以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<本発明の原理>
図1は、本発明に係る遠隔制御システムを構成する遠隔制御送信機、遠隔制御受信機および遠隔制御システムが適用された表示装置の要部概略を示す概念図であり、(A)は遠隔制御信号を送信する前に表示装置の表示画面に表示されたカーソルの位置状態を示し、(B)は遠隔制御信号が送信された後に表示装置の表示画面に表示されたカーソルの位置状態を示す。
本発明に係る遠隔制御システム1(以下単にシステム1と記載することもある。)は、いわゆる赤外線光学式のリモートコントローラシステム(赤外線リモコンシステム)であり、遠隔制御信号としての位置検出光信号LSpを送信する光学式の遠隔制御送信機2(以下単に送信機2と記載することがある。)および位置検出光信号LSpを受信してその大きさから遠隔制御の指示内容(送信機2の変位)を把握(検出)する遠隔制御受信機3(以下単に受信機3と記載することがある。)を主要構成とする。なお、送信機2は使用状態での垂直方向の上方側から見た平面(上面)図を示す。
本発明では、システム1により遠隔制御されるのは、表示装置4の表示画面4dに表示される例えばポインタなどのカーソル4pである。表示装置4は、画像、データなどの情報を表示するモニタ、あるいはテレビジョン受像機などである。なお、表示画面4dは垂直方向に平面を有する使用状態を水平方向から見た正面図を示している。
受信機3の受光部3pは、表示装置4の前面枠部に配置(内蔵)してあるが、受光部3pを表示画面4dに重ねて配置することも可能である。なお、受信機3の主要構成は表示装置4の内部に配置(内蔵)してある。
送信機2は、空間で操作(例えば、走査、首振り)されることから、第1軸方向X(例えば水平方向に対応)、第2軸方向Y(例えば垂直方向に対して直交する垂直方向に対応)、あるいはこれらに対して傾斜する方向に送信機2の中心軸Axcを自在に走査させる(送信機2の首を自在に振る)ことができる。
なお、第1軸方向Xと第2軸方向Yは直交させて規定することが好ましい。しかし、これに限らず直交に近い状態で第1軸方向Xでの光信号と第2軸方向Yでの光信号を区別して検出できる状態で交差していれば良い。
システム1は、送信機2から送信された位置検出光信号LSpを受信機3に受信させ、受信(受光して検出)した位置検出光信号LSp(遠隔制御信号)の内容(絶対値の大小、相対比)に基づいて送信機2の走査状態を検出し、走査状態(例えば、右方向への首振り走査、左方向への首振り走査)に応じて表示装置4の表示画面に表示されるカーソル4pの位置を制御する構成としてある。
同図(A)は移動する前のカーソル4paを示し、同図(B)は移動した後のカーソル4pbおよび移動軌跡4pcを示している。つまり、送信機2が右方向へ走査された場合には、走査に対応させて表示画面4dに表示されたカーソル4pを画面上で左側(カーソル4pa)から右側(カーソル4pb)へ走査させる。
送信機2は位置検出光信号LSpの送信方向に対応させて位置の基準となる基準軸としての中心軸Axcを有している。送信機2の中心軸Axcと交差する第1軸方向Xとしての水平方向上で中心軸Axcに対して対称的に第1発光素子LED1および第2発光素子LED2が相互に離れて配置してある。つまり、中心軸Axcと水平方向Xとの交点を原点として規定でき、第1発光素子LED1および第2発光素子LED2は原点に対して対称的に配置されている。
なお、ここ(原理の説明)では、簡単のために第1発光素子LED1および第2発光素子LED2による水平方向(表示画面4dの横方向)でのカーソル4pの遠隔制御について説明する。
第1発光素子LED1は光軸Ax1および光強度分布特性LD1を有する。第2発光素子LED2は光軸Ax2および光強度分布特性LD2を有する。光軸Ax1、Ax2は中心軸Axcに対してそれぞれ反対方向に傾斜していることが感度および精度を向上させるためには好ましいがこれに限るものではない。例えば、第1発光素子LED1および第2発光素子LED2の間隔を大きくすることによっても同様に作用させることが可能となる。
また、光強度分布特性LD1、LD2はほぼ同等の特性であることが感度および精度を向上させるためには好ましいがこれに限らず相対関係が特定されていれば良い。
同図(A)の状態では、中心軸Axc(送信機2)が受光部3pに対して正対していることから、第1発光素子LED1および第2発光素子LED2から送信された各位置検出光信号LSp(第1発光素子LED1による位置検出光信号を第1光信号LS1、第2発光素子LED2による位置検出光信号を第2光信号LS2とするが、区別する必要がない場合には単に位置検出光信号LSpとする。)に対して、受信機3で受信される各位置検出光信号LSpの大きさはほぼ同等な位置検出受信信号Sr(実施の形態1、図4参照)および位置検出出力信号Sp(実施の形態1、図4参照参照)として検出される。したがって、カーソル4pは移動前の状態(カーソル4pa)を維持(表示)することとなる。
なお、図上では、受光部3pに対して中心軸Axcを傾斜して記載していることから、受光部3pに対して正対していないように見えるが、実際のシステム1では、送信機2と受光部3pとの距離が送信機2および受光部3pの構成に比較して十分長いことから、上述したとおり、第1発光素子LED1および第2発光素子LED2から送信された各位置検出光信号LSpは受信機3でほぼ同等として検出されるので送信機2は受光部3pに対して正対しているとして扱うことができる。
次に、送信機2を水平方向に移動させて第1発光素子LED1の光軸Ax1を受信機3の受光部3pに例えば正対させると第1発光素子LED1からの光量(第1光信号LS1)が第2発光素子LED2からの光量(第2光信号LS2)より多くなることから、送信機2が右方向に移動したことを受光部3p(受信機3)により検出することができる。
同図(B)の状態は、送信機2を移動させたことにより、カーソル4pの位置が移動軌跡4pcで示すように移動制御され、移動後のカーソル4pbとして表示された状態を示している。
なお、第1発光素子LED1からの第1光信号LS1と第2発光素子LED2からの位置検出光信号LSpとの区別は、発光するタイミングを互いに異ならせることにより行なうことができる。つまり、送信機2は、第1発光素子LED1および第2発光素子LED2を時分割駆動方式により駆動することにより、パルス位置変調(PPM)信号としての位置検出光信号LSpを送信できる構成としてある。パルス位置変調とすることにより、外乱光、EMC(電磁環境)ノイズなどの影響を回避することが可能となる。
本原理の説明では、水平方向に配置した第1発光素子LED1および第2発光素子LED2による水平方向でのカーソル4pの制御について述べたが、垂直方向に同様に発光素子(第3発光素子LED3および第4発光素子LED4。実施の形態1、図2参照)を配置することにより、水平方向と同様に垂直方向でのカーソル4pの制御を行なうことが可能となる。つまり、表示画面4dの2次元平面でのカーソル4pの位置の移動制御が可能となる。
表示装置4は、表示画面4dに表示されたカーソル4pの位置を光学式の遠隔制御システム1を適用して制御することにより、カーソル4pの位置を高精度でかつ容易に制御することが可能となる。
<実施の形態1>
図2は、本発明の実施の形態1に係る遠隔制御送信機の外観概要を示す説明図であり、(A)は使用状態での垂直方向の上方側から見た平面(上面)図であり、(B)は(A)の矢符B方向から見た正面図である。
送信機2の中心軸Axcと送信機2の先端部2t(受光部3pに対向させる送信機2の正面部)の第1軸方向X(水平方向に対応)との交点を中心として左右対称に第1発光素子LED1(正面図で右側に配置)および第2発光素子LED2(正面図で左側に配置)が送信機2の先端部2tに配置してある。
第1発光素子LED1および第2発光素子LED2は中心軸Axcに対して相互に反対側に傾斜する光軸Ax1および光軸Ax2を構成するように先端部2tに適宜形成された傾斜面に配置してある。光軸Ax1および光軸Ax2を中心軸Axcに対して相互に反対側に傾斜させるのは、原理の説明において記載したとおり検出精度および検出感度を向上させるためである。
第1発光素子LED1および第2発光素子LED2は異なるタイミングで位置検出光信号LSp(第1光信号LS1、第2光信号LS2。図3参照)を発光する構成としてある。
第1軸方向Xと交差する(ここでは簡単のために直交させている)第2軸方向Y(垂直方向に対応)についても、第1軸方向Xの場合と同様に中心軸Axcと第2軸方向Yとの交点を中心として上下対称に第3発光素子LED3(正面図で上側に配置)および第4発光素子LED4(正面図で下側に配置)が送信機2の先端部2tに配置してある。
第3発光素子LED3および第4発光素子LED4は中心軸Axcに対して相互に反対側に傾斜する光軸Ax3および光軸Ax4を構成するように先端部2tに適宜形成された傾斜面に配置してある。光軸Ax3および光軸Ax4を中心軸Axcに対して相互に反対側に傾斜させるのは、光軸Ax1および光軸Ax2と同様に検出精度および検出感度を向上させるためである。
第3発光素子LED3および第4発光素子LED4は異なるタイミングで位置検出光信号LSp(第3光信号LS3、第4光信号LS4。図3参照)を発光する構成としてある。
第1発光素子LED1および第2発光素子LED2により水平方向(左右方向)での送信機2の移動状態(首振り状態、振り角θ)を検出することができ、第3発光素子LED3および第4発光素子LED4により垂直方向(上下方向)での送信機2の移動状態(首振り状態、振り角θ)を検出することができる。水平方向および垂直方向での送信機2の移動状態をそれぞれ検出することができることから、これらを合成することにより、送信機2の2次元での移動を検出することができるので、カーソル4pの表示画面4d上での位置の移動制御を2次元的に行なうことができる。
先端部2tは、中心軸Axcと直交する平面(第1軸方向Xと第2軸方向Yとが交差して形成する平面と平行な平面)上に位置検出光信号LSpの発光周期(検出周期)Tc(図3参照)の開始を示す検出開始光信号LSs(図3参照)を発光する開始信号発光素子LEDsを備える。
