JP2007131590A - 活性成分を多段的に溶出する固形製剤 - Google Patents

活性成分を多段的に溶出する固形製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 均一な処方粉粒体を圧縮成形するのみで、正確な多段階溶出が可能であり、さらに、イオン強度やpH等の生体内環境や圧縮成型圧に溶出特性が影響されない多段徐放性固形製剤を提供する。
【解決手段】 1種以上の活性成分と、活性成分の溶出を制御する溶出制御基剤とを含有する徐放性固形製剤であり、溶出制御基剤は、保水量400%以上、ゲル押込み荷重200g以上、水溶性成分量40〜95%、目開き75μmの篩いの通過粒子90重量%以上、目開き32μmの篩いの通過粒子20重量%以上の加工澱粉50.0〜99.9重量%と、脂肪酸金属塩0.01〜20重量%とを含む。
【選択図】 図7

Description

本発明は、主に医薬用途において、活性成分を多段的に溶出する徐放性固形製剤に関する。
医薬用途における徐放性固形製剤は、活性成分の血中濃度をコントロールすることにより、投与回数が減少し服用性が改善できること、生体内の消失半減期の短い活性成分の持続性が改善できること、血中最小濃度と副作用発現濃度幅の狭い活性成分の副作用を低減できること等から有用性の高い製剤である。活性成分の溶出を徐放性に制御する方法としては、活性成分を溶出制御基剤とともに均一に分散させて圧縮成型する方法が、安定した溶出制御性に加え構造や製造プロセスがシンプルであり開発速度も速いことから実用化の点で多く用いられる(マトリクスシステム)。
マトリックスシステムに用いられる溶出制御基剤には、特許文献1等に記載されているように、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体が知られている。また、特許文献2等には、保水量が400%以上、崩壊時間が5時間以上、ゲル押込み荷重が200g以上の加工澱粉、及び該加工澱粉を溶出制御基剤とする徐放性固形製剤について開示されている。これらの溶出制御基剤は、水溶液中で水和することにより膨潤し固形製剤表面にゲル層を形成することで、該ゲル層の網目構造からの拡散、該ゲル層の浸食、該ゲル層の溶解、またはこれらの組み合わせの何れかにより、活性成分が緩やかな速度で連続的に溶出される。
薬物の血中濃度を維持させるのに望ましい徐放性製剤の溶出性として0次溶出が報告されている。これは薬物の消化管内からの吸収性に吸収部位による違いがない場合には、固形製剤服用後、消化管内全域(小腸、大腸)にわたって一定速度で薬物を溶出することで血漿中薬物濃度の持続化が達成できると言う考えに基づいている。しかしながら、消化管内は一様ではなく、部位によりpH、消化液量、固形製剤にかかる負荷、有効表面積等が異なっている。そのため、in vitro溶出試験で0次溶出を示す製剤が必ずしも消化管内で同様の溶出性や吸収性を示すとは限らない。したがって、活性成分となる薬物の種類によっては血中濃度を有効治療域に長時間持続させることができない場合があり、薬物の特性や消化管内環境に応じた溶出性を有する徐放性製剤の開発設計が望まれている。
例えば、消化管下部では消化液量が少なくなるため、溶出制御基剤の水和が不十分となりゲル形成が抑制されるため、活性成分の溶出速度が著しく低下することが報告されている。特許文献3には、上述の問題を解決するために、消化管下部に相当する溶出後期に溶出速度が速くなるような溶出パターンを示す徐放性固形製剤について開示されている。
活性成分を多段的に溶出する方法として、特許文献4、5等に記載されているように、活性成分含量や溶出速度が異なるマトリクスを重ねて固形製剤、或いは有核固形製剤とする方法が知られている。固形製剤や有核固形製剤による多段溶出は、各層の活性成分含量や溶出速度を適正に制御し、且つ、各層を正確に重ねて圧縮成形する必要がある。しかし、商業規模の連続生産設備にて精度良く固形製剤や有核固形製剤を製造することが困難であり、正確な溶出制御性が得られない問題や、各層毎に処方粉粒体を調製する必要があるなど工程数が多くなるなどの欠点を有していた。固形製剤や有核固形製剤などの複雑な構造や製造プロセスを取ることなく、均一な処方粉粒体を圧縮成形するのみで正確に多段的な溶出が可能となる徐放性固形製剤は、従来技術においては見当たらないのが現状であり、このような徐放性固形製剤が望まれていた。
また、脂肪酸金属塩は、医薬品分野において、例えばステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウム等が滑沢剤用途に通常用いられており、特許文献6、7等には徐放性固形製剤への応用例も報告されている。これらの特許文献は、ステアリン酸金属塩を撥水作用に基づいて溶出遅延剤として用いられており、固形製剤に配合することより活性成分の溶出が徐放性になること、更には、ステアリン酸金属塩の含有量が多くなるほど溶出時間が遅延されることが記載されている。
米国特許6296873号公報 国際公開WO2005/005484号公報 特開2004−300149号公報 国際公開WO94/064146号公報 特開2003−146882号公報 特開平9−301872号公報 特開2003−146882号公報
本発明は、固形製剤や有核固形製剤などの複雑な構造や製造プロセスを取ることなく、均一な処方粉粒体を圧縮成形するのみで製造可能であるにも係わらず、正確な多段階溶出が可能であり、さらに、イオン強度やpH等の生体内環境、及び圧縮成形時の圧縮力に溶出特性が影響されない多段徐放性固形製剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、保水量が400%以上、崩壊時間が5時間以上、ゲル押込み荷重が200g以上の澱粉粉末を溶出制御基剤とする徐放性固形製剤のゲル形成機構及び活性成分溶出機構について鋭意検討を重ねた結果、該加工澱粉を特定の粒度範囲となるように管理し、さらに脂肪酸金属塩を配合することにより、活性成分を多段溶出に制御可能であること、さらには、脂肪酸金属塩の配合量により2段階目以降の溶出開始時間を制御可能なことを見出し、この知見に基づき本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の通りである。
(1)1種以上の活性成分と、前記活性成分の溶出を制御する溶出制御基剤とを含有する徐放性固形製剤であって、前記の溶出制御基剤は、保水量が400%以上で、ゲル押込み荷重が200g以上で、水溶性成分量が40〜95%で、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上で、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上である加工澱粉50.0〜99.9重量%と、脂肪酸金属塩0.01〜20重量%とを含むものであることを特徴とする多段徐放性固形製剤。
(2)前記の加工澱粉が、目開き75μmの篩いを通過する粒子が98重量%以上で、目開き32μmの篩いを通過する粒子が40重量%以上のものであることを特徴とする上記(1)に記載の固形製剤。
(3)前記の活性成分が、医薬品薬効成分であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の固形製剤。
(4)前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸の金属塩であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の固形製剤。
(5)さらに、コーティング顆粒を含有することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の固形製剤。
(6)重量が0.20gより大きいことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の固形製剤。
本発明の徐放性固形製剤は、固形製剤や有核固形製剤などの複雑な構造や製造プロセスを取ることなく均一な処方粉粒体を圧縮成形するのみで製造可能であるにも係わらず、イオン強度やpH等の生体内環境、及び圧縮成形時の圧縮力に影響を受けにくく、かつ正確な多段階溶出が可能である。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明の徐放性固形製剤は、1種以上の活性成分と、前記活性成分の溶出を制御する溶出制御基剤とを含有し、活性成分を多段的に溶出する多段徐放性を有する。この固形製剤は、活性成分と溶出制御基剤とが、単に混合されて均一に分散された状態のいわゆるマトリクスシステムを構成していれば良い。多層固形製剤や有核固形製剤のようなより複雑な構造とすることは必要ではないが、そのようにすることは任意である。
溶出制御基剤は、活性成分の溶出を多段に制御して、固形製剤に多段徐放性を付与する機能を有する。溶出制御基剤は、保水量が400%以上で、ゲル押込み荷重が200g以上で、水溶性成分量が40〜95%で、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上で、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上である特定の加工澱粉と、脂肪酸金属塩とを含有する。この両者を含むことにより、固形製剤に正確な多段徐放性を付与することが可能になる。
