JP2007144569A - マイクロ構造体等の滑面処理方法及びmems素子 - Google Patents

マイクロ構造体等の滑面処理方法及びmems素子 Download PDF

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勝 宮崎
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良憲 中野
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Abstract

【課題】MEMS素子部品等のマイクロ構造体の粗面を滑面処理し、品質向上等を図る。
【解決手段】基板11にドライエッチング又はサンドブラストにて貫通孔11aを形成する。貫通孔11aの内周面は数百ナノ〜数ミクロンオーダーの粗面になっている。大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに貫通孔11aの内周面に接触させ、貫通孔11aの内周面にシリコン酸化膜14を形成する。シリコン酸化膜14の表面は、滑面になる。これにより、貫通孔11aと充填金属16との間に隙間が出来るのを防止でき、MEMS素子10の内部空間10aの気密性を確保できる。
【選択図】図1

Description

この発明は、例えばMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子の基板等のミクロンオーダーのマイクロ構造体を製造する方法等に関し、特に、マイクロ構造体に形成された孔の内周面や凸部の外周面をナノオーダーの微細レベルまで滑らかにするのに適した方法等に関する。
MEMS素子の基板には、例えばフィールドスルーが設けられている。これは、数百ミクロン厚の基板に直線状の貫通孔を形成し、この貫通孔にCu等の良伝導金属を充填したものである。この充填金属がフィールドスルー配線となる。このフィールドスルー配線が、基板の表側面のMEMS素子本体と電気的に接続される。基板にはカバーが被せられ、素子本体が気密に封止される。
特開平5−275401号公報 特開2003−21798号公報
上記の貫通孔は、ドライエッチングやサンドブラストで形成されるが、一度に基板を貫通する深さにするのはレジストのエッチング耐性等との関係で困難であるため、何回かに分けて徐々に深くしていく。このため、前の回で掘られた部分と次の回で掘られた部分との間には凸凹が形成されやすい。この凸凹の大きさは、数百ナノオーダー〜数ミクロンオーダーのレベルであり、極めて微小である。しかし、その後フィールドスルー配線用の金属を充填する際、貫通孔の内周面と充填金属との間に隙間が出来やすくなる。この隙間を通して、基板とカバーとの間の密封空間からリークが起きるおそれがある。そうするとMEMS素子の信頼性を損ねてしまう。
このように、マイクロ構造体においては、数百ナノ〜数ミクロンオーダーの凸凹であっても、その後の製造工程や製品の品質に影響を与えかねない。本発明は、このようなマイクロ構造体の粗面を滑面化することにある。
本発明は、マイクロ構造体における例えば数百ナノ〜数ミクロンオーダーの粗面を滑面処理する方法であって、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の粗面に接触させ、前記粗面上にシリコン酸化膜を形成することを第1特徴とする。このシリコン酸化膜の表面は、数ナノオーダーの凸凹レベルになり、所望の滑面を得ることができる。
前記マイクロ構造体が、孔を有し、この孔の内周面が滑面処理されるべき粗面になっていてもよく、前記マイクロ構造体が、凸部を有し、この凸部の外周面が滑面処理されるべき粗面になっていてもよい。前記マイクロ構造体の周側面(前記孔の内周面及び前記凸部の外周面を含む)が、滑面処理されるべき粗面になっていてもよい。
前記マイクロ構造体は、MEMS素子の部品をはじめ、該部品を製作するための型見本又は金型などを含む。
本発明は、MEMS素子用の基板に貫通孔をドライエッチング又はサンドブラストにて形成する工程と、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させ、前記貫通孔の内周面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜形成後の貫通孔にフィールドスルー配線となるべき金属を充填する工程と、
