JP2007125924A - 人工衛星の姿勢決定系 - Google Patents

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Abstract

【課題】低周波数用の姿勢センサに広帯域検出用の慣性センサを加えることで、姿勢制御系に与える高周波の振動成分を取り除き、真の人工衛星姿勢変動のみを出力して、低周波数までの帯域で人工衛星の姿勢変動を正確にジャイロで検出することができる高精度の人工衛星用姿勢センサおよび姿勢決定系を提供する。
【解決手段】人工衛星の姿勢センサとなるジャイロ内部のリバランスループ2と積分器4との間に高周波擾乱除去用フィルタ3を備えた構成とする。
【選択図】図1

Description

この発明は、人工衛星の姿勢制御用の姿勢センサと姿勢決定系の構成に関するものである。
一般に、人工衛星などの宇宙航行体は、姿勢センサや慣性航法装置を組み合わせて姿勢角度、および姿勢角速度を検出あるいは推定している。人工衛星は、この検出あるいは推定された姿勢角および姿勢角速度を目標値と比較して、その差が0になるように姿勢制御回路で演算し、姿勢制御を行っている。人工衛星自体の姿勢角度および姿勢角速度を検出あるいは推定する機能を姿勢決定という。
従来は、恒星センサとジャイロを使用した慣性基準装置によって人工衛星角速度を検出する低周波姿勢決定工程と、高周波センサとローパスフィルタとフィードバック型姿勢検出フィルタとを使用して広帯域の姿勢を決定する工程とを備え、低周波域では、恒星センサと慣性基準装置とからなる低周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させ、それより高い高周波域では上記高周波センサを含む高周波姿勢決定部からの出力に系全体を追従させるフィードバックによって各センサのゲイン特性の重複による乱れを自動的に平坦化するようにした人工衛星の広帯域姿勢制御方法が提案されている。(例えば特許文献1参照)
この従来技術は、低周波側の恒星センサとジャイロからの出力が、常に真値として姿勢決定系に取り込まれ、人工衛星の姿勢制御が行われていた。しかし、ジャイロ出力は、サンプリング周波数が10数Hzと低く、また、その特性も多くは2次ローパス特性であることから人工衛星搭載のモーメンタムホイールや他機器による微小振動(以下、擾乱という)の周波数が高く、またその振幅が大きい場合には、実際にエリアシングと呼ばれる現象によりサンプリング周波数以上である擾乱成分が低周波に変化して、慣性基準装置の出力に高周波擾乱が混入してしまう。そのため、慣性基準装置による低周波姿勢決定部で算出される姿勢推定角および姿勢推定角速度に誤差が生じてしまうため、本質的に広帯域で高精度の制御を行うには問題があった。
特開2000−142594号公報
従来技術の問題点は、低周波帯域と高周波帯域用に姿勢センサがそれぞれ正確な値を出力することを前提としていたことである。従来の人工衛星では、観測機器やアンテナの指向精度要求が低いため、アンテナ駆動、リアクションホイール、モーメンタムホイール、観測機器内部の駆動物から発生する擾乱に伴う微小振動による影響が、姿勢センサで取得されたデータに含まれていても人工衛星の姿勢制御や観測機器の指向精度の要求を十分に満足できていた。
しかし、近年、天文衛星や地球観測衛星において、搭載される観測機器で極めて高い指向安定度が要求されるようになっており、これまで問題にならなかった搭載機器の擾乱による微小振動の影響が無視できなくなっている。これらの擾乱に伴う微小振動は、ジャイロを設置する衛星構体パネルにも生じる。そのため、ジャイロで検出される角速度(角度増分)は、真の人工衛星姿勢変動と駆動物の擾乱により生じた取り付けパネルの回転成分とが含まれたものとなってしまう。
擾乱の周波数成分の多くは、姿勢制御系の制御周波数帯域程度、即ち10数Hz程度以上である。通常、ジャイロには、二次程度のローパスフィルタが設けられており、姿勢制御の帯域以上の高周波については、取り除かれるようになっている。しかし、通常、人工衛星の内部擾乱は、このフィルタではジャイロから出力される信号に含まれる高周波成分を十分に落とすことができないほどの振幅を持っている。