まず、脂肪酸金属塩について説明する。溶出制御基剤に脂肪酸金属塩を含有させることにより、理由は不明であるが、活性成分の溶出を2以上の段階に制御することが可能となる。脂肪酸としては特に限定されないが、溶出制御のためには比較的分子量が大きいものが好ましく、溶出特性の経時変化に対する安定性の観点からは飽和型の脂肪酸を用いるのがよい。例えば、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が挙げられる。また、塩にするための金属イオン種も特に限定されないが、溶出特性の観点から2価とするのが好ましく、例えば、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ストロンチウム等が挙げられる。優れた多段徐放性を得るためには、ステアリン酸やパルミチン酸の金属塩とするのが好ましく、ステアリン酸のマグネシウム塩、ステアリン酸のカルシウム塩等から選択して用いることがより好ましい。
溶出制御基剤における脂肪酸金属塩の含有量は、0.01〜20重量%とすることが必要である。脂肪酸金属塩が0.01重量%以上で、徐放性固形製剤を多段的な溶出へと制御できる。脂肪酸金属塩が多くなるほど2段目以降の溶出開始時間は速くなるが、脂肪酸金属塩が20重量%以下であれば、多段的溶出における2段目以降の溶出開始時間が適度に遅い範囲に留まり、1段での溶出との差が明確になる。脂肪酸金属塩の含有量は、好ましくは0.05〜15重量%であり、より好ましくは0.1〜10重量%である。
溶出制御基剤には、保水量が400%以上、ゲル押込み荷重が200g以上、水溶性成分量が40〜95%、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上の特定の加工澱粉を含む。この特定の加工澱粉を固形製剤の溶出制御基剤として用いることで、固形製剤からの活性成分の正確な多段溶出が可能になる。
溶出制御基剤には、特定の加工澱粉を50.0〜99.9重量%含む必要がある。特定の加工澱粉の含有量は好ましくは10.0〜99.9重量%であり、特に好ましくは20.0〜99.9重量%である。特定の加工澱粉の含有量が5.0重量%以上で、活性成分の溶出を徐放性に制御することが可能になる。特定の加工澱粉の含有量は、活性成分の種類や量によって適宜最適な量を選択することができるが、加工澱粉の含有量を99.9重量%以下とすることで、脂肪酸金属塩の含有量が正確な多段溶出性を付与できる範囲となる。
特定の加工澱粉について説明する。特定の加工澱粉は、保水量が400%以上であることが必要である。より好ましくは500%以上、特に好ましくは700%以上である。ここで保水量とは、乾燥した加工澱粉1gを20℃±5℃の純水に分散し遠心分離(2000G、10分)した後に澱粉が保持する純水量で定義する。保水量が400%以上で加工澱粉が水和してゲルを形成するため固形製剤が崩壊しにくくなり、かつ活性成分の拡散速度が保たれて十分な徐放性を発現しやすくなる。保水量が高いほどゲル形成能が高くなり、高いイオン強度下でもゲルが破壊されないので好ましいが、最大値は澱粉原料の特性に依存しせいぜい3000%までである。
また、特定の加工澱粉は、ゲル押込み荷重が200g以上であることが必要である。ゲル押込み荷重とは、加工澱粉0.5gを50MPaで圧縮して得られる直径1.13cmの円柱状成形体を20℃±5℃の純水中に4時間浸漬しゲル化させた後、0.1mm/secの速度で3mm直径の円柱状アダプターを押込んだ時の最大荷重で定義する。ここで、最大荷重とは、ゲル層の破断がある場合は破断時の荷重値、破断がない場合はアダプターがゲル化した円柱状成形体に5mm進入するまでに示した最大の荷重値とする。ゲル押込み荷重が200g以上で、加工澱粉が形成するゲル層内での活性成分の拡散が速くなりすぎず十分な徐放性を発現しやすくなる。ゲル押込み荷重値が高いほど徐放性が強くなり好ましいが、せいぜい3000g程度である。
また、特定の加工澱粉は、水溶性成分量が40〜95重量%の範囲にあることが必要である。水溶性成分量(重量%)は、加工澱粉1gに20℃±5℃の純水99gを加えてマグネチックスターラーで2時間攪拌して分散させ、得られた分散液の40cm3を50cm3の遠沈管に移し、5000Gで15分間遠心分離し、この上澄液30cm3を秤量瓶に入れ、110℃で一定重量になるまで乾燥して水溶性成分の乾燥重量(g)を求める。また、加工澱粉1gを110℃で一定重量になるまで乾燥して加工澱粉の絶乾重量(g)を求める。これらの値と下式(ア)により求めた値で定義する。
水溶性成分量=(乾燥重量×100÷30)÷澱粉1gの絶乾重量×100・・(ア)
水溶性成分量は、加工澱粉が加熱処理により糊化し水溶性となった糊成分の量を表す値である。水溶性成分量が40重量%以上で、水和速度が確保されて遅くなりすぎることがなく、一方で徐放性固形製剤が溶媒と接した後直ぐに多量の活性成分が溶出してしまうような現象が生じにくくなる。水溶性成分量が95重量%以下で、固形製剤の強度が確保され、十分な徐放性が得られやすくなる。また、胃腸管の機械的運動による負荷に耐えうるため浸食が進みにくく溶出速度が一定範囲に確保される。
特定の加工澱粉は、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上、且つ、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上であることが必要である。好ましくは、目開き75μmの篩いを通過する粒子が95重量%以上、目開き32μmの篩いを通過する粒子が30重量%以上であり、より好ましくは、目開き75μmの篩いを通過する粒子が98重量%以上、目開き32μmの篩いを通過する粒子が40重量%以上である。特定の加工澱粉は、粒子が小さい方が膨潤性が小さく、ゲル強度も強いため、目開き75μの篩いを通過する粒子が90重量%以上で、かつ目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上であれば、澱粉粒子、及び該澱粉粒子からなる固形製剤の膨潤性が比較的小さい範囲に留まり、ゲル層の密度が高くて強い範囲に留まって、固形製剤からの活性成分の溶出が圧縮成形圧により変動しにくくなる。また、2段目以降の溶出開始時間が圧縮成形圧により影響を受けにくく好ましい。
ところで、保水量が400%以上、ゲル押込み荷重が200g以上、水溶性成分量が40〜95重量%である加工澱粉の製造方法は特許文献2に開示されている。本発明者らは、特許文献2に記載の方法で得られる該加工澱粉について詳細に調べた結果、粒度によって特異的に膨潤性が異なり、該加工澱粉の粒度と膨潤性を適正範囲に制御することによって、初めて固形製剤における層間分離が起こらず、圧縮成形圧に依存しない徐放性固形製剤が得られることを見出した。その検討プロセスを次に説明する。
本発明者等は、まず、特許文献2の方法に準拠した方法、具体的には後述の比較製造例1に記載したようにして従来の加工澱粉Cを製造し、得られた加工澱粉Cを0〜32、32〜75、75〜150、150〜500μmの粒度毎に分画して基礎物性を比較した。表1に得られた加工澱粉Cの粒度分布、加工澱粉の膨潤度、加温保存条件下のゲル押込み荷重値を、図3〜6に加工澱粉Cが膨潤した後の粒子の光学顕微鏡写真を示した。
表1に示す加工澱粉Cの膨潤度は、加工澱粉Cの1.0gを20±5℃の純水に分散させて100cm3の沈降管に移し、全量を100cm3とし、16時間放置した後、上下に分かれた下層の容積と定義して求めた値である。また、加温保存条件下のゲル押込み荷重は、加工澱粉0.5gを50MPaで圧縮して得られる直径1.13cmの円柱状成形体を37℃±0.5℃の純水中に4時間浸漬しゲル化させた後、0.1mm/secの速度で3mm直径で円柱状のアダプターを押込んだ時に最初にピークを与えた値として求めた。
表1の加工澱粉Cのデータ及び、図3〜6の加工澱粉C膨潤粒子の写真より、0〜32μm分画の粒子は膨潤度が約14、膨潤粒子の大きさが100μm程度と膨潤性が小さく、ゲル押込み荷重値は大きいことがわかる。一方で、32μm〜500μmの粒子は何れの粒度分画も一様にして膨潤度が20〜30、膨潤粒子の大きさが200〜300μmと膨潤性が大きく、ゲル押込み荷重値は小さいことがわかる。
これらの事実から、特許文献2に記載の方法で得られる加工澱粉は、澱粉粒子の外殻構造を有し膨潤性が小さくゲル押込み荷重値の大きい0〜32μm分画の粒子群と、外殻構造を有し膨潤性の大きくゲル押込み荷重値の小さい32〜75μmの粒子群と、水溶性の糊成分(膨潤・溶解して輪郭が消失するため光学顕微鏡では観察されない)の3成分により構成されること、これらの3成分が造粒されて0〜約500μmに粒度分布を有する加工澱粉が形成されていることが明らかとなった(何れの粒子も水溶性成分により表面が覆われているため、加工澱粉の外見のみではこれらの事実は判別できない。)。