送信機2の本体部2bは、発光制御ボタン2swを備える。発光制御ボタン2swをオン(例えば押圧)することにより送信機2の移動(首振り)状態の検出が開始されシステム1(受信機3。図4参照)は送信機2の移動状態の検出(カーソル4pの位置の移動制御)を開始する。つまり、開始信号発光素子LEDsおよび第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4が順次駆動され、検出開始光信号LSs、位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4が順次発光され、受光部3pに向けて送信される。
上述したとおり、送信機2には位置検出用の4つの発光素子(第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4)と検出周期の開始を示す1つの発光素子(開始信号発光素子LEDs)が搭載してある(以下、特に区別する必要が無い場合には単に発光素子LEDと記載する)。
なお、第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4の配置は、十字型の配置に限定するものではない。例えばT字型、L字型に配置することも可能である。つまり、第1軸方向X、第2軸方向Yそれぞれにおいて、対応する2つの発光素子LEDが中心軸Axcに対して対称的に配置してあれば良い。
図3は、本発明の実施の形態1に係る遠隔制御送信機の位置検出発光部の概略構成を示す説明図であり、(A)は位置検出発光部の概略回路図、(B)は各発光素子から発光される光信号の発光タイミングを示す波形図である。
送信機2は、電源としての電池Batを内蔵し、電池Batに位置検出発光部2dが接続してある。位置検出発光部2dは、発光素子LED(開始信号発光素子LEDsおよび第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4)および発光素子LEDを駆動制御する発光素子制御部2dcを備える。
発光素子制御部2dcは、発光素子LEDが適宜のタイミングで発光するようにスイッチング素子Qs、Q1、Q2、Q3、Q4により発光素子LEDを駆動制御する。開始信号発光素子LEDsはスイッチング素子Qsにより駆動制御され検出開始光信号LSsを発光する。また、第1発光素子LED1はスイッチング素子Q1により、第2発光素子LED2はスイッチング素子Q2により、第3発光素子LED3はスイッチング素子Q3により、第4発光素子LED4はスイッチング素子Q4によりそれぞれ駆動制御され位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4をそれぞれ発光する。
発光制御ボタン2swが押圧される(オンされる)と、開始信号発光素子LEDsが駆動され検出開始光信号LSsが発光周期(検出周期)Tc、発光パルス幅Tssで発光する。検出開始光信号LSsの後に続いて、発光周期Tc内で第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4がパルス位置変調により時分割駆動方式で順次駆動される。
つまり、第1発光素子LED1から第1光信号LS1、第2発光素子LED2から第2光信号LS2、第3発光素子LED3から第3光信号LS3、第4発光素子LED4から第4光信号LS4がそれぞれ発光パルス幅Tsで発光される。図では、1周期分のみを示すが、適宜の回数繰り返すことにより、精度の高い検出を行なうことができる。なお、検出開始光信号LSs、第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4それぞれの間には適宜の無信号期間Tn(図5参照)を設けてある。
発光パルス幅Tssと発光パルス幅Tsとは、互いに異ならせることにより発光周期Tcの開始を確実に検出することが可能となり、受信機3での正確な信号処理が可能となる。また、発光パルス幅Tsは第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4について同一であることが信号処理の容易さから好ましいが完全に一致させる必要はない。
第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4の発光強度Lpは同一であることが好ましいが、これに限らない。つまり、相対関係が明確であり固定してあれば良い。しかし、同一の軸方向(X、Yそれぞれ)で対応する関係にある第1光信号LS1と第2光信号LS2、第3光信号LS3と第4光信号LS4のそれぞれについては発光強度Lpを同一とすることが好ましい。
なお、検出開始光信号LSsの発光強度Lpsは、受信機3で検出可能な値であれば良く、発光強度Lpsと発光強度Lpを同一とすれば発光素子制御部2dcの回路構成を簡単にすることができる。発光強度Lp、Lpsの絶対値については、システム1の仕様を考慮して実験的に求めれば良い。
開始信号発光素子LEDsは最初に発光させる必要があるが第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4の発光の順番は先端部2tでの対応する配置が明確であれば、どのような順番でも良い。
検出開始光信号LSsおよび位置検出光信号LSp(第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4)は、一般的な赤外線リモコンシステムと同様にパルス位置変調してある。また、適宜の高周波の変調波(搬送波)を重畳させて周波数変調した状態で発光素子LEDを駆動制御することにより、周囲環境からのノイズの影響を防止する構成としてある。
なお、位置検出発光部2dから発光された検出開始光信号LSs、および位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4を特に区別する必要がない場合には単に光信号LSとすることがある。
図4は、本発明の実施の形態1に係る遠隔制御受信機の概略回路構成およびカーソル制御部を説明する回路ブロック図である。
位置検出発光部2dから発光された光信号LS(検出開始光信号LSs、および位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4)は、受信機3の受光部3pが備えるフォトダイオード3pdで受光され、光電変換されて受光信号Sdとして受光信号処理部31へ入力される。
受光信号処理部31は、一般的な赤外線リモコンシステムで用いられる受光ユニットで構成されている。つまり、受光信号処理部31の前段部分に、受光信号Sdを増幅して確実な信号処理ができるように一定の範囲(振幅)の信号とする増幅器31a、増幅器31aに帰還接続され信号の振幅を一定の範囲に調整するリミッタ31b、信号処理を容易にするために増幅器31aの出力を増幅して適宜の振幅の信号とする増幅器31cおよび増幅器31d、増幅器31dから入力された信号に周波数フィルタを施して所定の周波数の信号のみを通過させてノイズを低減するバンドパスフィルタ31e、増幅器31cおよび増幅器31dのゲインを調整するゲイン調整回路31fを備える。なお、バンドパスフィルタ31eにより、変調波の周波数(変調周波数)から離れた周波数成分のノイズを大幅に軽減することができる。
バンドパスフィルタ31eは、位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4にそれぞれ対応する第1受信信号Sr1、第2受信信号Sr2、第3受信信号Sr3、第4受信信号Sr4を位置検出受信信号Srとして出力する。つまり、受信信号Sr処理部31は、第1受信信号Sr1ないし第4受信信号Sr4を位置検出受信信号Srとして検出することとなり、位置検出受信信号Srは、バンドパスフィルタ31eから変位検出部32に入力される。
ゲイン調整回路31fは、検出した位置検出受信信号Sr(バンドパスフィルタ31eの出力)に対応させた帰還制御量により増幅器31cおよび増幅器31dのゲイン(増幅率)を調整する構成としてある。時分割駆動方式で発光された光信号LS(検出開始光信号LSs、および位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4)の各周期は、ゲイン調整回路31fが機能する高いデュ−ティ比に設定してある。また、ゲイン調整回路31fは、少なくとも発光周期Tc程度以下で迅速にゲインを低減することが可能な高速応答の回路構成としてある。
ゲイン調整回路31fの回路構成により、受光部3pのフォトダイオード3pdにデュ−ティ比の高い連続的な外乱光ノイズ(例えばインバ−タ蛍光灯からの外乱光ノイズ)が一定値以上の光量で一定値以上のデュ−ティ比で入力された場合、増幅器31cおよび増幅器31dのゲインを低減することが可能となる(インバ−タ蛍光灯などからの外乱光ノイズ対策)。
また、ゲイン調整回路31fの回路構成により、近距離に配置された送信機2(位置検出発光部2d)から発光された光信号LSを受光したとき、過大な受光量による受光信号処理部31(増幅器31c、31d)で生じる飽和現象を低減することが可能となる(増幅器飽和現象対策)。高速応答する構成としてあることから、ゲインを低減させた場合に受信初期(発光周期Tcの数サイクル程度)で受光した光信号LSに対応する位置検出受信信号Srの振幅変動期間を短く抑えることが可能となる。
変位検出部32は、出力検出部33、ノイズフィルタ34、AD変換部35、演算処理部36で構成され、適宜の信号処理を施すことが可能な構成としてある。
出力検出部33は、位置検出受信信号Srに後述する波形変形処理(図5参照)を施して、第1受信信号Sr1、第2受信信号Sr2、第3受信信号Sr3、第4受信信号Sr4にそれぞれ対応する第1出力信号Sp1、第2出力信号Sp2、第3出力信号Sp3、第4出力信号Sp4を位置検出出力信号Spとして求める。出力検出部33は、変調波を含む位置検出受信信号Srの変調波を除去して包絡線を求める包絡線波形変形回路(図6参照)として構成してある。つまり、位置検出出力信号Spを振幅値(第1出力信号Sp1、第2出力信号Sp2、第3出力信号Sp3、第4出力信号Sp4のそれぞれの振幅値)に変換して求めることが可能となる。