そのため、このフィルタで落としきれない成分は、エリアシングと呼ばれる現象が生じて、低周波数の擾乱に変化して姿勢決定系にデータを取り込まれてしまい、実際には無い周波数成分の姿勢変動が検出されることになる。姿勢決定系にこれらのデータを取り込んだ場合、誤った姿勢角、姿勢角速度を推定し、さらに、これらの推定角を用いて、広帯域姿勢制御を実施する場合には、姿勢制御に誤差が生じることとなる。
この発明は、このような問題点に対処するためになされたもので、上述のような姿勢制御系に与える高周波の振動成分を取り除き、真の人工衛星姿勢変動のみを出力する姿勢センサおよび姿勢決定系を提供することを目的とする。
この発明に係る人工衛星の姿勢決定系は、人工衛星の姿勢センサとなるジャイロ内部にリバランスループと、その出力側に設けられた高周波擾乱除去用フィルタと、上記フィルタの出力を積分する積分器とを有するジャイロ検出系及び高周波擾乱を計測する広帯域検出系を備えたものである。
この発明に係る人工衛星の姿勢決定系は上記のように構成されているため、姿勢制御で問題となる低周波数(〜10数Hz)までの帯域で人工衛星の姿勢変動を正確にジャイロで検出することが可能となる。
その理由は、通常の構成であれば、人工衛星の姿勢変動による回転も取り付けパネルの共振により生じる回転角も区別なく、ジャイロに取り込まれてしまうが、この発明のように低周波数域から高周波数域までの広帯域の擾乱を測定可能な回転角速度検出センサを設置することにより、打上げ前後にかかわらず、内部擾乱を検出し、ジャイロの出力フィルタ特性を変更すること、あるいは、姿勢決定系のサンプリングをすること、もしくは、高周波擾乱を除去するようにジャイロの取り付けパネルとジャイロの間に緩衝器を設けることで人工衛星の姿勢変動のみを精度良くセンシングすることができる。
また、精度良く姿勢変動をセンシングすることにより姿勢制御の精度向上が図られ、この姿勢制御の精度向上により地球観測衛星、天文衛星の観測画像の分解能を上げることが可能となる。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による姿勢センサの構成を示す概要図であり、具体的には、姿勢センサであるジャイロ12(図3)の内部の構成を示すブロック図である。図1に示すセンサは、一般的なジャイロの構成であるリバランスループ2と積分器4の間に高周波擾乱成分除去用フィルタ3を設けたものである。
図1において、ジャイロ検出系1では、衛星構体13(図3)で生じる角度を入力し、微分器20によって微分することにより角速度を検出した後、リバランスループ2に入力する。リバランスループ2は、図12(a)に周波数利得特性、同図(b)に周波数位相特性を示すように、周波数特性が二次のローパスフィルタとされているため高周波数の擾乱が小さい場合には、ジャイロ出力が高周波擾乱の影響を受けることはない。
しかし、モーメンタムホイールやリアクションホイールを運転した場合には回転数に伴い、図11に示すように高周波擾乱が支配的で、さらに回転数により周波数成分も変化する。さらに擾乱のレベルが高い場合には、図10に示すように高周波成分がエリアシングの影響を受けて、実際の擾乱周波数が、低周波成分に変化して検出されてしまうため、実際の人工衛星姿勢変動とは異なった値が姿勢決定系に取り込まれてしまう。
そこで、高周波擾乱成分除去用フィルタ3を設けてアナログ出力の角速度を出力するようにしている。この角速度は、さらに、積分器4を介して、角度増分が姿勢決定系5に取り込まれる。通常、この姿勢決定系5のサンプリング周波数は10数Hzとされている。
このような構成とすることにより、高周波擾乱成分除去用フィルタ3により図11に示すような高周波成分の影響が取り除かれて、図7に示すように真の低周波衛星姿勢角速度を検出することが出来る。さらに、真の低周波衛星姿勢角速度が推定されることで、姿勢決定系5に取り込まれるデータの誤差が小さくなるため高精度の姿勢制御が可能となる。
実施の形態2.
