JP2007140581A - 流入量簡易計算器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 動力源に依存することなく、簡単な操作で、1時間後における当該ダム水系への流入する雨水量を容易に計算できるようにする。
【解決手段】 直径D1を有した基本円板11と、これよりも小さな直径D2を有して同軸を中心に回転自在に係合された可動円板21とを備え、基本円板11には、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値を可動円板21の円周方向に沿った目盛りに記した予想流入量表示部12と、この内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値を目盛りに記したダム流入量表示部13とが設けられ、可動円板21には、ダム流入量表示部12の現在のダム流入量を当該可動円板側から読み取るための窓部22と、3時間前から現在に至るまでの平均降雨量を示す数値を予想流入量表示部12と対峙する当該可動円板21の円周方向に沿った目盛りに記された降雨量表示部23とが設けられるものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、簡単な操作で、1時間後における当該ダムへ流入する雨水量(以下ダム流入量という)が予測可能な携帯型の好適な流入量簡易計算器に関する。詳しくは、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値が円周方向に沿った目盛りに記された予想流入量表示部と、この内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値が目盛りに記されたダム流入量表示部とが設けられた第1の円板と、この第1の円板に設けられたダム流入量表示部の現在の流入量を読み取るための窓部と、単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値が予想流入量表示部と対峙するように、その円周方向に沿った目盛りに記された降雨量表示部とが設けられた第2の円板とが同軸を中心に回転自在に係合された構造を有して、第2の円板の指針を窓部を通して、ダム流入量表示部に目盛りに記された数値を合わせたときの、降雨量表示部の目盛りに一致する予想流入量表示部の値が1時間後におけるダム水系へ流入する雨水量とする計算結果値を取得できるようにしたものである。
従来から水力発電等を行うために設けられたダムの水資源管理において、最も重要なダム管理業務の1つとして、洪水時における放流用ゲートの開閉管理を挙げることができる。
通常、この種のダムには複数門、例えば1〜4門の放流用ゲートが設けられ、ダム水系流域からの流入量を予測して放流用ゲートの開閉操作を行っている。このゲートの開閉操作については、下流域の危険防止を目的として、下流域での急激な水位上昇が起きないように、河川法に基づき各ダム毎に定められた操作規程によって放流用ゲートの開閉操作を行っている。このゲート開閉操作に当たって、安全で確実なゲート操作を行うには、ダムに流入する流入量の経時的な予測が重要になる。
現在では、下記に示す貯留関数法を用いてダム水系流域からの流入量Sの予測を行っている。
Figure 2007140581
ここに、
S:みかけの流域貯留量 (m3/s・hr)
Q:遅滞時間を考慮した直接流出量[ダム流入量](m3/s)
f :流入係数
rave:流域平均雨量(mm)
A :流域面積(km2
T:遅滞時間(hr)
K,P:定数
上述のダム水系流域の貯留関数法に係る定数K,P及び遅滞時間Tは、原則として当該流域の実測洪水資料に基づき、貯留量Sと流入量Qとの関係が一価関係となるように決定される。洪水毎に定数K,P,Tを求め、その平均値をもって当該流域の定数となされる。
貯留関数法を用いて、流入量Sの予測を行うには、上述の計算式(1)〜(3)に基づく演算を実行するソフトウエアが必要であるため、この流入量予測システムを搭載した端末装置(パソコン)を用いて予測処理を行っている。このような端末装置は、例えば、特許文献1〜3に示され、既に知られている。
特許文献1にはダム流入量予測方法が開示されている。このダム流入予測方法によれば、コンピュータを使用して、上流ダムから計画的に放流される河川の下流ダムにおける流入量を予測するようになされる。
特許文献2にはダム流入量予測モデル構築方法が開示されている。この構築方法によれば、コンピュータを使用し、過去の実績値データを用いて、ダム流入量予測モデルを構築するようになされる。
特許文献3にはダム流入量予測モデル構築装置が開示されている。この構築装置によれば、コンピュータ(以下端末装置ともいう)を使用し、コンピュータプログラムを用いて、ダム流入量予測モデルを構築するようになされる。
