JP2007127291A - 熱利用システム - Google Patents
熱利用システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007127291A JP2007127291A JP2005317931A JP2005317931A JP2007127291A JP 2007127291 A JP2007127291 A JP 2007127291A JP 2005317931 A JP2005317931 A JP 2005317931A JP 2005317931 A JP2005317931 A JP 2005317931A JP 2007127291 A JP2007127291 A JP 2007127291A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- heat
- temperature
- heat storage
- stored
- storage material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F28—HEAT EXCHANGE IN GENERAL
- F28D—HEAT-EXCHANGE APPARATUS, NOT PROVIDED FOR IN ANOTHER SUBCLASS, IN WHICH THE HEAT-EXCHANGE MEDIA DO NOT COME INTO DIRECT CONTACT
- F28D20/00—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00
- F28D20/02—Heat storage plants or apparatus in general; Regenerative heat-exchange apparatus not covered by groups F28D17/00 or F28D19/00 using latent heat
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A30/00—Adapting or protecting infrastructure or their operation
- Y02A30/27—Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
- Y02A30/272—Solar heating or cooling
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02B—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
- Y02B10/00—Integration of renewable energy sources in buildings
- Y02B10/20—Solar thermal
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/14—Thermal energy storage
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E70/00—Other energy conversion or management systems reducing GHG emissions
- Y02E70/30—Systems combining energy storage with energy generation of non-fossil origin
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Other Air-Conditioning Systems (AREA)
- Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)
Abstract
【課題】放射冷却による冷熱および太陽熱による温熱を効率よく利用できる自然エネルギーの熱利用システムを提供する。
【解決手段】放射冷却による冷熱または太陽熱による温熱を蓄熱するスカイラジエター101と、前記蓄熱手段で蓄熱した熱を利用するための熱交換器103と、スカイラジエター101の蓄熱を熱交換器103へ搬送する熱搬送媒体とから構成され、熱搬送媒体は潜熱を有する蓄熱材であるので、従来と違い熱搬送媒体と蓄熱材との熱交換を必要としないため、蓄熱した熱を効率的に利用できる。
【選択図】図1
【解決手段】放射冷却による冷熱または太陽熱による温熱を蓄熱するスカイラジエター101と、前記蓄熱手段で蓄熱した熱を利用するための熱交換器103と、スカイラジエター101の蓄熱を熱交換器103へ搬送する熱搬送媒体とから構成され、熱搬送媒体は潜熱を有する蓄熱材であるので、従来と違い熱搬送媒体と蓄熱材との熱交換を必要としないため、蓄熱した熱を効率的に利用できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、自然エネルギーの熱を、加熱あるいは冷却等の作用に利用するためのシステムに関するものである。
近年、二酸化炭素排出抑制などの環境保護の観点から、例えば空気調和機等の冷却装置に関する省エネルギー化が盛んに行われている。
その一例として、特許文献1あるいは特許文献2にあるように、夏場の夜間における放射冷却の冷熱を昼間のヒートポンプによる冷房時の凝縮器となる室外機の冷却に利用し、冬場は昼間の太陽熱をヒートポンプの暖房時の蒸発器となる室外機の加熱に利用することでヒートポンプの高効率化を行う例が公知として挙げられる。
さらに、最近では、顕熱型の蓄熱方法における大型化に対して、潜熱型蓄熱材を利用して装置を小型化することが出来る放射冷却方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