更に、膨潤性が小さくゲル押込み荷重値の大きい0〜32μm分画と膨潤性が大きくゲル押込み荷重値が小さい32〜500μm分画に分けて徐放性固形製剤とすると、0〜32μm分画は圧縮成形圧による変動のない安定した溶出性を示したが、32〜500μm分画は、圧縮力が小さいほど圧縮方向への大きな膨潤が起こり、これに伴い溶出速度が速まることが明らかとなった。圧縮成形圧に依存しない徐放性の固形製剤とするには、膨潤性が小さくゲル押込み荷重値の大きな粒子設計とする必要があることが確認された。
本発明者らは、上述した事実を顧みて、32〜500μmの粒子中に存在する32〜75μmの外殻構造を有する1次粒子を破壊することで、該加工澱粉の膨潤性を小さく抑えることができ、その結果、圧縮力に依存しない徐放性固形製剤が得られると考えた。様々な粉砕条件について検討を重ねた結果、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上、且つ、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上となるように粒度分布を管理することによって、膨潤性が一様に小さくゲル押込み荷重値の大きな加工澱粉が得られることを見出し、層間分離や圧縮成形圧による変動のない固形製剤が得られるに至った。
ここで、実施例1により得られた、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上、且つ、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上となる加工澱粉Aを、0〜32、32〜75μmの粒度毎に分画した場合の各分画の基礎物性を比較した。表1に加工澱粉A全体及び各分画の粒度分布、膨潤度、加温保存条件下のゲル押込み荷重値を示した。また、図1、2に加工澱粉Aが膨潤した後の膨潤粒子の光学顕微鏡写真を示した。加工澱粉の外殻構造を有する一次粒子が破壊されていることは、膨潤粒子の光学顕微鏡画像から確認できる。また、何れの粒度分画も膨潤性が一様に小さく抑えられ、ゲル押し込み荷重値は大きな値を示すのも確認できる。
ここで、徐放性とは、活性成分が、時間に関係ない一定の溶出速度で、徐々に固形製剤から溶出され、かつ活性成分の90%以上を溶出するのに要する時間が少なくとも3時間以上である特性をいうものとする。活性成分の90%以上を溶出するのに要する時間は、活性成分の種類により、例えば、投与から8時間、12時間、24時間と適時選択することができるが、固形製剤の胃腸管滞留時間に限度があるため上限はせいぜい72時間である。
徐放性を有するこの固形製剤は、活性成分の溶出が多段的に制御される特性を有する。活性成分の溶出が多段的に制御されるとは、ある経過時間tの単位時間当りの溶出率Mtとtより1時間前の単位時間当りの溶出率Mt-1の比であるMt/Mt-1で溶出性を評価するとき、この溶出率の比が1.2以上となる時間tが、1つ以上存在することをいう。ある経過時間t及びt−1における単位時間当たりの溶出率MtとMt-1、及びそれらの比であるMt/Mt-1は、次のようにして求める値と定義する。重量0.18g、直径0.8cm、圧縮成形圧120MPaの条件で静圧プレスを用いて成形した固形製剤を用意する。また、圧縮成形圧を300MPaに代えた以外は同様にして成型した固形製剤を用意する。
これらを用いて、第14改正日本薬局方に記載の溶出試験第一法(回転バスケット法)に準拠する方法で溶出試験を行う。溶出試験の試験液には、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14。以下、「第2液」ということがある。)か、または、Mcilvaine液(pH7.2、イオン強度0.40、組成:リン酸水素二ナトリウム173.9mM、クエン酸13.1mM。以下、「mc液」ということがある。)に、それぞれα−アミラーゼを5μg/cm3となるように添加した溶媒を用い、いずれかの試験液を900cm3、バスケット回転数100rpm、試験液温度37±0.5℃の条件で溶出試験を行う。活性成分が90%以上溶出するまでの1時間毎に試験液をサンプリングして活性成分の溶出率を求め、時間tの溶出率から時間t−1の溶出率を差し引いた値を時間tの単位時間当たりの溶出率Mt(t=0、1、2・・・活性成分が90%以上溶出するまでの時間)とし、同様に、時間t−1の溶出率から時間t−2の溶出率を差し引いた値を時間t−1の単位時間当たりの溶出率Mt-1(t=0、1、2・・・活性成分が90%以上溶出するまでの時間)とする。
固形製剤における溶出制御基剤の含有量は、5.0〜99.9重量%とするのがよい。5重量%以上で、活性成分を多段に徐放性に制御することが可能になり、99.9重量%以下とすることで、必要な活性成分を固形製剤に含有させることが可能になる。より好ましくは、10.0〜99.9重量%であり、さらに好ましくは20.0〜99.9重量%である。
上述の特定の加工澱粉の製法について説明する。特定の加工澱粉は、例えば澱粉原料を水存在下60℃以上100℃未満で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで該膨潤させた澱粉粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程、及び得られた乾燥粉末を粉砕して粒度を調整する工程等により製造される。或いは、減圧下、100〜130℃で加熱処理された澱粉質原料を、さらに水存在下60〜150℃で加熱し、澱粉質原料の澱粉粒子を膨潤させる工程、次いで膨潤させた粒子を乾燥させ、澱粉粒子と該澱粉粒子の外部に存在するアミロースとアミロペクチンとを含有する混合物の粉末を得る工程、及び得られた乾燥粉末を粉砕して粒度を調整する工程等により製造される。なお、澱粉粒子の外部に存在するアミロース、アミロペクチンとは、加熱処理による膨潤により外殻構造が崩壊した澱粉に由来する、澱粉粒子の外部に溶出されたアミロースとアミロペクチンである。また、澱粉質原料についての水存在下とは、澱粉質原料と水とが存在した状態であって、水分が40重量%以上である状態をいう。
製造に用いることができる澱粉質原料は、コメ、モチゴメ、トウモロコシ、モチトウモロコシ、アミロトウモロコシ、モロコシ、コムギ、オオムギ、サトイモ、リョクトウ、バレイショ、ユリ、カタクリ、チューリップ、カンナ、エンドウ、シワエンドウ、クリ、クズ、ヤマノイモ、カンショ、ソラマメ、インゲンマメ、サゴ、タピオカ(キャッサバ)、ワラビ、ハス、ヒシ等の天然澱粉、老化澱粉、架橋澱粉等が例示され、澱粉質物質を含有するものであれば特に制限されないが、粒子の膨潤性が高く保水量を高く制御しやすいという観点からバレイショが好ましい。澱粉質原料は、上記のうち1種を使用してもよいし、2種以上を混合したものを使用することも自由である。また澱粉質原料の粒子の大きさは膨潤しやすさの観点から大きいほどよい。
澱粉質原料は、糊化開始温度が高くなり、粒子の膨潤性が高まるという観点から、例えば特開平4−130102号公報や特開平7−25902号公報に記載されているように、澱粉質含量に減圧下100℃〜130℃で加熱処理する等の、湿熱処理を施したものであればさらに良い。
例えば、特開平4−130102号公報には、(1)減圧ラインと加圧蒸気ラインとの両方を付設し、内圧、外圧共に耐圧性の密閉できる容器に澱粉を入れ、減圧とした後、蒸気導入による加圧加熱を行い、あるいはこの操作を繰り返すことにより、澱粉を所定時間加熱した後冷却する湿熱処理方法、(2)(1)の方法に加えて、缶内温度を少なくとも120℃以上とすることで、水懸濁液を加熱した時、澱粉粒子の膨潤が認められるが実質的に粘度を示さず、α−アミラーゼ吸着能が著しく高い澱粉を製造する湿熱処理方法、(3)(1)または(2)の方法に加えて、加熱後減圧にして冷却する湿熱処理方法、が開示されているが、これらの湿熱処理方法のいずれでも良い。
また、特開平7−25902号公報には、(4)澱粉質系穀粒を湿熱処理して得られる湿熱処理澱粉質系穀粒の製造方法において、耐圧容器内に充填した澱粉質系穀粒を減圧する第1工程と、減圧後、蒸気を導入して加熱、加圧する第2工程を、少なくとも1回繰り返す湿熱処理澱粉質系穀粒の製造方法、(5)(4)の製造方法の前記第2工程において、前記加熱を80℃以上で、かつ5分〜5時間行う製造方法、が開示されているが、これらの方法のいずれでも良い。
これらの方法により、澱粉質原料を減圧下で湿熱処理された澱粉は、粒子の内部が中空状で、粒子の外殻部の結晶性が増したものであり、光学顕微鏡の偏光像に見られる偏光十字模様が、生澱粉よりも弱く、非複屈折性粒子が減少しているという特徴を有する。また中空部はアミロースやアミロペクチンの結晶状態がほぐれた構造になっていると思われ、α―アミラーゼによる消化性が生澱粉よりも増しているという特徴を有し、特定の加工澱粉として用いるのに適している。
また、澱粉質原料を湿熱処理するに際し、澱粉乳液を50〜95℃へ加温していく過程における澱粉乳液の粘度が、5%濃度に調整した場合に400ブラベンダーユニット(BU)以下の値であり、かつ95℃で30分間保持した時の最大粘度が1000BU以下であることは、加熱処理により澱粉粒子に付与する膨潤性の調整が安定して行えるため好ましい。