特開平 5−297909号公報 特開2000−018984号公報 特開2004−126832号公報
ところで、このような端末装置を用いて流入量の予測を行う場合、特許文献1〜3に示すように端末装置を起動しなければならないが、当該端末装置を常に正常に稼働できるとは限らない。端末装置にトラブルが発生したり、充分な動作電源が確保できない場合には、流入量予測システムを応用した流入量予測を実行できなくなるからである。
更に、このような端末装置を使用する場合、常に端末装置若しくは流入量予測システムをストアした記録媒体を携帯する必要があり、現場に出向いてその場で直ぐに予測するような機動性を確保できていないのが現状である。もっと簡便で、しかも誰にでも流入量の予測が可能なものが望まれるところである。しかも、ダムが違ってもこの予測手段を利用できた方が好ましい。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、動力源を依存することなく、簡単な操作で、1時間後における当該ダム水系へ流入する雨水量を容易に計算できるようにした流入量簡易計算器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決する本発明の流入量簡易計算器は、第1の径を有した第1の円板と、第1の円板よりも小さな第2の径を有して同軸を中心に回転自在に係合された第2の円板とを備え、第1の円板には、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値を第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記した予想流入量表示部と、予想流入量表示部の内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値を目盛りに記したダム流入量表示部とが設けられ、第2の円板には、ダム流入量表示部の現在のダム流入量を当該第2の円板側から読み取るための窓部と、単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値を予想流入量表示部と対峙する当該第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記された降雨量表示部とが設けられることを特徴とするものである。
本発明に係る流入量簡易計算器によれば、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値が第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記された予想流入量表示部と、この予想流入量表示部の内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値が目盛りに記されたダム流入量表示部とが設けられた第1の円板と、この第1の円板に設けられたダム流入量表示部の現在の流入量を読み取るための窓部と、単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値を第1の円板の予想流入量表示部と対峙する当該円板の円周方向に沿った目盛りに記した降雨量表示部とが設けられた第2の円板とが同軸を中心に回転自在に係合された構造を有するものである。
従って、第2の円板の指針を窓部を通して、ダム流入量表示部の目盛りに記された数値を合わせたときの、降雨量表示部の目盛りに一致する予想流入量表示部の値が1時間後におけるダム流入量とする計算結果値を取得できるようになる。この計算結果値により、1時間後におけるダム水系へ流入する雨水量(貯水量)を予測できるようになる。しかも、動力源を一切使用しない携帯便利なダム流入量簡易予測器を提供できるようになる。
本発明に係る流入量簡易計算器によれば、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値を第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記した予想流入量表示部と、この内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値を目盛りに記したダム流入量表示部とが設けられた第1の円板と、この第1の円板に設けられたダム流入量表示部の現在の流入量を読み取るための窓部と、単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値を第1の円板の予想流入量表示部と対峙する当該円板の円周方向に沿った目盛りに記した降雨量表示部とが設けられた第2の円板とが同軸を中心に回転自在に係合された構造を有するものである。
この構成によって、第2の円板の指針を窓部を通して、ダム流入量表示部の目盛りに記された数値を合わせたときの、降雨量表示部の目盛りに一致する予想流入量表示部の値が1時間後におけるダム流入量とする計算結果値を容易に取得できるようになる。
