と油溜室32を連通する減衰力発生手段34をシートパイプ22に設ける。減衰力発生手段34は、図2〜図4に示す如く、シートパイプ22に穿設される1個以上(本実施例では1個)の孔状オリフィス34Aからなり、フロントフォーク10の伸長行程時に、作動油室31の油を油溜室32に排出する通路を形成し、その通路抵抗に起因する伸側減衰力を発生する。
フロントフォーク10は、図2、図3、図5に示す如く、ピストン25に、油溜室32から作動油室31への油の流入を許容し、その逆流を阻止する逆止弁35を設ける。逆止弁35は、作動油室31内で、シートパイプ22側に固定したバルブ押え手段36により押圧され、ピストン25の大径部の上端面に密着するように載せられる。バルブ押え手段36は、シートパイプ22の下端面と、シートパイプ22が嵌着されたピストン25の上小径部の段差面との間に挟持されるバルブストッパ37と、バルブストッパ37にバックアップされて逆止弁35を押圧するバルブスプリング38にて構成される。
ピストン25は、図8に示す如く、大径部の上端面〜下端面に貫通し、作動油室31と油溜室32を連通可能にする複数の油路41を、大径部の端面内の周方向複数位置(本実施例では4位置)に備える。逆止弁35は、図9に示す如く、概ね円盤状をなし、外周の周方向複数位置(本実施例では4位置)に円弧状に切欠かれた切欠状油路42を備える。バルブ押え手段36のバルブストッパ37は、シートパイプ22側に固定された状態で、インナチューブ12との間に環状通路43を設ける。
シートパイプ22にピストン25を固定し、ピストン25の大径部の上端面の所定位置に逆止弁35を組付けた状態で、逆止弁35の切欠状油路42とピストン25の油路41はシートパイプ22の軸方向視でそれらの一部も重なり合わないように不合致にされる。本実施例では、ピストン25の大径部の軸方向に圧入した回り止めピン39に、逆止弁35の位置合わせ孔35Aを摺動自在に係入し、両者の油路41、42の位置を互いに上述の不合致状態に組付け維持する。
フロントフォーク10は、逆止弁35がピストン25の端面に載っている状態では、逆止弁35の切欠状油路42が、ピストン25の油路41と不合致であり、ピストン25により閉じられる。フロントフォーク10の圧縮行程で、油溜室32の油がピストン25の油路41を介して逆止弁35をピストン25の端面から押し開くと、油溜室32の油は、ピストン25の油路41を経た後、逆止弁35のインナチューブ12側外周油路42から、バルブ押え手段36のインナチューブ12側環状通路43を通って作動油室31へ流入する。これにより、油路41、42の通路抵抗に起因する圧側減衰力を発生する。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、図2〜図4に示す如く、シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉するリーフバルブ51をシートパイプ22の内周に隙間なく沿ってその周方向に延在するように設ける。即ち、図4、図6に示す如く、シートパイプ22の下端部の一定範囲に渡る内周に筒状のバルブボディ50を嵌挿し、バルブボディ50の下端側内周にピストン25の上小径部を嵌着した状態で、それらの半径方向に挿着される前述のピン27によりその嵌着状態を固定化する。本実施例において、シートパイプ22は下端部の一定範囲に渡る内周を一定深さ(バルブボディ20の厚み)切削した環状段差部とし、この環状段差部にバルブボディ50を嵌挿し、シートパイプ22の環状段差部以外の内周とバルブボディ50の内周を面一にしてある。
バルブボディ50は図7(A)に示す如く、上端側の周方向に沿う一定範囲にU字状切れ目50Aを入れ、この切れ目50Aにより囲まれる舌片状リーフバルブ51を形成する。リーフバルブ51は、シートパイプ22の内周に沿って該シートパイプ22のオリフィス34A及びその周辺に相対するように添設され、オリフィス34Aを閉じる弾発的復元習性を備えるとともに、図4の2点鎖線が示す如くに、伸長行程で加圧される作動油室31の油圧をオリフィス34Aから受けることにより弾性たわみ変形してオリフィス34Aを開き、リーフバルブ51のたわみ反力に起因する伸側減衰力を発生する。リーフバルブ51は、舌片の基端部51Aを起点としてたわみ変形し、シートパイプ22の内周(オリフィス34A及びその周辺)から離隔する。
