JP2007139928A - 三次元表示装置用有機無機複合材料 - Google Patents

三次元表示装置用有機無機複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、アップコンバージョン発光するものであって、大型化が可能で、容易に製造可能な三次元表示装置用有機無機複合材料および三次元表示装置を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、有機樹脂と、アルミニウム化合物と、希土類元素とを含有し、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することを特徴とする三次元表示装置用有機無機複合材料を提供することにより、上記目的を達成するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、医療分野、建築分野、航空管制システム、分子構造表示等において用いられる三次元表示装置の表示部に好適な三次元表示装置用有機無機複合材料に関するものである。
医療分野におけるCT診断や手術シミュレーション、建築分野におけるCAD、航空管制システムおける航空機の位置表示、科学技術計算における分子構造表示など、多くの分野で三次元情報を取り扱うことが必要不可欠になっている。現在、三次元表示が可能な表示装置としてはCRT(ブラウン管)ディスプレイ、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等が知られているが、これらの表示装置では二次元映像しか表示できないため、遠近法などを利用した疑似三次元表示方式により三次元表示を可能としている。しかしながら、疑似三次元表示方式では上述したような三次元情報を十分に表示するのは困難である。したがって、大量の三次元情報を高速に表示し、前後、左右、上下から自由に観察できる三次元表示装置が望まれている。
一般に人間が対象物を立体視する生理的要因は、(1)両眼視差、(2)両眼のふくそう角、(3)焦点調節(水晶体の調節)、(4)単眼の運動視差といわれる。
従来、三次元表示に用いられてきた方法は、ほとんどが(1)両眼視差のみを実現したものであり、不自然さや極度の疲労感を伴わざるを得ない。また立体知覚の異常といった生理的疾患の原因になっているとも考えられている。最近では、複数の平面スクリーンを重ねて、擬似的に(2)両眼のふくそう角、および(3)焦点調節(水晶体の調節)を満たそうという試みもなされているが十分とは言えず、また(4)単眼の運動視差を実現するまでには至っていない。
立体画像をより忠実に表示する表示装置としては、ホログラフィを利用した表示装置がよく知られている。ホログラフィは、上記の(1)両眼視差、(2)両眼のふくそう角、および(3)焦点調節(水晶体の調節)の三点を満たすことができるが、(4)単眼の運動視差の実現は難しい。また、ホログラフィを利用した表示装置は、光学的な書き込みと再生とを行う必要があり、さらに電子的な架空物体を表示させる場合は膨大な干渉縞の計算を行う必要があり、リアルタイムに動画像表示を行うことは非常に困難である。
また、上記の(1)〜(4)を満足する方法としては、体積走査法(奥行標本化法)が挙げられる。体積走査法は、前後、左右、上下から自由に観察できるという、言わば真の意味での完全な三次元映像を表示する方法である。体積走査法については、(a)バリフォーカル・ミラー方式、(b)移動ディスプレイ方式、(c)移動スクリーン方式、および(d)アップコンバージョン蛍光方式が知られている。
上記(a)バリフォーカル・ミラー方式は、ブラウン管等の画像を前後に振動するミラーの動きに同期させて反射させる方法である。しかしながら、振動するミラーでは像の倍率が変わり、補正が必要である。また、表現できる大きさや画像が見える範囲に限界がある。
上記(b)移動ディスプレイ方式は、立体画像の断面図を表示した発光ダイオードディスプレイ等を高速で移動・回転することにより立体像を表示するものである。また、上記(c)移動スクリーン方式は、移動するスクリーンにレーザー光で立体画像の断面図を描くことで立体的に見せるものである。しかしながら、これらの方式では、移動の方向により立体画像が見える範囲に制限があったり、解像度が異なったりする問題がある。また、表示部内に三次元表示装置の構造部材を内包せざるを得ず、基本的に画像が不鮮明になりやすい。
上記(d)アップコンバージョン蛍光方式は、蛍光体のアップコンバージョン現象を利用して、特に二段階吸収によるアップコンバージョン現象を用いて、実際の発光面に沿って蛍光体を発光させて三次元の画像を表示するものである。
最近では、フッ化物ガラスに蛍光体を析出させたものを表示部とし、この表示部に別々の方向から2つの異なる波長のレーザー光を入射して一点で交差させ、その一点のみを発光させるという方法が提案されている(例えば非特許文献1参照)。この方法では、それぞれのレーザー光を同期させながら水平および垂直方向に走査していくことにより、発光点が移動するので立体的な画像を表示することができる。
しかしながら、表示部はフッ化物ガラスに蛍光体を析出させてなるものであり、大型のものを作製するのは困難である。また、フッ化ガラスの組成により発光色に影響が及ぼされるおそれがあり、目的とする発光色を得られない場合がある。さらに、複数の発光色で立体画像を表示する、すなわち立体画像をカラー表示するためには、三原色の単色光のみを発光する蛍光体を選択し、各蛍光体を析出させたフッ化ガラスをそれぞれ作製し、これらを積層して表示部とする必要があり、製造工程が煩雑である。このため、実用化には至っていない。