次に、この発明に実施の形態2について説明する。姿勢センサの構成は、実施の形態1と同じであるため図示および説明を省略する。実施の形態1では、図1に示すように高周波擾乱成分除去用フィルタ3を設けているが、実施の形態2は、このフィルタを可変とし、必要に応じて、フィルタパラメータを変更することができるようにしたものである。
このような構成とすることにより、地上試験データにもとづき打上げ前に決定していた高周波擾乱成分の周波数が,打上げ後軌道上において変化した場合にも、パラメータを適切に設定することが可能となり、高周波擾乱成分の影響を取り除くことが可能となる。
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3について説明する。姿勢センサの構成は、実施の形態1と同じであるため図示および説明を省略する。実施の形態1では、図1に示すように高周波擾乱成分除去用フィルタ3を設けているが、実施の形態3は、この高周波擾乱成分除去用フィルタ3のパラメータを、衛星搭載の様々なセンサデータから擾乱成分を推定して決定するようにしたものである。ただし、これらのセンサは、高周波擾乱成分を検出するために設置されたセンサに限定されるものではない。
このような構成とすることにより、高周波擾乱成分検出用にセンサを設置する必要が無いためセンサの構成を大幅に簡略化することができる。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。図2は、実施の形態4による姿勢センサの構成を示す概要図であり、具体的には、姿勢センサ、ジャイロ12の内部の構成を示すブロック図である。また、図3は、ジャイロ12と衛星構体13との設置位置関係を示す概要図で、加速度センサ11は、ジャイロ12の外部に接するように設けられている。
図2に示す姿勢センサは、二重の破線で示すジャイロ検出系1と、二重の実線で示す姿勢決定系5と、破線で示す広帯域検出系10とから構成されている。ジャイロ検出系1は、実施の形態1と同様であるため対応部分に同一符号を付して説明を省略する。
広帯域検出系10は、人工衛星の低周波姿勢変動を検出するジャイロ検出系1に対してはノイズとなる高周波数のパネル共振などによる回転の周波数成分および大きさを検出するために設けられたものである。
この広帯域検出系10は、ジャイロ12の筐体に図4に示すように、加速度センサ11を取り付けて、擾乱成分、具体的には加速度を計測するようにしている。測定した加速度から次のように角加速度を算出する。
Figure 2007125924
さらにこの角加速度データを1階積分して、取り付け面で発生する高周波数の擾乱成分を含む回転角速度を算出する。次に、角速度のスペクトル処理部8により図11に示されるような角速度データを求める。次に、高周波擾乱成分検出部9において測定された加速度に含まれる高周波数の擾乱成分を検出する。
ここで検出された高周波の擾乱成分がジャイロ検出系1の出力に悪影響を与えないように、高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部6で高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3のパラメータ、具体的にはカットオフ周波数と次数であるが、このパラメータを高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3に入力して特性を決定する。
このとき、設定するフィルタパラメータは、図11に示すような高周波擾乱成分の影響が十分無視できる程度に小さくするように設定する。次に、高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部6でのフィルタ設定方法について具体的に説明する。ここでは、リアクションホイールによる擾乱の影響を回避するための方法を例にあげて説明する。
まず、図11のデータからホイールの回転数範囲全帯域のスペクトルを包絡する角速度スペクトルを算出し、図5に示すようなデータを結果として求める。図5では円で示す部分が擾乱成分である。ただし、これら高周波数擾乱成分が、実際に、ジャイロ出力に影響を与えるのは、これら高周波数擾乱成分がリバランスループ2の内部にあるローパスフィルタを通った後の値であり、その値は、図5に示す周波数特性に、図12(a)から得られるゲインをかけて求めたものであり、例えば図6に示すようになる。この図6における応答が、ジャイロレートの1bit分Ωmin以下程度になるようにフィルタを設計するものである。
なお、フィルタ特性の基準となるジャイロレートとして1bit分以下の場合を例示したが、この値は、人工衛星の指向精度要求によって異なるため、それぞれの仕様を満足するように規定値を決めれば良い。ここで、決定されたフィルタパラメータをジャイロ検出系内部の高周波擾乱成分除去用フィルタ3に入力する。
このような構成とすることにより、高周波擾乱成分除去用フィルタ3により図10に示すような高周波成分の影響が取り除かれて、図7に示すように真の低周波衛星姿勢角速度を検出することが出来る。さらに、真の低周波衛星姿勢角速度が推定されることで、姿勢決定系5に取り込まれるデータの誤差が小さくなるため高精度の姿勢制御が可能となる。
実施の形態5.