前記基板の表側面に設けた素子本体と前記フィールドスルー配線とを電気的に接続する工程と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に封止カバーを被せ、この封止カバーと基板との間に密閉空間を形成する工程と、
を実行するMEMS素子の製造方法を第2特徴とする。
本発明は、樹脂製マイクロ構造体を成形するための金型を製造する方法であって、
シリコンをドライエッチングすることにより前記樹脂製マイクロ構造体の型見本を形成する工程と、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記型見本の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記型見本に金属めっきを行なう工程と、
前記型見本をエッチングして除去することにより前記金属めっきからなる金型を得る工程と、
を実行することを第3特徴とする。
本発明は、貫通孔を有する基板と、
この基板の表側面に設けられた素子本体と、
前記貫通孔の内周面に被膜されたシリコン酸化膜と、
このシリコン酸化膜が被膜された貫通孔の内部に充填された金属からなり、前記素子本体と電気的に接続されたフィールドスルー配線と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に被せられ、前記基板との間に密閉空間を形成する封止カバーと、
を有し、前記シリコン酸化膜の表面が、前記シリコン基板の貫通孔の内周面より滑らかであるMEMS素子を第4特徴とする。
前記シリコン酸化膜は、大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させることにより、前記貫通孔の内周面に堆積させたものであることが望ましい。
ここで、大気圧近傍(略常圧)とは、1.013×104〜50.663×104Paの範囲を言い、圧力調整が容易で装置構成の簡便化を考慮すると、好ましくは、1.333×104〜10.664×104Paであり、より好ましくは、9.331×104〜10.397×104Paである。
膜原料の有機シリコン化合物は、シリコンを含有する有機金属アルコキシドが好ましい。
シリコンを含有する有機金属アルコキシドとして、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMOS(テトラメトキシシラン)等のアルコキシシランを用いることができる。
有機シリコン化合物として、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)をはじめとするシロキサンを用いてもよい。OMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)、TPOS(テトラプロポキシシラン)などを用いてもよい。
無機酸として、例えばO、HO、NO等を用いることができる。
無機酸の活性化手段として、オゾナイザーや大気圧プラズマ放電処理装置を用いることができ、これにより、オゾン、酸素ラジカル、酸素イオン等の活性化された無機酸を得ることができる。
大気圧プラズマ放電処理装置を用いる場合、無機酸だけを大気圧プラズマ放電処理装置の大気圧プラズマに通して活性化(プラズマ化、ラジカル化、イオン化等)させ、この活性化された無機酸に有機シリコン化合物を接触させるとともに前記孔の内壁に接触させるのが好ましい。無機酸と有機シリコン化合物を共に大気圧プラズマで活性化させ、前記孔の内壁に接触させることにしてもよい。
本発明によれば、マイクロ構造体の粗面にシリコン酸化膜を被膜することにより、滑面を得ることができる。これにより、マイクロ構造体の品質向上等を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は、自己気密型のMEMS素子10を示したものである。
MEMS素子10は、基板11と、この基板11の表側面に設けられた素子本体12と、封止カバー13を備えている。
基板11は、数百ミクロンの厚さのシリコンにて構成されている。(基板11は、特許請求の範囲の「マイクロ構造体」を構成している。)
シリコン基板11には、フィールドスルー用の貫通孔11aが形成されている。図2に拡大して示すように、貫通孔11aの内周面は、後述する製造上の理由により凸凹な粗面になっている。この貫通孔11aの内周面の凹部の底から凸部11bの頂部までの高さは数百nm程度である。
貫通孔11aの内周面にはシリコン酸化物の膜14が被膜されている。シリコン酸化膜14の表面の凹部の底から凸部の頂部までの高さは数nm程度であり、貫通孔11aの凸凹に比べると極めて小さく、シリコン酸化膜14の表面は、ほとんど滑らかになっている。
