JP2007127821A - 駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】センサと表示装置を小型化したい。
【解決手段】表示装置は、カソード20からアノード32へ電子を飛行せしめ、蛍光体24と電子を衝突させることによって、アノード32上に所望の画像を画素単位で形成および表示する。センサは、カソード20からアノード32へ電子を飛行せしめ、光電変換膜26において、外界からアノード32へ投ずる画像と、電子と結合せしめることによって、画像を検出する。また、表示装置と、センサは、一体的に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子放出源から放出された電子流を使用する電子装置に対する駆動装置に関する。
近年、コンピュータのモニタやテレビジョン等に使用される表示装置は、平面型のものが主流になりつつある。平面型の表示装置としては、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel;PDP)、液晶表示装置(Liquid Crystal Display;LCD)、および電界放出表示装置(Field Emission Display;FED)などが挙げられる。
この中でも電界放出表示装置は、自発光である、薄型化しやすい、および耐久性が高い等の利点があり、最近盛んに研究開発が行われている。電界放出表示装置は、一般的に、カソードに設けられた平面型の電子放出源から電子を放出させ、カソードと対向するアノードに設けられた蛍光体に電子を衝突させて発光している(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−134144号公報
電界放出表示装置と同様に、カソードに設けられた電子放出源からアノードに電子を放出する構成によって、センサも実現される。その際、電界放出表示装置における蛍光体の代わりに、光電変換膜が備えられる。電界放出表示装置による表示機能と、センサによる検出機能を同時に使用すべき場合が存在する。例えば、表示機能によって照明を提供し、照明のもとで検出機能を実行させる場合などである。
本発明者はこうした状況下、以下の課題を認識するに至った。電界放出表示装置とセンサが大きければ、表示機能と検出機能を適用できるアプリケーションが限定される。そのため、表示機能と検出機能を様々なアプリケーションに使用するためには、電界放出表示装置とセンサの小型化が望まれる。なお、大型の表示装置等が必要であれば、小型化された装置を組み合わせることによって対応可能となる。また、表示機能と検出機能を使用する場合、適用すべきアプリケーションに応じて、表示のタイミングと検出のタイミングが異なってくる。アプリケーションが変更される場合であっても、これらのタイミングの変更を容易に設定できる方が望ましい。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型化が可能でありつつ、センサと表示装置に対する設定が容易になされる電子装置に対する駆動装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の駆動装置は、アノードへ向けて電子を放出するカソードを画素単位で駆動する駆動装置であって、駆動モードが第1モードである場合に、表示用途の駆動をする第1駆動部と、駆動モードが第2モードである場合に、非表示用途の駆動をする第2駆動部と、第1モードと第2モードとの間の切りかえを制御する制御部と、を備える。
この態様によると、第1モードの駆動と、第2モードの駆動を切りかえることによって、表示用途とモニタ用途を実現するので、これらの用途を一体的に実行でき、装置の小型化を実現できる。
本発明によれば、小型化が可能でありつつ、センサと表示装置に対する設定が容易になされる電子装置に対する駆動装置を提供できる。
本発明を具体的に説明する前に、概要を述べる。本発明の実施例は、カソードに設けられた電子放出源からアノードへ、電子を放出する電子装置を使用したセンサ付表示装置に関する。センサ付表示装置を表示装置としてするためには、アノードに蛍光体が設けられる。一方、センサ付表示装置を表示装置としてするためには、アノードに光電変換膜が設けられる。なお、所望の画像を表示したり検出したりするために、アノードには、マトリックス状に画素が配置されている。本実施例に係るセンサ付表示装置は、それらの画素のうちの一部分に対応するように光電変換膜を設け、画素のうちの残りの部分に対応するように蛍光体を設ける。すなわち、センサ付表示装置の表示領域内にセンサが設けられる。このように、表示装置とセンサが一体的に形成されるので、センサ付表示装置の小型化が実現可能になる。