澱粉質原料の加熱の方法は、公知の方法であれば特に制限しないが、例えば水存在下の澱粉質原料を、ジャケット付リアクターに入れてジャケットに蒸気を導入して加熱する方法、水存在下の澱粉質原料に蒸気を混合する方法、ドラム乾燥機の液溜め部で加熱する方法、噴霧乾燥時に蒸気を澱粉スラリーに供給しながら糊化と噴霧とを同時に行う方法等が挙げられるが、澱粉粒子の加熱時間の観点から水存在下の澱粉質原料に蒸気を混合する方法が好ましい。加熱温度は、上記の種々の方法で澱粉を糊化した後の液温度が、90〜150℃であればよく、好ましくは90〜130℃、さらに好ましくは95〜130℃である。
乾燥方法は特に制限はないが、例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、棚段乾燥、気流乾燥、真空乾燥及び溶剤置換による乾燥などが挙げられるが、工業的には噴霧乾燥、ドラム乾燥が好ましい。また、乾燥時の液固形分は0.5重量%〜60重量%程度とするのが好ましい。0.5重量%以上で生産性が良くなり、60重量%以下で粘度が高くなりすぎず、収率が確保されて好ましい。さらには、1〜30重量%がより好ましく、1〜20重量%がさらに好ましい。
粉砕方法は特に制限はないが、例えば、コーンクラッシャー、ダブルロールクラッシャー、ハンマーミル、ボールミル、ロッドミル、ピン型ミル、ジェット型ミルなどが挙げられるが、粉砕不足や過粉砕を避ける目的で、上記粉砕機と分級機を兼ねそろえた閉回路粉砕方式を取るのが好ましい。
目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上、且つ目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上となるように粒度調整された、保水量が400%以上、ゲル押込み荷重が200g以上、水溶性成分量が0〜95%の加工澱粉は、粒度未調整のものに比べて膨潤度が小さく、ゲル押込み荷重値が高いのが特徴である。なお、粒度調整された該加工澱粉の膨潤度は、5〜20cm3/gの範囲にあるのが好ましい。
また、固形製剤に用いる加工澱粉は、嵩密度が0.1〜0.7g/cm3の範囲にあることが好ましい。さらに好ましくは0.15〜0.7g/cm3であり、特に好ましくは0.2〜0.7g/cm3である。嵩密度が0.1g/cm3以上で流動性に優れるため、固形製剤の重量分布が拡がりにくく好ましい。0.7g/cm3以下で圧縮成形性が確保され、適当な実用硬度が得られるため好ましい。嵩密度は、乾燥工程における液濃度の大小に影響され、また、スプレードライ乾燥工程においてアトマイザーの回転数にも影響されるから、嵩密度を上記の範囲とするには、これらを適宜調整すればよい。
固形製剤には、その効果を損ねない限りにおいて、必要に応じて他の溶出制御基剤を併用してもよい。他の溶出制御基剤としては、親水性の溶出制御基剤(例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の親水性のセルロース誘導体、キサンタンガムやイナゴマメガム等の非セルロース多糖類、ポリエチレンオキサイドやアクリル酸ポリマー等の合成高分子等)、親油性の溶出制御基剤(例えば水素化したヒマシ油やステアリン、パルミチンなどのグリセリド類、セチルアルコールなどの高級アルコール類、ステアリン酸等の脂肪酸類、プロピレングリコールモノステアレートなどの脂肪酸エステル類等)、不活性の溶出制御基剤(例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、酢酸ビニル/塩化ビニルのコポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、シリコーン、エチルセルロース、ポリスチレン等)等を挙げることができる。
固形製剤は、上記成分に加え、さらにコーティング顆粒を含有していることが好ましい。ここにいうコーティング顆粒とは、一種以上の活性成分を含有する顆粒にフィルムコーティングを施したものをいう。コーティング顆粒を含むことにより、必要に応じてより複雑で的確な活性成分の溶出パターンを得ることができる。
コーティング顆粒のコーティング剤としては、徐放性コーティング剤、腸溶性コーティング剤等がある。具体的には、セルロース系コーティング剤(例えばエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテート等)、アクリルポリマー系コーティング剤(例えばオイドラギットRS、オイドラギットL、オイドラギットNE等)、あるいはシェラック、シリコン樹脂等から選択される1種以上を用いることができる。
コーティング剤には、溶出速度調節のための水溶性物質、可塑剤等を必要に応じて加えても良い。水溶性物質としてはヒドロキシプロピルメチルセルロース等の水溶性高分子類やマンニトール等の糖アルコール類、白糖や無水マルトース等の糖類、ショ糖脂肪酸エステルやポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤類等から選択される1種以上を用いることができる。可塑剤としてはアセチル化モノグリセリド、クエン酸トリエチル、トリアセチン、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジメチル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリブチル、アジピン酸ジブチル、オレイン酸、オレイノール等から選択される1種以上を用いることができる。
これらのごときコーティング剤は、有機溶媒に溶解させたあと顆粒にコーティングしても良いし、水に懸濁させたあと顆粒にコーティングしても良い。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、アセトン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ベンゼン等から選択される1種以上を用いることもできるし、更に水を含有させて用いることもできる。
また、上記の活性成分を含有する顆粒とは、活性成分の粉粒体や、活性成分に結合剤等を加えて得られる造粒物でも良く、或いは薬効成分を含まない素顆粒に薬効成分を積層して得られる顆粒でも良い。結合剤としては、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等から選択される1種以上を用いることができる。活性成分を含有する顆粒として好ましくは、コーティング顆粒の強度が強くなり、圧縮成形によるコーティング皮膜の損傷を抑制できる点で、機械的強度の強い素顆粒に薬効成分を積層して得られる顆粒を用いるのが良い。商業的に入手可能である機械的強度の強い素顆粒としては、結晶セルロースを構成成分とする核粒子「セルフィア(登録商標)」SCP−100、CP−203、CP−305、CP−507(旭化成ケミカルズ株式会社製)等が利用できる。
固形製剤は、1粒あたりの重量が0.20g以上であることが好ましい。これにより、溶出後期の溶出速度を減少させることなく溶出時間を簡単に延長することが可能となる。これは、溶出制御基剤としての加工澱粉の膨潤性を小さく調製しているため、固形製剤の膨潤を小さく抑えることができ、活性成分の拡散距離が固形製剤の膨潤により大きくは変わらないことによる。一方、膨潤性の大きいヒドロキシプロピルメチルセルロース等の溶出制御基剤を用いて、圧縮方向の膨潤度又は膨潤度比が本発明の範囲にない例では、固形製剤の重量が大きくなると溶出後期の溶出速度が減少してしまうので好ましくない。活性成分の溶出性を維持したまま、単純に固形製剤の重量を大きくすることで活性成分の溶出時間を延長できることは効果の1つである。
ここで、活性成分とは、固形製剤が投与された体内等の周辺環境に対して、化学的または生物学的に望ましい影響を与える成分を言い、例えば、医薬品薬効成分、農薬成分、肥料成分、飼料成分、食品成分、化粧品成分、色素、香料、金属、セラミックス、触媒、界面活性剤等をいう。活性成分は、粉体状、結晶状、油状、液状、半固形状等のいずれの性状でも良いし、粉末、細粒、顆粒等のいずれの形態でも良い。活性成分は、それ単独で使用しても、2種以上を併用しても良い。活性成分としては、徐放性に対する要求性能が厳しい医薬品薬効成分とするのが最も好ましい。
医薬品薬効成分としては、解熱鎮痛消炎薬、催眠鎮静薬、眠気防止薬、鎮暈薬、小児鎮痛薬、健胃薬、制酸薬、消化薬、強心薬、不整脈用薬、降圧薬、血管拡張薬、利尿薬、抗潰瘍薬、整腸薬、骨粗症治療薬、鎮咳去痰薬、抗喘息薬、抗菌剤、頻尿改善剤、滋養強壮剤、ビタミン剤など、経口で投与されるものが対象となる。薬効成分は、それを単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
固形製剤は、(a)4〜8時間以下のオーダーの短い半減期を持ち、通例の調製物中で投与される時に1日に数回に分けた用量で摂取しなければならない場合、または(b)狭い治療指数を持つ場合、または(c)全胃腸管にわたり十分に吸収される必要がある場合、(d)治療に効果的な用量が比較的少量である場合等の、何れか1つ又は2つ以上の特徴を有する1種以上の医薬品薬効成分を製剤化するために特に有用である。以下に、固形製剤で用いることのできる医薬品薬効成分について例示するが、これらに限定されるものではない。