以下、シリコン酸化膜14で画成された孔をフィールドスルー孔15と言う。
上記フィールドスルー孔15の内部に、良伝導性の金属であるCuがめっきにて充填されている。この充填Cuによってフィールドスルー配線16が構成されている。
図1に示すように、フィールドスルー配線16は、リード配線17を介して素子本体12と電気的に接続されている。フィールドスルー配線16を介して素子本体12への信号の入出力などが行なわれるようになっている。
基板11の表側面にはガラス製の封止カバー13が被せられている。封止カバー13の周縁部と基板11とは、真空下で陽極接合されている。これによって、封止カバー13と基板11の間に、真空の密閉空間10aが画成されている。この密閉空間10a内に素子本体12とフィールドスルー配線16の表側端部が収容されている。
上記構成のMEMS素子10の製造方法を、フィールドスルー孔15の形成工程を中心に説明する。
複数個のMEMS素子10に対応する面積のシリコン基板を用意する。このシリコン基板の複数の所定位置にフィールドスルー孔15となる貫通孔11aをドライエッチングにて形成する。エッチング用のガスは、SFとOの混合ガス、又はCとOの混合ガス等を用いるのが好ましい。一回のエッチング操作で基板11を貫通させるのはレジストのエッチング耐性等との関係から困難である。そこで、図3(a)及び(b)に示すように、エッチング操作を複数回繰り返し、孔を段々に深くしていく。これにより、孔11aの内壁には、前の回のエッチングで掘られた部分と、次の回のエッチングで掘られた部分との間に、くびれ状の凸部11bが形成される。凸部11bの高さは、数百nmである。図4に示すように、孔11aの内周面は、全体として凸凹になる。孔11aの内径は、一番狭くなる凸部11bの頂点においても、所望のフィールドスルー孔15の内径より大きくなるようにする。
貫通孔11aの形成工程の後、成膜工程を実行する。
図5に示すように、成膜工程は、大気圧プラズマCVD装置20を用いて大気圧環境で行なう。大気圧プラズマCVD装置20は、第1及び第2ガス源21,22と、電源23と、処理ヘッド30を備えている。
第1ガス源21は、膜原料の有機シリコン化合物を含む第1ガスを処理ヘッド30に供給するようになっている。有機シリコン化合物として、有機金属アルコキシドのTMOSが用いられている。TMOSの流量は、0.1〜1.0g/min程度が好ましい。
TMOSに代えて、TEOS(テトラエトキシシラン)を用いてもよく、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、OMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)などのシロキサンを用いてもよく、その他、TPOS(テトラプロポキシシラン)などを用いてもよい。第1ガスには有機シリコン化合物のキャリアガスとして窒素を含ませてもよい。
第2ガス源22は、第2ガスとして酸素(O)を処理ヘッド30に供給するようになっている。酸素の流量は、5〜10L/min程度が好ましい。第2ガスは、無機酸であれば酸素に限定されるものではなく、HOやNO等の他の無機酸を用いてもよい。
基板の上方には、処理ヘッド30が配置される。処理ヘッド30には、一対の電極31,32が設けられている。一方の電極31は、電源23に接続され、他方の電極32は接地されている。電源23からの電圧供給により電極31,32間に大気圧プラズマ放電が形成されるようになっている。供給電力は例えば10〜20W程度である。この大気圧プラズマ放電空間30aに第2ガス源22からの酸素が導入される。これによって、活性化された無機酸として酸素ラジカル等の酸素系活性種が得られる。
この酸素系活性種が、処理ヘッド30の下端部から吹出される。
一方、第1ガス源12からのTMOSは、大気圧プラズマ放電空間30aを経ることなく、処理ヘッド30の下端部から吹出される。
処理ヘッド30から吹出されたTMOSと酸素系活性種とは、貫通孔11aの内部に流入し、互いに接触するとともに貫通孔11aの内壁に接触する。基板11の温度は、好ましくは200〜400℃程度に設定しておく。これにより、大気圧下においてTMOSと酸素系活性種との反応が起き、貫通孔11aの内壁にシリコン酸化膜14が成長していく。反応時間は例えば1〜10min程度である。