そこで、上記課題を解決するために、本発明者は、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光する蛍光体微粒子が、透明液体または透明樹脂に分散された三次元表示装置用蛍光体微粒子分散体を提案した。この三次元表示装置用蛍光体微粒子分散体は、表示装置に用いた場合に、二段階吸収によるアップコンバージョン現象を利用することにより立体画像が表示可能である。また、透明液体や透明樹脂は任意に選択可能であり、媒体による発光色への影響を回避することができる。さらに、上記の非特許文献1に記載のものと比較して、容易に製造可能であり、大型化も可能となる。
しかしながら、この方法で表示部を作製する場合には、まず蛍光体微粒子を合成し、粒径の揃った蛍光体微粒子を得るために分級し、得られた蛍光体微粒子を透明樹脂に練り込むというように製造工程が煩雑となり、上記の非特許文献1に記載の表示部と比較すると製造工程が簡便であるものの、未だ課題が残されている。
また、特許文献1には、有機樹脂と希土類化合物とを混合した場合に、希土類元素が凝集しやすいという課題を解決するために、有機樹脂と、アルミニウム化合物と、希土類元素とを含有する有機無機複合材料が提案されている。この有機無機複合材料は、希土類元素の分散性が優れている。しかしながら、特許文献1は、レンズ等の光学材料に適用される有機無機複合材料に関するものであり、三次元表示装置については一切記載されていない。
特開2005−76002公報 "A Three-Color, Solid-State, Three-Dimensional Display" Elizabeth Downing, Lambertus Hesselink, John Ralston, Roger Macfarlane, p.1185-1188, SCIENCE, Vol. 273, 30 August 1996
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、アップコンバージョン発光するものであって、大型化が可能で、容易に製造可能な三次元表示装置用有機無機複合材料および三次元表示装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、有機樹脂と、アルミニウム化合物と、希土類元素とを含有し、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することを特徴とする三次元表示装置用有機無機複合材料を提供する。
本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料を表示装置に用いた場合には、二段階吸収によるアップコンバージョン現象を利用することにより立体画像を表示することができる。このような三次元表示装置用有機無機複合材料は、例えば有機樹脂とアルミニウム化合物の原料と希土類化合物とを混合することにより製造することができるので、簡便な工程で容易に製造可能であり、大型化が可能である。また、本発明に用いられる有機樹脂は任意に選択可能であり、材料の組成によって発光色に影響が及ぼされるのを回避することができ、目的とする発光色を得ることが可能である。
上記発明においては、上記希土類元素が、エルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。アップコンバージョン発光が可能な希土類元素としては、これらのものが好ましいからである。
本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料は、さらにイッテルビウム(Yb)を含有していてもよい。イッテルビウム(Yb)は光に対する感度が良好であるので、増感剤として用いることができるからである。
また、本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料は、複数の発光色を示すものであってもよい。このような三次元表示装置用有機無機複合材料を用いた三次元表示装置では、カラー表示が可能となる。
さらに本発明は、上述した三次元表示装置用有機無機複合材料を有する表示部と、上記表示部の周囲に配置された2つ以上の赤外光源と、上記赤外光源から発せられた光の方向を制御する制御手段とを有することを特徴とする三次元表示装置を提供する。
本発明によれば、表示部に上述した三次元表示装置用有機無機複合材料を用いているので、表示部の大型化が可能である。また、上述したように三次元表示装置用有機無機複合材料では有機樹脂を任意に選択することができるので、材料の組成によって発光色に影響が及ぼされるのを回避することができる。
本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料は、大型化が可能であり、簡便な工程で容易に製造可能である。また、有機樹脂は任意に選択可能であり、材料の組成によってアップコンバージョン発光の発光色が影響されるのを回避することができ、目的とする発光色を得ることができるという効果を奏する。