図2は、従来発明の放射冷却方法の一例を示す説明図である。
図2において、従来使用されている潜熱型蓄熱材とは、液体−固体間の相変化、すなわち、化合物の融解潜熱を利用した蓄熱材を指す。例えば、特許文献4、特許文献5には、多価脂肪族アルコール(例えばエリスリトール)を主体とする潜熱型蓄熱材が提案されている。そして、例えば、排熱や夜間の低コスト電力などにより上記の化合物を溶解して蓄熱し、必要時に放熱して利用することが出来る。
従来においては、凝固点の異なる2種以上の潜熱型蓄熱材を使用している。ここで、凝固点が異なるとは、必ずしも、化合物が明確に異なることを必要としない。例えば、ある種の化合物について分子量が異なることにより、または、ある種の化合物の水溶液について溶液濃度が異なることにより、凝固点が異なればよい。また、凝固点に幅がある場合は、互いの凝固点が部分的に重複していてもよい。
この様な凝固点の異なる2種以上の潜熱型蓄熱材は、例えば、分子量600のポリエチレングリコール(凝固点13〜20℃)と10重量%濃度の硫酸ナトリウム(Na2SO4)(凝固点8〜10℃)の組合せによって実現することが出来る。
ところで、通常、高分子物質は分子量に分布を有し、その凝固点には幅がある。斯かる高分子物質は、異なる凝固点を有する潜熱型蓄熱材として単独で使用することが出来る。
本発明において、凝固点が異なるとは、凝固点において1℃以上の温度差があることを意味する。
次に、図2により従来の放射冷却システムについて説明する。本システムは、放射冷却器1と蓄熱槽4の間の第1循環路に水または不凍液Aを冷熱媒体として強制的に循環させることにより、蓄熱槽4に夜間の冷熱を蓄熱するものである。
図2において、第1循環路は、放射冷却器1、温度コントローラー2、熱交換器3、バルブ11、バルブ12、2基の蓄熱槽4、バルブ13、ポンプ21、バルブ14aを順次に含んで形成されている。
図中の矢印(実線)は、第1循環路における水または不凍液Aの流れを示す。前記第1循環路に水または不凍液Aが循環される場合、後述するバルブ15、16、17及び18は閉止される。
不凍液A及び放射冷却器1としては、従来公知の放射冷却システムに使用されているのと同様のものを使用することが出来る。また、放射冷却器1としては、非特許文献1に記載された「平板型スカイラジエター」又は「CPC型スカイラジエター」を使用することが出来る。放射冷却器1は、通常、家屋の屋根やビルの屋上に配置される。
蓄熱槽4の中には、それぞれ、凝固点の異なる潜熱型蓄熱材(図示せず)が収容されている。前記潜熱型蓄熱材は、蓄熱槽4に直接収納してもよいし、例えばプラスッチック製の多数のボール状容器に収容し、蓄熱槽4に収納してもよい。前者の場合は、蓄熱槽4内部に水または不凍液A用の配管が配置される。また、後者の場合は、複数の蓄熱槽4を使用する必要はなく、通常、凝固点の異なる2種の潜熱型蓄熱材をそれぞれ別個に収容した多数のボール状容器を、同一の蓄熱槽4に収納すればよい。
なお、分子量分布に依存して凝固点に幅を有する1種の高分子物質からなる潜熱型蓄熱材の場合は、そのままボール状容器に収容して使用される。この場合、冷却温度によっては部分的に凝固して潜熱型蓄熱材として作用する。
水または不凍液Aは、ポンプ21により循環され、そして、冷熱媒体として作用して各蓄熱槽4内の凝固点の異なる潜熱型蓄熱材に夜間の冷熱を蓄熱する。
なお、温度コントローラー2及び熱交換器3の機能については後述する。
上記従来のシステムによれば、冷熱媒体とは別途に潜熱型蓄熱材を使用しているため、十分な量の冷熱の蓄熱においても装置を小型化することが出来る。
しかも、凝固点の異なる2種以上の潜熱型蓄熱材を使用しているため、気象状況で変化する夜間放射に対応した冷熱の蓄熱が可能である。すなわち、例えば、分子量600のポリエチレングリコール(凝固点13〜20℃)と10重量%濃度の硫酸ナトリウム(Na2SO4)で凝固点8〜10℃のものを使用した場合、夜間放射によって13℃前後または10℃前後しか水または不凍液Aが冷却されない何れの場合にも対応することが出来る。
また、蓄熱槽4と熱交換器5の間の第2循環路に水または不凍液を強制的に循環させて空調用空気と熱交換させる。この態様は、上記の放射冷却が行われた夜間の後、すなわち昼間に行うと効果的である。
前記第2循環路は、各蓄熱槽4、熱交換器5、ポンプ22、バルブ15を含み、順次接続して形成されている。図中の矢印(破線)は、前記第2循環路における水または不凍液Aの流れを示す。
前記第2循環路に水または不凍液Aが循環される場合、バルブ12及び13は閉止される。そして、水または不凍液Aは、ポンプ22により循環され、熱交換器5により空調用空気と熱交換される。符号Bは熱交換される空調用空気の流れを示している。
また、本システムは、放射冷却器1を集熱器として使用し、かつ蓄熱槽4をバイパスさせた第1循環路に、水または不凍液Aを温熱媒体として強制的に循環させ、昼間の温熱を採集するソーラーシステムを兼備している。
上記の第1循環路は、放射冷却器1、温度コントローラー2、熱交換器3、バルブ11、バルブ16、ポンプ21、バルブ14aを順次含んで形成されている。そして、上記の第1順路に水または不凍液Aが循環される場合、バルブ14b、12、13は閉止される。
すなわち、上記のソーラーシステムの態様は、既に述べた様に、バルブ12及び13を閉止した上で蓄熱槽4と熱交換器5の間の第2循環路に水または不凍液を強制的に循環させ、空調用空気と熱交換させる態様(昼間に行なわれる態様)と同時に行うことが出来る。そして、水または不凍液Aは、ポンプ21により引き続き循環され、集熱器として使用される放射冷却器1により加熱される。
また、上記のソーラーシステムで加熱された水または不凍液Aを、吸収式冷凍機6の熱源として使用する。