◇鎮痛および抗-炎症性薬剤(NSAID、フェンタニール、インドメタシン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブメトン(nabumetone)、パラセタモール、ピロキシカム、トラマドール、セロコキシブ(celecoxib)およびロフェコキシブ(rofecoxib)のようなCOX-2インヒビター);
◇抗-不整脈剤(プロカインアミド、キニジン、ベラパミル);
◇抗細菌および抗原生動物剤(アモキシリン、アンピシリン、ベンザチン ペニシリン、ベンジルペニシリン、セファクロール、セファドロキシル、セフプロジル(cefprozil)、セフロキシム アキセチル(cefuroxime axetil)、セファレキシン、クロラムフェニコール、クロロキン、シプロフロキサシン、クラリスロマイシン(clarithromycin)、クラブラン酸、クリンダマイシン、ドキシサイクリン(doxyxyclin)、エリスロマイシン、フルクロキサシリン(flucloxacillin) ナトリウム、ハロファントリン(halofantrine)、イソニアジド、硫酸カナマイシン、リンコマイシン、メフロキン、ミノサイクリン、ナフシリン ナトリウム、ナリジクス酸、ネオマイシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン(ofloxacin)、オキサシリン、フェノキシメチル-ペニシリン カリウム、ピリメタミン-スルファドキシム、ストレプトマイシン);
◇抗-凝固剤(ワルファリン);
◇抗鬱剤(アミトリプチリン、アモキサピン、ブトリプチリン、クロミプラミン、デシプラミン、ドチエピン(dothiepin)、ドキセピン、フルオキセチン、レボキセチン(reboxetine)、アミネプチン(amineptine)、セレジリン、ジェピロン、イミプラミン、炭酸リチウム、ミアンセリン、ミルナシプラン(milnacipran)、ノルトリプチリン、パロキセチン(paroxetine)、セルトラリン(sertraline);3-[2-[3,4-ジヒドロベンゾフラン[3,2-c]ピリジン-2(1H)-イル]エチル]-2-メチル-4H-ピリド[1,2-a]ピリミジン-4-オン);
◇抗糖尿病剤(グリベンクラミド(glibenclamide)、メトホルミン);
◇抗癲癇剤(カルマバゼピン、クロナゼパム、エトスクシミド、ガバペンチン(gabapentin)、ラモトリジン、レベチラセタム(lavetiracetam)、フェノバルビトン(phenobarbitone)、フェニトイン、プリミドン、チアガビン(tiagabine)、トピラメート(topiramate)、バルプロミド(valpromide)、ビガバトリン);
−抗菌剤(アンホテリシン、クロトリマゾール、エコナゾール、フルコナゾール(fluconazole)、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール(itraconazole)、ケトコナゾール、硝酸ミコナゾール、ナイスタチン、テルビナフィン(terbinafine)、ボリコナゾール(voriconazole));
◇抗ヒスタミン剤(アステミゾール、シンナリジン(cinnarizine)、シプロヘプタジン、デカルボエトキシロラタジン(decarboethoxyloratadine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、フルナリジン、レボカバスチン(levocabastine)、ロラタジン(loratadine)、ノルアステミゾール(norastemizole)、オキサトミド(oxatomide)、プロメタジン、テルフェナジン);
◇抗-高血圧剤(カプトプリルエナラプリル、ケンタセリン、リジノプリル、ミノキシジル、プラゾシン、ラミプリル(ramipril)、レセルピン、テラゾシン);
◇抗-ムスカリン作用剤(硫酸アトロピン、ヒオスシン);
◇抗腫瘍剤および代謝拮抗物質(シスプラチン、カルボプラチンのような白金化合物;パクリタキセル、ドセタキセル(docetaxel)のようなタキサン(taxane);カンプトテシン(camptothecin)、イリノテカン(irinotecan)、トポテカン(topotecan)のようなテカン(tecan);ビンブラスチン、ビンデシン、ビンクリスチン、ビノレルビン(vinorelbine)のようなビンカ アルカロイド;5-フルオロウラシル、カペシタビン(capecitabine)、ジェムシタビン(gemcitabine)、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン(cladribine)、メトトレキセートのようなヌクレオシド誘導体および葉酸アンタゴニスト;ナイトロジェン マスタード、例えばシクロホスファミド、クロラムブシル(chlorambucil)、クロルメチン(chlormethine)、イホスファミド(iphosphamide)、メルファラン(melphalan)、あるいはニトロソウレア、例えばカルムスチン、ロムスチンのようなアルキル化剤、あるいは他のアルキル化剤、例えばブスルファン、ダルカルバジン、プロカルバジン、チオテパ;ダウノルビシン、ドキソルビシン、イダルビシン(idarubicin)、エピルビシン(epirubicin)、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシンのような抗生物質;トラスツズマブ(trastuzumab)のようなHER 2抗体;エトポシド、テニポシド(teniposide)のようなポドフィロトキシン誘導体;ファルネシル トランスフェラーゼ インヒビター;ミトザントロンのようなアントラキノン誘導体);
◇抗-偏頭痛剤(アルニジタン(alniditan)、ナラトリプタン(naratriptan)、スマトリプタン(sumatriptan));
◇抗-パーキンソン剤(ブロモクリプチン メシレート(bromocryptine mesylate)レボトバ、セレジリン);
◇抗精神性、催眠性および鎮静剤(アルプラゾラム、ブスピロン、クロルジアゼポキシド(chlordiazepoxide)、クロルプロマジン(chlorpromazine)クロザピン、ジアゼパム、フルペチキソール、フルフェナジン、フルラゼパム、9-ヒドロキシリスペリドン(hydroxyrisperidone)、ロラゼパム、マザペルチン(mazapertine)、オランザピン(olanzapine)、オキサゼパム、ピモジド、ピパンペロン、ピラセタム(piracetam)、プロマジン、リスペリドン(risperidone)、セルホテル(selfotel)、セロクエル(seroquel)、セルチンドール(sertindole)、スルピリド、テマゼパム、チオチキセン、トリアゾラム、トリフルペリドール、ジプラシドン(ziprasidone)、ゾルピデム);
◇抗-発作剤(ルベルゾール(lubeluzole)、ルベルゾール オキシド(lubeluzole oxide)、リルゾール(riluzole)、アプチガネル(aptiganel)、エリプロジル(eliprodil)、レマセミド(remacemide));
◇鎮咳剤(デキストロメトルファン、レボドロプロピジン(laevodropropizine));
◇抗ウイルス剤(アシクロビル、ガンシクロビル、ロビリド(loviride)、チビラピン(tivirapine)、ジドブジン、ラミブジン(lamivudine)、ジドブジン+ラミブジン、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、アバカビル(abacavir)、ロピナビル(lopinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、ネビラピン(nevirapine)、エファビレンズ(efavirenz)、デラビルジン(delavirdine)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、リトナビル(ritonavir)、サキナビル(saquinavir)、アデホビル(adefovir)、ヒドロキシウレア);
◇ベータ-アドレナリン作用性受容体剤(アテノロール、カルベディロール、メトプロロール、ネビボロール(nebivolol)、プロパノルオール);
−心変力性剤(アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、ミルリノン);
◇コルチコステロイド(ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ベタメゾン、ブデソニド(budesonide)、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン);
◇殺菌剤(クロルヘキシジン);
◇利尿剤(アセタゾラミド、フルセミド(frusemide)、ヒドロクロロチアジド、イソソルビド);
◇酵素;
◇精油(アネトール、アニス油、キャラウェイ、カルダモン、カシア油、シネオール、シナモン油、クローブ油、コリアンダー油、脱メントール化(dementholised)ミント油、ディル油、ユーカリ油、オイゲノール、ジンジャー、レモン油、からし油、ネロリ油、ナツメグ油、オレンジ油、ペパーミント、セージ、スペアミント、テルピネオール、タイム);