従って、1時間後におけるダム水系への雨水流入量(貯水量)を予測できるようになる。しかも、予想流入量表示部や降雨量表示部は、いずれも貯留関数法を用いて記述されているので、予想流入量ソフトを用いて算出した場合と殆ど遜色のない精度でダムへの流入量を予測できる。
また、当該予測器では、コンピュータを搭載した端末装置を用いることなく、1時間後におけるダム流入量を素早く求めることができるから、特別な知識・技能を有しなくても誰でも利用できる特徴を有する。更に、その構成も2つの円板を用いるだけであるので、極めて小型、軽量、可搬性に富み、使用する場所の制限を受けないなどの大きな特徴を有する。
また、計測すべきダムの水系に合わせて表示目盛りを変更するだけで、そのダムに適した流入量簡易計算器を構成できるため、汎用性の高い二級ダム流入量簡易予測器等を提供できる。なお、2つの円板をプラスチック材で構成すれば、耐久性に優れた流入量簡易計算器を提供できる。しかも、動力源を一切使用しない携帯便利な二級ダム流入量予測器を提供できる。
続いて、この発明に係る流入量簡易計算器について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、本発明に係る流入量簡易計算器を応用した実施の形態としての二級ダム流入量予測器10の構成例を示す図である。
この実施の形態では、同軸上を回転する2つの円板を設け、一方には予想流入量表示部の目盛りと降雨量表示部の目盛りとを同心円上に配置すると共に、他方の円板にダムへの流量表示部の目盛りを記すことによって、ダム流量表示用の目盛りに指針を合わせたときの予想流入量部の目盛りによって、1時間後のダムへの流入量の計算結果値を取得できるようにしたものである。
図1に示す二級ダム流入量予測器1は、本発明の流入量簡易計算器の一例であり、基本円板11と可動円板21とが同軸中心でハトメ(係合金具)31により、回転自在に係合されて構成される。
基本円板11は第1の円板の一例を構成し、第1の直径D1を有している。直径D1は、例えば、20cm程度である。もちろん、この寸法に限られることはない。可搬性を考慮した大きさが好ましい。この例で、基本円板11の中心を原点”O”とし、この原点”O”を回転中心とする。
基本円板11には、予想流入量表示部12とダム流入量表示部13とが設けられている。予想流入量表示部12には、貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値が可動円板21の円周方向に沿った目盛りに記されている。ダム流入量表示部13には、予想流入量表示部12の内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量(ダムの水位としての流量;貯留量)を示す数値が目盛りに記されている。
可動円板21は、第2の円板の一例を構成し、基本円板11よりも小さな第2の直径D2を有している。この例で直径D2は、14cm程度である。もちろん、これに限られることはない。基本円板11の直径D1が定まると可動円板21の直径D2がほぼ決まる大きさである(この例でD1:D2=10:7)。
可動円板21には、窓部22と降雨量表示部23とが設けられている。窓部22は、ダム流入量表示部13の現在のダム流入量を当該可動円板側から読み取るために開口されている。この例で窓部22は、基本円板11のダム流入量表示部13に対応した可動円板21の所定の位置に扇状に開口され、窓部22に基本円板11の目盛りに記されたダム流入量表示部13が露出するようになされる。可動円板21には、窓部22に露出されたダム流入量表示部13の目盛りを指す指針24が設けられる。指針24は矢印で記され、例えば、図1に示す原点”O”と扇状の窓部22の中心を結ぶ線上に配置される。
降雨量表示部23には、単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値が予想流入量表示部12と対峙するように当該可動円板21の円周方向に沿った目盛りに記されている。この例で降雨量表示部23には、3時間前から現在に至るまでの3時間平均雨量を示す数値が記されている。これは二級ダム流域では、他のダム流域に比べて流域面積が広く、ため池も多いという特殊条件を有していること、及び、現時点の流入量と雨量により1時間後の流入量を予測する場合に、洪水予測雨量に関して3時間平均雨量[mm/hr]が最適であることによる。
上述の基本円板11や可動円板21等の材質は、厚手の白いボール紙にビニールをコーティングしたものである。もちろん、これに限られることはない。白のアクリル樹脂や、白のプラスチックを使用してもよい。ビニールは、基本円板11や可動円板21等を成すボール紙に目盛りを印字した後に被覆され熱処理されて定着される。
