JP2007128643A - 情報再生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディスク再生の拡張性を良くし、Web情報のダウンロード効率を良くする。
【解決手段】ディスクD2からビデオ/オーディオコンテンツを取得する再生エンジン100と、ディスクD2からENAVコンテンツを取得し、あるいは通信回線を介してサーバ500から別のENAVコンテンツを取得するENAVエンジン200+インターネット接続部211と、バッファ・マネージャ204を備える。このバッファ・マネージャ204は、ENAVコンテンツの取得が完了すると、タイミング情報(プリロード/ポストロード終了トリガ)を発生する。
【選択図】 図7

Description

この発明は、オーディオ・ビデオ情報などのコンテンツを記憶する媒体と、この媒体に記憶されたコンテンツを再生する情報再生装置および情報再生方法に関する。
近年、再生専用DVD(Digital Versatile Disc)の規格が定められ、これに伴い再生専用DVDに格納された映像・音声情報を再生する再生装置が登場し始めている。
再生専用DVDの規格によると、再生専用DVDは、実際の映像・音声データが記録されたプレゼンテーション・データと、これを管理するためのナビゲーション・データを格納している。プレゼンテーション・データはビデオデータ、オーディオデータ、サブピクチャデータを含み、これらデータはMPEG2で定められたプログラムストリーム(2048bytes)の仕様に沿って多重化されている。また、ナビゲーション・データ中には、再生する映像・音声データの時間構成や順序を設定するPGC(ProGram Chain)とCellが記述されており、このナビゲーション・データによりマルチアングル、マルチストーリー、パレンタルといった機能が実現可能となっている。
これに関連する従来技術として、DVDビデオタイトルとHTMLファイルとを融合させたサービスを行なう画像表示装置がある(特許文献1)。この画像表示装置においては、ビデオオブジェクトユニットのナビパックからURL(Uniform Resource Locator)を取り出し、これに基づいてインターネットに接続して再生中のシーンに連動して表示することが可能となっている。
特開平11−161663号公報
上記の再生専用DVDの規格によると、ディスクに記録されているMPEG2のプログラム・ストリームの再生のみが可能であり、ディスクに記録されているMPEG2のプログラム・ストリーム以外の情報を再生することはできなかった。つまり、DVDの再生の拡張性に乏しいという問題があった。
また、上記の特許文献1においては、インターネットに接続して情報を入手する手法に問題がある。一般的に、DVDから情報を読み出す速度とインターネット経由で情報をダウンロードする速度とを比較すると、前者の方が高速である。つまり、インターネット経由で情報をダウンロードするには、それなりの時間が必要であり、ユーザにとってそれなりの待ち時間が発生することになる。
この発明は上記事情に鑑みなされたもので、再生の拡張性に優れ、効率良く情報のダウンロードが可能な情報再生装置、情報再生方法、および、この装置または方法に適した情報記憶媒体を提供することを目的とする。
[1]この発明の一実施の形態に係る情報記憶媒体(D2)は、ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツ(DVDビデオコンテンツ)が記憶される第1のエリア(3)と、拡張情報(ENAVコンテンツ)が記録される第2のエリア(4)を持っている。この情報記憶媒体(D2)において、前記拡張情報(ENAVコンテンツ)は起動情報(40a)を含むことができ、この起動情報が、直接的または間接的にローディング情報(図5など)を記述できるように構成されている。そして、このローディング情報が、前記第2のエリア(4)および/またはこの第2のエリア以外(図3のサーバ500など)からの情報を先読みするためのプリロード情報(図5のpreloadなど)を含むことができるように構成されている。
(注1:ここで、“直接的”とは、起動情報がローディング情報を直接記述する場合をいう。“間接的”とは、起動情報が、ある記述Aを含み、この記述Aがローディング情報を記述する場合をいう。さらにいえば、“間接的”とは、起動情報がある記述Aを含み、記述Aが記述Bを含み、(以下同様)…、記述Xが記述Yを含み、記述Yが記述Zを含む場合において、記述Zがローディング情報を記述する、といった場合も含む。)
(注2:“および/または”という表現は、英語における“and/or”と同義であり、“〜および〜”の場合もしくは“〜または〜”の場合を示す意図で用いている。)
[2]この発明の一実施の形態に係る情報再生装置は、ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツ(DVDビデオコンテンツC1)が記憶される第1のエリア(3)と、拡張情報(ENAVコンテンツ)が記録される第2のエリア(4)を持つ情報記憶媒体(D2)を再生するように構成される。この情報再生装置は、前記情報記憶媒体(D2)から前記ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツ(C1)を取得する第1の取得手段(DVDビデオ再生エンジン100)と、前記情報記憶媒体から前記拡張情報(ENAVコンテンツC21)を取得し、あるいは通信回線を介して外部(サーバ500)から別の拡張情報(ENAVコンテンツC22)を取得する第2の取得手段(ENAVエンジン200、インターネット接続部211)と、前記拡張情報(ENAVコンテンツC21またはC22)の取得が完了したことを示すタイミング情報(プリロード/ポストロード終了トリガ)を発生する手段(バッファ・マネージャ204)とを備えることができる。
[3]あるいは、この発明の一実施の形態に係る情報再生装置は、情報記憶媒体(D2)からコンテンツ(DVDビデオコンテンツC1)を取得する第1の取得手段(DVDビデオ再生エンジン100)と、前記情報記憶媒体から、また通信回線を介して外部から拡張情報(ENAVコンテンツC22)を取得する第2の取得手段(ENAVエンジン200、インターネット接続部211)と、前記拡張情報(ENAVドキュメント、ローディング・インフォメーション)に記述されている時間情報に従って、その他の前記拡張情報(ローディング・インフォメーション以外のENAVコンテンツ)を取得を指示する手段(図3のENAVエンジン200のうち、ENAVバッファ209とメディアデコーダ208を除く部分を構成するファームウエアあるいはハードウエアの一部)と、前記第1の取得手段により取得された前記コンテンツを再生するとともに、このコンテンツの再生に同期させて、前記拡張情報を再生する再生手段(101、203、208)とを備えることができる。
[4]この発明の一実施の形態に係る情報再生方法では、情報記憶媒体から、また通信回線を介して外部から、拡張情報(ENAVコンテンツC22)を取得し、前記拡張情報(ENAVドキュメント、ローディング・インフォメーション)に従って、その他の前記拡張情報(ローディング・インフォメーション以外のENAVコンテンツ)を取得し、情報記憶媒体(エンハンスドDVDビデオディスクD2)から取得されるコンテンツ(DVDビデオコンテンツC1)を再生するとともに、このコンテンツの再生に同期させて、前記拡張情報を再生する。
[5]また、この発明の他の実施の形態に係る情報記憶媒体は、拡張情報が、ユーザアクセス可能な範囲を規定するアクセス制限情報(ウォールドガーデン・リスト40c)を含むように構成することができる。
[6]また、この発明の他の実施の形態に係る情報再生装置は、取得した拡張情報に含まれるアクセス制限情報(ウォールドガーデン・リスト40c)によりアクセスが許された範囲でのみ(図19のST108イエス)、通信回線を介して外部アクセス(図19のST130)を実行する手段(図3のENAVエンジンを構成する、図示しないMPUのファームウエア)を備えることができる。
この発明の一実施の形態によれば、ディスク再生の拡張性を良くし、Web情報等のダウンロード効率を良くする(ユーザの待ち時間の短縮に繋がる)ことができる。
以下、図面を参照しながらこの発明の一実施の形態について説明する。まず最初に、DVDビデオ規格との互換性を考慮したディスクのデータ構造から説明する。
図1、図2に、後述する図3のDVDビデオプレーヤで再生可能なDVDビデオディスクのデータ構造の一例を示す。
図1は、標準DVDビデオディスクD1のデータ構造の一例を示す図である。標準DVDビデオディスクD1のDVDビデオエリア3は、DVDビデオコンテンツC1(MPEG2プログラムストリーム構造を持つ)を格納する。
一方、図2は、エンハンスドDVDビデオディスクD2のデータ構造の一例を示す図である。エンハンスドDVDビデオディスクD2のDVDビデオエリア3は、DVDビデオ規格と同じデータ構造のDVDビデオコンテンツC1(MPEG2プログラムストリーム構造を持つ)を格納する。さらに、エンハンスドDVDビデオディスクD2の他の記録エリア4は、ビデオコンテンツC1の再生をバラエティに富んだものにできる(別の言い方をすると再生の拡張性をより良くできる)エンハンスド・ナビゲーション(以下ENAVと略記する)コンテンツC21を格納する。なお、記録エリア4は、DVDビデオ規格でも存在が認められている。
ここで、DVDビデオディスクの基本的なデータ構造について説明しておく。すなわち、DVDビデオディスクの記録エリアは、内周から順にリードインエリア1、ボリュームスペース、およびリードアウトエリア5を含んでいる。ボリュームスペースは、ボリューム/ファイル構造情報エリア2およびDVDビデオエリア(DVDビデオゾーン)3を含み、さらにオプションで他の記録エリア(DVDアザーゾーン)4を含むことができる。
上記ボリューム/ファイル構造情報エリア2は、UDF(Universal Disc Format)ブリッジ構造のために割り当てられたエリアである。UDFブリッジフォーマットのボリュームは、ISO/IEC13346のパート2に従って認識されるようになっている。このボリュームを認識するスペースは、連続したセクタからなり、図1、図2のボリュームスペース(リードインエリアとリードアウトエリアの間)の最初の論理セクタから始まる。その最初の16論理セクタは、ISO9660で規定されるシステム使用のために予約されている。従来のDVDビデオ規格との互換性を確保するには、このような内容のボリューム/ファイル構造情報エリア2が必要となる。
また、DVDビデオエリア3には、ビデオマネージャVMG30という管理情報と、ビデオタイトルセットVTS(VTS#1〜VTS#n)31〜3nというビデオコンテンツが1つ以上記録されている。VMG30は、DVDビデオエリア3に存在する全てのVTSに対する管理情報であり、制御データVMGI、VMGメニュー用データVMGM_VOBS(オプション)、およびVMGのバックアップデータを含んでいる。また、各VTSは、そのVTSの制御データVTSI、VTSメニュー用データVTSM_VOBS(オプション)、そのVTS(タイトル)の内容(映画等)のデータVTSTT_VOBS、およびVTSIのバックアップデータを含んでいる。従来のDVDビデオ規格との互換性を確保するには、このような内容のDVDビデオエリアも必要となる。
各タイトル(VTS#1〜VTS#n)の再生選択メニュー等は、VMGを用いてプロバイダ(DVDビデオディスクの制作者)により予め与えられ、特定タイトル(例えばVTS#1)内での再生チャプタ選択メニューや記録内容(セル)の再生手順等は、VTSIを用いてプロバイダにより予め与えられている。従って、ディスクの視聴者(DVDビデオプレーヤのユーザ)は、予めプロバイダにより用意されたVMG/VTSIのメニューやVTSI内の再生制御情報(プログラムチェーン情報PGCI)に従ってそのディスク1の記録内容を楽しむことができる。しかし、DVDビデオ規格では、視聴者(ユーザ)が、プロバイダが用意したVMG/VTSIと異なる方法でVTSの内容(映画や音楽)を再生することはできない。
プロバイダが用意したVMG/VTSIと異なる方法でVTSの内容(映画や音楽)を再生したり、プロバイダが用意したVMG/VTSIとは異なる内容を付加して再生したりする仕組みのために用意したのが、図2のエンハンスドDVDビデオディスク(以下、適宜ENAVディスクと称する)D2である。