以下、本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料および三次元表示装置について詳細に説明する。
A.三次元表示装置用有機無機複合材料
本発明の三次元表示装置用有機無機複合材料(以下、有機無機複合材料と称する場合がある。)は、有機樹脂と、アルミニウム化合物と、希土類元素とを含有し、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することを特徴とするものである。
一般的なアップコンバージョン発光について、図面を参照しながら説明する。図1においては、希土類元素としてエルビウム(Er)を用いた系であり、励起光として1500nmおよび850nmの赤外光を照射した例が示されている。まず、図1(a)に示すように、1500nmの励起光によりエルビウムが励起されて15/2からよりエネルギー準位の高い13/2に移動する。そして、図1(b)に示すように、850nmの励起光によりエルビウムが励起され、さらにエルビウムのエネルギー準位を13/2から3/2に押し上げる。そして、図1(c)に示すように、上記励起されたエルビウムが基底状態に戻る際に、545nmの光を発光する。
このように、1500nmおよび850nmの光で励起されたものが、よりエネルギーの高い545nmの光を発するような場合、すなわち励起光より高いエネルギーを発光するような場合をアップコンバージョン発光というのである。
本発明の有機無機複合材料は、例えばこのようなアップコンバージョン発光を生じる希土類元素等を含有するものであるので、エネルギーの高い光、例えば紫外光等で励起する必要がない。また、有機無機複合材料は三次元表示装置に用いられるものであるので、発光は通常は可視光であることが好ましい。したがって、アップコンバージョン発光の場合は可視光より波長の長い光が励起光として用いられる。このため、励起光波長と発光波長が重なることがほとんどなく、良好な画像表示が得られるのである。
また本発明の有機無機複合材料は、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものである。すなわち、有機無機複合材料は、図2に例示するように波長λの赤外光1および波長λの赤外光2の2種類の励起光により励起されて、波長λの光を発することができる。
このように、2種以上の異なる波長の励起光によりエネルギー準位を経て励起されアップコンバージョン発光する場合を、本発明においては二段階吸収によるアップコンバージョン発光という。
図2に例示したアップコンバージョン発光を示す有機無機複合材料を用いた三次元表示装置について、図3に示す。図3に例示するように、本発明の有機無機複合材料からなる表示部11の一方向から波長λの赤外光15a(図2の赤外光1)を照射し、別の方向から波長λの赤外光15b(図2の赤外光2)を照射して、一点で交差させる。そうすると、赤外光15a(図2の赤外光1)および赤外光15b(図2の赤外光2)が交差した点13が発光する。この際に、図2に例示するアップコンバージョン発光が起こるからである。そして、赤外光15aおよび赤外光15bを同期させながら水平および垂直方向に走査すると、発光点13が立体的に移動するので、三次元の画像を表示することができる。
従来では、有機樹脂と希土類化合物とを混合した場合、希土類元素が均一に分散しにくく凝集するという不具合があったが、本発明においては、有機樹脂と混合する希土類化合物にアルミニウム化合物を加えることにより、希土類化合物を均一に分散させることが可能となり、透明な有機無機複合材料を得ることができる。この理由は明らかではないが、アルミニウム化合物の存在によって、希土類化合物またはその一部がビニル基などの有機基に置換された形態をとり、共有結合やイオン結合、水素結合などによって希土類元素および有機樹脂が均一に混合しているものと推測される。
また、本発明の有機無機複合材料は、例えば有機樹脂とアルミニウム化合物の原料と希土類化合物とを混合することにより製造することができる。したがって、簡便な工程で容易に製造可能であり、大型化が可能である。さらに、使用する有機樹脂は任意に選択可能であり、背景技術の欄に記載したフッ化物ガラスに蛍光体を析出させたもののように材料の組成によって発光色に影響が及ぼされるのを回避することができる。したがって、目的とする発光色を得ることが可能である。
さらに、本発明の有機無機複合材料をカラー表示が可能な三次元表示装置に適用する場合には、例えば三原色の各色に相当する波長でアップコンバージョン発光を示す各希土類元素を含有する有機無機複合材料とすればよい。したがって、カラー表示の三次元表示装置に用いることができる有機無機複合材料を容易に得ることが可能である。
以下、本発明の有機無機複合材料の各構成成分について説明する。
1.希土類元素
本発明の有機無機複合材料は、希土類元素を含有するものである。これは、希土類元素は、励起状態において複数のエネルギー準位をもつものが多く、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものとして好適であるためである。
本発明に用いられる希土類元素は、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光するものであれば特に限定されるものではない。一般的には3価のイオンとなる希土類元素を挙げることができ、中でもエルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)およびセリウム(Ce)が好適に用いられる。これらの希土類元素は、1種類で用いても、2種類以上同時に用いてもよい。