次に、二級ダムにおける流入量の計算方法について説明する。この例では、現時点の流入量と3時間前から現在までの雨量の3時間平均雨量と、基底流量(雨が降り始める前の流量)とによって1時間後の流入量を予測する場合を例に挙げる。
二級ダム流域では遅滞時間Tは1hrとなっているので、現時点での流入量と3時間前から現時点までの雨量とにより1時間後のダム流入量を推算する。
先に説明した貯留関数法の(2)式を差分式に書き改めると(4)式のようになる。
Figure 2007140581
ここで、
A:流域面積(km2
Δt:計算単位時間(hr)
Q:直接流出量[ダム流入量](m3/s)
S:みかけの貯留量(m3/s・hr)
t,t+3:時刻
f:流入係数
r:流域平均雨量(mm/hr)
である。
図2は、二級ダム流量計算に係る流域流入量対流域平均降雨量の関係例を示すグラフ図である。
図2において、縦軸は、流域流入量I=1・f・r・A/3.6であり、等分目盛りである。横軸は、流域平均雨量[mm/hr]であり、等分目盛りである。直線は、流入係数fをパラメータにして、流域流入量I=1・f・r・A/3.6と、流域平均雨量[mm/hr]との関係を求めたものである。流入係数fは、0.1〜1.2の12通りである。この実施例では、二級ダム流入量予測器1を作成する際にf=流入係数0.71をとっている。
図3は、二級ダム流量計算に係る流量(S/Δt)−(Q/2)、(S/Δt)+(Q/2)と、流入量Q[m3/s]との関係例を示すグラフ図である。
図3に示す縦軸は、貯留関数法における流量(S/Δt)−(Q/2)、(S/Δt)+(Q/2)であり、いずれも等分目盛りである。単位はいずれも[m3/s]である。流量(S/Δt)−(Q/2)、(S/Δt)+(Q/2)はいずれも1000[m3/s]刻みに記している。
横軸は、直接流出量Q[m3/s]であり、等分目盛りである。直接流出量Q[m3/s]は100[m3/s]刻みに記している。この例で840[m3/s]は設計洪水量である。設計洪水量とは当該ダム水系流域で洪水を起こす流入量(貯水量)である。
グラフ(I)は、流量(S/Δt)−(Q/2)[m3/s]と直接流出量Q[m3/s]との関係を求めたものである。グラフ(II)は、流量(S/Δt)+(Q/2)と直接流出量Q[m3/s]との関係を求めたものである。
<使用例>
ここで、上述した図2及び図3のグラフを使用して、次の条件下での1時間経過後の予想流入量を求める場合を説明する。
予想流入力量の算出条件は、現在の流入量を250[m3/s]とし、3時間前からの現時点での雨量を10,15,20[mm/hr]とし、基底流量(雨が降り始める前の流量)を10[m3/s]とし、流入係数fを0.71とする。図2及び図3のグラフを使用した算出例によれば、まず、3時間の平均降雨量(10+15+20)/3=15[mm/hr]を算出する。
次に、図2に示した流域流入量対流域平均降雨量の関係例において、平均降雨量rに15[mm/hr]を与え、流入係数0.71のときの、流域流入量I=1・f・r・A/3.6を読み取る。この例では、I=686[m3/s]である。現時点の流入量は、現在の流入量−基底流量で与えられるので、250−10=240[m3/s]となる。
次に、図3に示した流量(S/Δt)−(Q/2)、(S/Δt)+(Q/2)と直接流出量Q[m3/s]との関係例において、現時点の流入量の値=240[m3/s]を横軸に与えて(I)のグラフとの交点を求める。この交点の値(真上)にI=686[m3/s]を加え、(II)のグラフの曲線との交点を求める。この交点の座標値を読む。この座標値を読みと、流入量=298[m3/s]が得られる。このように求められた流入量=298[m3/s]の値に基底流量=10[m3/s]を加えると、298+10=308[m3/s]が得られる。これが1時間経過後の予想流入量である。
このように、図2及び図3のグラフを使用して、上記の条件における1時間経過後の予想流入量を求める方法は、手間がかかるもののである。本発明の二級ダム流量予測器1は、このような手間を解消するべく貯留関数法による予測資料をもとに作成されたもので、その形状は図1に示した通りである。
図4は、基本円板11の構成例を示す平面図である。図4に示す基本円板11の中心部には軸孔11aが開口されている。
予想流入量表示部12を成す第1の同心円上には、直接流出量[ダム流入量]をQ[m3/s]とし、みかけの貯留量をS[m3/s・hr]とし、計算単位時間をΔt[hr]としたとき、貯留関数法を用いて算出された(S/Δt)+(Q/2)を1時間後の予想流入量[m3/s]とする数値が目盛りに記されている。10[m3/s]は基底流量である。予想流入量[m3/s]は、10[m3/s]刻みに基底流量=10[m3/s]から最大900[m3/s]に至る目盛りに記されている。