センサ付表示装置は、表示装置として使用する際に、蛍光体が設けられた画素に対応した電子放出源から電子を放出するように指示し、センサとなる場合に、光電変換膜が設けられた画素に対応した電子放出源から電子を放出するように指示する。画素に対応した電子放出源もマトリックス状に配置されているので、表示装置に対応した電子放出源とセンサに対応した電子放出源を直交座標軸上の座標点として管理できる。このような構成によって、センサ付表示装置は、単なる表示装置のように、座標点を指定しながら、対応する電子放出源から電子を放出させる。さらに、指定した座標点がセンサに対応する場合に、センサ付表示装置は、センサから出力された信号を受けつけ、これを検出結果とする。表示装置であるか、センサであるかを座標点によって管理するので、センサと表示装置に対する設定が変更される場合であっても、設定の変更を容易に実行できる。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例に係るパネル100の上面図である。パネル100は、カソード電極10と総称される第1カソード電極10a、第2カソード電極10b、第3カソード電極10c、第4カソード電極10d、第5カソード電極10e、第6カソード電極10f、第7カソード電極10g、第8カソード電極10h、第9カソード電極10i、第10カソード電極10j、第11カソード電極10k、第12カソード電極10l、ゲート電極12と総称される第1ゲート電極12a、第2ゲート電極12b、第3ゲート電極12c、第4ゲート電極12d、第5ゲート電極12e、第6ゲート電極12f、第7ゲート電極12g、第8ゲート電極12h、第9ゲート電極12i、第10ゲート電極12j、第11ゲート電極12k、第12ゲート電極12lを含む。なお、各図面は各部材の位置関係を説明することを目的としているため、必ずしも実際の各部材の寸法関係を表すものではない。
図1(a)のごとく、カソード電極10とゲート電極12は、直交するように形成されている。すなわち、直交座標系において、x軸の方向にゲート電極12が形成され、y軸の方向にカソード電極10が形成される。カソード電極10とゲート電極12とが交差する部分は、図示しないアノードにおける画素に相当する。図示のごとく、複数の画素は、マトリックス状に配置される。例えば、左上の画素を原点とし、右の方向にx軸を規定し、下の方向にy軸を規定すると、画素は、2次元の座標点として示される。
例えば、座標は、(1,2)のように示される。図1(a)において、「R」は、赤色の画素を示し、「G」は、緑色の画素を示し、「B」は、青色の画素を示す。また、「S」は、センサ用の画素に相当する。ここで、「R」、「G」、「B」は、図示しないアノードにおける表示領域に相当し、「S」は、図示しないアノードにおける画像検出領域に相当する。なお、表示領域は、「R」、「G」、「B」を総称するように使用される場合もあれば、「R」、「G」、「B」のそれぞれを示すように使用される場合もある。
以上の構成によって、「R」、「G」、「B」は、それぞれ赤色、緑色、青色に点灯する。また、「S」は、センサとなる。このように、図示しないアノードにおける表示領域と画像検出領域は、交互に形成されている。そのため、表示領域と画像検出領域は、互いに隣り合っている。なお、表示領域は、蛍光材層の領域に相当し、画像検出領域は、正孔を発生する材料層の領域に相当するので、蛍光材層の領域と、正孔を発生する材料層の領域が、交互に形成されているともいえる。なお、交互の形成は、画素単位に縦横ともに対してなされている。また、アノードにおいて、「R」、「G」、「B」のそれぞれの画素ピッチと「S」の画素ピッチは、等しくされている。このような構成によって、後述する駆動系の構成を容易にできる。
図1(b)は、図1(a)のうち、点線によって囲まれた部分を拡大した図である。前述のごとく、カソード電極10とゲート電極12との交差部分が、画素に相当するが、画素に対応する部分に、複数の電子放出源14が備えられる。電子放出源14については、後述する。