ノイズフィルタ34は、CRフィルタやLCフィルタなどで構成され、バンドパスフィルタ31eで除去できなかったノイズを位置検出出力信号Spから除去するものであり、包絡線(位置検出出力信号Spの振幅値)の精度をさらに向上することができる。
AD変換部35は、アナログ値として得られる位置検出出力信号Spの振幅値をデジタル値に変換するものであり、これにより演算処理部36での演算(デジタル演算)を容易に行なうことが可能となる。
演算処理部36は、デジタル変換された位置検出出力信号Spに対してデジタル演算を施すことにより、送信機2の移動状況(変位)を検出し、カーソル4pの位置を制御するカーソル制御部40に制御信号(演算出力Sop。図7参照)を出力する。カーソル制御部40は演算処理部36からの演算出力Sopに基づいて表示画面4dに表示されているカーソル4pの位置を制御する。
演算処理部36およびカーソル制御部40は受信機3または表示装置4が内蔵する中央演算処理装置(CPU:マイクロコンピュータ)を併用して構成することも可能である。CPUによれば、カーソル4pの位置制御をコンピュータプログラムに基づいて行なうことが可能となる。
なお、受光信号処理部31の後段部分に配置された検波回路(第1検波回路31g、第2検波回路31h)、OR回路31i、積分回路(2重積分回路31j)、コンパレータ(ヒステリシスコンパレータ31k)は、通常の赤外線リモコンシステムでコマンド送信された信号の復調処理を行なうものである。ヒステリシスコンパレータ31kの2入力端子の一方は閾値レベル設定端子31mとして適宜コンパレータ特性を調整できるようにしてある。ヒステリシスコンパレータ31kの出力端子31nからは、通常の赤外線リモコンシステムで送信されたコマンド送信信号に対応するコマンド受信信号が出力されることから、通常の赤外線リモコンシステムのコマンド操作を行なうことが可能である。
また、受光信号処理部31の後段部分(検波回路、積分回路、コンパレータなど)を設けずに受光信号処理部31の前段部分のみで構成し、遠隔制御システム1専用の受光信号処理部31とすることも可能である。
図5は、図3に示した位置検出発光部から発光された光信号と図4に示した受信機で受光検出した位置検出受信信号および位置検出出力信号の波形を示す波形図であり、(A)は光信号、(B)は位置検出受信信号、(C)は位置検出出力信号を示す。
光信号LSは、上述したとおり、検出開始光信号LSs、および位置検出光信号LSpとしての第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4で構成される。本実施の形態では簡単のために検出開始光信号LSsの発光強度Lpsと第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4の発光強度Lpは同一としている。また、検出開始光信号LSs、第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4の間には適宜の無信号期間Tnを設定してある。その他、特性は図3(B)で示したものと同一であるので詳細な説明は省略する。
第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4は、それぞれ中心軸Axcに対する傾きが異なることから、受光部3pに対する中心軸Axcの変位(傾き)に応じてフォトダイオード4pdで検出される受光信号Sdの大きさは異なるものとなる。したがって、受光信号Sdに信号処理を施して受光信号処理部31(バンドパスフィルタ31e)の出力として検出される位置検出受信信号Sr(第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4にそれぞれ対応する第1受信信号Sr1、第2受信信号Sr2、第3受信信号Sr3、第4受信信号Sr4)は、中心軸Axcに対する傾きに応じた振幅(電圧値)をそれぞれ有することとなる。
また、検出開始光信号LSsに対応して検出開始受信信号Srsもバンドパスフィルタ31eから同様に出力される。なお、位置検出受信信号Srおよび検出開始受信信号Srsは、変調波を含む波形として得られる。
位置検出受信信号Srおよび検出開始受信信号Srsは、包絡線波形変形回路としての出力検出部33で包絡線波形に変換され、それぞれ対応する位置検出出力信号Sp(第1出力信号Sp1、第2出力信号Sp2、第3出力信号Sp3、第4出力信号Sp4)および検出開始出力信号Spsとして求められる。例えば、第1出力信号Sp1は振幅VL1、第2出力信号Sp2は振幅VL2、第3出力信号Sp3は振幅VL3、第4出力信号Sp4は振幅VL4として示す。なお、振幅VL1、振幅VL2、振幅VL3、振幅VL4を区別する必要がない場合には単に振幅VLとすることがある。
つまり、第1光信号LS1、第2光信号LS2、第3光信号LS3、第4光信号LS4は、出力検出部33で中心軸Axcに対する傾きに応じた振幅VL1、VL2、VL3、VL4に変換されることとなる。したがって、同一軸方向に対応する振幅を相互に比較(図7参照)することにより、送信機2の移動方向(変位)を検出することができる。
なお、検出開始出力信号Spsの振幅VLsはヘッダー検出部36a(図7参照)で検出開始出力信号Sps(発光周期Tc)を検出できる程度であれば良い。
図6は、図4に示した出力検出部の実施例を示す回路図である。
出力検出部33は、上述したとおり包絡線波形変形回路として機能し、位置検出受信信号Srの包絡線波形を形成し、位置検出出力信号Spとして出力する。なお、図6に示す実施例は一例でありこれに限るものではない。
演算増幅器33a、33b、33cを三段縦続接続として、電源端子を+Vcc、−Vccに接続して基本回路を構成する。適宜の回路定数を持たせたC(電解コンデンサ)R(抵抗、可変抵抗)、ダイオードDをバイアス回路として適宜接続することにより容易に構成することが可能である。図6に示す回路構成により変調波を検波して包絡線波形を求めることができる。
図7は、図4に示した演算処理部の概略構成ブロックを示す概略ブロック図である。
演算処理部36は、縦続に接続されたヘッダー検出部36a、振幅電圧算出部36b、振幅比算出部36c、対数変換部36dにより構成してあり、ヘッダー検出部36aには位置検出出力信号Spが入力され、対数変換部36dから演算出力Sopが送信機2の変位(変位を表す値)として算出(出力)される。演算出力Sopはカーソル制御部40(図4参照)に入力され、カーソル制御部40でカーソル4pの位置情報(位置座標。第1軸方向Xに対応するX座標、第2軸方向Yに対応するY座標)に変換される。つまり、カーソル制御部40は、送信機2の変位に基づいてカーソルとしてのカーソル4pの位置を制御することとなる。
ヘッダー部36aは、検出開始出力信号Spsを発光パルス幅Tssに基づいて検出し、発光周期(検出周期)Tcに対応する発光パルス幅Ts、無信号期間Tnを適宜カウントすることにより、位置検出出力信号Spとしての第1出力信号Sp1、第2出力信号Sp2、第3出力信号Sp3、第4出力信号Sp4をそれぞれ検出(特定)する。
振幅電圧算出部36bは、発光周期Tcを例えば30回サンプリング(発光周期Tcを30周期分検出)して、振幅VL1、VL2、VL3、VL4のそれぞれについて30回分の平均値を求めて、制御用(振幅相対関係比較用)の振幅VL1、VL2、VL3、VL4を算出(特定)する。
振幅比算出部36cは、第1軸方向Xについては、振幅VL1と振幅VL2との比(振幅相対関係としての振幅比、または出力比)、つまり振幅VL1/振幅VL2を求め、第2軸方向Yについては、振幅VL3と振幅VL4との比、つまり振幅VL3/振幅VL4を算出する。
対数変換部36dは、振幅比算出部36cで求めた振幅比(VL1/VL2、VL3/VL4)の対数(振幅相対関係としての振幅比の対数、または出力比の対数)を算出する。つまり、log(VL1/VL2)、log(VL3/VL4)を算出し、適宜の係数処理を施して演算出力Sopとする。
振幅電圧算出部36b、振幅比算出部36c、対数変換部36dでの各種の演算はハードウエア構成とすることも可能であるが、上述したとおり、受信機3または表示装置4が内蔵する中央演算処理装置(CPU)を併用して構成することも可能である。CPUによれば、カーソル4pの位置制御をコンピュータプログラム(ソフトウエア構成)に基づいて行なうことが可能となる。
なお、同図では、対数変換部36dの演算出力Sopを出力する形態としたが、振幅比算出部36cの演算結果を演算出力Sopとすることも可能である。
<実施の形態2>
実施の形態1に示した遠隔制御システム1での具体的な変位の検出および表示画面への表示態様を実施の形態2として説明する。本実施の形態では、理解を容易にするために送信機2を水平方向(第1軸方向X)にのみ移動(変位、首振り)させた場合について説明する。したがって、垂直方向(第2軸方向Y)での移動についての説明はしないが、同様に適用することが可能である。また、水平方向および垂直方向の両方向での移動に対してはそれぞれの方向において得られた値(振幅相対関係としての振幅比、振幅相対関係としての振幅比の対数)に基づいて適宜合成処理を行なうことで2次元方向での移動検出(変位検出、首振り検出)が可能となるので説明は省略する。
図8は、本発明の実施の形態2に係る遠隔制御システムの要部の配置状況を示す説明図である。
システム1は、実施の形態1で示したものであり、送信機2および受信機3(受光部3p)を備え、表示装置4の表示画面4dにカーソル4pが表示されている状態を正面図として示す。表示画面4dは送信機2の第1軸方向X(水平方向)に対応させて横方向にX軸を画定し、送信機2の第2軸方向Y(垂直方向)に対応させて縦方向にY軸を画定している。
送信機2は、図1の場合と同様に使用状態での垂直方向の上方側から見た平面図を示す。送信機2は、表示装置4(受信機3、受光部3p)から通信距離CLの位置に配置してある。ここでは通信距離CLは約2メートルとしてある。送信機2は原点Oaxを中心にして左右に首振り状態とし、受光部3pに正対する中心軸Axcからの傾き状態を振り角θとして定義する。受信機3は送信機2に対応させて、送信機2が右方向へ首振りした状態(送信機2xa)を+θとし、左方向へ首振りした状態(送信機2xb)を−θとして、振り角θに対応させて振幅VLを求め、演算処理部36で演算処理を行なう。