次に、この発明の実施の形態5について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態5は、図2における高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3を、擾乱周波数が単一で限定される場合には、その限定された周波数成分を除去できるようなノッチフィルタを設ける構成とするものである。
このような構成とすることにより、姿勢角速度の出力の位相遅れを小さくすることが可能となり、姿勢制御を高精度化することが可能になる。
実施の形態6.
次に、この発明の実施の形態6について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態4では、広帯域検出用センサとして、図3及び図4に示すように、4個の加速度センサ11をジャイロ12に設置する構成としたが、実施の形態6は、3個の加速度センサ11を120度間隔でジャイロ12に設置し、面内の回転成分を除く2軸成分を算出するようにしたものである。なお、その他にもジャイロを設置する人工衛星の構体パネル面13の面内2軸角度変動が算出可能な配置であれば、どのような配置にしても良い。
このような構成とすることにより、広帯域検出系で処理するデータ量が低減されるため高周波擾乱除去用フィルタのパラメータ決定までの時間を短縮することが可能になる。
実施の形態7.
次に、この発明の実施の形態7について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態4では、図3に示すように、加速度センサ11をジャイロ12の筐体の外部に設けているが、実施の形態7は加速度センサ11をジャイロ12の内部に搭載するものである。
このような構成とすることにより、ケーブルの引き回しが必要ないため空間を有効利用することが可能になる。
実施の形態8.
次に、この発明の実施の形態8について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態4では、図2〜図4に示すように、広帯域検出系10において加速度センサ11をセンサとして用いているが、実施の形態8では加速度センサ11を使用せず、広帯域の2軸のジッタセンサをジャイロ12に設置して広帯域検出用センサとして使用するものである。
このような構成とすることにより、先に示す加速度から角速度への変換演算が省略されるためデータ処理の負荷を低減することが可能となり、また、データ処理の構成を簡素化することが可能になる。
実施の形態9.
次に、この発明の実施の形態9について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態4では、図4に示すように、ジャイロ12の筐体に接するように加速度センサ11を配置しているが、実施の形態9はジャイロ12の筐体と衛星構体13との間に擾乱周波数よりも高い共振周波数を持つパネル(図示せず)を設置して、そのパネル上に加速度センサ11とジャイロ12を配置するものである。
このような構成とすることにより、加速度センサ11をジャイロ12の筐体に取り付けた場合と同様にジャイロに入力される加速度を検出することが可能になる。
実施の形態10.
次に、この発明の実施の形態10について説明する。姿勢センサの構成は実施の形態4と同じであるため図示及び説明を省略する。実施の形態4では、高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部6におけるフィルタ設定過程で、図5に示すように、ホイールの回転数範囲全帯域のスペクトルを包絡するように角速度スペクトルを作成する場合に、モーメンタムホイールの回転数全範囲を包絡するようにしているが、実施の形態10はモーメンタムホイールやリアクションホイールのように回転数が変化して擾乱周波数が変化してしまうような擾乱源ではなく、擾乱が定常擾乱に限定される場合には、図11に示すデータから図5を求めることなく、広帯域慣性センサを用いて図5に示す角速度スペクトルを直接求め、高周波擾乱成分検出部9で擾乱成分を検出して高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部6でフィルタのパラメータを決定するようにしたものである。
このような構成とすることにより、リアクションホイールおよびモーメンタムホイールの回転数スイープをする場合と比較して、短時間で角速度スペクトルを求めることが可能になる。
実施の形態11.