このENAVディスクD2に含まれるENAVコンテンツC21は、DVDビデオ規格に基づき製造されたDVDビデオプレーヤではアクセスできない(仮にアクセスできたとしてもその内容を利用できない)が、この発明の一実施の形態に係るDVDビデオプレーヤ(図3のENAVプレーヤ等)ではアクセスでき、その再生内容を利用できるようになっている。
ENAVコンテンツ(ディスクD2から得たENAVコンテンツC21、および/またはインターネットなどを介して外部から得たENAVコンテンツC22)は、Markup/Script言語40で記述されているENAVドキュメント、起動情報(起動ファイル;STARTUP.MLS)40a、ローディング情報(ローディング・インフォメーション)40b、ENAVプレーヤでアクセスされるべきURI(Uniform Resource Identifier)を示すところのウォールドガーデン・リスト(Walled Garden List)40c、アニメーション・動画データ41、静止画データ42、音声データ43、フォントデータ44等を含むように構成される。ここで、Markup/Script言語40で記述されているENAVドキュメントは、音声、静止画、フォント・テキスト、動画、アニメーション等のデータの再生を制御するための情報である。
なお、図2の図示例では、Markup/Script言語40、起動情報40a、ローディング情報40b、ウォールドガーデン・リスト40c、アニメーション・動画データ41、静止画データ42、音声データ43、フォント・データ44の順に記録されているが、記録位置はこの順序に限定されない。
上記ENAVドキュメント(再生制御情報)には、ENAVコンテンツ(音声、静止画、フォント・テキスト、動画、アニメーション等から構成される)および/またはDVDビデオコンテンツC1の再生方法(表示方法、再生手順、再生切換手順、再生対象の選択等)が、Markup言語やScript言語を用いて記述されてる。
例えば、Markup言語としてHTML(Hyper Text Markup Language)/XHTML(eXtensible Hyper Text Markup Language)やSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)、Script言語としてECMA(European Computer Manufacturers Association)ScriptやJava(登録商標)ScriptのようなScript言語などを採用し、これらを適宜組み合わせながら、ENAVドキュメントを作成することができる。
ここで、図2のエンハンスドDVDビデオディスク(ENAVディスク)D2は、他の記録エリア4以外の内容がDVDビデオ規格に従っているので、既に普及しているDVDビデオプレーヤを用いても、DVDビデオエリア3に記録されたビデオコンテンツを再生できる(つまり従来のDVDビデオディスクD1と互換性がある)。
他の記録エリア4に記録されたENAVコンテンツC21は従来のDVDビデオプレーヤでは再生できない(あるいは利用できない)が、この発明の一実施の形態に係るDVDビデオプレーヤ(図3)では再生でき利用できる。従って、この発明の一実施の形態に係るDVDビデオプレーヤを用いENAVコンテンツC21(さらには外部から得たENAVコンテンツC22)を再生すれば、プロバイダが予め用意したVMG/VTSIの内容だけに限定されることなく、よりバラエティに富んだビデオ再生が可能になる(つまり再生の拡張性が優れたものになる)。
なお、図2のENAVコンテンツC21を管理するファイルシステムは、次のような階層構造を採ることができる。すなわち、ルートディレクトリの下にビデオタイトルセットディレクトリ(VIDEO_TS)、ENAVディレクトリ(DVD_ENAV)、他のディレクトリ、他のファイルなどが存在させる。そして、ENAVディレクトリ(DVD_ENAV)の中に、図2の起動情報(STARTUP.MLS)40a、ローディング情報40b、ウォールドガーデン・リスト40c、ENAVコンテンツ(41〜44)用のファイル(1つ以上)を配置する。その際、ENAVディレクトリ(DVD_ENAV)の下にENAV用の他のディレクトリを1以上設けることができる。そして、このENAV用の他のディレクトリの下にさらにENAV用の別のディレクトリを1以上設けることができる。このように、ENAVコンテンツ用のファイルを1以上を含むENAV用のディレクトリは、階層構造を持つことができる。
上記ファイルシステムで用いられるファイル名には、以下のような拡張子を付けることができる:
MLS…スタートアップファイル(起動ファイル40a);
HTM,htm、HTML,html、XHTM,xhtm、XHTML,xhtml…XHTML言語のドキュメント;
FON,fon…フォント;
CSS,css…カスケーディング・スタイル・フォント;
JS,js…ECMAスクリプト;
LDI,ldi…ローディング・インフォメーション(ローディング情報40b);
JPG,jpg、JP,jp、JPE,jpe…Jpegイメージ;
GIF,gif…GIFイメージ;
PNG,png…PNGイメージ;
MNG,mng、JNG,jng…MNGアニメーション;
SWF,swf…フラッシュアニメーション;
SMI,smi、SMIL,smil…SMIL言語のドキュメント;
AC3,ac3…ドルビーデジタルオーディオ(AC3は登録商標(R));
DTS,dts…DTSオーディオ(DTSは登録商標(R));
MP2,mp2…MPEGオーディオ;
SDDS,sdds…SDDSオーディオ(SDDSは登録商標(R))。
図3は、この発明の一実施の形態に係るENAVディスク(図2)を再生するための、DVDビデオプレーヤ(情報再生装置)の一例を示す図である。このDVDビデオプレーヤは、既存のDVDビデオ規格と互換性を持ったENAVディスクD2(図2)からその記録内容(DVDビデオコンテンツC1および/またはENAVコンテンツC21)を再生し処理するものであり、また、インターネット等の通信回線からENAVコンテンツC22を取り込み処理するように構成されている。なお、ENAVコンテンツC21及びENAVコンテンツC22は拡張情報の一つである。
図3のDVDビデオプレーヤは、DVDビデオ再生エンジン100、ENAVエンジン200、ディスク部300、ユーザ・インターフェース部400を備えている。DVDビデオ再生エンジン100は、ENAVディスクD2上に記録されたMPEG2プログラムストリーム(DVDビデオコンテンツC1)を再生し処理する。ENAVエンジン200は、ENAVコンテンツC21、C22を再生し処理する。ディスク部300は、ENAVディスクD2に記録されたDVDビデオコンテンツC1および/またはENAVコンテンツC21を読み出す。ユーザ・インターフェース部400は、プレーヤのユーザによる入力(ユーザオペレーション/ユーザ操作)をユーザ・トリガとして伝達する。
また、ENAVエンジン200はインターネット接続部211を備え、このインターネット接続部211はインターネット等の通信回線に接続するための通信手段として機能する。さらに、ENAVエンジン200は、ENAVインターフェース・ハンドラ202、AVレンダラ203、バッファ・マネージャ204、インタープリタ部205、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207、メディア・デコーダ208、ENAVバッファ部209、ENAVパーサ210、ネットワーク・マネージャ212、ENAVシステム・クロック214、オーディオ・マネージャ215を含んでいる。
ここで、インタープリタ部205は、DOMマニピュレータ2051、SMILインタープリタ2052、タイミングエンジン2053、ECMAScriptインタープリタ2054、ENAVオブジェクト2055等で構成されている。また、メディア・デコーダ208は、音声/静止画/テキスト・フォント/アニメーション・動画などのためのメディア・デコーダ208aと、適宜アップデートされるアップデートオーディオデータ(図14を参照して後述する)のためのメディア・デコーダ208bを含んで構成されている。
なお、図3のブロック構成において、DVDビデオ再生制御部102、DVDビデオデコーダ101、DVDシステム・クロック103、ENAVインターフェース・ハンドラ202、ENAVパーサ210、インタープリタ部205、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207、AVレンダラ203、メディア・デコーダ208、バッファ・マネージャ204、オーディオ・マネージャ215、ネットワーク・マネージャ212、ENAVシステム・クロック214等は、図示しない組込プログラム(ファームウエア)により各ブロック構成の機能を果たすマイクロコンピュータ(および/またはハードウエアロジック)により実現できる。このファームウエアを実行する際に使用するワークエリアは、各ブロック構成内の図示しない半導体メモリ(および/または必要に応じてハードディスク)を用いて得ることができる。
DVDビデオ再生エンジン100は、既存のDVDビデオ規格基づくDVDビデオコンテンツC1を再生するための装置であり、ディスク部300より読み込んだDVDビデオコンテンツC1をデコードするDVDビデオデコーダ101、DVDビデオコンテンツC1の再生制御を行うDVDビデオ再生制御部102、DVDビデオダコーダ101におけるデコードや出力のタイミングを決定するDVDシステム・クロック103を含んで構成される。
DVDビデオデコーダ101は、既存のDVDビデオ規格に基づく映像データ、音声データ、および副映像データをそれぞれデコードし、デコードされた映像データ(前述の映像データと前述の副映像データを合成したもの)と音声データをそれぞれ出力する機能を持っている。これにより、DVDビデオ再生エンジン100は、既存のDVDビデオ規格に基づいて製造される通常のDVDビデオプレーヤの再生エンジンと同じ機能を持つようになる。つまり、図3のプレーヤは、MPEG2プログラムストリーム構造の映像、音声等のデータを通常のDVDビデオプレーヤと同様に再生することができ、これにより既存のDVDビデオディスク(従来のDVDビデオ規格に則ったディスク)D1の再生が可能となる(既存DVDソフトに対する再生互換確保)。
これに加えて、DVDビデオ再生制御部102は、ENAVエンジン200から出力される“DVDコントロール”信号に応じて、DVDビデオコンテンツC1の再生を制御することもできるように構成されている。具体的には、DVDビデオ再生制御部102は、DVDビデオ再生時に、DVDビデオ再生エンジン100において、あるイベント(例えばメニューコールやタイトルジャンプ)が発生した際に、ENAVエンジン200に対して、DVDビデオコンテンツC1の再生状況を示す“DVDトリガ”信号を出力することができる。その際(DVDトリガ信号の出力と同時に、あるいはその前後の適当なタイミングで)、DVDビデオ再生制御部102は、DVDビデオプレーヤのプロパティ情報(例えばプレーヤに設定されている音声言語、副映像字幕言語、再生動作、再生位置、各種時間情報、ディスクの内容等)を示す“DVDステータス”信号をENAVエンジン200に出力することができる。
ENAVインターフェース・ハンドラ202は、ユーザ操作(メニューコール、タイトルジャンプ、再生スタート、再生停止、再生ポーズ、その他)に対応した“ユーザ・トリガ”をユーザ・インターフェース部400から受け取る。その上で、ENAVインターフェース・ハンドラ202は、受け取ったユーザ・トリガを、対応するENAVイベントとして、インタープリタ部205に伝達する。
例えば、ENAVドキュメント(図2の40)には、このENAVイベントに対して以下のような指示を記述することができる:
01、ユーザ操作に対応するENAVコマンドを発行する。つまり、ユーザ操作と同じコマンドが、DVDコントロールとしてDVDビデオ再生エンジンに伝達される。
02、ユーザ操作とは異なるENAVコマンドを発行する。つまり、ユーザ操作が、ENAVドキュメントの指示により、別の動作に置き換えられる。
03、ユーザ・トリガを無視する。つまり、コンテンツ・プロバイダの意図しないDVDビデオの再生をユーザが行う可能性がある等の理由から、ユーザ・イベントを禁止する。この禁止は、既存のDVDビデオ規格に組み込まれているユーザ・オペレーションコントロール(UOP)を利用して行うことができる。