図9は、本発明の実施の形態2に係る遠隔制御システムでの振り角と位置検出出力信号の振幅との関係を示す測定値のグラフである。
横軸を振り角θ(度)、縦軸を位置検出出力信号Spの振幅VL(mV)としてある。第1出力信号Sp1の振幅VL1、第2出力信号Sp2の振幅VL2、第3出力信号Sp3の振幅VL3、第4出力信号Sp4の振幅VL4について、測定値を振り角θに対応させて表している。なお、グラフには測定値(上述した30回のサンプリング)の平均値を示している。
平面図(図2(A)参照)で左側に配置された第1発光素子LED1に対応する振幅VL1は、左(−θ)から右(+θ)に振り角θの変化に追随して徐々に増加する特性を示し、25度から35度程度で最大値を示す。つまり、この角度で第1発光素子LED1が受光部3pに正対することを示している。
同様に、右側に配置された第2発光素子LED2に対応する振幅VL2は、左(−θ)から右(+θ)に振り角θの変化に追随して徐々に減少する特性を示し、−25から−35度程度で最大値を示す。つまり、この角度で第2発光素子LED2が受光部3pに正対することを示している。
また、振幅VL1と振幅VL2とは、振り角θが0度のとき受光部3pに対して対照的に配置されるから、振幅VL1、VL2は基本的に一致する。つまり、振幅VL1、VL2は、振り角θ=0度を中心として対照的な特性を示している。
第1軸方向Xに配置された第1発光素子LED1および第2発光素子LED2と異なり、第2軸方向Yに配置された第3発光素子LED3および第4発光素子LED4は、振り角θが0度で最大となり、振り角θによる変化は第1発光素子LED1および第2発光素子LED2に比較して少なく、両者とも振り角θに対して配置関係は同一(上下対称)となることから同様の振幅VL3、VL4を示している。つまり、振幅VL3と振幅VL4の比(振幅VL3/振幅VL4)は、ほぼ1であり変化しない。
なお、本実施の形態では、振り角θが絶対値で25度から35度の領域を過ぎると測定値が全体的に小さくなり振り角θの信号としての信頼性を失うことを示している。したがって、一定の範囲内を有効振り角とすることが好ましい。本実施の形態および以下の実施の形態では±25度を有効振り角とする。つまり、振り角θが有効振り角の範囲内にあると判定可能な場合の振幅比(および振幅比の対数)の値に対してのみ送信機2の変位検出を有効とみなしてカーソル4pを制御する構成としておく。
有効振り角(±25度)の範囲内では、振幅VL1と振幅VL2の比(振幅VL1/振幅VL2)は、振り角θの変化に対し大きく変化している。また、振幅比(VL1/VL2)は、有効振り角の範囲(−25度〜+25度)では、単純に増加している。
したがって、振り角θと振幅比(VL1/VL2)との関係を予め測定して、受信機3の記憶手段(不図示)に記憶させておくことにより、検出した振幅比(VL1/VL2)に対応する振り角θを特定(送信機2の変位を検出)する。つまり、検出した変位(振り角θ)に基づいてカーソル4pの位置を制御することが可能となる。この場合には振幅比(VL1/VL2)が演算出力Sop(振幅比算出部36cの出力)に対応することとなる。
例えば、振り角θが20度のときの振幅測定値から、振幅比VL1/VL2=4563mV/956mV=4.77である。したがって、振幅比が4.77と算出された場合には振り角θが20度であると検出することができるから、20度に対応した位置にカーソル4pを移動させることができる。
なお、中間的な値については、さらに詳細な測定をしておくこと、または測定値の中間について内挿法(直線近似)による演算処理を行なうことなどで適宜対応することが可能である。
図10は、図9の測定値について第1軸方向での位置検出出力信号の振幅比を対数で表したグラフである。
横軸を振り角θ(度)、縦軸を振幅比の対数log(VL1/VL2)としてある。第1軸方向Xでの振幅比を対象としているから、振幅比の対数はlog(VL1/VL2)であり、曲線として示しているのが、各振り角θでのlog(VL1の平均値/VL2の平均値)である。なお、VL1max/VL2min(VL1の最大値/VL2の最小値)を曲線の上側にデータ範囲(三角印)として示し、VL1min/VL2max(VL1の最小値/VL2の最大値)を曲線の下側にデータ範囲(ひし形印)として示す。
上述したとおり、有効振り角(±25度)の範囲内では、振幅比(VL1/VL2)は、振り角θの変化に対し大きく変化し、単純に増加する特性を示す。また、振幅比(VL1/VL2)の対数(log(VL1/VL2))は、有効振り角の範囲内で直線に近似可能な特性を示すことがわかる。なお、直線近似による制御については実施の形態3、実施の形態4で別途説明する。
したがって、振り角θと振幅比(VL1/VL2)の対数との関係を予め測定して、受信機3の記憶手段に記憶しておくことにより、検出した振幅比の対数(log(VL1/VL2))に対応する振り角θを特定(送信機2の変位を検出)する。つまり、検出した変位(振り角θ)に基づいてカーソル4pの位置を制御することが可能となる。この場合には振幅比(VL1/VL2)の対数log(VL1/VL2)が演算出力Sop(対数変換部36dの出力)に対応することとなる。
例えば、振り角θが20度のときの振幅測定値は、上述したとおり振幅比VL1/VL2=4.77であり、振幅比の対数はlog4.77=0.679である。したがって、振幅比の対数が0.679と算出された場合には振り角θが20度であると検出することができるから、20度に対応した位置にカーソル4pを移動させることができる。
図11は、図9の測定値について第2軸方向での位置検出出力信号の振幅比を対数で表したグラフである。
横軸を振り角θ(度)、縦軸を振幅比の対数log(VL3/VL4)としてある。第2軸方向Yでの振幅比を対象としているから、振幅比の対数はlog(VL3/VL4)であり、曲線として示しているのが、log(VL3の平均値/VL4の平均値)である。なお、VL3max/VL4min(VL3の最大値/VL4の最小値)を曲線の上側にデータ範囲(ひし形印)として示し、VL3min/VL4max(VL3の最小値/VL4の最大値)を曲線の下側にデータ範囲(三角印)として示す。
上述したとおり、振幅VL3と振幅VL4の比(振幅VL3/振幅VL4)は、ほぼ1であり変化しないことから、振幅比の対数log(VL3/VL4)はほぼ0となり、第1軸方向Xでの検出に全く影響しないことがわかる。
図12は、本発明の実施の形態2に係る遠隔制御システムで位置検出出力信号の振幅比の対数をカーソルの位置情報に対応させる座標変換態様を説明する図表である。
同図で、振り角θ(度)、振幅比の対数log(VL1/VL2)の欄は図10のグラフに対応する数値であり、実験的に予め求めたものである。例えば、振り角θが−25度では、log(VL1/VL2)は−0.66であり、振り角θが0度では、log(VL1/VL2)は0であり、振り角θが+25度では、log(VL1/VL2)は+0.75である。その他、対応する数値は図表に示したとおりである。
振り角θに対応する振幅比の対数に対応させて第1軸方向Xでの位置情報(X軸位置情報:表示画面4dでのカーソル4pの位置を特定し、カーソル4pの位置座標に対応する。)を設定することにより、3者(振り角θ、振幅比の対数(対数値)、X軸位置情報)間の関係を予め対応させておく。なお、X軸位置情報についてのみ説明するが、第2軸方向Yについても、同様にY軸位置情報を設定することが可能である。
X軸位置情報は、振幅比の対数を表示画面4dでのカーソル4pの位置(カーソル4pの座標)に対応させるように振り角θに適宜の係数処理を施して求めることができる。つまり、X軸位置情報は、適宜の座標変換定数kを設定して振り角θに掛けることにより設定(座標変換)することができる。
振り角θ、振幅比の対数、X軸位置情報の3者間の対応は、例えば、対照表として記憶手段に記憶しておき、演算出力Sopとして検出した振幅比の対数に対応するX軸位置情報を対照表から求め、求めたX軸位置情報に対応させてポイント制御部40により、カーソル4pのカーソル位置を制御することができる。
なお、対照表の値は、種々の条件を設定して多数のデータを求め、統計処理を施して実用上での誤差ができるだけ生じないように妥当な数値とすることが好ましい。
検出した振幅比の対数に対応するX軸位置情報を求める演算(対照表との照合)は、演算処理部36で行なう構成としても良く、またカーソル制御部40で行なう構成としても良い。また、対照表を記憶する記憶手段は、演算処理部36、カーソル制御部40など受信機3の適宜の場所に設けることができる。
対照表の照合で、対照表にない振幅値の対数が演算出力Sopとして出力された場合には、内挿法により適宜対応するX軸位置情報を求めることができる。例えば、演算処理部36から出力された振幅比の対数が0.38の場合は、〔(0.38−0.28)/(0.48−0.28)〕(10k−5k)+5k=+7.5kとして内挿法によりX軸位置情報を求めることができる。内挿法は他の実施の形態にも同様に適用することができる。なお、内挿法が不要な程度により詳細な対照表を作成しておくことも可能である。
振り角θ、振幅比の対数、X軸位置情報の3者を対応させておくことにより、演算出力Sop(振幅比の対数)に対するX軸位置情報を容易に対照させることができるので、容易かつ高精度にカーソル位置の制御が可能となる。なお、振幅相対関係を振幅比の対数とすることにより振り角θと振幅比の対数との相関関係をプラスマイナス両方向で絶対値が対称的になる単純増加特性とすることができることから、振幅比の対数に対してX軸位置情報を容易かつ確実に対照させることができ、カーソル位置を容易に制御することができる。
図12では、振幅比の対数に対して、振り角θ、X軸位置情報を対応させたが、振幅比に対して、振り角θ、X軸位置情報を対応させることも可能である。この場合は、振り角θ、振幅比、X軸位置情報の3者を対応させておくことにより、演算出力Sop(振幅比)に対するX軸位置情報を容易に対照させることができるので、容易かつ高精度にカーソル位置の制御が可能となる。