図2は、パネル100の断面図である。パネル100は、アノード32、ゲート電極12、カソード20を含む。また、アノード32は、透明電極層22、蛍光体24、光電変換膜26、アノード電極28、アノード基板30を含み、カソード20は、カソード電極10、電子放出源14、カソード基板16、絶縁体層18を含む。なお、図2は、図1(a)のA−B面の断面に相当する。
カソード基板16は、例えば、ガラス板等の絶縁体で構成されている。カソード基板16の可視光の透過率は問わない。カソード電極10は、カソード基板16上に形成された導電体である。カソード電極10は、例えば、Cu、Mo、Ni、Ta等の金属を成膜することによって形成される。電子放出源14は、カソード電極10上に平面状に形成されている。電子放出源14は、略円錐形状をしており、先端の尖った部分から電子を放出する。電子放出源14は、例えば、Cu、Mo等の金属を蒸着することによって形成される。電子放出源14は、金属以外の材料、例えば、カーボンナノチューブ、ダイヤモンド等の導電性を有する炭素材料で構成されていてもよい。
電子放出源14の周囲には、電子放出源14が設置される略円筒形状の孔部を備えた絶縁体層18が形成されている。絶縁体層18は、例えば、SiOを成膜することによって形成される。絶縁体層18上には、ゲート電極12が形成されている。ゲート電極12は、絶縁体層18の孔部よりも小径の孔部を有し、例えば、Mo、Ta、Cr等の金属膜で構成されている。一般的に、ゲート電極12に正電位を印加し、カソード電極10に負電位を印加することによって、電子放出源14から電子が放出される。なお、印加する電位を変えると、電子放出源14から放出される電子の量が変えられる。
アノード32は、カソード20から放出された電子を平面的に受ける部材である。すなわち、アノード32には、カソードからの電子が飛来する。また、アノード32は、カソード20と略平行となるように、かつカソード20と至近距離、例えば、2mm以下の1.8mmの距離となるように配置されている。アノード32は、可視光を透過する材質で構成される。すなわち、アノード電極28は、例えば、ITOを成膜することによって形成することができる。これに代えて、アノード電極28は、例えば、Mo、Ta等の金属を薄く成膜することによって形成し、可視光の透過性を確保してもよい。また、アノード基板30は、例えば、板ガラス等のガラス材料、ポリカーボネート等の透明な樹脂材料、または石英等の透明なセラミックスで構成することができる。
透明電極層22は、アノード電極28と後述の蛍光体24との間に設けられる。透明電極層22の存在によって、蛍光体24と透明電極層22とを合わせた厚みと、光電変換膜26の厚みが、略同一にされる。このような構成によって、電子放出源14から蛍光体24までの距離と、電子放出源14から光電変換膜26までの距離が、略同一になる。なお、略同一とは、完全に同一でなくても、それぞれに最適な厚さである場合を含む意味である。また、最適な厚さは、実験等によって決定されればよい。すなわち、透明電極層22によって、蛍光体24と透明電極層22とを合わせた厚みの調節がなされる。蛍光体24は、透明電極層22の下面に薄膜状に形成されている。蛍光体24は、カソード20から放出された電子の衝突により発光する材質、例えば、ZnOにZnを結合させた物質で構成されている。カソード20から放出された電子の衝突によって発せられた光、すなわち可視光は、アノード電極28とアノード基板30を透過して視認される。また、蛍光体24は、「赤色」、「緑色」、「青色」のいずれかに発光する。
光電変換膜26は、投ずる画像、すなわち外界から入る光に応じて正孔を発生する。光電変換膜26によるセンサの動作は次のとおりである。まず、図示しない撮像対象物からの光が、アノード基板30の外側から光電変換膜26に入射し、光電変換膜26では、電子−正孔対ができる。正孔は、アノード32とカソード20との間の電界によって、光電変換膜26のカソード20側に集まる。次に、電子放出源14から放出された電子が光電変換膜26に衝突する。この電子の衝突は、光電変換膜26の正孔が存在する個所、すなわち、光電変換膜26に光が入射した個所では、アノード32とカソード20との間の電流として、図示しない制御部によって検出される。