図6に示すように、シリコン酸化膜14は、貫通孔11aの内壁の凸凹に沿うように堆積する。したがって、シリコン酸化膜14の表面は、初めは凸凹になっている。しかし、図6の矢印に示すように次第に凸凹が均されて行き、図7に示すように、最終的なシリコン酸化膜14の表面の凸凹は数nmのレベルになり、十分に滑面化される。これは、生成されたばかりのシリコン酸化膜14が自己流動性を有しているためと考えられる。
このシリコン酸化膜14の滑らかな表面によって、フィールドスルー孔15の内周面が画成される。
シリコン酸化膜14の成膜操作は、一回に限られず、複数回行うことにしてもよい。これにより、複数積層されたシリコン酸化膜を得ることができる。積層を重ねるほど、フィールドスルー孔15の内周面がより滑らかになる。
次に、この滑らかなフィールドスルー孔15の内部にスパッタ法によりシード層を形成する。
そして、図2に示すように、フィールドスルー孔15の内部にCuをめっきにて充填し、フィールドスルー配線17とする。フィールドスルー孔15の内周面が滑らかになっているので、フィールドスルー孔15の内周面とフィールドスルー配線17との間に隙間ができるのを確実に防止することができる。
次に、基板11に素子本体12を固定する。この素子本体12とフィールドスルー配線17をリード線18で繋ぐ。そして、封止カバー13を真空下で陽極接合し、基材11と封止カバー13の間の空間10aを真空密閉する。フィールドスルー孔15の滑らかな内周面とフィールドスルー配線17との間が確実に密着されているので、そこからリークが起きるのを防止でき、空間10aを確実に密閉空間とすることができる。この結果、密閉空間10a内の素子本体12の信頼性を高めることができる。
その後、1個のMEMS素子10ごとに基板11及び封止カバー13を切り出す。これにより、自己気密型のMEMS素子10が完成する。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
第2実施形態
上記第1実施形態のMEMS素子10では、基板11としてシリコン基板を用いていたが、これに代えてガラス基板を用いてもよい。この場合、貫通孔は、ドライエッチングに代えて、サンドブラストを用いるとよい。サンドブラストの場合も複数回繰返して行い、孔を段階的に深くしていく。このため、貫通孔の内壁には、一回のサンドブラストで形成した部分と次のサンドブラストで形成した部分との間に、高さ数μm程度の凸部が形成され、貫通孔の内周面が凸凹な粗面になる。そこで、第1実施形態と同様の成膜装置20を用いて、大気圧下で貫通孔の内壁にシリコン酸化膜を形成する。すると、シリコン酸化膜の表面は、貫通孔の凸凹に拘わらず滑面になる。ひいては、フィールドスルー孔の内周面を滑面化することができる。
第3実施形態
本発明は、マイクロ構造体の孔の内周面の滑面処理に限られず、凸部の外周面の滑面処理にも適用できる。本発明の適用対象であるマイクロ構造体は、最終製品であるMEMS素子の部品に限られず、MEMS素子部品を得るための製造手段を構成する型見本や金型をも含む。
図13及び図14は、金型40を用いてマイクロ構造体の硬質樹脂部品50を成形する実施形態を示したものである。金型40は、ニッケルにて構成されている。1つの金型40に複数の樹脂製マイクロ部品50のための成形型部分41が形成されている。成形型部分41は、最終目的物である樹脂製マイクロ部品50を反転させた形状を有している。
樹脂製マイクロ部品50は、直線状の凸部52を有している。これに対応して、金型40には、直線状の凹部42が形成されている。
図13に示すように、成形時にはマイクロ部品50となるべき樹脂の一部が金型40の凹部42に充填される。この凹部42内の樹脂がマイクロ部品50の凸部52となる。図14に示すように、離型時には凸部52が凹部42から引き抜かれることになる。このとき、金型40の凹部42の内周面が凸凹になっていると、離型性が悪く、マイクロ部品50や金型の破損、性能低下、短寿命化などを招く結果となる。
そこで、本発明の滑面化方法により金型40の凹部42の内周面が凸凹にならないようにしたものである。
金型40の製造工程を説明する。
まず、最終目的物である樹脂製マイクロ部品50の型見本を製作する。型見本の材料にはシリコン基板を用いる。このシリコン基板をドライエッチングすることにより、図8に示すように、シリコン製の型見本60を形成する。
型見本60には、複数の樹脂製マイクロ部品50に対応する型見本部分61が形成されている。各型見本部分61は、直線状の凸部62を有し、最終目的物である樹脂製マイクロ部品50と同一形状をしている。(型見本部分61は、特許請求の範囲の「マイクロ構造体」を構成している。)