上記希土類元素のアップコンバージョン発光の例として、図4(a)〜(c)にプラセオジウム(Pr)、エルビウム(Er)、およびツリウム(Tm)のアップコンバージョン発光についてそれぞれ示す。また、図示しないが、例えばエルビウム(Er)については、励起光として970nmまたは1500nmの光を照射した場合、アップコンバージョン過程を経て、Er3+イオンのエネルギー準位において、410nm(9/215/2)、545nm(3/215/2)、660nm(9/215/2)などの可視光発光を示す。
有機無機複合材料中の希土類元素の含有量としては、希土類元素の種類、および必要とされる発光の程度によって大幅に異なるものであり、本発明の用途に応じて適宜調整される。
本発明の有機無機複合材料に希土類元素を導入するためには、例えば希土類の塩化物、硝酸塩等の無機酸塩、酢酸塩等の有機酸塩などの水溶性の希土類化合物を用いることができる。水溶性の希土類化合物を用いることによって、任意の量の希土類元素を導入することが可能となる。
希土類元素を導入するために金属塩を用いた場合には、金属塩を凝集させることなく、有機樹脂中に分散させるために、アルコール、グリコール、酢酸、アセチルアセトネートなどを金属塩溶液に添加してもよい。上記の中でも、酢酸やアセチルアセトネートなどは金属塩と錯体を形成するため、希土類元素を高濃度で含有させる場合に有効である。
2.アルミニウム化合物
本発明に用いられるアルミニウム化合物の原料としては、例えばAl(OR(Rはアルキル基を示す。)で表されるアルコキシド、(RO)3−nAlL(Rはアルキル基を示し、n=1〜2であり、Lは配位子を示し、アセチルアセトナ基、エトキシアセチルアセトナ基等である。)で表されるアルコキシドの誘導体、Al(NO・9HOなどの金属塩などが挙げられる。
また、アルミニウム化合物の原料としてベーマイトゾルを用いることができる。ここで、ベーマイトゾルとは、AlO(OH)の分子式で表される物質(粒子)を含むゾルであり、上記のアルコキシド、アルコキシドの誘導体、または金属塩を加水分解して得られる無定形のアルミニウムモノヒドロキシドを加水分解した後に直ちに加熱する等の方法によって得られる容易に解膠しうる粒子を含むものである。ベーマイトゾルは、アルミニウムや水酸基を有しているので、室温にて有機樹脂成分と共有結合や水素結合を形成しやすく、分散性が良好である。また、ベーマイトゾルを作製する際にアルミニウムイソプロポキシドなどのアルコキシドやその誘導体を用いた場合には、アルコキシドやその誘導体がAl−O結合を分子構造として最初からもっているため、架橋しやすく、分散性をさらに良好なものとすることができる。
ベーマイトゾルは、上記のアルコキシド、アルコキシドの誘導体、または金属塩を加水分解することにより作製することができる。具体的には、上記のアルコキシド、アルコキシドの誘導体、または金属塩に、10℃以上100℃未満、好ましくは50℃〜90℃の比較的高温の水を主成分とする水溶液を加えて、30℃以上200℃未満、好ましくは50〜100℃の油浴などで1時間以上、好ましくは10時間〜100時間攪拌を行なう。このときに還流加熱を行なってもよい。使用する水の量としては、上記のアルコキシド、アルコキシドの誘導体、または金属塩に対してモル比で20〜500と比較的多量の水を用いることが好ましい。
また、上記のアルコキシド、アルコキシドの誘導体、または金属塩を加水分解し、さらに酸を加えて解膠することにより、ベーマイトゾルを作製することもできる。
上述の操作によって、水酸化アルミニウムは解膠して、均質な微粒子に変化し、粘性の低いベーマイトを含んだゾルを得ることができる。ゾル中に含まれるベーマイトの濃度は、1×10−6mol/l以上であることが好ましく、より好ましくは1×10−4mol/l以上である。
また、ベーマイトを作製する際に、希土類化合物をあらかじめ比較的高温の水に溶解した水溶液を用いることにより、高濃度で希土類元素を含むベーマイトゾルを得ることができる。
ベーマイトゾルを用いる場合には、水が過剰に存在することから、有機樹脂との相溶性が悪くなる場合がある。この場合には、ベーマイトゾルを調製した後、ベーマイトゾル中の水性溶媒を有機溶剤に置換することが好ましい。例えば、エバポレータを用いて減圧下で、20℃程度のメタノールやn−プロパノールなどのアルコール等により連続的に置換を行い、ベーマイトゾル中の水を除去することにより、有機樹脂成分と混合しやすいベーマイト微粒子を得ることができる。
さらに本発明においては、アルミニウム化合物および希土類元素の原料として、希土類含有アルコキシドまたはその誘導体を用いることができる。希土類含有アルコキシドおよびその誘導体は、図5に例示する希土類−アルミニウム複アルコキシド構造を有しており、有機樹脂中に直接添加することができるという利点を有する。なお図5中、REは希土類元素、Alはアルミニウム、Oは酸素、Rは有機基を示す。有機基Rは、有機樹脂と相溶性を有する官能基、または有機樹脂の原料であるモノマーと重合可能な官能基であることが好ましく、具体的には末端にビニル基、エポキシ基、アルキルシリル基等を有する官能基が挙げられる。有機基Rの具体例を以下に示す。
Figure 2007139928