この場合、上記のソーラーシステムにおける第1循環路は、放射冷却器1、温度コントローラー2、熱交換器3、バルブ17、バッファータンク7、ポンプ23、吸収式冷凍機6、バルブ18、バルブ16、バルブ14bを順次含んで形成される新たな順路に変更され、ソーラーシステムで加熱された水または不凍液Aの循環は、ポンプ23によって行われる。なお、バルブ11及び14aは閉止される。
吸収式冷凍機6には付帯設備として冷却塔8が備えられ、吸収式冷凍機6、流路切替え用バルブ19a、冷却塔8、ポンプ24、流路切替え用バルブ19bを順次含んで形成される順路に冷却水が循環される。
温度コントローラー2は、ポンプ23による水または不凍液Aの循環速度を制御し、水または不凍液Aの温度が沸点を超えない様に制御する機能を有する。因みに、不凍液Aとして、前述した40重量%濃度のエチレングリコール水溶液(沸点95℃)を使用した場合は、温度コントローラー2は制御できる最高温度を95℃に設定するのがよい。なお、バッファータンク7の機能は後述する。
また、昼間のソーラーシステムによる温熱採集の後、夜間の放射冷却による冷熱蓄熱に先立ち、吸収式冷凍機6の付帯設備である冷却塔8で冷却された冷却水によって水または不凍液Aを冷却する。この様な冷却により、前記ソーラーシステムから放射冷却への切替えが効率的に行なわれる。
上記の水または不凍液Aの冷却は、前記第1循環路に配置された前述の熱交換器3に冷却塔8で冷却された冷却水を循環して行なわれる。この場合、流路切替え用バルブ19a及び19bの切替えにより、前記流路切替え用バルブ19a、冷却塔8、ポンプ24、流路切替え用バルブ19bを順次に含んで形成される順路に冷却水が循環される。バッファータンク7は、水または不凍液Aの冷却によって生じる減圧を大気圧に解除するための機能を有する。
以上のようにすることで、装置を小型化することが出来、しかも、気象状況で変化する夜間放射に対応した冷熱の蓄熱が可能となる。
特開昭63−65240号公報
特開2003−4331号公報
特開2001−330278号公報
特表昭63−500946号公報
特開平5−32963号公報
第36回日本電熱シンポジウム講演論文集(1995−5)
しかしながら、上記従来のシステムは、水または不凍液Aを介しての熱交換となることから、損出が生じる。
つまり、潜熱型蓄熱材へ水または不凍液Aから熱交換するために、伝熱に必要となる温度差が必要となり、例えば、外気温30℃の場合に放射冷却で水または不凍液Aが20℃まで冷却できた場合、放射冷却器1から蓄熱槽4までの放熱ロスが無いと仮定しても伝熱の理論上、潜熱型蓄熱材は20℃となることはなく、20℃を越える温度となる。
この時、仮に蓄熱した熱を利用する相手側が40℃であり、冷却したい場合においても温度差が小さくなってしまうので、熱交換面積を大きくとり蓄熱した熱を利用側へ伝える必要があり、かかる構成は、システムを大型化することにつながる。
さらに、潜熱型蓄熱材に加えて水や不凍液Aを使用するのでそれ自体でコストが高くなり、またシステムも複雑化し、そのシステムの複雑化についてもコストアップとなり、加えてメンテナンスにおいても複雑かつ面倒となる。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、蓄熱した熱を効率よく利用側へ伝熱でき、また小型化がはかれ、コストも安価となる熱利用システムを提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するために本発明は、蓄熱システムに用いる熱搬送媒体に、融解潜熱あるいは蒸発潜熱を有する蓄熱材を用いたものである。
かかることにより、潜熱による蓄熱と熱搬送が同一物質で行えるため、熱搬送媒体と蓄熱材との熱交換が不要となり、その熱交換に伴う放熱ロスも抑制でき、効率よく蓄熱を利用側に伝熱できる。
また、本発明は、前記蓄熱システムにおいて、蓄熱を利用側へ伝熱する前に一時的に保存するため、昼間あるいは夜間等、必要なときに蓄熱を利用することができ、利便性の向上がはかれるものである。
本発明によれば、特許文献1に記載のシステムと比較し、潜熱型蓄熱材が蓄熱と熱搬送媒体の両方の役割を果たすことが可能となるため、放射冷却や太陽熱の加熱による蓄熱温度の変化が抑制でき、蓄熱した熱を効率よく利用側へ伝熱することができる。また、蓄熱専用の回路と熱搬送専用の回路を兼ねることができ、システムの小型化がはかれると共にシステム構成の簡素化が可能となり、コストが安価となり、さらにシステムのメンテナンスも簡素かつ容易となる。
請求項1に記載の発明は、放射冷却等による冷熱または太陽熱による温熱を蓄熱する蓄熱手段と、前記蓄熱手段で蓄熱した熱を利用するための利用手段と、前記蓄熱手段で蓄熱し前記利用手段へ搬送する熱搬送媒体とから構成される蓄熱システムを備え、前記熱搬送媒体を、融解潜熱または蒸発潜熱を有する蓄熱材としたものである。
かかる構成とすることにより、潜熱による蓄熱と熱搬送が同一物質で行えるため、従来の潜熱型蓄熱材を利用した場合のシステムの小型化がある程度維持でき、加えて従来の熱搬送媒体と蓄熱媒体とが異なる場合と異なり、熱搬送媒体と蓄熱材との熱交換を必要としない。その結果、冷熱を蓄熱して利用する場合は、従来に比して低い温度が利用でき、また温熱を蓄熱する場合についても、高い温度が利用でき効率的となる。
請求項2に記載の発明は、前記熱搬送媒体に、第1の温度以下で液体であり、前記第1の温度を越える温度で固体またはゲル状であり、前記第1の温度を越えた温度よりさらに高い温度である第2の温度以上で液体となる性質を有する蓄熱材を用いたものである。
かかることにより、例えば、第1の温度以下を、冷熱を蓄熱する温度として設定した場合は、潜熱で蓄熱が行われると同時に液体となるため、流動性が良好となり、搬送手段での搬送が容易になる。また、冷熱の蓄熱後に、利用手段でその冷熱を利用すると、前記蓄熱材が昇温して液体からゲル状に変化し、そして再び液体となる第2の温度まで潜熱を利用することができ、このとき、前記蓄熱材は、流動性の良好な液体となっているため、その後の蓄熱手段への搬送が容易となり、再度冷熱を蓄熱することができる。