なお、ENAVインターフェース・ハンドラ202に伝達されたユーザ・トリガ信号の内容は、“AV出力コントロール”信号として、AVレンダラ203に伝達するように構成することもできる。これにより、例えば、ユーザが図示しないリモコンのカーソルキーでコンテンツまたはウインドウサイズを変更したりその表示位置をシフトさせる操作をした場合に、この操作によるユーザ・トリガ信号を、対応するAV出力コントロール信号として、AVレンダラ203に出力する。これ以外にも、DVDビデオ再生エンジン100からの映像・音声出力と、ENAVエンジン200からの映像・音声出力の切替を示すユーザ・トリガを、AVレンダラ203に送ることにより、ユーザ操作による映像・音声出力の切替を行うことが可能である。
ENAVインターフェース・ハンドラ202は、DVDビデオ再生制御部102との間で“DVDステータス”信号、“DVDトリガ”信号および/または“DVDコントロール”信号の送受信を行い、あるいはユーザ・インターフェース部400との間で“ユーザ・トリガ”信号の送受信を行う。ENAVインターフェース・ハンドラ202はさらに、インタープリタ部205との間で、“ENAVイベント”、“ENAVプロパティ”、“ENAVコマンド”、“ENAVコントロール”信号の送受信を行うように構成されている。
すなわち、ENAVインターフェース・ハンドラ202は、以下を実行することができる:
11、DVDビデオ再生エンジン100からの「DVDビデオ再生エンジン100の動作を示す“DVDトリガ”信号」、またはユーザ・インターフェース部400からの「ユーザの操作を示す“ユーザ・トリガ”」を、“ENAVイベント”として、インタープリタ部205に伝達する。また、ENAVバッファ209からバッファ・マネージャ204を経由する「ENAVバッファ209の状態を示す“バッファ・トリガ(プリロード終了トリガ、ポストロード終了トリガ)”」(図示せず)をENAVイベント”として、インタープリタ部205に伝達する。更に、ENAVバッファ209からオーディオ・マネージャ215を経由する「パーシャル・アップデート・エリア2092の状態を示す“アップデート・オーディオ・トリガ”」(図示せず)をENAVイベント”として、インタープリタ部205に伝達する。
12、DVDビデオ再生エンジン100からの「DVDビデオ再生エンジン100の再生状況を示す“DVDステータス”信号」を、“ENAVプロパティ”として、インタープリタ部205に伝達する。このとき、DVDステータス情報は、ENAVインターフェース・ハンドラ202のプロパティ・バッファ202aに随時保存される。
13、インタープリタ部205からの“ENAVコマンド”信号の内容に応じて、DVDビデオ再生エンジン100へ「DVDビデオ再生エンジン100の再生を制御するための“DVDコントロール”信号」を出力し、AVレンダラ203へ「映像や音声の切替を行うための“AV出力コントロール”信号」を出力し、バッファ・マネージャ204へ「バッファへの読み込みやバッファの消去を行うための“バッファ・コントロール”信号」を出力し、オーディオ・マネージャ215へ「アップデート・オーディオ・データのダウンロードを行うための“アップデート・コントロール”信号」を出力し、メディア・デコーダ208へ「ENAVメディアのデコードを指示する“メディア・コントロール”信号」を出力する。
14、DVDビデオ再生エンジン100におけるDVDシステム・クロック103の情報を、ENAVインターフェース・ハンドラ202のDVDタイミング・ジェネレータ202bにて計測し、“DVDタイミング”信号として、メディア・デコーダ208に伝達する。つまり、メディア・デコーダ208は、DVDビデオ再生エンジン100のシステム・クロックに同期して、ENAVメディアをデコードすることが可能となっている。
以上のように、ENAVインターフェース・ハンドラ202は、ENAVコンテンツを解析・解釈してから、DVDビデオ再生エンジン100とENAVエンジン200との間で制御信号等の変換を行う機能をもつ。
ENAVインターフェース・ハンドラ202は、ENAVパーサ210で解析されインタープリタ部205にて解釈された内容、または図示しない入力装置(たとえばリモコン)からのユーザ・トリガに基づいて、第1信号(トリガ、ステータス、コントロールなどの情報を含む)の交換を行うとともに、第2信号(イベント、プロパティ、コマンドなどの情報を含む)の交換を行なうように構成されている。
別の言い方をすると、ENAVインターフェース・ハンドラ202は、DVDビデオ再生制御部102との間で交換される第1信号、およびインタープリタ部205との間で交換される第2信号の少なくとも一方に基づいて、AVレンダラ203による映像・音声信号の出力状態を制御するものである、とも言える。
ここで、第1信号とは、ENAVディスクD2の再生状況に関する信号であり、“DVDコントロール”信号、“DVDトリガ”信号、“DVDステータス”信号などが該当する。第2の信号とは、ENAVコンテンツの内容に関する信号であり、“ENAVイベント”信号、“ENAVコマンド”信号、“ENAVプロパティ”信号、“ENAVコントロール”信号などが該当する。
また、ENAVインターフェース・ハンドラ202は、ENAVドキュメント(図2のMarkup/Script言語40で記述されたドキュメント)に従って、ユーザ・トリガに対応した処理を実行するように構成されている。そして、AVレンダラ203は、ユーザ・トリガに対応した処理の実行結果に基づいて、メディア・デコーダ208で生成された映像・音声データをDVDビデオ再生エンジン100で再生された映像・音声データに合成し、合成後のデータを出力するように構成されている。
あるいは、AVレンダラ203は、ENAVインターフェース・ハンドラ202におけるENAVコマンドの実行結果に基づいて、メディア・デコーダ208で生成された映像・音声データおよびDVDビデオ再生エンジン100で再生された映像・音声データの一方を選択し、出力映像・音声データおよび映像・音声データの一方を選択して出力するように構成されている。
ENAVパーサ210は、概括的に言えば、ENAVディスクD2から得たENAVコンテンツC21に含まれる「再生制御情報を示すENAVドキュメント」、またはインターネット等から得たENAVコンテンツC22に含まれる「再生制御情報を示すENAVドキュメント」の構文解析を行う。このENAVドキュメントは、前述のHTML/XHTML、SMILといったMarkup言語やECMAScript、JavaScriptといったScript言語の組み合わせで構成されている。
さらに、ENAVパーサ210は、言語解析の結果に応じて、ECMAScirptモジュールをインタープリタ部205のECMAScriptインタープリタ2054に伝達し、SMILモジュールをSMILインタープリタ2052に伝達し、XHTMLモジュールをXHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207に伝達する機能をもつ。
ECMAScriptインタープリタ2054は、前述のECMAScriptモジュールを解釈し、その指示に従う。つまり、ECMAScriptインタープリタ2054は、ENAVインターフェース・ハンドラ202から送られる“ENAVイベント”信号や、ENAVインターフェース・ハンドラ202のプロパティ・バッファから読み取る“ENAVプロパティ”信号に対して、ENAVエンジン200における各機能を制御するための“ENAVコマンド”信号を、ENAVインターフェース・ハンドラ202に発行する機能をもつ。
ここで、ECMAScriptインタープリタ2054は、ENAVシステム・クロック214が計測する時間に従うことにより、ENAVドキュメントが指示するタイミングで“ENAVコマンド”信号をDVDビデオ再生エンジン100に発行したり、“メディア・コントロール”信号をメディア・デコーダ208に発行することにより、DVDビデオ再生エンジン100のコントロールや、ENAVメディア(音声、静止画、テキスト・フォント、動画・アニメーション)のデコードが可能である。
SMILタイミングエンジン2053は、前述のSMILモジュールを解釈し、その解釈された指示に従う。つまり、SMILタイミングエンジン2053は、ENAVインターフェース・ハンドラ202から送られる“ENAVイベント”信号や、ENAVインターフェース・ハンドラ202のプロパティ・バッファから読み取る“ENAVプロパティ”信号に対し、ENAVシステム・クロックに従って、“ENAVコントロール”信号をENAVインターフェース・ハンドラ202、またはメディア・デコーダ208に発行する機能をもつ。これにより、所望のタイミングで、DVDビデオ再生エンジン100のコントロールやENAVメディア(音声、静止画、テキスト・フォント、動画・アニメーション)のデコードが可能となる。
XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207は、前述のXHTMLモジュールを解釈し、その指示に従う。つまり、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207は、“レイアウト・コントロール”信号をAVレンダラ203に出力する。“レイアウト・コントロール”信号には、出力する映像の画面の大きさやその位置に関する情報(表示開始・終了・継続といった表示時間に関する情報を含む場合もある)、出力する音声のレベルに関する情報(出力開始・終了・継続といった出力時間に関する情報を含む場合もある)が含まれる。また、XHTMLモジュールに含まれている表示のためのテキスト情報は、メディア・デコーダ208に送られ、所望のフォントを用いて、デコードされ表示される。
Markup言語やScript言語の構文解析およびその解釈を行う具体的な方法は、例えばHTML/XHTMLやSMILあるいはECMAScriptやJavaScriptのような公知技術における構文解析・解釈と同様な手法でよい(使用するハードウエアは図3の説明の冒頭で述べたマイクロコンピュータでよい)。ただし、Script中に記載されるコマンドや変数については、制御対象が異なるので違いが生じる。
この発明を実施する際に用いるENAVドキュメント(図2のMarkup/Script言語40で記述されたドキュメント等)においては、ENAVディスクD2および/またはENAVコンテンツC21、C22の再生に関連した特有のコマンドや変数が用いられる。例えば、あるイベントに応答してENAVディスクD2またはENAVコンテンツC21、C22の再生内容を切り換えるといったコマンドは、ENAVドキュメントにおけるMarkup言語やScript言語に特有のものとなっている。
ENAVドキュメントにおけるMarkup言語やScript言語に特有なコマンドや変数の他例として、DVDビデオ再生エンジン100および/またはENAVエンジン200からの映像のサイズを変更したり、その映像の配置を変えたりするものがある。映像のサイズの変更は、サイズ変更を命令するコマンドと変更後のサイズを指定する変数により指示される。映像の配置の変更は、表示位置の変更を命令するコマンドと変更後の座標等を指定する変数により指示され、表示対象が画面上でオーバーラッピングするときは、重なりの上下位置関係を指定する変数も加わる。
ENAVドキュメントにおけるMarkup言語やScript言語に特有なコマンドや変数の別の例としては、DVDビデオ再生エンジン100および/またはENAVエンジン200からの音声レベルを変えたり、使用音声言語を選択するものもある。音声レベルの変更は、音声レベルの変更を命令するコマンドと変更後の音声レベルを指定する変数により指示される。使用音声言語の選択は、使用音声言語の変更を命令するコマンドと変更後の言語の種類を指定する変数により指示される。ENAVドキュメントにおけるMarkup言語やScript言語に特有なコマンドや変数のさらに別の例としては、ユーザ・インターフェース部400からのユーザ・トリガを制御するものもある。
上記で例示したようなENAVドキュメントにおけるMarkup言語やScript言語のコマンド/変数に基づいて、“レイアウトコントロール”信号が、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207(一部の機能はSMILタイミング・エンジン2053によって行われる場合もある)からAVレンダラ203に送られるようになっている。ここで、“レイアウトコントロール”信号は、図示しない外部モニタ装置等で表示すべき映像の画面上のレイアウト、映像のサイズ、映像の出力タイミング、映像の出力時間、および/または図示しない外部スピーカから再生すべき音声の音量レベル、音声の出力タイミング、音声の出力時間を制御する信号である。
