JP2007144569A - マイクロ構造体等の滑面処理方法及びmems素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板11にドライエッチング又はサンドブラストにて貫通孔11aを形成する。貫通孔11aの内周面は数百ナノ〜数ミクロンオーダーの粗面になっている。大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに貫通孔11aの内周面に接触させ、貫通孔11aの内周面にシリコン酸化膜14を形成する。シリコン酸化膜14の表面は、滑面になる。これにより、貫通孔11aと充填金属16との間に隙間が出来るのを防止でき、MEMS素子10の内部空間10aの気密性を確保できる。
【選択図】図1
Description
このように、マイクロ構造体においては、数百ナノ〜数ミクロンオーダーの凸凹であっても、その後の製造工程や製品の品質に影響を与えかねない。本発明は、このようなマイクロ構造体の粗面を滑面化することにある。
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の粗面に接触させ、前記粗面上にシリコン酸化膜を形成することを第1特徴とする。このシリコン酸化膜の表面は、数ナノオーダーの凸凹レベルになり、所望の滑面を得ることができる。
前記マイクロ構造体は、MEMS素子の部品をはじめ、該部品を製作するための型見本又は金型などを含む。
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させ、前記貫通孔の内周面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜形成後の貫通孔にフィールドスルー配線となるべき金属を充填する工程と、
前記基板の表側面に設けた素子本体と前記フィールドスルー配線とを電気的に接続する工程と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に封止カバーを被せ、この封止カバーと基板との間に密閉空間を形成する工程と、
を実行するMEMS素子の製造方法を第2特徴とする。
シリコンをドライエッチングすることにより前記樹脂製マイクロ構造体の型見本を形成する工程と、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記型見本の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記型見本に金属めっきを行なう工程と、
前記型見本をエッチングして除去することにより前記金属めっきからなる金型を得る工程と、
を実行することを第3特徴とする。
この基板の表側面に設けられた素子本体と、
前記貫通孔の内周面に被膜されたシリコン酸化膜と、
このシリコン酸化膜が被膜された貫通孔の内部に充填された金属からなり、前記素子本体と電気的に接続されたフィールドスルー配線と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に被せられ、前記基板との間に密閉空間を形成する封止カバーと、
を有し、前記シリコン酸化膜の表面が、前記シリコン基板の貫通孔の内周面より滑らかであるMEMS素子を第4特徴とする。
前記シリコン酸化膜は、大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させることにより、前記貫通孔の内周面に堆積させたものであることが望ましい。
シリコンを含有する有機金属アルコキシドとして、例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)、TMOS(テトラメトキシシラン)等のアルコキシシランを用いることができる。
有機シリコン化合物として、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)をはじめとするシロキサンを用いてもよい。OMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)、TPOS(テトラプロポキシシラン)などを用いてもよい。
無機酸の活性化手段として、オゾナイザーや大気圧プラズマ放電処理装置を用いることができ、これにより、オゾン、酸素ラジカル、酸素イオン等の活性化された無機酸を得ることができる。
第1実施形態
図1は、自己気密型のMEMS素子10を示したものである。
基板11は、数百ミクロンの厚さのシリコンにて構成されている。(基板11は、特許請求の範囲の「マイクロ構造体」を構成している。)
以下、シリコン酸化膜14で画成された孔をフィールドスルー孔15と言う。
図1に示すように、フィールドスルー配線16は、リード配線17を介して素子本体12と電気的に接続されている。フィールドスルー配線16を介して素子本体12への信号の入出力などが行なわれるようになっている。