さらに、温熱の蓄熱時についても、第2の温度を蓄熱温度として同様に利用手段から蓄熱された温熱を利用することができ、蓄熱材も、前記温熱が利用されるにつれて液体からゲル状に変化し、再び液状となる。
このように、蓄熱材は、冷熱蓄熱時あるいは温熱蓄熱時において潜熱を蓄熱して利用されるだけでなく、冷熱でも温熱でも蓄熱した状態では、熱搬送媒体として機能しやすい流動性のある液体となることから、冷熱あるいは温熱いずれの場合も、潜熱による蓄熱と熱搬送を同一物質で行うことができる。
したがって、従来のように潜熱型蓄熱材を利用した場合の小型化をある程度維持できる構成となることに加え、従来の熱搬送媒体と蓄熱媒体とが異なる場合に比して、熱搬送媒体と蓄熱材との熱交換を必要としないため、冷熱を蓄熱して利用する場合は従来に比して低い温度が利用でき、温熱を蓄熱する場合も従来に比して高い温度が利用でき、効率的なシステムが得られる。
請求項3に記載の発明は、前記蓄熱手段で蓄熱した熱を前記利用手段で利用する前に一時的に保存する保存手段を設け、前記保存手段を、大気と断熱した断熱容器より構成したものである。
かかる構成によれば、例えば夏場において夜間に放射冷却等を利用して蓄熱した冷熱を、前記保存手段に一時的に蓄熱保存することにより、昼間にその蓄冷熱を利用することが容易に行え、また冬場においては、昼間の太陽熱を蓄熱した温熱を保存手段に一時的に蓄熱保存することにより、夜間にその蓄温熱を利用することが容易に行える。
このことから、潜熱で蓄熱することによる小型化と、蓄熱材が熱搬送を兼ねることによる効率化に加えて、保存手段を設けることで、蓄熱した熱を利用価値の高い時期に利用でき、また必要に応じて前記蓄熱の利用量を利用可能なように容易に制御でき、利用率の向上と利便性の向上をはかることができる。
請求項4に記載の発明は、前記蓄熱システムに、前記蓄熱型熱搬送媒体を搬送する動力手段と、前記蓄熱手段の近傍に位置する弁を設け、さらに前記蓄熱手段を傾斜状態に配置し、前記利用手段または前記保存手段の少なくとも一方を、前記蓄熱手段の下端部と接続し、前記接続位置を前記利用手段または前記保存手段より上方の位置としたものである。
かかる構成により、蓄熱手段で蓄熱が行われた蓄熱材が液体の場合は、重力で下方に移動し、利用手段または保存手段へ流動する。このことから、蓄熱が行われた蓄熱材を熱搬送媒体として搬送する場合や蓄熱した熱を利用した後に蓄熱手段へ搬送する場合の動力手段の作動エネルギーが低減できるため、前述の潜熱で蓄熱することによる小型化と、蓄熱材が熱搬送を兼ねることによる効率化に加えて、省ネルギーで蓄熱材の円滑な搬送が行える。
請求項5に記載の発明は、前記利用手段の熱を、ヒートポンプサイクルを備えた機器の少なくとも一部と熱交換させるものである。
かかる構成により、潜熱で蓄熱することによる小型化と、蓄熱材が熱搬送を兼ねることによる効率化に加えて、前記蓄熱をヒートポンプサイクルの補助的な熱源として利用することができ、その結果、前記熱利用システムで蓄熱した冷熱または温熱の利用率向上がはかれ、またヒートポンプ自体の省エネルギーにもなる。
請求項6に記載の発明は、前記ヒートポンプサイクルを備えた機器を、空気調和機またはヒートポンプ式給湯システムとしたものである。
かかる構成とすることにより、潜熱で蓄熱することによる小型化と、蓄熱材が熱搬送を兼ねることによる効率化に加えて、汎用性の高い空気調和機、あるいはヒートポンプ式給湯システムの補助熱源として利用することができ、その結果、蓄熱した熱の利用率が一層向上し、空気調和機、あるいはヒートポンプ式給湯システムの省エネルギー化がはかれるものである。
請求項7に記載の発明は、前記蓄熱手段に、冷熱蓄熱時は外気温より低温で蓄熱し、温熱蓄熱時は外気温より高温で蓄熱するスカイラジエターを用いたものである。
かかる構成により、潜熱で蓄熱することによる小型化と、蓄熱材が熱搬送を兼ねることによる効率化に加えて、冷熱蓄熱時はより低温で蓄熱でき、温熱蓄熱時はより高温で蓄熱でき、その結果、利用手段においてより効率的な利用が可能となるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、従来と同一構成及び差異がない部分については、詳細な説明を省略する。また、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本実施の形態1における熱利用システムの構成図である。
図1は本実施の形態1における熱利用システムの構成図である。
図1において、スカイラジエター101は、内部に後述する蓄熱材(図示せず)が存在する場合、夜間は放射冷却により前記蓄熱材を冷却して冷熱を蓄え、昼間は太陽光により前記蓄熱材を加熱して温熱を蓄えるためのラジエターで、家屋の屋根等、日当たりのよい場所に設置されている。
保存手段102は、スカイラジエター101で熱が蓄熱された蓄熱材を一時的に貯留して保存するためのもので、周知の断熱構造を採用した容器によって構成され、前記断熱構造により、内部に存在する蓄熱材と外部との熱交換が抑制されている。また、保存手段102は、その上部が配管を介してスカイラジエター101の下端と接続されている。
熱交換器103は、前記蓄熱材で蓄熱している熱を熱交換により外部へ伝熱させて利用するための熱交換器で、一端が保存手段102の下方と配管接続され、保存手段102の蓄熱材が流入する。
ポンプ104は、蓄熱された熱を利用した後の蓄熱材を、再度蓄熱させるためにスカイラジエター101に戻すもので、その動作時は、保存手段102に一時保存された蓄熱材を熱交換器103に流通させる動力源ともなる。このポンプ104は、液体やガスを強制循環できる構成のもので、熱交換器103の他端からスカイラジエター101の上端に接続された配管の途中経路に設けられている。