ダム流入量表示部13を成す第2の同心円上には、貯留関数法を用いて算出された(S/Δt)−(Q/2)を現在の流入量(A)とする数値が目盛りに記されている。10[m3/s]は基底流量である。現在の流入量[m3/s]は、10[m3/s]刻みに基底流量=10[m3/s]から最大900[m3/s]に至る目盛りに記されている。
なお、予想流入量表示部12の基底流量=10[m3/s]の目盛りと、ダム流入量表示部13の基底流量=10[m3/s]の目盛りとは、同一半径方向の線上に配置され、それら基点が揃えられている。
図5は、可動円板21の構成例を示す平面図である。図5に示す可動円板21の中心部には軸孔21aが開口されている。また、降雨量表示部23を成す当該可動円板21の右半円周部分には、3時間前から現在までの雨量の3時間平均雨量とする数値が目盛りに記されている。3時間平均雨量[mm/hr]は、等分目盛りに記されており、例えば、5[mm/hr]刻みに0[mm/hr]から80[mm/hr]に至る分だけ目盛りに記されている。この例で、矢印で記した指針24は、窓部22を介してその延長線上に、降雨量表示部23の0[mm/hr]を指すように配置されている。
この例では、流入係数をfとし、3時間平均雨量[mm/hr]を流域平均雨量r[mm/hr]とし、流域平均雨量をr[mm/hr]とし、流域面積をA[km2]とし、流域流入量をIとしたとき、貯留関数法を用いて算出されたI=1・f・r・A/3.6)と、ダム流入量表示部13で選択された現在の流入量である(S/Δt)−(Q/2)とを加算した計算結果値が予想流入量表示部12を成す直接流出量[ダム流入量]Q[m3/s]として直に読み取るように二級ダム流入量予測器10が構成されている。なお、予想流入量表示部12、ダム流入量表示部13及び降雨量表示部23の目盛り間隔と予測時間は、ダム水系流域の地域的地形に応じて設定される。
図6A〜Cは、二級ダム流入量予測器の組立例を示す工程図である。図6Aに示すように、まず、係合用のハトメ31と、直径D1を有した基本円板11と、基本円板11よりも小さな直径D2を有した可動円板21とを準備する。基本円板11は図4に示したように作成する。例えば、矩形状の材料から円形状に基本円板11を切出す。ここに切出された基本円板11の中心部を開口して軸孔11aを形成する。
その後、基本円板11に目盛りを付ける。例えば、図4に示した第1の同心円D11上に、貯留関数法を用いて算出された(S/Δt)+(Q/2)を1時間後の予想流入量[m3/s]とする数値を目盛りに記して予想流入量表示部12を形成する。基底流量を10[m3/s]として、10[m3/s]刻みに10[m3/s]から最大900[m3/s]に至る目盛りを記して予想流入量[m3/s]とする。予想流入量Q=900m3/sの場合の(S/Δt)+(Q/2)=7,600m3/sを340度にとり、それぞれの値が目盛りに記してある。
また、第2の同心円D12上には、貯留関数法を用いて算出された(S/Δt)−(Q/2)を現在の流入量とする数値を目盛りに記して、ダム流入量表示部13を形成する。基底流量を10[m3/s]として、10[m3/s]刻みに10[m3/s]から最大900[m3/s]に至る目盛りを記して現在の流入量[m3/s]とする。なお、予想流入量表示部12の基底流量=10[m3/s]の目盛りと、ダム流入量表示部13の基底流量=10[m3/s]の目盛りとを同一半径方向の線上に配置して、それら基点を揃えるようにする。
可動円板21は、図5に示したように作成する。例えば、矩形状の材料から円形状に可動円板21を切出す。ここに切出された可動円板21の中心部を開口して軸孔21aを形成する。可動円板21の所定の位置に窓部22を開口する。窓部22の開口形状は、扇状となされる。この窓部22は、ダム流入量表示部13の現在のダム流入量を当該可動円板側から読み取るためである。窓部22の扇状の大きさは、基本円板11の目盛りに記されたダム流入量表示部13が露出する程度の開口面積を有していればよい。
また、当該可動円板21の右半円周部分に、3時間前から現在までの雨量の3時間平均雨量とする数値を目盛りに記して降雨量表示部23を形成する。3時間平均雨量[mm/hr]は、等分目盛りに記すようにする。例えば、5[mm/hr]刻みに0[mm/hr]から80[mm/hr]に至る分だけ目盛りに記す。この例で、可動円板21の所定の位置に、指針24を矢印で記すようにする。この位置は、窓部22を介してその延長線上に、降雨量表示部23の0[mm/hr]を指すように位置決めする。
次に、図6Bに示すように、基本円板11と可動円板21とを同軸中心に位置合わせをする。このとき、基本円板11の軸孔11aと可動円板21の軸孔21aとが一致するように重ね合わせる。
その後、図6Cに示すように、基本円板11と可動円板21とを同軸中心でハトメ31により、回転自在に係合する。これにより、図1に示したような二級ダム流入量予測器10が完成する。
続いて、二級ダム流入量予測器10の使用例について説明する。図7は、現在の流入量=50m3/s時の予想流入量読取例を示す平面図である。