なお、振幅相対関係として振幅比を用いることにより演算処理部36の構成を簡略化でき、振り角θと振幅比との相関関係を容易に求めることができることから、振幅比に対してX軸位置情報を容易に対照することができ、カーソル位置を容易に制御することができる。
図13は、図12で求められたX軸位置情報とカーソルの位置との関係を説明する説明図である。
送信機2が左に振られ送信機2xbで示す状態とされたときは、振り角θは−25度(左側有効振り角)に対応し、図12で示したとおりX軸位置情報は−25kである。したがって、X軸位置情報としての−25kを表示画面4d上の位置として左端に対応させて割り振りし、左端にカーソル4pbを表示する。
送信機2が右に振られ送信機2xaで示す状態とされたときは、振り角θが+25度(右側有効振り角)に対応し、図12で示したとおりX軸位置情報は+25kである。したがって、X軸位置情報としての+25kを表示画面4d上の位置として右端に対応させて割り振りし、右端にカーソル4paを表示する。
送信機2が受信機3(受光部3p)に正対され送信機2で示す状態とされたときは、振り角θが0度に対応し、図12で示したとおりX軸位置情報は0である。したがって、X軸位置情報としての0を表示画面4d上の位置として中央(原点Oを含むY軸上)に対応させる。
このX軸位置情報と表示画面4d上でのカーソル4pの位置との対応付けはカーソル制御部40の特性を座標変換定数kに反映させておくことで容易に行なうことができる。また、本実施の形態では、±25kの間は均等に対応させることにより、振り角θの絶対値と表示画面4d上のカーソル4pの位置情報(位置座標の絶対値)とは互いに均等に対応させて割り振りした構成としてある。なお、第2軸方向Yに対応するY軸についても同様に制御できるので説明は省略する。
<実施の形態3>
本実施の形態では、実施の形態2で示した振幅比の対数をさらに直線近似して送信機2の変位を検出する態様としてある。つまり、振幅相対関係を振幅比の対数の直線近似としたものである。
図14は、本発明の実施の形態3に係る遠隔制御システムで位置検出出力信号の振幅値の対数に直線近似を適用した場合の振り角と位置検出出力信号の振幅比の対数との関係を示すグラフである。
本実施の形態でのデータは実施の形態2の場合と同一としてあり、図10と同様に、横軸を振り角θ(度)、縦軸を振幅比の対数log(VL1/VL2)としてある。本実施の形態のシステム1(受信機3)は、有効振り角±25度の範囲内で振幅比の対数を近似直線ALとみなすものである。
近似直線ALの設定方法は種々可能であるが、本実施の形態では、振り角θ=0(度)のときに測定値に一致させて近似直線AL上でlog(VL1/VL2)=0とすること、有効振り角の最大値+25度では測定値(log(VL1/VL2)=0.75)より小さくすること、有効振り角の最小値−25度では測定値(log(VL1/VL2)=−0.66)より大きくすること、±両方向で対称(最大値と最小値の絶対値が同一)となることを基本条件にして設定した。
つまり、近似直線ALは、振り角θが−25度ではlog(VL1/VL2)が−0.65、振り角θが0度ではlog(VL1/VL2)が0、振り角θが+25度ではlog(VL1/VL2)が0.65を通る直線としてある。したがって、振幅比の対数が−0.65、−0.26、0.39、0.65のとき、振り角θをそれぞれ−25度、−10度、+15度、+25度として検出することとなる。
例えば、近似直線ALでは、log(VL1/VL2)=0.5に対応する振り角θは18度となる。したがって、検出した振幅比の対数が0.5と算出された場合には振り角θは18度であると検出する。直線近似とすることにより、予め測定して記憶する振り角θと振幅比(VL1/VL2)の対数との関係を簡略化して容易に求めることが可能となる。
しかし、直線近似であることから、本実施の形態での近似直線ALでは、検出する振り角θは、実際の振り角θより大きな値(絶対値)を示すことになる。例えば、上述した振り角θが18度と検出した振幅比の対数log(VL1/VL2)=0.5に対応する実際の振り角θは11度である。つまり、実際の振り角θより大きい角を振り角θとして検出することとなる。したがって、精度が低くても良い粗調整として利用することも可能である。なお、直線近似した場合の、振り角θ、直線近似対数、X軸位置情報の対応を対照表として記憶手段に記憶することは、実施の形態2の場合と同様に行なうことが可能である。
実施の形態2(図12)の場合と同様にして、図14で求めた直線近似対数に対応する振り角(直線近似振り角θa)に単純に座標変換定数kを掛けてX軸位置情報とし、振り角θ、振幅比の対数、X軸位置情報を対応させて対照表としておくことが可能である。例えば、演算出力Sopとしての振幅比の対数が0.52の場合は対応する直線近似対数0.52は直線近似振り角θa=+20度に対応することから、X軸位置情報を+20kと設定することも可能である。この場合には、上述したとおり多少の誤差を生じることがある。
図15は、本発明の実施の形態3に係る遠隔制御システムで位置検出出力信号の振幅比の対数を直線近似した場合、直線近似した対数をカーソルの位置情報に対応させる座標変換態様を説明する図表である。
同図で、振り角θ(度)、振幅比の対数log(VL1/VL2)の欄は図10のグラフに対応する数値であり、実験的に予め求めたものである。したがって図12と同様であり、振り角θが−25度では、log(VL1/VL2)は−0.66であり、振り角θが0度では、log(VL1/VL2)は0であり、振り角θが+25度では、log(VL1/VL2)は+0.75である。その他、対応する数値は図表に示したとおりである。
直線近似対数の欄は図14で直線として示した近似直線ALの数値(直線近似した対数の値)である。図14で説明したとおり、振り角θが−25度では、直線近似対数は−0.65であり、振り角θが0度では、直線近似対数は0であり、振り角θが+25度では、直線近似対数は+0.65である。その他、対応する数値は図表に示したとおりである。
近似直線ALの有効振り角±25度で振幅比の対数の値は±0.65であることから、0.65/25として振り角θの1度当たりの対数(0.65/25)を求め、実測値としての振幅比の対数(log(VL1/VL2))を1度当たりの対数(0.65/25)で割ることにより直線近似による直線近似振り角θaを算出し、直線近似振り角θaに対応させてX軸位置情報を設定(特定)する(換算式)。
例えば、振り角θ=+15度、log(VL1/VL2=+0.60の場合、直線近似振り角θaは+0.60/(0.65/25)=+23.08となる。+23.08に座標変換定数kを掛けた+23.08kを第1軸方向Xでの位置情報(X軸位置情報)とする。
直線近似の結果としてのX軸位置情報は、例えば、振り角θ=−25度に対して−25.38k、振り角θ=−15度に対して−19.23k、振り角θ=0度に対して0、振り角θ=+15度に対して23.08k、振り角θ+25度に対して+28.85kとなる。つまり、直線近似の場合には、上述したとおり振幅比の対数の実測値と近似直線ALの直線近似対数とが異なることから、振り角θとカーソル4pのX軸位置情報(位置座標)とは均等にならない。
例えば振り角θ=−25度に対応するX軸位置情報としての−25.38kは、表示画面4d上で画面中央から左側約−25(任意の長さ単位)に位置し、振り角θ=+25度に対応するX軸位置情報としての+28.85kは、表示画面4d上で画面中央から右側約29(任意の長さ単位)に位置することとなる。つまり、振り角θが左右均等でも、カーソル4pの位置は、プラス側とマイナス側とでは対称とはならない。
しかし、近似直線ALによる場合には、送信機2の振り角θの実際の値に比較して、例えばカーソル4pを大きく振ることができることから、粗調整として利用することも可能である。
<実施の形態4>
実施の形態2、実施の形態3では、振り角θの絶対値に対応させて位置情報(X軸位置情報)を表示画面4dでのカーソル4pの絶対的な位置(位置座標)に対応させて規定してあるが、本実施の形態では、表示画面4dでのカーソル4pの位置の制御を振り角θの変化分(相対値)に対応させて相対的に行なうことにより、カーソル4pの位置制御を連続的に、円滑かつ迅速に行なう構成としてある。つまり、カーソルの位置の位置情報を振り角θの変化分に基づく変化量(移動量)として制御することを特徴とする。なお、実施の形態2、実施の形態3と同一の構成については適宜説明を省略する。
図16は、本発明の実施の形態4に係る遠隔制御システムで振り角の変化分に対応させてカーソルの位置を変化させる座標変換態様を説明する説明図である。
送信機2が変位される直前のカーソル4pが直前の相対座標軸(相対Xr軸、相対Yr軸)の相対原点(Or)に位置する場合において、送信機2が例えば中心軸Axcから左に振り角θ=−5度で振られたとき(送信機2xbの位置に変位したとき)、X軸位置情報は−5k(図12参照)として適用することができることから、カーソル4pを基準にしてX軸位置情報−5kに対応する座標位置のカーソル4pbに移動制御することができる。
また、同様に、送信機2が例えば中心軸Axcから右に振り角θ=+5度で振られたとき(送信機2xaの位置に変位したとき)、X軸位置情報は+5k(図12参照)として適用することができることから、カーソル4pを基準にしてX軸位置情報+5kに対応する座標位置のカーソル4paに移動制御することができる。
送信機2が受信機3(受光部3p)に正対され送信機2で示す状態とされそのままの状態を維持したときは、振り角θが0度に対応し、図12で示したとおりX軸位置情報は0である。したがって、カーソル4pの位置は変化せず、表示画面4d上の直前の位置(相対原点Or)をそのまま維持する。
相対座標軸(相対Xr軸、相対Yr軸)は、直前のカーソル4pが存在する位置を相対原点Orとして基準にすれば良く、相対原点Orからの移動量は相対値(変化分)として設定してあるX軸位置情報に対応させれば良いことから、極めて容易に制御することが可能である。