開閉弁105aは、スカイラジエター101と保存手段102を接続する配管105bの途中に設けられており、スカイラジエター101の近傍に取付けられている。
配管105bは、上方に位置するスカイラジエター101から保存手段102まで下方に傾斜しており、立ち上がり勾配がないように引廻されている。
開閉弁105cは、開閉弁105aを備えた配管105bをバイパスする如く、スカイラジエター101と保存手段102を接続する配管105dの経路途中に取付けられている。配管105dは、その一部にスカイラジエター101より若干高い位置まで引廻された立ち上がり経路を有し、その上端より保存手段102側に前記開閉弁105cが取付けられている。
貯留タンク111は、ポンプ104の吐出側とスカイラジエター101の間に設けられており、ポンプ104からの蓄熱材を、スカイラジエター101へ供給する前に一旦ここで所定量貯留するものである。この貯留タンク111は、屋外に取付けられていることが好ましい。
三方弁112は、貯留タンク104とスカイラジエター101の間に設けられており、貯留タンク101とスカイラジエター101との連通回路と、大気とスカイラジエター101の連通回路を切換えるものである。
流通制御弁113は、保存手段102と熱交換器103の間に設けられており、保存手段102内にある蓄熱材の熱交換器103への流通を制御する。
上記構成により、蓄熱システム115が構成されているもので、蓄熱材は、スカイラジエター101から開閉弁105を経て、保存容器102、流通制御弁113、熱交換器103、ポンプ104、貯留タンク111、三方弁112、スカイラジエター101の順で一方向に循環する。
また、本実施の形態で使用する蓄熱材は、例えば、株式会社フタバ化学の商品名「エッカ」(登録商標)等で知られるように、第1の温度で液体であり、その第1の温度を越えると固体(ゲル状)となり、さらに高温化して第2の温度以上で再び液体となる蓄熱材を用いる。ここでは、第1の温度を20℃とし、第2の温度を30℃と設定した場合について説明する。前記第1の温度、第2の温度は、前記蓄熱材の特性を変更することにより、用途等に応じて変更することが可能である。
ヒートポンプシステム106は、本実施の形態においては冷暖房を行う空気調和機の冷凍サイクルであり、周知の如く内部に冷媒が封入され、圧縮機107、室外用熱交換器108、減圧手段109、室内用熱交換器110を機能的に環状に配管した通常の蒸気圧縮サイクルである。圧縮機107は往復式圧縮機、ロータリー式、スクロール式等の圧縮機でよく、室外用熱交換器108は、熱交換器103と密着あるいは伝熱的に結合されて熱交換する構造となっており、圧縮機107と共に室外に設置されている。減圧手段109はキャピラリーチューブ、膨張弁等が使用できる。室内用熱交換器110は室内に設置されている。
蓄熱システム115とヒートポンプシステム106の制御を行う制御装置114は、ポンプ104および圧縮機107の運転制御と、開閉弁105a、開閉弁105c、さらに三方弁112、流通制御弁113の開閉制御を行うものである。
以上のように構成された熱利用システムについて、以下その動作を説明する。
まず、夏場に夜間蓄熱した冷熱を、ヒートポンプシステム106の昼間の冷房時に利用することで、ヒートポンプシステム106の省エネルギー化および冷房能力の向上を行う場合について説明する。
日没後、制御装置114により、流通制御弁113および開閉弁105aが閉じられ、開閉弁105cが開放された後にポンプ104を作動させる。これにより、貯留タンク111内の蓄熱材は、スカイラジエター101へ供給される。スカイラジエター101内が蓄熱材で充満されると、開閉弁105cが閉じられ、ポンプ104の作動も停止する。
この動作は、夏場であることから蓄熱材が外気によって30℃以上に熱せられており、液状態であることから、スカイラジエター101への供給動作が可能となっている。
そして、スカイラジエター101内に供給され、内部を満たした蓄熱材は、熱放射により外部に熱を奪われ、冷却される。
このとき、例えば、蓄熱材初期の温度が35℃(308K)で、外気温度が25℃である場合は、外気への放熱に加えて、天空に見える宇宙の−270℃(3K)との輻射伝熱によっても蓄熱材は冷却される。ここで、外気との熱交換より輻射伝熱による熱交換が良ければ外気より低温となる。
つまり、外気より蓄熱材が低温化した場合の外気から蓄熱材の吸熱より、天空と蓄熱材との輻射伝熱が勝るかバランスすることで、外気より低温化を実現できる。このようにして、夜間に蓄熱材が18℃まで冷却されて蓄熱される。
その後、日没中(夜間)に開閉弁105a、105cを開放し、また三方弁112を大気側に切換えることにより、18℃に蓄熱された蓄熱材はスカイラジエター101から重力によって保存手段102に流動する。
必要に応じて保存手段102の適宜箇所に、保存手段102内部の空気を抜くための例えば穴、あるいは周知のバルブ等からなる空気抜き機構(図示せず)を設けることにより、蓄熱材の保存手段102への流入が円滑となる。
また、保存手段102は、断熱構造であるため、保存中における蓄熱材の熱変動は抑制される。
そして、例えば翌日の昼間にヒートポンプシステム106が冷房作動すると、制御装置114により開閉弁105aは閉じられ、開閉弁105cが開放され、また流通制御弁113が開放し、さらにポンプ104が運転される。
その結果、ポンプ104の動作により、保存手段102に保存されていた冷熱が蓄熱された18℃の蓄熱材が熱交換器103へ流通する。
これと同時に、ヒートポンプシステム106は、周知の冷房作動を行う。すなわち、圧縮機107が冷媒を圧縮してヒートポンプシステム106内部の冷媒循環が開始され、室外用熱交換器108が冷媒の凝縮器として機能し高温となる。