メディア・デコーダ208は、ENAVコンテンツC21、C22に含まれる音声、静止画(背景画を含む)、テキスト・フォント、動画・アニメーション等のENAVコンテンツのデータをデコードするサブユニット(メディア・デコーダ208a)を含むことができる。このメディア・デコーダ208aは、デコード対象に対応して、音声デコーダ、静止画デコーダ、テキスト・フォントデコーダ、アニメーション・動画デコーダを含んでいる。例えばMPEG、AC−3(R)、DTS(R)でエンコードされたENAVコンテンツ中の音声データは、音声デコーダによりデコードされて非圧縮の音声データに変換される。また、JPEG、GIF、PNGでエンコードされた静止画データや背景画データは、静止画デコーダによりデコードされて非圧縮の画像データに変換される。同様に、例えばMPEG2、MPEG4、MacromediaFlash、SVG(Scalable Vector Graphics)でエンコードされた動画・アニメーションデータは、動画・アニメーションデコーダによりデコードされて非圧縮の動画データに変換される。また、ENAVコンテンツに含まれるテキストデータは、ENAVコンテンツに含まれるフォントデータ(例えばOpenTypeフォーマット)を用い、テキスト・フォントデコーダによりデコードされて、動画または静止画の画像にスーパーインポーズ可能なテキスト画像データに変換される。
これらデコードされた音声データ、画像データ、アニメーション・動画データ、およびテキスト画像データを適宜含む映像・音声データは、メディア・デコーダ208からAVレンダラ203に送られる。また、これらENAVコンテンツは、ENAVインターフェース202からの“メディア・コントロール”信号の指示によりデコードを行うとともに、ENAVインターフェース202からの“DVDタイミング”信号や、ENAVシステム・クロック214からの“ENAVタイミング”信号に同期してデコードが行われる。
AVレンダラ203は、映像・音声出力を制御する機能をもつ。具体的には、AVレンダラ203は、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207から出力される“レイアウト・コントロール”信号に応じて、例えば、映像の表示位置、表示サイズや(これらとともに表示タイミング、表示時間を含むこともある)、音声の大きさを(これらとともに出力タイミング、出力時間を含むこともある)制御したり、指定されているモニターの種別かつ/または表示する映像の種類に応じて、その映像の画素変換を行う。制御の対象となる映像・音声出力は、DVDビデオ再生エンジン100およびメディア・デコーダ208からの出力である。さらに、AVレンダラ203は、ENAVインターフェース・ハンドラ202から出力される“AV出力コントロール”信号に従って、DVDビデオコンテンツC1とENAVコンテンツC21、C22のミキシング(混合)、スイッチング(切替)を制御する機能をもつ。
なお、図3のDVDビデオプレーヤ内のENAVエンジン200は、ENAVディスクD2から読み取られたENAVコンテンツC21中のENAVドキュメントをENAVバッファ部209を介してENAVパーサ210に送るためのインターフェース、および読み取られたENAVコンテンツC21中のデータ(音声データ、静止画データ、テキスト・フォントデータ、動画データ等)をENAVバッファ部209を介してメディア・デコーダ208に送るためのインターフェースを備えている。これらのインターフェースは、図3のインターネット接続部211とは別のインターフェース(第1のインターフェース)を構成している。
また、図3のDVDビデオプレーヤは、インターネット等の通信回線からENAVコンテンツC22を受け取り、受け取ったENAVコンテンツC22中のENAVドキュメントをENAVバッファ部209を介してENAVパーサ210に送るためのインターフェース、および受け取ったENAVコンテンツC22中のデータ(音声データ、静止画データ、フォント・テキストデータ、動画データ等)をENAVバッファ部209を介してメディア・デコーダ208に送るためのインターフェースを備えている。これらのインターフェースが、図3のインターネット接続部(第2のインターフェース)を構成している。
ENAVバッファ部209は、サーバ部500からダウンロードしたENAVコンテンツC22を記憶するとともに、ディスク部300によりENAVディスクD2から読み込んだENAVコンテンツC21を記憶するためのバッファから構成される。ENAVバッファ部209は、ENAVドキュメント(Markup言語/Script言語)に基づいたバッファ・マネージャ204の制御により、サーバ部500にあるENAVコンテンツC22を読み、インターネット接続部211を介して、ENAVコンテンツC22をダウンロードする。
また、ENAVバッファ部209は、ENAVドキュメント(Markup言語/Script言語)に基づいたバッファ・マネージャ204の制御により、ENAVディスクD2に記録されているENAVコンテンツC21を読み込む。このとき、ディスク部300がディスクに対して高速アクセス可能な装置であれば、DVDビデオコンテンツC1を再生しながら、つまりENAVディスクD2よりDVDビデオ・データを読み出しながら、同時にENAVディスクD2からENAVコンテンツC21を読み出すことができる。ディスク部300が高速アクセス可能な装置でない場合、もしくはDVDビデオコンテンツC1の再生動作を完全に保障する場合は、DVDビデオコンテンツC1の再生を中断させないようにする必要がある。この場合は、再生が開始する前にあらかじめENAVディスクD2からENAVコンテンツC21を読み出し、ENAVバッファに記憶しておく。
これにより、DVDビデオコンテンツC1をENAVディスクD2から読み出すと同時に、ENAVコンテンツC21をENAVバッファから読み出すことにより、ディスク部300に負担をかけずにすむ。よって、DVDビデオコンテンツC1の再生を中断させずに、DVDビデオコンテンツC1とENAVコンテンツを同時に再生することが可能となる。
以上のように、サーバ部500からダウンロードしたENAVコンテンツC22も、ENAVディスクD2に記録されているENAVコンテンツC21と同様に、ENAVバッファ部209に記憶させることにより、DVDビデオコンテンツC1とENAVコンテンツC22と同時に読み出し再生することが可能になる。
また、ENAVバッファ部209の記憶容量には、限界がある。つまり、ENAVバッファ部209に記憶できるENAVコンテンツC21、C22のデータサイズには限りがある。このため、バッファ・マネージャ204の制御により(バッファ・コントロール)、必要性の低いENAVコンテンツC21、C22を消去したり、必要性の高いENAVコンテンツC21、C22を保存したりすることが可能である。前述の保存のための制御や、前述の消去のための制御は、ENAVバッファ部209が自動的に行うことも可能である。
更に、ENAVバッファ部209は、バッファ・マネージャ204が要求したコンテンツをディスク部300またはサーバ部500からENAVバッファ部209にロードするとともに、バッファ・マネージャ204が指定したENAVコンテンツがバッファにロードされたことをバッファ・マネージャ204に知らせる機能(プリロード終了トリガ、ポストロード終了トリガ)をもつ。
バッファ・マネージャ204は、ENAVドキュメントの指示により、ENAVバッファ部209に対して、以下のような指示を“バッファ・コントロール”として送ることが可能である。
・特定ファイルまたはファイルの一部のサーバからの読み込み;
・特定ファイルまたはファイルの一部のディスクからの読み込み;
・バッファからの特定ファイルまたはファイルの一部の消去。
更に、バッファ・マネージャ204は、ENAVドキュメントの中に記述されている、もしくはENAVドキュメントが示すファイルに記述されているローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツのロードをENAVバッファ部209に指示する。また、バッファ・マネージャ204は、ローディング・インフォメーションに記述されている特定のENAVコンテンツがENAVバッファ部209にロードされたことを知らせるように要求する機能(バッファ・コントロール)をもつ。
前述した特定のENAVコンテンツがENAVバッファ部209にロードされ終わる(ロード完了)と、ENAVバッファ部209はこれ(ロードされ終わったENAVコンテンツ)をバッファ・マネージャ204に伝え、バッファ・マネージャはこれをENAVインターフェース・ハンドラ202に伝える(プリロード終了トリガ、ポストロード終了トリガ)。
オーディオ・マネージャ215は、ENAVドキュメントの指示により、アップデート・オーディオ・データ(オーディオ・コメンタリ・データなど;図14参照)を、ディスク部300のENAVディスクD2またはサーバ部500から、ENAVバッファ部209に、ロードさせる指示を行う機能(アップデート・コントロール)をもつ。
ネットワーク・マネージャ212は、インターネット接続部211の動作を制御する。つまり、ENAVドキュメントにより、ネットワークへの接続や非接続がENAVコマンドとして指示されると、ネットワーク・マネージャ212は、インターネット接続部211の接続・非接続の切替を行う。
図3のENAVエンジン200の構成要素は、表現を変えると、次のように纏めることができる。すなわち、ENAVエンジン200は、以下から構成されている。
・ENAVパーサ210;
ENAVパーサ210は、ENAVドキュメントの内容を構文解析する。
・インタープリタ部205、XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207;
ECMAScript、SMILタイミング・エンジン等から構成されるインタープリタ部205とXHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ207は、解析されたモジュールを解釈する。
・ENAVインターフェース・ハンドラ202;
ENAVインターフェース・ハンドラ202は、インタープリタ部205からの制御信号と、DVDビデオ再生制御部102からの制御信号をハンドルする。
・メディア・デコーダ208(208a、208b);
メディア・デコーダ208aは、DVD再生エンジンのシステム・クロックまたはENAVエンジンのシステム・クロックに同期して、ENAVコンテンツC21、C22に含まれる音声、静止画、テキスト・フォント、動画等のデータに対応した映像・音声データを生成する。また、メディア・デコーダ208bは、適宜アップデートされるアップデートオーディオデータを保持し出力する。
・AVレンダラ203;
AVレンダラ203は、ENAVインターフェース・ハンドラ202におけるENAVコマンドの実行結果に基づいて、メディア・デコーダ208で生成された映像・音声データをDVDビデオ再生エンジン100で再生された映像・音声データに合成して出力する。あるいはAVレンダラ203はENAVインターフェース・ハンドラ202におけるENAVコマンドの実行結果に基づいてメディア・デコーダ208で生成された映像・音声データおよびDVDビデオ再生エンジン100で再生された映像・音声データの一方を選択して出力する。
・ENAVバッファ部209;
ENAVバッファ部209は、ディスク部300またはインターネット接続部211を介してサーバ部500より取得したENAVコンテンツC22を一時記憶する。
・バッファ・マネージャ204;
バッファ・マネージャ204は、ENAVインターフェース・ハンドラ202の指示(ENAVドキュメントの指示)により、またローディング・インフォメーションの記述に従って、ENAVバッファ部209にENAVコンテンツのデータ読み込んだり、ENAVバッファ部209から消去したりする。
・オーディオ・マネージャ215;
パーシャル・アップデート・エリア2092内のアップデート・オーディオ・データの管理を行う。
・ネットワーク・マネージャ212;
ENAVドキュメントの指示により、ネットワークへの接続や非接続等の制御を行う。
図3の構成をもつENAV・DVDプレーヤは、概括的にみると、次のように捕らえることができる。すなわち、このENAV・DVDプレーヤは、ユーザイベント入力(リモコンあるいはプレーヤの操作パネルからの入力)、DVDディスクからのコンテンツ(DVDビデオコンテンツC1とENAVコンテンツC21)、および/またはサーバからのコンテンツ(ENAVコンテンツC22)に応じて、適宜、オーディオ・ビデオ出力を提供する装置である。