一方、光電変換膜26に光が入射しなかった個所では、アノード32とカソード20との間に電流が流れない。このように、電流が流れる個所と流れない個所とを図示しない制御部によって検出することによって、センサに光が入射した個所と入射しなかった個所とを認識する。以上の構成により、アノード32は、蛍光体24の領域と、光電変換膜26の領域とを有する。
以上の構成において、透明電極層22、蛍光体24を含む断面が表示装置に相当する。蛍光体24の下方に配置されるカソード電極10に設けられた電子放出源14から、アノード32に設けられた蛍光体24へ、電子が放出される。蛍光体24は、電子の衝突によって発光する。その結果、蛍光体24、透明電極層22、アノード電極28を介して、アノード基板30の上に所望の画像が、画素単位で形成される。ここでは、蛍光体24の下方に存在する3つの電子放出源14が、ひとつの画素に相当するとしたが、ひとつの画素に含まれる電子放出源14の数が、3つ以上であってもよい。なお、ひとつの画素に対応した電子放出源14が電子を放出しているとき、他の画素に対応した電子放出源14は、電子を放出していない。電子を放出する電子放出源14は、カソード電極10とゲート電極12に印加される電位によって指示される。これは、公知の技術であるので、説明を省略する。
また、光電変換膜26を含む断面がセンサに相当する。光電変換膜26の下方に配置されるカソード電極10に設けられた電子放出源14から、アノード32に設けられた光電変換膜26へ、電子が放出される。光電変換膜26は、外界からアノードへ投ずる画像の光量に応じて画素単位で正孔を発生させる。さらに、光電変換膜26は、正孔と電子とを結合せしめることによって、画像を検出する。検出された画像は、電流量として出力される。なお、電子を放出する電子放出源14の選択は、前述のごとくなされる。カソード電極10において、表示装置用の部分とセンサ用の部分は、均一のピッチに形成されている。そのため、カソード20の作成が容易になる。
図3は、センサ付表示装置200の構成を示す。センサ付表示装置200は、制御部50、CPU52、カソード駆動部54、ゲート駆動部56、データ抽出部58、パネル100を含む。制御部50は、カウンタ60、メモリ62、データ信号生成部64、走査信号生成部66、データバッファ68、受付部70を含む。
カウンタ60は、画素に対応したカウンタ値を出力する。図1のパネル100において、画素数がM×N個であるとすると、カウンタ60は、カウンタ値として、「1」から「M×N」を順次出力する。また、カウンタ値が「M×N」になると、カウンタ60は、カウンタ値を「1」に戻す。これは、図示しないカソード電極10での表示装置用の部分とセンサ用の部分のうち、図示しないアノード電極28における画素のうちのひとつに対応した領域の指定に相当する。
メモリ62は、カウンタから出力されるカウンタ値に対応する形式にて、「R」、「G」、「B」、「S」に対応した領域を記録する。図4は、メモリ62に記憶されているデータの構造を示す。図示のごとく、座標欄80と色欄82が設けられる。座標欄80は、画素に対応した座標点のx座標とy座標を含む。座標(1,1)は、前述の原点に相当する。また、x軸とy軸は、前述のごとく、規定される。色欄82の「R」は赤色を示し、「G」は緑色を示し、「B」は青色を示す。また、「S」はセンサを示す。メモリ62に記録された「R」、「G」、「B」、「S」のそれぞれに対応した領域は、パネル100での図示しないアノード電極28に備えられた蛍光体24と光電変換膜26と整合性を有するように設定される。以上のように、メモリ62は、少なくともセンサの駆動対象領域を記録しているといえる。図3に戻る。
走査信号生成部66は、カウンタ60におけるカウンタ値をもとに、走査信号を生成する。走査信号生成部66では、図1(a)に示したゲート電極12のそれぞれに対して、いずれかの画素が選択されるような走査信号を生成する。ここで、走査信号におけるアクティブの期間では、正の電位となる。なお、画素が、表示装置用の部分であるか、センサ用の部分であるかにかかわらず、走査信号は生成される。走査信号生成部66は、走査信号をゲート駆動部56に対して出力する。