3.有機樹脂
本発明に用いられる有機樹脂としては、アップコンバージョン発光に影響を及ぼさないものであること、具体的には発光強度を著しく低下させないものであることが好ましい。具体的には、アクリレート樹脂、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリエステル、エポキシ、不飽和エステル、アクリレート、ウレタン、エーテルなどが挙げられる。中でも、有機樹脂の原料として、モノマー状態で添加できるものが好ましく用いられる。
有機樹脂の原料に用いられるモノマーとしては、例えばビニル系モノマーが挙げられる。ビニル系モノマーとしては、メチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸、スチレン等の芳香族ビニル系単量体、アクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、アクリル酸、マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸、イタコン酸エステル類、N−アルキルマレイミド類、N−フェニルマレイミド(PMI)類等が挙げられる。
また、好ましいモノマーとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピレンメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート等のメタクリル酸アルキルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリレート、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アルキルエステル類;スチレン、α−メチルスチレン等の側鎖アルキル置換スチレン、ビニルトルエン等の核アルキル置換スチレン、ブロモスチレン、クロルスチレン等のハロゲン化スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、フマロニトリル、マレオニトリル、α−クロロアクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体などが挙げられる。さらに、マレイン酸、マレイン酸エステル類、イタコン酸およびイタコン酸エステル類、N−アルキルマレイミド類、N−フェニルマレイミド(PMI)類なども好ましい。
4.その他の構成成分
本発明の有機無機複合材料は、イッテルビウム(Yb)を含有していてもよい。イッテルビウム(Yb)は光に対する感度が良好であるので、増感剤として機能するからである。
ここで、上述した2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光する希土類元素と、イッテルビウム(Yb)とを用いた系について説明する。イッテルビウムを励起するとエネルギーが生じるが、このイッテルビウムの励起により生じたエネルギーがエネルギー移動することにより、上記希土類元素のエネルギー準位を押し上げることができる場合がある。これは、イッテルビウムのエネルギー準位と上記希土類元素のエネルギー準位とが近い場合は、エネルギーの移動が起こりうるからである。したがって、例えば2種の異なる波長の励起光を用いる場合は、一方の励起光をイッテルビウムの励起波長の光とし、もう一方の励起光を希土類元素の励起波長の光とすることができるのである。この場合には、イッテルビウムが光に対する感度が良いので、効率的にアップコンバージョン発光することが可能となる。
また本発明においては、有機無機複合材料に、吸水性の向上や硬度の向上などを目的として、シリカ、チタニア、ジルコニアなどを含有させることができる。これらの原料としては、アルコキシドやその誘導体などを用いることができる。例えばシリカを含有させる場合、シリカの原料として、テトラエトキシシランやメチルトリエトキシシラン、あるいは、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)、ビニル基を持ったもの、エチレンオキシド基を有するものなどを用いることができる。メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどは親水基を有し、ベーマイトゾルと水素結合等を形成するので、ベーマイトゾルとの親和性が良好である。
さらに、有機無機複合材料を作製する際には、有機樹脂の原料であるモノマー等を重合させるために、重合開始剤、分子量調節剤、分散剤、その他溶媒等の重合助剤などを添加することができる。重合開始方法としては、加熱による方法、重合開始剤を添加する方法のいずれの方法も採用することができる。
重合開始剤としては、有機過酸化物やアゾ系化合物を挙げることができ、これらの重合開始剤は乳化剤や界面活性剤とともに用いることができる。
アゾ系化合物としては、具体的には2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2´−メチルブチロニトリル)、1,1´アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)等のアゾニトリル類などが挙げられる。また、有機過酸化物としては、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート類等のパーオキシエステル類;ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類;1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等のパーオキシケタール類;などが挙げられる。