図4は、ENAVバッファ209の内部構成の一例を示す。このENAVバッファ209は、ノーマル・エリア(ノン・パーシャル・アップデート・エリア)2091とパーシャル・アップデート・エリア2092で構成される。ノーマル・エリア2091は、一旦ENAVコンテンツが読み込まれると、DVDビデオコンテンツのシームレス・プレイバック中にはENAVコンテンツの読み込みと消去を行わないエリア、つまり新しいENAVコンテンツを読み込むときには、DVDビデオコンテンツの再生を中断し、ノーマル・エリアの内容を消去したのち読み込みを行うエリアである。一方、パーシャル・アップデート・エリア2092は、DVDコンテンツの再生中であっても随時ENAVコンテンツの読み込みと消去が行われるエリアであり、例えば図14のアップデート・オーディオ・データ(オーディオ・コメンタリ・データ)UADのようなデータを記憶するために用いられる。
ノーマル・エリア2091はドキュメント(Markup/Script/ローディング・インフォメーション等)、静止画、アニメーション・動画、音声、フォント等のデータを記憶するために用いられる。また、パーシャル・アップデート・エリア2092は例えばリング・バッファで構成されており、分割されたアップデート・オーディオ・データをロードしながら再生することが可能に構成されている。
図3の構成において、ENAVバッファ209の合計サイズは、例えば30MB〜40MBとされる。このような大容量のENAVバッファ209は、半導体メモリで構成で構成するか、ハードディスクの一部を利用して構成できる。ENAVバッファ209の合計サイズが一定値(例えば36MB)に固定されていても、ノーマル・エリア(ノン・パーシャル・アップデート・エリア)2091およびパーシャル・アップデート・エリア2092のサイズは、可変とすることができる。その場合、ノーマル・エリア2091のサイズをどの程度にすれば良いかは、図2の起動情報(STARTUP.MLS)40a内あるいはローディング・インフォメーション40b内にその数値が記載される。そうでない場合は、ローディング情報に記載されたそれぞれのファイルサイズ(図5あるいは図12参照)の合計値から、決定することができる。すなわち、起動情報(STARTUP.MLS)40aに記載されたファイルサイズの合計値と同じかそれより少し多めのサイズをノーマル・エリア2091に割り当て、ENAVバッファ209の残りサイズ(全てまたはその一部)をパーシャル・アップデート・エリア2092に割り当てることができる。
図5は、ENAVドキュメント(またはこのドキュメントが示すファイル)に記述されているローディング・インフォメーション(ローディング情報)の一例を示す図である。このローディング・インフォメーションは、ファイル名とロケーション、ファイル・サイズ、コンテンツ・タイプ、ダウンロード・タイプ等から構成される。
ファイル名とロケーションは、対象となるファイルがサーバ部500上に存在する場合はURLアドレスとそのファイル名を記述し、対象となるファイルがディスク上に存在する場合はディスク上のディレクトリとそのファイル名を記述したものである。ファイル・サイズは、そのファイル・サイズをバイト単位で記述したものである。コンテンツ・タイプはMIMEタイプで記述され、ロード・タイプはロードするタイミング(“プリロード”、“ポストロード”)を記述したものである。
図5の例においては、ロード・タイプを“プリロード”と“ポストロード”の二つに区別している。“プリロード”とは、ENAVコンテンツの表示を開始する前に、またDVDビデオコンテンツの再生を開始する前に、ENAVバッファ209にデータを前もってロードしておく必要があることを意味する。また、“ポストロード”とは、ENAVコンテンツの表示を開始した後に、またDVDビデオコンテンツの再生を開始した後に、ENAVバッファ209にデータをロードすることを意味する。
例えば、ENAVコンテンツのうち起動ページに必要なENAVコンテンツを“プリロード”、それ以外のENAVコンテンツを“ポストロード”と区別する。すると、起動ページに必要なENAVコンテンツ(ロード・タイプが“プリロード”のENAVコンテンツ)をENAVバッファ209にロードし、このちENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生を開始し、DVDビデオコンテンツの再生を行いながら残りのENAVコンテンツ(ロード・タイプが“ポストロード”のENAVコンテンツ)のロードを行うことができる。これにより、ENAVコンテンツの表示開始/DVDビデオコンテンツの再生開始までのユーザの待ち時間を最小限に抑えることができる。
図6は、図5のローディング・インフォメーションをXMLフォーマットにて記述した例を示す。この例では、一つのローディング・インフォメーション(Loading Information)は、一つのローディング・インフォメーションID(Loading Information ID)と一つのローディング・インフォメーションネーム(Loading Information Name)とプリロード・データ群(Preload)とポストロード・データ群(Postload)から構成される。また、それぞれのデータ群は0個以上のダウンロード・データ(Download Data)から構成される。一つのダウンロード・データは、一つのダウンロードID(Download ID)、ファイル名を表す一つのダウンロード・ネーム(Download Name)、ファイル名とロケーションを表す一つのダウンロード・ロケーション(Download Location)、バイト単位のファイル・サイズを表す一つのダウンロード・ファイル・サイズ(Download File Size)、MIMEタイプを表す一つのダウンロード・コンテント・タイプ(Download Content Type)から構成される。
図7は、バッファ・マネージャ204とその周辺構成を、図3から抽出したものである。また、図8は、ENAVバッファ209にデータをロードするときのイベント発生の流れを示す。以下、図7の構成を適宜参照しつつ、図8の処理の流れを説明する。
まず、ENAVエンジン200は、起動すると、ディスク部300に装填されたENAVディスクD2に記録されているENAVコンテンツC21の一つである、起動ファイル(STARTUP.MLS)40aを読み込む(ステップST10)。ENAVパーサ210はこの起動ファイル40aを解析する(ステップST10)。解析された起動ファイル40aは、インタープリタ部205にて解釈される(ステップST12)。インタープリタ部205は、起動ファイル40aの記述に従い、“プリロード終了”イベント(トリガ)が発生したときの動作(例えば、最初のページであるINDEX.HTMのようなイニシャルファイルの読み込み/実行を開始する)および/または“ロード終了”イベント(トリガ)が発生したときの動作(例えば、今まで禁止されていたユーザ操作の実行を許可する)の登録を行う(ステップST14)。更に、ローディング・インフォメーション(ローディング情報)40bの読み込みを行う(ステップST16)。
このロード・インフォメーションは、起動ファイル40a内に記述されている場合と、ディスクD2上に一つ以上のファイルとして記録されている場合と、サーバ500上に一つ以上のファイルとして記録されている場合等がある。ただし、ディスクD2やサーバ500上に一つ以上のファイル記録されている場合には、記録されている場所とそのファイル名が起動ファイル40aに記述されている。この記述に従って、ローディング・インフォメーションは、ENAVエンジン200に読み込まれ、ENAVパーサ210にて解析される(ステップST16)。解析されたローディング・インフォメーションは、インタープリタ部205にて解釈される(ステップST18)。しかる後、バッファ・マネージャ204にて、ENAVコンテンツのENAVバッファ209へのロードが実行される(ステップST20)。
ローディング・インフォメーションには、一つのダウンロードを行うファイルに対して、例えば図5に示されるように、ダウンロードを行うファイル名とそのロケーション(ファイルが存在する場所)、ダウンロードを行うファイルのファイル・サイズ、ダウンロードを行うファイルのコンテンツ・タイプやMIMEタイプ(そのデータがどのような種類のデータであるか)、ロード・タイプ(プリロードするデータ、またはポストロードするデータ)が、それぞれのダウンロードを行うファイルごとに記述されている。
バッファ・マネージャ204は、このローディング・インフォメーションの記述に従い、ロード・タイプが“プリロード”となっているENAVコンテンツの実行前、つまりENAVコンテンツの表示開始/DVDビデオコンテンツの再生開始前に、ENAVバッファ209に記憶しておく必要のあるファイルのロード(すなわちプリロード)を行う(ステップST22)。このとき、ロードするファイルはローディング・インフォメーションの記述の順序に従い、ディスクD2またはサーバ部500からロードされる。例えば、“プリロード”のENAVコンテンツとして、最初のページを構成するENAVコンテンツ(前述のINDEX.HTMファイルとその関連ファイル)がローディング・インフォメーションによって指示される。
すべてのロード・タイプが“プリロード”であるENAVコンテンツがENAVバッファ209に記憶されると(ステップST24イエス)、ENAVバッファ209はバッファ・マネージャ204に“プリロード終了・トリガ”信号を送る。バッファ・マネージャ204は、ENAVバッファ209より“プリロード終了・トリガ”信号を受け取ると、ENAVインターフェース・ハンドラ202に“プリロード終了・トリガ”信号を送る。ENAVインターフェース・ハンドラ202は、バッファ・マネージャ204より“プリロード終了・トリガ”信号を受け取ると、ENAVイベントとして“プリロード終了・イベント”信号をインタープリタ部205へ送る。
インタープリタ部205には、前述のように“プリロード終了・イベント”が発生したときの動作が登録されており、登録されている動作を実行する。例えば、動作として、ENAVバッファ209に読み込んである最初のページを構成するINDEX.HTMの読み込みの実行が登録されている。また、INDEX.HTMには、例えばDVDビデオコンテンツC1の再生開始が指示されている。これにより、ENAVコンテンツのプリロードが終了するとともに(“プリロード終了・イベント”が発生)(ステップST26)、ENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生が開始される(ステップST28)。
なお、この再生開始時間を早めるために、“プリロード”のENAVコンテンツとして、最初のページを構成するENAVコンテンツのみを指定することが可能である。しかし、この場合、再生開始時には最初のページ以外のENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されていないため、早送り、スキップ、タイムサーチ等のユーザ操作を禁止しておく必要がある(そうしないと、DVDビデオコンテンツとENAVコンテンツとの同期再生ができなくなって再生状況に破綻が生じる恐れがある)。
ENAVコンテンツの表示とDVDビデオコンテンツの再生を行っている一方で、バッファ・マネージャ204は、引き続き、ローディング・インフォメーションの記述に従い、ロード・タイプが“ポストロード”のENAVコンテンツの実行開始後、つまりENAVコンテンツの表示開始/DVDビデオコンテンツの再生開始後に、ENAVバッファに記憶すべきファイルのロードを行う(ステップST30)。このとき、ロードするファイルは、ローディング・インフォメーションの記述の順序に従い、サーバ部500からロードされる。その際、“ポストロード”のENAVコンテンツとして、優先度の高い順にローディング・インフォメーションに記述しておく方法がある。例えば、最初のページを“プリロード”のENAVコンテンツとして記述したときは、次のページを“ポストロード”の最初のENAVコンテンツとして記述しておく。
すべてのロード・タイプが“ポストロード”であるENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されると(ステップST32イエス)、ENAVバッファ209はバッファ・マネージャ204に“ポストロード終了・トリガ”信号を送る(ステップST34)。バッファ・マネージャ204は、ENAVバッファ209より“ポストロード終了・トリガ”信号を受け取ると、ENAVインターフェース・ハンドラ202に“ポストロード終了・トリガ”信号を送る。ENAVインターフェース・ハンドラ202は、バッファ・マネージャ204より“ポストロード終了・トリガ”信号を受け取ると、ENAVイベントとして、“ポストロード終了・イベント”信号をインタープリタ部205へ送る。