更に、フロントフォーク10にあっては、リーフバルブ51のたわみ反力に起因する上述の伸側減衰力を調整するため、アウタチューブ11のキャップ21に設けたアジャスト装置52により、リーフバルブ51のたわみ変形の起点を外部から変更可能にする。
アジャスタ装置52は、図1〜図4に示す如く、アウタチューブ11のキャップ21にアジャストノブ53を回転自在に設け、アジャストノブ53に固定したアジャストパイプ54をシートパイプ22の内部に延在し、アジャストパイプ54の先端に設けたリーフ押さえ部55をリーフバルブ51の内面に沿ってその延在方向に摺動可能にする。
具体的には、アジャストノブ53の外側小径部53Aの外端面に回転操作工具係止用操作溝53Bを設け、外側小径部53Aの外周環状溝に設けたOリング53Cをキャップ21の小径孔に通し、外側小径部53Aの操作溝53Bを外方に臨ませる。アジャストノブ53の内側大径部53Dの下端側段差外周部にアジャストパイプ54の上端部を嵌着するとともに、アジャストノブ53とアジャストパイプ54を固定ピン56により固定(固定ピン56はアジャストパイプ54を貫通している)し、キャップ21に固定してあるシートパイプ22の内周にアジャストノブ53の内側大径部53Dとアジャストパイプ54を摺接可能に嵌挿する。アジャストパイプ54の中間部〜下端部はシートパイプ22の内周に摺接可能に嵌挿される。このとき、アジャストノブ53の内側大径部53Dとアジャストパイプ54において、固定ピン56と同一軸上に設けてある孔には、ばね57によりバックアップされるボール58が装填され、ボール58はシートパイプ22の内周の周方向複数位置に設けてある孔状係合部のそれぞれに順に係合可能とされ、アジャストノブ53により回転操作されたアジャストパイプ54をそれらの回転位置のいずれかに静止保持可能にする。但し、アジャストノブ53により回転操作されるアジャストパイプ54は、その回転方向に無段階に位置付けられても良い。尚、アジャストパイプ54は、シートパイプ22の通孔22Aに対応する通孔54Aを備え、シートパイプ22及びアジャストパイプ54の内外の気体室33をそれらの通孔22A、54Aにより連通している。
そして、図4、図6に示す如く、シートパイプ22の内周に摺接可能に嵌挿されたアジャストパイプ54の先端であって、シートパイプ22の下端部の内周段差部に嵌挿されているバルブボディ50の内周に対応する先端には、アジャストパイプ54の周方向の概ね半部を切除した切欠部55Aが形成され、アジャストパイプ54の軸方向に沿う切欠部55Aの縦方向エッジ55Bにより前述のリーフ押さえ部55が形成される。本実施例において、アジャストパイプ54の切欠部55Aの上端部はバルブボディ50の上端面レベルに合致し、切欠部55Aの下端部はピストン25の上小径部に設けた環状段差部25C(図8)の外周に嵌挿され、アジャストパイプ54の切欠部55Aはシートパイプ22の内周に面一をなしているバルブボディ50の内周と、ピストン25の環状段差部25Cの外周のそれぞれに摺接する。
ここで、アジャストノブ53が回転原位置に設定されたとき、アジャストパイプ54のリーフ押さえ部55はリーフバルブ51の舌片の基端部51Aを押さえ、シートパイプ22の周方向に延在するリーフバルブ51のたわみ長さを最長にし、作動油室31の一定の油圧をオリフィス34Aから受けたときのリーフバルブ51のたわみ量を最大にする(図4(A))。アジャストノブ53が回転原位置から任意の一定角度回転されたとき、アジャストパイプ54のリーフ押さえ部55はリーフバルブ51の舌片のいずれかの中間部を押さえ、シートパイプ22の周方向に延在するリーフバルブ51のたわみ長さを適宜の長さに短縮し、作動油室31の一定の油圧をオリフィス34Aから受けたときのリーフバルブ51のたわみ量を低減する(図4(B))。これにより、リーフバルブ51のたわみ特性を変更し、ひいてはリーフバルブ51のたわみ反力に起因する減衰力を調整できる。