◇胃腸薬(シメチジン、シサプリド(cisapride)、クレボプリド(clebopride)、ジフェノキシラート、ドンペリドン、ファモチジン、ランソプラゾール(lansoprazole)、ロペルアミド(loperamide)、ロペルアミド オキシド(loperamide oxide)、メサラジン(mesalazine)、メトクロプラミド(metoclopramide)、モサプリド(mosapride)、ニザチジン、ノルシスアプリド(norcisapride)、オルサラジン(olsalazine)、オメプラゾール、パントプラゾール(pantoprazole)、ペルプラゾール(perprazole)、プルカロプリド(prucalopride)、ラベプラゾール(rabeprazole)、ラニチジン、リドグレル(ridogrel)、スルファサラジン(suphasalazine));
◇止血剤(アミノカプロン酸);
◇脂質調節剤(アトルバスチン(atorvastine)、セバスタチン、プラバスタチン、プロブコール、シンバスタチン);
◇局所麻酔剤(ベンゾカイン、リグノカイン(lignocaine));
◇オピオイド鎮痛剤(ブプレノルフィン、コデイン、デキストロモルアミド、ジヒドロコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、モルフィネ);
◇副交感神経作用性および抗痴呆剤(AIT-082、エプタスチグミン(eptastigmine)、ガランタミン、メトリホナート、ミラメリン(milameline)、ネオスチグミン、フィゾスチグミン、タクリン、ドネペジル(donepezil)、リバスチグミン(rivastigmine)、サブコメリン(sabcomeline)、タルサクリジン(talsaclidine)、キサノメリン(xanomeline)、メマンチン(memantine)、ラザベミド(lazabemide));
◇ペプチドおよびタンパク質(抗体、ベカルプレルミン(becaplermine)、シクロスポリン、エリスロポエチン、免疫グロブリン、インスリン);
◇性ホルモン(卵胞ホルモン:抱合卵胞ホルモン、エチニルエストラジオール、メストラノール、エストラジオール、エストリオール、エストロン;プロゲステロン;酢酸クロマジン、酢酸シプロテン、17-デアセチル ノルゲスチメート(deacetyl norgestimate)、デソゲストレル(desogestrel)、ジエノゲスト(dienogest)、ジドロゲステロン、エチノジオール(ethynodiol) ジアセテート、ゲストデン(gestodene)、3-ケト デソゲストレル(keto desogestrel)、レボノルゲストレル(levonorgestrel)、リネストレノール、酢酸メトキシプロゲステロン、メゲステロール、ノルエチンドロン、酢酸ノルエチンドロン、ノルエチステロン、酢酸ノルエチステロン、ノルエチノドレル、ノルゲスチメート(norgestimate)、ノルゲストレル、ノルゲストリエノン(norgestrienone)、プロゲステロン、酢酸キンゲスタノール);
◇刺激剤(シルデナフィル(sildenafil));
◇血管拡張剤(アムロジピン、ブフロメジル(buflomedil)、亜硝酸アミル、ジルチアゼム、ジピリダモール、三硝酸グリセリル、イソソルビドジニトレート、リドフラジン、モルシドミン(molsidomine)、ニサルジピン、ニフェジピン、オキシペンチフィリン(oxpentifylline)、三硝酸ペンタエリスリトール);
、それらのN-オキシド、それらの医薬的に許容され得る酸または塩基付加塩およびそれらの立体化学異性体である。
固形製剤には、活性成分の他に、必要に応じて崩壊剤、結合剤、流動化剤、滑沢剤、矯味剤、香料、着色剤、甘味剤等の他の成分を含有することも自由である。また他の成分は希釈剤として使用することも自由である。
結合剤としては、白糖、ブドウ糖、乳糖、果糖、トレハロース等の糖類、マンニトール、キシリトール、マルチトール、エリスリトール、ソルビトール等の糖アルコール類、ゼラチン、プルラン、カラギーナン、ローカストビーンガム、寒天、グルコナンナン、キサンタンガム、タマリンドガム、ペクチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアガム等の水溶性多糖類、結晶セルロース(例えば、旭化成ケミカルズ株式会社製、「セオラス(登録商標、以下同じ)」PH−101、PH−101D、PH−101L、PH−102、PH−301、PH−301Z、PH−302、PH−F20、PH−M06、M15、M25、KG−801、KG−802等)、粉末セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等のセルロース類、アルファー化デンプン、デンプン糊等のデンプン類、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール等の合成高分子類、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム等の無機化合物類等が挙げられことができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
結合剤として使用できる結晶セルロースとしては、圧縮成形性に優れるものが好ましい。圧縮成形性に優れる結晶セルロースを使用することにより、低打圧で打錠できるため打圧で失活する活性成分の活性維持が可能である、顆粒含有錠にできる、少量添加で硬度を付与できるため、嵩高い活性成分の錠剤化や多種類の活性成分を含む薬剤の錠剤化が可能で、場合によっては小型化できる、液状成分の担持性に優れ、打錠障害を抑制できる等の利点がある。商業的に入手可能である圧縮成形性に優れる結晶セルロースとしては、「セオラス」KG−801、KG−802(旭化成ケミカルズ株式会社製)等が利用できる。
崩壊剤としては、クロスカルメロースナトリウム、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシプロピルスターチ、コメデンプン、コムギデンプン、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、部分アルファー化デンプン等のデンプン類、結晶セルロース、粉末セルロース等のセルロース類、クロスポビドン、クロスポビドンコポリマー等の合成高分子等が挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
流動化剤としては、含水二酸化ケイ素、軽質無水ケイ酸等のケイ素化合物類を挙げることができ、それ単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
矯味剤としては、グルタミン酸、フマル酸、コハク酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、塩化ナトリウム、1−メントール等を挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
香料としては、オレンジ、バニラ、ストロベリー、ヨーグルト、メントール、ウイキョウ油、ケイヒ油、トウヒ油、ハッカ油等の油類、緑茶末等を挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
着色剤としては、食用赤色3号、食用黄色5号、食用青色1号等の食用色素、銅クロロフィンナトリウム、酸化チタン、リボフラビンなどを挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
甘味剤としては、アスパルテーム、サッカリン、ギリチルリチン酸二カリウム、ステビア、マルトース、マルチトール、水飴、アマチャ末等を挙げることができ、上記から選ばれる1種を単独で使用しても、2種以上を併用することも自由である。
本発明の固形製剤は、医薬品分野で通常行われる固形製剤の製造法を用いて製造することができる。例えば、活性成分と特定の加工澱粉と脂肪酸金属塩とを、必要により結合剤、崩壊剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色料、甘味剤等の成分と混合し、これらを均一に混合した後に打錠する直接粉末圧縮法を用いることができる。他の例では、活性成分と特定の加工澱粉や脂肪酸金属塩、結合剤、崩壊剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色料、甘味剤等の成分とを湿式造粒、或いは乾式造粒し、得られた顆粒に必要により特定の加工澱粉や脂肪酸金属塩、結合剤、崩壊剤、流動化剤、矯味剤、香料、着色料、甘味剤等の成分を加えて打錠する湿式造粒打錠法や乾式造粒打錠法により製造することができる。