なお、理解を容易にするために、振り角θの変化分を振り角θ=0を中心として説明したが、これに限らず振り角θ=10度から振り角θ=15度に+5度変化するような場合に対しても適用が可能である。つまり、X軸位置情報の変化分(15k−10k=+5k)を適用してカーソル4pを直前の相対座標から振り角θの変化分に対応させて変位(振り角θ=+5度の変化に対応するX軸位置情報の変化分つまり+5kに対応する移動)させることができる。
なお、振り角θの相対値(変化分)の検出は、適宜のタイミングで周期的にサンプリングして行なう構成とすることが可能である。例えば、発光周期Tcに同期させて、前回のサンプリング時の振り角θに対する今回のサンプリング時の振り角θの差を求めて、その差に対応する位置情報に基づいて移動量を算出する適宜のプログラムを予めインストールしておくことにより実行することができる。また、X軸位置情報の変化分は、対照表により対応する振り角θ(変化分)に対応するX軸位置情報を適宜演算処理することにより求めることができる。
本実施の形態では、振り角θの変化分をカーソル4pの位置の変化分に変換する構成とすることから、カーソル4pの位置を微調整する場合にも適用することが可能となる。また、実施の形態2、実施の形態3の場合との処理モード(振り角および位置情報について、絶対値を適用する絶対モード、または相対値を適用する相対モード)の切り替えは、演算処理部36またはカーソル制御部40などを適宜制御することにより容易に行なうことが可能である。
また、振り角θに対応する位置情報(X軸位置情報)を少なくとも2種類として、粗調整、微調整を行なえる態様とすることも可能である(実施の形態5参照)。例えば振り角θの変化分が+5度のとき、位置情報は+5kとして説明したが、振り角θの変化分が+5度のとき、位置情報は+1kに対応させることとして微調整を行なうようにすることが可能である。
<実施の形態5>
本実施の形態は、カーソルの位置制御の分解能を変更可能としたものである。つまり、同一の振り角θに対してカーソルを大きく移動させる粗調整と、カーソルを小さく移動させる微調整とを可能とするものである。
図17は、本発明の実施の形態5に係る遠隔制御システムで送信機の同一の振り角に対してカーソルの移動量を大小の2種類として粗調整および微調整を可能とした場合を模式的に説明する模式図であり、(A)は表示画面に表示されたカーソルの移動状況を示す説明図、(B)はカーソルの移動に対応する送信機の振り角とカーソルの移動量(位置情報)との関係を示す図表である。
同図(A)で表示画面4dに示されるカーソル4pは、最初の位置がカーソル4pfであり、第1段階の位置制御で大きく移動制御(X軸位置情報+25kに対応する粗調整)され目標位置であるカーソル4ptの近くのカーソル4psで示す位置に移動する。
その後、第2段階でカーソル4psは小さく移動制御(X軸位置情報+5kに対応する微調整)されカーソル4ptで示す目標位置に移動する。なお、実施の形態2ないし実施の形態4と同様に第1軸方向Xについて制御する場合について説明するが、第2軸方向Yに対しても同様に適用可能である。
つまり、第1段階(カーソル4pfからカーソル4psへの移動)で送信機2の振り角θ(例えば、変化分+25度)によりカーソル4pの移動制御を行なう場合に、X軸移動量を+25k(k:座標変換定数)として大きく移動制御する構成としてある。
また、第2段階(カーソル4psからカーソル4ptへの移動)で第1段階と同一の振り角θ(例えば、変化分+25度)によりカーソル4pの移動制御を行なう場合に、X軸移動量を+5k(k:座標変換定数)として第1段階に比較して小さく移動制御する構成としてある。第1段階に比較して振り角θの同一の変化分に対して小さい移動量とすることから、第1段階での精度に対してより高精度の制御が可能となる。
送信機2の同一の振り角θ(変化分)に対してカーソル4pを大きく移動させるX軸位置情報(粗調整用の位置情報)と小さく移動させるX軸位置情報(微調整用の位置情報)とを切り替える構成とすることにより、カーソル4pの位置制御の分解能を変更する構成として精度および操作性を向上することが可能となる。初めに粗調整とし、その後に次いで微調整とする構成とすることから、円滑な操作が可能となる。
例えば、本実施の形態での粗調整のように送信機2の有効振り角θを±25度として表示画面4dの左右両端に対応させてカーソル4pの位置を制御する場合、振り角θ=±25度に対応するX軸位置情報は±25kである。この場合、表示画面4dの左右両端間を50分割して1/50ピッチ(X軸位置情報1kに相当する。)でカーソル4pの位置を制御するには送信機2の振り角θを1度単位で操作、制御することが必要となる。しかし、1度単位で振り角θを制御することは非常に細かい作業となり、操作者に大きなストレスを与え、また現実に位置制御は極めて困難となる。
これに対し、本実施の形態のように、カーソル4pの位置の制御を2段階構成として、初めは粗調整として大きなX軸位置情報(第1X軸位置情報。図18参照)を適用して調整し、粗調整をした後に微調整として小さな位置情報(第2X軸位置情報。図18参照)を適用して調整することとすれば、極めて容易かつ円滑に高精度の位置制御を行なうことができる。
例えば、微調整に切り替えた後は、有効振り角θ=±25度に対応するX軸位置情報(第2X軸位置情報)は±5kとして制御される。つまり、表示画面4d上では、粗調整の場合に比較して5倍の精度で制御することとなる。この場合、左右画面を50分割して1/50ピッチ(X軸位置情報1kに相当する)でカーソル4pの位置を制御するには送信機2の振り角θを5度単位で操作、制御すれば良い。つまり、5倍の分解能(高分解能)を確保して、5倍の操作性を確保することが可能となり、操作者にとって極めて操作しやすい送信機2を提供することとなる。
なお、同一の振り角θに対応するカーソルのX軸位置情報の切り替えは、2種類(第1位置情報および第2位置情報)に限定するものではなく相対的に粗調整および微調整となる少なくとも2種類であれば良い。さらに切り替えの段階を増やすことによりさらに高精度の位置制御を行なうことが可能となる。
また、同一の振り角θに対応するカーソルのX軸位置情報の切り替えを行なう分解能切り替え手段の実施例については、図19で示す。分解能切り替え手段を適宜駆動することにより、2種類の位置情報を切り替えることが可能となる。
図18は、図17の分解能の変更制御での送信機の振り角に対する粗調整用および微調整用の2種類としてのX軸位置情報の設定状況を説明する図表である。
同一の振り角θ(変化分)に対応させて、X軸移動量(X軸位置情報)を第1X軸位置情報(粗調整用の位置情報)および第2X軸位置情報(微調整用の位置情報)の2種類として設定してある。第1X軸位置情報が第1段階(粗調整)に対応し、第2X軸位置情報が第2段階(微調整)に対応することは図17で説明したとおりである。第1X軸位置情報と第2X軸位置情報の相対比を5としていることから、振り角θに対するX軸位置情報の分解能を変更することができ、上述したとおり粗調整に対して5倍の精度で微調整を行なうことが可能となる。
なお、有効振り角(±25度)の範囲内で振り角θとX軸位置情報との対応を対照表としておくことにより、粗調整および微調整を極めて容易に行なうことが可能となる。
振り角θ(変化分)に対して第1X軸位置情報、第2X軸位置情報を対応させて対照表としておくことにより、演算出力Sopに対するX軸位置情報を容易に対照させることができるので、容易かつ高精度にカーソル位置の制御が可能となる。
図19は、図17の分解能の変更制御での分解能切り替え手段の概略構成を説明する模式図であり、(A)は送信機の外観図、(B)は分解能切り替え手段を強い力で把持した状態を示す模式図、(C)は分解能切り替え手段を軽い力で把持した状態を示す模式図である。
本実施の形態では、送信機2の把持部に分解能切り替え手段として圧力センサ21を送信機2の側面に備えている。圧力センサ21を操作者の手Hdで強く把持することによりカーソル4pの移動制御の第1段階(粗調整)に対応させ、また、圧力センサ21を操作者の手Hdで軽く把持することによりカーソル4pの移動制御の第2段階(微調整)に対応させている。なお、圧力センサ21は、把持する力を検出できれば良く、具体的には握力センサなどで構成することが可能である。
つまり、圧力センサ21が強い圧力Fsを検出したときは、第1段階の制御であることを認識して上述した第1X軸位置情報を選択し、圧力センサ21が弱い圧力Fwを検出したときは、第2段階の制御であることを認識して上述した第2X軸位置情報を選択する構成としてある。第2段階での把持を弱い圧力Fwに対応させているので、微調整のときに強い握力が不要となることから送信機2の位置を微細かつ安定的に制御でき、カーソル4pを高精度に安定して制御することが可能となる。
なお、分解能切り替え手段として圧力センサ21を用いた場合を説明したが、分解能切り替え手段はボタンや静電容量式タッチパッドなど適宜のスイッチング手段を用いることが可能である。
また、分解能の切り替え(粗調整用の位置情報と微調整用の位置情報との切り替え)は、分解能切り替え手段が操作された場合に、位置検出発光部2から発光される位置検出光信号LSp(第1光信号LS1〜第4光信号LS4)および検出開始光信号(LSs)により構成される光信号LSの発光パターンを変更することにより行なうことができる。
例えば、検出開始光信号LSsが1個の場合には粗調整モードとし、検出開始光信号LSsが2個連続した場合には微調整モードとして位置情報を切り替えるプログラムを予めインストールしておくことが可能である。また、位置検出光信号LSp(第1光信号LS1〜第4光信号LS4)の発光パルス幅Tsを例えば2倍に変更することなどにより、粗調整と微調整との変更を行なうことも可能である。
<実施の形態6>
図20は、本発明の実施の形態6に係る遠隔制御システムで粗調整および微調整を行なう場合の操作状況を模式的に示す模式図であり、(A)は表示画面に表示されたカーソルの移動状況を示す説明図、(B)は(A)の矢符Bで示す粗調整での送信機の操作状態、(C)は(A)の矢符Cで示す微調整での送信機の操作状態を示す。