一方、型見本60は、第1実施形態と同様にドライエッチングを複数回繰り返して所定の形状にしていくため、図9に拡大して示すように、直線状凸部62の外周面は、数百nmの凸凹になっている。
次に、成膜工程を実行する。成膜装置として、第1実施形態と同様の大気圧プラズマCVD装置20を用いることができる。大気圧下において装置20の処理ヘッド30から有機シリコン化合物のTMOSと放電空間30aでプラズマ化した酸素とを吹出し、型見本60の直線状凸部62の外周面に接触させる。型見本60の直線状凸部62以外の部分にはマスキングをしておくとよい。型見本60の温度は、400℃程度に設定しておくのが好ましい。これによって、図10に示すように、直線状凸部62の外周面にシリコン酸化膜63が被膜される。シリコン酸化膜63の表面は、自己流動性によって滑らかになっていく。
以下、シリコン酸化膜63が被膜された直線状凸部62を「被膜凸部64」という。被膜凸部64の外径が、樹脂マイクロ部品50の直線状凸部52の外径と等しくなるように、上記ドライエッチング時に直線状凸部62の外径を設定しておく。
次に、図11に示すように、型見本60に金属めっきを行なう。めっき材料は、離型性の良いニッケルが好ましい。このめっきが、金型40となる。
金型40となるべきめっきは、型見本60の被膜凸部64を含む型面部に被さる。図11において円部を拡大して示すように、金型40となるべきめっきが被膜凸部64と接触する面は、被膜凸部64の外周面に倣って滑らかになる。
次に、図12の仮想線に示すように、シリコン製の型見本60をエッチングにて除去する。エッチング用ガスは、SFとOの混合ガス、又はCとOの混合ガス等を用いるのが好ましい。このエッチングによって、直線状凸部62は勿論、外周のシリコン酸化膜63も除去される。これによって、金型40が完成する。出来上がった金型40の直線状凹部42の内周面は平滑になっている。
図13に示すように、この金型40を用いて樹脂マイクロ部品50の成形を行なう。すなわち、マイクロ部品50となるべき樹脂を金型40の各成形型部分41に充填する。この樹脂は、成形型部分41の直線状凹部42にも充填される。
次に、図14に示すように、樹脂50を金型40から離型する。金型40の直線状凹部42の内周面は滑らかになっているので、直線状凹部42内の樹脂が引っ掛かることがなく、直線状凹部42からスムーズに引き抜くことができる。これによって、離型作業を容易に行なうことができる。ひいては、金型40やマイクロ部品50が破損するのを防止することができる。
本発明は、上記実施形態に限られず、種々の改変をなすことができる。
例えば、本発明の滑面処理方法は、マイクロ構造体の孔の内周面や凸部の外周面等の周側面に限られず、孔の底面、凸部の端面、表側面、裏側面等、マイクロ構造体の種々の面部分に広く適用することができる。
大気圧プラズマCVD装置20に代えてオゾナイザーを用い、活性化された無機酸としてオゾンを得るようにし、このオゾンとTMOS等の有機シリコン化合物とを接触させることにしてもよい。
有機シリコン化合物をもCVD装置20のプラズマ放電空間30aに通すことにしてもよい。
この発明は、MEMS素子等のマイクロ構造体の製造技術に適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るマイクロ構造体の断面図である。 上記マイクロ構造体のフィールドスルー部を拡大して示す断面図である。 (a)は、上記フィールドスルー用の貫通孔を形成するための最初のドライエッチングを行なった状態を示し、(b)は次のドライエッチングを行なった状態を示す断面図である。 上記フィールドスルー用の貫通孔の断面図である。 上記フィールドスルー用の貫通孔の内周面を滑面処理するための成膜工程を示す断面図である。 上記フィールドスルー用の貫通孔の内周面にシリコン酸化膜が堆積した直後の状態を示す断面図である。 上記フィールドスルー用の貫通孔の内周面にシリコン酸化膜を被膜することにより滑面処理した状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るシリコン製型見本の断面図である。 上記シリコン製型見本の直線状凸部を拡大して示す断面図である。 上記直線状凸部の外周面にシリコン酸化膜を被膜することにより滑面処理した状態を示す断面図である。 上記型見本に樹脂製マイクロ部材用の金型となるべきニッケルめっきを施した状態を示す断面図であり、併せて上記シリコン酸化膜を被膜した直線状凸部の外周部分を拡大して示す。 上記ニッケルめっきから型見本をエッチングし、金型を得る状態を示す断面図であり、併せて上記直線状凸部に対応する直線状凹部の内周部分を拡大して示す。 上記金型で樹脂製マイクロ部材を成膜する状態を示す断面図である。 上記金型から樹脂製マイクロ部材を抜き出す状態を示す断面図である。