ここで、室外用熱交換器108の高温高圧の冷媒は、熱交換器103を流れる蓄熱材の蓄冷熱と熱交換することで、凝縮作用が促進され、低温化して低温高圧の冷媒となり液化する。これは、通常の外気と熱交換する場合に比べて冷熱を蓄熱した外気より低い温度の蓄熱材と熱交換するため、外気との熱交換時に比べて冷媒は低温となり、凝縮圧力が低くなると共に、過冷却を増加させて減圧手段109へ流通する。
このとき、外気が35℃で、例えば、通常の外気との熱交換の場合の凝縮温度が45℃であるとすると、蓄熱材における第1の温度である潜熱温度を20℃、第2の温度である潜熱温度を30℃としているので、熱交換器103が外気と熱交換する温度としては、潜熱域である第1の温度である20℃と第2の温度である30℃が主な温度となり、室外用熱交換器108への主たる通風温度は20℃と30℃の平均温度である25℃となる。このとき、凝縮温度35℃が主たる温度となる。
前述した熱交換器103から室外用熱交換器108への通風温度や凝縮温度は、通風風量や熱交換器面積、熱交換器型式などにより変化するが、ここでは、このように仮定する。
そして、ヒートポンプシステム106側では、前記凝縮された冷媒が減圧手段109から室内用熱交換器110へと流れ、ここで蒸発(吸熱)作用を行い、圧縮機107へ戻り、以下前述の流れを繰り返して居室内の冷房を行う。
一方、蓄熱システム115では、冷媒と熱交換した蓄熱材は2つの潜熱域を過ぎてさらに温度を上昇させ、すなわち液体から固体(ゲル状)に変化し、再び液体となって熱交換器103より流出し、ポンプ104を経て貯留タンク111内に貯留される。
このとき、貯留タンク111の容積容量を保存手段102の容積容量と等しく設定しているため、蓄熱材は、スカイラジエター101に供給されることはない。したがって、蓄熱材は、日中において不必要に太陽熱によって加熱されることはなく、次回の蓄冷作用(夜間における放熱)が効率よく行われる。また、必要に応じて貯留タンク111に内部の空気を抜くための例えば穴、あるいは周知のバルブ等からなる空気抜き機構(図示せず)を設けることにより、蓄熱材の貯留タンク111への流入が円滑となる。
そして、再び日没(夜間)となれば、前述の如く制御装置114によって流通制御弁113および開閉弁105aを閉じ、開閉弁105cを開放し、ポンプ104を作動させる。これにより、貯留タンク111内の蓄熱材は、スカイラジエター101へ供給される。
なお、スカイラジエター101と保存手段102および貯留タンク111の各容積容量を等しく設定すれば、蓄熱材のスカイラジエター101から保存手段102への保存、および保存手段102から貯留タンク111への移動、さらに貯留タンク111からスカイラジエター101への供給において、いずれか(特にスカイラジエター101)に蓄熱材が残存して次回の蓄冷作用に悪影響を与えることも少なくなる。
このようにして、保存手段102で冷熱が蓄熱された蓄冷材は、熱交換器103で冷熱が利用されて高温化し、一旦貯留タンク111に貯留された後にスカイラジエター101に供給され、次の日の冷房利用として夜間の冷熱蓄熱に備えられる。
また、ヒートポンプシステム106では、前述の通り居室内の冷房が行われるが、冷房時の凝縮圧力低下による圧縮比の低減により、圧縮機107の入力が低下するので省エネルギーとなる。さらに、過冷却を増加できるため、その分冷却能力も増加する。
次に、冬場において昼間に蓄熱した温熱を、ヒートポンプシステム106による夜間の暖房時に利用することにより、ヒートポンプシステム106の省エネルギー化、および暖房能力の向上を行う場合について説明する。ここで、暖房の場合は、周知の如く冷凍サイクル中に、冷媒流路を切換える切換弁を設ける構成が一般的であるが、本実施の形態においては、便宜上ヒートポンプシステム106の冷凍サイクル構成は図1に示す構成のままとし、冷媒の流れを逆にして説明する。
なお、夏場の夜間において蓄熱した冷熱を、ヒートポンプシステム106の昼間の冷房に利用した場合での説明と同一構成及び差異がない部分については、詳細な説明を省略する。
例えば、制御装置114により、日の出に合わせて流通制御弁113および開閉弁105aを閉じ、開閉弁105cを開放した後にポンプ104を作動させる。これにより、貯留タンク111内の蓄熱材は、スカイラジエター101へ供給される。スカイラジエター101内が蓄熱材で充満されると、開閉弁105cが閉じられ、ポンプ104の作動も停止する。
この動作は、冬場であることから蓄熱材は外気によって20℃以下に保たれており、液状態であることから、スカイラジエター101への供給動作が可能となっている。
そして、スカイラジエター101内に供給され、内部を満たした蓄熱材は、太陽光により加熱され、液体からゲル状に変化し、第2の温度を超えて再び液体となる。このとき、前記蓄熱材は、スカイラジエター101内における外気との熱交換作用により、太陽光輻射による熱交換加熱が良好であるので外気より高温となる。
その後、日没前のように、前記高温に蓄熱された蓄熱材の温度が所定温度以下に下がらないときを見計らって開閉弁105a、105cを開放し、また三方弁112を大気側に切換えることにより、温熱を蓄熱した蓄熱材は、スカイラジエター101から重力によって保存手段102に流動する。
その後、夜間にヒートポンプシステム106が暖房作動すると、制御装置114により開閉弁105aは閉じられ、開閉弁105cが開放され、また流通制御弁113が開放し、さらにポンプ104が運転される。
その結果、ポンプ104の動作により、保存手段102に保存されていた温熱蓄熱された蓄熱材が熱交換器103へ流通する。
これと同時に、ヒートポンプシステム106は、周知の暖房作動を行う。すなわち、圧縮機107が冷媒を圧縮してヒートポンプシステム106内部の冷媒循環が開始され、室内用熱交換器110が冷媒の凝縮器として機能し高温となる。そして、室内用熱交換器110で居室内の空気と熱交換することで、居室内空気を高温化し、冷媒は低温化して減圧手段109へ流れ、ここで減圧して室外用熱交換器108へ流れる。