データ信号生成部64は、図1(a)に示したカソード電極10に印加すべき電位を生成する。なお、印加する電位の大きさに応じて、電子放出源14から放出される電子の量、すなわち蛍光体24の輝度が異なる。そのため、データ信号生成部64は、CPU52から画像データを受けつけ、画像データに含まれた画素単位の輝度データを電位に変換する。その際、データ信号生成部64は、データバッファ68を介して、画像データを受けつける。また、データ信号生成部64は、カウンタ60からのカウンタ値をもとに、画素の座標を特定する。最終的に、データ信号生成部64は、特定した座標と対応づけながら、変換した電位を出力する。このような電位は、輝度データに相当する。なお、データ信号生成部64は、メモリ62におけるデータをもとに、輝度データと「R」、「G」、「B」とを対応づける。
データ信号生成部64は、メモリ62におけるデータをもとに、センサの画像検出領域に対応した画素を特定する。さらに、データ信号生成部64は、特定した画素における電位として、輝度データから変換された電位の代わりに、予め規定された電位を割り当てる。図示しないカソード電極10の駆動モードとして、表示用途の駆動である第1モードと、非表示用途の駆動である第2モードを規定する場合、データ信号生成部64は、第1モードにおいて、輝度データから変換された電位を出力し、第2モードにおいて、予め規定された電位を出力する。
なお、非表示用途は、図示しないアノード32へ投ずる外界画像を検出するセンサの用途である。すなわち、データ信号生成部64は、メモリ62に記録された駆動対象領域と、カウンタ60におけるカウント値をもとに、第1モードと第2モードを切りかえる。表示装置を駆動させるための表示モードと、センサを駆動させるためのセンサモードを切りかえる。これに対応して、メモリ62は、第1モードと第2モードのうちの少なくとも一方の駆動対象領域を記録しているといえる。
カソード駆動部54は、パネル100に含まれたカソード電極10に対して、データ信号生成部64にて生成された電位を印加する。すなわち、カソード駆動部54は、図示しないアノード32へ向けて電子を放出するカソード電極10を画素単位で駆動する。図5は、カソード駆動部54から出力されるデータ信号を示す。これは、図1(a)における第1カソード電極10aに印加するデータ信号に相当する。先頭から順に、「第1R用データ」、「S用データ」、「第2R用データ」、「S用データ」、「第3R用データ」が割り当てられる。R用データは、赤色の画素に印加すべき電位を示しており、前述のごとく、輝度データから変換された電位に相当する。ここで、「第1R用データ」、「第2R用データ」等が異なる電位となる場合もある。一方、「S用データ」は、センサ用の画素に印加すべき電位を示す。これは、前述のごとく、所定の値として規定されている。以上より、カソード駆動部54では、駆動モードが第1モードである場合に、表示用途の駆動を実行し、駆動モードが第2モードである場合に、センサ用途の駆動を実行する。
図3に戻る。ゲート駆動部56は、パネル100に含まれたゲート電極12に対して、走査信号生成部66にて生成された走査信号を印加する。データ抽出部58は、パネル100に含まれたアノード電極28に接続され、アノード電極28における電流値を抽出する。この電流値が、出力データに相当する。なお、ゲート駆動部56において、電流値が、電位やデジタルデータに変換されてもよい。これらを総称して出力データと呼ぶ。
受付部70には、データ抽出部58から、出力データが入力される。また、受付部70には、データ信号生成部64から、第2モードが選択されているタイミングが入力される。その結果、受付部70は、第2モードが選択されているタイミングでの出力データを受けつける。ここで、出力データは、センサによって検出された外界画像に相当する。すなわち、受付部70は、図示しないカソード電極10での表示装置用の部分とセンサ用の部分のうち、センサの駆動対象領域において、センサによって検出された画像を受けつける。受付部70は、検出した画像をCPU52に出力する。なお、以上の構成において、制御部50、カソード駆動部54、ゲート駆動部56、データ抽出部58、パネル100は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されているものとする。