複数個のMEMS素子10に対応する面積のシリコン基板を用意する。このシリコン基板の複数の所定位置にフィールドスルー孔15となる貫通孔11aをドライエッチングにて形成する。エッチング用のガスは、SF6とO2の混合ガス、又はC4F8とO2の混合ガス等を用いるのが好ましい。一回のエッチング操作で基板11を貫通させるのはレジストのエッチング耐性等との関係から困難である。そこで、図3(a)及び(b)に示すように、エッチング操作を複数回繰り返し、孔を段々に深くしていく。これにより、孔11aの内壁には、前の回のエッチングで掘られた部分と、次の回のエッチングで掘られた部分との間に、くびれ状の凸部11bが形成される。凸部11bの高さは、数百nmである。図4に示すように、孔11aの内周面は、全体として凸凹になる。孔11aの内径は、一番狭くなる凸部11bの頂点においても、所望のフィールドスルー孔15の内径より大きくなるようにする。
図5に示すように、成膜工程は、大気圧プラズマCVD装置20を用いて大気圧環境で行なう。大気圧プラズマCVD装置20は、第1及び第2ガス源21,22と、電源23と、処理ヘッド30を備えている。
TMOSに代えて、TEOS(テトラエトキシシラン)を用いてもよく、HMDSO(ヘキサメチルジシロキサン)、OMCTS(オクタメチルシクロテトラシロキサン)、TMCTS(テトラメチルシクロテトラシロキサン)などのシロキサンを用いてもよく、その他、TPOS(テトラプロポキシシラン)などを用いてもよい。第1ガスには有機シリコン化合物のキャリアガスとして窒素を含ませてもよい。
この酸素系活性種が、処理ヘッド30の下端部から吹出される。
一方、第1ガス源12からのTMOSは、大気圧プラズマ放電空間30aを経ることなく、処理ヘッド30の下端部から吹出される。
このシリコン酸化膜14の滑らかな表面によって、フィールドスルー孔15の内周面が画成される。
シリコン酸化膜14の成膜操作は、一回に限られず、複数回行うことにしてもよい。これにより、複数積層されたシリコン酸化膜を得ることができる。積層を重ねるほど、フィールドスルー孔15の内周面がより滑らかになる。
そして、図2に示すように、フィールドスルー孔15の内部にCuをめっきにて充填し、フィールドスルー配線17とする。フィールドスルー孔15の内周面が滑らかになっているので、フィールドスルー孔15の内周面とフィールドスルー配線17との間に隙間ができるのを確実に防止することができる。
第2実施形態
上記第1実施形態のMEMS素子10では、基板11としてシリコン基板を用いていたが、これに代えてガラス基板を用いてもよい。この場合、貫通孔は、ドライエッチングに代えて、サンドブラストを用いるとよい。サンドブラストの場合も複数回繰返して行い、孔を段階的に深くしていく。このため、貫通孔の内壁には、一回のサンドブラストで形成した部分と次のサンドブラストで形成した部分との間に、高さ数μm程度の凸部が形成され、貫通孔の内周面が凸凹な粗面になる。そこで、第1実施形態と同様の成膜装置20を用いて、大気圧下で貫通孔の内壁にシリコン酸化膜を形成する。すると、シリコン酸化膜の表面は、貫通孔の凸凹に拘わらず滑面になる。ひいては、フィールドスルー孔の内周面を滑面化することができる。
本発明は、マイクロ構造体の孔の内周面の滑面処理に限られず、凸部の外周面の滑面処理にも適用できる。本発明の適用対象であるマイクロ構造体は、最終製品であるMEMS素子の部品に限られず、MEMS素子部品を得るための製造手段を構成する型見本や金型をも含む。
図13及び図14は、金型40を用いてマイクロ構造体の硬質樹脂部品50を成形する実施形態を示したものである。金型40は、ニッケルにて構成されている。1つの金型40に複数の樹脂製マイクロ部品50のための成形型部分41が形成されている。成形型部分41は、最終目的物である樹脂製マイクロ部品50を反転させた形状を有している。
図13に示すように、成形時にはマイクロ部品50となるべき樹脂の一部が金型40の凹部42に充填される。この凹部42内の樹脂がマイクロ部品50の凸部52となる。図14に示すように、離型時には凸部52が凹部42から引き抜かれることになる。このとき、金型40の凹部42の内周面が凸凹になっていると、離型性が悪く、マイクロ部品50や金型の破損、性能低下、短寿命化などを招く結果となる。
そこで、本発明の滑面化方法により金型40の凹部42の内周面が凸凹にならないようにしたものである。
まず、最終目的物である樹脂製マイクロ部品50の型見本を製作する。型見本の材料にはシリコン基板を用いる。このシリコン基板をドライエッチングすることにより、図8に示すように、シリコン製の型見本60を形成する。
一方、型見本60は、第1実施形態と同様にドライエッチングを複数回繰り返して所定の形状にしていくため、図9に拡大して示すように、直線状凸部62の外周面は、数百nmの凸凹になっている。
例えば、本発明の滑面処理方法は、マイクロ構造体の孔の内周面や凸部の外周面等の周側面に限られず、孔の底面、凸部の端面、表側面、裏側面等、マイクロ構造体の種々の面部分に広く適用することができる。