次に、この発明の実施の形態11を図にもとづいて説明する。図8は、実施の形態11による姿勢制御系の構成を示すブロック図である。この図において、図2と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。図2と異なる点は、サンプリング周波数が可変なサンプラ14と高周波擾乱除去用ローパスフィルタ3により構成されるジャイロ出力後処理系15を設けた点である。
通常の角速度検出は実施の形態4と同様に、姿勢決定系5の一定のサンプリング周波数で姿勢センサからの出力を取り込むこととなるが、広帯域検出系10において、サンプリング周波数以上の擾乱成分が検出された場合、姿勢決定系5に取り込まれる角速度は、エリアシングによる影響で実際には、高周波成分である擾乱が低周波に化けてしまう。
広帯域検出系10で高周波の擾乱成分を把握し、エリアシングの影響を受け難くするようにサンプリング周波数に設定できる可変サンプラ14のサンプリング周波数を擾乱周波数よりも十分に高い周波数に設定することにより、擾乱成分が低周波数に変化することなくジャイロ出力後処理系15に取り込まれる。
さらに、特性可変な高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3を設けている。この高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3は、広帯域検出系10において検出された高周波擾乱データに基づき、フィルタパラメータを設定する。パラメータの設定は、実施の形態2で示した方法で決定する。
これら可変サンプラ14と特性可変な高周波擾乱成分除去用ローパスフィルタ3により、高周波擾乱のエリアシングによる低周波化を回避することができ、さらに、高周波擾乱成分も除去されるため人工衛星姿勢角を検出することが可能となる。広帯域検出系10において計測された擾乱が単一周波数成分の場合には、ノッチフィルタを設けても良い。
なお、サンプラのサンプリング周波数と姿勢制御系の周波数が異なることもあるが、その場合には、角度増分を積算して、姿勢制御系の周波数にリサンプリングすることで対応可能である。
このような構成とすることにより、ジャイロ検出系1の出力を、姿勢決定系5に取り込む前に、ジャイロ出力後処理系15により高周波擾乱を除去することが可能となり、姿勢決定系に取り込まれる角度増分に高周波擾乱による誤差が混入しないため、姿勢決定系5における姿勢角および姿勢角速度が高精度に推定可能となり、姿勢制御による誤差を小さくすることが出来る。
実施の形態12.
次に、この発明の実施の形態12を図にもとづいて説明する。図9は、実施の形態12による姿勢制御系の構成を示すブロック図である。この図において、図2と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
上述した図2及び図8の構成では、センサの検出系信号にフィルタ処理を行なうことで高周波擾乱成分を除去し、あるいはサンプリングを可変することで、エリアシングによる高周波擾乱成分の低周波化を回避して、高周波擾乱成分の影響を除去していたが、実施の形態12は図9に示すようにジャイロ12に高周波擾乱成分が入力されないように衛星構体13とジャイロ12の筐体の間に振動絶縁系16を設置するものである。振動絶縁系16は、広帯域検出系10で検出された高周波擾乱成分の影響が無視できるように特性を可変としている。
このような構成とすることにより、ジャイロ12から出力される姿勢角度増分に混入する高周波擾乱成分を取り除くことが可能となるため、姿勢決定系における姿勢角および姿勢角速度を高精度に推定することが可能となり、姿勢制御による誤差を小さくすることが出来る。
実施の形態13.