従って、フロントフォーク10は、懸架スプリング13と気体室33の気体ばねにより、車両が路面から受ける衝撃力を吸収し、懸架スプリング13と気体ばねによる衝撃力の吸収に伴なうアウタチューブ11とインナチューブ12の伸縮振動を以下の減衰力により制振する。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、アウタチューブ11及びシートパイプ22がインナチューブ12に対して沈み込んで作動油室31が拡張され、作動油室31が負圧になる結果、油溜室32の油が、前述の如くに逆止弁35を押し開き、ピストン25の油路41、逆止弁35の切欠状油路42、インナチューブ12とバルブストッパ37の間の環状通路43を通って作動油室31に流入し、油路41、42の通路抵抗に起因する圧側減衰力を生ずる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストン25が作動油室31を加圧する結果、逆止弁35は閉じられ、作動油室31の加圧された油圧がオリフィス34Aを介してリーフバルブ51に加わり、リーフバルブ51を押し開くようにたわみ変形させ、作動油室31の油はこれによって開かれるオリフィス34Aを通って油溜室32に排出される。これにより、オリフィス34Aの通路抵抗に起因する2乗特性の減衰力と、リーフバルブ51のたわみ反力に起因する2/3乗特性の減衰力を加算した、概ね比例特性の伸側減衰力を生ずる。
尚、フロントフォーク10の最大圧縮時には、アウタチューブ11のキャップ21の下端面に設けてあるバンプラバー101がインナチューブ12(カラー19)の上端面に衝合して最圧縮時の緩衝を行なう。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、シートパイプ22の下端側外周部に係止したスプリング受102Aが支持するリバウンドスプリング102をインナチューブ12(カラー19)に設けてあるパイプガイド23の下端面に衝合して最伸長時の緩衝を行なう。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉するリーフバルブ51をシートパイプ22の内周に沿って設けることにより、作動油室31から油溜室32に排出する油にオリフィス34Aが及ぼす通路抵抗だけでは不足する伸側減衰力を、リースバルブのたわみ反力に起因する減衰力で補う。高速域では、リーフバルブ51だけでは不足する伸側減衰力をオリフィス34Aの存在によって補う。オリフィス34Aの径、個数、リーフバルブ51の板厚形状、個数等の組合せにより、所望の減衰特性を得ることができる。
(b)作動油室31から油溜室32に排出する油の流路がオリフィス34Aにより絞られるから、リーフバルブ51のたわみ過ぎがなくなり、リーフバルブのたわみ規制部材が不要になる。
(c)アジャスト装置52により、リーフバルブのたわみ変形の起点を外部から変更することができ、結果としてリーフバルブ51のたわみ特性を変更し、ひいてはリーフバルブ51のたわみ反力に起因する減衰力を調整できる。
(d)アジャスト装置52が、アジャストノブ53の回転操作により、アジャストノブ53に固定してあるアジャストパイプ54の先端のリーフ押さえ部55を、リーフバルブ51の内面に沿ってその延在方向に摺動でき、ひいてはリーフ押さえ部55が定めるリーフバルブ51のたわみ変形の起点を外部から簡易に変更できる。
(e)アジャストパイプ54の先端を切欠くことにより、上述(d)のリーフ押さえ部55を簡易に形成できる。
(f)シートパイプ22の内周に筒状のバルブボディ50を嵌着し、バルブボディ50に入れた切れ目50Aによりリーフバルブ51を形成する。これにより、リーフバルブ51の構成、シートパイプ22への取付け等が簡易になる。
図10は変形例1のフロントフォーク10の要部を示すものであり、図7(B)に示すバルブボディ60を用いたものである。図7(B)のバルブボディ60は、上端側の周方向に沿う一定範囲に設けられるU字状切れ目60Aと、U字状切れ目60AのU字上辺側の起点から軸方向に沿って上端面まで伸びるストレート状切れ目60Bと、U字状切れ目60AのU字下辺側の起点から軸方向に沿って下端面まで伸びるストレート状切れ目60Cを付与され、U字状切れ目60Aにより囲まれる舌片状リーフバルブ61を形成したものである。リーフバルブ61は、前述した実施例のリーフバルブ51と同様にして、シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉する。
図11は変形例2のフロントフォーク10の要部を示すものであり、図7(C)に示すバルブボディ70を用いたものである。図7(C)のバルブボディ70は、上端面から軸方向に沿って下端面まで伸びるストレート状切れ目70Aを付与され、切れ目70Aをたわみの先端部とする板状リーフバルブ71を形成したものである。リーフバルブ71は、前述した実施例のリーフバルブ51と同様にして、シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉する。