大気圧プラズマCVD装置20に代えてオゾナイザーを用い、活性化された無機酸としてオゾンを得るようにし、このオゾンとTMOS等の有機シリコン化合物とを接触させることにしてもよい。
有機シリコン化合物をもCVD装置20のプラズマ放電空間30aに通すことにしてもよい。
10a 密閉空間
11 基板(マイクロ構造体)
11a 貫通孔
11b 凸部
12 素子本体
13 封止カバー
14 シリコン酸化膜
15 フィールドスルー孔(シリコン酸化膜形成後の貫通孔)
16 フィールドスルー配線
17 リード配線
20 大気圧プラズマ放電処理装置(無機酸の活性化手段)
21 第1ガス源(有機シリコン化合物源)
22 第2ガス源(無機酸源)
23 電源
30 処理ヘッド
30a 大気圧プラズマ放電空間
31,32 電極
40 金型
41 成形型部分
42 直線状凹部
50 樹脂製マイクロ構造体
52 直線状凸部
60 シリコン製型見本
61 型見本部分(マイクロ構造体)
62 直線状凸部
63 シリコン酸化膜
64 被膜凸部(シリコン酸化膜形成後の直線状凸部)
Claims (6)
- マイクロ構造体における粗面を滑面処理する方法であって、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の粗面に接触させ、前記粗面上にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。 - マイクロ構造体の周側面を滑面処理する方法であって、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記マイクロ構造体の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。 - マイクロ構造体に形成された孔の内周面を滑面処理する方法であって、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記孔の内周面に接触させ、前記孔の内周面にシリコン酸化膜を形成することを特徴とするマイクロ構造体の滑面処理方法。 - MEMS素子用の基板に貫通孔をドライエッチング又はサンドブラストにて形成する工程と、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記貫通孔の内周面に接触させ、前記貫通孔の内周面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記酸化膜形成後の貫通孔にフィールドスルー配線となるべき金属を充填する工程と、
前記基板の表側面に設けた素子本体と前記フィールドスルー配線とを電気的に接続する工程と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に封止カバーを被せ、この封止カバーと基板との間に密閉空間を形成する工程と、
を実行することを特徴とするMEMS素子の製造方法。 - 樹脂製マイクロ構造体を成形するための金型を製造する方法であって、
シリコンをドライエッチングすることにより前記樹脂製マイクロ構造体の型見本を形成する工程と、
大気圧近傍下において、有機シリコン化合物と活性化された無機酸とを互いに接触させるとともに前記型見本の周側面に接触させ、前記周側面にシリコン酸化膜を形成する工程と、
前記型見本に金属めっきを行なう工程と、
前記型見本をエッチングして除去することにより前記金属めっきからなる金型を得る工程と、
を実行することを特徴とするマイクロ構造体用金型の製造方法。 - 貫通孔を有する基板と、
この基板の表側面に設けられた素子本体と、
前記貫通孔の内周面に被膜されたシリコン酸化膜と、
このシリコン酸化膜が被膜された貫通孔の内部に充填された金属からなり、前記素子本体と電気的に接続されたフィールドスルー配線と、
前記素子本体と前記フィールドスルー配線の表側端部を覆うようにして前記基板の表側面に被せられ、前記基板との間に密閉空間を形成する封止カバーと、
を有し、前記シリコン酸化膜の表面が、前記シリコン基板の貫通孔の内周面より滑らかであることを特徴とするMEMS素子。
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JP2003200395A (ja) * | 2001-12-26 | 2003-07-15 | Sony Corp | Mems素子の製造方法 |
JP2004325304A (ja) * | 2003-04-25 | 2004-11-18 | Aoi Electronics Co Ltd | 電気泳動デバイス用柱状構造体およびこれを用いた電気泳動デバイス |
JP2005166909A (ja) * | 2003-12-02 | 2005-06-23 | Fujikura Ltd | パッケージ及びその製造方法 |
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