そして、室外用熱交換器108で冷媒が蒸発し、低温化してガスとなり圧縮機107に吸入される。
このような冷媒循環サイクルで暖房が継続される。
上述の如くヒートポンプシステム106による暖房時において、室外用熱交換器108では、熱交換器103に流通する温熱を蓄熱した蓄熱材と熱交換することで、冷媒の蒸発温度は高温化し、蓄熱材は低温化する。
これは、通常の外気と熱交換する場合に比べ、温熱を蓄熱した外気より高温の蓄熱材と熱交換するため、通常外気との熱交換時に比べて冷媒の蒸発温度は高温となり、蒸発圧力が高くなる。
例えば、外気が5℃であれば、通常の外気との熱交換なら蒸発温度は5℃未満となるが、太陽光で35℃以上に蓄熱された蓄熱材と熱交換するので、蒸発温度は約15℃の温度になる。
そして、冷媒と熱交換した蓄熱材は2つ潜熱域を過ぎてさらに温度を上昇させ、すなわち液体から固体(ゲル状)に変化し、再び液体となって熱交換器103より流出し、ポンプ104を経て貯留タンク111内に貯留される。
そして、再び日の出となれば、前述の如く制御装置114によって流通制御弁113および開閉弁105aを閉じ、開閉弁105cを開放し、ポンプ104を作動させる。これにより、貯留タンク111内の蓄熱材は、スカイラジエター101へ供給される。
このようにして、保存手段102で温熱が蓄熱された蓄冷材は、熱交換器103で温熱が利用されて低温化し、一旦貯留タンク111に貯留された後にスカイラジエター101に供給され、次の日の暖房利用として昼間の温熱蓄熱に備えられる。
また、ヒートポンプシステム106では、前述の通り居室内の暖房が行われるが、暖房時の蒸発圧力低下による圧縮比の低減により、圧縮機107の入力が低下するので省エネルギーとなる。
以上のように、潜熱型蓄熱材が蓄熱と熱搬送媒体の役割を果たすことが可能となるため、放射冷却や太陽熱の加熱による蓄熱温度の変化を抑制でき、蓄熱した熱を効率よく利用側へ伝熱できるのでシステム全体を小型化でき、据付けコストも安価となる。さらにシステム構成も簡素化され、メンテナンスも容易となる。
なお、本実施の形態においては、ヒートポンプシステム106を、空気調和機の場合について説明したが、同様のヒートポンプの原理で高温の給湯を創出する周知の構成からなるヒートポンプ式給湯装置についても、同様に実施できる。
例えば、熱源側熱交換器を図1の室外用熱交換器108に相当させ、冷媒の流れを暖房サイクルと同じ流れにすれば、利用側熱交換器(図1の室内用熱交換器110に相当)で高温が得られ、これを熱源に給水タンク内で水と熱交換させることによって高温の給湯が得られる。
以上のように、本発明にかかる熱利用システムは、自然現象におけるエネルギー源を利用可能または価値の高いエネルギーとして回収利用するため、用途としてヒートポンプ応用システムとの組合せ適しており、省エネルギー等で大きな効果が期待できる。
101 スカイラジエター
102 保存手段
103 熱交換器
104 ポンプ
105a 開閉弁
105c 開閉弁
106 ヒートポンプシステム
111 貯留タンク
114 制御装置
115 蓄熱システム
102 保存手段
103 熱交換器
104 ポンプ
105a 開閉弁
105c 開閉弁
106 ヒートポンプシステム
111 貯留タンク
114 制御装置
115 蓄熱システム
Claims (7)
- 放射冷却等による冷熱または太陽熱による温熱を蓄熱する蓄熱手段と、前記蓄熱手段で蓄熱した熱を利用するための利用手段と、前記蓄熱手段で蓄熱し前記利用手段へ搬送する熱搬送媒体とから構成される蓄熱システムを備え、前記熱搬送媒体を、融解潜熱または蒸発潜熱を有する蓄熱材とした熱利用システム。
- 前記熱搬送媒体に、第1の温度以下で液体であり、前記第1の温度を越える温度で固体またはゲル状であり、前記第1の温度を越えた温度よりさらに高い温度である第2の温度以上で液体となる性質を有する蓄熱材を用いた請求項1に記載の熱利用システム。
- 前記蓄熱手段で蓄熱した熱を前記利用手段で利用する前に一時的に保存する保存手段を設け、前記保存手段を、大気と断熱した断熱容器より構成した請求項1に記載の熱利用システム。
- 前記蓄熱システムに、前記熱搬送媒体を搬送する動力手段と、前記蓄熱手段の近傍に位置する弁を設け、さらに前記蓄熱手段を傾斜状態に配置し、前記利用手段または前記保存手段の少なくとも一方を、前記蓄熱手段の下端部と接続し、前記接続位置を前記利用手段または前記保存手段より上方の位置とした請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の熱利用システム。
- 前記利用手段の熱を、ヒートポンプサイクルを備えた機器の少なくとも一部と熱交換させる請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の熱利用システム。
- 前記ヒートポンプサイクルを備えた機器を、空気調和機またはヒートポンプ式給湯システムとした請求項5に記載の熱利用システム。
- 前記蓄熱手段に、冷熱蓄熱時は外気温より低温で蓄熱し、温熱蓄熱時は外気温より高温で蓄熱するスカイラジエターを用いた請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の熱利用システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005317931A JP2007127291A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | 熱利用システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005317931A JP2007127291A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | 熱利用システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007127291A true JP2007127291A (ja) | 2007-05-24 |