図12は変形例3のフロントフォーク10の要部を示すものであり、図7(D)に示すバルブボディ80を用いたものである。図7(D)のバルブボディ80は、上端面から軸方向に斜交する方向に沿って下端面まで伸びるストレート状切れ目80Aを付与され、切れ目80Aをたわみの先端部とする板状リーフバルブ81を形成したものである。リーフバルブ81は、前述した実施例のリーフバルブ51と同様にして、シートパイプ22のオリフィス34Aを開閉する。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォークを示す断面図である。 図2は図1の要部拡大断面図である。 図3はシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図である。 図4(A)、(B)は図3のIV−IV線に沿う断面図である。 図5は図3のV−V線に沿う矢視図である。 図6は(A)シートパイプを示す断面図、(B)はアジャストパイプを示す断面図である。 図7(A)〜(D)はリーフバルブを示す斜視図である。 図8はピストンを示し、(A)は(B)のA−A線に沿う断面図、(B)は平面図である。 図9は逆止弁を示し、(A)は平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。 図10は変形例1のシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図である。 図11は変形例2のシートパイプに設けたシートパイプと逆止弁を示す断面図である。 図12は変形例3のシートパイプに設けたピストンと逆止弁を示す断面図である。
符号の説明
10 フロントフォーク
11 アウタチューブ
12 インナチューブ
21 キャップ
22 シートパイプ
23 パイプガイド
25 ピストン
31 作動油室
32 油溜室
33 気体室
34 減衰力発生手段
34A オリフィス
35 逆止弁
50、60、70、80 バルブボディ
50A、60A、70A、80A 切れ目
51、61、71、81 リーフバルブ
52 アジャスト装置
53 アジャストノブ
54 アジャストパイプ
55 リーフ押さえ部
55A 切欠部

Claims (4)

  1. 車体側アウタチューブに車輪側インナチューブを摺動自在に挿入し、
    アウタチューブのキャップに固定したシートパイプをインナチューブに設けたパイプガイドに摺動自在に挿入し、
    シートパイプの挿入端に固定したピストンをインナチューブの内周に摺接し、
    インナチューブとシートパイプの間の環状領域であってパイプガイドとピストンに挟まれる領域を作動油室とし、
    インナチューブの内周領域であって上記作動油室を構成しない領域と、シートパイプの内周領域とを一連の油溜室とし、
    アウタチューブの内周領域と、シートパイプの内周領域とを、油溜室の上部で一連をなす気体室とし、
    作動油室の油を油溜室に排出するオリフィスをシートパイプに形成して減衰力を発生させる減衰力発生手段を設け、
    ピストンに、油溜室から作動油室への油の流入を許容する逆止弁を設けてなるフロントフォークにおいて、
    シートパイプのオリフィスを開閉するリーフバルブをシートパイプの内周に沿ってその周方向に延在し、リーフバルブはオリフィスを閉じる弾発的復元習性を備えるとともに、作動油室の油圧により弾性たわみ変形してオリフィスを開き、
    アウタチューブのキャップに設けたアジャスト装置により、リーフバルブのたわみ変形の起点を外部から変更可能にすることを特徴とするフロントフォーク。
  2. 前記アジャスト装置が、アウタチューブのキャップにアジャストノブを回転自在に設け、アジャストノブに固定したアジャストパイプをシートパイプの内部に延在し、アジャストパイプの先端に設けたリーフ押さえ部をリーフバルブの内面に沿ってその延在方向に摺動可能にする請求項1に記載のフロントフォーク。
  3. 前記アジャストパイプの先端の切欠部をリーフ押さえ部とする請求項2に記載のフロントフォーク。
  4. 前記シートパイプの内周に筒状のバルブボディを嵌着し、バルブボディに入れた切れ目によりリーフバルブを形成する請求項1〜3のいずれかに記載のフロントフォーク。
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