次に、この発明の実施の形態13について説明する。上述した図2、図8、図9の構成では、広帯域検出系10の内部で高周波擾乱成分の検出まで行なっているが、実施の形態13はスペクトル処理部8までをオンボードで実施し、その結果をテレメトリで地上に送信して、オフラインで高周波擾乱成分除去用フィルタ3のパラメータとサンプラのサンプリング周波数を決定し、人工衛星にそれらパラメータを送信するものである。
このように構成すれば、高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部6では最適な高周波擾乱成分除去用フィルタ3と可変サンプラ14のサンプリング周波数を決定することが出来ない場合に、有効である。また、広帯域検出系10で取得した角加速度データの容量が大きく、オンボードでの処理に時間がかかる場合には、この角速度データをテレメトリとして地上に伝送し、事後処理解析により、高周波擾乱成分除去用フィルタ3と可変サンプラ14のサンプリング周波数を決定し、人工衛星にそれらパラメータを送信しても良い。
このような構成とすることにより、高周波擾乱成分除去用フィルタ3と可変サンプラ14のサンプリング周波数を決定するために必要な時間を短縮させることが可能となる。
この発明の実施の形態1による姿勢センサの構成を示す概要図である。 この発明の実施の形態2による姿勢センサの構成を示す概要図である。 実施の形態2におけるジャイロと衛星構体との設置位置関係を示す概要図である。 ジャイロに対する加速度センサの配置状態を示す説明図である。 擾乱スペクトルを示す周波数特性図である。 ジャイロの周波数特性を持つフィルタを通した後の擾乱スペクトルを示す図である。 実施の形態2により検出される姿勢角速度応答図である。 この発明の実施の形態11の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態12による姿勢制御系の構成を示すブロック図である。 従来の姿勢センサによるジャイロの角速度検出結果を示す説明図である。 姿勢センサに入力される擾乱の一例を示す特性図である。 リバランスループを有するジャイロの入・出力の伝達関数の一例を示す図である。
符号の説明
1 ジャイロ検出系、 2 リバランスループ、
3 高周波擾乱成分除去用フィルタ、 4 積分器、 5 姿勢決定系、
6 高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部、 7 2階積分、
8 スペクトル処理部、 9 高周波擾乱成分検出部、 10 広帯域検出系、
11 加速度センサ、 12 ジャイロ、 13 衛星構体、 14 サンプラ、
15 ジャイロ出力後処理系、 16 振動絶縁系、 20 微分器。

Claims (11)

  1. 人工衛星の姿勢センサとなるジャイロ内部のリバランスループと積分器との間に高周波擾乱除去用フィルタを備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢決定系。
  2. 上記ジャイロ内部に設けられた高周波擾乱除去用フィルタのパラメータを、可変としたことを特徴とする請求項1記載の人工衛星の姿勢決定系。
  3. 上記ジャイロ内部に設けられた高周波擾乱除去用フィルタのパラメータを、衛星搭載センサデータにもとづいて決定し得るようにしたことを特徴とする請求項2記載の人工衛星の姿勢決定系。
  4. 人工衛星の姿勢センサとなるジャイロ内部のリバランスループと積分器との間に高周波擾乱除去用フィルタを備えたジャイロ検出系及び高周波擾乱を計測する広帯域検出系を備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢決定系。
  5. 上記広帯域検出系は、ジャイロ内部またはジャイロ外部に接するように設置され、角速度を検出するセンサを有することを特徴とする請求項4記載の人工衛星の姿勢決定系。
  6. 上記広帯域検出系は、ジャイロに入力される角度変動の周波数成分について分析することが可能なスペクトル処理部と、人工衛星の姿勢変動以外の高周波擾乱成分を検出する高周波擾乱成分検出部とを有することを特徴とする請求項4記載の人工衛星の姿勢決定系。
  7. 上記広帯域検出系のセンサで検出したデータを地上に伝送し、地上で擾乱成分を推定すると共に、地上からの伝送にもとづいてフィルタ回路の特性を変更し得るようにしたことを特徴とする請求項4記載の人工衛星の姿勢決定系。
  8. 上記ジャイロ検出系の高周波擾乱除去用フィルタと上記広帯域検出系との間に、高周波擾乱成分除去用フィルタパラメータの決定部を設けたことを特徴とする請求項4記載の人工衛星の姿勢決定系。
  9. 人工衛星の姿勢センサとなるジャイロ検出系及び上記ジャイロ検出系に接続され、サンプラと高周波擾乱成分除去用フィルタとを有するジャイロ出力後処理系並びに高周波擾乱を計測する広帯域検出系を備えたことを特徴とする人工衛星の姿勢決定系。
  10. 上記ジャイロ出力後処理系のサンプラのサンプリングタイミング及び高周波擾乱成分除去用フィルタのパラメータを上記広帯域検出系のデータにもとづいて決定することを特徴とする請求項9記載の人工衛星の姿勢決定系。
  11. 衛星構体パネルとジャイロとの間に設置した振動絶縁系を設け、上記ジャイロ検出系の高周波擾乱を除去することを特徴とする人工衛星の姿勢決定系。
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