ここで、実施例に係るセンサ付表示装置200の変形例を説明する。変形例では、実施例と、パネル100の構成が異なる。図6は、本発明の変形例に係るパネル100の上面図である。「S」は、前述のごとく、センサに対応した画素に相当する。そのため、図示しないアノード電極28において、少なくともセンサの画像検出領域は、連続的な領域として形成されている。なお、連続的な領域が、ふたつ以上も受けられてもよい。ここで、センサの画像検出領域は、図2の光電変換膜26を示す。すなわち、実施例では、センサに対応した画素が離散的に配置されているのに対して、変形例では、センサに対応した画素が連続的に配置されている。このように配置された画素を駆動するために、図3のメモリ62に記憶されたデータの構成が、実施例と異なる。そのため、メモリ62は、第2モードに対する駆動対象領域として、画素が2次元的に連続する密な領域と、画素の離散的な集合によって形成される領域を記録できる。画素の配置が異なる場合であっても、メモリ62とデータ信号生成部64の構成を変更することによって対応可能である。そのため、パネル100の設計変更に、容易に対応できる。
センサ付表示装置200を適用可能なアプリケーションの一例を説明する。ひとつ目の例は、センサ付表示装置200を内視鏡として使用するアプリケーションである。内視鏡には小型化が要求されるが、前述のごとく、センサ付表示装置200は、パネル100内に表示領域と画像検出領域を一体的に備えるので、小型化を実現できる。その際、蛍光体24は、白色に塗布されており、表示装置は、センサ用途のために光量を提供する目的で、所定の画像を表示する。さらに、センサは、残存した光を使用しながら、画像を検出する。
ふたつ目の例では、パネル100をある程度の大きさに設計する。人がパネル100の前にいない場合、パネル100は何も表示しない。一方、人がパネル100の前にいる場合、パネル100は、所望の画像を表示する。すなわち、センサ付表示装置200は、人の有無に応じて、画像の表示を切りかえる。具体的に説明すると、制御部50は、第2モードにてカソード駆動部54を駆動させる。制御部50は、センサによって、人の存在を検出しなければ、第2モードによる駆動を継続する。一方、制御部50は、センサによって、人の存在を検出すれば、第1モードによる駆動を開始する。このような動作であっても、制御部50における切りかえによって対応できる。
本発明の実施例によれば、表示機能を有した部分と、検出機能を有した部分とをパネル内に一体的に形成するので、表示機能と検出機能を有しつつ、小型化を実現できる。また、表示領域内に画像検出領域を形成するので、小型化を実現できる。また、表示領域と画像検出領域を交互に形成するので、センサの画像検出領域をアノード全体に分散でき、画像の検出範囲を拡大できる。また、センサの画像検出領域を連続的にするので、画像の検出の詳細化を実現できる。また、アノードにおける画素ピッチを1種類にするので、アノードの設計を容易にできる。また、カソードにおける画素ピッチを1種類にするので、カソードの設計を容易にできる。また、カソードにおける画素ピッチを1種類にするので、駆動系の設計を容易にできる。また、カソードにおける画素ピッチを1種類にするので、装置全体の設計を容易にできる。
また、表示装置であるか、センサであるかにかかわらず、画素のうちのひとつに対応した領域を指定するので、センサと表示装置に対する設定を容易にできる。また、指定した座標によって、表示装置であるか、センサであるかを区別しているので、センサと表示装置に対する制御を容易にできる。また、センサと表示装置のうち、いずれかだけの動作を実現できるので、センサと表示装置に対する設定を容易にできる。また、第2モードだけを実行している間、第1モードを実行しないので、処理を簡略にできる。また、アノードの中に、蛍光材の領域と光電変換膜の領域とを設けるので、小型化を実現できる。また、アノードと蛍光材との間に透明電極層を有し、透明電極層によって、蛍光材とカソードとの距離を調節できるので、設計の自由度を向上できる。また、表示装置であっても、センサであっても、電子が衝突する部分とカソードとの距離をほぼ等しくできるので、設計を容易にできる。