或いは、活性成分と、常温で固体であるが40℃以上で液体となる、例えばカルナウバロウ、硬化ヒマシ油、ポリグリセリンなどの脂溶性の物質や、ポリエチレングリコール6000等の親水性高分子とを40℃以上の温度条件で均一となるように混合した後に冷却して固体とし、必要により粉砕処理等を施して粒度を調整した後に圧縮成形する方法も用いることができる。更には、活性成分と特定の加工澱粉とがともに溶解する溶媒を用いて溶液とし、或いは適当な溶媒を用いて均一な分散液とし、該溶液或いは分散液を常法により乾燥させ、得られた活性成分と特定の加工澱粉との均一な分散体に脂肪酸金属塩を混合して圧縮成形する方法によっても製造することができる。溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−ブタノール、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、アセトン、ジオキサン、トルエン、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ベンゼン等の有機溶媒類と水から選択される1種以上を用いることができる。
固形製剤を圧縮成型する際に用いられる圧縮成形機としては、例えば、静圧プレス機、ブリケッティングローラー型プレス機、平滑ローラー型プレス機等のローター式プレス機、シングルパンチ打錠機、ロータリー打錠機等を挙げることができる。
また、固形製剤には、活性成分の溶出性の制御や味のマスキング、防湿等の目的でコーティングが施されていても良いが、多層固形製剤や有核固形製剤などの複雑な構造や製造プロセスを取ることなく均一な処方粉粒体を圧縮成形するのみで製造可能であり、且つ、イオン強度やpH等の生体内環境、及び圧縮成形時の圧縮力に影響を受けない、正確な多段階溶出が可能であるという本発明の効果を阻害しない限りにおいて使用することができる。
コーティング剤としては、例えば、セルロース系コーティング剤(エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテート等)、アクリルポリマー系コーティング剤(オイドラギットRS、オイドラギットL、オイドラギットNE等)、シェラック、シリコン樹脂等から選択される1種以上を用いることができる。これらのコーティング剤は、コーティング剤は有機溶媒に溶解しても、水に懸濁させて用いてもよく、公知の使用方法により用いればよい。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。なお、実施例、比較例における各試験法、及び物性の測定方法は以下の通りである。
(1)溶出試験
第14改正日本薬局方に記載の溶出試験法の第一法(回転バスケット法)に準拠する方法で、試験液に日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)、或いは、Mcilvaine液(pH7.2、イオン強度0.39、組成:リン酸水素二ナトリウム173.9mM、クエン酸13.0mM、「第2液」と略すことがある)を用い、いずれかの試験液900cm3、バスケット回転数100rpm、試験液温度37±0.5℃の条件で行う。なお、各試験液にはα−アミラーゼ製剤(組成:α−アミラーゼ/炭酸カルシウム/コーンスターチ=5/5/90、AD「アマノ」1、アマノエンザイム株式会社)を90mg加え、α−アミラーゼ含有量を5μg/cm3とする。
(2)粒度分布 32μmより小さい粒子数
JIS篩の目開き32μmを利用し、測定試料3gを5分間エアージェットシーブで篩分した時、篩を通過した測定試料の重量百分率より求める。
(3)粒度分布 75μmより小さい粒子数
JIS篩の目開き75μmを利用し、測定試料10gを5分間エアージェットシーブで篩分した時、篩を通過した測定試料の重量百分率より求める。
(4)保水量
乾燥した加工澱粉W0(g)(約1g)を、約15cm3の20℃±5℃の純水が入った50cm3遠沈管へ少しずつ入れ、かき混ぜながら透明〜半透明になるまで純水に分散させる。50cm3沈降管の7割程度になるよう20℃±5℃の純水を追加して遠心分離(2000G、10分)する。遠心分離終了後すぐに分離した上層を切り捨てた後、下層に残る重量W(g)(澱粉+澱粉が保持する純水量)から下式(イ)により保水量を求める。
保水量(%)=100×(W−W0)/W0・・・・・(イ)
(5)崩壊時間(hr)
処方粉末0.2gを、静圧プレス(MODEL−1321DW CREEP/アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて50MPaの圧縮力で成形して得られる直径0.8cmの円柱状成形体を用意し、これの試験液中での崩壊時間で定義される。試験液は第14改正日本薬局方に記載の第2液(pH6.8)であり、崩壊試験は第14改正日本薬局方の崩壊試験法に準じ、補助盤を使用して行う。
(6)ゲル押込み荷重(g)
処方粉末0.5gを、静圧プレス(MODEL−1321DW CREEP/アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて50MPaの圧縮力で成形して得られる直径1.13cmの円柱状成形体を、20℃±5℃の純水中に4時間浸漬しゲル化させた後、レオメーター(RHEONER、RE−33005、YAMADEN製)を使用し、0.1mm/secの速度で3mm直径で円柱状のアダプターを押込んだ時の最大荷重と定義する。最大荷重とはゲル層の破断があれば破断時の、破断がなければアダプターがゲル化した円柱状成形体に5mm侵入するまでに示した最大の荷重値とする。5個の平均値で算出する。
(7)水溶性成分量(%)
加工澱粉1gに、20℃±5℃の純水99gを加えてマグネチックスターラーで2時間攪拌して分散させ、得られた分散液の40cm3を50cm3の遠沈管に移し、5000Gで15分間遠心分離し、この上澄液30cm3を秤量瓶に入れ、110℃で一定重量になるまで乾燥して乾燥重量(g)を測定する。また、澱粉1gを110℃で一定重量になるまで乾燥して絶乾重量(g)を測定する。これらの測定値及び下式(ウ)により求めた値を水溶性成分量と定義する。
水溶性成分(%)=(乾燥重量×100÷30)÷絶乾重量×100・・・・(ウ)
(8)加工澱粉の膨潤度(cm3/g)
加工澱粉1.0gを20±5℃の純水に分散させて100cm3の沈降管に移し、全量を100cm3とし、16時間放置した後、上下に分かれた下層の容積V(cm3)と加工澱粉1.0gの乾燥重量(g)を測定し、下式(エ)より算出する。
加工澱粉の膨潤度(cm3/g)=V/加工澱粉の乾燥重量・・・・・(エ)
(9)加温保存条件下のゲル押込み荷重(g)
加工澱粉0.5gを静圧プレス(MODEL−1321DW CREEP/アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて50MPaの圧縮力で成形して得られる直径1.13cmの円柱状成形体を37℃±0.5℃の純水中に4時間浸漬しゲル化させた後、レオメーター(RHEONER、RE−33005、YAMADEN製)を使用し、0.1mm/secの速度で3mm直径で円柱状のアダプターを押込んだ時に最初にピークを与える値と定義して求める。5個の平均値で算出する。
[比較製造例1]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分処理したものを原料とし、固形分濃度7.5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度100℃)させ、3L容器の滞留管(100℃)を連続的に通過した後噴霧乾燥して加工澱粉Cを得た。加工澱粉Cの基礎物性を表2に示した(特許文献2の実施例6に相当)。また、加工澱粉Cを150〜500μm、75〜150μm、32〜75μm、0〜32μmの粒度毎に分画し、加工澱粉Cの膨潤度、加温保存条件下のゲル押込み荷重値を測定した結果を表1に示した。また、加工澱粉の膨潤度測定条件において、16時間放置した後の加工澱粉の膨潤状態を、上下に分かれた層を均一に再分散した後に光学顕微鏡で観察し、図3〜6に示した。
[実施例1]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分湿熱処理したものを原料とし、固形分濃度7.5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度100℃)し、噴霧乾燥した後、分級機を内蔵したピン型ミルを用いて粉砕・分級処理を行い加工澱粉Aを得た。加工澱粉Aの基礎物性を表2に示した。また、加工澱粉Aを150〜500μm、75〜150μm、32〜75μm、0−32μmの粒度毎に分画し、加工澱粉全体と各分画の膨潤度、加温保存条件下のゲル押込み荷重値を測定した結果を表1に示した。また、加工澱粉の膨潤度測定条件において、16時間放置した後の加工澱粉の膨潤状態を、上下に分かれた層を均一に再分散した後に光学顕微鏡で観察し、図1〜2に示した。
得られた加工澱粉Aと、結晶セルロース(「セオラス」KG−802、旭化成ケミカルズ株式会社製)と、ポリエチレングリコール(マクロゴール6000、三洋化成工業株式会社製)と、活性成分としてのアセトアミノフェン(エーピーアイコーポレーション社製)と、脂肪酸金属塩であるステアリン酸マグネシウム(太平化学産業株式会社製)とを、50/30/10/10/0.3の重量比になるように均一に混合し、静圧プレス(MODEL−1321DW CREEP/アイコーエンジニアリング株式会社製)を用いて120MPaの圧力で圧縮し、直径0.8cm、重量0.30gの固形製剤を得た。また、成型圧力を300MPaに代えた以外は同様にして、やはり直径0.8cm、重量0.30gの固形製剤を得た。