符号の説明
10 MEMS素子
10a 密閉空間
11 基板(マイクロ構造体)
11a 貫通孔
11b 凸部
12 素子本体
13 封止カバー
14 シリコン酸化膜
15 フィールドスルー孔(シリコン酸化膜形成後の貫通孔)
16 フィールドスルー配線
17 リード配線
20 大気圧プラズマ放電処理装置(無機酸の活性化手段)
21 第1ガス源(有機シリコン化合物源)
22 第2ガス源(無機酸源)
23 電源
30 処理ヘッド
30a 大気圧プラズマ放電空間
31,32 電極
40 金型
41 成形型部分
42 直線状凹部
50 樹脂製マイクロ構造体
52 直線状凸部
60 シリコン製型見本
61 型見本部分(マイクロ構造体)
62 直線状凸部
63 シリコン酸化膜
64 被膜凸部(シリコン酸化膜形成後の直線状凸部)

Claims (6)

  1. マイクロ構造体における粗面を滑面処理する方法であって、
    大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の粗面に接触させ、前記粗面上にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。
  2. マイクロ構造体の周側面を滑面処理する方法であって、
    大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。
  3. マイクロ構造体に形成された孔の内周面を滑面処理する方法であって、
    大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記孔の内周面に接触させ、前記孔の内周面にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。
  4. MEMS素子用の基板に貫通孔をドライエッチング又はサンドブラストにて形成する工程と、
    大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させ、前記貫通孔の内周面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記酸化膜形成後の貫通孔にフィールドスルー配線となるべき金属を充填する工程と、
    前記基板の表側面に設けた素子本体と前記フィールドスルー配線とを電気的に接続する工程と、
    前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に封止カバーを被せ、この封止カバーと基板との間に密閉空間を形成する工程と、
    を実行することを特徴とするMEMS素子の製造方法。
  5. 樹脂製マイクロ構造体を成形するための金型を製造する方法であって、
    シリコンをドライエッチングすることにより前記樹脂製マイクロ構造体の型見本を形成する工程と、
    大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記型見本の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
    前記型見本に金属めっきを行なう工程と、
    前記型見本をエッチングして除去することにより前記金属めっきからなる金型を得る工程と、
    を実行することを特徴とするマイクロ構造体用金型の製造方法。
  6. 貫通孔を有する基板と、
    この基板の表側面に設けられた素子本体と、
    前記貫通孔の内周面に被膜されたシリコン酸化膜と、
    このシリコン酸化膜が被膜された貫通孔の内部に充填された金属からなり、前記素子本体と電気的に接続されたフィールドスルー配線と、
    前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に被せられ、前記基板との間に密閉空間を形成する封止カバーと、
    を有し、前記シリコン酸化膜の表面が、前記シリコン基板の貫通孔の内周面より滑らかであることを特徴とするMEMS素子。
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