分子量調節剤は、重合において有機樹脂の流動性調節のために用いられるものである。具体的には、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;1−メチル−4−イソプロピリデンシクロヘキセン等のモノテルペノイド類;2,4−ジフェニル−4−メチル−1´ペンテン等のスチレンダイマー類;などを挙げることができる。
また、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色防止剤、帯電防止剤、蛍光塗料、離型剤、その他の安定剤等を添加してもよい。
5.有機無機複合材料
本発明の有機無機複合材料は、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することが可能であり、かつ所定の範囲内の波長の光により励起されるものであれば特に限定されるものではない。このような有機無機複合材料を用いた三次元表示装置では、有機無機複合材料の二段階吸収によるアップコンバージョン現象を利用することにより立体画像を表示することが可能となる。
また本発明の有機無機複合材料をカラー表示が可能な三次元表示装置に適用する場合には、有機無機複合材料が複数の発光色を示すことが好ましい。この場合、特に三原色の赤・緑・青の発光色を示すことが好ましい。例えば複数の希土類元素を含有する有機無機複合材料とすることにより複数の発光色を得ることができる。
この際、有機無機複合材料に含有される複数の希土類元素は、それぞれ異なる波長の光で励起されアップコンバージョン発光するものであることが好ましい。本発明の有機無機複合材料を用いた三次元表示装置では、例えば2つの赤外光を走査することにより発光点を立体的に移動させるので、ほぼ同一の波長の光により励起されアップコンバージョン発光する希土類元素を複数用いると、各色の発光点を別々に移動させることが困難となるからである。
1種の希土類元素を励起してアップコンバージョン発光させるには、上述したように2種以上の波長の異なる赤外光を照射することから、それぞれの希土類元素をアップコンバージョン発光させるために用いる励起光の波長が、それぞれ異なることが好ましい。具体的には±5nm以上異なることが好ましく、より好ましくは±10nm以上で異なることが好ましい。
このように本発明の有機無機複合材料をカラー表示が可能な三次元表示装置に適用する場合には、希土類元素をアップコンバージョン発光させる励起光の波長を考慮して、希土類元素の種類が適宜選択される。
希土類元素をアップコンバージョン発光させる励起光の波長の範囲としては、赤外領域であることが好ましく、少なくとも700nm〜2000nmの範囲内の波長であり、中でも700nm〜1800nmの範囲内、特に800nm〜1600nmの範囲内の波長であることが好ましい。
また、本発明の有機無機複合材料は透明であることが好ましい。有機無機複合材料が不透明であると、三次元表示装置に用いた場合に表示品質が低下するおそれがあるからである。具体的には、有機無機複合材料の可視領域における平均透過率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは中でも60%以上、最も好ましくは70%以上である。
なお、上記平均透過率は、有機無機複合材料を用いて厚み1mmの成形品を作製し、波長380nm〜800nmの範囲内において、島津製作所(株)社製 UV−3100を用いて測定した値の平均値とする。
さらに、有機無機複合材料は、ヘイズ(曇度)が50%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以下、最も好ましくは30%以下である。
なお、上記ヘイズは、有機無機複合材料を用いて厚み1mmの成形品を作製し、JIS K 7105に準拠して測定した値である。
本発明の有機無機複合材料は、アルミニウム化合物や、希土類化合物として導入された希土類元素が、有機樹脂中の酸素原子などと配位結合や水素結合を形成しており、余分な水分や溶剤を除去した後にも有機樹脂内にとどまっているものである。
B.三次元表示装置
次に、本発明の三次元表示装置について説明する。本発明の三次元表示装置は、上述した有機無機複合材料を有する表示部と、上記表示部の周囲に配置された2つ以上の赤外光源と、上記赤外光源から発せられた光の方向を制御する制御手段とを有することを特徴とするものである。
図3に本発明の三次元表示装置の一例を示す。図3に示すように、本発明の三次元表示装置10は、有機無機複合材料からなる表示部11と、この表示部11の周囲に配置された2つの赤外光源12a,12bとを有している。赤外光源12a,12bはそれぞれ異なる波長の赤外光15a,15bを発するものである。さらに、赤外光源12a,12bは移動可能であり、赤外光15a,15bの方向を任意に変えることができる。この三次元表示装置10では、赤外光源12a,12bを移動する手段が赤外光15a,15bの方向を制御する制御手段となっている。