120MPaの圧縮成形圧で得られた固形製剤をを用い、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)にα−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加した試験液を用いて溶出試験を行った。また、試験液を第2液からMcilvaine液(pH7.2、イオン強度0.40)に代えた以外は同様にして、やはり溶出試験を行った。さらに、300MPaの圧縮成形圧で得られた固形製剤を用い、試験液として日本薬局方記載の第2液にα−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加した液を用いて溶出試験を行った。結果を図7に示した。(図7には、後述の比較例1の溶出試験の結果も合わせて示した。)
加工澱粉Aとステアリン酸マグネシウムとからなる溶出制御基剤を含有する徐放性固形製剤は、2つの段階に溶出性を制御できることがわかる。また、該固形製剤は、イオン強度や圧縮成形圧による溶出速度の変動もなく、安定した溶出性を示した。
[比較例1]
ステアリン酸マグネシウムを含有させない以外は実施例1と同様の方法に従い、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの錠剤を得た。得られた錠剤を、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)を用い、α−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加して溶出試験を行い、結果を実施例1の結果と合わせて図7に示した。徐放性が一段のみに制御される結果であった。
[比較例2]
バレイショ澱粉をステンレスバット(50cm×25cm)中に層厚5cmで充填して耐圧容器内で5分減圧(600mmHg)後、加圧蒸気(120℃)にて20分湿熱処理したものを原料とし、固形分濃度7.5%の澱粉乳液を調製した。この澱粉乳液を20L/hrでジェットクッカーで加熱、糊化(出口温度115℃)させた後、噴霧乾燥して加工澱粉Bを得た(特許文献2の実施例5に相当)。加工澱粉Bの基礎物性を表2に示した。
次に、加工澱粉Aに代えてこの加工澱粉Bを用いた以外は実施例1と同様の方法により、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの錠剤を得た。得られた錠剤を、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)を用い、α−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加して溶出試験を行い、結果を図8に示した。
加工澱粉Bを用いた徐放性錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含有させることで2つの段階に溶出性を制御することができたものの、圧縮成形圧により2段目の溶出開始時間が大きく変動してしまった。
[実施例2]
ステアリン酸マグネシウムの配合組成比を0.3から0.1に変更した以外は実施例1と同様の方法に従って、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの固形製剤を得た。得られた固形製剤を、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)を用い、α−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加して溶出試験を行い、結果を実施例1、3、4の同じ圧縮圧で同じ試験液の場合の結果と合わせて図9に示した。
加工澱粉Aを用いた徐放性固形製剤は、ステアリン酸マグネシウムの含有量と2段目の溶出開始時間の間に関係があり、ステアリン酸マグネシウムの含有量が多くなるほど2段目の溶出開始時間が速くなった。
[実施例3]
ステアリン酸マグネシウムの配合組成比を0.3から1.0に変更した以外は実施例1と同様の方法に従って、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの固形製剤を得た。得られた固形製剤を、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)を用い、α−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加して溶出試験を行い、結果を実施例1、2、4の結果と合わせて図9に示した。実施例2よりさらに2段目の溶出開始時間が早くなった。
[実施例4]
ステアリン酸マグネシウムの配合組成比を0.3から5.0に変更した以外は実施例1と同様の方法に従って、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの固形製剤を得た。得られた固形製剤を、日本薬局方記載の第2液(pH6.8、イオン強度0.14)を用い、α−アミラーゼを5μm/cm3となるように添加して溶出試験を行い、結果を実施例1〜3の結果と合わせて図9に示した。実施例3よりさらに2段目の溶出開始時間が早くなった。
[比較例3]
製造例1で得られた加工澱粉Aの代わりにヒドロキシプロピルセルロース(メトローズ90SH−100SR、信越化学工業株式会社製)を用いる以外は実施例1と同様の方法で、120MPaで圧縮成形した直径0.8cm、重量0.30gの錠剤を得た。得られた錠剤を、実施例1と同様の方法で溶出試験を行い、結果を比較例4の結果と合わせて図10に示した。
ヒドロキシプロピルセルロースを用いた徐放性錠剤は、ステアリン酸マグネシウムを含有させても溶出速度は殆ど変化せず、2つの段階に溶出性を制御することはできなかった。また、ヒドロキシプロピルセルロースを用いた徐放性錠剤はイオン強度が0.40であるMcilvaine液では試験開始後直ぐに錠剤の崩壊が始まり、アセトアミノフェンが全量溶出してしまった。
[比較例4]
実施例1で得られた加工澱粉Aの代わりにヒドロキシプロピルセルロース(メトローズ90SH−100SR、信越化学工業株式会社製)を用いる以外は、比較例1と同様の方法で錠剤を作製し、溶出試験を行った。溶出試験の結果を比較例3の結果と合わせて図10に示した。ステアリン酸マグネシウムの有無によらず、いずれも多段溶出が生じなかった。

加工澱粉A(0−32μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 加工澱粉A(32−75μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 加工澱粉C(0−32μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 加工澱粉C(32−75μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 加工澱粉C(75−150μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 加工澱粉C(150μm−500μm分画)の膨潤粒子の光学顕微鏡写真(100倍)である。 実施例1及び比較例1の溶出試験結果を示したグラフである。 比較例2の溶出試験結果を示したグラフである。 実施例1〜4の溶出試験結果を示したグラフである。 比較例3、4の溶出試験結果を示したグラフである。

Claims (6)

  1. 1種以上の活性成分と、前記活性成分の溶出を制御する溶出制御基剤とを含有する徐放性固形製剤であって、前記の溶出制御基剤は、保水量が400%以上で、ゲル押込み荷重が200g以上で、水溶性成分量が40〜95%で、目開き75μmの篩いを通過する粒子が90重量%以上で、目開き32μmの篩いを通過する粒子が20重量%以上である加工澱粉50.0〜99.9重量%と、脂肪酸金属塩0.01〜20重量%とを含むものであることを特徴とする多段徐放性固形製剤。
  2. 前記の加工澱粉が、目開き75μmの篩いを通過する粒子が98重量%以上で、目開き32μmの篩いを通過する粒子が40重量%以上のものであることを特徴とする請求項1に記載の固形製剤。
  3. 前記の活性成分が、医薬品薬効成分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形製剤。
  4. 前記脂肪酸金属塩が、ステアリン酸の金属塩であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の固形製剤。
  5. さらに、コーティング顆粒を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の固形製剤。
  6. 重量が0.20gより大きいことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固形製剤。
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