実施の形態5は、カーソルの位置の制御を送信機2の同一の振り角θに対してカーソルの位置情報を少なくとも大小2種類適用することにより、粗調整および微調整を行なうものである。つまり、微調整も振り角θにより行なっている。
本実施の形態では、実施の形態5と同様にカーソル4pの位置を制御するとき、粗調整および微調整により行なう構成としてある。しかし、微調整は微調整用代替信号発生手段を用いて行なう点が異なる。
同図(A)で表示画面4dに示されるカーソル4pは、最初の位置がカーソル4pfであり、第1段階の位置制御で大きく移動制御(粗調整)され目標位置であるカーソル4ptの近くのカーソル4psで示す位置に矢符Bのように移動する。なお、本実施の形態での粗調整は、同図(B)で示すとおり、送信機2の振り角θ(実施の形態1ないし実施の形態5参照)により行なう構成としてある。
その後、第2段階でカーソル4psは、十字キー22により微調整用代替信号発生手段(不図示)を駆動制御することにより小さく移動制御(微調整)され、目標位置であるカーソル4ptで示す位置に矢符Cのように移動する。
微調整は、送信機2に搭載してある微調整用代替信号発生手段からの位置情報(位置情報信号)としての微調整用光コード信号により行なう。つまり、カーソル4p(4ps→4pt)が移動する位置を画定(制御)する位置情報信号としての微調整用光コード信号を送信機2が内蔵する微調整用代替信号発生手段から受信機3に送信し、受信機3が受信(受光)した微調整用光コード信号(位置情報)に基づいてカーソル制御部40によりカーソル4p(4ps→4pt)の位置の微調整を行なう構成としてある。
なお、微調整用光コード信号を発光する発光素子は専用のものを用いても良いが、他の実施の形態で用いた発光素子(開始信号発光素子LEDs、第1発光素子LED1〜第4発光素子LED4)を転用することも可能である。
本実施の形態では、微調整用光コード信号に基づいて微調整を行なうので、送信機2の振り角θによる影響を受けないことから、より高精度で安定したカーソル4pの位置の微調整を行なうことが可能となる。また、微調整用代替信号発生手段は、十字キー22により駆動制御される構成としてあるから、操作性の良い微調整を行なうことができる。
図21は、図20と同様に、本発明の実施の形態6に係る遠隔制御システムで粗調整および微調整を行なう場合の操作状況を模式的に示す模式図であり、(A)は表示画面に表示されたカーソルの移動状況を示す説明図、(B)は(A)の矢符Bで示す粗調整での送信機の操作状態、(C)は(A)の矢符Cで示す微調整での送信機の操作状態を示す。
基本構成は図20の場合と同様であるので詳細な説明は省略する。図21では、微調整用代替信号発生手段は、静電容量式タッチパッド23により駆動制御される構成としてある。したがって、図20の場合と同様な作用効果を奏することが可能となる。
なお、図20、図21において、微調整用代替信号発生手段が駆動制御されるときは、粗調整の機能は無効とされる構成としてある。この構成とすることにより、送信機2の振り角θに影響を受けないで安定した微調整を行なうことが可能となる。
<実施の形態7>
図22は、実施の形態1ないし実施の形態5に係る遠隔制御システムでの発光素子制御部のオンオフ動作とカーソル位置確定との関連の第1フロー例を示すフローチャートである。
ステップS1:
発光制御ボタン2swが押圧される。
ステップS2:
発光制御ボタン2swの押圧を受けて、発光素子LED(第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4)は位置検出光信号LSpを発光する。
ステップS3:
発光制御ボタン2swの押圧が継続しているか否かを判断する。つまり、発光制御ボタン2swは脱圧されているか否かを判断する。押圧が継続している場合(ステップS3:NO)は、ステップS2に戻り位置検出光信号LSpの発光を継続する。脱圧されている場合(ステップS3:YES)はステップS4へ進む。
ステップS4:
発光制御ボタン2swの脱圧を受けて位置検出光信号LSpの発光を停止する。
ステップS5:
位置検出光信号LSpの発光停止により、位置検出出力信号Spの非検出状態となるが、この状態が所定時間継続しているか否かを判断する。つまり、位置検出出力信号Spの非検出状態で所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合(ステップS5:NO)は、時間のカウントを継続する。所定時間経過した場合(ステップS5:YES)は、ステップS6へ進む。
ステップS6:
振り角θによるカーソル4pの位置制御が終了したものと判断して、カーソル4pの位置を確定する。
以上のステップS1ないしステップS6のフローは、フローに適合する所定の発光制御ボタン2swを備え、システム1の送信機2、受信機3が備えるマイクロコンピュータを適用して予めフロープログラムをインストールしておくことにより適宜実行することが可能である。
つまり、本実施の形態に係る遠隔制御システム1は、実施の形態1ないし実施の形態5に係る遠隔制御システム1に適用したものである。また、発光素子制御部2dcのオンオフ動作を制御する発光制御ボタン2swを備え、発光制御ボタン2swが押圧されているときは位置検出光信号LSpが発光され、発光制御ボタン2swが脱圧されているときは位置検出光信号LSpの発光が停止され、位置検出出力信号Spの非検出状態が所定時間継続するとカーソル4pの位置を確定する構成としてあることを特徴とする。したがって、カーソルの位置制御を迅速で円滑に行うことが可能となる。
図23は、実施の形態1ないし実施の形態5に係る遠隔制御システムでの発光素子制御部のオンオフ動作とカーソル位置確定との関連の第2フロー例を示すフローチャートである。
ステップS11:
発光制御ボタン2swが押圧される。
ステップS12:
発光制御ボタン2swの押圧を受けて、発光素子LED(第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4)による位置検出光信号LSpが発光している状態か否かを判断する。位置検出光信号LSpが発光している場合(ステップS12:YES)は、ステップS13へ進む。位置検出光信号LSpが発光していない場合(ステップS12:NO)は、ステップS14へ進む。
ステップS13:
位置検出光信号LSpが発光している状態で発光制御ボタン2swが押圧されたことから、位置検出光信号LSpの発光を停止する。
ステップS14:
位置検出光信号LSpが発光していない状態で発光制御ボタン2swが押圧されたことから、位置検出光信号LSpを発光させ、ステップS11の前へ戻る。
ステップS15:
位置検出光信号LSpの発光停止により、位置検出出力信号Spの非検出状態となるが、この状態が所定時間継続しているか否かを判断する。つまり、位置検出出力信号Spの非検出状態で所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合(ステップS15:NO)は、時間のカウントを継続する。所定時間経過した場合(ステップS15:YES)は、ステップS16へ進む。
ステップS16:
振り角θによるカーソル4pの位置制御が終了したものと判断して、カーソル4pの位置を確定する。
以上のステップS11ないしステップS16のフローは、フローに適合する所定の発光制御ボタン2swを備え、システム1の送信機2、受信機3が備えるマイクロコンピュータを適用して予めフロープログラムをインストールしておくことにより適宜実行することが可能である。
つまり、本実施の形態に係る遠隔制御システム1は、実施の形態1ないし実施の形態5に係る遠隔制御システム1に適用したものである。また、発光素子制御部2dcのオンオフ動作を制御する発光制御ボタン2swを備え、発光制御ボタン2swが押圧される都度、位置検出光信号LSpの発光および発光停止を切り替え、位置検出出力信号Spの非検出状態が所定時間継続するとカーソル4pの位置を確定する構成としてあることを特徴とする。したがって、カーソルの位置制御を迅速で円滑に行うことが可能となる。
<実施の形態8>
図24は、実施の形態6に係る遠隔制御システムでの発光素子制御部のオンオフ動作と微調整用代替信号発生手段との関連の第1フロー例を示すフローチャートである。
ステップS21:
発光制御ボタン2swが押圧される。
ステップS22:
発光制御ボタン2swの押圧を受けて、発光素子LED(第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4)は位置検出光信号LSpを発光する。
ステップS23:
発光制御ボタン2swの押圧が継続しているか否かを判断する。つまり、発光制御ボタン2swは脱圧されているか否かを判断する。押圧が継続している場合(ステップS23:NO)は、ステップS22に戻り位置検出光信号LSpの発光を継続する。脱圧されている場合(ステップS23:YES)はステップS24へ進む。
ステップS24:
発光制御ボタン2swの脱圧を受けて位置検出光信号LSpの発光を停止する。
ステップS25:
位置検出光信号LSpの発光停止により、位置検出出力信号Spの非検出状態となるが、この状態が所定時間継続しているか否かを判断する。つまり、位置検出出力信号Spの非検出状態で所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合(ステップS25:NO)は、時間のカウントを継続する。所定時間経過した場合(ステップS25:YES)は、ステップS26へ進む。
ステップS26:
微調整用代替信号発生手段(例えば十字キー22、静電容量式タッチパッド23により駆動制御される。)を有効とする。このとき、振り角θによる制御は無効としてある。
以上のステップS21ないしステップS26のフローは、フローに適合する所定の発光制御ボタン2swを備え、システム1の送信機2、受信機3が備えるマイクロコンピュータを適用して予めフロープログラムをインストールしておくことにより適宜実行することが可能である。