インタープリタ部205には、前述のように“ポストロード終了・イベント”が発生したときの動作が登録されており、登録されている動作を実行する。例えば、前述の早送り、スキップ、タイムサーチ等のユーザ操作が(ポストロード終了まで)禁止されている場合は、(ポストロード終了後は)禁止されているユーザ操作を許可する動作が登録されている。つまり、すべてのENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されているため、(ポストロード終了後は)ユーザ操作を制限する必要がないことになる。そのため、“ポストロード終了・トリガ”信号が発生された後は、ユーザ操作の禁止状態が解除される(ステップST36)。
ここで、ユーザ操作の禁止およびその解除(ユーザ操作許可)は、既存のDVDビデオ規格に盛り込まれているユーザ操作制御(UOP)の情報ビットの切り替えにより行うことができる。あるいは、図3のプレーヤにおけるユーザ操作に関するファームウエア中に、ユーザ操作禁止/許可処理を設けておいて、プレーヤ独自の方法でステップST36の処理を実行してもよい。
図8の処理は、ある見方をすれば、以下のような再生方法を示している。すなわち、起動情報(STARTUP.MLS)を読み込み(ST10);読み込んだ起動情報内にある、もしくは起動情報が参照するローディング情報に基づいて、先読みすべきデータ(ST24のプリロード・データ)をバッファ(ENAVバッファ209)に読み込み(ST12〜ST24);しかる後に(図8の処理終了後)、前記バッファに読み込んだデータ(ST24のプリロード・データ)と、ディスク(D2)からのビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツの表示および/または再生を開始する(ST28;図10、図11、図13のt112以降参照)。
あるいは、図8の処理は、別の見方をすれば、以下のような再生方法を示している。すなわち、起動情報(STARTUP.MLS)を読み込み(ST10);読み込んだ起動情報内にある、もしくは起動情報が参照するローディング情報に基づいて、先読みすべきデータ(プリロード・データ)およびその他のデータ(ポストロード・データ)を含めて再生に利用されるデータ(ST24のプリロード・データおよびST32のポストロード・データ)をバッファ(ENAVバッファ209)に読み込むように構成する(ST12〜ST32)。そして、前記バッファに読み込んだ先読みデータ(ST24のプリロード・データ)と、ディスク(D2)からのビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツの表示および/または再生を、前記先読みすべきデータ(プリロード・データ)のバッファ読み込み終了後から開始し(ST28;図10、図11、図13のt112以降)、この表示および/または再生の開始後に、この表示および/または再生と並行して、その他のデータ(ポストロード・データ)の前記バッファ(ENAVバッファ209)への読み込みが行われる(ST30〜ST32;図10、図11、図13のt112〜t120参照)。
図9は、ENAVコンテンツがすべてディスクD2に記録されている場合のタイミング・チャートの一例を示す。
ディスクD2からENAVコンテンツC21を読み込む速度は、サーバ500からENAVコンテンツC22を読み込む速度に比べて圧倒的に速い。例えば、32MBの容量のENAVコンテンツを20Mbpsの速さで読み込む場合は、12.8秒の時間がかかる。一旦、DVDビデオコンテンツの再生が始まれば、ENAVコンテンツをディスクD2から読み込むことが難しいことや、ディスクD2からENAVコンテンツを読み込む速度が速いことを考慮すると、ENAVコンテンツがすべてディスクD2に記録されている場合は、すべてのコンテンツをプリロードすることが望ましい。この場合は、ローディング・インフォメーションには、すべてのENAVコンテンツのロード・タイプが“プリロード”と設定されており、“ポストロード”と設定されているENAVコンテンツは存在しない。
まず、バッファ・マネージャ204がローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツをディスクD2からENAVバッファ209に読み込む(図9のt100〜t120)。すべての“プリロード”のENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されると、“プリロード終了”イベントが発生する(t120)。これに応じて、ENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生が開始される。また、この例においては、“ポストロード”と設定されているENAVコンテンツが存在しないため、“ポストロード終了”イベントも同時に発生する(t120)。
図10は、ENAVコンテンツがすべてサーバ500に記録されている場合のタイミング・チャートの一例を示す。
サーバ500からENAVコンテンツを読み込む速度は、ディスクD2からENAVコンテンツを読み込む速度に比べて圧倒的に遅い。例えば、32MBの容量のENAVコンテンツを128kbpsの速さで読み込む場合は、約34分もの時間がかかる。つまり、サーバ500上のすべてのENAVコンテンツをENAVバッファ209に読み込んだのち、DVDビデオコンテンツの再生/ENAVコンテンツの表示を開始するようにすると、ユーザに対して長い待ち時間が生じる。そこで、ローディング・インフォメーションには、すべてのENAVコンテンツの一部のロード・タイプが“プリロード”、残りのENAVコンテンツのロード・タイプを“ポストロード”と設定する。この場合、“プリロード”と設定されるENAVコンテンツは、例えば最初のページ分だけでもよい。
まず、バッファ・マネージャ204がローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツをディスクD2からENAVバッファ209に読み込む(図10のt100〜t120)。すべての“プリロード”のENAVコンテンツがENAVバッファ209に記憶されると、“プリロード終了”イベントが発生する(t112)。これに応じて、ENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生が開始される。一方で、残りの“ポストロード”のENAVコンテンツのENAVバッファへのロードを継続する(t112〜t120)。すべての“ポストロード”のENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されると、“ポストロード終了”イベントが発生する(t120)。これに応じて、禁止されていたユーザ操作が許可される。
これにより、ユーザの待ち時間を最小限に抑えた、DVDビデオコンテンツの再生と、ENAVコンテンツの表示が実現できる。
図11は、ENAVコンテンツがディスクD2とサーバ500の両方に記録されている場合のタイミング・チャートの一例を示す。
前述のように、サーバ500からの読み込む速度がディスクD2から読み込む速度に比べて遅いことや、一旦、DVDビデオコンテンツの再生が始まるとディスクD2からENAVコンテンツを読み込むことが難しいことから、ローディング・インフォメーションには、ディスクD2のすべてのENAVコンテンツとサーバ500の一部のENAVコンテンツのロード・タイプを“プリロード”とし、残りのサーバ500のENAVコンテンツのロード・タイプを“ポストロード”と設定する。この場合、“プリロード”と設定されるサーバ500のENAVコンテンツは、例えば最初のページ分だけでもよい。
まず、バッファ・マネージャ204がローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツをディスクD2からENAVバッファ209に読み込む(図11のt100〜t120)。この例においては、まずディスクD2のENAVコンテンツをENAVバッファ209に読み込んだのち(t100〜t110)、サーバ500の“プリロード”のENAVコンテンツをENAVバッファ209に読み込む(t110〜t112)。すべての“プリロード”のENAVコンテンツがENAVバッファ209に記憶されると、“プリロード終了”イベントが発生する(t112)。これに応じて、ENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生が開始される。一方で、残りのサーバ500の“ポストロード”のENAVコンテンツのENAVバッファへのロードを継続する(t112〜t120)。すべての“ポストロード”のENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されると、“ポストロード終了”イベントが発生する(t120)。これに応じて禁止されていたユーザ操作が許可される。
図11の例では、t100〜t112の間の処理はフォアグラウンドで実行するが、t112〜t120の間の処理はバックグラウンドで行うことができる。すなわち、ENAVバッファ209に必要最低限のデータがプリロードされ終わったらDVDビデオ再生を開始し、その再生中にバックグラウンドで残りのプリロードデータおよび/またはポストロードデータをENAVバッファ209に取り込むように構成できる。このように構成すれば、ユーザの待ち時間を最小限に抑えた、DVDビデオコンテンツの再生と、ENAVコンテンツの表示が実現できる。
前述の例においては、ロード・タイプは“プリロード”と“ポストロード”の二種類であったが、ロード・タイプは、“プリロード”、“ユニット1”、“ユニット2”…のように複数設定することができる。つまり、“ロード”のロード・タイプを“ユニット1”、“ユニット2”…のように細かく設定することが可能である。
図12は、ロード・タイプを“ユニット1”、“ユニット2”…のように細かく設定した場合における、ローディング・インフォメーションの一例を示す。ローディング・インフォメーションは、ファイル名とロケーション、ファイル・サイズ、コンテンツ・タイプ、ダウンロード・タイプ等から構成される。ファイル名とロケーションは、対象となるファイルがサーバ部500上に存在する場合はURLアドレスとそのファイル名を記述し、対象となるファイルがディスクD2上に存在する場合はディスク上のディレクトリとそのファイル名を記述する。また、ファイル・サイズは、そのファイル・サイズをバイト単位で記述し、コンテンツ・タイプは、MIMEタイプで記述し、ロード・タイプはロードするタイミング(“プリロード”、“ユニット1”、“ユニット2”...)を記述する。
図13は、図12のローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツがディスクD2とサーバ500の両方に記録されている場合のタイミング・チャートの一例を示す。
この例においては、ディスクD2のすべてのENAVコンテンツとサーバ500の一部のENAVコンテンツのロード・タイプを“プリロード”とし、次に優先度の高いENAVコンテンツのロード・タイプを“ユニット1”とし、優先度の低いENAVコンテンツのロード・タイプを“ユニット2”として、ローディング・インフォメーションに記述されている。
例えば、最初のページを構成するENAVコンテンツを“プリロード”に、二番目のページを構成するENAVコンテンツを“ユニット1”に、三番目のページを構成するENAVコンテンツを“ユニット2”に、というように割り当てることが可能である。
まず、バッファ・マネージャ204がローディング・インフォメーションに従って、ENAVコンテンツをディスクD2からENAVバッファ209に読み込む。この例においては、まずディスクD2のENAVコンテンツをENAVバッファ209に読み込んだのち、サーバ500の“プリロード”のENAVコンテンツをENAVバッファ209に読み込む(図13のt100〜t120)。すべての“プリロード”のENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されると、ENAVバッファ209から“プリロード終了”イベントが発生する(t112)。これに応じて、ENAVコンテンツの表示/DVDビデオコンテンツの再生が開始される(t112〜)。例えば、“プリロード終了”イベントが発生すると、“プリロード”として登録してあった最初のページを構成するENAVコンテンツの再生を開始する。このとき、二番目のページ以降を構成するENAVコンテンツのENAVバッファへのロードがまだ終了していないため、早送り、スキップ、タイムサーチ等のユーザ操作を(前述したユーザ操作制御情報UOP等を用いて)禁止しておく。その一方で、サーバ500から“ユニット1”のENAVコンテンツのENAVバッファ209へのロードを継続する(t112〜t120)。