赤外光源12a,12bにより表示部11に対して互いに異なる方向から赤外光15a,15bを照射し、赤外光15aと赤外光15bとを交差させると、交差した点13が発光する。これは、有機無機複合材料に含まれる希土類元素が、異なる波長の赤外光15a,15bによって励起され、すなわち例えば図2に示すように二段階吸収により励起されアップコンバージョン発光するからである。そして、赤外光源12a,12bは移動可能であるので、赤外光源12a,12bを移動させ、赤外光15a,15bを同期させながら水平および垂直方向に走査することにより、表示部11内で発光点13を前後、左右、上下に移動させることができる。これにより、本発明においては立体画像の表示が可能となる。
本発明においては、表示部に上述した有機無機複合材料を用いているので、表示部の大型化が容易である。また、この有機無機複合材料では、有機樹脂を任意に選択することができるので、材料の組成によって発光色に影響が及ぼされるのを回避することができる。
さらに、カラー表示が可能な三次元表示装置とする場合には、複数の発光色が得られるように材料を調製する必要があるが、本発明においては、複数の希土類元素を含有し、複数の発光色を示す有機無機複合材料を用いるか、あるいは、1種の希土類元素を含有し、単一の発光色を示す有機無機複合材料を複数用いればよく、カラー表示が可能な三次元表示装置の表示部を簡便な工程で容易に得ることが可能である。
以下、本発明の三次元表示装置の各構成について説明する。
1.表示部
本発明に用いられる表示部は、有機無機複合材料を有するものである。
上記有機無機複合材料はそれ自体が固体状となるので、通常、表示部は有機無機複合材料からなるものとなる。例えば、光硬化、プレス成形、射出成形等の成形方法によって、有機無機複合材料からなる表示部を作製することができる。
表示部の大きさとしては、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択される。
本発明において、カラー表示が可能な三次元表示装置とする場合には、複数の希土類元素を含有し、複数の発光色を示す有機無機複合材料を用いるか、あるいは、1種の希土類元素を含有し、単一の発光色を示す有機無機複合材料を複数用いることが好ましい。
1種の希土類元素を含有し、単一の発光色を示す有機無機複合材料を複数用いる場合、各有機無機複合材料は、それぞれ三原色の赤・緑・青の発光色を示すことが好ましい。またこの場合、各有機無機複合材料に含有される希土類元素は、それぞれ異なる波長の光で励起されアップコンバージョン発光するものであることが好ましい。本発明の三次元表示装置では、例えば2つの赤外光を走査することにより発光点を立体的に移動させるので、ほぼ同一の波長の光により励起されアップコンバージョン発光する希土類元素を複数用いると、各色の発光点を別々に移動させることが困難となるからである。
1種の希土類元素を励起してアップコンバージョン発光させるには、上述したように2種以上の波長の異なる赤外光を照射することから、それぞれの希土類元素をアップコンバージョン発光させるために用いる励起光の波長が、それぞれ異なることが好ましい。具体的には±5nm以上異なることが好ましく、より好ましくは±10nm以上で異なることが好ましい。
なお、複数の希土類元素を含有し、複数の発光色を示す有機無機複合材料については、上記「A.有機無機複合材料」の項に記載したので、ここでの説明は省略する。
また、有機無機複合材料については、上記「A.有機無機複合材料」の項に記載したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
2.赤外光源
本発明に用いられる赤外光源は、少なくとも2つ必要であり、表示部の周囲に配置され、赤外光が発せられるものである。
赤外光源は2つ以上であれば、その数としては特に限定されないが、通常は偶数となる。本発明においては、二段階吸収による励起によってアップコンバージョン発光する現象を利用する場合が多いことから、例えば1色の発光を得るためには2つの赤外光源が必要となり、3色の発光を得るためには6つの赤外光源が必要となる。なお、この赤外光源は1種の波長の赤外光のみを発するものである。
また、発光光源としては赤外光を発するものであれば特に限定されるものではなく、例えば半導体レーザー等を用いることができる。また、例えば図6に示すように赤外光源12a,12bが複数の半導体レーザーがアレイ状に配置されたレーザーアレイであってもよい。
また、本発明の三次元表示装置は、例えば図3に示すように2つの赤外光源12a,12bから発せられたそれぞれの赤外光15a,15bの交差点13を発光させるものであることから、赤外光15a,15bのそれぞれの方向が一直線状とならないように赤外光源12a,12bを配置することが好ましい。赤外光15a,15bの方向が一直線状になると、赤外光15a,15bが交差した部分は発光するので、線状に発光が観察されてしまうからである。よって、赤外光15a,15bを同期させながら水平および垂直方向に走査する際にも、赤外光15a,15bの方向が一直線状にならないように走査することが好ましい。
3.制御手段
本発明における制御手段は、赤外光源から発せられた光の方向を制御するものであれば特に限定されるものではない。制御手段は、例えば図3に示すように赤外光源12a,12bを移動させることにより赤外光15a,15bの方向を制御するものであってもよく、また例えば図7に示すように赤外光源12a,12bの近傍に鏡16a,16bが配置されており、鏡16a,16bの角度や位置を変えることにより赤外光15a,15bの方向を制御するものであってもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