この例で、可動円板21の指針24をダム流入量表示部13に目盛りに記された数値を合わせたときの、降雨量表示部23の目盛りに一致する予想流入量表示部12の数値が1時間後における流入量とする計算結果値を読み取るようになされており、流入量を容易かつ簡易に予測できるようになっている。
図7に示す例では、現在の流入量=50m3/sに合わせたときの、「3時間前から現在までの3時間平均雨量[mm/hr]」において、Iaのケースでは、例えば、当該ダム水系流域に、ごく普通に雨が降って、3時間前から現在までの3時間平均雨量が20[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り20[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=110m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。
また、IIaのケースでは、当該ダム水系流域が激しい雨に見舞われ、3時間前から現在までの3時間平均雨量が57[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り57[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=300m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。
更に、IIIaのケースでは、当該ダム水系流域が集中豪雨に見舞われ、3時間前から現在までの3時間平均雨量が80[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り80[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=460m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。
図8は、現在の流入量=100m3/s時の予想流入量読取例を示す平面図である。
図8に示す例では、現在の流入量=100m3/sに合わせたときの、「3時間前から現在までの3時間平均雨量[mm/hr]」において、Ibのケースでは、例えば、当該ダム水系流域に、ごく普通に雨が降って、3時間前から現在までの3時間平均雨量が30[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り30[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=230m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。
また、IIbのケースでは、当該ダム水系流域が激しい雨に見舞われ、3時間前から現在までの3時間平均雨量が45[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り45[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=320m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。
更に、IIIbのケースでは、当該ダム水系流域が集中豪雨に見舞われ、3時間前から現在までの3時間平均雨量が70[mm/hr]となった場合であって、その場合の1時間後におけるダム流入量を予測する場合に、降雨量表示部23の目盛り70[mm/hr]に一致する予想流入量表示部12の数値=500m3/sを読み取ることで、1時間後におけるダム流入量となる計算結果値を取得でき、ダムの水位としての流入量(貯水量)を予測することができる。ダム放流等の洪水対策をとれるようになる。
このように、実施例としての二級ダム流入量予測器10によれば、貯留関数法を用いて算出された1時間経過後の雨水流入量を示す数値が可動円板21の円周方向に沿った目盛りに記された予想流入量表示部12と、この予想流入量表示部12の内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値が目盛りに記されたダム流入量表示部13とが設けられた基本円板11と、この基本円板11に設けられたダム流入量表示部13の現在の流入量を読み取るための窓部22と、3時間前から現在に至るまでの平均降雨量を示す数値が基本円板11の予想流入量表示部12と対峙するように当該円板21の円周方向に沿った目盛りに記された降雨量表示部23とが設けられた可動円板21とが同軸を中心に回転自在に係合された構造を有するものである。
このような構造によって、可動円板21の指針24を窓部22を通して、ダム流入量表示部13に目盛りに記された数値を合わせたときの、降雨量表示部23の目盛りに一致する予想流入量表示部12の値が1時間後におけるダム流入量として容易に算出できるようになる。これにより、1時間後におけるダム水系への雨水流入量を予測できるようになる。