つまり、本実施の形態に係る遠隔制御システム1は、実施の形態6に係る遠隔制御システムに適用したものである。また、発光素子制御部2dcのオンオフ動作を制御する発光制御ボタン2swを備え、発光制御ボタン2swが押圧されているときは位置検出光信号LSpが発光され、発光制御ボタン2swが脱圧されているときは位置検出光信号LSpの発光が停止され、位置検出出力信号Spの非検出状態が所定時間継続すると微調整用代替信号発生手段を有効にする構成としてあることを特徴とする。したがって、カーソルの位置制御を迅速で円滑に、かつ高精度で行うことが可能となる。
図25は、実施の形態6に係る遠隔制御システムでの発光素子制御部のオンオフ動作と微調整用代替信号発生手段との関連の第2フロー例を示すフローチャートである。
ステップS31:
発光制御ボタン2swが押圧される。
ステップS32:
発光制御ボタン2swの押圧を受けて、発光素子LED(第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4)による位置検出光信号LSpが発光している状態か否かを判断する。位置検出光信号LSpが発光している場合(ステップS32:YES)は、ステップS33へ進む。位置検出光信号LSpが発光していない場合(ステップS32:NO)は、ステップS34へ進む。
ステップS33:
位置検出光信号LSpが発光している状態で発光制御ボタン2swが押圧されたことから、位置検出光信号LSpの発光を停止する。
ステップS34:
位置検出光信号LSpが発光していない状態で発光制御ボタン2swが押圧されたことから、位置検出光信号LSpを発光させ、ステップS31の前へ戻る。
ステップS35:
位置検出光信号LSpの発光停止により、位置検出出力信号Spの非検出状態となるが、この状態が所定時間継続しているか否かを判断する。つまり、位置検出出力信号Spの非検出状態で所定時間経過したか否かを判断する。所定時間経過していない場合(ステップS35:NO)は、時間のカウントを継続する。所定時間経過した場合(ステップS35:YES)は、ステップS16へ進む。
ステップS36:
微調整用代替信号発生手段(例えば十字キー22、静電容量式タッチパッド23により駆動制御される。)を有効とする。このとき、振り角θによる制御は無効としてある。
以上のステップS31ないしステップS36のフローは、フローに適合する所定の発光制御ボタン2swを備え、システム1の送信機2、受信機3が備えるマイクロコンピュータを適用して予めフロープログラムをインストールしておくことにより適宜実行することが可能である。
つまり、本実施の形態に係る遠隔制御システム1は、実施の形態6に係る遠隔制御システム1に適用したものである。また、発光素子制御部2dcのオンオフ動作を制御する発光制御ボタン2swを備え、発光制御ボタン2swが押圧される都度、位置検出光信号LSpの発光および発光停止を切り替え、位置検出出力信号Spの非検出状態が所定時間継続すると微調整用代替信号発生手段を有効にする構成としてあることを特徴とする。したがって、カーソルの位置制御を迅速で円滑に、かつ高精度で行うことが可能となる。
<実施の形態9>
本実施の形態は、発光素子LEDの発光制御を行なう発光制御ボタンの変形例に係るものである。図26ないし図30により、発光制御ボタン2swの変形例を説明する。
押しボタン式の発光制御ボタン2swの場合、ボタンを押し込む(押圧する)ときに、送信機2がぶれて、振り角θが意図しない方向へ変位することがある。本実施の形態では、このような送信機2のぶれを防止することが可能となり、送信機2のぶれを防止することにより安定した操作、振り角θの検出などが可能になる。
図26は、発光制御ボタンとしてバネ式スライドスイッチを適用した状態を概念的に示す平面図である。
ばね式スライドスイッチ24aは、送信機2の上側平面に配置してあり、例えば、手Hd(親指)により矢符A方向にスライドしているときはオン状態とし、手Hdを離すとばねにより元の位置に戻ることからオフ状態に対応させることができる。オフ状態としたときに、振り角θによるカーソル4pの制御を終了した状態に対応させることが可能である。
図27は、発光制御ボタンとしてタッチ式スイッチを適用した状態を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は側面図である。
タッチ式スイッチ24bは、送信機2の上側平面に配置してあり、例えば、手Hd(親指)により矢符B方向でタッチしているときはオン状態とし、手Hdを矢符C方向で離しているときはオフ状態に対応させることができる。オフ状態としたときに、振り角θによるカーソル4pの制御を終了した状態に対応させることが可能である。また、タッチの繰り返しに対応させて、オンオフ状態を切り替える構成とすることも可能となる。
図28は、発光制御ボタンとして圧力センサを適用した状態を概念的に示す説明図であり、(A)は平面図、(B)は弱い力で握った状態を示す概念図、(C)は強い力で握った状態を示す概念図である。
送信機2を握ったときに圧力を検出できる送信機2の側面に圧力センサ24cが設けてある(同図A)。弱く握った状態(同図B)では弱い圧力Fwを検出して第1状態とし、強く握った状態(同図A)では強い圧力Fsを検出して第2状態とする。なお、圧力センサ24cは、指先の位置に対応するように配置し、指先の圧力を検出するように構成することが好ましい。
第1状態および第2状態を適宜カーソルの制御動作に関連付けることにより、動作の切り替えが可能となる。例えば第1状態では振り角θに対応させてカーソル4pの位置を制御し、第2状態ではカーソル4pの位置を確定する構成とすることなどが可能となる。
図29は、発光制御ボタンとしてワイヤ式スイッチを適用した状態を概念的に示す説明図である。
ワイヤ式スイッチ24dは、送信機2から離れた位置に配置可能なように導電性のワイヤ24eを介して送信機2に接続してある。ワイヤ式スイッチ24dのボタンを押圧することにより発光制御ボタン2swと同様に作用させることが可能となる。オンオフを送信機2から離れた位置で制御することから、送信機2の振り角θへの影響を生じることがないので振り角θによる正確な制御が可能となる。
図30は、送信機の形状をピストル型としてピストルの引き金を発光制御ボタンとして適用した状態を概念的に示す説明図である。
ピストル型の送信機2の引き金24fを押圧する(引く)ことにより発光制御ボタン2swと同様に作用させることが可能となる。
<実施の形態10>
本実施の形態では、その他の実施例を実施の形態10として示す。
図31は、支持台に取り付けてカーソルを制御する態様とした遠隔制御送信機を示す斜視図である。
基準台となる水平台50の上面に支持台51が形成してあり、支持台51の先端に送信機2が回動自在に取り付けてある。したがって、送信機2は第1軸方向X(水平方向に対応)、第2軸方向Y(垂直方向に対応)に対して支持台51の先端を原点として自在に変位(首振り)させることが可能となる。支持台51に載置された送信機2は、首振りのときの原点を厳密に固定することができることから、より正確な振り角θによるカーソル4pの位置制御が可能となる。
図32は、コマンド用ボタンを備える遠隔制御送信機の概念図を示す説明図である。
送信機2は、発光制御ボタン2swに加えて一般的な通常の赤外線リモコンのコマンド用ボタン2rcを備えている。つまり、一般的な赤外線リモコンとして使用可能な送信機2としてある。
コマンド用ボタン2rcは、コマンド用光コード信号(不図示)の発光を制御する構成としてある。なお、コマンド用ボタン2rcは、必ずしもボタンの形状である必要はなく、タッチ式スイッチなど他の形態のスイッチ(インターフェイス)であっても良い。
送信機2は、実施の形態1ないし実施の形態9に示した態様と基本構成は同一であり、発光素子LEDとして、開始信号発光素子LEDs、第1発光素子LED1、第2発光素子LED2、第3発光素子LED3、第4発光素子LED4を先端部2tに備える(なお、図では簡単のために単に横並びに配置してあるが、実際の配置の態様は実施の形態1ないし実施の形態9のとおりである。)。
本実施の形態(図32)では、コマンド用ボタン2rcによるコマンド用光コード信号の発光制御があった場合に、発光素子LEDとしての開始信号発光素子LEDs、第1発光素子LED1ないし第4発光素子LED4の内少なくとも1個を用いてコマンド用光コード信号の発光を行なう構成としてある。
異なる機能に対して発光素子LEDを重複して利用することから、送信機2の多機能化に伴う発光素子LEDの増加を防止でき、発光素子LEDの個数を低減することが可能となる。
図33は、距離測定手段を備えてカーソルを3次元的に制御する遠隔制御システムを概念的に示す説明図である。図34は、図33で検出される振幅の大きさの状況を説明する波形図であり、(A)は通信距離が短い場合の波形図、(B)は通信距離が長い場合の波形図である。
本実施の形態(図33)に係るシステム1では、送信機2と表示装置4(受信機3、受光部3p)との通信距離CLを検出する距離測定手段(不図示)を内蔵して備えている。距離測定手段は、一般的に受信機3の側に設けるが、送信機2の側に設けることも可能である。例えば、送信機2と受信機3とを正対させ、検出した振幅VLの値を予め測定して設定してある基準値と比較することにより、通信距離CLを検出(測定、推定)することが可能となる。
例えば、通信距離CLが短い場合(矢符AのAa側に送信機2が配置されたとき)には振幅VLは全体に大きな振幅VL1a、VL2a、VL3a、VL4aとなる(図34(A))。また、通信距離CLが長い場合(矢符AのAb側に送信機2が配置されたとき)には振幅VLは全体に小さな振幅VL1b、VL2b、VL3b、VL4bとなる(図34(B))。
したがって、振幅VLの値(相対的受光量)を通信距離CLと関連させて検出する構成とすることにより、通信距離CLを認識させることが可能となる。なお、距離検出モードを設定して計測することにより、正確な測定を行なうことが可能となる。
本実施の形態(図33)では、通信距離CLと振り角θとに基づいて、カーソル4pの位置を3次元的に制御することが可能となる。
また、通信距離CLに基づいて、有効振り角θの範囲を調整(変更)すること、振り角θに対応する位置情報を調整(変更)することも可能である。