また、第1モードの駆動と、第2モードの駆動を切りかえることによって、表示用途とモニタ用途を実現するので、これらの用途を一体的に実行でき、装置の小型化を実現できる。また、モードの選択に応じて、外界画像の受付を決定するので、センサと表示装置に対する制御を容易にできる。また、カウント値によって、画素に対する制御を実行するので、処理を容易にできる。また、メモリの記録内容を変更できるので、設計の自由度を向上できる。また、メモリの記憶内容に応じて、表示用途の駆動と、センサ用途の駆動との切替えを実現できる。また、ひとつの半導体基板上に一体集積化することによって、小型化を実現できる。また、表示用途をフラッシュとして使用できる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本発明の実施例において、走査信号生成部66は、メモリ62に記録されたデータを参照しながら、データ系列の中に、センサに対応するデータを挿入している。しかしながらこれに限らず例えば、走査信号生成部66は、パネル100が表示装置だけある場合と同様に、データ系列を生成してもよい。その際、カソード駆動部54は、カウンタ60からのカウンタ値と、カウンタ60に記録されたデータをもとに、センサに対応した電子放出源14に所定の電位を印加してもよい。本変形例によれば、走査信号生成部66の動作を容易にできる。すなわち、センサの動作が正常になされるような電位が印加されればよい。
図1(a)−(b)は、本発明の実施例に係るパネルの上面図である。 図1(a)−(b)のパネルの断面図である。 本発明の実施例に係るセンサ付表示装置の構成を示す図である。 図3のメモリに記憶されているデータの構造を示す図である。 図3のカソード駆動部から出力されるデータ信号を示す図である。 本発明の変形例に係るパネルの上面図である。
符号の説明
10 カソード電極、 12 ゲート電極、 14 電子放出源、 16 カソード基板、 18 絶縁体層、 20 カソード、 22 透明電極層、 24 蛍光体、 26 光電変換膜、 28 アノード電極、 30 アノード基板、 32 アノード、 50 制御部、 52 CPU、 54 カソード駆動部、 56 ゲート駆動部、 58 データ抽出部、 60 カウンタ、 62 メモリ、 64 データ信号生成部、 66 走査信号生成部、 68 データバッファ、 70 受付部、 100 パネル、 200 センサ付表示装置。

Claims (8)

  1. アノードへ向けて電子を放出するカソードを画素単位で駆動する駆動装置であって、
    駆動モードが第1モードである場合に、表示用途の駆動をする第1駆動部と、
    駆動モードが第2モードである場合に、非表示用途の駆動をする第2駆動部と、
    第1モードと第2モードとの間の切りかえを制御する制御部と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記第2駆動部における非表示用途は、アノードへ投ずる外界画像を検出する用途であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記制御部によって第2モードが選択されているときに、検出された外界画像を受けつける受付部をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記制御部は、
    画素に対応したカウンタ値を出力するカウンタと、
    前記カウンタから出力されるカウンタ値に対応する形式にて、第1モードと第2モードのうちの少なくとも一方の駆動対象領域を記録するメモリと、
    前記メモリに記録された駆動対象領域と、前記カウンタにおけるカウント値をもとに、第1モードと第2モードとの切りかえを実行する切替部を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記メモリは、第2モードに対する駆動対象領域として、画素が2次元的に連続する密な領域に加え、画素の離散的な集合によって形成される領域を記録できることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
  6. 前記メモリは、アノードを塗り分けた表示用材料と非表示用材料と整合性を有するように、第1モードと第2モードのうちの少なくとも一方の駆動対象領域を記録することを特徴とする請求項4または5に記載の駆動装置。
  7. 前記第1駆動部、前記第2駆動部、前記制御部がひとつの半導体基板上に一体集積化されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  8. 前記第1駆動部による表示用途は、前記第2駆動部による非表示用途のために光量を提供する目的で、所定の画像を表示することを特徴とする請求項7に記載の駆動装置。
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