Erを10mol%、Alを10mol%、メチルメタクリレートを80mol%の配合比で有機無機複合材料を作製した。
アルミニウムイソプロポキシド:1モル部に、酢酸エルビウム1.5水塩:1モル部を水400モル部に溶解した80℃の温水を加えて加水分解を行い、次いで1規定の硝酸を添加してさらに80℃で76時間攪拌して解膠をおこない、エルビウムを含有したベーマイトゾルを作製した。
次に、ベーマイトゾルを減圧エバポレータで55℃にて24時間還流し、水を除去した。得られたベーマイトゾルに対して、エルビウムとのモル比が1:8の比率で、メチルメタクリレート(MMA)と紫外線硬化剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製イルガキュア500)を添加して混合した。
得られた混合液を、紫外線透過性の成形型に移し、窒素パージを行なって酸素を除去した後、照射強度0.6W/cmの紫外線ランプで24時間照射した後、140℃まで2℃/minで昇温後2時間保持することで有機無機複合材料を得た。
[実施例2]
Erを1mol%、Alを1mol%、メチルメタクリレートを98mol%の配合比で有機無機複合材料を作製した。
実施例1と同様にして、エルビウムを含有したベーマイトゾルを作製した。
次に、ベーマイトゾルを減圧エバポレータで55℃にて24時間還流し、水を除去した。得られたベーマイトゾルに対して、エルビウムとのモル比が1:98の比率で、メチルメタクリレート(MMA)と紫外線硬化剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製イルガキュア500)を添加して混合した。
そして、実施例1と同様にして、有機無機複合材料を得た。
[実施例3]
Erを0.1mol%、Alを0.1mol%、メチルメタクリレートを99.8mol%の配合比で有機無機複合材料を作製した。
実施例1と同様にして、エルビウムを含有したベーマイトゾルを作製した。
次に、ベーマイトゾルを減圧エバポレータで55℃にて24時間還流し、水を除去した。得られたベーマイトゾルに対して、エルビウムとのモル比が0.1:99.8の比率で、メチルメタクリレート(MMA)と紫外線硬化剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製イルガキュア500)を添加して混合した。
そして、実施例1と同様にして、有機無機複合材料を得た。
[評価]
実施例1〜3にて得られた有機無機複合材料に、二種の赤外光レーザーが交差するように照射した。一方の赤外光レーザーとしては波長860nm付近の半導体レーザーを使用し、他方の赤外光レーザーとしては波長1550nm付近の半導体レーザーを使用した。その結果、2種の赤外光レーザーの交点において、Er3+の550nm付近の緑色発光が観測された。
アップコンバージョン発光を説明するための説明図である。 アップコンバージョン発光を説明するための説明図である。 本発明の三次元表示装置の一例を示す斜視図である。 アップコンバージョン発光を説明するための説明図である。 希土類含有アルコキシドの構造を示す模式図である。 本発明の三次元表示装置の他の例を示す斜視図である。 本発明の三次元表示装置の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
10 … 三次元表示装置
11 … 表示部
12a,12b … 赤外光源
15a,15b … 赤外光

Claims (5)

  1. 有機樹脂と、アルミニウム化合物と、希土類元素とを含有し、2種以上の異なる波長の光により励起されてアップコンバージョン発光することを特徴とする三次元表示装置用有機無機複合材料。
  2. 前記希土類元素が、エルビウム(Er)、ホロミウム(Ho)、プラセオジウム(Pr)、ツリウム(Tm)、ネオジウム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ユウロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)およびセリウム(Ce)からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の三次元表示装置用有機無機複合材料。
  3. さらにイッテルビウム(Yb)を含有することを特徴とする請求項2に記載の三次元表示装置用有機無機複合材料。
  4. 複数の発光色を示すことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の三次元表示装置用有機無機複合材料。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載の三次元表示装置用有機無機複合材料を有する表示部と、前記表示部の周囲に配置された2つ以上の赤外光源と、前記赤外光源から発せられた光の方向を制御する制御手段とを有することを特徴とする三次元表示装置。
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