すべての“ユニット1”のENAVコンテンツがENAVバッファ209に記憶されると、ENAVバッファ209からユニット1の“ポストロード終了”イベントが発生する(t116)。例えば、二番目のページを構成するENAVを“ユニット1”として登録してある場合、今まで禁止されていたユーザ操作のうち、二番目のページへの早送り、スキップ、タイムサーチ等のユーザ操作を許可する。一方で、サーバ500から“ユニット2”のENAVコンテンツのENAVバッファ209へのロードを継続する。
すべての“ユニット2”のENAVコンテンツがENAVバッファ209に記憶されると、ENAVバッファ209からユニット2の“ポストロード終了”イベントが発生する(t120)。この例においては、ユニット2の“ポストロード終了”イベントは、すべてのENAVコンテンツがENAVバッファに記憶されたことを示すため、今まで禁止されていたすべてのユーザ操作の実行を許可する。
以上のようにして、ユーザの待ち時間を最小限に抑えた、DVDビデオコンテンツの再生と、ENAVコンテンツの表示が実現できる。
図14は、ENAVバッファ209内のパーシャル・アップデート・エリア2092の動作の一例を説明する図である。このパーシャル・アップデート・エリア2092の内容は、例えば図3のメディア・デコーダ208bに転送されて再生に利用される。
パーシャル・アップデート・エリア2092は、アップデート・オーディオ・データUADを記憶するための領域であり、リングバッファで構成されている。その領域の大きさは、図2に示される起動情報(STARTUP.MLS)40a内あるいはローディング・インフォメーション40b内で定義することができる。
アップデート・オーディオ・データUADは、Initial data・UAD0、Update data1・UAD1、Update data2・UAD2、Update data3・UAD3、Update data4・UAD4………のように、複数の分割されたファイルから構成される音声データである。ここで、これらの分割されたファイル(UAD0〜UAD4、…)は前述のパーシャル・アップデート・エリア2092の大きさよりも小さくなっている。このアップデート・オーディオ・データUADは、DVDビデオコンテンツに同期して再生されるオーディオ・コメンタリ(監督や出演者等による解説音声)等の用途で用いることができる。
まず、Initial data・UAD0は、アップデート・オーディオ・データUADの再生が要求される以前に、パーシャル・アップデート・エリア2092に記憶しておく必要がある。例えば、Initial data・UAD0をローディング・インフォメーションの“プリロード”として登録することにより、再生開始以前にENAVバッファ209に記憶させることが可能である。
アップデート・オーディオ・データUADの再生の要求があると、オーディオ・マネージャ215は、パーシャル・アップデート・エリア2092にすでに記憶されているInitial data・UAD0の再生を行う。これと同時に、Initial data・UAD0に続くデータであるUpdate data1・UAD1のパーシャル・アップデート・エリア2092へのロードを行う。
Update data1・UAD1のパーシャル・アップデート・エリア2092へのロードが完了すると、続くUpdate data2・UAD2へのロードを行う。また同時に、Initial data・UAD0の再生が完了すると、続くUpdate data2・UAD2の再生を行う。
パーシャル・アップデート・エリア2092の空き領域がなくなった場合、もしくは次のファイルをロードする領域が十分にない場合、すでに再生が終了したデータかつ最も古いデータを消去する。この例においては、Update data3・UAD3のパーシャル・アップデート・エリア2092のロードが完了したとき、続くUpdate data4・UAD4を記憶する十分な領域がないため、すでに再生が終了したInitial data・UAD0を消去して、Update data4・UAD4のロードを行うように構成している。このとき、パーシャル・アップデート・エリア2092は、リング・バッファで構成されているため、Update data4・UAD4は、Update data3・UAD3の次に続けて記憶することが可能になる。
図15は、スタートアップ・ファイルの一例を示す図である。このスタートアップ・ファイルは起動情報(Startup Information)40aを含み、この起動情報40aは一つのファイル(STARTUP.MLS)から構成される。この起動情報40aとして、ローディング・インフォメーション40bおよびウォールドガーデン・リスト40cそれぞれの存在する場所/ファイル名が、タイトル情報とともに記述されている。ここで、起動情報40aにはローディング・インフォメーション40bを複数記述することも可能である。ローディング・インフォメーション40bを複数記述する場合、再生装置(ENAVプレーヤ)に設定されている情報により、参照するローディング・インフォメーション40bを変えることができる。
図15は、上述した起動情報40aをXML形式で記述した例を示している。この例においては、起動情報40aに、二つのローディング・インフォメーション(“file://dvdrom:/DVD_ENAV/ldinfo1.ldi”、“file://dvdrom:/DVD_ENAV/ldinfo2.ldi”)と、一つのウォールドガーデン・リスト(“file://dvdrom:/DVD_ENAV/wglist.lst”)が記述されている。
この例のようにローディング・インフォメーション40bが複数ある場合、それぞれのローディング・インフォメーションは、“loadinginfo”タグを用いてそのローディング・インフォメーションが存在する場所/ファイル名を記述し、“condition”タグを用いてそのローディング・インフォメーションを読み込むときの条件を記述することができる。
この例においては、“lang”の値が“en”、つまりプレーヤの言語設定が英語であり、かつ“profile”の値が“00”、つまりプレーヤのプロファイルが“00”であり、かつ“monitor”の値が“4-3NTSC”、つまりそのENAVプレーヤに接続される映像出力機器(モニタ)への出力がアスペクト比“4:3”のNTSC出力であるときに、ENAVプレーヤには、ローディング・インフォメーション40bとして“ldinfo1.ldi”が読み込まれる。そうでないときは、ENAVプレーヤにはローディング・インフォメーション40bとして“ldinfo2.ldi”が読み込まれる。
一方、ウォールドガーデン・リスト40cは、“walledgarden”タグを用いてそのウォールドガーデン・リストが存在する場所を記述できるようになっている。
図16は、ローディング・インフォメーションのさらに他の例を示す図である。
<ローディング・インフォメーションの実施例(1)>
ローディング・インフォメーション40bは、一つ以上のファイルから構成することができる。ENAVプレーヤは、STARTUP.MLSや他のMarkupファイルの記述により、一度につき一つのローディング・インフォメーションファイルを読み込むことができる。
また、ローディング・インフォメーション40bには、それぞれのプリロード・ファイルが存在する位置情報/ファイル名とMIMEタイプ、および、それぞれのポストロード・ファイルが存在する位置情報/ファイル名とMIMEタイプが、ENAVバッファの割り当て方法とともに、記述されている。
図16は、上述したローディング・インフォメーション40bをXML形式で記述した例を示す。この例においては、ローディング・インフォメーション40bに、四つのプリロード・ファイルと三つのポストロード・ファイルが、ENAVバッファの割り当て方法とともに記述されている。
この例では、プリロード・ファイル群は、type属性が“preload”である“entityset”タグを用いて指定している。また、“entity”タグを用いて、それぞれのプリロード・ファイルが存在する場所/ファイル名とMIMEタイプを記述している。
プリロード・ファイルの存在する場所の記述が、それぞれのファイルで共有できる場合は、その場所をbase属性を用いて記述することもできる。この“base属性を用いた共有ファイルの記述”により、実際に記述すべきファイルが存在する場所の記述を略記することができる。具体的には、この実施例においてはxml:base=“file://dvdrom:/DVD_ENAV/”を指定することにより、本来、“file://dvdrom:/DVD_ENAV/chapter1/audio.xxx”と記述すべきところを、“./chapter/audio.xxx”と省略することができる。
<ローディング・インフォメーションの実施例(2)>
また、プリロード・ファイル群においては、最初に再生(表示)を実行するファイルが存在する場所/ファイル名とMIMEタイプを、“initial”タグを用いて、一つだけ指定ができる(ただしこのファイルはXHTMLといったMarkupファイルに限定される)。これにより、すべてのプリロード・ファイル群がENAVバッファに読み込まれたときに、最初に実行すべきファイルを指定することが可能となる。
なお、図16の記載中、“initial”タグを用いた“initial href”は、図8のフローチャートのステップST28における指示内容に対応している。
ポストロード・ファイル群も、プリロード・ファイル群と同様に、type属性が“postload”である“entityset”タグを用いて指定し、“entity”タグを用いてそれぞれのプリロード・ファイルが存在する場所/ファイル名とMIMEタイプを記述している。
ENAVバッファ(後述する図17の209など)の割り当ては、例えば次のように行うことができる。すなわち、ノーマル・エリアについてはname属性“normal”である“memory”タグを用いてバッファのサイズ指定し、パーシャル・アップデート・エリアについてはname属性が“pua”である“memory”タグを用いてバッファのサイズを指定し、アップデート・マークアップ・エリア(後述する図17の2093)についてはname属性が“um”である“memory”タグを用いてバッファのサイズを指定することができる。
図17は、図3の装置におけるENAVバッファ209の内部構成の他例(図4とは別のENAVバッファ)を説明する図である。図17の構成は、図4の構成にアップデート・マークアップ・エリア2093を追加したものに相当する。
<ローディング・インフォメーションの実施例(3)>
図17のENAVバッファ209は、ノーマル・エリア(ノン・パーシャル・アップデート・エリア)2091、パーシャル・アップデート・エリア2092、およびアップデート・マークアップ・エリア2093で構成される。ノーマル・エリア2091は、一旦ENAVコンテンツが読み込まれると、DVDビデオコンテンツのシームレス・プレイバック中にはENAVコンテンツの読み込みと消去を行わないエリアである。換言すれば、新しいENAVコンテンツを読み込むときには、DVDビデオコンテンツの再生を中断し、ノーマル・エリアの内容を消去したのち、新しいENAVコンテンツの読み込みを行うエリアである。
一方、パーシャル・アップデート・エリア2092は、DVDコンテンツの再生中であっても随時ENAVコンテンツの読み込みと消去が行われるエリアであり、例えば図14のアップデート・オーディオ・データ(オーディオ・コメンタリ・データ)UADのようなデータを記憶するために用いられる。
図17の構成で新たに設けられたアップデート・マークアップ・エリア2093は、指定されたサーバ500上のファイルを記憶できるものであるが、単にファイル記憶をするだけのものではない。すなわち、そのサーバ上のファイルが更新されたときは、エリア2093内に記憶してあるファイルも同様に更新することができるようになっている。これは、例えば、HTML/XHTMLファイルを用いたチャット(会話)などに有効である。このようなアップデート・マークアップ・エリア2093を設けることにより、HTML/XHTMLファイルを用いたチャットにおいては、サーバ500はチャットに参加しているユーザから送られるメッセージを逐次サーバ上のファイルに反映させ、ユーザは更新されたファイルを取得して、あたかもユーザ間で会話が行われているようにすることが可能となる。