Family
ID=38150093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005317931A Withdrawn JP2007127291A (ja) | 2005-11-01 | 2005-11-01 | 熱利用システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007127291A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101487619B (zh) * | 2008-01-15 | 2010-09-29 | 徐佳义 | 利用太阳能驱动的被动式逆向换气系统 |
KR101248469B1 (ko) * | 2012-08-07 | 2013-03-27 | 정진홍 | 고효율의 공기열원 히트펌프 장치 및 이의 제어방법 |
CN104676904A (zh) * | 2015-01-30 | 2015-06-03 | 上海理工大学 | 热水器 |
KR101729573B1 (ko) * | 2015-12-14 | 2017-04-25 | 한국기계연구원 | 용융염볼을 이용한 축열장치 |
CN109210610A (zh) * | 2018-09-13 | 2019-01-15 | 山东亿佑机电科技有限公司 | 一种温湿分控冷暖空调和新风和热水多联系统 |
-
2005
- 2005-11-01 JP JP2005317931A patent/JP2007127291A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101487619B (zh) * | 2008-01-15 | 2010-09-29 | 徐佳义 | 利用太阳能驱动的被动式逆向换气系统 |
KR101248469B1 (ko) * | 2012-08-07 | 2013-03-27 | 정진홍 | 고효율의 공기열원 히트펌프 장치 및 이의 제어방법 |
CN104676904A (zh) * | 2015-01-30 | 2015-06-03 | 上海理工大学 | 热水器 |
KR101729573B1 (ko) * | 2015-12-14 | 2017-04-25 | 한국기계연구원 | 용융염볼을 이용한 축열장치 |
CN109210610A (zh) * | 2018-09-13 | 2019-01-15 | 山东亿佑机电科技有限公司 | 一种温湿分控冷暖空调和新风和热水多联系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2006313034A (ja) | 地中熱利用装置 | |
US20100038441A1 (en) | Energy system with a heat pump | |
KR100619444B1 (ko) | 태양열 시스템을 이용한 하이브리드형 수축열식 냉난방시스템 | |
US20070044494A1 (en) | Super Energy Saver Heat Pump with Dynamic Hybrid Phase Change Material | |
KR20120137743A (ko) | 냉난방시스템에서의 잉여열 활용장치 | |
US11408614B2 (en) | Temperature management system | |
KR20130062963A (ko) | 온실 상부 잉여열을 보조열원으로 구비하는 하이브리드형 지열냉난방 시스템 | |
CN102753916B (zh) | 空气调节热水供给系统 | |
JP3036634B1 (ja) | 分散型ヒートポンプ装置による地域冷暖房システム | |
CN104673191A (zh) | 一种四丁基溴化铵水溶液 | |
JP2991337B1 (ja) | 未利用熱源氷蓄熱ヒートポンプ装置 | |
JP2988905B2 (ja) | 土壌熱源氷蓄熱ヒートポンプ装置 | |
JP2007127291A (ja) | 熱利用システム | |
CN105423590B (zh) | 吸收式冷冻系统 | |
CN109724250A (zh) | 一种高低温相变蓄热式供能装置及控制方法 | |
AU2014298101B2 (en) | Temperature management system | |
JP5503167B2 (ja) | 空気調和システム | |
JP5751599B2 (ja) | 給湯冷暖房システム | |
JP2006010137A (ja) | ヒートポンプシステム | |
KR101361853B1 (ko) | 수열원을 보조열원으로 이용한 공기열원 히트펌프의 수열이용 장치 | |
US20090288430A1 (en) | Heat pump with thermal energy transfer unit and method | |
JPH0522837B2 (ja) | ||
JP5040094B2 (ja) | 熱利用システム | |
KR20140089271A (ko) | 공기 지열 복합 열원 이원 사이클 히트펌프 냉난방 장치 | |
CN110749004B (zh) | 土壤与相变材料耦合蓄能的新风多级处理系统及运行方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081009 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20090302 |