しかも、予想流入量表示部12や降雨量表示部23は、いずれも貯留関数法を用いて記述されているので、予想流入量ソフトを用いて算出した場合と殆ど遜色のない精度でダムへの流入量を予測できる。
また、当該予測器10では、コンピュータを搭載した端末装置を用いることなく、1時間後におけるダム流入量を素早く求めることができるから、特別な知識・技能を有しなくても誰でも利用できる特徴を有する。更に、その構成も2つの円板を用いるだけであるので、極めて小型、軽量、可搬性に富み、使用する場所の制限を受けないなどの大きな特徴を有する。
また、計測すべきダムの水系に合わせて表示目盛りを変更するだけで、そのダムに適した流入量簡易計算器を構成できるため、汎用性の高いダム流入量簡易予測器等を提供できる。なお、2つの円板をプラスチック材で構成すれば、耐久性に優れた流入量簡易計算器を提供できる。しかも、動力源を一切使用しない携帯便利なダム流入量簡易予測器を提供できる。
本発明は、簡単な操作で、1時間後における当該ダム水系へ流入するダム流入量が予測可能な携帯型の二級ダム流入量予測器に適用して極めて好適である。
本発明に係る流入量簡易計算器を応用した実施の形態としての二級ダム流入量予測器10の構成例を示す平面図である。 二級ダム流量計算に係る流域流入量対流域平均降雨量の関係例を示すグラフ図である。 二級ダム流量計算に係る流量(S/Δt)−(Q/2)、(S/Δt)+(Q/2)と、流入量Q[m3/s]との関係例を示すグラフ図である。 基本円板11の構成例を示す平面図である。 可動円板21の構成例を示す平面図である。 (A)〜(C)は、二級ダム流入量予測器10の組立例を示す工程図である。 現在の流入量=50m3/s時の予想流入量読取例を示す平面図である。 現在の流入量=100m3/s時の予想流入量読取例を示す平面図である。
符号の説明
10・・・二級ダム流入量予測器、11・・・基本円板(第1の円板)、12・・・予想流入量表示部、13・・・ダム流入量表示部、21・・・可動円板(第2の円板)、22・・・窓部、23・・・降雨量表示部、24・・・指針、11a,21a・・・軸孔、31・・・ハトメ

Claims (4)

  1. 第1の径を有した第1の円板と、
    前記第1の円板よりも小さな第2の径を有して同軸を中心に回転自在に係合された第2の円板とを備え、
    前記第1の円板には、
    貯留関数法を用いて算出された単位時間経過後の雨水流入量を示す数値を前記第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記した予想流入量表示部と、
    前記予想流入量表示部の内周側の同心円方向に沿って現在のダム流入量を示す数値を目盛りに記したダム流入量表示部とが設けられ、
    前記第2の円板には、
    前記ダム流入量表示部の現在のダム流入量を当該第2の円板側から読み取るための窓部と、
    単位時間前から現在に至るまでの降雨量を示す数値を前記予想流入量表示部と対峙する当該第2の円板の円周方向に沿った目盛りに記した降雨量表示部とが設けられることを特徴とする流入量簡易計算器。
  2. 前記窓部は、
    前記第1の円板のダム流入量表示部に対応した前記第2の円板の所定の位置に扇状に開口され、
    前記窓部に第1の円板に目盛りに記された前記ダム流入量表示部が露出するようになされ、
    前記第2の円板には、
    前記窓部に露出された前記ダム流入量表示部の目盛りを指す指針が設けられることを特徴とする請求項1記載の流入量簡易計算器。
  3. 前記第2の円板の指針を前記ダム流入量表示部の目盛りに記された数値に合わせたときの、前記降雨量表示部の目盛りに一致する前記予想流入量表示部の数値が1時間後における流入量とする計算結果値を読み取られることを特徴とする請求項1記載の流入量簡易計算器。
  4. ダム水系流域の地域的地形に応じて前記予想流入量表示部、ダム流入量表示部及び降雨量表示部の目盛り間隔と予測時間とが設定されることを特徴とする請求項1記載の流入量簡易計算器。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008146467A1 (ja) * 2007-05-24 2008-12-04 Front Co., Ltd. 流量調節弁、流量調節弁のダイヤル位置決定用スケール、ダイヤル位置決定用装置、ダイヤル位置決定用プログラムおよびこのプログラムを記憶した記憶媒体
JP2009153275A (ja) * 2007-12-19 2009-07-09 Chugoku Electric Power Co Inc:The 発生電力計算装置

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