なお、ノーマル・エリア2091はドキュメント(Markup/ Script/ Loading Information等)、静止画、アニメーション・動画、音声、フォント等のデータを記憶するために用いられる。また、パーシャル・アップデート・エリア2092は例えばリング・バッファで構成されており、分割されたアップデート・オーディオ・データをロードしながら再生することが可能に構成されている。アップデート・マークアップ・エリア2093は、サーバによって逐次更新されるHTML/XHTMLファイルを記憶するために用いることができる。
図18は、図2のENAVコンテンツC21に含まれるウォールドガーデン・リスト(Walled Garden List)40cの一例を示す図である。
<ウォールドガーデン・リストの実施例(1)>
ウォールドガーデン・リスト40cは、一つの以上ファイルから構成することができる。ENAVプレーヤ(より具体的にはENAVエンジン200を構成するファームウエア)は、STARTUP.MLSや他のMarkupファイルの記述により、一度につき一つのウォールドガーデン・リスト・ファイルを読み込むことができる。
また、ウォールドガーデン・リスト・ファイルには、コンテンツ制作者によって指定されたURI(Uniform Resource Identifier)がパレンタル・レベルとともに記述できるようになっており、ENAVプレーヤはその指定されたURIにのみアクセスが可能となる。
図18は、上述したウォールドガーデン・リスト40cをXML形式で記述した例を示す。この例においては、ウォールドガーデン・リストに、二つのURIが記述されている。それぞれのURIは“include”タグを用いて指定することができ、またそのURIに対するパレンタル・レベルは“parentalLevel”属性を用いて記述することができる。
図19は、ウォールドガーデン・リスト40cに基づくENAVコンテンツの再生動作の一例を説明するフローチャートである。このフローチャートは、ウォールドガーデン・リスト40cを参照して、Markupファイルにより指定されたURIにアクセスするときの手順の一例を示している。
ENAVプレーヤは、ENAVコンテンツの再生開始が指示されると、起動情報40aを読み込み(ステップST100)、続いて、起動情報40aの記述をもとに、ローディング・インフォメーション40bとウォールドガーデン・リスト40cを読み込む(ステップST102)。次に、ENAVプレーヤは、ローディング・インフォメーション40bで指定されたENAVコンテンツをENAVバッファ209に取り込み、更にローディング・インフォメーション40b内の“Initial”タグにて指定されたInitial Markupファイルの再生(実行)を行う(ステップST104)。
ここで、現在実行しているMarkupファイルが(またはユーザが直接に)次にアクセスするURIを指定したときは(ステップST106イエス)、ENAVプレーヤは既に読み込んでいるウォールドガーデン・リスト40cを参照し、指定されたURIがこのリスト40cに含まれるか否かを調べる(ステップST108)。指定されたURIがリストに含まれない場合(ステップST108ノー)、つまり、コンテンツ制作者がそのURIへのアクセスを許可していない場合、ENAVプレーヤは、ユーザに対して、“アクセスが許可されていません”等のメッセージを表示し(ステップST110)、他の動作(例えば別のURIへのアクセス)を指示するように促して、ステップST106に戻る。
一方、指定されたURIがリストに含まれている場合(ステップST108イエス)において、もしウォールドガーデン・リスト40cにそのURIとともにパレンタル・レベルが指定されていなければ(ステップST112ノー)、指定されたURIにアクセスすることができる(ステップST130)。
ウォールドガーデン・リスト40cにそのURIとともにパレンタル・レベルが指定されている場合は(ステップST112イエス)、このURIは“コンテンツ制作者によってパレンタル・レベルによる制限が行われている”ことを示す。この場合、ウォールドガーデン・リスト40cで指定されたパレンタル・レベルと、ENAVプレーヤに(ユーザにより)設定されているパレンタル・レベル(システム・パラメータSPRM(13)に設定されている値)とが、比較される(ステップST114)。
ウォールドガーデン・リスト40cで指定されたパレンタル・レベルがENAVプレーヤに設定されているパレンタル・レベル(SPRM(13))以下の場合(ステップST116イエス)、あるいはENAVプレーヤに設定されているパレンタル・レベルの値(SPRM(13))が、アクセス先のパレンタル・レベルの値以上である場合(ステップST116イエス)のみ、指定されたURIにアクセスすることができる(ウォールドガーデン・リスト40cで指定されたパレンタル・レベルとENAVプレーヤに設定されているパレンタル・レベルとが同じ場合はアクセス可能とする)。
一方、ENAVプレーヤのパレンタル・レベルの値(SPRM(13))が、アクセス先のパレンタル・レベルの値より小さい場合(ステップST116ノー)、ENAVプレーヤは、例えばそのプレーヤに設定されているパレンタル・レベルの値を変更するようユーザに促す(ステップST118)。その結果変更されたパレンタル・レベルの値がコンテンツのパレンタル・レベルの値以上となる場合(ステップST120イエス;ステップST116イエス)は、指定されたURIにアクセスすることができる。しかし、変更後のパレンタル・レベルの値がなお、コンテンツのパレンタル・レベルの値以上とならない場合(ステップST120ノー)は、ENAVプレーヤは“アクセスが許可されていません”等のメッセージを表示し(ステップST110)、他の動作を指示するように促す。
なお、上述した“システム・パラメータSPRM(13)”は、既存のDVDビデオ(ROM)規格で規定されている「パレンタルレベルを一時的に設定するナビゲーション命令(SetTmpPML)」が利用するシステムパラメータと同じものである。しかしながら、別のパラメータメモリを用意して、この別パラメータメモリに上記“ウォールドガーデン・リスト”で用いるパレンタル・レベルの値を設定することも可能である。
また、ウォールドガーデンとは、アクセス可能なウェブのコンテンツ(あるいはサービス)の範囲を規制するもので、この範囲はディスク毎に異なり得る。ウォールドガーデン・リスト40cはこのようなウォールドガーデンが記載されたリストであり、アクセス可能なウェブサービスに対する全URLのリストであるとも言える。
このウォールドガーデンが記載されたリストを参照することで、次のようなことができる。すなわち、例えば図3の装置(ディスクD2を再生するENAVプレーヤ)のユーザが通信回線(インターネット)を介してウェブコンテンツにアクセスしようとする場合では、そのディスクD2のウォールドガーデン・リスト40cの記述で許された範囲でのみ、ウェブコンテンツにアクセスできる(ディスクD2のプロバイダは、そのディスクを使用する限り、ユーザがウォールドガーデン・リスト40の記述範囲を越えたウェブアクセスをしないようにできる)。
また、図8および/または図19のフローチャートの処理は、図3のENAVエンジン200を構成している図示しないマイクロコンピュータ(MPU)のファームウエアとして、実現できる。
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。たとえば、この発明は、DVDビデオディスクのみならず、DVDオーディオディスクに利用することもできる。
また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
DVDビデオディスク(D1)のデータ構造の一例を示す図。 この発明の一実施の形態に係るエンハンスドDVDビデオディスク(ENAVディスクD2)のデータ構造の一例を示す図。 この発明の一実施の形態に係るDVD再生装置(情報再生装置)の一例を示すブロック図。 図3の装置におけるENAVバッファ209の内部構成の一例を説明する図。 ENAVドキュメント(またはこのドキュメントが示すファイル)に記述されているローディング・インフォメーションの一例を示す図。 ENAVドキュメント(またはこのドキュメントが示すファイル)に記述されているローディング・インフォメーションの他例を示す図。 図3の装置におけるバッファ・マネージャ204とその周辺構成の一例を説明する図。 図4のENAVエンジン200の動作(イベントの流れ)の一例を説明するフローチャート図。 図3の装置において、ディスク部300からデータを読み込む場合の動作の一例を説明する図。 図3の装置において、サーバ部500からデータを読み込む場合の動作の一例を説明する図。 図3の装置において、ディスク部300とサーバ部500からデータを読み込む場合の動作の一例を説明する図。 ENAVドキュメント(またはこのドキュメントが示すファイル)に記述されているローディング・インフォメーションのさらに他の例を示す図。 図3の装置において、ディスク部300とサーバ部500からデータを読み込む場合の動作の他例を説明する図。 アップデートオーディオデータがどのようにアップデートされるかの一例を説明する図。 スタートアップ・ファイルの一例を示す図。 ローディング・インフォメーションのさらに他の例を示す図。 図3の装置におけるENAVバッファ209の内部構成の他例を説明する図。 ウォールドガーデン・リストの一例を示す図。 ウォールドガーデン・リストに基づくENAVコンテンツの再生動作の一例を説明するフローチャート図。
符号の説明
1…リードインエリア、2…ボリューム/ファイル構造情報エリア、3…DVDビデオエリア、4…他の記録エリア、5…リードアウトエリア、C1…DVDビデオコンテンツ、C21…ENAVコンテンツ(ディスクに格納)、C22…ENAVコンテンツ(サーバに格納)、D1…DVDビデオディスク、D2…エンハンスドDVDビデオディスク、100…DVDビデオ再生エンジン、101…DVDビデオデコーダ、102…DVDビデオ再生制御部、200…ENAVエンジン、202…ENAVインターフェース・ハンドラ、203…AVレンダラ、204…バッファ・マネージャ、205…インタープリタ部、2051…DOMマニピュレータ、2052…SMILインタープリタ、2053…タイミングエンジン、2054…ECMAScriptインタープリタ、2055…ENAVオブジェクト、207…XHTML/SVG/CSSレイアウト・マネージャ、208a、208b…メディア・デコーダ、209…ENAVバッファ部、210…ENAVパーサ、211…インターネット接続部、215…オーディオマネージャ、300…ディスク部、400…ユーザ・インターフェース部、500…サーバ部。

Claims (4)

  1. ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツが記憶される第1のエリアと、拡張情報が記録される第2のエリアを持つ情報記憶媒体であって、前記拡張情報が起動情報を含むように構成され、この起動情報が直接的または間接的にローディング情報を記述するように構成され、前記ローディング情報が前記第2のエリアおよび/またはこの第2のエリア以外からの情報を先読みするためのプリロード情報を含むように構成された情報記憶媒体を再生する装置であって、
    前記情報記憶媒体から前記ビデオコンテンツおよび/またはオーディオコンテンツを取得する第1の取得手段と、
    前記情報記憶媒体から前記拡張情報を取得し、あるいは通信回線を介して外部から別の拡張情報を取得する第2の取得手段と、
    前記拡張情報の取得が完了したことを示すタイミング情報を発生する手段とを備えた情報再生装置。
  2. 前記拡張情報がローディング情報を含み、このローディング情報に基づいて、前記タイミング情報を発生するように構成した請求項1に記載の装置。
  3. 前記タイミング情報の発生に連動して、前記拡張情報の表示を開始し、あるいは前記情報記憶媒体からのコンテンツ再生を開始するように構成した請求項1に記載の装置。
  4. 前記タイミング情報の発生に連動して、それまで禁止されていたユーザ操作があるときは、そのユーザ操作を許可するように構成した請求項1に記載の装置。
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